2023年8月9日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第52回) 議事録

日時

令和5年8月9日(水)14:10~16:08

場所

中央労働委員会 労働委員会会館 講堂

出席者

今村主査、梅崎構成員、酒井構成員、関口構成員、西岡構成員、宮崎構成員、安井構成員

議事

議事内容
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 事務局でございます。定刻より少々早いのですが、皆様おそろいのようですので始めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。では、ただいまから、第52回独立行政法人評価に関する有識者会議労働WGを開催します。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきありがとうございます。本WGの出席状況について御報告いたします。本WGは、今村主査、梅崎構成員、酒井構成員、関口構成員、西岡構成員、宮崎構成員、安井構成員が会場での御参加、土井構成員、土橋構成員、三宅構成員が御欠席です。なお、今年度新たに梅崎構成員に御就任いただきましたので、梅崎先生、一言御挨拶いただけますでしょうか。
 
○梅崎構成員
 法政大学キャリアデザイン学部におります梅崎修といいます。労働経済学を専門にしております。どうぞよろしくお願いします。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 ありがとうございました。続きまして、本日の議事について説明いたします。本日の資料に関しては、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。本日の資料は、資料1から3まで、参考資料が1から6までとなります。資料の不足などがございましたらお知らせください。それでは、今村先生、議事の進行をお願いいたします。
 
