2023年8月2日 独立行政法人評価に関する有識者会議 地域医療機能推進WG(第10回) 議事録

日時

令和5年8月2日(水)14:00~16:27

場所

経済産業省別館 227各省庁共用会議室

出席者

小野主査、安保構成員、亀岡構成員、河村構成員、坂井構成員、山口構成員

議事

議事内容
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 定刻になりましたので、ただいまから「第10回独立行政法人評価に関する有識者会議地域医療機能推進WG」を開催します。事務局の政策立案・評価担当参事官室室長補佐の岡崎です。よろしくお願いいたします。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。今回の会議は対面参加とオンライン参加を組み合わせたハイブリッド形式となっております。オンライン参加の構成員の皆様への御連絡になりますが、会議中は御自身が御発言される場合以外は、マイクをOFFにして、音声ミュート状態にしていただくようお願いいたします。また、質疑応答などの際に、御発言の希望がある場合には、WEBEXの「挙手」アイコンをクリックいただくか、チャット機能を使って発言の希望がある旨を事務局に御連絡ください。事務局にて御発言の希望を確認した後、発言者を主査が指名しますので、主査から指名を受けましたらミュートを解除し、御発言ください。御発言が終わりましたら再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 さて、本WGの各構成員の紹介については、会議資料の配布をもって紹介を省略させていただきますが、令和5年度から就任される構成員について御紹介させていただきます。昨年度いっぱいで福井構成員が退任なさいまして、今年度から新たに安保雅博構成員に就任していただいております。安保先生、一言御挨拶いただければ幸いです。
 
○安保構成員
 皆様、はじめまして。慈恵医大の安保といいます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 ありがとうございました。本日の出席状況について御報告いたします。本日は、小野主査、亀岡構成員が会場での御参加、安保構成員、河村構成員、坂井構成員、山口構成員がオンラインでの御参加です。なお、坂井構成員ですが、接続の都合で若干入室が遅れておりますことを御了承ください。また、南構成員につきましては欠席となっております。
 本WGの開始にあたり、当室参事官の石塚より御挨拶申し上げます。
 
○政策立案・評価担当参事官室参事官
 評価担当参事官をしております石塚と申します。よろしくお願いします。本日は暑い中、またオンラインの参加ということで参集いただきまして、ありがとうございます。今回は中期目標の最終年度ということですので、非常に重要なタイミングの評価かと思っておりますので、業務の向上、業務の効率化に資する活発な議論をいただければというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 続きまして、資料について御説明いたします。本日の資料に関してはお手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。オンライン参加の構成員の方々におかれましては、事前にお送りしている会議資料をお手元に御準備ください。本日の資料は、資料1~4、参考資料1~6となります。資料の不足やアイパッドの操作等不明な点がありましたら、何なりと事務局にお申し付けください。
この後の進行は、当WGの主査である小野先生にお願いしたいと思います。それでは小野先生、よろしくお願いいたします。
 
