第1回特定機械等の製造許可及び製造時等検査制度の在り方に関する検討会議事録

労働基準局安全衛生部安全課

日時

令和6年1月26日(金)10:00~

場所

厚生労働省専用第12会議室

議題

(1)開催要綱について
(2)特定機械等の製造許可及び検査等に係る制度の概要、現状及び論点について
(3)その他

議事

議事内容
○三浦外国安全衛生機関検査官 定刻になりましたので、ただ今から第1回特定機械等の製造許可及び製造時等検査制度の在り方に関する検討会を開催します。私は座長が選任されるまで司会を務めさせていただく、厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課外国安全衛生機関検査官の三浦です。どうぞよろしくお願いします。
 会議の開催に当たり、御案内します。この検討会はペーパーレスで行います。構成員の皆様におかれましては、お手元のタブレットで資料を御覧いただきながら、御議論をお願いします。なお、タブレットに不具合等があった場合に備えて、机上には紙の資料も置いてあります。また、傍聴者の方におかれましては、御自身のタブレット等で、厚生労働省ホームページに掲載された資料の御確認をお願いします。
 最初に、タブレットの操作方法を簡単に御説明します。まず、お手元のタブレットの画面に議事次第が表示されているか、御確認をお願いします。他の資料に切り替える際には、画面左上の検討会の名称が表示されている場所を押下いただくと、資料の一覧が表示されますので、切り替えた資料の資料名のタッチをお願いします。頁を移動する際には、上下にスクロールするか、画面下部の任意のサムネイルの選択をお願いします。基本操作は以上となります。なお、画面の下にある丸いボタンや本体側面の電源ボタンを押下してしまいますと、ほかの画面が表示されてしまいますので、御注意をお願いします。お困りのことがありましたら、挙手でお知らせいただくか、チャットへの書き込みをお願いします。また、この検討会は原則として公開で行います。カメラ撮り等につきましては、ここまでとしますので、御協力をお願いします。
 初めに、資料を確認します。資料1「開催要綱」、資料2「特定機械等の製造許可、検査等に係る制度の概要、現状及び論点」、参考資料1「特定機械等の製造許可、製造時等検査等に係る現行制度等」、参考資料2「特定機械等の設置状況、製造許可等の件数、検査の民間移管状況」、参考資料3「特定機械等の労働災害の長期的な推移」、参考資料4「他法令に基づく制度の民間活用状況」、参考資料5「第14次労働災害防止計画の概要」、参考資料6「関係条文」、以上となります。
 次に、この検討会の開催に当たり、小林安全衛生部長から御挨拶を申し上げます。
○小林安全衛生部長 皆様、おはようございます。本日は大変お忙しい中、この検討会に御参集いただきまして、本当にありがとうございます。日頃より労働安全衛生行政の推進に当たりまして、多大な御協力、御支援を頂いていること、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。ありがとうございます。
 さて、ボイラー、クレーンなどの使用時に、特に危険な作業を必要とするような特定機械等につきましては、構造上の要件を欠くと重篤な労働災害を招くおそれがあります。労働安全衛生法では、安全衛生の確保をするために、製造許可制度を設けているとともに、製造時、設置時、使用時の各段階における検査を義務付けています。厚生労働省におきましては、国が製造許可権限を持ちつつ、民間活力を活用する観点から、これまでも特定機械等のうち、ボイラー及び第一種圧力容器の製造時等検査について、また、全ての特定機械等の性能検査について、既に民間移管を進めてきました。本検討会におきましては、特定機械等の安全性は確保した上で、製造許可及び製造時等検査等について、更なる行政の効率化、民間活力を活用できないかを御検討いただければと考えています。本日御参加いただいた構成員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見を賜れればと思いますので、よろしくお願いいたします。
○三浦外国安全衛生機関検査官 続きまして、この検討会に御参集いただきました構成員の皆様を、資料1の別紙の構成員名簿の順に御紹介します。追手門学院大学法学部教授の井村様、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所フェロー研究員の梅崎様、株式会社キトー技術開発本部制御開発部制御開発グループ主任の小林様、コベルコ建機株式会社マーケティング事業本部担当部長の丹治様、東京電機大学工学部機械工学科教授の辻様、日立製作所労働組合中央執行委員の土屋様、職業能力開発総合大学校能力開発院能力開発基礎系(安全ユニット)教授の中村様、株式会社IHI技術開発本部技監の村上様、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所機械システム安全研究グループ部長代理の山際様、山際様は、本日はオンライン参加です。日本労働組合総連合会労働法制局長の山脇様です。続きまして、事務局を御紹介します。安全衛生部長の小林です。
○小林安全衛生部長 よろしくお願いします。
○三浦外国安全衛生機関検査官 安全課長の小沼です。
○小沼安全課長 よろしくお願いします。
○三浦外国安全衛生機関検査官 主任中央産業安全専門官の佐藤です。
○佐藤主任中央産業安全専門官 佐藤と申します。よろしくお願いします。
○三浦外国安全衛生機関検査官 副主任中央産業安全専門官の牧です。
○牧副主任中央産業安全専門官 牧でございます。よろしくお願いします。
○三浦外国安全衛生機関検査官 そして、外国安全衛生機関検査官の三浦です。よろしくお願いします。
 次に、座長を選出したいと思います。座長につきましては、資料1の開催要綱の(3)に基づきまして、互選により選出することとします。皆様におかれましては、どの方が適任だとお考えでしょうか。辻構成員におかれましては、いかがでしょうか。
○辻構成員 辻ですが、梅崎構成員がよろしいと考えます。いかがでしょうか。
○三浦外国安全衛生機関検査官 ありがとうございます。そうしましたら、梅崎構成員に座長をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○三浦外国安全衛生機関検査官 ありがとうございます。そうしましたら、梅崎構成員に座長をお願いしたいと思います。これからは梅崎座長に司会をお願いしたいと思います。
○梅崎座長 どうもありがとうございます。座長に選任された梅崎でございます。よろしくお願いいたします。私は1983年、昭和62年に旧産業安全研究所に入所しまして、この3月に独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所の研究所長を退任いたしました。現在は無給なのですが、引き続き研究を進めたいということで、フェロー研究員という形でやっております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入りたいと思いますので、まず議題1の開催要綱につきまして、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○牧副主任中央産業安全専門官 では、資料1について御説明します。資料1を御参照いただいて、1の趣旨・目的です。一番最後の段落にありますが、この検討会におきましては、特定機械等の安全性を確保した上で、許可制度や検査制度について、更なる行政の効率化や民間活力の活用ができないかということで、有識者の皆様の御参集を求めて検討するものとなっています。また、2の検討事項です。(1)製造許可制度の在り方について、(2)製造時等検査制度等の在り方について、(3)民間の検査機関等に対する厚生労働大臣の監督権限について、(4)その他を検討事項としています。資料1の説明は以上でございます。
○梅崎座長 ありがとうございました。それでは、これは開催要綱ですので、次に資料、議題2の特定機械等の製造許可、検査等に関する制度の概要、現状及び論点ということで、今日のポイントになる話なのですが、事務局のほうから御説明をお願いいたします。初めに、特定機械等の製造許可及び検査等に係る制度の概要、現状について、まずそこの所を区切って御説明をお願いします。
○牧副主任中央産業安全専門官 資料2に沿って御説明をさせていただきます。資料2は製造許可制度、検査制度等の概要、現状と論点について説明した資料となっています。今、お話があったとおり、概要と現状の所までを区切って、最初に御説明させていただきます。
 資料1ページ目、特定機械等に係る規制の概略及び特定機械等の種類の説明です。まず一番上、○規制の概略で、労働安全衛生法では、特に危険な作業を必要とする機械等を特定機械等としています。こうした機械等については、下線の部分、製造前の段階から一定の基準によることが必要であるという考え方の下で製造許可制度というものを設けております。また、2つ目のポツ、実際に製造された後の個々の機械等についても、確認をするということが必要であるという考え方の下で製造段階、設置段階、使用段階という各段階における検査制度を設けております。
 次の○特定機械等の種類で、労働安全衛生法では8種類の機械等を決めております。まず、一番上のボイラーは、水などを加熱して他へ供給する設備で、特定機械等に該当するのは一定の要件を備えるもの。例えば、最高使用圧力が0.1MPaを超える蒸気ボイラーなどを特定機械等としております。
 次の第一種圧力容器は、沸点を超える液体を保有する容器となっていて、一定の要件を備えるものを対象とし、圧力と内容積の積が0.02を超える容器などが対象となっております。
 クレーンと移動式クレーンについても、一定規模以上のもので、例えば、つり上げ荷重が3t以上のものを製造許可や検査の対象としております。
 デリックは、クレーンと似た類似の機械ですが、労働安全衛生法の下では原動機を別置するものということで、別の種類の機械としてデリックとして定義をしております。
 エレベーターは、労働安全衛生法で対象としているのは、括弧書きにあるような、一般公衆の用に供するもの等を除くものとなっており、例えば、建設工事現場で使われる工事用のエレベーターというようなものを該当させております。
 建設用リフトもエレベーターと類似した機械ですが、荷を運ぶことを目的としているもの、人ではなく、荷を運ぶものを建設用リフトと定義しております。
