2024年1月23日 独立行政法人評価に関する有識者会議 国立病院WG(第11回) 議事録

日時

令和6年1月23日(火) 13:00~15:00

場所

中央労働委員会 労働委員会会館 612会議室(6階)

出席者

土岐主査、亀岡構成員、田極構成員、根岸構成員、本田構成員、三角構成員、河村構成員、山口構成員

議事

議事内容
○事務局
 定刻には少し時間がありますが全員おそろいになりましたので、ただいまから「第11回独立行政法人評価に関する有識者会議国立病院WG」を開催します。本日の出席状況について御報告します。本日は全員出席を頂いております。なお、本日会場設備の都合上、オンライン参加の構成員の方、会場へは音声のみのお届けになります。ただ、主査と事務局の手元のノートパソコンでは、オンライン参加の先生の画像を確認できております。大変申し訳ございませんが、会場へは音声のみのお届けになります。御了承ください。続いて、事務局の人事異動について御報告させていただきます。参事官の三村から一言御挨拶を頂きます。
○政策立案・評価担当参事官室参事官
 調査分析・評価担当の参事官として昨年9月に着任いたしました三村と申します。本日はよろしくお願いいたします。
○事務局
 続きまして、本日の資料について御説明いたします。本日の資料に関しては、事務局から事前にメールでお知らせした厚生労働省ホームページ、独立行政法人評価に関する有識者会議の第11回国立病院WGの資料等に掲載してありますので、そちらを御覧ください。続いて、本日の議事について説明します。本日の議事は「国立病院機構の次期中期目標案及び中期計画案」に係る意見聴取を行うことになっています。本件につきましては、参考資料1の「独立行政法人評価に関する有識者会議開催要綱」の3の第4号「その他1から3までに掲げる事項に関し重要な事項」に該当するものとして、本WGの意見を賜るものです。厚生労働省所管の中期目標管理法人につきましては、厚生労働大臣が中期目標を定め、当該法人は定められた中期目標に基づき中期計画を策定することとされておりますが、法人の中期目標と中期計画は御意見を頂く上で密接な関係にありますので、本日は中期目標と中期計画について、同時に御議論いただきたいと考えております。
 次期中期目標及び中期計画の策定の流れについて簡単に御説明いたします。参考資料2を御覧ください。一番上の四角い囲みに「令和5年8月 独立行政法人の「業務・組織全般の見直し内容」等を総務省へ提出」とあります。国立病院機構の「中期目標期間見込評価書」と「業務・組織全般の見直し内容」につきましては、昨年8月に開催しました本WGにおいて皆様から御意見を頂き、その意見を踏まえ、参考資料5、参考資料6にあるように、厚生労働大臣から総務省独立行政法人評価制度委員会に通知しております。同じ資料の中ほどの四角い囲みに、「令和5年9月~12月 総務省独立行政法人評価制度委員会の審議・決定」とあります。
 参考資料7を御覧ください。昨年の11月27日に総務省独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の「中期目標期間見込評価書」と「業務・組織全般の見直し内容」について審議し、目標策定に向けての考え方などを決定したものです。国立病院機構に関しては、6~7ページに目標策定に当たって、目標に盛り込むことについて検討していただきたい点として整理された留意事項が示されております。
 参考資料8を御覧ください。昨年の4月13日付けで一部改定されたものですが、総務省独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の業務管理及び内部管理の共通的な方向性を取りまとめたものです。これらを踏まえて策定されたのが、本日御議論いただく国立病院機構の次期中期目標と中期計画の案です。次期中期目標の策定については、独立行政法人の目標策定及び評価実施要領において、参考資料4の目標策定のルールを定めておりますので、本日はこの観点からも御議論いただければと思います。事務局からの説明は以上です。それでは土岐先生、議事の進行をお願いいたします。
○土岐主査
 ありがとうございました。まずは、ただいまの事務局の説明について御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは早速ですが、議事のほうに移りたいと思います。国立病院機構の次期中期目標案として中期計画案について審議をしたいと思います。それでは最初に、厚生労働省の法人所管課から、次期中期目標案について御説明いただき、その後、法人のほうから次期中期計画案について御説明いただきたいと思います。この2つの説明が終わってから、質疑応答という流れで進めていきたいと思っております。それでは、法人所管課から次期中期目標案について御説明をよろしくお願いいたします。
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室長
医療独立行政法人支援室長の兼平です。私からお手元にあります資料1-1、独立行政法人国立病院機構第5期中期目標(案)の概要について御説明いたします。資料1-1の2ページ、中期目標の構成です。第2章で次期中期目標期間が令和6年4月から令和11年3月までの5年間になります。第3章以降の重要度、困難度の設定は第4期と変更はございません。引き続き、第5期もそれぞれの項目に重要度、困難度を設定しています。
 次に、資料の3ページ、国立病院機構の政策体系図です。中段以降に法人の果たすべき役割で、国立病院機構は診療事業、臨床研究事業、教育研修事業の3本の柱を一体的に提供しており、この診療事業、臨床研究事業、教育研修事業を、引き続き、次の目標期間でも対応していただきます。
 次は4ページ、使命等と目標の関係です。特に、中段の現状・課題と環境変化です。現状と課題は、急速に少子高齢化が進む中で2040年頃に65歳以上の人口がピークに達するとともに、2025~2040年にかけて生産年齢人口(15~64歳)が急減することが見込まれております。こうした中で、国は地域包括ケアシステムづくりを推進しており、その2040年頃を視野に入れつつ、新たな対応をしていくことが必要です。また、新たな地域医療構想の策定に向けた検討も次の5年間で必要になっています。
 環境の変化は、新型コロナウイルス感染症の発生以降、医療を取り巻く環境は大きく変化しており、特に受療行動の変化に対応していくことが必要になっています。また、先ほど申し上げましたように、生産年齢人口が急減する中で、医療や介護に従事していただく人材を確保していくことが非常に重要な課題になっており、次の5年間は、この医療人材の確保、育成に取り組むことが必要になっています。
 そういった課題や環境変化を踏まえて中期目標を設定しています。具体的には、次の5ページを御覧ください。1 診療事業、(1)医療の提供では、特に患者の目線に立った医療の提供を推進すること。2つ目は医療安全対策の充実による医療事故の防止に努め、院内感染対策の標準化に取り組み、その成果を適切に情報発信すること。次に、臨床評価指標の効果的な活用を行うとともに、チーム医療やクリティカルパスの活用を促進し、医療の質の向上に努めること。
 具体的な指標については、①特定行為を実施できる看護師の配置数を毎年度、前年度より増加すること。これは現在、令和5年度の実績は出ておりませんが、令和元年度から令和4年度まで着実に増えておりますので、この人数を増加することです。②は、今の中期目標では、認定薬剤師の配置数を毎年度、前年度より増加する指標がありましたが、現在、国立病院機構は令和4年度までの実績で、140病院中、134病院で認定薬剤師の配置が進んでおりますので、医療の質の向上に一定程度寄与しており、指標としては変更しています。今回は以前からの認定看護師の配置数を毎年度、前年度より増加することとし、令和5年度は出ておりませんが令和4年度まで着実に増え、令和4年度で1,140人になっています。
 ③クリティカルパスの実施割合を毎年度、前中期目標期間中の最も高い水準であった年度の実績以上とすること。こちらも令和5年度の実績は出ておりませんが、50%の割合ですので、この水準を維持する指標にしています。
 ④は新規です。こちらは医師の働き方改革もあり、タスク・シフト/シェアを推進するため法律が改正されており、業務拡大ができる職種があります。その中で、法人で職員数の多い診療放射線技師、臨床検査技師、それぞれについて業務拡大に係る行為に必要な知識及び技能を習得した職員の割合を毎年度、前年度より増加することです。こちらの研修は、それぞれの職能団体が実施しておりますので、この業務拡大に係る知識や技能を習得してもらいます。実績としては、その下にあります令和5年6月時点で診療放射線技師が40.9%、臨床検査技師で22.8%になっておりますので、この割合を毎年度増加する指標にしています。
 6ページ、(2)地域医療への貢献です。1つ目は、新型コロナウイルスによる患者の受療行動の変化や人口減少等による地域の医療需要の変化への対応に自主的に取り組むこと。また、老朽化した建物や災害医療対策の整備等、必要な施設整備を行う等により、機能維持に努め、地域に求められる医療に貢献すること。
 2つ目は、個々の病院、その機能、地域医療需要、経営状況、医療人材の確保状況等、総合的に勘案した上で再編成等の検討を含め地域ニーズを踏まえた病床規模や機能の見直しを進めること。3つ目は、介護施設や福祉施設も含めた入退院時における連携、また退院後の在宅医療支援を含めた支援の強化を図ること。具体的な指標としては、①紹介率を、毎年度、前中期目標期間中の最も高い水準であった年度の実績以上とすること。こちらは比較的高い水準を維持しておりますので、令和5年度は出ておりませんが、この目標でいきますと、元年度の77.3%以上とする指標にしています。
 ②逆紹介率を毎年度、前中期目標期間中の最も高い水準であった年度の実績以上とすること。こちらも同様に、まだ令和5年度は出ておりませんが、実績でいくと令和2年度の71.9%の実績以上にする目標としています。③訪問看護の延べ利用者数を毎年度、前中期目標期間中の最も高い水準であった年度の実績以上とすること。こちらは令和4年度の7万2,003件が指標になっています。
 ④は変更で、今の中期目標期間の指標では入退院支援実施件数を指標にしていましたが、新型コロナウイルス感染症発生以降、入院患者数が右肩上がりという状況ではなく、なかなか患者数が増えない中で件数を指標にしていますと、この増加が難しく、今回は、入退院の患者に対する入退院支援をした実施率に指標を変更しています。この実施率に変更しますと、実績は令和元年度28.3%から、令和4年度が43.8%で、こちらは毎年度伸びていますので、この指標は毎年度、前年度より増加する指標にしています。
 次に、⑤セーフティネット分野の医療を提供する病院における短期入所(短期入院含む)の延べ利用者数を毎年度、前年度より増加すること。こちらも、今の目標期間は前中期目標期間中の最も高い水準になった年度以上にしていますが、その指標のままにしますと、新型コロナウイルス感染症の発生前の令和元年度の数字が4万9,993人とかなり高くなっていますので、ここは毎年度、前年度より増加すると変更しています。