○小野主査
 福井先生の後を受けまして、主査をさせていただきます国診協の小野と申します。まだまだ力不足ではありますけれども、どうかよろしくお願いいたします。
 本日は議題として、地域医療機能推進機構の令和4年度業務実績評価、中期目標期間見込評価、業務・組織全般の見直しに係る意見聴取を行うこととなっております。
1つ目の議題の令和4年度業務実績評価と2つ目の議題である中期目標期間見込評価についてですが、法人から各評価項目における評定の根拠について重点的に説明しますので、評価の内容を中心に皆様から御意見、御質問をいただきたいと存じます。
3つ目の議題であります業務・組織全般の見直しについては、次期中期目標の内容に反映することを目的として実施するものでございます。これにつきましても、本WGの御意見を賜りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
本日の会議はおおむね2時間半を予定しております。少々長丁場になりますが、円滑な議事運営に御協力いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 早速議事に入りたいと思います。まず、令和4年度業務実績評価について、御議論をいただきたいと思います。はじめに、法人から簡潔に御説明いただき、説明が終わってから質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは、説明をよろしくお願いいたします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長 
地域医療機能推進機構企画経営部長の中村と申します。よろしくお願いいたします。まず初めに、令和4年度の取組全体に関して申し上げさせていただきます。令和4年度に関しては、地域に根差した公的医療機関ということで、新型コロナウイルス感染症との戦いを継続しつつ、コロナ以外の一般医療をいかに回復させていくか、更にその先を見通せる体制をいかに作っていくかというところが重要なテーマであったと考えています。この後、個別項目について御説明させていただきますけれども、是非、そのような観点から当機構の取組状況について御確認、御審議を頂ければと存じます。
 それでは、お手元の令和4年度業務実績評価説明資料を御覧いただければと思います。資料2-1です。表紙をおめくりいただきまして、1ページ、当機構の概要を改めまして簡単に御説明いたします。今のJCHOとしての設立は平成26年4月でございます。前身は旧社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院から成る組織ということで、病院や老健施設等、地域において必要とされる医療と介護を提供することを目的としています。組織の規模等は昨年度と大きく変わっていませんが、訪問看護ステーションが令和3年度と比べますと8施設ほど増えまして40施設となっているところです。
 2ページを御覧いただければと思います。令和4年度の中期目標の取組と各項目についての自己評価の一覧となっています。この後の御説明の中では自己評価の所に○や下線の付いている重要度・難易度の高いものを中心に御説明させていただきたいと思います。
 3ページを御覧いただければと思います。評価項目№1-1診療事業の(1)効果的・効率的な医療提供体制の推進です。こちらは重要度、難易度ともに「高」とされています。この項目について、中期目標におきましては地域のニーズを把握して、他の医療機関との連携を図ること、地域での取組が十分でない分野を積極的に補完して、地域医療構想の実現に貢献することなどが記載されています。
 評価指標につきましては、次の4ページ、Ⅱの指標の達成状況を御覧ください。指標は2種類ございまして、1つ目ですが、当機構では地域で中核的な役割を期待される病院について中核病院と呼んでいますが、これが32病院あり、この中核病院における救急搬送応需率を85%以上にするというものです。令和4年度の実績値では72.4%ということで目標未達成となっています。2つ目の指標につきましては、中核病院以外の病院を補完病院と呼んでいますけれども、その補完病院での地域包括ケア病棟の在宅復帰率を85%以上にするというものです。こちらは実績値が86.1%で達成したという状況です。このうち、1つ目の指標である中核病院における救急搬送応需率が未達成となった状況について、4ページの緑の枠の中に説明を書いていますが、救急依頼件数の大幅な増があり、これが救急の受入件数の増加の幅を上回ったことによるものと考えています。後ほど御説明させていただきますが、令和4年度はコロナ患者の受入数が過去最大を記録しています。救急の受入件数もこれに伴って大きく増加していまして、下のグラフを見ていただきますと、昨年度比で5,192件、率にして7.2%、患者の受入れが増えたところですけれども、それ以上に依頼件数が15.2%の増となっていまして、結果として救急搬送応需率が低下したということです。ただ、実際にはJCHO全体での病床数は昨年度とほぼ変わらない状況ですので、救急の受入件数を7.2%増加させるということは非常に現場に負担のかかる状態でした。具体例の所にも少し書きましたが、コロナ患者の対応を病院全体で診療科を跨いで分担をしながら、通常の患者さんの受入れに努めたことでこうした対応が可能になったと考えています。このため、結果として応需率は目標未達成でしたが、救急患者の受入数としては過去最多ということで、地域の救急医療に対する貢献は大きかったのではないかと考えているところです。
 5ページを御覧ください。Ⅲの評定の根拠という所で、指標の達成状況以外の取組について3点記載しています。1つ目は新型コロナウイルス感染症への対応として、過去最多のコロナ患者の受入れということで入院患者数は1万4,447名、外来患者数は15万7,993名です。こちらは昨年度と比較しますと、入院はおよそ3割増、外来に関しては8割増という数字になっています。
 6ページを御覧ください。折れ線グラフで確保病床に対する患者の受入率について全国との比較を表しています。昨年の4月から今年の3月まで感染の波はございますけれども、JCHOの受入率は基本的に全国平均を常に上回っている状態で、最大時には82%の受入率を記録しています。また、参考2の所に記載していますが、こちらはJCHO内でのアウトブレイクの発生状況です。見ていただきますと、他の感染症については増えていない中で、新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクが非常に増えていることを見ていただけるかと思います。昨年度、オミクロン株の影響で職員感染が過去最多で約9,000名が感染しています。令和3年度は900名弱というところでしたので、こちらは職員のほうも感染して出勤できないなど、非常に苦しい状態の中で過去最大の患者を受け入れた状況を見ていただければと思います。
 5ページに戻っていただき、2点目、地域の実情に応じた病院等の運営の実施という所ですが、こちらは地域協議会の開催について記載しています。3点目が、質の高い医療の提供ということで、在宅療養支援病院等の指定病院の数が増えている状況について記載しています。この評価項目全体につきましては、数値目標の達成状況とコロナ等のそれ以外の項目の実施状況を総合的に見まして、自己評価はAとさせていただいています。
 7ページを御覧ください。評価項目№1-1診療事業の(2)予防・健康づくりの推進です。中期目標の中では、住民の主体的な健康の維持増進を図ることや健康診断の実施に努めるといったことが記載されています。指標につきましては、Ⅱの達成状況にありますとおり、地域住民への教育・研修を毎年度1,000回以上実施するというものです。令和4年度の実績値は917回ということで、令和2年度、令和3年度の400回程度というところから大きくコロナ前に近いところまで回復いたしました。
 8ページです。その下の棒グラフを見ていただきますと、実際の開催方法についてですけれども、現地開催という実際に集まっての開催件数が大きく数を増やしています。下の例にも記載していますが、令和4年度に関しては世の中全体でウィズコロナという形で適応が進んでまいりまして、住民の方からも、直接集まって体を動かしたり交流をしたりしながら開催してもらいたいといった御要望も多かったと聞いていますので、こうした声も踏まえ、感染対策にも配慮しつつ、健康教室や公開講座などの実施回数を増やすことができたと考えています。
 9ページですが、指標の達成状況以外の取組について記載しています。健診受診者数の推移について、資料の棒グラフにも記載のとおり、令和2年度、コロナの影響もありまして120万人を割るところまで低下していますが、令和4年度は年間の総受診者数が126万人というところで令和元年の98%程度まで回復しました。また、特定保健指導につきましても、グラフに記載のとおり、積極的支援終了者を除き基本的に過去最大の数を記録しています。これは対象者に対して病院の保健師等が積極的に受診の働きかけをしたことなどが効を奏したものと考えています。この評価項目全体としましては、地域住民に対する教育研修活動に関する数値が目標を若干下回っていますが、特定健診等の着実な実施状況を踏まえ、自己評価はBとさせていただいています。
 10ページ、評価項目№1-2介護事業です。この項目は重要度、難易度ともに「高」となっています。中期目標では3点ほど記載がございまして、(1)老健施設における在宅復帰の推進、(2)訪問看護ステーションにおける在宅療養支援の推進、(3)介護予防の実施となっています。
 評価指標につきましては、次の11ページを御覧いただければと思います。数値目標は2つございまして、1つ目は、老健施設における在宅復帰率を54.5%以上にするのが目標ですが、実績値が54.0%ということで目標をやや下回っています。2つ目が、訪問看護ステーションの重症者の受入数を1万2,400人以上とするということです。こちらは実際の受入数が1万4,227人で達成しています。
 このうち、老健施設の在宅復帰率は目標を下回っていますけれども、次の12ページに説明資料を付けています。下のグラフを御覧ください。全国と比較しますと、JCHOは老健からの退所先について居宅への退所率が高い状況ですが、昨年度は医療機関への退所が前年度より増えたことが在宅復帰率の低下に影響したものと考えています。一方、上の円グラフにありますとおり、施設類型のうち、在宅復帰を含め強力に取組を推進している超強化型の比率は全国比でも高い状況で、全ての施設が加算型以上の施設類型を取得しています。こうした形で老健施設の在宅復帰支援は、引き続き、JCHOとして積極的に行ってまいりたいと考えています。
 次の13ページでは、指標の達成状況以外の取組として、老健施設における在宅復帰支援、訪問看護ステーションにおける在宅療養支援に関する加算の算定件数の増加等の状況について記載しています。この評価項目全体としましては、老健施設のほうはわずかに数値目標を下回っていますが、訪問看護ステーションにおける重症者の受入数を含めて全体としては高い数値を示しています。また、その他の事項についても着実に取組を実施していることを踏まえ、自己評価はAとさせていただいています。
 15ページを御覧ください。評価項目№1-3、病院等の利用者の視点に立った医療及び介護の提供です。中期目標では患者満足度調査の実施や医療事故・院内感染の防止についての記載がございます。数値目標は2つございまして、1つ目が病院の患者満足度調査において、「満足」「やや満足」と回答した方の割合を87%以上にするというもの、もう1つが、老健施設での利用者満足度調査に関して、同じく「満足」「やや満足」と回答された方の割合を92%以上にするというものです。こちらは、それぞれ実績値は記載のとおりで病院のほうは目標を達成していますが、老健施設のほうはやや下回っている状況です。
 次の16ページで、この調査結果について少し分析しています。左側の青色の表が病院に対する満足度の上位3項目と下位3項目、右の緑色の表が老健施設の上位3項目と下位3項目です。こちらを見ていただくと、病院のほうは医師、看護師の説明や医療技術に関する評価は高い評価を頂いている一方で、外来の待ち時間に関する評価が低い状況です。こちらについてはページ上の右側の取組例で記載していますが、これは、会計時の待ち時間が長い原因について病院で調査したところ、各診療科での記載の不備等の確認に時間を要していたことが分かったという事例で、記載不備の確認体制を見直した結果、時間が短縮されて評価が上がったといった例がございました。また、当機構に限らず全国的な取組ですが、医療機関ごとに機能分化をそれぞれ進めていくといった観点から、紹介・逆紹介の推進ということが言われています。当機構におきましても、地域の診療所などで対応可能な患者さんに関しては積極的に逆紹介を進めていまして、これが混雑の緩和にも良い影響を与えていると考えています。
 次に、老健施設につきまして、こちらも職員の対応に関しては全般的に高い評価を頂いていますが、一方で、面会時間やレクリエーションに関する評価が低い結果が出ています。これについては、コロナ禍の中で面会制限や密を避けた行事を実施せざるを得なかったといったことが影響していると考えられますが、その中でも感染対策の観点から屋外でのイベントの開催や、Web上での面会を実施するといった工夫を行ってきたところです。
 指標の達成状況以外の取組に関しては、次の17ページに医療安全に関する事項を記載しています。2つ目のポツの所ですが、例えばインシデント・アクシデントレポートの報告件数を増やしていくことが、医療安全上は非常に重要ですので、具体的な目標を定めました。病床数の5倍以上という具体的な数字を出し、中でも医師からの報告割合を1割以上とすることを目標に現在取り組んでいます。右下の棒グラフと折れ線グラフを見ていただくと、報告件数については目標を達成しています。医師からの報告率はまだ1割に達していませんが、令和3年度から令和4年度にかけて大きく上昇している状況です。また、病院機能評価の受審促進についても、現在、取組を進めています。機構の中で既に認定を受けた病院が、これから認定を受ける病院に対してアドバイスをするといったことや、模擬審査を実施してもらうといったことで、受審をサポートした病院や、これから受審をする病院に対して助成金を支給するといった独自の取組を進めているところです。第三者評価を受けることで、医療安全やサービスの質の向上だけでなく、地域からの信頼向上にもつながると考えていますので、今後も積極的に進めていきたいと考えています。
 この評価項目全体としましては、数値目標を含めておおむね目標を達成していますので、自己評価はBとさせていただいています。
 18ページ、評価項目№1-4、教育研修事業です。中期目標におきましては質の高い人材の確保と育成、中でも看護師の特定行為に係る研修を推進することと、地域の医療・介護従事者に対する教育研修に取り組むことが記載されています。この評価項目の評価指標は2つございまして、1つ目が、特定行為研修の修了者を毎年度50人以上養成するというものです。令和4年度の実績値では58人、達成度116.0%で目標達成となっています。2つ目の指標は、JCHO職員以外の地域の医療・介護従事者の方に対して教育・研修を毎年度480回以上実施するもので、こちらも実績値681回、達成度141.9%と大きく目標を上回っています。
 次の19ページで特定行為研修について説明資料を付けています。左側の棒グラフは、令和元年度から令和4年度まで各年度の区分領域ごとの研修修了者数を表したものです。なお、令和5年度には、ここに新たに急性期の7区分1領域が追加されますので、今後はより幅広い業務に関して看護師の力が活かせるようになると考えています。右側の表を見ていただくと、令和4年度は機構内の施設で研修を修了した者が58人、また、機構職員がほかの法人の施設で研修を受けたケースが23人ございましたので、合わせて機構全体では81人が新たに特定行為研修を修了したことになっています。また、昨年度、こちらの会議の場でも御指摘いただきましたけれども、実際に研修を受けるだけでなく、実地で技能を発揮することが重要と考えていますので、配置の工夫に関して下の文章の所に少し書かせていただきました。実際に看護師が特定行為を実施する上では、指揮命令系統をはっきりさせることが重要ですので、例えば職務規程を作ることや、院内横断的に動きやすいように院長から辞令を交付するといったことで、技能を持った人がより働きやすくなる工夫をしています。こうした取組により、特定行為の実施件数は年々拡大していまして、令和4年度は1万1,059件と令和3年度の倍以上に増加しています。来年4月から医師の働き方改革に関する規制が施行されるに当たり、ますます看護師の貢献は重要になってまいりますので、引き続き特定行為研修については力を入れていきたいと考えています。
 次の20ページでは、指標以外の項目の達成状況について記載しています。質の高い職員の育成ということで、医師、看護師、事務職員に対する研修について記載しています。この評価項目全体としましては数値目標をいずれも達成しており、その他の項目も着実に実施しているということで、自己評価はAとさせていただいています。
 続きまして、21ページを御覧ください。業務運営の効率化に関する事項です。この評価項目においては、Ⅱに記載のとおり3つ指標がございまして、1つが、電子カルテについて90%以上の病院で導入するというものですが、こちらは令和3年度に全ての病院で導入を達成していますので、令和4年度は指標の設定はございません。2つ目の指標については、医業未収金比率を平成30年度実績値(0.057%)より低減させるもので、3つ目が、一般管理費について平成30年度実績値に比べて4%を目標に節減するというものです。こちらはいずれも実績値と達成度、それぞれ記載のとおり目標を達成している状況です。
 その他の取組につきましては、次の22ページのⅢの所に記載しています。1つ目のポツでJCHOの業務運営について、令和4年度の新たな取組として外部の有識者の先生方から助言を頂くことを目的に、JCHOアドバイザリーボードを設置した旨を記載しています。
 次の23ページに、アドバイザーの方々の一覧と第1回アドバイザリーボードの際に頂いた主な御意見を記載しています。メンバーは医療関係者に限らず他の業界の経営者の方、マスコミ関係の方なども含まれていまして、例えば地域医療構想への対応、人材育成や経営面も含めた法人運営全般について幅広な御意見を頂いたところです。
 22ページにお戻りいただき、もう1点、業務運営の見直しや効率化による収支改善ということで、診療材料や医薬品のベンチマークシステムの導入について記載しています。こちらは他の公的な医療機関や民間の法人も含めまして、品目ごとに購入価格の比較分析をすることで、より安い値段で購入できるようにするというものです。費用削減に資する取組ということで、今後予定している他の団体との共同調達においても活用していく予定としています。
 この評価項目全体としましては、3つの指標全て達成していること、その他の事項の取組状況も踏まえ、自己評価はBとしています。
 続きまして24ページ、財務内容の改善に関する事項です。ご承知のとおり、JCHOは国からの運営費交付金を受けず、自収自弁ということで運営している法人ですので、経営の健全性というのは取り分け重要な点だと考えています。この評価項目は中期目標で難易度「高」とされていまして、具体的な評価指標は経常収支率を100%以上にすることとなっています。令和4年度の経常収支率は105.6%で目標を達成していますが、次の25ページに記載がございますとおり、左下の表の所で経常収支率の高い数値については、昨年度と同様、コロナ補助金の影響が大きかったと考えています。コロナ補助金については公的医療機関の責任として、求められる役割を積極的に果たした結果であると考えていますが、一方で、今後はコロナ補助金に頼らず、コロナの前と後で激変した医療環境、患者のニーズに合わせながら、健全経営を達成していく体制を改めて構築していく必要があると考えています。
 このため、経営努力として令和4年度に実施した内容について、上のⅢの所に2点ほど記載しています。1点目は、昨年度の事業として全57病院においてアフターコロナを見据えた「経営戦略」の策定を行っています。地域の人口動態の変化、他の病院の動向も含めた経営分析を全ての病院で行い、地域医療構想も踏まえた自院の立ち位置、機能について改めて法人全体で議論し、本部からも必要な支援を行っています。2点目として、委託費等の削減に向けた取組について記載しています。各病院の個別の支出項目について、現在の病院の機能や患者数なども踏まえ、人員配置の無駄はないか、競争性が保たれているか等について、本部が現地で個別にチェックを行い、令和4年度は新たに1.4億円の削減効果を上げたところです。
 以上、足元の数値目標の達成状況に加えまして、アフターコロナに対応するための経営努力の状況も踏まえ、この評価項目全体の自己評価はAとさせていただいています。
 次に26ページを御覧ください。評価項目№4、その他業務運営に関する重要事項です。こちらは評価指標は特にございません。中期目標に掲げる取組としては、JCHO内における医師不足病院への医師派遣や外部監査の実施のほか、一番下のポツの所で、令和4年度に新たに発足した「コミュニケーション戦略会議」について記載しています。病院は非常に多くの職種から構成されていまして、中でもJCHOはもともと3つの前身組織が統合されてできたといった経緯もございますので、法人としての一体感を醸成することが医療の質や経営面でも非常に重要であると考えています。このため、職員のモチベーションを上げるための病院内の広報のあり方や、外部メディアにJCHOの考え方、取組を、よりよく知っていただくための広報戦略について考える勉強会の開催等を行っているところです。こうした取組状況を踏まえ、この評価項目について自己評価はBとさせていただいています。以上、各評価項目について御説明させていただきました。
 最後に2ページに戻っていただき、全体の評価項目と自己評価をまとめて記載していますが、こちらは、以上の御説明した内容を踏まえまして、全体としては、総合評定の自己評価はAとさせていただいています。
私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 失礼いたします。事務局です。オンライン参加の構成員の皆様、現在の聞こえ方はいかがでしょうか。
 
○河村構成員
 今はよく聞こえます。ただ、途中やはり聞き取りきれなかったことで同じことをお尋ねしてしまうかもしれません、すみません。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 大変申し訳ございませんでした。ほかに、山口先生、聞こえ方はいかがでしょうか。
 
○山口構成員
 後半はよく聞こえるようになりましたが、途中が何度か、マイクの問題というよりは、電波の状況がよくなくて途切れているのではないかなという感じでした。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 承知いたしました。ありがとうございます。そこでお願いですが、通信負荷の軽減のために、オンライン参加の構成員の皆様、発言時以外のビデオをオフにしていただけますでしょうか。これで、多少、通信負荷が軽減されると思います。では、続けさせていただきます。申し訳ございませんでした。
 
○小野主査
 説明ありがとうございました。オンライン参加の皆様方におかれましては、若干聞こえにくい所もあったようですが、この後、ただいまの説明についての質疑応答をしたいと思います。それでは、ただいまの令和4年度の実績評価について、御意見、御質問等を是非、よろしくお願いしたいと思います。オンライン参加の構成員の皆様も是非、御発言を願えればと思いますが、いかがでしょうか。亀岡委員、お願いします。
 
○亀岡構成員
簡潔な御説明をありがとうございました。これはもっと最初のときにお願いしておけばよかったのかもしれませんが、今回の実績評価の説明資料の中においては、実に完結しているのかと私は思うのですが、業務実績評価書という本来のものがあるのですが、できたら、それぞれの所に、これは何ページに書いてあるかを示してほしいと思いました。そうすると、開くときに開きやすくて、今は内容を見ながら追い掛けていくような状況でしたので、今後、お願いしたいと思います。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 承知いたしました。
 
○亀岡構成員
 結構です。それとあと、例えば4ページ目の所なのですが、これは、今、この場で聞くのはどうなのですかということを逆に聞かれると大変申し訳ないです。この後もそうなのですが、例えば、85%だとか、こういうパーセントの、そもそもの他を見ると54%以上あればいいのだというような評価をされているのですが、このパーセントのときの、そもそも、このパーセントをベースに上か下か、達成した・しないとなるのですが、このパーセントのときの基本的な考え方だけちょっと教えてもらえますか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 救急搬送応需率の達成度については、数値目標が救急搬送応需率85%で、令和4年度実績が72.4%です。達成度は目標値で実績値を割ったものとして見ていただければと思います。
 
