2023年4月24日 薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録

日時

令和5年4月24日(月)14:00~

出席者

出席委員(13名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(7名)
日本赤十字社 血液事業本部
行政機関出席者
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  渡辺顕一郎(血液対策課長) 他

議事

○渡辺血液対策課長 定刻を少し過ぎましたが、ただいまから、薬事・食品衛生審議会薬事分科会令和5年度第1回血液事業部会を開催いたします。
本日は、お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。この度の新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、本日もWebでの審議とさせていただきます。
委員の皆様の出欠状況についてお知らせいたします。西脇委員、松下委員、脇田委員から御欠席との御連絡を頂いております。また、荒戸委員、髙橋委員、館林委員、野村委員におかれましては、遅れて御参加いただける旨の御連絡を頂戴しております。本日の部会は、現時点で委員20名中13名の御出席を頂き、定足数に達しましたので、薬事・食品衛生審議会令第9条により、本部会が成立しましたことを御報告申し上げます。
 また、本日は、日本赤十字社血液事業本部から、佐竹正博経営会議委員、藤田秀行経営企画部次長、後藤直子技術部次長にお越しいただいておりますので、よろしくお願いたします。
 続きまして、全ての委員の皆様から、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き、御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に、「マル1議事次第」から「マル5参考資料2」までのPDFファイルが表示されているか、御確認ください。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声かけください。タブレットの使用方法については、お手元の「ペーパーレス審議会タブレット操作説明書」を御覧いただき、御不明な点がありましたら、事務局までお声かけいただけたらと思います。
本日は、Webでの審議となりますので、対面での進行と一部異なる部分があります。審議の進行方法について、御説明いたします。審議中に御意見、御質問されたい委員におかれましては、まず御自身のお名前と、発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、部会長から順に発言者を指名していただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、一度、皆様の発言を控えていただき、発言したい委員については、チャットにその旨のメッセージを記入していただきますようお願いします。その際、部会長から発言者を御指名いただくという手順をとりたいと思います。本日のWeb会議に際し、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がありますので、御了承いただければと思います。
 審議官は、公務のため遅れての参加となりますことをお詫び申し上げます。
この後の進行につきましては、三谷部会長にお願いいたします。三谷部会長、よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 それでは、議題に入りたいと思います。議題1は、「血液法に定める「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」の5年ごとの再検討について」です。事務局より、資料1について説明をお願いします。
○仲島課長補佐 事務局です。資料1について説明をさせていただきます。「血液法に定める「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」の5年ごとの再検討」について、ということです。
