2024年1月22日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第35回) 議事録

日時

令和6年1月22日(月)10:00~12:00

場所

中央労働委員会 労働委員会会館 講堂(7階)

出席者

真野主査、石井構成員、五十嵐構成員、太田構成員、河村構成員、鈴木構成員、名里構成員、田宮構成員、三田構成員

議事

議事内容
○真野主査
 それでは1~2分早いかもしれませんが、オンラインの方もそろわれて、太田先生が少し遅れるということですので、早速始めていきたいと思います。事務局からお願いします。
 
○事務局
 ただいまから、「第35回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WG」を開催します。本日の出席状況について御報告します。本日は、松原構成員が御欠席です。また太田先生におかれましては、交通事情により遅れるという御連絡を頂いております。鈴木先生におかれましては、御都合により11時30分をめどに御退席なさいます。
 続いて、事務局の人事異動について御報告させていただきます。参事官の三村から一言御挨拶申し上げます。
 
○政策立案・評価担当参事官室参事官
 おはようございます。昨年、9月に調査分析・評価担当の参事官として参りました、三村と申します。本日は、よろしくお願いいたします。
 
○事務局
 続きまして、本日の資料について説明いたします。本日の資料に関しては、事務局から事前にメールでお知らせした厚生労働省ホームページ「独立行政法人評価に関する有識者会議」の第35回医療・福祉WGの「資料等」に掲載しておりますので、そちらを御覧ください。
 本日の議事について説明をいたします。本日の議事は、「医薬品医療機器総合機構の次期中期目標案及び中期計画案」に係る意見聴取を行うこととなっております。本件については、参考資料1の「独立行政法人評価に関する有識者会議開催要綱」の3の第4号「その他1から3までに掲げる事項に関し重要な事項」に該当するものとして、本ワーキンググループの意見を賜るものです。
 厚労省所管の中期目標管理法人については、厚労大臣が中期目標を定め、当該法人は定められた中期目標に基づき、中期計画を策定することとされておりますが、法人の中期目標と中期計画は、御意見を頂く上で密接な関係にありますので、本日は中期目標と中期計画について、同時に御議論いただきたいと考えております。
 次期中期目標及び中期計画の策定の流れについて、簡単に御説明いたします。参考資料2を御覧ください。参考資料2は四角い囲みが3つございます。一番上の四角い囲みに「令和5年8月独立行政法人の「業務・組織全般の見直し内容」等を総務省へ提出」とあります。機構の「中期目標期間見込評価書」と「業務・組織全般の見直し内容」については、昨年8月に開催いたしました本ワーキンググループにおいて、皆様から御意見を頂き、その意見を踏まえ、参考資料5と6にありますように厚生労働大臣から総務省独立行政法人評価制度委員会に通知をしております。
 中ほどの四角い囲みですが、「令和5年9月~12月 総務省独立行政法人評価制度委員会の審議・決定」とあります。参考資料7を御覧ください。昨年11月27日に総務省独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の「中期目標期間見込評価書」と「業務・組織全般の見直し内容」について審議し、目標策定に向けての考え方などを決定したものです。機構に関しては、8ページに目標策定に当たって、目標に盛り込むことについて検討していただきたい点として整理された留意事項が示されております。
 参考資料8を御覧ください。昨年4月13日付けで一部改定されたものですが、総務省独法評価制度委員会が、独立行政法人の業務管理及び内部管理の共通的な方向性を取りまとめたものです。
 これらを踏まえて作成されたのが、本日御議論いただく医薬品医療機器総合機構の次期中期目標と中期計画の案です。次期中期目標の策定については、「独立行政法人の目標策定及び評価実施要領」において、参考資料4の「目標策定のルール」を定めておりますので、本日はこの観点からも御議論いただければと思います。事務局からの説明は以上です。それでは真野先生、議事の進行をお願いいたします。
 
○真野主査
 ありがとうございました。進め方について、何か御質問はないですか。オンラインの方も大丈夫ですよね。
 それでは早速、「医薬品医療機器総合機構の次期中期目標案及び次期中期計画案」について、御議論いただきたいと思います。最初に、厚生労働省の法人所管課から次期中期目標案について御説明いただき、その後、法人から「次期中期計画案」について御説明いただきます。この2つの説明が終わってから、質疑応答という流れで進めていきたいと思います。
 それでは、法人所管課から「次期中期目標案」について御説明お願いいたします。
 
