2023年6月29日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

日時

令和5年6月29日(木)10:00~

出席者

出席委員(18名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(7名)五十音順
行政機関出席者 
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  大久保貴之(安全使用推進室長) 他

議事

○医薬安全対策課長 定刻になりましたので、令和5年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会を開会いたします。本日御出席の先生方におかれましては、お忙しい中御出席を賜りましてありがとうございます。本日の部会についてはYouTubeによるライブ配信で行うこととしております。御理解と御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省のホームページに掲載いたします。また、今回もWeb開催でございますので、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、先立ちまして審議の進行方法等について事務局より説明させていただきます。
○事務局 御説明申し上げます。まず、ハウリング防止のため御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御発言のタイミングが重なったりした場合には、部会長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪かった場合などは、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡をいたしますので御確認をお願いいたします。
 事務局からは以上です。以降の議事進行は部会長の岡先生にお願いいたします。
○岡部会長 よろしくお願いします。議事に入る前に、委員の出欠状況、審議への参加等について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 最初に、本日の委員の出欠状況について御報告をいたします。本日は後藤委員、佐藤薫委員、清水委員、多賀谷委員、舟久保委員、三村委員、萬委員より御欠席との御連絡を頂いております。本部会の委員25名中、現時点で18名の先生方に御出席を頂いておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により定足数に達していることを御報告申し上げます。
 続いて、議事参加について御報告をいたします。本日御出席の委員の方々の過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況を御報告いたします。本日の議題に関して、対象品目の製造販売業者については、事前にリストを各委員にお送りして御確認を頂いておりますが、石井委員より、大正製薬株式会社より50万円以下のお受け取り、小宮根委員より、佐藤製薬株式会社より50万円以下のお受け取りとの御申告を頂いております。これらの御申告については、追ってホームページで公表させていただきます。
 最後に、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告をさせていただきます。薬事分科会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員より適合している旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対して、御意見や御質問等はありますか。よろしいでしょうか。
 続いて、事務局から配布資料について御説明をお願いします。
○事務局 資料は、あらかじめメールにてお送りさせていただいております。議題1に関して資料1-1~1-4、議題2に関して資料2-1~2-11、議題3に関して資料3-1~3-7、議題4に関して資料4-1及び4-2、議題5に関して資料5-1及び5-2、議題6に関して資料6がございます。このほか、議事次第・資料一覧、委員名簿、参考資料1として薬効分類表、参考資料2として「PMDA医療安全情報」No.65「徐放性製剤の取り扱い時の注意について」、競合品目・競合企業リストをお送りしております。また、このほかに、当日配布資料がございますので御確認をお願いいたします。お手元に御用意のない先生方がいらっしゃいましたら事務局まで御連絡をお願いいたします。また、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらの御参照をお願いいたします。
○岡部会長 ありがとうございます。当日資料もありますので御確認いただければと思います。
 それでは、議題1「一般用医薬品のリスク区分」についてに入ります。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1、「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。表に記載されている品目は、現在、第1類医薬品に分類されており、この度、製造販売後調査の終了に伴い、一般用医薬品として第1類医薬品から第3類医薬品のいずれのリスク区分とするか検討をお願いするものです。
 まず、一般用医薬品のリスク区分の変更手順について御説明いたします。2ページの「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」を御覧ください。手順としては、3の(1)として、安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行い、その結果リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行います。(2)として、安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について、医薬品等安全対策部会で調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっており、本日は(2)の位置付けです。
 続いて、一般用医薬品のリスク区分を御説明いたします。6ページを御覧ください。第1類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれのある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、又は、新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過していないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する文書による情報提供の義務があります。