 1ページお進みください。基本方針の5年ごとの再検討についてということで、まず、2ページ、基本方針について簡単に触れさせていただきます。血液法第9条では、基本方針を定め、少なくとも5年ごとに基本方針に再検討を加え、必要があると認めるときはこれを変更するものとされております。前回、平成30年の見直しのときには、複数の者が採血事業者になることを想定した記述が追加され、もう一つ、輸出貿易管理令が改正され、血漿分画製剤が輸出できるようになったことを踏まえて、輸出に関する記述を追加したということで、2本ほど大きいものがありました。その後、この5年間は安定的な血液事業が運営されていたというところですので、大きな見直しはありませんが、今後を見据えたところで、検討する材料を集めるための方向性を盛り込んでみてはどうかと考えているところです。
 3ページ、基本方針の方向性についてです。令和5年3月20日に開催した血液事業部会運営委員会におきまして、事務局案を提示して、以下の見直しの方向性について、御議論いただきました。血液製剤の需給の将来見通し、献血血液の確保策、血液製剤産業の持続可能性を高めるための産業構造の見直し、血液製剤の安全性の向上、研究開発の推進、危機管理の観点を踏まえた供給体制の整備、血液製剤の適正使用、というところです。本日は、その御意見を反映して次ページ以降に整理したものを、御議論いただきたいということで、見直しに係る方向性の御了解を得るものです。
 4ページを御覧ください。「基本方針見直しの方向性(各論マル1)」です。血液製剤の需給の将来見通しという課題については、輸血用血液製剤、血漿分画製剤の需給見通しというものがあります。現行の基本方針、第二の一、二、第三の一、第五の一に、「中期的な需給見通し」が含まれるということで、大きく変わることではないことから、現行の基本方針の見直しはしないこととしてはどうかという方向性です。
 続きまして、献血血液の確保策という課題です。これらには、採血基準の在り方、将来の献血可能人口の減少を見据えた採血基準の在り方について、研究班結果や諸外国の基準を参考にした見直しがございます。献血可能時間延長、新しい生活様式への対応、献血者数の減少が過去に比べて大きい20~30代の勤労者をターゲットとした、新たな生活様式を踏まえた献血可能時間の延長や、献血の予約が一般化した中での新規献血者の確保策の検討がございます。ボランティアの活用というものでは、地域の実情に詳しい民間の献血推進組織等のボランティア団体との連携でして、国としての支援方法がございます。高等学校へのアプローチ、若年層の献血者確保に向け、全国の高校に配布している高校生向けのテキスト「けんけつHOP STEP JUMP」の活用方法がございます。これら課題について、基本方針に盛り込めるか検討して進めていきたいというところです。
 続いて、5ページの「各論マル2」、血液製剤産業の持続可能性を高める産業構造の見直しという課題についてです。国内自給率の向上では、血液法の基本理念に国内自給と安定供給の確保がありますが、国内自給に関しては100%に達していない製剤が多い。また、採算が合わないため製造が見送られている製剤もあります。国内メーカーの在り方では、血漿分画製剤の低い収益性に問題がありますが、収益性の改善に向けた対策はできておらず、国内自給率低下の要因になっています。輸出の在り方については、血漿分画製剤は、国内の血漿分画製剤製造メーカーは一番需要が多いグロブリン見合いで必要量を要求しています。そのため、連産工程で生じるグロブリン以外の中間原料、製剤などが余剰し、貴重な献血由来の原料血漿を有効活用できていないため、輸出の在り方を更に検討する必要があるというところです。これらの問題解消に向けて、議論や検討には様々なエビデンスの下、検討が必要なため、多角的な研究等を行い、また、議論、検討がなされた結果や方針については、国、採血事業者、製造販売業者等が連携し、着実に遂行することを基本方針に盛り込むのはどうかという方向性です。
 続いて、「基本方針見直しの方向性(各論マル3)」です。血液製剤の安全性の向上という課題では、血小板製剤の細菌スクリーニングの導入、PAS血小板の導入といった課題がありましたが、現行の基本方針の第六の三「安全性の向上のための技術の開発促進及び早期導入」に含まれる内容のため、現行の基本方針の見直しはしないこととしてはどうかという方向性でございます。ヘモビジランスの確立という課題では、現行の基本方針の第六の二「適切かつ迅速な安全対策の実施」の記載整備を検討してはどうかという方向性でございます。続いて、新型コロナウイルス感染症流行を経た血液製剤・原料血漿の安全性や有効性の評価という課題については、現行の基本方針の第六の二「適切かつ迅速な安全対策の実施」に含まれる内容ということで、基本方針の見直しはしないこととしてはどうかという方向性です。