○亀岡構成員
 すみません、ちょっと質問の趣旨が十分ではなかったかもしれません。計算の仕方ではなくて、例えば、元年度は86%で、本当は頑張っていけば少しずつ上がっていくのかなと。当然、上がらない理由は何か、コロナとかがあって上がらないというのは分かるのですが、何て言うのですか、いわゆるここで言う達成度、指標というのは実績値ということだと思うのです。私はそう理解したのですが、これは、結構大きくぶれているわけです。ですので、この85%というのが本当に、よく分からないですがリーズナブルなのかという、本当はもっと低くてもいいのではないか。努力されているわけですから、毎年。それがどんどん下がるというのは、そもそも目標としてどうなのかみたいなことも含めて、逆に、そのひっくり返しは何かと言うと、そもそもこの達成度の決め方は何ですかというところなのです。そこに話が戻ってきたので、それを教えていただきたいと思いました。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 すみません、失礼しました。もともと、この第2期の中期目標である85%という数字自体は、第1期中期目標期間の数値を参考にしながら作成をしたものと聞いております。この第2期中期目標期間の間に、救急搬送応需率の実績がかなり変動しておりますが、要因としては、下のグラフにも少し記載をしておりますが、この第2期の期間中は、特に令和2年度以降、コロナの感染状況の拡大によりまして、非常に救急搬送の依頼の件が増えてきたところが影響しているかと思います。もちろん、患者さんの増に合わせて、我々のほうでも、救急搬送の受入れの件数自体も一生懸命増やしてきたところではあるのですが、実際には、非常に爆発的に感染が拡大したといったことで、救急の依頼の件数のほうが非常に増えてきたといった状況でした。通常、令和元年度以前の数値で見ますと、救急の依頼件数はこれほど増えているものではありませんで、1年で例えば、2~3%程度の増というのが令和元年度以前の状況だったかなと見ているのですが、この第2期の期間中は、今申し上げたようなところで、大きく搬送の依頼の件数が増えたということです。ですので、第2期の目標設定をした当時には余り想定をしていなかったような状況が出てきてしまったのかなというところで、救急搬送応需率が大きく変遷をしている状況かと考えております。以上です。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 補足、よろしいでしょうか。
 
○小野主査
 理事長、お願いします。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 御指摘ありがとうございます。実は、この救急搬送応需率というもので救急体制を見るのが正しいかどうかというのは、現場でも議論のあるところです。やはり、病院のキャパシティで、もう受けられる数というのはほぼ決まってしまいますので、これが85%という数字は、今、説明にありましたように、これまでの経過でそれぐらいならいいだろうということですが、今回のように特に周辺状況に大きな変動がある場合は、なかなかこれは達成がそもそも難しいということです。ただ一方で、対外的には、救急搬送応需率という指標が恐らく一般社会においては、例えば救急搬送患者を7万件受け入れますという目標にした場合と、救急搬送応需率85%とする、どちらが社会と一般の方から受け入れやすいのかというところは、多分、その辺もこれから議論すべきところではないかと考えております。ありがとうございます。
 
○亀岡構成員
 すみません、ちょっと私も言葉が足りなかったのですが、下がっていることが何か悪いと言っているのではなくて、その説明を見ると、これだけの方を受け入れたのだから当然下がるのだと、それは相対論としてそのとおりだと思うのですが、そうすると、言い方が悪いのですが、説明でカバーしてしまうのか、そうではなくて、上の数字の所で、そもそもこの数字を出すこと自体が本当にリーズナブルな評価なのかというのは、ちょっと私は逆に気にはなりました。すみません。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 ありがとうございます。
 
○小野主査
 ありがとうございました。ほかの病院というか、全国的な、いわゆる応需率というのはどのぐらいあるかというのは把握されているものですか。例えば、救急病院とかそういう所の。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 申し訳ございません。持ち合わせておりません。
 
○小野主査
 ここで85%を目標にしているのですが、全国的に、恐らくここ数年はコロナの患者さんの影響で、応需できない患者さんが結構いらしたので、応需率としては下がっているのかなという感覚はあるのですが、そこら辺も一度出していただいて、比較していただくというのもいいのかなと思っています。
 
○亀岡構成員
 続いて、よろしいでしょうか。6ページ目の所です。新型コロナウイルス感染症への対応ということで大変な中、過去最大の受入れをしたということで、昨年が900人で、令和4年度の職員感染が過去最大の9,000人だと、こう書いてあるのですが、私もよく分からないのですが、全職員が2万4,000人いて、9,000人というとかなりの数かなと。要するに、1人が何回もなっているのかどうか分かりませんが、逆に、当然、患者に直接対応するのだから、そのリスクはメチャクチャ高くて、感染されても、私はいいとは言いませんが、感染率は高いのかなと思うのですが、逆に、先ほどおっしゃった、こちら側の感染者が多いと、それだけ今度は対応ができなくなってくるということなので、この9,000人ということに対して、やむを得なかったと思われているのか、例えばもう少し事前のいろいろな対応をすることによって、防げることによって、更にもっと患者を診ることができたのではないか。非常にわがままなことを言っているわけですが、9,000人というのは、職員数から見てかなり大きな、それぐらい大変だったのだと私は受け取ってはいるのですが、この辺についてはどのように評価をされているのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 ありがとうございます。まず、職員感染が9,000人というところで申しますと、これは先ほど先生がおっしゃったとおりでして、同じ人が何回も感染すれば、2人とか3人とかとカウントをされるものです。資料の6ページにも少し記載をしておりますが、コロナとそれ以外の感染症の数で見ますと、ほかの感染症の数が増えているわけではないので、コロナの感染力の強さゆえにこういった状況が起きたのかなと思ってはおります。やはり、院内感染は、非常に患者さんの受入れにも影響しますし、職員自身も対応が非常に難しくなりますので、感染対策を含めて、いろいろなJCHO内での研修の実施とか、感染防御のための対応は力を入れてやってきております。ただその中でも、やはりオミクロン株の影響でここまで感染者が出てしまったというところに関しては、ある種、やむを得ないところはあったかなと。もちろん、コロナとの戦いは続きますので、今後とも、感染対策は引き続きしっかりやっていきたいと思う一方で、やはり昨年度の状況としては、ある程度、こういった数字が出てしまったところはやむを得ない部分もあったかなとは考えております。以上です。
 
○小野主査
 よろしいでしょうか。
 
○亀岡構成員
 やむを得ないというところを強調してもらいたいです。逆に、9,000人も出たのだけれど、それだけ受け入れているみたいな。事実なのですが、ものすごい苦労というのは分かるのですが、何となく、受け入れた人が多いことを言うために、9,000人にもなったけれど受け入れていますみたいな、結論からすると一緒になるのですが、どう表現していいのかあれですが。先ほどお聞きしたときは、9,000人もたくさん出た中で受け入れていますと。全くそのとおりだと思うのですが、ですので、大変な中をされたということで、私もそれ以上返す言葉はありませんが。努力されている中、9,000人の患者が出たのだということで、是非、すみません、ここの点では以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。逆に言えば、多くの患者さんを引き受けたために、職員の感染者も増えているということではないでしょうか。そういう訳ではないですか。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 外で持ってきますので。
 
○小野主査
 なるほど。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 毎日、全ての病院から発生すると報告が上がってきますが、必ずしも患者さんから感染するということではなくて、むしろ、皆さん御承知のように、入院するときはコロナかどうか分からずに入ってくる患者さんも当然大勢いらっしゃいますので、それから、職員自身がやはり外で感染して持ってくることもあるかと思います。この数に関しては、およそ3割というと、大体、一般社会での感染率とほぼほぼ同じレベルかなと私自身は認識しております。
 
○亀岡構成員
 環境が大きいと。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 そうですね。日頃、要するに、すごく濃厚にばく露されている環境から考えると、低いと言ってもいいのかもしれない。
 
○亀岡構成員
 そうですか。分かりました。ありがとうございます。
 
○小野主査
 よろしいでしょうか。
 
○亀岡構成員
 今のようなことをお聞きしたかったのです。
 
○小野主査
 ありがとうございます。それでは、オンラインで御参加の山口構成員から。山口構成員、ビデオをオンにしてミュートを解除して御発言いただけますでしょうか。よろしくお願いします。
 
○山口構成員
 ありがとうございます。3点質問があります。ちょっと途中聞き取れなかったので、もしかしたら御説明があった部分があるかもしれませんが、御容赦いただければと思います。まず、評価項目№1-1の(2)予防・健康づくりの推進については、いろいろと努力されて、令和4年度は、令和2年度、令和3年度よりも向上してこられた。でも目標に達していないので、自己評価をBにしますということについては、これは仕方がないのかなと思いながらお聞きしていました。
 1-1の(1)効果的・効率的な医療提供体制の推進の所で、先ほど亀岡委員からも御指摘のあった救急搬送の応需率なのですが、85%を達成できなかった、72.4%だというお話なのですが、これは先ほどから何度も御説明にも出てきているように、4ページの資料を見てみますと、令和2年度から令和3年度で、救急の依頼件数がまず1万5,000件増えていて、令和3年度から令和4年度は更に1万5,000件増えている。ということは3万件増えているわけです。その中で、令和3年度から令和4年度は5,000件多く対応されている。実際に達成度が101.2%だった令和元年度を見ますと、このときの受入件数が6万8,057件です。令和4年度を見ると7万7,124件ということは、101%という評価があったときから更に1万件を超えた対応をされているということからしますと、私は、これはマイナス評価にすべきではないのではないかと思いました。この評価を令和2年度S、令和3年度S、令和4年度をAにされているわけですが、救急の応需率以外にマイナス視されたところがあるのだとしたらどこなのかを教えていただきたいというのがまず1つ目です。
 2点目ですが、11ページの所です。私は、毎年、JCHOの在宅復帰率が非常に高く、特に老健施設の在宅復帰率が毎年高い数値を収めてこられたことがすばらしいと思いながら、とても努力されている結果だろうと思っておりました。ただ、令和4年度については、医療機関への退所が増えたことで在宅復帰率が54.0%になったということなのですが、医療機関への退所が増えたのはどのような理由か把握されているとしたら、お聞きしたいというのが2点目です。
 3点目について、18ページです。先ほど御説明にもあったように、来年度から医師の働き方改革が始まる中で、タスク・シフト、タスクシェアを考えると、特定行為の研修を受けた看護師は非常に重要な役割を担ってくるのではないかと思っております。これは昨年度も申し上げましたが、JCHOの施設で特定行為の研修を受けた人が目標の数値に該当することになっていますが、JCHO全体として、もし特定行為の研修を受けた修了者の数を増やしたいのであれば、次年度の目標を作るときに、是非、どこで研修を受けたかということに余りこだわらず、何人以上増やしたいかということを目標の数値にしていただきたいというのが要望です。
 質問としては、19ページの特定行為の研修、いろいろな区分の所で人数が書かれていますが、恐らく看護師さんは、この分野の特定行為の研修を受けたいという看護師さんの関心で区分を選んでいるのではないかなと思います。そうしたときに、やはり病院としては、この病院にはこういう区分の特定行為の研修を受けた看護師が欲しいのだといった、看護師さんの関心と病院のニーズをどのように一致させているのか、これが3点目の質問です。以上、よろしくお願いします。
 
○小野主査
 ありがとうございました。ただいまの3つの質問について、お答えをお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 ありがとうございます。まず1点目の御質問、救急搬送応需率の所です。御指摘のとおりかと思います。今回、第2期の中期目標の設定の仕方が、先ほどちょっと申し上げたような形で、コロナによってこれほど救急搬送の依頼の件数が増えることを想定しない状態で設定されたものかと思いますが、実際にはこういう状況になっておりますので、救急搬送応需率としては大きく目標よりも下回っている状況があると考えております。御質問の、救急搬送応需率以外に自己評価においてマイナス評価をした要因があるのかというところですが、お答えとしては、特に、ここの救急搬送応需率以外のところで何か取組が退行したといった認識のあるものはありません。救急搬送応需率が、やはり目標の85%には届いておりませんので、ここの評価としては、今申し上げたような形のものに自己評価としてはさせていただいたというのが現状です。
 それから、御質問の2点目の老健施設の在宅復帰率の状況についてですが、令和4年度、医療機関への退所の率が上がった要因に関して、何か分析はあるかといった御質問ですが、もともとJCHOは、医療機関への退所率は全国と比べると低かったのですが、令和4年度は前年度と比べて4%ほど上がっております。要因としては、定かに分析はできておりませんが、例えば1つ考えられるのは、新型コロナウイルス感染症の影響で、老健施設で感染した患者さんが、例えば、症状が悪化したので、併設病院に入院しますといった形で、老健施設から出て病院に入院をされたといったケースが昨年度は多かったのではないかなとは考えております。
 それから、もう1点ですが、特定行為研修のどの区分を受けるかに関して、看護師本人と病院でどういった調整を行っているかというところですが、すみません、こちらも確たるデータを取っているわけではありませんが、職員の希望はもちろん踏まえた上で、病院ともある程度摺合せをした上でと言いますか、病院のニーズもある程度踏まえた上で、本人から希望を取っていると理解しておりますので、病院のニーズと全く懸け離れた研修をそれぞれ看護師が受けているという状況ではないのではないかとは考えております。以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございます。山口委員、いかがでしょうか。
 
