2023年7月31日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第33回) 議事録

日時

令和5年7月31日(月)13:00~14:46

場所

中央労働委員会 労働委員会会館 講堂

出席者

真野主査、五十嵐構成員、石井構成員、太田構成員、河村構成員、鈴木構成員、田宮構成員、名里構成員、三田構成員

議事

議事内容
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 ただいまから、第33回独立行政法人評価に関する有識者会議(医療・福祉WG)を開催します。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。本日の出席状況について御報告します。五十嵐構成員、石井構成員、鈴木構成員、名里構成員が会場での御参加、真野主査、太田構成員、河村構成員、田宮構成員、三田構成員がオンラインでの御参加、松原構成員が御欠席です。また、河村構成員は御都合により、会議途中までの参加予定となっております。
 本日の資料に関しては、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。オンライン参加の構成員の方々におかれましては、事前にお送りしている会議資料をお手元に御準備ください。本日の資料は、資料1~4まで、参考資料1~6までとなります。資料の不足などがありましたらお知らせください。
 また、会場の皆様に御案内いたします。本日は機材の都合によりワイヤレスマイクではなく、有線のマイクを使用させていただきます。御発言の際、お手元にマイクが届くまで若干お時間を頂くかもしれませんが、あらかじめ御了承いただきますよう、お願い申し上げます。それでは真野先生、議事の進行をお願いいたします。
 
