第14回高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ 議事録

日時

令和5年3月13日(月)14:00~16:00

開催方法

オンライン開催

議題

  1. 1.高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等について
  2. 2.データヘルス計画の推進等について

議事

議事内容
○春日専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第14回「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 会議中御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。
 次に、構成員の変更がございましたので御紹介いたします。
 全国市長会、大原章構成員が退任され、水野知宣構成員が就任されておられます。
 次に、本日の構成員の出席状況について申し上げます。
 全国市長会、水野構成員が御欠席、日本看護協会、沼田構成員に代わり、慶越参考人に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 また、宮川構成員は15時30分頃に途中退席の御予定との御連絡をいただいております。
 それでは、資料について確認させていただきます。事前に構成員の皆様方にお送りしておりますが、議事次第のほか、
 資料1 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等について
 資料2 データヘルス計画の推進等について
 資料2_別紙 特定健診の除外告示の六号で示す施設について
 参考資料1 池田構成員 提出資料
 参考資料2 津下構成員 提出資料
 参考資料3 保険者インセンティブ(令和6年度分)における評価指標等
 参考資料4 高齢者保健事業の実施計画(データヘルス計画)策定の手引き(案)
でございます。
 なお、今回の会議は公開とさせていただき、会議終了後、録画映像をYouTube、厚生労働省動画チャンネルに投稿する形で公開させていただきます。公開期間は、会議翌日から当省ホームページに議事録が掲載されるまでの期間となります。また、本日の資料はホームページに掲載済みでございます。
 それでは、ここからの進行は津下座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○津下座長 皆さん、こんにちは。聞こえておりますでしょうか。
 高齢者の保健事業のあり方検討ワーキング、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議題は、「1.高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等について」「2.データヘルス計画の推進等について」でございます。それではまず、議題「1.高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等について」、御意見を伺いながら進めてまいりたいと思います。資料1の御説明をどうぞよろしくお願いいたします。
 
○宇野調整官 それでは、資料1「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進等について」御説明申し上げます。
 令和4年度一体的実施 実施状況調査結果から御報告申し上げます。3ページでございます。調査対象は、広域連合、都道府県、市町村に対して調査実施し、回収率100%となっております。こちら、11月に実施した実施状況調査でございます。
 4ページ、広域連合票におきましては、取組体制、一体的実施、委託に向けた取組状況、ガイドラインの活用状況を調査してございます。
 右側、都道府県票においては、体制、広域連合・市町村への支援状況、広域連合が策定する第3期DH計画への支援、ガイドライン等の活用状況を調査してございます。
 5ページ、市町村票においては、体制、実施状況、支援の希望、質問票の活用状況、KDB活用状況、ガイドラインの活用状況を調査し、進捗状況ごとに実施中市町村には事業の実績、成果を、準備中の市町村には事業の準備状況、未定の市町村には検討状況を調査いたしました。
 6ページでございます。令和4年度の実施済み市町村は1,072市町村、全体の約62%でございます。令和6年度には1,667市町村、全体の96%の市町村で実施のめどが立っている状況でございます。令和6年度までに全ての市町村において一体的な実施を展開することを目指しております。
 7ページでございます。一体的実施の実施状況及び実施予定を示したグラフとなっています。令和2年度から開始した本事業ですが、実施市町村は着実に増加しております。令和6年度までの受託の予定は「未定」と回答されている市町村が74件、4.3%でございます。うち67市町村が小規模自治体となっており、島しょ部、山間部等の過疎地域が含まれております。
 8ページでございます。都道府県別の実施状況を示したグラフで、実施済みが青、今後実施がピンク、赤が未定を示しております。未定が多い都道府県は北海道、東京、沖縄となってございます。
 9ページでございます。市町村の規模別に受託開始予定時期を見ると、小規模市町村で未定の割合が高くなっております。前回御報告しました7月時点と比較しますと、11月時点までに60弱の市町村が取組を進めていただいております。
 10ページでございます。未定の74市町村のうち、「受託に向けた検討をしている」が14市町村、「受託に向けた検討をしていないが、今後検討予定」が44市町村、「検討をする予定がない」は16市町村となっています。
 右下に希望する支援について記載してございます。専門職については、派遣してほしい、委託先を活用したい、専従要件の緩和、自治体規模に応じた予算の充実等が挙げられております。
 実施計画・基本方針の策定、交付基準の理解が困難については、策定に向けた広域連合等による助言や指導、情報提供、提出資料の簡素化なども挙げられています。
 庁内連携、主担当部署が不明確については、主管・連携部署の提示等が希望されております。
 11ページ、未定の理由としまして、「企画・調整を担当する医療専門職が決まらない」「地域を担当する医療専門職の確保が困難」が上位に挙げられております。他の施策で取り組んでいるという自治体も18ございます。
 続きまして12ページでございます。今回の調査では、市町村の課題としまして、これまでの調査と同様の課題が明らかになっています。左側に課題、右側に対応をまとめてございます。
 広域連合の課題としては左下にまとめておりまして、支援するマンパワーやノウハウの不足、広域連合・都道府県・国保連等の共通理解・情報共有の不足、広域の課題として、実施主体としての事業評価、進捗管理のあり方が分からないが挙げられております。
 右側に対応についておまとめしてございますが、これまでどおり、特別調整交付金の交付基準の変更や様式の簡素化、また、在宅保健師等の会、外部の関係機関・関係団体との連携強化。
 2つ目の四角にお示ししておりますが、WEB開催を含めた研修実施やアーカイブ配信、地域単位の意見交換会や事例発表会、ガイドライン第2版補足版及び事例集の公表。
 また、中央会や研究班でお取り組みいただいております一体的実施・KDB活用支援ツールの開発や解説書の公表、一体的実施・実践支援ツールの開発や解説書の公表などを取り組んでまいりました。
 一番右下にお示ししておりますのが今年度重点的に取り組んだ事項になりますが、データヘルス計画策定の手引きにおける、計画様式・評価指標の標準化、手引きにおいての他計画等との調和や関係機関との役割についての追記などの対策を行っております。
 続きまして13ページでございます。ここからは市町村票の結果をお示しいたします。一体的実施の主担当部署は医療保険と保健衛生を担当する部門が主担当となっている場合が多く見られ、ほぼ同数となっております。次いで介護保険部門が21.3%でございます。
 14ページでございます。市町村における医療関係団体等との連携状況をお示ししてございます。情報共有、健康課題の分析への参加、実施方法・体制検討等、事業の企画や評価に係る事項については、「医師会」と連携している市町村が最も多くなっています。
 一方で、事業への医療専門職の派遣は「歯科衛生士会」や「リハビリ職能団体」と連携している市町村が多くなってございます。
 続きまして、15ページにハイリスクアプローチの実施項目を左にお示ししています。糖尿病性腎症重症化予防、身体的フレイル、健康状態不明者に関する取組が6割近く、低栄養の取組が5割弱となっております。
 右側に実施上の課題としておまとめしてございますが、目標・評価指標の設定、事業実施後の評価・改善策の立案、医療機関との連携・調整が多く挙げられてございます。
 続きまして、16ページにハイリスクアプローチの実施市町村数の経年変化をお示ししております。令和2年、令和3年、令和4年と着実に増加していることがうかがえます。令和2年と比較し最も増加が見られたのは、健康状態不明者の状態把握でございました。
 続いて17ページでございます。ポピュレーションアプローチの実施項目を左にお示ししています。フレイル予防の普及啓発、運動・栄養・口腔等の取組等の健康教育・健康相談の実施が最も多く、97.9%の自治体で実施されています。
