2024年1月11日 第99回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局総務課首席年金数理官室

日時

令和6年1月11日 10時00分~12時00分

場所

全国都市会館 大ホール

出席者

(委員)
 翁部会長、野呂部会長代理、小野委員、駒村委員、佐藤委員、庄子委員、寺井委員、枇杷委員、山口委員

議題

  1. (1)令和4年度財政状況について-国家公務員共済組合-
  2. (2)令和4年度財政状況について-地方公務員共済組合-
  3. (3)令和4年度財政状況について-私立学校教職員共済制度-
  4. (4)その他

議事

議事内容
○村田首席年金数理官 それでは、定刻になりましたので、ただ今より、第99回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。
 審議に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
本日準備している資料は、議事次第、委員名簿、座席図のほか、
資料1「令和4年度財政状況-国家公務員共済組合-」
資料2「令和4年度財政状況-地方公務員共済組合-」
資料3「令和4年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」
資料4「令和4年度実績と財政検証における将来見通しとの比較」
でございます。
 次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、全ての委員が御出席されております。
御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
なお、駒村委員、寺井委員、山口委員につきましては、オンラインでの御参加でございます。
また、寺井委員におかれましては、御都合により途中で御退席される御予定でございます。
 それでは、以降の進行については、翁部会長にお願いいたします。
 
○翁部会長 委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、ありがとうございます。
 社会保障審議会年金数理部会では、年金制度の安定性の確保に関し、毎年度報告を受けております。本日は、令和4年度財政状況について、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度の報告を聴取いたします。
 カメラの方がいらっしゃいましたら、ここで退室をお願いいたします。
 
(カメラ退室)
 
○翁部会長 本日の聴取にあたりましては、昨年度までと同様、資料4につきましては、令和元年財政検証における実施体制を踏まえ、各共済組合等の財政状況に関する資料とは別に、各制度をまとめた形で御準備いただいております。こちらにつきましては、その他の資料と併せて、各共済所管省から御説明をいただきますが、皆様からの御質問に対しては、財政検証について主要な役割を担う厚生労働省からも御説明をいただくこととします。
 それでは、議題(1)に入ります。本日は、お忙しい中、財務省主計局給与共済課の山本課長と土田共済計理官、国家公務員共済組合連合会の辻年金企画部長、小西資金運用部長、小林運用リスク管理室長と高橋年金企画部数理第一課長に御出席いただいております。
 それでは、令和4年度の国家公務員共済組合の財政状況について、説明をお願いいたします。
 
