2023年2月17日 薬事・食品衛生審議会 化学物質安全対策部会 議事録

日時

令和5年2月17日(金)16:00~

出席者

出席委員(14名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)
行政機関出席者
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  大久保貴之(化学物質安全対策室長) 他

議事

○化学物質安全対策室長 お待たせしていまして恐縮です。定刻を若干過ぎているところ、山崎先生が現在接続中ですが、議事については開始をさせていただきたいと思います。
 ただいまから、令和4年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会を開催させていただきます。皆様には、お忙しい中御参加いただき、ありがとうございます。
 本日の部会は、対面ではなくWeb開催としており、委員の皆様には厚生労働省外から御参加いただいています。また、傍聴に関しては、YouTubeでライブ配信を行っています。資料については、通信負荷軽減の観点から、基本的に画面には投映しませんので、傍聴されている方々を含め、Webサイトに掲載している資料をお手元に御用意ください。
 また、オンライン会議に関して注意点を申し上げます。御発言時以外は、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御発言いただく際は、はじめにお名前をお知らせください。音声の調子が悪い場合は、チャットによりメッセージを送ってください。動作不良等がありましたら、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。万一、ビデオ会議が途中で終了してしまった場合は、事務局からメールで御案内します。
 前回の部会以降、委員の交代がありましたので御報告します。永沼章委員が御退任されています。
 次に、部会長については、本年1月26日に開催されました薬事分科会において、合田委員が本部会の部会長に選出されていますので御報告申し上げます。
 続いて、部会長代理の指名です。薬事・食品衛生審議会令第7条第5項では、部会に属する委員のうちから、部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理することとされています。合田部会長からは事前に平林委員を御指名いただき、平林委員にも御了解いただいていることを御報告します。
 それでは以降の進行については、合田部会長にお願いいたします。
○合田部会長 それでは、本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。議事に入る前に、最初に委員の出席状況等の報告を、事務局からお願いいたします。
○化学物質安全対策室長 化学物質安全対策部会の総委員数は15名であり、定足数が過半数の8名となっています。本日は、福内恵子委員が御欠席で、山崎委員も入られていますので、現在14名の委員の方々に御出席を頂いています。このため、この会議は定足数を満たしていることを御報告申し上げます。
 続いて、薬事分科会への適合性についてです。薬事分科会規程の第11条では、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しています。全ての委員の皆様より、同規程の11条に適合している旨御申告いただいていますので、報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度、書面で御提出を頂き、御負担をお掛けしていますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 続いて、会議の公開等についてです。本日の会議は、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、又は、特定の者に不当な利益又は不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とすべき場合には該当しないため、公開で行い、資料及び議事録も公開する予定となっていますので、御承知おきいただければと存じます。
 なお、審議事項(1)に関して、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律を厚労省とともに共管している、経済産業省及び環境省の担当者にもオブザーバーとして出席いただいていることを申し添えます。
○合田部会長 それでは議事を進めたいと思います。資料は事務局より事前に電子ファイルで送付されていますが、何かあればその都度おっしゃってください。
 まず審議事項の(1)「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約新規対象物質の化学物質審査規制法第一種特定化学物質への指定について」ということです。本日は審議事項二つ、報告事項一つですが、そのうちの一つ目の審議事項に入りたいと思います。まず、この審議事項について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。審議事項(1)について御説明します。資料1-1に基づき御説明します。資料1-1は、1ページから7ページが詳細な説明資料となっており、8ページから19ページが資料1-1の概要をまとめた別添のスライドとなっています。
