第15回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録

日時

令和6年3月22日(金) 10:00~12:00

場所

厚生労働省会議室及びテレビ会議

出席者

出席委員(五十音順)

(会議室)
(テレビ会議)

※◎委員長 ○委員長代理

行政関係出席者

厚生労働省
(テレビ会議)
  • 森光 敬子 危機管理・医務技術総括審議官
  • 伯野 春彦 大臣官房厚生科学課長
  • 勝山 佳菜子 大臣官房厚生科学課 医薬品等行政評価・監視委員会室長補佐
(会議室)
大臣官房厚生科学課
  • 綾 賢治(医薬品等行政評価・監視委員会室長)
医薬局
  • 青栁 ゆみ子(総務課長補佐)
  • 浦 克彰(医薬安全対策課長補佐)
医政局
  • 島田 将広(医事課長補佐)
  • 久保 慎一郎(特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室主査) 他
国立医薬品食品衛生研究所
  • 花尻 瑠理(医薬安全科学部長)
  • 青木 良子(医薬安全科学部主任研究官)

議題

  1. 1.委員の求めに応じた薬事制度・施策の実施状況について
  2. 2.医薬品等行政評価・監視委員会における海外調査について
  3. 3.医薬局からの定期報告について
  4. 4.その他

議事

○綾室長 それでは、ただいまより第15回「医薬品等行政評価・監視委員会」を開始いたします。
 委員の皆様には、御多用の折、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員会は、ウェブ形式と併用して実施しており、会場にお越しいただいている委員と厚生労働省外からウェブにて御参加いただいている委員がおられます。
 あと、傍聴に関しては、ユーチューブでライブ配信を行っておりますので、事務局や担当部局からの説明、回答は、できる限りゆっくりはっきり御発言いただくよう、お願いいたします。
 なお、資料は随時投映させていただきますが、通信環境が悪くなった場合には、通信負荷軽減の観点から、資料の投映を中断し、音声発信を優先する等の対応を取ることがございますので、御了承願います。
 それでは、以降の議事進行は、磯部委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○磯部委員長 皆さん、おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 最初に事務局から委員の出席状況の報告をお願いします。
 また、利益相反の取扱規程に基づいて、各委員の申告内容の報告をお願いします。
○綾室長 まず委員の出席状況についてお知らせいたします。本日は9名中8名の委員に御出席いただいておりますので、委員会開催の定足数に達していることを御報告いたします。
 続きまして、利益相反について御報告いたします。
 まずは利益相反の取扱規程に基づく個別の医薬品を取り扱う際の議論参加基準に関する申告でございますが、本日は、議事次第にありますとおり、議題及び資料の内容から制度や施策の概要をはじめとした全般的な議論が中心となり、特定の医薬品について議論を行うことは予定していないことから、個別医薬品に関する利益相反の申告はいただいておりませんので、御報告いたします。
 なお、本委員会では、個別医薬品の利益相反のほか、全般的な利益相反の定期的な開示を行っており、各委員からの申告書につきましては、厚生労働省のホームページに掲載しておりますので、併せてお知らせいたします。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日の議題は、議題1、委員の求めに応じた薬事制度・施策の実施状況として、一般用医薬品の濫用に対する取組と診療録(カルテ)の保存期間について取り上げます。
 議題2、医薬品等行政評価・監視委員会における海外調査として、日本の再審査及び再評価制度に相当する制度に関する調査と令和6年度の調査方針について取り扱います。
 議題3は、医薬局からの定期報告が予定されています。
 厚生労働省からの説明をいろいろといただきますが、簡素化するなど、効率的に進めていきたいと思いますので、御理解、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、今、画面には資料1が出ていますけれども、一般用医薬品の濫用に対する取組についてでございます。
 伊豆津委員より御提案いただいたものになりますが、関連した議論を行っておりました「医薬品の販売制度に関する検討会」のとりまとめが本年1月に公表されましたことから、その御報告も含めて、本日、医薬局総務課及び医薬安全対策課より御説明をいただきたいと思います。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
○総務課長補佐 厚生労働省医薬局です。
 濫用等のおそれのある医薬品の販売方法について、まず、全般的な医薬品の販売ルールについてご説明します。
 一般用医薬品、薬局やドラッグストアで買える医薬品は、第1類から第3類まで分類されておりまして、濫用等のおそれのある医薬品は、ほぼ第2類に分類されています。
 これら第2類医薬品につきましては、薬剤師、または登録販売者の方が販売します。
 情報提供は努力義務となっており、相談があった場合の応答は義務、取扱場所は薬局、又は店舗販売業、いわゆるドラッグストアのようなところです。
 濫用等のおそれのある医薬品として、エフェドリン・コデイン・ジヒドロコデイン・ブロムワレリル尿素・プソイドエフェドリン・メチルエフェドリンの6つの成分が指定されており、それらを含有する医薬品は、「濫用等のおそれがある医薬品」として、販売方法の規定がござされています。
 濫用等のおそれのある医薬品を販売するに当たっては、購入しようとする方が若年者である場合は、氏名や年齢を確認する。それから、年齢に限らず、他の薬局や店舗で同じ医薬品を買っていないか、購入状況を確認する。そして、適正な使用のために必要と認められる数量、原則として1包装ですが、これを超えて購入しようとする場合は、その理由を確認していただく。こうした確認を踏まえて、適正な使用のために必要と認められる数量に限って販売していただく、ということとしております。
 さて、近年、一般用医薬品の濫用が問題となっており、これに関するデータをお示しします。
 こちらは、一つの病院での救急搬送されたデータですが、2014年以降、一般用医薬品による中毒患者数が増加しています。
 それから、こちらは、精神科で薬物依存症の治療を受けた10代患者における「主たる薬物」の種類が一般用医薬品だった割合が、2014年にはゼロだったのが、2022年には65.2%に増えています。
○渡邉委員 すみません。ちょっとよろしいでしょうか。音声が聞き取りにくいです。
○磯部委員長 分かりました。ありがとうございます。
○渡邉委員 磯部先生のお声はよく聞こえています。
○総務課長補佐 次の資料が、日本中毒情報センターに相談があった一般用医薬品の過量摂取に関する相談件数でございますが、10代、20代の相談件数が多く、相談されている割合としては、女性の割合がとても多いという状況になっています。
 こちらは救急搬送事例について調べたものでございますが、やはり女性の割合が多く、平均年齢は25.8歳、中央値は22歳で、若い女性に多いことが分かっています。
 こちらは全国を網羅したデータではございませんが、全国52の消防本部を調査対象として、救急搬送された事例の中で、ODですとか、薬物、過量というようなキーワードを含んだものを調査したものでございます。こちらの結果でも女性、10代、20代の方々が多いということが分かっております。
 こちらは店舗販売業等を対象とした調査において、複数購入や頻回購入を求められた医薬品がどのようなものだったかという結果でございますが、特定の種類のものが多く買われているとなっていることが分かりました。
 販売の際、原則として1包装のみ販売するとしておりますが、物によっては、包装単位の大きいものがございます。例えば下の風邪薬などは、1包装で130錠とか、210錠という大きな包装のものがございます。
 こうした状況を踏まえまして、「医薬品の販売制度に関する検討会」というものを開催しまして、この中で議論を行ったところでございます。
 その結果がこちらでございます。
 下の表の左側が現状の販売制度をまとめたものでございます。
 右側が改正案でございまして、大きく20歳未満の方への販売方法と20歳以上の方への販売方法を分けまして、20歳未満の方に対しては、原則として小容量、たくさん入っているものではなくて必要最小限のパッケージのものを、対面またはオンラインで販売していくことにしております。
 年齢に拘わらず、情報提供は、今までは努力義務という形だったのですが、義務にしております。
 20歳以上の方におきましては、小包装のものを一つだけ買う場合には、オンラインで画像を使ったテレビ電話等の方法ではなく、従来のインターネット販売、ボタンをポチポチ押して購入できる方法をではなくて可能としておりますが、複数あるいは大きいパッケージのものを買おうとされる場合には、対面またはオンラインでの販売となってございます。
 検討会でも指摘がありましたのは、販売だけで濫用の問題が解決するわけではなくて、原因にも目を向けたあらゆる対策が必要ということでございます。それにつきまして、学校薬剤師、地域の薬剤師等で濫用に関する授業をしていただく、そういったことを考えているところでございます。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御質問、御意見があれば、発言をお願いいたします。
○奥田委員 奥田です。
