第1回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会議事録(2023年7月31日)

日時

令和5年7月31日(月)13時00分~15時00分

場所

AP新橋 Fルーム(オンライン開催)

議題

  1. 1.睡眠に関するこれまでの取組について
  2. 2.基準改訂に向けた研究班のとりまとめ
  3. 3.改訂に向けた論点について

議事

開会

【山宮課長補佐】  定刻になりましたので、ただいまより、第1回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます、健康局健康課の山宮と申します。本日は、委員の皆様にはオンラインにて御参加いただいております。
開会にあたり、健康課長の山本より御挨拶申し上げます。
課長挨拶
【山本課長】  健康課長の山本と申します。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、本検討会に御参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃から厚生労働行政の推進に御協力・御支援賜りまして、誠にありがとうございます。
厚生労働省では「健康日本21(第二次)」の開始に合わせて「健康づくりのための睡眠指針2014」を策定し、これらを活用して健康づくりにおいて重要な要素である睡眠に関する普及・啓発等の取組を進めてきたところでございます。一方で、第二次の最終評価においては、睡眠による休養を十分にとれていない者の割合が増加しており、悪化していると評価されたところでございます。令和6年度から開始する「健康日本21(第三次)」においても、引き続き睡眠分野の目標・指標を定めており、さらなる睡眠分野の取組が必要と考えております。また、「健康づくりのための睡眠指針2014」の策定から約10年が経過しており、最新の科学的知見を踏まえた取組を進める必要がございます。こうした背景から、睡眠指針の改訂を行う必要があると考えており、今後の睡眠分野の取組の推進において本検討会で御議論いただいた成果物は中心的な役割を担うものと考えております。加えまして、睡眠分野におけるより実効性のある取組を進めるため、本検討会の成果物をベースとして普及・啓発等の検討につなげていきたいと考えております。
委員の皆様方におかれましては、忌憚のない御意見を頂きますようお願い申し上げまして、開会の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【山宮課長補佐】  議事に入る前に、WEB御参加者への留意点、資料の確認、本日の出欠状況等について御説明させていただきます。
まず、オンラインでの参加の方に向けて注意事項でございます。会議中、ビデオカメラはOnにしていただくよう、お願いいたします。発言以外はマイクをミュートにしていただき、発言される場合には挙手をしていただき、座長からの指名後、お名前をおっしゃっていただいた上で御発言いただくようお願いいたします。発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。
次に、資料の確認をさせていただきます。事前にお送りしているファイルに不足がないか御確認ください。まず、座席表、議事次第がございます。資料として、資料1から資料4までの4つのファイル及び参考資料が本日の資料になります。資料1「開催要綱」、資料2「睡眠に関するこれまでの取組」、資料3「基準改訂に向けた研究班とりまとめ」、資料4「改訂に向けた主な論点」、参考資料として、参考資料1「健康づくりのための睡眠指針2014」を送付しております。不備がございましたら、事務局まで御連絡ください。
委員紹介・出欠
【山宮課長補佐】  続きまして、委員の先生の御紹介をさせていただきたいと思います。資料1にございます委員名簿順に従いまして御紹介させていただきたいと思います。
内村 直尚構成員でございます。
大神 あゆみ成員でございます。
小賀 徹構成員でございます。
尾崎 章子成員でございます。
兼板 佳孝構成員におかれましては、本日御欠席の連絡をいただいております。
加茂 登志子成員におかれましては、本日御欠席の連絡をいただいております。
栗山 健一構成員でございます。
黒瀨 巌構成員でございます。
駒田 陽子構成員でございます。
堀越 博一構成員でございます。
吉池 卓也構成員でございます。
吉﨑 貴大構成員でございます。
続きまして、本検討会の座長についてお諮りしたいと思います。資料1「開催要綱」をご覧ください。3その他(1)に、「構成員の互選により座長を置く」とあることから、座長の選出をさせていただきたいと思います。まず、御推薦があれば、どなたかよろしくお願いいたします。
【栗山構成員】  よろしいでしょうか。栗山と申します。私は、内村構成員を座長に御推薦させていただきたいと思います。
【山宮課長補佐】  ありがとうございます。まず、内村構成員という御推薦がございました。ほかに、どなたかございますか。構成員の皆様、御異論はございませんでしょうか。
【構成員一同】  異論なし。
【山宮課長補佐】  御異論ないようですので、内村構成員に座長をお願いしたいと思います。なお、報道関係者の撮影についてはここまでとさせていただきます。
それでは、以後の進行は内村座長にお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
【内村座長】  ただいま御紹介いただきました内村です。それでは、御推薦いただきましたので、座長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

議題

1.睡眠に関するこれまでの取組について

【内村座長】  それでは、早速、本日の議題に入りたいと思います。最初に、「睡眠に関するこれまでの取組について」、事務局から御説明、よろしくお願いします。
【田邉室長】  事務局でございます。それでは、資料2「睡眠に関するこれまでの取組について」をご覧ください。
おめくりいただきまして、最初のページに我が国の国民健康づくり運動と睡眠指針についての流れを書いてございます。先生方も御案内のとおり、2000年から「健康日本21」という名前で国民健康づくり運動を進めさせていただいているのですけれども、それに合わせて最初の睡眠指針を作成させていただきました。現在は健康日本21(第二次)ということで、本年まででございますけれども、これの開始に合わせまして「健康づくりのための睡眠指針2014」を平成26年に、先生方に御議論いただきまして策定してございます。来年度、令和6年度から、健康日本21(第三次)が開始となります。これに合わせまして「健康づくりのための睡眠指針」についても、今回、先生方に御議論いただきまして、改訂を進めていきたいと考えてございます。
おめくりいただきまして、現行の2014の睡眠指針でございます。これに基づきまして睡眠に関するリテラシーの向上でありますとか、自らの睡眠を見直したりなどしていただきまして、心とからだの健康づくりということを、現在、健康日本21(第二次)で進めてきたところでございます。
おめくりいただきまして、様々なコンテンツで睡眠に関する情報を、厚生労働省の方でも発信させていただいております。まず一番左側、一般向けということで、様々な睡眠のトリビアについて、話題を専門の先生方と御相談させていただきまして、情報の発信をしているところでございます。真ん中は民間企業で、特に仮眠等の先進的な取組をされている民間企業を御紹介させていただきまして、睡眠の質の向上ということで、こういう民間での動きもありますということを御紹介してございます。また、今年度は侍ジャパンの栗山監督にアンバサダーに御就任いただきまして、健康づくりの取組、特に睡眠についての情報発信も進めているところでございます。
おめくりいただきまして、昨年度、健康日本21(第二次)の最終評価をさせていただきました。第二次では、睡眠による休養を十分にとれていない者の割合を減少させるということを目標にしてございましたけれども、策定時の「とれていない者」の割合が18.4%ということで、目標値を15%にしていたのですが、最終評価の時点での値は21.7%ということで、休養を十分にとれていない者の割合が増加しているところでございます。右側が、国民健康・栄養調査によります、年代別の睡眠が十分にとれていない方ということで、割合を年代別に見ております。大体どの年代においても右肩上がりで、とれていない方の割合が増加しているという結果でございます。この結果、最終評価のところでは、この項目に関しては評価「D 悪化している」という結果でございました。次のページをお願いいたします。
こちらは睡眠の時間に関する、これも国民健康・栄養調査の結果でございます。先生方、御案内のとおり、第三次におきましては、睡眠の時間についても目標に設定させていただきました。まず、20歳~60歳未満の方の睡眠時間ですけれども、大体40%くらいの方が6時間未満となってございます。同様に60歳以上の方につきましても、やはり4割弱の方が6時間未満の睡眠時間しか確保されていないということでした。男性で言うと大体37.5%、女性は40.6%ということで、性・年齢階級別で見ますと、男性の30~50歳代、女性は40~50歳代の方で4割以上の方が6時間未満という結果でございました。
これらの結果を踏まえまして、来年度から始まります健康日本21(第三次)の全体像について御説明させていただきます。
次のページをおめくりいただきまして、まず、第三次の大きなビジョンといたしましては、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」ということで、大きな2本の柱を設定させていただいてございます。まず左側、「誰一人取り残さない健康づくり」ということで、性差や年齢、ライフコースを加味した健康づくりを進めていこうという部分。また、健康に関心がある方に加えて、なかなか関心の薄い方、忙しくていろいろな健康づくりができない方についてもしっかり取り組んでいこう、そのために多様な主体、産官学の連携を進めていこうというところでございます。右側の方で、「より実効性を持つ取組」ということで、計画を作ったけれどもなかなか実効性の部分が難しいのではないかという声がございますので、まずしっかりと目標を設定すると。その上で、実際にアクションプランということで、取組の参考となるものをお示しさせていただこうということで、特に今回の指針はこのベースになるものと考えてございます。また、当然デジタルの技術が進んでおりますので、そういうものもしっかり活用した上で、健康づくりを進めていこうということが、第三次の大きな方針となってございます。
おめくりいただきまして、この中で睡眠に関しては、今回、2つの目標を設定させていただいております。1つ目は、これまでの継続性という観点から、睡眠で休養がとれている方の割合を増やす。いわゆる休養感、質の部分でございます。これを80%まで上げていこうという目標でございます。もう1つ、今回、睡眠の時間についても目標を設定させていただいております。睡眠時間が6~9時間。60歳以上に関しましては不活動の時間が延びるのはよくありませんので6~8時間ということで、この方の割合をまず60%を目指して頑張ろうというところで目標を設定して、来年度からの取組を進めていこうというところでございます。
おめくりいただきまして、最後に、こういうことにつきましては、基本的にエビデンスベースで進めていかなければいけませんので、その点に関しましては、構成員でいらっしゃいます栗山構成員を中心に厚生労働科学研究のほうでエビデンスの収集・整理等していただいておりまして、御相談しながら取組を進めているというところでございます。
資料2につきまして、事務局からは以上でございます。