○真野主査
 それでは早速、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園について、令和4年度の業務実績評価及び中期目標期間実績評価に係る意見聴取を行うこととなっております。よろしくお願いします。最初に法人から、各評価項目における評定の根拠について重点的に説明していただき、評価の内容を中心に構成員の皆様から御意見、御質問を頂きたいと思っております。おおむね2時間を予定しておりますので、円滑な議事運営に御協力をお願いできればと思います。
 それでは早速、議事に入りたいと思います。最初に、のぞみの園の令和4年度業務実績評価について御議論を頂きたいと思います。最初に法人のほうから簡潔に御説明を頂き、説明が終わってから質疑応答という形で進めていきたいと思います。それでは法人、よろしくお願いいたします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園総務部長
 国立のぞみの園総務部長の川島と申します。令和4年度の業務実績評価の説明資料2-1に基づき、私から御説明させていただきます。まず資料の1ページです。こちらは事業体系図になっております。国立のぞみの園は重度の知的障害者の自立のための支援、その調査と研究、支援者の養成・研修などを総合的に行う唯一の国立支援施設となっております。中期目標・中期計画、その評価指標についても、このような事業体系に沿ってできております。評価指標については、表の中段の1-1として、自立支援のための取組があります。こちらは地域移行、高齢の施設入所者支援、強度行動障害、矯正施設等退所者支援などを内容としております。1-2が、このようなフィールドをいかした調査・研究、こうした成果の発表・発信といった目標になっております。1-3が、障害者支援業務に従事する職員の養成・研修、1-4が自治体や社会福祉法人の求めに応じて行う援助又は助言といった内容となっております。1-5のその他が、診療所、障害児への支援などとなっております。その下に、業務の効率化又は財務内容といった視点からの項目を立てております。
 2ページを御覧ください。令和5年3月31日現在の施設入所利用者のサービスの概況です。入所者の平均年齢は63.6歳、有期限の方を除くと69.9歳となっております。平均入所期間は38.1年、平均障害支援区分は5.9となっております。年齢については、60代以上の方が7割以上を占めております。入所期間については、30年以上の方が7割以上を占めている状況となっております。
 3ページを御覧ください。新型コロナウイルスの関係です。群馬県の感染警戒レベルの経過とのぞみの園におけるクラスターの期間についてまとめたものです。群馬県においては4段階の警戒レベルが設定されています。レベル2においては、中段に表がありますように、高齢者施設や病院等での直接面接は十分注意をするとなっております。このような期間が令和4年度を通して、約8か月間という長期間に該当する期間がありました。
 一番上のグラフを見ていただければと思います。その中で5月、7月、11月、1月と赤枠で囲んでいる4か所があります。これは感染対策に注意をして万全を期していたところですが、のぞみの園において非常に感染力の強いオミクロン株により、利用者、職員に多数の感染者が出た、クラスターが発生した時期を示したものです。クラスターの1つ目の赤の四角の辺りの期間ですが、5月28日から7月22日のおよそ2か月間については、県の警戒レベル自体は2から1に引き下げられました。しかし5月の中旬に、のぞみの園が設置しているグループホームでクラスターが発生したこともあり、レベル1に引き下げた期間も法人独自に、警戒レベル2の対応を維持しました。5月28日から7月22日まで、点線の所です。このため、令和4年度は昨年度や一昨年と同様に、約10か月間においてコロナ禍の影響を受けながらの事業運営になりました。
 一番下の赤い文字の所です。こうした中でのぞみの園では、令和4年度においては警戒レベルに対して感染症対策委員会が定める、各事業ごとの対応を実施しました。警戒レベル2からは、人と人との接触を前提とした事業を中止又は縮小いたしました。各種の感染予防対策とともに、特にクラスター発生時には事業継続を検討するため、BCP会議を29回開催しました。また、感染者が判明した際には施設の消毒やゾーニングの実施により、利用者支援を継続してきました。入所利用者によっては居室での隔離療養が大変な場合があったり、寮の担当職員の感染拡大もあり、職員のやり繰りが大変な場合もありました。以上のように令和4年度も、コロナ禍でのぞみの園の事業運営には大きな影響があったところです。
 4ページからが評価のページに入っていきます。まず評価項目№1-1、自立支援のための取組です。こちらについては、自己評価をBとさせていただいております。この目標については困難度、重要度ともに高いものとして設定されております。
 5ページを御覧ください。各指標の達成状況をまとめたものです。表の構成ですが、左から各目標とそれに対する指標、その隣に令和4年度の実績値又は達成度、その右側に令和3年度から平成30年度の過去の達成度を記載しております。
 6ページが要因分析です。目標値に対して達成度が120%以上又は80%未満のものを分析するという整理になっております。また、達成度が2年続けて120%以上又は80%未満の場合は、目標変更の要否についても記載するという資料になっております。まず、この表の一番上です。施設入所利用者の縮減です。こちらは第3期末と比べて今期末で14%縮減、196人という目標が掲げられているところですが、令和4年度で175人となり、達成度は166%となりました。これについては有期限の入所者の受入れについて、当法人内のクラスター発生により延期になってしまったり、受入れを依頼してきた事業者側で、コロナの陽性者が出たりしたことによるスケジュール変更もあり、コロナ禍の影響を受けて、入所が少なくなったことが要因と考えております。第5期については、施設の入所利用者の総数の縮減ではなく、有効な目標設定にしてはどうかという御指摘を頂いておりましたので、総数の縮減目標は削除しております。
 続いて表の上から2つ目です。施設入所利用者の地域移行の推進です。毎年度5人以上という目標に対して、実績は0人、達成度は0%となっております。利用者の加齢により機能低下・重症化が進んだこと、出身自治体の施設等にも受入れを依頼するのですが、なかなか難しく、受入れに消極的であること、利用者の保護者についても高齢化等によって、同意の取得がなかなか難しくなっていることが要因として挙げられます。
 そのような状況の中で、保護者懇談会ではオンラインも活用し、当法人が重度・高齢化した利用者の地域移行を進めるために、新たに設置する日中サービス支援型グループホームへの移行について積極的に説明を行い、保護者からの同意を得て日中体験を実施しました。コロナ禍の感染拡大の影響等により、宿泊体験が実施できなかったこと、保護者から、移行時期について慎重さを求めるといった意見が出たことから、年度内の移行には至らなかったわけです。ちなみに、日中サービス支援型グループホームというのは、障害者の重度化、高齢化に対応するグループホームとして、平成30年度に国の制度として創設されたものです。地域で自立した生活を営むため、24時間体制で支援を行うグループホームとなっております。
 なお、第5期目標については、第4期実績を踏まえた目標に変更しております。一番下の高齢知的障害者支援の研修会の開催です。こちらについては毎年度12回という指標ですが、それに対して実績が24回、達成度が200%という実施状況となっております。接触密度の高い救急救命講習会をはじめ、喀痰吸引、経管栄養やオムツ講習会といった高齢者支援研修会を動画により開催し、職員の専門性の向上に努めたところです。第5期については、医療的ケアやターミナルケアのきめ細やかな支援の検討や実践、情報発信に向けて取り組むことを踏まえて、開催目標は削除しています。
 7ページを御覧ください。一番上が、著しい行動障害等を有する者の受入れです。令和4年度は20人という目標値でしたが、実績は12人で、達成度は60%となっております。こちらについてはWebによる訪問調査などを活用し、12名の受入れを達成したところです。しかしながら当法人でのクラスター発生や、受入れを依頼してきた施設がコロナに感染し、スケジュールが大幅に遅れてしまうという他動的な要素もあり、全体的な受入れ計画が大きく後ろ倒しとならざるを得なかったという状況もあり、目標達成が12名にとどまったわけです。
 表の下が矯正施設退所者の受入れです。令和4年度は7人の受入れという指標でしたが、実績は2名で、達成度は29%にとどまっております。こちらも同様にWebによる訪問調査などを活用して、2名を受け入れたところです。しかし受入予定者において、他者を巻き込んだ犯罪行為が受入前に発覚するなど、こちらにも他動的な要素があったので、受入れがかなわなかったことが要因として挙げられています。第5期の指標については障害特性に着目した指標から、矯正施設を退所した者も含めて、対象像に着目した指標にし直しているところです。
 次の8ページを御覧ください。評定の根拠として2点挙げております。1つ目が日中サービス支援型グループホームへの地域移行に向けた取組で、もう1つがコロナ禍における取組ということで記載しております。まず令和4年度においては、日中サービス支援型グループホームへの地域移行に向けて、旧法人全ての保護者159人に対してパンフレットを送付し、関心のあった保護者13人に対して丁寧に説明し、グループホームの見学会、日中体験の実施を行って、地域移行の取組を進めたところです。13人の保護者から移行の同意が得られましたが、コロナ禍の影響もあり、宿泊体験が計画的に実施できなかったことや、保護者から移行時期について慎重さを求める意見が出たこともあり、令和4年度の実績としてはゼロとなりました。なお、同意が得られた13人のうち、9名については今年度に入ってからですが、令和5年5月に地域移行をしているという状況になっております。
 また、コロナ禍における取組として、保護者懇談会を行った際に、オンラインでグループホームの様子を映して保護者に伝える、保護者の理解をできるだけ求めるという取組もいたしました。個別面会についてもオンラインによる実施をして、地域移行対象の方の不安解消又は理解の促進に努めたところです。有期の入所対象者についても、訪問調査の一部でWebを活用するなどして、受入れにつなげるということをしました。そういったところで、全体評価をBとさせていただきました。
 数ページ飛びますが、14ページを御覧いただければと思います。調査項目1-2の調査・研究です。こちらは自己評価Aとしており、重要度については高い目標値と設定されております。
 15ページに要因分析を記載しております。ここに記載されているものについては、いずれも達成度が120%を超えています。一番上が外部研究者等と協働した研究テーマの数です。毎年度4テーマ以上となっておりますが、9テーマで、達成度は225%となっています。こちらは外部研究者と協働するのが前提と言える補助金研究に加え、法人内の研究でも外部者の助言を積極的に受け入れ、このような達成率になっています。
 次がホームページのアクセス件数です。年間2万件以上という指標になっておりますが、3万1,685件で、158%の達成度となっております。こちらについてはSNSによる情報発信や映像教材の開発を行ったこと、研修教材を動画にして配信を行ったこと、研修資料をホームページの中からダウンロードできるような仕組みとしたこと、それらの結果として達成できたと考えております。
 その下が各種学会等への成果の発表回数です。年間22回という指標に対して54回、245%といった達成度となっております。こちらは高齢の知的障害者に関する研究機関が、のぞみの園を除くと少ないといったこと、我が国全体の障害者も高齢化が進んでおり、それに伴ってニーズが高くなっていることが挙げられます。研究テーマも社会のニーズに沿っているものになるよう努めており、外部からの求めに応じて助言も行っております。こうしたことを通じて、講演等の発表の機会が増えていると考えています。なお、第5期の目標変更については、いずれも平成30年度から令和3年度までの実績平均を踏まえたものに変更したところです。
 また少し飛んで、18ページを御覧ください。評価項目№1-3の養成・研修で、自己評価はBとさせていただいております。指標の達成状況を載せておりますが、要因分析については19ページです。一番上が研修会・セミナーの開催回数です。年間で10回以上とされているところ、13回の開催、達成度が130%です。新型コロナウイルス感染症の影響で、集合型の研修が行えないといった状況でしたが、動画の配信又はWebによる開催を実施し、計画を上回る開催をすることができました。また、満足度についても、これまでで最高の評価を得ることができました。
 その下が実習生の人数です。毎年度150人以上という目標値に対して136名、91%の達成度という結果でした。こちらも実習生の受入れに当たっては、コロナ禍の影響で受入れを縮小せざるを得なかったこと、養成校側も実習生を出すに当たっては自粛した期間があったということがありました。警戒レベル2以上の期間を除外すると、272%の達成度になっております。
 一番下がボランティアの受入人数です。年間で1,250人以上という指標になっておりますが、それに対して169人、14%という達成度になっております。こちらもコロナの関係で、警戒レベル2の期間を除外しますと、41%という達成度になっております。こちらもコロナ禍で受入れを縮小せざるを得なかったこと、ボランティア御自身の外出自粛といった意識もあり、このような結果になったと考えております。第5期の目標については、第4期の実績を踏まえて変更しました。
 20ページは評定の根拠として、コロナ禍における取組を記載させていただいております。研修会についてはWebを活用して、高い満足度を得ることができたと考えております。実習生の受入れは、警戒レベル2以上の約8か月間は受入れができなかったものの、より多くの実習生を受け入れるため、実習期間の短縮調整や受入部門を限定するなどの工夫を行った結果、昨年度より100名増の136人を受け入れることができました。また、要望のあった実習校に対しては、オンラインによる実習を実施し、139名のオンライン実習を実施いたしました。ボランティアに関しては、企業や大学への要請・広報等を積極的に行いました。
 22ページを御覧ください。評価項目№1-4は援助・助言です。こちらについては、自己評価Aとさせていただいております。下に要因分析を記載しております。援助・助言の回数ですが、年間350件以上の目標に対して541件、155%の達成度となっております。ホームページ等を活用して高齢の知的障害者、著しい行動障害を有する知的障害者などの支援について紹介し、研究成果も提供しています。年4回発行するニュースレターで、全国の障害者支援施設に対する援助・助言の記事を掲載いたしました。そして要請者のニーズに沿った、きめ細やかな援助・助言に努めております。第5期の目標は、第4期の実績を踏まえたものに変更しています。
 23ページを御覧ください。評価の根拠です。コロナ禍における取組として記載しておりますが、ホームページ等を活用して著しい行動障害を有する知的障害者、矯正施設を退所した知的障害者の支援について紹介するとともに、研究成果の情報提供を行いました。このような活動を通じて、援助・助言、講師派遣ともに増加したところです。特に講師派遣については積極的にPRをしたところ、実績を上げることができました。
 25ページをお願いします。評価項目№1-5のその他の業務です。こちらは自己評価Cとさせていただいております。26ページに要因分析を記載しています。一番上が診療所外来の延べ人数です。目標として年間2万7,000人以上としていたところ2万978人、達成度は78%でした。新型コロナウイルス感染症防止対策の結果、当法人の施設入所者の風邪やインフルエンザの受診が大幅に減少しました。日中活動を自粛したところもあり、転倒による外傷なども減少したところです。その一方で通院による一般の利用者に関しては、感染症対策を徹底した上で、引き続き受入れをしたところですが、感染症を恐れて利用者御自身が受診を控えるといったことも多く出て、外来者数が減少したものと考えております。第5期の目標については、地域の発達障害児・者への診療件数を5,400人以上に変更しています。
 2つ目が一般就労への移行です。一般就労への取組については、年に2人以上移行という指標になっておりますが、第4期中期目標期間中の目標10人以上に対して、令和3年度までに12人の移行実績を達成しました。これに加えて他事業への人員配置の必要性から、令和3年度末で就労移行支援事業を廃止したところです。このため、令和4年度の実績はゼロとなっています。
 上から3つ目が短期入所です。年間2,300日以上という指標に対し、1,459日、63%という達成度になっています。その下の日中一時支援については、年間240日以上という指標に対し、180日、58%という達成度になっております。短期入所、日中一時支援のどちらも、感染予防策として受入予定だった方が利用を控えたことが要因と考えられます。警戒レベル2の期間を除外すると、それぞれ190%、175%の達成度になっております。
 27ページを御覧ください。評定の根拠として、まずコロナ禍における取組を記載しております。受診の関係ですが、精神科では電話診察といったものを令和3年度から継続して実施するなど、目標は達成できなかったものの、前年度を4,000人強上回る実績となりました。このほか、入所利用者・役職員等についてコロナの蔓延を防ぐため、速やかにPCR検査や抗原検査を実施したほか、コロナワクチン接種を調整して実施するなど、施設内の診療所の機能を活用して、感染拡大防止に努めました。その下が一般就労への移行です。先ほど御説明したとおり、目標を達成したことに加え、他事業への人員配置の必要性から、令和3年度末に就労移行事業は廃止したところです。その下には、参考指標として書かせていただいております。在宅の知的障害の方は、一般の地域の診療所で受診することがなかなか難しいといった場合もありますので、健康診断事業を実施しています。地域の知的障害者に関する健康診断の利用は、年120人以上という指標となっておりますが、令和4年度は160人の利用がありました。この利用者は年々増えており、積極的に取り組んでいる事業となっております。
 28ページを御覧ください。評価項目№2-1、業務運営の効率化に関する事項です。自己評価はBとしております。29ページに要因分析を記載しております。一般管理費、事業費の節減として、最終年度までに初年度と比べて10%以上の節減という指標に対し、14.0%ということで達成いたしました。要因の分析としては節減努力に加え、園内各種改修工事について一般競争入札を行った結果、当初見込んでいた金額を下回ったことが大きな要因でした。
 30ページを御覧ください。財務内容の改善に関する事項です。こちらについては自己評価をBとしております。指標は、総事業費に占める自己収入率が50%以上となっておりますが、令和4年度については57%、114%の達成度となっております。
 32ページを御覧ください。評価項目№4-1、その他業務運営に関する重要事項です。自己評価はBとさせていただいております。内容的には内部統制強化、情報セキュリティとなっており、要因分析は33ページに記載しております。法人内において、いろいろな会議等を開催しています。その中で感染症対策委員会の開催は、年2回以上とされておりますが、14回以上実施したという実績となっております。こちらについては新型コロナの感染症において、法人として感染予防、どういった対応が必要かということを検討する必要がありましたので、このような多数の開催をしたところです。一番下が情報セキュリティの職員研修会の開催です。年1回以上でしたが、3回実施しました。
 最後の35ページを御覧ください。各評価項目の自己評価の一覧を記載しております。一番下に、総合評定Bとしております。
 かなり駆け足の御説明となってしまったこと、また声が途切れてしまい、なかなか聞こえにくかったところもあったようで申し訳ございませんでした。以上で令和4年度実績評価に関する説明を終了いたします。ありがとうございました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。まあまあ、聞こえにくかった所がたまにありましたが、まあ聞こえたと思います。御説明をありがとうございました。それでは、令和4年度の実績評価の御説明を受けまして、御意見、御質問を構成員からお願いします。
 
