2023年11月30日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

日時

令和5年11月30日(木)10:00~

出席者

出席委員(18名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(7名)五十音順
行政機関出席者 
  •  城克文(医薬局長)
  •  吉田易範(大臣官房審議官)
  •  野村由美子(医薬安全対策課長)
  •  大久保貴之(安全使用推進室長) 他

議事

○医薬安全対策課長 それでは、令和5年度第2回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会を開会いたします。本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。私、7月4日付けで中井に代わりまして医薬安全対策課長を拝命いたしました野村と申します。よろしくお願いいたします。
 本日の部会の公開については、YouTubeによるライブ配信で行うこととしておりますので、御協力、御理解のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、議事に先立ち、審議の進行方法などについて、事務局より説明させていただきます。
○事務局 御説明申し上げます。まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際は、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪かったりした場合など、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いする場合があります。システムの動作不良などがありましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 また、野村のほかにも事務局に人事異動がありましたので、紹介させていただきます。厚生労働省医薬局長、城克文、厚生労働省大臣官房審議官、吉田易範です。事務局からは以上です。
○医薬安全対策課長 それでは、以降の議事進行は、岡部会長にお願いいたします。
○岡部会長 岡です。それでは、議事に入る前に、委員の出欠状況、審議への参加等について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 最初に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。織田委員、後藤委員、多賀谷委員、舟久保委員、三村委員、萬委員、脇田委員より、御欠席との御連絡がありました。本部会の委員25名中現時点で18名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により定足数に達していることを御報告申し上げます。
 続いて、議事参加について御報告いたします。本日御出席の委員の方々の、過去3年度における、関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの、寄附金・契約金などの受取状況を御報告いたします。本日の議題に関して、対象品目の製造販売業者については、事前にリストを各委員にお送りして御確認いただいております。石井委員より、大正製薬株式会社より50万円以下のお受け取り、岡委員より、田辺三菱製薬株式会社より50万円以下のお受け取り、柿﨑委員より、田辺三菱製薬株式会社より50万円以下のお受け取り、小宮根委員より、佐藤製薬株式会社と田辺三菱製薬株式会社より50万円以下のお受け取り、平和委員より、田辺三菱製薬株式会社より50万円を超えて500万円以下のお受け取り、舟越委員より、田辺三菱製薬株式会社より50万円以下のお受け取りと、御申告いただいております。なお、これらの御申告については、ホームページで公表させていだきます。
 最後に、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告させていただきます。薬事分科会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員より、適合している旨を御申告いただいております。御報告は以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対して、御意見、御質問等はありますか。よろしいでしょうか。
○平和委員 平和ですが、私の受け取りは50万円以下だと思っていたのですが、何か申告を間違っていましたでしょうか。一応、後で確認させていただいて。50万円以下だったということで、お願いします。
○岡部会長 ありがとうございました。事務局、いかがでしょうか。
○事務局 確認いたしますので、お待ちください。
○岡部会長 少しお待ちください。もしあれでしたら、後で御確認いただいて、訂正いただけますか。
○平和委員 後で確認させていただきます。すみません。
○事務局 ありがとうございます。
○岡部会長 そのほか、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、続いて事務局からの配布資料について、御説明をお願いします。
○事務局 資料はあらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関しては資料1-1~1-4、議題2に関しては資料2-1~2-7-3、議題3に関しては資料3-1~3-7、議題4に関しては資料4-1~4-2があります。このほか、議事次第・資料一覧、委員名簿、参考資料1として「妊婦禁忌の新型コロナウイルス感染症治療薬の処方並びに調剤に関する合同声明等の公表について」、参考資料2として「薬効分類表」と、競合品目・競合企業リストをお送りしております。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。また、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方は、そちらを御参照ください。