 7ページ、(3)国の医療政策への貢献です。国の危機管理に際して求められる医療ですが、1月1日に能登半島地震が発災し、国立病院機構にも看護師や医療班の派遣など、多くの支援を頂いています。そういった国の災害医療体制の維持や発展に貢献すること。2つ目は、セーフティネット分野の医療について、引き続き、我が国の中心的な役割を果たすこと。3つ目は、エイズ患者の高齢化等の個々の状態に応じて適切に対応できるよう引き続き取組を進めること。
 4つ目は新規で、新興感染症等への取組です。都道府県とも連携し、地域において必要とされる医療を安定的かつ継続的に提供するよう体制の整備を図ること。5つ目は、国が進めております医療DXについて、現在、マイナ保険証や電子処方箋をはじめ、国の医療分野における重要政策、国の医療政策に貢献する取組を進めること。
 具体的な指標については、①も変更になっており、こちらは事業継続計画(BCP)、今の中期目標期間中は全ての病院でBCPの計画を策定していますので、次の目標期間は、このBCPに基づく災害訓練を中期目標期間中に全病院で実施すること。現在、令和4年度の実績では67病院ですので、ここを次の目標の5年間では全ての病院で実施する指標にしています。
 ②後発医薬品(バイオ後続品を含む)の使用割合を毎年度、数量ベースで85%以上とすること。まだ令和5年度は出ていませんが、令和4年度まで85%以上の割合となっています。国で新たな目標は出していませんが、ここは引き続き、この後発医薬品の安定供給という課題がある中でも、この後発医薬品は患者負担の軽減や医療保険財政の改善に資することから、指標としては引き続き設定しています。
 ③訪問看護の延べ利用者数を毎年度、前中期目標期間中の最も高い水準であった年度の実績以上とすること。これは再掲です。④は新しく医療DXを進めていただく基盤にもなる診療系プラットフォームの参加病院数、電子カルテの導入病院数を毎年度、前年度より増加する指標にしています。
 電子カルテは、令和4年度まで120病院と、毎年度増加していますので、指標は前年度より増加にしています。診療系プラットフォームの参加病院数は、法人で令和6年度からこのプラットフォームを始めますので、今のところ実績はありませんが、この実績については毎年度の年度計画で、その年度に何病院参加するか設定し、業務実績評価において評価していただきます。
 次は、9ページ、2 臨床研究事業です。国立病院機構は病院ネットワークを最大限活用した迅速で質の高い治験又は大規模臨床研究に、より一層取り組み、他の設置主体も含めこれらの分野に精通する医療従事者等の人材の育成及び認定臨床研究審査委員会の着実な運用を図り、臨床研究や治験の活性化に貢献すること。
 2つ目は、国の医療DXを進める上で非常に重要なデータの収集・分析の規模拡大により臨床疫学研究の推進等に貢献すること。3つ目は、その外部のデータベースとの連携や外部機関へのデータ提供に積極的に貢献すること。4つ目が、他の設置主体と連携し、ゲノム医療・再生医療に関する臨床研究や新規医薬品開発等の共同研究をより充実することを目標にしています。
 具体的な指標としては、新規採択臨床研究課題数を毎年度、前中期目標期間中の実績平均の16課題以上としています。こちらの臨床研究の採択は年度当初に件数が概ね決まりますので、令和5年度では14件です。こちらも新型コロナの影響を受け、国立病院機構では診療に従事する医師が臨床研究を併任している状況ですので、令和2年から4年も新型コロナウイルス感染症への対応があり、研究課題数が減少していますが令和5年度は少し戻しています。指標としては、実績平均の16課題以上としています。
 ②は英文の原著論文掲載数を令和10年まで、令和5年の実績の2,053件を維持すること。現在の目標は、平成30年の件数から5%以上増加することにしていましたが、この原著論文までに研究立案から5~7年程度必要です。現在の研究数が次の5年間に原著論文で発表されますが、こちらも新型コロナウイルス感染症の影響でこの立案に入る研究数が抑制されていた状況もあり、ここは増加ではなく、この2,053件を維持する指標にしています。
 次は10ページ、3 教育研修事業です。こちらも病院ネットワークを活用し、質の高い医療従事者の育成を行うとともに、地域の医療従事者や住民に向けた研修などを実施すること。2つ目は、看護師等養成施設は、地域における医療人材育成や需給及び医療の高度化・複雑化等の環境の変化を踏まえた上で、運営方針等の見直しを行うこと。3つ目は、特定行為に係る看護師育成について、高度な看護実践能力を持つ看護師の育成と確保を推進すること。4つ目は、限られた人材の中で効果的に活用するマネジメント力を備えた看護管理者の育成を引き続き推進すること。
 指標として、①は今までは医師、歯科医師、又は看護師等のその他職種の学生実習の受入れを指標にしていましたが、特に、実習指導の多い看護職は学生を指導する立場の職員を養成していくことが次の目標期間に必要であり、指標を変更し、看護職の実習指導者講習会修了者数を毎年度、前中期目標期間中の最も高い水準であった年度の実績以上とすること。まだ令和5年度は出ていませんが、今は令和4年度の220人になります。この実習指導者講習会を修了するには180時間の履修時間が要件であり、時間を確保するための講習会実施の体制、また、各病院から参加する人数の確保の大変さもあり、右肩上がりではなく、最も高い水準の維持と設定しています。
 ②は地域の医療従事者を対象とした研修会の開催件数を毎年度、前年度より増加すること。こちらは前期期間中の最も高い水準にしますとコロナ前の令和元年度の件数がかなり高いことから、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、前年度より増加する指標にしています。
 ③は地域住民を対象とした研修会の開催件数を毎年度、前年度より増加すること。こちらも同じように新型コロナウイルス感染症の影響を受けていますので、毎年度増加する指標にしています。④は特定行為研修修了者数を毎年度、前年度より増加すること。こちらは国としても推進しており、機構でも取り組んでいますので、毎年度増加する指標にしています。
 次は、11ページ、第4章 業務運営の効率化に関する事項です。1.効率的な業務運営体制で、特に、(2)勤務環境の改善については、職員が安全、安心に働ける職場環境の整備や働き方改革等を実現するため勤務環境改善を進め、医師や看護師等のタスク・シフト/シェアの推進、労働時間をより確実かつ効果的に把握・管理するための取組等を行うこと。
 次に、2.経費の節減及び資源の有効活用です。特に(5)一般管理費の適切な執行ですが、引き続き効率的な執行に努めること。今の中期目標期間は毎年1%ずつ削減し、5年間で5%削減ですが、現在の電気・ガス等のエネルギー価格の上昇、その他の物価高騰がある中で、毎年度1%ずつ削減することが難しい状況ですが、引き続き効率的な運営が必要ですので、定量的から定性的な指標にしています。
 指標として、①の損益における経常収支は、今の指標は毎年度経常収支率を100%以上でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、病床確保料等の補助金がない運営で医業収支は赤字の状況ですので、毎年度100%以上は厳しい状況です。しかしながら、安定的な運営、健全な経営が必要であり、指標としては、各年度の損益計算において経常収支を前年度(令和5年度は新型コロナへの対応に関連した補助金等を除く)以上とすること。
 新規としては、②はこれまで1つでしたが、ここに前年度より病床利用率(結核・感染症・医療観察法病棟の病床を除く)・改善した病院数を、令和4年度から5年度に改善した病院数以上としており、令和4年度の実績で54病院です。健全な経営をしていくため病床利用率を上げていくことも必要ですので、なかなか患者数が戻らない場合には病床の規模等を見直すなどの検討も含め病床利用率を改善することで、前年度以上にする指標にしています。
 最後は12ページ、第5章 財務内容の改善です。先ほどの第4章で定めた取組を着実に実施していくことがメインになっており、それ以外に長期借入金の元利償還を確実に行うことです。
 第6章 その他業務運営に関する重要事項は、1.人事に関する計画で、特に、先ほど申し上げた生産年齢人口が減少する中で、必要な人材確保及び育成に努め、経営について計画的な取組を実施すること。2.施設・設備に関する計画は、地域の医療需要や経営状況を見ながら効率的、効果的に機動的な整備を行うこと。具体的には法人の中期計画で計画します。3.内部統制の充実・強化は、引き続き、その充実・強化に取り組んでいくこと。4.情報セキュリティ対策の強化は、特に、患者の情報という機微な情報を扱っていますので、サイバー攻撃や災害時等の非常時にも対応できる情報セキュリティ対策の推進を図って、国の医療分野のセキュリティ強化に貢献すること。私からの説明は以上です。
○土岐主査
 ありがとうございました。それでは、先ほど申し上げましたように、続いて法人のほうから、次期中期計画案について、御説明をよろしくお願いいたします。
○独立行政法人国立病院機構理事長
 国立病院機構理事長の楠岡でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。資料ですが、資料1-2が中期計画(案)の概要、資料2-2が中期計画(案)、資料3-2が第5期と第4期の中期計画の新旧対応表となっております。中期計画案につきましては、先ほど厚生労働省から御説明がありました中期目標案を達成するために、機構が具体的に取り組むべき内容としております。また、中期目標の達成を図る指標については、中期目標案で定められた指標と同一の内容としております。
 まず私のほうから、中期計画案の策定に当たっての機構の基本的な考え方を記載した前文について御説明いたします。その後、西川企画役から、中期計画案の具体的な内容について御説明申し上げます。
 まず、資料1-2の概要を御覧いただければと思います。1ページが前文でございます。この前文につきましては、第3期までは中期計画において、前文というのはございませんでした。第4期の中期計画を作成するときに、いきなり個別内容に入っては、機構としての考え方が十分に示せないということで、前文を付けた次第です。第5期計画案につきましても、同様にこのような形で前文を付けております。
 我が国の現状認識としまして、2040年頃に向けて、本格的な少子高齢化・人口減少時代を迎えようとしている中で、医療・介護などのサービス提供体制について、今後のニーズや人口動態の変化、コロナ禍を乗り越える中で顕在化した課題も含めて、質の高いサービスを効率的・効果的に提供できる体制を構築するという観点から、地域包括ケアシステム及び地域医療構想(医療の機能分化と連携)の更なる推進、人材の確保・育成、働き方改革、デジタル技術の著しい進展に対応していくことなどが必要とされています。