 先ほども御意見がありましたけれども、すごく聞きづらくて、半分ぐらいしか聞き取れない音声なので、マイクを変えるなど、改善をしていただけないでしょうか。
○磯部委員長 分かりました。ありがとうございます。
 それでは、資料1について、質問などがあったらということで、まずお願いしたいと思いますが、泉さん、お願いします。
○泉委員 泉です。おはようございます。
 今、お示しいただきました資料の0ページの一番下ですが、令和元年の調査事業費の補助金で始めて、この分担研究は今年発表になるのでしょうか。取りまとめというところは、どうなっているのでしょうか。
○総務課長補佐 こちらの調査研究は令和元年に行われたもので、既に公表はされているものになります。こちらの資料は、過去の調査も含めてまとめたものでございます。
○泉委員 分かりました。
 そうすると、これはこのときの内容に合ったもので、その後、厚生労働省に調査研究の継続もしくは次の薬機法に関して、何か盛り込むかどうかというような委員会は設置されていませんか、いますか。
○総務課長補佐 先ほどお示ししました販売制度に関する検討会が、販売制度の見直しについて検討する会として立てられたものでございます。
○泉委員 そうすると、ここに令和6年1月に議論のとりまとめが公表されたとありますが、それがこれですか。
○総務課長補佐 こちらのとりまとめは、参考資料3におつけしております。こちらが検討会のとりまとめの全体でございます。
○泉委員 分かりました。
 その後どうするかというのは、このオーバードーズによる薬の常用性というのはとても大きい問題で、特に青年、若年層の体をむしばまないような状況がすごく望まれるものなのですけれども、薬害教育、あるいは薬事教育、あるいは販売商品のこのものに関して、これを扱うドラッグストアが増加していることもあって、この後どのようにセーブできるかというのはとても大きい問題だと思うのですが、それは継続で検討はされていないのでしょうか、いるのでしょうか。お答えください。
○総務課長補佐 こちらの検討会で、濫用等のおそれのある医薬品の販売方法について、このような厳格な方法にしてはどうかということでとりまとめが行われました。その後、法律を改正したりして、制度に加えていくということについては、今後また別の検討会で議論いたしまして、必要であれば、法改正等を行ってまいるところでございます。
○泉委員 大変な必要な議論だと思いますので、ぜひ継続して、何がしかのセーブが出るような状況にしてもらいたいし、学校教育の中でもこれは絶対に学ばなければいけない内容でもありますので、文科省と一緒になって推進していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○医薬安全対策課長補佐 医薬安全対策課でございます。
 聞こえておりますでしょうか。
○泉委員 聞こえています。
○医薬安全対策課長補佐 ありがとうございます。
 今、お示ししているスライドに、我々がこれから取り組もうとしている事業についてお示しをしております。この事業については、小学校高学年の児童、あるいは中学校、生高校の生徒、それぞれに対した濫用防止の啓発の資材、こういったものをつくるということを考えているものでございまして、詳細は割愛させていただきますけれども、この中で文科省ともしっかりと連携をして対応していこうと思っております。今、泉委員から御指摘をいただいた点も踏まえて、対応してまいりたいと考えております。
○泉委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 そして、置く場所の設置方法の検討などが出ておりますので、それも徹底できるように、薬剤師さん、あるいはドラッグストアには一部負担がかかることになると思いますが、これを推進していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○総務課長補佐 ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 0ページと表記されているのは、10ページの間違いですね。
 調査結果を受けて、検討会ができて、とりまとめて、それを受けて、今後、具体的にどう変わるのかという質問でしたけれども、新たな検討会をつくって法改正を検討するということでした。ただ、その際に、今、御指摘があったように、安全教育という観点も重要でしょうし、そもそも売る場所が多過ぎるのではないかとか、多角的に検討してくださいという御指摘だったと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そのほかいかがでしょうか。佐藤さん、どうぞ。
○佐藤委員 質問なのですが、もしかすると御説明いただいたかもしれないのですが、二十歳未満の方には、購入者の状況を確認する、氏名・年齢等を確認・記録するということが求められるということなのですが、それは必ずしも薬剤師ではなくてもよいということでしょうか。登録販売者がそれを行ってもよいと理解してよろしいのでしょうか。
○総務課長補佐 こちらの医薬品は、薬剤師または登録販売者も売ることができますので、記録等も登録販売者が行えます。あるいはご説明等については専門家にやっていただくのですけれども、事務的な作業は一般従事者の方が代わりにすることも可能です。
○佐藤委員 そうすると、登録販売者の方の対応がかなり重要になると思うのですが、例えば登録販売者に対する教育とか、そういうことに関して、何か検討されていることはありますでしょうか。
○総務課長補佐 厚生労働省で登録販売者の方に対する濫用等のおそれのある医薬品の販売方法に関する研修を作成する事業を行っているところです。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 伊豆津委員、どうぞ。
○伊豆津委員 ありがとうございます。
 別の話なのですけれども、今回は販売方法を中心に御検討いただいたということなのですけれども、国によっては一般用医薬品で使用可能な成分について、もう少し厳しくしているところがあったりするのですが、それについては、今のところ、議論はされていないということになりますでしょうか。
○総務課長補佐 成分を販売禁止にするみたいな話でしょうか。
○伊豆津委員 一般薬の対象からは外すといった形とか、国によっては行われているところがあるのですけれども、どの成分かというのはちょっと言いにくいです。
○総務課長補佐 こちらの検討会は、販売方法に関する検討会だったものですから、そちらの検討はしていないところでございます。
○磯部委員長 どうぞ。
○医薬安全対策課長補佐 医薬安全対策課でございます。
 成分として、一般用医薬品としての販売をやめるかどうかということに関しては、今日来ていない部門の担当になりますので、つまびらかにお答えすることができないのですけれども、我々も連携しながら、海外の情報などは随時入手しておりますし、それを踏まえて必要な対応を検討することにしておりますので、すぐに何か禁止をするような話があるわけではないですが、一般論としては、そういった検討は常にさせていただいているということで、御理解いただければと思います。
○伊豆津委員 検討していっていただければと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 戸部委員、どうぞ。
○戸部委員 御説明ありがとうございました。
 先ほど泉委員から御質問がありましたけれども、今ある実態のデータが令和元年のものということなので、それから大分たっているので、市場の状況とか、人の認識は変わってきていると思うので、定期的なモニタリングをしていただくことが大事だと思います。
 もう一つは、この制度の運用に関して、御説明の中であったか、私が聞き漏らしたかもしれないのですけれども、製薬会社の協力も大事だと思うのですが、例えば1個当たりの数などの、商品設計、売り方を見直すということも検討する対象としてはあると思いました。
 以上です。
○総務課長補佐 ありがとうございます。
 小さいパッケージにする、医薬品に表示をするといったことにつきましては、製薬会社さんの御協力が必要となってきますので、そういった方々の御協力も含めながら、全体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それ以外ではいかがでしょうか。
 私からも一つは要望で、最後の14ページにあったように、これは学校薬剤師などにお手伝いをいただいて啓発していく、教育していくということでしょうけれども、逆に言えば、その手があったかと、おかげで初めて知ったという具合に、むしろ濫用に繋がってしまうようなケースが拡がってはいけないわけです。そこをぜひ注意してやるということ、どうやっていくかは難しいところですけれども、それはお願いしたいと思いました。
 小分けにしようが何しようが、確信犯的に集めようと思ったときに、本当にそれで防げるのかどうかということが私にはよく分からないところがあります。決め手になるのかということです。そういう意味では、そもそも販売できないようにするとか、範囲を明確にしておいたほうがいいのではないかという、伊豆津先生の感想はそういうことだと思ったのですけれども、販売方法の検討会で、二十歳で区切ったところがどこまで合理的なのかというのは、ちょっと聞いてみたかったです。
 従前では若年者という言い方にして、中高生にしていたのです。それが現実には今回規制対象が広がるということになります。18歳、19歳の高校を卒業した人についても規制の幅を広げるというのであれば、規制の幅を広げる合理的な根拠がなければならない。そして、二十歳以上は規制しないということについても合理的な根拠がなければいけないと思うのですけれども、なぜ二十歳なのでしょうか。20代の方については、それなりに濫用の例が増えているわけです。そこで止まっていいのかということはよく分からないし、18歳から成人ですから、基本的には全てのことができるというのが民法の大原則で、なぜこの販売についてだけは駄目なのかという、そこの説明をお願いできますか。