 続いて7ページ、「基本方針見直しの方向性(各論マル4)」です。研究開発の推進という課題です。これらには、血液製剤代替医薬品等の研究開発支援というものがあります。製剤によっては原料血漿のほとんどを外国からの輸入に依存している状況がございます。代替医薬品を開発して、国内自給の確保推進に関する観点から、基本方針に血液製剤代替医薬品等の研究開発支援について盛り込んではどうかという方向性でございます。有効性・安全性の高い治療方針の確立の推進という課題については、血友病の治療を例に挙げていますが、国内献血由来製剤のシェアが下がり、遺伝子組換え製剤のシェアが伸びている現状があります。国内献血由来製剤と遺伝子組換え製剤のそれぞれを使用した治療方法について、学会が主導して長期的な有効性や安全性、医療経済の面から比較・検討することが求められております。そのような取組を国が支援していく方針を示すために、基本方針に有効性・安全性の高い治療方針の検討について盛り込んではどうかという方向性です。
 続いて、「基本方針見直しの方向性(各論マル5)」です。危機管理の観点を踏まえた供給体制の整備という課題では、災害時の配送手段の検討、医療機関間の輸血用血液製剤の融通、災害時における近隣諸国との輸血用血液製剤の融通といった課題があります。これらについては、現行の基本方針の第五の三「供給危機が発生した場合の対応」に含まれる内容ということで、今回の基本方針の見直しはしないこととしてはどうかという方向性です。血液製剤の適正使用の課題については、血液製剤保管管理マニュアルの改正という課題があります。これについても、現行の基本方針の第七の一「血液製剤の適正使用のための各指針の普及等」に含まれる内容というところで、基本方針の見直しはしないこととしてはどうかというところです。各疾患におけるグロブリン使用の適正化という課題もあります。こちらについても、現行の基本方針第七の二「医療機関における取組」に含まれる内容で、基本方針の見直しはしないこととしてはどうかというところです。
 最後に、9ページ、今後のスケジュールです。本日の血液事業部会で、方向性についてお認めいただけましたら、基本方針のどの部分に落とし込むのか、事前に頂いた御意見もありますので、それらを踏まえて、整理を事務局で行います。それを運営委員会で事前にもんでいただき、血液事業部会で確認していただきます。その後、文章にしたものも御確認いただいて、今年度の上半期を目途に取りまとめるということで、複数回の議論を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
説明は以上です。
○三谷部会長 ありがとうございました。ただいま、本年の3月20日に既に運営委員会の方で検討いただきました、見直しの方向性について、説明を頂きました。7点ほどポイントがありました。血液製剤の需給の将来見通し、献血血液の確保策、血液製剤産業の持続可能性を高める産業構造の見直し、血液製剤の安全性の向上、研究開発の推進、危機管理の観点を踏まえた供給体制の整備、血液製剤の適正使用ということで、7点ありましたが、いずれもかなり具体的に見直しの方向について御提案を頂いたものと思います。ただいまの説明について、御意見、御質問等がある委員の先生方はいらっしゃいますか。
○武田委員 御説明ありがとうございます。私からは2点、質問と意見をさせていただきたいと思います。
まず一つ目が、各論のマル2になります。血液製剤産業の持続可能性を高める産業構造の見直しというタイトルになっているところですが、ここは国内自給率の向上をそもそも目指したものであって、そのための施策として、この見直しということがあるのではと思っています。ちょうど各論マル3の方では、血液製剤の安全性の向上という目的があって、枝葉が下に書かれているという形になっていますが、ここだけちょっと枝葉が先に来ていて、目標や目的がその中に含まれてしまっているところです。むしろ、国内自給率の向上をタイトルとして、産業構造の見直しということもある、また、ほかの対策もあるということを幾つか併記をしていくという形の方が、望ましいのではないかと思います。
 もう一つが、各論のマル5に関連するところかと思いますが、今日の直接の議事の中とは少し離れるかもしれないのですが、今年に入ってから、グロブリン製剤の供給のところで、少し制限がかかるということがあったように聞いています。少しその辺りを、先に国の方から説明を頂いてもよろしいでしょうか。