第4期は、地域医療構想や働き方改革の取組がスタートした期でありましたけれども、新型コロナによる未曽有の危機に直面した期でもありました。今般のコロナ対応では、各地域においてコロナ対応病床が十分に確保できない、一般診療を制限せざるを得ないなどの状況が生じ、医療提供体制の課題が浮き彫りになりました。
 そうした中で、NHOは全国的な病院ネットワークの人的・物的資源の強みをいかし、臨時医療施設の設置も含むコロナ病床の確保や、機構以外の病院等に対する人材派遣などにより、地域におけるコロナ医療、一般診療、介護・福祉サービスの確保に大きく貢献し、地域におけるサージキャパシティーの役割を果たすことができたと考えております。
 第5期においては、コロナが社会に及ぼした影響に対応しつつ、これまでの機構の取組や強みをいかし、災害や新興感染症等への備えや医療DX対応など、新たに又は強化が求められる役割を含め、国の医療政策に積極的に対応してまいります。
 また、これまで同様に他の設置主体では人材を含む体制の整備、又は不採算であることから実施が困難とされるセーフティネット分野の医療、5疾病6事業、災害や新興感染症等の国の危機管理に際して求められる医療、併せて医療を発展させるための臨床研究や人材育成のための教育研修を実施し、我が国の医療政策の実施や医療水準の向上に寄与してまいります。
 なお、こうした取組を支えるため、必要な人材の確保・育成等を行うとともに、関係機関と連携しながら資金の確保に努め、機構のスケールメリットをいかした資金を有効的に活用し、法人経営の持続的な健全性が保たれるよう、経営改善に向けた不断の取組を進めてまいります。中期計画の前文の説明は以上になります。詳細につきましては西川企画役より御説明を申し上げます。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 引き続きこの資料の2ページを御覧ください。診療事業という所で、上の段です。患者満足度調査はこれまでも実施してきましたが、新たに患者経験価値調査という、医療サービスのプロセスの部分についても要素として取り入れた調査をしていこうということです。
 下の段です。先ほどの中期目標の所で認定看護師の配置を進めていくという指標がありましたが、特に新興感染症等に対応できる感染管理の認定看護師につきまして、配置を推進していこうと記載しています。
 3ページを御覧ください。地域医療への貢献という部分です。真ん中の所、再編成等の検討を含め地域ニーズを踏まえた病床規模や機能の見直しを検討、実施していくということです。第4期においてもこの地域医療構想に対応して、再編成等を検討していこうということを記載していますが、第5期につきましてはこのような記述を書き加えています。
 4ページです。国の医療政策への貢献ということで、下の段です。セーフティネットの関係ですが、この下線の部分、医療的ケア児の受入れということで、これは最近の国の医療政策を受けまして記載しています。
 5ページです。一番下の所です。医療DXへの貢献ということで、診療系プラットフォームの導入を進めるとともに、マイナ保険証の利用率アップであるとか、電子処方箋の導入ですとか、政府のほうが全力で取り組まれている医療DX政策に率先して取り組んでいこうということです。
 それから、下の所でジェネリックの関係ですが、バイオ後続品の関係についても、これは国の医療政策で進めているところですので、分母、分子に、バイオ関係の後発品につきましても、含めた形で85%を達成していこうということです。
 6ページです。臨床研究の部分ですが、機構独自の事業ということで、若手の研究者を育成するための研究枠を設けていこうということです。
 7ページは教育研修事業ということで、中期目標に対応しまして、学生が看護実習に来られた際の実習指導者の養成や、その下の下の所で、特定行為研修修了者の増加を中期目標になぞるような形で記載しています。
 8ページです。効率的な業務運営の体制です。真ん中の所、タスク・シフト/シェアの推進、労働時間というところで下線を引いています。ICTを活用しながら、労働時間をはじめとした労務管理、あるいは業務内容の集約化、効率化などの見直しに積極的に取り組んでいき、労働時間の短縮等々を進めていきます。
 下の所です。デジタル庁のほうで独法も含めて、このシステムの関係で基本的な方針が示されていますので、これに基づいてNHOのほうで設置されておりますPMOという組織的な体制により、情報システムの適切な整備・管理に取り組んでまいります。
 9ページです。調達の関係で、NHOは独法になってから、医薬品あるいは医療機器等の共同購買を進めてまいりましたが、新たに汎用的な医療材料についても、共同購入の対象に加えて進めていこうということです。
 一般管理費につきましては、中期目標同様に、引き続き効率的に執行してまいりたいということです。
 10ページです。その他主務省令で定める事項というところですが、下線を引いている所で、投資の関係ですが、災害医療や新興感染症対策、医療DX等について、強じん化のために効率的かつ効果的に行ってまいりたい。そして必要な投資水準を設定いたしまして、この範囲で投資を行ってまいります。
 併せて下線を引いていますが、機構の内部でスケールメリットをいかして、資金を有効活用してまいりたい。機構内で各病院から理解を得ながら、病院と本部それぞれがお金を出し合って基金を設けて、そのお金で必要な投資を進めてまいりたいということです。
 最後に11ページです。内部監査やコンプライアンスにつきましては、それぞれ取組を進めるとともに、必要な強化を図ってまいります。真ん中の所、サイバー攻撃の対応として、ゼロトラストアーキテクチャと申しまして、法人の内部のシステムにつきましても、必ずしも安全だというようにトラストしない、信用しないで強化を図ってまいりたい。それから、サイバー攻撃や災害時にも対応できるようなセキュリティ対策の強化を進めてまいりたいと考えております。以上です。
○土岐主査
 ありがとうございます。ただいま御説明がありました次期中期目標案と次期中期計画案について、構成員の先生方から御質問、御意見等をお受けしたいと思います。質問等がありましたら、挙手をお願いします。Webから山口構成員、早速どうぞ。
○山口構成員
 ありがとうございます。山口です。私は、目標の資料1-1に沿って数点申し上げたいと思います。資料1-1の5ページに、診療放射線技師、臨床検査技師において、タスク・シフト/シェアということで、より知識や技能を修得した職員の割合を増やすことが書かれているのですが、私は、タクス・シフト/シェアというのは、患者家族の理解がなければ達成できないと思っています。そのためには、臨床検査技師や診療放射線技師がどのような技能を持っていて、医師がやっていたことをシフトしていく、シェアしていくことを、是非、患者側に説明することも併せてやっていただきたいと思いました。
 6ページに指標として挙げられているのがありますが、特に指標の中で①②④というのは、どちらかというと急性期の病院で頑張っていただく内容ではないかと思います。国立病院機構の場合、140病院の平均になってしまいますので、実際に、急性期でこういったことをどれぐらい達成できているかを見たいときに、なかなかそれが分からない結果になってしまうと思います。目標としては、あるいは計画としては、全ての病院にということになるのだと思いますが、これは評価のときに本来の役割を果たせているかどうかが分かるような見せ方を、是非、この5年の中でやっていただきたいというお願いです。
 7ページですが、これは計画にもありましたが、後発医薬品(バイオ後続品を含む)は、これまでどおり高いパーセンテージを維持するのだというお話があったのですが、かなり供給の不安定さが深刻だと聞いています。しかも回復までに数年を要するという話を聞いていますので、病院の努力だけで達成できないこともあるのではないかと思います。ですので、そのときの状況次第で、供給の体制がどうなのかということも併せて評価のときには見ていくといった具合に、少し緩くしておく必要があるのではないかと思います。
 次は質問ですが、指標の4番目の電子カルテの導入病院数、これは令和4年度が120ということは、まだ20病院で電子カルテが導入できていないということだと思うのですが、その20病院はどのような特徴があるのかということと、それを実現するために、どのような本部としての支援や工夫をしていかれるのか。そういったところがもし計画としてあれば、教えていただきたいと思います。
 最後ですが、10ページに対して、教育研修事業の指標の3番目に、地域住民を対象とした研修会の開催件数ということが、これまでも同じように挙げられていたのですが、そろそろ件数だけではなくて、どのような研修をしているのかという内容と、どのような効果が表れているのかということを、次年度の5年間で、その次の年度の目標にできるような準備をしていただけたらいいかと思っています。
 恐らく効果でいうと、ヘルスリテラシーが向上したとか、生活習慣病の改善につながったとか、健診の受診率が上がったとか、そういったことを挙げられるかと思っていますので、是非、そういったことをこの5年間の中で準備していただきたいと思いました。すみません、長くなりましたが、以上です。
○土岐主査
 では、一度ここで厚労省側から回答を頂けたらと思います。
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室室長
 支援室長の兼平です。高い目標にしていますので、業務実績評価をいただくときに、どういう状況であったのか分かるように、きちんと評価できるような仕組みを工夫したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○土岐主査
 今のは、研修のあれですか。
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室室長
 研修や急性期病院の評価です。6ページの①②④と、後発医薬品の関係は、評価のときに分かるような工夫を検討したいと思います。
○土岐主査
 では、もう少し整理をしますと、最初の御質問は、タスク・シフト/シェアにおいて患者さんへの協力をお願いするということでしたので、こちらは反映していただけますか。機構からお願いします。
○独立行政法人国立病院機構医療部長
 ありがとうございます。医療部長です。タスク・シフト/シェアの際に、患者様及び家族の御理解を得るようにという御指摘でした。大切な視点です。患者様の納得を頂いた上で実施する形で、掲示や説明について工夫をしていきたいと思っております。
○土岐主査
 あと、私が気になったのは、電子カルテが導入されていない20病院は、どのような特徴があるのかという御質問を頂きましたが、ここはいかがでしょうか。
○独立行政法人国立病院機構情報システム統括部長
 情報システム統括部長です。現在、未導入の20病院のうち半数以上が精神科病院、残りの病院は非常に小さな病院が占めている状況です。ただ、こちらについても、それぞれの病院に更新のタイミングがありまして、次期の更新の際には全病院が実現できるよう、現在取り組んでいるところです。以上です。