○総務課長補佐 御指摘のとおり、20歳で線を区切って、ここから下は濫用がされているが、ここから上ではされていないといったような明確なデータがあるわけではございません。ただ、こちらは法律的な判断が可能かどうかの問題というよりは、医薬品が身体に与える影響ということに鑑みまして、やはり体ができてくる途中の20歳未満の方の身体に対する影響をまず考えています。そういうことで、ここで線を引いたということでございます。
 20歳以上の方も濫用がされているということもございますので、販売の際には情報提供を必ずするということで、状況を確認して販売させていただくことにしております。こちらは販売しない、販売を食い止めればいいということだけではなくて、販売の際にその方とお話をして、例えば困っているようであれば、相談の窓口を紹介するなど、ゲートキーパーとしての役割も販売する専門家には求めているところでございます。こちらは医薬品ですので、適正に使用すれば役に立つものでございます。適正な使用をしていただくという観点から、販売しないという規制ではなくて、対話をして適切な使用方法をしていただくということで対応しているものでございます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 対話を通じて合理的な判断ができるだろうというのが、本来は18歳以上だと思います。なので、なぜそこなのかというのは、まだよく分からないです。たばこやお酒だったら、成人であっても、なお20歳未満は規制対象にしていますけれども、それは完全に摂取をしてはいけないと言っている話で、販売方法を規制することにとどめるという決定的な違いがある中で、なぜ二十歳が区切りなのかというのはまだ疑義があるところですが、新しい検討会で引き続きそこは議論していただきたいと思います。
 そのほかはいかがでしょうか。まだ時間はちょっとありますけれども、よろしいですか。
 今回は濫用に対する取組ということですが、今度の一般用医薬品の販売については、全体を見直すみたいなことはあるわけですか。
○総務課長補佐 ありがとうございます。
 参考資料3に医薬品の販売制度に関する検討会の全体のとりまとめをつけております。濫用等のおそれのある医薬品だけではなくて、医薬品の販売方法に関するいろいろなことについて検討しておりまして、例えば要指導医薬品、今まで医療用医薬品だったものから一般用医薬品になったものについては、初めのうちはリスクがまだ分かり切っていませんので、対面で対応するという規制だったのですけれども、今は大変ICTも進みまして、オンライン服薬指導なども行われているところでございますので、これもオンライン服薬指導と同様の方法を取れば、対面、お店に行って買わなくても、ネットで買うことも可能とするといった検討をしているところです。
 医薬品の販売制度全体を大きく見直して、国民の方に分かりやすく、また、販売する薬局やドラッグストアの方などが守りやすい制度にするということを念頭に検討しているところでございます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 我々としても関心がある制度に関することですので、今後も検討状況を教えていただきながら、意見交換をさせていただければと思います。
 それでは、議題1についてはここまででよろしいですか。大丈夫ですか。ありがとうございました。
 続きまして、資料2に基づいて、こちらも同じく委員の求めに応じた薬事制度・施策の実施状況として、診療録(カルテ)の保存期間についてでございます。
 泉委員、佐藤委員から御提案いただいた議題でございまして、また、本件に関連して、参考資料4にお示しいただいているとおり、昨年11月に全国薬害被害者団体連絡協議会を含む3団体から厚生労働大臣宛ての要望書が提出されております。
 本日、花井委員は急遽御欠席となりましたが、診療録の保存期間を延長することの意義等については、こちらの資料を御参照いただければと事前にコメントをいただいております。
 それでは、診療録の保存義務を規定している医師法の御担当である医政局医事課より、現状について御説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○医事課長補佐 ありがとうございます。
 厚生労働省医政局医事課の島田と申します。よろしくお願いいたします。
 お出ししている資料なのですけれども、診療録の保存年限に係る現行法令上の規定について説明した資料になっております。
 早速、2ページ目ですけれども、現行法令上の規定でございます。医師法第24条によりまして、医師は診療録に診療に関する事項を記載しなければならないとしておりまして、その第2項におきまして、診療に関するものは、5年間これを保存しなければならないとしております。
 こちらは罰則つきの規定になってございまして、第33条の3でございますけれども、第24条の規定に違反した者については、50万円以下の罰金に処するものとされております。
○事務局 今のような感じで、音声的には大丈夫ですか。ありがとうございます。
○医事課長補佐 ありがとうございます。
 続きまして、保険医療機関及び保険医療養担当規則ですが、こちらはいわゆる保険診療に関する規定でございますけれども、こちらも同様に患者の診療録については、その完結の日から5年間保存することになってございます。
 こちらの考え方につきまして、これまでの国会答弁を参考にお示ししております。ある患者につきまして、その対象を拡大すると、若しくは全ての患者の診療録を半永久的に保管することになりますと、個人情報として厳格な取扱いが必要なものになりますので、各医療機関に相当の負担がかかるので、こういう負担をどういうふうに考えていくべきかということはございます。また、これは罰則つきの規定でもございますので、ある意味最低の期間、5年を設けさせていただいているといった趣旨であることを御説明させていただいております。
 最後にこちらは参考資料でございますけれども、現行の電子カルテシステム等の普及状況でございます。令和4年現在、一般病院につきましても、一般診療所につきましても、およそ電子カルテの普及状況は50%から60%程度という形になっていると思います。
 以上、医事課から御説明申し上げます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 以上が御説明だったということですけれども、委員の皆様から御意見、御質問があれば、御発言をお願いいたします。泉さん、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
 参考資料4がついてございますが、この中の上から3行目に、医療DXに関連して、全国医療情報プラットフォームの創設とございまして、たしか2022年5月発表の医療DX令和ビジョン2030というものだと思うのですけれども、この中でも検討がされてきていて、そして、このビジョンのプラットフォームが今回のCOVID-19の感染症やそういう危機に対して迅速対応するためには、この体制が絶対に必要だと思っています。医師会も賛成しているということなので、現状どういうふうに厚生労働省は進めておられるか、現状とこの先目指しているところをお聞かせくださればありがたく存じます。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室主査 先ほどの御説明した者と交代させていただきまして、医政局参事官室の久保と申します。全国医療情報プラットフォーム並びに医療DXの所管の部署でございます。
 今、御質問いただきました全国医療情報プラットフォームの検討と今後どのようなものを目指しているのかということでございますけれども、今、資料がないので、口頭で御説明させていただきますが、全国医療情報プラットフォームについて今、医療機関や自治体、保険者等、様々なステークホルダーが様々な情報を保管しております。
 もちろん目的に応じて保管しているのですけれども、先ほどコロナの話もございましたけれども、コロナのときに、各ステークホルダーが持っている情報が連携されずに、もしくは結果的に連携できる手段がない状況の中で、円滑にコミュニケーションを図ったり、伝達ができなかったという経緯がございました。これらの反省も踏まえまして、医療DXの中で全国医療情報プラットフォームを創設し、各医療機関、自治体、介護事業者等々が情報連携しやすい環境を構築する、これが全体の医療情報プラットフォームが目指すべき姿でございます。
 その中で、まず先行して取組を進めておりますのが、電子カルテ情報共有サービスというものでございます。こちらはどういうものかというと、数ある中で、まずは医療機関と医療機関の橋渡しをして、情報が連携される未来を目指すというものです。加えまして、医療機関と患者さんにおきましても、マイナポータル等を通じて情報連携を行っていくものでございます。
 具体的にどのような情報を取り扱うかですけれども、まずは3文書・6情報を取り扱ってはどうかという話になっております。
 3文書につきまして、診療情報提供書、いわゆる紹介状でございます。紹介元から紹介先に変わるときに、紹介元からこの患者さんはこういう疾患で、このような治療を行ってきましたというものを書いたお手紙を電子的に送れるようにするもので、これに関連しまして、入院中の経過を示した退院時サマリーというもの、あとは、健診結果報告書という健診の結果、これら3文書を共有する。