 ハイリスクアプローチと同様、ポピュレーションアプローチにおいても、目標・評価指標の設定、事業実施後の評価・改善策の立案が課題として多く挙げられております。
 18ページは、高齢者の保健事業で用いております後期高齢者の質問票についてお示ししてございます。当該質問票は、フレイルなど、高齢者の特性を踏まえ、健康状態を総合的に把握するという目的で作成されたものであり、健診や通いの場、医療機関や医療専門職の個別支援の際のツールとしての使用が想定されております。
 19ページに質問票を活用している自治体についてお示ししています。質問票を活用している市町村は1,636市町村、その多くが健診での問診の活用が多くなっており、1,503自治体でございます。通いの場での活用は849自治体でございます。
 20ページに質問票の使用状況をまとめております。保管されたデータの活用状況といたしましては、「保健指導の実施における個人の健康状態の把握に活用」「地域における健康課題の整理・分析に活用」している市町村が多く見られております。
 続きまして21ページでございます。一体的実施に取り組んだことによる効果を受託時期別に示したグラフです。高齢者の保健事業に取り組む体制構築につながった、「高齢者の保健事業を実施する上での広域連合との連携ができるようになった」「健康課題が明確化した」「高齢者の健康状態や生活機能の課題をより把握できるようになった」などが多く見られております。
 続きまして、市町村が広域連合から今後受けたい支援についてでございます。実施済が青、未実施が赤でまとめられております。未実施の市町村が受けたい支援としては、課題分析、実施方法等に関する助言や指導、実施済市町村に多く求められているのが、広域連合が開催するセミナーや研修会でございます。
 続いて、「市町村が国保連合会等から今後受けたい支援」について、22ページでおまとめしています。実施済市町村、未実施市町村いずれも「KDBの活用に関するマニュアル提供、セミナー等」が最も多く挙げられており、次いで多いのが「地域の課題分析手法に関するマニュアル提供、セミナー等」でございます。
 続きまして、「市町村が都道府県から今後受けたい支援」について最も多いのは、「一体的実施に関する国の動きの情報提供、セミナー等」が挙げられており、次いで「地域の課題分析手法に関するマニュアル提供、セミナー等」「保健事業の実施に関する技術的助言・相談」「医療関係団体との調整」などが今後受けたい支援として挙げられております。
 ここからは、新規で実施いたしました都道府県の調査結果をお示しいたします。一体的実施の関係部署は、全ての都道府県において、医療保険部門、高齢福祉部門について協働して一体的実施の支援を行っておりました。
 「都道府県による市町村支援の実施状況」をおまとめしてございます。水色が都道府県単独での支援、紺色が広域連合と協働・連携して実施している支援を示しております。
 都道府県が行う支援で最も多かったものは、「特別調整交付金の実施計画書、実施報告書に関する支援・審査をしている」が44で、最も多くなっております。
 広域連合と協働・連携して実施している支援では、「市町村支援の体制を構築している」「市町村における保健事業の取組状況等の整理・把握・分析を行っている」が多く挙げられてございます。
 続いて27ページでございます。一体的実施の推進のための支援を実施していると回答したのが29都道府県であり、情報・資料の提供が最も多く、講義、研修の実施、市町村間の情報交換の場の提供などが多く見られてございます。
 続きまして、広域連合が策定する第3期データヘルス計画への支援について、「未定」と回答する都道府県が最も多く、16でございます。計画案に対して広域連合との意見交換を予定している都道府県は15となってございます。
 続いて29ページでございます。都道府県による市町村・広域連合支援に関する課題として、支援体制整備やデータ活用の環境整備などが挙げられております。また、特に対市町村の支援においては、ニーズや地域の実情に即した支援の難しさが挙げられております。
 続きまして30ページ、「一体的実施の委託に向けた広域連合の取組」を広域連合票の結果からお示しいたします。
 「市町村の関係部局との直接対話」は全広域連合が実施しています。「市町村同士の情報交換の機会づくり」についても、45広域で行われています。一体的実施を実施していない市町村に対して特に実施している支援としましては、「市町村の関係部局との直接対話」「委託に関する意向や課題、支援の希望等を把握している」が多くなってございます。
 31ページ、「広域連合による目標設定の状況・効果測定の実施状況」についてお示ししています。広域連合による目標設定の状況は、42広域が一体的実施の委託市町村数を設定しており、4広域が事業ごとにアウトプット、あるいはアウトカム目標を設定しております。
 右側に広域連合による効果測定をお示ししておりますが、10広域で実施しており、その内容としては、実施報告から市町村数、実施事業数、事業対象者や通いの場の参加者の変化、医療費、患者割合の変化を確認しています。
 ここまでが実施状況調査からの御報告の抜粋になります。
 続きまして、一体的実施の推進に係る支援等について、以下4項目、御説明を申し上げます。まず1つ目、一体的実施の全国的な横展開事業についてでございます。横展開事業は令和5年度も実施予定で、国保中央会様には、左上、黄色の部分でお示ししておりますが、マル2の広域連合・国保連に対する市町村支援研修会、マル3、一体的実施・KDBシステム活用事例発表会、マル4、KDB二次加工ツールの充実をお願いしています。
 左下、国保連合会には広域連合・市町村向け研修会・セミナーの開催、KDB活用事例の収集、個別自治体への支援等を実施いただくという予定でございます。
 真ん中、水色の部分に国で実施する内容をお示ししています。厚生労働科学研究事業において、一体的実施の事業検証、KDB二次加工ツールの検証などを実施いただき、研究成果をもって広域連合や市町村に対してお伝えしつつ、業務の簡素化・標準化、市町村のPDCA支援、インセンティブの強化を実施してまいります。
 続きまして34ページ、昨年、中央会に開発いただいた「一体的実施・KDB活用支援ツール」の概要をお示ししてございます。本ツールは、保健事業の対象者リストを簡易的に作成し、業務の簡素化・標準化を図ることを念頭に作成されております。資料の下に示しています低栄養から、健康状態不明者までの事業について、事業対象者となる抽出基準が設定されており、その基準に該当する方の該当者リストを一発で自動作成することができるツールになっています。
 対象者をエリア別に振り分けて、新規事業を検討するとか見直すということを比較的容易に進めることができます。また、今年度は、このツールで抽出した該当者リストを出力し、さらに保健事業を進めるためのツールを研究班に開発いただいております。
 35ページでございます。昨年作成した一体的実施・KDB活用支援ツールの市町村における活用状況をお示ししています。591の市町村、34%でツールを用いてデータを抽出し、活用しています。使うことを検討中が639市町村、37%でございます。
 右側に活用の場面として、事業計画、対象者抽出で御活用いただくということが想定されています。
 次に、広域連合にこのツールの活用状況を調査した結果をお示しいたします。「ツールを用いてデータを抽出し、活用している」が25広域、53%、「使うことを検討中」が13広域、28%でございます。
 活用の場面といたしましては、「事業計画」が27広域、「対象者の抽出」が25広域、「保健事業の優先順位の検討」と「事業評価」が13広域でございます。
 続きまして、今年度が最終年度となります厚生労働科学研究津下班の研究班には、今年度特にマル2の一体的実施の事業検証、評価指標の標準化にお取組をいただき、アウトプット指標、アウトカム指標の指標案をお示しいただいております。
 また、KDB活用ツールへのさらなる提案を実施していただいていますので、御報告させていただきます。本研究の成果については、次期データヘルス計画策定の手引きに活用することとしております。
 38ページ、こちらは研究班に検討を提示いただきました「一体的実施の個別事業の評価指標例」となります。低栄養、糖尿病性腎症重症化予防、健康状態不明者、多剤の服薬指導、口腔、身体的フレイルのアウトプット、アウトカム指標をお示ししております。
 夏にお示ししたものから、また一部御検討いただいて、広域連合や市町村での実行可能性を踏まえて追記してございます。
 こちらはデータヘルス計画においても、広域連合・市町村においての評価指標として活用いただくことを想定しております。
 続きまして39ページです。令和4年度の研究班において「一体的実施・実践支援ツール」を開発いただいております。本ツールでは、昨年度中央会で開発した一体的実施・KDB活用支援ツールからのCSVデータを、保健事業の展開や事業評価に活用しやすく加工することが可能となっております。
 例えば、メニュー画面から低栄養のところを押していただくと対象者の絞り込みや対象者絞り込みフロー、対象者リストを作成することができます。また、メニュー画面の概況表を押していただくと、対象者の概況表、性年齢別、要介護認定状況、疾病の状況などをお示しいただくことができます。また、絞り込み後の対象者のリスクの重複状況をお示しいただくことが可能となってございます。