○土岐主査
 よろしいですか。あと、後発品のことについて質問があったのですが、私も後発品のことは、維持が可能かどうかということです。この目標で見ると、維持ができたらいいかというか、後発品については85%以上とすることという目標になっており、現在、既に88、89%あるわけですから、85%というと、一見、現状が維持できればそれで十分達成ということなのですが、これは裏返しで言うと、現状を維持できないリスク因子があると、そういう解釈だと思います。これについて、それが実際に達成可能であるか、危険因子とはどのようなものであるか、その辺りの見解を頂けたらと思いますが、いかがでしょうか。
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室室長
 支援室長です。高い数字85%以上クリアしていますが、後発医薬品については供給体制、製造する側がマニュアルどおりにしていなかった違反があるなど、不安定な状況があります。現状では、先ほど言いましたように、患者さんの費用負担の軽減や医療保険財政の改善に資するものであり、厚生労働省としては指標を残し、評価のときには、供給体制の状況を踏まえて御意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○土岐主査
 山口構成員、大丈夫でしょうか。
○山口構成員
 あとは、一般の方向けの研修は、今後お願いしますという私からの要望ですので、できれば前向きに取り組んでいただければと思います。ありがとうございました。
○土岐主査
 ありがとうございます。それでは、ほかの構成員の方から御質問はありますか。挙手でも結構ですし。では、三角構成員、どうぞ。
○三角構成員
 三角です。よろしくお願いします。意見とか質問は幾つかあるのですが、一つ一つでいいですかね。
○土岐主査
 はい。
○三角構成員
 まずは1-1からですが、5ページの、いつもここは気になるのですが、特定行為を行える看護師の所なのですが、これは基本的に、ここに書いてある看護師の配置数というのは、領域特定の看護師の数のことを言っていますか。これは、NPは入っているのですか。
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室室長
 領域特定の方です。
○独立行政法人国立病院機構医療部長 
NPも入っています。
○三角構成員
 NPと合わせてということですね。これはNHOの中でこういった領域特定がほとんどだと思うのですが、特定行為を行える看護師さんの育成をするプログラムというのは持っておられますか。
○独立行政法人国立病院機構医療部長
プログラムを持っている病院があります。
○三角構成員
 では、幾つかの病院でそれを実施していると。
○独立行政法人国立病院機構医療部長
 はい。NHO病院のうち35施設において、指定研修機関を置いています。
○三角構成員
 分かりました。35持っていれば、これくらいの数の目標が増やしていけるということだと思います。ありがとうございます。
 次が、6ページですが、先ほど山口委員も少し言われたことで、私も少し気になったので、指標の①とか②というのは、結局は、いわゆる地域医療支援病院など、紹介外来重点医療機関というのが、これを目標としなくてはいけない数字だと思うので、NHO全体で見ると、確かにこれを全体で上げることが正しい。例えば紹介率を本当に上げていくことが正しいのかというのは、少しやはり違うのかと思うので、これは病院別に考えて、トータルでこうやって、全体でトータルの数字を出すのも意味はあるかもしれませんが、最終的には個々で考えるべき案件なのかと私も感じました。
 7ページ、指標の④に書いてある診療系プラットフォームというのが、どういう意味で使われているのか分からないので教えていただきたいです。
○独立行政法人国立病院機構情報システム統括部長
 これから国のDX等も実施して、各地ネットワークを作っていかなければいけないというところで、我々の法人としては、病院ごとで個別に国とネットワーク等につなぐのではなくて、法人全体でまずは取りまとめた上で各種国のDXなどと、今後の医療のIT化に進めていくためのトータルのネットワークを構築するというプロジェクトを推進していくということです。
○三角構成員
 NHO全体でそのプラットフォームを、言ってみればEHRみたいなデータベースを作って、それと国との関係を作っていくということですか。
○独立行政法人国立病院機構情報システム統括部長
 EHRも将来的なものですが、まずは物理的にネットワークをつないで、通信の安全を確保するというところからスタートです。
○三角構成員
 もちろん法人全体としてこういったプラットフォームを作るのは大事だと思うのですが、結局、例えば患者さんのデータなどは、その地域ごとで本当は共有すべき案件かと思うので、同時進行で構わないと思うのですが、少しほかの所にも書いてありましたが、その地域で行っている、例えばEHRとか、そういうものにNHOの病院も参加をしていただいて、地域でのネットワーク作りというものにもデジタル化を進めていただきたいと思いました。
○独立行政法人国立病院機構情報システム統括部長
 地域でのネットワークも含めて国全体で進めているIT化に対して、対応できるネットワークを作っていきたいと考えているところです。ありがとうございました。
○三角構成員
 分かりました。それから、少し多いですが、土岐先生、もう少し続けていいですか。
○土岐主査
 どうぞ。
○三角構成員
 11ページの病床利用率の問題ですが、病床全体がトータルで、NHO全体で、分母がこれから減っていく時代で、数ではなくて、こういう利用率というのが問題になるかとは思うのですが、例えばこれはとにかく上げればいいのかと、効率性を考えて病床利用率はひたすら上げればいいのかというと、ここは本当にそうなのかとは感じています。いっぱい病院があって、比較的過剰な所に関しては、ある程度数を削って、過剰競争のない状況でうまく運用するのが正しいのかとは思いますが、例えば平常時ではなくて有事のときというのは、余裕のあるベッドがその地域のどこかに存在しないと、結局、有事の患者さんを受け入れきれない。例えば震災とかが起こったときに、緊急で受け入れなければいけない余地というのは、なかなか民間病院でそれを持つことができないので、セーフティネットの問題とも関わるかもしれませんが、有事の行き場を失くした患者さんたちというのは必ず存在するわけで、その辺の余裕のある病床作りというのは、NHOで率先してやっていただきたいと思うので、トータルで考えて、経営のことや何かも考えれば、利用率を上げていくというのはすごく正しいのだけれども、そこは考えていただきたいと思います。
○土岐主査
 どうぞ、理事長。
○独立行政法人国立病院機構理事長
 非常に大事な御指摘だと思います。現実の問題としては、各病院において空床、休棟病棟が実際存在しております。効率的に医療を提供し、かつ経営的に安定させようと思うと、どうしても休棟せざるを得ないところがあります。今回のコロナ禍においても、そういう所を新たに開くことによって対応したとか、あるいは隔離病棟として使用しました。
 現在、能登半島地震においても、金沢医療センターが1病棟休棟していたのですが、被災者の方の受入れのために、そこを急きょ開けて、今、被災者のため活用しております。ただ、看護師が足りませんので、これに関しましては、全国の機構病院から看護師を派遣いただいてカバーしています。我々としても休棟病棟を活用するとか、非常時において人をどうやって確保するかというのは、ネットワークとして対応していきたいと考えております。
○三角構成員
 本当にそのとおりだと思いますので、よろしくお願いします。あと1つだけ、1-2で教えていただきたいのですが、10ページ辺りの話かと思うのですが、140ある病院それぞれが、いわゆるNHO本部といいますか、全体としての考え方と各病院の考え方という、その辺のことをお聞きしたいのですが、例えば人を雇用していったり育てたり、あるいは設備投資をしていったりというのは、ある程度現場でそれぞれの病院が考えなくてはいけないことだと思うのですが、その辺の独立性と本部との関係というのを教えていただければ有り難いのですが。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 法人全体として意思決定していかなくてはいけない比較的大規模な人事や財務については、各病院単位だけではなくて、グループや本部と調整しながら意思決定していく。一方、もちろん日々運営している中で、もちろん病院で判断しており、そこは一定の線引きをして、意思決定をしていくというところです。
○三角構成員
 それは、それぞれ施設の自由度があるということなのでしょうか。それともすごく厳しく規制されているということなのでしょうか。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 そこは、もう少し弾力的にという声が病院長から我々に参りますので、随時見直しをして、例えばライフラインの義務的な経費については、病院長の決裁で済ませましょうということとしました。キャッチボールしながら、そこは適正な解というのを探っているところです。
○三角構成員
 ありがとうございました。以上です。
○土岐主査
 先ほど同時に手を挙げていただきました本田構成員、よろしくお願いします。
○本田構成員
 ありがとうございます。読売新聞の本田です。質問と意見で、2つあります。まずは今回の地震で、私たちも取材で伺っていますけれども、機構全体として取り組んでとても尽力されていること、本当にお礼申し上げます。金沢医療センターとかでも大変多くの人を受け入れているということ、先ほども話がありましたけれども、大変素晴らしく、頑張っていらっしゃることに大変感謝申し上げます。
 その上で、1つ目が資料1-1の5ページになるのですが、この変更となっている認定看護師の配置数の所です。先ほど御説明があったように、感染管理の認定看護師の配置数を増やすとか、今回の震災でも感染管理は重要になってくるので、とても大事な視点だと思っていて、これ自体何ら問題はない、素晴らしいことだと思っています。一方で、認定薬剤師のほうの設置、配置というのはもう進んでいるのでという御説明だったように思うのですが、先ほど来お話が出ている後発医薬品の問題とか、どうもコロコロ供給の体制が変わる中で、薬剤師業務というのがとても煩雑になっていて、ともすれば病院とかでも、それが医療の質の安全管理にも関わってくると伺っています。そういう中で、いろいろな指標全体を見ても、薬剤師の充実とかそういうものが1つも書かれていないように感じるのですが、認定薬剤師さんの配置、設置というのは進んでいるのかもしれないけれど、病院薬剤師はなかなか難しい、厳しいという状況も聞いていますが、薬剤師数というのはどのように考えていらっしゃるのかというのが、1つ質問です。