 第2類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品で、第1類医薬品を除くものであって厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者等は、情報を提供するための設備から7メートル以内の範囲に陳列する、指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置をとることとされております。
 第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。リスク区分の変更手順についての説明は以上です。
 次に、フルチカゾンプロピオン酸エステルについて説明いたします。資料1-2を御覧ください。販売名は「フルナーゼ点鼻薬 季節性アレルギー専用」です。効能・効果は、花粉による季節性アレルギーの鼻づまり、鼻水、くしゃみのような症状の緩和です。用法・用量は、15歳以上の成人に1日2回朝夕、左右の鼻腔内にそれぞれ1回1度ずつ噴霧します。1年間に3か月を超えて使用しないこととされています。
 下の製造販売後調査概要を御覧ください。特別調査とは、個別に薬局と契約をして、モニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、調査症例数が1,028症例で、副作用が14例18件ありました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、異常感2件、無嗅覚、眼瞼痙攣、喘息、鼻閉、鼻漏、口内炎、口唇炎、腹部不快感、酩酊感、疼痛、心拍数増加及び気道内異物の各1件が報告されました。使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、副作用が6例9件ありました。このうち、重篤と判断された症例はなく、未知の副作用として、異常感、無気肺、鼻漏及び鼻臭の各1件が報告されました。
 続いて、安全対策調査会での審議の概要を御説明いたします。資料1-2の2ページを御覧ください。調査会は、耳鼻咽喉科の専門家の参加の下で審議を行い、参考人からは、本剤について医療用として実臨床での使用経験が多数あり、副作用頻度調査、一般調査の結果からも安全性が高いことから、3ページの表に記載している類薬と同様に、指定第2類医薬品としての販売については問題がないとの意見が出ました。参考人の意見も踏まえ、本剤は、類薬であるフルニソリド、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル及びテトラヒドロゾリン・プレドニゾロンと同様に、指定第2類に分類することが妥当との結論となりました。
 パブリックコメントに寄せられた御意見は資料1-4を御覧ください。今回、1通の御意見がありました。2ページに御意見の内容及び回答案を記載していますので、こちらも踏まえて御審議のほどよろしくお願いいたします。説明は以上です。
○岡部会長 ただいまの御説明について、何か御意見や御質問等はありますか。パブリックコメントも含めて資料を見ていただければと思います。指定第2類とするのがいかがかという調査会の意見ですが、よろしいでしょうか。
 それでは、フルチカゾンプロピオン酸エステルのリスク区分についての議決に移ります。調査会の方で指定第2類が適当ということで意見がまとまっているわけですが、フルチカゾンプロピオン酸エステルについては、指定第2類医薬品とするということでよろしいでしょうか。コメント等がありましたら、御意見あるいはメッセージでコメントを頂ければと思います。よろしいですか。
 御異議なしということでさせていただきます。それでは、今後の予定について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。御審議いただいた結果に基づき、リスク区分の変更に係る手続を進めさせていただきます。
○岡部会長 事務局からの御説明で御質問等はありますか。よろしいでしょうか。それでは、本議題は終了したいと思います。
 議題2「医薬品等の市販後安全対策について」に入ります。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料2-1「令和4年度の安全対策」について御説明します。1ページ、「1.過去5年間(平成30年度~令和4年度)の副作用等の報告数の推移」を御覧ください。副作用等については、医薬品医療機器等法第68条の10第1項の規定により、製造販売業者は医薬品等の副作用による疾病の発生等を知ったときには報告することが義務付けられております。また、医師、歯科医師、薬剤師等の医薬関係者についても、同条第2項の規定により、医薬関係者が保健衛生上の危害の発生・拡大を防止するために必要があると認められるときは、副作用等を報告することが義務付けられております。この制度に基づき報告された過去5年間の副作用等の報告数をお示ししております。
 (1)では医療用医薬品、要指導医薬品、一般用医薬品を含む医薬品の国内副作用等報告についてお示ししております。令和4年度の製造販売業者からの副作用報告は7万1,176件、医薬関係者からの副作用報告は1万1,819件でした。製造販売業者からの副作用報告は、前年度と比較して約1万件、医薬関係者からの副作用報告は約3万件の減少となりました。新型コロナワクチンに係る報告が製造販売業者からの副作用報告のうち約5,800件、医薬関係者からの副作用報告のうち約3,400件を占めております。また、(2)では平成26年11月より報告の対象となったコンビネーション医薬品の不具合報告、(3)では平成26年4月より報告の対象となった医薬部外品・化粧品の報告について件数をお示ししております。
 2ページ、「2.安全対策上の措置数の推移」を御覧ください。過去5年間に厚生労働省が行った使用上の注意改訂指示等、安全対策上の措置数の推移を示しております。
 3ページ、「3.令和4年度の安全対策について」を御覧ください。(1)には令和4年度の当部会の開催結果概要を、(2)には安全対策調査会の開催結果概要をお示ししております。14ページの(3)には、当課が発行している医薬品・医療機器等安全性情報に掲載した記事をお示ししております。
 17ページを御覧ください。機構のホームページに掲載している過去5年間の副作用報告の公表数をお示ししております。18~32ページには機構のホームページに公表した副作用報告のうち、因果関係が不明なものも含め、公表した全ての死亡症例のラインリストを、また、33ページ以降には因果関係が否定できないと評価された死亡症例のラインリストをお示ししております。資料2-1については以上です。
