2022年12月8日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和4年12月8日(木)18:00~

出席者

出席委員(16名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(5名)五十音順
行政機関出席者
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長) 
  •  鈴木洋史(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会のウェブ会議を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 この度の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブでの審議とさせていただきます。
 まず、本日のウェブ会議におきまして、委員の出席状況でございますが、浦野委員、小崎委員、南委員、山口委員より御欠席との御連絡をいただいております。このほか、島田美樹委員からは遅れて御参加との御連絡をいただいております。そのほかには松下委員も後ほど御参加いただけるものと認識しております。
 したがいまして、本日は現在のところ、当部会委員数21名のうち15名の委員がこのウェブ会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告をさせていただきます。
 薬事分科会規程第11条におきましては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問などに就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
 今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告をさせていただきます。
 委員の皆様には会議開催の都度書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、清田部会長、以後の進行をよろしくお願いします。
○清田部会長 皆さん、こんばんは。清田です。
 それでは、本日の議題に入ります。まず、事務局から資料の確認を行ってください。
○事務局 それでは、本日のウェブ会議に係る資料の確認をさせていただきます。
 本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料として、資料No.1-1~1-5を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
 なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申しつけください。
 以上でございます。
○清田部会長 それでは、本日は、その他事項1議題となっております。それでは、その他事項議題1に移ります。議題1につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 その他事項議題1「医薬品スパイクバックス筋注について」を御報告いたします。
 資料No.1、スパイクバックス筋注(コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)試験の概要及び添付文書改定方針を御覧ください。
 こちら、スパイクバックス筋注(以下本剤)は、SARS-CoV-2による感染症の予防を効能・効果とするワクチンであり、SARS-CoV-2の起源株(オリジナル株)の1価ワクチン及び、オミクロン株BA.1又はBA.4-5を含む2価のワクチンが承認されております。
 接種対象者は、初回免疫に関しましては12歳以上、こちらは1価ワクチンのみでございますけれども、追加免疫では18歳以上となっております。
 今般、モデルナ・ジャパン株式会社から、これら3種類のワクチンの追加免疫の接種対象者について、年齢を12歳以上に引き下げる医薬品添付文書改訂相談が申し込まれましたので、その概要を御説明させていただきます。
 資料の1ページを御覧ください。
 12歳~17歳を対象とするmRNA-1273-P203試験のCパートとして、1,346例を対象に初回免疫2回目接種から5か月以上経過後に本剤の1価ワクチンを追加免疫した際の免疫原性及び安全性が検討されました。
 観察期間は本剤接種後12か月間とされ、2022年5月16日にデータカットオフにより解析がなされております。
 免疫原性の評価は、本剤1価ワクチン接種28日後における、起源株のシュードウイルスに対する血清中和抗体の幾何平均濃度及び中和抗体応答率により行われまして、本試験で得られた12~17歳の免疫原性について、18歳以上を対象とした別の第III相試験であるP301試験、こちらにおける18~25歳の被験者の免疫原性に対する非劣性が評価されました。
 その結果を、資料2ページの表1にデータを記載しております。
 血清中和抗体の幾何平均濃度及び中和抗体応答率については、いずれも事前に設定された非劣性の基準を満たしていたことから、本試験の12~17歳の被験者の免疫原性データについては、18~25歳の被験者データに対する非劣性が確認されたと判断しております。
 また、安全性につきましては、資料3ページの表2に、接種後7日間における特定有害事象を示しております。
 また、4ページの表3に、接種後28日までに被験者2例以上に認められた非特定有害事象及び副反応を掲載しております。
 データカットオフ時点までに死亡例及び重篤な有害事象、治験中止に至った有害事象及び特に注目すべき有害事象、これらは全て認められず、ショック・アナフィラキシー関連の事象及び心筋炎・心膜炎の症例も認められませんでした。
 この結果を踏まえまして、2ポツ目の1段落目に記載のとおり、有効性については12~17歳の年齢層では18~25歳の年齢層に対して、SARS-CoV-2の起源株に対する中和抗体価の非劣性が示され、安全性についても重大な懸念は認められず、忍容可能と考えられることから、1価ワクチンについて追加免疫の接種対象年齢を12歳以上に拡大することは可能と考えております。