 すみません、続けて言わせていただきます。もう1つは、先ほど三角構成員からもございましたが、その病床利用率の所と、あと6ページにある、病床等のその再編成という所ですか、資料1-1のほうですかね。
○土岐主査
 再編成は1-2のほうでしたかね。1-2の3ページに、再編成等と。
○本田構成員
 そういうものの見直しを進めていくという表現がありました。受療行動が変わってきたというお話は、私はそう悪いことばかりではないというふうに考えています。今後の高齢化のこととか、医師の働き方改革のことも考えたら、こういう医療の提供のあり方、病院医療の提供のあり方というのは地域を含めて本当に見直すべきとき、もう遅いかもしれないぐらいの時期かなと思っています。そういう中で経営のことを考えて、病床がたくさんあると埋めようとするから問題だという考え方もある一方で、今回の地震のように余裕病床を活用するという視点もとても大事だと思うのですが、この再編成という方向性はどのような感じのことを考えていらっしゃるのか。何か具体的に、例えばこういうふうに検討していくのかとか、まだ方向性を定めていないのかどうかも分からないですけど、どのように進めていくのかというのを教えていただきたい。
○土岐主査
 2点ございましたけど、いかがでしょうか。
○独立行政法人国立病院機構医療部長
 1点目の薬剤師の話ですけれども。薬剤師の配置をしていくというところ、メルクマールとしては病棟薬剤師配置の病院についてですが、140病院中、今年度4月におきまして89病院まで、年々増えていっているようなところでございます。1つの指標になるかなということでございます。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 再編成の検討のことでございますが、基本的には現時点で、オールジャパンで進めている地域医療構想の実現に向け、積極的に沿っていくというスタンスでございます。
○本田構成員
 例えば、どういうネットワーク、機構の中で委員会を立ち上げてとか、どういう形で検討されるのですか。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 それぞれ140病院にいろいろと事情がございますので、基本的には法人の中で何かグランドデザインを描くということでは今のところなく、地域医療構想の中での議論を踏まえて、それをまた法人の中でも議論するということを考えております。
○本田構成員
 では正に着手するとか、そういうイメージですか。フワーっとしていてよく分からないなと思ったのですけれども。
○独立行政法人国立病院機構副理事長
 御質問ありがとうございます。今、西川企画役が回答いたしましたが、機構が再編成計画みたいなものを、昔そういうことをしていたこともありますけれども、今、我々が再編成と言ったときに、機構として病院を統廃合していく計画みたいなものを独自に作って、それを独自に推進していこうという感じでは考えておりません。地域医療構想の議論が各地で進められておりますが、そういった議論の中に、我々も積極的に参画をしていって、例えば、その病床数の削減が求められる地域、あるいは病床数を増やさなきゃいけない地域もあると思いますけれども、そういう中で機構の病院のそれぞれ一つ一つが自分の経営状況を見て、減らせる病床があって、それが地域の中でも全体で過剰になっているから減らしてほしいというような話になったときには、ではそれをやろうかとか、どうしようかというようなことを、その経営面からも考えて判断をしていくというような形です。結局、個別に判断して、病院の規模を縮小するというような結論になることもあると思いますし、地域の病院、例えば公立病院との連携体制を構築することによる再編成、病床数自体は変わらないけれども、経営体制を見直そうかとか、そういったいろいろなやり方があると思いますので、それは結局地域での議論を踏まえながら、我々としては対応していくというような形になると思っております。
○本田構成員
 はい、ありがとうございます。
○土岐主査
 それでは、Webから挙手頂いております河村構成員、よろしくお願いいたします。
○河村構成員
 御説明くださって、ありがとうございます。兼平室長は本省のほうから目標の御説明を頂き、それから中期計画のほうはNHOの楠岡理事長からお考えを御説明いただき、本当によく分かりました。御説明いただいたように、今なかなか厳しい状況ではありますが、本当に第1期から第4期まで、それで今度は5期に入られるということですけれども、その時々でとても難しい課題がどんどん降りかかっていく中で、これだけの規模の病院を抱えて、国全体で進める形でやっていかれるということで、計画全体の方向性として大変素晴らしいと思いますし、これまでの御尽力、今も災害の真っ最中ではありますけれども、本当に敬意と感謝を表したいと思っております。
 個々の目標についてはやはり前中期、第4期の期間にコロナの影響があって、いろいろ指標がガタガタ動いてしまった部分があったのが事実ですので、いちいち申し上げませんけれども、前年度より増加させることとなっている指標があったりとか、前期中期目標期間中の一番高い水準のところを発射台にしてというような書き方になっているものもあったりとか、そうした書き方で、全体としてはよろしいのではないかなというふうに思っております。
 1つ意見は、中期目標の6ページの地域医療への貢献という所なのですけれども、先ほどから話題にもなってますけれど、地域医療構想をこれからどうしていくのか。ようやくこの改善の計画、全国各地で検討しなくてはいけないはずだったところが、コロナ禍でちょっと止まってしまったようなところがあって。コロナ禍で受療行動が大きく変わってきたということもありますし、人口減が厳しいエリアもありますけれども、そういったことも全部含めて見直していかなくてはいけない。その中に、NHOとしても各病院で関わっていかないといけないというのが、やはり恐らく次期最大のテーマになってくるのではないかなと思います。
 ここは意見なのですけれども、指標はもちろんこういう感じでいいと思いますが、御説明でも2番目のチェックで書かれている所、個々の地域のいろいろな実情を踏まえ、地元のほかの医療機関や都道府県等といろいろ御相談をされながら、地域のニーズに合ったような形での病床規模や機能の見直しを進める。やはりここが一番大事ではないかと思いますので、これは何か具体的な数字の指標にできるというところではありませんが、これまでと同じように各地でどういうような取組を実際に進められていて、どういう動きがあってというようなことを、毎年度お話を伺わせていただくような形になるのかなと思いますけれども、やはり見通しをいろいろ示しながら、是非積極的に関わっていただきたいというふうに思います。これ、人口減の中でどう対応するかって、別に病院だけの問題ではなくて、教育機関とか大学とか皆そうなのですよね。全体として少子化で、少子高齢化でパイが減っているのは分かっているのだけれども、やはり皆何か自分のところは減らしたくない、ほかに減らしてほしいというふうになってしまう。そういう人間のさがというか、そういうところがあるのが現状だと思いますので、そういう中で、ではどうやって地域全体としてやっていくのかというときに、是非NHOの各病院に本当に先導的な役割、模範になるような役割を果たしていただければというふうに思っております。これは意見です。
 あと、ちょっとお尋ねしながら意見言わせていただきたいのは、目標の11ページで御説明くださった業務運営の財務運営の所なのですけれども、その前で御説明があったような、例えば一般管理費の所とかはこういうような目標の立て方でいいと思います。本当に何パーセントずつ削減なんていうことが言えるような経済環境でもないですね。これだけ物価とか光熱費とかも上がってきて、非常に人件費も水準も上げていかないと、人手不足といったような、本当に病院のスタッフの方を確実に確保される上でも大変な状況でいらっしゃると思いますので、こういう目標の設定でいいと思います。他方、その指標になっている経常収支の所です。非常に厳しい状況の中で、こういう目標を立てられて、全体としてはいいのではないかなと思いますけれども。経常収支は前年度以上とすることという目標になっていて、ここで「令和5年度は」という括弧書きがあるのですが、経常収支というのは普通に言ったら補助金が全部入ってしまいますので、ちょっと実力ベースが見えにくいということで。発射台になる令和5年度は、新型コロナへの対応に関連した補助金を除くとなっているのですけど、ここに、これまでの実績が書いてあります。例えば、ここの令和4年度が名目的には経常収支587億円のプラスですけど、この補助金を除くベースで、お幾らだったのか。そして、令和5年度、今走っているところですけれども、大体着地がどれぐらいになりそうなのか。ここを先に教えていただけないでしょうか。
○土岐主査
 いかがでしょうか、令和4年、5年の。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 事実関係で、11ページの経常収支、令和4年度587億円のところに記載していますけれども、コロナ補助金を除いた場合にはマイナス303億円ということでございます。
○土岐主査
 令和5年度は。
○河村構成員
 令和5年度の大体の見込というのはありますか。それはまだ難しい感じですか、数字は。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 はい。令和5年度の決算は、足元の状況からコロナ補助金を除きますと、過去に経験がない規模感の赤字になるのではないかなと、ごく荒い試算ではございますが見込んでいるところでございます。
○河村構成員
 はい、分かりました。大変厳しい中でこういう目標を立てられるということは、本当にチャレンジ。
○土岐主査
  ミュートになっています、河村構成員、ミュートになりました。
○河村構成員
 失礼しました、すみません。
○土岐主査
 またミュートです。大丈夫です。
○河村構成員
 すみません、失礼しました。これでどうでしょうか、すみません。大変厳しい環境の中でこういうチャレンジングな目標を立てられて、本当に敬意を表しますけれども、これを次期の中期目標期間中にどこまでもっていくのかというところ、できることであれば次期中期の期間中にやはり、かねてからの目標であった経常収支ベースで、収支均衡ぐらいのところまで持っていけるような、そのくらいを目標に是非やっていただければなと思います。何でこういうこと申し上げるかというと、環境がとても厳しいのは、それはよく分かります。本当によく分かるのですが、やはりこれまでの運営の経緯を見ると、最初国の特別会計からこの独法になられたとき、私は厚労省の外の世界で、総務省の政独委のほうにいましたけれども、独法になられて、国立病院機構さんは最初の年から収支均衡達成されましたね。本当に特別会計時代に2,000億ぐらいの赤字が出ていたのに収支均衡を達成されて、それをずっと維持されて、いろいろな病院数の削減や統廃合とかもされて、大変立派な業績を上げられました。本当にそれは厚労省というか、この医療の関係の外の世界、そこからの1人として見てましたけれど、本当に各省の関係者も含めて、皆脱帽でした。本当にそうなのです。すごい立派な、やればこんなことができるんだということで。それが本当に総務省のほうで見てましたけど、評価にも表われていたと思います。こうやって本当に厚労省の中だけではなくて、国の独立行政法人の中で名実ともにトップランナーとしてやっていらしたと思うのです。それは本当にこの病院というお仕事でも、これだけできるということをお示しになったというのは、本当にほかの省庁のいろいろな事業、いろいろな種類の独法がありますけれど、完全にやはり模範となっていたところがあるのは、本当に間違いない。皆、尊敬しているというところがあると思いますので、今回コロナの影響もあって、こういう大変厳しい経営環境に置かれていらっしゃると思いますけど、できることであれば、次期中期目標期間中に何とか収支均衡のところまで持っていくぐらいの目標を掲げて、是非やっていただければ。これは意見でございます。