概要に基づき説明したいと存じますので、資料1-1別添、9ページを御覧ください。こちらの図では、化審法の体系を示しています。化審法の大きな柱の一つが、新規化学物質の事前審査です。左側にある「新規化学物質」の所を御覧ください。新規化学物質を製造又は輸入しようとする者は、製造又は輸入に先立って、当該物質に関する分解性、蓄積性及び毒性に関するデータを、国に届ける必要があります。本部会の下に置かれている化学物質調査会において、その試験結果等に基づいて審査が行われ、この判定結果が届け出た者に通知された後、初めて新規化学物質を製造又は輸入するという仕組みになっています。それが、化学物質の事前審査制度です。
 もう一つ、化審法の大きな柱として、化学物質の性状等に応じた規制及び措置があります。真ん中辺りに「第一種特定化学物質」等の四角枠があります。化審法では、第一種特定化学物質、監視化学物質、第二種特定化学物質といった規制区分が設けられています。今回はその第一種特定化学物質の規制について、御審議いただきたく存じます。
 10ページを御覧ください。その第一種特定化学物質の主な規制措置を示しています。第一種特定化学物質の代表的な規制が、1番、製造・輸入の許可制。これは実質上の禁止を意味するところです。また3番として、例外的な用途以外の使用の禁止になります。この他、2番、第一種特定化学物質が使用されている製品の輸入の禁止。4番、製造・取り扱う場合の技術上の基準への適合等があります。化審法において第一種特定化学物質として指定する化学物質は、POPs条約で規制対象物質となった物質を指定しています。
 11ページを御覧ください。そのPOPs条約に関する説明です。POPsとは残留性有機汚染物質の略です。この条約においては、マル1からマル4に書かれている、人又は生態に対する毒性、難分解性、生物蓄積性、長距離移動性を有する化学物質をPOPsと定めています。このような物質による環境汚染というのは、1か国による取組では防止することが難しいために、1か国にとどまらない環境汚染防止の取組が必要となっています。そういった観点から、国際条約を通じて、製造・使用等の原則禁止の措置を講じることにより、国際的にPOPsの廃絶、削減等を行うものとなっているところです。四角い枠の中にPOPs条約について書かれていますが、日本は2002年8月に締結しているところです。このPOPs条約での対応を検討する締約国会議は、2年に1回開催され、これまでに10回開催されています。専門・技術的な事項については、この国際会議の下部組織である委員会、通称POPRCにおいて審議がなされています。
 12ページです。POPs条約における主な規制措置です。POPs条約では、附属書A、B、Cで、各国が講ずるべき規制の措置が異なります。附属書Aに追加された物質は、製造・使用を禁止する措置を講じる必要があり、去年の6月、赤字で記載しましたとおり、ペルフルオロヘキサンスルホン酸とその塩及び関連物質が追加されたところです。
 13ページです。去年6月のCOPの概要です。ペルフルオロヘキサンスルホン酸、いわゆるPFHxSとその塩及びPFHxS関連物質が附属書Aに追加されました。例外的な用途の規定はありませんでした。日本を含めてこの条約を締結している連盟国は、その対象となっている物質について条約を担保できるよう、国内の諸法令で規制しているところで、日本においては化審法による規制を検討する必要があるところです。
 14ページです。POPs条約で製造・使用等が禁止された化学物質について、審議会における化審法に基づいて検討する必要がある事項を示しています。まず1番、当該化学物質を第一種特定化学物質に指定することに関して御審議いただきます。その御審議で御了承いただければ、2番、3番、4番に関して御審議いただきたいと考えています。この1番に関しては、昨年の11月18日開催の化学物質調査会等の3省合同審議会で御了承いただいているところです。
 15ページです。第一種特定化学物質の指定に関する審議です。ペルフルオロヘキサンスルホン酸とその塩に関しては、第一種特定化学物質への該当性の評価検討を行ったところで、当該物質については、分解性、蓄積性、人への健康影響、及び動植物への影響に係る知見が蓄積されており、またPOPsとしての要件を満たすことがPOPRCにより科学的に評価されています。これらの知見を踏まえると、当該物質は難分解性、高蓄積性、かつ長期毒性を有し、第一種特定化学物質相当の性状を有すると考えられることから、第一種特定化学物質に指定したいと考えているところです。