○今村主査
 皆さん、依然として大変蒸し暑い中、御苦労さまでございます。本日は、高齢・障害・求職者雇用支援機構につきまして、令和4年度業務実績評価及び中期目標期間実績評価に係る意見聴取を行うこととなっております。法人から各評価項目における評定の根拠について重点的に説明しますので、評価の内容を中心に、皆様から御意見、御質問を頂きたいと存じます。本日の会議はおおむね2時間を予定しておりますので、円滑な議事運営に御協力くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。まず、高齢・障害・求職者雇用支援機構の令和4年度業務実績評価について御議論いただきたいと思います。はじめに、法人から簡潔に御説明いただき、説明が終わってから質疑応答という流れで進めたいと思います。それでは、説明をお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 座ったままで失礼します。高齢・障害・求職者雇用支援機構、JEED企画部長の境と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 私からは、JEEDの業務概要と令和4年度業務実績に基づく自己評価について御説明いたします。お手元のタブレットの資料2-1を御覧ください。資料2-1は令和4年度業務実績説明資料となっています。
 まず、1ページをお開きください。私どもJEEDは、高年齢者雇用支援事業、障害者雇用支援事業、職業能力開発事業を実施しており、緑色の部分が高年齢者雇用支援事業、オレンジ色の部分が障害者雇用支援事業、紫色の部分が職業能力開発事業となっています。こちらに各事業の自己評価を記載しています。事業区分は全部で17ありますが、令和4年度の自己評価は、Sが1、Aが7、Bが9としています。本日は、これら事業区分のうち、目標策定時に重要度等が設定された重点化対象項目の8項目を中心に御説明させていただきたいと思います。
 それでは、次に6ページを御覧ください。1-1-2、高年齢者等の雇用に係る相談・援助、意識啓発等です。この業務は65歳超雇用推進プランナー等の専門家が、企業に対して70歳までの継続雇用の延長、定年引上げといった制度改善の提案や専門的な相談・援助を行うものです。また、高年齢者雇用に関する実践的な手法の開発、提供や生涯現役社会の実現に向けた啓発活動を行っています。7ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はSとしています。
 8ページ、Ⅱを御覧ください。令和4年度の指標の達成度はいずれも120%を大きく上回っています。これは令和3年4月の改正高齢法の施行に伴う事業主の関心の高まりもありますが、コロナ禍においてオンラインによる相談・助言などの新しい生活様式に対応した取組により、積極的に事業主へ働き掛けるなど、JEEDの努力も大きかったものと考えています。
 9ページ、Ⅲを御覧ください。定量指標の達成状況に加え、令和4年度の取組を通じて得られた質的な成果です。まず、制度改善提案の実績確保に係る取組については、オミクロン株の変異株の流行に伴う第7波、第8波といったコロナ禍にありながらも、積極的に事業主へ働き掛けを行った結果、前年度を上回る制度改善提案を実施し、改正高齢法施行に伴う事業主の関心の高まりに的確に応えることができました。また、改正高齢法施行に伴う70歳までの就業機会の確保のために、事業主が講ずる措置の努力義務化を受け、速やかに法改正の趣旨と内容の周知・広報を行い、努力義務確保のための制度改善提案を行いました。
 次に、提案内容の質の向上に向けた取組については、プランナー等による制度改善提案内容を都道府県支部において事前確認するとともに、JEED本部においても事後確認を行い、プランナー等に対し個別に助言を行うなど、きめ細かいフィードバックを行い、提案内容の質の向上に努めました。また、プランナー等に対して、企業訪問時におけるノウハウ等の助言、研修の実施や好事例の紹介等を行うことにより、プランナー等のスキルの向上を図りました。
 次に14ページを御覧ください。1-2-1、地域障害者職業センター等における障害者及び事業主に対する専門的支援です。この業務は地域障害者職業センターが、ほかの機関では支援が困難な個別性の高い支援を必要とする障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービスや、事業主に対する障害者の雇用管理に関する専門的な支援を行うものです。15ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はAとしています。
 16ページ、Ⅱを御覧ください。令和4年度の指標の達成度はいずれも100%を上回り、全て目標を達成しました。
 17ページ、Ⅲを御覧ください。定量指標の達成状況に加え、令和4年度の取組を通じて得られた質的な成果です。まず、障害者に対する専門的支援の実施については、求職者のみならず、就職後に課題が表面化した在職者に対して、丁寧なアセスメントとその結果に基づく支援計画を策定し、様々な支援を行うとともに、支援の主体をジョブコーチ支援に引き継ぎ、事業所内の環境への再適応を進めるなど、障害者が直面する状況に応じてきめ細かな支援を実施しました。
 さらに、個々の支援ニーズに対応した例として、発達障害者の支援では暗黙知の見える化トレーニングの技法を活用し、言語化されないコミュニケーションスキルの習得を支援しました。また、オンラインを活用することにより、離島など遠隔地に居住する障害者や障害の状況によりセンターへの来所が困難である障害者に対しても、相談支援を実施することができました。
 次に、事業主のニーズを踏まえた専門的支援の実施については、令和3年3月の法定雇用率0.1%引上げを踏まえ、より積極的な事業主支援を展開した結果、過去最高の支援実績となりました。また、令和4年度に試行実施した他社情報の提供や障害者の職務創出など、地域センターが提供できる支援内容を提案しつつ、相談・助言を行う提案型事業主支援における工夫や事例の共有、提案シートのフォーマットの見直しや提案する場面に応じた留意点を取組例として取りまとめるなど、令和5年度からの本格実施につなげました。さらに、障害者雇用におけるキャリア形成をテーマとした事業主支援ワークショップを開催することなどにより、障害者雇用の質の向上も含めた幅広いニーズに対応しました。
 次に、職業準備支援修了者に係る就職率及びジョブコーチ支援終了者の職場定着率の向上に係る取組についてです。職業準備支援では、自らの障害特性や強み、求める配慮事項等を整理し、事業所等に対して伝えるためのナビゲーションブックについて、これまでの就職支援等の活用に加え、就職後のジョブコーチ支援においても担当業務等に合わせてその内容をアップデートし、事業所担当者と共有することで、円滑な職場定着へつなげることにより、就職前から就職後まで一貫した支援を実現しました。
 また、コロナ禍で取り組んだオンライン相談を組み合わせた支援については、遠方の事業所とのケース会議等に活用し、雇用管理に関する助言や職場定着状況の把握など、地理的な制約を受けることなくタイムリーな情報共有を図ることができました。
 次に24ページを御覧ください。1-2-2、地域の関係機関に対する助言・援助等及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成です。この業務は、地域障害者職業センターが地域の関係機関に対して行う職リハの実施方法等に関する専門的・技術的な助言・援助等やジョブコーチの養成研修をはじめとした職リハの専門的な人材の育成を行うものです。25ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はAとしています。
 26ページ、Ⅱを御覧ください。令和4年度の指標の達成度はいずれも120%以上と高い達成状況となりました。
 27ページ、Ⅲを御覧ください。定量指標の達成状況に加え、令和4年度の取組を通じて得られた質的な成果です。まず、就労移行支援事業所など、地域の関係機関に対する助言・援助等に係る取組については、オンラインを活用することにより、これまでは利用を躊躇していた遠方の関係機関や感染対策を継続している関係機関も参加が容易になるなど、より多くの関係機関に対して支援ノウハウを提供することができました。また、関係機関とのネットワーク構築のための各種会議においても、オンラインを活用することにより、感染状況によらず会議を開催することで、地域の就労支援ネットワークの基盤強化を図りました。
 次に、ジョブコーチ養成研修等に係る取組については、オンライン研修での受講環境を保障するため、オンライン研修に係るパソコン操作のマニュアルを作成し、受講者に配布したほか、接続テスト日の設定や接続不調時の電話対応などきめ細かく対応しました。また研修の場面においては、オンライン機器のグループ分け機能を活用して、オンライン研修であっても意見交換やケース検討の機会を設定することなどによって、質を担保しました。ジョブコーチ養成研修等の受講者へのアンケートでは、「知識を体系的に学ぶ機会となり、今後、実務を担う上で大変有意義であった」など、研修の質を評価する回答のほか、「オンラインの研修に不慣れだったが、的確な案内や事前の接続テストがあり、安心して受講できた」といったオンライン形式の実施について評価いただく回答がありました。
 次に31ページを御覧ください。1-2-3、職業リハビリテーションに関する調査・研究及び新たな技法等の開発の実施とその普及・活用の推進です。この業務は、職リハに関する調査・研究及び新たな技法等の開発を行い、その成果の普及・活用を推進するものです。32ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はAとしています。Ⅱを御覧ください。令和4年度の指標の達成度は全て目標を達成しました。
 33ページ、Ⅲを御覧ください。定量指標の達成状況に加え、令和4年度の取組を通じて得られた質的な成果です。まず、質の高い調査・研究の実現に向けた取組については、各研究テーマにおいて研究委員会又は有識者ヒアリングを必須として、外部専門家の意見を踏まえて調査の内容・実施方法・分析の視点を精査するとともに、研究担当者を中心に厳格に進捗管理を行うことで、最新の知見を集約した質の高い研究成果が得られました。また、研究計画の策定に当たっては、厚生労働省の要望や地域センター等の現場のニーズを踏まえて、複数の研究員が部門横断的に意見交換を行い、研究の視点や手法について議論を行うことで、より適切な研究計画としました。
 次に、職リハ研究・実践発表会及び支援技法普及講習の実施等、普及活動の取組についてです。職リハ研究・実践発表会は、コロナ対策のため現地の参加人数を制限したことから、新たにライブ配信を実施し、コロナ禍により来場を躊躇された方や遠方の方も参加することができました。また、独立行政法人科学技術振興機構の主催する論文検索サイトJ-STAGEに、研究報告書のサマリーを登録し、国内外に広く公開したほか、精神障害者関係の学会等に、関連の研究報告書やマニュアル等を紹介したリーフレット作成、配布するなど、対象やテーマに合わせた情報発信を実現しました。さらに、開発した支援技法を普及するための支援技法普及講習は、オンラインを活用し、上半期に集中して実施した結果、受講者数は1,375人と過去最高になりました。
 政策提言に向けた取組として、障害者雇用・福祉の連携強化に関する検討会の職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会に研究員が構成員として出席し、就労困難性の評価に関する調査研究の研究成果に基づく助言などを行い、政策の検討の一助なりました。
 次に、51ページを御覧ください。1-4-1、離職者を対象とする職業訓練の実施です。この業務は、雇用のセーフティーネットとして、離職者を対象に早期再就職に必要な技能・技術、関連知識を習得できるよう、全国のポリテクセンターにおいて標準6か月の職業訓練を実施するものです。52ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はAとしています。Ⅱを御覧ください。令和4年度の指標の達成度は全て目標を達成しました。
 53ページ、Ⅲを御覧ください。定量指標の達成状況に加え、令和4年度の取組を通じて得られた質的な成果です。まず、就職率向上に係る取組としては、PDCAサイクルによる不断の見直しにより、人材育成ニーズに即した訓練カリキュラムとしていることに加え、Web会議システムを活用した企業説明会の開催やオンライン面接を意識した面接指導、練習環境の提供など、訓練受講の段階に応じた訓練受講者への計画的かつきめ細かな就職支援に取り組みました。なお、積極的な求人開拓等に取り組んだ結果、就職者のうち正社員の割合は66.0%、正社員として就職を希望する者の正社員就職率はサンプル調査において81.6%と成果を挙げることができました。
 また、第4次産業革命の進展に対応した訓練コースの取組として、スマート生産サポート科については23施設、IoTシステム技術科については4施設で実施し、1,278名が訓練を受講しました。さらに、DXにつながるデジタル技術に対応した訓練カリキュラムの開発等を行うとともに、訓練効果の向上や訓練実施の効率化を図るため、デジタル技術の進展に対応したICTを活用した新たな指導技法等の開発を進めました。
 次に59ページを御覧ください。1-4-2、高度技能者養成のための職業訓練の実施です。この業務は、産業の基盤となる高度なものづくりを支える人材を育成するための高度技能者養成訓練を、高校卒業者等を対象に各地のポリテクカレッジ等において実施するものです。60ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はAとしています。Ⅱを御覧ください。令和4年度の指標の達成度は全て目標を達成しました。
 61ページ、Ⅲを御覧ください。定量指標の達成状況に加え、令和4年度の取組を通じて得られた質的な成果です。まず、就職に資する訓練や支援に係る取組については、通常時からオンラインを活用した訓練を実施するとともに、即戦力となる実学融合のカリキュラムによる指導やきめ細かなキャリアコンサルティング、職業意識を高めるためのインターンシップ等を実施したほか、オンライン面接に対応した就職支援、Web会議システムを活用した企業説明会や正社員就職のメリット等の周知に取り組んだ結果、正社員就職率98.3%と質の高い就職を実現することができました。
 また、生産ロボットシステムコースに係る取組については、コースの運用状況等を把握しノウハウを共有するとともに、応用課程を担当する全てのテクノインストラクターへの研修を実施することにより指導体制を構築したほか、未来ロボティクスエンジニア育成協議会(CHERSI)との連携の一環として、ロボット関連企業の見学、意見交換を行うことにより、質の向上に取り組みました。なお、コース修了者においては、就職率100%、正社員就職率98.7%と高い実績を挙げました。
 地域社会との連携等の取組については、ポリテクカレッジが有するものづくりのノウハウ、第4次産業革命に対応した技術等を活用した共同・受託研究を実施することにより、地域の中小企業等が抱える課題解決に貢献しました。また、学生の訓練成果を広く発表するポリテックビジョンについて、オンライン配信等も活用することにより、地域の企業や高校などに広く公開するとともに、若年者に対する実践的な技術教育の充実を図るため、工業高校や高等専門学校、大学等との連携に取り組みました。
 次に67ページを御覧ください。1-4-3、在職者を対象とする職業訓練及び事業主等との連携・支援の実施です。生産性向上人材育成支援センターを通じて、職業能力の開発及び向上に関する相談・援助を実施するとともに、専門的知識及び技能・技術の向上を図るための在職者訓練等を行うものです。68ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はAとしています。Ⅱを御覧ください。令和4年度の指標の達成度は全て目標を達成しました。
 69ページ、Ⅲを御覧ください。定量指標の達成状況に加え、令和4年度の取組を通じて得られた質的な成果です。まず、生産性向上支援訓練に係る取組については、DXの推進に資する人材の育成を支援する訓練コース等を実施し、さらに事業主等の利便性向上に資するため、挙手機能を活用して受講者の理解度を確認するといった工夫を凝らしたオンラインコースを実施した結果、受講者について過去最高の6万602人となりました。また、事業主・受講者へのアンケート等により、訓練コースの改善等を図ったことにより、事業主等から高い評価を得ることができました。それから、カリキュラムモデルについて新たに3コース開発し、計128コースを整備しました。うち、DXの推進に資する人材の育成を支援する訓練コースのカリキュラムモデルについては、開発に加えて既存コースの見直しも行い、新たに12コースを拡充、計58コースを整備しました。
 次に、在職者訓練に係る取組については、機構本部が事業主団体から相談を受けた訓練コースについて、各職業能力開発施設が地域の加盟団体に対して人材育成ニーズに関する調査を行い、訓練の実施に向けた検討、調整を図るといった全国的な対応を行いました。また、訓練ニーズが集中する時期に事業主の人材育成ニーズを捉えた訓練コースを設定し、事業主の要望に応えました。さらに、オンライン訓練を推進し、学科については遠隔施設からオンライン配信し、実技は各地の施設において実施するという施設間連携によるオンライン訓練を実施し、機構のスケールメリットをいかして地域の人材育成ニーズに対応しました。こうした取組は、コロナ禍において在職者訓練の受講を控える事業主への対策が端緒となっていますが、コロナ禍とは関わりなく、在職者訓練の実施手法の1つとして有効な取組であると考えています。
 また、第4次産業革命等に対応した在職者訓練コースに係る取組ですが、ディープラーニングによる正常・異常検知技術といったものづくり分野におけるIoT技術等に対応した在職者訓練コースについて、新たに34コースの開発等を行い、計292コースを整備するとともに、受講者アンケート結果の訓練カルテによる分析、事業主等に対する受講者が習得した能力の職場での活用状況調査を行い、必要な改善を図るなど、訓練コースの品質の向上を図りました。以上の在職者訓練、生産性向上支援訓練の取組のほか、人材育成の総合窓口である生産性向上人材育成支援センターとして、都道府県労働局や地方公共団体、商工関係団体、経済産業局等との関係機関と連携し、広く中小企業に向け展開することにより、5万5,078事業所に対して、人材育成の相談、訓練コーディネートから実施に至るまでの一貫した支援を行うことができました。
 次に80ページを御覧ください。1-5、障害者職業能力開発業務です。この業務はJEEDが運営する埼玉県所沢市、岡山県吉備高原の2校の障害者職業能力開発校の業務についてです。81ページを御覧ください。この評価項目の自己評価はBとしています。
 82ページ、Ⅱを御覧ください。令和4年度の指標の達成度は、1点目の特別支援障害者の定員に占める割合を除き、目標を達成しました。特別支援障害者の定員に占める割合の目標が未達となった要因については、緊急事態宣言が解除されて以降も、オミクロン株などの新型株やその変異株の流行に伴う感染者の拡大が続いたことによる影響であると考えています。
 84ページ、Ⅲを御覧ください。まず、特別支援障害者の受入れに係る取組については、訪問による募集活動を再開し、各都道府県のハローワークや大学、高等学校等への募集活動を実施したほか、オープンキャンパスや見学会も開催するなど、年間を通じて計画的な募集活動を展開しました。また、合格を通知した者を含めると特別支援障害者の割合は60%以上が見込まれていましたが、就職が決まり訓練受講を辞退する等があったため、休職障害者の職場復帰に向けた訓練も含めて募集活動を更に行い、訓練生の確保に努めました。
 これらの取組により、目標は未達となったものの、特別支援障害者の定員に占める割合は、前年度実績を3.2ポイント、実数では8人上回るとともに、入校生全体に占める割合は75.9%と、前年度実績の74.1%を上回る結果となりました。そのほか、定量指標の達成状況に加え、令和4年度の取組を通じて得られた質的な成果です。就職への取組については、訓練開始後、早期に就職活動支援を実施し、訓練生の状況に応じて支援メニューを設定するなど、きめ細かな支援を実現しました。また、施設内訓練で習得した技能を実際の職場で活用することが困難な訓練生に対しては、雇入れを検討している企業での訓練を行う特注型企業連携訓練を実施することで、就職につなげました。
 次に、障害者職業訓練推進交流プラザの開催及び指導技法等体験プログラムの実施に係る取組についてです。交流プラザについては、前年度は動画配信方式の開催でしたが、令和4年度は従来の集合方式と併せて、時間的・地理的制約がある者にも参加機会を提供する観点から、オンライン方式も選択できる形態により開催しました。なお、集合方式では、コロナ禍により実施を見送っていた参加者相互の情報交換等の場を設けて実施しました。また、指導技法等体験プログラムでは、これまでよりも回数を増やして開催し、受講機会の確保に努めるとともに、レディメイドによるプログラムに加えてオーダーメイドによるプログラムを提供するなど、各校のニーズに応じてきめ細かに対応しました。
 以上が8つの重点化項目についての説明となりますが、その他の事業項目については定量的指標の達成状況等に鑑み、1-3-2、障害者雇用納付金に基づく助成金の支給等においては自己評価をAとし、これ以外の8事業項目については自己評価をBとしています。
 令和4年度においては、オミクロン株などの新型株やその変異株の流行により、第7波、第8波と感染者数が大幅に増加するなど、感染症法上の位置付けの5類への移行に向けては、いまだ道半ばといった状況にありました。このような状況の下、JEEDにおいては安全、安心な支援、サービス提供に万全を期すとともに、こうした取組について支援対象者に理解してもらえるよう積極的な周知等を行ったこと、当初はコロナ対策として取り組んだオンラインによる支援について、必ずしもコロナ対策としてだけでなく、支援対象者の状況や希望に応え得る新たな支援手法として積極的な活用を図ったことなど、様々な創意工夫を重ねながら業務を進めてきたところです。
 本日は、定量的指標の達成状況や各業務の取組状況のほか、コロナ禍の影響やその中での工夫、取組を通じた質的な成果についても、御議論、御評価いただきたいと考えています。JEEDとしては、本日の委員の皆様からの御指摘等を踏まえ、令和4年度の取組内容を精査、検証し、国とも連携しながら、それぞれの対象者の特性に応じたサービスの維持、質的向上を図るべく、更なる創意工夫に努めていきたいと考えています。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 
○今村主査
 ありがとうございました。それでは、令和4年度の実績評価について、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。どうぞ。
 