○岡部会長 それでは、議題1「一般用医薬品のリスク区分について」に入りたいと思います。それでは、事務局より説明をお願いします。
○事務局 資料1-1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。表に記載されている品目は、現在、第1類医薬品に分類されており、この度、製造販売後調査の終了に伴い、一般用医薬品として第1類医薬品から第3類医薬品いずれのリスク区分とするかの検討をお願いするものです。
 まず、一般用医薬品のリスク区分の変更手順について御説明します。2ページの「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」を御覧ください。手順としましては、3.(1)として、安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行い、その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行います。
 (2)として、安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について、医薬品等安全対策部会で調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっており、本日は(2)の位置付けです。
 続いて、一般用医薬品のリスク区分を御説明します。6ページを御覧ください。第1類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来たす程度の健康被害を生ずるおそれのある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、又は、新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する文書による情報提供の義務がございます。
 第2類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来たす程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品で、第1類医薬品を除くものであって、厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。第2類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者等は、情報を提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する、指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置をとることとされています。
 第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。
リスク区分の変更手順についての説明は以上です。
 続いて、イソコナゾールについて説明します。資料1-2を御覧ください。販売名は、「メンソレータムフレディCC1」、「メンソレータムフレディCC1A」です。効能・効果は、「膣カンジダの再発(以前に医師から、膣カンジダの診断・治療を受けたことのある人に限る。)」です。「メンソレータムフレディCC1」と「メンソレータムフレディCC1A」の違いは、膣深部に挿入するアプリケーターが付属しているかいないかのみであり、用法・用量は、「成人(15歳以上60歳未満)1回1錠を膣深部に挿入する(できれば就寝前)。ただし、3日間経過しても症状の改善が見られないか、6日間経過しても症状が消失しない場合は医師の診断を受けること。」とされております。
 同じページ下の「製造販売後調査概要」を御覧ください。「特別調査」とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数1,064症例で、副作用が58例117件ありました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として報告されたものは資料に記載のとおりです。使用者、もしくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、副作用が117例165件ございました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として報告されたものは資料に記載のとおりです。
 続いて、安全対策調査会での審議の概要を御説明します。資料1-2の2ページを御覧ください。調査会は、産科婦人科の専門家の参加の下で審議を行い、参考人からは、本剤について、重大な副作用はなく安全性に関して大きな懸念はないが、原疾患の区別が難しいものの外陰部の腫脹等の注意を払うべき副作用が生じていることや、手法についてある程度の理解が必要とされること、類薬が第1類として販売されていることも参考にすると、第1類医薬品とすることが適切ではないかとの意見が出ました。参考人の意見も踏まえ、本剤は、3ページの表に記載している類薬であるメディトリート、エンペシドL、フェミニーナ膣カンジダ錠と同様に、第1類医薬品に分類することが妥当との結論となりました。
 パブリックコメントに寄せられた御意見は、資料1-4を御覧ください。今回、1通の御意見がございました。2ページに御意見の内容及び、回答案を記載していますので、こちらも踏まえ、御審議のほど、よろしくお願いします。
御説明は以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの事務局の説明やパブリックコメントに対して、御意見、御質問等を頂きたいと思います。
平和委員は、これは利益相反でということで、議決への参加を御遠慮願うという扱いでよろしいでしょうか。平和委員、よろしいですか。すみません。
○平和委員 はい。
○岡部会長 それでは、審議に移りたいと思います。いかがでしょうか。調査会の方では、産婦人科の先生の御意見も伺った上で、類薬と同様、1類でよろしいかという判断をいたしましたが、特に御意見はございませんか。
それでは、イソコナゾールのリスク区分についての議決に移りたいと思います。特に、事務局の説明に御意見がなかったようですので、イソコナゾールにつきましては、引き続き第1類医薬品ということでよろしいでしょうか。