○事務局 続いて、資料2-2「医薬品の使用上の注意の改訂」について御説明いたします。令和5年3月に開催された令和4年度第4回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、改訂指示通知を発出した品目の一覧をお示ししております。資料には、改訂内容、改訂理由、直近3年度の国内外の副作用症例の集積状況などをまとめております。これらの使用上の注意の改訂については、本部会の先生方に御確認いただいたものであり、また、改訂時にPMDAメディナビで配信するとともに、機構のホームページと医薬品・医療機器等安全性情報にも掲載しております。資料2-2については以上です。
○医療情報活用部長 続きまして、資料2-3について御説明させていただきます。本年3月以降に実施しました機構での行政利活用の調査結果で公表した案件を、資料2-3の一覧でお示ししておりまして、3件あります。時間の関係もありますので、詳細は割愛させていただきますが、簡単にその調査結果について御説明を申し上げたいと思います。
 資料2-3の3ページ、3/120ページを御覧ください。この調査は、COVID治療薬の処方実態をMID-NETを活用してみたものです。調査期間は2020年4月~2021年12月末ですので、最近承認されたCOVID治療薬は含まれておりませんが、こういったCOVID治療薬については、その処方実態が不明な点もあり、今後、医薬品の安全性評価を進める上で、まずは実態を把握することが重要と考えて実施したものです。
 左側の方を見ていただくと、対象集団として約1万5,000人の患者さんが特定できております。これはCOVID-19の病名を持った患者さんと考えていただければと思います。そのうち、入院加算というもので特定しておりますが、入院患者さんとして5,800人余りが特定できています。
 この入院患者さんについて処方実態をグラフ化したものが右側にあります。例えばブルーで示されているもの、これはデキサメタゾンですが、徐々に処方が増えているということが確認できるかと思います。その後ろにグレーのバーでお示ししているものがありますが、これは日本のCOVID-19の新規の陽性患者数というものをプロットしておりまして、日本における感染状況に比例する形で処方数が増えているということが御確認いただけるかと思います。レムデシビルという薬を赤で示しておりますが、こういったものも最近は処方が増えています。その上に少し薬事上の状況など記載しておりまして、例えばレムデシビルについては2020年5月に承認され、その後2021年1月には効能・効果が改訂されるなど、そういった状況を踏まえて、この処方というのが変わってきていると思います。
 デキサメタゾンについては、2020年6月にRECOVERY試験というものがあって、有効性が示されるという結果が報告されておりますので、そういったことを反映した結果なのだろうと考えております。
 今回の調査に基づいて、医療現場としては、最新の科学的知見に基づいて適切に処方薬が選択された結果、時期によって異なる傾向が認められたものと思っておりますので、我々としては、こういった処方実態を踏まえて、今後、適切な医薬品評価が行えるよう、更に検討を進めてまいりたいと考えているところです。
 4ページです。この後にMID-NETの早期安全性シグナルモニタリングの結果を御説明したいと思いますが、前回の部会でもお話させていただきましたが、早期安全性シグナルモニタリングのシグナル検出というものがどういうものなのかを、改めて簡単に御説明させていただきたいと思います。これは、MID-NETを用いて、定型的な調査計画に基づき、迅速かつ効率的に医薬品の安全性情報を収集することを目的として実施している調査です。現在のところ対象としているアウトカムは、そこに示しております肝機能系統、腎機能系統、血液系統、その他バイオマーカー系統の四つの大きなグループを対象にしておりまして、処方後にこういったアウトカムを発現した患者さんを同定し、それを曝露群と対照医薬品の発現率を求めて、それを比較するといったような手法です。この調査については、解析のデータ期間を少しずつ延ばしながら実施するということで、市販後、初期の段階から繰り返し実施していくということを想定している調査です。
 その下に留意点を書かせていただいておりますが、早期安全性シグナルモニタリングについては、このシグナルの有無を迅速かつ効率的に得るということを目的としておりますので、通常、薬剤疫学調査で実施されるような厳密な患者背景の調整等はできておりません。あくまでも年齢及び性別に限って調整しておりますので、併用薬とか合併症、重症度等の影響は十分に考慮できていない可能性があるということが一つの限界です。それから、あくまでも我々は安全性シグナルという形で捉えておりますので、こういったシグナルが認められた場合でも、それが直ちにその医薬品のリスクを示すものとは考えておりませんので、こういったシグナルをきっかけに、よりその次のステップとしてどういった検討を行うべきであるかを早期に考え、医薬品安全対策に役立てていきたいと考えて実施しているものです。
 5ページに実際の結果をお示ししております。これはCOVID19治療薬で対象としているチキサゲビマブとシルガビマブでして、エバシェルドという薬についてのシグナル検出の結果です。調査の条件と書かせていただいておりますが、これまでに解析が3回終了しております。1回目の調査の期間は2016年~2022年の末まで、2回目は2023年2月まで、3回目は2023年5月までの結果を出しています。
 比較対照薬については、効能・効果とか投与経路の類似性というもので選択しておりまして、今回はロナプリーブという薬、それからこれについてもまだ十分な安全性が確立されていないということで、別の薬としてインフルエンザの治療薬ではありますが、同じ注射剤のペラミビルという薬も対照としながら評価しているところです。
 結果の要約ですけれども、そこに示しておりますように、エバシェルド投与の患者さんにおいては、ラピアクタ群との比較によりますけれども、白血球減少及び血小板減少において、ハザード比の推移等から安全性シグナルが認められたというように我々としては考えているところです。
 下を御覧いただきますと、ハザード比ですが、3回目の結果で3.23あるいは2.99というように示されていることが御確認いただけるかと思います。ロナプリーブを対照とした調査におきましても、血小板減少において同様のシグナルが認められております。
 上記以外のアウトカムですが、先ほど御紹介した四つの系統で、ここでお示ししている以外のアウトカムについては、これまでのところ一貫した傾向が認められなかった、あるいはシグナルが認められなかったというように評価させていただいております。
 では、本調査結果ですが、先ほど申し上げましたように、患者背景等を厳密に調整できておりませんので、そういったものが影響した結果としてシグナルが認められている可能性があります。したがって、我々としては、これが必ずしもその薬のリスク、副作用を示すものではないというように考えております。今回認められたシグナルについては、今のところ十分な安全性情報が集積されているわけではない中間的な評価と考えておりまして、治験で得られた結果であるとか、これまでの副作用報告、その他の安全性情報から現時点では、特段の安全対策措置は不要と考えておりますが、引き続き情報の収集に努めたいと思っております。