 最後、ゴンドラは、つり足場の作業床が、専用の昇降装置により上昇又は下降する設備です。こういった8種類の機械等を特定機械等として規制の対象としています。
 2ページ目、特定機械等の種類ごとの製造許可・検査の流れです。機械等の種類により検査の流れが違うということで御説明いたします。まず、上の図の所に大きな流れを記載しています。まず、製造段階の許可・検査で、マル1書面等審査、マル2製造許可、マル3メーカーに対する製造時等の検査がメーカーを対象とした許可や検査となっております。続いて、設置段階の検査ということでマル4落成検査、これは、設置事業者、ユーザーに対する検査となっております。そして、マル5の検査証発行があり、マル6の使用段階の検査、性能検査となっております。大きな流れとしてはこういうものですが、機械等の種類ごととして下に御説明を記載しております。
 まず、製造許可の所、製造許可は型式ごとの審査・許可ということで、同一の型式のものを量産するようなものであれば、1つの許可あるいは審査となっております。労働局において、マル1の書面等審査を実施した上で、マル2の製造許可を行うということで、ここまでは8種類全ての機械等について共通のものとなっております。
 次、特定機械等の種類ごとの検査の所、この検査は個々の機械等、一つ一つの機械等について行うこととなっております。種類ごとに違いがあり、まず、ボイラー等は、上の図で言うと、一番上のボイラーと第一種圧力容器ということですが、これは製造許可の後、マル3の製造時等検査を行い、マル4の落成検査を行って確認した上でマル5の検査証交付、そしてマル6の定期的な性能検査となっております。
 クレーン等は、上の図で言うと、真ん中のクレーン、デリック、エレベーター、建設用リフトですが、マル2の製造許可の後、直接マル4の落成検査となっております。そしてマル5の検査証発行となります。クレーン等については、設置場所で組み立てを行うということで、製造時等検査、メーカー段階での検査というものは行うことができないので、行わないとなっております。そして定期的な性能検査を行うとなっております。
 最後の移動式クレーン等は、上の図で言うと、移動式クレーンとゴンドラとなっております。これは、製造許可の後、マル3の製造時等検査を行うことで確認をし、その後、直接マル5の検査証発行となります。これは移動式のため、落成検査は行うことができないので、行わないとなっております。そして、マル6の定期的な性能検査を行うという仕組みとなっており、機械等の種類ごとに検査が違うということの説明となっております。
 3ページ目、特定機械等に係る災害事例の紹介です。労働災害は長期的には減少傾向にあり、製造許可あるいは検査制度に基づき、適正に管理された特定機械等については、近年、構造上の欠陥を原因とする労働災害は発生しておりません。しかしながら、製造許可や必要な検査を受けていないものについては、死亡災害を含む重篤な災害が発生しているということで、事例を2つ記載しています。
 事例1は、作業用のゴンドラで上昇中に、作業床の片方のフックが外れて墜落したということで、これは製造許可も、また、検査も行われていなかったものになっております。
 事例2は、圧力容器のふたが破壊して、水蒸気となって噴出して被災したというものですが、こちらも災害発生原因の所にもありますが、検査を受けずに使用していたというものです。
 続いて、4ページ目以降で各制度の概略を説明しています。まず4ページ目は、下の図で言うと赤で囲んだ部分、書面等審査・製造許可について説明しております。
 まず、マル1の書面等審査は、メーカーの申請内容を都道府県労働局長が審査をするというものです。2つ目のポツに製造許可の基準が2つあり、1つは構造規格への適合、強度計算といったような客観的な「技術的基準」があります。もう1つが製造設備、検査設備、工作責任者といった「製造者の基準」、メーカーの事業場が要件を満たすかというような基準が定められていて、この2つの基準があります。
 「技術的基準」については、書面により事前審査を行うということですが、この書面審査にはJISや機械等の構造、溶接条件、金属材料、図面、強度計算といった高度な専門知識や経験が必要となっております。また、もう1つの「製造者の基準」については、実地調査等を行い、設備の所有や工作責任者について確認をするとなっております。
 続いて、マル2の製造許可です。書面等審査に基づき、製造前の段階でメーカーに対して都道府県労働局長が許可をするということで、「技術的基準」や「製造者の基準」に適合しているものについて許可をするとなっております。
 5ページ目、下の図で言うと赤で囲んだ部分、マル3の製造時等検査の説明となっております。製造時等検査は、メーカーの製造段階で製造許可どおりに製造されているかを確認するものとなっております。その検査を実施するものというのは機械等の種類によって違っており、ボイラー等については民間の登録機関、移動式クレーン等については都道府県労働局長が検査を行うとなっております。
 2つ目のポツ、検査の基準というものですが、強度や安定度といった客観的な技術的基準というものが定められています。ボイラー等については、溶接検査や構造検査と言われる検査を、原則として民間の登録製造時等検査機関が行っております。また、移動式クレーン等については、製造検査と言われる検査を都道府県労働局長が行っております。ボイラー等については、従前から他法令に基づく類似制度において、民間機関が検査を実施していたということがあり、先行して民間移管済みです。平成24年に全てのボイラー、第一種圧力容器についての検査を民間移管するという制度となっております。
 次の所、特定機械等を輸入する場合についても、同様の内容の検査、これは使用検査と言っておりますが、そういった検査を行っているということで、この使用検査や溶接検査、構造検査、製造検査を合わせて製造時等検査と呼んでおります。こういった製造時等検査については、技術的基準への適合ということで、JISや機械等の構造、溶接条件、金属材料、図面、強度計算といった高度な専門知識や経験が必要となっております。
 6ページ目、落成検査、検査証の発行、性能検査というユーザー段階で行う検査等についての説明です。まず、マル4の落成検査ですが、特定機械等の据付け位置・工事等が関係法令に適合しているかを労働基準監督署長が確認するというものです。これは主として、機械等の設置状況について確認するというもので、例えば、そのボイラーを取り扱う労働者の緊急時における避難路の確保であったり、クレーン運転手の墜落防止措置といった法令に基づく安全確保の履行状況はユーザー事業場が講じなければならない安全措置となりますが、これを確認するということで、必要に応じて、そのユーザー事業場に対して、法令に基づく指導も併せて行っているものです。
 一方、製造段階の検査がないクレーン等については、今、申し上げた設置状況の確認と併せて、構造規格への適合といった技術的基準への適合についても、同時に、併せて一体の検査として、1つの検査の中で確認をするということをしています。そして、マル5の検査証の交付ということで、検査証の有効期限まで特定機械等を使用することができるようになります。マル6の性能検査ですが、検査証の有効期間内に腐食や摩耗の度合、使用期間に応じてそういった消耗が生じるので、その度合を民間の登録検査機関が確認をするという仕組みとなっております。この検査証や性能検査は、言わば車の車検制度と類似の制度というように御理解いただければよろしいかと思います。
 こういった落成検査などとは別の検査として、次の所にある変更検査、使用再開検査というものがあります。これは、特定機械等に変更を加えた場合の変更検査、また、休止した機械を再び使用する場合の使用再開検査というものを労働基準監督署長が行っているというものです。この変更検査は、部品の交換や補修などを行ったときに、問題がないかということを確認する技術的な確認となっております。また、使用再開検査については、1回は検査を受けて休止したものについて、保存の状態や腐食、摩耗の状況を確認するということであるので、いずれの検査についても、主として技術的基準への適合を確認すると、設置状況の確認ではなく、技術的な検査となっております。以上が制度の概要です。
 7ページ目以降で制度の現状について御説明させていただきます。
 7ページ、こちらのグラフは特定機械等の設置件数の推移となっております。青い点線のボイラーを見ると、かなり減少しているということで、特定機械等に該当しないような小型のものが普及してきたことで、設置件数は近年、大幅に減少している状況です。また、ピンクの点線の第一種圧力容器についても、1990年以降、減少傾向が見て取れます。
 8ページ目、特定機械等の製造許可の件数を示したものとなっております。製造許可は型式ごとに許可を行うということで、同一型式の場合は1つの許可となっていることもあり、近年、件数が減少傾向にあり、多いものでも数十件といったものとなっております。
 9ページ目、製造時等検査の件数、メーカーが受ける検査の件数となっております。こちらも、全体として減少傾向にあり、青い点線のボイラーについては、1980年と比較して約10分の1、ピンクの点線の第一種圧力容器についても4分の1程度と、全体的に大幅に減少している状況です。
 10ページ目、落成検査の件数、ユーザーが設置事業場で受ける落成検査の件数となっております。こちらも、青い点線のボイラーを見ると、1980年比で約10分の1程度、また、第一種圧力容器についても3分の1程度で、大幅に減少している状況です。
 11ページ目、検査制度における民間機関の活用について説明したものです。労働安全衛生法の検査については、これまでにボイラーと第一種圧力容器の製造時等検査、また、全ての機械等の性能検査について、大臣の登録を受けた民間の検査機関が検査を行うということで民間移管を進めてきております。
 まず、上の囲みの製造時等検査ですが、マル1、労働安全衛生法制定当時は国が実施していましたが、マル2、平成6年に、一部のボイラーについて製造時等検査代行機関という指定機関が検査を行うという制度になっております。またマル3、平成15年に、同じく、一部のボイラーについて検査代行機関ではなく、登録製造時等検査機関という、指定機関から登録機関が検査を実施するという制度に変更となっております。また、マル4、平成24年に、今度は一部のボイラーではなくて、全てのボイラー、第一種圧力容器について登録機関が検査を実施するという制度に変更となっております。