○山本給与共済課長 御紹介をありがとうございます。よろしくお願いします。
 それでは、資料1から御説明させていただきます。資料1の1ページを御覧ください。厚生年金保険給付を取り扱う厚生年金保険経理の収支状況についての推移になります。令和4年度の収入ですけれども、収入総額は3兆1567億円となっております。国共済の会計につきましては、法令上、簿価ベースを原則としておりますが、預託金時価ベースでは括弧書きになりまして、そちらが括弧書きの2兆9218億円となっております。収入の内訳を御覧ください。まず、保険料収入は1兆2814億円、国庫・公経済負担は3036億円、追加費用は1172億円、運用収入は3616億円となっております。なお、正味の運用収入では3583億円、預託金時価ベースの運用収入は1234億円となっております。これらを利回りにいたしますと、下から2段目の積立金運用利回りにございますように、簿価ベースでは5.42%、預託金時価ベースでは1.47%となります。このほか、収入の欄に戻っていただきますと、基礎年金交付金は224億円、厚生年金交付金は1兆676億円、その他の収入は29億円となっております。次に、支出の欄に移っていただきますと、支出総額は2兆9095億円、その内訳は給付費は1兆2275億円、基礎年金拠出金は5951億円、厚生年金拠出金は1兆260億円となっております。このように、被用者年金一元化後は、厚生年金交付金と厚生年金拠出金によって厚生年金勘定と共済組合等の間での交付や納付を行い、厚生年金等給付に要する費用を分担しております。地方公務員共済とは、平成16年度以降、財政単位の一元化により、財政調整の仕組みが導入されていますけれども、これに伴う地方公務員共済への財政調整拠出金523億円が計上されております。その他の支出としては、87億円がございます。令和4年度には、以上のような収入・支出がございました結果、収支残はプラス2471億円、また、年度末積立金は6兆9602億円となっております。預託金時価ベースでは、収支残はプラス123億円、年度末積立金は8兆4874億円となっております。
 次に、2ページを御覧ください。給付の状況について御説明いたします。まずは、被用者年金一元化前に受給権が発生した共済年金受給権者と被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金受給権者の合計ですが、令和5年3月末の国共済の受給権者数は、右から2番目の列の一番上の欄にありますように、合計で130万9000人となっておりまして、前年度に比べて、右の欄に行きますと、マイナス1万1000人、0.8%の減少となっております。年金総額につきましては、受給権者数の下の欄を御覧いただきますと、合計で1兆4258億円となっておりまして、右側を見ますと、その前年度に比べ、マイナス463億円、3.1%の減少となっております。
 めくっていただきまして、3ページを御覧ください。被用者年金一元化前に受給権が発生した共済年金受給権者の状況ですが、令和5年3月末の国共済の受給権者数は、右から2番目の列の一番上の欄にあるように、合計で79万9000人となっております。前年度に比べて、マイナス4万7000人、5.5%の減少となっております。年金総額につきましては、下の欄になりますが、合計で9752億円、前年度に比べて、マイナス747億、7.1%の減少となっております。この年金総額には日本年金機構が支払っている基礎年金は含まれませんが、昭和61年3月までに裁定された者の基礎年金に相当する分は含まれています。なお、共済年金受給権者の新規発生は原則ございませんので、減少のみとなっております。
 次の4ページを御覧ください。被用者年金一元化後に受給権が発生しました厚生年金受給権者の状況ですが、令和5年3月末の国共済の受給権者数は、右から2番目の列の一番上の欄にあるように、合計で51万人となっています。前年度に比べ、プラス3万6000人、7.6%の増加となっています。年金総額につきましては、下の欄になりますが、合計で4507億円、前年度に比べ、プラス284億円、6.7%の増加となっています。この年金総額には日本年金機構が支払っている基礎年金は含まれておりません。このように、厚生年金受給権者は新規発生により年々増加しております。なお、下の欄の特記事項、注2にありますように、平成29年8月に施行された受給資格期間短縮の対象者は1万774人となっております。
 5ページを御覧ください。共済年金受給権者の減額支給・増額支給の状況です。令和5年3月末の男女合計におきまして、減額支給が5万人、増額支給が4,000人となっております。
 次、6ページの厚生年金受給権者では、令和5年3月末、男女合計で繰上げ支給が1万人、繰下げ支給が6,000人となっております。なお、下の欄の特記事項にありますように、令和4年度末時点で70歳の老齢厚生年金受給権者の繰下げ状況は、繰下げ率が2.0%となっております。また、繰下げ率について、年金数理部会からの要請を受けまして、令和5年3月末の状況から対応させていただいたところです。
 7ページを御覧ください。被用者年金一元化前に受給権が発生した共済年金受給権者と被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金受給権者における老齢・退職年金の平均年金額及び平均加入期間となります。受給権者の合計の令和5年3月末を御覧いただきますと、一番上の男女合計の老齢・退年相当で12万7022円となっております。前年度に比べ、マイナス1,675円、1.3%の減少となります。先ほど申し上げましたとおり、平均年金月額には、日本年金機構から支払われる基礎年金が含まれておりません。そこで厚労省から提供されたデータを用いて、基礎年金額を含む平均年金月額を推計したところ、その下の欄にありますように、18万4220円となりまして、前年度に比べ、プラス118円、0.1%の増加となっております。平均加入期間は435月であり、前年度に比べて、1月の増加となっております。下段の男女別ですけれども、男性の老齢退職相当で12万9821円、女性の老齢退職相当で11万2879円となっております。
 8ページを御覧ください。共済年金受給権者の令和5年3月末を御覧いただきますと、一番上の男女合計の退年相当で13万3969円、前年度に比べ、マイナス1,648円、1.2%の減少となっています。厚労省から提供されたデータを用いて基礎年金額を含む平均年金月額を推計したところ、その下の欄にありますように、19万1801円となり、前年度に比べマイナス1,254円、0.6%の減少となっています。平均加入期間は430月であり、前年度と同じとなっております。
 9ページを御覧ください。厚生年金受給権者の令和5年3月末を御覧いただきますと、一番上の男女合計の老齢相当で11万3162円、前年度に比べ、マイナス298円、0.3%の減少となっています。厚労省から提供されたデータを用いて基礎年金額を含む平均年金月額を推計したところ、その下の欄にありますように、16万9096円となり、前年度に比べて、プラス4708円、2.9%の増加となります。平均加入期間は443月であり、前年度に比べ、1月の増加となっています。
 10ページを御覧ください。厚生年金受給権者の新規裁定者に係る平均年金月額及び平均加入期間となります。平均年金月額を御覧いただきますと、一番上の男女合計で11万247円、前年度に比べ、プラス2,266円、2.1%の増加となっています。その下の平均加入期間は443月、前年度に比べて3月の減少となっております。また、新規裁定者数は9,000人であり、前年度に比べて1万6000人の減少となっております。なお、現在年金の支給開始年齢が3年ごとに引き上がっておりまして、令和4年度は63歳から64歳に引き上がり、新規請求が足踏みをし、翌年度請求になりましたので、新規裁定者数が減少しております。
 11ページから13ページは、説明を割愛させていただきます。
 14ページを御覧いただけますでしょうか。14ページは被用者年金一元化前に受給権が発生した共済年金受給権者と被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金受給権者について、老齢・退年相当の年齢構成と平均年齢をお示ししたものです。男性・女性及び男女計とも70歳から75歳の階級が最も大きくなっています。男女計ではその割合が22.3%となっておりまして、その後、年齢階級が高くになるに従って減少しております。また、平均年齢は男性が76.9歳、女性が79.5歳で、男女合計では77.3歳となっております。
 15ページ、16ページを御覧ください。こちらは被用者年金一元化前に受給権が発生した共済年金受給権者と被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金受給権者において、老齢・退年相当、通老・通退相当の受給権者数の年金月額階級別分布をお示ししたものです。
 15ページを御覧いただきますと、共済年金受給権者でございますが、退年相当の男女計では年金月額階級が12万円以上13万円未満の割合が最も高く、15.7%となっており、分布の山を形成しております。また、通年相当・25年未満の男女計では、年金月額階級が1万円未満の割合が最も高く、63.7%となっており、加入期間の短い任期制自衛官がこの階級に含まれているものと考えております。
 16ページの厚生年金受給権者についてですが、老齢相当の男女計において年金月額階級が9万円以上10万円未満の割合が最も高く、13.9%となっており、分布の山を形成しております。
 17ページを御覧ください。被保険者の状況について、御説明いたします。初めに、「(再掲)短時間労働者」といった欄がありまして、そこの欄は斜線になっておりますけれども、こちらは、備考欄に記入しましたように、制度上短時間労働者は第2号厚生年金被保険者とならないためとなっております。また、被保険者の統計につきましても、全数調査となっています。こちらですけれども、令和5年3月末の欄を御覧いただきますと、一番上の107万9000人が被保険者数であり、前年度に比べ、マイナス7,000人、0.6%の減少となっています。男女別では、男性76万7000人、女性31万2000人となっており、全体の約7割を男性被保険者が占めております。徐々にですが、女性の被保険者の割合が増加してきています。その下の被保険者の平均年齢では、男女合計で42.2歳となっています。男女別では男性43.44歳、女性39.2歳となっており、年々、僅かずつですが、上昇しております。その下の標準報酬月額の平均は、男女合計で41万8331円、前年に比べ、プラス3,051円、0.7%の増加となっています。男女別では、男性43万9644円、女性36万5914円となっています。1つ下の表の上から順番に申し上げますと、標準報酬月額総額は5兆3997億円、前年に比べ、マイナス47億円、0.1%の減少となっています。また、標準賞与総額は、1兆6864億円、前年度に比べマイナス492億円、2.8%の減少となっています。標準報酬月額総額と標準賞与総額を合計した標準報酬総額は7兆861億円となり、前年度に比べ、マイナス539億円、0.8%の減少となっています。下の表の一番下にありますとおり、総報酬の被保険者1人当たりの月額は男女計で54万5586円、前年度に比べマイナス1,851円、0.3%の減少となっています。男女別では、男性57万5766円、女性47万1384円となっております。
 18ページから20ページを御覧ください。こちらは被保険者の年齢階級別、加入期間階級別の分布表でございます。
 18ページの男女合計では、45歳以上50歳未満の階級が15.1%と最も多くなっています。
 次、19ページの男性では、50歳以上55歳未満の階級が16.1%と最も多くなっています。
 また、次のページの女性では、25歳から30歳未満の階級が15.9%、45歳から50歳未満の階級が13.3%と山を形成しておりまして、男女とも傾向としては厚生年金第1号被保険者とおおむね同じ傾向となっています。
 21ページを御覧ください。被保険者の標準報酬月額等級の分布表となります。男女合計で65万円以上の階級が8.5%と最も多くなっておりますが、平均付近の41万円と44万円の階級も7.8%と山を形成しております。
 22ページを御覧ください。厚生年金保険経理の積立金の資産構成を示しております。このページは、預託金時価ベースの欄の数値で御説明申し上げます。令和4年度末における年金積立金の合計は8兆4874億円、そのほとんどを固定資産として運用を行っております。固定資産の内訳は、財政融資資金への預託金1兆5341億円、有価証券等6兆5569億円となっています。なお、預託金の時価については、財投預託金と同じ残存期間である国債の市場における利回りを基に算出しています。運用利回りとしましては、1.47%となっております。表には出ていませんけれども、資産の種類別に申し上げますと、国内債券がマイナス0.88%、国内株式が5.43%、外国債券がマイナス0.17%、外国株式が1.83%となっております。
 23ページを御覧ください。資産の区分別の内訳を示しております。年金積立金総額に占める割合は、国内債券が20.6%、国内株式は24.9%、外国債券が24.7%、外国株式が25.0%、短期資産が4.7%となっております。
 資料1の説明は以上となりますが、次に資料4を御覧いただけますでしょうか。
 資料4におきましては、令和元年の財政検証について、厚労省で作成をされたものですけれども、将来の見通しと比較を行うために共済組合から実績を提供させていただいております。比較に当たっては、厚生年金第1号や基礎年金の資料と同様に、実績を財政検証と比較可能な形に整えたものを用いて行っております。
 8ページをお開きください。8ページは、収支の状況についての比較表となります。この財政検証のベースの実績においては、特記事項及び脚注に記載しているとおり、確定値ベースの額に置き換えるなど、令和元年財政検証結果と比較のため、同水準となるよう組換えを行っています。また、比較については、将来の見通しのケースIIIと比較して御説明いたします。まず、収入の計の欄を御覧いただきますと、将来見通しのケースIIIでは、2兆8644億円であったのに対し、実績では2兆7797億円とマイナス847億円となっています。この乖離の要因ですけれども、保険料収入がマイナス520億円、厚生年金交付金がマイナス393億円となったことが挙げられます。保険料収入のマイナスは、被保険者数について見通しを2.8%上回ったものの、1人当たり平均の標準報酬額は6.6%下回ったことによるものです。次に、支出です。計の欄を御覧いただきますと、将来見通しのケースIIIでは2兆9426億円だったのに対し、実績推計は2兆7554億円、マイナス1873億円です。この乖離の要因ですけれども、基礎年金拠出金がプラス29億円となったものの、厚生年金拠出金がマイナス771億円、給付費がマイナス362億円、その他支出がマイナス769億円となったことが挙げられます。給付費が見通しを3.2%下回っているのは、令和4年度までの累計の年金改定率が、新規裁定者でマイナス2.0%、既裁定者でマイナス1.7%となっていること、受給者数の実績が見通しを下回ったことによるものです。なお、一方で、見通しは、受給資格期間10年要件を考慮せずに全員裁定していること、支給開始年齢に達している待期者は5年かけて全員を裁定していること、これも実績と見通しの違いには影響しているところです。また、基礎年金拠出金の実績が見通しを0.5%上回っているのは、給付費と同様に、年金改定率は実績が見通しを下回っている一方、基礎年金拠出金按分率の実績が見通しを2.7%上回ったことによるものです。
 9ページを御覧ください。被保険者数及び受給者数についての将来見通しと実績の比較となります。令和4年度の被保険者数は、将来見通しが105万3000人であったのに対し、実績は108万2000人、プラス2万9000人となっています。受給者数につきまして、将来見通しが132万6000人となっているのに対し、実績は127万6000人と、マイナス5万人となっています。
 10ページ以降では、各種財政指標について、実績と財政検証の比較をしております。10ページでは、年金扶養比率について比較をしています。令和4年度の年金扶養比率の実績は、上の表の一番左下にありますように、1.75となっています。財政検証結果が1.73となっており、実績がプラス0.02となっています。
 最後になりますが、11ページ、積立比率でございます。令和4年度につきましては、実績は6.2であり、括弧内の比率では5.9となっております。財政検証結果では、労働参加が進むケース、労働参加が一定程度進むケース、共に4.7となっており、実績と比較しますと、いずれも財政検証結果のほうが低くなっております。
 12ページ、総括のページを御覧ください。令和4年度国共済の状況について総括いたしますと、収支状況についてはおおむね例年並みの状況となるとともに、財政検証との比較においてもそれほど大きな乖離はなかった。給付状況については、給付費が年々減少傾向にあり、財政検証との比較においても、受給者数及び給付費について見通しをやや下回った。被保険者数については、前年度との比較では減少しているものの、財政検証との比較においては見通しをやや上回った。積立金運用については、長期的には必要となる実質運用利回りを確保してきている。そういった状況にあると考えております。なお、被用者年金一元化後の厚生年金全体の財政状況等につきましては、年金数理部会において評価をいただいているところですので、この総括欄には、厚生年金の実施機関としての国共済の状況を報告しているところでございます。
 以上でございます。
 
