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2013年4月24日 第1回厚生科学審議会感染症部会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成25年4月24日9:00〜11:00


○場所

厚生労働省 省議室


○出席者

渡邊部会長 青木委員 磯部委員 大石委員 岡部委員
小野寺委員 賀来委員 北村委員 小森委員 渋谷委員
白阪委員 竹内委員 林委員 廣田委員 深山委員
前田委員 蒔田委員 皆川委員 南委員 山田委員
谷口参考人

○議題

(1)厚生科学審議会感染症部会について
(2)鳥インフルエンザA(H7N9)について
(3)ロタウイルスのサーベイランスについて
(4)その他

○議事

○結核感染症課課長補佐(難波江) 定刻となりましたので、ただいまより第 1 回「厚生科学審議会感染症部会」を開催させていただきます。開会にあたり、矢島健康局長より御挨拶申し上げます。

○健康局長 健康局長の矢島です。委員の先生方には大変お忙しいところ、また朝早くからお集まりをいただきましてありがとうございます。御存じのように、今回の予防接種制度の改正に伴い、今まで感染症分科会ということであったわけですが、新しく 4 1 日から感染症部会という形で、厚生科学審議会の下にこの部会が置かれることとなりました。何とぞよろしくお願いいたします。

 本日の議題は、部会に関してのこと、中国で発生している鳥インフルエンザ A(H7N9) の今後の取扱いについての御審議と、ロタウイルスのサーベイランスに関する御審議、重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) に関する御議論を予定しておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。簡単ですが、私の挨拶とさせていただきます。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 事務局より、本部会について御説明いたします。資料 1 を御覧下さい。局長からも話がありましたが、今年の 2 13 日の第 12 回感染症分科会感染症部会でも御報告させていただきましたとおり、今年の 4 1 日より感染症分科会が廃止されたことに伴い、厚生科学審議会のすぐ下にこの感染症部会が再設置されました。厚生科学審議会令により、部会長は当該部会に属する親会議の委員の互選により選出することとなっており、厚生科学審議会の委員の先生に事前にお諮りしたところ、当感染症部会の部会長は渡邉委員にお願いすることとなりましたので、御報告いたします。

 続いて委員の出席状況を御報告いたします。本日は、味澤委員、古木委員、山川委員より御欠席の連絡を頂いております。林委員からは遅れる旨の御連絡を頂いております。また、参考人として、国立病院機構三重病院の谷口清州先生に御出席いただいております。現時点で定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立することを御報告いたします。ここからは、渡邉部会長に議事の進行をお願いいたします。

○渡邉部会長 議事に先立ち、事務局より資料等の確認をお願いいたします。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 議事次第、配布資料、以降資料 1 から資料 11 までと、参考資料 1 から 4 までを用意しております。御確認いただきまして、不足がありましたらお申し付け下さい。冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。

○渡邉部会長 本日の議題の確認をさせていただきます。議題 (1) は先ほど事務局より説明がありました、「厚生科学審議会感染症部会の設置について」の説明。議題 (2) は「鳥インフルエンザ A(H7N9) について」の議論です。議題 (3) は「ロタウイルスのサーベイランスについて」、議論いたします。皆様には、円滑なる議事進行のための御協力をお願いいたします。議題 (1) について、事務局から説明をお願いいたします。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 資料 1 から資料 3 、参考資料 1 に基づいて御説明させていただきます。先ほど申しましたとおり、この 4 月から本部会は厚生科学審議会に直結する部会として再設置されています。資料 1 が設置についての概要です。審議事項は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する重要事項を処理すること。また、検疫法及び感染症法の規定により、厚生科審議会の権限に属された事項を調査審議をすることとなっています。資料 2 は委員名簿です。資料 3 は、運営細則(案)です。本日は、こちらの細則(案)について御審議いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○渡邉部会長 細則(案)についてですが、資料 3 に書かれている厚生科学審議会の中に感染症部会を設置するということです。事務局から説明をお願いいたします。

○結核感染症課課長補佐(難波江) こちらに、ほかの審議会並びでこのような形で設置させていただいておりますが、もしこれでよろしければ、こちらで御了承いただければと考えております。

○渡邉部会長 コメント等がありましたらお願いいたします。

                                (特に発言なし)

○渡邉部会長 よろしいようでしたら、部会としてこの内容を承認するということで次に進みます。

 議題 (2) は「鳥インフルエンザ A(H7N9) について」、資料 4 の説明を事務局からお願いいたします。

○結核感染症課課長補佐(齋藤) 資料 4 「鳥インフルエンザ A(H7N9) への対応について」、御説明させていただきます。こちらは昨日時点、毎日厚生労働省内で取りまとめている日報を参考にお話させていただきます。「これまでの経緯」ですが、本年 3 31 日に、中国政府が鳥インフルエンザ A(H7N9) ウイルスに 3 名が感染し、そのうち 2 名が死亡していたことを公表いたしました。このヒトから検出された H7N9 ウイルスは、これまでヒトへの感染は知られていないものでした。

 その後、中国国内でサーベイランスが強化され、日々患者の報告がされています。現在までに 5 2 市から患者の報告があります。現在感染が確定したものが、今朝の時点で 108 名、そのうち死亡者が 22 名報告されており、その他にも重症者が多数報告されています。

H7N9 ウイルスについて、これまでウイルス学的な解析、疫学的解析、それから感染源に係る調査が行われてまいりました。その詳細と、総合的なリスク分析については大石先生から御報告いただきますが、幾つか簡単に申し上げます。感染源については、いまだに決定的な証拠は見出されていないところですが、このウイルスの遺伝子的な由来が、これまで鳥にまん延していたウイルスに由来するということ。上海市内の市場で採取された鳥のサンプルから同じ H7N9 ウイルスが検出されていることなどから、鳥からヒトへの感染が疑われているところですが、これについてはまだ確定的なことは言われておりません。

 患者との濃厚接触者の調査が多数行われていて、 WHO の公表に基づけば、 1,000 名以上の調査が行われているところですが、幾つかの家族内での発症例はあるものの、ヒトからヒトへの持続的な感染はないと報告されています。

2 ページで「厚生労働省の対応」です。厚生労働省では、ヒトからヒトへ持続的に感染し、更に非常に病原性が強いものになるという新型インフルエンザに変化することも可能性の 1 つと考え、省内の体制を確認し、整備を行っているところです。特に情報収集を強化し、関係者と情報共有を行うとともに、国民に対して情報提供を実施しております。

 主な対応として、 4 2 日に検疫所のホームページに発生状況の掲載を始めました。 3 ページに移り、同日全国の自治体に対して発生状況を情報提供しています。 4 3 日には検疫所においてポスターを掲示、中国への渡航者と、中国からの帰国者へ注意喚起を行い、また医療機関に対して症例情報の提供を依頼する通知を発出しております。 4 10 日には、中国から A(H7N9) ウイルス株を分与され、これが国立感染症研究所に到着し、ワクチン株の開発や検査セットの準備を進めています。この検査セットについては、各地方衛生研究所や検疫所に既に発送されて体制が整備されています。 4 19 日には、大石委員より御説明いただきますが、国立感染症研究所よりリスクアセスメントを発表しました。以上のような対応となっております。資料 4 については以上です。

○渡邉部会長 資料 4 、資料 5 、資料 6 を説明していただいた後に、皆さんから御質問を頂きます。続いて、感染研でリスクアセスメントをした結果が 4 19 日に感染研のホームページにアップデートされていますが、これについての概略の説明を疫学センターの大石委員にお願いいたします。

○大石委員 資料 5 を御覧下さい。 4 19 日にリスクアセスメントを国立感染研で公表いたしました。これについては、現時点で得られている情報に基づいてリスクアセスメントをしております。今後、当面は 1 2 週間おきに定期的にリスクアセスメントを更新していく予定です。

 「疫学的所見」については、先ほど厚生労働省から報告があったとおりです。現在、症例数は 108 例に及んでいます。症例の男女比は 2.7 で男性に多い。年齢は中央値 64 歳であり、範囲は 4 歳から 87 歳と幅広いのですが、壮年あるいは高齢者に多い傾向にあります。一部の症例の 60 %程度に、家禽との接触歴が認められておりますが、感染源は特定されておりません。