 また、下の囲みの性能検査ですが、マル1、労働安全衛生法制定当時は性能検査代行機関という指定機関が検査を行う制度となっておりました。マル2、平成15年に、製造時等検査と同じく、登録機関が検査を実施するという制度に変更となっております。
 12ページ目、こういった民間機関が検査を行うということで、この民間の検査機関の適正な業務実施を担保するために、労働安全衛生法でどのような規定が設けられているかを説明したものとなっております。まず、マル1の「登録機関に対し」ということで、例えば1ポツ目、法令に定める検査器具その他の設備を用いて検査を行うこと、2つ目、法令に定める条件に適合する検査員が一定数以上であることといった登録の要件を法律で定めております。次の所、検査の実施を求められたときには検査を行わなければならないこと、あるいは法令に定める条件に適合する検査員に検査を実施させなければならないことといった実施義務を規定しております。
 また、マル2の厚生労働大臣の権限として、1ポツ目、立ち入り、いわゆる立入監査を行うこと、2ポツ目、登録要件に適合しない場合における適合命令、3ポツ目、実施義務に違反する場合の改善命令、4ポツ目、登録の取消しや業務の一時停止といった権限を定めております。また、このほかに欠格事由として、例えば、登録の取消しを受けて2年経過をしていないといったようなことを定めています。
 13ページ目、厚生労働大臣が定める構造規格の技術的基準の策定における民間機関の活用についてです。製造許可や検査においては、構造規格への適合を確認するということですが、この構造規格、技術的基準について確認をしているということです。この構造規格は、急速な技術の進展や国際規格との整合に対応する必要があるので、具体的な要求事項については、JIS規格を参照するという性能規定化を行っております。こういったJIS規格の原案は、民間機関において作成されているということがあります。こういったこともあり、特定機械等の設計技術については、規格への適合や強度計算といった技術的基準について、行政だけではなく、民間機関においても同等以上の十分な知見を有していると考えております。下にあるのが構造規格で引用されているJIS規格の一例です。
 ここまでが制度の現状についての御説明となっております。ここで、一旦区切らせていただきたいと思います。
○梅崎座長 ここまでの内容について、御質問のある方は挙手いただくか、Web参加の方はチャットでの書き込みをお願いいたします。御質問はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、引き続いて資料2の続きの説明をお願いいたします。
○牧副主任中央産業安全専門官 資料2の続きの説明をいたします。資料2の14ページ以降を御覧ください。以上の制度の概要、現状を踏まえて、事務局としての論点案を作成しております。
 まず、論点マル1特定機械等に係る製造許可制度、検査制度自体は維持することとしてよいか。先ほど災害事例も御紹介したとおり、製造許可あるいは検査を受けていないものについては、死亡災害を含む重篤な災害が発生しているような状況もございます。こういった状況を踏まえて、御意見を賜れればと思います。
 論点マル2です。今申しましたような許可制度、検査制度を維持するとした場合について、まず製造許可の部分について、引き続き行政が行うこととしてよいか。検討のポイントは、製造許可制度というのは許認可ということになっておりますので、非常に重い行政処分であると考えております。また、労働安全衛生法のほかの制度ですが、化学物質についても、製造許可制度というものがありますが、許可は厚生労働大臣ということで、行政の権限としている状況もございます。こういったことも踏まえて、御意見を賜れればと存じます。
 続いて15ページ目を御覧ください。論点マル3製造許可に係る書面等審査について、民間の活力を活用できる部分はないか。下の図で言うと、マル1書面等審査、製造許可に先立つ審査の部分ということです。先ほど御紹介したとおり、製造許可の件数というのは減っておりまして、行政機関の職員が製造許可の審査を行うための知識、経験を得る機会は減少しております。また、製造許可の基準については、「技術的基準」と「製造者の基準」という、2つの基準があるということです。このうち技術的基準については、JIS規格を参照するといったことがありまして、そういった技術的な基準については、行政のみならず民間機関においても十分な知見を有しているという状況です。こういったことも踏まえて、御意見を賜れればと存じます。
 16ページ目を御覧ください。論点マル4製造時等検査について、民間の活力を活用できる部分はないか。下の図ですと、赤で囲んだ部分です。製造時等検査についても件数が減少しており、行政の職員が製造時等検査を行うための知識、経験を得る機会は減少しております。こういった製造時等検査のうちボイラー等に係るものについては、既に民間の機関が検査を実施するという制度になっております。こういった民間の登録機関に対する厚生労働大臣の監査指導体制というものを含めて、しっかりとした制度が既に構築されております。また、移動式クレーン等についても、規格への適合といった技術的な基準について、行政のみならず民間機関においても、行政と同等以上の十分な知見を有している状況にございます。こういったことを踏まえて、御意見を賜れればと存じます。
 17ページ目を御覧ください。論点マル5落成検査等について、民間の活力を活用できる部分はないか。下の図で言うと、赤で囲んだ部分です。落成検査については、主として機械等の設置状況について確認を行うもので、例えばボイラーを取り扱う労働者の緊急時における避難路の確保とか、クレーンの運転士の墜落防止措置といったような、法令に基づく安全措置の履行状況についても、併せて確認しているというものです。必要に応じて事業者に対する指導も同時に行っているというものです。また、下の※にございますが、製造時等検査を行わないクレーン等については、こういった設置状況の確認と併せて、技術的基準への適合についても確認を行うという仕組みになっております。それから、この落成検査とは違う検査ですが、変更検査や使用再開検査については、設置状況の確認ではなくて、主として技術的事項の確認を行う検査となっている状況です。
 18ページ目を御覧ください。論点マル6民間の登録機関の適正な業務実施を担保するための仕組みについてはどうか。登録機関に対しては、登録要件、欠格事由、実施義務といったものを課しているということは、労働安全衛生法の規定としてございます。マル2として、厚生労働大臣の権限として、立ち入り、適合命令、改善命令、登録取消し、業務の一部停止といった規定もございます。また、ほかの法令においても、民間の登録機関に対しては、適正な業務実施を担保するために同様の規定を設けている状況にございます。こちらを踏まえて、御意見を賜れればと存じます。事務局の説明は以上です。
○梅崎座長 現在、厚生労働省が行っている業務を踏まえると、論点は6点になると思います。まず、それでよろしいかということの確認をしたいと思います。特に、ほかに論点があるなど御意見のある方がいらっしゃったら、挙手あるいはチャットへの書き込みをお願いしたいと思います。いかがでしょうか。この論点の6点の辺りが、今回はポイントになると思うのですが、ほかにございましたら、御意見をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、この6点に対して、論点に沿って、一つ一つの論点に対して、時間的には10分程度になるのですが、まず、皆さんのほうから話を積極的に出していただくというのが重要だと思います。10分を目安に議論をしていきたいと思います。論点マル1特定機械等に係る製造許可制度及び検査制度自体は維持することとしてよいか。これについて、御意見あるいは御質問がある方がいらっしゃったら、挙手又はチャットへの書き込みをお願いいたします。
○山脇構成員 連合の山脇と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 個別の論点に入る前に、本検討会に参加するに当たって、労働者の視点から基本的な考え方を申し述べさせていただきます。先ほど部長からもお話がありましたが、特定機械は、特に危険な作業に従事する労働者の安全を確保し、労災を防止することを目的に、安衛法上、特に規制が必要な機械であると認識しております。今回対象となっているような規制緩和については、労働者のみならず、公衆安全の観点も踏まえ、特に慎重な検討が必要だと考えています。
 更なる民間移管の拡大を検討するに当たっては、民間の機関が行政と同等以上の能力を有していることが大前提であると思っておりますし、また、先行して実施されている民間移管の状況をしっかりと評価し、その結果を踏まえて検討していくことが必要ではないかと思います。
 その上で、論点マル1について意見を申し上げます。許可制度及び検査制度については、特定機械に関する規制の根幹を成すものであり、特段の事情がない限り見直す必要はないと考えています。
 資料2の3ページにも示されているとおり、許可制度及び検査制度に基づいて適正に管理されている特定機械については、構造上の欠陥に起因して労働災害が発生していない一方で、検査等をしっかりと受けていない環境下においては事故が発生しているということも、現行の仕組みを維持すべきことを補強する根拠になるのではないかと考えています。
 なお、資料2の3ページに示されているような違法状態での操業が起こることのないように、制度の周知および監督指導の徹底を改めて行政にお願いしておきたいと思います。
○梅崎座長 非常に重要で、貴重な意見だと思います。ここは回答できますか。
○牧副主任中央産業安全専門官 御指摘のあった、検査あるいは許可を受けていないような違法な機械が存在しないようにするということで、引き続き行政としても、特定機械等の安全を確保していくということで、しっかりとした制度の周知、あるいは監督指導等を行っていきたいと考えております。
○山脇構成員 承知しました。よろしくお願いします。
○梅崎座長 ほかの御質問がございましたらお願いいたします。
○小林構成員 株式会社キトーの小林と申します。よろしくお願いいたします。弊社は、クレーンとか、クレーンに使われる巻き上げ機といったものの製造販売を主に行っているメーカーです。弊社自体も、クレーンの製造許可は何種類も持っている状態です。