○医薬局総務課長
 厚生労働省医薬局総務課長の衣笠と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。次期中期目標の概要の1で、資料1-1を用いて説明いたします。すみません、失礼して座って説明をいたします。資料1-1ですが、まず前提として概要に記載はしておりませんが、次期中期目標の期間は、令和6年4月1日からの5年間ということで、令和11年3月31日までとなっております。また全体的な構成ですが、今期の中期目標と比較して、それほど大きく変えているものではありません。ただ、医薬品などを取り巻く環境の変化などを踏まえた内容にするという修正をしております。
 では、具体的な説明をいたします。資料2ページ、医薬品医療機器総合機構の使命等と目標との関係です。まず、中期目標の策定に当たりましては、主務大臣は法人のあるべき姿と現状について、その時々の社会が求める方向性も踏まえて、的確に把握・認識をして、分析もした上で策定を行うという総務省からの方針がありますので、その方針に基づき、中期目標本文の第1で、法人の使命、現状・課題、法人を取り巻く環境の変化という欄を設けて記載をすることとしております。こちらの2ページは、その資料の概要となっております。
 まず、2ページの一番上の法人の使命です。国民保健の向上に資するということを目的として、医薬品・医療機器等行政に係る施策を実現するために非常に重要となる、最新の科学的知見に基づく根拠を提供するということです。その下の左に記載しております、現状・課題です。まず強みですが、PMDAは、健康被害救済、医薬品等の承認審査、医薬品等の安全対策という3つの業務を担っており、これらを一貫して実施する仕組みでありますセイフティ・トライアングルというものを有しております。これにより、国民の健康・安全の向上に貢献すること。
 また、2つ目のポツですが、多岐にわたる専門人材により、医薬品等の品質、有効性、安全性について最新の科学に基づいて多角的に評価していることを記載しております。一方で、その下の課題ですが、組織体制の充実や人材育成、その下のポツにありますが、組織規模に応じた管理部門の強化ということが必要である、課題であると考えております。
 また、右に記載している環境変化です。上の○ですが、海外で承認されているにもかかわらず、日本では承認されていない国内未承認薬が、日本で開発に着手すらされていないという「ドラッグロス」の問題などが生じており、新たな医薬品等アクセスの課題ということで捉えられております。また、その下の○ですが、新型コロナウイルス感染症に対するmRNAワクチンやプログラム医療機器(SaMD)といったものをはじめとする、これまで前例のなかった革新的な医薬品・医療機器等が申請・承認されており、医薬品や医療機器などにおけるテクノロジーの発展が加速していることが環境の変化としてはあります。こうしたことを踏まえて、一番下にある内容を含む中期目標を今回定めることにしております。詳細につきましては、順次説明をいたします。
 続いて、3ページ、健康被害救済給付業務です。こちらは一番上にありますが、救済制度をより多くの方々に周知し、医薬品などの副作用又は感染等による健康被害を受けられた方々に対して、適正かつ迅速な救済を行うことが重要だということです。こうしたことの考え方の下、下のような具体的事項の目標を定めることとしております。この中では、3)の請求者及び受給者の負担軽減策の実施、4)の救済給付業務の効率化等の推進を図ることを目標として新たに追加しています。
 続きまして、4ページです。一番上の評価指標です。救済給付業務につきましては、請求から支給、支給決定までの事務処理期間を6か月以内に60%以上にするというのを目標にしていたわけですが、令和元年度から4年度の実績の平均が75.2%ということで、目標を大幅に上回っています。それを踏まえる一方で、新型コロナウイルス感染症をめぐる施策の変更により、今後、請求件数が増加すると見込まれることも踏まえ、今回は65%以上へ目標値を引き上げるといったことで設定をしております。また重要度、困難度につきましては、こちらに記載のような理由から、ともに「高」としております。そして、一番下のスモン患者等に対する給付業務ですが、こちらにつきましては今期と同様とし、引き続き適切に実施するとしております。
 続きまして、5ページ、審査等業務です。まず、一番上に記載の考え方の欄ですが、次期中期目標の期間におきましても、世界最速レベルの審査期間を堅持するとともに、審査の質の向上等を図るとの考え方の下で目標を定めることとしております。下の具体的事項です。
 1)の医薬品審査業務の迅速かつ適切な実施についてです。まず①の記載は、新医薬品審査の関係です。既に世界最速レベルの審査期間となっていますので、これを堅持することとしつつ、イノベーションに的確に対応した相談や審査を実施することとしております。ドラッグロスの対策の観点からも、希少疾病用医薬品や小児用医薬品などの患者のニーズの高い医薬品や、海外開発先行の革新的医薬品について、実用化支援や情報発信の強化を図るということを新たな目標設定としております。続いて②のジェネリック医薬品の関係です。こちらにつきましては、安定供給確保へ貢献するための迅速な審査の実施と一層の質の向上を考えております。③の一般用医薬品等についての目標は、割愛いたします。④の信頼性保証の関係です。これは、国内治験の支援やリアルワールドデータ等への適切な対応などを目標として設定しております。⑤の品質管理の関係です。こちらは、医薬品品質に係るリスクコミュニケーションの促進を図ることを新たな目標として設定をしております。
 2)の医療機器、再生医療等製品等の審査業務の迅速かつ適切な実施についてです。まず①の医療機器審査の関係です。こちらは医薬品と同様に、世界最速レベルの審査期間の堅持などを掲げております。また、承認までの更なる予見性確保及び情報発信の強化、プログラム医療機器の相談・審査体制の強化を、新たな目標として盛り込んでおります。②の再生医療等製品についてです。こちらにつきましては、革新的技術を利用した開発品目に対応できる人材の育成、実用化支援や情報発信の強化といったことを新たに目標に盛り込んでおります。③の信頼性保証の関係です。こちらは医薬品と同様に、国内治験の支援やリアルワールドデータ等への適切な対応を目標としております。④の品質管理の関係ですが、QMS・GCTP実地調査の充実、細胞培養加工施設に対する調査を実施すること等を新たな目標としております。
 続いて6ページです。3)のレギュラトリーサイエンスの推進による業務の質の向上についてです。①に記載の外部機関との人材交流による人材育成といったことのほか、②に記載のように組織としての研究遂行能力の強化及び審査・相談上の課題を組織横断的に検討できる体制を確立すること、③のレギュラトリーサイエンス研究の成果は、英語論文、報告書等として発信するといったことを新たに目標としております。
 4)の国際化の推進です。①の国際的なリーダーシップの獲得、②に記載の欧米及びアジア諸国との連携強化、従来からのアジア医薬品・医療機器トレーニングセンターを通じた活動の強化を目標としております。③は、ドラッグ対策に資する取組でもありますが、日本の薬事制度や相談制度などの、PMDAの業務内容・実績に関する世界への情報発信を強化するといったことを、新たな目標として盛り込んでいます。
 その下の評価指標についてです。まず、1の審査期間につきましては目標値を別紙として付けており、12ページのとおり定めるとしております。こちらの12ページは、今期と同様の迅速な実地審査を確保すべく、審査の品質の一層の向上を図りながら、高い目標値を堅持することを原則としております。ただし、これまで指標を多数設定してきましたが、件数が極端に少ないといったことなどの十分な実績評価が難しいカテゴリーにつきましては、評価指標としては設定しないこととしております。一方で12ページの右の上にもありますが、プログラム医療機器につきましては、これまでは明確な目標値を設定しておりませんでしたので、今回新たに設定することとしております。
 6ページにお戻りください。下の2です。こちらは治験相談及びRS戦略相談の申込みのうち80%につきまして、対面助言終了後から30勤務日以内に記録の確定を行うことを新たな指標として掲げております。3です。こちらは、定性的な指標になりますが、新たに人材力の強化とレギュラトリーサイエンスの推進に向けた環境整備、体制の確立といったことを評価指標としております。4の国際関係の記述です。アジア諸国との規制当局担当者を対象としたトレーニングセミナーの開催につきまして、今期の中期目標では年2回以上の開催を目標としていましたが、こちらは年5回以上とし、目標を引き上げることとしております。
 続いて、7ページ、審査等業務です。こちらの重要度、困難度につきましては、記載をしている理由から、いずれも「高」としております。重要度につきましては骨太の方針などに記載も盛り込まれている施策ですし、困難度につきましても、こちらに記載のような困難度があるということです。
 続きまして、8ページ、安全対策業務です。一番上に記載しております考え方ですが、2つ目のポツにありますように、緊急承認といった医薬品の早期承認を進める制度が整備される中、安全対策業務の一層の質の向上と高度化を推進する必要があるという考え方の下、具体的な目標を定めています。
 下の具体的事項の1)の副作用・不具合の情報の適切な収集・整理・評価の実施です。こちらでは、MID-NETなどの医療情報データベースを活用した薬剤疫学調査に基づく安全性評価の推進や、副作用・不具合報告の迅速な整理・評価の実施など、これらを引き続きの目標としております。2)の医療関係者並びに患者及び一般消費者への安全性情報の提供と講じた安全対策措置のフォローアップです。①にあるような最新の電子化された添付文書の確実な提供といったこと、②一般消費者や患者に必要な情報を分かりやすい形で発信するリスクコミュニケーションの強化を図るといったことなどを新たに目標に加えております。3)の審査部門及び救済部門との連携です。その関連の内容を、目標として記載しています。
 次の9ページです。4)です。安全対策業務の中のレギュラトリーサイエンスの推進による業務の質の向上ですが、こちらの①から③は審査等業務と同様の内容となっております。④のMID-NETにつきまして、データ規模の拡充や利便性の更なる向上といったことなどを新たに目標に盛り込んでおります。5)の国際化の推進です。こちらも、審査等業務と同様の内容を記載しております。
 評価指標の1番です。今期と同様に、フォローアップ調査を、調査が必要と判断される全ての報告について実施することとしております。2と3の副作用情報などの公表の関係です。副作用情報を報告から4か月以内に公表することなどを引き続きの指標としております。4のレギュラトリーサイエンスの推進に向けた環境整備等の確立につきましては、審査等業務と同様です。MID-NETにつきましては、利活用者の利便性向上や安定運営に向けた検討・見直しを指標としております。5の国際関係につきましては、審査等業務と同様の内容となっております。
 次の10ページです。安全対策業務の重要度、困難度につきましては、いずれも「高」としております。理由につきましては、こちらに記載のとおりで、それぞれ重要度、困難度があります。
 続いて11ページです。業務運営の効率化/財務内容の改善に関する事項です。左の所で、業務運営の効率化に関する事項について記載しております。まず、一番上の機構の役割及びガバナンス体制の構築ですが、引き続き理事長のリーダーシップの下、意思決定を迅速かつ的確に行うことができるようにするとともに、拡大した組織を適切に運営するための適切なガバナンス体制を確保するために、管理部門を強化するといった業務執行体制の強化を図ることを目標としております。ここの重要度は「高」としております。その下の優秀な人材の確保・育成の推進です。こちらは、組織のパフォーマンス向上のために、意欲と能力のある職員の計画的な採用等を目標とすること、ダイバーシティの推進ということを新たに目標に盛り込むことにしております。その下の広報活動です。PMDAの活動内容を効果的に世界に発信することなど、戦略的な広報活動といった目標を引き続き盛り込んでおります。そのほか、財務ガバナンスの強化などにつきまして、引き続き今期と同様の目標を掲げております。
 右の上の財務内容の改善に関する事項及び、その他業務運営に関する重要事項ですが、こちらはおおむね今期と同様の目標としているところです。中期目標案についての概要説明は以上となります。よろしくお願いします。
 