 あともう1つ。それを達成するために、下のところで、新しい指標で病床利用率の改善を個々の病院ごとに見て、その数でということで、こういう目標立てられるのも、やはり経営全体として改善していく上で一番大事なところだと思いますので、大変良いのではないかなというふうに思っております。以上です。意見です、すみません。
○土岐主査
 ありがとうございました。どうぞ、亀岡構成員。
○亀岡構成員
 亀岡でございます。どうもありがとうございました。私のほうからは御質問がいくつかあります。ポイントを絞って言わせてもらいます。1つ、この第5期中期計画(案)の概要で、この計画(案)は左側に中期目標と右側に中期計画の内容が記載されていますので、目標と計画を比較しながら読めるのかと思います。これの7ページ目の教育研修事業の上から2つ目ですが、私は目標のところで質問しようと思ったのですけれども。どういうことかというと、左側の目標に「必要に応じて運営方針等の見直しを行うこと」とあります。通常はこれが目標であって、それに対して具体的にどう取り組んでいくのかが計画であると思うのですが、右側の計画を読むと全く同じ文章を書いているだけです。これでは、果たして計画になるのかなというのが、1つ目の質問でございます。
 続きまして9ページ目の効率的な経営の推進と安定的な経営基盤の構築の下から2つ目ですが、左側の目標に「保有資産について有効活用に取り組むこと」となっています。右側の計画は非常に具体的に書かれているのですけれども、この中で、「病院機能との連携を考慮しつつ、地域包括ケアシステムの構築や医療・介護・福祉の連携に資する事業への貸付等を図る」と書いてあります。この事業への貸付というのは、法人内での貸付ということを意味しているのか。それとも、外部に対する貸付を意味しているのか。いわゆる地方医療連携推進法人や社会福祉連携推進法人における貸付みたいなものを意味されているのかということも含めて、内部の他の事業への貸付なのか、それとも外部に対する貸付なのかということがお聞きしたいと思いました。
 それと、10ページでございます。これも一番下の所ですが左側の目標に「投資について、地域の医療需要や経営状況を踏まえながら、効率的、効果的かつ機動的に行うこと」とあります。右側の計画の下から2行目に、「必要な投資水準を設定し、その範囲内で投資を行うとともに、機構のスケールメリットを生かした資金(機構内で創設した基金等)を有効活用する」と書かれています。確か2年くらい前に私が御質問させていただいた、本部出資金みたいなものをイメージされているのかと思いますが、そのときに貸借対照表上に表示したほうがいいのじゃないですかと申し上げたと思いますが、その時に、これは内部留保した資金だから表示できないのだとご回答がありました。けれども、目的積立金がありますので、それを利用して純資産の部に積立金を計上し、それに対応する資金を資産として積み立てることは可能なのかなと思いますので、一度その辺の御意見を伺いたいと思っております。また、もしスケールメリット、金額的なものがある程度分かるならば教えていただきたいと思います。
 最後になりますが、11ページの一番上のところの内部監査についてです。右側の計画に「内部監査について、リスクに応じた重点化や効率化及びフォローアップの強化を図り」とあります。これは大変よく分かります。ここで言う、リスクに応じた重点化というのは、私も読んで納得できたのですけれども。あと、内部監査の効率化ということについて、どのようなことを想定されているのかということについて、お聞きしたいと思いますので、この点についてお願いしたいと思います。私からは以上でございます。
○土岐主査
 4点御質問を頂きましたが、いかがでしょうか。
○独立行政法人国立病院機構財務部長
 財務部長です。保有資産については、職員が入らなくなり廃止した宿舎等、特に飛び地を中心に外部に貸すというようなことを考えて積極的にやっております。御質問のとおり、外部に貸付をするということで活用を図っていきたいと考えております。
○亀岡構成員
 ありがとうございます。今、外部への貸付というのは、私はいいとは思うのですが、法人の中にもなかなか採算の取れない病院などがいろいろあると思うので、それらとの関連性もあると思うのですが、それよりもまず地域包括ケアのほうを優先しますということでしょうか。非常にすばらしい考え方かとは思うのですが、そういう発想でよろしいのでしょうか。
○独立行政法人国立病院機構財務部長
 地域包括ケアというよりも、病院で必要な資産を有効活用していくのは当然なのですが、特に国時代からいろいろな所に土地を持っていたということもあり、飛び地も含めて、有効活用していこうということでお答えしたところです。
○亀岡構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 続いて、スケールメリットをいかした資金ということで、今回1,000億円程度ということで、8月のこのWGでも概略については御紹介いたしました。これについては、法人の外からお金をもらうなど、やり取りをすることではなくて、法人の中で病院の理解も得ながら助け合おうということで、病院からお金を出してもらって支え合うということです。法人内部の資金のやり取りですから、財務諸表には記載していないということです。これは似たような事業で以前本部出資金事業に関して、亀岡委員とのやり取りでもそのようにお答えさせていただきました。
 ですが、災害あるいは新興感染症、医療DX事業ということで、非常に国民に関わりのある事業ですので、財務諸表などにもしっかりと記載して、国民に見えるようにすべきではないかというご意見かと受け止めております。財務諸表にどのような記載をするかについては、省令や会計基準などルールがあります。一方で、ほかの公的病院の設置主体法人の会計ルールは、またそれぞれ独法と違うのですが、そういった所には幅広く財務諸表に記載している例もあるようですので、どのような記載ができるかを検討し、必要に応じて監査法人や国とも相談して、国民にどういう説明ができるか検討してまいりたいと思います。
○亀岡構成員
 ありがとうございます。やはり資本の部分、純資産の所にそういうものが剰余金として残っているわけではなくて、こういうために使うのですよといって積立金として積み立てているということが、私は非常にすばらしいし、大事なことかと思っております。それに対応する資産を積み立てていますということですね。
○独立行政法人国立病院機構財務部長
 財務部長です。先ほど地域包括ケアの所で、言葉が漏れておりましたので、説明を追加したいと思います。先ほど貸付ということで、その貸付先を例えば病院に関連した老健施設等、地域包括ケアに資するものに貸付することも念頭に置きながら進めているところです。補足です。
○亀岡構成員
 ありがとうございます。私が今お聞きして納得したのは、貸付ということだったので、金銭的な貸付もあるのかと思っていたのです。先ほどの御説明ですと、金銭の貸付ではなく、土地などの有形固定資産を貸し付けるのだということですね。できれば、そういうことが分かるような文章のほうがいいのではないでしょうか。というのは、地域医療連携推進法人や社会福祉連携推進法人では、資金、つまり金銭を資金に余裕のある会員から資金が必要な会員に貸す仕組みがあります。ですので、少しそういうイメージを持ったものですから、もしこれが金銭ではなくて土地等の有形固定資産だということであれば、それが分かるような文章にしていただくと非常に助かります。内容としては、よろしいかと思います。
○独立行政法人国立病院機構理事長
 貸付についてなのですが、機構の場合、各病院は外部からの借り入れができないので、全部本部のほうから手持ち資金で貸付を行うという運用になっています。我々は貸付というと、当然外部しか頭になかったので、大変申し訳ございません。
○亀岡構成員
 内部の貸付とか、外部への貸付とか言っていただくとその違いが良く判ると思います。
○独立行政法人国立病院機構内部統制・監査部長
 あと1点、内部監査の効率化の観点ですが、国立病院機構の病院施設は140施設あります。これら全部の内部監査を実施するというのは、やはり1年、2年では無理で、大体3年で一巡するというような、人的にもかなり厳しい状況の中で全てを実施する上で、やはり実地監査ということで全施設に職員が入って監査するという方法もあるのですが、コロナ禍で入れなかった時期も踏まえて、そのときにリモート監査というものを導入しました。書類を送っていただいてそれを監査するのですが、画面を通じて担当者とお話をしながら監査を実施していくという方法も、実はこの事業年度から開始しているところです。これらを推進していって、効率化を図って、しっかり内部監査を実施していくことを計画しております。以上です。
○亀岡構成員
 ありがとうございます。今おっしゃったリモート的なものは、これはもちろんやむを得ずやる場合もあると思うのですが、先ほどの実地監査ができないので代わりにやるということと効率化というのは、また別の意味だと思うのです。通常はこういうことができるのだよと、それをあえてしないで、こうしたほうが効果的なのだというものを効率化というように私は理解しているので、今までこのようにやってきたけれども、こうしたほうがより効果も出るし、よりいいのだという意味の御回答を頂けるかと思い、質問しました。ただいまの内容が御回答ということであれば、それ以上は私もコメントはいたしません。
○独立行政法人国立病院機構内部統制・監査部長
 1点だけ補足しますと、この効率化の中にはリスクを重点化という所があり、これまでも何度か同じ施設にも入っているのですが、そこでこれまで指摘が多かった施設などには重点的にリモートではなくて、しっかり実地でやって、指摘が割と少ない所はリモート監査に移行して、それでも一応は入るというような形での効率化を図っていくというようなことを考えております。
○亀岡構成員
 ありがとうございます。
○独立行政法人国立病院機構医療部長
 最後に看護師等の養成施設の所です。亀岡委員に御指摘いただきました内容を反映し、運営方針等の見直しについては必要に応じてという文言を落としてはおります。毎年、地域の行政の状況や、看護師養成の実績の状況といったものを丁寧に評価した上で、運営の方針を見直して運用をしております。