 私も、この製造許可制度並びに検査制度の維持には賛成です。我々も製造許可を取っていく中で、かなり厳しく見られてきていまして、特に、数年前なのですが、海外の子会社でクレーンのガーダを造ったり、巻き上げ機を造ったりというところに対して、製造許可をもらいに行ったことがあります。そのときは、大分厳しく見られたという話を担当の者から伺っています。そういった意味で、品質に対して、しっかりと見られた上で、人命に関わるようなクレーンという機械に対して審査が行われている現状が、結果的に労働者の生命を守るところにつながっているというのもあります。
 弊社は当然落成検査等をクレーンで行っているというのはあるのですが、誉められた話ではないのですが、落成検査で問題が発生するというのもありまして、年に1回とか2回というレベルではあるのですが、我々が巻き上げ機を提供して、クレーンビルダーでクレーンを造ってということをしています。我々の出荷検査の段階では発覚しなかったけれども、落成検査で組み合わせてやってみると、ちょっとした問題が起きるというのは、結構起こることです。やはり製造許可というところで、製造時の品質を担保する、落成検査等で、しっかりと据え付けたものに対して検査を行うということを継続していくことは重要なのかなと考えています。
○梅崎座長 事務局からお話はございますか。
○牧副主任中央産業安全専門官 今、行政としては、特定機械の製造許可あるいは各種の検査で、品質を確保していくということにしているところですので、御指摘、御意見がございましたとおり、引き続き、こういった検査あるいは製造許可で確認していくことが必要だと考えております。
○梅崎座長 小林構成員、よろしいでしょうか。
○小林構成員 結構です。
○梅崎座長 論点マル1について、御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。まとめはやっていただくとして、基本的にこれ自体は維持という御意向がございましたし、ここは非常に大事だという御意見もございました。
 次に、論点マル2特定機械等に係る製造許可は、引き続き行政が行うこととしてよいか。これについて、御質問あるいは御意見があれば、挙手又はチャットへの書き込みをお願いいたします。
○辻構成員 技術的な基準については民間機関も十分な知見を有しているという根拠として、技術規格の原案作成は民間機関において行われていると挙げられています。私自身の話なのですが、圧力容器規格、JIS規格の原案から改正、見直しに携わっていまして、日本規格協会の中にその常設の委員会があります。そこでは、私のような学識経験者と言うか、中立の委員、製造者側の委員、メーカーの委員、使用者側の委員ということで、バランスよく、民間の企業の人たちも参加して、検討しています。JIS規格は米国の機械学会の規格をモデルにして見直すということが、かなり前の閣議決定でそういう方針が示されていまして、その方針に従って皆さんも勉強して、規格作りをしているということで、十分な知見があることが言えます。コメントです。
○梅崎座長 そういう観点からも、民間については十分な知見を有しているという辻先生の御意見でした。
○辻構成員 その委員会には規制側の委員も、経産省、厚労省からも参加されています。
○梅崎座長 かなり活用できるトリガーではないかというのが先生の御意見ということですね。
○牧副主任中央産業安全専門官 論点マル3以降の部分の、民間の活力を活用できる部分はないかということに関するコメントと存じます。御意見を頂きまして、ありがとうございます。民間機関を含めて、JIS作成においては広く知見を有していることを承知しているところです。
○辻構成員 分かりました。
○梅崎座長 引き続き論点マル2について、御意見、御質問があればお願いいたします。
○中村構成員 職業大の中村です。論点マル2ですが、我々、高齢・障害・求職者雇用支援機構で職業訓練を行っていて、その中で、訓練生の方々というのは、初めて危険作業をやる方なのです。その初めて危険作業をやる方を、災害ゼロで卒業させて当たり前という世界なのです。そうすると、入ってくる機械に欠陥があったりすることは、訓練を運営する中では非常に困るということですし、安全というのは確認されて初めて安全だというところで、確認する機関というのが責任を持てる所というのが重要だと思うのです。そうなると、行政で行うのが適切ではないか。もし、仮に民間に任せるという話になったときに、技術力はあるのですが、責任という問題となったときに、かなり厳しいのではないかと。もう1つは、商業ベースに乗るかどうか。そういった観点で論じていくことが必要ではないかと思っております。
○梅崎座長 大変貴重な御意見だと思います。事務局からはいかがでしょうか。
○牧副主任中央産業安全専門官 行政においては、これまで行政として責任をもって許認可を行っているところですので、その重要性を御指摘いただけたと存じます。ありがとうございます。
○梅崎座長 論点マル2についていかがでしょうか。
○山脇構成員 資料2の14ページに記載のとおり、製造許可は労働者の保護あるいは労災防止の観点からも、極めて重要な行政処分です。行政処分ですので、これを民間に移管するということはあってはならないと思いますし、検討会なのでこのような問いの立て方になっているのでしょうけれども、これは最初から問いとして成り立つのかどうか疑問もあります。これは引き続き国が責任をもって行うべきだと思っております。
○梅崎座長 当然行政が行うべきことという御意見でしたが、いかがでしょうか。
○牧副主任中央産業安全専門官 そのような御認識については、十分に承知いたしました。ありがとうございます。
○梅崎座長 山脇構成員、よろしいでしょうか。
○山脇構成員 はい。ありがとうございます。
○梅崎座長 村上構成員、どうぞ。
○村上構成員 IHIにおります村上と申します。私は研究開発部門にずっとおりまして、国際規格とか、若干携わらせていただいております。
 1点目は、製造許可に関しては、最近は件数が著しく減っていると先ほどの御説明でありました。その中で、これからどのように制度を維持していくか。ある程度技術が安定してきているのではないかと判断できる部分もあるのかなという点で、どのように取り組んでいくかを、新たな視点も入れていく必要があるのではないかという気がしています。行政がやるか行政が委任するのかはいろいろとやり方はあると思うのですが、従前の形から次のステップに進むべく時期にきているのではないかと思います。これが1点です。
 第2点は、海外製品の持ち込み、輸入業者がカバーされるとは思うのですが、こういった状況ですと、新しいものが海外から入ってくるといった場合に、製造許可の在り方、いわゆる製造したものを持ち込んでくるという辺りの点で、どのように取り組んでいくかというのは、新しい観点で考えていかないと、こちらの安全側で見ているので、それはそれなのですが、一方、貿易の観点からすると、非関税障壁というような言われ方をすることも、国際標準とかをやっていると、ときとして起こることもあり得るので、その辺のバランスをどのように取っていくかは、検討が必要だと思います。今すぐではないと思うのですが、今回の改善から、順次検討していく必要があるのではないかと思うのですが、その辺のお考えがあれば教えていただけると有り難いと思います。
○牧副主任中央産業安全専門官 御意見ありがとうございます。1点目の件数が減少していることに対する対応ということですが、今回の検討会においても、民間の活力を活用できる部分はないかというところも含めて、御意見を頂戴いたしまして、検討させていただきたいと存じます。
 2点目の海外製品の持ち込みということですが、労働安全衛生法では、そういった場合は、一義的には完成品として持ち込む場合は輸入業者に対して、製造許可ではありませんが使用検査という検査、製造時等検査と同等の検査を求めております。また、そういった仕組みを使いやすくしていただくという意味で、海外のメーカー自身が輸入業者と違う場合は、輸入業者に代わって検査を受けることができるような制度も導入しております。こういった制度も活用しまして、輸入の障壁にならないような形で対応してまいりたいと存じます。
○梅崎座長 その辺の論点マル3、論点マル4、論点マル5の辺りが、村上構成員のお話の趣旨かなと理解したのですが、ここで言う民間活力の活用の部分が、実は村上構成員が一番お話したいことなのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
○村上構成員 そうです。新しい部分も多くなってくるので海外の製造方法も含めて、その辺を全部網羅していって評価するに当たっては、かなりの部分で民間技術を使わないと、評価が旧態依然と言うと変ですけれども、従前のやり方ではうまくいかない部分も出てきて、いろいろな意味での障害が起こり得るかと思うので、そういう意味でも、トータルの押さえどころは行政でもいいと思うのですけれども。ということで考えていったらいいのではないかと。
○梅崎座長 そういう御意見と理解してよろしいですかね。むしろ、ここの論点には、引き続き製造許可自体を行政が行うことにしてはいかがかというところですので、それについては皆さん、論点マル2については、基本的に行政がやるべきではないかと、ここを外すのはあってはならないという御意見がありましたので、そういう前提の下で、だけれども民間活力もきちんと活用していくというところの村上構成員の御意見ということで、よろしいでしょうか。
○村上構成員 はい。
○梅崎座長 事務局はよろしいですか。
○牧副主任中央産業安全専門官 承知いたしました。ありがとうございます。
○梅崎座長 ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。そしたら、論点マル1、論点マル2については、引き続き検査制度自体は国が維持していく、引き続き製造許可については行政が担っていく。それは基本としてはそこをやっていこうという、皆さんの御意向かと理解いたしました。
 引き続き論点マル3に移ります。論点マル3の製造許可に係る書面審査について、民間活力を活用できる部分はないか。ここについて、御意見、御質問がありましたら、挙手又はチャットへの書き込みをお願いいたします。いかがでしょうか。
○辻構成員 先ほど資料を1枚早く送ってしまいました。先ほどの発言は、ここでの発言ということにさせてください。
○梅崎座長 了解です。辻先生の御趣旨としても、この辺りかなと思いました。事務局も、そのような理解でよろしいですか。
○牧副主任中央産業安全専門官 ありがとうございます。