皆様がうなずいていただいていることを確認できましたので、それでは、御異議なしとさせていただきます。
 今後の予定について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 御議論いただきありがとうございました。御審議いただいた結果に基づき、リスク区分の変更に係る手続を進めさせていただきます。
○岡部会長 それでは、本議題は終了したいと思います。
 それでは、議題2「医薬品等の市販後安全対策について」に入りたいと思います。事務局より御説明をお願いします。
○事務局 資料2-1「医薬品の使用上の注意の改訂」についてを御説明いたします。令和5年6月に開催されました令和5年度第1回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、改訂指示通知を発出した品目の一覧をお示ししております。資料には、改訂内容、改訂理由、直近3年度の国内外の副作用症例の集積状況などをまとめております。これらの使用上の注意の改訂につきましては、本部会の先生方に御確認いただいたものであり、また改訂時にPMDAメディナビで配信するとともに、医薬品医療機器総合機構のホームページと、「医薬品・医療機器等安全性情報」にも掲載しております。資料2-1については以上です。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、資料2-2「MID-NET及びNDBの行政利活用の調査実施状況について」を御説明いたします。
資料2-2、1ページを御覧ください。今年6月の本部会以降に調査結果を公表した案件は、別添資料1から3の3件となります。内訳としては、NDBを用いた調査が2件、MID-NETの調査が1件となります。1件目は「NDBを用いたギラン・バレー症候群の背景発現率に関する調査」です。この調査結果は、RNAワクチンの副反応報告の検討に用いられました。検討の詳細及び添付文書の改訂については、令和4年度の第5回安全対策調査会にて報告いたしております。
 続きまして、資料の2ページです。2件目の調査といたしまして「NDBを用いたチアジド系利尿薬及びチアジド系類似薬処方後の非黒色腫皮膚がん発現のリスク評価」、及び、3件目の調査として「MID-NETを用いた乾癬治療薬による好中球減少のリスク評価」に関する結果を、公表していることを御報告いたします。時間の都合上、案件の詳細については割愛させていただきます。
 続きまして、3ページを御覧ください。新型コロナウイルス感染症治療薬であるエバシェルド筋注セット及びゾコーバ錠に関する、シグナル検出の実施状況について、報告いたします。
こちらは、今年6月の本部会において御説明差し上げた資料を再掲したものです。詳細な説明は割愛いたしますが、下段の枠囲みに記載いたしました「早期安全性シグナルモニタリングの留意点」についてのみ、簡単に御説明いたします。早期安全性シグナルモニタリングは、医薬品の安全性に関するシグナルを、迅速に検出する目的で実施しており、患者背景の厳密な調整は行っていない探索的な位置づけの調査となります。そのため、安全性シグナルが検出された場合であっても、直ちにそれがリスクであることを示しているわけではなく、その他の情報源から得られる安全性情報も踏まえて、新たなリスクであるか及び安全対策措置の必要性等について、評価を進めていくことを想定しております。
 続きまして、今回の結果について御説明いたします。資料の4ページを御覧ください。こちらは、エバシェルド筋注セットを対象としたシグナル検出の実施状況です。まず調査の条件における「データ期間」につきまして、今回、解析5回目として、8月31日までのデータに基づく解析結果を報告しております。「結果の要約」に移りますが、今回の解析では、エバシェルド処方患者の人数は、前回の御報告から約90人の増加で、人数としては大きな変化は認められておりません。比較対照とした医薬品は、ロナプリーブ及びラピアクタの2種類となりますが、ラピアクタを比較対照とした今回の解析においても、前回の部会報告時点で御報告いたしました、白血球減少及び血小板数減少以外の新たなシグナルは認められておりません。また、ロナプリーブを比較対照とした解析においても、新たなシグナルは認められませんでした。
 「今後の対応について」です。本調査で認められたシグナルは、必ずしも医薬品のリスク(副作用)を示すものではありませんので、前回の報告と同様に、追加の安全対策措置は不要と考えておりますが、本調査は引き続き継続して、各アウトカムの発現状況等を注視する予定です。
 続きまして、5ページを御覧ください。ゾコーバ錠を対象としたシグナル検出の結果になります。データ期間は、先ほどと同様に8月31日までのデータに基づく解析結果を示しております。
 「結果の要約」に移りますが、今回集積されたゾコーバ錠の処方患者数は80人となります。先に御説明差し上げたエバシェルドと比較しても人数が少ないところであり、MID-NET医療機関においては、ほかのCOVID-19治療薬と比べると、ゾコーバの使用が少ない傾向というのが現状です。本調査においては、比較対照をラゲブリオ及びタミフルとしております。
 資料中段の表の左半分でお示ししているとおり、「ベースライン検査値が基準範囲内又は欠測であった患者を対象とした解析」におきましては、5回目の今回の解析時点において、ゾコーバ処方患者群に認められたアウトカムは、ラゲブリオを比較対照とした場合には「ヘモグロビン低下(Grade2以上)」、タミフルを比較対照とした場合には「eGFR低下」及び「ヘモグロビン低下」が認められております。
 しかしながら、いずれのアウトカムについても、ゾコーバ錠の症例数は限定的であり、信頼区間も広い結果が出ていることから、引き続き本調査を継続して、本剤の安全性情報の収集に努めてまいります。
資料2-2に関する報告は以上です。
○事務局 続いて、資料2-3「ワクチンの安全性に関する評価について」です。令和5年7月28日、9月14日、9月24日及び10月27日に開催されました、安全対策調査会と厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同部会におきまして、ワクチンの安全性について評価を頂きました。