○河村構成員
 御説明をありがとうございます。今日は別の予定がありまして、すみません、途中で失礼しなければいけないもので、先に失礼します。
 今、御説明を伺ってありがとうございました。いろいろ引き続き、コロナの影響も、昨年度からいろいろ残っておりましたし、こののぞみの園の仕事の特性もありますが、園内でのいろいろなお仕事で影響が出たところもある中で、しっかりと業務運営をなさっていたのではないかと思います。毎年思いますが、これだけの困難なお仕事を、中期目標管理法人でなさるということは、本当に頭が下がると思っております。
 評価については、全体としての評定等、違和感はないのですが、1か所だけ意見を言わせていただきたい所があります。最後のほうで御説明された25ページの評価項目1-5、その他の業務の所です。ここも、のぞみの園の中でクラスターが発生されたりとか、そういうこともあって、指標の達成状況についても、下の2つの所は、そこの要因、除外した数値とかもお示しくださっていますし、真ん中の仕事については、もう就労移行支援事業というのは廃止されたということで、ここは全く考えなくていい。これを廃止した理由というのも、ほかの事業や、いろいろやっていらっしゃることがあると思いますので、人員配置の必要性があってということだと思いますので、除外してよくてということで見ますと。あと、上2つの所もまだ昨年のような群馬県内でとか、のぞみの園の感染状況等からしますと、影響がなかっただけではないのだろうなというのは思います。特に、園外の方からの利用についてです。ただ、そこで除外した達成度が算出されていないのは、恐らく去年は警戒レベルが1、2まででしたか、だからなのかなという気もしますが、そういうところを考えますと、その後の所で御説明くださっていますが、一昨年前に比べれば、いろいろ利用が増えたりしている所もあると思います。そのことを全て考え合わせると、自己評価Cをお付けになっておりますが、これは私は、そこは非常に控えめになさっていると思いますが、そこまでなさらなくてもいいのではないかと、ここはB評価にしてもいいのではないかと思っております。以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。我々が点数を付けるわけではなく、あくまで御意見ということです。前向きな御意見をありがとうございます。今のを受けて、のぞみの園のほうでどうですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(富安)
 理事をしている富安と申します。先生、御意見をありがとうございます。その他の業務ですが、25ページにある5つの評価指標から成り立っております。下の2つが、短期入所と日中一時支援ということで、コロナの影響を受けた期間を除外しますと、目標達成という状況になっております。上2つについて、通所支援事業については100%に少し足りないという部分もありましたが、目標は達成していないというところもあり、コロナの状況を踏まえても、目標を達成しているのが2つということを踏まえて、自己評価としてはCということでさせていただきました。また、今回の先生方の御意見や所管課の方での精査ですとか、そういったことはあるかもしれませんが、法人としては、あくまで自己評価としてはCとさせていただいたということです。
 
○真野主査
 ありがとうございました。少し声が切れるときがありますね。今は結構切れていましたが。午前中もマイクによって差があったので、是非、調整いただければと思います。
 
○三田構成員
 2つ御質問と、1つ感想です。まず前提として評定については異存はありません。その上で、2つ教えていただきたいのです。1つ目は、21ページの下の右側のボランティアについてです。これは昨年も質問させていただいたかと思います。一般の団体が169ということで増えているようですが、この方たちがなさっているボランティアの中身が、例えば、コロナということがありますので、対利用者ではなくて、職員の補完的なことや、あるいは庭の整備とか、そういうことが中心なのかなと思ったりもするのですが、その辺を教えていただきたいというのが1つです。
 もう1つが、細かい話ですが、27ページの下に、参考指標として挙げていただいた健康診断を診療所でという話で、たくさんのニーズを受けていると記載されておりますが、この地域の障害者という中に、のぞみさんが運営されているグループホームの利用者が入っているのか、いないのか。つまり、地域のと言ったときに、それを他施設、あるいは在宅とか、そういう方たちにどのぐらい門戸を開いているのか、一番知りたい所かと思っているからです。
 もう1つは、全体的な意見ですが、仕方がないと言えば仕方がないのですが、いろいろな所にコロナの感染やクラスター、あるいは入所者の命を守るということが随所に書かれているのですが、いろいろなことが難しくなっていることは、果たしてコロナだけなのかというところを分析する必要があるのかなと思っています。これだけの年齢、これだけの入所期間になったときに、今までと同じような地域移行の数の、入所者の数の設定とか方法では、もう限界がどんどん来ます。コロナによっていろいろなことがストップしていることによって、やはり、入所者のADLやいろいろなエネルギーが、どんどん失われていっていると思うのです。でしたら、ここで挙げている尺度というか、項目自体に無理がある部分もあると私は思っていて、この方たちは、それでもより、それぞれの方の生活、人生を見据えて、どのようにケアしていくかというところを考えていくときに、コロナだけではなく、いろいろな要因を挙げて分析した上で、これからのことについて考えていく必要があると思うのです。ですから、コロナだからこそ、逆に言えば、ピンチではなくチャンスになって、じっくりとこういうことを取り組めたとか、このきっかけを通して、今後ののぞみの在り方について、こんな意見が職員から出てきたとか、明るい将来の目標というか、未来みたいなものも、評定とは関係ないと言えば関係ないですが、次期の評定の中身を考える上でも、非常に重要なことだと思いますので、どなたでも結構ですので、何かお考えや御意見がありましたらお願いしたいと思います。以上です。
 
