第167回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和5年9月7日(木)15:58~18:09

場所

全国都市会館 大ホール

議題

  1. 1.オンライン資格確認等について
  2. 2.出産費用の見える化等について
  3. 3.こどもにとってより良い医療の在り方等
  4. (報告事項)
  5. 1.令和6年度予算概算要求(保険局関係)について
  6. 2.令和4年度医療費の動向

議事

議事内容
○池上課長 それでは、定刻より少し前ではございますけれども、ただいまより第167回「医療保険部会」を開催したいと思います。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御参加いただきまして大変ありがとうございます。
 まず、前回の医療保険部会以降、事務局に人事異動がございましたので、私のほうから紹介させていただきます。
 大臣官房審議官(医療介護連携、データヘルス改革担当)の須田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、羽田委員、原委員、村上委員、横本委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 また、内堀委員、池端委員より途中退席されるとの御連絡をいただいております。
 なお、冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御退席をよろしくお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○池上課長
 それでは、以降の議事運営は、田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに出席される方についてお諮り申し上げます。
 原委員の代理として池田俊明参考人、村上委員の代理といたしまして佐保昌一参考人、横本委員の代理として井上隆参考人、以上3名の出席につき、御承認を賜れればと思いますが、いかがでございましょう。
(首肯する委員あり)
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
 それでは、議事のほうに入ってまいります。
 本日は、「オンライン資格確認等について」、「出産費用の見える化等について」、「こどもにとってより良い医療の在り方等」、以上の3つを議題といたします。
 では、まず「オンライン資格確認等について」を議題といたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いします。
○竹内課長 医療介護連携政策課長でございます。
 資料1「オンライン資格確認等について」という資料を御用意いただきたいと思います。
 まず、オンライン資格確認等システムで管理する情報の保存期間についてでございます。
 スライドの2ページを御覧いただきたいと思います。
 現在、マイナンバーカードで本人確認を行うことにより、医療機関や薬局で本人同意に基づいて健康・医療情報を閲覧できるようになってございます。
 この健康・医療情報につきましてはオンライン資格確認等システムで管理されており、例えば特定健診情報や薬剤情報といった情報の種類ごとにそれぞれ5年間あるいは3年間といった保存年限が設定されております。その中で、保存期間が3年間とされている薬剤情報についてでございますが、令和3年10月から保存が開始されているところでございまして、3年が経過いたします令和6年10月以降、順次保存期間が終了することになってございます。
 そこで、対応案といたしまして、オンライン資格確認等システムで管理する情報のうち、3年保存とされている情報の保存期間につきましては、利用ニーズ、コストや各種文書の法令上の保存期間等を考慮いたしまして、5年保存に延長してはどうかと考えております。
 スライドの3ページでございます。
 こちらのスライドは、各情報の情報項目あるいは保存期間につきまして記載したものでございますが、一番右の欄、保存期間の考え方のところに保存期間の見直しの考え方について記載させていただいております。
 医療費通知情報につきましては確定申告の医療費控除で利用されることが想定されますが、現状は薬剤情報の保存期間と平仄を取りまして3年間分と設定をしてきたところでございます。今回の見直しにおきましては、確定申告が5年間行うことができること、また、確定申告に用いるe-Taxというサービスでマイナポ連携により医療費額を自動入力できる機能がリリースされたことにより、医療費通知情報のニーズがさらに高まる可能性があることなどを踏まえまして、5年間分としてはどうかと考えております。
 また、薬剤情報と診療情報につきましては、これまで利用ニーズやコスト等を考慮して3年間に設定してきたところでございますが、次のスライドにも参考で記載してございますように、各種文書の法令上の保存期間等を考慮いたしまして、5年間としてはどうかと考えております。
 次に、スライドの5ページを御覧いただきたいと思います。
 オンライン請求の推進に伴う対応についてでございます。
 スライド6ページでございますが、こちらは、今年の3月の医療保険部会において御了承いただきました「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ」でございます。現在、厚労省では、このロードマップに沿って、周知広報資料の作成や必要な省令改正等の手続を進めているところでございます。
 スライド7ページでございます。
 1ポツですけれども、オンライン資格確認の原則義務化の例外につきましては、請求省令の規定を引用いたしまして、紙レセプト請求が認められている保険医療機関・薬局であると療養担当規則等で定められております。
 今般、省令改正を行いまして、現在紙レセプトが認められる場合の規定を本則から削除して経過措置、附則のほうに書き直す改正を行うこととしており、この請求省令の改正に伴い、療担規則等の規定について所要の改正を行う必要がございます。
 まずは、本日、医療保険部会の場におきまして、こうした方針の資料をお示しし、療担規則等の改正につきましては、改めて中医協のほうにお諮りしたいと考えております。
 次に、スライド8ページを御覧いただきたいと思います。
 オンライン資格確認における登録データの正確性の確保についてでございます。
 スライド9ページでございますが、「保険資格データが未登録である医療保険加入者について」ということで、前回のこの医療保険部会におきまして、医療保険加入者のうち、保険資格データがオンライン資格確認等システムに未登録となっている、いわゆる未登録者につきまして、8月1日時点での状況を御報告いたしました。
 この未登録者の人数につきまして、部会後に一部の保険者から登録した数値に誤りがあったとの報告がございまして、それを受けて精査を行った結果、前回報告させていただいた数値から変更がございましたので、資料のとおり訂正をさせていただきたいと思います。
 次に、スライド10ページを御覧いただきたいと思います。
 オンライン資格確認における登録データの正確性の確保の全体像につきましては、まず、資料の上半分にございますとおり、新規の誤り事案の発生を防止するため、個人番号の記載義務を法令上明確化するとともに、JーLIS照会をする際の要件を明確化するなどの措置を講じたところでございます。
 その上で、資料の下半分でございますが、登録済みデータの点検を進めてございます。まず、(3)に記載のとおり、全保険者による点検を要請いたしまして、本来の事務処理要領と異なる方法でデータ登録等を行っていなかったかを点検いただくとともに、該当する加入者情報がある場合にはJーLIS照会等による確認をお願いいたしました。その上で、(4)登録済みデータ全体のチェックといたしまして、医療情報という性質も踏まえ、入念的に、保険者による点検の対象外だったものも含めまして、登録済みデータ全体のチェックを行うこととしております。
 スライドの11ページでございます。
 登録済みデータ全体のチェックの概要について御説明いたします。全体のチェックでは、過去の医療情報等も閲覧可能であることを踏まえまして、過去情報も含めた約1.6億件について、JーLIS照会により取得した生年月日、性別、カナ氏名・漢字氏名、住所と医療保険のデータを突合し、一致するかどうかを確認いたします。
 このとき、被用者保険では、住民基本台帳上の情報によることを要件とせず、本人からの届出に基づいて加入者の登録を行っておりますため、同一人物であっても、住民基本台帳上の情報と不一致が生じる場合がございます。例えば資料右下の緑色の吹き出しの部分に記載されておりますように、名前に関する外国籍者の表記方法や外字が含まれるケース、あるいは住所に関する居所登録や未登録等について、誤登録ではありませんが、J-LISデータとの突合の結果が不一致となることがある点、こうした点について留意が必要だと考えております。
 こうした事情を踏まえまして、不一致が確認された場合には、不一致の内容に応じて資格情報や医療情報の閲覧を一時的に停止することとしております。その上で、保険者や事業主において点検を行い、必要に応じ、御本人に確認を求め、本人の情報であることが確認できた場合には閲覧停止を解除することといたします。
 スライドの12ページを御覧いただきたいと思います。
 次に、不一致事例の取扱いの具体の内容について御説明をいたします。
 不一致の内容がここに記載の表の①から③のパターンに該当する場合には、先ほど御説明いたしましたとおり、情報の閲覧を停止いたします。
 ①について、生年月日、それから、性別に不一致がある場合には、別人のリスクがあるものといたしまして、資格情報及び医療情報の閲覧を停止いたします。
 ②でございますが、漢字氏名、カナ氏名の両方に不一致がある場合には、表記方法の違いなどであることが多いことを踏まえまして、念のために医療情報の閲覧についてのみ停止をいたします。また、漢字氏名、カナ氏名のどちらかに不一致がある場合につきましては、住所も不一致であれば医療情報の閲覧を停止いたしますが、住所が一致していれば閲覧停止は行いません。
 ③について、住所のみに不一致がある場合は、複数の有効な資格重複がある場合について医療情報の閲覧を停止いたします。
 今申し上げました複数の有効な資格がある場合と言いますのは、資料の中ほどの絵で表示されているような例でございます。これは、Aさんが保険者を移動した際に誤登録が起こって、Bさんの個人番号で登録がなされたケースでございます。結果として、Bさんの個人番号に複数の有効な資格が登録された形となります。
 こうしたケースが、絵の右側の※で記載しておりますとおり、これまでに判明した事例におきましては、このような1つの個人番号に複数の有効な資格情報が登録されている資格重複事例が大半でございます。このことを踏まえまして、複数の有効な資格重複がある場合には医療情報の閲覧を停止することといたします。
 資料一番下の※の部分でございますけれども、過去情報の不一致について本人確認を求めることにつきましては、保険者の事務負担が大きいことに加えまして、他人に送付するリスク等も存在いたします。そのため、不一致が生じている場合には、医療情報の閲覧停止等を行った上で、過去の医療情報等が掲載されていない場合があることをマイナポータルで周知したいと考えております。
 スライドの13ページを御覧いただきたいと思います。
 最後に、全件チェックのスケジュールについて御説明いたします。
 この図のとおり、9月下旬からJ-LIS照会を開始いたしまして、11月までにJ-LIS照会・突合を完了させ、不一致の内容を踏まえて情報の閲覧を停止いたします。並行して作業のやり方の確認等を行うため、数万人規模で試行的に確認を実施いたします。その後、優先度に応じて段階的に保険者・事業主で確認を行った上で、必要に応じて御本人に確認をお願いすることとなります。また、全項目一致の場合には、令和6年5月以降に資格情報のお知らせ等で通知することとしたいと考えております。
 資料1につきましては、説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 冒頭に事務局のほうから報告がございましたように、内堀委員におかれましては途中退席とお伺いしておりますので、御発言がございましたらよろしくお願いいたします。また、議題1以外の議題に関しましても御発言する御意向を伺っておりますので、併せて御意見を賜れればと思います。
 では、内堀委員、よろしくお願いいたします。
○内堀委員 田辺部会長、ありがとうございます。
 公務の関係で、議題1から3について簡潔に発言をさせていただきます。
 まず、議題1についてです。オンライン資格確認など、医療分野でのDXの推進については、医療サービスの効率化や質の向上を図るため、必要となるシステムの導入や更新への十分な支援をお願いします。また、安全な運用に資する取組について、国主導で万全な対策を講じていただくようお願いします。
 次に、議題2についてです。出産費用については、今年4月から出産育児一時金の額が50万円に引き上げられました。出産を希望する人が出産費用を負担に思い、子どもを持つことを諦めてしまうことがないよう、誰もが安心して出産できる制度としていただくようお願いします。