 1ページ、1の(1)は、新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等についてです。各新型コロナワクチンにおける報告状況を表1にお示ししております。いずれの開催会においても、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと評価されています。
(2)は、心筋炎及び心膜炎についてです。心筋炎については表2を、心膜炎については表3を御確認ください。
(3)は、死亡症例についてです。表4を御確認ください。コミナティについて、令和5年7月28日の合同部会で、ワクチン接種と死亡との因果関係が否定できないと評価された症例が新たに1例報告されています。本事例は、接種翌日に呼吸困難を来し、接種後二日目に死亡した事例になります。得られている情報から、アレルギー、ワクチン以外の薬物曝露、先行する感染症が否定されていること、接種後短期間のうちに症状が発現していること、基礎疾患がなく健康な若年者であること等を踏まえ、ワクチン接種後により心筋炎を発症し、その結果、不整脈が生じ死亡に至ったとして矛盾しないと考えられたことから、「ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できない」と評価されております。
 心筋炎や心膜炎については、新型コロナワクチンの添付文書の「重要な基本的注意」や「重大な副反応」の項において注意喚起しているところになりますが、合同部会での議論を踏まえ、同日付けで新型コロナワクチンの接種に伴い副反応を疑う症状が生じた者に対する対応について事務連絡を発出し、接種後四日以内に胸の痛み、動悸、息切れ、むくみなどの症状が見られた場合には速やかに医療機関を受診するなど、接種前に、予防接種後に起こり得る副反応を含めた説明を十分に行うことについての注意喚起のほか、詳細な情報提供を求め、因果関係評価に係る情報収集と、その報告をするように、自治体を通じて医療機関にお願いしております。また、本事例も含め、7月28日、10月27日の合同部会において、安全性において重大な懸念は認められないと評価いただいております。
 5ページの2は、令和5年9月14日及び9月21日の合同部会の報告です。新規に接種が開始される、新型コロナワクチンであるコミナティRTU筋注(XBB.1.5)及びスパイクバックス筋注(XBB.1.5)の副反応疑い報告基準について、現時点において臨時接種の対象となっている全ての新型コロナワクチンと同様に、アナフィラキシー、血小板減少を伴う血栓症、心筋炎、心膜炎、熱性けいれん、その他の反応を副反応疑い報告基準として扱うことが、副反応検討部会委員によって議決されました。
 5ページの3からは、新型コロナワクチン以外の各ワクチンの報告状況です。(1)は、報告状況の概要です。令和5年1月1日から令和5年3月31日までの期間における各ワクチンの報告状況については表5、4月1日から6月30日までの期間における報告状況は表6にお示ししております。これまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置をとる必要はないとされています。(2)は、死亡症例についてです。死亡症例については、令和5年1月から3月末までの対象期間に2例、4月から6月末までの期間に2例報告されておりますが、「ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの」とされた症例はありませんでした。
 9ページの4は、2022/2023シーズンのインフルエンザワクチンの報告状況についてです。令和4年10月1日から令和5年3月31日までの報告状況は表7のとおりとなっており、こちらもワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと評価されています。
ワクチンの安全性に関する評価については、以上になります。
○事務局 資料2-4を御覧ください。緊急承認された医薬品の市販後安全対策についてです。令和5年7月25日に開催された安全対策調査会では、ゾコーバ錠の「使用上の注意」にアナフィラキシーの追記を指示したなどの追加の安全対策実施に関する御報告、8月30日及び10月30日に開催された安全対策調査会では、参考人として、本部会の多賀谷委員及び宮﨑委員から御意見を頂き、副作用等の報告状況を踏まえ、追加の安全対策の要否について御審議いただきました。
 副作用等の報告状況について、最新の資料である10月30日の安全対策調査会のものをお示ししております。初めに、製造販売業者からの副作用報告の状況について御説明いたします。資料は2ページからになります。集計対象期間は10月15日までであり、推定使用者数は84万1,646人です。当該期間における製造販売業者からの報告頻度は、3ページ別紙のとおりで、重篤副作用として58例の報告があります。4ページの別添1に、症状別報告件数をお示ししております。6ページの別添2に、症例一覧を、7ページからの別添3に、基礎疾患等及び症例経過をお示ししております。
 次に、医薬関係者からの副作用報告の状況について御説明いたします。55ページからになります。集計対象期間における医薬関係者からの報告頻度は、56ページ別紙のとおりです。症状別報告件数は、57ページからの別添1を御覧ください。
 次に、製造販売業者の公表資料である、市販後安全性情報の報告を御説明いたします。59ページからになります。集計対象期間における非重篤な副作用の報告頻度は60ページ別紙のとおりです。また、非重篤症例の副作用収集状況は、64~68ページのとおりです。
69ページに、RMPの「重要な特定されたリスク」の「アナフィラキシー」に係る情報が追記されています。こちらは、7月20日付け医薬安全対策課長通知「「使用上の注意」の改訂」で、重大な副作用の項にアナフィラキシーの注意喚起を追記するよう指示したことに伴い追加されたものになります。
 70ページからのRMPの「重要な潜在的リスク」である「催奇形性」に係る情報については、83ページの11月17日付けで塩野義製薬が公表した資料を御覧ください。10月には、本剤投与後に妊娠が確認された症例が32例あり、流産された症例は2例となっておりましたが、今月公表された資料においては、新たな妊娠事例の報告はないとのことです。