 また、今回のシグナルというものも認められておりますので、令和5年度に実施する調査では、安全性シグナルモニタリングとは別に、もう少し詳細に患者背景等を調整した調査も実施したいと考えておりまして、そういったところでもエバシェルドの安全性については、引き続き検討させていただく予定です。
 6ページは、ゾコーバ、エンシトレルビルについてのシグナル検出の結果です。解析期間は先ほど申し上げたように、3回目までの結果が得られております。比較対照薬については、こちらも同じ経口投与という中で、比較的に効能・効果が類似しているものを選んでおりますが、ラゲブリオ、モルヌピラビルという薬と、インフルエンザの治療薬であるタミフル、オセルタミビルを選んでおります。
 結果の要約ですが、今回、ゾコーバ錠については12例ということで、対照患者数が非常に少なかったということです。ゾコーバ錠については、いずれのアウトカムについても認められておりませんので、発現率比としては全てゼロという結果でした。今回、まだ症例数が少ない段階での中間報告になりますので、本調査については、引き続き継続しながらゾコーバの安全性情報の収集に努めたいと考えております。
 7ページ以降は、それぞれの調査結果の概要をお示ししておりますが、時間の関係もありますので、説明は割愛させていただきます。資料2-3については以上です。
○事務局 続いて、資料2-4を御覧ください。「ワクチンの安全性に関する評価について」です。令和5年3月7日、3月10日及び4月28日に開催されました安全対策調査会と厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同部会におきまして、ワクチンの安全性について御評価いただきました。1ページの1の(1)は、新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等についてです。各新型コロナワクチンにおける報告状況を表1にお示ししております。いずれの開催回におきましても、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと評価されています。
 続いて、(2)は、心筋炎及び心膜炎についてです。心筋炎については表2を、心膜炎については表3を御確認ください。
 4ページの(3)は死亡症例についてです。表4を御確認ください。コミナティについて、令和5年3月10日の合同部会にて、ワクチン接種と死亡との因果関係が否定できないと評価された症例が1例報告されています。本事例はアナフィラキシー疑いの症例として報告されたもので、ワクチン接種の直後に症状が発症し、急激な進行の後に死亡に至ったこと、基礎疾患などの患者情報や接種後の状況について臨床経過に係る詳細な情報が得られたこと、死後画像検査等からワクチン接種以外の原因として死因となる具体的な異常所見が同定されなかったことなども勘案し、「ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できない」と評価されております。
 ショック、アナフィラキシーについては、新型コロナワクチンの添付文書の「重要な基本的注意」の項において接種開始より既に注意喚起しているところではありますが、合同部会での議論を踏まえ、同日付けで新型コロナワクチンの接種に伴い副反応を疑う症状が生じた者への対応について事務局連絡を発出し、接種前に問診を十分に行うとともに、接種後一定時間は被接種者の状態を観察することについての注意喚起、接種後に副反応を疑う症状が生じた場合に適切に対応するための体制整備等のほか、詳細な情報提供を求め、因果関係評価に係る情報収集とその報告をするよう、自治体を通じて医療機関にお願いしております。また、本事例も含めまして、3月10日、4月28日の合同部会にて御審議いただき、ワクチンの安全性において重大な懸念は認められないと評価いただいております。
 5ページの2は、令和5年3月7日の合同部会の報告になります。新規に接種が開始される新型コロナワクチンであるコミナティ筋注5~11歳用(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)の副反応疑い基準について、現時点において臨時接種の対象となっている全ての新型コロナワクチンと同様に、アナフィラキシー、血小板減少を伴う血栓症(TTS)、心筋炎、心膜炎、熱性けいれん、その他の反応を副反応疑い報告基準として扱うことが副反応検討部会にて議決されました。
 5ページの3は、令和5年4月28日の合同部会の報告になります。過去の合同部会における委員からの御指摘を踏まえ、新型コロナワクチン接種後の肺塞栓症のリスク解析について、国内の副反応疑い報告を基に複数の解析条件でO/E解析を実施したところ、全ての解析条件で、いずれの性別及び年齢層においても、背景発現率と比べて報告頻度に統計学的な有意差は見られず、現時点で追加の安全対策措置は不要とされました。詳細については、本資料末尾の別添資料を御確認ください。
 6ページの4からは、新型コロナワクチン以外の各ワクチンの報告状況についてです。(1)は報告状況の概要です。令和4年10月1日~令和4年12月31日までの期間における各ワクチンの報告状況について表5にお示ししております。これまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置をとる必要はないとされています。(2)は死亡症例についてです。令和4年10~12月末までの対象期間に2例報告され、「ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの」とされた症例はありませんでした。
 8ページの5は、2022/2023シーズンのインフルエンザワクチンの報告状況です。令和4年10月1日~令和4年12月31日までの報告状況は表6のとおりとなっており、こちらもワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと評価されています。資料2-4は以上になります。
○事務局 資料2-5を御覧ください。「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」を御説明します。令和5年3月22日、5月10日及び6月7日に開催されました安全対策調査会におきまして、参考人として、本部会の多賀谷委員、宮﨑委員から御意見を頂き、副作用等の報告状況を踏まえ、追加の安全対策の要否について御審議いただきました。