○真野主査
 それでは、のぞみのほうからよろしくお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(富安)
 まず、ボランティアの関係で、こちらのほうから説明いたします。169人という実績値ですが、こちらについては、確かに環境整備の関係の方々の人数が入っております。ボランティア全体の関係の今の状況について御説明させていただきます。
 入所者の方、利用者が重度化・高齢化しているということがあります。そうなりますと、支援についても、個別のニーズや専門性が非常に必要になるという状況が一般的にはあります。さらに、利用者側が減ってきているということがありますので、そういった中で、寮の再編ということで、フィールドが減ってしまっているということもありまして、ボランティアについては、今の現状はこういったようなことです。要因分析の所に書かせていただきましたが、引き続き企業や大学の養成校、例えば、実習で来られる学生さんもおりますので、そういった方にも声を掛けておりますので、ボランティアをできる限り多くの方が参加できるように、積極的に今後とも働き掛けてまいりたいと思います。
 
○真野主査
 ほかの方はいいですか。いろいろな方の意見をお聞きになりたいという雰囲気でしたが。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園庶務課長
 健康診断の関係です。御質問いただきました、のぞみを運営しているグループホームの利用者が入っているかどうか。こちらは24名入っております。以上です。
 
○真野主査
 よく聞こえませんでしたが、三田先生、分かりましたか。
 
○三田構成員
 分かりましたが、そういうことを明記してほしいです。あるいはボランティアも、専門性がうんぬんだとしたら、ボランティアを入れる意味が、もともとそういうことだったのかどうか、もう一回遡りたくなりまして、専門性がない人に入ってもらって、地域の風を入れてもらうということも、ボランティアの目的の1つとして想定されていたのかどうかということに関わってくるのかなと思います。専門性という視点というのは、むしろ違うのではないかと思います。診療所を地域の障害者が利用していると言ったときに、いわゆるのぞみから出た人が何十人か入っているということであれば、数字が伸びていくのは、グループホームが増えていけば伸びていくだろうなと。どこまでオープンにして、なかなかほかの医療機関では健診を受けさせてもらえないという人たちに対して、のぞみという存在が貢献しているのかというところが、私としては一番知りたかった所です。3つ目のほうはどうなのですかね。
 
○真野主査
 施設のほうからお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 理事の古川です。三田先生の今の御質問について、少し補完をさせていただきます。まずボランティアについては、専門性ということも確かにあるのですが、やはり、地域の人たちに少しでも障害がある方たちについての理解を広めたいというところも、当初、ボランティアを受け入れる目的としてはありました。そういったところでは環境整備を中心にでしたが、ある程度一定の役割が果たせたのかと考えているところです。
 また、健康診断については、グループホームの利用者24名が入っていますが、これについては、実は平成30年度から24名というのは変わっていませんので、その比較について言えば、地域の方たちにどんどん使っていただいて、徐々に広まってきているという認識で我々のほうはおります。また、今後も更なるコマーシャルをして、少しでも在宅の方たちを中心に、健康診断においでいただければと考えているところです。
 
○三田構成員
 もう少し大きな声でお願いします。よく聞こえなかったので。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 健康診断については、24名のグループホームの利用者は、平成30年度からずっと使っていますので、それについての人数は増えていませんので、そこの比較の中で増えたということについては御理解いただければと思っています。これについては、今後更に地域の方たちに使っていただけるように、いろいろコマーシャルもしますし、仕組みを変えていきたいと考えています。
 3つ目ですが、困難さはコロナのみかということでお話を頂きました。ありがとうございます。コロナだけではなくて、常にお話をしておりますが、高齢化・重度化ということに関して言いますと、確実に毎年、高齢化・重度化は進んでおります。これについては、今回、コロナで亡くなるという方はいらっしゃらなかったのですが、クラスターになって、かなり生活の質が落ちたというところで、現場の職員のほうからも改めて、利用者さんの今後の人生について、どういうふうに支えていくべきかという議論が出てまいりました。
 1つとしては、のぞみの園にずっと関わってきた事業である地域移行について、高齢・重度であっても、街の中で暮らせる可能性を持っていらっしゃる方がいるということでは、引き続き、日中サービス支援型も含めて、地域移行を進めると。
 
○真野主査
 三田先生、どうですか。何でこう。
 
○三田構成員
 マイクですかね。全然午前中と違うのですが。聞こえなくて。
 
○真野主査
 切れてしまうので。多分、マイクの種類ではないかと思うのですが。一番最初の厚労省からの説明は、非常にクリアでしたが。午前中もマイクによって差があったような気がするので、大事なことなので。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 そうしましたら、3つ目のお話を引き続きさせていただきます。高齢化・重度化ということに関して、コロナ以外に高齢化・重度化ということで、園の中で大分職員と議論を。
 
○真野主査
 最初のマイクは駄目なのかね。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 今、またマイクを変えました。いかがですか。聞こえていますか。改善されましたか。大丈夫そうですね。このほうがよろしいですか。
 3つ目の三田先生からお話がありました、コロナのみかという困難さについてということですが、確かにコロナの影響もありまして、かなり事業自体もクラスターもありまして止まったのですが、その間、職員のほうで、クラスターでどんどん機能低下していく皆さんを見て、今後に向けて、どういうふうに支援を組み立てていくべきかという議論が盛り上がってきました。その中では、地域移行については、日中サービス支援型などを利用して、高齢化・重度化をしても更に地域移行を進めていくべきだという形の人たちと、もう他方で、かなり寝たきりに近い状態になってきている皆さんがいらっしゃると。その方たちについては、残り少なくなっていく人生を、ベッドの上で終わらせるということではなくて、改めてどういった支援をして、少しでもより良く、残り少なくなっていく人生を送っていただくかという視点で、ターミナルケアということについて議論が盛り上がってきました。
 その中で、人生会議というような形で、今後、御本人にどういった形で暮らしていただくのかということを、個別支援計画とはまた違う視点で、もっと長いスパンで、御家族にも御参加を頂いたり、いろいろな専門の方たちにも御参加を頂く中で、寝たきりに近くなっていく御本人が、この先どういうふうに暮らしていくのがいいのかということを積極的に議論できるような会議を始めました。
 ターミナルケアについても、まだ試行ですが、プロジェクトチームを作って、実際に亡くなっていく方たちは、残念ながら年間10名程度いらっしゃいますので、その方たちの看取りについて、より良い看取りができるようにという形の議論も、今回をきっかけに始めさせていただくことができました。
 この2つについては、次の中期目標に改めて設定をして、園の方向性として、職員の姿勢も含めて考えさせていただければと考えているところです。以上です。
 