○真野主査
 ありがとうございました。では、続いて法人のほうから次期中期計画(案)について説明をお願いいたします。
 
○医薬品医療機器総合機構岸本執行役員
 では、経営企画担当執行役員の岸本から御説明いたします。
 資料1-2を御覧ください。御承知のとおり、中期計画につきましては厚労省が定めます中期目標に沿って作るものとなっておりますので、基本的には厚労省の目標に対応するような形で作成いたしております。
 まず3ページを御覧ください。次期中期計画(案)全体の概要をここでお示ししております。上のほうに3つほど、先ほど厚労省の説明の中でも環境変化というところで御紹介がありましたが、この5年の間に生じた新しい課題について掲げております。
 まず一番上でございますが、この5年は何といっても新型コロナウイルス対応に取り組んだというところがございます。今後またパンデミック等の緊急対応が求められることも有り得ると考えておりますので、そうしたときに向けた体制整備を行っておくという課題があるというように思っております。
 2つ目でございますが、mRNAワクチンだとかプログラム医療機器といったような、新しい技術を活用した製品の開発の相談・承認の申請・審査というものが増えております。そういったテクノロジーの発展に我々の法人も適切に対応していく必要があると考えております。
 3つ目でございますが、先ほど御紹介があった、いわゆる「ドラッグロス」の問題でございますが、日本の医療現場にも海外の画期的な製品をお届けできるように、開発・上市の場として日本が米国を中心とする海外のバイオベンチャーにも認知される、そういった取組が求められていると認識しております。
 こうした課題に、引き続き救済・審査・安全対策の三本柱を中心に次期5年対応していきたいと思っておりますが、詳細はこれから説明していきたいと思っております。
 4ページを御覧ください。第5期、次期5年の間で目指す主な方向性について記載しております。まず一番上でございますが、先ほど申しましたように新しい技術を用いた革新的な製品がどんどん出てきておりますので、そうしたテクノロジーの発展に我々も適切に対応していきたいと考えております。
 2つ目も先ほど厚労省からございましたが、小児用・希少疾病用等の製品につきましては市場性は必ずしも高くはないのですがニーズは高いというところで、そうした未承認製品の解消に向けた対応を強化していきたいと考えております。
 3つ目は国際的な活動でございますが、世界への発信力の強化、もちろん英語でということになりますが、こうしたことに取り組んでいきたいと思っております。その一つの拠点として、アメリカに次の5年の中で拠点を設置したいと考えております。また従来より、我々は特にアジアを中心としまして規制調和活動に取り組んでおりましたが、これもより戦略的に実施していく、推進していくためにアジアに拠点を設けたいと考えております。
 下のほうのパンデミック対応、緊急時対応体制は先ほど述べたとおりでございますし、患者会の皆様だとか一般の国民の皆様への情報提供等の充実など、コミュニケーションも強化したいと思っております。IT化やBPRにつきましては引き続き取組を進めたいと思っております。
 資料7ページ、救済業務でございます。ここから少し詳細に御説明いたしますが、右上の所に書いてございますが、赤字の部分が主要な新規・拡充の項目になりますので、そこを中心に御説明したいと思います。
 まず、(2)のところにございますとおり、厚労省からの説明のとおりでございますが、請求から支給決定までを6か月以内に処理する件数を60%以上と今期計画には定めておりますが、これを厚労省説明の目標に従いまして65%以上に引き上げたいと思っております。
 (3)について、この5年の間に請求いただく手続のオンライン化の仕組みを整えたいと思っております。また、オンライン化の仕組みを整える過程で、省略できるような添付文書については合理化を図りたいと思っております。
 続きまして、8ページの審査業務を御覧ください。まず、審査期間につきましては厚労省説明のとおり、堅持の方向で対応したいと思っております。
 9ページを御覧ください。まず新医薬品関係でございますが、新しい取組としてEarly considerationと書いてありますが、これは先ほど来説明していますように新しい技術を用いた製品の開発に伴いまして、相談だとか審査といったものが増えてきております。そういった新しい技術の活用といったところではメーカーのほうも試行錯誤しながら開発を進めるということになりまして、できるだけ早期に我々のほうで開発の方向性みたいなものをたたき台としてお示ししたいと考えておりまして、それをベースにアカデミアだとか企業の方々に議論していただいて、よりカチッとしたガイドライン的なものにつなげていく、そういった活動を行ってまいりたいと思っております。
 2つ目は先ほど厚労省から御説明がありましたとおり、新しい指標としまして、開発相談の申込みのうち80%について、助言終了から記録確定まで30勤務日以内と設定したいと思っております。
 4つ目、先ほど来説明していますとおり、オーファンドラッグだとか小児用医薬品などの実用化の支援を行ってまいりたいと思っております。
 その下も先ほど説明しましたように、海外で開発が先行している革新的医薬品について、日本にも導入されるよう、環境整備や情報発信を強化してまいりたいと考えております。
 6つ目も先ほど御説明したとおりでございますが、緊急時の体制の構築を行ってまいりたいと思っております。
 続きましてジェネリック医薬品でございますが、この5年間の間に一般紙を含めまして工場の品質の問題が大きく取り上げられました。こういった品質・供給問題の発生を未然に防止していく必要があると思っておりまして、承認審査に当たって行う適合性調査を強化したいと考えております。
 続きまして10ページでございます。2つ目の信頼性保証関係の部分でございますが、リアルワールドデータの活用は引き続き支援していく、環境を整備していくということに加えまして、国内治験における手続等の簡素化・負担軽減を支援するための環境整備を行いたいと思っております。
 続きまして品質管理関係でございますが、GMP、工場の査察調査でございますが、そこでの指摘事例の公表などを通じまして関係者間のコミュニケーションを促進したいと考えております。
 続きまして11ページを御覧ください。医療機器等になります。基本的には審査期間は堅持したいと思っておりますが、先ほど厚労省からも御説明があったとおり、プログラム医療機器という新しい区分の非常に関心の高い製品が出てきておりますので、そういったものについては特出しまして新たに審査期間の指標を設定したいと思っております。
 続きまして12ページを御覧ください。4つ目の部分でございますが、講習会やワークショップなどを主催したいと思っております。また、学会等に出向きまして出張相談を行うなど、アウトリーチの活動も強化したいと思っております。5つ目のところでございますが、審査報告書の作成範囲を拡大しまして英文によって公表していきたいと思っております。その下、プログラム医療機器関連でございますが、組織改編しまして体制強化をしたいと思っております。それに応じまして、このプログラム医療機器に特化した相談区分を新設したいと思っております。また、プログラム医療機器の審査のポイントなど、そうした文書類も作成していきたいと思っております。
 13ページを御覧ください。一番上が再生医療等製品の関係になります。2つ目に書いておりますが、この分野は、いわゆる大手のメーカーだけではなくてアカデミアとかベンチャー企業の参入も多くある分野でございまして、そういった所は必ずしも薬事のルールに精通しているわけではございませんので、そうした所も開発の参考となるような資料を作成いたしまして、英語も含めて発信していきたいと考えております。4つ目の医療機器の品質の管理の関係でございますが、医療機器は全て承認ということではなくて、リスクに応じて第三者認証の仕組みもございます。それは登録認証機関が行うことになっているのですが、その中には内資・外資ございます。そのうちの内資について、国際的に活躍できるような所がまだ少なく、その国際化に向けた支援を実施したいと考えております。
 14ページ、真ん中の所が赤くなっておりますが、先ほど来申しておりますように、我々のレギュラトリーのほうも新しい技術に対応していかなければいけないというところで、こうした我々の業務に関連する研究的な業務も遂行したいと思っておりまして、このための環境整備を促進したいと思っております。
 15ページを御覧ください。先ほど説明したとおりでございますが、アメリカに拠点を設置したいと思っております。2つ目、薬事規制調和の加速に向けましてアジアに拠点を設置したいと思っておりますし、逆にアジアの規制当局から1年程度の長期の研修生を受け入れまして、我々のレギュラトリーの考え方を実地で学んで母国に持ち帰っていただく。そういった活動も始めたいと思っております。その下は従来からの取組で、アジアの規制当局向けにトレーニング、セミナーを開催しておりますが、今計画では年2回以上のトレーニング開催とあったものを5回以上にしたいと考えております。
 資料1-3、11ページを御覧ください。これは夏の時にも御覧いただきましたが、左のほうが2006年とちょっと古い時期になっておりまして、右が2022年、直近でございます。赤が日本ということになります。一番左の時点では審査期間が諸外国に比べて圧倒的に長かったのが、体制整備等を踏まえまして、一番右の直近ではもはや世界最速レベルになっているというところで、審査期間の目標については堅持したいと考えております。
 続きまして13ページ、これも厚労省から御説明がありましたが、下の評価の考え方1つ目の矢羽でございますが、もともとこの審査関係は指標が30くらいありまして、ちょっと指標が多いきらいがございましたが、今回、また新たに指標を設定したり、審査期間の指標でプログラム医療機器を特出ししたりとか、少しまた増えるというような事情もございましたので、件数が極端に少ないものはブレも大きくなりますし、我々の実績の評価をするには必ずしも適当ではないのではないかと考えまして、そういったものについてはこの中期計画の指標からは削除したいと思っております。
 2つ目の矢羽の所について、次のページで御説明したいと思っております。達成度の評価方法を変更したいと考えております。下のほうに、棒グラフでモデルを作っておりますが、これに沿って御説明したいと思っております。
 目標のところ、必ずしも現在の目標に沿っているわけではないのですが、80%タイル値で10か月という目標を仮定いたしまして、その達成状況を下のほうに示しております。80%タイル値ということになりますので、これは10品目でモデルを作っておりますので、左のほうから80%、品目8が80%タイル値に当たるということになっています。
 横に青い一直線が引っ張ってありますが、これが10か月でございまして、目標自体はこの品目8と青い棒の10か月、この関係を見るということになっております。
 一方で達成度を評価するということになっておりまして、緑色で囲んでおりますが、従来は10か月を切っているところの%タイル値と基準の80%タイル値、ここの比較で達成度を評価してまいりました。このモデルですと、品目9まで10か月を切っておりますので、品目8と品目9の関係で達成度125%という評価を行っております。
 ただ、既に代表的な指標のタイル値が80%まで来ておりまして、右の部分の余白がもうほとんどなくなってきておりますので、次期中期目標期間からは、目標の達成度の評価の仕方を赤いほうに変えたいと思っております。具体的には品目8の所で見て、80%タイルで見て、10か月に対してどの程度の期間短縮できているか、短縮の期間の程度で達成度を評価したいと思っておりまして、このモデルの場合は10か月に対して9.7というところで、そこの比較で評価したいと考えております。
 また資料1-2に戻っていただいて、続きまして安全対策を御説明したいと思います。16ページを御覧ください。上のほうが医療情報データベースの活用でございます。3つ目にありますとおり、薬剤疫学調査の活用を促進するということで取り組んでおりまして、引き続き人材の育成、体制強化に努めたいと思っております。
 その下のほうでございますが、増大する副作用報告の迅速な評価の実施について、今期は特に新型コロナワクチンの副反応・不具合報告が殺到したというような事情もございましたが、それを除きましても右肩上がりで報告件数が伸びている状況でございます。加えまして、従来は企業だとか医療機関からの報告を中心に業務をやっておりましたが、患者からの情報についても集めるようにというような要請もございます。そういった意味で情報源、情報ソースも多様化を求められております。こういった中で、人力で全部処理していくというのは少し限界もございますので、IT技術の活用を積極的に図りまして、効率化と質の向上を実現したいと思っております。
 17ページ下の所、患者様、一般の方、国民の方とのリスクコミュニケーションの強化という所で、2つ目のポツにございますが、電子版お薬手帳というものが出てまいりましたので、そういったものを活用しまして、患者に必要な情報を適時適切に発信していきたいと思っております。一番下の所、既に1つの患者会とは連携を始めておりますが、患者会との情報のやり取りを充実していくために、患者会の数を増やしていきたいと思っております。
 20ページでございます。業務運営の関係でございますが、まず上のほうの枠、先ほど厚労省からもございましたとおり、拡大した組織を適切に運営していく、そういったガバナンス体制を確保するために管理部門を強化したいと思っております。下のほうも厚労省から課題として挙げられておりますが、職員を計画的かつ積極的に採用しまして適切に育成することが重要だと思っております。そうした際には、国際的なガイドラインの策定に貢献できるなど、民間企業と違って我々の法人ならでは、そうした社会的に果たす役割の重要性、そういったものも併せて伝えていきたいと思っております。
 21ページ4つ目のポツでございますが、海外向けの情報発信の資材の1つとして「PMDA UPDates」というものを用いております。この新規登録を今期計画上、年間100人ということにしておりますが、次期につきましては年間200人に引き上げたいと思っております。
 最後、22ページでございますが、3つ目のポツにございますとおり、業務のプロセスの見直しを図るBPRを引き続き実施してまいりたいと思っております。説明は以上でございます。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは、オンラインの方も含め、ただいま御説明がございました次期中期目標案と次期中期計画案について御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。お願いします。
 