 16ページです。POPs条約上では、PFHxSとその塩に加え、PFHxS関連物質についてもPOPsとして規制することとしています。このページの下にありますとおり、関連物質に関しては「分解されてPFHxSとなる化学物質」とされており、条約においては廃絶対象としているものが個別具体的に示されているわけではありません。このような状況で、条約事務局は、具体的な物質を示した「例示的リスト」を示していますが、例示的リストに現在掲載されている物質については、「PFHxS関連物質」に該当しないような物質も含まれているという指摘があることから、現在、条約における例示的リストの動向を踏まえ、関連物質として指定すべき物質について検討を進めているところです。このような状況ですので、まずPFHxSとその塩を、第一種特定化学物質に指定したいと考えています。
 最後、17、18、19ページは、POPRC等で示されたPFHxSとその塩に関する有害性の概要を示した資料です。こちらの内容を踏まえまして、昨年の11月の3省合同審議会で、第一種特定化学物質に指定することを御了承いただいたところで、本化学物質安全対策部会でも御了承いただきたく存じます。
事務局からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○合田部会長 それでは、ただいまの事務局からの説明内容について、御意見等、ございますでしょうか。私は皆さんのお顔が見えませんので、御意見のある方は、是非ビデオを一旦つけて、アクションをしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○平林部会長代理 平林でございます。よろしゅうございますでしょうか。
○合田部会長 よろしくお願いします。
○平林部会長代理 昨年11月の化学物質調査会において、本件について審議いたしました。人健康影響関連につきましては、特に大きな議論はなかったこともあり、調査会としては事務局の提案内容を妥当と判断したところでございます。以上です。
○合田部会長 平林先生、ありがとうございます。ただいま平林先生から追加の説明がございましたが、皆様、何か御意見等ございますでしょうか。五十嵐先生、お願いします。
○五十嵐委員 ちょっと確認をしたいのですが、今回、ペルフルオロヘキサンスルホン酸が附属書Aの方に入っているのですが、一方で前回のペルフルオロオクタンスルホン酸が附属書Bに入っている。この差というのは、オクタンスルホン酸の方は用途が限られても何か必要だからということでBに移ったということなのですか。
○合田部会長 事務局、分かりますか。
○事務局 事務局です。まず資料1-1の、ページ数といたしましては12ページ、タイトルが「POPs条約に基づき各国が講ずるべき対策」というページを見ていただきたいのですが、先ほど先生がおっしゃった、昨年議論させていただいたペルフルオロオクタン酸とその関連物質に関しましては、附属書Aという所でございまして、附属書Bに入っているというのはどちらになりますでしょうか。
○五十嵐委員 スルホン酸のPFOSですか、PFOSがBですよね。
○事務局 すみません。PFOSはBです。
○五十嵐委員 それがBに入っているという理由は、何かPFOSを使う先が、やはりどうしても捨て切れないということですか。要は、ペルフルオロヘキサンスルホン酸は、同じスルホン酸でも、附属書Aに入るということは使用用途が全部禁止ということでと思うのですが、Bは、用途が何か必要ということでかなと思ったのですが、そういう理解でよろしいですか。
○事務局 はい。当時の整理としましては、附属書Bの最後に括弧が付いているのですけれども、半導体用途や写真フィルム用途における製造・輸入を禁止しないという除外規定が設けられているので、附属書Bに入っていたというところかと考えています。
○五十嵐委員 分かりました。もう1点よろしいでしょうか。今回、このペルフルオロヘキサンスルホン酸が、長期毒性を有しているので、第一種特定化学物質相当に指定としています。この物質の人健康影響を見ると、それほど毒性があるというようなデータがなくて、毒性情報が不十分だとか、一貫性がないという結果が出ているように見えました。長期毒性は、人健康又は動植物、「又は」でくくって二つについていたと思うのですが、実際、調査会の方では、この表のうちのどの辺のところから「長期毒性がある」と判断されたのか、教えていただきたいと思います。
○合田部会長 ありがとうございます。これは平林先生、分かりますか。それとも事務局の方がよろしいですか。
○事務局 事務局の方でまず説明させていただきまして、それで何か補足があれば、平林先生からお願いしたいと思います。
 人健康影響に関しましては、いわゆる化審法というのは大体動物実験の方で人健康影響というのを判断しているところですが、こちらの物質に関しましては、17ページの一番上にあるような実験動物への影響、また次のページでいきますと、これも生殖発生毒性の実験動物への影響、こちらの方などを見た上で判断しております。あと、過去の物質と比べまして、第一種特定化学物質の指定をすることは適切だと考えた上で、指定しているということです。
○合田部会長 どの部分がどこにという。
○事務局 どの部分といいますと、マル1の「一般毒性」の「実験動物への影響」のところ、反復投与毒性試験と生殖発生毒性試験のスクリーニングの併合試験等、こちらの方の試験で見ていると考えております。
○五十嵐委員 「一般毒性」の「実験動物への影響」というところですか。
○事務局 はい。主にそういったところを見て判断したということです。