○安井構成員
 御説明いただきましてありがとうございました。先日、JEEDを御訪問させていただきまして、先進的な在職者訓練について担当の方と意見交換させていただきました。試行錯誤しながらも、より良い訓練を開発しようと取り組んでいらっしゃる御様子を拝見いたしまして、とても心強く感じました。ありがとうございました。
 さて、御質問が2点あります。1点目が8ページの所です。S評価の定量的な根拠として、制度改善提案件数の令和4年度達成度が146.3%となったことがあります。ただ、過去を見ても、139.0%、131.7%、197.0%とかなり高い数値になっています。ここの制度改善提案件数の要因分析を見ますと、「②法人の努力結果」と書いてありますが、本当に努力結果だけでこの実績が達成されたのでしょうか。
 どういうことかと申しますと、「同一指標で2年続けて達成度が120%以上又は80%未満の場合は、目標変更の要否を記載すること」とありますので、過去の資料で令和2年を見てみたところ、同じように131%となっていたわけですが、目標変更をしない理由として、「これまでは、比較的高齢者雇用に関心があった企業が制度改善提案を受け入れてきたことが、高い水準での目標達成につながってきた一因として挙げられる。コロナ禍にあって経営環境が厳しい企業も多く見られる中で、今後はより高齢者雇用に関心の低い企業や高齢者雇用が進まない企業・業種等へのアプローチ、制度改善を行うことにより、目標達成が難しくなることが予想されているため、目標変更の要否については変更は行わないこととする」とあります。そういうことで、令和2年は目標変更をしなかったわけですけれども、実は令和3年も見てみましたら同じ文言が書いてございました。
他方、今回はそういった文言はなく、この達成度がそのまま評価され、Sとなっています。以上のことから、確かにそういう高齢者雇用が進まない企業へのアプローチが増えてくるので目標達成が困難になるかもしれないということはあったのですが、それが顕在化しなかったということは、高齢化が企業の中で進む中で、結局は制度改善相談をしてくる企業も増えていったという外部要因、つまり相談する需要がすごくあったということが、達成度が非常に高くなった要因として大きいのかなと思うのですが、その点はいかがでしょうかというのが1点目の御質問です。長くてすみません。
 2点目は、同じ所でして、実績値として8,776件とございますが、対応された企業数ないし事業所数はどの程度になるのでしょうか。何が気になっているかと申しますと、わが国の法人企業数は約178万社と言われている中で、それに対して対応できている企業数がどれだけいるのか気になっているところです。以上です。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者雇用推進・研究部長
 ありがとうございます。高齢者雇用推進・研究部長の山下です。1つ目の御質問ですが、確かに私どもが取り組んでいく中で、事業主さんの関心度は非常に高まっているというふうに理解しています。ここ数年、高齢者雇用に関しての制度が変わってきているところと、人手不足等々、企業での人材活用の在り方といったところを背景にして、私どもが企業訪問する際にも、そういった声は当然聞かれていると理解していますので、どれぐらい外部要因かというのはなかなか答えづらいところではありますけれども、そういったことを踏まえますと、そういった影響も相当あるのではないかと感じています。抽象的な回答で申し訳ございません。
 あと、8,000という数字ですけれども、私どもがアプローチをさせていただいている企業は、令和4年度で言うと全国で23,097社の企業を訪問させていただいています。その企業に対して相談・助言を行った件数が3万1,000強というところですので、訪問した企業に対して、2回から3回程度は再度、助言・相談等をさせていただいているところです。その3万件の中で、制度改善提案につながったものが、今お話に出た8,776という数字です。私どもとして伺っている23,097社のうち8,776件が制度改善の提案につながっているということです。
 
○安井構成員
 ありがとうございます。1点目は、ここでは②しか書いていませんが、③の外部要因があるという中で、ではそれが貴機構の努力だけでどこまで達成できたのかという点を踏まえた上でもSという評価なのかということを改めてお伺いしたいです。また、2点目は23,097社ということで承知いたしました。今後、事業主の選定等も重要になってくると思いますので、高齢者の多い産業とか地域に対象を絞って効率的に働き掛けをしていくことが、より重要になってくると思います。その点、引き続きよろしくお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者雇用推進・研究部長
 ありがとうございます。外部要因の件ですが、私どもが伺う際には、今、23,097社訪問できたと申し上げたところですけれども、実際には、その外でアプローチをかけてもお断りになる所がかなりあるということもございます。また、実際にアプローチをかけてお話を聞いていただいた所でも、なかなか具体的な作業というか、そういったところに話が進むためには、かなり手を替え品を替え、いろいろと提案を工夫しながらやらないといけないところがあります。そういったことを踏まえますと、単純に外部的な要因があってそういうニーズが高まっていることは当然ありますし、こういったことを実際にやっていただくためには会社さんの御努力が必要であることはあるのですが、そのきっかけとして、私どもが汗をかいて会社さんのほうに個別に訪問させていただくという、非常に努力はさせていただいているというふうにこちらとしては考えているところですので、そういったことも踏まえましてこのような評価とさせていただいているところです。なお、今年から始まっている新しい中期計画においては目標値を上げていますので、そういったことも、今、先生がおっしゃったことも踏まえていると理解しています。以上です。
 
○安井構成員
 承知しました。ありがとうございました。
 
○今村主査
 どうぞ。
 
○酒井構成員
 御説明ありがとうございます。私からは幾つか細かい点について質問させて頂きます。今しがたの安井委員からの質問と全く同じ8ページになりますけれども、制度改善提案件数に関して詳しい御説明がありました。もう1つ、制度改善提案により見直しを進めた事業主の割合ということが少し気になりまして、ここでの見直しというのは、どういったことを含むのかというところを教えていただけたらと思います。毎年の達成状況が150%を超えていて、これが目標値40%に対してということで、この見直しというものがどこまで含むのかということ、例えば制度改善提案に沿っていなくても、とにかく何らかの見直しをしたら見直しとカウントしているのか、そもそもどうやって見直しというものを把握しているのか少し気になった次第です。
 2点目ですが、56ページになります。56ページは今回、特に御説明はなかったのですが重要かなと思われるので質問させていただきます。離職者の訓練に関する事項だったと思いますけれども、今こういった職業訓練に関する注目が高いと思います。JEEDさんの役割としては、こういったもののプログラム作成と訓練の見直しといったところで、特に訓練の見直しという面は常にニーズに応じてアップデートしていくことが極めて重要かなと思う次第なのですが、56ページの右の所で見直したコースが24%とあり、そこに内訳も書いてありますけれども、これはどういうことがあった場合に見直しが進められるのかということを少し教えてください。例えば中止率が高い、すなわち受講者が集まらなかったから内容を見直すのか、あるいは就職率が低いから見直すのかといったようなところ、どの辺りの事情から見直すことが多いのか教えていただけたらと思います。以上です。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者雇用推進・研究部長
 御質問ありがとうございます。1つ目の御質問の関係ですが、資料2-1の10ページですが、左下に円グラフがございます。8,776件のうち65.8%ということですけれども、これがその数字ということです。その中身についてですが、四角い箱にございますとおり、具体的に定年の引上げを行ったり、継続雇用の延長を行ったり、会社としての基本方針を決定したりといった、はっきりとした何かしらの取組ということもありますけれども、それ以外にも、経営層との話合い等ということも含めているところです。ただし、こちらの話合いということですけれども、ただ単に何かしら会議のテーマで話をしましたといった程度の話ではなく、会社として経営層がこういった高齢者雇用の取組についての問題意識をはっきりと認識して、今後何らかの形でステップをしっかりと踏んで見直していくという方針を固めているというところを、再度私どもが改善提案とした後にフォローアップの確認をさせていただいています。その中で、そういった会社の動向がどうだったのかという中身を聞いた上で、こういった実績のほうに計上させていただいているところです。会社として制度そのものを変えるというのは、御案内のとおり難しいものですし、そんなに簡単な話ではないところではありますが、ただ、その方向性をはっきりと決めたり、そういった問題意識を確認しているというところまで、しっかりと私どものほうとして会社に確認させていただいたものを計上させていただいているということです。
 