○太田構成員
 私からはプログラム医療機器を中心としたお話を伺いたいと思いました。第4期の途中ぐらいから、プログラム医療機器の申請が非常に多くなされてきていることは承知しているところなのですけれども、このプログラム医療機器の対応策として、第5期で3項目で具体的な数値目標を挙げておられるということは非常に心強いと私は思って見させていただいています。これに対応する対応力の問題として、組織改編を行うということをおっしゃっておられるわけですが、この組織改編の中では人材の確保の項目というのがかなり重要だろうと私自身は思うのですけれども、その辺について、もしお考えがあれば伺いたいと思います。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御質問ありがとうございます。PMDAの組織運営マネジメント役の河野でございます。先生の御指摘のとおり、プログラム医療機器の申請相談件数が、ここ数年増えてきているというような状況もございまして、現在でも、限られた人員ではありますけれども、現場のほうで対応している状況であります。今後とも、この分野の相談件数・申請件数は増えていくと思われますので、我々としてはその分野の組織強化を図っていきたい、その際、優秀な人材確保も重要なポイントだと思っています。
 現在でも、例えば産総研と人事交流を行ったり、外部有識者を専門委員として御意見を頂戴したりとか、そういったようなことで対応は進めていますけれども、次期におきましても、そのような交流や外部の人材活用も含めて対応したいと思います。なかなかIT人材は競争の激しい分野でありますけれども、我々としても、可能な限り採用は積極的に頑張っていきたいと思っています。
 
○太田構成員
 IT人材というのは、非常に確保が難しいというお話だったと思います。確かにそのとおりだと思うのですが、現職員、今PMDAで働いておられる方の育成というような形で、ITに関して何かそういうお考えはありますでしょうか。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。現時点でも、PMDAの例えば科学委員会、アカデミアの先生方を中心に組織するものですが、そこの1つのテーマとしてプログラム医療機器を取り上げて、アカデミアを中心とした製品の見方、そういった勉強も進めているところです。それ以外にも、技術の進歩がいろいろ出てくる部門だと思いますので、外部との連携というのは今後も引き続き重要になってくると思いますので、先生が御指摘の点も踏まえ、また外部との連携も十分考えていきたいと思います。
 
○真野主査
 よろしいですか。ほかの方はいかがですか。田宮先生、お願いします。
 
○田宮構成員
 ありがとうございます。私は主に2点ありまして、1つはドラッグロスのことです。やはりこれは日本の医療にとって大変大きい問題だと思います。スピードがここまで上がってきたことは本当にすばらしいので、次には、そこで取りこぼしがどのぐらいかというのがとても重要だと思うのです。これに対して具体的にどんなふうなアプローチにしていくのかというので、国際的な情報発信とか情報収集ということがありましたけれども、その中で、もう少し具体的に何か進めていく方法。例えば、事前レクのときに、日本人でなければ日本の薬は日本では承認されないと考えられていて、敬遠されるとか、そういうことがありましたけれども、それは、実際に薬によってはそういうものもあるでしょうし、そうでないものもあるとか、そこは私は専門外で詳しく分からないのですけれども、多分これはかなり大きいことなので、これだけ承認が早くなった次の課題としては、システマティックに取り組んでいただきたいと思っています。
 あとは、その薬は具体的にどんな薬が多いのか。小児ということは聞きましたけれども、やはりがんの治療が多いのかなとか、いろいろ考えますけれども。私もがんセンターのほうの評価にも少し関わっているので、あちらでも問題意識を持っておられているので、その辺も連携して、がんの治療はやはり大きいことですので、日本が遅れることのないようにしていただきたいということが、1つ……ことです。
 もう1つなのですけれども、副作用について市場に出てからこれだけ精力的にやっていただくことはとても重要だと思います。特にコロナワクチンについては、疑わしいものもどうぞというような表明もしていらっしゃいますし、すごくたくさん集まってきて、とても大変だったということを推察します。これについて、今後もまたこのようなことが起きるかもしれませんし、まずファックスでいろいろやるというのは何とかならないのかというのが1点。それから、今回たくさん集まってきました、この副作用情報というのを、大変だと思いますけれども、この後どのようになさる予定なのかなと思っています。特にワクチンの副作用は、ワクチンのデータと突合されたその後の臨床データが必要だと思うのです。それは一部厚労省のほうでやっておられるようですけれども、その辺と連動して、これだけいろいろな情報を集めておられるので、……に向けた方策がどのようなことがあるかということです。
 もう一つ最後、副作用情報についてはMID-NETを活用しということで、MID-NETの充実、とてもすばらしいデータです、充実したと思うのですが、片や、やはり抽出したデータになりますので、国の関連の機関としてはNDBですとか、悉皆データに対するアプローチもとても重要だと思いますので、MID-NETの足りない部分を補う意味でNDBの活用とか、その辺も御検討いただけているのか。ちょっと多いですけれども、ドラッグロスのことと副作用のことを、もう少し具体的に教えてください。よろしくお願いします。
 