○翁部会長 御説明をどうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問がございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。駒村委員、お願いいたします。
 
○駒村委員 ありがとうございます。非常に丁寧に御説明いただきました。
 2点ほどありまして、資料1の21ページ、65万に張り付いている人の割合が8.5%、この上限部分の議論が今の年金部会でも少し出てきているのですけれども、8.5%というのは、増加傾向にあるのかどうか、過去からのトレンドを教えてもらいたいと思いました。それが1点目。
 2点目は、資料4、9ページの通老相当25年未満のところの数字が、100万人単位の中での議論ですけれども。5万人ということで一番ギャップが大きいかなと思っているのですが、この要因としては、2点書かれているのですけれども、全員裁定しているという点で、10年の資格期間を考慮しなかったと。実際に考慮すると5万人少なかったということですが、今後の財政検証においては、この部分は、どうしようもない、調整が難しい作業なのかどうか、この辺の難しさをお話しいただければなと思います。お願いいたします。
 
○翁部会長 ありがとうございました。
 それでは、お願いいたします。
 
○土田共済計理官 ありがとうございます。
 1点目の御質問は、標準報酬月額の一番上の階級にどれくらいの人数がいるかということで、今、手元に過去からの資料はないのですけれども、本年度は男女計で8.5%というところは本日の資料で御確認いただいたと思います。昨年度の数字を見ますと8.3%となっておりますので、1年の比較でどうかというところではございますけれども、同水準もしくは僅かに増えているのかなという状況でございます。過去につきましては、これまで年金数理部会に提出した資料がございますので、そちらをまた御確認いただければと思うのですけれども、毎年度、この年金数理部会では、財政状況報告という形で報告書をおまとめいただいており、こちらのほうに、国共済の標準報酬月額の分布につきまして、5年前、10年前と比較がございます。62万円の上限が65万円に上がっているといった状況もございますので、なかなか単純に比較できないところもありますが、そういったところも含めて、今後、検証いただければと思っております。
 以上でございます。
 
○佐藤数理課長 2点目について、厚生労働省の財政検証を担当している数理課から回答させていただきたいと思います。
 まず、受給資格期間10年要件を考慮していないという点につきましては、基礎データが現状では民間の厚生年金と共済で分かれておりまして、個人単位で通算したデータが取れていません。このため、10年要件を考慮というのは現状では厳しいということですが、もちろん検討課題ですので引き続き検討していきたいと思います。また、5年かけて全員裁定しているということについても、どのぐらい繰下げが発生するかということにも大きく関わってくるということだと考えております。こちらも、今後の課題だとは考えておりますが、現状、財政検証で繰下げを考慮していないということもあって、こういった形でやらせていただいています。ただ、いずれにしても、給付はどちらかというと多めに保守的に推計しているものだと考えておりまして、次善の策としてこういったやり方をさせていただいているものであります。
 以上です。
 
○翁部会長 ありがとうございます。
 駒村先生、よろしいでしょうか。
 
○駒村委員 結構です。
 ありがとうございます。
 
○翁部会長 ありがとうございます。
 それでは、ほかにいかがでございますか。
 枇杷委員、お願いします。
 
○枇杷委員 御説明をありがとうございました。
 財政報告の数字そのものの質問ではないのですけれども、かつ、ほかの共済様にも後ほど御回答いただけるということで、御質問させていただきます。こういった財政報告ですとか、運用状況の報告の取りまとめをされる体制ということでの質問になるのですけれども、いろいろな専門資格を持っている方がそれぞれいらっしゃると思います。アクチュアリーや証券アナリストという人たちがいるかと思うのですけれども、そういう方たちがどういうふうに関わっておられるのか、どういうポジションでどういうふうに対応をされて関わっておられるのかということと、そういう専門家といいますか、専門資格者の配置とか育成に関して、共済としてどういう取組をされていらっしゃるかということをお聞きできればと思います。
 以上です。
 
○翁部会長 それでは、御回答をお願いいたします。
 
○土田共済計理官 体制につきまして、今、御質問いただいたところでございますけれども、これについてはかくにんをいたしまして、後日回答させていただくような形でよろしいでしょうか。
 
○翁部会長 それでは、後日、よろしく御回答をお願いいたします。
 ほか、いかがでございますか。佐藤委員、お願いします。
 
○佐藤委員 御説明をどうもありがとうございます。
 私は積立金の運用状況に関する確認なのですけれども、資料1の22ページ目のところで、昨年度の運用利回りは、時価で見た場合、2.05%、これは他の共済やGPIFと比較して高いのですけれども、この差分は、この括弧書きにあるように、預託金の評価によって差が分かれている。これを時価に引き直すと、ほぼ一緒という理解で合っていますでしょうか、また、この預託金は年々減っていくという理解で合っていますでしょうか。
 以上、2点です。
 
○翁部会長 それでは、御回答をお願いいたします。
 
○小西資金運用部長 それでは、国家公務員共済から回答させていただきます。2.05%の理由でございますけれども、委員の御理解のとおり、預託金が簿価で評価されているということでございます。したがいまして、そこを同一年限の国債で評価し直すと他団体並みということでございます。
 2点目のところでございますけれども、すみませんが、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか。
 
○佐藤委員 預託金のウエート、金額が昨年に比べて減少しているのですけれども、これは年々減っているという理解で合っていますでしょうか。
 
○小西資金運用部長 失礼いたしました。資産運用委員会という外部の専門家から御意見を伺う委員会においても預託金には流動性の問題があることから、減らしていくよう御意見をいただいているところであります。したがって、新たな預託金というのは行っておらず、減らしていっているということでございます。
 
○佐藤委員 ありがとうございます。
 
○翁部会長 このほかはいかがでございますか。
 寺井委員、御質問は大丈夫でしょうか。
 
○寺井委員 ありがとうございます。心遣いに感謝いたします。
 それでは、1つだけお伺いしたいと思います。確認なのですけれども、2ページの資料で、一部支給と全額停止が両方とも減っていると思うのですけれども、理由としまして、全額支給については、特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職中の老齢年金の支給停止基準の見直しがあると事前にお伺いしています。説明をありがとうございます。一部停止についてもやはり同じような動きをしているというのは、これも制度変更の影響と見ていいのでしょうか。それともほかの要因がありますでしょうか。お伺いできたらと思います。よろしくお願いいたします。
 
○土田共済計理官 お答え申し上げます。
 令和4年度ということで、令和4年の4月から在職老齢年金の見直しが行われておりますので、そういった結果が統計に表れているのかなという認識ではございます。一部支給についても、そういう認識でございます。
 
○寺井委員 分かりました。壁みたいなものが、収入の壁といいましょうか、ちょうど境目が動くという印象でしたので、全額停止が大きく変化するというのは分かったのですけれども、一部停止が大きく変化するというのが少し疑問に思ったものですから、お伺いしました。でも、制度の影響が大きいと予想されているということで、よく分かりました。ありがとうございます。
 
○翁部会長 追加的に御説明はございますか。よろしいですか。国共済のほうからよろしいですか。
 分かりました。どうもありがとうございます。
 それでは、野呂委員お願いします。
 
○野呂部会長代理 どうもありがとうございます。
 まず、お願いが2点ございまして、1つは、さっき佐藤先生からも出た話ですけれども、前回の厚年のときも時価ベースの運用収益とは何かというのが私も勉強不足もあり、よく分かりませんでした。3共済につきましても、いわゆる実際に直利で入ってきた部分と、その預託金からある意味で予算的な部分が混じっているのではないかと思うのですが、時価での運用収益について、あるいは、時価での運用利回りについて、その中身がもう少し分かるようにできれば、時系列の評価もしやすいかなと思いまして、御検討いただければと思います。
 それから、もう1つのお願いが、資料4の総括で、これは3共済とも同じような話なのですけれども、非常に簡潔に書いていただければいいのですが、はっきり言いますと、簡潔過ぎるといいますか、もう少し事実に対する原因の分析であるとか、あるいは、これについて問題なのか問題ではないのかという評価であるとか、あるいは、厚年などでありましたように、運用ベースのものと基礎収支のベースのもので分けて分析してみるとか、もう少し角度をつけた総括だと、読んでいる人についてはすとんと理解ができるのではないかなと思いました。
 それから、細かい技術的な質問が幾つかあるのですけれども、時間はよろしいですか。
 1つは、資料1の最初のページなのですけれども、厚生年金拠出金が昨年よりは減っておりまして、厚生年金拠出金は実質的な支出を占めるものと思いますので、どういう理由で減っているのかを聞きたい。単純な質問です。
 同じように、単純な質問ですけれども、注2のところに財政調整Aが1050億円ということであるのですけれども、その中の当年度分発生分で、2年前の精算を除いた分が1091億円と書いてあるのですけれども、去年は671億円だったので、当年度分が急に増えていることの理由が何かなと。これも単純な質問でございます。
 最後ですが、17ページの被保険者数のところですけれども、これまで全体的には徐々に増えてきました。しかし、今年は男性を中心に被保険者数が1万人ぐらい減っていまして、去年、寺井委員が御質問されまして、国立病院あるいは自衛官などのコロナ対応の職員が去年は非常に増えたという御説明があったと思うのですけれども、今年減っているのはその反動なのでしょうかね。そうしたところについて御説明いただけたらと思います。
 以上でございます。
 