○酒井構成員
 これは、直後に何か改めてフォローアップのヒアリングというか、アンケートか何かをしているということですか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者雇用推進・研究部長
 最後に提案させていただいた後、4か月から6か月後ぐらいに、改めて会社のほうに、その後、いかがでしょうかというところで、確認を全てさせていただいているところです。
 
○酒井構成員
 分かりました。ありがとうございます。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
 求職者支援訓練部長の須摩と申します。離職者訓練の御質問についてありがとうございます。お答えのほうをさせていただければと思います。カリキュラムの見直しということでしたけれども、御指摘いただいたとおり、私どもは様々な角度から見直しをすることがあります。具体的に申し上げますと、PDCAサイクルを回している結果、私どもは毎年、3,000数百社の事業主に、どういう人材が必要ですか、どういう訓練をしたら採用したいですかというようなニーズ調査をしています。そうした中で、こういうことをやってくれないかという提案があった場合、個別具体的な例になって恐縮ですが、例えばコロナ禍の中であれば余り外に出ないし、換気ということがよく言われるので、エアコンの具体的な取付けをカリキュラムの中に入れてくれないかなど、そうしたことがあったらどこかのカリキュラムに組み込むことができないかであるとか、最近では介護等がかなり増えてきているので、バリアフリーの居住系の訓練をどこかに入れてくれないかという要望があったときに、できる範囲でそうしたものを取り入れたり、今一番多いのはDX、GXと言われているので、デジタル的な内容をどこかに入れてくれないかということがあった場合に、どういうことができるかということで見直しをしているということがあります。
 それから、各施設の中で毎回、訓練コースの募集、就職というものを見る中においては、ちょっと定員充足率が思わしくないので、見直しをして、どういうニーズがあるか考えた上で入れる必要があるのではないかとか、あるいはこうした委員会の中で委員の方から、こういう要望が多いのではないかといった提案があったときに、施設の中で検討して、本部とやり取りをして見直しを行っているというような状況です。
 
○酒井構成員
 ありがとうございます。訓練ニーズを把握した上での見直しということが分かってよかったです。定員充足率を満たさないので見直しというのは、もしよろしければ具体的に例えばどんなコースがあるのですか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
 国の職業能力開発促進協議会などでも、そういった分析がなされている面がありますけれども、例えば機械系、溶接系はどうしても敷居が高いということで、要は訓練を受けていただくと就職先はすごくいっぱいあるのですが、なかなか応募に結び付かないので、そうしたところは安易にカリキュラムを見直したり、科の改廃をしたりするのではなく、どうやってハローワークのほうと連携していくかなど、そうしたことに注力すべきであろうと思っています。
 
○酒井構成員
 分かりました。ありがとうございます。
 
○今村主査
 どうぞ。
 
○宮崎構成員
 御説明ありがとうございます。2点ありまして、質問というか意見かもしれませんが、1点目は90ページで、今ありました求職者支援の職業訓練の審査・認定のことです。今のお話でも、企業のニーズも調査された上でカリキュラムの見直しをしているということだったと思います。この1つ前のJILPTの審議などでもコメントさせていただいたのですが、どこが担当なのかも余り明確でないのですけれども、政府の骨太の方針の閣議決定の中で、人への投資の重点化とかリスキリングということで、成長分野、具体的にはデジタル人材の育成といったものが、政府の方針でも重点に置かれていると思います。ですから、この求職者の支援の中で、職業訓練とか教育訓練給付金が重要だと思っていますが、この見直しやニーズの中に、来たものの申請を審査するという観点も当然重要ですけれども、もうちょっと能動的に、より重点化してやっていただきたい研修とか必要なものは、傾斜とか配分という概念があるのか分かりませんが、もうちょっと重点的に拡大するように能動的な働き掛けのようなものもあって、政府の言っているデジタル人材の能力開発・育成強化というものに、受け身的な審査というよりは、もう少し能動的に特定のものを強化するような働き掛けを何とかやっていただけないかというのが要望というか意見です。これが1点です。
 もう1点が、またちょっと違うテーマですが、31ページから32ページにかけて、障害者向けの職業リハビリテーションとか調査・研究に取り組まれています。私、前から申し上げているように、産業構造が変わって、1次産業、2次産業みたいな肉体的労働より、3次産業のサービス産業になってきていますので、メンタルとか精神障害といったほうが増えてきていまして、こういった分野を重点化してくださいと前からお伝えしているのですが、そういった分野のテーマの研究に取り組まれているようで、個人的に非常に評価したいと思っています。その中で、基本的には、ハンディキャップというか障害がある方がより働きやすいように、仕事に取り組みやすいように、職場で働けるようにということで、支援を一生懸命されているということで理解していまして、その方ができる範囲内でやるという環境配慮も当然必要で重要だと思っているのですが、もうちょっと切り口を変えて、より先端的な研究とか、通常の人と同等に働ける取組というようなものも何かできないか、是非検討いただければと思います。
 例えばなのですが、アメリカのテスラモーターのイーロン・マスク氏が、ニューラリンクということで、脳とICチップを直接繋いで、手足が不自由な方も目で見たり頭で考えただけでパソコンのデータが入力できるとか、健常者と同じように働けるソフトウェアの開発などをやっています。これはアメリカのFDAで実際に審査が通って保険医療が通るかもしれないというのが、今年の5月に出ている情報だと思います。ですから、こういった先端的なことも少し研究に入れていただいたり、調査に入れていただいて、健常者と同じような働きができることで障害者が活躍できるということも、テーマに入れて研究されてみるのも1つなのかなと思います。そういう中の1つとして、障害者雇用納付金というのがありますが、これは企業から申請があって例えば手すりを付けましょうとか、働きやすい環境にしましょうという補助に使うのも1つですが、今言ったような先端的な研究をすることに対して、社会に役立つ研究にも助成を回しましょうとか、そういったことにも取り組んで、この分野が推薦されるということも1つかなと思いますので、そういったことも、是非検討いただければと思います。以上、2点です。
 
○人材開発統括官人材開発政策担当参事官
 厚生労働省の人材開発政策担当参事官の松瀬です。1点目につきましては、こちらからお答えさせていただきます。政府骨太の方針の中でリスキリング、取り分けDX人材の養成ということが掲げられていまして、当然、我々も意識して取り組んできているところです。特に地域におきまして、公共的な職業訓練にどういうふうに導いていくかにつきましては、昨年10月に地域職業能力開発促進協議会という、能開法改正により法的に位置付けた協議の場がございまして、この場で各地域の年度ごとの訓練計画を立てることになっていますが、それに際しまして、重点分野等についてはこういった感じでお願いしますということを、中央の協議会の議を経由して各地域にお示しするといったやり方で、国の大きな方針と齟齬が生じないようにという連携は、中央と地方の協議会で取らせていただいているところです。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構情報システム総括管理部長・研究企画部長
 研究企画部長の外山でございます。職リハに関する調査・研究に係る御質問ありがとうございます。通常の人と同等の働き方ができるような先端的な研究ができないかという御質問かと思いますけれども、まず、こちらの研究部門におきましては、機構内部の各部とか、厚労省、就労支援センターといった所から研究の要望を頂き、その中から様々な角度で検討しまして、毎年度、研究テーマを設定している状況でございます。その中では御指摘のあったような先端的な研究の要請がない状況ではあったのですが、今後、他の機関の知見等を借りることができる状況でしたら、御指摘のあった先端的な研究といったものも視野に入れて研究テーマの設定の際には検討してまいりたいと考えます。ありがとうございます。
 
○今村主査
 よろしいですか。ほかに補足のお答えはないですか。大丈夫ですか。どうぞ。
 
○安井構成員
 今の1点目に関連して要望があります。地域職業能力開発促進協議会に関しまして、求職者支援訓練の職業情報を見ますと基礎コースと実践コースとございますが、実践コースのIT分野ですら、応募者は非常に多いものの就職率が非常に低位になっているというのが多くの都道府県で見られる状況です。先ほど、午前中の労働政策研究・研修機構の会議で藤村理事長がおっしゃっていたのですが、その背景として、求職者支援訓練を受けても需要側、つまり企業側が求めるITスキルまで達していない結果、就職率が高まっていないことがあるそうです。つまり、訓練内容が十分でないということなので、せっかく今、より安定した職業かつ賃金の高い職業であるデジタル人材を目指して、求職者支援訓練を受けている方々が増えているところですから、是非そういった方々の努力が無駄にならないよう、訓練内容をより充実したものにしていただきたいと思っています。以上、要望です。
 