○吉田需給専門官 事務局より回答します。1番目ですが、今回の基本方針に盛り込みたいと考えている課題に対して、様々な研究等を行い、研究で得たエビデンスをもとに議論していただき、血液製剤産業の見直しを図るというところですが、最終的には先生がおっしゃるとおり、血液法の基本理念である国内自給と安定供給の確保を図るというところにつながりますので、今後の資料作成や基本方針の文章として盛り込む際には、明確にできるように検討させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 グロブリンに関してなのですが、経緯から説明させていただきます。今回、各社が限定出荷になってしまっているという件になるのですが、日本血液製剤機構のグロブリン製剤について、2019年より限定出荷となっていました。昨年度の令和4年度ですが、例年以上に需要が多くひっ迫してきましたので、昨年度の12月に、限定出荷の再通知を医療機関に発出しました。こちらが起因となり、1月から3月は、日本血液製剤機構以外の武田薬品、KMバイオロジクス社、CSLベーリングに需要が分散され、各社想定以上の供給本数となり、在庫がひっ迫してきたため、本年4月に入り、全社から限定出荷の通知を発出しています。当課の方で、各メーカーに協力していただき、令和5年度、令和6年度の需給予測を早期に行いまして精査したところ、令和5年度の安定供給の確保はできる見通しとなりましたので、各都道府県、保健所設置市、特別区経由で、医療機関又は医療医薬品卸売販売業者に対して、令和5年度の安定供給の確保ができる見通しと、必要以上の大量購入や買占め等の行動を控えていただきたい旨をお願いする内容の通知を、4月19日に発出しました。こちらが現状の状態です。
○武田委員 御説明ありがとうございます。今、おっしゃっていただいたように、今年度の安定供給には問題がないということですので、実際の需要がいきなり増えたということではなくて、1月から3月の間に少し在庫がどこかで増えているということと推測をします。こちらの各論マル5のところにも、供給体制の整備や適正使用ということが書かれているのですが、供給と適正使用のところもそうなのですが、少し流通の部分といいますか、きちんと必要な人のところに必要な製剤が届くように、限定出荷となると新規のところに対応ができなかったり、本当に必要なときに。
○佐々木委員 すみません、音が全然こちらに聞こえてこないのですが。会場の声が聞こえてこないのです。私だけの問題だったらいいのですが。
○仲島課長補佐 武田委員からの御質問も聞こえていなかったというところからでよろしいでしょうか。
○佐々木委員 武田先生の御質問は聞こえていました。
○仲島課長補佐 事務局の回答から。
○佐々木委員 事務局の回答も聞こえました。
○仲島課長補佐 その後、武田先生が御発言されましたが、それが聞こえなかったということでしょうか。
○佐々木委員 聞こえていません。
○仲島課長補佐 では、武田先生の御発言からお願いいたします。
○武田委員 今、御説明いただいたところですと、今年度の安定供給には問題がないということでしたので、突然、需要が増えてということではなかったと推測をしています。どこかで在庫が増えているということなのかと。そうした面を考えたときに、各論のマル5で、適正使用、供給体制の整備ということが書かれているのですが、もう一つ、その流通の問題と言いますか、きちんとこの製剤を必要としている人のところに製剤が届くような仕組みということも考えていかなければいけないと思っています。現在、安定供給は確保されていると御説明はあったのですが、この先ももしかしたらこういったことが繰り返し起こるようなことがあるかもしれません。グロブリン製剤は、継続的に使っている患者さん、慢性の病気で使っている患者さんもいますし、また、急性の疾患ですぐに使わないといけないという患者さんもいると思います。そうした中で、必要な人に必要なこの製剤が届くようにというところは、きちんとこの基本方針の中でも考えていかなければいけないのではと考えています。私からは以上です。
○三谷部会長 武田委員、貴重な御意見ありがとうございました。
今回の見直しの方向性の3番目に産業構造の見直しがあったのですが、これは広い意味で国内の自給率を高める活動の一環であるので、この下に入れたらどうかという御意見であったと思います。
 もう一つは、昨年度末にγグロブリンの供給体制に多少問題があり、医療現場に届きにくかった時期がありましたので、流通も含めてこういうことがないように、体制整備をしてほしいという御意見でした。ありがとうございます。