○山口構成員
 2点目と3点目は了解しましたが、1点目については、確かにコロナ前に作った目標の数値だと思いますが、ちょっとこれはやはり、昨年度は確か福井主査のときに、コロナの状況を踏まえて評価をするときに、ちょっと違う見方をしてもいいのではないかというお話がありましたが、この項目について、これが未達成というのは、救急の現場で頑張っていらっしゃる方に対して余りにも報われないのではないかと思いますので、私は、これをもって評価をAにする必要はないのではないかなと思います。以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございます。私も実は同じ思いを持っています。もうこれだけの、応需率から言うと達成していないのですが、数から言うとかなり頑張っていらっしゃるので、昨年とその前がSで、何で今年はAなのだろうという思いもありますし、やはり、現場の活躍を考えれば、昨年同様でもいいのかなという思いがありますが、理事長、いかがでしょうか。
 
○山口構成員
 全く同感です。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 大変、温かいお言葉を頂戴して恐縮に存じます。先ほど来申し上げていますように、現場は目一杯対応した結果ですので、数字的にこうなったということで、謙虚にAという評価にさせていただいたという次第でございます。よろしくお願いします。
 
○小野主査
 ありがとうございます。よろしいですか、山口委員。それでは、次に、河村委員から手が挙がっていますので、河村委員、よろしくお願いします。ビデオをオンにして。
 
○河村構成員
 入りましたか。すみません。
 
○小野主査
 大丈夫です。どうぞ御発言ください。
 
○河村構成員
 御説明ありがとうございます。幾つか意見と、質問をさせていただきながら意見を言わせていただきたい所があります。まず、今も話題になっていた救急搬送応需率の所ですが、最初のほうで理事長先生からでしょうか、JCHOさんからもお話がありましたが、病院のほうで受け入れられるキャパというのは、もともとそれなりに決まってきていて、その中でどれだけ受けられるかという問題だとおっしゃっていて、本当にそのとおりだと思います。
 私が行革の仕事をやっている関係で、厚労省で、地域の救急医療で、要するに救急車の搬送がうまくいっているかどうか、平均待ち時間で把握したりするのですが、受入れ先が決まるまで救急車が到着して何分待たされるかで測ったりするのですが、そこがうまくいっていない県に対して補助金を出される事業の議論に参加したことがありました。そのときにいろいろ御説明いただいて分かったのは、意外と都市部でも受け入れがうまく進まない所があるのです。私が参加したときは、奈良県が最悪でした。確かに一番待ち時間が長かった。それで、へき地の北海道などが一番長いかというと、そんなこともないのです。厚労省の御担当の方からも話を伺っていきますと、結局、地域の病院ごとの連携がやはりすごく大きいそうです。こういうときに、どこの病院に救急車から連絡がいって受け入れてもらうかという、地域の役割分担みたいなものがうまくいっている地域は、割とそこで待たされない、受入れ拒絶もないという話を聞いております。
 ですので、そういうような経験したことも踏まえながら、今日の御説明や御議論を伺っていますと、確かに今回のコロナのようなときは、病院にコロナの患者さんが来られて、ちょっとみたいなところがあると、やはり救急車のほうも、国の独法病院だから、公的な病院だからということで、ついついJCHOさんの病院ばかりがんがん鳴らしてしまって、そうすると、やはりオファーがすごく多いわけです。そうした中で応需率という測り方をするのは、いろいろな委員の方が指摘されているように、少し問題もあるかなと。ただ、今回はこういう目標設定の中でやっていると思いますので、限界があるかなという気がしますが、今後お考えいただくときには、現実的な受入れのキャパの問題ということもありますから、例えば、最低でもこのラインは下回らないようにすることという形で率を設定するとか、あと、実際の数です。今だと7万7,000件となっています。ですから、どの辺に最低ラインを置くのかとか、そういうような形で把握して、どちらかというと評価の一番中心的な指標にこれを持ってきて判断するよりは、モニタリング指標ぐらいにしておいたほうがいいのではないかという感じがいたします。これが意見です。
 評定については、私は少し意見が違っている所があって、参考資料2にも出ております国としての統一的な評価基準からしますと、この項目は重要度も「高」、難易度も「高」と付いている項目ですので、それで達成度が一応長期に立てた目標に対する比率で見ると、片方が100を超えていて、片方が少し切っていて、いろいろコロナ関係での事情があったと思います。しかし、これが85%を割っているからということで評価してしまうと、それこそCが付いてしまいますので、そんなことをする必要はなく、基本的に両方を合わせてB判定でいいですが、そこで難易度が「高」が付いているから、Aということで、私はそれで現在の評価でよろしいのではないかと思います。以上が意見です。
 次にお尋ねしたいのは、19ページ、教育研修事業の所です。ここは大変高い成果を上げていると思います。ここは特に難易度や重要度が付いている項目ではないのですが、指標だけで分かるものではありませんが、18ページの指標の達成度を見ますと、上のほうは116%で120%に近いと。これは先ほどの観点からいくと、A評定を検討してもいいぐらいではないかと思います。さらにそこの所で、質的に顕著な成果があればということになるかもしれませんし、そこはいろいろ検討する、逆にもう少しここはAより上げられるランクの所にもしかしたらなるのではないかと私は思うのですが、質的な顕著な成果に値するような今回の取組があったのかどうかとか、あとこれによって、先ほどもタスク・シフトの話がありましたが、働き方改革が求められている中で、具体的にどういう病院の運営というか、経営の改革につなげていらっしゃるか、そこをもう一回確認したいので、もう少し踏み込んで御説明いただけないでしょうか。
 
○小野主査 
よろしいでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 ありがとうございます。特定行為研修の実施について、働き方改革への影響も踏まえて、具体的にどういったメリットがあるのかという御質問でよろしかったでしょうか。
 
○河村構成員
 そうですね。併せて、コロナがまだ尾を引いているような時期でありながら、これだけの実績が達成できた取組に何か工夫があれば。18ページには「オンラインを活用する等の工夫を行い」と書いてありますが、もう少し踏み込んで御説明いただけることがあればと思いました。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 まず、具体的にこれによってどういったメリットがということですが、現在、特定行為研修、もともとJCHOはかなり以前から進めておりまして、令和4年度に関しては、資料に記載もありますが、特定行為研修自体がコロナ禍の中で令和3年度は落ち込んでしまった中でも、令和4年度はかなり回復をさせてきたというところです。
 要因としては、もともと令和3年度は、研修自体が2年間の研修ですので、令和3年度は、2年間の研修を修了するためにちょうどコロナの最初の時期から受けていなければいけなかったということで、令和3年度に修了するのが難しい状況ではあったのですが、令和4年度は、令和3年度以降の感染対策も踏まえ、令和2年度よりもよりしっかりやれたということもありまして、少し数は回復させられたのかなと思います。
 
○河村構成員
 すみません、聞こえなくなってしまいました。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 聞こえますか。
 
○河村構成員
 今は聞こえます。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 取組に関してどういった工夫を行ったかということで申しますと、研修自体はオンラインも含めまして、感染対策は非常に気を付けてやったというところと、看護師のほうも、コロナの感染状況を見ながら、行けるときに行くというようなところで、実際に病院の看護の現場を抜けて研修に出るということになりますので、ほかの職員とのタスクシェアと言いますか、業務負担もお互いに分担しながら、何とか研修に出られるように各職場でも工夫をしたといったところでの成果は出ていたのかなと考えております。
 具体的に、看護師の特定行為研修を進めることで、現場にほかにどういったメリットがあるかということですが、今、19ページのほうにも少し記載をしておりますが、こちらは研修の実施、対象者の数を増やしたということだけではなく、実際に特定行為研修の区分、領域についても拡大をする、パッケージをどんどん増やしていくということを現在進めております。これによりまして、看護師が特定行為で、より多様な行為に関して、看護師が医師の代わりにタスクシェアをどんどん進めていけるという環境が整いつつあるかなと思っております。こちらは正に看護師の活躍の場をこれからどんどん広げていくということです。実際に現場の病院にも聞きますと、特定行為研修を修了した看護師がやってくれることが増えていることによって、例えば、医師の残業の時間が減っているという事例の報告も受けておりますので、是非、この取組を続けていって、来年度からの医師の働き方改革の本格施行にも備えていけるようにしていきたいと考えております。以上です。
 
○河村構成員
 ありがとうございます。御説明の冒頭の所が、多分、私が聞き取れなかったのですが、2年間の研修で、2年ごとに令和2年が高くて、令和3年度が下がって、令和4年度が上がるという凸凹ができるという御説明を、もしかしたらされていましたか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 令和3年度に育成の範囲、修了者の数が減ってしまった理由の御説明だったのですが、特定行為研修は座学と実地で2年間ありまして、令和3年度に修了しようと思うと、令和2年度の当初ぐらい、ちょうどコロナの感染の第1波、第2波辺りの大混乱の時期に始めなければいけなかったということで、令和3年度に2年間の研修を修了する者が少なくなったという御説明でした。失礼いたしました。
 
○河村構成員
 分かりました。ですから、コロナは続いてはいたけれども、状況が変わっていく中で始められた方が、令和4年度に結構これだけ修了されたということですよね。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 はい。
 
○河村構成員
 分かりました。今の御説明を伺いますと、最終評価を御検討されるときに、もう1段階上げる可能性、Aのままかなという気もしますが、それは御検討されてもいいのではないかと思います。
 もう1点お尋ねしたいのですが、それは業務運営の効率化の所と絡めて、それから、最終的な財務運営の所に絡めてお尋ねしたいと思います。25ページで、評価については異存はないのですが、今後のことを考えたときに、今回、経常収支が、いろいろコロナ関係の補助金があったということで、結果的にはこういう形になって、最終評価もAで異存はないのですが、ただ、25ページの表でお示しされているように、補助金が今後だんだんなくなっていく方向なのです。国のほうも財政事情も厳しいですし、やはり、こういう状況で、行動制限もなくなってきている中で、国のほうで出せるかと言うと、よその国の対応を見ても、コロナからの財政支援の脱却はよその国のほうがずっと早いですから、そういうこともありますので、なくなっていく方向に多分ならざるを得ないと思います。
 そうした中で、非常にJCHOさんは、収支相償を求められる中で、もともと厳しい中で、本当に大変高い成果を達成してこられたと思うのですが、現状のところで、今後、この補助金がなかったら赤字になってしまうと思いますが、そこのところをどうやって収支相償に向けて持ち上げようと考えておられるのか。本部として各病院の状況を見ていろいろお考えになっているところを伺えればと思います。
 先ほどの経営効率化の所では、22ページの辺りで、ドクターや看護師の人員配置を適正に、柔軟に、そういうことも是非なさったらいいと思いますが、やはり大元の医業収支をどうするかということにもなってくるかと思いますが、どういうふうに考えていらっしゃるのか伺えればと思います。よろしくお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 ありがとうございます。正に御指摘のとおりと我々も考えております。これから令和5年度以降、コロナの補助金は基本的にはなくなるという状況の中で、どうやって医業収支を戻していくのかというところは非常に大きな課題と考えております。こちらの対応に関しては、簡単に申しますと、各病院が地域で求められる機能を発揮していくというところに尽きるのではないかと考えております。我々JCHOは全国に57病院ありますが、地域ごとに必要とされる医療の内容は非常に多岐にわたっております。また、地域によっては非常に人口減少が激しい地域もありますし、例えば競合する病院が周囲に立地し、今の機能で本当に大丈夫なのかというところに危惧のあるような病院も確かにあります。やはり、今後、医業収支をどうやって上げていくのかというところに関しては、1つは、やはり経営戦略という意味で、各57病院の中で、自分たちが地域で求められる医療、JCHOに求められているのはどこなのかというところをしっかり認識していくことに尽きるのかなと思っております。そういう意味で、25ページの所にも少し書きましたが、アフターコロナの経営戦略を各病院がしっかり見据えていくことが大事であると考えており、それに向けて本部もきちんと支援をしていきたいと考えておりますので、今後、コロナの補助金がなくなった後、各地域の中で必要な医療を提供するということで、各病院が収支をきちんとそろえていくということを、今後、第3期では特に力を入れていきたいと考えております。
 