 ここからは事例について幾つか御紹介させていただきます。実施済市町村からは事業評価に関する課題が多く挙げられておりました。事業評価について、広域連合が取り組む2つの事例をお示ししています。広域連合においては、市町村の一体的実施の取組を推進することを目的として、各市町村の課題や地域の特性に応じた事業計画、事業評価の取組支援を行っています。
 上の愛知広域の事例では、全市町村が一体的実施を実施いただく際に最低限分析する項目・評価指標を設定した実施計画書・実績報告書・健康課題分析シートを提示されているという事例でございます。
 2つ目の福岡広域の事例ですが、こちらは広域連合としての一体的実施における数値目標として、一体的な実施に取り組む市町村の増加、健康診査、歯科健診の受診率向上等を挙げ、評価を実施し、市町村に対して評価指標(案)を提示し、取組を支援しているという事例でございます。
 続きまして41ページでございますが、こちらは一体的実施の横展開についての広域連合事例になります。上が東京広域の事例でして、未実施市町村の実施支援のため、規模別の事例発表を行い、他の市区町村に相談したい課題についてグループディスカッションを実施されているという事例でございます。
 下の石川広域では、石川県が広域連合と共催し、連携促進会議を開催し、県内市町の全ての担当部局の課長に対して、事業説明、ストラクチャー・プロセス・アウトカムを見える化した会議を開催されています。一体的実施の全市町村で実施や、庁内部局の役割分担の明確化や保健師の増加につながったという事例でございます。
 42ページは、都道府県による市町村支援の事例になります。上が高知県の事例で、県と福祉保健所が中心となり、医療機関と連携した事業実施についての支援を行っております。三師会、看護協会に対して医療関係団体への一体的実施の周知など、連携内容の検討を進め、県福祉保健所が実施市町村との勉強会で課題や要望を確認した後、市町村の要望を踏まえ、郡医師会に対して既存の会議等を活用し、事業説明、地域の医療専門職の紹介等を行う体制構築を進めています。
 その下、長崎県では、保健事業構築アドバイザー派遣事業を行い、事業企画や庁内連携に関する支援を行っているという事例でございます。健康課題の分析支援や効果的な保健事業の構築支援、高血圧、生活習慣病重症化予防、骨折等の取組の課題を整理し、保健事業実施計画策定支援のプロセス整理、成果報告会を実施するという事例でございます。
 資料1最後のページでございますが、令和6年度のインセンティブについては、夏のあり方ワーキングで御報告させていただいたとおり、広域連合代表からなる実務者検討班会議にて議論を行い、指標を検討してございます。
 主な見直し内容としましては、一体的実施の進捗状況を踏まえての指標変更となります。参考資料3に指標をおつけしてございます。
 資料1の御説明、御報告は以上となります。
○津下座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明に対して御質問、御意見を承りたいと思います。前半は令和4年度一体的実施の実施状況調査についてお話をいただきました。市町村、広域連合、都道府県に対する調査、11月時点でどこまで進捗してきたかということで、まだ未実施自治体があるということで、そこの深掘り分析も御紹介いただきました。未実施自治体もさることながら、実施できた要因というのも非常に大きいのではないかなとも感じているところです。
 後半のところは、市町村の実施を進めるためにどのような支援があっかということで、国保中央会、厚生労働科学研究、また都道府県、広域連合等の支援の状況について事例なども踏まえて御報告いただきました。
 どなたからでも結構ですが、御質問、御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では、吉村先生、お願いします。
○吉村構成員 吉村です。
 大変よくまとまっていまして、以前よりもぐんと進んだような印象を持ちます。お疲れさまでしたと考えております。なのですけれども、ちょっと1点だけですが、評価指標が挙げられておりますが、個別事業の評価指標例ということで6つほど挙げられているのですが、幾つかのアンケートの例で、身体的フレイル(ロコモ)というのがよく抜けているのが少し気になっておりまして、括弧に入っているからといって、決してロコモは軽視されるべきではないし、なおかつ、身体的フレイルに対するアプローチとロコモに対するアプローチって多少違う面がございまして、もしかして、アンケートではスペースのあれでカットしているのかもしれないのですけれども、例えばアンケートなんかで括弧の中が落ちてしまうと、実施主体である市町村のほうではやはりそれを頭に入れて実施いたしますので、そういう意味では、少しロコモに対する取組が軽視されてしまうような可能性がございますので、括弧の中を、スペースがないときはしようがないのですけれども、ちゃんと周知していただければと考えております。
 以上です。
○津下座長 ありがとうございます。この点、事務局、いかがでしょうか。
○宇野調整官 御指摘ありがとうございます。身体的フレイルの中にロコモティブシンドロームも含めて対応が必要と考えておりますし、研究班の先生方とも今後研修等を行っていく予定ですので、この辺り、留意して周知したいと思います。
○津下座長 ありがとうございます。ロコモティブシンドローム、重要な概念でございますので、きちんとそれが届くように周知すべきと考えております。資料で落ちているところ、不備等がございましたら、御指摘のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 小玉先生、お願いします。
○小玉構成員 津下先生、ありがとうございます。
 事務局から本当に膨大なデータをまとめていただいて、大変分かりやすい説明をいただきまして、ありがとうございます。
 私から2点お伺いしたいのですけれども、KDB活用支援ツール、これは本当にすごくよくできていると思いますが、いろいろな項目が今挙げられていて、そこで切り分けてという考え方でどんどん進めていただけると思います。将来的に、この切り分ける項目の追加とか、統合とか、考えておられるかどうかということを1つ伺いたいと思います。
 あともう一点は、後期高齢者の質問票の活用が849市町村であったということですけれども、これがもっと増えれば今度はポピュレーションアプローチの必要な方に対する対応も進むと思います。これをどんどん増やしていく方策、活用を増やしていく方策を考えておられるかどうか、考えておられればどんなことか教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○津下座長 ありがとうございます。KDB活用支援ツールについて、事務局から何かございますでしょうか。
○宇野調整官 御質問ありがとうございます。KDB活用支援ツールにつきましては、今回、1から10のメニューについて研究班から対象者抽出の条件をお示しいただいてツールに反映したというところでございます。今後、研究班で事業検証等にお取組いただく中で見直しを要する部分があれば、必要性、実行可能性を踏まえて検討してまいりたいと考えてございます。追加や統合についても、各市町村いろいろ工夫されて実施されているという状況も伺っておりますので、実施計画書、実績報告書の分析等も来年度予定しておりますので、そのデータをもって研究班とも相談し、改善できる部分は改善していきたいと考えてございます。
 2つ目の御質問、後期高齢者の質問票のポピュレーションアプローチでの活用に関しましては、昨年度、中央会様にてKDBの改修をしていただいて、通いの場でのデータをインポートできる仕組みというのをつくっていただいています。まだこの部分の周知や実践が十分でない部分もあると聞いておりますので、この件の周知をしっかりとした上で、先生御指摘のポピュレーションアプローチへの活用や事業評価のあり方についてさらなる検証を深めていきたいと考えてございます。御指摘ありがとうございます。
○津下座長 ありがとうございます。研究班でも、質問票に関して科学的な妥当性の検証とか、扱い方とか、利用実績が上がる中でデータ分析が進んできているところです。そういうことを反映した、よりよい抽出基準とか、そういうのがまた見えてくるのではないかと考えております。どの時点でどのように反映していくかということ。また、このCSVを作成するツールとしては数が絞られている限界の中で今回は提案させていただいています。
 また、CSVの処理に慣れている方々はこのツールだけで十分かもしれませんが、余りなれていない方々多く、簡単に全体像が見えるようなツールを今回開発してみましたので、またそれも活用される中で改善が必要と思います。ありがとうございました。
 それから質問票について、ポピュレーションアプローチ、通いの場等で実施したデータは取り込めるようになったのですけれども、現時点では、KDB活用支援ツールのほうにはその通いの場でのデータが反映されないということもございますので、その辺りも、今後修正とかタイミングを見ながら広げていければと研究班からも思っております。ありがとうございました。
○小玉構成員 ありがとうございます。
○津下座長 ほかにいかがでしょうか。
 愛知広域、鈴木様、お願いします。
○鈴木(孝)構成員 愛知県広域連合の鈴木です。
 私のほうからは、実施状況調査の結果の中の資料で29ページですね。都道府県票のところで「都道府県による市町村・広域連合支援に関する主な課題」、ここについて1つ気になった点を申し上げます。