2.指針改訂に向けた研究班のとりまとめ

【内村座長】  ありがとうございました。それでは、最後に示されました、令和3年度~令和5年度の厚生労働科学研究なども行われておられます栗山構成員のほうから、「基準改定に向けた研究班のとりまとめ」に関して御発表いただければと思います。栗山構成員、どうぞよろしくお願いいたします。
【栗山構成員】  私のほうから、御報告させていただきます。我々の研究班で取り組んできた内容に関して主にお話ししたいと思います。
まず、「健康づくりのための睡眠指針2014」には、私も多少関わらせていただきましたけれども、この時の改訂ポイントとしましては、睡眠の過不足プラス質の低い睡眠、睡眠障害等が生活習慣病等の発症、心の健康を害することに関する説明を詳細に加えたこと。そして、睡眠の習慣、睡眠の特徴、こういったものにおける、年代別に注意すべきことを整理したということ。そして、睡眠障害の早期発見に関する啓発部分を強化したこと。整理しますと、この3点が2014年度バージョンで強化されたポイントになっていると理解しております。次、お願いいたします。
2014年版を発出してから約10年がたつわけですけれども、この間、主にこの3つのポイントが発展した部分だと考えております。まず、睡眠時間と健康との関連に関する知見がだいぶ増えてきたこと。そして、睡眠の環境、特に光・騒音・温度に関する知見が蓄積されたこと。そして、嗜好品、飲酒・カフェイン・喫煙に関する知見が蓄積されたこと。こういったことを受けて、今回、新たにバージョンアップさせる意義があると考えております。次、お願いいたします。
令和元年から5年間にかけて、実は、私はこれに関わるような研究班を取りまとめております。令和元年~2年にかけての「健康づくりのための睡眠指針2014」のブラッシュアップ・アップデートを目指した、「睡眠の質」の評価及び向上手法確立のための研究、そして、令和3年~5年にかけては適切な睡眠・休養促進に寄与する「新・健康づくりのための睡眠指針」と連動した行動・習慣改善ツール開発及び環境整備という2つの課題に関しまして、個別にこのあと説明させていただきたいと思います。次、お願いいたします。
令和元年~2年にかけての研究の目的としましては、これまで睡眠の質の向上が重要だと言われておりましたけれども、この睡眠の質の評価のためにより適切な指標があるかどうか、こういったことがこの研究班に与えられたメインテーマでした。このため、睡眠の質の評価指標を探索するとともに、こういったものがあるのであれば、その他の睡眠指標、特に睡眠においては重要であります睡眠時間等との関連の評価を適切に行うこと。そして、この睡眠の質を改善するために介入方法があるかどうか。こういったことに関しまして、この研究班で探索を進めてまいりました。次、お願いいたします。
この研究班は、日本睡眠学会のサポートを受けまして、学会の重要なメンバーであります先生方を中心に、40名超の先生方に御協力いただいて進めてきました。次、お願いいたします。
メインアウトカムの1つです。非常に重要な知見が得られました。その1つがこちらになります。睡眠の質の評価に資する指標としましては、基になるデータは米国の大規模コホート研究のデータで、6,000名近くの参加者、地域住民を対象にした研究でありますけれども、これを用いました。この研究の重要なポイントは、40歳から高齢者まで幅広い住民が参加していることと、10年近くの追跡調査であること、そして、調査の中で主観的な、御自身が自覚する睡眠時間のみならず客観的な睡眠時間を、御自宅で脳波計を付けて計測をしているという点で、非常にアドバンテージがあると判断いたしまして、利用することにいたしました。
この調査の結果分かったことですけれども、左側のパネルと右側のパネルで、これは対象者を年齢ごとに分けてございます。左側が「中年群」と書いてありますけれども、65歳未満、40歳~64歳の方々、右側が「高齢群」で65歳以上の方々になります。この2群で、睡眠の質指標においては、睡眠休養感のあり・なしが追跡期間中の多要因の死亡に関わるということが分かりました。これによって、睡眠の質評価指標としましては睡眠休養感というものが有用ではないかという結論に至りました。さらに、客観的な睡眠時間、脳波計を用いて測った睡眠時間及び床の上で過ごす時間とこの睡眠休養感が、密接な関わりがあることも分かってきました。左側の中年群におきましては、短時間睡眠、5時間半を超える短い睡眠をとっている方、この方々で睡眠休養感がない方々が、将来の死亡リスクが有意に高まるということが分かりました。一方で、高齢群におきましては、睡眠時間との関連は明確に示されませんでした。他方で、床の上で過ごす時間、床上時間と我々は呼びますけれども、床上時間が長いこと、8時間以上の床上時間をとっている方で、かつ睡眠休養感がない方が、死亡リスクが高まるということが分かりました。次のスライドをお願いいたします。
従来、睡眠時間は死亡リスク、様々な健康アウトカムに影響するということは報告されておりました。特にこの、U字カーブと呼ばれますけれども、左にいくほど短い睡眠時間になりますが、短い睡眠時間も死亡率を高めるが、右側にいくところ、長い睡眠時間も死亡リスク、健康リスクを高めるということが、様々な研究報告から示されておりました。一方で、この短い睡眠時間が死亡リスク、健康リスクを高めることは理解しやすいかと思うのですけれども、なぜ長い睡眠が良くないのかということに関しましては、明確に分かっておりませんでした。今回、我々の提示した研究結果は、こういった結果の理解を促進するものと考えております。特に若い世代では、短い睡眠時間が良くなく、長い睡眠はそれほどリスクにならないのですけれども、高齢者においては長い睡眠時間と長い床上時間を混同して報告されている可能性が極めて高く、この結果がこういったU字カーブに反映されている可能性が高いと推測されます。少し古い研究になりますけれども、Daniel F. Kripkeという先生が報告されておりますが、このU字カーブ、特に高齢世代の長時間睡眠のリスクは年代によってだいぶ違っており、若い人はそれほどリスクではないけれども、高齢者ほどリスクになるということは既に報告されておりますので、我々の研究結果はそれとも矛盾しない結果だと考えております。こういったことから睡眠の質指標としましては、睡眠休養感、そして、睡眠時間も睡眠の健康度を測る指標として適切に運用可能なのではないかと考えております。次、お願いいたします。
睡眠休養感の欠如に関しましては、こちらは研究班の中の日本大学のグループが中心にまとめていただいたものになりますけれども、睡眠休養感の欠如が、先ほどの死亡リスクだけではなく、数年後のうつ病発症のリスクを予測するという結果もまとめていただいております。また、うつ病、心の健康だけではなく、高血圧の発症のリスクにもなるということをまとめていただきました。右側になります。これは「Under submission」と書いてありますけれども、数日前に受理されたという報告を頂きましたので、晴れて公開できるものと考えております。次、お願いいたします。
この睡眠休養感を改善する介入法に関しては、本日御参加いただいている尾崎構成員中心にまとめていただきました。網羅的に既存の文献を集積・検討いただきまして、対象となるような研究を抜き出していただきました。その中で、睡眠休養感というスペシフィックな指標に対する改善効果を取り扱った文献はほとんどないことが分かったということと、睡眠休養感を含めた睡眠の質を改善するための介入法という形で抜き出していただいても、ここに挙げているような数本、5文献ですけれども、これだけしか見つからないということです。これに対するメタアナリシスは、各研究の「n」が非常に少ないので明確な答えは得られておりませんけれども、何らかのこういった身体的な運動、集団行動といったものが改善に寄与しそうだという当たりは付いたということになります。次、お願いいたします。
こういったことで、先の令和元年~2年度までの研究の中で、睡眠休養感というものが睡眠の質を評価する指標として有用だという結論に至りましたが、これはくしくもこれまで国民健康・栄養調査の中でもずっと採られてきました。先ほど田邉室長からも御報告がありましたが、睡眠により休養がとれている者の割合といったものを、既存のデータを活かして今後の国民健康増進の調査に活かすことができるということと、そもそも睡眠自体が休養というものを非常に重要な機能の核にしておりますので、それがとれている感覚ということで、非常に目的にも合致しているかと考えております。令和3年~5年にかけましては、そういった知見を基にしまして、さらに新しい睡眠指針の策定に寄与するような既存知見がないかどうかということを、既存研究文献の精査をさらに続けるとともに、新たな我が国の研究データセットも含めて活用することによって、さらなる知見を集積することを主な目的として動かしております。そして、プラス、職域における介入研究を行っており、これは睡眠衛生指導を用いた介入研究ですけれども、睡眠休養感、健康的な睡眠度合いを向上させることができるかとの検討を、現在進行中であります。また、これらの結果を基に、国民が利用可能な、自分の睡眠が健康なのかどうかチェックして、それを基に改善していけるようなツールの作成も検討しております。次のスライドをお願いいたします。
この研究班は、さらに先ほどの研究班を強化しまして、50名近くの研究員の御協力を得て進めております。次、お願いいたします。
アウトカムの結果ですけれども、これは、本日御欠席されておりますが、日本大学の兼板構成員のグループを中心にまとめていただいたデータです。これは、日本の某健康保険組合員を対象とした健康診査のデータセットを用いて、睡眠休養感の悪化因子を検討していただいたものになります。ここに主に3つのカテゴリーに分けておりますが、こういったものが影響因子としてあぶりだされました。まず1つは喫煙。そして、高用量のアルコール摂取といった嗜好品の部類。そして次が、食習慣の部類。食べるスピードが速い、夜間、寝る直前に夕食をとる、そして、夜間寝ている間に間食をする、そして、朝食を欠食するといった食習慣です。そして、身体活動に関わるもの。定期的な運動週間がない、身体活動が低い、そして、歩くスピードが遅いといった身体活動に関するもの。この3つのカテゴリーが影響因子として大きいということが分かってきました。一方で、このスライドでも分かるように、高用量のアルコール摂取は、実はこの結果からは、高用量ほど休養感が高いという結果にも読み取れるという矛盾点がございます。次のスライドをお願いしたします。