 公表されている死亡例 3 例の情報では、患者の臨床像は全身症状を伴う肺炎です。ノイラミニダーゼ阻害剤は発症から 7 日ないし 8 日目に投与されていて、治療の遅れが重症化に関連している可能性があります。軽症例及び無症候性の感染者が報告されていて、感染者における臨床像・自然経過・免疫応答・治療反応性等の情報の集積が待たれるところです。ヒト - ヒト感染の可能性については、 3 月下旬に同一家族内での複数の有症者が発生した事例があることなどから、限定的なヒト - ヒト感染が起こっている可能性も否定できないと考えています。ただし、確定例に対する接触者調査からは、ヒト - ヒト感染は確認されておりません。

 「ウイルス学的所見」です。この情報は、中国 CDC と、杭州 CDC から、ヒト分離ウイルス、鳥、環境から分離されたウイルス 7 株のウイルス遺伝子配列を、シーケンスデータベースに公開され、これを国立感染研を含む各国の研究機関が解析を行っております。この結果に基づいて、このリスクアセスメントがされております。言えることは、ヒト分離ウイルス、鳥分離ウイルスというものは、塩基配列上は、ヒト分離ウイルスの 1 株だけは塩基配列上では他の 3 株とは区別され、共通の祖先から分岐した別系統の近縁ウイルスが同時期に伝播していることが考えられています。

 上海市鳥市場のハト、ニワトリ及び環境からの分離ウイルスの解析からは、上記ヒトウイルスのうちの 3 株と類似性が高いことが示されております。系統樹解析から示されているのですが、明らかに塩基配列が異なる部分があり、今回報告された鳥分離ウイルスが、今回報告された患者さんに直接感染したものとは考えにくいという所見が得られております。

 ウイルスの特徴として、ヒト分離ウイルス 4 株全てのヘマグルチニン HA 遺伝子は、ヒト型のレセプターへの結合能を上昇させる変異を持っています。また、ヒト分離株全ての PB2 遺伝子には、 RNA ポリメラーゼの至適温度を鳥体温である 41 ℃から哺乳類の上気道温度 34 ℃に低下させる変異が観察されています。これらの株については、ヒト上気道に感染しやすく、また増殖しやすいように変化している可能性が強く示唆されています。

 一方、鳥、環境からの分離ウイルス 3 株の HA 遺伝子の解析では、ヒト型のレセプターへの結合能が上昇しておりましたが、 RNA ポリメラーゼの至適温度を低下させる変異は観察されておりません。この辺が、ヒト分離ウイルスと鳥分離ウイルスの違いが見られたという所見です。

 今回の 4 症例、鳥、環境から分離されたウイルスの遺伝子解析の結果からもう 1 つ言えることは、鳥に対してはこれらのウイルスは低病原性であり、家禽、野鳥に感染しても症状を起こさないと考えられます。また、一般的に H7 亜型のインフルエンザウイルスというのは、ブタにも不顕性感染であることが知られています。したがって、この系統のウイルスが、これらの哺乳動物の中で症状を示さずに伝播されて、ヒトへの感染源になっている可能性もあると考えられます。

 もう 1 つ大事な所見は、ノイラミニダーゼ NA 遺伝子の塩基配列からは、ヒト分離株のうちの 1 株が、抗インフルエンザ薬のオセルタミビル及びザナミビルに対する感受性が低下するような所見が指摘されました。しかし、他のウイルスには突然変異の所見はなかったのですが、現時点でのこれらのウイルスの酵素活性測定結果では、これは中国で行われた結果ですけれども、オセルタミビル、ザナミビルには感受性があると結論付けられています。

 これらが主なウイルスの所見です。これらの疫学的、ウイルス学的所見に基づいてリスクアセスメントをしております。現在、感染源、感染経路は十分絞り込めていませんので、特に国内未発生の段階においては、中国の感染源、感染経路調査に情報交換をして協力していく必要があると考えています。今後、鳥インフルエンザ A(H7N9) ウイルス感染者が、中国から国内に入国する可能性がありますので、情報収集・リスクの評価・必要な対応に関する準備を行っていく所存です。

 また、当面は帰国者に対しては、発熱、肺炎等の明らかな臨床所見を示す鳥インフルエンザ A(H7N9) ウイルス感染を疑う患者に対し、確定検査を積極的に実施していくことが必要であります。現在、地方衛生研究所においても、 PCR 検査によって、 H7 亜型の検査ができる体制が整っております。限定的なヒト - ヒト感染が起こっている可能性があることから、国内に入国した感染者から、家族内などに二次感染が起こり得ることを想定しております。

 また、鳥インフルエンザ A(H7N9) ウイルス感染者の患者が発生した場合は、患者の搬送時を含め、適切な感染防止対策を取ること、また事例を通じた感染リスクの評価を行うこと、適切に情報提供を行うことを目的とした積極的疫学調査の実施が必要と考えております。また、患者さんの治療について、専門家のコンサルテーションを受けることができる体制を整えておくことが必要であると考えています。なお、このウイルスはノイラミニダーゼ阻害剤に感受性であるとされていることから、早期診断・早期治療により、重症例の減少が期待できると考えております。現時点でヒト - ヒト感染は確認できていませんが、ヒト分離の鳥インフルエンザ A(H7N9) ウイルスが、ヒトへの適応性を高めていることは明らかであり、パンデミックを起こす可能性は否定できないと考えています。適時のリスク評価に基づき、パンデミックへの対応強化を準備していきたいと考ています。以上です。

○渡邉部会長 続いて資料 6 に基づいて、「鳥インフルエンザ A(H7N9) の感染症法上の取扱い等について」の説明を事務局からお願いいたします。

○結核感染症課課長補佐(齋藤) 資料 6 と参考資料 2 を御覧下さい。資料 6 2 ページから説明させていただきます。感染症法上の鳥インフルエンザ A(H7N9) の位置付けについてですが、現状をまずお話させていただきます。感染症法では、感染症を罹患した場合の重篤性、感染力、感染経路等を総合的に勘案し、一類感染症から五類感染症に分類し、それぞれの分類に応じて可能な措置を決定しております。これ以外に、緊急時等への対応として、指定感染症、新型インフルエンザ等感染症、新感染症の分類を設定しています。

 インフルエンザのうち、主に鳥の間で感染力を持つインフルエンザがヒトに感染するものを鳥インフルエンザと言っておりますが、これについては感染症法上、四類感染症に位置付けておりますので、現在の H7N9 についても四類感染症に位置付けられることになります。 H5N1 型に限り、その病原性や感染力、新型インフルエンザへの変異のおそれを考慮し、二類感染症に位置付けているところです。鳥インフルエンザ A(H5N1) については、更に検疫感染症に指定しており、検疫法に基づき、診察・検査等の所要の措置を講ずることが可能になっております。これらの措置の詳細については 3 ページと 4 ページに表で示しております。

3 ページは、「感染症法に基づく主な措置の概要」です。赤い囲みで二類感染症とありますが、鳥インフルエンザの H5N1 はこちらに入ります。右の赤い囲みの四類感染症に、それ以外の鳥インフルエンザが入ります。そして左に、この感染症に基づき取ることができる措置を並べており、それぞれのカテゴリーで取れる措置を○、取れないものを×で示しております。御覧のとおり、二類感染症、四類感染症ではできる措置に幾つか違いがあります。擬似症患者への適用から入院勧告・措置、生活用水の使用制限の所まで、こちらは四類感染症ではできず、二類感染症でしかできない措置です。その他、医師の届出、積極的疫学調査の実施といった所は、どちらのカテゴリーでも取ることができるということを示している図です。

4 ページは、「検疫法に基づく隔離・停留等の措置の概要」です。検疫感染症の中の H5N1 については、「 2 3 号に基づき政令で指定する感染症」というカテゴリーに入り、質問、診察・検査、消毒等を検疫で行える。しかし、隔離・停留はできないというカテゴリーに入っています。