 高齢者の保健事業につきましては、広域連合が市町村と実施すると。では都道府県は何をするかというと、広域連合や市町村を支援するという位置づけが与えられているということですけれども、その資料の真ん中の2つ目の枠の「KDB等のデータ活用」を御覧いただければ、そこに端的に書いてありますが、都道府県では後期高齢者のKDBデータの閲覧権利がない。したがって、後期高齢者の広域的な健康課題の分析が難しいと。これがどうも現状のようでございます。都道府県は、国保については保険者ということもありますので、国保のデータは都道府県でも閲覧できるのですけれども、後期高齢者については、都道府県は保険者ではないということで、KDBの端末はありますけれども、後期高齢について閲覧できない。したがって分析ができない。そういった状況で市町村や広域連合を支援するというのも、都道府県としては結構大変なことだなと思います。ただ、この辺の都道府県が市町村や広域連合を支援できる本当に環境整備を整えていただく必要があるのではないかなと思います。
 実は私、広域連合ですけれども、もともとは愛知県の職員でございますので、愛知県での経験もございますけれども、恐らく都道府県としては、実際に支援を行うといっても、本庁で全ての市町村を支援するというのはなかなか厳しいので、保健所が地域の実情を一番よく知っているということもあり、保健所が市町村支援をするということが現実的ではないかと思います。
 しかし、県の保健所にはKDBの端末すらありません。ですから、国保でもそうですけれども、地域における後期高齢の健康課題等について、保健所ではKDBを使った分析・支援ができないという問題があります。保健所に端末を設置するということを考えたとしても、そういったお金はどこも出してくれるわけではないので、なかなかそういった環境も整わないというのが現状でございます。ですので、厚生労働省のほうで都道府県のそういった環境整備に少し御支援いただけるようなことを考えていただくといいのではないのかと思います。
 そして、財政的なことを申し上げれば、後期高齢の保健事業について、厚生労働省から都道府県にお金はいっていないと思うのですね。後期高齢の調整交付金にしても、あくまでも受け取るのは広域連合であって、広域連合から市町村へいくものはあるでしょうが、都道府県については、広域連合や市町村に対する支援を求められているけれども財政的な支援はない。こういったことも課題ではないかと思います。
 あと、この検討会の構成員をみても、都道府県の関係者、知事会の関係者は入っていらっしゃらない。こういったことも、都道府県の実情がきちんと反映できていないということになっているのではないかと感じた次第でございます。今後、都道府県による支援を、ということであれば、その辺をしっかり御検討いただきたいと思います。
 長くなりました。以上です。
○津下座長 ありがとうございます。重要な御指摘と思いますが、事務局より何かございますでしょうか。
○宇野調整官 御指摘ありがとうございます。KDBの端末が保健所に設置されていないという状況、財政支援の必要性、また、検討会ワーキングへのメンバーの都道府県の方の御参画というところ、3点御指摘いただいたと認識しています。
 今回、都道府県の調査を行いまして、事業評価や健康課題の分析について行っている都道府県も幾つかございまして、詳細については、今まとめております3月末に公表予定の実施状況調査の報告書でお示しする予定でございます。
 当課から直接都道府県に対しての財政支援は行っていないというところでございますが、国民健康保険課の保険者努力支援制度の中でも、一体的実施についての項目は評価指標に挙げられておりまして、データの俯瞰的な把握であったり好事例の横展開、積極的な助言、専門職の育成や確保支援ということが明示されており、そういった事業に各都道府県がお取組いただいているということで承知しております。また、介護保険のインセンティブの財政支援を活用され、人材育成に関しての事業を実施されているということで伺っています。こういった全体の体制構築、スキームづくりについては、現在、国民健康保険課や老健局の財政支援を活用いただいていると認識していますが、今後どのような形がよいかというところは都道府県にもご意見いただきながら検討をしていきたいと思います。以上です。
○津下座長 ありがとうございます。鈴木様、よろしいでしょうか。
 逆にちょっとお伺いしたいのですけれども、都道府県単位というと広域連合が都道府県単位のデータをお持ちなので、データ分析は広域連合とかそちらで行い、都道府県と連携するとか、都道府県と広域連合の関係性、両方が同じようなことをしている必要もないのではないかなという気もします。都道府県と広域連合の連携とか、どちらが何を担当するかとか、すみ分けとか、その辺りについては、現実どんな感じなのでしょうか。
○鈴木(孝)構成員 すみ分けということですけれども、現状としては、都道府県のほうにはそういうKDBのツールがありませんので、必要に応じて広域連合なり市町村なりからデータを抽出していただいて、都道府県でどこまで分析できるのかは分かりませんけれども、そういった、広域連合と都道府県とのやり取りという形になっているかと思います。けれども、やはり、都道府県のほうで、直接自分たちでどのような情報を分析しようかということをやれるようにするためには、特に保健所が自分の地域のところを見ようと思ったときに、保健所には一切何もないわけなので、すごくまどろっこしいところがあるのではないのかなと思うのですね。ですから、効率的に物事を進めようと思えば、やはり身近なところにそういったツールあることが大事ではないのかなと思います。
 すみません。お答えになっているかどうかはわかりませんが、以上です。
○津下座長 ありがとうございました。またこれは引き続き、ちょっと大きなテーマになりますので。では、調整官お願いします。
○宇野調整官 KDBのデータ分析につきましては、都道府県の本庁が担う部分と国保連が業務を支援していただいているケース、広域連合がおまとめいただいたものを都道府県にお渡しするケース、様々あると伺っております。県単位でのデータ分析が、この後御説明いたしますデータヘルス計画の推進等にもつながっていく議題だと思っておりますので、健康増進計画や医療費適正化計画との調和を踏まえたデータヘルス計画の実施というところにもつながるものと考えています。
 関係各位のそれぞれの役割分担については、ガイドライン等で明確化しておりますが、実情はそれぞれの対応能力に応じて担当いただいているという現状があると認識しております。
○津下座長 ありがとうございました。広域連合が得意なところ、それから、例えば医師会とか三師会等の関係団体との調整とかそういうのは都道府県のほうが得意だったり、それから連合会はKDBが得意だったり、そういうそれぞれの強みを生かした支援体制をつくっていくということで進めていくとよいかもしれません。これら全てのところが全部データ分析しなければいけないかというと、それはちょっと重複感があるのかなと思ったり、よりよい方法をまたぜひぜひ御検討いただければと思います。
 田中先生、お願いします。
○田中構成員 私のほうも、その少し補足といいますか、御参考になればということですが、津下先生おっしゃられましたように、宇野調整官もおっしゃられましたように、全てのところがそれを分析していますと、その整合性と合わせていくのにまた今度一苦労ということがございますので、やはり市町村が一体的実施で中心になっていきますので、KDBをしっかり分析し、私は今、県と一緒に動いている立場なのですけれども、それを一緒に体制を構築するということが大切と思います。
 例えば神奈川県ですと、神奈川県の広域連合と、保健所ですね。市町村支援するときは一緒にそこでお話をします。したがって、市町村の出した課題を、そのデータを県や保健所がそこで一緒に、市町村の課題と思われること中心に考える。そういう体制を構築していって、ある一定の効果を持っているなと思っております。御参考にしていただければと思います。
 以上です。
○津下座長 ありがとうございました。貴重な事例で、とても参考になると思いました。ほかにいかがでしょうか。
 前半の実施状況でも結構ですし、後半の、特にどう支援体制をしていくかなどについても御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 薬剤師会、村杉委員、お願いいたします。
○村杉構成員 日本薬剤師会の村杉でございます。
 膨大なデータ、お取りまとめいただきましてありがとうございます。ちょっと前半の調査の部分なのですけれども、やはりどうしても未実施地区のところが、特に小規模ですけれども、心配であるというところもあると思いますし、また、実際に実施されているところについても、市町村によっては非常に悩みながらやっているところが多いようなのも耳にしているところでございます。そのような中でも、この取りまとめをいただいたところにございますように、例えば資料の14ページぐらいのところにもありますけれども、地元の地域の関係団体さんですね。郡市医師会さんですとか地域の薬剤師会、それから栄養士会などもそうですけれども、このような形で、ある一定数活用されていらっしゃると思うのですけれども、特に、先ほども津下先生からのお話もございました。都道府県がやはりそのような専門職との連携を図っていく上で重要な役割を担っていくというところがあると思うのですが、薬局の機能、役割というところを考えていくと2点あると思うのですね。