○人材開発統括官人材開発政策担当参事官
 安井構成員が午前中そういう発言をされたということで、恐らく特定の地域を念頭に置かれての発言ということで、当該地域のことを調べてみました。確かに低い機関はございましたが、それはその訓練のカリキュラム内容が劣っていたからということではなく、訓練の実施場所が都市部から隔たっていたといった要因もあって、一義的にはなかなか判断しづらいものだったということもございました。一方で、ITの訓練というのは、歴史的に見れば、ものづくりや介護に比べると、最近ものすごく拡大してきたものでございますので、確かに受け入れる企業側が、訓練生の水準がこういったもので、こういったふうなすり合わせをしなければいけないというノウハウはまだまだ少ないと思っています。ですから、我々は、より実践に近付けるようなカリキュラムの開発、あるいは実践の場をどういうふうに与えていくかと、訓練の中でどうやっていくかという工夫もする必要があると思います。それはこれからの工夫かと思います。一方で当然、受入先、出口の先のIT企業の方々とのすり合わせの努力です。訓練生というのはこういう水準であるので、受入れに当たってはこういうふうな配慮をしていただきたいとか、そういった双方のことをやっていきながら、IT分野の就職率を高めていかなければいけません。単にカリキュラムが劣っているということだけでなく、もちろんそれはあるかもしれませんけれども、いろいろな要素を分解していって解決していこうと考えているところです。
 
○安井構成員
 ありがとうございます。確かにIT分野の受講者の就職率が低いのは地方もありましたが、千葉県のIT分野の実践コースでも就職率が低かったです。
 
○人材開発統括官人材開発政策担当参事官
 そうですね。
 
○安井構成員
 千葉県のIT分野の実践コースを受講しても就職率が38.5%と非常に低い状況です。おっしゃっていただいたように、訓練後の人材を受け入れる企業側に問題があるのであればなかなか解決は難しく、地道に企業側に働き掛けていくことが必要だと思ったのですが、先ほどの藤村理事長の分析によりますと、企業側というよりも、訓練の内容が十分でないということでしたので、それでしたら訓練内容を良くすることで変えられるのではないかと思って申し上げました。
 
○人材開発統括官人材開発政策担当参事官
 藤村理事長の御発言内容、御理解も、もちろんある面で正しいのですが、おっしゃった千葉の状況を見てみますと、ある一部の訓練機関が地域的な要因もありものすごく低いのです。それが全体に影響しているので、全体論で千葉のITが全体に悪いと論じていただくといかがなものかなと思いまして、それで今回御説明させていただこうと思った次第です。
 
○安井構成員
 ありがとうございました。
 
○今村主査
 いかがでしょうか。どうぞ。
 
○西岡構成員
 御説明どうもありがとうございました。安井構成員、酒井構成員からも話があったのですが、スライドの10ページ、高齢者雇用に係るプランナー・アドバイザーの制度改善提案に関して私もここが非常に気になりました。先ほどの御説明では、23,097社に訪問をして、その中で制度改善の案件につながったのが8,776件、また23,097社に訪問をして、つまり、少なくとも改善の提案を受けてもよいと考え実際に受け入れてくれた企業であるにもかかわらず、何らかの改善につながったというのが65.8%ということでした。認識が間違えていたら後で修正していただきたいのですが、もしそうだとしたら、10ページのスライドの左下の所で、「見直しを進めた」が65.8%、「現状把握、情報収集を行った」が2.1%で、「その他」が32.1%あるのですが、この「その他」というのが、何を意味しているのか分からないのです。見直しを行わなかったでもなく、その他になってしまっています。この32.1%が何を意味しているのかが分かれば教えていただきたいです。
 それと、受け入れてくださった企業、何かの改善を行った所に関しては、その「反応」がよかったと書かれています。一方で、受け入れられなかったというのは何かしらの理由があるはずです。アドバイザーを受け入れて、事業主側もそこに協力をしようという姿勢を取っていたにもかかわらず、結局、改善につながっていない。経営層との話合いなどであれば、比較的すぐできるようなものに関してもできていないということは、そこに何の問題があるのか。スライドの後ろのほうにアドバイザーの研修内容などが詳しく書かれていますが、そういうことに積極的に取り組んでいるにもかかわらず、実は効果が余り上がっていないのではないかと懸念されるので、そこを教えていただきたいです。
 もう1点、先に質問させていただきます。いろいろな事業について1ページの所で全体像が分かるかと思います。これを見ると、障害者の職業能力開発業務に関しては、職業能力開発事業の所に一部入っており、ここは互いに協力し合いながら、情報共有しながら進めていらっしゃるのだなというのが分かるのですが、ほかの所に関してはいかがでしょうか。多分、情報提供の仕方や、それから一部、研究に関しても、高年齢者の所にも研究というのがスライドの中で入っていたかと思うので、障害者、高年齢者ともに共同でできることもあると思います。その辺は、機構としてどう考えているのか。今後、もしくは今現在進めていらっしゃることがあるかもしれません。それぞれの事業について、どこまでお互い共同で行っているのか、情報共有を含め協力して進めていこうというような内容になっているのかを教えていただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢者雇用推進・研究部長
 高齢者雇用推進・研究部長の山下です。御質問ありがとうございます。1つ目の件です。この円グラフの灰色の部分ですが、「その他」というのは、対応していないというのが大半かと思います。そういったところについては、例えば会社の中に65歳、60歳に達する年齢の方がまだいないとか、喫緊の課題として余り捉えていないというお話があるという声もあるということは現場から聞いております。私どもは、1回訪問しておしまいということではありませんので、当然この33%の部分というのは、そのまま積み残しで私どもとしては把握しているところですので、一通り回った後で、まだ対応できていない所については、その後どうですかということは、当然、2回、3回、1年で終わりの話ではありませんので、繰り返しタイミングを見て御訪問、アプローチをさせていただくということで努力をしていくということで、こちらについては、今後も続けさせていただこうと考えておりますので、御理解いただければと思います。以上です。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 御質問ありがとうございます。各3部門の連携に関する御質問と思います。企画部長の境です。例を申し上げますと、ポリテクセンターなどにおきましては、訓練をするに当たって配慮が必要な方々も見受けられます。そういった方を支援するに当たって、当方は、地域センターがノウハウを持っておりますので、そういったノウハウを活用して、配慮が必要な方々への訓練を実効性あるものにするという、そういったこともしておりますし、あるいは高年齢者雇用アドバイザーというのは事業主に非常に接触しておりますので、その際に当然、高齢者の話だけではなくて、例えば障害者雇用に困っているとか、そういうことがあれば、当方の障害者雇用に関する相談を紹介したり、あるいは訓練で問題を抱えているということであれば、生産性向上人材育成支援センターを紹介してつなぐとか、そういったようなこともやっております。
 あと、今後の取組としまして、高年齢者雇用アドバイザーがいろいろ事業主支援のノウハウを持っておりますので、そういったノウハウを、例えば地域センターのカウンセラーもいかすことができないかとか、そういったようなことも進めることができないかということを検討しているところです。以上です。
 
○西岡構成員
 ありがとうございます。先ほどの制度改善提案に関しては、フォローアップを続けていただけるということで、最初に訪問するときに、多分そういう積み残しの分も考慮されて、次の訪問先を決められるかと思います。是非そのフォローアップも続けていただきたいです。一度受け入れようと思っているということは、何かしら改善したいなという意思はあるかと思いますので、そこにうまくつなげていっていただきたいと思います。
 あと、いろいろな事業をされている、逆に言いますと、これだけいろいろなことをされている強みというものをいかして、シナジー効果を発揮していただきたいと思います。今、御説明いただいた中でも幾つか取り組みをされているのだなと思ったのですが、ただ、今回の資料では、そういうところがなかなか見て取れませんでした。もしかしたら、それこそ数値に出ない定性のところかもしれませんが、そういうところが機構の強みとして、今後いかされていくところだと思います。是非そういうのも資料に盛り込んでいただければ、よく分かるのではないかと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 ありがとうございます。
 
○今村主査
 細かな御指摘を頂いているところですが、確認したいことが1つあります。A評価が随分並んでいるのですが、A評価というのは目標達成度が120%ということで、何回か繰り返し説明されていた目標を達成しましたのでA評価ですという論理は簡単には成り立たないのです。ですから、100%目標を達成したら、それはそれでBということになりますよね。定性的な部分、質的な部分についての御説明をそれぞれされていましたが。さて、それで、これだけ巨大な組織になりますと、それぞれ定性的な説明の形態がいろいろ違ってきます。例えばアドバイザーの場合は、聞くポイントとしてはアウトソーシングで、外部の人材や専門家を活用するという部分と、内部の障害者支援の研究の蓄積を外側にスピルオーバーするというような部分とがありますし、それぞれのプレイヤーと言いますか、活躍する方の雇用形態や機構との関係とか、本当にばらばらでよく分からないのです。簡単なちょっと意地の悪い質問をしますが、どちらを評価してほしいかということなのですが、例えばアドバイザーのように、外に対して訓練をしてアウトソーシングのパワーを付けるのを高く評価してほしいのか、あるいは障害者のいろいろな雇用、先ほど先進的な研究をしてくださいという提案もありましたが、そういうものを高く評価してほしいと思うのか、あるいは機構としてはその両方なのかといった辺り、内部のサービス提供なのか、外部を活用してのサービス展開なのか、その辺、こういうまとめ方でよろしいのかということも含めて、どこを機構の努力として評価してほしいかということ、Aがずらっと並んでいる中で、特にどこを強調したいかということをお聞きしたいと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事
 理事の鈴木です。御指摘ありがとうございます。確かに私どもの機構は様々な業務をやっております。その中で、国及び社会から様々なニーズがあり、それに応えるために、やはり外部の人材のほうが効果的な場合もありますし、これまで内部で育成された人材の方が有効な場合もあると思います。そういったそれぞれの形態をうまく活用しながら、社会のニーズに応えていきたいと思っていますので、私どもが抱えている既存の人材をいかに育成して、社会のニーズに応えていくかが大切だと思います。少し分かりにくいかと思いますが、逆に言いますと、社会のニーズに応えられるものには全部応えていきたいところです。
 