○河村構成員
 ありがとうございます。今お話くださった人口の問題もありますし、それ以外に、患者さん側の受診行動が変わっている所もどうもあるみたいで、そういうことも含めて、是非、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
○小野主査
 理事長から、一言よろしくお願いします。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 河村構成員、御指摘ありがとうございます。まず、少し補足をさせていただきます。ただいまの収支の点ですが、もう御指摘のとおり、補助金を抜くと、令和4年度も真っ赤な状態です。今、御指摘のとおり、人口減少がこの間に急激に進んでおりますし、何よりも、受療行動の変化です。特に高齢者の受療率が大幅に下がっているという中で、確実に患者は減っていくことは避けられないと考えております。
 現状は、57病院において、経営の継続が困難な状況というのがどのようなことで起こるかということで、今5項目の柱を挙げております。1つは、周辺人口の減少及び競合医療機関の存在。つまり、言葉が適切かどうか分かりませんが、マーケットがしぼんでいるかどうかというところ。2番目が、医師の確保です。特にこれは地方で深刻な問題となっております。医師の確保ができるのか。3番目として、足元で収支を整えることができるのか。比較的、幾つかの工夫を重ねることで収支を整えることができるのか。4番目としてはハード面です。建物が、例えば築何十年、40年、50年経っていて、このままで医療の継続ができるのか。5番目として、地元自治体から強力な財政的支援を受けているのかどうか。このような5項目を評価して、57病院のうちで経営継続困難性が高い、このままでいくとちょっとやっていけないぞという病院を、実はもう14病院ほどピックアップして、ここに関しては、今、経営強化集中期間として、今年度と来年度については経営強化集中取組ということで取組計画を各病院で立ててもらって、とにかくこの2年間で目一杯やれるだけやってくださいということで、今、そういう支援をしているところです。ただ、この辺は残念ながら、まだ現場と本部との危機意識のずれが若干生じているところがありますので、ここは今一生懸命詰めていて、何とかこの2年間で、今後の方向性を見出していきたいと考えているところです。
 あと、特定行為研修と医師の働き方改革に関しての御質問がありましたが、正直申し上げて、JCHOはかなり早い時期から特定行為研修に取り組んではきておりましたが、地域医療との密着型ということで、在宅系への展開が主たる目的でした。ですので、ここのところは最近言われている医師の働き方改革に沿う形でのパッケージ研修、特に急性期系のパッケージ研修というのはようやく今年度から開始したところです。昨年度からとにかく働き方改革に対応する方向に、特定行為研修そのものの方向転換を一生懸命進めているところです。もう1つは、規模が小さい病院が多く、特に急性期系のパッケージ研修をやるには、なかなか症例数や、あるいは指導する体制、その他が整わないなどという問題もいろいろありますが、その辺は何とか克服して、医師の働き方改革に追い付くような形で、特定行為研修の体制を進めているところです。以上です。
 
○河村構成員
 ありがとうございました。よく分かりました。理事長先生、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○小野主査
 ありがとうございました。続きまして、安保委員から手が挙がっております。安保委員、御発言よろしくお願いします。
 
○安保構成員
 簡単に3点ほど要望と質問をさせてください。とてもしっかりやっていることを感じさせる報告だったと思います。ありがとうございました。特に救急でたくさん取られているというのは、私の近くにもJCHOはありますので、非常によく感じていることなので、できるなら、評価もSにしたほうがいいのではないかと感じます。1つ、コロナが5類になって、少し落ち着いてきましたが、患者の戻りがよくない所はたくさんあります。ですから、健診を含めて、詳細な注意を経営的にもお願いしたいと思います。
 続いて、インシデント・アクシデントの報告があって、年々増えていたということですが、うちの場合では、薬剤のインシデント・アクシデントが一番多いのですが、増えて、インシデントのレベル1とか2とか、アクシデントの3、4の数というのは、変わりがあったのですか。特にそちらのほうに影響があるというか、そこまでいかないようにするのがやはりヒヤリハットとか、そちらの一番の目的なので、その辺をいかにうまくいっているかどうかということを教えてください。
 あと最後、要望みたいなものですが、医者のことですが、定員数を満たしているかというのが1つです。20人増えているという報告がありますが、やはり医者の確保というのは非常に難しくなると思うので、せっかくJCHOさんで研修をされた人を、後期が終って、JCHOさんに戻すと言いますか、とても良い医者につばを付けておいて、戻ってきてもらうようなシステムを今後構築していただければと思っています。以上、3つです。ありがとうございました。
 
○小野主査
 これについては理事長ですか。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 山本からお答えします。まず患者の戻りが悪いということに関しては、そのとおりです。現状、足元で見ますと、新入院患者数、新規の入院患者数で見ると、-10%、外来新患ですと、いろいろな取り方がありますが、-25%という数字が直近では出ております。かなりその辺、先ほど申し上げたような受療行動の変化が大きく響いているのかと考えます。
 ただ、一方で、外科系の手術患者に関しては、約6%のダウンということで、ある意味本当に医療の必要な方はそんなに減っていないのかなということで、この辺は今後病院によって、外科系が強いところ、あるいは内科系が強いところということで、戻りの差が出てくる危険性は警戒しているところです。
 インシデントレポートの件数に関して、レベル別というのは、今、手元にざっくりと数字がありますが、例えば令和元年から令和4年で比較すると、合計数が9万2,000人から10万8,000人に憎えております。例えば、レベル4、5というのが、令和元年94件が、令和4年には200件とほぼ倍に増えています。一方で、レベル0から1に、かつてヒヤリハットと言っていた部分に関しても、8万3,000ぐらいのものが、10万ぐらいに増えておりますので、ほぼほぼどのレベルでも同じように増えているのではないかと考えております。
 あと医師数に関しては、定員を設けるのはなかなか難しい状況です。57病院ほとんどが大学から派遣をしていただいておりますので、やはり大学の都合で常勤医が引き上げられると、そこは非常勤医にせざるを得ないとか、あるいは手術ができなくなるとかという現状があります。ただ、私も大学に長らくおりましたので、一方的に「出してくれ、出してくれ」と言われて、「はい、そうですか」と右から左に医者を出せるわけでもありませんし、やはり、今度受ける側からしますと、大学から若い医者を出したくなる病院にするということが、何よりもJCHOの各病院に求められるのではないかと私自身は考えております。各現場の病院長からしますと、そんなのきれい事だろうと言われかねませんが、やはり、症例数も少なくて、余り居心地の良い所に虎の子の医局員を出す大学教授もおりませんので、その辺はやはり大学にとって魅力のある病院作りというのも、これは一方で必要なのではないか。大学でできない教育をJCHO病院で行うというような考え方も必要ではないかと考えるところです。
 
○小野主査
 ありがとうございます。安保委員、よろしいですか。
 
○安保構成員
 ありがとうございました。
 
○小野主査
 坂井委員のほうから何か御質問、御意見はありますか。
 
○坂井構成員
 説明ありがとうございます。説明を設けさせていただいたり、少しここのほうは聞こえにくいのが結構多かったので、十分に把握していないと思うのですが、以前にもお電話でお聞きしたときに、13ページ、老健の在宅の復帰率について、非常に頑張っていただいていますし、その辺りはいいのですが、業務実績評価書の45ページを見ますと、例えば、介護職の医療的ケアの対応等々、人数がずっと変わらないのです。その辺り、新しい受講体制ができないのか、人材が本当に厳しいのか、辞めたりする職員もいるのに、この数がずっと90というのも不思議だなと思いながらお聞きしておりました。
 それ以外には、経営の補助金のこととか、いろいろなことにつきましては、既にお答えいただいておりますので、良としております。ありがとうございます。
 
○小野主査
 ありがとうございます。ただいまの坂井委員からの御質問について、お答えをお願いします。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 ありがとうございます。御指摘のとおりでして、評価書の45ページ、認定特定行為業務の従事者のお話かと思いますが、確かに令和元年度から90人ということで変わっておりませんが、これは数字としては、職員の入り繰りは当然あるのですが、結果として、たまたま同じ90人だったということです。認定特定行為の従事者の育成に関しては、まずは現状で申し上げますと、今、全国の認定特定行為の1施設当たりの従事者の数は、全国の平均で1.3人ほどですが、JCHOでは3.5人ほど配置をしているということです。また、喀痰吸引等を実施できる施設として登録が必要ですが、こちらも登録している施設の平均は、全国では令和4年度で26.2%ということですが、JCHOでは38.5%ということで、数字を見ますと、ある程度現状におきましても、喀痰吸引ができる体制というのは、JCHOの中ではある程度充実はしているのではないかと考えております。
 一方で、今後の取組に関しては、各施設ごとに喀痰吸引を必要とする方がどれぐらいいるかというところが、地域の高齢化の状況や患者さんの状況にもよりますので、恐らく、ニーズとしては各施設ごとに異なっているのではないかと考えております。ですので、今後、認定特定行為の従事者の育成に関しては、各地域でどういったニーズがあるのか、患者さんの状況等を踏まえて、各施設とよくコミュニケーションを取りながら、育成を進めていきたいと考えております。以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。よろしいですか。
 
○坂井構成員
 ありがとうございます。ただ、やはりコロナで、非常に喀痰吸引とか経管栄養をどこでするかという部分も含めてですが、かなり、考え方が非常に変わってきていると思っております。いろいろな方々に対して、きちんと届くようないろいろなことをよろしくお願いしたいと思います。以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。
 
○亀岡構成員
 21ページの医業未収金比率の件ですが、私の仕事柄から見ますと、期末の医業未収金のうちどれぐらいが未回収なのかというイメージがあるのですが、この出し方はそうではなくて、年間の売上げに対して、医業未収金というのは不良債権だと、何パーセントですみたいな考え方ということで、これは累積していくという話になるのですか。ちょっと会計的な部分と少し違う出し方です。ですから、これはその年度に発生した、つまり過去からの分ではなくて、売上の中から発生した医業未収金の割合という考え方ですよね。通常は累計していって、期末の未収金に対して何パーセント回収できない、いわゆる貸し倒れ率があるのかみたいな、回収不能率はどうなのかと通常は見るのですが、これを見る限り、年度ごとの売上に対する未収割合みたいな、こういう考え方を取られているのですか。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 未収金比率の計算の方法としては、各年度ごとに発生しているもののカウントではないかと思います。確たるところが現在分からなくて、申し訳ありません。
 
○亀岡構成員
 そうなると、未収金はどんどん累計していくということですね。不良債権は累計していくという考えでよろしいのでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構理事(屋敷)
よろしいですか。ある年度に未収金が発生します。そうすると、それを債権管理して、督促を続けながら、時効中断したものは翌年度にもいくということになるかと思います。翌年度になると、また新しいものが発生するということで、その中で回収をしながら、一方で時効が切れたようなものは、損切りをするというか、そういう形で損失処理をしなければいけないので。そういう形で新規発生、累積、それで消失を繰り返しながら、毎年の金額ができているのだろうという、そういう理解でよろしいわけです。
 
○亀岡構成員
私の理解は、少し時間がたっても、回収ができれば、そうすると不良債権ではなくて、回収に時間がかかっただけであって。不良債権というのは、貸倒れにつながっていく。だから、貸倒引当金を計上するのであって、それは資産評価をするために、そのままの評価では駄目で、なぜかと言うと、回収できるものはあるから、その分だけまだ回収できない、限りなく回収できないから、引当金を計上することにより、適正な債権評価をするというのが本来の考え方です。ですから、通常の会計でいう引当金とは概念が違うのですね。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
これは言葉が正確ではないです。ここで言う医業未収金というのは、滞留債権としての未収金のことです。3か月以上滞留債権を医業未収金としています。医業未収金という意味からすれば正常債権も流動資産に合わせて載っています。また、固定資産のほうに持っていっている不良債権としての医業未収金(破産更生債権)もありますが、ここでは滞留債権としての未収金と医業収益全体との比率を出しているだけです。
 
○亀岡構成員
 ということは、増えていくということですか。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
 ただ、時効が来ると、貸し倒れが起きてきて、一部回収になるものもあるので、増減していますから。
 
○亀岡構成員
 そうしますと、回収になるのもあるのですね。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
 はい。
 
○亀岡構成員
 そうすると、必ずしも不良債権ではないと。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
 ただ、これについては、機構のルールに基づいて、1年を超えてしまうと、全額貸倒引立金を時効まで積んでしまっているという形になっています。だから、これに対しては、その分は貸倒引当金が積まれています。
 