 最後に、議題3についてです。子どもの医療費に関しては、こども未来戦略方針において、こども医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額調整措置を廃止する方針が示されました。改めて感謝申し上げます。今後、その早期実施をお願いいたします。
 また、所得や地域等に関係なく、誰もが安心して子育てできる環境を整備するため、全国一律の子どもの医療費助成制度の創設について、国の責任と財源において必要な措置を講じた上で、早期に実現するようお願いします。
 私からは以上です。よろしくお願いします。
○田辺部会長 内堀委員、ありがとうございました。
 それでは、御意見等があれば、ほかの委員の方々、挙手にてお願い申し上げます。
 では、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
 意見を申し上げます。
 一つは、最初に説明がありましたデータの保存期間についてでございます。いろいろなメモリーの関係とかコストの関係、あるいはほかの法令の関係での期間設定になっていると思うのですが、ただ、利用する国民一人一人にとってみれば、自分のことに関する医療データ、薬剤に関するデータ、そして、健康に関する様々なデータについては、ずっと閲覧可能にしていたいというのが切なる思いになっていくと思うのです。
そうしますと、それを国で全部やるかというと、大変な手間とコストとネット上のスペースも必要になるのですけれども、そこは難しいと思うのです。となりますと、そのことができるような、例えば、データのダウンロードをこうしたらできますよとか、様々な、いわゆるリテラシーに関することについて、今回のこととは直接関係ありませんけれども、国民の医療・健康を自ら守るという意識を高め、NDBデータによる健康管理ということも今後もっともっと高まっていくと思うのです。
そうしますと、やはりリテラシーを高めることをぜひ政府ではどこかで考えてほしいと思っています。若い人たちは、特に子供たちはGIGAスクールでそのことに関してはかなりのことを習熟していきますが、年配の皆さんはなかなかそういった機会がこれまでございませんので、文部科学省の生涯学習部門とか、厚生労働省の国民を対象にした健康医療のことに関するものとか、様々なことを織り交ぜながら、国民全体のデジタルリテラシーを高めていくことで、国民一人一人が、「自分に関しては自分でデータを保存して、お医者様に行くときに見せて管理ができる、自己管理もできる」ということを実現していくような社会をぜひ構築してほしいと願っています。
 2つ目は10ページなのですけれども、大変細かいことで恐縮ですが、表現の中に、赤い四角囲みの中に、「医療情報という特性も踏まえ、入念的に、(3)の点検対象外のもの」何々と書いてあるのですが、この「入念的に」という「的に」が意味が分からないのですよ。普通、日本語は「入念」にやると言うのですよね。「的に」というのをネットで今調べたら、「それに似たことをします」程度なのですよ。これは、最初から責任回避ではないかなと。入念にやるなら入念にやると明確に言っていただいたほうが、関係者の皆さんも我々も一緒に入念にやろうとなりますので、その辺についてもし見解があれば教えてください。
○田辺部会長 見解というか、削除しても構わない気はするのですが、いかがでございましょうか。
○竹内課長 すみません。表現が適切でなかったかもしれません。入念にという意味でございます。
○横尾委員 よろしくお願いします。
 あと、前段のほうはぜひ高めていただくと、後期高齢者の方、これから後期高齢者になる方も安心されると思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、猪口委員、よろしくお願いいたします。
○猪口委員 ありがとうございます。
 オンライン請求の推進に伴う対応についてお願いがございます。オンライン請求の免除対象となっている医療機関は、高齢等の理由で免除されたものが一定数あります。令和6年4月以降も引き続き同様の体制であるならば、当然、免除措置も継続されるべきと考えます。今回、免除が継続となった場合であっても、改めて届出が必要になると明記されておりますので、届出漏れがないような十分な周知をお願いしたいと思います。
 以上、お願いです。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 登録済みデータのチェックについてコメントいたします。13ページで対応スケジュールが示されておりますけれども、保険者もしくは事業主における確認作業とか本人への確認、さらには確認した結果に基づく閲覧停止解除等の一連の事務負担が生じますので、できるだけ軽減されるよう、実務に即した合理的な方法で実施されるようにお願いしたいと思います。
 また、今回の全体チェックは国が主体的に実施するものと思いますので、費用についても全額国のほうで負担をお願いしたいと思います。
 また、関連して、以前から申し上げておりますけれども、オンライン資格確認等システム、また、マイナンバーと保険証の一体化等については種々のコストがかかりますので、必要な財政支援をぜひともお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
 オンライン資格確認等につきまして、幾つか意見を述べさせていただきます。
 2024年秋のマイナンバーカードと健康保険証の一体化に当たりましては、保険料を納めていただいている加入者の方々の手元にマイナンバーカードまたは資格確認書が迅速に届く体制の整備に加え、支障なく医療機関等の受診を行える仕組みの構築が重要であると考えております。8月初旬にまとめられましたマイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会の最終とりまとめにおきまして、訪問診療、訪問看護、訪問服薬指導をはじめ、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師の施術証、特定健診実施機関等でのオンライン資格確認の用途拡大について、令和6年度からの運用開始に向けて着実に推進するとされておりまして、これらの分野について、オンライン資格確認の導入が着実に進む環境の整備をぜひお願いしたいと思います。
 それから、9ページにあります保険資格データが未登録である医療保険加入者については、国の指示を踏まえまして、協会として10月中に提出勧奨を行い、11月末までを目途とした未収録者の解消に向けて、引き続き取り組んでいきたいと思っております。
 続きまして、10ページの登録済みデータ全体のチェックについて、確認手順であるとかスケジュールを提示いただいたところでございますが、表記揺れによる不一致の発生も考慮いたしますと、本確認作業に係る保険者の負担は相当なものになると予想されます。加入者、事業主との照会をめぐるトラブルも多発しかねない。こうした負担やトラブルを対応可能な範囲にとどめ、正確かつ効率的な確認作業が行えるよう、我々保険者の声をよく聞きながら詳細の設計をお願いしたいと思います。
 なお、前回資格確認書や資格情報のお知らせ、令和6年秋に予定されている一体化の際の業務移行の在り方等の詳細について、早急に方針の整理や調整を行っていただくようお願いしたところでございますが、今回の資料にはそうした点について特段記載がございません。例えば一体化に当たっての前提となります資格確認書の職権交付の運用には、支払基金から保険者に対してマイナ保険証を保有していない加入者一覧が定期的に共有されることが必要不可欠でございます。この点が固まらない状況では、職権交付に向けたシステム改修を進めることができず、令和6年秋の制度施行に間に合わない可能性もあるため、早急に具体的な方針の提示をぜひお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。
 私のほうからは、先ほどの猪口委員と少し重なる点もありますけれども、7ページのオンライン請求の推進に伴う所要の見直し案についてですが、2つ目のポツの中に2行目に「紙レセプトでの請求について、経過的な取扱いであることを明記し、」とあります。もちろんこれを推進していくことについて反対するものではありませんし、できるだけ紙請求をなくしてオンライン請求に一元化していこうという方向性は十分理解しているつもりではありますが、一方で、まだまだ特に高齢の医師、あるいは過疎地域で少ない患者さんを細々と一生懸命やっていらっしゃる先生方もまだまだいらっしゃいます。その先生方に、あまりにも過度に拙速にオンライン請求を求めることで、廃院せざるを得なくなってはやはり本末転倒ではないかと思っています。そういう意味で、ぜひこれは丁寧に慎重に進めていただきたいと思います。
 そのために、少しお伺いしたいのは、実はこのオンライン請求は、2000年にスタートした介護保険制度では最初から原則オンライン請求を中心にして、紙レセプトをどんどん減らしていこうという方向性があったと思います。もう二十数年たちましたけれども、やはり本当に小さい地域の少ない診療所等かもしれませんけれども、まだ紙レセプトは残っているのではないかと思っています。それがどの程度の割合なのかを参考にしながら、やはり全てゼロにするというのは相当ハードルが高いと思うので、その辺については、介護保険の現在のオンライン請求の現状も踏まえて、丁寧に慎重にやっていただきたいということが意見です。もし参考に、介護保険制度での請求の現状がどうなっているかというのがお分かりになれば教えていただきたいと思いますし、なければまた次回以降でも結構ですので、そこも含めて比較しながら、このオンライン請求に関してもレセプト請求が進んでいくように少しずつやっていただきたいという意見です。
 以上です。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 老健マターなので、分かる人はいるのかな。
 では、よろしくお願いいたします。
○竹内課長 医療介護連携政策課長でございます。
 介護保険におけます紙レセプトによる請求につきまして、数字を今手元に持ち合わせてございませんので、改めて確認して御報告をさせていただきたいと思います。
○田辺部会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、池田参考人、よろしくお願いします。
○池田参考人 国民健康保険中央会の常務理事をしております、池田と申します。本日は原理事長の代わりに出席させていただいております。よろしくお願いいたします。
 私のほうからは、2番のオンライン請求の推進に伴う対応について発言をさせていただきたいと思います。
 去る3月に開催されました医療保険部会でも、本会の原理事長からも発言させていただきましたとおり、オンライン請求の推進に伴う対応につきましては、医療費の審査支払業務の効率化あるいはコスト削減につながるということもございまして、私ども審査支払機関としても着実に進めていただきたいと考えております。
 今回の対応案は、私ども審査支払機関にとっても大変大きな効果を持つものと考えておりますので、厚生労働省さんにおかれましては、関係者の皆様の御理解を得ながら、丁寧に進めていく必要はあろうかと思いますけれども、レセプト請求のオンライン化に向けまして引き続きの御指導、御支援をいただきますようによろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、伊奈川委員、よろしくお願いいたします。
○伊奈川委員 伊奈川でございます。ありがとうございます。
 今日の資料を拝見しまして、全件チェックのところが特に目がとまったわけでありまして、やはり登録済みデータの全体のチェックを行うということは非常に重要なことですし、特にマイナ保険証などの取組に対する信頼を確保するという点では重要なことだと思いました。
 その際、今日の資料の中にも不一致あるいは誤りとか、いろいろな言葉が出てくるのですけれども、そういった点も丁寧に説明しないと混乱を招くかもしれないなと思うところがございました。
 誤りというのは、恐らく何らかの基準があって、それに照らしてずれている、違っているということを意味するのだろうと思いますけれども、こういった議論をするときに、よく法律の世界では過ちという似たような言葉がありますけれども、そういうものとやはり区別しないといけないわけですし、特に今日拝見していますと、不一致の中には誤登録でないケースということで、私自身もすごく考えさせられるものが載っておりまして、これから外国の方が増えてくるとすると、その辺りの名前の扱いは非常に難しいなと日頃から感じています。といいますのは、中国からの留学生が私のところも多いのですけれども、日本にない漢字だったりするということで、アルファベットで書いてあったり、あるいは片仮名だったりして、てっきり中国の方ではないのかなと思って会ってみたら、中国の方だったというようなことであります。そういった国際化という時代もあり、いろいろな表記も含めて、こういった不一致が生ずる理由というのは様々だと思いますので、不安とか混乱が生じないよう、丁寧で分かりやすい説明をしていくということが重要かなと思いました。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。渡邊です。