 副作用等の報告状況について最新の資料である6月7日の安全対策調査会のものをお示ししております。初めに、製造販売業者からの副作用報告の状況について御説明します。資料は2ページからになります。集計対象期間は5月23日までであり、推定使用者数は5万4,924人です。当該期間における製造販売業者からの報告頻度は3ページの別紙のとおりで、重篤副作用として10例の報告があります。4ページの別添1に症状別報告件数をお示ししております。5ページの別添2に症例一覧を、6ページからの別添3に基礎疾患等及び症例経過をお示ししております。
 次に、医薬関係者からの副作用報告の状況について御説明します。9ページからになります。集計対象期間における医薬関係者からの報告頻度は10ページの別紙のとおりです。症状別報告件数は、11ページの別添1を御覧ください。
 次に、製造販売業者の公表資料である市販直後調査の終了報告を御説明いたします。12ページからになります。集計対象期間における非重篤な副作用の報告頻度は、13ページの別紙のとおりです。また、非重篤症例の副作用収集状況は、17~19ページのとおりです。
 20ページからのRMPの重要な潜在的リスクである催奇形性に係る情報については、昨日付けで塩野義製薬が公表した資料で情報の更新がありましたので、当日配布資料6/35ページを御覧ください。5月23日までの市販直後調査においては、投与後に妊娠していることが判明した症例が2例と、妊娠検査薬で陽性反応が出た症例が1例の計3例が集積されておりました。その後、6月7日の安対調査会後に新たに投与後に妊娠が判明した症例が3例確認されています。いずれも同意取得はされておりましたが、一部の症例において、RMP資材である事前チェックリストが使用されていない事例が含まれていたことも鑑み、塩野義製薬は、医療従事者へ事前チェックリストの活用等の徹底をお願いするとともに、患者さんに妊娠している可能性をより深く考えてもらうために事前チェックリスト等のRMP資料を改訂し、妊娠している可能性のある場合には本剤を使用できない旨の強調、「避妊をしていても妊娠していないとは限らない」との追記等を行っています。改訂後の資材は、当日配布資料の24/35ページ~35/35ページのとおりです。当方としても、最新のRMP資材の活用の徹底をお願いしたく、事務連絡の発出、PMDAメディナビの配信、厚労省Twitter等のSNSでの啓発を検討しております。もし、御意見がありましたら、後ほど御発言いただけますと幸いです。
 資料2-5の22ページに戻りまして、RMPの重要な不足情報として、中等度以上の肝機能障害患者での安全性に係る情報が収集されております。中等度以上の肝機能障害患者への投与が5例集積されておりますが、副作用等の発現はみられなかったとのことです。
 いずれの安全対策調査会においても、追加の安全対策は不要とされました。重篤副作用として報告された症例No.7の「浮腫・発疹」については、その後の情報収集により急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)であったことが判明しており、前回の調査会で企業の詳細調査を踏まえて、安全対策を検討することになっておりましたが、機構が外部専門委員による専門協議を実施し、その結果を安全対策調査会の委員の先生方に御連絡させていただいており、AGEPについては、引き続き関連症例の集積等に注目することになりました。
 また、調査会後に、症例No.10のアナフィラキシー反応の詳細調査結果が得られたこと、新規のアナフィラキシーショックの症例報告が1例あったことから、アナフィラキシーを注意喚起することについて、現在検討しております。
 最後に、調査会の開催頻度については、前回の調査会で、AGEPやアナフィラキシー等の注目すべき症例について必要な対策は迅速に行いつつも、6か月間の市販直後調査が終了し、推定使用患者数は約7万例と使用経験が蓄積していること等から、頻度を落としてはどうかという御意見を頂きました。前回3月の安全対策部会でも、同様の御意見を頂いておりましたが、安対調査会での御意見も踏まえ、御意見等がありましたら、こちらも後ほど御発言いただけますと幸いです。緊急承認された医薬品の市販後安全対策については以上となります。
○事務局 続きまして、資料2-6を御覧ください。濫用等のおそれのある医薬品の範囲の見直しについて、令和5年4月1日より適用していますが、一般用医薬品の濫用等を未然に防ぐことを目的とし、啓発ポスターを作成しました。作成したポスターについては、令和5年3月22日付けで事務連絡として都道府県等に発出しており、店舗等へ掲示して御利用いただくよう、薬局開設者、店舗販売業者及び関係団体への周知をお願いしています。資料2-6については以上になります。
○事務局 続いて、資料2-7を御覧ください。令和5年5月9日付けで、医薬・生活衛生局医薬安全対策課の事務連絡「アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤含有製剤、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤及び直接的レニン阻害剤(以下「RA系阻害剤」という)の添付文書等に記載する「使用上の注意」の改訂に係る患者向けの資材の活用について」を発出しましたので御報告させていただきます。
 資料2-2の3ページでも示しておりますが、5月9日付けで使用上の注意改訂通知を発出し、これらのRA系阻害剤について、妊娠する可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること及び妊娠する可能性がある女性に投与が必要な場合の注意事項を追記等することを日本製薬団体連合会宛てに通知しました。RA系阻害剤の使用について、より一層の御理解を頂くために、患者の方への説明文書のひな形を作成しており、投薬等する医療従事者等に広く周知するよう依頼しています。資料2-7は以上になります。
○事務局 資料2-8を御覧ください。「サリドマイド登録システム(SMUD)年次報告書の公開について」を御説明いたします。サリドマイド等については、医師等により個人輸入されるサリドマイドの使用状況等を把握するとともに、その適正使用を確保するため、使用登録・管理システムであるSMUDについては、令和3年4月1日より厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課がSMUD事務局を務めています。
 今般、SMUD事務局業務として運用が開始された平成22年3月~令和4年12月末日までのSMUDの運用状況について取りまとめ、本年5月12日に年次報告書として、SMUDのホームページ上に公開しましたので御報告いたします。資料2-8については以上です。
○事務局 資料2-9を御覧ください。5月19日付けで医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知「薬用歯みがき類「チェック・アップコドモA」の使用後に発現したアナフィラキシーについて(依頼)」を発出しましたので御報告させていただきます。