2 ページに戻って、現行法上の課題です。 H7N9 については、四類感染症に位置付けられるため、二類感染症並みの入院措置や、就業制限等の措置を講ずることはできません。そのため、仮に国内で発生した場合に、当該患者に対して、適切な医療を公費により提供することができず、患者の生命及び健康に支障を及ぼすおそれがあると考えられます。

 入院措置の公費負担に関しては、参考資料の 4 ページ、スライド番号 4 に記載があります。新感染症、一類感染症、二類感染症については公費の負担がありますが、三類感染症、四類感染症、五類感染症には公費負担はないことになります。

 資料 6 2 ページに戻ります。検疫法上、現在 H7N9 は位置付けられておりませんので、検疫法に基づく検査・診察等の対象にはなりません。そのため、入国段階での把握ができないため、感染症法に基づく措置に効果的につなげることができないおそれがあると考えられます。

5 ページは、今回の「対応方針(案)」です。鳥インフルエンザ A(H7N9) に対して、鳥インフルエンザ A(H5N1) 並みの対応が可能となるよう、速やかに政令で指定感染症及び検疫感染症に指定してはどうか、というのが本日御審議いただきたい内容です。この指定感染症というのは何かについては、下に感染症法の抜粋があります。既に知られている感染性の疾病であって、この一類から三類等で行うことができる措置、これらの全部又は一部を準用しなければ、当該疾病のまん延により、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるものを指定感染症と言っております。

 この指定感染症については、 1 年以内の政令で定める期間に限るものですが、第七条 2 項にあるように、また、 1 年以内に評価を行い、更にこの措置の規定の準用が必要であると認められる場合には、 1 年以内の政令で定める期間に限り延長することができるものとなっております。また、その際には厚生科学審議会の意見を聴かなければならないものとなっております。これに併せて、インフルエンザ A(H7N9) ウイルスを、 H5N1 ウイルスと同様、政令で四種病原体等に指定し、適正な管理を実施してはどうか等も併せて御審議いただきたい内容です。

6 ページです。 H5N1 と並びの措置を取るということでお話をいたしましたが、この H5N1 2006 年に指定されたときの背景と、今回の背景の比較をお話いたします。 H5N1 については、 2003 12 月以降、 2006 4 月の時点で世界で 194 人の発症事例が報告されておりました。 2006 1 月に、トルコで発生した鳥インフルエンザの患者から検出されたウイルスにおいて、ヒトへの細胞へ結合しやすい変異が見られ、鳥からヒトへウイルスが感染しやすくなってきていることが示されていた、という背景がありました。こうした状況を踏まえ、 2006 4 月に感染症分科会を開催し、 H5N1 を指定感染症及び検疫感染症に指定することについて議論し、了承をいただき、 2006 6 月に政令を公布しております。

 今回の H7N9 は、 2013 3 31 日に中国政府は 3 名の感染を公表以降、本日時点で患者数は 108 名、そのうち死亡数 22 例の発症事例が報告されており、また重症事例も多いこと。そして、感染者の報告が急速に増加しているという背景があります。先ほど、大石委員からもお話を頂いたように、鳥からヒトへ感染しやすくなっている可能性があるとの報告があり、またヒトからヒトへの感染の変異のおそれがあることが示唆されているところです。更に日本と中国間では、ヒトの往来も頻繁であり、 H5N1 と比べ、国内で患者が発見される可能性というのは同程度以上にあると考えられます。

7 ページは、 H7N9 に準用する規定です。第 8 条から第 44 条までのそれぞれの条項について、どれを準用するか、しないかというものを示しております。比較として H5N1 の場合、 H5N1 以外の鳥インフルエンザの場合ということで比較しております。今回適用する内容は、 H5N1 とほぼ同じ内容が取れるような形で考えております。

8 ページは、感染症法に基づく病原体等管理規制上の分類についてです。感染症法に基づく病原体等管理規制では、人為的な感染事故や、病原体の盗取・盗難等を未然に防止することを目的に病原体を選定し、一種から四種に分類した上で所持等に関する規制を行っております。

 この規制事項については 9 ページに詳細があります。一種から四種までの具体的な病原体の選定と分類は、国際的な規制の動向、病原体等の安全管理の必要性、病原体等が引き起こす感染症の重篤性等を総合的に勘案して区分しています。この規制等の対象となる病原体の分類の考え方については、 10 ページに詳細を記載しております。

 これまでインフルエンザ A ウイルスについては、血清亜型が H2N2 H5N1 又は H7N7 であるもの及び新型インフルエンザの病原体となるものについては、四種病原体等に分類されています。現行の病原体等管理規制における対象病原体の選定と分類については 11 ページに詳細がありますので御覧下さい。

12 ページは今回の提案です。感染症法に基づく病原体等管理規制において、鳥インフルエンザウイルスについては、四種病原体等にこれまで分類されているところです。今回の H7N9 ウイルスについて、国立感染症研究所では、安全管理の必要性、感染の重篤性等を総合的に勘案し、バイオセーフティレベルを BSL3 に分類しております。これらの経緯を踏まえ、 H7N9 ウイルスについては、所持者がバイオセキュリティ・バイオセーフティに関する施設基準や保管基準等を遵守する義務を負う四種病原体等に指定することが適当ではないかと考えており、これについて御審議をお願いいたします。資料 6 については以上です。

○渡邉部会長 事務局と大石委員から、現在中国で起こっている鳥インフルエンザ A(H7N9) の疫学情報等についての説明と、事務局から今回の感染症法上の取扱い等についての説明がありました。まず、資料 4 と資料 5 に基づいて、現状の把握等についての御質問等がありましたらお願いいたします。

○小林委員  1 点教えてください。中国と我が国とは医療提供体制が随分異なっております。今は 108 名の確定患者と 22 名の死亡者ということです。これらの方々のノイラミニダーゼ阻害剤の処方の実態、その効果等について、もし情報がありましたら教えてください。

○大石委員 今、詳細が分かる症例の治療状況は非常に限られた症例で、論文になっているのは 4 例ぐらいしかないと思います。こちらが欲しいノイラミニダーゼ阻害剤の治療効果等々に関する詳細な情報は、まだ十分に得られていないのが現状だと思います。

 ただ、死亡例に関しては先ほど申しましたように、全くノイラミニダーゼ阻害剤を使用されずに亡くなった方とか、タイミングが非常に遅い患者さんが分かっている程度です。

○小林委員 情報収集は大変困難かと理解しております。引き続き情報収集にお努めをいただきたいと思います。ありがとうございました。

○渡邉部会長 ほかに御質問、あるいはリスクアセスメントの結果に関してコメントや御意見がありましたらお願いいたします。

○岡部委員 情報に応じて順次リスクアセスメントされるということも書いてあるのですが、これはどのぐらいの間隔でやる予定ですか。

○大石委員 冒頭で申しましたように 1 2 週間と考えております。最初は 19 日に公表して、次のタイミングは来週ぐらいに、新たな WHO 等々からの情報が出ればアップデートしていきたいと考えています。

○北村委員 話の中でヒト - ヒト感染の可能性も否定できないということが繰り返し話題になっておりました。一般の人にとっては、それに対する不安が非常に起こっているように思います。ヒト - ヒト感染であることを確定するには、どういう状況が整ったときに証明できるのでしょうか。

○大石委員 確定症例から、次の確定症例に対して、ウイルス学的な診断が証明されることがまず 1 点です。それが、更に疫学的に二次感染があるかどうかという接触調査等を行い、次の人に感染が起こっているということが、ウイルス学的に証明されることが大事な所見だと考えられています。

○岡部委員 ヒト - ヒト感染について、少し言葉上の誤解を招きやすいのですけれども、限定的なヒト - ヒト感染と、持続的なヒト - ヒト感染とは非常に分かりにくいという質問をよく頂きます。不特定多数に広がってくるのがヒト - ヒト感染であり、家族内でも、 H5N1 でも例えば夫婦感染が見られていないので、ヒト - ヒト感染も極めて限定的であるという表現をしています。ヒト - ヒト感染そのものを、すぐにキーワードにしていくとちょっと危険が高いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○大石委員 確定症例の感染源と考えられる鳥であるのかヒトであるのかが、確定できていないところが問題だろうと考えております。