こちらは、また別の解析を行っていただきました。これも日本大学の兼板構成員のグループですけれども、こちらの横断調査によりますと、高用量のアルコールは睡眠休養感を悪化されるという結果になってきます。そして、大変興味深いですけれども、この結果からすると、喫煙は影響因子としては極めて弱いということも出ています。こういったように、嗜好品の部類に関しましては、もともと嗜好品というのはストレスを解消するために使うという側面もあるために、ストレスの軽減から睡眠が一時的に良くなるという効果も無視できないという点は、注意点として考えております。しかしながら、長期的な健康アウトカムにおきましては、こういったアルコール・喫煙というのは健康を阻害する因子として、健康日本21の中でも重視して追跡しているところと理解しております。このために、我々睡眠のグループでも、やはり長期的なアウトカムとしては、こういったものはあまり推奨できないものとして取り扱うということは、研究班の中でも意見が一致しているところでございます。次、お願いいたします。
これが最後のスライドになります。これも日本大学の、これは井谷先生中心にまとめていただきましたが、既存文献の中で睡眠休養感に関連する研究を、生活習慣に関連する因子の探索ということで調べていただきました。現在、メタ解析までいけるかと思って行っていただいていたのですけれども、結局、出てきた文献はやはり8本と少ないことと、研究間の均一性が乏しいということから、メタ解析までは至りませんでした。しかし、システマティックレビューの結果からすると、先ほどの国内の調査とほぼ同等の内容がここであぶりだされてきたということになります。属性に関しましては、先ほどよりも少し増強する部分がございますけれども、それ以外はほぼ同じような内容で出てきているということになります。したがって、新・睡眠指針においてはこの辺の知見を中心に、国民に啓発する必要性があるということをより再確認する結果だったと考えております。
以上になります。こういった知見を基に、我々、新・睡眠指針(案)のとりまとめを現在進めているところでございます。御清聴、ありがとうございました。
質疑応答
【内村座長】  栗山構成員、ありがとうございました。それでは、今、栗山構成員から紹介がありましたけれども、新・健康づくりのための睡眠指針の(案)を作っていただいているということですけれども、今、説明があった中から、もし皆さん方から御質問・御意見がありましたらお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
栗山構成員、私のほうからいいですか。
【栗山構成員】  はい、お願いいたします。
【内村座長】  最初に示された、睡眠時間、床上時間、起床時の休養感を用いた総死亡リスクの評価とところですが、このデータからすると、これは例えばMiddle-agedのほうで、睡眠時間が短くても休養感があれば死亡リスクは高まらないということですね。
【栗山構成員】  統計学的に言うと、レスキュー因子として睡眠休養感があるということが機能すると考えてよろしいかと思いますが、傾向からすると、やはり睡眠時間が短縮することのリスクは無視できないと思いますので、その辺は誤解のないようにお伝えする必要があるかと考えております。
【内村座長】  例えば、今までの2014年の指針などを見ると、やはり「短い睡眠時間は……」というふうに示してきていますので、今回のデータもそのデータはある程度示唆しているというか、睡眠時間が短いと、休養感があったとしてもいろいろな影響を与えるのではないかということは言えるということですか。
【栗山構成員】  おっしゃるとおりだと思います。誤解を与える表現にならないようにすることは大事だと思います。睡眠時間が短くても休養感さえあれば大丈夫というメッセージは非常に誤解を与えやすいと思いますので、そこは工夫する必要があると思います。
【内村座長】  あと、「Older Adults」のほうも、8時間以上の睡眠時間をとっていて休養感がないとかなり死亡率が高まるのですけれども、あるほうは、8時間以上寝ていてもあまり上がってないですね。ただ、これも同じような表現になってくるのですか。
【栗山構成員】  こちらに関しても、まず、睡眠時間は個人差がありますので、どこまで啓発するかという問題を1つはらんでいることと、あと、これは睡眠時間の認識の仕方にも関わっていると思っています。実際、客観的な睡眠時間で評価すると、8時間以上寝ている方は、特に高齢者ではほとんどいらっしゃらないのです。したがって、ここは主観的な睡眠時間と実際に寝ている時間は乖離しやすいということも啓発の中に入れながら、睡眠時間が長過ぎることはそれなりに良くないというメッセージを出していけば、誤解は少ないのではないかと考えております。
【内村座長】  あと、左側のMiddle-agedのほうは、これは主観的な睡眠時間ですか。
【栗山構成員】  いいえ、これは客観的な睡眠時間です。
【内村座長】  そうなのですね。右のほうは、本人が床に就いている時間を主観的に伝えてもらっているのですね。
【栗山構成員】  これも客観的な床上時間です。
【内村座長】  なるほど。家庭で客観的なデータを出しているのですね。
【栗山構成員】  はい。御自宅で脳波計を付けていただいて計測しているものです。
【内村座長】  あともう1つ、これは起きた時の、睡眠によって休養感を感じたかどうかということですね。
【栗山構成員】  はい。この睡眠計測をした翌日の朝に、起きたタイミングで聞くというやり方です。
【内村座長】  ありがとうございます。ほか、皆さん方からいかがでしょうか。何か御質問、御意見がありましたらお願いしたいと思います。
【栗山構成員】  内村座長、黒瀨構成員が挙手されております。
【内村座長】  本当ですね。では、黒瀨構成員、どうぞ。
【黒瀨構成員】  栗山構成員、詳細で、かつ非常に興味深いデータをお示しいただき、ありがとうございました。何点か教えていただきたいと思います。
まず、今ちょうど出ているこの表ですが、この総死亡リスク評価は、大体何年くらいのフォローアップでこれくらいの差が出てくるのかということが1つ。
あと、ずっと後ろのほうでalcohol consumptionの話が出ていましたけれども、日本人の場合は特に、遺伝子的にホモとヘテロとありまして、飲酒のアルコールの分解速度が違うと思うのですけれども、この中に含まれている方々はデータによって少しばらつきがありそうな気がするのですが、その構成比といったものがもし分かれば、あるいは、ヘテロの人のほうがホモの方に比べてよりアルコールの影響を受けやすいとか、そういったことがありましたら教えていただきたいという御質問。
もう1つ、こちらは栗山構成員ではないのかもしれませんけれども、資料2の5ページ目の、「睡眠による休養を十分にとれてない者の割合の推移」というところで、平成24年くらいまでは順調に改善されていたものが、急に、26年くらいの調査から一気に悪化していることについて、これはどういった社会的な変化、あるいはライフスタイルの変化に影響を受けているか。あるいは、どういった環境の方が特に悪化されているのか。私が今思い付くとすると、せいぜい、スマートフォンの普及とかそういったことかと思うのですけれども、何かエビデンス、あるいは想定されているものがありましたら、教えていただきたいと思います。
【内村座長】  栗山構成員、お願いいたします。
【栗山構成員】  最初の2題を中心にお答えしたいと思います。すみません、1題目の御質問は何でしたか。
【黒瀨構成員】  何年くらいのフォローアップでこの総死亡リスクを評価されているか。
【栗山構成員】  承知いたしました。これは3~10年超だったと記憶しております。平均すると7年くらいだったと思います。吉池構成員、これのとりまとめを担当していただきましたが、間違っていましたでしょうか。
【吉池構成員】  もう少し長い期間で、平均すると12年くらい、最長14年くらいまでフォローされております。
【栗山構成員】  ありがとうございます。すみません、もっと長かったです。
それと、次のところですけれども、これは兼板構成員にお答えいただくとより正確かと思いますけれども、そういったホモ・ヘテロの要因というのは、この調査の中には含まれていなかったと思います。個人差に関する検討に関しては、そこまでこの調査の中では深められてなかったというふうに覚えているのですけれども、詳しく調べて、もし可能でしたら次回にお答えできたらと思います。よろしいでしょうか。
【黒瀨構成員】  ありがとうございます。調査の時に、お酒を飲んで顔が赤くなるかどうかという質問事項があれば、割と簡単に判別がつくかと思います。欧米のデータとの比較をする場合に、日本人はヘテロが多いということがかなり大きく影響するのではないかと思いまして、伺わせていただきました。分かりましたら、ぜひ教えてください。
【栗山構成員】  ありがとうございます。あと、3点目に関しては、実は私たち、データセット自体を頂いておりまして、今おっしゃったような疑問の検討はできる範囲でしていきたいと思っております。厚生労働省様の中で、この辺に関してデータを御存じの方はいらっしゃいますでしょうか。
【田邉室長】  事務局でございます。第二次の最終評価の時にも先生方にいろいろとお伺いしていると思うのですが、なかなか、これといったものは難しいところです。ただ、ファクトとしては、この令和2年の国民健康・栄養調査で睡眠の阻害の原因のアンケートを採っておりまして、それを見ますと、黒瀨構成員がおっしゃるとおり、20代などは男女ともに、床に入るけれどもスマートフォンあるいはゲームしてしまって睡眠の障害になるという部分が、特に若者を中心に多いというところはデータとして出てございます。したがって、おっしゃるとおり、ちょうどそういうものとリンクしている部分もあると思いますので、その辺りについては、今後、栗山構成員と相談しながらより深めていきたいというところでございます。
【黒瀨構成員】  次の指針を作るためにも重要な部分だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
【内村座長】  これは年齢的には20歳以上を対象にしているのですか。
【田邉室長】  国民健康・栄養調査でございますので、20歳以上です。
【内村座長】  20歳以上で、スマートフォンやゲームですから,恐らく若い人たちに多いのでしょうか。その辺の検討はどうなのですか。
【田邉室長】  20歳~29歳という20代で、睡眠の妨げの要因ということを聞いておりまして、それで一番多いのはスマートフォンやゲームになってございます。
【内村座長】  分かりました。
【黒瀨構成員】  5ページ目の右側のグラフを見ると、確かに、影響を受けているのは主に20代から40代くらいの方が多いと思いますので、そういった社会的な要因が大きいのではないかと感じながら見ています。ぜひよろしくお願いいたします。
【内村座長】  どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。御質問ある方はいらっしゃいますでしょうか。
よろしいでしょうか。先ほどの点については、栗山構成員のほうでまた検討していただいて、次の会の時に分かる範囲で答えていただければと思っております。
【栗山構成員】  承知しました。
【内村座長】  よろしくお願いします。ほかによろしいでしょうか。
【構成員一同】  意見なし。