 加えまして、6情報というものも併せて表示することになっております。6情報につきましては、傷病名、要は病名です。薬剤禁忌、アレルギー、これらのアレルギー情報も書いてございます。あとは、感染症、検査、これは検査結果でございます。最後、診療情報提供書に書かれた一部の処方情報、この六つの情報を連携することとしております。
 これらにつきましては、どのような情報が連携されるかという検討を関係団体の皆様と丁寧に御相談させていただいて、構築する予定としておりまして、電子カルテに入っている情報を一部ではございますけれども、電子カルテ情報共有サービスに送り、オンライン資格確認等システムと言われるデータベースに格納することによって、全国の医療機関が患者の同意の下で見られる。加えて、マイナポータルで本人が見られるという仕組みにしているところでございます。
 今後、このサービスをどのように行っていくかでございますけれども、今、システムの構築をしている最中でございます。なので、今すぐに見られるということではございません。来年度、一定の構築を行い、再来年度に本格的に稼働することを目指しているところでございます。
 一旦、簡単ではございますが、御説明としては以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 泉さんはよろしいですか。
○泉委員 ありがとうございました。
 添付資料に書いてあるように、163回の国会では、個人情報としての厳格な取扱いが必要な情報の保存につきましては、困難な問題が生じてくるから難しいと書かれているのは、もうクリアしているのかどうか。
 私どもがこれを提案させてもらったのは、私の団体である薬害肝炎原告団の中には、自分の診療、あるいは投与された薬のデータがないために、救済されない方たちが大変多くいらっしゃいます。そういうことを考えると、こういうものがあれば、本当に救われたのにと残念に思うこともあり、今後はこういうことになってはならないという思いで、医療データをぜひ永久保存の形で、私たちが所属する薬被連の中でもそういう検討が行われたということもあったのですが、ただ、個人情報はとても大切なので、そこのところはもうクリアしているのかどうか。これは平成17年の話ですから、今から大分前の話ですけれども、現状はどうなのでしょうか。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 個人情報のところについて、お願いします。
○医事課長補佐 ありがとうございます。
 個人情報のところは、昔の答弁なのですけれども、こちらの趣旨といたしましても、具体的にこういう技術があればクリアできるというものだけではなく、医療機関ごとにどのようなシステムを導入しているかとか、院長1人で運営されているような医療機関もございます。その中で、あらゆる事態で個人情報の漏えいがあってはならないということは当然のことだと思いますので、そういった問題点は引き続きあるのではないかと思っております。
○泉委員 ということは、まだクリアされていないということでいいのですか。
○医事課長補佐 一つこういう技術があるとクリアできるので、そこを解決していくというようなものとしては、まだなかなかシンプルにはいかないのではないかと思っております。
○泉委員 分かりました。時間がかかっていますが、ぜひ確立してください。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 泉さんがおっしゃっている、要は漏えいなどがないようにということについては、個情法などはもともと組織的・人的・物理的・技術的な安全管理措置として、講じなければならない項目は一応用意してあって、ただ、どこまで行っても100%かというと、そうではないという問題は昔も今も残っているということだと思います。必要な技術向上なんかはしていただくのだろうと思いますが、ただ、平成17年に全面施行された直後の頃は、危ないからできるだけ個人情報は持たないほうがいいというポリシーがあった時期で、その後、例えば医学研究の根拠となる資料など、必要なものは持っていたほうがいいとなってきていると思います。ですから、安全管理措置は取った上で、必要なものは必要な範囲できちんと使えるようにするというのもまた個情法の本来の趣旨なのだろうと思いますので、疑わしきはできるだけ狭くというか、情報を保管しない方向に持っていく、そういうときだけやたら個人情報保護を言い出すのもちょっと趣旨は違うのではないかという気がします。もう一声というか、延ばしていく方向でも考えていきましょうよという気がします。
 ついでに一言だけしゃべってしまいますと、私は予防接種・ワクチン分科会に入っていますが、そちらで予防接種台帳の保存期間を延長しようという話をしているところです。そのように、いろいろな事務のデジタル化と併せて、データベースも整備して利活用するという議論は個々の分野で様々になされるわけです。その際、もちろん予防接種の記録を予防接種行政に活かすために、安全対策などに使うためにやっていくのはいいのですけれども、全体としていつもばらばらしている印象です。
 先ほど御説明いただいた電子カルテのお話しも、それとワクチンの接種記録はどういう関係でしょうかとか、その他のデータベースは厚労省が持っているだけでもたくさんあります、難病のデータベースなどもありますけれども、結局全体としてどうなのかというのがよく分からなくて、うまくいっているのかとか、全体がなかなか見えにくい。今、改革の最中だからだと思うのですけれども、ぜひうまくやってくださいということをお願いしたい。
 その中で、例えば医薬品に関しては、特定生物由来製品なんていうのは20年保存をしましょうといったこともありますし、サリドマイドも個別にはなんかあったりして、それはそれで取組があったと思います。そういうところもきちんと視野に入れながら、全体をうまく考えていただきたいと、要望としては思っております。
 戸部先生、お願いします。
○戸部委員 詳しい御説明ありがとうございました。プラットフォームで検討をしていらっしゃる3文書・6情報など詳しく分かって、とてもありがたかったです。
 医療情報というところに関しては、電子カルテの普及とか、あるいは地域連携とか、多職種連携とか、診療の現場の環境が随分変わってきていることを考えると、保存期間の見直しはすごく大事なことだと思います。
 高齢化ということも考えると、抗生物質の使用履歴とか、感染対策に必要な情報とか、そういうところは5年ではなくて、もう少し長い期間の情報が必要だと思うので、考えることも大事だと思います。
 環境の変化という点では、処方箋の保存期限も一緒についてくると思います。医師が処方したものは先発薬で、薬局で患者が受け取る薬は、ジェネリック医薬品であるということもあるので、医師が作成する処方箋と薬局で保管する情報とのつながりというところも考えて、処方箋の保存年限についても一緒に考えていく必要があると思います。
 個人情報の話がありまして、患者としては、そういったところも気になるところではあるかと思うのですけれども、先ほど3文書・6情報の話がありましたが、情報を使う目的とか、使用場面とか、必要な場面がもう少し患者に分かれば、個人情報の重要性とその活用という点でバランスを考えることができると思いますし、患者としてどう参画すべきか。例えば患者が自分の情報を管理する。先ほど処方箋の話をしましたけれども、まだ薬の情報までつなげるのは難しいということであれば、お薬手帳の情報を患者のほうで持っておくとか、患者の参画の有り様も考えていくと、個人情報の扱いに関する考え方も少し変わるのかもしれないと思っております。
 あと、環境の変化の中では、お医者様の働き方改革というところが言われている中で、作成するデータとか、活用するデータの取扱いやすさ大事だと思うので、医療とか、介護の現場のリソースの有効活用というところと患者の参画というところを併せて診療録の保管、活用を考えていかないといけないと思いました。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 いろいろと重要な御指摘をいただきましたけれども、何かリアクションはありますか。
○医事課長補佐 ありがとうございます。幾つかテーマがあったと思っております。
 保存期間について、特に感染症ですとか、予防接種の取組等の議論があったと思います。そういう意味では、医師法の定めというのは、ある意味、全ての危機に対して、全ての診療に対して係る罰則つきの義務ということで、ただ、一方で、当然診療録を残すべきという分野もございまして、そのバランスの中で、今、ある意味ばらばらということでもありますけれども、それぞれの分野ごとに何年間保存しなければならないという検討も一方では進んでいると考えております。
 医師による処方と薬局による調剤の関係性ということもございました。こちらも法令では、医師は処方内容を保存することになってございますし、所掌ではないのですけれども、薬局でもいわゆる調剤した記録は残されると考えております。そちらも当然年限という意味では、5年とか、そういう形だと思うのですけれども、そこもある意味DXの中では、電子的に保存されるのであれば、長くなっていくのかどうかというところが一つポイントだと考えております。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室主査 参事官室でございます。
 御指摘いただいたことにつきまして、特に患者さんの参画を含めて、情報の活用をどういう形で生かしていくのかというところでございますけれども、まだサービスは稼働しておりませんので、患者さんにどのようにこの情報を周知していくかという部分は、まだ検討段階でございます。ですので、今、明確に申し上げることは難しいのですけれども、現状におきましても、マイナポータルで健診結果であったり、お薬の結果であったり、レセプト情報などから見られるようにしているところでございます。大幅に情報が広がることになりますので、広がった情報を患者さんにどう捉えていただいて、どのように活用できるのか。このサービスでは、病名とか、アレルギーなどが分かるので、次の医療機関にかかったときに患者さんから見せてもらう。これまでだったら、問診票にいちいち書かないといけなかったものが、すぐに正確に共有される。患者さんの申告によって対応していた部分が、医療者が入れた情報を基に次の医療者が使うという世界になります。患者さんに情報を渡すことを許可してもらって対応していく。こういう未来が一つ考えられるところでございます。