 86ページのRMPの「重要な不足情報」として、「中等度以上の肝機能障害患者での安全性」に関する情報が収集されています。中等度以上の肝機能障害患者への投与が5例収集されていますが、副作用等の発現はみられなかったとのことです。
87ページでは、併用禁忌に関する報告となっています。10月の調査会の副作用報告で、併用禁忌薬・併用注意薬を併用中であることについて、気付かずに併用されていた事例があったことから、丁寧な併用薬の確認をお願いしたい旨が追記されています。なお、この副作用報告については、処方医及び調剤薬局で併用薬の有無に留意されながら対応されていたものの、患者さんからの申し出がなく、また、お薬手帳を持参されていなかったとのことでした。
 8月30日の安対調査会では、医療関係者向けに、妊娠に係る資材活用の徹底と妊娠と薬情報センターの活用を周知する事務連絡の発出を行うことなどについて了承され、同日付けで事務連絡を発出しました。
 10月30日の安対調査会では、国民向けに、薬の併用時の妊娠の可能性の確認の重要性をX(旧Twitter)や厚労省ホームページによる周知を継続すること、企業から併用薬の服用に関する確認の重要性の周知を行うことで了承されました。
 11月14日に、一般社団法人日本感染症学会、公益社団法人日本化学療法学会及び公益社団法人日本産科婦人科学会、並びに公益社団法人日本医師会及び公益社団法人日本薬剤師会により、妊婦禁忌の新型コロナウイルス感染症治療薬の処方並びに調剤に関する合同声明文、また、関連学会により患者さん向け合同声明文が公表されましたので、参考資料1のとおり、周知依頼の事務連絡を発出しています。
「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」は、以上となります。
○事務局 続いて、資料2-5「要指導医薬品のリスク評価について」を御覧ください。要指導医薬品のリスク評価については、製造販売後調査及び副作用報告に基づいて、重篤な副作用の発生状況を評価し、製造販売承認の拒否事由に該当する状況にないことを確認するものですが、この手続の確認は安全対策調査会で行い、その結果を本部会に報告することとなっております。本日は、この手続にのっとり、精製ヒアルロン酸ナトリウム及びベポタスチンベシル酸塩について、確認結果を部会に報告するものです。
 まず、精製ヒアルロン酸ナトリウムについて説明します。資料2~4ページを御覧ください。販売名は「ヒアレインS」です。効能・効果は、「目の次の症状である、乾き、異物感(コロコロ、チクチクする感じ)、疲れ、かすみ、ソフトコンタクトレンズ又はハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感、の緩和」です。用法・用量は、「1回1滴、1日5~6回点眼してください。」とされています。
 製造販売後調査概要(第一・二次報告書)を御覧ください。特別調査とは、個別に薬局と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数1,288症例で、副作用が21例32件でした。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として報告されたものは資料に記載のとおりです。使用者もしくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、35例49件の報告でした。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として報告されたものは資料に記載のとおりです。
また、本製剤は、症状の改善が見られても2週間以上使用する場合は、医師、薬剤師等に相談することとなっておりますが、相談されずに使用されていた事例が一定数認められたため、使用者向けの注意喚起文書の作成や、販売店勉強会の実施などの改善策を講じた上で、追加調査を行っております。調査期間中の改善が認められたため、引き続き適正使用の周知等に努めると企業から説明されております。副作用の報告状況については、特別調査は363症例で、副作用は1例1件でした。この1件は、重篤と判断された症例、未知の副作用として報告された症例ではありませんでした。一般調査は、6例8件の報告で、このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として報告されたものは資料に記載のとおりです。
 資料の1ページに記載しておりますが、以上の内容について、参考人として眼科の専門家の参加の下で審議を行った結果、製造販売後調査において、特段懸念される副作用が発現していないことなどを踏まえ、要指導医薬品から一般用医薬品へ移行することは問題ないと評価されました。
 続いて、ベポタスチンベシル酸塩について説明します。資料5、6ページを御覧ください。販売名は「タリオンAR」です。効能・効果は、「花粉、ハウスダスト(室内塵)などによるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりのような鼻のアレルギー症状の緩和」です。用法・用量は、「成人(15歳以上)1回1錠を1日2回、朝夕に服用する。」とされています。
 「製造販売後調査概要」を御覧ください。特別調査では、調査症例数3,472症例(うち、対象は3,244例)で、副作用が100例126件ありました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、こちらに記載のとおり報告されています。一般調査については、9例13件報告され、重篤な副作用はなく、未知の副作用については記載のとおりです。
 こちらも、1ページに記載しておりますが、以上の内容について、参考人として耳鼻咽喉科の専門家の参加の下で審議を行った結果、製造販売後調査において、特段懸念される副作用が発現していないことなどを踏まえ、要指導医薬品から一般用医薬品へ移行することは問題ないと評価されました。
資料2-5の御説明は以上です。