○梅崎座長 最初、論点マル1マル2と、論点マル3以降を仕分ければよかったのですが。論点マル3について、民間活力の活用というところで、御意見がございましたらお願いいたします。土屋構成員、お願いいたします。
○土屋構成員 日立製作所労働組合の土屋と申します。よろしくお願いいたします。私も1企業所属ではありますが、本日は働く労働者側の立場で発言させていただきたいと思います。
 論点マル3の部分については、これまでの論点でも委員から意見が出ましたが、民間拡大を行っていく上では、行政がこれまで行っていたことに対して、民間企業が行政と同等以上の能力を有する必要があると考えております。そうした上で、先ほどの意見でもありましたが、例えばJIS規格等の規格には民間も大きく携わっており、十分な機能を有しているということでした。ただ、本日の資料では、一文のみの記載ですので、何か具体的な運営の方法などを資料でお示しいただくと、より補完するものとしてよろしいかと思います。そうしたことも是非御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○梅崎座長 分かりました。事務局お願いします。
○牧副主任中央産業安全専門官 御指摘いただきました点について、JIS規格等を含めて、民間機関がどういった運営で作成しているか、民間機関が知見を有しているということが分かるような根拠について、準備をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。丹治構成員、お願いします。
○丹治構成員 コベルコ建機の丹治と申します。よろしくお願いします。本件について、製造許可に関わる書面等の審査ということなのですが、私どもは移動式クレーンを製作しておりますが、基本的にはほぼ製造許可、申請としては出尽しているというか。あとは、例えばクレーンのつり上げ荷重が上がるとか、違うタイプのジブ構造がというときに申請するぐらいで、あとは設備上の変更や人員の変更という程度しかない中で、ほかの分野は分からないですが、実際商用ベースに乗るような業務となっていくのかというのが、少し気になるところではあります。
○梅崎座長 いかがでしょうか。ここは、企業の経営判断にも関連するのですが。
○牧副主任中央産業安全専門官 その点については承知をいたしました。ボイラー等の製造時等検査を民間に移管したときも、すぐには全て民間移管ができたということではなかったという状況もありますので、時間が掛かるかもしれません。一定の経過的な期間を設けて、民間機関が参入していくことができるような環境を整えてまいりたいと思います。
○梅崎座長 丹治構成員の意見は、そういう仕組みづくりが必要だという御意見ですね。
○丹治構成員 そうですね。
○梅崎座長 分かりました。井村構成員、お願いいたします。
○井村構成員 追手門学院大学の井村と申します。私は法学で、労働法、それから労働安全衛生法などの研究を担当しており、割とフラットな立場からの話をさせていただきたいと思っております。
 論点マル3について少し気になっているのは、先ほど中村構成員や山脇構成員から行政がやるということの信頼性というお話があったかと思うのですが、この検討のポイントの中で行政機関の職員が製造許可の審査を行うための知識、経験を得る機会が減少しているということが背景にあるというお話があります。ここで、もし民間に移行させてしまうことで、更に行政職員がこういった専門的知識を得る機会が失われるということで、かえって最終的な許可は行政が出すとしても、その技術的な内容を行政の職員が理解した上でできているということの保証があやふやになるのではないかというところに、この理由付けを出していくのは、むしろ製造許可に関してもっと経験を積ませるような仕組みを考えたほういいのではないかと。この理由付けですね。民間に移行すること自体の問題というよりは、経験を得る機会が減少しているのが更に減少するということに対して、やはりそれは問題になるのかと思っております。そこに対して、御検討いただければと思っております。
○梅崎座長 いかがでしょうか。
○牧副主任中央産業安全専門官 御意見を頂戴いたしました。ありがとうございます。行政職員が製造許可を含めてしっかりと業務が行えるようにする仕組みをどうするのかということについては、御指摘も踏まえて検討させていただきたいと思います。
○梅崎座長 またちょっと私が口をはさむのですが、井村構成員が言われたことは、多分民間の活力を活用しつつ、けれど書面等審査の所できちんと労働局の職員の方がその結果を見ることで、逆にそこから、ああ、こういう形で民間の技術者は専門的に見るのだなということの知見などが得られれば、むしろそれは書面等審査、あるいは製造許可をより技術的にも高く、しかも労働安全衛生をきちんと守る観点からできるということになります。そういう観点で活用していければいいのではないかというように聞こえたのですが。
○井村構成員 基本的には、民間がいろいろやることに対して、行政がきちんと分かってやっていますということの保証があれば、仕組みがあれば、特に問題はないかと思いますし、その労働者側の方々もそれでもきちんと行政に対する信頼性というものが損なわれることなく、許可が出ているという信頼を持っていただけるのであれば、もうそれでよい、問題はないかと思います。
○梅崎座長 分かりました。活用の仕組みということですね。
○井村構成員 そうですね、どちらかというと。
○梅崎座長 はい、分かりました。事務局、そのような理解でよろしいですか。
○牧副主任中央産業安全専門官 はい、承知いたしました。ありがとうございます。
○梅崎座長 論点マル3について、ほかに御意見がありましたら、どうぞ、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、引き続き論点マル4、これも民間活力の活用という話です。論点マル4は、その後の製造時等検査について民間活力を活用できる部分はないかという論点です。これについて、御意見、あるいは御質問がありましたら、挙手又はチャットでお願いいたします。いかがでしょうか。土屋構成員、お願いします。
○土屋構成員 まずボイラー、第一種圧力容器については、既に製造時等検査の民間移管が行われています。どういった評価なり検証が行われた上で、移行がされたものかが分かれば御教授いただきたいです。
 それから、資料の12ページにありますマル2の厚生労働大臣の権限ということで幾つか記載がありますが、そういった命令がその時点で起きているか否かは別として、もし起きているのであれば、その事例等も御教授いただければと考えております。
 加えて、先ほどの論点でもありましたとおり、行政機関が経験が少なくなるということに関しては、私も同感です。そういったところを慎重に考えながら、検討するべきと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○梅崎座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。
○牧副主任中央産業安全専門官 ありがとうございます。3点、御質問、御意見を頂戴したかと思います。先に2点目から御説明いたします。御質問としては、ボイラー、それから圧力容器の製造時等検査を民間移管したということに関しての御質問ということで、こういった登録製造時等検査機関に対する適合命令、改善命令、登録取消し、業務停止といったものがあるかという御質問と受け止めております。これまで、登録製造時等検査機関に対する処分を行った事例、今申したような処分はありません。
 続いて、1点目の御質問ですが、評価というようなお話がありました。ボイラー等の製造時等検査の民間移管について、どういう検証や評価をというようなお尋ねでした。先ほども御説明いたしましたとおり、登録製造時等検査機関については、労働安全衛生法で定める厚生労働大臣の権限もあり、また立入監査等も行っているということで、適正な業務実施を担保してきているということです。また、今申し上げましたとおり、ボイラー等の製造時等検査の民間移管の後、この登録製造時等検査機関に対する処分の事例はありません。また、現在ではボイラー等の製造時等検査は、大部分、8割以上は民間機関、登録機関が実施している状況ですが、国が製造時等検査を行ったボイラー、圧力容器、また民間機関が行ったボイラー、圧力容器いずれについても、構造上の欠陥を原因とするような事故は発生していない状況になっております。こうしたことから、登録製造時等検査機関が行う検査については、国が行う検査と比較した場合に、その検査の的確性や安全確保といったような面については、同等以上の水準が確保されていると考えております。
 それから、3点目の行政機関の職員の経験という点については、先ほどの御指摘のとおり検討をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○梅崎座長 土屋構成員、いかがでしょうか。
○土屋構成員 ありがとうございます。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。
○中村構成員 よろしいでしょうか。
○梅崎座長 お願いいたします。
○中村構成員 職能大の中村です。私としても、この2つの制度を民間活用するに当たって、やはり必要な知識や技術というのはあるわけです。つまり、行政側として必要な知識や技術、そして民間側でも必要な知識や技術や仕事の仕組みといったものを構築してから移行しないと、いろいろな不具合などが出てしまうのではないかと。知識はあっても、その知識が例えばこの製造時等検査に使えないという話になってしまっても困るし、使い方が分からないというのも困りますので、そういった制度設計をしっかりした上で移管していくということと、継続した人材の育成を進めていくことが必要ではないかと思っております。以上です。
○梅崎座長 ここも重要なポイントだと思いますが、お願いいたします。
○牧副主任中央産業安全専門官 御指摘どうもありがとうございます。必要な知識、経験、また人材の育成という点については、御指摘のとおりと存じますので、しっかりとした新しい制度に移行していく場合には、準備をしていく必要があると思います。
 ボイラー等の製造時等検査というのは、平成24年に制度を作ったということで、民間移管できる制度になったということなのですが、現在に至るまで10年近くの期間を掛けて、十分時間を掛けて準備をしてきているという状況もありますので、同様の考え方で進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○梅崎座長 中村構成員、今の回答はいかがでしょうか。