○鈴木構成員
 御質問を申し上げます。まず、御説明をありがとうございました。やはり、私も地域移行についてお伺いしたいと思っています。今回、実績ゼロということですが、正直なところ、先ほど三田先生もおっしゃったように、現状の所、有期を除いた平均年齢は69.9歳、60代以上の方が7割、平均入所期間30年以上が7割で、様々な医療的ケアなどが必要な人たちを考えますと、本当に地域移行という形がこれから可能なのかということについては、大きな疑問を持っています。
 そういった中で、大変なところだと思いますが、まずお伺いしたいのは、日常的な支援の中で、これはまた大変重度の方で難しいというのは承知しておりますが、意思決定支援がどのような形で行われているのかお伺いしたいのが1つです。
 2つ目に、地域移行に関して、出身都道府県が34都道府県、121市町村にまたがっているということですが、その地域移行の取組について、援護地との共同と言うのでしょうか、地域移行していくには、出身地に戻るというのが、もしかしたら理想的なのかもしれませんが、ただ、入所期間30年以上となると、本当にそこでいいのかということを迷いつつ申し上げますが、援護地との共同については、社会資源の整備などについて重要ですので、そのことを伺っています。
 もう1つは、日中サービス支援型グループホームという新しい選択肢ということで、これは利用者の方の生活の変化という部分で言えば、いわゆる入所施設に比べてという言い方は大変失礼になりますが、日中支援型のグループホームというのは、有力な手段になるだろうと思っています。
 ただ、そのときに、先ほど意思決定支援という言葉を使いましたが、資料の中、また御説明の中で、保護者からの同意というのが少し引っ掛かりを感じます。成人の利用者の方の地域移行は、本人が選ぶべきものであって、保護者の同意がなければできないということではないと思っています。これは、国連の障害者権利条約の理念にも抵触するのではないかと思っています。
 やはり、その辺りの所が、例えば10ページの地域移行の所で、保護者の不安感解消ということで、支援の対象が、御家族のことを大切にしてくださるというのぞみの園さんのお気持ちというか、もちろん、ここで何か大きな対立が生じて、保護者の方と御本人との関係が切れるということもよろしくありませんので、保護者の方に相談をするというのはあるのかもしれませんが、少し保護者の方の意向が強く出過ぎているように思えたので、そのこともお伺いしたいと思います。以上、3点です。よろしくお願いします。
 
○真野主査
 どうでしょうか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 ありがとうございます。地域移行、故郷に戻すということについては、過去において、故郷に戻っていただくということで、相当数頑張って故郷に戻っていただいた方たちがいらっしゃいます。正に今、先生がおっしゃったように、実は故郷に身寄りのない方たちもかなり出てきていたり、御本人も故郷に対しての思いはあるのですが、実際に帰っていただくと、自分の想定していたものと違ったりとか、混迷と言いますか、混乱は見受けるようになりました。
 高齢・重度、重複障害がどんどん重くなっていく方たちを支えていただける仕組みも、全国的に見るとまだまだできていないということもありまして、御本人の思いにそぐえず、故郷に帰っていただけなくなったというのが昨今のケースです。特に、今回の日中サービス支援型についても、そういった方たちを中心に、街の中で暮らしたいという御本人の思いを何とか実現したいということから始めさせていただいた事業であることは確かです。
 そういった形で、意思決定支援ということも含めてお伝えをさせていただきますと、日中サービス支援型の建物ができた後に、希望している全ての方たちに、街の中で体験をしていただくということで、まず、昼間の体験から始めて、宿泊の体験ということで体験を重ねていただくと。その中で、御本人の変化を直接支援している職員と、移行を担当している職員、場合によっては、御家族にも来ていただいて確認をした上で、御本人は言葉がない方たちも非常に多いですから、代理の意思決定という形にさせていただいたところです。
 今回、移行時期が延びてしまったのも、実は宿泊の体験が、コロナの関係でできなかったということもありまして、移行の期間を延ばしながら、そこも丁寧にさせていただいた上で、今回、移っていただいたということになります。希望された方が全部移れなかったのは、支援する側のスタッフ準備もありますので、そういった方たちについても、今後更なる体験を積んでいただきながら、いろいろアセスメントもしながら、より良い地域生活が提供できるようにと考えているところです。
 御家族の思いというところについては、20年間地域移行に関わらせていただいて、全国的に地域移行は、どこも保護者の同意がかなり高いハードルになっているのが事実だと思います。現状の障害福祉、特に重度の方の場合は契約が、御本人の契約ということよりも、むしろ御家族、後見人も含めた形で契約をしていただいておりますので、そういった契約をしている方たちの納得が得られて、契約変更をしないと地域移行に結び付かないところもあります。そういったところで、どうしても御家族にスポットを当てて、今まで地域移行のいろいろなことをやってきたことはあろうかと考えております。
 ただ、先生言われたように、我々支援する側は、やはり御本人の思いが一番ですので、それを全て確認させていただくべく、なるだけ多くの人に街の中での暮らしの体験をしていただく。その体験についての同意も、基本的には御家族の同意がないとできないのですが、その部分は本当に全力を上げて同意を取って、街で暮らすことは反対ですが、地域で体験をすることは取りあえずはいいよと言ってくれる御家族は徐々に増えてはきています。その辺を入口に、御本人の意思を確認して、それを御家族に伝えながら、御家族も含めて、地域で暮らすということに御理解を頂ければと、これについては今後も頑張っていきたいと考えているところです。以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。引き続き、よろしいですか。大丈夫そうですか。今のマイクは非常に良かったですけどね。マイクによって差がある気がします。今の地域移行の所については、私も100%理解していませんが、コロナで体験が難しかったと言われていましたが、それは確かにそうだと思いますが、コロナ以前からずっとお話しているのではないですか。コロナだからと、もちろん有期もあるのかもしれませんが、その辺はどうなのですか。ずっとお話しているのですか。コロナになったから、急にそういうことをやり出すわけではないような気もしますが。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 すみません、説明が足りなかったようです。体験ということで、街の中に出て暮らしていくことに関して、コロナでそこができなかったということで、御家族に対する働き掛けは、ずっと行っているところです。特に、御了解いただいた御家族について、その体験をした上で、改めて御家族にも納得した上で御説明していたものですから、その部分がコロナで延期になってしまったということで、移行自体が延びたということになります。申し訳ありませんでした。
 
○真野主査
 ほかの方はいかがですか。
 
○名里構成員
 すみません、名里です。今の御説明の中で、御本人の希望がある方については、今、皆さんがグループホームに行けるようにとおっしゃったかと思うのですが、御本人の希望というのは、体験していただいた様子ということですか。そういうこと、はい。もちろんすごく大事だと思うのです、体験して、どのようにその方が味わわれるのかというのはすごく大事だけれど、入所の施設の中の日々の暮らしの中で意思決定支援というのは、例えばどのようになされているのでしょうか。
 
○真野主査
 お願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園生活支援部長
 御質問ありがとうございます。生活支援部の芝と申します。よろしくお願いします。生活の中での意思決定というところで、まず、御本人の以前の暮らし、どういうことを楽しんだとか、そういうところに視点を当てて、本人が今現在どういう希望があるとか、そういうところをまず探ることからスタートをしております。それで、以前の記録から、こういうことを御本人は楽しんだとかそういうことがありまして、そこからまず広げていってというところで、御本人の意思を確認しているといった状況で、今、やっております。
 
○真野主査
 名里先生、大丈夫でしょうか。
 
○名里構成員
 そういう中で、この暮らしよりもグループホームの暮らしがいいのではないかというのが出てくるということですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園生活支援部長
 生活の幅を広げていくということで、体験をしていただいてということで。
 
○名里構成員
 ごめんなさい、よく分からなかったのが、御家族に説明するときに、御本人が希望していると思われるのだということで御家族に説明して、御家族にお考えいただくのだろうと思うので、一般論として、グループホームがいいのではないかと思うけれどどうだというのではなくて、御本人がこの暮らしのほうがいいのではないかと、それを御本人が望んでいるのではないかということで初めて家族に説明できるのではないかなと思ったので、日常の中でどういう御希望なのかというのを受け取って、何でしょう、言葉にしていくというか明確にしていくことがすごく大事だろうなと思っていたので、質問させていただきました。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園生活支援部長
 御質問ありがとうございます。利用者さんは、やはりグループホームの体験というのがなかなか少ないものですから、まずは体験、グループホームという場所はどういうことをやっているのかというところをまず体験していただくところが第一歩だと思うのです。そこに行って、そこでの様子を御本人が楽しんでいたとか、そういうところを丁寧に説明して、そこからだんだんと幅を広げていくということでやっていければという形で進めております。
 