○亀岡構成員
 現実の回収とはまた別の考え方を取っているのですね。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
 はい。
 
○亀岡構成員
 分かりました。ありがとうございました。
 
○小野主査
 よろしいですか。続きまして、中期目標期間未込評価についての御議論を頂きたいと思います。
 
○地域医療機能推進機構企画経営部長
 それでは続きまして、第2期中期目標期間の見込評価につきまして説明させていただきます。事業の内容としては、令和4年度と重複する部分も多くありますので、令和4年度評価に記載のない部分のみの御説明とさせていただきます。
資料3-1を御覧ください。見込評価の説明資料です。4ページを御覧ください。診療事業の(1)効果的・効率的な医療提供体制の推進についてです。こちらの右の表とグラフに救急搬送と依頼件数の推移について記載をしております。先ほども説明がありましたが、令和元年度以前の救急搬送の件数は、全国で平均して毎年大体2%~3%程度の増加ということでしたが、令和2年度以降はコロナの影響で全国でも4.3%増、JCHOでは更に12.1%増という状況です。こちらは第2期通じてのコロナの影響というところで、改めて御確認いただければと思います。
 次に6ページを御覧ください。第2期の期間中の1つのトピックとして、新型コロナウイルス感染症への対応について総括して記載をしている部分です。まず患者の受け入れについてですが、遡りますとダイヤモンド・プリンセス号への対応というところから、令和4年度末までの間に、入院患者数としては延べ3万707名、外来の患者数としては32万697名を受け入れているということで、確保病床に対する入院患者の受入率は最大で82%となっております。
 また、JCHOの病床数は、最初に申し上げた1万4,000床ほどですが、国からの病床確保要請に対応して、最大時には、このうち1,237床の病床を確保しました。それから6ページの下の枠の中にJCHO病院の中でも特にコロナ対応に尽力をした2つの病院に関して記載させていただいております。左側の東京の蒲田医療センターですが、こちらは感染発生当初のダイヤモンド・プリンセス号における初期対応の段階から、患者の受け入れに積極的に対応してまいりました。令和3年の2月には、国からの大幅な増床要請を受け、コロナ専用病棟を開設しています。これに対応するために、全国のJCHO病院から医療従事者を集めて対応に当たったというところです。次に右側、東京の城東病院については、国からの要請を受け、令和3年9月に50床のコロナ専用病院ということで運用を開始しました。最大時には受入率90%ということで、東京都全体の受入率を大きく上回るなど、大きな貢献をしたと考えております。
 次に7ページです。2.の所でJCHO法21条に基づく対応について記載しています。JCHO法の第21条においては、公衆衛生上の重大な危害が生じるおそれのある緊急時に、必要があると認める場合には、厚生労働大臣は、JCHOに対して必要な措置をとることを求めることができるという規定があります。これに対してJCHOは、正当な理由がない限りはこれに応じなければならないといった規定もありますので、この規定に基づく国からの要求というものがこれまで2回発動されております。これについては、確保病床の2割以上の増床ということが1つ、それから感染拡大地域への医療従事者等の派遣ということで、この2回それぞれ対応を行ったところです。このほか、国や全国の自治体等からの要請に応じ、職員の派遣やワクチン接種、地域の他の医療機関に対する感染対策指導等についても対応をしてきたところです。
 続いて19ページを御覧ください。看護師の特定行為研修については先ほども御説明しましたが、修了者の人数について中期目標が設定されておりますが、第2期期間中を通して、育成人数の増加だけではなくて、研修を修了した職員が、実際の現場で技能を発揮できるような体制づくりにも力を入れてまいりました。具体的には、下のほうに記載しておりますが、e-ラーニングの導入や領域パッケージの追加により、より柔軟に、かつ幅広い領域で活動したいという現場のニーズに応えるものとしたということのほかに、令和5年度からは、修了者のうち実際に業務に従事している看護師に対して手当の支給も開始をしております。こうした取組により、令和5年度は特定行為研修への申込みが101名と過去最多となっております。実施件数も記載のとおり大きく伸びているところです。看護師はチーム医療の核と言われておりますが、その活躍の場を広げるということは、今後の医師の働き方改革との関連だけではなく、看護師のキャリアパスや育成の観点からも大変重要だと考えておりますので、積極的に今後とも進めてまいりたいと考えております。
 それから、24ページを最後に御覧ください。財務内容の改善に関する事項ということですが、先ほども令和4年度の実績評価の際に御説明申し上げましたが、経常収支は、この第2期の期間中においては、コロナの補助金の影響もあり大きく改善しております。一方で右側のグラフを見ていただくと医業収支、これは病院の診療部門と健診部門を足したもので、補助金を除く病院本体の経営状態を示すものですが、これが令和元年度以降悪化をしているというのが見ていただけるかと思います。こちらも、先ほどお話にありましたが、人口減少だけではなく、患者数自体も減っていくということ、それから地域医療構想も踏まえて、病院の再編等もこれから考えていかなければならないということで、この先ますます厳しい経営状態になることが想定をされているところです。
こういった中で、先ほども少しお話しさせていただきましたが、令和5年度・6年度を「経営強化集中期間」ということで、将来を見越した具体的な数値目標を定めて、現在、これを実現するための具体的な方策を各病院がそれぞれ計画を作って、PDCAを回しながら、本部において進捗管理を行っている状況です。こういった経営状況の強化というところも、今後、第3期を通じて、公的医療機関としての役割を果たしていくという意味で、しっかりと自前の収入で経営を成り立たせていくというために必須条件であると考えております。この先、第3期に向けまして、こういった経営の健全化というところを前提に、地域において求められる医療を提供し続けていくという役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
 
○小野主査
 ありがとうございました。ただいまの説明に対して、委員の皆様方から御意見、御質問等ございますか。オンラインの皆様方も、是非、御意見、御質問いただければと思います。山口委員、よろしくお願いします。
 
○山口構成員
 御説明、どうもありがとうございました。3点ございます。今、御説明いただいた所で、まず、1-1の(1)の所ですが、今回、見込評価をAとされています。令和4年度をSにという話があったことからすると、もしそれがSになれば評価もSになるのではないかと思いましたので、そこを申し上げたいということが1点目です。
 もう1つが、6ページの所、コロナで、専用病院というようなことで、かなりコロナ病院化が進んだと、コロナの患者さんに対しては貢献された一方で、アフターコロナということになったときに、通常通っていた患者さんの診察にむけて元の状態に戻すのにかなり苦慮をされているほかの所の病院の話も聞いております。そういったことがこの2つの、蒲田医療センターや城東病院で、現状として、貢献はされたけれども、今後について、この病院の立て直しといいますか、その辺りについての見解を教えていただきたいというのが2つ目でございます。
 それから19ページの、特定行為研修者に対しての手当の整備を令和5年度よりということなのですが、これはどれぐらいですかとお聞きしたら、確か月3,000円というお話だったと思うのですが、これはそれぐらいしか出せないものなのでしょうか。もう少し認めて差し上げたいなという気もしましたので、ちょっとその辺りが気になったので、今後の展望も含めて教えていただきたいと思います。
 最後に、今年の6月に国の特別措置法ということで、JCHOと国立病院機構が国庫に納付するということで、約三百億円もの金額を国庫納付と特別措置法で決まりましたけれども、これに対して物申すことはできないとは言いつつも、医療のことや健康のことにお金が使われるならまだしも、防衛費に使われることについて、私は非常に違和感を覚えております。こういった多額の金額を、一生懸命コロナの治療をしたことで得たお金にもかかわらず、ましてやそれは国が決めた、コロナの患者さんを診たらこれだけの補助金を出しますよということを決めて、ほかの病院もそれに準じてお金を頂いているわけですよね。それにもかかわらず、2つの機構だけがこういったことで、多額の金額を国に納めなければいけなくなった。こういったことの違和感がどうして世間的に出てこないのだろうと私はずっと感じていて、社会保障審議会の医療部会でも違和感だけはお伝えしました。この事に、今後の財政に及ぼす影響がどれぐらいあるとかということが、いろいろなことを想定されていたのが、このお金を使えなくなったということで、やはりできなくなることも多々あるのではないかと思いますが、その辺りの影響をお話いただける範囲でお話いただけたらと思います。以上です。
 
○小野主査
 これについては、理事長のほうからよろしくお願いいたします。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 ありがとうございます。なかなか難しい御質問もありましたので、私のほうから答えさせていただきます。まず冒頭の、S評価でいいのではないかという御指摘、本当に有り難く受け止めさせていただきます。ありがとうございます。
 それから、専用病院化した病院がその後どうなったかという御指摘ですが、ここは正直申し上げてなかなか大変でございます。まず、最初の蒲田医療センターについては、ここも一般病院に戻してはおりますが、次の方向性をどうするのかが、病院全体でもなかなか打ち出せずにいるところがあります。3年間、病院全体がコロナシフトしてきたために、この先のどこに向かうのだろうというのがなかなか見えづらくて、まずは、病院としては救急の受入れを積極的に行って、地域のニーズにしっかり応えるというところから進めていきたいというのが病院の方針です。そこはしっかり後ろから支えていきたいと考えております。
 もう1つの城東病院は、ここはもともと整形外科、単科に近い病院だったものですから、そこがコロナ専用になったということで、患者さんが全部、一度離れてしまった。それに伴って、特に整形外科医など、城東病院にいた医者も、もうこんな所にいてもしょうがないということで、抜けてしまったという実態があります。現状、ここは千葉大学が医師を出しておりますので、今、大学とも相談して、医者に関しては戻してもらってきていますが、なかなか患者さんがすぐに戻るというわけにはいかないところがあります。ただ、本部としては、やはり病院にかなり無理を強いたというところがありますので、本部としても全面的にバックアップしつつ、今、ここの再生を図っているところです。ただ、道は相当に険しいですし、ここは本当に、私の個人的感想を申し上げると、特に城東を専用病院化したのは、こういうことはしてはいけないのではないかというのが正直な感想です。
 それから、あと、特定行為研修看護師に対する手当の金額の問題です。ここは、実は本部内でも非常に議論があったところなのですが、ただ、特定行為研修修了看護師と申しましてもいろいろいて、つまり、幾つかの区分、例えば在宅系で使える所、あるいは本当に病棟の一部で、ストマだったり褥瘡管理だったりと、本当にごく一部だけをやっている看護師と、それから急性期のパッケージを終えて、かなりリスクの高い、初級研修医と同じぐらいのレベルのところまでやる特定行為研修修了者といろいろいるという中で、今まで全く手当が設定されていなかったので、私自身、とにかく早く手当を付けて、インセンティブを付けろということはずっと言ってまいりました。まず、初めの一歩というところで、こういう金額設定になったということは御理解いただきたいと思います。今後ずっとこの辺の活躍が広がっていく状況を見ていく中で、やはり最終的にはパッケージ研修をしっかりと修了した者については、診療看護師、NPと同じような手当にするべきではないかと、私自身は考えています。
 それから、返納に関しましては、御指摘ありがとうございます。ここは、もらった650億円の病床確保料のうちの半分を返せという指摘です。ここに関しては、そのような話が出た段階で、加藤厚生労働大臣の所には、そんな無茶なことはしないでくださいということは、お願いには行っています。現実問題として、650億円、これは各病院に配られている病床確保料です。これから各病院から半額ずつ、つまり、10億円もらった所であれば5億円、1億円もらった所であれば5,000万円という形で回収して、国に納めなければいけないわけですので、これは法人全体というよりは、まず各病院レベルで相当「何だ、これ」というような反応があるのも事実です。それぞれの病院が、このお金をどうしようかな、何に投資しようかなと、いろいろ考えている中で、半分持っていかれてしまうということで、私自身も非常につらい思いをしています。現場の病院長から、理事長は一体何をやっているんだというような声も聞いています。以上でございます。
 
○小野主査
 山口委員、よろしいでしょうか。
 
○山口構成員
 言ってもしようがないこととは思いつつも、少しでも何かそういった発言が残って、声が届けばと思っておりますが、本当に皆さんのお気持ちは察して余りあるものがあります。その中で努力されているので、本当に頑張っていただきたいと思います。
 