 今般、薬用歯みがき類の「チェック・アップコドモA」の使用後にアナフィラキシーを発現したとされる症例が、令和4年12月~令和5年5月の間に3例報告されました。いずれも転帰は回復しています。現時点では、本製品の使用とアナフィラキシーの発現の因果関係は明らかではありませんが、本製品の使用に関する安全性について、より注視していく必要があると考え、都道府県等衛生主管部(局)長に対して、医療関係者等に本製品を患者に使用する際に既往歴の確認も含めアナフィラキシーの発現に注意していただきたいことと、アナフィラキシー等が現れたときは使用を中止し、速やかに医療機関を受診するよう保護者等に御説明いただくよう周知いただきたいことなどを通知したので、御報告します。
 なお、本通知発出後、6月27日時点でアナフィラキシーの事例は報告されておりません。資料2-9については以上です。
○事務局 続いて、資料2-10について御説明いたします。ニトロソアミンについては、数年前からバルサルタン、ラニチジン、メトホルミンなどの医薬品から、ニトロソアミンの一種であるNDMAなどが検出されたことを受けまして、国内外で大部分の医薬品を対象としたニトロソアミン類混入リスクの自己点検が行われています。先般、抗うつ薬であるノルトリプチリン塩酸塩製剤からニトロソアミン類が検出されたことを受け、本剤の服用による健康影響評価等について、6月7日に安全対策調査会を開催し審議しておりまして、その結果を踏まえ、事務連絡を6月8日に発出しておりますため報告いたします。
 ノルトリプチリン塩酸塩製剤(以下「本剤」という)からは、N-ニトロソノルトリプチリンというニトロソアミン類が検出されております。
 1に示していますとおり、こちらは、本剤の有効成分がニトロソ化することにより生成すると考えられています。一般的に、ニトロソアミン類は発がん性を有する可能性がございますが、N-ニトロソノルトリプチリンの発がん性の有無は不明です。一方、欧州医薬品庁(EMA)は、N-ニトロソノルトリプチリンについて、この物質と構造が類似する化合物の毒性データを用いて1日許容摂取量を定め、公表しています。N-ニトロソノルトリプチリン生成の詳細な原因については、現在、本剤の製造販売業者により調査が進められているところです。
 2を御覧ください。N-ニトロソノルトリプチリンが発がん性を有すると仮定した場合の発がんリスクの程度について、EMAが参照している毒性データに基づき検討した結果、本剤150mgを毎日服用し、その使用期間が通常10年間は超えないと仮定した場合、理論上の発がんリスクの上昇の程度は、4.4×10-と推定され、これは生涯でおよそ2万3,000人に1人が過剰にがんを発症する程度のリスクに相当すると評価されました。
 続いて、3を御覧ください。この発がんリスクの上昇の程度は、国際的なガイドライン(ICH-M7ガイドライン)で許容されている発がんリスクの上昇の程度である「おおよそ10万人に1人の増加」を上回っています。一方で、本剤は三環系抗うつ剤であり、投与量の急激な減量又は服用の中止は離脱症状を生じるおそれがあります。そのため、医療現場において、患者自身の自己の判断のみにより服用を中止しないよう説明いただきたいこと、また、現在本剤を服用している患者には、2で示したリスクの程度とともに、ほかの治療選択肢についても、医師又は薬剤師により説明を頂き、検討いただくよう、事務連絡には記載しております。
 また、製造販売業者は、本剤中のN-ニトロソノルトリプチリンについて安全対策調査会における審議結果を踏まえた暫定管理値を設定し、当該管理値を超えたロットは出荷しないこととしています。当該対応については、最新の知見等に基づき、必要に応じて見直しを行うこととしています。
 加えて、製造販売業者においても、本剤の使用による健康影響評価の結果を情報提供した上で、本剤を使用中の患者に対して、医療現場において他の抗うつ薬等への切替えを検討するよう呼び掛けていることを申し添えます。資料2-10については以上になります。
○事務局 続きまして、資料2-11「医薬品安全性監視における医療情報データベースの活用とその事例について」を御説明いたします。資料2-11を御覧ください。これまで、医薬品製造販売業者が製造販売後の医薬品安全性監視において医療情報データベースを利用する上での基本的な考え方については、平成29年6月の医薬品審査管理課長及び安全対策課長連名通知である「製造販売後の医薬品安全性監視における医療情報データベースの利用に関する基本的考え方について」において示してきたところです。製造販売後の医薬品安全性監視において、医療情報データベースの活用は、再審査及び再評価のための製造販売後調査だけに限られるものではなく、様々な活用方法が期待されているところであり、今般、製造販売後の医薬品安全性監視における医療情報データベースの更なる活用を促進するため、これまでの活用事例等を踏まえ、「医薬品安全性監視における医療情報データベースの活用とその事例」を取りまとめ、本年6月9日に事務連絡として発出いたしましたので御報告いたします。資料2-11は以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。ただいまの資料2-1から資料2-11までの御説明について、委員の先生方から御意見、御質問等ございますでしょうか。いかがでしょうか。特に、2-5、緊急承認された医薬品については、幾つか御意見を頂ければという事務局の御説明だったかと思います。何かございましたらよろしくお願いします。宮﨑委員、お願いいたします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。先ほどの、緊急承認されたゾコーバですが、安全対策調査会で、1例1例重篤な副作用があったものについて、半年の間に見させていただきました。その結果、事務局に申し上げたこととしましては、約7万例程度の処方実績があって、重篤な副作用が10名程度おられて、引き続き患者さんの経過を追う、あるいは状況を見守るということが必要なものもありますが、おしなべて特段の追加措置が必要なことはこれまでも起こっておりませんし、7万例ということもあって、調査会で毎月これを審議する必要性も低くなったと個人的には考えまして、調査会等での本剤の審議は数か月に1回程度でもいいのではないかと申し上げたところです。
○岡部会長 ありがとうございます。何かこの点について御意見はございますか。今回は妊娠例等への対応とか、そういうことについては引き続き注意しながらということで、委員にも適宜御連絡して、調査会で周知をしているところですけれども、開催についてはもう少し間隔を開けてはどうかという御意見かと思います。事務局から御意見はございますか。
○事務局 調査会の頻度については、昨日付けの塩野義製薬の資料では、ゾコーバ錠の納入数量を用いた推定使用者数は10万人を超えておりまして、調査会で頂いた御意見も踏まえますと、今後の開催については、部会長の岡先生に御相談させていただきつつ、迅速に対応が必要な案件があれば開催を検討するものの、市販直後調査終了を一区切りとし、今後はもう少しまとまった情報が得られたタイミングごとに開催することがいいのではないかと考えております。