○真野主査
 名里先生、大丈夫ですか。三田先生も手を挙げていて、関連ですか。三田先生は関連ですね。では、コメントをお願いします。
 
○三田構成員
 すみません、何か揚げ足を取るわけではないのですが、記録を見て、以前の生活も参考にして、それよりどうかという、先ほどの意思決定支援の在り方については、ほぼ毎年のように質問が出ているのに、答えがそれでいいのですか。だって、以前の生活は30年前の人もいるわけですよ。あるいは、体験がセットでしか地域移行が進まないのであれば、コロナであれ、あるいは本人の体が弱ったりしてちょっと遠方になったりしたら、体験ができなくなったら、即地域移行は無理ということになるように聞こえてしまったのです。つまり、パターン化した地域移行の流れに随分依存しているような印象を受けてしまうと。どんどん困難な状況になったときに、もう本当に無理になるし、では何のために地域移行をするのかというと、30年間ずっと集団の中で暮らしていた人が、小規模な中で高齢になってもそういう体験をしてもらうというところに向かって、職員が何がなんでも家族の説得をしてやっていくという熱意が年々感じられなくなってきているような印象を、すみません、名里さんの質問だったのですが、感じてしまいました。ですから、意思決定支援をどう行っていますかと家族から聞かれたときに、ではどう答えているのだとか、何と答えて家族を説得するのかというのをセットにして、ちょっと今の回答の方向がまずいような気がしたという、もう感想ですので、それだけで結構です。
 
○真野主査
 まあ、確かにここは、コロナ禍で難しいところではあると同時に、私も介護専門の立場から見ると、毎年同じ質問をしているなと思います。では、田宮先生が手を挙げられています。お願いします。
 
○田宮構成員
 地域移行の所は、特に重要な議論だと思って伺っています。長いことここで暮らしている方のアプローチと、それから、割と最近入所した方もいらっしゃるので、それは別にやっているのですか、ちょっとその辺どうかなと思って伺っています。やはり、居住者のニーズと状況によってアプローチを変えていかないとできないのではないかというのと、それから、家族の同意がどこまで必要かというのも、御高齢だったりするので、御家族がもう分からなくなっている方も多いかなと思います。その辺も見直しは必要なのではないかなと思います。何でもとにかく地域移行すればいいわけではなくて、難しいものは難しいし、やり方を考えていく必要はあるかなと思って、今、伺っていました。
 手を挙げたのは別のお話なのですが、よろしいですか。コロナの影響です。ちょっと事前にも申し上げたのですが、知的障害者、こういう重い方の施設において、コロナはやはり相当厳しかったと思うのです。マスクをするということもなかなか理解できませんし、予防的な行為とかいうのもできないので、ただその中で、どうやってなるべく少なくしていくのかということは、いろいろ失敗もあり、そして成功もあり、いろいろ御経験されて辛かったのではないかと思うのです。ですので、その辺を今後に向けて、またいずれ、そういう感染症というのはやはりきてしまうと思うので、知的障害の方の施設は全国にほかにもいっぱいあると思いますし、そういう所のモデル的な位置付けかと思います。かなりクラスターが起きてしまって、でもこれはもう当然仕方がないと思うのです。でも、亡くなった方はいらっしゃらなくて、重症化の方も余りいらっしゃらなかったと聞いてほっとしたのですが、その辺を、ある程度記録に残していただいて、課題を見直すとか、そういう動きをしていただきたいなと思っています。そういうことを、何回か委員会を開催したりとかしていらっしゃるということだったので、その辺の共有をしていただきたいなと思う問題と、それから、全国のこういう知的障害の方の施設はいっぱいあると思うのですが、そういう所の連絡は何かあるのでしょうか。
 ここで伺うのがいいか分からないですが、国立でこういう存在であって、多分、一般の民間の所とかが多いのではないかなと思うのですが、そういう所と連携して、今回のことで学んだこととか、いろいろ連携できるような、例えば、高齢者でしたら老人施設協会とか結構大きい団体があるのですが、ちょっとごめんなさい、私はこの辺の知的障害の方の場合がよく分かっていないので、そことのぞみの園との関係。のぞみの園の場合は、全国的なこういう研究をする方が本当に少ないので、ここでも研究としてとてもいろいろなことをやっていらっしゃると御発表を伺ったりもしますので、その辺の位置付けが、全国の組織とほかの組織とどうなっているのかというのが2番目に伺いたかったことです。1番はコロナの対応です。
 それからもう1個、3つ目です。これはちょっと細かいお話ですが、27ページの健診が増えたとか、電話での再診が増えたとかというこの数字ですが、先ほどちょっと聞き取れなくて。この4,000人の中には地域の方もいらしたとか、施設の関係だけだとかそういう話はありましたか。健診のお話でそのようなのが出ていたような気もしたのですが、これが地域に対するサービスとしてやれたというのであれば、それはそれでとても意味がありますし、恐らくこれは、コロナのときにオンライン診療が診療報酬で解禁になったので、その影響もあって増えているのかなと思ったりするので、そうであれば、先ほどもどこかで出ましたが、逆にコロナによって学び取って、新しく展開できる1つの形式かなとも思うのです。なかなか来れない方にこれだけ診療したという実績。どういう方が対象なのか、説明があったかもしれないのですが、今後に向けてもこの体制は続けていけるものかとか、その辺を教えていただけますか。よろしくお願いします。
 
○真野主査
 では、お願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(富安)
 御質問ありがとうございます。まず1点目の関係で、コロナの教訓をしっかり受け止めて、整理をして情報発信をすべきではないかということで、私どもナショナルセンターとしてそういったことをしっかりやっていかなければいけないと思っております。それで、資料の17ページに研究の一覧表があります。その中に13番として、新型コロナ感染状況による設備に関する課題調査といったことで、これは園内調査ですが、設備でどういったことが困り事としてあるのかということを調査しているところです。今、ちょうどまとめにかかっているところですが、そういったことで、のぞみの園でクラスターが発生したことで学んだこと、どう対処していったらいいかということを、既にニュースレターで発信しているものもありますが、この園内研究に関しては研究紀要という形で近々発行しようと思っていますし、知的障害者に対する感染症対応の知見についても、ニュースレターで今後また発行すること、また、クラスターの対応事例についても、セミナーなどで、どういった看護が必要なのかなどそういった研究成果を発表したり、セミナーでしっかりこちらから情報発信に取り組んでいきたいと思っております。ありがとうございます。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(古川)
 知的障害者の団体との関係ということですが、日本知的障害者福祉協会という全国規模の事業者団体がありまして、そことは強度行動障害の問題ですとか、入所の問題ですとか、そういった形でいろいろと意見交換をさせていただいております。また、全国手をつなぐ育成会連合会の親御さんたちともいろいろな所で意見を頂いたり、また、こちらの情報を提供させていただいたりというような連携をしております。特に今回のコロナの問題については、育成会のほうからも、やはり全国の親御さんたちの困り事が聞こえてきていますし、また、福祉協会のほうでは、かなり多くの場所でのクラスター、日中活動、入所を含めていろいろなサービスでやはりクラスターが発生して、非常に職員も含めて対応に苦慮したということが挙がっています。それぞれでそれらをまとめていくということも伺っていますので、そこにのぞみの園も一緒に加わらせていただいて、いろいろまとめていければと考えているところです。
 
○真野主査
 医療面は。
 
○田宮構成員
 それから、27ページの健診です。お待ちしています。
 
○真野主査
 いわゆるのぞみの園が国立であることの位置付けは、昔、田宮先生が来られる前にも少し議論があって、多分、間違っていなければだけれど、全国をまとめるとかそういうことにはもちろんなっていなくて、研修会とかレターとか報告書みたいなことで、中核組織として情報を全国に発信していく役割だというような話だったと思いますが。
 
