第7回 日独政労使交流について

 2024年1月17日(水)から19日(金)にかけて、第7回日独政労使交流を東京にて開催しました。

1 開始の経緯

 1999 年11月の日独首脳会談において、シュレーダー首相(当時)から小渕首相(当時)に対し日独政労使三者協議の実施について提案がありました。これを受けて2000年4月に日独の政労使の代表が東京において会談を行い、政労使交流の実施に合意して現在に至っています。

2 これまでの実績

   日独両国の大臣等を代表とする政労使交流団が概ね3年に1回、交互に相手国を訪問し、政策対話と関係機関等への訪問を行っています。テーマは開催毎に両国間で協議して決定しています。
 
第1回 2000年4月 独側訪日 政労使交流の開始に合意  
第2回 2003年8月 日側訪独 高齢者雇用対策、若年者職業訓練等  
第3回 2006年11月 独側訪日 若年者の就労促進、最低賃金制度等  
第4回 2010年2月 日側訪独 人口動態変化、労働市場政策、介護問題等
第5回 2015年1月 独側訪日 女性の就労に係る現状、女性の採用・育成・登用促進、仕事と家庭の両立支援等
第6回 2020年1月 日側訪独 仕事の未来、労働市場の未来の展望、労働者のキャリアを通じたスキル向上、柔軟な                労働時間制度

3 第7回日独政労使交流の概要

(1)テーマ:「G7労働トラックの振り返り」~労働力確保や人への投資など独日議長国下の成果の
                       フォローアップ
  ・セッション1「労働力確保(人への投資、外国人材)」
  ・セッション2「包摂的な労働市場の整備(女性、高齢者)」
  ・セッション3「グローバルサプライチェーンにおける労働分野の人権尊重について」
 
   各セッションのテーマに沿って日本及びドイツの政労使各代表者がそれぞれ力強いプレゼンテーションを行い、その後テーマに係る闊達な議論が行われました。日本とドイツにおける国民一人一人の生活に直結する重要な共通課題について、両国の政労使代表者が一堂に介して状況報告、課題に係る議論を交わすことにより、情報共有・共通認識を得ることのできる貴重な機会となりました。
 
(2)出席者
  【日本側】
  三浦 靖 厚生労働大臣政務官、富田 望 大臣官房総括審議官(国際担当)
  則松 佳子 日本労働組合総連合会副事務局長
  市村 彰浩 日本経済団体連合会労働法規委員会 国際労働部会長 他

  【ドイツ側】
  リリアン・チャン ドイツ連邦労働社会省事務次官(政治任用)
  アニカ・ヴュンシェ ドイツ労働総同盟(DGB)国際局長
  シュテフェン・カンペーター ドイツ使用者団体連盟(BDA)事務局長 他
 
(3)概要
<会合>
○セッション1「労働力確保(人への投資、外国人材)」
 高齢化やDXを背景に人手不足やスキルギャップに対応するための人への投資や外国人受入れについて、今後の施策展開について意見交換を行いました。
 
○セッション2「包摂的な労働市場の整備(女性、高齢者)」
 女性や高齢者といった不利な立場に置かれやすい方を含めての誰もが意欲と能力に応じて活躍できる労働市場としていくための今後の施策展開について意見交換を行いました。
 
○セッション3「グローバルサプライチェーンにおける労働分野の人権尊重について」
 グローバルサプライチェーンにおける労働分野の人権尊重について、G7議長国同士で振り返り、技術協力を含めた今後の両国それぞれの取組方針について意見交換を行いました。
 
(4)政労使交流六者会談の様子

 

4 その他

○連合表敬
 芳野会長を表敬し、ソーシャルパートナーシップの重要性やジェンダー平等などについて意見交換を行いました。
 
○経団連表敬
 市村国際労働部会長を表敬し、賃上げや人への投資の重要性、ソーシャルパートナーシップの重要性などについて意見交換を行いました。
 
○バイ会談
 三浦厚生労働大臣政務官はチャン事務次官とバイ会談を実施し、G7労働トラックの振り返りや次回のベルリンでの開催などについて意見交換を行いました。
 
○視察
・アズハイム神宮の杜  DXを業務に取り入れ、介護職員の業務時間を削減する取組について説明がありました。この点を含め、介護職員の人手不足などについて質問・意見交換が行われました。
 
・ポリテクセンター千葉  ポリテクセンター千葉では離職者訓練コースを見学し、DXに対応した職業訓練に関する日本の取組について質疑応答が行われました。