○中村構成員、はい、大丈夫です。十分です。
○梅崎座長 ありがとうございます。丹治構成員、お願いいたします。
○丹治構成員 コベルコ建機の丹治です。この移動式クレーンについては、製造時等検査は労働局から来ていただいて毎回やっているのですが。これについては、法規でつり上げの条件などは決まっているのですが、それを実際行うに当たって、例えば移動式クレーンの場合は1つの機械でもいろいろなブームの構成が出てきたりという中で、どれを選択して試験をするというのがあるわけなのです。それについては、審査官なり都道府県の労働局なりと相談しながらであるとか、あとは法規にはない都道府県労働局への通達の中で指示されている内容など、そういうものが過去からの長い歴史の中で積み上がって今があります。
 かつ、行う都道府県労働局が、基本的にこれはメーカーテスト場でやるようなことになるので、メーカーが所在する労働局に審査いただくという形になるので、そのメーカーごとで同じやり方になっているかどうかというのも、今ははっきりしていないということで、その辺りを整理して、どこでやっても同じことができるような仕組みを見直していかないといけないと考えております。
○梅崎座長 よろしいですか。
○牧副主任中央産業安全専門官 ありがとうございます。今、移動式クレーンの検査のお話をしていただいたと思います。検査の仕方は法令で決まっている部分と、細かい部分はほかの形で決めているものもありますが、基本的には今の御指摘の話については、全ての姿勢や最大ジブや中間ジブや短いもの、全部で確認するというのが原則になっています。そこは、どの労働局でも同じ扱いにしています。
 ただ、メーカーの品質管理というものがされていることについて、認定ができるような場合については、それに基づいて一部の検査は実際にはその認定に基づいたものということでやる場合もあります。こういった扱いは全国共通となっているのですが、引き続き斉一的な検査ができるような形で、民間移管した場合も含めて対応していく必要があると思います。
○梅崎座長 丹治構成員、よろしいでしょうか。結局民間移管になった場合に、それが本当に全国的に、斉一的にできるのかというところですね。
○丹治構成員 そうですね。統一したやり方であったり条件でできるのかということです。
○梅崎座長 そういうところも、やはりきちんと制度としてという御意見ですね。ありがとうございます。多分、事務局もそのような御意向で答えていると思います。よろしくお願いいたします。村上構成員、お願いいたします。
○村上構成員 村上です。試験方法に当たる内容ですので、今すぐとは申しませんが、中長期的にはやはり国際標準のような形に持ち込むというのは、本来的には重要なことかと。そうすると、海外製品の輸入等においても、国際標準を満たしての試験法を満たすということをやるのであれば、何の文句も言われないということになると思うので。
 今は、個々のいろいろな過去の経緯やいろいろな事故などの積み重ねで事例の積み上げできているとは思うのですが、もう1回俯瞰して整理をしていく標準ができていくと、それを逆に国際に持っていけるということも可能かと思います。国際標準ですと、厚労省さんでないのかもしれないのですが。
 ただ、そうすると、ビジネスをやっている側からすると、日本発でこういうことをやれば非常に安全なのだということを世界に発信できれば、業界も含め非常に日本の安全を維持するとともに、日本の産業の発展にもつながるのではないかと思います。そういう観点で、今までのいろいろな事例を整理するような活動も、この民間移管の中で議論されたらよろしいのではないかと思いました。以上です。
○梅崎座長 よろしいですか。
○牧副主任中央産業安全専門官 御指摘いただき、どうもありがとうございます。まず、構造上の基準の部分については、構造規格で決めていたり、あるいはJISを参照しているということで、構造規格についてもJISについても国際整合という観点も含めて、もちろん国内の安全を確保するのが前提ですが、見直しを継続してきており、そういった対応は続けてまいりたいと思います。
 また、検査方法の話に関しても、それと密接に関連するものと思いますので、国際整合という観点も含めて、細かい部分はまた別途検討することになると存じますが、そういった観点も含めて確認をしてまいりたいと思います。
○梅崎座長 村上構成員、それでよろしいですか。もちろん将来的な課題というか、今後の。
○村上構成員 ですから、先ほど丹治様がおっしゃっていたように、民間移管をするときに、ちょっとした方言を整合していくというようなことになるかと思うのですが。その方言を整合していく中で、適切なこういう試験方法が一番合理的であるということに統一せざるを得ないと思うのです。そういう活動が、実は今回の民間活用でうまくできて、どこでも同じ安全基準で試験ができているとか、最初にやるのはこれとか、次はこれとか、このぐらいの書類がそろっていたらこうというものが整うと、全体のルールが決まると。そのルールが決まれば、それは別に安全を守るものなので、国際的に打って出ても悪くないですし、このルールを満たしてくれたら皆安全ですよね。風土に関わる部分などがあると、ちょっとは別だと思うのですが、静的な安定した気候の中で、台風が来たときにはどうするのかということでなければ、環境や地域性などは余り関係ないかと思います。そういう意味では、国際的に通せるのではないかと思いました。意見です。
○井村構成員 村上構成員に質問なのですが、今はそんなに国際規格と日本の規格というのは、かけ離れている部分というのがあるのでしょうか。
○村上構成員 安全の部分ですと、個別には細かくは何とも言えないのですが、国際規格のほうが緩いというと変ですが、大きく捉えているところも多いので、全部細かくは規定し切れないのですよね。というのは、国際的な合意を取らなければいけないので、合意を取る最小公倍数のような所しか取れていないので、そうすると残りの細かい所は地域なりそれぞれの環境によって、国内ルールで規定されていることがよく起こっていて、通常はそれで当たり前なのですが、たまに乱暴な国の人たちは非関税障壁だと言って暴れることも、この分野とは限りませんが、ほかの分野で起こり得ることもときどきあります。
 ただ、安全を守るためにとか、いろいろな事故の事例をたくさん持っている所のほうが厳しくなるので、そういう意味で緩い、人の命を軽んじているとは言いませんが、そういう国はもっとルーズであったりするので、そこはそういう変な国際規格は作れないということが起こったりするのが事例です。ある意味日本は、多分先進的な側にいると思いますので、それを世界に打って出るというのは1つの手かと感じております。ちょっと、この業界は、よく分からないですが。
○梅崎座長 辻構成員、お願いします。
○辻構成員 補足というか、別な話になるのですが。圧力容器の技術基準に関しては、ISOのほうは性能規定化ということで、大まかなところだけを決めていて、あとは各国で規格をそれに適合するか審査をして登録するという形になっており、JIS B8265という圧力容器規格、JISは登録されています。そういう意味では、もう国際標準に整合しているといえます。補足です。
○梅崎座長 分かりました。事務局からお願いします。
○牧副主任中央産業安全専門官 今、辻構成員をはじめ、皆様からの御指摘がありましたとおり、検査方法なども含めて、基本的には国際規格に整合した考え方になっていると認識しております。大前提として、日本の労働者なり機械等の安全を確保していくということの中で、対応できる部分と対応できない部分が出てくると思いますが、国際整合を図っていく観点も含めて検討させていただきたいと思います。
○梅崎座長 今、山際構成員からチャットで質問が入っているのですが、山際構成員、チャットの内容は大体分かるのですが、もしありましたら口頭で説明していただくことは可能でしょうか。今の話は一旦置いておいて、山際構成員の本来の質問がありましたら、お願いいたします。
○山際構成員 細かいところだけ確認したいのですが、ボイラーについては製造時等検査は民間委託をしているということで、逆に言うと行政の方というのは、そこを学ぶ機会というのは減少しているどころか、実はほとんどないのではないかと感じたのですが、その辺りは実際のところ運用上はいかがなのでしょうか。というところをお聞きしたかった次第です。
○牧副主任中央産業安全専門官 御質問ありがとうございます。行政の職員に関しては、検査担当者を養成する研修を計画的に行っており、例えば労働大学校といったような所で行う中央研修や、実際の現場での座学ということで、学科研修や検査の実習を行うことになっております。ですので、労働局なり監督署で検査を担当する職員については、そういった研修を経て、必要な技術なり知識なりを得るという仕組みにはなっております。
 ただ、そういったものを習得した後に、実際の検査業務なり製造許可の業務の件数は減っているというようなことを、資料の中で御説明させていただいたというものです。
○小沼安全課長 補足です。行政職員の検査技能ということになると思うのですが、ボイラー、第一種圧力容器については、民間機関に製造許可に関係する検査を移管しているわけですが、全てが全国でできているわけではありません。やはり、できていない所については、その地域の労働局長が検査を行うという制度の立て付けになっております。そういう意味では、職員が誰もできなくなってしまうということは、我々としても民間機関が撤退してしまうとその県はできなくなってしまいますので、そのようなことはないようにはしております。
 確かに、かつてのように、全国の職員を私どもの中央の研修施設に集めて研修をやるということまではできておりませんが、最低限の検査ができる体制は現状も維持をしているという状況です。
○梅崎座長 山際構成員、今の課長からの回答ですが、いかがでしょうか。
○山際構成員 地域性があるということと、最低限のフォローアップの仕組みはきちんとできているという点で、理解できました。ありがとうございます。助かりました。
○梅崎座長 すみません、山際構成員の話を入れて申し訳ありません。多分、村上構成員の言われた話は、先ほども申し上げた非常に重要な課題だとは思います。やはり、クレーンを国際整合していくことは非常に重要で、クレーン協会をはじめ安衛研などもそういうことを追求しているところです。今回の話とは少し論点が違うものですから、今のお話は十分この話で受け入れた上で、別の機会で議論をしたほうがいいかという感じがしたのですが、いかがでしょうか。