○五十嵐委員 人健康はそこだけで、むしろ横の「動植物への影響関連」の方が、いろいろ毒性が懸念されるとかも出ていますので、こちらなのかなと思ったのですが。
○合田部会長 この「人健康影響関連」というのは、「一貫性がない」というものが出てくると、どこまでそこで判断していいのか、ということだけですよね。多分五十嵐先生はそれを見て思われたのではないかなと思うのですよね。これは多分、実験動物の影響というのはかなり明確に出ていますけれども、先ほど生殖毒性も言われましたけれども、生殖毒性のところも「証拠は不十分である」とか「結果に一貫性がない」とかという形で書かれていましたから。多分、環境影響というのはあるかなと私は思いますね。
○五十嵐委員 そうですね。生態影響で長期毒性と言われたのかなと、判断されたのかなと思いましたので。
○合田部会長 平林先生、何かありますか。
○平林部会長代理 事務局からの説明がございましたが、主に化審法では実験動物の影響を中心に審議をいたしました。それから、もちろん御指摘のとおり、動植物への環境影響というのと、両方の面で判断をしております。確かに環境影響の方が大きいというような御判断もあったかとは思いますが、明らかに動物試験でも毒性がかなり強いというようなことから、判断をしたというふうに理解しています。以上です。
○五十嵐委員 分かりました。
○合田部会長 ありがとうございます。皆様よろしいですか。ほかに御質問等ございますか。
○頭金委員 質問というよりもコメントに近いのですが、今回は関連物質について、POPRCで明確にされていないため、指定からは外されているということだと思います。現時点ではその判断でよろしいかと思うのですが、今後、その関連物質について、分解してPFHxSが生成するような物質が特定された際には、できるだけ速やかに指定されることが望ましいと考えております。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。分解物質ですかね。今回いかないのは、分枝鎖のPFHxSとその塩という話だったと思いますが。
○頭金委員 恐らく、分解してPFHxSが生成する可能性のある物質が「関連物質」定義ではなかったかと思います。
○合田部会長 事務局よろしいですか。
○事務局 はい。今回指定するのが、直鎖のPFHxSと分子鎖のPFHxSとその塩でございまして、その関連物質というのは、今、頭金先生がおっしゃったとおり、分解してPFHxSになるものを「関連物質」という形で考えております。
○合田部会長 下の方の「関連物質」で。ごめんなさい、ちょっと私が勘違いしたのは訂正しますけれども、今の頭金先生の御質問の部分はよろしいですか、事務局。
○事務局 はい。その関連物質で具体的に分解されてPFHxSになるような物質が指定された際には、3省合同審議会等で議論を速やかに進めてまいりたいと我々も考えております。ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。
○頭金委員 それで結構です。よろしくお願いします。
○合田部会長 では、ほかに御質問等ございますか。よろしいですか。それでは、議論が尽きてきましたので、本件についての質疑を終了したいと思います。事務局より本件の取扱いについて説明をお願いいたします。
○事務局 まず、今回御審議いただきました、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約新規対象物質の化学物質審査規制法第一種特定化学物質への指定については、資料3のとおり、厚生労働大臣から、薬事・食品衛生審議会に諮問されており、薬事分科会の規程において、本件諮問に係る事案は本化学物質安全対策部会で審議することになっております。
資料1-2の「「ペルフルオロヘキサンスルホン酸とその塩」の化学物質審査規制法第一種特定化学物質の指定について」を御覧いただければと思います。資料1-1で御審議いただきました内容に基づき、ここに記載されている物質に関しては、第一種特定化学物質として指定したいと考えております。以上です。
○合田部会長 ありがとうございました。それでは、本日審議いただいた内容について、資料1-2のとおりとすることが適当であるとして部会で了承してよろしいでしょうか。
特に御異議がないようですので、御了承いただいたものといたします。事務局から、今後の手続について説明をお願いいたします。
○事務局 今後の手続ですが、こちらの物質に関しましては、次に御審議いただく内容等を踏まえ所定の手続を行っていきたいと思います。次の審議内容を踏まえた上で、また御説明させていただければと思います。
○合田部会長 はい、ありがとうございます。
それでは、「ペルフルオロヘキサンスルホン酸とその塩が使用されている製品で輸入を禁止するものの指定等について」ということで、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。二つ目の審議事項に関して説明したいと思います。資料2-1に基づいて説明いたします。資料2-1は、1から17ページが先ほどの資料1-1と同じように詳細な説明資料になっており、18から22ページが、その概要をまとめたスライドとなっております。概要に基づいて説明したいと思いますので、資料2-1の別添、19ページを御覧ください。