 1点目が、薬局というのは通いの場でもあるわけですね。定期的に地域の住民さんがアクセスされる場所であって、専門職であって、医師会の先生方をはじめとして多くの地域資源と連携の枠組みがとれている。ですので、このような項目のところを考えていきますと、ちょっと資料番号忘れてしまいましたが、様々な連携のシーンみたいなのがあると思うのですね。例えば多剤だけにとどまらず、フレイルにしてもそうですし、口腔に関してもそうですし、重症化予防にしてもそうですし、健康状態不明者にしてもそうですけれども、結構親和性ってあるのですよね。ですので、ぜひこのような一体的実施を来年度から実践するに当たって、地域資源であるようなところにどんな役割があるのかということをもう少し明確に伝わるように都道府県の担当者の方につないでいただいて、市町村職員が過度に孤立することなく、地域の資源を活用できようにまた進めていただきたいなと思います。
 これが1点でございまして、あともう一つよろしいですかね。私も一部、十分に理解していないところがあったと思うのですが、すみません。実践支援ツール、非常に楽しみでございます。すばらしいツールになるのではないかなと期待しているところですけれども、例えば39ページのところにまとまっておりますけれども、多剤のところで、15剤というのをターゲットにした何か理由があったんでしたっけというところと、あと、15剤以外に、市町村の特性に応じてその剤数を自由に設定することができるのかというのをちょっと教えていただいていいですか。
○津下座長 ありがとうございます。2点ありました。では、まず調整官から。
○宇野調整官 1点目の御指摘についてですけれども、関係部門との連携については、先生御指摘のとおり、都道府県が連携・調整いただくというケースと、市町村が地域ケア会議等で状況を共有していくというケースが想定されております。
 ただ一方で、課題として12ページにお示ししているのですが、庁外の関係機関に何を依頼すればよいかが分からないという市町村票の結果がございます。逆にいえば、関係団体の先生方が何を実際やっていただけるのかが分からないというのが今の状況と考えております。
 都道府県の事例でお示しいたしました高知県の事例でございますけれども、こちらは県が音頭をとって、県の医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会などに一体的実施の現状について御説明し、連携内容の検討を進めていただいて調整を図っているという事例をお示ししてございます。県単位の三師会で御調整いただく事項、市町村単位での御調整いただく事項、市町村側のニーズと医師会や薬剤師会、歯科医師会の先生方が御提供いただける内容というのが調整難しいところかもしれないのですが、まずは現状の共有と、協力可能な部分の検討、それに対してどういう調整が必要かという議論が今後、データヘルス計画を中心に進んでいくのではないかと考えてございます。
 2点目の御質問ですけれども、実践支援ツールの中でのポリファーマシー、多剤の取組についてですが、今回、15剤以上としておりますのは、10剤以上としますと余りに対象人数が多く抽出されてしまうというところから、初期値は15剤にしております。こちらについては、各市町村で10剤以上という方を対象者としてリスト作成することも可能になってございます。
 こちらについては、研究班の中で石崎先生に御担当いただいておりますので、石崎先生、補足の御説明等ありましたらお願いいたします。
○石崎構成員 健康長寿の石崎です。
 村杉委員様、御質問ありがとうございます。多剤の定義は特に世界的にも決まったものはないのですが、この活用支援ツールでは、処方薬剤数の区分として、1から9、10以上、15以上、20以上という4区分がございます。まずはその4区分の中から1つ選んでいただくと対象数が出てきますので、10以上ということで多めに取るということも、人口規模によっては可能だと思いますので、その部分はそれぞれの自治体の規模に応じてということかと思います。
 あとは、1剤ずつ、任意に自治体さんがお薬の数を入れるということは理想ではあるのですが、そういったシステムをつくるのは大変複雑になるということで、薬剤数は4区分に落ちついたというのが現状でございます。よろしくお願いいたします。
○村杉構成員 石崎先生、ありがとうございました。よく分かりました。1点目についてもう少しだけよろしいですかね。
 具体的に何ができるのかというのを職能団体のほうから御提示していくというアプローチも必要なところもあるとは思うのですけれども、市町村によっては、様々な住民の特性であったり、職員の数も含めたいろんな特性があると思いますので、ぜひ、市町村でやっていく場所、そのような機会のところにより積極的に薬剤師会も関与できるように、日本薬剤師会から都道府県薬剤師会、地域薬剤師会のほうにも、その辺りもしっかり情報連携、伝達をしてまいりますので、引き続き今後ともよろしくお願いいたします。
○津下座長 ありがとうございます。今おっしゃった日本薬剤師会においても、日本のレベル、それから都道府県のレベル、また郡市とか地域のレベルがありますね。市町村が地域の関係団体にお話に行ったときに、そもそもそれって何ですかと、ここから始まるとなかなか話が進んでいかないということが現場では起こっているということです。各関係団体の中央組織から地域へその情報を、今回の状況も含めてお伝えいただけると、地域レベルでも、「ああ、あのことね」という感じで話が進んでいくのかなと期待しておりまして、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、先ほどお話ありましたように、最初、10剤で実践支援ツールのほうもつくったのですけれども、とても広域のレベルの人数ですと動かないということがあって、15剤にデフォルトを切り替えたという経緯がございました。それだけ多剤になっているということと、特に実践支援ツールの中では、さらに医療機関数が多いところを重点的に見ていったほうがいいのではないかというようなことを提案しています。
 それから、もう一つおっしゃった中で、例えばフレイルで抽出された人の薬剤はどうなのとか、栄養はどうなのとか、重症化予防でもそうですし、お互いに入り口つまりどういう事業で呼ぶかという抽出の考え方はあっても、その中で、多剤とか、総合的に見ていくというような視点が重要であることは、研修の中でも繰り返し伝えていて、必要なところにつなげていくことが重要と思っておりますので、10の類型で縦割りでやっていくというイメージにならないように、十分研修や解説書などでは周知していく必要があると考えております。
 石崎先生、お願いします。
○石崎構成員 先ほどの村杉構成員さんから御指摘で、都道府県が、各医療専門職に何ができるかという理解を広めてほしいというお話ですが、東京都が令和3年度と令和4年度に、高齢者の保健事業に関わる医療専門職の人財育成研修を開催し、私どもの研究所がその委託を受けました。
 その際、一体的実施では多くの医療専門職の関与が必要ですので、東京都や区市町村に一体的実施における個別支援やポピュレーションアプローチにおいて、各医療専門職団体がどのような役割があるかを御理解いただくために、関与が必要とされるそれぞれの医療専門職の団体から研修会の講師を派遣してきました。具体的には、東京都薬剤師会もそうですし、東京都医師会、東京都歯科医師会、東京都理学療法士協会、東京都栄養士会などに講師派遣を依頼し、それぞれの理事会を通じて講師を派遣していただきました。このように、一体的実施の理解、また、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチそれぞれの医療専門職がどういった関わりがあるかということを、講師派遣というかたちで御理解いただくという対応を一昨年度から実施しております。
 補足は、以上です。
○津下座長 では、看護協会の慶越さん、よろしくお願いします。
○慶越参考人 ありがとうございます。沼田の代理で出ております日本看護協会の慶越でございます。
 今、地域の資源や、医療専門職、何ができるかというところのお話がありましたので、看護協会のほうからも情報提供させていただきます。
 本会でも、地域の看護職による健康・療養支援の取組について、2年間情報収集してきました。訪問看護ステーションであったり医療機関、NPO法人などが、暮らしの保健室なども開設をしています。血圧測定だったり健康チェックとか健康に関連したレクリエーションなどを通して例えば血圧を測定しながら、薬の管理状況だったり、食事の状況、精神的なことや、家族の問題など、顕在化している身体症状だけではなく、その背景にある問題を聞き取りながら、この人はどこの資源につなげたらよいか、医療にすぐつながなければならないかというところの問題を抽出したり、という活動が分かりました。
 KDBシステムで抽出した対象者に対しての支援を委託で活動されているところもあるのですけれども、そういう保健室というのは単独で活動しているため、そこ止まりになってしまっています。もっと地域の中で幅広くいろいろつながりながら支援していきたいけれども、行政等のどこと、どの窓口とつながればいいか分からないという課題も分かったので、マッチングの場などがあるといいなというところがまず1つです。また、情報収集するに当たって、全国の都道府県の看護協会にお願いをして情報を集めてきたので、ぜひ県の看護協会には、現場の保健師、助産師、看護師で構成されている職能委員会がございますので、情報収集の際は聞いていただければと思います。
 以上でございます。
○津下座長 ありがとうございました。それでは、鈴木先生、お願いします。
○鈴木(隆)構成員 ありがとうございます。