○医薬品医療機器総合機構岸本執行役員
 まず1点目のドラッグロスの関係ですが、これにつきましては、御承知のとおり、まず薬価をはじめとする市場の問題、開発を担います医療機関の体制の問題、加えまして薬事の問題と、非常に複合的な問題が関わっておりますので、そういう意味で複合的なアプローチが必要だということになっています。そうした中で我々が担当します薬事はどういったアプローチかという御質問だったと思います。今、厚労省のほうで検討会を設けていただいて、そこで議論をしているところですが、1つは、海外のメーカーからは日本人データの扱いについて非常に関心が高いので、そこにつきましては一定の考え方を整理しましてお示しし、それを英語でも発信していきたいと思っています。ケースバイケースということにはなると思いますが、一定の考え方、開発に資するようなものはお示ししたいと思っています。
 加えまして、必ずしも海外企業だけをターゲットにしているわけではありませんが、先ほど申しましたオーファンドラッグとか、そういった市場性の低いものが、やはりなかなか上市しないという事情もありますので、今、オーファンドラッグの指定制度の見直しも検討会のほうで議論いただいています。そういったようなことを総合的に講じまして、薬事のところでも対応したいと思っていますし、またほかの面での対応も働きかけていく必要があると思っています。
 
○医薬品医療機器総合機構倉持安全管理監
 それでは、医薬品の副作用関係について、安全管理監の倉持から説明させていただきます。まず、電子的な報告の関係については資料1-3を御覧ください。資料1-3の39ページ目ですが、電子報告システム(報告受付サイト)を既に構築しており、医薬関係者からの副作用等報告やワクチンの副反応疑い報告をオンラインで報告できるようになっていることについて広報活動を展開しています。特に新型コロナワクチンの接種開始直後においてファックス、紙での報告が非常に多くて、処理に苦労したわけですけれども、こういった取組を通じまして、当初2、3割程度の電子化率だったのが、現在5割ぐらいにまで増えてきていまして、更にそういった電子的なオンラインでの報告が増えるように、更に周知活動を展開していきたいと考えています。
 それと、新型コロナワクチン関係で、副作用、副反応報告が増えてきていまして、新型コロナワクチンを除いても報告件数が右肩上がりという説明があったかと思いますけれども、我々もやはり人的なリソースにも限界がありますので、諸外国でも徐々に進んできていますAIなどを活用した効率的な処理の仕方について、現在検討を進めているところです。
 あと、新型コロナワクチンの関係で、今後こういったことが起きたときにどうするのかということに関しまして、同じく資料1-3の42ページ目を御覧ください。予防接種法の改正が既に令和4年に行われていまして、42ページの下のほうの「(2)予防接種事務のデジタル化等」という所で、「オンライン対象者確認の導入」とあります。接種対象者の確認の仕組みを導入することによりまして、その下にあります「予防接種データベースの整備」を図り、令和8年度の構築に向けて今検討しているところです。43ページ目のイメージ図の真ん中ほどにPMDAがありますが、下のほうの副反応疑い報告をした医療機関から、電子的に副反応疑い報告を頂いたものを、PMDAが右上の予防接種データベースに当該副反応疑い報告を匿名で登録するという形で貢献したいと考えています。こういったデータベースを通じて、今後新たなワクチンによる健康被害などについての評価がより適切に行われるようになると考えています。
 最後に、リアルワールドデータを活用した調査の安全対策の推進という点につきましても、資料1-3の41ページ目にありますように、我々はそういった疫学調査を行っていまして、右下にありますように、医療情報データベースにつきましては、徐々に連携先を強化していまして、データも充実させています。そういう中で疫学調査関係の相談などにも応じて、左側にありますように、もう既に新たな添付文書改訂ですとか安全対策措置の効果の検証、早期安全性シグナルモニリングの実施といったようなものに活用しています。次期中期計画に向けても、そこについて更に積極的に取り組んでいきたいと考えています。説明は以上になります。
 
○田宮構成員
 ありがとうございます。ちょっと1つだけいいでしょうか。とてもよく分かりました。是非多角的にいろいろ取り組んでいただきたいと思います。最後の副作用情報の今後のデータのことなのですけれども、最後に説明いただいた資料1-3の43ページの流れ図ですが、これはこれからの予定の部分がかなりあるのかなと思います。現在は、たくさん集まってきたワクチンの副作用情報はどんなふうに流れていて、今後はそれが予防接種データベースになるという予定なのでしょうか。現在とプランと、もう一回ちょっとここだけ追加いただけますでしょうか。
 
○医薬品医療機器総合機構倉持安全管理監
 予防接種データベースは、先ほど説明したように、令和8年度からの運用を目指して進んでいるところで、まだ詳細なところははっきりしていないのですけれども、現在、副反応疑い報告は医療機関からPMDAに来ましたら、ほかのワクチン以外の医薬品と同様に、未知なものなのかとか、因果関係が高いものなのかというような個別の評価をして、安全対策が必要なものについて、厚生労働省の審議会に諮って、使用上の注意の改訂など、注意喚起を図るという流れにしています。新型コロナワクチンのときは副反応疑い報告が非常に大量に来て、それを迅速に処理するのに苦労していたわけですけれども、令和8年度までは、そこはある程度人手を使って、積極的に精力的に対応していくという状態が続いていくということです。
 ただ、先ほど説明しましたように、量が増えてきていますので、それを待たず、AIの活用なども含めた検討は、並行して進めていきたいと考えています。
 
○田宮構成員
 では、すごく尽力されて何とか集計して、判断してから、重要なものとそうでないものと分けて厚労省に報告し、報告者はそれを受けて厚労省が対応するという流れでよろしいですか。
 
○医薬品医療機器総合機構倉持安全管理監
 そうですね。当然重要なものから優先的に処理をして、厚生労働省の審議会に諮っています。
 
○田宮構成員
 こちらで優先順位を付けて、重症なものと分けるとか、何か集計して報告を出される。
 
○医薬品医療機器総合機構倉持安全管理監
 そうですね。死亡の多いものとか、添付文書から予想できないような、早期に医療現場に提供すべき内容のものを、優先的に、かつ、迅速に処理して審議会に諮るということです。
 
○田宮構成員
 分かりました。大変だと思いますけれど、データベースの構築が一番求められますが、それまでの間も是非重要なものを迅速に報告できるようにお願いしたいと思います。すみません、長くなりました。ありがとうございました。
 
○真野主査
 いいえ、大丈夫です。ありがとうございました。今のに関連して、前者のドラッグロスの話ですけれども、海外に拠点を置くという話もありましたし、朝、藤原理事長の新聞記事も見ましたが、そういう海外に展開して、かつベンチャーとの連携をという話もされることですね。ちょっと広い意味かもしれませんが、それもドラッグロス対策。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。次期中計中のなるべく早い段階でアメリカの拠点は設けたいと思っておりまして、そこから情報発信をするときの1つの対応方策として、例えばボストンを中心としたいろいろなベンチャー企業の集まり、クラスターの所に行って日本の制度を理解してもらうというやり方もあるかもしれませんし、あるいは、大きな学会に出て行って、そういう中で日本での取組などをPRするようなやり方もあるかもしれません。そこはいろいろな分野、品目によっても対応は考えていかなければいけないとは思いますが、そういった取組を考えていくことは我々としても意識したいと思っております。
 
○真野主査
 日本が何か今いろいろな意味で目立っているので、それを誤解ではなくて正しい情報で、先ほどの治験の日本人の数とかもそうですが、発信できればいいなと思います。
 もう1つ、これも朝、新聞にも出ていましたけれども、アジアのタイにされるというように出ておりましたが、こっちは先ほどのトレーニングセンターとの関連というのはどのようにされるのでしょうか。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 ありがとうございます。トレーニングセンターは既にPMDAの国際部門に設けておりまして、毎年、ASEANを中心とした国の方々から、日本の薬事制度を学んでいただくために日本に来ていただく、そのような取組をしているところであります。
 今後、ASEANを中心とした我々の事務所ができれば、そこを中心に情報発信をするという考え方もありますし、また、日本に各国の薬事規制当局の方を送ってもらうときに、その橋渡し役をするというような考え方もあると思いますので、そのような役割を充実強化できればと思っております。
 