○事務局 続きまして、資料2-6-1について説明いたします。ニトロソアミン類については、複数の医薬品からニトロソアミン類の一種であるNDMAが検出されたことを受けて、国内外で大部分の医薬品を対象としたニトロソアミン類混入リスクの自己点検が行われております。ニトロソアミン類が検出された場合に、構造が類似する化合物のデータに基づき、1日許容摂取量を設定してきました。しかしながら、このアプローチには、構造が類似する化合物の選び方について確立した方法がないという課題がありました。
 このような状況の中、1日許容摂取量を設定する手法の一つとして、本年7月に欧州医薬品庁がCPCAというアプローチを公表しております。CPCAは、1日許容摂取量を設定するために必要な毒性データのないニトロソアミン類について、化学構造に関するアルゴリズムを用いて、1日許容摂取量を18、100、400又は1,500ngのいずれかに分類する手法となります。
 本邦においてもCPCAの実装の可否を検討し、本年8月にこちらの事務連絡を発出し、1日許容摂取量を設定するために必要な毒性データのないニトロソアミン類については、CPCAを使用しても差し支えない旨を、質疑応答集に追加し周知しておりますので、御報告いたします。
 次に、資料2-6-2について説明いたします。シタグリプチンにつきましては、ニトロソアミン類の一種であるNTTPが検出されたことを受け、昨年9月に事務連絡を発出し、患者自身の自己の判断により本剤を中止しないことを周知していました。本事務連絡は、追加で実施された非臨床試験の結果が得られたことなどを踏まえて、健康影響評価を行ったことを周知するものとなります。
 「1.」のとおり、NTTPは、本剤の原料又は製造工程中の分解産物がニトロソ化することにより生成すると考えられています。NTTPの1日許容摂取量は、先ほど説明したCPCAの公表前では、構造類似物のデータに基づき37ngが適当である旨公表されていましたが、CPCAに基づけば100ngとなります。本剤において、NTTPの1日許容摂取量を上回るロットが認められていることから、本剤の製造販売業者は、製法変更等により製剤中のNTTPを37ngまで低減する方針で、現在検討を進めております。
 続いて、「2.」を御覧ください。こちらは健康影響評価になります。本剤の国内での承認から、市場の製剤がNTTPを低減した製剤に完全に入れ替わると見込まれる時期(令和9年2月予定)ですけれども、それまでの間に、本剤100mgを毎日服用した場合の、理論上の発がんリスクが計算されており、1日許容摂取量を37ngとした場合には、およそ11万5,000人に一人が、1日許容摂取量を100ngとした場合にはおよそ31万2,000人に一人が、過剰にがんを発症する程度のリスクに相当すると評価されています。
 「3.」の対応を御覧ください。医療機関等に対しては、先ほど説明したリスクの程度を踏まえて、本剤を使用するかを検討してほしいことや、引き続き患者の自己の判断のみにより服用を中止しないよう説明いただくよう、周知をお願いしているところです。説明は以上となります。
○事務局 資料2-7-1を御覧ください。令和5年8月10日付けで医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知「「緊急安全性情報等の提供に関する指針について」の一部改正について」を発出しましたので、御報告させていただきます。
「緊急安全性情報(イエローレター)」及び「安全性速報(ブルーレター)」の医療機関への情報提供については、これまで緊急安全性情報は原則直接配布、安全性速報は直接配布に加えて、ファックス、電子メール、ダイレクトメール等によることとされてきましたが、近年、医療機関等において、情報を電子的に入手することへのニーズが高まっていることを踏まえ、「緊急安全性情報等の提供に関する指針について」を一部改訂いたしました。
 主な改訂内容は、「緊急安全性情報」については、従来の直接配布に加えて、迅速性や網羅性の向上を目的として、「安全性速報」における情報提供と同様に、ファックス、電子メール、ダイレクトメール等を使用した情報提供を可能とすること。「緊急安全性情報」、「安全性速報」及び改訂後の注意事項等情報については、必要に応じて、直接訪問やオンライン面談、電話等を活用し、より詳細な情報提供を行うことになります。
 また、本改訂に伴い、資料2-7-2「緊急安全性情報等の提供に関する指針に関する質疑応答集(Q&A)について」、及び資料2-7-3「E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告に関するQ&Aの改正について」においても、所要の改正を行っています。
資料2-7-1~資料2-7-3について、報告は以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。ただいま事務局から、資料2-1~資料2-7-3まで御説明いただきましたけれども、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。特に御意見はないようですので、議題2の報告は以上となります。ありがとうございました。
 それでは、議題3「医薬品等の副作用等報告の状況について」に入りたいと思います。事務局より御説明をお願いします。
○事務局 資料3-1を御覧ください。医薬品医療機器等法第68条12の規定に基づき、厚生労働大臣は、副作用等の報告状況について、薬事・食品衛生審議会に報告することとされておりますので、本資料に基づき御説明いたします。
 今回の報告期間は、令和5年4月1日から令和5年7月31日までです。資料の「1.」には、製造販売業者からの副作用報告と感染症報告の状況を示しております。(1)には国内症例、(2)には外国症例の報告件数をお示ししており、国内症例について副作用報告は前回と比べて減少、感染症報告はほぼ横ばいで推移しています。2万2,607件のうち、約1,004件はコロナワクチンに関する報告であり、コロナワクチンの報告に関しては前回から減少しています。(1)の国内症例の内訳は資料3-2にまとめてお示ししております。