○岡部会長 ありがとうございます。この点についてはただいまのような形でもよろしいでしょうか。承認のときの条件が1か月に1回ということで今まで開催してきました。よろしいでしょうか。皆さんの確認ができましたので、私の方でも適宜最新の情報を頂きながら、事務局と相談しての適宜開催という形を考えさせていただこうかと思います。ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。いろいろな説明を頂けたかと思いますが、よろしいでしょうか。そうしましたら、議題2の報告は以上とさせていただきます。
 議題3「医薬品等の副作用等報告の状況」についてに入ります。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 資料3-1を御覧ください。医薬品医療機器等法第68条の12の規定に基づき、厚生労働大臣は、副作用等の報告状況について薬事・食品衛生審議会に報告することとされておりますので、本資料に基づき御説明いたします。今回の報告期間は令和4年12月1日~令和5年3月31日までです。
 資料の1.には、製造販売業者からの副作用報告と感染症報告の状況を示しております。(1)には国内症例、(2)には外国症例の報告件数をお示ししており、国内症例については副作用報告、感染症報告のいずれも前回と比べて減少しており、2万3,857件のうち約1,600件はコロナワクチンに関する報告であり、コロナワクチンの報告に関しては前回から減少しています。(1)の国内症例の内訳は資料3-2にまとめてお示ししております。
 (3)には医薬品たるコンビネーション製品における機械器具等に係る部分の不具合報告件数をお示ししております。医薬品たるコンビネーション製品とは、インスリンペン注等、機械器具等と一体的に販売するものとして承認を受けた医薬品をいうものであり、例えばインスリンペンのペン部分の故障といった不具合の報告件数を示したものとなります。医療機器・再生医療等製品安全対策部会への報告件数を再掲していることから、本資料の中でこの箇所のみ報告期間が異なることに御留意ください。この内訳についても、(1)と同じく、資料3-2にまとめてお示ししております。
 (4)は外国での新たな措置の報告件数をお示ししており、前回と比べて件数は増加していますが、年単位では横ばいであり、その変動の範囲と理解しています。内容については資料3-3にお示ししております。
 (5)は研究報告の報告件数をお示ししており、こちらは前回と比べて減少していますが、年単位では横ばいであり、その変動の範囲と理解しています。報告された文献等のリストは資料3-4にお示ししております。
 続いて、2.医薬関係者からの報告について御報告いたします。ワクチン類を除く医薬品の副作用報告とワクチン類の副反応報告とに分けてお示ししており、これらのうち、重篤症例については企業若しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構が詳細調査を行うこととしておりますので、重篤なものの件数及びそのうち機構が詳細調査を行った報告の件数についてもお示ししております。このうち、ワクチン類を除く医薬品の副作用報告の件数は前回から約130件増加しておりますが、変動の範囲と理解しています。また、他のワクチン類の報告件数はほぼ横ばいでした。なお、機構が詳細調査を行った報告の内訳については資料3-5にまとめてお示ししております。
 最後に、3.副作用救済給付又は感染症救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告について、御報告いたします。報告期間内に救済給付に関する決定がなされたものの件数を、副作用救済給付、感染症救済給付についてお示ししております。なお、その内訳は資料3-6にまとめております。資料3-1~資料3-6については以上です。
○事務局 続きまして、資料3-7「患者からの医薬品副作用報告の状況について」を御説明いたします。資料3-7を御覧ください。患者からの医薬品副作用報告の状況については、今回の報告分は令和4年12月1日~令和5年3月31日までの分となります。今回の報告期間中の総受付症例数は125例でした。そのうち、未回復、後遺症がある又は死亡したと報告された症例は96例でした。125例の内訳として、医療用医薬品を一つでも含む報告は121例であり、要指導・一般用医薬品を一つでも含む報告は5例でした。全症例の副作用報告の状況は、医療用医薬品については別紙1に、要指導・一般用医薬品については別紙2にそれぞれラインリストを示しております。医療用医薬品について報告された副作用のうち、報告の多い薬効分類は、上からワクチン類、催眠鎮静剤・抗不安剤、精神神経用剤でした。なお、新型コロナワクチンの報告症例数は、前回41例であったのに対し、今回は69例と増加しております。資料3-7については以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。ただいまの資料の御説明について、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、議題3の報告は以上とさせていただきます。
 議題4「医薬品の感染症定期報告の状況について」に入ります。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題4の感染症定期報告について御報告いたします。資料は4-1と4-2になります。まず、感染症定期報告について、制度の概要を御説明いたします。医薬品医療機器等法に基づく副作用等報告におきましては、製造販売業者から、その製造販売をする医薬品によるものと疑われる副作用・感染症を報告することが義務付けられております。他方で、血液製剤やワクチン等の生物由来製品につましては、その原料はヒトその他の生物に由来するため、細菌、ウイルス等が含まれている可能性が完全には否定できません。また、その感染症自体の性質として、時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間後に症状が顕在化してくるという可能性もあります。このような性質も踏まえまして、生物由来製品につきましては、製品への直接的な影響が不明であるものも含め、定期的に製品の原料、材料による感染症に関する報告を行うことを義務付けられており、これが感染症定期報告となります。
 なお、感染症定期報告で寄せられたものにつきましては、本医薬品等安全対策部会のほか、血液事業部会運営委員会において報告を行っております。以上が感染症定期報告の概要です。
 資料は4-1と4-2がありますが、資料4-2が重複を含む期間中の全ての報告になります。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料4-1になります。