 オンライン資格確認等システムで管理する情報の保存期間についてですけれども、情報の利活用という観点においても重要な対応と考えておりますので、今回お示しいただいております5年への延長という部分に関しては異論ございません。ただ、具体的に進めていただく際には、厚生労働省におかれましてはしっかりと関係者と連携して、現場への周知を進めていただくようにお願い申し上げたいと思います。
 それともう一点、報告とお願いですけれども、今回も参考資料の中でオンライン資格確認の利用状況についての資料がついておりますけれども、薬局においては保険証を確認する習慣というのが今までなかったのですけれども、その部分に関しては医療情報の確認という部分も見据えて、先日、薬剤師会のほうから会員に対して、マイナ保険証によるオンライン資格確認を推進するために、現場での声かけや掲示等による周知などの取組をお願いいたしました。ですので、引き続きマイナ保険証の利用、活用促進に関しては進めてまいりますので、ぜひ医療現場での混乱を来さないように、厚生労働省におかれましても、マイナ保険証の信頼回復に向けた対応という部分、国民への周知という部分が前提になりますので、ぜひともお願いをしておきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、佐保参考人、よろしくお願いします。
○佐保参考人 ありがとうございます。
 議題1の各項目について、意見を申し上げます。
 1.オンライン資格確認等システムで管理する情報の保存期間についてですが、今回、保存期間が一部5年間に見直されます。安心と信頼の患者本位の医療の観点から、対応(案)にある「保存期間を超える情報については、本人がマイナポータル経由であらかじめ取得し、自ら保存・管理すること」について、広く患者に対しても周知をお願いいたします。
 2.オンライン請求の推進に伴う対応について、3月の医療保険部会でも発言いたしましたが、オンライン請求を促進することは医療の質の向上のためにも重要です。資料6ページのロードマップに基づき、着実にオンライン請求の割合を100%に近づけていくことが必要と考えます。
 3.オンライン資格における登録データの正確性の確保について、前回の医療保険部会で示された資料にもあるとおり、秋以降から登録済みデータのデータ全体のチェックが始まります。正確性の担保は非常に重要ではあるものの、保険者等の確認作業といった一連の作業スケジュールに過度な無理が生じないよう、丁寧に進めていただきたいということでお願いいたします。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、大杉委員、よろしくお願いいたします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 1つ目のオンライン資格確認等システムで管理する情報の保存期間についてですが、今回の5年への見直しについては理解できました。そのような方向でよろしくお願いしたいと思います。
 2つ目のオンライン請求の推進に伴う対応について、1点確認させていただきたいと思います。先ほど来、猪口委員、池端委員より御発言がございましたけれども、7ページに紙レセプトでの請求について経過的な取扱いであることを明記しております。レセコン未使用者や高齢者であり、電子請求の免除対象医療機関が一定数いますので、配慮をお願いしたいのですが、現在、紙レセプトで請求を行っており、電子請求の免除対象となっている医療機関への対応については変更がないということでよろしいでしょうか。御確認のほど、よろしくお願い申し上げます。
 オンライン資格確認における登録データの正確性の確保については、保険者と支払基金での中間サーバーのダブルチェックにより、早期に誤登録が解消されることを希望するところではございますけれども、転職等は日常的に起こるものであり、点検中もオンライン資格確認は行われております。特に新規登録に関してタイムラグをできるだけ解消していただき、誤りなきよう十分な配慮をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 1点、お願いいたします。
○竹内課長 医療介護連携政策課長でございます。
 大杉委員からの御質問にお答えいたしますが、まず、資料のほうは6ページを御覧いただければと思います。
 ここにオンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ、先ほど説明の中でも御紹介をさせていただきました、今年の3月、医療保険部会で御了承いただいたものでございますが、こちらを御覧いただきますと、紙レセプトによる請求につきましては、レセコン未使用の場合の新規適用を令和6年4月から終了するということとともに、令和6年4月以降も紙レセプトでの請求を続ける場合には、改めて当初の要件を満たしている旨の届出を提出いただくこととしてございます。
 厚生労働省といたしましては、オンライン請求への移行へのメリットを丁寧に発信しながらオンライン化の検討を促していきたいと考えておりますけれども、今申し上げた再届出を行っていただいた医療機関・薬局につきましては、引き続き紙レセプトでの請求が認められるものとして取り扱うことを予定してございます。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
○大杉委員 はい。ありがとうございます。
○田辺部会長 それでは、菊池委員、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。
 資料の3ポツに関してですが、これまでの全保険者による点検に加えて、今回登録済みデータ全体のチェックを行うのは、あくまで、「入念的に」というのは私も日本語としておかしいと思いますが、念には念を入れて、確度をより高めるための方策であると位置づけるべきものと考えられます。
 そうした観点からすれば、ただでさえ大きな事務負担をお願いしている、先ほど安藤委員からもございましたけれども保険者、そして、事業主において、追加的に発生する事務負担を勘案して、一挙に全体を進めるというよりは、13ページにもありますように、情報閲覧停止の影響が大きい生年月日や性別不一致のケースの確認をまず優先して速やかに行い、その後、その他の不一致ケースを行うなど、優先順位をつけて段階的に対応していくというのは合理的であり、現場に過度な負荷をかけることを少しでも回避することにつながると考えられます。
 一方で、現実問題として、どんなにIT化が推進されていっても、人の手を介した作業がどこかに介在せざるを得ない限りは、紐付け誤りのようなミスが1億2000万人以上の国民がいる中で0件になるということは、やや非現実的な想定であると言わざるを得ないと思います。もちろん、ミスのない事務処理を目指すのは当然ではありますが、一方では、ミスが生じることを前提として、そうしたミスが生じたときにどう迅速、適切に是正するかも同様に重要であって、そうした視点を持ちながら今後しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますか。
 それでは、ほかに御意見等なければ、本議題に関しましてはこれまでとしたいと存じます。
 次に、「出産費用の見える化等について」を議題といたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○山下課長 保険課長でございます。
 議題2「出産費用の見える化等について」につきまして、資料2に基づいて説明をいたします。
 おめくりいただきまして3枚目のスライド、「出産費用の見える化について」でございます。
 出産費用の見える化につきましては、これを進めて、妊婦の方々が費用やサービスを踏まえて適切に医療機関を選択できる環境整備する。そのために、出産費用の状況だけに限らず、医療機関等の特色、また、サービスの内容、これらも併せて公表するということを基に、出産費用の分析等を行う調査研究の研究班、代表は東大の医療経済学の田倉教授を中心に素案を作成しました。
 具体的には次のページ、4枚目を見ていただきたいのですけれども、対象医療機関につきましては出産費用の直接支払制度を利用している、これは出産育児一時金について、出産費用について医療機関から直接保険者のほうに費用を請求することになっており、こうした医療機関・助産所が約2,300施設あるのですけれども、これらを対象としています。一方で、年間分娩件数が20以下の医療機関・助産所に関しましては、件数が少なく、平均値に代表性がないため、掲載は任意とするということでございます。
 公表の事項につきましては、1から5までありまして、1分娩施設の概要、2助産ケア、3付帯サービス、4分娩に要する費用等の公表方法、そして、5直接支払制度の請求書データからの費用という形で公表事項を整理しているところでございます。
 参考までに、1から4につきましてはどのように入手するかというと、各医療機関・助産所から提供を求めて、その提供があった項目について情報を公表する。また、5につきましては、審査支払機関に各医療機関・助産所で直接支払制度で専用請求書というものが届けられます。こういった届けられる内容に基づいて、これは各医療機関・助産所の同意を得て公表するということを考えております。
 また、公表方法でございますけれども、厚生労働省が新設する見える化のためのウェブサイトを設けまして、医療機関・助産所ごとの情報を公表するということを考えています。
 そのイメージなのですけれども、ちょっと飛びますが、15枚目のスライドを御覧いただきたいと思います。
 見える化のウェブサイトのイメージになりますけれども、ここで所在地、例えば里帰り出産をするということであれば、その里帰りするところの都道府県名をクリックすると、クリックした先にその県の市町村名があいうえお順で出てくる。それをクリックすると、今度は16枚目のスライドになりまして、当該市町村にある分娩医療機関が出てくる。16枚目のスライドで分娩の医療機関を選択すると、今度は17枚目以降なのですけれども、分娩施設ごとにそれぞれ個票がありまして、17、18、19、20、21、22枚目のスライドになりますけれども、こういった個票に沿って、各医療機関からいただいた情報がそれぞれ医療機関ごとに見ることができるようになっているというイメージで用意をしていきたいということでございます。
 続きまして、また元に戻ります。3枚目のスライドに戻っていただきまして、これに関して、次、8月23日から9月3日まで、インターネットを通じて御意見を募集しました。
 その御意見なのですけれども、今度は5ページを見ていただきまして、いただいた主な御意見でございます。出産費用の見える化の実施に関しての御意見34件をいただいています。実施を歓迎する御意見や分娩取扱施設の経営への影響についての懸念の御意見、また、実施そのものに反対する御意見などがあったということでございます。そのほか、出産費用の見える化項目に関する御意見として127件、また、見える化ウェブサイトの構成に関しての御意見25件がございます。合計131件ということで、複数御意見をいただいておりますので、それぞれどのような御意見をいただいたのかということを前提に整理させていただいております。
 また3ページに戻っていただきますが、これを踏まえて、まさに3ページの真ん中のスケジュール案なのですが、本日、皆様方に御意見をいただきまして、私どもとしましては、今後、医療機関・助産施設から情報をいただくという形にさせていただき、情報をいただいた上で個々の医療機関の情報を整理しまして、令和6年4月から見える化のウェブサイトで、先ほどイメージを御覧いただきましたが、公表するという形で進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、6枚目のスライド、出産費用の価格改定に係るアンケート調査について御紹介をさせていただきます。
 7枚目のスライドになりますけれども、分娩取扱施設(病院・診療所・助産所)の出産費用の価格改定につきまして、令和5年4月の出産育児一時金の引上げとの関連で、報道等により様々な指摘がなされました。これについては、質の高い周産期医療を提供するための人材の確保とか物価の高騰など、地域における分娩取扱施設を取り巻く環境の変化も含めて、どういう状況だったのかということを今夏にアンケート調査をさせていただきました。分娩取扱施設を対象としたアンケート調査を基に、その結果がまとまりましたので、御報告をさせていただきます。
 この対象なのですけれども、直接支払制度、出産育児一時金について、御本人を介さず直接医療機関から審査支払機関のほうに請求する、こういった制度を利用している分娩取扱施設が2,232件ありますけれども、そこに調査票を送らせていただきまして、78%の回答をいただいている。そういう内容でございます。
 8枚目のスライドを見ていただきますと、令和4年4月から令和5年4月の間で分娩施設において出産費用の価格を改定した状況を伺ったところ、54.3%が価格改定はしていない。一方で、44.5%が増額したという回答をいただいています。
 右に移りまして、その増額したということをいつ決めたのかというところを伺ったところ、令和5年1月から令和5年4月の間というのが26.5%、また、令和4年4月から令和4年12月の間に決めたというのが15.5%あったということでございます。