○真野主査
 アメリカもですけれども、アジアのほうでも是非ハブになるような感じだといいなと思います。
 ほかの方はいかがでしょうか。
 
○石井構成員
 最初、国際化のところをお聞きしようと思ったら、真野先生と全く同じ質問になってしまいました。やはり積極的にやっていだだくことが非常に重要ですし、そこで何をするのかという戦略も、本当はもう少し詳細にお聞きしたかったというのが現状でございます。
 それと、医療機器あるいは新しいメカニズムの薬、今回はコロナのワクチンが出ましたけれども、Early Considerationとして、アカデミア、企業体でたたき台を作ってやっていますということですが、これは迅速にいけるのでしょうか。その辺りのタイムコースというか、どっちが先でどっちが後ろになっていくのか。作りながらとなっていくと、また何か遅くなってしまうので、この辺りをどのようにお考えになっているのでしょうか、というのがまず1つの質問です。
 あともう1つ、電子お薬手帳を挙げられていました。そこに情報を付加してとか、いろいろなことをおやりになりたいとおっしゃっていましたが、実はこの電子お薬手帳は薬局では読めるのですが、逆に、出している側の病院でデータを落とすことができないということがございますので、データを作る構築の仕方をもう少しやっていかないと、本当に地域での情報共有ができないのではないかというのが質問でございます。
 あともう1つあるのですけれども、ちょっと毛色が違うので、ここで一旦止めます。
 
○真野主査
 最初、2つということでお願いします。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御質問ありがとうございます。まず、新しいモダリティに対してのEarly Considerationの考え方という御指摘だと思います。品目によっても取組は変わってくるかもしれませんが、例えば今回のRNAワクチンなどでいうと、治験を組むときにどういう評価の仕方をしたらよいのかについては、各製造企業の人たちも悩んだポイントの1つなのだと思います。例えば、有効性を検証するために血中の抗体価が上がればそれでいいのか、ある程度そこは臨床症状を抑えるというところまでを評価項目に加えなければいけないのかとか、そのようなことによって、必要となる患者数、治験に参加いただく患者数も変わってくるとか、いろいろな影響があると思います。そういう考え方の整理というのは、ある程度我々のほうとも相談を通じて一緒に考えていくような取組が今後も出てくると思いますので、そういった時点での我々の考え方はこうだということをお示しすることによって、製薬企業の方とかアカデミアの方の更なる意見を聴取した上でブラッシュアップしていく、そのような考え方はあろうかなと思っています。
 
○石井構成員
 ありがとうございます。もう一点につきましては、厚労省側の後ろのほうの資料で、ダイバーシティの推進ということをやっておられました。実際にPMDAは非常に若い方、女性が多く就職されるような場所ですけれども、プロモーション、もっと上に上がったときに、なかなか女性の方が上がってこないのではないかというイメージがございます。その辺り、男女という問題ではないのですが、やはりいろいろな方がいろいろな立場で役職に就きながら発展させていくことが重要ですので、具体的にはお考えの中に組み込まれないのでしょうか。
 
○真野主査
 先ほどの質問の続きがまだもうちょっと回答があったようなので、ダイバーシティの前にそちらをお願いします。
 
○医薬品医療機器総合機構倉持安全管理監
 電子版お薬手帳の件で御質問を頂きましたので、先にそちらのほうを、安全管理監の倉持から回答させていただきます。お薬手帳につきましては、資料1-3の40ページ目に図がございますけれども、お薬手帳自体は厚生労働省のほうで使用促進が図られているところでございまして、我々はそれに対して協力するという立場です。ここにありますように、お薬が処方された場合、本日処方されたお薬○○錠、○○カプセルというのが表示されて、現在ですと、ここからまた患者さん自身がPMDAのホームページに入って検索していかないと、患者さん向けの情報が見られないような状況なわけですけれども、そこをもっとワンストップになるように、この電子版お薬手帳で表示されたものをプッシュしてもらうと、即座にPMDAのホームページの関連情報の一覧に飛んで、その中から必要な情報を患者さんが選択して見ることができるというようなシステム改修を現在進めております。このようなお薬手帳が活用しやすい環境整備にPMDAとして協力していくということで、対応させていただいているところでございます。先生から御指摘いただいた点について、そうしたお薬手帳を所管している厚生労働省のほうの担当部署とも情報共有しまして、PMDAとして協力できる部分があれば必要な協力をしていきたいと、そのように考えております。
 
○石井構成員
 ありがとうございます。
 
○真野主査
 情報共有という視点も入っていましたから、是非それは厚労省とお願いします。
 
○医薬局総務課長
 厚生労働省です。今のお薬手帳の関係ですけれども、医療機関でお薬手帳の内容はなかなか見れないのではないかという話、問題意識の部分でありますけれども、そこは医療機関側で簡易にお薬手帳の内容を見れるようなリーダーといいますかアプリケーション、そういったものを開発することを我々としても考えていまして、その予算は来年度予算案には計上することにしております。今はお薬手帳をお医者さんに患者さんが見せないと駄目ですけれども、そうではなくて、システム上、パッとその内容を見れるようにできないかという、その費用を計上しているということであります。
 
○石井構成員
 ありがとうございます。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 続きまして、ダイバーシティの御指摘、女性活躍推進の御指摘でございますが、私どもの次期中計の中では、女性活躍の推進だけではなく、障害者雇用も含めたいろいろな働き方の多様性確保進めていきたいと思っております。その中で、女性活躍推進の御指摘ですけれども、昨今の採用状況などを見ますと、例えば生物統計のような専門性のより高い分野は別として、一般的な技術系職員で言いますと、応募では昨今女性が多く、採用に当たってみましても、優秀な順番に並べますと女性のほうが上位を占めるような状況が最近の傾向として見られます。そのようなことから、優秀な女性が我々PMDAを志望していただけるということは非常に有り難いことだと思っていますし、今後そういう方々の処遇、働きやすさにも十分配慮しながら対応を進めていきたいと考えております。
 
○石井構成員
 ありがとうございました。
 
○真野主査
 河村先生、お願いします。
 
○河村構成員
 ありがとうございます。御説明くださってありがとうございます。PMDAさんは今度第5期ですけれども、私も最初の黎明期の頃、総務省の今の独立行政法人評価制度委員会の前身の政独委にいたことがありまして、このドラッグ・ラグが結構大変でというような頃からいろいろお話を伺う機会がありましたので、その頃から見ると、本当に期を経ることにいろいろ発展してこられて、これだけドラック・ラグも解消してという話。でも、先ほどもありましたけれども、それに伴って組織が急激に大きくなって、また新たな課題が出てきて、そこのところも今はもう乗り越えられつつあって、次の中期目標の期間については、やはりいろいろ新しい取組がある。独立行政法人でこれだけ柔軟にというか、新たな課題が続々と生まれてきて、それに取り組んでいこうとされるのは、なかなかちょっとない法人でいらっしゃるかもしれないなと思いながら、全体的な方向として非常にチャレンジングな目標を立てていらして、大変いいのではないかと思います。ただ、今後きちんと実績を説明いただいて、私どもはお話を伺いながらその評価をやっていかないといけないと思うのですけれども、どのように適切に設定していくのかというのも、また1つの課題なのではないかなと思っています。全体としてはそのように思っています。
 まず、審査の評価のところで、これはちょっと確認です。本省のほうから御説明くださいましたが、審査の関係のいろいろな目標をたくさん立てられていて、でも、ほとんどすごく高い達成水準をずっと続けてこられてということで、ではそれを次期どう考えていくのかというところです。本省の中期目標の概要の資料の一番最後の所で御説明くださった12ページの所に、審査期間の目標値という一覧がずらっとあります。これは、先ほど御説明くださいましたが、新医薬品の関係の所が、目標の設定及び水準の考えの所で前中期期間の目標値と同様となっていますので、目標自体は据え置かれているという理解でいいですか。そして、それ以外の所については、上げられているという理解でよろしいですか。いちいち私が突き合わせて確認してなくて恐縮ですが、一応この審査の全体として、困難度も高いというのはそのまま付けられることになっていますので、そこの確認を最初にお願いできればと思います。
 