 無症候感染者が確認されていることから無症候感染者から、次の感染者に感染が起こっている。すなわち、そこが限定的なヒト - ヒト感染が否定できないと言っている根拠なのです。そういう状況から今のところリスクアセスメントとしては、ヒト - ヒト感染も考えておかなければならない、ということを申し上げています。

○賀来委員 今の議論ですけれども、ヒトからヒトに感染する。いわゆるウイルスは実際には伝播していても、もちろん無症候で発症していないケースもあるわけです。ですから、ヒト - ヒト感染という言葉が、マスコミの方も含めてですけれども、伝播すればすぐに発症してしまうという印象を非常に与えてしまうというところはあるのだと思います。そういう意味では、今回 WHO がどこまで抗体検査をしているか分かりませんけれども、実際には伝播はあっても症状が発現していない人もいるわけですし、実際に通常の季節性インフルエンザでもあり得るわけです。

 ヒト - ヒト感染という言葉が良いかどうかというのは、ヒト - ヒト伝播というのは当然あり得るのではないか。ただ、それが実際には激しい症状を起こしていない場合もあるでしょうし、無症候性の場合もあるので、そういった意味で今後ヒト - ヒト伝播という言い方が良いのかどうか分かりませんが、そういう形のほうが適切かもしれないと思います。

○岡部委員 付け加えるような言い方で申し訳ないのですけれども、ヒト - ヒト感染だけが唯一のキーワードではなくて、そこはシリアリティ、重症度も十分に考慮して判断すべきではないかと思います。

○廣田委員 重症度との関連で意見を申し上げます。 H5 のときに致死率 60 %と言って、かかったら 60 %死ぬという大変な殺人ウイルスみたいな、 SF みたいな説明が独り歩きしたことがあります。当時、 WHO では致命率 Case fatality ratio proportion あるいは rate と表現せずに、 ratio 比として公表しました。すなわち、分母と分子が、そういう proportion の関連を持って届け出られてはいない。だから、これは ratio として公表されていました。今回は 20 %ということになるわけですが、 ratio として取り扱われるかどうかということには十分注意をして、そしてデータの公表をしていただきたいと思います。

○賀来委員 今週、外務省の要請で上海と北京に出向いて、在留邦人の方々に感染症対策の説明会といいますか相談会を開きます。上海も北京もそうですけれども、上海には 5 万人以上の日本人がいて、かなり不安が広がっているのが事実だと思います。そういうときにも今の議論はすごく重要で、伝播ということと、その感染はウイルスが移って、それがすぐに重症化するというような考え方ではないということも含め、是非感染研と WHO のデータも含め、いろいろな情報が入りましたら、是非ともまたそういうことも含めて抗体検査のデータや、今のヒト - ヒト伝播の実際のデータがありましたら公表といいますか、情報をフィードバックしていただければと思います。

○大石委員 賀来委員がおっしゃっておりますように、感染後の抗体検査がなされると、いろいろ無症候性感染、あるいは軽症例も分かってくるのかと思うのです。この情報が今はほとんどない状況ですので、上海市の情報が得られるようであれば是非提供していただければと思います。

○白阪委員 リスクアセスメントの所で言われているのですけれども 、サーベイランスの対象としては、中国からの帰省者に対して、肺炎等の症状があって、インフルエンザを疑う場合は、従来のインフルエンザの検査をし、それで陽性になった方を確定するためにこの検査セットを使うという考え方でよろしいのでしょうか。

○感染症情報管理室長 そのとおりです。

○渡邉部会長 今、議論がありましたように、そもそもこれにかかった場合の抗体が実際にどのぐらい上がるのかということが大分議論されています。皆さんも新聞等で御存じのように、ヒトがこのウイルスに対してナイーブである、かかった経験があまりないということで、抗体の上昇が非常に悪いのだろうと思われます。免疫的記憶細胞もほとんどないのではないかということで、その辺の研究等も感染研で始めています。かつ、中国 CDC 等々との情報交換ということで、いろいろなインフォメーション等を得ようということで努力しておりますので、そのうちに実際中国がどういう方法で抗体検査等をしているのか、その辺の詳細が分かってくれば、もう少しはっきりしたデータ等がこの部会等も含めて公表できるようになるのではないかと思います。もう少し待っていただければと思います。

 ほかにはよろしいでしょうか。よろしいようでしたら、資料 6 に基づいて、この鳥インフルエンザは現在の段階だと四類感染症になるわけです。今のような状況を考慮すると、それでは対応が十分ではないのではないかということで、指定感染症という形にすることにより、二類感染症で対応できる対応の幾つかをこの中に入れ込もうというのが、厚生労働省から出された案です。その案の 1 つとして、 7 ページにありますように、擬似症患者への適用とか、医師への届出状況及び医療の提供状況及び就業制限等の問題等が幾つか上がってきています。これらに対応することでよろしいかどうかという御意見をお願いいたします。

○岡部委員 質問です。指定感染症の場合に、資料 6 2 枚目の裏側に、「検疫法に基づく隔離・停留等の措置の概要」の所で、指定感染症になった場合は、隔離・停留が可能であると読めたのですが、この場合は停留も中に考慮されているのでしょうか。私は、考慮されていない方がいいと思っています。

○結核感染症課課長補佐(齋藤)  4 ページの検疫感染症の所の話かと思います。検疫感染症には 3 種類あり、 2 1 号に規定するもの、 2 2 号に規定するもの、そして 2 3 号に基づき政令で指定する感染症とあります。今回、 H7N9 については、「 2 3 号に基づき政令で指定する感染症」というカテゴリーに入れようと考えていて、その場合には隔離・停留はできないことになります。

○岡部委員 確認なのですけれども、その下に書いてある「法 34 条に基づき政令で指定する感染症」の隔離、停留、消毒等の全部又は一部という、その停留に関しては対象にならないという考え方でよろしいですね。

○結核感染症課課長補佐(齋藤) なりません。

○岡部委員 特措法が施行されて法律として動いているわけです。特措法の対象疾患で私が記憶しているのでは、新型インフルエンザ等というのと、新感染症だと思うのです。これが指定感染症となった場合には、少なくとも現在は特措法の対象とは考えられないということの確認が 1 点です。

 もし、非常に重症度が高くてまん延度がかつてないような広がりであるということを考えた場合、特措法になった場合はもう一回議論がきちんと行われて、特措法になるかどうかを考えるというようなことでいいのでしょうか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 特措法は新型インフルエンザ等となっていますが、「等」は新感染症になりますので、この指定感染症は対象となっておりません。まん延した場合には新型インフルエンザになりますので、感染症法上の位置付けも新型インフルエンザになりますので、それはまた別扱いになります。その時点で特措法の対象となりますので、そこで緊急事態宣言を出すかどうかはまた別の判断になります。

○渡邉部会長 今のだと、進み具合がなかなかよく分からないところがあると思うのです。現在これは四類感染症に匹敵するのを指定感染症にして、その後どういう状況になったときに新型インフルエンザ等感染症、いわゆる感染症法の新型インフルエンザ等感染症に移行していくのか。その後に、その中でどのようなクライテリアになったときに特措法の方に移行していくのか。どういう状況だと、そういう可能性が出てくるのかというのを少し分かりやすく説明していただければと思います。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 新型インフルエンザについては、厚生労働大臣が、これは新型インフルエンザであると公表した段階で、感染症法上の新型インフルエンザになるということで、こちらの審議会の審議を経ずにそういう形になります。それは、 2009 年もそういう形になっておりました。それを受けて特措法の方で動くわけです。特措法の方では、別途有識者会議が出来ていて、その中でどういう対応をするかということを御議論いただく形になります。

○前田委員 東京都の前田です。指定するかということについて、全国衛生部長会の幹事の間で若干議論をさせていただきました。基本的には対応方法が明確になるということで、指定することが適切ではないかということでした。現下ではヒト - ヒトのまん延するような感染性があるということが明確でないということ、必ずしも重症になるとは限らないというシビアリティの問題等々、今御議論いただきましたことと同様の考え方から、やはり少し過剰な対応にならないかという懸念の声も一方でありました。