 続きまして、9ページに行きまして、今度は平成30年4月から令和4年3月の間で出産費用の価格改定をしたのかということも併せて伺ったところ、70.8%はこれまで価格改定をしていないという回答をいただいております。
 また、9ページの下のところに参考までなのですけれども、私どものほうに来ている専用請求書から算出した全施設の出産費用の正常分娩の推移ということで、平成28年5月からそれぞれ毎年5月ごとのということでプロットしているところでございます。
 次に、10枚目のスライドに行きまして、価格を改定して増額した分娩医療施設の回答に対して、どのような理由で価格を増額したのかというところを聞いたところ、一番多かったのは水道光熱費や消耗品の費用の高騰のため。また、2番目に多かったのは医療機器等の高騰のため。3番目に多かったのは、医療費等の確保が難しく、人件費が増加したためという回答をいただいております。
 ちなみに、色が濃い青と薄い青については、濃い青は令和4年4月から令和5年4月に増額した分娩取扱施設ということなのですけれども、そのうち、薄い青については令和5年1月から令和5年4月に増額改定を決定した分娩施設の回答になるということでございます。
 次に、11枚目のスライド、出産費用の価格改定について情報提供をどのようにしたのかというような内容でございます。情報提供の方法としまして、複数選択を用意させていただきましたが、口頭で説明した、ホームページに掲載した、書面を交付した、ポスターを掲示したということで回答があります。もちろん、複数しているという医療機関はそれぞれに回答しているということでございます。
 さらに、その下に行きまして、価格改定に関しての情報提供を先ほどの1から4までいずれか行ったのか、また、行っていなかったのかという回答なのですけれども、85.7%がいずれかの内容で情報提供したと。それに対して、13.1%は行っていないという回答をいただいております。
 また、右側に行きまして、情報提供の開始時期なのですけれども、48.3%が価格改定の1か月前にこういった情報提供したという回答をいただいているところでございます。
 続きまして、12ページなのですけれども、出産費用に係る今後の価格改定の予定ということで、予定がないと回答いただいているのが45.4%。また、26.3%が増額する予定があると回答いただいているということで、増額する予定があると回答いただいたところにその理由を書いていただいたのが右側の内容でございます。
 次に、13枚目のスライドに移りますけれども、自由記載欄も設けておりまして、回答いただいた分娩施設からの回答でございますが、地域の周産期医療提供体制に関する御意見、また、分娩取扱い施設の運営や経営状況に関する御意見、さらに、自院において分娩の取扱いを継続することが困難であるとの御意見、正常分娩の保険適用に関する御意見をそれぞれいただいているということでございます。
 次に、参考資料として23ページまで飛んで御覧いただきたいと思います。
 23ページは参考資料としてですが、出産費用の状況について御報告いたします。
 令和4年度の異常分娩を含んだ全施設の出産費用の平均値なのですけれども、46万8756円。また、正常分娩のみであれば、平均値としては48万2294円ということでございます。
 次に、24ページは正常分娩の出産費用に関する推移と、それぞれ私的病院、公的病院、そして、助産所を含めた診療所の出産費用の推移をプロットしているということでございます。
 また、飛ばして26枚目のスライドを見ていただきたいのですが、今度は出産費用の都道府県別の資料でございます。26枚目のスライドは公的病院の正常分娩の都道府県別の出産費用ということで、一番平均値が高かったのは東京都、それに対して一番平均値が低かった県が鳥取県ということでございます。
 最後に、27枚目のスライドは、今度は全施設の正常分娩の出産費用についての都道府県別ということでございまして、一番平均値が高かったのは東京都の60万5261円という平均値。それに対して、一番低かったのが熊本県でございまして、36万1184円という平均値をいただいているということでございます。
 資料2に関する事務局からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、御意見等ございましたら挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンを挙げてお知らせいただければと思います。
 では、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 昨年度の医療保険部会において、出産育児一時金の引上げを行うに当たって、出産費用の見える化をセットで行うべきだと主張してまいりました。本来は同時に実施すべきものだと思っておりますけれども、実際には引上げのみ今年度から先行して積み残しの課題となっていたと認識しております。その観点から言いますと、今般示されました見える化のウェブサイトの表示のイメージ案の内容は、極めて不十分であると言わざるを得ません。
 その上で、医療保険の被保険者を代表する立場から幾つかコメントと要望を申し上げたいと思います。
 まず、お示しいただいた見える化の項目のうち、出産費用については、費用総額の平均額だけが示されており、その内訳は全く記載されておりません。昨年の医療保険部会の議論の整理で取りまとめられたところの、「妊婦の方々が適切に医療機関等を選択する」ためには、どのようなサービスが提供され、どのような費用がかかるのかを示すことは、極めて重要な判断材料であると思います。そのため、単なる総額だけではなく、直接支払制度の専用請求書に記載されている分娩料等の項目ごとに医療サービスと費用の内容を分かりやすく丁寧に説明する必要があると思います。
 あわせて、異常分娩になった場合の費用の違い等の情報提供も極めて重要な要素であると思います。今後、妊婦の方々や家族の方に安心感を与えられるような見える化ウェブサイトとなるように、資料の5ページにもございますけれども、掲載項目の拡充や丁寧な解説を求める意見が多くあったということも踏まえ、内容の充実を早期に図っていただきたいと思います。
 また、昨年の本部会での議論の後に、新たにこども未来戦略方針において、「出産費用の保険適用の導入を含め、出産に関する支援等のさらなる強化について検討」記載されております。次のステップである保険適用の導入の議論に当たっては、出産費用の内訳等を把握することのみならず、データを基に、地域差の要因等も含めて、費用の構造の整理、分析を行うことが不可欠です。そのためにも、国民目線に立ったところの出産費用の見える化を検討の前提とすべきと考えております。
 さらに、今後の進め方についてコメントさせていただきます。保険適用の検討という大きなステップを考えますと、やはり妊婦の立場、医療関係者、経済界、労働界、それに我々保険者も含めて、多様な立場の意見を反映させることができる検討体制が絶対に必要だと思っておりますので、この医療保険部会の関与もより高めた形でもって検討の場の設置をお願いしたいと思います。
 いずれにしても、この保険適用ということに向けての議論は課題も多く、丁寧に行う必要がありますので、時間もかかるものだと思っております。そのため、今後どのように保険適用に向けての検討を行うのか、工程、計画も策定の上、早期に検討を開始していただきたいと思います。
 最後に、この資料の中で先ほど御説明があった出産費用の価格改定に関するアンケートを拝見しますと、やはり出産育児一時金の引上げに伴って出産費用が上昇しているという印象がぬぐえません。今後の出産費用の価格動向についても、ぜひ引き続き調査、分析をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、佐保参考人、よろしくお願いいたします。
○佐保参考人 ありがとうございます。
 連合は、かねてより希望する人が安心して子供を産み育てることができる環境整備に向けて、負担軽減措置を講じつつ、正常分娩も含めた保険適用を求めてきました。この観点から、今回、パブリックコメントにかけられた出産費用の見える化ウェブサイトと今後の出産費用の保険適用について、3点意見を申し上げます。
 まず、出産費用の見える化ウェブサイトについて2点です。
 1点目、見える化ウェブサイトのイメージ案では、出産費用の平均額等の記載のみとなっております。出産費用の見える化の目的は、経済面からも被保険者等である妊婦の方々が抱く不安や疑問を解消するとともに、適切に医療機関等を選択できる環境を整備することにあります。医療機関等や地域によって出産費用に差が生じている要因分析が十分とは言えない中で、このイメージ案では、妊婦の方々のニーズや医療保険部会での議論の整理の要請に応えたものとは到底言えません。こうした意見はパブリックコメントでも提出いたしましたが、不十分だと言わざるを得ない旨、改めて申し上げます。今後、パブリックコメントでの意見も踏まえつつ、掲載項目の拡充等をお願いいたします。
 2点目、妊婦の方々が適切に医療機関等を選択できる環境を整備するという目的に鑑みれば、厚生労働省のホームページに新たに設けられるサイトは、妊婦やその家族にとって見やすく、使いやすいサイトとすることが不可欠です。サイトへのアクセスのしやすさへの工夫をしていただくとともに、多くの人が利用するであろうスマートフォンでの閲覧にも対応した構成にするほか、各種制度や仕組み、専門用語の解説も行うべきと考えます。実際に使用する人、ユーザー目線でのサイト構築を進めていただくようお願いいたします。
 その上で、今後の保険適用に向けての意見です。出産費用の価格改定に係るアンケートの調査結果、資料9ページにもある出産費用の推移を見ると、出産育児一時金の引上げとともに出産費用も連動して上がっていることが見てとれます。今回の出産費用の見える化では出産費用の内訳の掲載が難しいとのことですが、保険適用に向けて費用の分析は欠かせません。保険適用に向けて検討すべき課題も多いことから、今後、どのようなスケジュールや体制で費用の分析や課題に対する検討を行うのか御教示願います。あらかじめロードマップを示した上で、早期に検討に着手していただきたいと考えます。また、検討状況は医療保険部会にもタイムリーに報告いただくよう、あわせてお願いいたします。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。経団連の井上でございます。
 先ほどの佐野委員の御意見と基本的に同じでございますけれども、第一に、この見える化の趣旨に鑑みまして、出産費用の内訳、内容の詳細といったものを医療機関ごとに示していただきたいと考えております。私どもは保険料を負担する支払側の立場でございますけれども、この出産育児一時金の支援対象が本当に必要であり、かつ合理的な内容であるかということを確認できるようにすべきと考えております。今回の見える化のウェブサイトのイメージに掲載された出産費用の開示や平均だけにとどまっておりますので、我々が想定していたような見える化ではなかったという印象を持っております。
 第二に、これも御意見がありましたけれども、今後の保険適用という議論を見据えて出産費用の詳細な分析が必要と考えております。そのためには、様々な立場の方がオープンに議論できるような場をしっかり設けて検討を進めていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
 先ほどの佐野委員、佐保参考人、井上参考人とかぶるところはありますけれども、私のほうから意見を述べさせていただきます。
 出産費用の見える化につきましては、妊産婦の方が見て分かりやすい形で公表するということが第一に来るべきであり、出産にかかる費用の明細を示すことなど、より分かりやすく、充実した形での公表が可能かという点は引き続き議論をしていく必要があると考えております。見える化の取組は今後の出産に関する支援についての議論にも資するものであり、来年4月の公表に向けまして、着実に関連情報の収集、整理をはじめとした検討を進めていただきたいと思います。
 また、出産費用の価格改定に関わるアンケート調査につきまして、価格改定の1か月前に情報提供した分娩取扱施設が全体の半数である、一時金が引き上げられたため価格を改定したと答えた施設が4~5割に上るなど、多くの課題が浮かび上がったと考えております。見える化と並行して、より利用者である妊産婦目線に立ったサービスが提供されるよう、今回の調査を契機として取り組んでいただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、猪口委員、よろしくお願いいたします。
○猪口委員 ありがとうございます。
 出産費用の見える化、4ページの公表事項の⑤についてですが、直接支払制度の請求書の内訳項目ごとの費用を妊婦に公表すべきといったご意見がありますが、これは提供する情報が複雑になり過ぎること、標準化、共通化という点を考慮して、分娩取扱施設の比較、選択のために個々の施設ごとに公表すべき情報とは考えられません。かえって妊婦の方々には分かりにくいものになりかねないと考えます。もともと正常分娩は自由診療であり、一つ一つの診療行為について点数を積み上げて計算されるものではないため、内訳を示すことは困難であるし、費用の定義も共通化したものが定義づけられていません。そこで、本日提案されている内容で進めるべきと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、袖井委員、よろしくお願いします。