 ちょっと実施状況のところで、資料いただいた15ページとか、あるいは17ページですけれども、市町村さんにしてみると、こういう一体的な実施の中で、ハイリスクアプローチにしても、あるいはポピュレーションアプローチにしても、一番実施上の課題として、必ず目標、あるいは評価指標の設定とか、それから、事業実施後の評価改善策の立案という同じものが挙がってきているのですが、やはりここがすごく、こういった一体的実施をやる上で、言ってみれば市町村さんにとって最もある意味重要なポイントだと思うのです。何のためにやるのかという。一体私たちは何のために、ハイリスクであろうが、ポピュレーションアプローチであろうが、そういったときに、例えば横展開というか、いい事例なんかでもいいのですけれども、厚生労働省さんとしては、目標とか評価設定のハウツーというのでしょうかね、それをどのように教えられているのかですね。あるいは、そのためには多分各自治体の中での問題点というのを抽出しないと、なかなかこういう目標評価設定なんていうのはできないかもしれないのですが、その辺りのところは、厚労省さんとしてはどのような指導とかお考えをなさっておられるのか、もしありましたら教えていただきたいと思うし、これはすごく大事なポイントなのかなあと思っておりました。
 以上です。
○津下座長 ありがとうございます。先ほどの慶越さんのお話もありましたので、2点、御回答あれば。
○宇野調整官 看護協会慶越様情報提供、ありがとうございます。引き続き県単位の看護協会様との連携状況等も含め、情報収集をしていきたいと考えてございます。
 暮らしの保健室については、以前もお話を伺っておりますので、行政とつながって一体的実施のスキームの中でどのような状況なのかについては、実施状況調査、あとは実施計画書や実績報告書などを来年度以降も注視して事例等をまとめていきたいと考えております。
 鈴木構成員から御指摘いただいた市町村における評価及び目標設定評価のあり方については、昨年度の調査でも課題ということが明らかになっておりました。研究班には、アウトプット指標、アウトカム指標の例をお示しいただきまして、これをもって広域連合単位でのデータヘルス計画も進めていくことを想定しています。また、市町村単位では個別の一体的実施の事業を進めていただきます。市町村における評価改善策の立案が難しいという点については、まだ自治体の中では試行錯誤しながら進めていただいている状況と承知しておりますので、広域連合単位、都道府県単位、国保連での研修会など、地域単位の意見交換の場や研修の場で好事例等を共有していただくこと、目標設定や、事業実施状況、事業評価、改善策の提示について整理・共有いただくのが有用と考えています。
 また、資料2にてデータヘルス計画の推進で個別の保健事業の様式もお示ししておりまして、アウトカム、アウトプット、プロセス、ストラクチャーをどのように計画し評価していくかを広域連合単位で書くようになっています。これを用いて、広域連合が各市町村の事業の進捗状況を確認し、改善に向けての提案や指導をしていうことを進めることを考えております。
 広域連合と市町村の関係性やコミュニケーションのあり方にも地域特性があるとは思っています。広域連合が市町村と対話する上でもツールがないと難しいと考え、今回、共通の評価指標例、計画様式をお示しし、広域連合と市町村と共通認識を持ち、協議しながら進めていただくことを想定しています。
 以上です。津下先生、何か補足あればお願いします。
○津下座長 ありがとうございます。鈴木先生がおっしゃったように、何をしなければいけないのかを明確にすることと、その地域に何人どこにいるのか、そしてそれはどう介入すれば改善できる人たちがいるのか。まずそういう対象者をきちんと整理ができて、その中で介入しなければいけない人にどれだけ介入できたか、そしてその人たちがどうなったかを見ていくと評価が回るのだろうということは思っていましたが、ようやく支援ツールなどができまして、対象者が把握できるようになった。ここから事業がちゃんと届いているかどうかを見て、そしてその方々を追跡することで効果をまた検証できるようになることが期待できます。今まで事業評価必要だよねと言っていても、先生おっしゃるように、ツールも基準もないままですと、事業評価といっても自治体間差もあり、感覚でしかなかったと思うのですけれども、徐々に次の数年間で手応え感が感じられるような事業にステップアップできたらいいのかなと思います。そのためのツールや、それから計画書の様式に仕立てていくことが必要と考えています。ありがとうございます。
○鈴木(隆)構成員 ありがとうございました。
○津下座長 ここで、参考資料1として池田構成員から資料が提供されておりますので、御説明いただけますでしょうか。
○池田構成員 中央会の池田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料を今画面に出していただきましたけれども、私のほうから提出いたしましたこの画面の資料につきまして、国保中央会・連合会の一体的実施・横展開事業の状況につきまして、中央会・連合会が開催している研修会の実施状況とか、それから、一体的実施・活用支援ツールの活用状況について御説明させていただきます。
 まず、こちらのページの青枠で囲ってあります上段の部分でございます。ここが中央会の研修状況でございます。中央会では、一体的実施の推進に向けまして、一体的実施の支援者となります広域連合、都道府県、地方厚生(支)局並びに国保連合会向けの研修会と、それから、実施者であります市区町村向けの研修会をそれぞれ開催しております。
 今年度開催いたしました内容としましては、ワークショップの開催やKDB活用支援ツールの説明、あるいは事例の発表など、こういったものを行っておりまして、支援者向けの研修会につきましては、右のほうにございますとおり、約500人、それから、市町村向けの研修会につきましては約4,200人程度御参加いただきました。その後のアンケート調査におきましては、参加者の80%以上の方々から「とても参考になった」、あるいは「参考になった」というような回答をいただいているところでございます。
 それから、その下でございます。緑の枠で囲っております部分が国保連合会の研修会の状況でございます。44連合会が研修会を開催しておりまして、開催していない連合会におきましても、県や広域連合が主催の研修会に参加して説明会を行っておりまして、一体的実施の推進に向けまして全国的に取り組んでいるという実態がございます。また、研修会という形以外にも、個別の市町村への支援をその都度行ってきております。
 それから、青枠で一番下のところを囲ってありますけれども、広島県の国保連合会の事例を記載しておりますけれども、市町村に個別の訪問をいたしまして、KDB活用支援ツールのインストール作業から対象者抽出などの操作説明を行っている、そういうきめの細かい支援をしているというような事例もございます。
 それから、2枚目でございます。ちょっと資料を出していただけるとありがたいです。
 ありがとうございます。次、2ページ目でございます。「一体的実施・KDB活用支援ツール」の活用状況について記載をしております。昨年の3月末に国保連合会宛てに配布させていただいた後、昨年の4月から12月までの活用支援ツールに対するログインの状況というのを集計しておりますけれども、全部で1,104市町村、およそ6割の市町村が、1度はツールにログインをしたというような状況でございます。
 また、ツールから出力されます10項目でございます。右に棒線の青いグラフで示しておりますけれども、低栄養や口腔、重症化予防などがございますが、4月から12月までの累計では、一番右側にございます健康状態不明者が最も多く使用されておりました。
 それから、資料の下の部分ですけれども、令和4年11月に中央会のほうで実施いたしましたKDB活用状況調査の内容でございます。KDB活用支援ツールについていただきました意見を記載しているところでございます。
 ちょっとかいつまんで申し上げますと、「市町村への助言につながった」などの肯定的な意見もございました。一方で、その下の「主な課題」というところで、後期高齢者医療制度による一体的実施の対象者だけではなくて、65歳から74歳の国保の被保険者も含めた抽出ができないということとか、また様々な条件ですね。ここに書いてございます「かつ」とか「または」といったような条件ですけれども、抽出条件の自由度を広げてほしいというような御意見もいただいております。この抽出条件につきましては、様々な条件がございますけれども、さらにさらに、「かつ」「または」という形で幾つかの条件をさらに重ねて検索するということが現在できていないというような状況がありますので、そういった抽出条件の自由度を広げてほしいという御意見もいただいております。
 こういった当初の開発の際にはなかった新しい機能の追加といったところにつきましては、こうした現場のニーズなども踏まえまして、厚生労働省さんとも協議をしながら、御相談しながら今後検討していくことが必要になるかと考えております。
 簡単ではございますけれども、私の資料については以上でございます。ありがとうございました。
○津下座長 御説明ありがとうございました。中央会、そして都道府県単位で連合会が保険者支援をしていると、市町村支援をしているというような状況やツールの活用状況について御報告いただきました。御質問、御意見等はございますでしょうか。