○翁部会長 それでは、御回答をお願いいたします。
 
○土田共済計理官 幾つか御質問いただいて、順番にお返ししたいと思います。まず最初に、その運用収入、簿価には何が含まれているのかということでございますけれども、時価評価を行っていなかった20年前を思い出していただければと思うのですが、運用収入としては、受け取った利息ですとか、信託の運用益という形で既に決算上額として実現しているものを簿価ベースの運用収入として計上させていただいております。運用収入については、国民年金や厚生年金とは仕組みが違いますので、予算ベースで何かを立てて、その額を受け入れるという形にはなっていないところでございます。
 それから、総括欄についてですが、今年度の総括欄につきましては、昨年の部会の議事録を参照いたしまして、昨年の部会において、口頭で総括させていただいたことをベースに、事務局とも相談しまして、こういった形のお答えをさせていただいたところでございます。確かにこれでは物足りないと受け止められる部分もあるかとは思っていまして、例えば、国共済の状況が厚生年金全体の財政にどういうふうに影響を与えるのかというようなことも書けたらいいなとは思ったのですけれども、給付費にしろ、積立金にしろ、厚生年金全体の中で国共済の占める割合というのは5%にもいかないような大きさですので、ここで少し変動があったことで厚生年金財政に影響を与えるというようなことを書くのは難しいかなということは考えてございました。その上で、もう少し分析を高度化するなりして総括欄を作成するということにつきましては、今後、検討していきたいと思いますし、また、資料4につきましては、財務省単独で作成しているわけではなく、4省連名になってございますので、もし書けることがあれば、年金局等とも相談した上で、充実させていきたいと考えてございます。
 それから、次、3つ目は財政調整でよろしかったですか。
 
○野呂部会長代理 厚年拠出金です。
 
○土田共済計理官 厚生年金拠出金につきましては、決算のベースで見ると若干動きがあるのは確かなのでございますけれども、厚生年金拠出金についても、例年、財政状況報告をおまとめいただく過程において、確定値ベースの数値を、事務局を通じて、おまとめいただいているところでございます。それを見ますと、令和4年度についても、これまでと大きな変更はなく、数値は推移しておりますので、ここについて、どうしても、概算、精算、概算、精算といった形でやっている中でのシーソーのような動きみたいなものはございますけれども、トレンドとしては、平成27年10月以降の被用者年金一元化後、各実施機関のバランスが大きく崩れてきているような状況にはないと認識しているところでございます。
 最後、国共済と地共済の財政調整の話ですけれども、今年度の前年度精算額が非常に多かったということにつきましては、一番大きいのは財政調整Bの前々年度精算額が500億円程度返ってきたというところで、概算の段階で527億円を見込んでいたものが、実際にはそれが発生しませんでしたので、翌々年度に返ってきたという形で、見かけ上、この要素もあって減っているということです。実際にはその少し前にございますように、財政調整Aの1000億円程度の規模の財政調整が行われていたと御認識いただければと思います。
 
○野呂部会長代理 その財政調整Aの中の当年度分というのが突然増える理由がよく分からなかったのですが。
 
○土田共済計理官 こちらにつきましては、まず、ルールの御説明からさせていただきたいのですけれども、法律の規定によって、厚生年金の外にある旧3階において、国共済の積立金がもう枯渇した場合には、地共済から財政調整を受けることとなっていまして、その場合には、それと同額を厚生年金の中の国共済と地共済の財政調整で地共済へ返すこととなっています。これは法律上、国共済が先に枯渇しても、地共済が先に枯渇しても、同じようにやるというルールになってございます。現実には、国共済のほうが先に積立金が枯渇したという状況で、現在、地共済から旧3階については受け入れているということでございます。これが突然起こったのかということでございますけれども、これについては、年金数理部会で令和元年財政検証のピアレビューを行う際にも御確認いただいて、実際、ピアレビューの報告書の中でも、こういう状況が起きるということは御確認いただいた上で評価をいただいており、その際には、その前提となる経過的長期経理、旧3階の収支見通しも併せて見開きで示すことによって、見開きの右側でこういうことが起こるから、左側でこういうことが起きるという形で分かるような工夫をしていただいて、示していくということがなされてきており、実際にそのとおりのことが現実に決算で起こったということですので、見通しと同じことが起きているというような状況にございます。
 以上でございます。
 
○翁部会長 人数の件ですね。
 
○土田共済計理官 大変失礼しました。本年度の人数が減っている要素なのですけれども、要素は大体半分半分でございまして、半分は自衛隊員が少し減っているということで、自衛隊を囲む環境が厳しい中でなかなか充足できていないという部分があり防衛省共済の被保険者数が減っているということ。もう半分は、郵政民営化はされていますけれども、国共済には残っていまして、そこでの被保険者数の減少の影響が出ています。その理由につきましては、郵政の中で採用抑制のようなことが行われた結果、組合員が減っているのかなといったことが考えられるところでございます。よろしいでしょうか。
 
○翁部会長 ありがとうございました。
 総括のところは、また来年の課題として、全体として充実させる方向でどういうことができるか、年金局と共に検討していただくようなことで、よろしくお願いします。
 
○土田共済計理官 よろしくお願いいたします。
 
○翁部会長 よろしいですか。
 お願いします。
 
○庄子委員 御説明をありがとうございました。
 資料4ですが、2ページの厚年と8ページの数字を比較しながら拝見していまして、規模が違うので、特段の論点はないのかもしれないのですが、特に保険料のところで、標準報酬月額が将来見通しよりも低くなっている幅が大きく、保険料の収入の実績ベースの金額が落ちているというように拝見したのですが、令和元年の検証の際に、保険料の見通しについて、国共済では、厚生年金とは違った前提等を置いた経緯があるのかどうかについて、教えていただけないかと思いました。
 
○土田共済計理官 ありがとうございます。
 財政検証の前提とする賃金上昇率につきましては、全制度共通のものを使っているところでございます。その一方で、令和4年度の国共済の保険料収入が少し落ちているところでございます。その要因の1つとして、資料1の17ページを御覧いただければと思うのですけれども、年間を通じた、真ん中の表ですね。標準報酬月額の総額と標準賞与総額と総報酬ベースの額ということで、特に賞与の額が大きく減っているといったことも令和4年度の保険料収入には影響しているのかなと考えております。この賞与額が減ったというのは、本来ですと、人事院勧告が出ますと、その年度内に反映されるのですが、この年度に限っては翌年の6月のボーナスで調整するということを行っています。その結果として、令和4年度の賞与が大きく減っているということで、本来であれば令和3年度に減ってくるというような形になっていたのかと思います。給与自体は、人事院勧告に基づいて官民の均衡を図っていますので、国共済だけが物すごく突き抜けて低下するということは、東日本の震災のときのような大幅な減額といった特例がない限りはないのかなとは認識しているところでございます。
 以上でございます。
 
○庄子委員 ありがとうございました。
 次回の財政検証の際に、将来見通しをまた作成することになると思いますが、そのときに何か勘案すべきことがあるのかと思ってお伺いしました。今回の違いは時期のずれの影響が大きいということですね。ありがとうございます。
 
○翁部会長 よろしいでしょうか。それでは、以上で国家公務員共済組合についての報告の聴取を終わります。
 続いて、議題(2)に移りまして、地方公務員共済組合について報告を聴取いたします。本日は、総務省自治行政局公務員部福利課の田中課長と春原数理官、地方公務員共済組合連合会の岡資金運用部長、福嶋年金業務部長、鈴木資金運用部運用第一課長、宮武年金業務部数理課長に御出席をいただいております。
 それでは、御説明をお願いいたします。
 