○村上構成員 議論としては別でいいとは思いますが。
○梅崎座長 ただ、御意見があったことは。
○村上構成員 そういう観点をお持ちになって、民間活用するという趣旨にすると、説得力があるというか、ここの言い分よりはもう少し説得力が出て、そういう方向にいきますと言っていただければ、先ほどの丹治さんがおっしゃっていたように、県で少しずつ違っていたりということの補完もできます。それはなぜかといえば、そういうことを狙っていくのだと、日本発で攻めていくのだというような趣旨で書いていただけると、何か民間移管をするという意味合いが少し前向きに表現していただいたほうが、説得性がいいのではないかというのが、私の意見です。以上です。
○梅崎座長 分かりました。民間機関の活用ということをやったときに、例えば1つの事例として、民間機関の活用について、例えば国際整合化を民間としてもかなり進める形でやっているので、そういう知見も活用できるのではないかという御意見ですが、いかがでしょうか。
○牧副主任中央産業安全専門官 御意見頂戴いたしました。ありがとうございます。
○梅崎座長 御意見の趣旨が分かりました。ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。今が論点マル4までいきましたので、次は論点マル5です。落成検査等について、民間の活力を活用できる部分はないか。これは、論点マル3マル4とかなり似た部分があるのですが、これについて御質問、御意見がある方は、挙手又はチャットでの書き込みをお願いいたします。いかがでしょうか。
○村上構成員 これがすごく、若干疑問というか、10ページ目で御説明いただいた検査件数の推移で、全体的に大きく減少傾向にあるかと思うのですが、この辺の背景というか、経済的に停滞しているからなのかどうか分かりませんけれども、この辺の背景と民間移管との、先ほどの民間で成り立つかどうかも含めてなのですが、その辺はどういう見通しというか、どういう状況分析と、今後どのような見通しになるのかということが分かれば、質問ですけれども。
○梅崎座長 分かりました。重要なポイントだと思いますので、お願いします。
○牧副主任中央産業安全専門官 ありがとうございます。落成検査の件数が減少しているという話ですけれども、これは設置件数が減少していることとも関係があるということなのですが、一番大きく減少していますのはボイラーと見て取れるかというように存じます。
 ボイラーにつきましては、特定機械等に該当しないボイラー、いわゆる小型ボイラーといったようなものの数なども調べてみますと、恐らく特定機械等のものから検査とか製造許可の要らない小型のものに移行しているものが多いのではないかというように分析しております。ということが、数は減少しているということの解釈というものです。
 それと、落成検査について民間が活用できる部分はないかという話ですが、数は減少しているということとは別の観点といたしまして、やはり法令に基づく落成検査、設置状況の確認というのを行っている現状ですとか、事業場に対する指導も行っているという現状もありますので、そういったものも踏まえて、民間の活用ができる部分があるのかないのかという検討ができればというように存じております。
 また、民間で成り立つかとのご指摘について、これは落成検査等に限った話ではないのですけれども、例えば、製造時等検査についても件数が減少しているという中で、もし、こういった減少しているものについて民間移管していくという場合につきましては、先ほどの話にもありましたけれども、時間を掛けて、十分体制が整うというような仕組みをやっていきたいと考えております。
○梅崎座長 村上構成員、よろしいでしょうか。
○村上構成員 多分、私の知識も完全ではないですけれども、ボイラーと先ほどおっしゃったみたいに、小型ボイラーに置き換わっているというのはよく聞いておりまして、逆に、そのほうがボイラーマンは置かなくていいとか、別の利益も出たりとかして、かなりの勢いでやられているというのは存じ上げております。今後もそういう形で、重要計器はなかなかそうはいかないかもしれないのですけれども、圧力容器はどうなのかな。何か固定式のものの場合はすり抜けるというと変ですけれども、別の形での置き換えという世界がだんだん出てくるかもしれないので、民間移管はしたものの、だんだん斜陽産業というと変ですけれども、廃れていってしまうと、どのように管理するのがいいのかというのが、民間活用とおっしゃってはいるものの、民間もやっていけないようなことが起こりがちな気もするので、その辺がちょっと課題になるのかもしれない。だから、ある程度機種を少し見極めて、今回の対象機種がございますけれども、ある分野に関しては、取りあえず今回は見合わせるなりということも考えてもいいのではないかなという気も少ししたという意見でございます。以上です。
○梅崎座長 これはどうですか。
○牧副主任中央産業安全専門官 このような話が、平成24年のボイラー等の製造時等検査を民間移管したときにもあったかと思いますけれども、やはり民間が参入できるような環境が整っていないという場合については、これは登録制度ということなので、それをやりたいというようなことで手を挙げていただくような所がなければ、民間移管できないという状況になるかと思います。大きな話として、そういう体制を整備するということも十分留意して対応してまいりたいと存じます。
 けれども、仕組みとして、民間機関でもできるようにしておくのがいいのかどうかといったようなところの観点のお話と、実際、手を挙げる所がない場合に、どのように環境や体制を整備していくかという話は両方あるかと存じますので、そういったところも踏まえて検討させていただきたいと存じます。
○梅崎座長 恐らく、今の2つの論点に分かれると思いますので、それぞれ別途、制度、仕組みづくりというのを考えていかなければならないということの御回答だと思います。ただ、言われていることはよく分かりました。そこは次回、まとめのところでいろいろ出てくると思いますので、そういう中で、また御議論いただければと思います。よろしいでしょうか。
○村上構成員 極論を言うと、国内で非常に減少してしまうと、乱暴なことを言うと、製造メーカーが1社とか2社になりがちな傾向になるかもしれない。もうちょっと今は、まだあると思いますけれども。という状況になると、どのような認可制度と、どのようにしていくかというのは、いろいろ考えないといけないのかなという気が少ししました。一番専門的なのは、やはり造っている人たちが一番よく知っているので、造っている人たちの仲間で、検査を民間でするような事態にもなりがちなパターンなので、それでも、そのほうが正しいのかどうかよく分からないのですが、その辺の論理構成というのは、少し考えておく必要があるのではないかというコメントです。
○梅崎座長 そうですね、分かりました。論理構成という、そこの話ですね。
○牧副主任中央産業安全専門官 どうもありがとうございます。
○梅崎座長 山脇構成員、お願いいたします。
○山脇構成員 落成検査については、17ページのポツの2つ目に記載のとおり、「避難経路の確保あるいは各種の防止措置など、法令に基づく安全措置の履行状況について確認し、必要に応じて事業者に対して法令に基づく指導を行う」ことが目的ですので、これは行政以外の者が行うべきではないと思っております。落成検査に関しては、やはり行政に、引き続き実施していただくべきものだと理解しております。
 また、先ほど井村先生、土屋構成員のほうからもあった行政の人材育成についてですが、クレーンとかデリックに関しては、いきなり落成検査で製造等検査に代わる部分をやることになりますので、引き続きしっかりと人材育成をお願いしたいと思います。
 最後に、本検討会の所掌外となりますが、現在、監督官は、かなりの業務量をこなしていただいていると聞きます。監督官が足りない状況にあると聞いておりますので、体制強化、増員を含めて、体制構築ということを、監督行政としてしっかり検討いただきたいということを申し添えておきたいと思います。以上です。
○梅崎座長 ありがとうございました。ここも大事な意見だと思いますので、お願いします。
○牧副主任中央産業安全専門官 御意見を頂きましてありがとうございます。3点御意見を頂戴したと存じます。1点目の行政以外で行うべきではないという御指摘に関しましては、そういった御意見があったということは十分承知いたしました。2点目は、行政の人材育成ということですが、これまでも検査担当者の養成ということを行ってきているところですけれども、今後も落成検査を行っていくということになる場合については、それがしっかりできる人材を確保していくという形で取り組む必要があると存じます。3点目の御指摘についても、御指摘があったという旨、承知いたしました。ありがとうございます。
○梅崎座長 ありがとうございます。山脇構成員も今言われたように、やはり落成検査のポイントは、法令に基づく安全措置の履行状況、ここが一番ポイントになってくるという御意見でした。そこは先ほど事務局から説明がありましたけれども、技術的な部分もさることながら、要するに、設置・据付の段階では、安全措置の履行状況を確保するということが一番ポイントになっておりますので、そういう観点から落成検査について民間活力を活用できるのかということから御意見を頂きたいということの趣旨でございます。山脇構成員、どうもありがとうございました。御意見がありましたら、今お願いしたいのですが。よろしいでしょうか。論点マル5は、ほかにございますか。お願いいたします。
○村上構成員 今の山脇構成員がおっしゃったような観点でみるとすると、大きく対象としている機種で、2つに分かれるのかと思っております。というのは、1つは、常用的な設備のものと、それからテンポラリーと言うと変ですけれども、工事期間のみの設置のものに割れているのかなと認識しております。だからそうなると、常用のものですと当然、落成時に検査も必要なのは当たり前なのですけれども、ある種のルールを決めておいて、ある種の抜き打ち的なもので懲罰的な処置をするというのを裏に付けることによって、例えば民間で見張っておいても、後で見たときにそれが適正でない場合において、非常に懲罰的な処置を取るということを意識しておくと、ある種のコンプライアンス機能が働いていくかなと。テンポラリーのものの場合だと、ばらしてしまうともう訳が分からなくなってしまうので、そこはどのように考えるのかというのはあるかと思いますけれども、常設的なものはそういう処置の仕方もあるのかと思うので、その辺も加味されてはどうかなという意見でございます。