○袖井委員 ありがとうございます。
 出産育児一時金の引上げについてですが、10ページで「出産育児一時金が引き上げられることとなり、妊産婦の自己負担への影響が少ないと考えたため」というのが5割前後あるわけですが、この引上げの効果については継続的に調べていただきたい。というのは、あのときの議論でも上げるべきか、どこまで上げるべきかという大変議論があって、それが突如岸田総理が50万と言われて、そこでぱっと上がってしまったようなところがあるので、やはりこの効果については継続的に調べていただきたいと思います。
 それから、もう一つは、ほかの委員からも出ておりましたが、出産育児一時金の内訳ですが、たしか一時金の引上げのときの議論として、近年非常に上がってきたのはプラスアルファの部分だという御説明があったと思うのです。差額ベッドだとか、あるいは特別食であるとか、アロマであるとか、妊婦さん向けのヨガとか、そういう本質的でないと言ってはあれなのですが、そういうものがかなり増えているというような御説明があったと思うので、その辺についてもきちんと取り上げていただきたい。
 それから、もう一つお聞きしたいのですが、13ページで正常分娩の保険適用に関する御意見というのがありまして、この御意見というのは具体的にどういうものだったか。今までも何人かの委員から保険適用の問題がありましたので、この詳しい内容をできれば教えていただきたいと思います。
○田辺部会長 なかなか、127件とかなので。
○山下課長 今、袖井委員からございました13ページの正常分娩の保険適用に関する御意見の127件がどうだったのか。私、いただいたものを全部読ませていただきましたが、大半が、これは御意見を聞いたのは産科の医療機関に対するアンケートですので、回答いただいたのは分娩施設で対応されている方々からの御意見です。正常分娩の保険適用に関して反対、もしくはどのようなことで検討が進むのか不安というような御意見を主にいただいているということでございます。すごく端折って、本当は127件全部お伝えしなくてはいけないし、それぞれの思いがある中で大変恐縮なのですが、私が読んでこの短い時間で簡潔に内容をお伝えするならば、こういうことでございます。
○袖井委員 どうもありがとうございました。
○田辺部会長 では、横尾委員、お願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
 17ページから個票サンプルが出ています。こういったものが全ての出産に係る医療機関や施設から出されることになるわけですよね。それらがデータベース化されるわけですけれども、そこから先のことを想定して気になることがあるので、幾つか意見を述べたいと思います。
 こういうデータが出ますと、民間では多分特別なサイトを作る会社がどこかから出てくると思います。ランキング表をつけたりもしますでしょう。そして、コメントとか、いわゆる評価に関する意見を貼りつけたりもすることがあり得ると思います。例えばホテルの宿泊検索サイトを見ると、そういう書き込みがたくさんありますよね。若い方と話をしていて思うのは、値段のみならず、その施設の中のこと、そして、利用者のコメントによって選んだりするのです。ですから、そういったことも将来あり得るなと思うのです。
 そのときに気になることがあるので、意見を言います。
例えば、そういうサイトに関するマネジメントとか、PRに関する時間とコストと労力をかけるよりも、本当に一人一人の妊産婦の方や出生した赤ちゃんのことをしっかりとケアすることに労力を割いている、エネルギーを割いている施設があるとしたら、なかなかそこのサイトはぱっとしないというか、目立つことがないかもしれません。でも、その先生、医師の志や、スタッフの方はとても尊いお仕事をしていただいているわけです。そういった方々のこともちゃんと評価できるようなものを作っていかないと、広報予算をたくさん投じたところだけが目立ってランキングが上がってしまうとか、そういうことでは本来の趣旨と違ってしまうのかなという懸念をしています。
 制度として完成できていないのに、今これを言ってもまだ早過ぎるのですけれども、ぜひ私が申し上げたいのは、本当に地域や新生児のこと、そして、何よりも妊産婦の方を大切に思い、一人一人の症状、状況、体調などは全部違いますので、ここに対応いただいて、万が一があったときは連携した病院とも対応されているわけですよね。そういったことの正しい評価とか理解がちゃんとできるような情報の提供というのですかね、人々に知ってもらうというのですかね、そういったことをぜひ厚生労働省のほうでも考えていただきたいのです。せっかくこういう調査をしてそれが公になるのであるならば、どこかでそういう配慮をいただくといいのではないかなと思います。
ぜひそういったことをしていかないと、地域によっては選択肢がないと言うと失礼ですが、たくさんの医療機関から選んで出産ができるわけではない地域や、医療に課題を抱える医師の少ない地域も全国にはございますので、そういったところで本当に奮闘されている医師の方々やスタッフの方、そして、関係の皆さんが頑張っていて、「正しく評価してもらっているな」ということでやっていけるようなムードというのでしょうかね、状況をぜひつくっていただきたいなと思うのです。そのことが全国の出産、子育てのサポートになるし、全体の日本の医療の充実につながると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 後期高齢者医療広域連合協議会から来ているだけに老婆心というわけではございませんが、よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。
 私、今、横尾委員がおっしゃったことが非常に重要だと思って手を挙げさせていただきました。こういう見える化というのは、何でも全てガラス張りにしたら情報が正しく伝わって、いいものができるとは限らない。それがどう評価されて、どうそれを理解するかその理解度によって随分変わってしまうことがある。それをバイアスがかかった、今、まさしく横尾委員がおっしゃったように、いろいろなそういうデータを加工してランキングづけするようなところにかかると、それがひょっとしたら間違ったランキングになったり、ランキング上位の医療機関に集中したりということで、非常に怖いあるいはリスクが非常に高い点もあるかと思います。
 実際に、これは語弊があるかもしれませんけれども、病院のランキング、例えばいろいろながん治療のランキングがあります。もちろんすばらしい病院がランキングで上位になっていることもありますけれども、医師の目から見て、必ずしもそれだけではないなと思うところがランキングが高かったりすることもありますので、その辺については、本当に慎重にやるべきだと思います。
 皆さん、もっともっと早く見える化しろ、もっとガラス張りにしろとおっしゃっていますけれども、まずは今までブラックボックスにあったように感じていたものを一定程度出して、それがどう評価されているか、正しく評価されているかということを慎重に検証しながら、そして、さらに必要なものをどんどん広げていくという2段階、3段階の構えがないと、このネット社会ですから、本当にあっという間にとんでもないことが起こったり、場合によっては炎上したりということが起きてしまいます。そして、いわゆる見せ方とかに長けているところがどんどん独り歩きしてしまったりということもあり得るので、見せ方によって見え方が変わってくるということもあるということをぜひみんなで共有しながら、よりよい見える化をしていただければと思います。
 そのためには、一定程度の時間は必要ではないかということを感じ、先ほど猪口委員がおっしゃったように、まず第一歩として事務局案でいくことが良いのではないかと感じましたので、意見として言わせていただきました。ありがとうございます。
○田辺部会長 ありがとうございます。
 それでは、伊奈川委員、よろしくお願いいたします。
○伊奈川委員 伊奈川でございます。
 基本的には、やはりこういったことに関しては、国民目線あるいは利用者の立場に立って考えるべきなのだろうと思っています。そういった点から言うと、今回これからスタートを切るわけですから、きっとやっていくといろいろな御要望とかも出てくるのだろうと思います。
 そういった意味では、まずはスタートを切るということが重要なのかなと思っております。といいますのは、介護保険のほうを見ますと、介護サービス情報システムだったでしょうか。あったりしますし、ああいうのもやはり私も実際に使ったりしてみて、結構いいなということで、やはり使っているうちに国民的ないろいろな声も出てくるのかなと思った次第であります。
 それと、もう一つは、やはり重要な点はエビデンスということなのだろうと思っています。今回、5ページでしょうか。パブコメの自由記載欄を拝見すると、やはり両方の意見があるわけであります。専門的な項目というのは特に研究者としてはあったほうがいいわけですし、今回、最後のほうに載っていますけれども、都道府県別のものを拝見するとかなり差があるものですから、何と相関があるのだろうかと思って少しデータをいじったりしてみたのですけれども、そういった点で、やはり専門家的なお話はそれはそれとしてこれからきちんと積み上げていくということが必要なのかなと思いました。そういった中でより詳しい、いろいろなものも掲載ができるようになっていく。やはりエビデンスというものがないと統一的に掲載するということもできませんので、片方ではエビデンスの積み上げということが重要かなと思いました。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございます。
 それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 これは一番欲しい情報、一番重要な情報は何かというと、やはり医療の質ということだと思うのです。医療の質の評価というのは非常に難しくて、例えばアメリカで心臓手術の評価などだと、患者の病状の重さというのをきちんと観察するのが一番難しいわけですけれども、それが十分に観察できない状態で評価すると、病状の重い人を受け入れると死んでしまって、その病院がまるで質が悪いみたいに見えてしまうという問題があるわけです。そうすると、病院が病状の重い人は治療したくないということにもなりかねないというか、そういういろいろな問題があるわけですけれども、やはり究極的に目指すべきは質の評価ではないかと思います。私は日本のデータで出産について分析したいなと思っていたのですけれども、保険適用にならないとレセプトデータには入らないので、出産についてレセプトデータで包括的に分析することはできないのです。これは保険適用になれば解決される問題かもしれませんけれども、保険適用にならなくても出産についての治療のデータというのは非常に重要ではないかなと思いました。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、任委員、よろしくお願いいたします。
○任委員 日本看護協会の任でございます。
 本件に関しまして、これまで本会では、出産費用の見える化と併せて、サービスの見える化が重要であることを指摘してきました。本日、資料2の参考資料を拝見しますと、様々な情報が見える化される方向で検討されており、妊産婦にとって重要な判断材料になるものと考えます。
 事務局におかれましては、来年4月の見える化ウェブサイトの公表に向けまして、対象医療機関・助産所の情報が漏れなく登録され、また、妊産婦にとって見やすく利用しやすいページとなるように取り組んでいただきたく、お願い申し上げます。また、妊産婦、国民への周知も十分に行っていただきたく、併せてお願い申し上げます。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
 皆さんの意見と大体似たようなものでございますが、申し上げますと、出産費用の見える化として重要なことは、単に金額ということだけではなく、施設やサービスの質という側面とのバランスにあると思います。出産に向け、妊婦と家族が安心して命を預けられる医療機関の選択に必要な情報提供のあり方について、さらに検討を進めていただければと思います。
 なお、提供される情報が常に最新であることにも、意を用いていただかなければなりません。情報提供側である医療機関等の手間に配慮した、効率的なアップデートの仕組みを御検討いただければと思います。
 それから、先ほど、ウェブサイト上での信頼性と、いろいろお話を伺っていて感じたのですが、私ども、日々様々な方からのいろいろな書き込みですとか、いろいろなこういう脅威にさらされておるわけでございます。これを防ぐことはなかなか困難であります。その点、例えば、テレビであればテレビ局、ラジオ局であればラジオ局、それから、新聞であれば新聞の考査というのがありますので、それなりの信頼性が確保されているわけですが、一方、ウェブサイトの場合、やはり公的なポジショニング、そして、その辺の考査が通っている、これは正しい情報であるというアピールが、大変大切なのではないかなと思う次第でございます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますか。