 結論としては、今回第 19 条に指定することは適切であると思われますけれども、恐らく日本の現状ではかなり軽症な症例や無症候性病原体保有者も発見されてしまう可能性があるので、第 19 条の入院勧告というのはあくまでもできる規定であって、まん延のおそれがあると知事が判断した場合に行うといったところなど、二類相当に指定されたということはどういう意味なのかを、十分住民やマスコミの方にしっかりとリスクコミュニケーションしていただき、十分御理解いただきたいということです。

 つまり、指定感染症となったことで、前回の H1N1 のように、感染を確認された方は直ちに入院しなければならない、隔離されるのだというような論調に至らないよう、是非その点についてよろしくお願いしたいというのが、全国衛生部長会の意見です。

○渡邉部会長 厚生労働省から何かありますか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) そこは、十分留意して施行したいと思います。

○渡邉部会長 ほかに御意見がありましたらお願いいたします。

○澁谷委員 やはり保健所でも同じように考えています。指定感染症にあらかじめ準備をしておくことは必要だろうと考えますが、今の日本の医療の状況を考えますと、まず命に関わるような場合には、自主的に治療していただける体制は十分に取れているだろうと考えています。医療費に公費を提供することを前面に挙げるのではなく、感染症として、まだ感染性や病原性についてまだ分からない部分がたくさんあるわけですから、その部分でも十分な説明をしていただきたいと思っています。

 それから、四類感染症から二類感染症に準じた扱いになることについてです。 7 ページを見ますと、疑似症への対応や、先ほど前田委員も言われましたが、特に人権に関わるような問題の部分で、例えば、情報公開などは○になっていますが、これは△ではいけないのか。対応についてもう少し丁寧な検討が必要ではないかと思っています。いずれにしても、こういったものが国民に出たときに、先ほどのヒト - ヒト感染もそうですが、受け取り方によっては混乱を招く可能性がありますので、十分な説明をお願いしたいと思います。

○渡邉部会長 厚生労働省から何かコメントはありますか。

○結核感染症課課長補佐(齋藤) 指定感染症にしている点については、病原体等の特性などの分からない部分もあり、すぐに二類に位置付けるのではなく、一方で、十分な措置を取ってしっかりと経過を見守っていくことが必要であるという観点から、指定感染症というカテゴリーにおいて定期的に見直しをしていくことになっています。今後きちんと説明は行っていきたいと思います。

 追加で、 7 ページの表に 1 つ訂正があります。第 12 条「医師の届出」の所の「準用の有無○」の※で、「無症状病原体保有者を除く」と記載されていますが、四類感染症でも無症状病原体保有者は既に届出の対象になっていますので、御留意いただきたいと思います。ですから、第 12 条「医師の届出」の「準用の有無」は「−」になります。

○渡邉部会長 もう 1 回、「−」の意味を言ってください。

○企画法令係長  12 条の「医師の届出」について、既に四類感染症の無症状病原体保有者も届出対象になっているので、今回、指定感染症になったとしてもそれは対象ですが、「鳥インフルエンザ( H5N1 以外)」の所で「△」になっているのは、疑似症患者に適用がないためです。今回、第 8 1 項を準用するというのは、疑似症も含めて適用するということで「○」にしています。

○渡邉部会長 そうすると、第 12 条の所はどうすればいいのですか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 「○」です。

○渡邉部会長 ○でいいのですね。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 法律の造り上は、既に「△」になっているので、無症候は準用しないのですが、実効上、無症候も疑似症も確定例も報告は頂くとするものです。ただ、措置が異なります。第 18 条に「就業制限」というものがありますが、二類感染症であれば無症候も就業の制限ができるのですが、今回の指定感染症は就業の制限の対象にはなりません。

○岡部委員 確認ですが、無症候の病原体保有者がいた場合に、届出の対象にはなるけれども、その人に対する制限及び入院の法的な対象にはならないということでいいですか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) はい、そういうことです。

○岡部委員 もう 1 点、確認させてください。指定感染症の場合に発症者は入院になると思いますが、その場合は、一類・二類という指定医療機関ではなく、一般医療機関で呼吸器感染症患者としての十分な扱いをして入院になるということでいいのですか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 入院勧告する場合は、指定医療機関に入院していただく。それによって公費の対象となるということです。

○岡部委員 二類の医療機関ですね。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 一種・二種、特定で大丈夫です。

○前田委員 そうしますと、無症状病原体保有者は、法第 18 条の就業制限の対象にはならないけれども、第 19 22 条の入院から退院の対象にはなるということですか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) ならないです。

○前田委員 そうすると、 19 22 条の所にも※が付くのですか。

○企画法令係長 感染症法上の第 18 条の就業制限の条文には「患者又は無症状病原体保有者」が対象になっているので、そこは入念に無症状病原体保有者を除くために※を付けているのですが、第 19 条以下の入院の条文では、そもそも「患者」だけが適用になっているので除く必要がない。そのため※を付けていません。結論は、無症状病原体保有者は入院措置の対象にはなりません。

○前田委員 以前は若干そういう対応が取られたようなこともありましたので。非常に軽症で無症候性インフルエンザに見まがうような方も、一律に入院させてしまうような事態もあったので確認させていただきました。

○結核感染症課課長補佐(難波江) それは新型インフルエンザということでしょうか。

○前田委員 そうです 、2009の際です。

○岡部委員 適用するための目的についてです。 H5N1 あるいは H1N1 のときにもよく言われましたが、これによって完璧にウイルスの侵入を阻止することが目的ではなくて、重症者から早く発症を見つけ、そこから感染が及ばないようにして、重症の方を早く救うことが目的であるということでよろしいですか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) はい、結構です。

○渡邉部会長 ほかにございますか。

○皆川委員 四種病原体の取扱いについて、質問と確認をさせていただきたいと思います。私ども衛生研究所では四種病原体は慣れているのですが、このほかに家畜伝染病予防法上の病原体の所持許可申請が必要だという話を聞いたりしています。病原体について、現在の所持に関して必要なことについて確認させてください。

○感染症情報管理室長 今、感染症法と家畜伝染病予防法の 2 つの法律の話が出ました。感染症法については、ここで御提案している四種病原体等ということではいかがかということです。四種病原体等の規制については、資料 6 9 ページに「感染症法に基づく病原体等管理規制の規制事項一覧」で、四種の基準の遵守が項目になってきます。どのような病原体が対象になっているかというのは、 11 ページを御覧いただきますと入っていますように、例えば腸管出血性大腸菌など、そういったものと同等の管理をしていただくことになります。

 もう 1 つの、家畜伝染病予防法については、我々はこの法律を所管しておりませんが、事前に農林水産省に確認しましたところ、 H7 という A 型インフルエンザは高病原性鳥インフルエンザになっていく可能性があるということなので、これを所持する場合には農林水産大臣の許可の対象になると聞いています。ウイルスを分離した場合に、譲渡等をせずに保管してそれを使用する場合には大臣許可が必要になりますので、家畜保健所等にまず御相談いただきたいと思います。速やかな手続をお願いするよう、こちらから農林水産省に伝えています。

○渡邉部会長 よろしいでしょうか。

○皆川委員 追加で確認です。万一、この病原体により新型インフルエンザとなった場合には扱いは変わるのでしょうか。

○感染症情報管理室長 新型インフルエンザとなった場合には、 H1N1pdm のときも同じだったのですが、先ほどの資料 6 11 「新型インフルエンザ等感染症の病原体」で、同じ四種ですが、そちらの対象になります。