 19ページです。先ほどの議論で、1番の「当該化学物質を第一種特定化学物質に指定すること」について、御了承いただいたところです。ここからは、主に3番と4番に関して御審議を頂きたいというように考えているところです。こちらの内容については、今年の1月17日に開催した化学物質調査会等の3省合同審議会で御了承いただいているところです。では、説明いたします。
 まず20ページです。2番の所ですが、「例外的に使用を認める第一種特定化学物質の特定用途の指定」という所です。前半の御審議のときに申し上げたとおり、PFHxSとその塩に関しては、POPs条約で例外的に認める用途はございません。ですので、化審法の第一種特定化学物質としても、例外的な使用を認める用途はないというように考えております。
 続きまして、次の21ページでございます。3番「取り扱う場合の技術上の基準を定める第一種特定化学物質が使用されている製品の指定」に関してです。PFHxSとその塩に関しては、第一種特定化学物質に指定されることでその使用はかなり限定されるところではありますが、一方、既に在庫等の形態で存在している製品は、第一種特定化学物質に指定された後も使用が継続される可能性があるというところです。その可能性がある主要な製品として、赤字で示した泡消火薬剤というものが挙げられます。現時点でPFHxSとその塩が使用された泡消火薬剤の存在は確認されていないところではありますが、PFHxSはPFOSの代替物質として使用されてきたものであり、また、国内への輸入状況は不明であるものの、海外でPFHxSとその塩を使用した泡消火薬剤の製造実績があることを鑑みて、PFHxSとその塩を使用した泡消火薬剤が市中に存在していることは否定できないというところから、その取扱いについて、環境汚染を未然に防止するための措置を講じることが望ましい。つまり、これらの取扱事業者は取り扱う際には化審法上の技術基準に従わなければならない製品として、指定するのが適当であるというように考えております。
 最後、22ページです。4番の「輸入を禁止する第一種特定化学物質が使用されている製品の指定」に関してです。PFHxSとその塩についてはストックホルム条約において廃絶の対象物質として決定されたことから、今後諸外国においても、その製造・使用が禁止される予定です。こうしたことを前提に、国内におけるこれまでの使用状況と、当該化学物質が使用されている主な製品の輸入状況及び海外における使用状況を調査しました。その結果、緑色の枠の中にある製品に関しては、当該製品中にPFHxSとその塩が使用されている場合には、輸入を禁止する措置を講じることが適切だというように考えているところです。
 これらの内容を踏まえて、本年1月17日開催の3省合同審議会では、所要の措置に関して御了承を頂いたところで、本日、本部会においても御了承を頂きたく存じます。
事務局からの説明は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○合田部会長 ありがとうございます。本件について、化学物質調査会の座長の平林先生、何かコメントはありますか。
○平林部会長代理 平林です。本年1月の化学物質調査会において、本件について審議しております。調査会としては、事務局の提案内容を妥当と判断したところです。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、事務局の説明と平林先生の追加説明について、皆様、御意見や御質問等はありますか。
特に御意見や御質問等もないようですので、事務局より本件の取扱いについて説明をお願いいたします。
○事務局 今、御審議いただいたペルフルオロヘキサンスルホン酸とその塩が使用されている製品で輸入を禁止するものの指定に関しては、資料3のとおり、先ほどと同じですが、厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会に諮問されており、薬事分科会の規程において、その諮問に関する事案というものが部会において審議されることになっております。
 資料2-2の「「ペルフルオロヘキサンスルホン酸とその塩」の所要の措置について」を御覧ください。資料2-1で御審議いただいた内容に基づいて、「1」として輸入禁止製品のリスト、「2」として第一種特定化学物質が使用されている場合の技術上の基準等に従わなければならない製品について、以上の2点についてまとめております。以上です。
○合田部会長 ありがとうございました。本日審議いただいた内容について、資料2-2のとおりとすることが適当であると、部会として了承してよろしいでしょうか。
 皆様、御異議がある方はいらっしゃいますか。よろしいですね。それでは、御了承いただいたものとさせていただきます。
 事務局から、今後の手続について説明をお願いいたします。
○事務局 本日、御審議いただき、御了承いただいた二つの審議事項については、薬事分科会の規程に従って、次回の薬事分科会で報告させていただきます。また、パブリックコメント等の所要の手続を踏まえた上で、政令改正を行う予定にしております。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。本日の審議事項は以上になります。