○田宮構成員
 分かりました。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園庶務課長
 すみません、遅くなりました。昨年を、前年度4,000人強を上回る外来診療の実績ですが、こちらは主に入所利用者さんの診療になります。高齢化して、自ら痰を排出することができない利用者さんの喀痰吸引でしたり、皮膚の弱くなる褥瘡等の処置によって長期化する皮膚疾患の対応、こういったことが主な要因となっております。また、コロナ禍ではありますが、コロナのワクチン接種が進んでいたり、コロナの対策もようやく3年目にして見えてくるところもありましたので、そういった意味では、利用者さんの外来診療、これまでの2年間は少し制限があった部分もありましたが、そこら辺は特に制限なく、この3年目はやらせていただけた部分があったのではないかと考えております。この4,000人の内数に健康診断の数は含まれておりません。よろしくお願いします。
 
○田宮構成員
 ありがとうございます。ではちょっと追加でお願いしたいのですが、外来診療、特に精神科においては電話診療を続けたと書いてあるのですが、外来診療という言葉は入所者の方の外来診療になりますか。さっきの4,000人というのはいろいろな、コロナがあったので、喀痰吸引とかいろいろな処置がいっぱい含まれるので、医療ニーズはやはり今までとは格段増えたことは理解できるのですが、精神科の診療を電話で続けたという話は誰に対してですか。これも入所者ですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園庶務課長
 いいえ、のぞみの園の外来診療は、入所者に対する診療と、それから一般の方に対する診療の双方を行っております。4,000人増えた部分というのは、繰り返しになりますが、主に入所者に対する診療のほうが、これまでの2年間に比べて増えました。外来診療のほうは、5,000人程度になりますが、ここに大きな変化はありませんでした。大きな変化がなかった理由としては、電話再診を設けて、例えば患者さん自身がコロナになった場合とか、患者さんを連れて来られる御家族がコロナの陽性者になったり、濃厚接触者になったりしたとき、あるいは、のぞみの園の診療所内でそういった事象が、クラスターが発生したときに一部電話再診の対応を取ったことがありました。以上ですが、よろしいでしょうか。
 
○田宮構成員
 では、今回、電話についてはそれで増えたわけではなくて、継続をして、来れない方の分をなさったというような感じですか。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園庶務課長
 そうですね、それを活用して増えたということはありません。これまでの方をフォローしたということです。
 
○田宮構成員
 ただですね、それとはちょっと別個ではあるかと思いますが、精神科の方の電話再診とかオンライン診療の在り方とか、少し診療報酬も変わってきたりしているので、やはり絶対来なければというところがかなりハードルになる方も多いと思うのです。コロナと関係なくても。ですので、そういう機能も少し検討されたらどうかなと。地域における障害のある方の精神科の診療をされているのはとても重要だと思うので、これからオンライン診療が、コロナによっていろいろ軽減されて、緩和されて進むと思うので、一部は進んでいるし、その辺をのぞみの園でもこれから視野に入れていただくとOKになるのかなと思いました。現状はよく分かりました。これが最後のコメントです。
 
○真野主査
 田宮先生、ありがとうございました。これも、診療所がせっかくあるのだから機能を強化したらというのは、結構昔から議論があるところなのです。ただ、私も1回、大分前に訪問させてもらったけれど、場所がかなり山のほうなので、一般の患者さんが来られるのは難しいということでなかなか進展しなかったのですが、確かに、先生が言われるように、オンライン診療という話であれば、当然、この分野においては非常に技能が蓄積されている、知識も技能もあるわけですから、オンライン診療である程度そういうサポートを、最近だと直接患者さんを診察しなくても、DtoPとか、NtoPとかいろいろあるではないですか。Doctor to Patient with Nurseとか、いろいろあり得るので。
 
○田宮構成員
 そうなのです。その辺がコロナで大分変わってきたので、それに合わせて考えていただいたら地域ニーズに応えられるかなと思っています。
 
○真野主査
 確かに、確かに、それは非常に。もうずっと結構議論、何年ぐらいした、結構したのですが、これはなかなかうまくいかなかったのです。
 
○田宮構成員
 ありがとうございました。
 
○真野主査
 ほかの方はどうですか。大分いい時間にはなってきましたが、会場のほうも大丈夫ですか。大丈夫そうですね。では、三田先生、どうぞ。
 
○三田構成員
 すみません、最後にお願いなのですけれど、先ほどお話されたように、これから看取りやターミナルというところがやはり重点的になってくるだろうと思っているのですね。それは今、地域にあるグループホームや単身で暮らしている人にとっても、大きな課題になっていて、地域でどんなふうに医療機関や関係者と連携していくかという、いろいろなことを私の周りでもやっております。なので、もし、のぞみのほうで是非取り組んでいただけるのであれば、入所施設の中でターミナルをどうするかではなくて、知的障害のある方のターミナルをということで、ちょっと間口を広げて前例として、モデルとして、いろいろな試みをやってほしいなと思います。なので、これだけの診療所を併設している民間の入所施設も余りないですし、しかも、今、お話を聞いただけでも、診療所があってもなかなか限定的なことしかできないのだなというのが改めて分かったので、そこにいろいろなものをくっつけていくというよりは、ターミナルケアの地域での展開の仕方ということを念頭に置いて、のぞみでは是非センターオブセンターとしてやっていただきたいと希望したいと思います。以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。今の三田先生については施設からは大丈夫ですか。後で理事長挨拶とかもありますから。大丈夫そうですね。では取りあえず、ここで4年度の部分は終わりにさせていただいて、次に、第4期中期目標期間実績評価に移っていきたいと思います。こちらに関しては、中期目標期間実績評価に関しては総務大臣の決定で独立行政法人の評価に関する指針ということで、見込評価時に使用した中期目標期間終了時の実績見込みと実績の間に大幅な乖離がなく、かつ考慮が必要な状況変化もない場合には数値の更新等、必要な修正を行った上で見込評価を活用することができるとされているのですね。なので、これを踏まえて簡単に所管課から説明をお願いします。
 
○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長補佐
 厚生労働省施設管理室の鈴木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本来、室長の日野より説明をさせていただく予定でおりましたけれども、本日所用により、急遽欠席となりましたので、大変申し訳ありませんが、私から簡単に説明させていただきます。
 資料3になります。ただいまの真野先生からも御説明がありましたけれども、中期目標期間の実績評価については総務大臣の決定で、指針において見込評価時に使用した中期目標期間終了時の実績見込みと、実績の間に大きな乖離がなく、かつ、考慮が必要な状況変化もない場合には数値の更新等の必要な修正を行った上で、見込評価を活用するということになっておりまして、それを踏まえて所管課としても、法人の自己評価を確認して見込評価との大幅な乖離がないということで、判断をさせていただきました。
 具体的には資料3にありますが、昨年8月25日に中期目標期間見込評価を実施させていただき、Bの総合評定を実施したところです。今般の第4期中期目標期間実績評価の考え方として、国立のぞみの園における第4期の最終年度に当たる令和4年事業年度の業務実績については今し方、法人からも説明させていただきましたけれども、中期目標、中期計画に定める各種の定性的な目標や定量的な目標に対して、外部要因に対しても自主的な努力を行っていることもあって、次ページにも一覧で整理をさせていただいておりますけれども、おおむね目標を達成しており、中期目標期間見込評価時と大幅に乖離していないということで、中期目標期間実績評価については見込評価の活用が可能と判断いたしました。なお、見込評価時からの数値等の更新については資料4の中期目標期間実績評価書(案)におきまして、黄色のマーカーでお示しをさせていただいたところです。説明は以上になります。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○真野主査
 ありがとうございました。この件について何か構成員のほうから御質問とか御意見はございますか。大丈夫ですね。では、これは以上のように終了として、次に最後の議事になりますけれども、法人の監事及び理事長から年度中期目標期間における目標の達成状況を踏まえて、今後の法人の業務運営等についてコメントを頂ければと思います。最初に法人監事から、次いで法人の理事長からお願いいたします。では、よろしくお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園監事(五十嵐)
 それでは、監事報告をさせていただきます。私は、監事の五十嵐と申します。隣におりますのが、同じく監事の渡辺であります。両名ともこの7月に職務に就いたばかりで、前監事の実施をしました監査を報告いたします。資料につきましては、2-4、令和4年度監査報告という資料がございます。まず、年間の職務を通じて法令の遵守、内部統制、役員の業務執行、財務等全般にわたって適正である旨、6月15日付けの前監事が作成しました監査報告が厚生労働省に提出されております。また、新日本監査法人による財務監査の無限適正である旨の報告を受けております。
 次に、意見でございますが、着任早々、各部署よりの現状報告、現場視察、理事長はじめ経営幹部の考えを伺って、今後の業務を迎えるに当たって身を引き締まる思いです。微力ではありますが、本法人の適正な運営確保及び知的障害者福祉の向上に向けて努力したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
 