3.改訂に向けた論点について

【内村座長】  それでは、続きまして議題3に入ります。「改訂に向けた論点について」、これは事務局のほうでまとめられておりますので、主な論点の案について、事務局から説明よろしくお願いいたします。
【田邉室長】  事務局でございます。それでは、資料4「改訂に向けた論点について」をご覧ください。
おめくりいただきまして、最初に、2014年版の改訂の必要性ということで書かせていただいております。まず、当然でございますが、左側、「最新のエビデンスの整理」ということで、約10年経過しておりますので、最新のエビデンスを踏まえた改訂が必要であると考えてございます。それから、「国民へのさらなる普及・啓発」ということで、健康日本21(第二次)の結果ですと、睡眠の質の部分、休養感という部分が少し悪化していたということでございます。したがって、第三次ではこの休養感に加えまして、睡眠時間ということを目標に設定してございます。これをしっかりと頑張っていこうというところで、この睡眠指針の改訂をお願いさせていただきまして、第三次の睡眠に関する取組のベースにしていきたいと考えてございます。
次のページをご覧いただきまして、今回の検討会のスケジュール感でございます。来年度、令和6年度から健康日本21(第三次)開始となりますので、何とか今年度、できれば年内くらいにとりまとめまでいければというところで、新しい指針を出していければと。それを来年度からの健康日本21(第三次)の中で活用できればと考えてございます。
次のページにいかせていただきまして、栗山構成員の厚生労働科学研究等々を踏まえまして、何点か新しくこういうことを加えてはどうかというところのイメージで、事務局案を書かせていただいてございます。
次のページにいっていただきまして、まず、1点目でございます。「属性等を踏まえた構成について」でございます。先ほど申しましたように、健康日本21(第三次)では個人の属性やライフステージ・ライフコースというところを考慮した内容になってございます。睡眠に関してもこういう部分を踏まえた内容にしてはどうかというものでございます。現行の2014年バージョンでは、いわゆる国民全般に向けたものになってございます。これに加えまして、エビデンスを踏まえたものになると思いますけれども、示せるものについては「こども」、あるいは「高齢者」といった部分について、ライフコース・ライフステージに応じたものを細かく示していってはどうかと考えてございます。また、働いている方についても特に注意すべきことが何かあれば、そういうものについても出していければというようなイメージで、少しきめ細やかな属性を踏まえたものを出していってはどうかというイメージでございます。
本日御欠席の兼板構成員からも、こちらについてコメントを頂いてございます。睡眠は社会的要因からの影響を受けやすいということで、ライフステージごとに睡眠の問題は異なるということがございますので、ライフステージごとの睡眠に関する議論を踏まえた検討をした上でメッセージを出していくことが大事ではないかというコメントを頂いてございます。
おめくりいただきまして、次は睡眠の環境づくりについての部分でございます。先生方御案内のとおり、光や照明と睡眠の関係ということで、まず、日中に光を浴びることによって睡眠効果のあるホルモンであるメラトニンの分泌が促進されまして、入眠が促進されるというようなことがございます。一方で、睡眠前に強い光をスマートフォン等で浴びると、メラトニンの分泌が抑制されまして入眠が妨げられるという、サーカディアンリズムの影響という部分がございます。そういう部分について、環境づくりという点でどういうメッセージを出していくかというところについて、先生方に御議論いただければと考えてございます。また、音に関してですけれども、騒音については入眠障害や、入眠潜時または中途覚醒の時間といったところに影響があるということで、例えば欧州のWHOなどでは、騒音の影響を受けやすいこども、あるいは高齢者に対して、夜間の屋外騒音40デシベル未満というメッセージも出しているということがございます。そういう騒音、音と睡眠の関係について、どういうメッセージを出していくかということについて、ご意見いただければと考えております。
次は、温度・湿度の関係でございます。就寝前に体を温めると入眠潜時が短縮されるという入浴等の効果の部分。それから、特に最近でございますと、湿度の関係でエアコンをつけっぱなしのほうがいいのかなど、いろいろございます。そういう気温や湿度に関する部分についての睡眠との関係というところで、どういうメッセージを出していくかということで、環境づくりという面について、論点ということで挙げさせていただいてございます。
続きまして、3点目ですけれども、睡眠と嗜好品との関係ということで、先ほど栗山構成員からもいろいろとエビデンスを示していただきました。嗜好品が良質な睡眠の妨げになっている場合があるということについて、どういうメッセージを出していくかというところでございます。カフェインにつきましては、もう先生方御案内のとおり覚醒作用がございますので、睡眠の影響を考えますと、例えば摂取の上限等についてどう考えるかというところでございます。FDAや欧州、カナダでは、例えば成人の1日の上限として、カフェイン400mgというメッセージを出してございます。こういう部分についてどう考えるかというところが1点かと思います。アルコールに関しましては、先ほどございましたように、入眠を促進する作用もある一方で、睡眠の質という部分では良くないというところで、特に高用量については健康リスクもございますので、そういう部分についてのメッセージをどうするか。また、喫煙に関しましては、いわゆるニコチンの覚醒作用というところで、入眠については悪い影響があるというところでございます。こういうことにつきまして、個人の嗜好品というというところではあるのですけれども、健康づくり、良質な睡眠という部分についてどういうメッセージを出していくかを、論点として挙げさせていただいてございます。
兼坂構成員からも、先ほどの環境と併せまして、環境については光や音や温度などについては個人で調整が可能な部分ですので、前回の時にはエビデンスの部分からあまり書いておりませんでしたが、今回は出したほうがよいかというメッセージを頂いてございます。それから、嗜好品に関しましては、カフェイン・アルコール・たばこに加えまして、カフェインが入っているエナジードリンクについて、特に若い方で摂取が増えているという部分で、エナジードリンクを飲んで、インターネットやゲームで夜更かしをするというようなところもあるかということで、そういうことについてのメッセージも入れてはどうかというようなコメントを頂いてございます。
次のページにいっていただきまして、4点目でございます。「就業形態と睡眠の課題」について書かせていただいてございます。就業形態と関連する睡眠の課題についてどう考えるかということでございますけれども、特に交替制勤務等々ございますと睡眠時間が一定期間で変わってくるという部分で、特に眠気であるとか、仕事の効率、または勤務中などの事故などに関連するということが言われてございます。就業形態というのはなかなか変え難い部分がございますので、その中でも何かメッセージとして出せるものがないかというところで、例えば交替制勤務における仮眠の活用であるとか、光や照明等の環境の整備という部分で出せるメッセージがないかというところでございます。夜勤中の仮眠等々は、仕事の効率や、疲労を回復されるであるとか、カフェインについては、先ほどの睡眠には良くないという部分もございますが、仮眠の前にとって寝ると睡眠慣性が生じにくいといった報告もございます。あるいは、夜間の強い光等々を調整することで体内時計の調整等ということもございますので、こういうことについて出せるメッセージがあれば出してはどうかということで、論点に書かせていただいてございます。
兼板構成員からもこちらにつきまして、就業形態については特に仕事の効率という部分ではなく、健康づくりということでメッセージを出していくことが重要である。また、交替制勤務に関しては、現在の日本においては莫大な方が従事していらっしゃいますので、情報の発信の仕方に注意が必要であると。交替制勤務が健康に良くないというメッセージになると良くない。一方で、正しい情報は出していったほうがいいということで、国民が不安を抱くような誤解を与えない形での情報発信に留意してくださいというコメントを頂いてございます。事務局からは以上でございます。
質疑応答