 今、一例として挙げましたけれども、これ以外にもこのサービスの様々なメリットがありますので、それを併せて医療者と患者さんに周知・広報していくことによって、DXを進めていくことを目指したいと思っているところでございます。患者さんの協力が不可欠であると認識しております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 最後のところは、結局カルテの情報は誰のものかという、大きな問題をやらなければいけないような気もします。お医者さんが書かれた、お医者さんの文書でもあるけれども、本来、患者本人の医療情報として、患者さんが持つべきだという考え方もあるのではないかと思ったりいたします。
 あと、その他、何かございますか。佐藤さん、どうぞ。
○佐藤委員 質問が一つと、意見が二つあります。
 まず質問からですが、先ほど個人情報保護の観点の説明をいただきましたけれども、例えばカルテの保存に関して問題が起こるとすると、病院や診療所が閉院する場合だと思います。現状5年間の保存期間であっても、閉院した場合の取扱いというのは、現状どのようになっているのか教えていただけますでしょうか。
○医事課長補佐 ありがとうございます。
 こちらは決められたルールという形で整理されているというよりは、こういう取扱いでということで行われているものになります。基本的には管理者の下で保存する形になりますし、仮に管理者がいない場合につきましては、行政と相談して、例えば市などで保存していただくということになっております。
○佐藤委員 ありがとうございます。
 あと意見なのですが、紙のカルテも含めて、薬害、あるいは医療事故等の原因を確認していく際に、さすがに5年間ではいかんともし難いということは、ここにいる皆様の共通の認識だと思いますし、ただ、いきなり永久保存ということになると、確かにハードルが高いとも思いますので、今後のタイムスケジュールとして、例えば5年間の保存期間をまずは10年に延長し、さらに20年に延長し、その先に永久保存という、そういう段階を踏んだ期間の延長も考えられると思うのですが、そういう観点で、今後のカルテの保存期間の延長に向けた具体的なタイムスケジュールを組んでいただきたいというのが私からのお願いです。
 もう一つ、参考資料4では、まずは電子カルテ等の保存期間を永久保存ということを求めていると読めるのですが、紙のカルテの場合には、保存期間を延長すると、物理的に紙を保管しておく場所が必要であるという難点があるわけですが、電子カルテ等の電子媒体の場合には、そういう障害はほぼないということだと思いますので、紙のカルテと少し区別をして、電子的な記録に関しての保存期間の延長を先行して行うということもあると思います。今後のタイムスケジュールの中で、電子媒体に関しての保存期間については早急に延長が可能だと思いますので、そういうことも含めたタイムスケジュールをお願いしたいというのが意見です。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。そういうことについても、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
 そのほかいかがでしょうか。伊豆津先生、どうぞ。
○伊豆津委員 個別の制度の中でどうしますかというのは、非常に難しいことは分かります。全体を通して、横串といいますか、対応できるかということはぜひ検討していっていただきたいと思います。大学病院でも保存していて、医師会からもそれほど反対はないということですし、非常に重要度が高いと思いますので、ぜひそういう検討もしていただきたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 その他、御意見、御質問はよろしいでしょうか。
 DXの話をすると、実際のところは、どこをどうやったらどんなふうになっているか、何が画面に出てくるのか、私はよく分からないところがあって、苦手意識もあるのですけれども、いろいろと教えていただきながら、こういう点は既に進んでいるということを実感できればいいと思いますし、医薬品の安全、薬害予防にも資するような形で制度設計されていくことを期待していますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。それでは、議題1はここまでにさせていただきます。
 続きまして、議題2、医薬品等行政評価・監視委員会における海外調査についてといたしまして、前回に引き続き令和5年度に実施した薬事制度に関する調査について、今回は日本の再審査及び再評価制度に相当する制度に関する調査の結果を御報告いただくことになります。
 調査の背景等は、前回の委員会において事務局より御説明済みですので、今回の調査を御担当いただいた国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部より、資料3についての御説明をお願いいたします。
○医薬安全科学部 よろしくお願いいたします。国立衛研医薬安全科学部の青木と申します。
 今年度の欧米の市販後安全対策を中心とした薬事制度に関する調査報告をいたします。
 今年度のテーマですが、日本の再審査及び再評価制度に相当する欧米の制度の有無、また、存在する場合はその内容について御報告いたします。
 最初に、今回の調査内容の全体の概要について御説明いたします。
 目的ですが、日本では、新薬を対象に、承認後一定期間が経過した後に、企業が実際に医療機関で使用されたデータを集めて、承認された効能効果、安全性について、再度確認する再審査制度があります。
 また、既に承認されている全ての医薬品について、現時点の医学・薬学等の学問水準に照らして、品質、有効性及び安全性を確認する再評価制度があります。
 これらと同様の制度が欧米にもあるのかどうか、あればその内容について、各規制当局のホームページ等から得られる情報を調査・整理いたしました。
 この表が全体のまとめの表になります。上の表は、日本の再審査及び再評価制度に相当する制度があるかどうかです。
 まず日本の再審査制度は、全ての医薬品について、承認から一定期間後に有効性、安全性、品質を再確認する制度です。4年後、物によっては10年後までございます。その期間に市販後の安全性の監視を行った後に、審査が行われます。
 欧州では、日本の再審査に相当するRenewal制度というものがあります。承認後、全ての医薬品について、一定期間後に再確認いたします。通常承認の場合は5年、条件付承認の場合は1年ごとに行われます。相当する制度はあり、○をつけています。
 一方、米国では、全ての医薬品を対象とした制度はありません。FDAが状況に応じて個別に対応しており、再審査制度に相当する制度はございません。
 次に日本の再評価制度ですが、現在、全ての医薬品を対象に評価が行われております。
 それに相当する制度ですが、欧州では、一定期間に承認された全ての医薬品を対象とする制度はございません。古い医薬品の評価も必要に応じてReferralという制度において評価が行われており、日本の再評価に相当する制度はありませんでした。
 米国ですけれども、ある一定の期間ものに限られますが、承認された医薬品について再評価する制度がございましたので、△をつけております。
 制度があったものについては、詳しく調査いたしましたが、ないものについても、日本で再審査申請するときの提出資料と同様の調査を行っている例もありますので、それについては並行して調査をいたしました。
 日本の使用成績調査に相当すると思われるものについて、欧州ではBlack Triangle Scheme制度、米国では市販後医薬品安全性評価という制度があり、調査いたしました。
 日本のデータベース調査、臨床試験についても、欧州ではPASS、PAES、アメリカではPMR、PMCという制度がありますので、これについても少し述べます。
 次をお願いします。日米欧の承認後の安全性監視活動全体について、図にまとめております。
 山吹色で示したものが日米欧共通の市販後の監視システムになっております。
 薄い黄色で示したものが日本の再審査で特徴的と言われているものです。使用成績調査、データベース調査、臨床試験が行われます。
 朱色で示したものは、RMP(医薬品リスク管理計画)で、日欧がリスク管理計画で、アメリカではREMSを用いて、市販後医薬品のリスク管理を行っています。
 日本ですが、一定期間、市販後調査でデータを集め、そのデータを添えて再審査を申請します。PMDAが有効性・安全性の調査をして、その調査を基に厚労省が判定します。
 再審査結果ですが、有用性が認められるものは承認継続となります。承認事項の一部を変更すれば、有用性が認められる評価の場合変更申請することになり、有用性が認められないものは承認取消しになるという、3種類の評価結果が出されます。
 欧米には、Renewal制度がございます。承認後、PASS、PAESなどで市販後のデータ取得が行われます。
 Renewal申請する資料としては、アップデートした承認審査申請書の5年間の資料を再提出することになります。CHMPが審査し、リスク/ベネフィット・バランスを見るとともに、添付文書情報が適切にアップデートされているかということも審査対象となります。
 期間は60日後に審査報告書が出され、さらに120日後にCHMPが見解を示します。