○梅崎座長 そこは説明されていたので。
○牧副主任中央産業安全専門官 常設的に、1年とか2年使用するものの状況を確認していくことにつきましては、最初に設置したときとは別としまして、この図で言うと、マル6の性能検査というのがあります。そこで定期的に確認するという仕組みになっておりまして、これにつきましては民間機関が行うという仕組みになっているところです。あとは当然、行政としても監督指導などで事業場に立ち入った際、確認や指導も行っています。
○村上構成員 申し上げたいのは、そういうことができるのであれば、いわゆる製造用の設備になりますよね、ボイラーなどは。そうすると、長期間はその状態が維持されているので、そういうのは落成の時点で民間活用で見張っておいたとしても、どこかで必ずチェックは入るので、民間側はちゃんとやりなさいと、ちゃんとやっていない所は、いろいろな、ある種の懲罰的なことを掛けますということで、代行というのか、保証するというのか、そういうことができるのではないかなと。結局、そこをきちんとやっていないのは、使用者も、検査する側も非常に懲罰を受けるとなると、きちんとやることになるわけですよね。そういう仕組みを裏に置きながら、民間に展開することにすると、今の検査レベルが維持できるのではないかなと。それで、間を縫ってチェックをしていけば、必ずどこかで悪いことをやっている人は見付けられる。ただ、それが短期的な、例えば工事期間の半年だけとかというときに、それを全部任せておいて、終わったらばらしてしまいましたというと、もう分からなくなってしまうので、そこで何が起こるかというのは最初で見るか、その期間中のどこかでチェックするかということなのですけれども、多分、短期的なやつだと、定期的な検査も入らないので、そういうことで、行政の作業の効率化を図る。いわゆる民間と行政の連携で、うまく今の機能を担保するということをお考えになったらよろしいのではないかなということを申し上げているところで、途中、やっている、やっていないとか、ちゃんとしているとかというわけではなくて、そこをうまく活用することで、行政の皆さんの仕事の密度を少しばらすことによって、でも、民間をうまく束ねられるというか、そういう仕組みをうまく使われるといいのではないかなという意見でございます。
○小沼安全課長 御参考でございますけれども、ボイラー、第一種圧力容器の製造時等検査を民間移管したときの議論といたしまして、いろいろな議論がございました。やはり1回は国のほうで見てほしいという意見が、実は業界の方なども含めまして、やはり誰が責任を取るのかという話になりますので、そういう意味でも、1回は国で見てくださいという意見があって、現状、落成検査については国に残しているという状況がございます。
 それから、そのときの議論といたしまして、落成検査というのは最初の据付けたスタート段階のところだけは安全であるということをある程度担保してもらわないと、少し心配ではないかといったご意見も出ていたように思います。ユーザーの意見は、ただ、民間検査機関の方が検査に甘いとかそういうわけではないのですけれども、やはり心理的なものとかもありまして、現状、こういう形になっているということを御紹介させていただきたいと思います。
○村上構成員 ありがとうございます。
○梅崎座長 今の課長の御回答で全てだと思いますけれども、村上構成員、いかがでしょうか。
○村上構成員 趣旨は十分理解いたしましたし、だから、どこのポイントに何を置くかというのを、うまく設定されたらよろしいのではないかなと思います。
○梅崎座長 そうですね。それと、基本、落成検査をやるとともに、必ず一定期間ごとに性能検査という形でそこは担保していますので、そういう制度設計としては仕組みが回っているというように私個人は認識しているのですけれども、そのことを言われて。
○村上構成員 いやいや、だから全部を行政でもともとはなさっていたのを、民間に渡していくということは、どこかのチェックポイントが何かの形で入ると、残りの部分は、みんなが安心できるかなというような仕組みづくり。民間活用でだんだん渡していくときに、どこかではチェックが入るのだろうという前提で、あるいは、認証機関がある程度信用できるようになってきたら、それがグレードが上がるとか、何かそういうのと。今、すぐではないですけれども。
○梅崎座長 そういう意味ですね。
○村上構成員 これは将来的に言うと、例えば海外の場合などですと、認証などは保険会社がやられている所が多いので、保険料と認証の連携みたいなことで海外の場合はよくやられていることもあるのです。日本の場合は保険会社はまだ頑張ってくれないのですけれども、そういう別の形でのインセンティブによって本質的にみんなが安全側にいかざるを得えないような仕組みづくりというのが、お上が見張って、怒られるからやらないのではなくて、だんだんそういう方向に移管していくと、トータル的に安全が担保できる。日常的にも安全が担保できるというようにつなげることも、せっかくの民間活用ですので、配慮されたらよろしいのではないかという意見でございます。全部はすぐにはできないと思います。
○梅崎座長 今の話は、むしろ、次の論点マル6のほうで関連してくる話なのかなと思いましたけれども、御意見を伺いました。要するに、EUのそういう制度とかの第三者認証を担保していくような仕組みとして、何かインセンティブのようなものが必要なのではないかという御意見ということですね。分かりました。
○村上構成員 そういう意味合いもあって、ここの部分はどちらにしますかということを御検討いただいたらよろしいのではないかなと思ったということです。
○梅崎座長 そこは承ったということで。
○牧副主任中央産業安全専門官 御意見ありがとうございました。
○梅崎座長 では、そこは承るということで。それでは、時間も大分迫ってきましたので、最後は論点マル6になります。民間の登録機関の適切な業務実施を担保するための仕組みについてはどうかということで、このマル3、マル4、マル5、民間活力を活用しているというところでも、そこの適切な業務実施を担保するための仕組み、これはどうかということの論点です。これにつきまして御質問、御意見がある方は、挙手又はチャットでお願いいたします。いかがでしょうか。井村先生、お願いいたします。
○井村構成員 井村です。先ほどの村上構成員の話をお伺いしながら思ったのは、今の仕組みだと、登録機関ということで、一定の要件を満たしたその機関が検査ができるという仕組みになっていると思いますけれども、恐らく村上構成員のおっしゃっているのは、登録したからそれでよしという話ではなくて、検査をしていく中で、そこに適宜チェックが入るような仕組みということだろうと思うのです。そこの仕組みを行政と民間というところでどのように分担するかというのを、その体制を考えていただきたいというお話というように思いましたけれども、現状の仕組みで、例えば労働局の担当部分、監督署の担当部分、登録機関の担当部分というような感じで分かれているときに、多分、そこの引継ぎというか、連携というか、そういったものがうまくいっているかどうかというのは、少し現状を把握する上では検討が必要なのかなと思いました。
 あと、民間活用ということで、登録機関はいろいろ、結構数があると思うのですけれども、大体そこの登録機関の業務そのもの、今登録されている登録機関の業務自体に、行政側としては、ちゃんとやっているという及第点の評価を与えられるということを前提として、今回の話が出ているという認識でよろしいのですか。
○牧副主任中央産業安全専門官 おっしゃるとおりでございます。
○梅崎座長 井村先生、今の御回答でよろしいですか。
○井村構成員 はい。
○梅崎座長 ほかはよろしいですか。山脇構成員、お願いします。
○山脇構成員 引き続き、民間機関が行政に代わって検査制度等を担うのであれば、ここで記載されているような適正な業務実施を担保するための仕組みが必要だと考えております。仮に、民間移管の拡大を検討するのであれば、現行の取り組みに加えて、何らか更なる機能強化をすることができないのかどうかということも併せて検討いただきたいと思います。
○梅崎座長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
○牧副主任中央産業安全専門官 ありがとうございます。現状の仕組みで十分であるかどうかというところの観点も含めまして、検討させていただきたいと存じます。
○梅崎座長 ほかに御意見がありましたらお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。それでは追加の御意見もないようですので、一応、6つの論点を議論させていただきました。どうもありがとうございました。
 最初に言っておけばよかったのですが、以上の本日の議論を基に事務局のほうでは、次回の検討会のために、論点を取りまとめた資料の準備をお願いしたいと思います。その中で、本日、皆様から頂いたいろいろな議論と論点を取りまとめた形で次回、また議論を詰めていきたいと思っております。御用意いただいた資料につきましては、報告書(案)ということになるかと思いますが、事務局については、その辺はいかがでしょうか。
○牧副主任中央産業安全専門官 今、お話がございましたとおり、方向性を取りまとめたものを準備させていただきたいと存じます。
○梅崎座長 そのような形で、皆様に今日頂いた諸々の意見をきちんとした形でまとめて、次回の委員会で詰めていきたいと思っています。
 それでは、次に議題3のその他につきまして、御質問、御意見がある方は挙手又はチャットへの書き込みをお願いいたします。本日の議論も踏まえて、その他、御意見、御質問がありましたらお願いしたいのですが、いかがですか。よろしいでしょうか。特に、ほかに御質問、御意見もございませんか。では、その辺を事務局のほうで、きちんとまとめをしていただくということで、それでは、熱心に御議論いただきまして、どうもありがとうございました。
 では、事務局には、本日の取りまとめを重ねてお願いするとともに、最後、事務局から連絡事項をお願いいたします。
○三浦外国安全衛生機関検査官 次回の日程等につきましては、調整させていただいた上で、改めて御連絡させていただきます。よろしくお願いします。
○梅崎座長 それでは、以上をもちまして、第1回特定機械等の製造許可及び製造時等検査制度の在り方に関する検討会を、これで終了いたします。本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。