 では、保険課長、何かコメントがございましたらお願いいたします。
○山下課長 今までたくさんの御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 最初に、安藤委員から、特に11枚目のスライドのところで、出産費用の増額改定に当たって約1割以上の分娩取扱施設が改定に関して情報提供を行っていない、1か月前に情報提供を開始したのが48%あった、ということの御意見をいただいたところでございます。
 厚生労働省としましては、妊婦の方々に適切な医療機関を選択いただける、さらに、出産費用について予見可能性を確保するという観点から、分娩取扱施設が出産費用の改定状況について適切に情報提供を行うことが重要であると考えております。
 このため、出産育児一時金の引上げに先立つ令和5年3月にも、分娩取扱施設に対して、出産費用の改定を行う場合には、その内容とか理由について、相当の周知期間を設けて周知をしていただき、さらに妊産婦さん、また、その御家族さんに丁寧な説明を行うことについて要請したところでございますけれども、今回のアンケート調査の結果を踏まえまして、改めて関係団体を通じて、各分娩取扱施設の方々に対して、妊産婦さん、また、その御家族を含めて、価格改定に関して適切な情報提供を実施していただくように促していきたいと考えております。
 また、そのほか、出産費用の項目ごとの請求内訳を公表すべきとした御意見をはじめ、見える化に関しての御意見をいただきました。
 昨年12月にこの部会での議論の整理としておまとめいただきましたとおり、今回の見える化の趣旨でございますけれども、医療機関ごとの出産費用の状況のみならず、医療機関等の特色やサービスの内容なども併せて公表し、加入者である妊婦の方々が適切に医療機関等を選択できるようにするということをいただいたところでございます。それは私どももそのとおりであると考えております。
 一方で、この見える化のウェブサイトの設計に当たっては、妊婦の方々に誤解を生じさせないようにすることや、医療機関側の事務負担も踏まえたウェブサイトの運営の継続性の確保などを念頭に、ここの見てもらう内容についての情報の標準化、定型化にも留意した内容にすべきと私どもは認識しております。
 出産育児一時金の引上げが今年の4月に行われた中で、厚生労働省としましては、本日お示ししました内容でできるだけ早期にウェブサイトを開設することで、妊婦の方々があらかじめ費用やサービスを踏まえて適切に医療機関・分娩施設を選択できる環境を整備したいと考えております。その際は、事前の御意見募集をさせていただいたことや、また、本日の御議論の中にもありましたとおり、例えばスマートフォンでの閲覧なども念頭に置きながら、妊婦の方々にとって見やすく、また、利用しやすいウェブサイトの構成となるよう心がけてまいりたいと考えております。
 その上で、今回、様々な委員の皆様からいただいた御指摘も踏まえまして、早期にウェブサイトを開設してそれで終わりということではなくて、今回の見える化について効果検証をしっかりと行いながら、引き続き充実を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、そのほか、出産費用に関する今後の分析や、また、出産の正常分娩の保険適用の検討に関しての今後の議論の在り方につきまして御意見をいただきました。厚生労働省におきましては、今後より詳細な出産費用の分析を行うとともに、出産費用の見える化等の効果の検証を踏まえまして、2026年度をめどに正常分娩の保険適用の導入を含めた出産に関する支援等のさらなる強化について検討を進めることとしております。これは我々に課された非常に大きな検討課題でございます。これに取り組むに当たりましては、当然、今回のウェブサイトの掲載項目のみを分析対象にするということではなくて、本日いただきました御指摘の出産費用の内訳を含め、出産を取り巻く様々な要素につきまして把握、分析を行っていく必要があると思います。この点に関しましては、関係団体の皆様を含め、御協力をぜひ賜りたいと考えております。
 また、今後行う正常分娩の保険適用の検討に当たりましては、妊婦の立場、また、出産の費用をお支払いしていただいている立場の方々を含め、関係する様々な立場の方々に御参画いただきまして議論をしていかないといけないと考えております。本日いただきました御意見を踏まえまして、その進め方を検討し、この医療保険部会のほうにお示しさせていただきたいと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 保険課長、ありがとうございました。
 また、皆様方におかれましても、非常に貴重な御意見を賜りまして、御礼申し上げます。
 ただいまの点につきましては、本日の議論も踏まえまして、厚生労働省におかれましては適切に取り組んでいただくよう要望したいと存じます。
 ほかに御意見がなければ、本議題についてはこれまでとしたいと存じます。
 次に、「こどもにとってより良い医療の在り方等」を議題といたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○笹子課長 国民健康保険課長でございます。
 資料3に基づきまして御説明申し上げます。
 表題はこうなっておりますけれども、国民健康保険制度における減額調整措置の廃止と保険料の水準の統一についてのプランについて御説明申し上げたいと思います。
 2ページ目でございます。
 現行制度でございます。国民健康保険の減額調整措置につきましては、自治体が行う医療費助成により患者の自己負担が減額される場合に、国民健康保険財政に与える影響などの観点から、負担軽減に伴い増加した医療費分の公費負担を減額調整しているという制度でございます。
 なお、2つ目の○にございますように、未就学児までを対象とする医療費助成につきましては、全ての市町村において何らかの助成が実施されていた実態を踏まえまして、既に平成30年度以降、減額調整措置の対象外とさせていただいているところでございます。
 2ポツにございますこども未来戦略方針、今年の6月13日の閣議決定でございますけれども、この国民健康保険の減額調整措置につきまして廃止するという方針で閣議決定をさせていただいてございます。ただし、「あわせて、」のところも重要でございまして、適正な抗菌薬使用などを含め、こどもにとってよりよい医療の在り方について、今後、業界などの専門家の意見を踏まえつつ、国と地方の協議の場などにおいて検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるとされているところでございます。
 本日はその対応方針について御審議いただくものでございます。3ポツにございますように、右下に医療費助成の自治体における実施状況がございます。こういったデータを踏まえまして、太字下線部にございますように、市町村の助成内容、これは自己負担や所得制限の有無等を問わず、18歳未満までのこどもの医療費助成に係る減額調整措置を廃止したいと考えてございます。ちなみに省令事項ということでございます。
 3ページ目をおめくりいただきまして、先ほどの閣議決定でも「あわせて」の部分で課題が書かれていたところでございます。具体的に申し上げると、ここの下にありますような課題、被保険者(保護者を含む)の受診行動の変容でありますとか、抗菌薬の処方など、医療機関での診療内容への影響、また、小児医療提供体制あるいは医療保険財政の影響、こういった課題が生じてくるということが考えられることから、関係者が一体となってこどもにとってよりよい医療の実現を目指すとともに、限られた医療資源の適切な配分を図るというコンセプトでこういった課題を解決していく必要があろうかと考えてございます。
 4ページ目にその方策について掲げてございます。案ということで、大きく3つ考えてございます。1つ目が保険者へのインセンティブ導入、2つ目が抗菌薬の適正使用など医療の適正化の取組、この中には医療費適正化計画における取組であるとか、診療報酬上の必要な対応というものも含まれるということでございます。さらに、3ポツにございますように、こども医療費助成の影響に関する分析、これは既にある論文に加えまして、NDBのデータ分析、あるいは厚生労働科学研究を新たに立てるなどによって分析を進めてまいるということでございます。
 これが概略でございますが、よりこの3つについて具体的に申し上げますと、5ページ目をお開きいただきたいと思います。
 保険者努力支援制度での対応でございますが、四角囲いの中の最後のポツにございますが、コンセプトとしては、こどもにとって真に必要な医療の提供・確保や医療保険制度の規律維持などの観点から、保険者インセンティブにおいて必要な指標などの設定を行いまして、こどもの医療の適正化を図ることについてどう考えるのかということでございます。
 具体的な例といたしましては、真ん中のところに取組内容の評価の考慮要素として幾つか掲げてございます。また、アウトカム評価の考慮要素として、一人当たりの医療費、受診頻度、抗菌薬の処方料などが考えられるのではないかということで掲げさせていただいております。
 また、※にございますけれども、被用者保険におけるこどもの医療費等についても、一定の対応を御検討いただくということが適切かなと考えているところでございます。
 6枚目、2つ目の取組でございますが、医療費適正化計画次期計画が2024年度から開始されるということでございますので、それに合わせまして、「効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療」の適正化を位置づけ、都道府県が地域の医療保険者、医療関係者などと協力して取り組むということが必要かと考えているところでございます。
 3つ目の柱でございます。7ページ目をお開きいただきたいと存じますけれども、先ほど若干触れましたけれども、このこども医療費助成の影響に係る分析については、現在あるものと将来分析をするためにデータを作っていく、両方の方向性が必要と考えてございます。
 令和5年度におきましては、真ん中の①にございますように既存の論文の調査、有名な論文以外にも幾つか論文はあると承知しておりますので、そういったもののリサーチを行うとともに、②にございますようにデータの分析、これはコロナ前のNDBデータなどを用いることによりまして、自治体の医療費助成の状況、その自治体の医療費の伸びなどの関係を分析してはどうかと考えているところでございます。また、令和6年度におきましては、厚生労働科学研究を立てまして、こどもの医療費助成による受診行動の変容などの研究も実施しつつ、並行して専門家などの有識者を交えた分析・検討を行っていただくということを考えているところでございます。
 1つ目は以上でございまして、2つ目が「保険料水準統一加速化プラン」についてでございます。
 ページといたしましては14ページ目以降でございます。
 御案内のとおり、国民健康保険制度におきましては、様々な課題に対応するために平成30年度に国保改革を行いまして、自治体の皆様の御協力をいただきながら財政運営の都道府県単位化、あるいは都道府県と市町村の役割分担、さらには財政支援の拡充といった取組をさせていただいているところでございます。
 保険料水準の統一の意義・定義でございますが、上にございますように保険料の変動の抑制、特に小規模な保険者では、高額な医療費の発生などによって年間の保険料の変動があり得るということでありますので、そういったリスクをシェアするということが必要、また、②にございますように、被保険者間の公平性の確保という観点からも重要だと考えており、これがひいては制度の持続可能性につながっていくと考えてございます。
 ただ、いきなり完全に統一というわけにもいきませんので、方向性としては、まず右側にございますような納付金ベースの統一、これは各市町村の納付金に各市町村の医療費水準を反映させないといった考え方でございます。完全統一というのは同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料とするということでございますけれども、15ページ目の下にございますように、スケジュールをもって、令和6年度、令和12年度、なるべく早期に完全統一というステップを踏んでいただき、かつ、下にございますような保険者努力支援制度のインセンティブ強化といったものを通じて、自治体を支援してまいりたいと考えてございます。
 なお、なぜこの加速化プランをつくるかでございますけれども、都道府県は国保の運営方針というものを策定することになってございまして、保険料の標準化については、令和3年度の制度改正、また、来年の4月から市町村が担う事務の広域的及び効率的な運営の推進に関する事項を必須記載事項化、必ず書いていただくという制度改正を今年の法律改正で行ったところでございます。したがいまして、こういった方針を策定していただくに当たりまして、各都道府県の事例などをお示ししつつ、自治体の支援をさせていただくというのが趣旨でございます。
 具体的には16ページ目にございますように、左の共通認識の醸成、納付金ベースの統一、完全統一というステップを踏んでいただくわけですけれども、それぞれごとに、一番上からデータをどう把握し、分析していくのか、また、こういった取組を進めるためには、3つ目のポツにございますような都道府県と市町村の会議体を設置していただいて、推進のドライブにしていただくというような具体的な事例がございますので、そういったものをシェアさせていただくというつくりになってございます。