 それでは、資料4-1を御覧ください。今回の報告は令和4年12月1日~令和5年3月31日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略いたしますが、今回新たに報告された文献は33件ございました。これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員と宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に事前に御確認いただいておりますが、この場で紹介すべきコメントは頂いておりません。議題4については以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局の御説明について、何か御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、議題4の報告は以上とさせていただきます。
 続きまして、議題5「医薬品等の回収報告の状況について」です。事務局から御説明をお願いいたします。
○監視指導・麻薬対策課 令和4年度における医薬品等の回収報告の状況について御報告いたします。資料は5-1と5-2を御用意しておりますが、資料5-1が報告状況を総括したもの、資料5-2が各報告事例を一覧にしたものです。本日は資料5-1に沿って御説明いたしますので、資料5-1を御覧ください。
 まず、冒頭の部分ですが、医薬品医療機器等法第68条の11の規定に基づき、製造販売業者等は、その製造販売などを行う医薬品や医療機器等を回収するときは、回収に着手した旨及びその回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならないとされています。また、「医薬品・医療機器等の回収について」という通知を発出しておりますが、回収に当たっての基本的な考え方や手続の詳細などについて明確化を図るとともに、回収着手報告がなされた場合には、すべての事例をインターネット上で公表しています。
 医薬品等の回収状況については、医薬品医療機器等法第68条の12の規定において、毎年度、薬事・食品衛生審議会に報告を行うこととされておりますので、本日御報告させていただきます。1.回収件数年次推移の表を御覧ください。回収件数の年次推移をお示ししております。令和4年度については、医薬品が754件、医薬部外品が15件、化粧品が70件、医療機器が351件の計1,190件で、令和4年度は例年と比べて医薬品の回収件数が多いことから、総回収件数も多くなっております。
 2ページの2.令和4年度医薬品・医療機器等の回収件数及びクラス分類の表を御覧ください。表の左上、医薬品のクラスI回収の件数は593件で、いずれも血液製剤の回収事例でした。昨年度は251件でしたので、約350件の増加となっております。これらの事例は、主には献血後に献血者の方が病原体による感染が確認されたとの連絡を受けた場合などに未使用であった血液製剤を回収した事例です。新型コロナ感染症の流行が令和4年度の医薬品の回収件数及び医薬品等の総回収件数の増加に大きく影響したものと考えております。
 その他、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の報告件数について、大きな動向の変化はございませんでした。資料5-1及び資料5-2の報告は以上です。
○岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、議題5の報告は以上となります。
 議題6「その他」にまいります。事務局から御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より、資料6について御説明します。機構の電子報告システム、報告受付サイトを用いた医薬関係者からの副作用等報告のお願いについてです。資料6の2ページを御覧ください。
 医薬関係者からの副作用等報告や副反応疑い報告については、FAXなどの手段に加えて、現在は報告受付サイトの御利用により、報告書の作成から機構への提出まで、オンラインで効率的に行えるようになっています。プルダウンでの選択など直感的な操作のしやすさに加えて、作成中の報告書の一時保存や御報告済みの症例について新たな情報を得た場合に、以前御提出いただいた報告書の情報を利用して追加報告を作成いただけるなど、ユーザビリティに配慮した作りになっています。電子報告ですので、FAXや電子メールなどで心配な誤送信のリスクもございません。
 報告受付サイトを用いた報告の周知・普及については、これまで専用のリーフレットや機構のメディナビ、厚労省が発行する冊子などで展開してきたところですが、この度はさらに3ページに示していますとおり、マンガ形式の紹介動画を作成し、今年の5月より公表を開始いたしました。動画作成に当たっては、厚労省に監修を頂くとともに、亀田総合病院の舟越先生など、先生方に多くの御助言を頂きました。先生方におかれましては、お忙しいところ御協力いただき誠にありがとうございました。紹介動画は、院内の研修や学会の幕間等で御利用いただくことを想定しており、15秒と90秒の2種類を準備しております。15秒動画では報告受付サイトの概要を簡潔に御説明しています。また、90秒動画では、様々な職種の医薬関係者に御覧いただくことを想定して、業務の流れの中で利用方法や機能の一部を紹介する形式としました。
 4ページを御覧ください。動画は画面右上のQRコードから機構の報告受付サイトのページにアクセスして御覧いただけます。また、機構のYouTube Channelにおいても公開しています。本日は、事務局の方で15秒の動画を準備していただきましたので御覧ください。
(動画の放映)
○医薬品医療機器総合機構 改めて4ページを御覧ください。動画やリーフレットは機構の報告受付サイトのページからダウンロードが可能となっております。手書きの煩わしさや誤送信のリスクがなく、一時保存機能など便利な機能を備えた報告受付サイトをより多くの医薬関係者の皆様に御利用いただけますよう、またリーフレットや動画も含めて報告受付サイトの周知に御協力いただけますよう、心よりお願いいたします。資料6については以上です。
○岡部会長 ありがとうございます。ただいまの御説明に御意見、御質問等ございますでしょうか。デジタル化ということで、電子報告システムの周知についての御説明だったかと思います。よろしいでしょうか。それでは、議題6については以上となります。
 予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 特にございません。本部会の次回の開催につきましては、委員の先生方に改めて御連絡をいたしますのでよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○岡部会長 それでは、本日の部会は閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬安全対策課 課長補佐 浦(内線2752)