○医薬局総務課長
 厚生労働省です。こちらの12ページに書かれている指標は、世界最速の審査期間を堅持するということで、前期とは特に変えていないということです。
 
○河村構成員
 だから全部で上の3つだけで、新医薬品の所だけではないのですね。ほかの所も変えてないということですよね。
 
○医薬局総務課長
 はい、ほかも変えてないです。
 
○河村構成員
 そういうことですね、はい、分かりました。それで、審査業務全体として、なぜ困難度が高いのかというところで、理由も7ページの所でお書きくださっていて、全体としては分かるのですけれども、でも、達成度がずっと高くていらしたところもあるので、今後、いろいろ評価方法のやり方を少し変えられてということなのかなと思いますけれども、困難度が高いというのが全体として付いてしまっていいのかなと、正直、少し逡巡するところはあります。言ってらっしゃるところが分かるところもあるのですが、すみません、これは意見です。
 あと、質問が2点ありまして、1つは後発医薬メーカーのところです。いろいろ対応も安全対策などをお考えくださっているとは思うのですけれども、計画案のほうの9ページの所とかの後発医薬品の品質・供給問題というのは、我々国民の側からすると、結構杜撰な実態がいっぱい報道で明らかにされていて、どうしてあんなのがこれまで通ってしまっていたのかなというような感じで、正直思うのです。それをすごく思っていますのと、あと影響が結構長引いていますよね。もうかれこれ何年になりますかね。本当に身近な問題として、私とか自分の家族の経験というか、身近な人の経験でもそうだし、今まで定期的にお医者さんに通って処方していただけていたような薬が、これがもうないとか、薬局が一生懸命あちこち手を尽くして探してかき集めてきたりとか、そういう何か供給の問題というのが、大分長引いてしまっているのではないかと思うのです。ですから、国民の側からすると、ここのところをもう少し。大体なぜそもそもあんな杜撰なのが通ってしまったのかとか、これからもっとしっかり箍を締め直してお願いできればと、PMDAさんにもしっかり是非お願いできればと思うのです。その辺りのお取組は強化とかいろいろ書いてあるのですが、どういう形で実際の実績を説明していかれるのか、そして、我々が評価させていただくことができるのか。こういうところの指標とかは特に作ったりとかはなさらないのかということを質問したいのが1点目です。
 もう1つの質問は、財務ガバナンスのところです。運営費交付金は基本的にはないというか限定的であって、いろいろな手数料などで自立してやっていただけている法人ということで、大変立派な法人でいらっしゃると思います。でも、それにふさわしいような財務ガバナンスをというようにお書きくださっているのですけれども、それは前期と同じ目標でというようにお話くださっています。それで、中期目標の資料2-1のほうですが、そちらの文章で書いてあるほうの財務ガバナンスの所を拝見しますと、14ページ辺りですけれども、①、見通しを的確に把握し、機構全体で共有とか、②、財源による収入増を図るための措置を検討とか、③、④とか、これを見る限りだと、正直申し上げて、やって当然ですよね、こんなの。これが目標なのかなという感じがして、もう一段進んで、これからやはり新たないろいろなシステムの整備であるとか、そういう大掛かりな投資とかもなさらないといけないところもあるでしょうし、その原資が、税金、運営費交付金で来るのと、それから手数料、実際にお取引があるとか、審査をアプライしてこられる企業の方からの手数料ということで、そこで差が付くものではもちろんないと思いますけれども、やはり透明性をもっと高めてやっていかなければいけないのですが、もう少しその辺りのお取組を強化されたほうがいいのではないのかなというか、その辺が不十分だと、逆にまた今まではなかったような新たな問題が発生してきてしまったりする原因になるのではないかとも思うのです。その透明性とかの面で、例えば監査の話とか情報公開の開示の話とかをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねできればと思います。以上2点、御質問です。
 
○医薬品医療機器総合機構倉持安全管理監
 では、先にジェネリック医薬品関係の御質問について、安全管理監の倉持から回答させていただきます。資料1-3の31ページ目を御覧ください。「都道府県職員等に対するGMP調査に関する教育支援の提供」と書かせていただいています。昨今問題になっているジェネリック医薬品の国内製造所におけるGMP上の問題に端を発して、安定供給において現在いろいろ御迷惑をお掛けしているところでございますが、国内のジェネリック医薬品の製造所のGMP調査というものは、都道府県によって行われています。海外の製造所とか新薬などにつきましてはPMDAが直接実施しているのですが、ジェネリック医薬品の場合は国内製造所について都道府県が担当しているということで、やはりここでの調査についてしっかり強化を図っていくことが再発防止に向けて重要であるということで、厚生労働省の要請に応じまして、PMDAとして教育支援を担当しております。
 メニューとしては、問題になった令和4年度から、このような支援メニューを強化しているところでございますが、例えば、左側にありますように、実地調査の支援のところで、都道府県が実際に製造所を調査するときに、PMDAが同行をしたり、あるいは、PMDAが行っている新薬の調査に、都道府県の職員に同行してもらい、そうしたノウハウなどを御理解いただく、あるいは、事前に調査日をお知らせして実施しているような場合には、隠蔽等のおそれもございますので、事前に通告せずに無通告の査察というものも実施しておりまして、そういうものについての情報なども共有しながら、実地調査の支援をさせていただいているところです。それ以外にも、真ん中にありますように、PMDAのほうで研修資材、都道府県のGMP担当者向けの研修の資料なども提供をしたりしています。
 また、講演会などを通じて更に情報の共有を図り、都道府県の方々がより一層GMP調査を強力に実施できるような支援をさせていただいておりまして、令和5年度も実施しておりますし、次期中期計画期間中も更に支援メニューを強化して対応していきたいと考えております。
 都道府県職員の支援だけではなく、やはり企業側の意識改革も必要ということで、同じく資料1-3の28ページにありますように、GMP調査における他の製造所での指摘事例、GMP上、良くなかった点などについても、令和4年度から情報公開を実施しております。こういった不適切な事例があったので、皆さんの製造所でも同じようなことがあれば再発防止に活用していただきたいというような情報公開を行っております。
 また、同じく29ページにありますように「GMPラウンドテーブル会議の開催」ということで、都道府県の職員、製造所の方々も含めたリスクコミュニケーションが重要であるという趣旨で、年に2回ほど開催しております。都道府県の職員や製造所の現場の職員などとラウンドテーブルでいろいろな課題についてディスカッションをして、どういう点に悩んでいるのか、そういったことを解消するにはどういうことが考えられるのかという解決策を共有するなどして、意識向上なども図っています。地道ではございますけれども、こういう様々な機会を通じて、ジェネリック医薬品メーカーさんのほうでの対応を強化していきたいと、そのように考えているところでございます。
 
○真野主査
 それでは、2点目をお願いします。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 引き続きまして、財務ガバナンスの御指摘を頂きましたので、その点につきましてお答えさせていただきたいと思います。先生が御指摘のとおり、今後も新たなシステム投資といったことをPMDA全体として行っていかなければいけないという中で、やはり収入の状況を踏まえてその辺の適切な判断を十分行っていかなければいけないと考えております。特に審査セグメント、安全セグメント、それぞれの収入源等の大宗を占めますのが、審査手数料、相談の手数料、安全対策拠出金、こういったところが主な収入源になってくるわけですが、将来的にどの程度の承認申請件数や相談件数が見込まれるのかといったようなことであるとか、あるいは、安全対策拠出金でありますと、売上げに応じた一定の拠出率が定められておりますので、市場の動向も踏まえて、我々はその収入の動向を予測しなければならないと考えております。現在、我々としましても、そういった収入の財政推計に基づきまして、どの程度の投資ができるのかといったようなことは、経営陣の判断のためにも適時整理を行っておりまして、そういった判断に際しましては、理事会でそういった情報の共有を行いつつ、その中には監事にも入っていただくことも行っております。そういった取組の状況につきましては、最終的には決算というような形で対外的に開示されるということを考えております。私からは以上です。
 
○河村構成員
 ありがとうございます。まず、2点目の財務ガバナンスのところからです。情報開示、いろいろ検討は内部ではなさっているということですが、情報開示が決算ということだと、でも、見通しとかまでは出ないですよね。ですから、やはり微妙な問題ですよね。余り手数料とかそういうものが、この物価高の中でプラスの設定だってなかなか難しいところとは思うのですけれども、やはり納めている側からすれば、PMDAさんの了解が得られなければ自分たちのビジネスを前に進められないから申請なさるわけですから、どう使われているかということにやはり納得感を持っていただくことも大事ですし、それが実際にPMDAとして何に使われているのかということ、どう使っていらっしゃるつもりなのかということを、やっぱり将来的な面も含めて、ある程度。見通しというのは、なかなかいろいろな前提条件によって変わってしまいかねないものですから、もしかしたらシナリオを何本か置かなければいけないかもしれないし、なかなかそんなに簡単に実績値としての決算のようには公表しにくいものかなと、それは分かる気はするのですけれども、やはり是非そういうところでも、実際にPMDAさんに関わってこられるいろいろな企業の方、後ろに国民がいますけれども、納得が得られるようにもう少し透明性を高める、先々の経営についても透明性が高められるようにお考えいただけたらと思います。
 1点目のほうの後発薬のメーカーに対するいろいろな管理の在り方のところも、よく御説明くださってありがとうございました。いろいろ対策を組んでくださっているところは分かるのですけれども、都道府県が結局責任を持ってということで、それはニュースでも、何々県の担当者がとか、どこどこの後発薬メーカーの所に調査に入ったとかというのがテレビで流れたりしますので、それは私たちも承知しているのですけれども、都道府県のいろいろな力量の面で問題とかがあるのであれば、やはりそこはPMDAさんとしても、国としてこんなことが二度と起こらないようにということで、きちんと後ろから手を差し伸べるというか、きちんと対応していただくのがいいのではないかと思います。ですから、具体的な中期目標にまでは入らないとしても、これから次期の中期の期間の中で、PMDAさんでいろいろな毎年度ごとの業務計画も立てていかれますよね、そのときに、例えば資料1-3の31ページでお書きくださったようなメニュー別に、きちんといろいろな目標とかをお立てになられて、製薬企業が立地している都道府県は全国にあまねくというわけではなくて、集中している県があると思いますから、そういう所に重点的にどうレベルを上げていただくかという目標を立てて、それに向かって5年間の中で是非お取組いただく。また、毎年度の実績の場でも是非そういった所の取組状況を御説明いただけたらと思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
○真野主査
 よろしいですかね。それでは、お願いします。
 
