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食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の第1食品の部A食品一般の成分規格の6の(1)の表の第1欄、7の(1)の表の第 1欄及び9の(1)の表の第1欄に掲げる農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を含む。)の試験法 (同表第3欄に「不検出」と定めているものに係るものを除く。)について、次のとおり定める。

  • 第1章 総則
  • 第2章 一斉試験法
  • 第3章 個別試験法
  • ※「食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法について」(平成17年1月24日付け食安発第0124001号厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)別添

第1章 −総則−

1.用語

  1. (1)「分析対象化合物」とは、第2章及び第3章に規定する試験法によって分析する化合物であっ て、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「告示」という。)の第1食品の部A食品一般の成分規格の6の(1)の表の第1欄若 しくは7の(1)の表の第1欄若しくは9の(1)の表の第1欄に掲げる農薬、飼料添加物又は動物用医薬品(以下「農薬等」という。)の成分である物質(そ の物質が化学的に変化して生成した物質を含む。)及びその類似物質(例えば、塩や光学異性体など)をいう。
  2. (2)「分析値」とは、告示に定める食品に残留する農薬等の成分である物質の量の限度(以下「基準値」という。)と比較する値をいう。
  3. (3)「種実類」とは、オイルシード、ナッツ類、カカオ豆及びコーヒー豆をいう。
  4. (4)「定量限界」とは、適切な精確さをもって定量できることが確認された分析対象化合物の最低量又は濃度をいう。
  5. (5)「類型」とは、当該試験法の由来をいい、以下のとおり分類している。
    • A:公定法(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号)、告示及び通知に定めてきたもののうち、Cを除く。)
    • B:諸外国の政府機関等が定めている試験法(Aを除く。)
    • C:有識者からなる検討会によって作成された試験法
    • D:文献から引用した試験法(A〜Cを除く。)

2.装置

 第2章及び第3章に規定する試験法によって試験を実施する場合の装置について、「ガスクロマトグラフ・質量分析計を用いる」と規定している場合は、 GC-MS及びGC-MS/MSいずれの使用も可能である。また、「液体クロマトグラフ・質量分析計を用いる」と規定している場合は、LC-MS及び LC-MS/MSいずれの使用も可能である。

3.試薬・試液

 第2章及び第3章に規定する試験法によって試験を実施する場合の試薬・試液は、同章において個別に示すもののほか、告示の第2添加物の部C試薬・試液等の1.に掲げるもの又は別紙に掲げるものとする。

  • PDF 試薬・試液の別紙 [308KB]
  • なお、「(特級)」と記載したものは、日本工業規格試薬の特級の規格に適合するものであることを示す。

4.試料採取

 第2章及び第3章に規定する試験法によって試験を実施する場合の試料採取は、別に規定する場合を除き、以下の方法に従って行う。

  1. (1)穀類、豆類及び種実類の場合は、検体を425μmの標準網ふるいを通るように粉砕し均一化 する。ただし、粉砕中にペースト状になるなど粉砕が困難な食品の場合には、1〜3mmのふるいを通るように粉砕し、次いで425μmの標準網ふるいを通る ように再度粉砕し均一化する。それでもなお粉砕が困難な場合には、1〜3mmのふるいを通るように粉砕してよく均一化したものを試験に用いることができる が、その場合は必ずホモジナイズ抽出する。
  2. (2)果実、野菜及びハーブの場合は、検体約1kg を精密に量り、必要に応じて適量の水を量って加え、細切均一化する。
  3. (3)茶及びホップの場合は、検体を425μmの標準網ふるいを通るように粉砕し均一化する。ただし、抹茶以外の茶にあって、熱湯浸出法により試験する場合は、粉砕せずによく混合して均一化する。
  4. (4)スパイスの場合は、その食品成分(脂肪含量や水分含量など)に応じて、種実類又は果実の場合に準ずる。
  5. (5)筋肉の場合は、可能な限り脂肪層を除き、細切均一化する。
  6. (6)脂肪の場合は、可能な限り筋肉層を除き、細切均一化する。
  7. (7)肝臓、腎臓及びその他の食用部分の場合は、細切均一化する。
  8. (8)乳の場合は、よく混合して均一化する。
  9. (9)はちみつの場合は、必要に応じて加温(概ね40℃以下)して溶かしてから、よく混合して均一化する。加温が適さない場合には、必要に応じて適量の水を量って加え溶解してから、よく混合して均一化する。
  10. (10)魚類の場合は、可食部を細切均一化する。
  11. (11)貝類の場合は、殻を除去し、得られたむき身及び既にむき身となっている検体を目の細かい金網などにのせ、約5分間水切りを行ったものを細切均一化する。砂が付着している場合には、砂を軽く水で洗い流す。
  12. (12)甲殻類の場合は、小型のものは全部位を、大型のものは外側の殻を除去し、細切均一化する。
  13. (13)卵の場合は、殻を除去し、卵白と卵黄を合わせてよく混合し均一化する(卵白中又は卵黄中に残留基準が設けられている場合を除く)。
  14. (14)乾燥野菜及び乾燥果実については、必要に応じて適量の水を量って加え、細切均一化する。