○今村主査
 もう1つ質問なのですが、先ほどシナジーをという御指摘がありましたが、これは全国レベルではそう簡単にはシナジーはいかないですよね。恐らく、地域で機構のいろいろな組織が混在している中で、シナジーが地域レベルで発生しているのか、あるいは機構の統括本部みたいな所があって、それが全国にシナジーを展開しているのかとか、前に私はこの質問をしたことがあるのですが、今おっしゃった両方、アウトソーシングも内部でもとなると、内部の精神的なスキルやノウハウがどこでスピルオーバーしていくかというのは、地域の中でということでしょうか。シナジーがどういう構造になっているのか興味があるのですが。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 御質問ありがとうございます。企画部長です。両面ありまして、まず、本部において、我々はどのようなシナジー効果を発揮することができるか検討しております。その際に、それぞれの分野に、それぞれの専門家がおりますから、それぞれの専門を互いに有効活用することができないか検討します。さらに、地域ですが、ポリテクセンターや支部、あるいは地域センター等、地方においても施設が複数あります。そういった施設がそれぞれに活動するのではなくて、一体となって、例えばスケジュールを共有するなどして、お互いの事業を助け合う、あるいは地域センターだからといって、障害者のことだけを紹介するのではなくて、高齢者雇用の話や訓練の話なども併せて広報するという、そういったようなことも考えてやっております。地方で独自に取り組んでいることもありますので、そういったものはまた本部に上げてもらって、それを横展開、こういうような好事例があるから全国でやっていきましょうというようなことを、今度は本部から地方へ、地方から本部へというような両面あるかと思っております。
 
○今村主査
 ありがとうございます。今日のパワーポイントが、特にオンラインを活用して、ハイフレックスで講義をしたりということがあるのですが、ICT、あるいはAIも含めて、機構としてどのぐらいプランを持ってシナジーの情報を、今、連携とおっしゃいましたが、そういう部分のデータの共有か、ノウハウの共有かという、DX化と言うと変ですが、そういうことはどの程度進んでいるのかということも、評価の参考とさせて頂きます。
 もう1回整理しますと、数値としては100%達成して、到底Aには満たないのだけれども、そういう目に見えない総合的な努力をされているということは、一応お伺いしていてよく分かりましたが、これからに向かって、DXという言い方をすればいいのでしょうか、そういうノウハウの共有はどのように進められているのかも含めてお教えいただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 まず、例えばオンライン化でしたら、各部でどういうやり方、それぞれの事業のうちで、どのようなオンライン化を進めるべきかというようなことを検討しております。我々は当然、理事会等、幹部での会議、あるいは事業ごとの連絡会議もあります。そういったところに理事長自ら御参加いただいておりますので、そういったところで問題点の共有を図り、どういう解決策があるとか、それは他分野にも波及できうるものなのか、そういったことを本部の幹部が検討し、適宜必要に応じ、それぞれに指示をしているという形になっております。
 
○今村主査
 ありがとうございます。理事長のリーダーシップを大いに期待するところです。大変膨大な機構ですし、そしてサービスの提供の形態もいろいろな方向がありますので、我々は評価していても分かりにくく、非常に難しいという声は散々聞こえるのですが、私の最初の質問に戻りますと、100%の達成でもAですという根拠について積極的な御発言が欲しいという、そういう趣旨から質問させていただきました。是非リーダーシップに期待するところです。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長
 それでは、エールを頂いたので、一言だけ発言させていただきます。御指摘のように、大変巨大な組織でございます。特に高齢部門、障害部門、能力開発部門という、そういう意味では全く違う分野のものを、それぞれがやっているということです。今、企画部長から御説明させていただいたように、月1回、各部門の部長と毎月進捗状況の確認をしています。都道府県別に見ますと、人事異動したので若干着手が遅れているというようなことも含めて、毎月の進捗状況の確認をしております。
 それから今、台風6号が沖縄に来ておりますが、沖縄の施設は昨日まで停電しておりまして、利用者の方、職員、どういう対応をしているのかということも、逐一私の所まで上がってきていて、結構アップデートに、土日はスマホに「ここは、今、どうです」という情報が入ります。そういう意味で、大きな組織ですが、そういう意味ではガバナンスと言いますか、そういうことで運営ができているのではないかと思います。
 5月8日以降、コロナが明けましたので、目標は2週間に1回というか、月2回ぐらいですが、各施設に私自身が訪問して、職員の皆様、施設の状況がどうなっているのかということを確認をしてお話を伺っています。勇気を出して、こういう問題がありますということや、こういうことをしてもらえませんかというようなことを直接お伺いをする機会、そういうものに触れますと、やはり職員の皆さんの働きぶりを見るというのも、ガバナンスの上では大変重要なのではないかと思っています。
 こういったことで、大変大きな組織でありますが、先ほど御指摘を頂いたシナジーも、それぞれの分野で、それぞれの所で橋渡しをし、月1回の会議で、好事例と月報みたいなものもメールで全部回って、好事例の共有もしているという状況ですので、引き続き第5期の、今、新しい計画期間中ですが、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。ありがとうございます。
 
○今村主査
 午前中の会議で、内部統制かガバナンスかという議論をしたのですが、是非その辺は進展をさせていただければと期待しております。どうもありがとうございます。
 大体、予定どおりの時間で進行しておりますが、令和4年度に関してはこれでよろしいですか。そうしましたら、中期目標期間実績評価について御議論いただきたいと思います。それでは、法人から説明をお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 お手元のタブレットの資料1を御覧ください。昨年度に平成30年度から令和3年度までの4年間の実績に基づき、第4期中期目標期間の見込評価が行われました。大臣評価結果は、全事業区分17区分のうちS評価が1区分、A評価4区分、B評価12区分となっております。先ほど御説明しました第4期中期目標期間の最終年度である令和4年度の業務実績を踏まえると、「在職者を対象とする職業訓練及び事業主等との連携・支援の実施」以外の事業区分については、見込評価時に見込んだ中期目標期間の実績と期間実績に大幅な乖離等がないことから、期間実績評価の自己評価については、大臣評価による見込評価と同じ評価としております。
 見込評価と異なる評価といたしました1-4-3、在籍者を対象とする職業訓練及び事業主等との連携・支援の実施について御説明いたします。当該事業区分の大臣評価による見込評価はB評価となりましたが、令和4年度の取組により見込評価時点を上回る業績を上げることができたことに加え、質的成果を上げられたことから、期間実績評価の自己評価をA評価としております。
 それでは、資料3-1より御説明いたしますが、53ページのⅡを御覧ください。①生産性向上人材育成支援センター利用事業所数、③在職者訓練利用事業主からの評価については、平成30年度から令和4年度の各年度の目標値を達成するとともに、中期目標期間の目標値を達成しました。一方、②在職者訓練受講者数については、新型コロナウイルス感染症の影響により、コースの中止を余儀なくされたことなどから、令和2年度及び3年度においては、年度の目標値を達成することができませんでした。こうした状況などを踏まえまして、大臣による見込評価においてはB評価とされたところです。
 これに対しまして、JEEDといたしましては、令和4年度において、先ほど御説明したとおり、JEED本部による積極的な周知広報や人材育成ニーズに関する調査に基づく訓練の実施に向けた検討・調整といった全国的な対応、生産性向上支援訓練との一体的な広報による様々な人材育成ニーズの掘り起こし、受講歴のある企業への働き掛け、受講歴のない企業の新規開拓といった積極的な広報活動や、こうした活動を通じて把握した人材育成ニーズを捉えた年間を通じた訓練コースの設定、オンライン訓練の積極的な活用など様々な取組を重ねました。結果、まずは令和4年度における年度目標を達成するとともに、期間実績においても中期目標である30万人を上回り、目標を達成したところです。このとおり、中期目標の1つである在職者訓練受講者数について、見込評価時点とは異なる実績を上げたこと、これにより、結果的に当該事業区分において設定された3つの中期目標をいずれも達成しました。
 54ページ、Ⅲです。定量的指標の達成に加え、第4期中期目標期間の取組を通じて得られた質的な成果です。まず、生産性向上人材育成支援センターが提供する各種支援メニューについて、関係機関等との連携による効率的な周知広報や機構のシナジーの発揮等の取組により、積極的な展開を図りました。また、継続的な研修の実施により、担当職員の営業力やコーディネート力の向上を図り、事業主に効果的な提案等を行いました。
 さらに、在職者訓練について受講者が習得した能力の職場での活用状況や受講者アンケート結果を踏まえた訓練コースの品質向上に取り組むとともに、機構のスケールメリットをいかし、テクノインストラクターの派遣や機器の共有、オンラインでの配信等の施設間連携により、地域の幅広い人材育成ニーズに対応いたしました。さらに、ものづくり分野におけるIoT技術等に対応した在職者訓練コースにつきまして、111コースの開発等を行いました。これらを踏まえまして、期間実績評価は自己評価案をAとしております。説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
 