○五十嵐構成員
 財務の関連ですが、先ほどの米国の拠点というのは事務所ですよね。アジアも事務所ですかね。そうすると、海外で活動するとなると、その財務ガバナンスといいますか、なかなか今までと違うことが必要になってきて大変だと思いますけれども、現地にどのくらい支出の権限を与えるとか、その辺の計画とかやり方は決まっているのですか。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御質問ありがとうございます。やはり、ある程度は現地での判断をした上での支出、判断ができるようなことを考えていく必要があると思っております。例えば細かい備品のようなところを、一回一回東京のほうに問合せをしなければ購入ができないということですと、やはり業務が滞ってしまうというところは懸念されますので、一定程度はそういうことを考えなければいけないとは思います。その辺については、また詳細、我々としても検討を進めていきたいと思っております。
 
○五十嵐構成員
 では、実績が出たところで、また御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 ありがとうございました。
 
○医薬品医療機器総合機構矢田理事
 今、海外事務所を設けている他の法人もありますので、それらの規程・運用の状況を見ながら、どういう金額の範囲でとか、どういうルールでというようなところを勉強しておりますので、そういう形を踏まえて規程類を作成し、まずはスタートしてみようかな、というのが今の状況でございます。
 
○真野主査
 ほかはよろしいですか。河村先生の御質問に関連するかもしれませんけれども、大きな話になってしまいますが、PMDAは運営交付金のみではないというか、大半が運営交付金ではないわけですね。という特徴もありますし、先ほどの海外へという話も含めて、同じ独法でも、先ほど言われたように例えば日本の独法という基準でいろいろ比較するというのもあると思うのですけれども、海外の同じような審査機関は、人を雇うときにどういう考えでやっているかとか、結局日本に比べて圧倒的に多いわけですよね。多分今の独法という考え方でいくと、そんなに増やせるわけではないと思うけれど、海外で同じような機関が、どのようにやって人を増やしているかとか、その辺りも何か分かると。難しいかもしれませんけれども、何かそういうベンチマークみたいなものがあれば、もう少し活動の範囲が更に広がるのかなと、ちょっと妄想を。今の財務の話も、ある意味同じような話だと思うのですよね。独法のルールに従ってやられているわけで、そこにおいては多分何も問題はないのだけれど、恐らく河村先生なども言われるように、手数料という概念も大きいわけですから、もうちょっと違う視点を持てという。多分、河村先生はほかの独法には同じことを言われてないと思うので、そんなことかなとも思ったのですけれども。
 
○医薬品医療機器総合機構河野組織運営マネジメント役
 御指摘ありがとうございます。海外の状況がどこまで参考になるのかということは、私ももう少しいろいろ研究してみたいとは思います。ただ、米国であれば、例えばFDAは国の機関という形になりますので、独立行政法人という我々の立場でどこまで参考になるかというところはよく分かりませんけれども、いずれにしても、もう少しいろいろ検討はしてみたいと思います。
 
○真野主査
 逆に完全に国だけれども人数が多いという話ですからね。
 
○医薬品医療機器総合機構宇津理事
 御質問ありがとうございます。理事の宇津でございます。FDAの状況など、ここまで組織を大きくしたときに海外はどうなのかということは、我々も勉強してまいりました。FDAは国の組織ですけれども、手数料収入を相当得ております。ユーザーフィー法と基づき、かなりの手数料を取って人数を確保しています。一方で、国費と手数料収入の割合がどうかということになると、FDAもまだ国費の負担部分はPMDAに比べて多いという状況にあります。人件費を大きくできたのは、やはり手数料などの収入を多くして確保したと聞いております。
 
○真野主査
 ありがとうございました。ほかの構成員の方はよろしいですかね。大丈夫ですか。では、かなり議論が活発になりましたので、時間は多少早いのかもしれませんけれども、次に進みたいと思います。
 次は、法人所管課及び法人のほうから一言お願いできればと思います。
 
○医薬局総務課長
 厚生労働省ですけれども、今日は、いろいろな御意見を頂きましてありがとうございます。御意見を踏まえながら、適切な中期目標の作成作業を進めさせていただきます。本日は、ありがとうございました。
 
○真野主査
 藤原理事長、お願いします。
 
○医薬品医療機器総合機構藤原理事長
 本日は、ありがとうございました。5期の中期計画に向けまして、皆様方からの丁寧な御指摘等を踏まえて、しっかり最終形にしてまいりたいと思います。先ほどからいろいろな話題になっておりますけれども、次期のところでは、新しい技術、新しいモダリティへの対応で、審査の科学力をどのようにして向上していくか。あるいは、先ほどから話題になっておりますドラッグロスの中で、私どもPMDAは何を果たせばそれの解消につながっていくのかも、しっかり考えていかないといけないですし、小児用医薬品とか希少疾病用医薬品についても、なかなか開発がスムーズに進まないという声も聞きますので、その対応もしっかり注力していきたいと思います。
 それから、国際化のところですが、これは皆様方の御指摘のとおりで、座して死を待つのではなくて、何とか日本が海外からの医薬品の開発の場として見続けてもらう、あるいは、日本の企業がどんどん世界に打って出るということを、薬事的にサポートしていかないと、このままだと死んでしまうなという実感を非常にひしひしと感じますので、その対策としていろいろ手を打っていくということを思っております。厚労省さんも経産省さんも外務省さんもそのように思っておりますので、地道ですけれども、いきなりものすごい金を掛けて事務所を開設するわけではなくて、最初は1人の職員と1人の現地職員ぐらいで、あとはうちから出張で行くような人たちの体制で臨んでいきますけれども、何もしないとまずいので、今のうちに始めようというので今年からスタートするところです。
 財務ガバナンスのところは、河村先生からいろいろ御指摘いただいたとおりで、私どもは8割ちょっとは企業さんからのお金なので、企業さんに対していろいろなことがしっかり説明できるように、公正で公明かつ透明性をもっていろいろな投資をやっていくということは、中では常に徹底しております。ITに関しても、四半期ごとぐらいには、きちんとシステムの投資効果があったかというチェックを、昨年来始めております。そういうものをチェックしていきながら、投資の内容が大丈夫かということは、今後もしっかり見ていきたいと思います。それを外に全て数字として見せるかというのはなかなか難しいところはありますけれども、内部的には理事会等でそういったことを確認するような試みも始めておりますし、河村先生の御意見を頂いて、心してこれからも臨んでいきたいと思います。本日は、ありがとうございました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。議事としてはこれで終了になりますが、よろしいですか。それでは、事務局のほうから今後の流れをお願いします。
 
○事務局
 事務局から今後の流れにつきまして説明します。会議の冒頭に途中まで御説明した参考資料2をもう一度御覧ください。参考資料2の一番下の四角い囲みに、「令和5年12月~令和6年3月 独立行政法人の次期中期目標・次期中期計画の策定」とございます。医薬品医療機器総合機構の次期中期目標案につきましては、本日、頂きました御意見を踏まえ、必要な修正等を行い、厚生労働大臣が総務省独立行政法人評価制度委員会へ送付します。その後、同委員会において審議が行われ、その審議結果に基づいて出される意見を聞いた上で、財務大臣との協議を経て、次期中期目標が確定されることになります。一方、中期計画につきましては、確定した次期中期目標を基に機構が次期中期計画を作成し、同計画について、主務大臣である厚労大臣が、内容の精査及び財務大臣との協議を経て、年度内に認可する予定になっております。確定しました中期目標と中期計画につきましては、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○真野主査
 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。長時間にわたり熱心な御討議、ありがとうございました。