○渡邉部会長 皆川先生、それでよろしいですか。ほかにございますか。

○山田委員 獣医師の届出が準用されると思いますが、この場合、動物種は鳥類全てなのか、それとも何か特定の種を規定するのか、その辺はお分かりでしょうか。

○感染症情報管理室長 鳥類が対象になります。

○渡邉部会長 皆さん、疑問等は大体出尽くしたと考えてよろしいでしょうか。これ以上質問等がないようでしたら、皆さんの今までのコメント等によりますと、これを感染症法上の指定感染症に指定することについてはよろしい、また、四種病原体等にすることについても御異議はないということです。ただ、あまり過剰な対応にならないようということと、国民に十分に内容を説明していただきたい。特に 7 ページでは「※」が付いているいないで齟齬が出ていたようなので、できればこの辺の説明を文書で、この感染症を指定感染症にするときには、例えば無症状の病原体の場合には届出はどうなのかなど、丁寧に書いた文書を同時に出していただくと理解しやすいのではないかと思います。よろしくお願いしたいと思います。

○結核感染症課課長補佐(難波江) その辺りは届出基準・届出様式を設けてお知らせいたします。そちらを読んでいただければ分かる形になると思います。

○岡部委員 注文です。そのときに、なぜこういうことをやったかの目的を書いておいていただきたいと思います。先ほど申し上げたように、これによって 1 匹も封じるということでは決してなく、早期検知のためと重症者の治療であろうと思います。

○渡邉部会長 幾つか出た各委員からの御意見等を踏まえて、説明文等もよろしくお願いしたいと思います。

 続いて、議題 (3) の「ロタウイルスのサーベイランスについて」に移ります。資料 7 を事務局から、資料 8 を谷口参考人から説明してください。

○結核感染症課課長補佐(難波江) お手元の資料 7 「ロタウイルスのサーベイランスについて」御説明いたします。「背景」は、厚生科学審議会の感染症分科会予防接種部会で取りまとめられました「予防接種制度の見直しにについて(第二次提言)」に関して、 7 ワクチンの接種促進及びロタウイルスワクチンの評価の必要性について、昨年 5 月に提言がされています。今般、その提言を受けまして、予防接種法が改正され 4 1 日から施行されています。その改正が、 7 つのワクチンのうち 3 つ、 Hib 、小児肺炎球菌、子宮頸がん予防ワクチン( HPV )が定期接種化されました。現在、引き続き、残りの 4 つのワクチン、水痘、おたふくかぜ、成人肺炎球菌、 B 型肝炎ウイルス、また、ロタウイルスワクチンについても定期接種も含めた検討が行われています。

 ロタウイルスワクチンについては、我が国では平成 23 7 月にロタリックス、平成 24 1 月にロタテックという 2 種類のワクチンが承認されていまして、既に任意接種として接種が行われているほか、一部自治体で助成事業が実施されています。現在、感染症法上は、水痘、おたふくかぜ、成人肺炎球菌、 B 型肝炎については届出対象疾病となっていますが、ロタウイルスについては感染性胃腸炎として定点での報告がされています。今後は、ワクチン接種の影響などで疾病の発生動向が大きく変化する可能性があるので、ロタウイルスについてもその動向を十分に把握できる体制を整えておく必要があると考えています。

 「対応方針」の案です。ロタウイルスワクチン導入の効果が最も顕著に現れるのは、重症のロタウイルス胃腸炎の減少だと考えられ、ロタウイルス胃腸炎を、 300 床以上の内科・小児科医療を提供している全国約 500 の医療機関の基幹定点の届出対象に追加しまして、主として重症例の発生動向を把握することでワクチンの評価を行おうというものです。実態としては、入院を用する症例では、現在は「迅速診断キット」で検査がされています。そういった情報を、うまく基幹定点から拾えないかと考えています。

 「スケジュール」としては、もし御了承いただけましたら、今年 10 月を目途に実施したいと考えています。感染性胃腸炎はノロが先でロタが後ろと言われていますが、毎年冬以降に増える疾患なので、 10 月ぐらいからスタートしたいと考えています。

 次のページは今お話した内容を絵で示したものです。現行、感染性胃腸炎として全国約 3,000 の小児科定点で把握しています。それはそれで引き続き把握しつつ、追加としてロタウイルスだと診断したものを基幹定点で把握できないかとして、全国約 500 の医療機関から捕捉したいと考えています。それには省令の改正を要します。

3 ページは現行の疾病分類です。赤字で示しているものが定期接種の対象疾患で、青字が現在追加が検討されている疾患です。

4 ページは、定点対象の医療機関の概要です。赤で示した上のものが、小児科定点、今は約 3,000 で感染性胃腸炎として捕捉しています。その他、インフルエンザ定点、眼科定点、性感染症定点などがありますが、 300 床以上の大きな病院での基幹定点が 500 あるという状況です。

 最後のページは、それぞれの定点でどういった疾患を届け出ていただいているかを示した表です。一番下の基幹定点の所にロタウイルス胃腸炎を入れられないかと考えています。

○渡邉部会長 続いて谷口先生から御説明をお願いします。

○谷口参考人  2 ページを御覧ください。厚生労働省の担当の方から御説明があった、「現行の感染性胃腸炎サーベイランス」のデータです。冬場に上昇して、ほとんどがノロですが、これが下がると 2 3 月にもう 1 つ山がある。ゴールデンウィークにストンと落ちている所がありますが、これは医療機関の報告率の問題もありますので、これが 2 つ目の山という感じです。これは感染性胃腸炎なので、雑多なもの、例えばウイルスとしてはノロが非常に多いのですが、細菌やロタウイルスなど、いろいろなものが含まれています。

 これを補完するものとして、 3 ページに病原体のサーベイランスがあります。これは 300 の定点からサンプリングされたものを、地方衛生研究所の先生方に検査していただいて、それが報告されているものです。これを見ると、当初ノロが出てきて後からロタが出てくるという傾向は分かります。

4 ページはこれらのまとめです。単一疾患としてのサーベイランスが、 Infectious Gastroenteritis としては、欧米でも行われています。これまでトレンドを見ることで行われていますが、多数の病原体による胃腸炎を包含していますので、直観的には、今回の話のようにロタウイルスだけの流行というのはない。病原体サーベイランスと比較検討をしていますが、サンプリング行動が一定ではないので、本当に感染症が増えたか減ったかという評価にはつながりません。また、これは基本的に診療所定点なので症状の軽重は分かりませんが、本来、ロタウイルス感染症は重症例、入院例が非常に重要で、いろいろな中枢神経合併症での入院例もありますので、こういったことが問題ではないかと思います。

5 ページは、厚生労働科学研究班の庵原……班が研究として行っているものです。日本全国いろいろな所で行われていますが、これは津市におけるデータを、私の病院の浅田らが今年の小児科学会で発表したものです。小児入院病院の集約化もありまして、津市の入院はほぼ 2 つの病院に集約されていますので、この 2 つを拾うとおおむねロタウイルスの入院症例ば拾えます。先ほどの説明にもありましたが、少なくとも重症例に関してはほぼ全例がロタウイルスの抗原検出キットを用いて病原診断を行っています。もちろんこれは研究ですからアーティフィシャルも行っていますが、こういったデータを集めています。

6 ページが、 4 シーズンのデータです。おおむね 1 月から上昇し始めて 6 月頃にはなくなる、毎年このようなトレンドてす。これをポピュレーション・ベースにしますと、 1,000 人・年当たり 4.1 になります。

7 ページでは、伊勢市や松阪市でも病院の集約化によって入院例が捉えられるので、同じように行われています。世界各国のデータは、論文に引いてありますように、 Annual incidence/100,000 children 5 歳以下の小児人口 10 万人当たりの入院率で比較されています。これを見ますと、ほぼこのレンジに入ってきています。少し漏れている例はあるかもしれませんが、ほぼ捉えているだろうと考えています。

8 ページは全国のデータです。これも同じように、急性胃腸炎のデータとロタウイルスがその coded された入院率を比較しています。まず、 2006 年にロタワクチンが導入されて以降、カバレッジが増えるにしたがって入院例が下がってきているというデータです。これはインパクトが非常によく分かります。日本でもこういったことが期待されるのですから、これを見ておけば今後のワクチンの効果の評価にもつながるのではないでしょうか。