 特にオンラインも活用して、全国、4,000人以上の方々が集まる研修ということで、都道府県、その支援者と、それから保険者、町村が共通の話を聞けるということや、事例も含めてディスカッションができる、しているということで、効率よく情報が広げられているのかなという感想は持っております。大変熱心に参加していただいている様子を私も拝見することができました。よろしいでしょうか。
 また引き続き、来年度も横展開事業ということがございますので、よろしくお願いしたいと思いますし、それから、自由度を増すほうがいいのか、標準化というか、ある程度確実にしたいところを押さえていくべきか。自由度広げすぎてしまうと何やっているのか分からない状態にもなってしまいがちにもなるし、ある程度やはり根拠を持ちながら、一定の優先順位を示していくということも必要なのかなと。その辺のせめぎ合いがあるかなと思いますので、十分御意見を聞きながらの御検討、よろしくお願いしたいと思います。
 事務局から、何かよろしいでしょうか。
○宇野調整官 津下先生、おまとめありがとうございます。評価指標、抽出基準については、市町村内の比較、広域連合間の比較が可能となるよう、標準化の方向で整理しています。実際出てきた対象者のリストを御覧いただくと、そこからさらなる絞り込みが可能になっておりますので、自由度がないというわけではなく、地域の実情に応じて進めていただくことは可能となっておりますというところお伝えしたいと思います。
 以上です。
○津下座長 ありがとうございました。
 次に、参考資料2として研究班より資料提出しておりますが、これは事務局より御説明いただけますでしょうか。
○宇野調整官 事務局より御説明申し上げます。
 参考資料2としまして研究班から資料を提供いただいております。
 一体的実施推進に係る研究班の令和4年度の成果物といたしまして、一体的実施・実践支援ツールの保健事業への活用、実践評価編を作成いただいております。実践に役立つ内容について各保健事業の評価指標の評価指標の解説及び実践支援ツールの解説等が示されております。今後、研究班とも相談しながら公表を進めていくという予定ですので、御活用いただきたいと考えてございます。
 内容については、参考資料2の4ページの目次を御覧いただくとお分かりのとおり、実践支援ツールについての機能説明、個別の保健事業の活用についての解説、実践支援ツールの操作方法などで構成されております。広域連合、市町村での試行を実施していただき、さらなる検討を進めていただき資料公表するというはこびでございます。
 以上です。
○津下座長 ありがとうございます。研究班でも市町村の御意見、また広域連合さんの御意見を伺いながら、ツールや解説書をブラッシュアップしていきたいと考えておりますので、まず、御活用いただければと思っております。どういう出し方がいいのかというのは、また厚生労働省さんと御相談しながらと思っております。できるだけ広く使っていただきつつ御意見を伺っていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次に移る前に、宮川構成員がもうそろそろ退出されてしまうのではと思いますが、一言いただけますでしょうか。
○宮川構成員 本日、私、遅くまでいられることが分かっていますので。ありがとうございます。ずっと聞いております。
○津下座長 ありがとうございます。ではまた、お気づきのときに御発言をお願いいたします。
 ほかにいかがでしょうか。
 本当に一体的実施は走りながら、状況を見ながら、意見を聞きながら、厚生労働省さんを中心として、いろいろな関係団体、国保中央会・連合会、そして研究班一緒になって動いているということがあります。今日御指摘いただきました地域の関係団体の先生方との連携というのが、これからの課題になると思います。これまで庁内連携で何をするのかというのを検討してきた時期で、実際に動く段になると、地域の関係者の御理解がないといけないということで、次の段階、フェーズに入っていくと思います。ぜひ御協力をお願いしたいと思っております。
 それでは、次の議題に移らせていただいてよろしいでしょうか。また何かお気づきのことがありましたらお願いいたします。
 それでは、資料2「データヘルス計画の推進等について」、事務局より御説明をお願いいたします。
○春日専門官 それでは、資料2を御覧ください。令和6年度より第3期データヘルス計画が開始するに当たり、今年度後期データヘルス計画策定の手引きの見直しに係るワーキンググループを設置し、全3回にわたり検討を進めてまいりましたので、そちらの結果について御報告をいたします。
 1ページ、こちらは今回の見直しのポイントとなりますデータヘルス計画の標準化について、その要素と評価指標の関係を整理したものになります。中央の緑の枠でお示ししました評価指標の設定と計画様式は、データヘルス計画の標準化の要素の一つであり、要素の一つである評価指標にはデータヘルス計画の総合的な評価指標と個別事業の評価指標が設定されると整理しております。
 続きまして2ページ、こちらは先ほど御説明いたしましたデータヘルス計画の標準化の要素の一つである計画様式についてまとめておりまして、保健事業を実施するための計画を策定するのではなく、健康課題を解決するための計画が策定できるように、策定段階での考え方のフレームをステップ1の現状把握からステップ4の評価見直しについての過程を構造的な様式として整理をしております。
 3ページには、今回の見直しの論点4つと、それに対応する見直しのポイント(案)についてまとめております。具体的な追記や修正事項については参考資料4の手引きの新旧と計画様式になりますが、ポイントについて御報告いたしますと、1つ目、保健事業の充実については、令和2年度から開始している一体的実施が高齢者保健事業の中心的な事業であることを踏まえ、その事業内容の記載やハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチを連動させた取組について新たに追記をしております。
 また、データヘルス計画の標準化と評価指標の設定の論点につきましては、データヘルス計画における標準化の目的やその効果を新たに明示し、共通評価指標の設定、併せて個別事業の評価指標例の提示及び計画様式の作成を行っております。
 最後に、他の計画との調和につきましては、他計画の計画期間、目的、目標を把握し、データヘルス計画との関連事項等を確認するプロセスが重要であるという旨を追記し、そのプロセスを踏まえ、後期のデータヘルス計画において推進・強化する取組等について検討し、市町村や取組を実行していく上で連携が必要となる関係者等に共有し理解を図ること、これが重要であるという旨を追記いたしました。
 また、国保データヘルス計画との連続性を踏まえまして、一体的実施の委託について、市町村と調整する上でも、市町村で実施されている国保の保健事業と介護予防事業の内容について把握することが重要である旨も追記しております。
 併せて、広域が把握すべき国保保健事業・介護予防事業についても追記をしております。
 4ページは、第2回ワーキンググループの終了後に、標準化に向けた計画様式の提示、共通評価指標の提示について7つの広域連合に御協力をいただき、ヒアリングを実施した結果をまとめております。
 計画様式、評価指標ともに策定に係る負担軽減や広域連合間の比較が容易になるという点が評価され、肯定的な意見が多く聞かれております。併せて、計画様式の記載事項のボリュームや、評価指標を算出する際の実行可能性、記載例の提示などについての御要望をいただきました。
 以上の検討を踏まえまして、手引きの見直しをしております。5ページ、こちらは手引きの構成をお示ししたものになりますが、赤の※印をつけた項目を中心に記載事項の追記、修正の見直しを行うとともに、新たに計画様式を作成しております。
 6ページは新たに作成した計画様式について概要をまとめております。計画様式はシートのIからシートのVで構成されておりまして、計画策定の過程で必要となるステップの1からステップ4に係る全てのプロセスが含まれるように作成しております。
 7ページ、こちらには今回まとめました共通評価指標と策定の際に保険者が確認することが必要になるデータ例、個別事業の評価指標例をまとめております。
 表の下に脚注をつけておりますが、共通評価指標については各広域連合がここにお示しする評価指標以外の指標を設定することも差し支えないと整理しております。
 14ページは個別の評価指標例となります。先ほど資料1の38ページでお示ししたものと一緒のものになります。
 最後に、7ページでお示ししました共通評価指標の健診受診率について、健診対象者の設定についての現状と対応案をまとめた資料になります。
 まず、ワーキングにおける議論ですが、標準化の推進のためには、保険者間の比較を可能にするため、共通評価指標の設定が重要。しかし、後期の健診、健康診査については健診の対象外とする者の設定が統一されていないため、健診受診率について適正な比較ができない。共通評価指標例の健診受診率の分母については、対象外の者を統一することで広域連合間における適正な比較を可能にするべき。手引きの見直し等の節目のときでなければ実行できないという御意見があった一方で、実態を踏まえると、すぐに運用を変えることは難しいとの御意見も頂戴いたしました。
 続いて、真ん中に現状を整理しております。特定健診及び後期の健診については、実施に係る対象経費を国が補助しております。特定健診におきましては、除外告示にて対象外の者をお示ししておりますが、後期の健診の場合、各広域連合の判断によるところです。そのため、特定健診の除外告示に準じて対象外を設定しているという広域連合や、生活習慣病治療中の者を除外しているという広域連合など、現状、広域連合によって設定状況が異なっております。県内における全市町村で統一をしているという圏域もあれば、市町村により設定が異なるという圏域もございます。