 また、次のページの2ポツの2段落目に記載しております新型コロナウイルスSARS-CoV-2ワクチンの評価に関する考え方、補遺1、変異株に対するワクチンの評価について、こちらには単一の年齢層で実施した変異株ワクチンの臨床試験の結果は、一般的に親ワクチンで承認されている他の年齢層にも外挿可能とされているということから、起源株1価ワクチンの追加免疫の接種対象年齢と同様に、オミクロン株対応の2価ワクチンの接種対象年齢についても、合わせて12歳以上に拡大することは可能と考えております。
 接種間隔については、3ポツのところに記載をしておりますが、今回お示しした臨床試験では、接種後5か月以上の間隔を空けて接種が行われております。
 ただ、しかしながら、本剤の18歳以上の接種間隔は、既に3か月以上という形で行われていること、諸外国においては、本剤は12歳以上を対象に接種間隔3か月以上での接種が行われていること、接種間隔に起因する特段の安全性上の懸念は現在のところ認められていないということを踏まえまして、12歳以上についても接種間隔を少なくとも3か月以上という形で設定することは可能と考えております。
 以上が、今回、モデルナ・ジャパン株式会社から申し込まれている医薬品添付文書改訂相談の内容になります。こちらを先生方に御確認をいただきまして、特に問題がないようであれば、このまま添付文書の改定に進むという形になるかと考えております。御確認のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方からの御質問がございましたら受け付けたいと思いますが、いかがでしょうか。
 中野先生は入っていますね。中野先生、いかがですか。
○中野委員 中野でございます。
 本日は審議ではなくて質問事項とかがないかということになるかと思うのですけれども、何点かせっかくですから確認させてください。
 現在、追加免疫として、オミクロン株対応2価のワクチンが使われているわけですけれども、今回、年齢を拡大するということができるようになった、すなわち、18歳以上だったものを12歳以上にする。初回免疫がこれまでも12歳以上は認められていたわけですから、追加免疫に関してということになると思うのですけれども、従来株ワクチンの単価ワクチンによる成績に基づいてと。ただし、これは新型コロナワクチンのいろいろな承認とか添付文書改定の規定に従って2価ワクチンも含めてそのような扱いが可能であるということだと理解いたしました。それで間違いがないかということを教えていただきたいのが1点。これは、特に、有効性とこの治験を行った症例数での安全性に関することです。これが1点。
 もう1点は、今回のデータからは直接コメントはいただけないかもしれませんが、モデルナのワクチンの方が、ファイザー社のワクチンよりも、20代、30代の男性やあるいは10代後半の思春期世代で、2回目接種で心筋炎や心膜炎の副反応が高いということがありました。それによって、別に追加接種の年齢が高い年齢という形に定められていたわけではないでしょうけれども、もし、国民の皆様から、年齢の低いところにモデルナのワクチンで追加免疫をして、心筋炎・心膜炎のリスクというのは大丈夫なのですかと尋ねられたときに、千何例では、頻度から考えるとメッセージ性としてはちょっと難しい点もあるかなと思うのですが、その点に関して、何か国民の皆さんにも示せるメッセージ、データというのがあるようであれば御教示いただけるとうれしいです。
 以上です。
○清田部会長 事務局からお答えください。
○事務局 まず、1点目でございますけれども、今回、確かに臨床試験では1価のオリジナルワクチンが使われているというところではございます。ただ、1価のワクチンを使って12~17歳の青年・少年、そういったところに接種した場合に、成人と比べて特に問題はないというところが確認されております。また、それに加えて成人では、1価ワクチンと、いわゆるオミクロン対応の2価ワクチンについても差がないことが試験により確認されております。それらを併せ考えると、オミクロン対応の2価ワクチンについても、12~17歳に対して接種を拡大しても、有効性・安全性に問題はなかろうというところが今回の判断でございます。
 2点目の臨床データの規模感、こちらに関しては、確かに限られた例数ではございます。ただ、限られた例数であっても臨床試験としてしっかり確認されているデータが出ているというところに加えて、実際には諸外国では既に12歳以上で接種をされているというところがあります。三つ目の質問にも関わるかもしれませんが、いわゆる心膜炎とかそういったリスクに関しても、合同部会の方で常に海外の情報も含めてウオッチされていて、現時点のところ、当初言われていたような心膜炎・心筋炎に関して、小児あるいはその年齢層によって非常に高いリスクがあって、いわゆるリスク・ベネフィットバランスが崩れるとか、そういった議論にはなっておりませんので、慎重にこれからも情報収集をして評価していくことにはなるかと思いますが、今の時点で接種を止めるような懸念は見られていない状況です。
○清田部会長 中野先生、いかがでしょうか。
○中野委員 ありがとうございました。
 確かに10万に何例とか100万に何例という単位ですので、これは実際、実臨床で使われるようになってからしっかりとモニタリングをしていかないと、安全性の本当の担保というのはできないと思いますけれども、今の回答で私は了解いたしました。ありがとうございました。
○清田部会長 ありがとうございます。
 ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。報告事項でございますので、本議題につきましては、皆様に御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上です。事務局から何か御報告はございますでしょうか。
○事務局 次回の部会の日程は追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。
 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。お疲れさまでした。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 松倉(内線2746)