・論点1 属性等を踏まえた構成について
【内村座長】  それでは、今、事務局から改訂に向けた論点について御説明がありました。4つの論点がありましたので、それぞれについて皆様から御意見があれば、お聞きしたいと思います。
まず、論点1「属性等を踏まえた構成について」ということで御説明がありましたけれども、いかがでしょうか。皆様方から何か御意見がありましたら、お願いしたいと思います。
前回の2014年の中でも、若年世代、勤労世代、熟年世代の3つの世代でそれぞれ示しているのですけれども、今回はここに「こども」も入れようということですね。事務局、そういうことですね。
【田邉室長】  おっしゃるとおりで、当然、こどもさんなどは睡眠時間なども違いますので、その辺りについてもきめ細やかなメッセージを出せればというイメージでございます。
【内村座長】  今年の4月から母子手帳が改訂されて、生後2カ月から6歳までは母子手帳の中にこどもの睡眠と親の睡眠が入ってきます。そういう意味では、こどもたちの睡眠も母子手帳を活用して、健診などのレベルで使用することによって、ある程度分かってくると思います。母子手帳が改訂されたことを契機にこどもの睡眠についても今回示せればと、私も考えているところです。
皆さん方のほうから、いかがでしょうか。黒瀨構成員、どうぞお願いします。
【黒瀨構成員】  まず、論点1、2、3、4のこの分類に関しては、私も全く賛成するところでございます。その中で、論点1に関してですけれども、健康日本21で掲げている中でも、やはり健康寿命の延伸と格差の縮小と改善というところが、非常に大切な部分だと思います。そうすると、働く成人と高齢者というところの概念が、これから先10年、12年でさらに大きく変わってくる可能性がございますので、紋切り型で60歳とか65歳で高齢者というものを決めるというよりは、個人個人の健康状態に合わせたライフステージ・ライフコースを提示していただくほうが、誤ったメッセージにつながらないのではないかと思いますので、その点、丁寧な指針の設定をしていただけるとよろしいかと思います。
【内村座長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。栗山構成員、お願いします。
【栗山構成員】  私も黒瀨構成員の意見に賛成いたします。特に、年齢に伴って睡眠習慣が変化してくるということが非常に重要なポイントなのですけれども、生理的な睡眠時間の短縮という要素に加えまして、お仕事をしていらっしゃるかどうか、特に日中の活動量がどれくらいあるのかといったことに関連して、先ほど示しました床上時間と睡眠時間の関係というのは影響してくるところがあると思いますので、これまでは65歳とか60歳で一律高齢者という形にしていたものを、少し柔軟に運用できるような形で指針策定ができたらいいのではないかというイメージを持っております。
【内村座長】  ありがとうございます。今、定年の年齢が上がってきて、60歳、65歳にかかわらず、70歳くらいまで現役の方もいらっしゃいます。栗山構成員も示されましたけれども、昼間の活動性や働きがい、やりがいがあるとか、人とのコミュニケーションとか、そういう点から考えると、やはり仕事をしているか・してないかというのは大きいと思うのです。ただ、睡眠時間のところでは、60歳で切っていますね。20歳~59歳と60歳以上で、睡眠時間が、6~9時間が20歳~59歳で、60歳以上が6~8時間ということになっていますけれども、栗山構成員、この辺りの、仕事をしている・してないというところとの関係というのはどうなのでしょうか。
【栗山構成員】  これはあくまでも数値目標における切り方だと私は理解しておりまして、これを柔軟に運用するのは統計的にも難しい部分があるかと思っておりますけれども、田邉室長、いかがでしょうか。
【田邉室長】  おっしゃるとおりで、一定、健康日本21で目標は定めなければいけませんので、今のスタートの時点ではこうなっているのですが、中間見直し等々もございますので、おっしゃるとおり、スポーツ庁などのデータを見ても、体力の部分では高齢者の体力は上がっていますから、それも含めて今後データを見ながら、変更が必要な部分については変更していくというところで進めていければと考えてございます。
【栗山構成員】  ありがとうございます。
【内村座長】  この60歳以上、高齢の方は、逆に長過ぎると良くないということをはっきり明記するというのは、今回の栗山構成員たちのデータもあって、大変意味があると思うのです。したがって、年齢を何歳にするかというのはなかなか難しい問題ですけれども、床に長く就きすぎると良くないということを示すということは、今回の新しい睡眠指針で大事なことだと思っています。
あと、栗山構成員、この睡眠の休養感と睡眠時間は、やはり相関があるのですか。
【栗山構成員】  睡眠時間と睡眠休養感の相関ですか。これは先ほど示したように、65歳未満のところでは、エンドポイントを健康・死亡率にすると両方が関わってくるというような結果があります。それと、別の解析によりますと、睡眠休養感と睡眠時間は一定の関係性があるというデータも得られています。これは論文にして出してはいない吉池構成員の解析の中でもそれは見えており、データとしては出していませんけれども、関係性はあるということは認めております。
【内村座長】  やはり、自覚的な休養感があると感じられる中の要素として、中途覚醒があるか・ないかとか、あるいは、睡眠時間がある程度とれているかというのは、やはりかなり要因としては関わってくるのでしょうか。
【栗山構成員】  はい、同等のデータセットを用いたほかの研究グループが行った研究ですけれども、睡眠時間とともに中途覚醒時間、睡眠効率といった要素も関係性はあるということは示されております。ただ、これをもって代表値というものは実はなくて、様々な要素で成立していると言えると思います。
【内村座長】  分かりました。ありがとうございます。いかがでしょうか。この論点1のところで、ほかに御質問、御意見はないでしょうか。
・論点2 良質な睡眠のための環境づくりについて
【内村座長】  それでは、続きまして、論点2の「良質な睡眠のための環境づくりについて」です。この点について、光、照明、それと騒音、そして温度・湿度、この4つの睡眠環境、昔から4大睡眠環境とよく言われていました。これについて、2014年の指針でも、解説のところでは少し触れられているのですけれども、はっきり明記はされていないというところがあると思います。特に、今は24時間社会だし、こどものスマートフォンとかそういう問題もありますし、あと、よく最近、エアコンはどういうつけ方をしたらいいのかとか、湿度や室温をどうコントロールしていったらいいのかということをよく聞かれることもありますけれども、この論点2について何か御意見がありましたら。堀越構成員、どうぞ。
【堀越構成員】  論点2、3、4に関連することだと思うのですけれども、教えていただきたいこともあるのですが、我々、学校環境衛生基準に基づいて学校薬剤師活動をして、照度検査等も各学校でしているところですけれども、論点3のところにも関わってくるところでしょうし、就業形態ということで、先ほど座長がおっしゃっていただいたように、24時間、本当にいろいろな状態で働かれている中で、当然、夜間となるとアルコールやたばこ等を買いに行かれるとか、寝てはいけないからということでカフェインを買いに行かれるという場合に、買いに行く先は限られているわけですけれども、照度がかなり高いのではないかというのが、結構平時から気になっております。当然、販売形態もそういった所になってくるのかもしれませんけれども、それと照明のルクスが明らかに500以上あるのではないかという所があったりするので、その辺りをうまく、当然、エビデンスデータベースになっていくとは思うのですけれども、何か関連付けたところの提案などはいかがでしょうか。
【内村座長】  堀越構成員の御質問は、買いに行く所はコンビニなどで買うのではないかということで、夜間にコンビニに行けば、当然コンビニは1,000ルクス以上くらいあるだろうということで、そういう影響もあるのではないかということも含めてということですね。
【堀越構成員】  そうですね。我々も仕事を終わってちょっと買い物に行くと、大きなスーパーでもかなり照度が高いと常に感じているところなので、その辺りのメラトニンの加減もあるかと思うので、そういったところの提案がうまくできればいいのではないかと思っています。何かそういったところに関するデータなど、お持ちでしょうか。
【内村座長】  栗山構成員、新しい新知見の中に、睡眠環境というところも書いてありますけれども、いかがですか。
【栗山構成員】  今のお話の中でいくと、短時間コンビニに買い物に行った時に、そのくらいの照度を浴びることが有害かどうかというようなことですよね。これに関しては、短時間であっても高照度はあまりよくないという報告は確かに存在していると思いますけれども、恐らくエビデンスとしてどこまで採用すべきかというのは、何とも言えないということです。特にシチュエーションとして、交替勤務の方が夜間そういった状況にさらされることの有害性というようなスペシフィックな話になると何とも言えなくて、恐らく、勤務場の照度のほうがより強く影響してくると思いますので、そこまで触れるのは難しいのではないかという気はしてございます。ただ、堀越構成員がおっしゃっておられる疑問点は非常に重要なポイントだと思いますので、全体の考え方の中でそういったことも含められたら適切なのではないかと思いました。
【堀越構成員】  ありがとうございます。
【内村座長】  中・高校生などには、「夜、コンビニに行くのだったら短時間で」など、そういうメッセージはよく伝えますけれども、栗山構成員が言われたように、短時間買い物に行くくらいでどのくらい影響があるかというのは、なかなか難しいところがあると思います。
ほか、いかがでしょうか。論点2の、今お話が出た、光・照明のこと、あるいは騒音、湿度、温度も含めて、御意見がありましたらお願いしたいと思います。
【山宮課長補佐】  内村座長、事務局でございます。大神構成員が挙手されております。
【内村座長】  そうですか、すみません。では、大神構成員、よろしくお願いします。