 続いて、報告事項です。一つ目の報告事項は化審法の審査状況です。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項に関して説明いたします。化審法に基づく審査状況について、資料4と参考資料8を手元に御用意ください。そちらで説明させていただきます。
 資料4は、令和3年11月以降の薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会における、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づき行われた、新規化学物質、一般化学物質、優先評価化学物質及びその他物質の審査状況をまとめているところです。なお、令和3年の10月の会議までの審査状況については、令和3年11月に行われた化学物質安全対策部会にて報告しています。
 まず、報告として、新規化学物質に係る審査状況について御説明いたします。事業者が新規化学物質の製造又は輸入を行う場合には、事前に人健康、生態影響、分解性、蓄積性について審議を行うこととなっております。審査に関しては、化審法を共管する経済産業省及び環境省との3省合同審議会で行われており、厚生労働省に関しては、化学物質調査会において、新規化学物質の人健康に関する部門を担当しているところです。1ページに記載しているのは、調査会にて審査された新規化学物質数と、そのうち特定新規化学物質相当と判定された物質の数を表にまとめたものです。
「特定新規化学物質」という区分ですが、こちらの区分は、平成29年の化審法改正において新たに設けられた区分で、環境排出量が少ないために優先評価化学物質等には該当しませんが、毒性が強い物質ということで、不用意な環境排出を防止するために設けられた区分というところです。1年強で226物質の審査を行い、そのうち特定新規化学物質と判定された物質は6物質ありました。
 続いて、スクリーニング評価とリスク評価について、表で1ページから2ページにかけてお示ししています。
まず、リスク評価の流れに関して御説明いたします。参考資料8を御覧ください。一般化学物質というものが約3万物質あり、そのうち、経済産業省に製造や輸入に係る届出が必要な化学物質が約1万3,000あります。そのうち、スクリーニング評価を行って、相当程度環境中に残留し、人、動植物への毒性について明らかではないと評価されたものに関しては、優先評価化学物質として指定します。また、優先評価化学物質に指定された化学物質に関しては、リスク評価を行い、蓄積性は示さないものの、難分解性で環境中に残存し、人健康や、動植物の生息、生育にリスクがあると評価されたものに関しては、第二種特定化学物質に指定するというような流れになっています。
資料4に戻り、先ほどのところ、1ページから2ページの表を御覧ください。一般化学物質のスクリーニング評価の実施状況について、人健康影響及び生態影響の観点で、毎年300から350前後の物質のスクリーニング評価等を行っており、その結果、人健康影響の観点から3物質、生態影響の観点から7物質が優先評価化学物質相当と判定されているところです。3ページ目に記載されている資料4の別紙1には、令和3年11月に開催された化学物質安全対策部会後に優先評価化学物質に指定された物質の一覧等を掲載しております。
2ページに戻り、優先評価化学物質の人健康に係るリスク評価等の実施状況に関する表があります。人健康の観点から、優先評価化学物質に指定されている2物質に関しては、リスク評価、評価IIを行っているところです。リスク評価に係る概要に関しては、4ページ以降の別紙2、3として掲載しています。
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況に関する報告は以上となります。
○合田部会長 ありがとうございます。私、表を見ていたら、ちょっと一つ間違いがあるかなと思ったのです。資料4の3ページにテーブルがありますよね。横書きになっているものです。それで、通し番号が「264」と左側に書いてあるものの、「優先評価化学物質相当と判定された時の名称」で、そこの最後、「ジアゼンジイルジメタンアミ」ではなくて、「ジアゼンジイルジメタンアミド」だと思います。ですよね、そこは。
○事務局 確認した上で、後日、必要に応じた修正をさせていただきます。
○合田部会長 よろしくお願いします。ちょっと見ながら気になってしまいました。皆さん、ほかに御質問等はありますか。よろしいですか。
 そうすると、今、一つ目の報告事項は終わって、もうそれで報告事項は終わりということでよろしいのですよね。
○事務局 報告事項は一つだけです。
○合田部会長 そうですよね。では、本日の議題は以上ですが、事務局から、ほかに何かありますか。
○化学物質安全対策室長 特段ございません。次回の開催については、日程調整の上、改めて御連絡をさせていただきます。
○合田部会長 では、本日の化学物質安全対策部会を終了したいと思います。委員の先生方、御協力をどうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

化学物質安全対策室 室長補佐 小川(内線2910)