○田中福利課長 御紹介いただきました総務省福利課長の田中でございます。
 本日は、地方公務員共済組合連合会の担当者も同席をさせていただいておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは地方公務員共済組合の令和4年度財政状況につきまして、資料に沿って御説明を申し上げます。
 まず、資料1ページ目から1.収支状況でございます。厚生年金保険経理の令和4年度につきまして、御説明申し上げます。まず、収入でございます。一番上の欄の収入総額は、9兆86億円となっております。以下、その内訳でございますが、保険料は3兆4197億円となっております。国庫・公経済負担は7926億円となってございます。追加費用は2927億円となっております。運用収入は9940億円となってございます。また、有価証券売却損等の費用を除いた正味運用収入は9707億円となっており、さらに、正味運用収入に評価損益を加味した時価ベースでの運用収入は3639億円となっているところでございます。基礎年金交付金は452億円となってございます。厚生年金交付金は3兆4103億円となっております。財政調整拠出金でございますが、国共済から地共済に523億円が拠出されております。その他は17億円でございます。続きまして、支出でございますが、支出総額は8兆3992億円となっております。以下、その内訳でございますが、給付費は3兆7314億円となっております。基礎年金拠出金は1兆5177億円となってございます。厚生年金拠出金は3兆1170億円となっております。その他は332億円となっております。収入総額から支出総額を差し引いた収支残でございますが、6094億円となってございます。なお、時価ベースでの収支残は26億円となってございます。その下の年度末積立金でございますが、21兆378億円となっており、積立金運用利回りは4.75%となってございます。また、時価ベースの年度末積立金は24兆9532億円となっており、同じく時価ベースの積立金運用利回りは1.46%となっております。以上が、令和4年度の厚生年金保険経理の収支概要でございます。
 続きまして、給付状況についてでございます。まず、2ページの共済年金と厚生年金を合計いたしました受給権者計について御説明いたします。令和5年3月末の欄を御覧いただきますと、受給権者数は319万8000人となっており、前年度に比べまして、3万9000人、1.2%の減少となっております。また、年金総額につきましては、4兆3195億円で、前年度に比べまして1291億円の減少となっております。内訳等については、記載のとおりでございます。
 続きまして、3ページの共済年金受給権者について御説明いたします。令和5年3月末の欄を御覧いただきますと、受給権者数は184万2000人となっておりまして、前年度と比べ、10万4000人、5.4%の減少となっております。また、年金総額につきましても2兆7678億円となっておりまして、前年度と比べ、1934億円、6.5%の減となっております。なお、共済年金につきましては、新規の受給権者は原則発生せず、死亡による減少のみとなるわけでございます。
 続きまして、4ページの厚生年金受給権者について御説明いたします。令和5年3月末の欄を御覧いただきますと、受給権者数は135万6000人となっており、前年度と比べ、6万5000人、5.1%の増となっております。また、年金総額につきましては、1兆5518億円となっており、前年度と比べまして、643億円、4.3%の増となっております。厚生年金の受給権者数は、新規発生により、毎年、増加傾向でございます。
 続きまして、5ページの表は、共済年金受給権者につきまして、減額・増額別に表したものでございます。減額支給の受給権者は、令和5年3月末で4万5000人、その年金総額は633億円となっております。また、増額支給の受給権者は、令和5年3月末で8,000人、その年金総額は107億円となっております。
 6ページは、厚生年金受給権者について繰上げ・繰下げ別に表したものでございます。繰上げ支給の受給権者は、令和5年3月末で1万5000人、その年金総額は119億円となっております。また、繰下げ支給の受給権者は、令和5年3月末で8,000人、その年金総額は94億円となっております。
 7ページは、共済年金と厚生年金を合計いたしました受給権者計の平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。令和5年3月末の老齢・退年相当の平均年金月額は13万1682円で、前年度に比べまして、1680円、1.3%の減少となっております。その1段下を御覧いただきますと、基礎年金を含めました平均年金月額を記載しております。金額は18万7614円、前年度に比べまして、213円、0.1%の増加となっております。さらに2段下の平均加入期間につきましては、433月となってございます。
 続いて、8ページでございますが、共済年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。退年相当の平均年金月額は、14万2663円で、前年度に比べまして、1,656円、1.1%の減少となっております。その1段下を御覧いただきますと、そこに基礎年金を含めました平均年金月額を記載してございます。金額は20万397円、前年度に比べまして、1,408円の減少となってございます。さらに2段下の平均加入期間でございますが、426月となってございます。
 9ページでございますが、厚生年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。老齢相当の平均年金月額は11万5824円となってございます。その1段下を御覧いただきますと、そこに基礎年金を含めました平均年金月額を記載してございます。金額は、16万9155円となっております。さらに2段下の平均加入期間でございますが、442月となってございます。
 続いて、10ページでございますが、新規裁定者に係る平均年金月額及び平均加入期間についての表となってございます。令和4年度における平均年金月額は、11万2060円となっております。その1段下の平均加入期間でございますが、446月となってございます。
 続いて、11ページ以降でございますが、老齢・退年相当に係る支給区分別、年齢別の表となってございます。
 続きまして、恐縮ですが、14ページに飛んでいただきまして、受給権者計の老齢・退年相当に係る年齢階級別の表でございます。男性・女性とも70歳から75歳の階級が一番多く、その後は年齢階級が高くなるにつれて減少しております。平均年齢は、男性が75.52歳、女性が76.44歳、男女合計で75.87歳となってございます。
 続きまして、17ページに移っていただきまして、被保険者の状況についてでございます。まず、被保険者数でございますが、令和5年3月末現在で293万5000人、前年度に比べ、10万2000人の減少となってございます。また、平均年齢でございますが、全体では42.8歳、うち、男性が43.7歳、女性が41.7歳となってございます。標準報酬月額の平均でございますが、40万9812円となっておりまして、前年度から5,601円の増加でございます。下の表に移らせていただきまして、標準報酬月額総額でございますが、14兆4986億円、標準賞与総額につきましては4兆5988億円、標準報酬総額は19兆974億円となってございます。
 続きまして、22ページを御覧いただければと思います。積立金の運用状況について表したものでございます。令和4年度末における厚生年金保険給付積立金の総額でございますが、表の右側の合計欄でございますが、簿価ベースで21兆378億円、時価ベースで24兆9532億円となってございます。
 資産区分別の状況は次の23ページのとおりでございます。構成割合でございますが、一番右のところ、時価ベースで、国内債券は21.8%、国内株式は25.6%、外国債券は23.6%、外国株式は25.0%、短期資産は4.0%となってございます。
 地方公務員共済組合の令和4年度財政状況につきましては以上となりますが、続きまして、資料4-2、地方公務員共済組合に係る令和4年度実績と財政検証における将来見通しとの比較について、御説明申し上げます。こちらは令和4年度実績と令和元年財政検証における将来見通しとを比較したものでございますが、財政検証を実施した厚労省の数理課さんと連携させていただき、共同で作成をした資料でございます。
 まず、1ページ、通し番号14ページになりますが、収支状況の比較について申し上げます。ここで厚生年金財政検証結果との比較を行うに当たりまして、厚労省数理課さんに御確認いただいた上で、実績を作成してございます。なお、上から2段目の令和4年度実績と令和元年財政検証における将来見通しとしては、ケースIIIについて申し上げます。収入について申し上げます。保険料の令和元年財政検証の将来見通しでは、3兆4215億円に対しまして、実績は3兆4197億円でございます。また、運用収入につきましては、将来見通しでは3506億円に対しまして、実績は3639億円でございます。その他でございますが、将来見通しでは1407億円に対しまして、実績は642億円でございます。このようなことから、収入の計でございますが、将来見通しでは8兆1567億円に対しまして、実績は8兆607億円でございます。続いて表の右側、支出でございますが、給付費の将来見通しでは、3兆5108億円に対しまして、実績は3兆3920億円でございます。また、基礎年金拠出金の将来見通しでは、1兆4663億円に対しまして、実績は1兆4728億円。厚生年金拠出金の将来見通しでは、3兆2385億円に対しまして、実績は3兆1044億円でございます。このようなことから、支出の計は、将来見通しでは8兆2218億円に対しまして、実績は7兆9790億円でございます。収支残の将来見通しではマイナス651億円に対しまして、実績はプラス816億円でございます。
 続きまして、2ページ、通し番号15ページでございますが、被保険者数及び受給者数について比較したものでございます。こちらにつきましても、厚生年金財政検証結果との比較を行うに当たりまして、厚労省数理課さんに御確認いただいた上で、下記の特記事項に記載した方法により、作成してございます。被保険者数につきましては、将来見通しでは279万9000人とされているところ、令和4年度の実績では299万1000人となっております。受給者数について、将来見通しでは314万2000人とされているところ、令和4年度の実績は308万6000人となってございます。年金種別ごとの数字でございますが、それぞれ右に記載しているとおりでございます。
 続きまして、3ページ、通し番号16ページは、年金扶養比率に関しまして比較したものでございます。将来見通しでは1.38とされているところ、令和4年度の実績は1.47となってございます。
 最後に、4ページ、通し番号17ページでございますが、積立比率について申し上げます。将来見通しでは5.4とされているところ、令和4年度の実績は6.8となってございます。
 資料の説明につきましては、以上でございます。
 最後に、令和4年度財政状況の総括でございますが、冒頭に御説明いたしました収支状況につきましては、おおむね例年どおりの状況となっておりまして、また、財政検証との比較においても大きな乖離はなかったと考えているところでございます。被保険者数につきましては、前年度と比較して約10万人が減少しておりますが、これにつきましては、公立学校共済組合の被保険者数が約10万人減少しているためでございまして、その要因は、令和4年10月1日に施行されました地方公務員等共済組合法により、臨時的に任用された職員は長期給付に関する規定が適用されないこととなった制度改正によるものではないかと考えているところでございます。積立金の運用状況でございますが、長期的に見て、年金財政上必要な運用利回りを確保しているとの評価をしておりまして、今後も、法令に基づきまして、長期的な観点から、安全かつ効率的な運用が行われていくものと考えております。この総括の記述のあり方につきましては、私どもとしても、厚労省をはじめ関係各省の皆様と連携して、来年度に向けて、検討させていただきたいと思ってございます。
 地方公務員共済組合の説明につきましては、以上でございます。
 