 (3)には、医薬品たるコンビネーション製品における機械器具等に係る部分の不具合報告件数をお示ししております。医薬品たるコンビネーション製品とは、インスリンペン注等、機械器具等と一体的に販売するものとして承認を受けた医薬品をいうものであり、例えばインスリンペンのペン部分の故障といった不具合の報告件数を示したものとなります。医療機器・再生医療等製品安全対策部会への報告件数を再掲していることから、本資料の中でこの箇所のみ報告期間が異なることに御留意ください。この内訳についても、(1)と同じく資料3-2にまとめてお示ししております。
 (4)には、外国での新たな措置の報告件数をお示ししており、前回と比べて件数は減少しておりますが、年単位では横ばいであり、その変動の範囲と理解しています。内容については資料3-3にお示ししております。
 (5)には、研究報告の報告件数をお示ししており、こちらは前回と比べて減少していますが、年単位では横ばいであり、その変動の範囲と理解しています。報告された文献等のリストは資料3-4にお示ししております。
 続いて「2.」、医薬関係者からの報告について御報告いたします。ワクチン類を除く医薬品の副作用報告と、ワクチン類の副反応報告とに分けてお示ししており、これらのうち、重篤症例については、企業若しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構が詳細調査を行うこととしておりますので、重篤なものの件数及びそのうち機構が詳細調査を行った報告の件数についてもお示ししております。このうち、ワクチン類の副反応報告及び予防接種後副反応疑い報告の件数は、前回から約531件減少していますが、新型コロナワクチンの副反応報告の減少が影響しているものと考えられます。また、ほかのワクチン類の報告件数は、ほぼ横ばいでした。なお、機構が詳細調査を行った報告の内訳については、資料3-5にまとめてお示ししております。
 最後に、「3.副作用救済給付又は感染症救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」について、御報告いたします。報告期間内に救済給付に関する決定がなされたものの件数を、副作用救済給付、感染症救済給付についてお示ししております。なお、その内訳は資料3-6にまとめてお示ししております。
資料3-1~3-6については以上です。
○事務局 続きまして、「患者からの医薬品副作用報告の状況について」を御説明いたします。資料3-7を御覧ください。
「患者からの医薬品副作用報告の状況について」は、今回報告分は、令和5年4月1日から令和5年7月31日までの分となります。今回の報告期間中の総受付症例数は105例でした。そのうち、未回復、後遺症がある又は死亡したと報告された症例は79例でした。105例の内訳として、医療用医薬品を一つでも含む報告は101例であり、要指導・一般用医薬品を一つでも含む報告は4例でした。
 全症例の副作用報告の状況は、医療用医薬品については別紙1に、要指導・一般用医薬品については別紙2に、それぞれラインリストを示しております。医療用医薬品について報告された副作用のうち、報告の多い薬効分類は、上からワクチン類、解熱鎮痛消炎剤、精神神経用剤でした。資料3-7につきましては、以上でございます。
○岡部会長 それでは、資料3のシリーズについて、ただいまの事務局からの御説明に対して、何か御意見や御質問等はございますか。よろしいでしょうか。それでは、特に御意見や御質問等がないようですので、議題3の報告は以上となります。
それでは、議題4「医薬品の感染症定期報告の状況について」です。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 議題4、感染症定期報告について御報告いたします。資料4-1、資料4-2になります。
まず、感染症定期報告について、制度の概要について御説明いたします。医薬品医療機器等法に基づく副作用等報告におきましては、製造販売業者から、その製造販売をする医薬品によるものと疑われる副作用・感染症を報告することが義務づけられております。他方で、血液製剤やワクチン等の生物由来製品につきましては、その原料はヒトその他の生物に由来するため、細菌、ウイルス等が含まれている可能性が完全には否定できません。また、その感染症自体の性質として、時間の経過に伴い、軽減することなく一定期間後に症状が顕在化してくるという可能性もあります。このような性質も踏まえまして、生物由来製品につきましては、製品への直接的な影響が不明であるものも含め、定期的に、製品の原料、材料による感染症に関する報告を行うことを義務づけられており、これが感染症定期報告です。
なお、感染症定期報告で寄せられたものにつきましては、本医薬品等安全対策部会のほか、血液事業部会運営委員会においても報告を行っております。以上が感染症定期報告の概要です。
 資料は、資料4-1と4-2がございますが、資料4-2が重複を含む期間中の全ての報告です。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料4-1になります。
それでは、資料4-1を御覧ください。今回の報告は、令和5年4月1日から令和5年7月31日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略いたしますが、今回新たに報告された文献は22件ございました。これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員と宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に、事前に御確認いただいております。この場で紹介すべきコメントは頂いておりません。議題4については以上です。
○岡部会長 それでは、ただいまの事務局からの御説明に対して、御意見や御質問等はございますか。よろしいでしょうか。そうしましたら、議題4の報告は以上となります。
予定しておりました議題は以上ですけれども、事務局から何かありますか。
○事務局 事務局でございます。先ほど議題1のところで、平和委員から議決の参加について御指摘がありましたけれども、会議後に念のため確認をさせていただいて、申告の公開の手続等を進めさせていただければと思っております。
そのほかについては特にございません。本部会の次回の開催については、委員の先生方に改めて御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。