ほかに、委員の方から、何か御意見、御質問はありませんか。宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。今、いろいろ御指摘があったように、私も医薬品の安定供給に関して、いろいろな審議会に出ていますが、同じような事象というか、そういうことが起こっている現状があります。ですから、やはりこの各論マル2の初めのポツのところですが、国内自給率の向上というのは、これは目的としてしっかりと掲げていかなければならない。この安定供給に関しての対応ができなければ、様々なことにいろいろな問題が起こってくる、派生的に起こってくるということです。特にその2段目の「低い収益性」について、採算が合わないため製造が見送られている製剤もあるということは一番の問題です。そういう意味で、医療用の医薬品に関しては薬価の問題など様々な問題があって、そこに困窮する状態が出ているものですから、同じように、採算が合わないため製造が見送られている製剤もあるということが、どういうことがそこで起こっているのかということをしっかりと把握する必要があります。これは国の施策として、採算が合わなければ、それに対してのしっかりとした補助も含めてしていかないと、国内自給率の向上が見られないということで、これが最大の目標になってくるのではなかろうかと思います。しかし、どのように産業構造を見直していくのか、今、事務局からもありましたが、その目的と結果というか、そういうものが少し逆転しているのではと思いますので、書き込みを含めてしっかりとした対策を立てていただければと思います。
 それから、今、御指摘のあったように、各論マル5のところですが、やはりグロブリン製剤も同じようなことがありまして、流通に関しても、その適切な情報の出し方というものをしっかり考えていただければと考えています。実際には、各医療機関は、やはり防衛のために、実際に患者さんのためにと思って、少しストックをしてしまったりすることがある。実際に限定出荷という形になりますと、そうせざるを得ないというところもありますので、その情報というものが、しっかりとした形で医療機関に届いて、そして適切に患者さんの手元に届くように、そういう情報の出し方もしっかりと考えていただければと思います。しかしながら、そういうことが起きないように、限定出荷そのものが起きないようにするということが大事なのです。いわば、これは二次的な情報の出し方ということで話していますが、そもそもこういうものに関しては、患者さんに対して困窮する状態が起こってはいけないということをしっかりと考えていかなければいけないので、この限定出荷ということも起こってはいけないと私たちは理解していかなければいけないのではと考えています。基本方針の見直しというか対策、方針を見直すのではなくて、しっかりとした見直しをした上で、対策だけではなく、具体的なそういうことに当たっての対応をしっかりとやらなければならない。つまり、いろいろな方針を並べて、いくらきれいな言葉が並んでも全く意味がないので、実効性のあるそのような書き込み、そして私たちがどのようにその対策をしっかり見守っていくのかというところまで、しっかりとした書き込みが必要であると思っていますので、是非よろしくお願い申し上げます。
○三谷部会長 宮川委員、ありがとうございました。
広くは国内自給率の向上ということに関係があるのかもしれませんが、やはり採算が合わないために製造が見送られているというような製剤に関しては、できれば国の指導が必要な点かと思います。
 また、宮川委員からも、γグロブリンの件、再度御指摘を頂きましたが、やはり限定出荷といったような事態にならないように、是非調整をお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 ほかに、御意見等はありませんか。Webで御参加の先生方、よろしいですか。田野﨑委員、お願いいたします。
○田野﨑委員 慶應大学の田野﨑です。私は第5番目のところの血液製剤の「危機管理の観点を踏まえた供給体制の整備」についてなのですが、そちらに関してはこの「危機管理」というときに、どの程度の災害かということで、今までの想定であればいいかと思いますが、災害の大きさによっても様々なものがありますので、あるいは前回、回復者血漿などを集めてというときも、なかなか容易にできなかったということもありました。一つ御検討いただきたいと思うのは、各医療機関側からの協力というのが、必要がないのかどうかということについて、日本赤十字社の方々からの意見も伺えたらと思います。例えば、今、血液センター、血漿を採ったり血液を採ったりするようなところは様々ありますが、実際にはいざというときに人手が足りなくなることがないかどうかという心配があります。各医療機関で輸血を専門にしているメンバーや、ほかの医療機関がそういうところに手伝いに派遣をするというようなことを、少し念頭に置いてもいいのではないかということについて、充足しているのかどうか、これについていかがなものでしょうか。以上です。