○翁部会長 御説明をどうもありがとうございました。
 それでは、御質問がございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 小野委員、お願いします。
 
○小野委員 ありがとうございます。
 1つだけ質問させていただきたいのですが、今御説明いただきました総括のポイントの2つ目なのですけれども、この令和4年10月改正というのは、被用者保険の適用拡大の一環として、厚生年金とか健康保険の適用対象である国とか自治体等に勤務する短期労働者に対して、公務員共済の短期給付、医療保険を適用するという説明がございました。それで、私は、説明を伺っていて、そのような現象は想定していなかったのです。つまり、共済の組合員が1号厚年になるということですよね?私の理解が正確ではなかったのかもしれないのですけれども、その辺りについてもう少し詳しく御説明いただきたいということでございます。
 以上です。
 
○田中福利課長 御指摘をありがとうございます。
 地方公務員法上の仕組みの話と関連してまいりますので、そこを加味しながら御説明させていただきたいと思いますが、この臨時的任用職員でございますけれども、地方公務員法上は6月を超えない範囲で利用され、更新が1回のみと。したがいまして、任用期間は最大1年間とされているところでございます。地共済制度における長期給付につきましては、これに対しまして、法律上、相当年限忠実に勤務をして退職した職員に対するものとされているところでございます。また、これも法律上の要請でございますが、地共済制度につきましては、国共済制度との均衡を図ることが求められてございまして、国共済制度におきまして臨時的任用職員が長期給付の対象外であるということに対しまして、改正前の地共済制度におきましては、1年を超える臨時的任用職員につきましては、非常勤職員と同様に、地共済法の適用対象とするという均衡を失した状況があったというところでございました。このため、民間・国・地方を通じました被用者保険全体の適用関係の見直しが行われる中で、地共済法の改正を行いまして、令和4年10月から、臨時的任用職員を長期給付の規定の適用除外としたところでございます。
 以上でございます。
 
○小野委員 ありがとうございます。
 参考までにお伺いしたいのですけれども、こういうことで共済組合の組合員から1号厚年の適用ということになったとすれば、この方々の3階部分というのはどういう扱いになったか。これは参考までに教えていただきたいということでございます。
 
○春原数理官 お答えいたします。
 3階部分というのは、退職等年金給付のお話ということでよろしいですか。いわゆる公務員版の企業年金のお話ということでよろしいですか。退職等年金給付につきましては、国・地方で同じなのですけれども、給付の要件としまして、1年以上の組合員の期間を有する方が給付の対象となるという法律の規定がございます。臨時的任用職員につきましても、原則1年以内ということになっていますので、1年を超えなければ、その給付の要件には当てはまらないということでございます。令和4年10月以降は、1年以内の方であれば、長期給付が適用除外ということになりますので、その3階部分の給付の対象にはならないということになってございます。
 
○小野委員 確認なのですけれども、3階部分は、旧3階と新3階とがありますけれども、それに入っていらっしゃった方もいるということですか。
 
○春原数理官 旧3階のお話をしますと、一元化法による改正前の給付につきましては、特に臨時的任用職員だから常勤職員と比べて何か取り扱いが異なるかといえば、それはございませんので、組合員の一定期間を有している方は、常勤職員と同様に給付が行われているということになってございます。
 
○小野委員 ということは、この改正によってその方々は対象から外れるということになるわけですよね?そうなると、その部分のいわゆる年金の受給権みたいなものというのは、扱いはどうなるかというのをお伺いしたいのです。
 
○春原数理官 令和4年10月以降、あくまで現役の職員の方のことになりますので、制度としましては、新3階、いわゆる公務員用の年金のお話かと思いますけれども、御案内のとおり、支給要件が1年以上の組合員機関を有している方になりますので、1年以上有していない任用期間の臨時的任用職員の方であれば、そこは支給の対象にならないということになります。
 
○小野委員 もともと新3階に入っていらっしゃらなかったという認識でよろしいですか?
 
○春原数理官 仮に、1年間、要は令和4年10月前の状況において、組合員期間を有していた方につきましては、その保険料というのは、実情は掛け捨てみたいな状況になっているということでございます。
 
○小野委員 承知しました。
 
○翁部会長 それでは、ほかにいかがでございますか。
 お願いします。
 
○庄子委員 御説明をありがとうございました。
 国共済のところで御質問したところと同じページですが、資料4の通し番号14ページの収入の保険料につきまして、ケースIIIと比べて大きな違いはないと見えるのですけれども、主な要因を見ますと、被保険者数の増と平均標準報酬の下がり幅が相殺していると見えます。この標準報酬額の下がっている理由が、先ほど国共済のほうで御説明いただいたのと同じと言うことができるのかということが一つ目の質問です。
 また、将来見通しのその他と実績のその他の欄が、金額にかなり差があって、特記事項に記載されている内容だけではこの差はよく分からないなと思いましたので、お教えいただければと思います。
 以上でございます。
 
○春原数理官 お答えいたします。
 2点、御質問いただきました。
 まず、1点目の給与の決定の仕組みといいますか、国共済と同じような状況なのかということでございますけれども、基本的には同じでございます。地方公務員の給与、保険料収入の元となっている給与等でございますけれども、これは、国と同じように、人事院勧告や各都道府県の人事委員会の勧告等に基づいて、要は、民間の状況を踏まえて決定する仕組みになってございますので、背景としては同じということになります。
 2点目、その他欄の差ですけれども、財政検証の方の1407億円というのが、厚労省さんのほうで主に試算をされているものですので、一方で、実績のところに書いています642億円との差は、もちろん決算をベースに書かせてもらっておりますけれども、その差というのが、私どもでは直ちにお答えできません。もしあれでしたらまた厚労省からお答えいただくもしくは後でまたお答えさせていただきたいと思います。
 
○翁部会長 厚生労働省さん、お願いします。
 
○佐藤数理課長 見通しと実績の差がどうして生じたのか、私も現時点では把握していませんが、何が入っているかといいますと、これは国共済と地共済の財政調整拠出金による収入、財政調整によって入ってくる収入が入っているところでありまして、そこで将来見通しと実績で差が生じているということであります。
 
○庄子委員 ありがとうございます。
 そういう項目があるというのは承知いたしましたが、それでこの差が説明可能な範囲の内容なのかという点について、後日で結構ですので、お教えいただければと思います。
 以上でございます。
 
○翁部会長 ありがとうございます。
 駒村委員、お願いいたします。
 
○駒村委員 資料2、21ページの分布を見させていただいていて、さっき国共済のほうでも少し質問させていただいたのですけれども、国共済と比較すると、これはどっちがどうなのかと。難しい部分なのですけれども、先に国共済のほうを見ると、平均が42万円、加入者平均が42歳、上限に引っかかっている65万以上は共済の8.5%と。これに比べると、地共済は、年齢と平均はほぼ似たようなものなのですけれども、65万円以上についているものが3.7%と。国共済とかなり分布が違うのだなと。どっちがどうということは言えないのかもしれませんけれども、国共済のほうが特徴があると言うべきなのか分かりませんけれども、何か分布に違いがあるのか、その辺で何か教えていただければと思いました。
 今、年金部会では、上限引上げの議論がされていますので、このインパクトなども共済によっては違うのかなと思って、つらつらと見ていたので、この分布、地共済というのは、より65万に達しないような人が多いような賃金構造になっているのか、その辺を御解説いただければと思います。よろしくお願いします。読み方が間違っていたら、教えてください。
 
○春原数理官 お答えいたします。
 考えられることと言えば、やはり地方公務員の給与の決定方式になるのかなと考えております。地方公務員のいわゆる給与表というのは、国と同じものを用いているところもあれば、自治体独自で給与表を設けているところもあったりするのですけれども、仮に一般的に多いのはやはり国の給与表と同じものを使っているところが多いと把握をしております。その上で、どちらかといえば、自治体といっても約1,700自治体がございまして、都道府県の大きなところもあれば、市町村のようなちっちゃなところもございまして、特に小さな市町村とかになれば、国の給与表も、上から下までといいますか、高いところから低いところまで全て使っているわけではなくて、どちらかといえば低い、給料表全体のうちの低い階層のところを使って行政運営をやっている自治体も多くございますので、それによって、この65万円という上限に張り付いている割合が比較的少ないというのは、そういった地方公務員の給与の決定原則にもよるのかなと考えてございます。
 
○駒村委員 ありがとうございます。よく分かりました。
 
○翁部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、地方公務員共済組合についてはここまでとしたいと思います。
 次に、議題(3)に移りまして、私立学校教職員共済制度について、報告をお願いしたいと思います。文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室の秋庭室長と三田室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団の松澤数理統計室長、大山数理統計室主幹、資産運用部の田代部長と小守林次長に御出席いただいております。
 それでは、御説明をお願いいたします。
 