 結果はリニューアルかノンリニューアルかで示され、それを欧州委員会が最終決定します。問題がなければ、無期限有効となります。更新審査をもう一度行う必要があると判断された場合には、さらに5年後にRenewal申請が行われて審査されます。ノンリニューアルとCHMPが判断し、欧州委員会も却下した場合、承認が取り消されます。
 これは米国ですが、日欧に相当するような再審査制度はありません。日米欧で行われているような市販後の安全性評価は行われます。
 以上が概要です。
 次に個別の項目について、もう少し詳しく御説明いたします。
 欧州のリニューアル制度ですが、EMAのホームページにはそれについて詳しく説明したサイトが開設されています。
 リニューアルの期間ですが、通常承認については承認から5年後、条件付承認については毎年の更新、それから、少数ですけれども、例外的条件下の販売承認がありまして、これはリニューアルではなくリアセスメントということで、特別な制限があるものなので、例外的ですが、この3種類の承認薬についてそれぞれ法令で規定されています。
 これは法律による枠組みです。一つ一つは説明しませんが、期間、更新審査がさらに必要と決定されない限りは無期限有効、などが法律の中にはっきり示されています。
 これは先ほどのグラフを図に示しております。
 上のAと書いてあるところは、5年後のリニューアル審査で有用性が認められれば、無期限有効となります。
 5年後の審査でさらに5年後の審査が必要とされた場合、2回リニューアルの審査が行われ、審査を通れば無期限有効となります。
 一番下の条件付承認ですが、1年ごとの更新になります。1年ごとに何年も続けることになりますが、途中で必要なデータがそろい、通常承認に移行する場合もあります。
 これは条件付承認について、10年間の調査を行ったレポートからのデータですが、右上の図にありますように、平均して4年後に通常承認に移行する例が多いということが書かれております。
 それから、ノンリニューアルと判定される例がどのくらいあるかということについて、数を調査いたしました。
 1年間にリニューアル申請がどのぐらい行われているかというと、2021年、2022年については年度報告書が出ておりまして、123件、132件、年間で大体そのぐらいのリニューアル申請が行われています。
 2021年、2022年に関しては、ノンリニューアルと判定された例がありませんでした。全てリニューアルを通っています。
 その後については、直近の例として、2024年度、今年に入ってからノンリニューアルの例が2件出ております。
 更新審査の結果、販売承認が取り消された例、2件について、ここでお示ししております。
 Belantamab mafodotin(Blenrep)については、多発性骨髄腫の治療薬ですが、2020年に条件付承認され、その後、2年間は毎年更新が通っておりました。3回目の更新について、無増悪生存期間の延長・効果が認められないということで、販売承認取消しになっております。今年の2月23日のことです。
 それから、Translarna、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬ですけれども、これも2014年に条件付承認がされて、7回毎年リニューアルされたのですが、条件付承認から通常販売承認への変更申請が行われ、それをCHMPが審査した結果、ノンリニューアルとなりました。
 次をお願いします。Blenrepについて、もう少し詳しく御説明しますが、Blenrepは先ほど申しましたように、2回リニューアルが通った後、ノンリニューアルが出ております。企業が異議申立てを一度行って、もう一度審査されて、最終的には欧州委員会の決定として、ノンリニューアルという結果となっております。
 また欧州ですが、再評価制度に相当する制度はないのですが、古い医薬品をどのように評価しているか調べました。再評価という制度はありませんが、承認薬について、最近、オピオイド系のせき止めのPholcodine、Amfepramone、代用血漿剤のヒドロキシエチルデンプンなどは、販売から随分たってから承認が取り消された例です。
 一つの例ですが、Hydroxyethyl starchは、販売は2000年前後でしたが、重症患者で死亡率が上がることが認められ、Referralの評価が3回行われました。そのたびに安全対策、使用制限などが行われ、その対策が実施できているかという実態調査も行われ、安全対策が守られていないということで、2022年5月に欧州委員会が販売承認の停止を勧告しました。
 ただ、現場のお医者さんからもっと使いたいという要望が出たこともあり、1年半販売停止を延期するという措置が行われ、昨年の11月にドイツでは独自の国内評価を行い、安全対策がきちんと行われているということで、ドイツで使い続けるという判断がされています。欧州は中央で判断が出ても、各国の判断で使用できる例があるということです。
 日本なのですが、2023年1月に禁忌、重症の敗血症患者では使ってはいけないという通知が出ていますが、2023年3月に再審査が行われて通っておりますので、日本では使用することができます。
 次にアメリカですが、日本の再審査制度に相当するものはありませんでしたので、ほかに何があるかということを調べました。
 部分的でも目的を同じくするような仕組みがあるかということについて調査をいたしました。
 調査の仕方なのですが、CDERのサイトを見る、あるいは通常の製造業者向けのビデ教材や業界向けガイダンスなどを参考にしました。
 日本の使用成績調査に近い制度として、市販後医薬品安全性評価が行われていました。これは2007年のFDA改革法によって規定されて始まったものです。全ての承認薬・新薬について、承認後18か月または使用者が1万人に達した時点のいずれか遅いほうで集中的に実施できることになっています。
 ただし、これは10年間行われて終了していて、今は行われていません。理由は通常の監視活動と結果が重複するということで、特別に行わなくてもよいということで廃止されております。
 それから、PMR、PMCですが、これはデータベース調査、あるいは臨床試験に相当するものとして行われていて、FDAが行っているのですが、全ての医薬品に要求されるわけではないので、日本の制度とは違います。
 最後に日本の再評価制度に相当する制度ですが、一部相当する制度はあります。薬効再評価の実施、Drag Efficacy Study Implementationという制度です。
 アメリカでは、1938年から1962年に承認されたものは、安全性のみを評価して承認されていますので、この期間の承認薬全てについて、有効性を検討するということが行われました。
 1962年にFD&C法という法律にのっとって、FDAの承認を得るためには、新薬の有効性を示すことが義務づけられました。今日まで評価が行われ、評価は98%ほど終わっている状態です。日本の全ての医薬品を対象とする再評価には相当しないのですが、部分的には相当していることになります。
 以上、御説明いたしました。
 詳細情報については、後ろにつけておりますので、よろしかったら、見ていただけたらと思います。
○磯部委員長 ありがとうございました。令和5年度の欧米の薬事制度の取組の中の再審査、再評価制度について、大変詳細に御説明いただきました。
 御報告いただいた調査結果に関して、御意見、御質問などがありましたら、どこからでもお願いいたします。
 あるならあるで、ある内容についての説明をいただきましたけれども、ないならない理由というのは、今の5ページのところに書いてあるようなものでしょうか。例えば米国には再審査制度はないです。全ての医薬品を対象した制度はないとしているのはなぜなのかということは分かりますか。
○医薬安全科学部 以前、佐藤先生にも教えていただいたのですけれども、アメリカの2007年のFDA改革法のときに、日本、フランス、スウェーデンには再審査制度があるので、それを取り入れようという動きが実はあったそうです。そのときの委員会などの議論結果も発表されています。検討したということは分かったのですが、どうして選ばれなかったということは分かりませんでした。申し訳ありません。検討されたことがあったというのは、ジャーナルなどに出ておりました。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 佐藤先生、お願いします。
○佐藤委員 大変詳細な調査を分かりやすく御説明いただいて、ありがとうございました。大変勉強になりました。
 感想のようなことになってしまうのですけれども、今、アメリカではなぜ再審査制度がないのかということも議論になりましたが、アメリカは必要に応じてやろうと判断したということです。日本の再審査制度、再評価制度は、制度として整っていて、すごくいいと思えるのですが、ただ、一律に同じことをどの薬についてもやるところがあって、アメリカあるいはEUのほうがめり張りが利いている。特にアメリカは非常にめり張りが利いているという感想を持ちます。どちらがいいかというのは、一概に言えないとは思うのですが、海外調査から日本として学ぶべきことがあるとすれば、いかにめり張りを利かせていくかということだと思います。
 日本の再審査制度に関しては、まさにどの薬についても横並びに一律に使用成績調査という調査があって、明確な目的もないまま行われ続けてきた歴史がありまして、それだけでは足りないという中で、今のRMPの枠組みに変わってきたということがありますので、どれについてどのように重点的によりきちんとした市販後の調査を求めていくのかという行政判断の仕方に関しては、アメリカのFDAのようなめり張りの利かせ方、あるいはEUも再評価制度そのものはないのですが、再審査を繰り返すような形で、必要がなくなったら、あとはやらなくてもいいとなっていますので、そういう意味でも少しめり張りをつけているということだと思います。