9 ページにまとめてあるとおり、たまたま三重県津市は 2 つの病院でほぼ全人口をカバーしていますが、どこの地域でもそのカバー範囲があるので、人口当たりの推計ができるかもしれません。これは地域によります。ただ、これをすることによって、少なくとも入院例のインシデンスが分かりますので、このインパクトは分かりやすいと思います。外来全てで迅速診断をやれというのは非常に難しいことですが、少なくとも入院例、重症例、あるいは脳症例がありますので、ほぼ迅速診断が行われますので、ほぼ確定例として考えられます。また、国際的なデータは人口当たりのロタウイルスによる入院率が出ていますので、これを行うことによって国際的な比較も可能になります。

 もちろんいろいろな利点もありますが、負荷的には基幹定点病院の先生方の手間は増えるわけですけれども、少なくとも小児科医にとっては、ロタウイルスは特に冬場では非常に重要な疾患なので、あまり面倒だという感じはないと思います。

 実際に、今年 4 月だけで私の病院ではロタウイルスの入院例が 5 例あり、そのうち 2 例が脳症を合併していました。これらはほとんど 1 歳代なのです。ここのところ 1 歳以下のロタの入院は既に減ってきています。これは、 1 歳以下はかなりワクチンを打つようになってきて、打っていなかった 1 歳代が今、入院している状況になっているのではないかと思います。今後これを見ていくことによって年齢分布が変わるかもしれませんが、早急に全国展開をしていただけると、ロタワクチンのインパクトがよく分かるようになるのではないかと思います。

○渡邉部会長 ワクチンの導入に伴ってその疾患がどのように変化しているか、その動向を調査することはワクチンの効果判定に非常に重要なことです。そういう意味で、ロタウイルスのこのサーベイランス、特に基幹定点把握をしたいという今回の御提案です。いかがでしょうか。コメント等がありましたらお願いします。

○岡部委員 予防接種部会に絡んでいた者としてのコメントです。部会の第二次提言の中でも、ワクチンで防げる病気あるいはワクチンで防げそうな病気に対してきちんとサーベイランスを行って、それによって、導入した後ではなくて導入前から本当に効果があるかどうか、それから、導入後の評価に使えるので、是非やっていただきたいと部会としてもお願いしていたので、このようなことの実現を図っていただきたいと思います。臨床の方の負担は申し訳ないと思いますが、谷口参考人もお話されていましたし、小児科学会の予防接種に関連する委員会でも、こういうものは必要であるという小児科の意見があることも付け加えておきたいと思います。負担はあるけれども、これはやった方がいいという臨床側の意見があります。

 それから、確認です。入院のときに、迅速診断キットで陽性にすれば、それで届出がおしまいなのか、病原体定点にもなっているので、これについてきちんとジェノタイプまで地方衛生研究所が役割を負うのか。私は後者の方がいいと思いますが、それについては国がきちんとしたものを出していただかないと、地方衛生研究所としてはやりにくいときもあるのではないかと思います。

 それから、掲げ足を取るようですが、谷口先生はロタウイルスワクチンを「打つ」と言いましたが、ロタウイルスワクチンは経口で飲むワクチンです。

○渡邉部会長 事務局から何かコメントはありますか。

○感染症情報管理室長 この 3,000 の小児科定点等でやっているところで、 300 を病原体定点として取っています。まずはその方法になると思います。基幹定点にいろいろ全部をお願いしていくことは、なかなかすぐには難しいのではないかと思います。その辺は継続的に研究班などの活用も行いながら、病原体の傾向なども見ていきたいと考えています。

○渡邉部会長 ほかに御質問等ございますか。

○前田委員 基幹定点の確認です。一般的には対象となる疾患として指定されるのですが、必ずしも積極的にロタウイルスの確認検査を行うということではなく、臨床上の必要性において、ウイルスが確認されたものについて届ければよいということでよろしいのでしょうか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) そのとおりです。

○岡部委員 例えば急性脳炎脳症のような場合は積極的に病原を検索してほしいということがありますので、そこは臨床側に十分に御理解いただきたいところだと思います。

○前田委員 生真面目な病院が、指定されたから全ての腸炎症例を検査しなければならないと考えないようにという意味での確認です。

○渡邉部会長 ほかにありますか。よろしいでしょうか。

                 (異議なし)

○渡邉部会長 部会として、ロタウイルス胃腸炎について、基幹定点の届出対象疾患にすることを進めるということで承認を得たとして処理いたします。

 先ほど、今後導入されるかもしれないワクチンに対しては、事前にこのような対応をした方がいいという御意見もありましたが、これに対しては事務局はいかがでしょうか。なかなか大変だとは思いますが、理想的には前のデータがあればその後の比較がしやすいことになると思うのですけれども。

○結核感染症課長 ロタに対するワクチンの定期接種の導入の是非についてだと思います。もともと予防接種部会の下にワーキンググループなどもできていて、ロタのワクチンについて御議論いただいている段階なので、そこでの検討の結果を待ちたいと思っています。

○渡邉部会長 続きまして、その他の議題について事務局から説明してください。

○結核感染症課課長補佐(福島) 資料 9 に基づきまして、重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) の厚生労働省の対応について御報告いたします。まず、 (1) 経緯です。御案内のとおり、中国で 2009 年頃より発生が報告されています SFTS は、本年 1 月末に国内で初めて感染例が確認されました。実際には去年秋に感染されていたものです。これを受けまして、厚生労働省は 1 30 日にこの旨を公表するとともに、全国の自治体を通じて医療機関の皆様に対して、同様の症状の患者さんを診察した場合の情報提供を行うよう協力をお願いしました。これを受けまして、 2 ページにありますとおり、昨日までに 13 例の SFTS の感染例が報告されています。

 表を御覧ください。発生年の所では、遡りますと一番古いものとして 2005 年から国内で感染が起こっていたことが確認されています。その後、 2010 年にも感染例があり、 2013 年も春には更に 3 例が報告されています。

3 ページにありますように、この 13 例のうち最初に報告された 8 例については、 SFTS の発生地域や患者さんの年代、症状、臨床所見等の概要を取りまとめ、国立感染症研究所のホームページでも公表されている「病原微生物検出情報 (IASR) 」に掲載されています。

(2) です。これまでに厚生労働省がとった対策です。 SFTS の国内感染例が確認されたことを受けて、 SFTS に関する Q&A を作成してホームページ等で公表し、この疾患の特徴や予防方法等を国民の皆様に対して広く周知しています。

 また、 2 つ目の○にあるとおり、 2 13 日に開催された感染症部会で SFTS の感染症法上の取扱いについて御審議いただいた結果、 SFTS については四類感染症に指定することが適切であるとされました。これを踏まえて速やかに政令の改正を行いまして、 3 4 日付けで SFTS は感染症法上の四類感染症に指定されています。これをもって、医師が SFTS の患者さんを診断した場合は、直ちに最寄りの保健所を通じて都道府県に報告することになっています。都道府県から国に上がってきた情報は、国立感染症研究所のホームページで毎週公表されています「感染症発生動向調査週報」で報告することになっています。

3 つ目の○です。当初は SFTS の診断のための検査は、国立感染症研究所でしか実施できなかったのですが、地方衛生研究所においても実施できるよう、検査セットを地方衛生研究所に配布しまして、 3 月末までに体制を整備しました。厚生労働省としては、引き続き過去の症例の掘り起こし調査も含め、 SFTS の発生状況の把握に努めることとしています。

(3) は、平成 25 年度より厚生労働科学研究費補助金事業において、 SFTS の実態解明と今後の対策に関する総合的な研究を 3 年間計画で実施することとしています。研究代表者は元国立感染症研究所所長の倉田毅先生、分担研究者として国立感染症研究所、長崎大学、国立国際医療研究センター等から先生方に御参加いただくことになっています。また、地方自治体や医療機関等とも連携して、こういった研究を進めていただくことになっています。

 主な研究内容は、更に迅速な SFTS の診断法の開発や、それから、既に患者さんが発生している地域を中心として、住民の皆さんの過去の感染状況の調査やウイルスを保有するマダニ類・動物の分布実態、 SFTS の感染経路の解明、ワクチン・抗ウイルス薬に関する基礎研究等となっています。こういった研究の成果も踏まえ、厚生労働省としては引き続き SFTS に関する適切な対策を行うこととしています。 SFTS に関する報告事項は以上です。