○小野主査
 ありがとうございました。ほかに。亀岡委員、どうぞ。
 
○亀岡構成員
 24ページですが、財務内容の改善に関する事項という所です。これについても、令和4年度の所で、経営改善推進本部を経営強化本部と名称を変更すると、これはすごく力が入られているのかと思います。ただ、あくまで今見ようとしているのは令和元年から来年度の令和5年度までの今期の中期計画の終結はどう見ようかと。また新たな中長期計画が出てくるということだと思いますが、先ほどの、コロナを想定していなかったということで、評価はどうなのだと、いろいろな意見が出ましたが、正にそのことがここに書かれているわけですね。今までは、令和元年でこういう計画を立てたのだけど、今ここで計画を見直すのだということ。正に、全57病院において、アフターコロナを見据えて、長中期的な経営戦略を作成する、今ここで、ここから見直しをするのだというような趣旨が見えて、なおかつ、令和5年だけではなくて、令和6年も含めて、経営強化集中期間といわれていますので、この内容自体はものすごく前向きで、先取りでよいと思っておりますので、明年の調査をするときに、このことを含めた、まず実施評価で、いい意味でこういうことを、令和5年度はどこまでできているのかみたいなことも、目標設定した状況が、ある意味でいい意味の見直しをされたのだという意味で、見直した結果についてどうなのだというのを、明年度、是非、評価のときにお願いしたいと思います。一応ここに書いてある、当初の目標はこうだったのだということではなくて、是非、実態に合った評価をお願いできればと思っております。私のほうからは以上です。
 
○小野主査
 よろしいですか。ほかの委員の皆様方、何かございませんか。よろしいですか。
私から1つお聞きしたいのですが、全国的に、うちの病院も含めて、コロナのこの3年間で、看護師の離職率が少し増えているような気がするのですが、これだけJCHOさんでコロナの患者さんの引き受けをされて、看護師さんの離職率がどうだったかを教えていただければと思います。なぜかというと、先ほどの特定行為の看護師とかのインセンティブを付けたということもあって、少しモチベーションが上がって、看護師さんの離職がほかより少ないのかという気持ちもあるのですが、そこら辺についていかがでしょうか。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 JCHOはもともと離職率がそれほど高くなくて、10%を切る、9%台で推移しておりましたが、さすがに令和3年度は10.7%まで上がりました。これはやはり関東地区あるいは都市部での離職が多かったという状況がありますが、幸い、令和4年度は9.6%まで戻っておりますので、現状、離職率が上がり続けているというような深刻な事態にはならずに済んでいるという状況です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。それはよかったなという、少しそういう気持ちがあります。それでは、時間の関係もありますので、次に移りたいと思います。
続きまして、法人監事及び理事長から、年度・中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえ、今後の法人の業務運営についてコメントを頂ければと存じます。最初に法人の監事から、続いて法人の理事長より、よろしくお願いいたします。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
 監事の石尾でございます。令和4年度の監査結果につきましては、お手元の資料2-4にあります監査報告のとおりで、全て適正で、監査事項について違反する事項等は認められておりません。それから、監査を踏まえた現在の法人の事業運営の状況、今後の課題及び改善方針等につきましてですが、まずJCHOでは、従来より、監事、我々と会計監査人による監査に加えまして、内部監査部門によって定期的に監査を実施し適正な業務運営の確保に努めております。それから、診療事業等につきましては、地域において必要とされる5事業・5疾病、地域包括ケアなどを実施し、コロナ禍以降は国等の要請を踏まえまして、感染拡大地域への医療従事者の派遣や、コロナ専用病床の確保、コロナ専門病院の運営、ワクチンの接種、健康状況調査への参加、高齢者のワクチン接種への協力などのコロナの対応に尽力してまいってきたと認識しております。しかしながら、コロナにより救急依頼件数が大幅に増加したことに伴い、救急搬送応需率の数値目標を達成することはできませんでしたが、救急外来における感染対策の徹底など、病院一丸となって救急医療体制の充実に努めました結果、救急搬送件数につきましては増加させることができました。正にこのことは各地域において必要な医療の提供に関して十分に責務を果たせたものと考えております。
 次に令和4年度の決算についてですが、コロナの影響で受入患者数が大きく減少したことにより、医業収支はマイナスとなっておりますが、国等の要請に基づき、コロナ患者の受入れのために病床を積極的に確保したことに伴い、多額の補助金の交付があったこともあり、年度計画で定めました経常収支100%以上を達成したことは大いに評価できるものと考えております。一方で、補助金収益を除外すれば、法人収支は赤字であり、コロナの第5類移行後も患者数、手術件数はコロナ流行前の水準には戻っておらず、医業収支は巨額の赤字となっているのも事実であり、コロナの補助金が終了すると、このままでは巨額な赤字を計上するおそれが十分にあるわけです。また、このような厳しい状況の中で、本年6月に決定した積立金324億円の国庫納付につきましては、大変厳しい対応を迫られたものと感じております。引き続き、安定的に運営が継続できますように、理事長をトップとした経営強化本部にて、アフターコロナを見据えた中長期的な経営戦略を策定し、取り組んでいるところではありますが、まずは早急に各病院がそれぞれの病院の持っている課題、また危機感を持ち、地域医療構想や地域ニーズを踏まえた病院機能の見直しと、経営基盤の強化を図ることが重要だと考えております。
 最後に、コロナ禍においても職員の皆さんが国から付託された責務を果すべく、経営目標の達成に取り組んでいる姿は、監事監査などを通じて認識しておりまして、当機構の業務運営状況は、高く評価されるべきものであると考えております。以上であります。
 
○小野主査
 ありがとうございます。続きまして、山本理事長、よろしくお願いいたします。
 
○地域医療機能推進機構理事長
 本日は、JCHOの令和4年度及び第2期中期目標期間の業務実績につきまして、貴重な御指摘、御助言を頂きまして、誠にありがとうございます。頂戴したアドバイスを真摯に受け止めて、これからの運営に活かしてまいりたいと存じます。
今年度は第2期中期目標期間の最終年度であり、なおかつJCHOが発足して10年目となります。この10年で基礎固めが終わったということで、来年度からの第3期は、新たなフェーズに入ると認識しております。しかしながら、先ほど来お話申し上げておりますように、特に地方では人口減少が急激に進み、なおかつ受療行動が変化している、それから昨今問題になっている光熱水費などに代表される物価上昇に伴う診療経費の高騰、その一方で、医療費の財源そのものが縮む危険性があります。また、人口減少に伴う医療人材の不足もございます。さらには、このコロナが抜けたことを受けて、地域医療構想が本格化すると。そして、来年からは医師の働き方改革が始まるということで、ここは、ある意味、医療の地殻大変動が起こるのではないかと、私自身、非常に厳しく認識しておりまして、これからは全く異なる未知の領域に突入するということで、考えて危機感を持って当たるべきではないかと考えております。
 そのような中でも、JCHO病院が地域において信頼され必要とされ続けるためには、やはり地域医療構想の中で受け身ではなく、個々の病院が主体的にその自院の立ち位置を明確化し、その地域医療構想に主体的に関わっていくことが重要ではないかと考えております。また、本部としても、経営強化本部を通じて、中長期的な経営基盤の構築を支援しているところであり、また先ほど申し上げましたように、令和5年、6年は経営強化集中期間ということで、特に経営の厳しい、あるいは経営継続性の厳しい病院に関しては、有効と考えられる方策を全て実施するという姿勢で、経営改善を集中的に取り組む、そして我々本部も支援することを進めております。
JCHOの強みは、医療と介護の両方を持つ法人ということで、高度急性期から慢性期、あるいは介護まで、地域のニーズに合わせた地域密着型の医療・介護を提供することが根幹ですが、一方で、全国57病院というスケールメリットをもうちょっとうまく活かして、安定した、なおかつ良質な医療の提供を進めてまいりたいと考えているところでございます。今後の業務として、地域のニーズに柔軟に考えられるような形、例えば今後、介護老健をどうするかなども、現状になかなか厳しいところも既に本日御報告申し上げたところですが、なかなか難しいこともございますので、ここは厚生労働省とともに、いろいろ考えていきたいというところでございます。引き続き、国、自治体の要請、あるいは地域のニーズに応えるとともに、これまで以上に効果的かつ効率的な医療の提供を行い、JCHO一丸となって中期目標の達成、あるいは自律的な経営に取り組んでまいりたいと考えております。本日、委員の皆様方から頂戴した御助言についても、肝に命じて、職員一同、組織の更なる改善に取り組んでまいりたいと存じます。今後とも御指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。
 
○小野主査
 ありがとうございます。ただいまの御発言について、何か委員の皆様から御質問、御意見はありまずでしょうか。河村委員、よろしくお願いします。
 
○河村構成員
 いろいろお話くださいまして、ありがとうございます。私から監事の方に御質問がございます。今後のJCHOさんの機構全体の経営については、どういう方向でやっていかれるか、先ほど理事長先生から詳しく御説明があって、そういう方向でやっていただくしかないし、大変でいらっしゃるとは思うのですが、監事の方の目から御覧になって、先ほどの見込評価の資料の24ページの所で、医業収支が年度毎に示されている資料があるのですが、令和4年度の所、医業収支の赤字の幅が横ばいぐらいだったらまだよかったのですが、結構増えてしまっていますね。この辺りの要因をどのように監事の方は把握していらっしゃるか。それから、あと今後の展望についてもお尋ねしたいのですが、やはりここまで開いてしまうと、本当にこれから先大変なのではないか。いろいろの改革をお進めくださるとは思うのですが、繰越欠損金が出るような事態になるのかなと。やはり国としては、全体として国の独法病院は収支相償が前提でやっていると思いますので、簡単に交付金が赤字の穴埋めという形で出る形には多分ならないで、多分、繰越欠損金を引きずって自力で解消するまで頑張れみたいにもしかしたらなるかなという気もするのですが、その辺りのところをどのようにお考えになっていらっしゃるか、監事の方にお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
 
○地域医療機能推進機構監事(石尾)
 監事の石尾でございます。河村委員がおっしゃるとおりで、非常に財政状態は厳しい形で医業収支が大きくマイナスになっているのは事実であります。この大きな要因は、患者数にあるわけでして、特に、社会保険診療ですので、点数で診療報酬が決まることになるのですが、その点数が4,000~4,500点以下、いわゆる軽い患者様方がかなり受診を控えられて、それが定着してしまった。その患者様方の割合が相当規模あったわけで、そこは戻ってこないだろうという前提で物事を考えていかなければいけないなという状況だと把握しております。ですので、今度は医療提供サイドがサイズを合わせるというようなこと、いわゆるコンパクト化であるとか、ダウンサイジングであるとか、それに合わせた職員の規模感も考えていかないと、これはもう収支は絶対合わないわけであります。かつ、ただそれで余剰が出た人員が仮にあったとしても、その方たちは、実はどこにニーズがあるかといえば、在宅支援のほうにありますので、そちらのほうに積極的に出ていくことによって、新たな収益源を獲得するとともに、人件費等の経費をカバーしていかなければならないというような、新しい戦略も作っていかなければならないとは思います。
それと同時に、やはり非常に運営上困難な地域に立地している、又は医師が大きく不足しているような病院群におきましては、今後なかなか単独で事業を継続していくことが困難と認められるような病院群も出てくることが想定されますので、こちらにつきましては、近隣の医療機関との連携であるとか、又は医療機能の移転であるとかというようなことを早急に考えていかないと、なかなか単独で中期的に経営が安定するようなことは考えにくい場合もあるのではないかなと感じています。また、どれだけの改善期間を設けられるかについての一番の判断材料であった剰余金の額が今回324億円国庫納付をしなければいけないということで、財源的にも余裕が余りないといえ、今の状態でいくと毎年100億円を超える医業赤字を出しながら運営していくことになるとすれば、かなり改善のスピードは急ピッチで進めないと、もともと法律でJCHOに対しては運営費補助金を出す想定にはなっておりませんので、お金が詰まってしまうことも想定できます。ですから、財源的にも法律上、長期の運営資金の借入ができないということですので、ここら辺も、いざとなった場合を想定して、財源確保のための借入資金に関する法律的なことも踏まえて、改善というのも訴えていかなければいけないのかなとは考えている次第でございます。以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 
○河村構成員
 ありがとうございました。
 
○小野主査
 どうもありがとうございました。時間の関係もありますので、それでは次に移りたいと思います。
 次は、地域医療機能推進機構の業務及び組織全般の見直しについて議論していただきたいと思います。はじめに、見直し内容について、法人所管課室からポイントを絞って簡潔に御説明いただきまして、その後に質疑応答という流れで進みたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
 