 一方、日本は制度としては整っているようだけれども、特に再評価制度は形だけ残っていて、形骸化しているようなところもありますので、今後、アメリカやEUのいいところを日本の再審査制度、再評価制度の運用なり、そういうところに生かしていくことができるのではないかと思います。
 雑駁な感想です。ありがとうございました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 今のことについて、何かありますか。
○医薬安全科学部 佐藤先生、ありがとうございます。
○磯部委員長 その他、御意見、御質問などはございますでしょうか。資料はこれから読み込むということだろうと思うのですけれども、渡邉先生、コメントなりをいただけたらと思います。
○渡邉委員 御説明ありがとうございました。
 私からは、特にこれに関しての質問はありません。ありがとうございました。
○磯部委員長 ありがとうございました。急にすみません。
 今、佐藤先生もおっしゃったように、いいところは取り入れる、こうやって海外制度と比較するというのは、日本の制度を相対的に見直して、よりよいものに変えていくという議論をする際の基礎的な情報・資料としては、非常に意義があると思いますし、私たちも資料を読み込んで、またいろいろと考えていきたいと思います。
 この間の調査、どうもありがとうございました。
○医薬安全科学部 ありがとうございました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、調査結果に関する議論はここまでといたしまして、続きまして、この海外調査の来年度の方針について議論したいと思います。まとまった資料が手に入る貴重な機会だと思いますので、来年度、海外調査をどういうふうにしていくかの方針についても議論していきたいと思います。
 事前に委員の皆様にも御意見をいただきまして、その内容を整理する形で事務局に資料4を作成いただいておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
○綾室長 私から資料4を御説明させていただきたいと思います。
 1番の目的でございます。記載のとおり、本委員会における議論に活用するため、欧米における薬事制度や個別医薬品の承認状況等の調査・整理を行うものでございます。
 2番目の調査テーマでございます。
 この調査テーマのうち、(1)の欧米の薬事制度につきましては、マル1基本的な考え方は従前のとおりということでございます。
 マル2令和6年度の調査内容につきましては、事前に委員の皆様からいただいた御意見を基に記載してございます。2項目ございます。
 i)でございますけれども、医療用医薬品の適正使用を目的とした患者向けの適切な情報提供のための取組について。具体的には患者向けの情報提供、資材に関するルールの実態やその作成に伴う調査でございます。
 ii)でございます。GMP調査や患者・市民参画の取組に関する追加調査。これまでの委員会でも御発言がございましたが、昨年度までの海外調査結果を踏まえ、主に当局等への照会等によって、より深掘りした実態把握をするための調査でございます。
 欧米の薬事制度に関する調査といたしましては、以上の2項目を予定してございます。
 マル3の調査結果の報告につきましては、例年と同様、評価・監視委員会に御報告をする予定でございます。
 2の(2)個別医薬品の欧米での承認状況等についてでございます。こちらは毎回の監視委員会において、医薬局から定期報告とセットで御報告をしているものになります。引き続き同様の調査を実施していきたいと考えてございます。
 3の調査実施体制につきましては、本年度に引き続き、国立医薬品食品衛生研究所に御協力をお願いするほか、民間の調査研究機関の委託も含めて実施することを予定しております。
 最後に4のその他の部分を御覧ください。薬事制度の調査に関して、令和7年度以降の調査テーマの候補として、事前に委員の皆様方からいただいたものとして、広告規制について記載してございます。
 以上、簡単でございますが、これらの内容につきまして、御了承いただけましたら、新年度の調査実施に向けて手続等を進めてまいりたいと思います。
 1点、資料を口頭で訂正させていただきたいと思います。申し訳ございません。2の調査テーマのマル2の令和6年度調査内容のi)の部分でございます。今「医療用医薬品の適正使用を目的とした」と書いてございますが、ここの「医療用」は落としたいと思っております。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
○勝山補佐 委員長、すみません。事務局、勝山でございます。
○磯部委員長 お願いします。
○勝山補佐 今の修正の部分なのですが、「医療用」を落としたいというお話は、事前に委員からお話しいただいておりました、一番最後の令和7年度以降の部分のお話で、既に資料から削除しております。来年度の調査内容は、今の「医療用医薬品」のままで問題ございません。事務局内で混乱いたしまして失礼いたしました。
○磯部委員長 すみません。私もきちんと理解していなかったかもしれません。資料はそのままで正しいということです。
○綾室長 申し訳ありません。確認不足でした。
○磯部委員長 「医療用医薬品の適正使用を目的とした患者向けの適切な情報提供のための取組について(実態、工夫など)」と区切っていますが、医療用医薬品だけではなくて、一般用もあるでしょうし、患者向けもありますが、医療従事者向けの情報提供もあるでしょう。意味が四つあるとして、どこにフォーカスするのか。できれば全部やったらいいのではないかという気がするのですけれども、ひとまず令和6年度はi)の内容にして、令和7年度以降、さらに広げていこうということになっていると思います。ありがとうございました。
 今の来年度の方針について、御意見、御質問などはございますでしょうか。
○佐藤委員 佐藤でございます。
 私、これに関して、事前にもっときちんと意見を申し上げておくべきだったと反省しているのですが、令和6年度の調査内容のi、医療用医薬品の適正使用を目的とした患者向けの適切な情報提供のための取組については、オーストラリアでの取組が大変参考になると思います。FDAとEMAに加えて、オーストラリアの状況もぜひ加えていただけるといいと思いました。
 それから、このテーマに関しては、AMEDの研究班での調査研究の蓄積が10年ぐらいにわたってありまして、私も途中から分担研究者として加えていただいたのですが、まずは調査報告書をきちんと提示していただくというのが最初だと思います。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 オーストラリアの話というのは、前にも何かで伺った気がします。それも検討してみようと思います。できるのかというのは、結局予算ということかもしれません。
 その他、何かございますでしょうか。
 再審査とか、再評価ということだったら、制度の話なので、国レベルの話、データの話になってしまうのかもしれませんけれども、今度は患者向けの情報提供に関しての取組ということなので、患者・国民に向けてどういう働きかけがあるかということで、それをやっているのは国だけなのか、医療団体とか、製薬企業も入るのか。そういうものが入っても、差し当たりそれほど問題ないという気もします。関係者の自主的な取組というのは、ある程度活用しながら、国も何かやるという、そういう有機的な関係もあり得そうなので、FDAやEMAなどの情報を得るのはいいのですが、決してそれに限るものではなく、患者向けの適切な情報提供のための取組全般ということをまずは視野に収めるというアプローチでいっていいだくといいのではないかと思いました。
 そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、令和6年度の調査については、資料4の内容を基に、その他、オーストラリアの話もございましたので、いただいた御意見も踏まえて、必要な手続を事務局において進めていただければと思います。
 これがうまくいくと、令和6年度の調査方針については、これでいいということになります。ひとまずこの方向で行くということで、よろしくお願いいたします。
 続いて、議題3に行ってもよろしいでしょうか。医薬局からの定期報告についてでございまして、個別医薬品の欧米での承認状況の調査結果と併せて、事務局から御説明をお願いいたします。
○綾室長 私から引き続き資料5の定期報告と資料6の海外調査について、まとめて御説明をいたします。
 まず資料5の医薬局からの定期報告を御覧ください。
 前回、第14回委員会において御報告して以降、報告対象機関、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会は開催されておりません。
 また、緊急安全性情報等の新たな発出はされてございません。
 そのため、今回は承認審査関係の報告として、1、製造販売承認された医薬品の情報のみ御報告をさせていただきます。
 それでは、2ページ目、製造販売承認された医薬品の情報を御覧ください。
 前回、12月の委員会で御報告した後、新たに承認されたもののうち、2ページ目の表の外、※1、マル1~マル4の要件に該当するものがこの委員会への定期報告の対象となります。3品目の情報が記載されております。いずれの品目も海外で未承認の品目という要件に該当いたします。
 続きまして、資料6でございます。こちらは新たに承認された医薬品の成分で、国内での承認審査時に海外で承認がなかったものや特例承認等の対象品目について、欧米での承認状況等を評価した結果をお示しするものとなります。