○秋庭私学共済室長 文部科学省私学共済室長をしております、秋庭と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私学共済制度を運営しております私学事業団の担当者も同席してございます。
 まず、資料3「令和4年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」について、御説明いたします。
 1ページにつきまして、厚生年金勘定の厚生年金経理分の平成30年度から令和4年度までの収支状況でございます。令和4年度分、収入総額1兆1140億円、2段目のところの時価ベースですと、1兆439億円となっております。内訳ですけれども、保険料が5144億円、国庫負担が1402億円となっております。運用収入につきましては、簿価ベースで1314億円、時価ベースにしますと613億円となっております。厚生年金交付金は2868億円でございます。その他、398億円が、都道府県補助金や保険料軽減分がございます。次に、中ほどの支出の欄でございます。支出総額9327億円、うち、給付費3021億円、基礎年金拠出金2770億円、厚生年金拠出金3506億円となっております。その他が事務費等で30億円となっております。収支残は、簿価ベースですと1813億円、時価ベースで1112億円となっております。その下、年度末積立金は、簿価ベースで2兆6106億円、時価ベースで3兆1769億円となってございます。運用利回りについては、簿価ベースで5.38%、時価ベースで1.99%となっております。
 次に、給付状況、2ページでございます。一元化前の共済年金、一元化後発生の厚生年金の合計ですけれども、令和5年3月末で受給権者数60万2500人、前年度比較で4,200人、0.7%の増でございます。このうち、老齢・退年相当が14万人、通老・通退相当が36万8500人となっておりまして、幼稚園を中心に短期間での退職者が多いので、通老・通退相当の人数が多くなっております。年金総額につきましては、合計で3627億9000万円、前年度比、32億2000万円、0.9%の減でございます。このうち、老齢・退年相当については、2226億6000万円で、38億3000万円の減、通退相当は、739億8000万円で、1億円の減となっております。
 次に、3ページでございます。一元化前発生の共済年金の受給権者です。受給権者数が30万6000人で、1万2900人、4%の減。このうち退年相当が9万400人、通退相当が16万2000人となっております。それから、年金総額につきましては、2372億2000万円で、前年度比、123億7000万円、5.0%の減でございます。このうち、退年相当が1543億3000万円で、75億3000万円の減、通退相当が423億7000万円で、22億7000万円の減でございます。
 続きまして、4ページでございます。一元化後発生の4号厚生年金の受給権者等でございます。受給権者数が29万6500人で、1万7100人の増、このうち、老齢相当が4万9500人、通老相当が20万6600人となっております。それから、年金総額につきましては1255億6000万円で、91億5000万円の増、うち、老齢相当が683億2000万円、通老相当が316億1000万円となっております。
 続きまして、5ページでございます。減額支給、増額支給の人員と年金総額でございます。令和5年3月末に減額支給の人員が1,300人、年金総額8億円、一方、増額支給のほうは1万6100人、年金総額174億5000万円となっております。
 6ページが、厚生年金の繰上げ・繰下げの人員です。令和5年3月末で繰上げが3,800人、6億4000万円、繰下げのほうが7,300人、65億1000万円となっております。
 続きまして、7ページでございます。共済年金と厚生年金、合計の平均年金月額、平均加入期間でございます。令和5年3月末の老齢・退年相当の平均年金月額が13万2579円、前年度末に比べまして、1,085円、0.8%の減でございます。基礎年金を含めた平均年金月額が18万8722円で、前年度末より、273円、0.1%の増でございます。
 8ページが、共済年金の退年相当の年金月額、年金加入期間で、令和5年3月末については、平均年金月額が14万2236円、1,411円、1.0%の減少、基礎年金を含めますと19万9940円で、1,431円、0.7%の減少でございます。
 同じく、9ページが厚生年金の平均年金月額と加入期間でございます。令和5年3月末、平均年金月額が11万4949円、前年度末比で1,104円、1.0%の増でございます。基礎年金を含めますと、16万8244円、前年度末より、5,486円、3.4%の増でございます。
 10ページが、厚生年金の新規裁定の老齢相当の平均年金月額でございます。令和4年度は11万8156円、前年度に比べまして、3,072円、2.7%の増、平均加入期間は421月となっております。
 11ページから13ページまでは、申し訳ありませんが、今日は飛ばさせていただきます。
 14ページでございます。老齢退職年金受給者、老齢・退年相当の年齢構成でございます。右側の計の欄、年金受給権者数が合計14万人、年齢構成では70歳以上75歳未満の割合が、男性・女性、共に高くなっております。平均年齢につきましては、男性が75.8歳、女性が77.1歳でございます。
 飛びまして、17ページでございます。被保険者状況のうち、上の段、被保険者数、平均年齢等々でございます。令和5年3月末、被保険者数59万5500人で、前年度末に対して、9,100人、1.6%の増となっております。増の大部分を女性が占めております。学種別ですと、大学と幼稚園の加入者が増えているというのが例年どおりの状況でございます。被保険者の平均年齢が43.3歳、男性47.2歳、女性40.7歳でございます。標準報酬月額の平均が36万8496円で、前年度末に比べ、1,238円増となっております。それから、下段の表の令和4年度の状況ですけれども、標準報酬総額については2兆6171億円で、427億円の増、標準賞与総額につきましては、7180億円で、2億円の増、標準報酬総額トータルで3兆3351億円となっております。被保険者数の年度間平均が59万6200人、7,000人の増となっております。標準報酬総額の1人当たりが46万6140円で、565円の増となっております。短時間労働者について、再掲で掲載しております。令和5年3月末で、被保険者数9,100人で、4,600人、104.2%の増となっております。特記事項に記載いたしましたけれども、令和4年10月の適用拡大で法人規模単位が101人以上ということで、適用拡大されたことの影響で、3,600人が新たに加入となっております。
 18ページでございます。被保険者の分布で、加入期間別、年齢階級別でございます。年齢階級で一番割合の高いのが25歳以上30歳未満で13.4%、以降、50歳代までが大体同じぐらいで9%から12%となっております。60歳以上の加入者も相当程度おりまして、60歳以上65歳未満8.7%。65歳以上4.2%で、合計で12.9%となっております。加入期間別の分布ですと、加入期間5年未満の方が一番高く、31.2%、これと10年未満の方を合わせますと、もう5割を超えてございます。
 19ページ、20ページが、それぞれ男女別でございます。
 21ページ、標準報酬月額の等級別の分布状況でございます。上限65万円のところ、男性が18.91%と最も高くなっております。女性は、20万円台のところを中心にしまして、24万円のところが9.23%と最も高いところになっております。
 続きまして、22ページ、運用の関係でございます。令和4年度末の積立金が簿価ベースで2兆6106億円、時価ベースで3兆1769億円となっております。このうち、包括信託による運用が、簿価ベースで88.5%、時価ベースで90.6%となっております。運用利回り、簿価ベースで5.38%、時価ベースで1.99%となっております。
 資料3は以上とさせていただきたいと思います。
 続きまして、資料の4の財政検証との比較につきまして、通しページの20ページ以降になります。国共済さん、地共済さんと同様に、特記事項にありますように、基礎年金拠出金等の確定値を用いて、財政検証ベースの実績をつくっておりまして、一方で、保険料や給付費等は決算値ではなくて財政検証に合わせたベースとなっております。そちらとケースIIIを対比して御説明いたします。収支状況の比較ですけれども、収支の将来見通しでは1兆749億円ですけれども、財政検証ベースでは1兆498億円、251億円少なくなっております。内訳を見ますと、保険料が5536億円で、将来見通しよりも168億円少なくなっております。運用収入は613億円で、将来見通しよりも173億円多いということになってございます。支出のほうですけれども、合計で9818億円、財政検証ベースでは9229億円ということで、589億円少なくなっております。このうち、給付費は3006億円で、将来見通しよりも242億円少なくなっております。この結果の収支残ですけれども、将来見通し上、931億円でしたけれども、財政検証ベースでは1269億円ということで338億円多くなっております。年度末積立金につきましては、将来見通しでは2兆6583億円だったところ、実績で3兆1841億円、平滑化後で3兆1277億円となっております。
 続きまして、21ページ、被保険者数等でございます。被保険者数と受給権者数の実績と見通しの比較で、被保険者数については59万6200人で、将来見通しの58万1200人を1万5000人上回っております。受給者数の実績が58万2700人、将来見通しの64万4700人よりも6万2000人少なくなっております。
 通し番号の22ページ、財政指標の比較でございます。年金扶養比率が4.34で、将来見通しよりも0.31ポイント高くなっております。
 23ページ、積立比率、令和4年度における財政検証ベースの実績は6.3%となっております。
 最後に、総括でございます。こちらも簡素な記載で大変恐縮でございます。収支状況については、おおむね例年どおりの状況でございまして、財政検証との比較において大きな乖離はなかったと考えております。被保険者数については、見通しはそこまで伸びないだろうということで少し鈍化させて見通しをつくっておりましたけれども、実績はそれを上回って被保険者数が増えております。積立金の運用状況については、年金財政上の必要な利回りを確保しておりますけれども、今後とも様々な状況に留意していくということだと考えております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
 