○三谷部会長 田野﨑委員、ありがとうございました。災害時の対策に関して、日頃から考えておかなければいけないのでしょうが、災害の大きさや種類、それによっても大分状況が違うかと思います。日赤の方での準備状況をお伺いされていたようですが、何かコメントはありますか。
○日本赤十字社佐竹経営会議委員 日本赤十字社の佐竹です。もちろん、日本赤十字社の中でも、いろいろなグレードの災害にどう対応していくかということは、長年かけてマニュアルを作ってきております。この東京圏、大阪圏、そういったところがほとんど機能麻痺したようなところから、僅かな人員での対応、いろいろなレベルでの対応の仕方を考えております。そこで、今、御提案がありました、医療機関の方々、スタッフの、日赤内での業務への協力という意味だったかと思いますが、そういうことについては、これまで余り考えたことは実はありませんでした。採血から製造までは、全てがGMPあるいは準GMPの下において、言ってみればガチガチに決められた中で行われていますので、ただいま御提案のあったようなことが、法的にあるいはルールの上で、どこまでできるのかというところ、そこから考えていかなければならないところがあります。超法規的な取組もあるかもしれませんが、その辺の仕組みから考えていきたいと思います。それについては、もちろん即答はできませんので、持ち帰って、どの程度までそういうことが考えられるかということを、こちらでも検討してみたいと思います。
○三谷部会長 コメントありがとうございました。恐らく、田野﨑委員がおっしゃっていたのは、製造の過程ではなくて、採血センターでの採血の人手のことをおっしゃっていたのかと思います。あと、できれば医療機関から人手を融通できたらというようなお話もありましたけれども、大都会で大きな輸血部がたくさんあるところだといいのですが、地方は、実際に災害があった場合にお手伝いに行けるかと言われると、なかなか難しいのかという気がいたしますが、できる施設でそういうこともシミュレーションしていただくことは意味があるかもしれません。ありがとうございました。田野﨑委員、これでよろしいですか。
○田野﨑委員 はい。ありがとうございます。了解です。
○三谷部会長 ありがとうございます。ほかに、先生方から御質問はおありでしょうか。よろしいですか。
多分、これからも議論は続けていただくということだと思いますが、本日は、御意見、御質問は以上とさせていただきたいと思います。
それでは、事務局におかれましては、本日の部会の意見を踏まえ、基本方針の改正案を、まずは運営委員会において議論を行っていただき、逐次、血液事業部会においても議論を行うこととして、基本方針の見直しの議論を深めていただくようお願い申し上げます。
 本日の議題は以上ですが、委員の皆様からほかに追加の御発言等はおありでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、事務局に議事進行をお返ししたいと思います。
○渡辺血液対策課長 三谷部会長、どうもありがとうございました。今回、この事業部会を開催するに当たって、事前にも各委員の皆様方と個別にもやりとりをさせていただきまして、このような形で大きな方向性が定まってきたと考えている次第です。ありがとうございます。それで、基本方針のこれまでの記載ぶりを考えますと、割と具体的な記載というのが少ないように思うのですが、今日の御意見でも出ていましたように、やはりきっちり書いておかないと伝わらないもの、分かりにくいものについては書き込むべきだと思いますし、情報のレベルにはある程度配慮しつつも、書き込んでいくことは書き込みたいと思っていまして、今後、どのような表現ぶりがよいのか、また事務局の方で整理しながら、御相談させていただきたいと考えております。予定では、次はまた運営委員会を開催させていただいて、これまで運営委員会、事業部会で議論してきたことを、一歩進めていきたいと思っております。
それでは、日程についてはまた別途御連絡差し上げますが、これにて令和5年度第1回血液事業部会を終了させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

血液対策課 課長補佐 仲島(2909)