 調査対象品目は、資料の2ページ目から6ページ目に一覧表としてお示ししておりますが、今回、資料5で新たに承認された医薬品として報告を行った品目のうち、2品目を含む計51品目を対象といたしました。
 なお、令和6年1月18日付で承認されたボイデヤ錠50ミリグラムについては、本調査の実施時点において審査報告書が公表されておらず、調査を実施できておりませんので、次回委員会以降、調査結果を御報告させていただきます。
 また、6ページ目下部に記載されております凡例にございますとおり、今回より表の記載方法を一部改変させていただいております。具体的にはFDA、EMAの承認の有無の欄で、薄いオレンジ色になっている枠がございますが、これらは当該地域において開発の中止、申請の取下げ、当局により承認の却下等が明らかとなっている品目でございます。今回、表示を明示的に変更いたしました。
 なお、開発中止等の理由は様々であり、今後、開発が再開される可能性等も否定できないことから、引き続き調査対象にしております。
 なお、R4-13、R5-7の2品目については、FDA、EMAにおける承認情報が確認されましたので、今回で調査終了とさせていただきます。
 簡単でございますが、以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御報告につきまして、御意見、御質問はございますでしょうか。
 申請の取下げ、開発の中止、却下、それぞれ何でそうなったか、確かに興味があるところではありますが、いろんな事情とか、お金の話などもあるでしょうけれども、却下というのは参考になるところだと思います。追加で情報はついているのですか。補正される可能性はあるのですか。
○綾室長 担当部局に聞いてみないと分かりませんが、もし分かるようであれば、また御報告させていただきたいと思います。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 そのほか、資料5、資料6に関連していかがでしょうか。佐藤先生、どうぞ。
○佐藤委員 委員長が言われた承認、取下げの理由のことなのですけれども、もし可能なら今後情報をいただきたいのですが、一つは4ページ目のR3-13です。EMAは緊急使用で許可されたが、通常承認申請の取下げですので、このあたりの理由が分かったら教えていただきたいと思います。
 それから、コロナのワクチン、R3-02です。3ページ目です。バキスゼブリア筋注の開発中止です。このあたりの理由についても、分かれば教えていただきたいと思います。
○綾室長 了解いたしました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 勝山さん、お願いします。
○勝山補佐 ありがとうございます。委員会室、勝山でございます。
 今、御質問いただきました点について、現状判明している範囲で御説明をさせていただきたいと思います。
 ラゲブリオの取下げにつきましては、品目ごとの個票が後ろについておりまして、33ページと記載されておりますけれども、このように情報が分かっているものについては、個票に詳細を記載させていただいてございます。
 ラゲブリオは、たしか前回か前々回の委員会で少し御紹介をさせていただきましたが、EMAの一番下の欄です。CHMPの中で否定的な見解が出され、それを受けて、企業でも追加のデータ取得が難しいということもあったようで、この品目に関して取下げを行うというレターを企業が返信をして、取下げに至ったということになってございます。
 その他の品目につきましても、企業から開発中止を明示的にしているようなホームページの情報ですとか、当局から却下とした場合には、却下の理由となったようなホームページの情報をこういった個票ごとの備考欄に明記する形にしております。従前よりこのような記載をしておりますが、今後、同様の品目があった際には、こうした情報を個々に御説明をさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。そちらも併せてよく読むようにということです。
 その他、いかがでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、定期報告については、次回委員会以降も引き続き報告をお願いいたします。
 本日の議題全体、あるいは監視委員会に関することなら、その他フリートークということで、何かございましたら、委員から御発言をお願いいたします。泉委員、どうぞ。その後、戸部委員、お願いします。
○泉委員 ありがとうございます。
 事務局から来週の3月26日に開かれる第23回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会に出されるだろうパンフレットの改訂、議題の中に薬害教育の教材の改訂というものが入っておりますので、いただいたパンフレットの改訂というものは、それに入れられるもので確定なのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○磯部委員長 その点はいかがでしょうか。
○綾室長 確定かどうかは、担当部局に確認をしないと何とも言えないということはあるかもしれませんが、勝山補佐、聞いていらっしゃいますか。
○勝山補佐 勝山でございます。
 個別に先生方に御意見伺いをしていたものでございますけれども、こちらは、現在、最終調整中と伺っておりまして、最終版につきましては、先生方に改めて御報告をさせていただきたいと考えております。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 薬害教育のための教材、パンフレットで、この委員会に関する記載があったものですから、委員内でも確認したということですが、まだ検討中ということでしょうから、最終的なことはまた教えていただき、また、この委員会でも共有できれば、次回以降の委員会で資料を出していただくということも考えようかと思います。
○泉委員 了解です。
○磯部委員長 戸部委員、お願いします。
○戸部委員 ありがとうございます。
 とても基本的なことが分かっていないのかもしれないのですけれども、先ほど御説明くださった資料6の海外での承認の状況ということで質問なのですが、承認が取下げになったら、それは製造しないということだと思いますが市場にあるものはどうなるのですか。
○磯部委員長 取下げというのは、申請の取下げです。だから、承認をもらっていなくて、承認をもらおうと申請していたのですが、最終的な判断が出る前にやはりやめた、取り下げたということだと思うので、市場には出ていないと思います。
○勝山補佐 事務局でございます。
 通常であれば、今、委員長がおっしゃったとおり、そもそも申請段階ですので、販売していないということになるのですが、今、ちょうど画面に映っておりますラゲブリオにつきましては、実はコロナのときに緊急使用のような形で、特例的に通常承認の前に使われておりまして、一番最後に括弧書きで小さく記載があるのですが、この品目に関しては、コロナ禍における緊急使用に関しては、各国判断で流通を続けてよいということになってございました。緊急使用したものをその判断が出た段階でどうするかというのは、恐らく緊急使用の状況がまだ続いているかどうかとか、そういったことを包括的に踏まえて、各当局が判断をするのだろうと理解しております。
○戸部委員 分かりました。ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
 そのほかはよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、以上で本日の議題は終了となります。
 最後に事務局からお願いします。
○綾室長 ありがとうございます。
 事務局より2点御報告がございます。
 1点目でございます。令和元年改正薬機法の検討規程を踏まえた検討の開始につきまして、御報告をいたします。
 この委員会につきましては、令和元年改正薬機法において規定された委員会でございますが、当該法改正におきましては、施行後5年を目途に施行の状況を勘案し、必要に応じて検討・措置を行う、いわゆる検討規程が定められているところでございます。
 本年2月9日に開催された医薬品医療機器制度部会において、この規程に基づく検討を開始し、12月を目途に意見の取りまとめを行っていくこととされましたので、御報告を申し上げます。
 今後、制度部会における議論の進捗、委員の皆様からの御意見も踏まえながら、必要に応じて本委員会でも議題として取り上げるなど、対応していくことを考えてございます。
 2点目でございます。委員会の各種規程の改正につきましてです。
 本委員会におきましては、運営規程等、幾つかの規程をこの委員会の決定として定めていただいております。本年4月1日付で、薬事・食品衛生審議会が薬事審議会に名称変更されるなどの組織改編が予定されてございます。
 本委員会の各種規程におけるこれらの名称についても、これに伴う変更ということで、本日、参考資料6として改正案をお示ししております。
 機械的な内容でございますので、特段の御意見がないようでございましたら、4月1日付にこの内容で各種規程を事務的に改正させていただこうと考えてございます。
 特段問題ないということでよろしいでしょうか。それでは、そのように事務的に進めさせていただきたいと考えてございます。
 最後に、次回の委員会についてでございますが、日程を調整の上、改めて御連絡をしたいと思います。
 また、議題につきましても、これまでと同様、委員の皆様方からの御意見を基に御相談させていただきます。
 以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
 今、規程の改正についても御承認いただいたということでした。
 それでは、これで本日の委員会は終了といたします。ありがとうございました。