○今村主査
 ありがとうございました。それでは、期間実績評価について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。どうぞ。
 
○関口構成員
 御説明ありがとうございました。2つ確認したいというか、御意見をお伺いしたいところなのですが、まず、今日の議論の中、主査からもいろいろあったと思います。3つの機構がそれぞれ経験を積んで事業をされていると思うのですが、今後の展開としては、シナジー効果を更に発揮するということが求められて、それに向けて努力されているというのは重々承知しています。例えば10ページなどにありますように、プランナーとかアドバイザーというところなのですが、機構全体として、ワンストップで企業に対してアドバイスをするということができないのかなと常々感じております。高齢者に関しては、プランナーの方が462名、アドバイザーが50名といったことですが、せっかく企業に行かれるのでしたら、それに加えて障害者雇用のこととか求職者、いろいろな情報をお持ちだと思うので、そういったことがワンストップで相談を受ける体制というように持っていけると、更にすばらしいのかなと思いました。ただ、早急にできることではないと思いますので、その辺りについて、どのように感じていらっしゃるかというところをお伺いしたいなと思います。そちらが1つ目です。
 もう1つは、61ページの国際協力ということなのですが、こちらも非常に興味深いなと思って聞いておりました。私事というか、海外研修でゼミ生を連れて、9月にカンボジアに行くのですが、王立プノンペン大学の中にカンボジア日本人材開発センターという所が設置されていて、今回カンボジアにテクノインストラクターを専門家として派遣されているというような文言がありましたので、連携されてやっていらっしゃるのかなというのが個人的な興味としてありました。そういったところを取っ掛かりとしてということで、いろいろな技術とか経験をお持ちの機構が更に国際協力ということで、まだまだ活躍できる場面があるのかなと思いましたので、その辺りについても、現状がどうであるのかということと、今後の展開についてをお伺いできればと考えております。以上2つを簡単に、概略で結構ですので、お教えいただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 御質問ありがとうございます。企画部長です。1つ目についてお答えさせていただきます。今現在できていることをまず申し上げると、おっしゃるとおり、プランナー、アドバイザーというのは企業に出向いています。その際に、先ほどもちょっと申し上げたのですが、障害者雇用支援に係る話とか、生産性向上支援訓練とか、そういったサービスを我々JEEDが提供しているということは、併せて周知していただくようにしているところです。なので、そういった場で事業主から相談を受けたりしたときには、適切に各部署におつなぎしています。それを更に進めることができるかどうか、そういった点については引き続きの検討かと考えています。以上です。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
 公共職業訓練部の山谷と申します。御質問いただきありがとうございます。カンボジアの関係については、長期派遣ということで、長期にわたって電気の専門家を派遣していたのですが、健康上の問題で5月に帰国したということになっています。その他、海外に関しては、コロナ禍においては、やはり国内に見えられるということも控えておられたのですが、昨年度からまた徐々に始まっています。その中で、例えば機械保全とか、PLCのネットワーク関係のものを支援したりとか、技術的なもの等を含めての施設見学、そういったものも併せて、スタイルとしてはJICAさんから私どものほうに依頼を受けて対応するというものです。いずれにしても、私どもの機構はそういった職業訓練のノウハウを持っている組織ですので、JICAあるいは厚生労働省から依頼が来れば、可能な限り対応していくというスタイルで、今後とも進めていきたいと考えています。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長
 1つ目の点ですが、私は企業側の出身なので、様々な部門の人が一度に来られてもびっくりしてしまって、わーっとなりがちだと思いますので、そこは整理しながら対応するということだと思います。これから企業規模をかなり小さくしていくところまでカバーして、対応というかアドバイス、プランナーも御活躍いただくということになります。そんなに人事部門のようなものがしっかりしていないというか、たくさんいるわけでもないので、まずは取っ掛りをつけて、少しなじんでいただいて、そこから広げていくというのが穏当な対応なのではないかなと思いますので、シナジー効果は常に意識しながら、これから検討していきたいと思います。ありがとうございます。
 
○宮崎構成員
 先ほどの単年度評価と同じような内容かもしれませんが、28ページの研究開発のところです。先ほど、私からニューラリンクの話とか、先端的な研究もというお話をさせていただいたのですが、突飛なことをお伝えして何か変わったことをやってほしいという趣旨でお伝えしているわけではありませんので、障害者の方に寄り添って働きやすいようにという支援も非常に重要だと理解しています。しかしながら、ハンディキャップがある方はここまでとか、健常の方はここまでできるとか、支援する機構側が障害者の方に勝手にアッパーというか上限を決めて、ここまでできればいいのだということではなくてという趣旨です。
 もっと目標を高く持ってもらって、同じ人間なわけですから、健常者と同じぐらいに活躍できる可能性も追求していただいて、そのためにはテクノロジーの発展とか、いろいろな技術の進歩とかもありますので、そういったところもアンテナを張っていただいて、もっと障害者が働いたり、夢を実現できるような環境を支援するということで、高い目標を持ってもらうところにもアンテナを張っていただくという趣旨でお伝えしています。何か変わった突飛な研究をやってくださいという趣旨ではなくて、そういう意味だということで是非期待していますので、よろしくお願いいたします。
 
○今村主査
 何かありますか。
 
○職業安定局障害者雇用対策課長
 厚労省の障害者雇用対策課長です。御指摘ありがとうございます。研究の件は、厚労省もJEEDとともによく連携してやっていきたいと思います。御指摘の発想というのは、法律的な枠組みでいうと、正に障害者雇用促進法に合理的な配慮と障害者差別禁止規定というのがあって、おっしゃるとおり合理的な範囲で配慮して、できるだけ活躍していただくというのは法律の考え方でもあります。当然いろいろな環境の変化もありますし、例えば精神障害発達障害のある求職者の方が増えているなど、いろいろな状況がありますので、そういったことも踏まえて連携しながら、正におっしゃったように、障害者の方に活躍していただけるような政策を進めていきたいと思っています。
 
○梅崎構成員
 今の御質問とちょっとつながるようなことなのですが、研究とか調査、専門人材の育成のときに、内部と外部の中でうまくシナジーが起こるといいですよねというお話の中で、中期目標の中でたくさんの学会発表をされたり、調査を蓄積されてきているということは、この報告からもすごくはっきりしているのですが、例えば障害者雇用に関して職業リハビリテーション学、それから障害者雇用系の学会に入っている方々に、たくさんの蓄積があって多様な学者がいる、研究者がいる、その方と交流するというやり方もあると思うのです。
 私自身も労務系でして、障害者雇用の調査をしていたりとか、例えば情報系の学会に所属しているのだけれども、その中で障害者雇用に関心を持っている人が少数だけれどもいるという、そういう意味では、障害者雇用系とか障害者系の学会の中の外部とのコラボレーションは主なのですが、それ以外の学会で、名称としては違うのだけれども、個人的に障害者雇用の研究をしたり、関連する人材というのが外にいると思いますので、「外の外」の人材との交流というものが恐らく本当の意味でのシナジーになるのではないかなと思います。実際、そういうことが行われている事実があるのかということと、今後の計画としてであれば、メインではないけれども、「外の外」にある人材との交流というのはどのように計画されているのかというのを教えていただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長
 8月25日に職業リハビリテーション学会が横須賀で開催されますが、私自身そこのシンポジウムでJEEDの職業リハビリテーションの活動について御報告する機会を頂いています。そういう意味では、先生の御指摘の外のところ、関係のところまでは何とか細々と関係を持ち、あと、私どもの障害者職業カウンセラーも職業リハビリテーション学会に所属している者が多数いると聞いていますので、今のところ、守備範囲の中でやってはいるのではないかなと思います。御指摘のようなところまで、これから手を伸ばしていけるのかどうかというのは、この後担当からお答えさせていただくと思いますが、宮崎構成員の御指摘のとおり、そういう意味ではノーマライゼーションの中でどのような関係で私どもの蓄積したノウハウを提供してできるものなのかというのは、御指摘のとおりシナジーだと思いますので、引き続き追求していきたいと思います。具体的に外の外というところまでいくと、どうだったのかなとは思いますが、昨年の研究発表会で、東大の先端研の先生から現状はどうなっているのかという御講演を1時間ほど頂いて、それもネットで配信したりしていますので、そういう意味では今、細々とやっているというところなのかなと、現状はそのように認識しているというところです。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構情報システム総括管理部長・研究企画部長
 研究企画部の外山でございます。テクノロジー等の関係の言わば外の外との連携については、直接的にそのような学会に出ているということはないのですけれども、テクノロジーという関係ではないのですが、例えば特殊教育関係の学会とか、行動経済関係の学会、そういう所にはアンテナを張っているという状況ですので、御指摘のあった外の外という部分は、今後アンテナを張って努めていきたいと思っています。あとは、精神医学系のところで、産業保健センターが各県にありますので、そういう所にもJEEDの研究成果について広報していくという中で、何かそういう技術的なものがないかということを情報収集していきたいと考えています。御指摘ありがとうございます。
 
○梅崎構成員
 ありがとうございます。外の外と言ったのは、もちろんそれが主になるということではなくて、そこから得られる知見がすごく重要なのではないかということです。専門人材の育成を考えた場合にも、やはり1つの学会というのは主の本テーマとサブテーマみたいになっていますので、技術系の、例えば情報系のところだったら、情報技術をいかに使うかとかが主になっていて、組織系、経営系のだと企業の競争力をいかに高めるかというものの中に障害者雇用を入れていこう、高齢者雇用を入れていこうとなりますので、やはり視点が違うということだと思うのです。
 その視点を入れるということは、もしかしたら内部の職業リハビリテーションの専門人材というものの持っている必要なノウハウというのは、五種競技のようにバランスが良くなければいけないと思います。1つの学会のみ、1つの領域だけでやってしまうと、例えばIT技術に弱くなってしまうとか、若しくは労務管理の奥の奥のような、仕事の配分というような仕組み、マネジメントやリーダーシップに対する感覚とかが若干後ろに行ってしまうと、せっかくの専門人材育成の部分で弱点とか弱みが出てしまうのかなと思ったので、単純に研究だけのことではなくて、研究交流が専門人材のバランスいい知識の遍在性というか、バランスのいい知識というのを作っていくのかなと思いましたので、意見させていただきました。ありがとうございます。
 