○翁部会長 御説明をどうもありがとうございました。
 それでは、御質問をお願いいたします。枇杷委員、お願いします。
 
○枇杷委員 御説明をありがとうございました。
 2つお伺いしたいのですけれども、最後、総括で御説明いただいたところで、被保険者は実績が見通しを余っているという御説明だったのですが、一方で、保険料は財政検証よりは少し低めに推移しておりまして、なので、ここだけ読んでしまうと、非常にいいことを書いている一方で、実際の保険料は下がっているというところがあります。それで、保険料が下がっている、人が増えているのに保険料が増えていないといいますか、減っている理由ということをお聞きしたいというのが1点でございます。
 もう1点は、資料3で繰上げの実績をお示しいただいておりまして、5.1%ということで、ほかの団体等と比べると高めということなのですけれども、多分、学校の先生、大学の先生の定年が割と遅めだからかなという想像はしているので、その辺りの定年制との関係を御説明いただきたい。一方で、70ぐらいまで働かれる人が多いという中でいうと、5.1というのは逆に言うと低めなような印象もあるので、この辺の見通しについて、もし何かあれば教えていただければと思います。
 以上です。
 
○翁部会長 よろしくお願いします。
 
○秋庭私学共済室長 ありがとうございます。
 御質問の1点目、保険料収入の見通しとの乖離につきましては、見通しのつくりとの関係もございますけれども、見通しでは標準報酬総額がもっと上がるだろうということでつくってございまして、そこまでの増に至らなかったということで、掛け算する標報が上がらなかったということで、このような差になったということでございます。
 あと、繰上げ・繰下げの関係ですけれども、繰下げのほうということでよろしかったでしょうか。繰下げのほうですけれども、御案内のとおりでございまして、年齢の高い、特に65歳以上という方もいらっしゃいますけれども、特に大学などで定年が高めに設定されている場合とかがありまして、まだ働かれている方などが恐らく繰下げを選択されているのだろうということがございます。率的な話になりますと、一方で、私学共済は幼稚園の先生が3割近くいらっしゃいまして、そういう方々はむしろ若いうちに入って若いうちに辞められる方がかなりの人数でいらっしゃいますので、そういう方と全部一緒に率をはじくと、そこまで大きい人数ではない、結果としてそういうことになってございます。
 
○枇杷委員 ありがとうございます。2点目は承知しました。
 1点目は、そういう意味では、総括の欄に、その辺り、報酬の見積もりがどうということについても書いておいていただけるとよかったかなと思いました。
 以上です。ありがとうございました。
 
○翁部会長 ありがとうございます。
 そのほか、駒村委員、お願いいたします。
 
○駒村委員 ありがとうございます。
 資料4の21ページ、ここももしかしたら口頭で説明されたのかもしれません。私が聞き漏らしたかもしれません。文章に書いていないので確認ですけれども、通老の人数でギャップが割と大きい。ここの原因というのは、ほかの2共済と同じ理由だという理解でよろしいでしょうか。もしかして説明があったかもしれません。その場合は申し訳ないです。
 
○秋庭私学共済室長 人数の差ですけれども、特に私学の方です。基本的には請求されなかった方の差でございまして、特に若い頃に少しだけ入られていて、その分、請求忘れになるケースなどがぽつぽつあったりしますので、そういうものは、情報連携とかもございますので、請求漏れになるものは今後は減っていくものだとは思いますけれども、しばらくそういうものがあるのかなと思っております。
 
○翁部会長 駒村委員、いかがでございますか。
 
○駒村委員 2共済の説明とは同じ部分と若干違う部分がありましたが、基本的には同じ理由だということでいいのでしょうか。
 
○秋庭私学共済室長 おっしゃるとおりでございます。
 
○翁部会長 それでは、山口委員、お願いします。
 
○山口委員 山口です。よろしくお願いします。
 資料3の21ページの標準報酬月額等級の分布について、一番等級の高い65万円で、男性・女性で見ますと特に男性の割合が18.91%で高くなっています。これは、分布としては学校種ごとの分布としてそういった層がいるということなのか、それとも学校種ごとではなくて、ある層の人たちがいるということなのかをもう少しお伺いできたらと思います。よろしくお願いします。
 
○秋庭私学共済室長 ありがとうございます。
 基本、一番多いと思われるのが大学の先生ではないかと思っております。その意味で、学種別の特徴が一部出ているのかなと思っております。
 
○翁部会長 よろしいですか。
 それでは、佐藤委員、お願いいたします。
 
○佐藤委員 ありがとうございます。
 私はまた運用に関する質問なのですが、資料3の22ページのところで、令和4年度の運用利回りは1.99%で、注記のところで、貸付金については簿価とあります。先程の国共済の預託金が簿価評価というところもありますが、こちらはウエートが低いので、簿価であれ、時価であれ、この影響を除いても、利回りが他の共済と比べて良いのではないかと思います。昨年は債券のリターンがよかった。国内債券のところでは、ベンチマークがインハウス運用で、他の共済とは違う。それから、外国債券についてもアグリゲートと言われる社債を含めた広範にわたる運用でリターンがよかったということなのですけれども、今回についてはどのような要因によるのか、教えていただけないでしょうか。
 
○秋庭私学共済室長 御質問をありがとうございます。
 全体として私学共済だけ特別工夫したということではないのかなとは思っておりまして、大体、年金機構さん、GPIFさん、国共済さん、地共済さんとそんなに変わらないぐらいの運用結果になっているのかなとは思っております。特別何かこれというのは、今、手元で思いつくところがないのですけれども。
 
○佐藤委員 そうですか。ちなみに、国内債券と外国債券は、資産別でいうと、リターンはどれぐらいだったのでしょうか。
 
○田代資産運用部長 私学事業団資産運用部長の田代と申します。お答えいたします。
 国内債券がマイナス0.54%、外国債券がプラスの1.70%でございました。他の公務員共済さんと比較すると若干ここで差が出ているかと思われますけれども、これはベンチマークの違いによるものと考えております。まず、外国債券は、皆さんの場合は世界国債インデックスをお使いだと思いますけれども、私どもは、ブルームバーグ、グローバル総合インデックスをベンチマークにしているという、クレジットものあるいは新興国が入っている・入っていないという違いではないかと考えております。国内債券は、一般的には野村BPI総合をお使いだと思いますけれども、私どもはカスタマイズした国債のラダー型のインデックスをベンチマークにしておりますので、デュレーションがBPI総合よりも短い関係で、金利上昇局面で少しリターンとしてはマイナスが小さかったということかと考えております。
 
○佐藤委員 どうもありがとうございます。
 ベンチマークの選択も運用の工夫に入ると思いますし、運用結果は年金財政によいということはプラスの材料ですので、大変結構なことだと思います。
 
○翁部会長 ありがとうございます。
 小野委員、お願いいたします。
 
○小野委員 ありがとうございます。
 私も、繰上げ・繰下げについて質問させてください。以前伺ったときに、確かに私学共済さんの繰下げ受給の割合が高いということで、大学の先生方等々の御説明を頂戴したことを記憶しています。ただ、拝見しますと、一元化前と一元化後とでは、こういう比較がいいのか分かりませんけれども、繰上げと繰下げの受給の比率が大きく異なるように思います。これは、単に傾向が変わったからなのか、あるいは、減額・増額とか、繰上げ・繰下げの定義に差があるのか、あるいは、その扱いに差があるのか、例えば、在職老齢年金とかの扱いが一元化前と後で違っているとか、よく分かりませんけれども、そんな要因があって違っているんだというようなことが分かりましたら、教えていただきたいということです。
 以上です。
 
○秋庭私学共済室長 ありがとうございます。
 今ぱっと思いつくところという答えになって恐縮ですけれども、繰下げ自体が平成19年度からスタートですので、それ以降の方しか選択していないので、一元化前は相対的には率が少なくなるのかなと思っておりまして、それ以降、繰下げ自体のPRといいますか、知られてきて、繰下げを選択している方が増えてきているのかなと思っております。一元化前後で何かが変わったということではないと思っております。
 
○小野委員 ありがとうございます。
 繰上げと繰下げの比率だけを見ると、一元化前の方が繰下げの割合が高そうに見えたものですから、不思議に思ったので、質問させていただきました。
 
○翁部会長 またもし新たなファクトファインディングがありましたら、教えていただければと思います。
 ほかはいかがでございますか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、以上で私立学校教職員共済制度についての報告の聴取を終わりたいと思います。
 今後、本日も踏まえて審議を始めますけれども、その過程でまたいろいろと疑問などが生じましたら、事務局を通しまして照会いたしますので、どうぞ御協力をいただきますようお願いいたします。
 今後の進め方でございますけれども、令和4年度につきましても、公的年金財政状況報告を取りまとめることといたします。起草作業はこれまでと同様に作業班で進めまして、報告書の草案の準備ができたところで部会を開催して審議を行いたいと考えております。
 最後に、事務局から、御連絡がありましたら、お願いいたします。
 
○村田首席年金数理官 次回の部会の開催日時等につきましては、また改めて御連絡させていただきます。
 
○翁部会長 それでは、第99回年金数理部会はこれにて終了いたします。
 どうもありがとうございました。