○真野主査
 ありがとうございました。では、理事長からお願いします。
 
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 理事長の田中です。よろしくお願いいたします。4月より、理事長を拝命しました。私は20年前、第1期の中期目標の際の地域移行課長として、4年ほどのぞみの園の現場で携わっておりました。以降は参事として、地域担当という位置付けで特に研修などに携わる関わりをさせていただいております。本日皆様には、大変貴重な御意見、御指摘を頂き誠にありがとうございました。令和4年度は、今までにも増して新型コロナの影響を強く受けました。のぞみの園では、群馬県の警戒レベル2を参考にして、感染症対策委員会が定めた対応を通年にわたり実施し、人と人との接触を前提とした事業、短期入所、日中一時保護者面談やボランティア等の受入れを縮小・中止し、感染防止に努めました。しかしながら、令和4年度は変異したオミクロン株の登場により、感染率が飛躍的に高まり、国内状況を一変させました。その影響は、のぞみの園にも及び、クラスターが4回発生しました。休止や縮小ができない施設入所においてのクラスターの発生は、重大な事態でした。施設内消毒、ゾーニングなどの対応を進めましたが、感染した職員のローテーションの勤務の調整のために、部署を超えて職員を配置するなど、大幅な変更が求められました。そのため、のぞみの園全体の通常業務にも影響が及びましたが、支援体制に大きな支障とならないよう、BCP対策本部を設置し、職員一丸となって事業継続に努めました。これらのことにつきましては、本日御指摘もありましたので、内部でまとめて外に発信できるような体制を検討してまいりたいと思います。また、令和5年度も引き続きコロナウイルスに関しては、感染防止を重視し、感染防止対策を今までどおり徹底しながら、一致団結して第5期の目標に向け努力しています。
 次に、業務についてお伝えします。まず、自立支援のための取組のうち、地域移行の推進です。利用者の高齢化により、毎年難しさが増しています。まずは、改めて基本姿勢の確認ですが、高齢化に際しても、よりよい暮らしの追求を本人の意思に照らして進め、意思決定支援の視点を深め、支援を提供する姿勢をぶれることなく持ち続けて、自立支援として進めていきます。令和4年度は、日中サービス支援型グループホームの開設に向け準備を進め、移行先の確保に努めました。コロナの影響もあり、開設が令和5年度になってしまいましたが、クラスター発生にもかかわらず、体験利用を通して利用者の地域移行の意向を高め、その様子を保護者に丁寧に伝えることで同意が得られました。皆様からの意見もありましたが、保護者の同意に関しては、地域移行に取り組む際の大きな反発があり、大いなる呪縛になっておりました。親から兄弟に代替わりすることもあり、そろそろ同意については緩める方向を検討する必要があるかと思っております。
 今後の地域移行の移行先のめどを立てる際には、日中サービス支援型グループホームのみにとどまらず、本人にとってよりよい選択肢が提供できるよう視野を広く持ち、引き続き丁寧に、かつ粘り強くやっていきたいと思っております。利用者の高齢化は、全国の施設でも大きな課題となっています。高齢の利用者に対する専門性では、終末期に対するターミナルケアについてプロジェクトを設置し、検討を進めています。令和4年度に、のぞみの園での実施に向けた内部向けマニュアルを作成しましたので、内部で実践し、外部に発信できるよう、その際には往診医や訪問看護対応も視野に入れた対応を調整していきたいと思っております。
 著しい行動障害等を有する者の支援については、厚生労働省における強度行動障害に関する地域支援の在り方が、昨年度の3月に検討会議でのまとめが出されました。そこでは、状態が悪化した者に対する集中的支援の体制づくりを国、都道府県、市町村が取り組むことが求められ、のぞみの園においては全国の施設・現場において標準的な支援がスタンダードな支援となるよう、現行の強度行動障害支援者養成研修に加え、中核的人材、広域的支援人材の育成を進めるよう求められました。のぞみの園としては、引き続き先駆的に取り組んでいる民間法人の協力を頂き、状態が悪化した者が支援が届かずに取り残されることのないよう、実践において、より役立つ研修を進めていきます。
 のぞみの園では、有期限入所支援で著しい行動障害の状態の方の特性を把握し、特性に基づく標準的支援と環境調整で落ち着きを取り戻し、生活を立て直し、地域での暮らしに戻れる取組を着実に進めています。この有期限入所支援を実践の場として活用することで、人材の育成と短期集中支援の取組に関する外部コンサルテーションの有効活用や、先駆的な取組をしている事業所と相互に人事交流研修が行える状況が作り出されており、職員の知識、技術の向上に寄与しています。今後は、強度行動障害支援者による全国規模のネットワークを構築し、人材育成と短期集中支援が先駆的な法人やのぞみにおいてだけでなく、全国各地で展開されるよう、各方面に働き掛けていきます。
 矯正施設を退所した知的障害を持つ方への支援では、心理教育プログラムに関する外部専門家によるコンサルテーションを継続して、支援の向上を図ってまいります。養成研修では行動障害関連のみならず、それ以外に必要な研修を進めていきます。研修やセミナーの開催方法については、コロナ禍によりやむなく進んだWebでの開催が有効な面は評価の上継続し、Webでは研修効果が薄い研修は、対面での研修を実施します。その際には、満足度の維持・向上に努めます。調査・研究においては、内外のフィールドに着目し、実践に資するような取組についても十分に検討していきます。
 本日、様々な御意見を頂いた内容を参考に、研鑽していきたいと思います。診療所においては、利用者の健康維持に力を注ぎながらも、ターミナルケアや行動障害関連において必要な専門性が発揮されるよう、先ほど御意見を頂きましたオンライン診断などを検討するなど、柔軟な体制を構築してまいりたいと思っております。
 最後になりますが、のぞみの園が国立機関として、かつ重度知的障害者の総合施設として機能するよう、意思決定支援から計画相談の取組を重視して、内部及び外部との調整機能を高めることで、より専門性を高め、利用者の日常に専門性がいかされ、暮らしぶりの向上につながるよう、一層の連携を図っていきます。培った専門性は、援助・助言を通して、国民の要請に応えるべく展開していきます。さらには、今後の財政事情を常に意識し、事業運営の重点化と効率化に努め、のぞみの園の事業展開に工夫を重ねていきます。引き続き皆様には御指導、御鞭撻くださいますよう、よろしくお願いいたします。本日は、誠にありがとうございました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは構成員の方、今の監事と理事長の話から何か意見なり、御質問とかはございますか。大丈夫そうですか。なさそうですね。ありがとうございました。それでは、これで本日ののぞみの園に対する議事を終了いたしたいと思います。それでは最後に、事務局から今後の流れについて御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 事務局より、今後の流れについて御連絡いたします。本日御議論いただきました国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の令和4年度業務実績評価及び中期目標期間実績評価につきましては、この後、本ワーキンググループにおける御意見や法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに、公表いたします。決定したそれぞれの内容につきましては、後日、構成員の皆様にお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは、ほかになければ少し早いですが、本日は、これで終わりにしたいと思います。長時間にわたり、熱心な御議論をありがとうございました。では、これでおしまいにしたいと思います。どうもお疲れさまでした。