○岡部会長 何かございますか。佐藤好美委員、お願いします。
○佐藤(好)委員 どこで発言していいか分からず、「その他」のところまで待とうかなと思いまして、タイミングを外しました。失礼いたしました。議題にはありませんが、一つ気になっていることを申し上げたいと思います。GLP-1受容体作動薬についてです。糖尿病治療薬ですけれども、自費診療などで美容目的に使う傾向が加熱しています。糖尿病の患者さんへの薬剤確保に支障を来たしており、厚労省が安定供給に向けて事務連絡を出されたことは承知しています。安定供給だけでなく、安全性の点でも問題があると思っています。美容目的に使う場合の方法も、安全性も分かっておりませんし、また、海外の文献では、少なからず副作用があることが指摘されています。自費診療の薬剤治療については、医薬局の管轄外ではあると思うのですけれども、それにしても、何らかの注意喚起が必要ではないかと思いました。以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。話題になっておりますけれども、何か事務局の方でありますか。
○事務局 清水先生、お手を挙げられていたように思いますが、御発言等ございますでしょうか。
○清水委員 発言させていただけるのであれば、この御質問に関しての御回答の後で結構ですので。今の佐藤先生の御質問とは別件ですので。
○岡部会長 別件ですか。それでは、この後で。
○事務局 先ほど佐藤好美委員から御指摘いただきましたGLP-1受容体作動薬について、あくまで現在製造販売されているGLP-1受容体作動薬ということで申し上げますと、2型糖尿病の治療のみを効能・効果として承認されたものということになっておりまして、それ以外の使用目的による安全性や有効性については、確認されておりません。
 この薬剤は、重大な副作用として、急性膵炎等の注意喚起をさせていただいているところでもありますし、予期せぬ副作用というのも起こり得るものと考えておりますので、美容・痩身目的での安易な使用というのは十分に注意が必要なものだということで、事務局としても認識しています。
 GLP-1受容体作動薬の適応外使用については、関連学会や製薬企業の方から文書が出されておりまして、機構のホームページに掲載して、適正使用に係る注意喚起等を行っているところです。本件は、安定供給の問題など他方面から課題があるものと認識しておりますので、我々としましても関係部署とも連携しながら、引き続き注意喚起の取組などを行っていきたいと考えています。以上です。
○岡部会長 よろしいでしょうか、佐藤委員。
○佐藤(好)委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。
○岡部会長 ありがとうございます。そうしましたら、清水委員、どうぞ。
○清水委員 まず、その前に、今の佐藤先生のコメントのGLP-1受容体作動薬に関しては、今、糖尿病しか適応をとっていませんが、肥満に対する有効性を示した論文が最近ニューイングランド・ジャーナルに出まして、それによって肥満に対して今後は使えることになるのかもしれませんけれども、現在のところは糖尿病しか保険適用をとっていませんので、日本循環器学会等でも、その辺りは注意して働きかけをしていこうと思っています。
 私の質問は、資料2-2のMID-NETの行政利用のところで、ゾコーバと従来のラゲブリオの比較のところが出たのですけれども、もちろんゾコーバは、まだ発売になって間もないので、症例数が圧倒的に少ないですが、この有意差に関しては、プロペンシティスコアマッチング等をされたのでしょうかというのが、1点目の質問です。
○岡部会長 ありがとうございます。資料2-2に戻っていただきまして、事務局、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。資料2-2の5ページの、ゾコーバ錠の解析の内容についての御質問に回答させていただきます。こちらの結果につきましては、あくまで探索的にシグナルを検出することを目的としておりますので、プロペンシティスコアマッチングのような調整までは実施をしておらず、表に記載のとおり、性別と年齢のみでの調整した結果をお示ししているところでございます。
○清水委員 どうもありがとうございます。もう一点は、資料2-3のワクチンの安全性に関する御報告で、資料2-3の4ページ辺りですけれども、今回、心筋炎を発症した方でコロナワクチンとの因果関係がという報告がありまして、比較的若い基礎心疾患のない患者さんで、1日ぐらいで死亡されたということで、大きな問題かなと思います。ただ、全体としては、4ページの表4で見ますと、因果関係が否定できないものというのが少ないので、余り大きな問題にならないのかもしれませんけれども、現在、私は日本不整脈心電学会の理事長も拝命しておりまして、この辺りは循環器系の学会としてどのように対応していったらいいものか、もし何か厚労省の方からアドバイスのようなものを頂けましたらと思いまして。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。心筋炎、心膜炎につきましては、比較的若年の男性が多いということで、既に添付文書にも記載させていただいているところでして、もちろん接種をした際に、その後の経過ということについて、これはそれ以外の年齢、性別の方々も同じではございますけれども、注意をして見ていただく、あるいは、そういうことでおいでになった際に、ワクチンの接種の有無などを聞いていただけるようですと、その辺りの評価が進むのかとは考えております。
○清水委員 分かりました。どうもありがとうございました。以上でございます。
○岡部会長 ありがとうございました。そのほか、何かございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の部会は以上で閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
 
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬安全対策課 課長補佐 浦(内線2752)