【大神構成員】  私も論点4と絡んでくるところかと思うのですが、この照明と関わってくるかなと思うのが、私は何分にも働く人、職場のほうに関わることが多いもので、ここのところすごく感じているところなのですけれども、ブルーライトのこともこの中に入ってくるのではないかと思っております。パソコン、スマートフォンですけれども、交替制勤務というと、どうしてもブルーカラーの方を想定しやすいところがあると思うのですけれども、私の体感的に、かつてブルーカラーと思われていた方たちも、結構、スマートフォン、パソコンの作業が入ってきているということで、睡眠とブルーライトの関係のことも、お子様方のゲームなども含めてですけれども、今回は入れたほうがいいのではないかと思っております。
【内村座長】  ありがとうございます。2014年の時もブルーライトには少し触れているのです。そこまで大きくは示していませんけれども、ブルーライトの件については、説明のところでは触れてあります。栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  今、御指摘いただいた点は非常に重要なポイントで、特に2014年の時点と比べたらだいぶ進歩しているというか、エビデンスが蓄積されているところではありますので、内村座長がおっしゃるように適切に盛り込めればと思っております。特に、一番重要なのは、生理学的な機序に関して十分に理解していただいた上で、どういったシチュエーションで避けなければいけないのかということを、各事業者、各個人が判断していただくということが重要だと思いますので、その辺を含めてうまく説明を盛り込めればと思っております。
【内村座長】  栗山構成員、今、ブルーライトカット的なものがありますね。スマートフォンでも、夜になるとブルーライトからオレンジ色に変えられたりとか、あるいは、コンピューターなどを使う場合に、眼鏡にブルーライトをカットしたりするものが入っています。その辺りを使うことによってどのくらい影響が軽減するかとか、その辺りのデータはあるのですか。
【栗山構成員】  大変難しい御質問だと思います。ブルーライトカット商品はいろいろなものがあって、品質の問題で、全然駄目なものもあれば、かなり効果があるものまで、もう玉石混交なのです。そういったものを一律に比較するのは非常に難しく、やはりこれは実験的な評価が主になると思うのですが、どれだけ含まれているかによって差があるかどうかというものを中心に物事を考える必要があると思いますので、この辺はそういう基礎的なデータを中心に進めさせていただくのが限界なのではないかと思います。
【内村座長】  例えば、今のこどもたちに「みんいく」ということで、よく小・中・高などで説明がされています。例えば、今、大阪の堺市などはかなり、教科書を使って小・中・高校生に「みんいく」ということで教育している中で、やはり、夜にスマートフォンを使わないというのは、香川県のように条例で決めるというのはなかなか厳しいところがあって、「オレンジ色に変えましょう」などということも言ったりしていますけれども、栗山構成員がおっしゃったように、ではそれで本当にどのくらいカットできるのかというのは難しいところがあって、特にこどもというところに限っていくと、本当に小学生に入る前くらいからスマートフォンを使ったりなどしているので、その辺りをどこまできちんと示していくかというのは、なかなか難しいところがあると思います。ある程度のデータに基づいたことでないと言いづらいところはあると思いますけれども、その辺も含めて、よろしくお願いしたいと思います。
【栗山構成員】  1点だけ付け足させていただいてよろしいですか。このこどもたちのスマートフォン使用に関してはいろいろな考え方があって、一律にこれを制限すれば全て解決するかというと、なかなかそうもいかないのです。そもそも夜寝る前にスマートフォンを使うことに関連するのが、日中におけるストレスとの関係性は無視できないと。やはり、ストレス解消のためにスマートフォンを使ってしまうというのが、お子様や若い世代ではかなり影響しているという報告があるのです。このスマートフォン使用をやめてしまったときに、うつが増えてしまうというデータもちょこちょこあったりするので、一律に、寝る前にスマートフォンを制限しましょうというメッセージよりは、これを使用しないで済むような、ストレス解消法とかライフスタイルといったものを提案していく方向付けも、指針の中でしていったほうがいいのではないかという議論もあります。その辺、うまくバランスをとって啓発できたらと、我々研究班では考えております。
【内村座長】  ありがとうございます。逆に今、スマートフォンを使用したほうがいいのではないかという論文なども確かに出てきていますので、その辺も含めて検討していただければと思っております。ほか、論点2のところはよろしいでしょうか。
・論点3 睡眠と嗜好品について
【内村座長】  ないようでしたら、これはまた論点2とも関係してくることですけれども、論点3の「睡眠と嗜好品について」のところです。ここではカフェイン、アルコール、たばこというものが入っています。先ほども、エナジードリンクを飲みながら遅くまでインターネットをする人たちも多いという御意見も出たと思うのですけれども、この論点3の嗜好品について、これをどの程度まで新・睡眠指針の中で含めていくかということだと思います。黒瀨構成員、どうぞ。
【黒瀨構成員】  先ほど、栗山構成員の御報告の時に御質問させていただいたように、ホモとヘテロの問題がございます。やはり、ホモの方をベースにした基準を適用してしまうと、ヘテロの方には発がんも含めて大きな健康被害を起こしてしまう危険性が危惧されますので、その辺は丁寧な説明をしていただくように、基準を設けても、お酒を飲んで顔が赤くなる方はより十分に注意していただきたいとか、本当はホモの方用とヘテロの方用に具体的な数字が出せればいいのですけれども、そうでない場合には、丁寧な説明をそこに入れていただければ幸いと存じます。
【内村座長】  ありがとうございます。いかがでしょうか。ほかに御意見、御質問がある方がいらっしゃったらお願いしたいと思います。
【山宮課長補佐】  内村座長、よろしいでしょうか。事務局でございます。吉﨑構成員が挙手されております。
【内村座長】  では、吉﨑構成員、どうぞお願いします。
【吉﨑構成員】  東洋大学の吉﨑と申します。カフェインについてですけれども、各省庁で過剰摂取に関する注意喚起は出されておりますが、ちょうど先月、2023年6月に「Sleep Medicine Reviews」から睡眠に対するカフェインの影響に関する24個の論文の結果を統合したシステマティックレビューの論文が報告されています。その中で、メタアナリシスやメ回帰分析の結果によって睡眠時間の減少に影響を与えるカフェインの摂取量と摂取タイミングが示されております。先ほどもエナジードリンクの話が出てきましたけれども、2014年作成時の時に比べますと、だいぶエナジードリンクの市場も拡大しておりまして、マーケティングのターゲットになる一部の若年者を中心に、高カフェインに暴露されやすい環境になっていることも注意する必要があると考えています。前回はカフェインについては第2章のところに含まれていましたが、今回の指針の中では、嗜好品として独立した項目を設けていくなど、それによってタイミングと量を意識させる記述があってもいいのではないかと考えています。
【内村座長】  ありがとうございます。先ほど、栗山構成員からも、前指針策定以降に嗜好品についての知見がかなり蓄積されてきたということもあって、エナジードリンクも含めたカフェイン類の摂取というのはかなり増えてきていますので、そういう新しいデータも知見として参考にさせていただいて、今回は示していければと思っています。
栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  内村座長がおっしゃるとおりで、今回、最も知見が蓄積してきたのは、この中ではカフェインになってくると思います。カフェインに関しては健康日本21の中でも、重点的に取り上げている項目も少ないというところもありますので、我々のところで取り扱うべき内容かと思っております。御指摘の論文を含めて、うまく取り込めるようにしたいと思います。
あと、黒瀨構成員がおっしゃった、ホモ・ヘテロの個人差の問題、その辺のところが睡眠にどれだけ影響するのかというエビデンスに関しては、極めて少ないというところがありまして、恐らく、総合的な健康アウトカムへの影響みたいなことに関してはぼちぼちあると私は理解しておりますけれども、どこまで睡眠でこの辺を取り込むかというのは、結構難しいところなのかなと、伺っていて思った次第です。ただ、重要な観点ではありますので、十分精査するとともに、最終的には全体の健康日本21の流れにずれない形でまとめさせていただくのがよろしいかと思いました。そんな感じでよろしいでしょうか。
【黒瀨構成員】  ぜひそうしていただけるとありがたいです。
【栗山構成員】  貴重な意見です。ありがとうございます。
【内村座長】  アルコールのところは、よく適正なアルコール量は純アルコール20gというのがよく書かれるのですけれども、そこで必ずその下に、「女性、あるいはアルコールの代謝酵素が欠ける方、少ない方などは、それ以上に影響があるから注意しましょう」みたいなことは必ず書かれてくるので、最低でもそういう形で示さないといけないと考えています。どうもありがとうございます。
栗山構成員、先ほど、たばこはあまり影響がなかったというデータが出ていましたけれども、前回の2014年の時もたばこは悪影響を及ぼすということになっていますので、その論点は変わらないということですね。
【栗山構成員】  ないものもあればあるものもあるという感じで、アルコールにかなり似ているところがあるのですけれども、最終的には、健康を害する要因としては取り上げるべきものだと思いますので、そこは齟齬のないようにさせていただこうと思います。
【内村座長】  分かりました。論点3のところは、これでよろしいでしょうか。
【山宮課長補佐】  事務局でございます。吉﨑構成員が挙手されておりますので、よろしくお願いいたします。
【内村座長】  すみません。では、吉﨑構成員、お願いします。
【吉﨑構成員】  栗山構成員が今おっしゃった喫煙の部分ですけれども、おっしゃるとおり、あるものもあればないものもあるということで、もう1つ電子たばこも最近増えておりますので、もし触れられるようであれば、その点も考慮していただければと思います。何かあれば、ぜひ教えてください。