 同様に、納付金ベースの統一についても、医療費水準のαという係数を使うわけでございますけれども、その引下げに関する好事例、医療費適正化に関する取組の推進に関する好事例。また、完全統一に向けても、具体的には市町村個別の歳入項目とか歳出項目を最終的にはどうしていくのかというような事務的なところも詰めていく必要がございますので、そういったところの好事例。さらには、市保険料の収納率といったものも調整していく必要があるということでございますので、こういった事例をシェアさせていただくという観点から、保険料水準統一加速化プランということで発出していきたいということでございます。
 私からの御説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、御意見等ございましたら、挙手にて、ないしはオンラインで御参加の委員におかれましては挙手ボタンにてお知らせいただければと存じます。
 では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
 私ども全国市長会といたしましては、まず、この減額調整措置について廃止をしていただく方向性をいただいたこと、感謝を申し上げます。
 そう申し上げた上で、これは国保の保険者の立場とともに、こども・子育て支援を推進する、政策を推進する立場もございます。合わせての立場からの発言でございますが、当然のことながら、医療費適正化については我々も努力していくということをまずは申し上げ、その上で、インセンティブのところで少し発言をさせていただきたいと思います。
 こども医療費の自己負担分を自治体が肩代わりするという手法は、保険の理論からするといささか首をかしげることになるお話ではあると思いますが、これは保険政策ではなくて子育て政策として、こども・子育て支援政策としてやるわけでございます。
 冒頭、内堀委員がおっしゃったように、これを全国統一、国費でやってほしいという議論は当然全国市長会の中でもございます。国費でやってほしいというのは2つ意味がありまして、一つは全国統一でナショナルスタンダードとしてこども医療費は無料にしていこうよという流れをつくりたいということ。もう一つは、国が負担してほしいと。つまり、今は地方が負担しているわけです。地方負担から国負担へという地方財政の話の2つの意味があるのですが、これはまた自分で言っておいてなんですけれども、保険制度とは相入れない難しい議論なのです。
 したがって、今回私が発言させていただくのは、その議論はその議論でしっかりとまたこども政策の在り方としていずれは考えていくべきだと申し上げながら、今回国が考えてくださっている、厚労省が考えてくださっているこの減額調整措置を廃止するということに絞って申し上げたいと思います。
 ここの実際にどうなっていますかというところで、円グラフが9ページに出ているのですが、これを御覧いただくと、多くの市町村で小学生ないしは中学生までは自己負担分を医療費助成というのをやっております。一部負担があるところもあれば、所得制限をかけているところもある。いろいろあるわけでございますが、御注目いただきたいのは、入院にしても、外来にしても、償還払いというところでこの赤の枠から外れているところです。これがあります。つまり、一旦窓口で自己負担分をいただいて、後で自治体から御本人にお返ししておる。これはなぜこういうことが行われているかというと、まさにこの国保の減額調整措置があるからと申し上げても過言ではありません。つまり、一旦預かれば取るべきものを取っているということで国保の減額調整がかからないという理由で、このように実際に行っているわけでございまして、津市もそうしています。
 それに対して、窓口無料にしていこうと。つまり、償還払いから現物給付にしていこうということは、さほど医療費が増えるかどうかということでは大きな議論ではないように思いますが、しかし、これは分析してみないと分かりませんので、私どもとして減額調整を全て外していただいた上で医療費を分析していただくということは賛成でございます。
 したがって、減額調整をやめることはほぼ全ての自治体で賛成だと思いますので、大歓迎でございますが、同じように全ての自治体で医療費増は避けたいと考えております。
 現在、この減額調整がどういうふうに行われているかというと、一律増える医療費の、つまり、医療費助成をすることによって増加する医療費の15.73%があるということをいわば仮に置いて、その部分は補助金を渡しませんよというルールになっておるわけです。この15.7%かどうかということについては、またいずれ整理がなされるのだろうと思いますが、結果が出てくるのですが、少なくともこれを保険者努力支援制度の中で、一定の、医療費が増やさないことへの努力を勘案していくというのは、これはこれで結構なことかと思います。一定の理解をいたします。
 ただ、これがあまり過度な形でインセンティブとしてセットされると、角を矯めて牛を殺すことになってしまう。この場合、角というのは何かというと、保険制度の規律を厳密に管理していくことが角だと思います。一方で、牛はこども支援というある意味国全体で進めようとしている別の政策目的でありますので、こども支援はしっかりとやれるようにしながらこのインセンティブをつくっていっていただきたいと思うわけでございます。
 したがって、今日はキックオフですから、ざくっとしたお話だけ申し上げておきますと、このインセンティブ、保険者努力支援制度があまり過度なものにならないように、できればアドバンテージ的なものになるように、減点にならないようにという形でつくり上げていただければありがたいかなと思っております。
 いずれにせよ、自治体のトータルの財源の中でいただくお金の中で考えていくものでございますから、我々として、全体としては医療費が増えないような方向にうまく制度がつくられればと思っておりますし、それを我々もしっかりと協力をさせていただきます。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
 こどもにとってよりよい医療の在り方等について意見を述べさせていただきます。
 こども未来戦略方針に係る掲げられましたとおり、こども医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担の減額調整を廃止することについては、かつて老人医療費の無料化により過剰受診や社会的入院の増大を招いたことを踏まえまして、こども医療費の際限ない増大を招くことがないよう、十分な方策を講じるべきであると考えております。
 協会といたしましても、子ども医療電話相談事業、かかりつけ医を持つことや、平日昼の受診の呼びかけなどの上手な医療のかかり方などについても周知徹底に取り組んできたところでございます。資料3の4ページにあります抗菌薬の適正使用、こども医療費の影響に係る分析等に加え、こうした取組についても今後一層の広報を図るべきであると考えております。
 また、5ページの下段の※に子供の医療費等についても被用者保険者へのインセンティブ等での対応検討とございます。保険者インセンティブにつきましては、既に特定健診などの実施率について導入されているところでありまして、その効果等については様々な意見が見られます。加えまして、協会けんぽについては、都道府県別の保険料率を設定する際に、都道府県ごとの子供の医療費も含めた医療費を勘案した上で決定しております。こども医療費に関するインセンティブ導入につきましては、こうした既存のインセンティブ制度の検証や保険者の取組等との整合性も踏まえ、慎重な検討が必要であると考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
 この減額助成措置の廃止によって、子供の医療費助成制度というのはやはりある程度拡充されていくのだろうと考えます。受診時に窓口での自己負担というものが減少あるいはなくなるということになりますと、やはり受診行動というのは当然変容していくだろうと考えられますので、これがやはり保険の財政に影響が出てくるという可能性があります。一方で、先ほど御指摘があったように、子供の子育て支援というものを保険財政にどうやって絡めていくのかということはよく考えてやっていかなくてはならないと思います。
 御提案のありました、子供にとってよりよい医療を実現するための方策案3つでございますけれども、いずれの方策も先ほど申し上げた点に留意して検討の上、必要な措置だとは思いますので、方向性は賛同いたします。よく中身の検討を進め、具体化を図っていただきたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 子供側にとってよりよい医療制度の在り方ということで、幾つか申し上げたいと思います。
 まず、この飯塚・重岡論文というのは、非常に緻密な手法で信頼性の高い結果が得られた非常にすばらしい論文で、この結果が政策形成に役立てられていることは非常によいと思います。特に診療報酬による供給者へのインセンティブづけによって、より有効な医療を推進して、あまりそうでない医療というのをなくしていくということは非常にすばらしいと思います。
 ただ、この論文の骨子は、やはり無料はまずいということで、自己負担をゼロにしてしまった瞬間におかしなことがすごく起きるようになると。だから、自己負担がほんのちょっと、例えば論文では米ドルで2ドルと書いてありますけれども、200円とか300円とか、ほんのちょっとした自己負担があるだけでもかなり違うということが書かれているのです。
 そうすると、やはり低額の自己負担がいいのではないかということになるかと思うのですけれども、それがこの対策としては書いていなくて、保険者へのインセンティブと書いてあったのですが、保険者へのインセンティブでどこまでこういうことができるのかなというのが分かりにくいなと思いました。
 子供への支援として、やはりこういう医療費の支援はあったほうがいいのだと。医療費への助成はあったほうがいいのだというお話ですけれども、もっと別の形で、例えば現金給付のような形もあり得るのではないかなと思います。
 最後に、ただ、この論文は健保組合のデータで比較的高所得な人たちを対象にした研究なので、やはり国保であるとか、中小企業の被雇用者を対象としている協会けんぽであるとか、そういうところの子供たちへの影響というのを分析しなければいけないので、これからNDBデータを使って検討がされていくということですけれども、やはりNDBデータへの研究者へのアクセスをよくしていくことで、もっと全体的な政策効果というのが図れるようになっていくのではないかなと。今、どうしても研究者にとって最もアクセスがいいのが健保組合のデータなので、もっとNDBデータが使いやすくなっていくと、もっと包括的なエビデンスがもっと早い段階で得られるようになっていくのではないかなと思いました。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、横尾委員、お願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
 ほかの委員もおっしゃったように、医療費助成に係る減額調整措置というのはやはり改めたほうがいいと思うのです。また、同様に私も思っているのは、実は私どもの多久市では18歳未満に関しては既に助成をしています。ですから、医療費サポートをしているのです。そのスタートする際に医師会の先生方に細かく意見を聴きました。その際に出た意見は、今、何人かの委員がおっしゃったようなことなのです。「若干でも負担をしないとモラルハザードを起こす」という意見でした。どういう意味かと言いますと、子供の健康に日々全く関わらなくて、子供が病気になったら病院に行っていらっしゃい、薬局に行っていらっしゃい、全部無料だからということになってしまうと、お金の問題ではなく、子供をケアするということがおろそかになって、子供の健康を害してしまって、子供にとってよい医療にならないのです。そこを非常に懸念する医師の先生方が多かったので、若干の負担、500円のワンコイン負担とかをしてスタートしたのです。恐らくそういった自治体も多いと思います。ですから、そういったことも含めた配慮というのが今後検討すべきこととして必要かなと思っています。
 そういった意味を踏まえますと、実は、4ページにあります「今後のための方策の案の概略」ですけれども、ここに4項目を加えていただいて、「子供を守る保護者の子供のケアに関する意識向上の促進」というのをぜひ入れていただくべきではないかなと思うのです。そうしないと、子供たちは医療の知識があるわけでもございませんので、自分の体調がどうだとか、何の病気のおそれがあるとか全く分かりません。そこは近くにいらっしゃる保護者の方がやはりケアをして、お世話をする。そして、健康を守るように、医療は必要だけれども、元気に過ごすことができるようにということを日々やっていくことが必要です。そういった意味でも、意識の改革や醸成はとても大事だと思っています。
 あと、全体を通して感じることは、ポイントは財源の問題だと思うのです。