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室長
 それでは、医療独立行政法人支援室長から、「業務及び組織の全般にわたる検討の結果並びに講ずる措置の内容(案)」を御説明いたします。主に事業の内容というところを説明いたしますので、資料の2ページをお願いいたします。
 「第1 事務及び事業の見直し」のⅠ診療事業の1の良質で効果的・効率的な医療提供体制の推進です。2行目の、地域医療構想の実現に向け、地域の他の医療機関等との連携を進めていくとともに、地域包括ケアの要として、予防・介護とシームレスに良質な医療を提供する体制の充実・強化に取り組んでいただきたい。①良質な医療の提供。医療安全文化の醸成及び医療安全管理体制の一層の充実に取り組んでいただいて、各病院における医療の質の更なる向上を図っていただきたい。②地域の他の医療機関等との連携。医療・介護両方のサービスを提供できる強みを活かして、それぞれの地域における医療・介護を提供する機関との連携の中で、求められる役割を確実に果たすように努めていただきたい。そこから5行ぐらい下ですが、地域における医療の中心的な提供主体としてプライマリ・ケアを担っているかかりつけ医や地域の在宅療養を支える中心的役割を担っている訪問看護ステーションとの連携・協力を一層推進していただきたい。そこから3行ぐらい下ですが、地域の医療・介護従事者向けの研修を実施するなど、地域の他の医療機関等との連携を推進していただきたい。③5疾病・6事業等の実施。新たに都道府県医療計画に追加される新興感染症への対応を含め、これまでJCHOの各病院が取り組んできた救急医療、在宅医療、認知症対策、へき地等の医師不足地域への医師の派遣など5疾病6事業について、地域で求められる役割を確実に果たすように努めていただきたい。また、大規模災害が発生した場合は、国や自治体等と連携し、被災地の実情に応じた持続的な支援を行っていただきたい。④地域におけるリハビリテーションの実施。地域の実情に応じて急性期・回復期から維持期まで、シームレスに効果的なリハビリテーションを実施していただきたい。
 2の予防・健康づくりの推進です。地域の住民に対して様々な公開講座等を開催することや、各種予防接種を実施することなどにより、地域全体の健康づくりに寄与していただきたい。特定健診や、特定保健指導を含む効果的な健康診断の実施にも努めていただきたい。
 Ⅱ介護事業です。2行目ですが、住み慣れた地域において、利用者の尊厳を保持しつつ、必要なサービスが切れ目なく提供できるよう地域包括ケアシステムに取り組んでいただきたい。特に病院の附属施設であり、病院と一体的に運営されているというJCHOの老健施設等の特徴を活かした医療と介護の連携を強化していただき、最後から2行目ですが、質の高いケアが提供できる体制の充実・強化に取り組んでいただきたい。
 次は4ページです。この介護サービスの実施に当たっては、柔軟かつ多様なサービス提供ができるように努めるとともに、地域包括支援センターにおいて多職種連携により、地域の困難事例の抽出及びその解決に取り組んでいただきたい。そこから3行ぐらい下ですが、地域のニーズに応じた介護サービスを提供し、適切な役割を果たせるように努めていただきたい。
 Ⅲ病院等の利用者の視点に立った医療及び介護の提供。そこから4行ぐらい下ですが、利用者のニーズを的確に把握した上で、利用者の意思を尊重した医療・ケアを実施していただきたい。そこから3行ぐらい下で、医療安全管理及び感染管理のさらなる均てん化とともに透明性をもった医療の提供に向けて取り組んでいただきたい。
 Ⅳ教育研修事業です。全国ネットワークを活用した臨床研修プログラムやキャリアパスについて、不断なる見直し等を図ることにより、質の高い職員の確保・育成に努めていただきたい。また、幅広い診療能力を有し、地域において適切な初期対応等を行う総合的な診療能力を持つ医師が重要であるため、そこから2行ぐらい下ですが、当該診療能力を持つ医師の育成に努めていただきたい。
 次は5ページです。チーム医療を積極的に提供できる質の高い看護師の育成に取り組むとともに、特定行為を実施する看護師等が活躍する環境を整え、タスク・シフト/シェア等を推進していただきたい。地域の医療・介護の質の向上に貢献するため、地域の医療・介護従事者に対する教育やメディカルスタッフへの教育に取り組んでいただきたい。
 「第2 組織に関する見直し」です。国の医療政策や介護政策等に合わせた柔軟な組織・業務の見直しに取り組んでいただきたい。各病院がそれぞれの地域のニーズを踏まえ、限られた医療資源を最大限に活用しつつ、果たすべき役割を確実に実施できるよう、効率的なネットワークの構築に取り組んでいただきたい。そこから7行ぐらい下で、さらに、「働き方改革」を実現するため、職員全体の勤務環境の改善に取り組み、医師の勤務負担の軽減や労働時間の短縮のため、特にタスク・シフト/シェアの推進等、国の方針に基づいた取組を着実に実施していただきたい。
 「第3 業務全般に関する見直し」です。1の効率的な業務運営体制の推進で、法人全体として経営の健全性が保たれるよう、本部機能の見直しなど、理事長がより一層リーダーシップを発揮できるマネジメント体制を構築していただきたい。
 6ページです。2の業務運営の見直しや効率化による収支の改善です。経営状態に応じた適切な投資を促進し、より各病院の特性や医療資源を活用できる環境整備を行うことにより、更なる経営基盤の強化に取り組んでいただきたい。
 4の内部統制の充実・強化で、内部統制の更なる充実・強化を図るため、内部監査のほか、各病院におけるリスク管理の取組を推進するとともに、情報セキュリティ監査体制の充実・強化に取り組んでいただきたい。
 5の情報セキュリティ対策の強化です。診療機能に影響が及ばないよう情報システムに対するサイバー攻撃への防御力及び組織的対応能力の強化に取り組んでいただきたい。
これらが見直しの措置の内容の案です。以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。ただいまの説明について、委員の皆様方から御質問、御意見等があればと思いますが、いかがでしょうか。会場の亀岡委員のほう、先によろしくお願いします。
 
○亀岡構成員
5ページ目の第3の業務全般に関する見直しですが、1番目の「本部機能の見直しなど、理事長がより一層リーダーシップを発揮できる」という所ですが、私は先ほどの監事の方の業務報告の中で非常に適切かと思ったところがありました。それは、最初の文章のところの「本部機能の見直しや強化」などもいいと思うのですが、 その後に「理事長がより一層リーダーシップを発揮できる」という表現はいいと思いました。先ほど「理事長を中心とした」という表現があったと思うのですが、「理事長を中心としたマネジメント体制を構築していく」みたいなほうが、組織として動くということでいいのかなと。先ほど、いろいろな御質問も皆さんで手分けしながらさせていただく、そういうような、いわゆる協力体制というイメージがいいのではないかと、先ほど監事の報告の中からうかがえましたので申し上げます。
 
○小野主査
 よろしいですか。
 
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室長
 ありがとうございます。ここですね、より一層のリーダーシップと、中心としたという所は、全体の独法の制度の中の理事長のリーダーシップがどうかということを総務省とも協議をしながら詰めていきたいと思います。ありがとうございました。
 
○小野主査
 ありがとうございました。それでは、オンラインの山口委員、よろしくお願いいたします。
 
○山口構成員
 ちょっと確認というか、教えていただきたいのですが、今お聞きしながら少し違和感を覚えたのが、例えば2ページで、「第1 事務及び事業の見直し」と書いてあります。そしてそれが全て「見直し」という言葉で、例えば5ページには、組織に関する見直し、業務全般に関する見直しというように、「見直し」という言葉が使われているのですが、今、読み上げていただいたポイントの御指摘された所というのは、既に実施されていることばかりではないかと感じながらお聞きしていました。これは見直しというよりも、実際にもうやっていることはそのまま継続し、更なる向上を目指すというような意味というように受け止めることでよろしいのでしょうか。「見直し」というと、できていないことをこうしなさいと言っているような指摘に見えたものですから、その辺りの確認をさせていただきたいと思います。
 
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室長
 ありがとうございます。こちらのもともとの位置付けが、独法の通則法の第35条の規定で、厚労大臣が中期目標の期間の終了までに、法人の業務の継続又は組織の存続の必要性その他、業務及び組織全般にわたる検討を行った上で、その結果に基づき、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止など、所要の措置を講ずるというところですので、現在やっていただくものは、全部見直すということではなくて、そういったこれまでの評価を踏まえて対応するということで、表題の所は見直しをさせていただいておりますが、御指摘のとおり、これまでやっていただいたところを、更に改善が必要であれば改善していただくこともありますし、このままであれば継続というところも含めての御意見というところです。
 
○山口構成員
 承知いたしました。そういうことであれば、納得ですが、何か、やはり文言はとても大事だと思いますので、本当に見直しが必要な所と、継続してというような所とが分かるように記載されると、もっといいのではないかと思いました。以上です。
 
○医政局医療経営支援課医療独立行政法人支援室長
 ありがとうございました。
 
○小野主査
 ありがとうございました。ほかの委員の皆様は、何か御意見、御質問はございますか。よろしいでしょうか。
私のほうから1つ。今、恐らくこの業務の事務及び事業の見直しの部分で、診療の事業などが書かれている部分については、どちらかというと大規模病院よりは、中小規模病院が対象になるような内容なのかと思っているのですが、やはり地域では、今人口も減って高齢化も進んでいる中で、今後は治療が違ってきているという話もあるのですが、私の所もそうですが、在宅医療が増えてくるのが、現場としては大変多いです。
 先ほど、監事の方からも在宅医療にという話だったのですが、そこのところをもう少し入れ込んでもいいのかという気がして、特に在宅療養支援病院は、今後、恐らく第8次医療計画でも在宅医療を担う拠点となる病院というのは、定義づけられますので、在宅療養支援病院をどれだけ増やしていくかというのは大きな鍵かと思っていますので、そこら辺のところを1つ、入れ込んでいいのかなと、何か入らないのかなというところを考えました。
 それからもう1点は、JCHOさんの病院は、今までもいろいろ予防や健康づくりも含めて一生懸命やられているし、ここにある地域におけるリハビリテーション、これは高齢化が進む地域では大変重要なことで、いわゆるロコモ対策も含めて重要になっていますので、ここら辺のところが、私は、予防も含めて、少し行政とタイアップして何かできていかないのかと。行政もニーズはあるのだけれど、実際のところ、こういう健康づくりや、あるいはリハの部分がなかなか獲得できていない部分が多いと思います。特に市町村では、リハ職員を雇うわけにはなかなかいかないのです。そういう中で、アウトリーチ的にうまくタイアップしていくと。予防もそうですが、そういうところも今後、検討していくのもいいのかというように思って、これを聞いていました。御検討いただければというように思います。以上です。
 ほかの委員の皆様、よろしいでしょうか。それでは、業務及び組織全般の見直しについての議論を、これで終了させていただきます。
法人所管課室におかれましては、構成員の皆様方から本日頂きました御意見を踏まえて、見直し内容の修正について御検討いただき、内容の最終的な確定をよろしくお願いしたいと思います。
 以上で本日の議事を終了させていただきますが、最後に事務局のほうからよろしくお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 今後の流れについて御連絡いたします。本日、御議論いただきました地域医療機能推進機構の「令和4年度業務実績評価」及び「中期目標期間見込評価」につきましては、この後、本WGにおける御意見や、法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに、公表をいたします。
 また、業務、組織全般の見直しの内容についても同様に、本WGにおける御意見等を踏まえ、厚生労働大臣が決定し、独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表をいたします。決定したそれぞれの内容については、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。
 なお、「中期目標期間見込評価」及び「業務・組織全般の見直し」の内容については、独立行政法人評価制度委員会へ通知後、同委員会において点検が行われ、その点検結果に基づき出される意見を踏まえ、厚生労働省において次期中期目標案を作成することとなります。
そして、その次期中期目標案について、来年1月以降、独立行政法人評価制度委員会の審議に付されることが予定されているため、次期中期目標案等についても、来年1月頃に本WGでの意見聴取を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。
 
○小野主査
 ありがとうございました。それでは、これで終了とさせていただきますが、最後に全くの私の意見、思いですが、今日も聞いて、これまで数年やらせていただいて、JCHOの病院、各病院が大変努力されているというように思っています。特にこのコロナ禍で非常に苦しい中で頑張っていらっしゃったというのが、大変評価ができるものだというように思います。
 そういう一方で、忙しい中で頑張っている職員の方々が、今後、疲弊していかないように、そこら辺も、是非、理事長さんをはじめ、機構の役員の方々がケアしていただければ有り難いのかというように思います。今後、我々の国診協のある所在する地域もそうですが、大変厳しい医療環境の中で地域医療を展開していかないといけないことは確かですし、そういう中で、やはり、このJCHOの病院がなくなることによって、地域の皆さんが大変困るということですので、是非、健全にうまく運営をできていく方向で進めることを願うばかりであります。
ということで、長時間にわたりまして、熱心な御議論を頂き、ありがとうございました。また、円滑な議事、運営に御協力いただき、ありがとうございました。これをもちまして、終了とさせていただきます。どうも、ありがとうございました。