【栗山構成員】  大変重要な視点、ありがとうございます。おっしゃるとおりで、電子たばこだから大丈夫でしょうみたいな思考はやはりまずいと思っています。薬理的に言うと、ニコチンが含まれているものに関してはすべからく良くないということで問題なかろうかと思っております。実際、その辺の観点から、我々、前向き研究を少し走らせているのですけれども、やはり電子たばこであってもニコチン含有物に関しては良くないという結果も見えてきておりますので、その辺はすべからく含めていくようにしたいと思っております。
【内村座長】  今、電子たばこを吸っている方は非常に多いので、今の時代から考えると、当然それも入れておく必要があると思います。どうもありがとうございました。ほか、よろしいでしょうか。
・論点4 就業形態と睡眠の課題について
【内村座長】  それでは、論点4です。これは、どの程度まで示せるかはなかなか難しいところですけれども、就業形態に関するということで交替勤務です。もう今、交替勤務の方が日本には20%以上いらっしゃって、これはもう避けることはできないのですけれども、前回の時は、あまりこれは示されていないところがあります。あと、交替勤務といっても、例えば看護士さんのように週に1回、あるいは週に2回くらい夜勤をして、夜勤を続けない。夜勤のあとに3日間くらい日勤や休みを入れるという方と、工場のように1週間連続で夜勤をして、次の1週間は日勤をするなど。あるいは、中には1カ月間くらい連続で夜勤をするような所もありますし、かなり夜勤の体制、形態はかなり異なっているケースもあって、その中でどの程度まで、今回の指針の中に入れていくかということは、かなり難しいところがあると思うのです。ただこれは、今回はもう触れないわけにはいかないと思います。先ほどもあったように、仮眠、仕事中の照明の問題。照明を当てることによって覚醒レベルを上げて、仕事中のリスク管理、事故が起きないようにするとか、そうすることによって夜勤明けに帰って、次も夜勤があるのに昼間寝られないこともあります。また、夜勤中の仮眠をとった時のカフェイン。先ほども出ましたように、カフェインを使って仮眠をとると、そのあとの睡眠慣性などが起こりづらく仕事もしやすいとも言われています。この論点4について、皆さんから御意見や御質問があったらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。大神構成員、どうぞ。
【大神構成員】  シフト勤務もそうなのですけれども、コロナ禍を過ぎてどういったことが起きているかということで、私が感じているものではあるのですが、在宅勤務が一定割合浸透してきたということもあって、寝る直前まで仕事をするとか、そういった方も出てきているということで、この10年の中で特にこの3年が、いろいろな仕事の仕方が変わってきたと感じます。先ほども申し上げましたけれども、交替制勤務であったとしても、卑近な例ですけれども、ビルメンテナンスの仕事などでも仮眠をとる直前まで報告書を入力する作業をするという感じで、パソコンに向かうような仕事もあったりすることがあります。そういうことを考えたときに、仮眠をとる前にどうするか、上手な仮眠のとり方というようなものが盛り込めたらいいのではないかと思っております。あとは、冒頭で申し上げました、在宅勤務の方の場合の、やはり寝る前まで仕事をしないといった、基本的なことかもしれませんけれども、そういったことも含めた内容になるとよいのではないかと思っております。
【内村座長】  今日の新聞の1面に、テレワークが40%くらい残っているということが書かれていました。このコロナ禍の中で、コロナ禍が明けてもテレワークがかなり占めているのではないかということで、当然、テレワークというのはなかなか、朝に光を浴びないとか、あるいは昼間の活動性が低下するとか、あるいは夜のLINE飲み会は終電なしでエンドレスにされていくということで、アルコールの量が増えたりするなど、テレワークというのはいろいろな問題を含んでいると思うのです。その辺も含めて、40%くらいテレワークがされるということであれば、そこにも、リズムの是正という意味で触れていかなくてはいけないのではないかと思います。黒瀨構成員、どうぞ。
【黒瀨構成員】  今、大神構成員がおっしゃったことに全く同感でございます。やはり、コロナ禍で在宅ワークが非常に増えてきている。そうすると、その在宅ワークされている方も実は大きく二極化していて、家にいるだけで全く運動しない方、空いた通勤の時間をうまく運動に利用されている方と、そういった様々なライフスタイルができてきています。交替勤務の問題もありますけれども、在宅ワークをもう少し掘り下げた中で、どういった睡眠障害が起こっているのかとか、それによる健康被害が起こっているのかというのは、現時点で分からなくても、12年という長い今回の健康日本21のこのスパンの中で、中間評価なり何なりである程度見ていく必要はあるのではないかと感じます。
【内村座長】  ありがとうございます。栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  今、先生方に御指摘いただいた内容は、研究班の中でも御意見を頂いたところであります。昨今、コロナ禍に伴って、在宅勤務が新たな形態として日本社会に出現したと言っても過言ではないと思うのですけれども、これがうまく運用されているかと言われると、そうではないと思うのです。この運用の未熟性に関しましては、どちらかというと社会の成熟といいますか、この運用の仕方の成熟に関わっているところもあります。今回の指針の中では、特にスペシフィックなエビデンスもそこまで多くないことから、あえて取り上げなくてもいいのではという意見を尊重してはどうかと思っているところではあります。ただ、勤務時間自体の問題というのは睡眠に大きな影響を与えますので、これはやはり社会の課題として指摘していかなければいけないポイントだと思いますし、働くタイミングや在宅勤務によって減ってしまう活動量といったことに関しましては、注意喚起を適切に入れていく必要性があるという認識でおります。御意見ありがとうございます。
それと、交替勤務に関するお話ですけれども、これは生物学的にというか、体の仕組み的に言うと、交替勤務自体は絶対に良くないです。これは、否定はできないのですけれども、ただ、他人の命を守る仕事をしている方、事故を防ぐための仕事をしている方、日本経済をうまく回すためにお仕事をしていらっしゃる方、こういった方々を一切なくすというのは、どう考えてもあり得ないので、こういった方々に対してどのようなサポートができるのかという視点で、この指針の中では取り上げる形がいいのではないかと思っております。
兼板構成員も御指摘いただいておりますけれども、実際、カフェインや昼寝という対策というのは、どちらかというと、この勤務中の事故防止や御自身の気分の改善などそういったところには役に立つのですけれども、健康全体に考えるとマイナスに働く可能性があるものも含まれておりますので、こうすればいい、こうすれば解決するという形ではなく、こういう乗り越え方もあるというような御提案という形でとどまらせていただくのが、より真摯な姿勢なのではないかと思っております。
年々、この交替勤務による健康被害の報告はどんどん増えていますので、駄目というのは疑いのないところだと思うのですけれども、一方で、世の中からこれがなくなるかというと、絶対そうではないですし、こういった人たちをどう救うのかという社会的な視点も非常に重要なことですので、そういったところからまとめさせていただくというのがよろしいのではないかと思っております。御意見ありがとうございます。
【内村座長】  確かにお昼寝というのは、対処法の1つということになると思います。お昼寝ありきではなくて、やはりきちんと規則正しい生活をして夜の睡眠を確保すれば、お昼寝というのは本質的には必要ではないというか、あくまでも昼間に我慢できない眠気を感じるような人たちが、それを対処するための方法として取り入れるということだと思いますので、栗山構成員が言われたような形で、お昼寝というのは、対処法としてどうお昼寝をしたらいいのかということになってくると思います。
あと、栗山構成員、テレワークに全く触れないというわけにはいかないと思うのです。だから、例えば解説の中で、テレワークを行う場合にはきちんとこういう点に注意しながらとか、リズムを乱さないようにとか、その辺りを含めることは可能ですか。
【栗山構成員】  はい、検討させていただきます。
【内村座長】  ほかにいかがでしょうか。この論点4の就業形態のところはなかなか難しい部分がある、どこまできちんと明言できるか、指針として示せるかというのはあると思います。この就業形態のところに関しては、特に、よろしいでしょうか。
【構成員一同】  特になし。
・全体を通して
【内村座長】  ありがとうございます。それでは、全体を通して、今日皆さんと議論した全ての議題を通して、何か御質問、御意見などありましたら、お願いしたいと思います。
栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  我々の研究班の中では、この就業形態とともに「誰も取り残さないための」という方針をかなえるためには、妊娠とか子育ての方に対する提言といいますか、指針も重要だろうと思っておりまして、意見も出ております。ここにいらっしゃる駒田構成員、尾崎構成員からの御提言もありまして、その辺に関しても触れる必要があると思っております。この辺は、先ほどのこども・成人・働く人・高齢者とは別に、交替勤務と妊娠・子育て世代ということは別途あったほうがいいのではないかと思っております。
【内村座長】  属性というところで、やはり女性、子育て・妊娠というものが関わってきますし、今、妊娠中の女性の例えば自殺とか、多いのは出産後の自殺など増えてきています。その辺りはやはり睡眠と関係していますし、例えば出産後、母乳であれば3時間に1回は母乳をこどもさんに飲ませなければいけないし、そうなってくると睡眠もとれなくなってくる。したがって、やはり妊娠中、また、出産後の女性の睡眠というのは非常に大事だと。今、社会問題にもなっています。