この子ども医療費助成を例外的に対応を充実していきますと、どんどん財政支出ばかり増えていきまして、異次元の財政支出になっていくわけです。これでは多分日本の財政はもたなくなります。
ところが、北欧の方とお話をして、以前もお話ししたのですけれども、彼らは3割以上の税負担をしながら、何で納得しているかというと、生まれてから天寿全うまで医療と福祉に関してはほとんど国が面倒を見てくれるからそれに必要な納税はいいよということですとか、教育についても希望したら費用負担はほとんどなく大学院までちゃんと行けるよといったことになって、納得して税負担されるのですよね。
 ですから、それを子ども医療費助成の充実を実現するにはやはり財源の問題があります。このことについては、実は今、いろいろなニュースが出ていますけれども、やはり国会をはじめとした、我々市長も含め、地方議会も含め、政治の信頼性が極めて重要だと思います。「しっかりやってもらっているから、その方針は大事だね」とか、「間違いがないような国会運営、地方自治体運営をしていただいているから、彼らがそこまで本気で言うなら、やはり少しの税負担をして、みんなの医療と福祉を高めていこう」ということになっていかないと、なかなか前に進まないのかなと思いますので、この会議の声が国会に届くかどうかは別として、ぜひ国会ではあまり問題を起こすようなことがないように期待したいと感じますし、我々地方自治体も頑張ってまいりますけれども、そういったことを感じているところです。
 そういった基盤の上に、今回のような改革が進み、総理大臣も目指されている、厚生労働省も願われている、子供たちにとって必要な医療の充実と、やはり全国民の健康医療の延伸ということをぜひ図っていただきたいと思うところです。
 あと、小さなことですけれども、言葉として、「現物給付」というのは若い世代にはとても分かりにくいと思うのです。何か違ういい言葉をつくっていただけないかなという気がいつもいたしているところでございますので、若干そのことに触れさせていただきました。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 佐保参考人、よろしくお願いします。
○佐保参考人 安藤委員をはじめ、ほかの委員からも御発言がございましたが、子供の医療費助成に係る国民健康保険の減額調整措置廃止に際しては、医療費助成の一層の拡充によって安易な受診増などにつながらないよう、「上手な医療のかかり方」を合わせて周知していくことなどの工夫をお願いいたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、猪口委員、よろしくお願いいたします。
○猪口委員 子供の医療費については、費用負担を心配することなく医療が受けられるということは、子育て世代にとっては非常に心強い支援だと思います。ただし、今までもお話が出ていますように、医療費が無料である費用負担がないからといって、安易な医療機関の受診とか、コンビニ受診といわれるような事例が増えるようでは、やはり地域医療にも影響が出てくることになります。正しい医療のかかり方とかそういう啓発活動、これも同時に行っていく必要があるのではないかと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょうか。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
 まず、子供の医療費助成に関する減額調整措置の廃止を契機として生じる課題につきましては、医療保険財政への様々な影響を考えつつ、より良い医療をどう実現していくのか、資料の4ページに提示されているような方策を深掘りしていただきたいと思います。
 また、もう少し長い視点での対応も必要ではないかと考えます。今後、さらに人口減少が進行し、構造的な労働力不足が産業・経済の足かせとなることも懸念されております。働く意思と意欲のある人が、年齢や性別にかかわらず働き、可能な範囲で社会保険制度の担い手、支え手になっていくものであることが望まれます。そのような社会の実現に向け、人々が長く元気に活躍するための健康管理の基礎を、若い頃から培うことが重要かと思います。そのためにも、親の世代がヘルスリテラシーを向上させ、子の世代に健康・医療に関する自助、共助、公助の考え方や健康増進の取組の大切さを伝えていただく。学校教育での対応を含め、政府等にはその後押しをしていただく。そういったことも検討していただければと思います。
 また、せっかくなので、御意見を伺って感じたのですが、学校での教育について、全国法人会総連合という組織がありまして、全国75万社の中小企業が加盟しているわけなのですが、国税庁の御指導の上に、全国440の単会において、小学生に租税教育セミナーというのを実施しております。私も何回かやったことがございますが、この中に、やはり医療や健康の情報をもっと盛り込んでもらいたいという声を、実際に学校の教育現場からもいただいておりますので、こういった既存のシステムをうまく活用するということも、大切ではないかなと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 1点だけ、子供の医療費の助成についてやっていくことはいいのですけれども、ぜひお願いしたいことは、先ほど前葉委員が御発言のときにおっしゃっていました窓口負担の無料化というところが非常に大事でございまして、全て医療費が無料ではないということを国民全員が知っていただけるようによろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、御意見はないようでございますので、本議題に関しましてはこれまでとしたいと存じます。
 それから、事務局のほうから別途報告事項があるということでございますので、総務課長、調査課長から説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○池上課長 総務課長の池上でございます。
 資料4、予算の概算要求についての御説明になります。
 予定された時刻になりましたので、極めて簡潔に御説明させていただきます。
 何本かの柱がありますけれども、まず1つ目が安定的で持続可能な医療保険制度の運営確保でございます。これについては、下のほうに囲みがございますけれども、3報酬改定でございますが、予算編成過程で検討することとされております。そのほか、物価高騰対策、こども・子育て支援加速化プラン、それから、制度改革に伴う被用者保険への財政支援強化への対応についても予算編成過程での検討となってございます。
 それから、2ページ以降、医療分野におけるDXの推進、それから、3ページ以降、予防・重症化予防・健康づくり、最後、被災者の支援といったものについて予算要求を行うこととしているところでございます。
 御説明は以上でございます。
○鈴木課長 続きまして、調査課長でございます。
 資料5の令和4年度医療費の動向について御説明をさせていただければと思います。主要な部分のみの御説明という形で御了承いただければと思います。
 2ページでございます。
 令和4年度の概算医療費ですけれども、46.0兆円となっております。こちら、前年度44.2兆円と比較しますと、率にしまして4.0%、金額にしますと1.8兆円の増となっております。
 この伸びについて、昨年ではなくてコロナ前、要は令和元年度と比べるとどうなるか。これは要は3年前と比べてということですけれども、5.5%の増。こちらを1年当たりに換算しますと1.8%の増となりまして、令和2年度で落ち込んだことなどを考慮しますと、コロナ前と比べて1年当たり1.8%の増となっているところでございます。
 対前年で4%の増と申し上げましたけれども、こちらを受診延べ日数と1日当たり医療費に分解して考えますと、受診延べ日数で2%の増、1日当たり医療費で2%の増で、合わせて4%の増となっております。
 また、この医療費、入院、入院外、歯科、調剤、診療種類別で見ますと、対前年度で見ましても、対令和元年度、コロナ前と比べて見ましても、全ての診療種類別でプラスとなっております。こちらは表を見ていただくと、入院外の伸び率がやや高く見えるのですけれども、これは例えば令和2年度にコロナの受診控えで非常に下がったものの反動でありますとか、また、外来はコロナそのものの医療費がかなり影響があると。また、令和4年度から新たに不妊治療が保険適用された。そういった影響もあって、少し伸び率が高く見えるというところがあろうかと思います。
 3ページでございます。
 こちらは先ほど御説明した数字と同じものが幾つか載っているのですけれども、一番下の参考というところを見ていただければと思います。レセプトには傷病名が書かれておりますけれども、その中でレセプトの主傷病、主な傷病のところに新型コロナウイルス感染症とあるものだけを集計したものが一番下の参考でございます。これは令和4年度で8600億円となっております。ちなみに、令和3年度の数字は4500億円ですので、約倍弱となっております。
 続きまして、5ページを御覧いただければと思います。
 年齢の区分別に状況を見たものでございます。こちらを見ていただくと、未就学者の伸びが対前年でプラス10.9%、対令和元年でプラス12.6%と、どちらで見ても一定程度高いという形になっておりまして、一方で、75歳以上の医療費の伸び率はほかのカテゴリーと比べると低めとなっておりまして、特に令和元年度比、コロナ前と見るとプラス0.4%ということで、コロナ前とほぼ同水準となっております。
 続きまして、6ページが診療所につきまして主たる診療科別の状況を見たものでございます。今御説明した未就学とここでの小児科というのは若干重なる部分もあるわけですけれども、小児科は対前年度でプラス30.8%、対令和元年度でプラス44.8%とかなり高い伸びとなっておりますけれども、未就学であったり、小児科であったりの伸びは、先ほど入院外のところで御説明しましたけれども、コロナで落ち込んだところの反動であったり、やはりコロナ自体の医療費がかなり大きく影響しているところでございます。
 そして、またもう一個高いところが産婦人科でして、これも先ほど申し上げたとおり、令和4年度から不妊治療が保険適用になりまして、その影響で産婦人科の医療費というのは数字上大きく上がっているように見えるという形になっております。
 7ページは都道府県別の伸び率となっております。これはコロナの流行程度、波も差がありますので、少しばらつきがあるというところになっております。
 8ページ以降ですけれども、電算処理分の動向ということで、細かい数字の御説明は割愛させていただければと思うのですが、従前、医科と調剤に関してはNDBの集計というのを行っておりました。令和4年度分から新たに歯科も集計するということで、今回、医科と歯科と調剤それぞれについてNDBデータを細かく集計したものを出させていただいているというところになっております。
 簡単ですが、御説明は以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 報告事項ではございますけれども、何か御意見等ございましたら。
 では、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。時間も押している中で申し訳ございません。
 1点だけ、この中にある受診延べ日数なのですけれども、令和元年度比でマイナス3.6%という数字が出ておりますが、平均すれば年マイナス1.2%であり、従来の傾向と変わっておらず、被用者保険で見れば患者数もほぼ戻ってきていると考えます。今後の動向を注視する必要があると思いますし、こうした部分について今後ともぜひ要因の分析をお願いできればと思っております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
 今回の資料には保険局関係ということで掲載されていないのですけれども、メンタルヘルス関係の要求として、産業保健活動総合支援事業であるとか、働く人におけるメンタルヘルス対策の促進がございます。そして、その予算が拡充されております。ここは大変いいことなのですけれども、このいずれの事業もメンタルヘルスを害した後に着目したものであって、その手前でどういうふうになっているのかということには、労働のほうで健康保険には関係ないような形での予算づけになっております。
 それで、今年の2月24日の本部会でもお伝えしましたが、協会の傷病手当金に占める精神及び行動の障害の支給金額及び構成割合は年々増加の一途をたどっております。特に女性の割合が近年増加している傾向にございます。母子保健、学校保健、産業保健、被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険等の主体がそれぞれの担うべき役割を明確にした上で相互に連携し、個人がメンタルヘルスを害する前に対策を打つことが非常に重要であると考えております。ですから、そのような枠組みをこれから構築していくべきであると考えますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、御意見等はないようでございますので、本日はこれまでとしたいと存じます。
 次回の開催日については、追って事務局より連絡いたします。
 本日は御多忙の折、御参加いただき、また活発な議論を繰り広げていただきまして、ありがとうございました。
 それでは、閉会いたします。