○亀岡構成員
 私がそもそも分からなかったのは、運営方針の見直しという表現が、具体的にどういうイメージを持っておられるのかが分からなかったのです。
○独立行政法人国立病院機構医療部長
 失礼しました。運営方針の内容ですが、例えば現状維持であるとか、定員を削減するであるとか、閉校とか大学誘致であるとか、看護師養成施設の今後についてどのような運営をしていくかという運営方針です。
○亀岡構成員
 それが運営方針という意味ですか。もう少し大きな何か。目標ですから、運営方針ですよね。方向性ですから、それを見直すと。ですから、方向性を見直しますと。例えばコロナ感染者が増加したので、それを少なくすると。それは方針の見直しではなくて、数字の見直しかなと、私などは理解しているのですが。環境がこう変わってきたのだから、この環境に合わせるためには今までやっていなかったこういうことをしていこうとか、こういうものが方針なのかと。そういう文章が前の所には書かれているのではないですか。医療の高度化、複雑化というのがありますから。
○独立行政法人国立病院機構理事長
 夏の報告でも少し申し上げましたが、国立病院の時代に、看護師の養成所を作ってきたのは、第2次大戦後に看護師さんの不足があるのと、その育成が必要だということで、国が行う事業として国立病院が担当していました。今のように看護系の大学が200以上あり、高卒の方々のほとんどが大学志向の中で、機構としての看護師養成に関しては、ある程度使命は終わってきているのではないかと考えます。そのため、どちらかというと看護学校を閉じる方向で進めているわけですが、地域によってはどうしても存続させて、地域における看護師養成を手伝ってもらいたいというような要望があったりする所がありますので、そういう地域の事情も勘案しながら方向として考えていくということで、見直しとして特に大きく変わった点はないわけですが、従来は機構独自の判断であったのに対して、地域の要望等も勘案して、これからも考えていくということです。
○亀岡構成員
 ありがとうございます。
○土岐主査
 根岸構成員、どうぞ。
○根岸構成員
 根岸です。よろしくお願いいたします。御説明ありがとうございました。まず全体的な所ですが、コロナの対応に続き、この度の能登半島の地震に対して、大変迅速にDMAT、DPATを作っていただき、現地への派遣ということを伺っており、感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
 今回の中期目標については、現状の課題、それから今後の環境変化を踏まえた中での目標が掲げられて、そして計画が立てられていると。これは、おおむね大変すばらしい内容ではないかと思っております。
 幾つか質問になりますが、資料1-2の2ページ、患者の目線に立った医療の提供ということで、患者満足度調査にプロセスの要素を加えて、患者経験価値調査を取り入れるということが書かれております。これは、患者の目線に立つということは、機構の理念の重要なところだと思いますので、こういう方法は大変いいと思うのです。これは、対象が外来を受診された患者さん、入院されている患者さん、そしてその御家族ということになるのでしょうか。このプロセスの要素というのは、どういうことなのかを教えてほしいのと、実際にこの調査を受ける側に立ったときに、負担についてはどの程度考慮をされているのかなと思いました。
 それから、資料1-1の10ページに、実習指導者講習会のことが書かれているかと思います。これは指標の変更をしてこの項目になったと伺いましたが、今までの実習指導者講習会というのは、継続的にかなり長い期間やってきたことだと思うのですが、今ここを変更して更にこれを推進しようとされたのには、何か背景があるのかということをお尋ねしたいと思います。
 それから最後に、もう既に質問の中にもありましたが、経営基盤の安定化ということで、これは大変大きな課題を抱えていると思っております。特にコロナの影響を除きますと、経常収支、医業収支ともに大変厳しく、赤字基調だというような御説明があったと思いますが、この度の大規模な災害が発生したことにより更に収支への影響みたいなものが出てくる可能性があるのかどうか。そして、それに対してコロナのときのような補助金のようなものがまた出てくるのか。まだ、今は令和5年度の実績が出ていない中ということを先ほど伺いましたが、実際に大変大きな規模の災害が発生しており、その対応に大変苦慮しているところだと思いますが、そこと経営基盤の安定化の関連性みたいなものが、どの程度予想されるのか教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○土岐主査
 よろしくお願いいたします。
○独立行政法人国立病院機構医療部長
 まず、患者経験価値調査(PX調査)です。対象としては、外来、それから入院患者です。入院については、急性期の入院と長くおられる療養系の入院の患者さんの3パターンです。プロセスの内容ですが、これまでの患者満足度調査では待ち時間について満足であるとか、不満足であるというような指標でやっておりました。それについて、具体的に病院での改善につながるような視点が得られるように、例えば何分ぐらい待ちましたかということで、すぐに対応されたとか、2~3分待たされたとか、5分以上であるとか、具体的にそのような患者さんが受けられたサービスの内容自体について聞くような調査です。
それから負担についてですが、これまでの患者満足度調査の項目を残して、他病院と比較できるようにしておりますので、質問数としては増えているのですが、膨大に広がらないように今までの問いも含めて見直し、質問数を抑えるような工夫をしております。
○根岸構成員
 ありがとうございます。どのぐらいのクエスチョンの数なのですか。そのプロセスの要素を加えたことで、全部で何項目ぐらいあるのでしょうか。
○独立行政法人国立病院機構医療部長
 すみません、何問という具体的な数の正確な所は、今持ち合わせておりません。また確認して報告させていただきます。
○根岸構成員
 ありがとうございます。あと、実習指導者講習会のことですね。
○独立行政法人国立病院機構理事(看護担当)
 看護担当理事の石橋と申します。御質問いただきました実習指導者講習会の修了者を指標にしました根拠としては、これまでも実習指導者講習会は各グループにおいて定員40名で6グループありますので、年間240名は受講できるような状況にありました。この講習会は、180時間という非常に長い講習会で、講義と演習から成り立っているという状況です。
機構全体を調査してみますと、実習指導者講習会修了者が管理者に多く、実際現場で指導に携わる者は6.5%しか受講していないという実態が明らかになりました。そこで、私どもは実習指導を強化することによって、基礎看護教育への貢献もそうですし、養成所の運営方針等も見直していく中で、養成所も閉校していく、その中でやはり人を獲得していくためには、いい実習指導を提供しなければならないという思いがあり、これまで以上に現場の実習指導に当たる者に講習会を受講していただきたいということがありました。
 そこで、この180時間の中の構成を、講義部分をeラーニング化して、演習部分をオンラインの双方向演習にして、そして定員を40人のところを年間80人、2回開催にしまして、たくさんの方が受講できるような状況としております。そもそも指導者講習会というものはあったわけですが、そのような現場の実習指導の質を上げるということ、そしてそのことによって人の確保にもつながるということに鑑み、また受講させやすい病院側の環境を作るというところにも視点をおいて、先ほど言いましたような講習会のあり方に見直しました。それによって、どれぐらいの修了者が出せるかというところを、指標として決めさせていただいたということです。
○根岸構成員
 ありがとうございます。その実習指導者講習会の指導をする人というのは、どういう人たちがいるのですか。
○独立行政法人国立病院機構理事(看護担当)
 実習指導者講習会の講義部分を担当する者については、その領域の専門家の先生方に講義をお願いしております。演習の指導については、NHOの附属養成所の管理者クラスの教員、教育主事や副学校長等が担当して、その演習指導で基礎となるそれぞれの領域の考え方等の指導をしているというような状況です。
○根岸構成員
 ありがとうございます。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 能登半島地震に対して、法人全体の経営への影響というお尋ねがありましたが、現時点では我々も必ずしも精査はできていないところです。御紹介させていただきますと、あの地区にも七尾病院をはじめ、幾つかNHOの病院がありますので、ハード面でかなりダメージを受けたところがございます。
 そんな中で、ネットワークをいかしながら、医療チーム、基本的には4人ぐらいの医師、薬剤師、看護師、事務職のチームで、全国のNHO病院から現地のほうに応援に入っているということです。DMATの関係、それからNHOの医療班の関係、あるいは七尾病院のほうにもヘルプに入ったり、あるいは看護師の派遣についても厚生労働省からの要請を受けて派遣をしたり、あるいは精神病院の関係はDPATという組織がありますので、そちらにも派遣をさせていただいております。当然、派遣を出している病院は、そこの抜けた穴に何らかの影響はもちろんあると思いますが、現時点では直接的な影響はまだ精査ができていません。
○根岸構成員
 ありがとうございます。
○土岐主査
 田極構成員、どうぞ。
○田極構成員
 資料の作成と御説明をありがとうございました。目標については、内容的にとてもよい内容だと思っております。特に本日御説明はなかったのですが、重要度高、困難度高という所の内容についても拝見したところ、非常に分かりやすく記載されているかと思いました。
 資料1-1から、コメントを申し上げたいと思います。まず、5ページですが、新しい指標の所で、診療放射線技師、臨床検査技師について書かれております。こちらについて、私は評価したいと思っております。こういった縁の下の力持ちであるスタッフについて、職種を明記していただいたことについては、非常によいのではないかと思っております。
 とはいいながら、計画のほうにはその点について、この目標に対して、より具体的に中期計画の中で書かれているものもあれば、むしろ抽象的になっているものもあったりするので、その点について機構さんのお気持ちもあるのかと感じるところはあるのですが。できれば、せっかく指標に入っているものについては中期計画にも入れていただいたほうが、評価もしやすいのではないかと前から思っているところです。その点については、今後御検討いただければということです。
 それから、先ほど7ページの後発医薬品の使用割合について、この状況でいけるのかというお話がありました。私も後発医薬品の産業構造のあり方検討会で、正に後発医薬品の安定供給の体制をいかにつくれるかといった検討を行っておりますが、非常に問題が根深いところがあることは承知しております。とはいうものの、医療費適正化という観点からも、この後発医薬品の使用促進の流れを止めてはいけないと思いますので、こういった高い目標を設定していただいたことについては、十分理解したいと思っております。