もっと言うと、こども家庭庁ができたわけですけれども、少子化対策としてやはり妊娠・出産する女性が健康である、QOLを高める。そのためには、やはり睡眠というのが最も大切だと思うのです。そうすることが少子化対策になると思います。したがって、こどもさんを産んで、自分自身がきちんと睡眠をとって、健康でQOLが高ければ、ではもう1人産もうかということになると思います。ところが、睡眠もきちんととれず、そして、仕事もなかなか復帰できないということになると、もうこどもを産むのはやめようということになる。したがって、私は、これほど少子化対策になることはないと思うのです。
そういう意味では、睡眠を通しての少子化対策ということに発展していくのではないかということで、ぜひ、これを入れてもらうということは、今の時代、女性の活躍の場ということも考えて、また、先ほど言いましたように、母子手帳の中には親の睡眠も入ってきますので、これは女性の睡眠というのが多分主になってくると思います。そういう意味では、今の時代に本当にマッチした内容になってくると思いますので、ぜひ、栗山構成員が言われましたように、この新・睡眠指針の中に属性、女性ですね、妊娠・子育てするのが、それがギャップとなって取り残されないようにしないといけないですから、ぜひそれを入れていただきたいと私個人的にも思っております。
【栗山構成員】  ありがとうございます。今回、新しくお子さんの側面を充実させるという目的に併せて、お子さんのことは親とのセットですので、そういった面でもやはり必要だと思っています。あと、妊娠後の子育ての関しましては、これは女性だけではなくて男性もやはり考えなければいけないこと、男性がきちんと考えなければいけないことという側面もありますので、女性のというくくりにはせずに、妊娠・子育てという形でまとめていくという方針が、班のほうでは御提案がありました。
【内村座長】  今、久留米大学でも、男性の出産のための休暇とか、育児休暇とか、最近たくさん出てきています。出産したあとの育児は夫婦でするものだということで、そういう意味では、栗山構成員が言われたように、男性も併せて一緒に行うことによって、少子化対策につながってくると思います。母子手帳の中では「両親」、「保護者」というふうに出てきています。今、女性の産後のうつ病からの自殺などが問題になっていますけれども、そこで男性も一緒に養育していくことによって、女性のそういううつからの自殺なども減ってくるでしょうし、親がどうこどもを育てていくかというのは、今の日本では非常に大事なことだと考えます。少ないこどもをいかに育てていくかということはとても大事です。
あと、今、発達障害のお母さん、ADHDやアスペルガーの方が妊娠して出産しているということが増えてきて、そして、きちんと育児ができないなどというお母さんも、今かなり増えてきています。そういう中で、やはり夫婦で子育てをしていくというのはとても大事なことだと思いますし、それがこどもの成長にもつながってくるということになると思いますので、ぜひ入れていだきたいと思います。
せっかくですから、尾崎構成員、駒田構成員から何か御意見がありましたらお願いしたいと思います。
【尾崎構成員】  私は高齢者のところが、やはりまだまだ、なかなか情報が行き渡らずに、8時間睡眠がいいと思っていらっしゃる方とか、あと、長く寝ればいいと思っていらっしゃる方も多いのではないかと思いますので、この睡眠指針できちんと対象を分けてメッセージを出していくということは、とても大事かと思います。
【内村座長】  駒田構成員、いかがでしょうか。
【駒田構成員】  先生方がおっしゃっていただいたように、指針も、女性、こども、そして女性を取り巻く社会環境、男性、家族全体という形で作っていくことが重要だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
【内村座長】  あと、小賀構成員、いかがでしょうか。何かコメントがあられたら。
【小賀構成員】  特にないです。全然関係ないかもしれないですけれども、私は、こういうものに「睡眠衛生」という言葉など、もう少しキーワード的なものが入るといいのではいなかと、今日、聞いていて思いました。
【内村座長】  「睡眠衛生」という言葉がということですか。
【小賀構成員】  そうですね、そういうキーワードみたいなものが入れば、いろいろな目標をどういうふうに立てるということを、かなり簡潔にメッセージを出しやすいのではないかと思うのです。
【内村座長】  栗山構成員、いかがですか。
【栗山構成員】  大変重要な御意見、ありがとうございます。私も小賀構成員がおっしゃるとおりだと思います。「睡眠衛生」というのは、我々の公衆衛生の普及・啓発上、非常に重要な概念ですので、そういったキーワードを使うということは賛成です。ただ、一方で、「睡眠衛生」という言葉を知らない方が世の中にはたくさんいらっしゃって、「何のことなんだ」という御意見もあります。したがって、班の中の意見としては、もう少しかみ砕いて、例えば、睡眠のためにいい生活習慣、睡眠環境、栄養、嗜好品などといったような言い方をしたほうが、より伝わるのではないかという意見もありました。したがって、その辺のタームの使い方に関しては、少しまた班内でも議論させていただけたらと思っております。
【内村座長】  栗山構成員、どうもありがとうございます。小賀構成員、よろしいでしょうか。
【小賀構成員】  はい、大丈夫です。ありがとうございます。
【内村座長】  確かに、分かりやすい言葉にしていくほうが、啓発する意味では大変意味があると思いますので、その辺も含めてまとめさせていただきたいと思います。あと、加茂構成員はいらっしゃいますか。
【山宮課長補佐】  事務局でございます。加茂構成員は本日御欠席でございます。
【内村座長】  そうしたら、今日参加しておられる方には一言御意見を言っていただきたいと思って、今、御指名しているのですけれども、あとは、堀越構成員は話していただきましたし、吉池構成員、吉﨑構成員にも御意見を頂きましたけれども、何か皆様方のほうから、このことは言っておきたいとか、もし御質問などあったらお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。いかがでしょうか。
【山宮課長補佐】  事務局でございます。吉﨑構成員が挙手されております。
【内村座長】  すみません。では、吉﨑構成員、どうぞ。
【吉﨑構成員】  たびたび失礼します。食生活と栄養についてですけれども、先ほど睡眠衛生のお話のところで「栄養」という言葉があったかと思います。栄養に関しては、睡眠をアウトカムとした因果の可能性は恐らくは十分ではなくとも、バランスの良い食生活が睡眠に影響を及ぼす、あるいは関連があるというのが、この10年で少しずつ疫学的な知見が増えてきていますので、健康日本21(第三次)との調和を図る意味でも、朝食の摂取とか夜遅い食事といった時間的な視点に加えて、バランスの良い食生活といった、食事内容の視点も併せて御検討いただきたいと、個人的には思っております。
【内村座長】  ありがとうございます。栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  大変貴重な意見、ありがとうございました。班内でもその議論は比較的時間をとってされたのですけれども、では、バランスの良い食生活とは何かという話もあったりして、具体的にどんな食生活がいいのかということをはっきりと御提示するということはどうなのだろうという意見が強かったのです。そうした中、そういった食事の内容と比べて、朝食を欠食とするとか、夜遅く食事をとるとか、そういったタイミングを是正することによる睡眠改善の効果が圧倒的に強いという話も出てきておりますので、今回は食事に関しては、食事の内容をフューチャーせずに、やはり「規則正しい食習慣」という表現でまとめさせていただきたいというのが班の総意ではございます。吉﨑構成員がおっしゃるポイントは非常に重要なポイントで、恐らく食事の内容は大変関係してくると思います。この次の10年は、その辺に注力して充実させる10年になるのではないかと、私は思っております。御意見ありがとうございます。
【吉﨑構成員】  ありがとうございます。栗山構成員がおっしゃるとおり、食品成分表のほうでも組成のデータが割と充実してきておりますので、今後の食事調査の中ではそういった食事内容に踏み込んだ睡眠との調査もたくさん生まれてくるだろうと考えております。もし、解説のところなどでそういったことに少しでも触れることができればと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。
【栗山構成員】  ありがとうございます。
【内村座長】  認知症の予防のためにはどういう食事がいいかという論議が出てくるのですが、地中海食はヨーロッパの人にはいいけれども、久山町研究などから、最近では日本人には日本食がいいのだというデータも出てきています。最終的には、吉﨑構成員が言われたように、バランスの良い食事が重要だというのは、当然示すべきだと思います。ただ、栗山構成員が発言されたように、食事との関係では、寝る前の食事や、朝食を抜くとか、あるいは夜間のスナックとか、その辺りの時間との関係で明らかなデータとして出てきていますので、指針はそういうデータにある程度基づいて作っていくことになると思います。特に若い人たちは偏食やコンビニなどで夜遅く夕食を食べる方も増えてきていますので、健康維持という意味で大変大事だと思います。どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、予定した2時間になってきています。今日は様々な立場から御意見が出てきたと思いますので、それを踏まえて、新しい睡眠指針が作っていければと思っております。
それでは、本日の議論はここまでとさせていただきまして、最後に今後のスケジュールなどについて、事務局のほうから御説明よろしくお願いします。

閉会

【山宮課長補佐】  今後のスケジュールについて御案内申し上げます。次回の委員会につきましては、今回の議論等踏まえて追って調整させていただきますので、お忙しい中おそれいりますが、よろしくお願いいたします。
【内村座長】  それでは、本日の検討会をこれで終了したいと思います。構成員の皆さんには、スムーズな議事進行に御協力いただきまして、ありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。どうもお疲れさまでした。