○安井構成員
 今のに関連してですが、今まで皆さんが御指摘されたように、企業外のアソシエーションに入って、そこでいろいろ学んでいくということが専門人材として成長していくためには重要かなと私も思っております。その中で、職員の中にも学会に入っていらっしゃる方がいるというような話でしたが、職員の何%ぐらいが学会に入っていて、そして学会に加入するのに費用が掛かりますよね、何千円とか、場合によっては何万円とか掛かる学会もあると思うのですが、そこら辺は個人負担なのか、それとも機構で負担してくださっているのか教えていただけませんか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構情報システム総括管理部長・研究企画部長
 研究企画部の外山です。御質問ありがとうございます。まず、1点目の職員の何%ぐらいが学会に入っているかというところなのですが、正確な数値は持ち合わせていないのですけれども、こちらの研究部門では、構成がプロパー研究員、調査研究に専門的知見のある者、それに加えて、地域の職業センターで活躍しているカウンセラー職の者が研究部門に来て、研究にも参画しているという状況です。プロパー研究員については、全員と言い切れるか分かりませんが、ほぼ全員がどこかの学会に入っているという状況です。カウンセラーのほうは、人によりけりという状況でして、必ずしも全員がどこかの学会に入っているという状況ではないというのが現状です。
 費用負担については、学会の入会費用は組織では出せていない状況なのですけれども、毎年の学会の参加費用は上限があったかと思いますが、1、2か所だったかと思うのですが、参加費用についてはJEEDで負担しているという状況です。以上です。
 
○安井構成員
 ありがとうございます。やはり、学会参加費用とかも高額なものもありますから、外部のネットワークの強化に繋がるなど業務に役立つのであれば、そういった学会の費用というのは、組織として負担してあげるというのも一案かなと思いますので、御検討いただければと思います。以上です。
 
○今村主査
 ありがとうございました。先ほどから自分の先ほどの質問についてなぜ質問させていただいたのか今もう少しはっきりと分かってきたのですが、物的な部分、ものすごく実質的な部分で機構はノウハウとか経験をお持ちなのですけれども、最近「シン・ニホン」の安宅さんが「物魂電才」という、物づくりの魂と電脳、コンピューターの才能ということをおっしゃっていて、そういう機構のものづくり的な側面から見たノウハウというのを、是非電才、インターネットとかデジタルのほうにぶち込むことで、相当なイノベーションが起こるのではないかなという話を聞いていて非常に思いました。
 それで、これは手前味噌なのですが、ものすごく面白いのは、この秋なのですけれども、フランス政府からお金をもらって、Innovacare、Care-led Innovation、というケアが主導するイノベーションというプロジェクトを、日仏でこれから始めるところなのですが、例えば、ユマニチュードのトレーニングをAIを使ってやろうとか、そういうイノベーションをひとつひとつ日仏で研究していくことになっています。そういう意味では、機構の持っていらっしゃるノウハウというのは、すばらしいポテンシャルを持っているところだし、こうやって今回のスライドを拝見すると、いろいろな形でインターネットを取り入れて、デジタル化していこうという努力も見られます。いつか教えていただきに行くかもしれませんが、イノベーションを起こす基点として、是非ガバナンスをしっかり高めていただいて貢献していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。いろいろ勉強させていただいてありがとうございます。どうぞ。
 
○宮崎構成員
 度々で恐縮です。先ほどの調査のところで、学会の費用とか一部負担がとか、厚生労働省からの調査要求があったものが研究対象ですとかというお話があったのですが、厚生労働省の科研費、科学研究費助成金とか外部資金とかもありますので、一定の枠組みがあるのは理解していますが、アンテナを高く張っていただいて、別段依頼がなくても、自主的にJEEDの中で研究員がこういうテーマは研究すべきだというものがあれば、科研費などにもどんどん応募していただいて、そうしますと間接経費も付きますから、そういうやり方もあるということで、是非期待していますのでよろしくお願いいたします。
 
○今村主査
 よろしいでしょうか。それでは、以上で次の議事に移りたいと思います。続いて、最後に法人の監事及び理事長から、年度目標、中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえまして今後の法人の業務運営等についてコメントを頂ければと存じます。最初に法人の監事から、そして法人の理事長より、お願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構監事
 7月に就任しました監事の前川でございます。こちらは資料2-4になります。最初のⅠに監査の方法及びその内容について書いてございますけれども、結論として監査結果がⅡにございます。こちらのほうにも詳しく記載しておりますが、私ども監事といたしましては、内部監査室、会計監査人と協力して監査業務を行っておりまして、年度目標、そして中期の目標期間における目標の達成に向けて、全ての項目について適切に対応、実施されていることを確認しております。
 今後については、本日も様々な御指摘、それぞれの分野のシナジーの創出等のアドバイスを皆様から頂きましたので、新たな中期の目標期間におきましても、理事長のリーダーシップの下、今掲げている目標に加え、頂きましたアドバイスをいかして、引き続き適切な業務運営が行われることを期待しているところでございます。私からのコメントは以上です。
 
○今村主査
 では、理事長からお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長
 再び理事長の輪島でございます。本日は、有識者の皆様方から多くの貴重な御意見、御指摘を頂きまして誠にありがとうございました。私どもJEED、全国において高齢者、障害者、求職者、そして事業主に総合的な支援をするという我が国唯一の法人であると考えております。
 先生方も御承知のとおり、我が国は少子高齢化の進展により人口減少下にありまして、こうした状況の中で、今後とも社会経済の活力を維持していくためには、高齢者そして障害者の方々を含めまして、働く意欲と能力のある全ての皆さんが生涯にわたってその能力を発揮していくことが大切だと考えております。JEEDではこうした課題への対応に寄与するべく、第1に、何度も申し上げておりますが、高齢者、障害者、求職者、そして事業主といった利用者の皆様の立場に立ったサービスの提供をすること、第2に日々の業務の中でPDCAサイクルを回して業務運営の絶え間ない改善をしていくこと、第3に高齢者雇用、障害者雇用、能力開発分野、各分野のシナジー効果を発揮をすること、これは今、様々な御指摘を頂いた点だと考えております。そして、第4に管理部門も含めた全部署における更なる業務の効率化、このようなものによりまして、生産性の向上を発揮してまいりたいと考えております。JEEDの全国組織のスケールメリットを最大限に活用しながら、第4期の中期目標の達成に向けて、先ほど御報告をしましたように、職員一丸となって努力を重ねてきた結果でございます。
 令和4年度は引き続きコロナ禍ということで、業務運営にも事業主が躊躇する場面もございまして、大なり小なりコロナの影響を受けましたが、全国の各施設が感染防止対策を徹底しながら、そしてお話をさせていただいたオンラインを活用するなどをして、利用者のニーズに応えつつ、積極的に業務運営をしたということでございます。このオンラインですが、当初は手探りでやったわけですけれども、今振り返ってみますと、やはり様々な効果が出てきたなと思っておりまして、これを更にこれから進化させていきたいと考えております。
 そして今後ですが、今年から第5期中期目標期間が始まったところでございます。高年齢者雇用関係では令和3年の法律改正に基づきまして、更に一層、70歳までの継続雇用延長、そして定年の引上げに向けた支援の充実強化が求められていると考えております。また、障害者雇用支援部門でも、JEEDに対して様々な役割が期待をされていて、特に雇用と福祉の連携と言いますか、働く障害者を支える地域の就労支援の人材育成が求められていると考えております。また、能力開発部門については、DX、GXが政府が進めている人への投資に沿った形なのではないかと思っておりまして、職業訓練の充実と強化を求められておりますので、果たしていきたいと考えております。
 こうした様々な課題がある中で、JEEDの支援対象者である高齢者、障害者、求職者、事業主、それらが有する様々なニーズに応えていくためには、やはり私ども自らが支援の場で得られる様々なことを把握をしながら分析をして、調査研究、そして開発から支援につなげるという、先ほど申し上げましたきちんとサイクルを回していくことが、JEEDの財産である高い専門性を持った職員について、その一層の向上を図っていくことが必要なのではないかと考えているところです。私どもJEED、今後とも国から示されたミッションを的確に遂行できるような組織として取り組んでまいりたいと考えておりますので、引き続き御支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。
 
○今村主査
 ありがとうございました。ただいまの御発言内容について、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいですか。ありがとうございました。以上で本日の議事を終了いたします。最後に事務局からお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室室長補佐
 今後の流れについて御連絡いたします。本日御議論いただきました高齢・障害・求職者雇用支援機構の令和4年度業務実績評価及び中期目標期間実績評価につきましては、この後、本ワーキンググループにおける御意見や法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに公表いたします。決定したそれぞれの内容については、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○今村主査
 ありがとうございました。それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。本当に朝からずっと長い間、構成員の方々、ありがとうございました。お疲れさまでした。本日は大変熱心な、しかも刺激のあるやり取りをしていただきまして、本当にありがとうございました。また、皆様、円滑な議事運営に御協力いただきまして心から感謝申し上げます。どうもありがとうございました。では、お疲れさまでした。失礼いたします。