○新型インフルエンザ対策推進室長 引き続きまして、新型インフルエンザ等の特措法に関して、資料 10 11 、参考資料 4 を用いて説明いたします。

 まず、資料 10 を御覧ください。新型インフルエンザ等対策の特措法です。昨年 5 月に法律を公布しまして、有識者会議における議論を続けてきた結果、 4 12 日に政令・施行日政令が公布され、 13 日付けで法律が施行されています。政府行動計画(案)は資料 11 と参考資料 4 ですが、これに関して、現在、 4 18 日〜 5 17 日にパブリックコメントを募集しています。パブリックコメント終了後に政府行動計画(案)を策定し、ガイドラインも策定・公表することを予定しています。それらを用いて都道府県・市町村においても計画を策定していただくというスケジュールになっています。

 資料 11 で、パブリックコメント中の行動計画(案)の概要をごく簡単に説明いたします。対策の目的としては、国民生活・経済に及ぼす影響が最小となるように対策を講じることによって患者数を低減させ、ピークを遅らせることを目指しています。

2 ページを御覧ください。「政府行動計画のポイント」です。平成 23 9 月に現行の行動計画を策定していますが、特措法の内容を踏まえて改定しています。従来は政府としての行動計画でしたが、今回は特措法という法律に基づく計画です。従来の行動計画との違いはここに書かれているとおりで、指定公共機関等の問題。また、先ほど新型インフルエンザ発生時の対応はどこで決めるのかという御議論もありましたが、基本的対処方針等諮問委員会で政府としての基本的対処方針を決定すること。それから、緊急事態宣言に関する運用の問題、法定化された不要不急の外出自粛の要請等も規定しています。ただし、権利制限を伴いますので、基本的人権の尊重についての記載も充実しています。

3 4 ページは、発生段階ごとの対策です。海外発生期、国内発生早期、国内感染期、小康期の 4 つの段階に分けて、実施体制、サーベイランス等の様々な対策について、期ごとに具体的な取組が書かれています。計画自体の大きな考え方が記載されていますので、ガイドライン等によってより詳細なことを示していくことになります。そのような状況で進んでいます。

○渡邉部会長 まず、 SFTS の研究班を立ち上げることに関して御意見等がありましたらお願いいたします。今年に入ってから患者が 3 名出ています。今後、ダニ等の活動が活発になるにつれ、また、一般の人が屋外等にいるような機会が増えるにつれ、感染者がもう少し出てくる可能性もあります。そういうことも踏まえて、やはり実態を把握しておく、そしてその情報を国民に適切に伝えることが、この研究班の大きな目的になると思います。こういう形で進めるということでよろしいでしょうか。

                 (異議なし)

○渡邉部会長 ありがとうございます。

 続きまして、資料 10 11 について、新型インフルエンザ等の特措法絡みの説明がありましたが、御質問等がありましたらお願いいたします。

○廣田委員 資料 11 について、 2 点、意見を述べさせていただきます。まず、対策の効果の概念図の所です。下の方の※に「上記の推計には、抗インフルエンザウイルス薬等による介入の影響」うんぬんとありますが、この介入の影響が全くないとした上での推計であることを、口を酸っぱくして説明していただきたいと思います。特に、死亡者数が 17 万〜 64 万人となっていますが、かつてはアジアインフルエンザの致命率を参考にして 17 万人前後という推計をしていたのですが、 2005 年の行動計画ではちょうど H5 の問題もあって、少しみんなが不安になっていた頃だったので、スペインインフルエンザの致命率を参考にすると 64 万人前後になったのです。それをきっかけに、 17 万〜 64 万人という数字になっています。この 64 万人というのは相当過大な推計になっている、それだけ慎重を期したものであるということを念頭に置いていただきたいと思います。

2 点目です。発病率は全人口の約 25 %ということについてです。これはかつて「罹患率と」書いてあったのですが、正しい用語を使ってほしいということで「発病率」に変えていただいていますので、これは感謝申し上げます。発病率というのは、例えば東京から鹿児島に行くときに大阪まで行く、その距離が発病率に該当します。大阪まで行くには普通列車でも新幹線でもよくて、時速何キロで走るかというのが「罹患率」に相当します。今回は発病率として 25 %と説明されています。実際に対応される場合、今度は罹患率ですね、この 25 %の発病率を基に、例えば最流行ピークでは 1 週間に何人の患者が出るかという罹患率についての推定もしていただければ、国民に分かりやすいのではないかと思います。

○渡邉部会長 よろしいでしょうか。ほかに御質問等ありませんか。

○竹内委員 厚生労働省の下なので、全部考えてこれを出してきたのでしょうけれども。 4 ページに赤字で書かれている所の下の方の(注)を見ると、「新型インフルエンザ等緊急事態宣言時のみに必要に応じて実施する措置」と書かれています。特に一番下の、「指定公共機関は業務の実施のための必要な措置を開始」「緊急物資の運送」「価格の安定」「物資の売渡しの要請」「新型インフルエンザ等緊急事態に関する融資」「権利利益の保全」等々と、とても厚生労働省の管轄ではないようなところまで踏み込んでいるように見えるのです。国民保護法が前に総理府か内閣府で施行されましたが、これはあれの厚生労働省バージョンというか。何を言いたいかというと、この考え方は別に感染症に限らず、緊急物資の運送とか生活関連物資の価格の安定、物資の売渡しの要請など、これは震災であろうが何であろうがオールハザードに全て対応するようなものなので、これをなぜ「新型インフルエンザ等」というキーワードを付けて厚生労働省が、それも結核感染症所管がこんなことをやるのだろうかというのが理解できないのです。政府全体の枠組みの中で、厚生労働省バージョンを抜き書きすればこうなるということですか。

○新型インフルエンザ対策推進室長 この資料の位置付けそのものの説明が十分でなかったので申し訳ありません。この資料の概要自体は実は内閣官房が作成しておりまして、あくまでもこれは政府全体として取り組んでいくもので、計画自体もそういう中身になっています。厚生労働省もその一部分と言いますか、大半ですが、医療等、予防接種などについて担うことになっています。御指摘の基本的に全省庁に影響してくるようなことについては、内閣官房が法律も所管していますので、その調整により各省庁が実施するという体制です。

○竹内委員 それであればそのように、これをきちんと位置付けなければ、厚生労働省が権利・利益の保全などはどうやってやるのか、結核感染症課が物資の売渡しの要請などをどうやってやるのかと、読んだ人は誰でも「これは変じゃないか」と思います。この文章を利用されるのはいいのだろうと思うのですが、政府全体の対策のオールハザードという枠組みの中でどのように位置付けるかを、前文か何か、もう少し説明をきちんとしてくれないと「何だこれは」となってしまうと思うのです。

○結核感染症課長 説明の冒頭に申し上げればよかったのですが、表紙を御覧ください。表紙は「政府行動計画」と書いてあります。

○竹内委員 中身は厚生労働省の行動計画になっているじゃないですか。

○結核感染症課長 厚生労働省の関係する部分ももちろん入っていますが、政府全体で取り組むことがこの法案、行動計画に盛り込まれていまして。

○竹内委員 ですから、前文か何かで 2 3 行書いてくれれば、「そうか」と思っただろうに、非常に不親切に書くから。

○結核感染症課長 分かりました。誤解を生じて申し訳ありません。

○渡邉部会長 その点よろしくお願いいたします。ほかにございませんか。よろしいでしょうか。事務局から何かありますか。

○結核感染症課課長補佐(難波江) 本日の了承事項を受けまして、 2 つ目の議題にありましたインフルエンザ H7N9 について、本日午後より明日午前中までパブリックコメントを募集します。その後速やかに政令改正の手続を進めたいと思います。施行は 5 月上旬を目指したいと思います。次回の開催につきましては改めて御連絡を差し上げます。

○渡邉部会長 予定より 15 分ばかり早いのですが、本日はこれで終わりにいたします。どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。


(了)

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