5.分析上の留意事項

  1. (1)第2章及び第3章に規定する試験法以外の方法によって試験を実施しようとする場合には、同章に規定する試験法と比較して、選択性、真度、精度及び定量限界において、同等又はそれ以上の性能を有すると認められる方法によって実施するものとする。
  2. (2)分析値を求める際には、基準値より1けた多く求め、その多く求めた1けたについて四捨五入するものとする。
  3. (3)個別試験法に示す定量限界は通知された方法により試験を実施した場合の一般的な定量限界値 を示すものである。試験の対象となる食品の残留基準(食品衛生法第11条第3項に定める人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛 生審議会の意見を聴いて定める量を含む)に相当する濃度を測定することが困難な場合には、機器の測定条件(例えば、カラムの種類、カラム温度、移動相の流 速及び組成、キャリヤーガスの流速、質量分析の場合には測定モード、測定イオン、電圧)を変更する、機器への試験溶液注入量を増やす、試験溶液を濃縮す る、精製を追加してノイズを減らす、試料量を増やすことなどにより対応する必要がある。また、一斉試験法など、他の試験法が通知されている場合には、その 採用についても検討することとする。
  4. (4)第2章及び第3章に規定する試験法によって試験を実施する際に、試験溶液の調製において、 試験法を適用する食品を「穀類及び豆類の場合」、「果実及び野菜の場合」あるいは「茶の場合」などのように分けて記載してある場合、試料の食品成分(脂肪 含量や水分含量など)によっては、適切な調製法を選択することが必要である。
  5. (5)第2章及び第3章に規定する試験法において、抹茶以外の茶の方法が示されている場合、茶の基準値が設定されていない農薬等にあっては、抹茶以外の茶を粉砕したもの(試料採取法が別に規定されている場合を除く)について、抹茶の方法により試験を実施する。

第3章 −個別試験法− (通知試験法)

(参考)農産物または畜水産物における残留試験で用いた分析法

※本分析法は、公示分析法が未整備の農薬等について、農産物または畜水産物における残留試験等において用いられた分析法であり、新たな試験法の開発等に際して参考として下さい。
なお、当該分析法をもとに開発した試験法を食品規格への適合判定のために使用する場合には、「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドラインの一部改正について(平成22年12月24日付け薬食安発1224第1号)」に従って、使用する試験法の妥当性を評価する必要があります。

(参考)発出した試験法の検討結果

※本報告書は、試験法開発における検討結果をまとめたものであり、試験法の実施に際して参考としてください。
なお、報告書の内容と通知または告示試験法との間に齟齬がある場合には、通知または告示試験法が優先することをご留意ください。

(参考)農薬等の一斉試験法の妥当性評価試験結果

※本報告書は、一斉試験法の汎用性を考慮し、複数の機関で実施した結果から試験法の評価を行ったものです。
得られた結果は「食品中に残留する農薬等の関する試験法の妥当性評価ガイドラインの一部改正について(平成22年12月24日付け食安発1224第1号)」に準じて評価しています。

照会先:

厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課、残留農薬等基準審査室(内線4288)

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