 この中で、バイオ後続品というバイオシミラーを入れていただいているのもよいかと思います。例えば、地域医療従事者に対する研修や地域住民に対する研修というのも指標に入っていたと思います。バイオシミラーについてはまだまだ認知度が低く、医療従事者からもどういうものなのだという意見は聞いております。国立病院機構の薬剤師の方は非常に優秀な方が多いので、こういった所で研修をしていただくなど、国の政策上御協力いただくのがいいのではないかと思っております。バイオシミラーについては、昨年目標も設定されたところですので、国立病院機構として、そういった国の政策に御協力いただくのが非常に望まれるところだと思います。
 それから、質問も含めてなのですが、9ページの指標の所で、臨床研究課題数を16課題以上とするということなのですが、私は、これは非常に大変なものなのではないかと思っております。そもそも全体的に、今は職員数が増える方向なのか減る方向なのか、こういった臨床研究に関わる医師の働き方改革もありますので、こういったことに従事できる人たちが多くなっているのか、時間数も含めて確保できるのかといったところについて、見通しなどを含めて教えていただけると有り難いと思います。私からは以上ですが、質問の点をお願いいたします。
○土岐主査
 いかがでしょうか。
○独立行政法人国立病院機構総合研究センター長
 総合研究センター長です。臨床研究についての御質問、ありがとうございます。私どもの計画の前文にも、医療を発展させるための臨床研究というポリシーの所で、まず記載させていただいております。診療の改善につながる活動ということで、大きな柱としての臨床研究があります。委員御指摘のとおり、働き方改革やコロナの状況で診療にかなり時間を取られたということで、ハードルが高くなっている可能性はあると思います。しかし、現場の先生からは、もっと研究に回せるお金がほしいという声があるのも事実です。そういった状況の中で、前期の平均の値を取ることで、私どもの法人としての研究実施を促して、それに沿う制度改革もしていきたいと考えておりますので、対応可能だと考えております。
○田極構成員
 ありがとうございます。非常に重要だと思いますし、国としてもこの臨床研究というのはどんどん進めていかなければいけないところを、国立病院機構で熱心に今までも取り組んでいただいたことについては、非常に評価したいと思っております。この目標について、医師の働き方改革も含め対応可能であるということで、ほかにスタッフやサポートする人材なども確保しながら、無理なく進めていただけたらと思います。
○独立行政法人国立病院機構総合研究センター長
 本部でも研究支援部という組織がありますので、そういったことも活用していただきながら進めたいと思います。
○田極構成員
 よろしくお願いします。
○土岐主査
 よろしいでしょうか。私からも何点か申し上げます。まず全体の感想としては、これまで右肩上がりの目標ばかりの時代が多かったのですが、サステナブルという時代に合わせて、目標の中でも「以上」とはっきり「増加」というもの、また「維持」と大分文言の使い分けが進んできたなという気がします。正直言って、「以上」は「何とか現状維持するのが目標」という意味のように感じます。
 そのような中で、目標の所の数字で分かりにくかったのが、6ページの訪問看護が「以上」となっており、時代の流れからすると訪問看護は増加のようなイメージを持っていたのですが、「以上」とされたのには何か状況の理由があるのでしょうかというのが1点目の御質問です。
 続いて、2つ目も質問させていただきます。11ページの新しい指標の、「令和4年から令和5年に改善した病院数以上にすること」なのですが、こちらのほうがまだ令和5年が出ていないという状況でよろしいのですよね。その状況で、令和4年から令和5年を目標としてしまうと、例えばもし140あるうち10病院しか改善がなければ、今後ずっと10病院を目標でいいのかと。当然、半分良くなって半分悪くなれば、国立病院機構で50が良くなって50が悪くなるというイメージもあるのですが、たまたま今回低かった場合、ずっとそれを、しかも「以上」なので、ほぼ同数であればよいという目標に設定するのかという2点が、指標について分からなかったので教えていただけますか。
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室室長
 ありがとうございます。最初の訪問看護は重要な取組であります。ほかの指標は比較的新型コロナウイルス感染症の影響を受けて一度実績が下がっていますが、訪問看護のほうは大きな落ち込みがないです。これを、前年度以上にずっと上げていくのは大変と考えていますので、この期間の中で実績以上としています。
 それから、前年度の病床利用率の改善の数字ですが、言われるように数が低く出る可能性はありますが、令和3、4年度で72病院、54病院とありますので、令和2年度を除けば、かなりの数の病院数になると考え設定しています。
○土岐主査
 それは、過去の平均ではなくて、あえて令和4~5年と設定したということでよろしいのでしょうか。
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室室長
 新型コロナウイルス感染症の影響により改善数の変動があるため、直近の改善数を指標のスタートとして考えました。
○独立行政法人国立病院機構企画役
 補足させていただきます。足元で10月の月次決算で見ますと、70病院の改善ということです。
○土岐主査
 そうですか。逆にそうなると、今度は負担が重いというか、高い所に出てしまうと、ずっとそれより上の目標になってしまうので結構大変だと思いますが、頑張っていただきたいと思います。
 時間も迫っているのですが、臨床研究の所で前もお伺いしたかもしれませんが、研究を研鑽とするか、業務とするかという問題が、特に国立病院機構のほうは大きいのではないかと考えております。大学の場合は、ある程度大学院生は自己研鑽、スタッフの場合は裁量労働という形で問題はクリアしていますが、今後国立病院機構においては、この臨床研究を医員の方に勧めていくときに、どういう解釈をされていくのか。なかなか難しい問題だとは思いますが、方向性を伺いたいと思います。
○独立行政法人国立病院機構職員厚生部長
 職員厚生部長です。御指摘のとおり、正にそこは今までも我々としても大変悩んできているところです。現状として、当然職務に関連するような研究であれば、分かりやすくそれが業務であると整理はできるのですが、やはり研究の背景にあるというか、この研究ははっきり分かるケースとしては、その医師が、自分がやりたいからやっているというような研究もありますので、そういったものが自己研鑽だという整理に自ずとなってくるのですが。
 使用者、いわゆる病院長なりの上司が、どれぐらいこの研究を医師に対して命じていると申しますか、推奨しているのか、その辺りを見極めながら、やはりそこは個々に判断せざるを得ないかと考えております。実態として、やはり業務の一環と考えられるようなものが結構あると思っておりますので、時間外労働の上限規制との関係では、そこは悩みながらというか、やっていくことになると思いますが、個々の実態に応じて病院とよく話をしながら整理をしていかざるを得ないかと考えております。
○土岐主査
 すみません、大変微妙な質問をしてしまいました。今年の4月にも迫っておりますので、質問させていただきました。ほかに御質問はよろしいでしょうか。
 それでは、最後に法人所管課及び法人から、御挨拶を一言ずつよろしくお願いいたします。
○医政局医療経営支援課課長
 医療経営支援課長です。本日は、委員の皆様、大変貴重な御意見を頂き、誠にありがとうございます。国立病院機構は医療を提供する独法ですので、新型コロナウイルス感染症発生以降の患者の受療行動の変化や、高齢者の増加、あるいは生産年齢人口の減少といった急速に進む少子高齢化というような環境の変化がある中で、ニーズの変化等に対応し、地域で必要とされる医療を提供し続けることが重要であると考えております。
 今回御説明いたしました次期中期目標と中期計画については、委員の皆様から頂いた御意見を踏まえ、今後総務省や財務省といった関係省庁との調整を行った上で、目標や計画を策定していく段取りとなっております。また、来年度から次期中期目標、中期計画が始まりますが、引き続き法人とは十分に連携をしていきたいと考えておりますし、各年度の実績評価の際にも委員の皆様の意見を聞く機会もありますので、そういった意見を踏まえ、改善すべき所は改善していくことも重要と考えておりますので、これからも御指導を頂ければと思っております。本日は誠にありがとうございました。
○独立行政法人国立病院機構理事長
 本日は長時間にわたり、第5期の中期目標案及び中期計画案について御審議いただき、誠にありがとうございます。御審議いただきました中期目標案と中期計画案は、機構における重要な業務運営の指針となるものです。第5期においても、この中期目標案、中期計画案に基づき、機構が有する全国的な病院ネットワーク等の人的、物的資源の強みをいかし、機構が果たすべき役割を着実に実施し、機構の理念である国民一人一人の健康と我が国の医療の向上のために、たゆまぬ意識改革を行い、健全な経営の下に患者の目線にたって懇切丁寧に医療を提供し、質の高い臨床研究、教育研修の推進に努めていく所存です。
 有識者会議の委員の皆様方には、機構の業務運営について今後とも御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は、どうもありがとうございました。
○土岐主査
 どうもありがとうございました。以上で、本日の議事は終了いたします。最後に事務局から連絡をよろしくお願いいたします。
○事務局
 今後の流れについては、会議の冒頭に途中まで説明いたしました参考資料2をもう一度御覧ください。一番下の四角い囲みに、「令和5年12月~令和6年3月 独立行政法人の次期中期目標・次期中期計画の策定」とあります。国立病院機構の次期中期目標案については、本日頂きました御意見を踏まえ、必要な修正等を行い、厚労大臣が総務省独立行政法人評価制度委員会へ送付いたします。その後、同委員会において審議が行われ、その審議結果に基づいて出される意見を聞いた上で、財務大臣との協議を経て、次期中期目標が確定されることになります。
 一方、中期計画については、確定した次期中期目標を基に、機構が次期中期計画を作成し、同計画について主務大臣である厚生労働大臣が内容の精査及び財務大臣との協議を経て、年度内に認可する予定になっております。確定しました中期目標と中期計画については、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○土岐主査
 それでは、本日はこれで終了といたします。長時間にわたり熱心な御議論を頂き、誠にありがとうございました。