 最後に対応案になりますが、今、御説明しましたような現状を踏まえまして、データヘルス計画の標準化の推進を目的としまして、後期の対象外の者について特定健診と同様の内容に見直してはどうかとまとめております。
 具体的には、令和5年度を広域連合における準備期間としまして、第3期データヘルス計画が開始する令和6年度に事業費補助金の関係通知を改定する。2ポツ目、データヘルス計画の共通評価指標とする健診受診率の分母については、管内被保険者数から健診対象外者数を引いた数としてはどうかと考えております。
 資料2についての説明は以上になります。
○津下座長 ありがとうございます。2の別紙についてはよかったですかね。
○春日専門官 はい。こちらは除外告示の6号でお示ししております施設をまとめたものになりますので、御参考に御覧いただければと思います。
○津下座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまのデータヘルス計画について、構造とか様式とか共通の評価指標についてお示しをいただきました。また、個別の評価に当たっては、どういう数字を扱うかということについても丁寧に記載しているということになります。これについて、御質問や御意見等がございましたら挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 愛知広域、鈴木様、お願いします。
○鈴木(孝)構成員 愛知広域の鈴木です。
 私からは、資料2の9ページ、健康診査の健診対象者の設定についてということをお伺いします。説明がありましたように、後期高齢の場合は、健診受診というのは、広域連合、あるいは市町村によって受診率の出し方がまちまちでありますので、それをそろえていただくということは非常に結構なことなのかと思います。
 そこで、今回、対応案のところで示されておりますのが、特定健診と同様に除外者を除くと。令和6年度から、後期高齢者医療制度事業費補助金の関係通知を改定するとありますけれども、今は、除外告示の対象者の方にも例えば健康診査の案内をお送りして、実際受けていらっしゃる方もいらっしゃると思いますが、これを6年度以降は、仮にそういう方には案内は送らないでくださいということになるのでしょうか。それとも、送るのは結構だけれども、そういった方にかかる健康診査の費用は、それは補助金からは除外しますので持ち出しでやってくださいということなのか、その辺、被保険者の方とすれば、今まで健康診査の案内をしておったのがもうなくなるということにもなりますので、その辺について、現時点の考えで結構ですので、ちょっとお聞かせいただけないでしょうか。
○津下座長 よろしくお願いします。
○春日専門官 ありがとうございます。受診券の発送の段階で、確実に対象者が抽出できるという場合と、事務手続上の関係で、発送の段階で明確に特定が難しいという場合とあるかなと把握しております。そちらについては、特定健診のほうにつきましても、Q&Aや、今までお示ししてきている中で整理してきておりますので、補助金の対象の可否に関しましても、特定健診等に準ずるような形で整理を進めていきたいと考えております。
 また、広域連合からの御意見も頂戴して、それを踏まえて検討していきたいと考えております。
○鈴木(孝)構成員 ありがとうございます。
○津下座長 では丁寧な議論と混乱のない運用、よろしくお願いいたします。ほか、いかがでしょうか。
 このデータヘルス計画についてはワーキング等でもみまして、実際に広域連合さんとかで書いていただいたりした上でいいのではないかということになったと認識しております。標準化とか様式を示していただいたことでより分かりやすくなったというような御意見も多かったかなと思いますので、もし特段問題なければこれで進めさせていただくことでいかがかなと思います。
 先日3月7日に開催されましたデータヘルス計画、国保後期のあり方に関する検討会でも御報告して御承認を得ているということでございます。
 よろしいでしょうか。
 データヘルス計画、このように進んでいくということで、広域連合としては、これをつくる中で市町村との対話といいますか、実態を把握しつつ、市町村がどのように実施できているのか、またアウトカム評価、アウトプット評価についても、まずは数字をきちんと見てみようというところから始まっていくのかなと思っています。
 全体を通じていかがでしょうか。まだ今回御発言いただいていないと思いますが、輪之内町の伊藤さん、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 一体的実施の開始に向けての課題とか実施上の課題、効果など本当に細かい状況を挙げていただきましてありがとうございます。やはり小規模自治体では、人的確保、体制整備が本当に厳しいところもあると思います。県や広域連合の支援が本当に必須になってくると思いますので、今後も、定期的な継続支援等、丁寧にお願いできたらと思います。
 ありがとうございます。以上です。
○津下座長 ありがとうございます。後期高齢者医療制度は75歳以上全員ということで、本当に地域の総力戦になってくると思います。地域の関係者の御協力なしには進まないところだと思いますので、また何が困っているということを市町村から発信していただくということも非常に重要かなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 栄養士会の西村さん、入っていらっしゃいますでしょうか。
 ちょっとお姿見えないかな。
○田中構成員 すみません、田中ですが、栄養士会の西村先生、離島のほうにいらっしゃるみたいで、それで少しお願いされたのですけれども、お伝言いたします。
 日本栄養士会としましては、都道府県のところの地区の栄養士会の会議で一体的な取組を全体的にお願いしているということだそうです。引き続き日本栄養士会も前向きに取り組んでまいりますので、よろしくお願いしますとのことです。
○津下座長 ありがとうございます。低栄養の分野で非常に期待されるところでございますし、フレイル、重症化予防においても、国保世代とは違う重症化予防のあり方になっていく。糖尿病の方でも、若い人だとどっちかというと節制というか、食事を減らすほうになるのですけれども、後期高齢者になってきますと、しっかり食べて、必要な治療を受けてみたいな、治療の方針もちょっと変わってくると思います。後期高齢者になっても、糖尿病だから節制していますみたいなことではフレイルどんどん進行させてしまいますので、そういう意味で、本当に栄養士さんのお力大きいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○田中構成員 こちらこそよろしくお願いいたします。
○津下座長 ありがとうございます。医師会の宮川先生、いかがでしょうか。
○宮川構成員 宮川でございます。
 幅広くいろいろ検討していただいて、本当に明確に方向性が分かってきたのだろうと思います。一体的な実施について、やはり問題点というのは抽出されて、以前より分かってきました。小さい市町村も含めてですけれども、そこの拾い上げが重要です。人材の確保、それから専門職が少ないという問題点は分かっているので、それをどのようなアプローチをして御支援申し上げるかということ。それはただ常に報告を聞いているだけではなくて、どのような具体的な方策をしなければいけないのかということは検討をもっと進めなければいけないはずです。私たちにとっては、変な言い方ですけれども、優しさが足りないというか。ただ、問題点を書いていて、毎年毎年この話は出てきてしまって、では私たちは本当にどうすれば、その方たちと一緒に一体的な実施についてしっかりと進行できるのかということを考えていかなければいけないのかなと考えます。問題をいつも突きつけられる思いで、ただし、私も、具体的な支援策は頭に浮かばないというところのジレンマがあります。
 それから、先ほど津下先生がおっしゃったように、こういうものができてくる、視野がだんだん広がってきて、こういうのが精緻化して出てきたところで、本当に何に向かって、どのような目的に向かってこれを進めていくのか、何のためにこれがあるのかということをみんなでまた議論しながら進めていくことが必要なのであろうかなと思った次第でございます。ありがとうございました。
○津下座長 どうもありがとうございました。かかりつけ医といいますか、後期高齢者95%は医療機関にかかっているという中で、一番身近な存在だろうと思います。なので、今診ている病気だけでなくて、フレイルの視点とか多角的な視点で高齢者に関わっていただいて、地域のいろいろな資源につないでいくよう背中を押していただけることを期待しています。高齢の患者さんも先生に言われたことだと、そうかなと言っていただけたりするケースがあるなんていう話も市町村の保健師さんから伺っております。診療の中で、例えば年1回は高齢者の質問票とかをやっていただいて、ちょっと調子が悪い方にはそのとき以外にもフレイルの視点でチェックしていただいて市町村につないでいただくとか、患者さん中心としてどうつながっていける、元気で在宅生活を続けられるようにどうしたらいいかということを一緒に考えていただけると本当に市町村も元気が出てくるのではないかなと思いまして、ぜひ御協力をお願いしたいです。
○宮川構成員 こういう具体的ないろんな質問票があったのですけれども、僕も患者さんには元気度チェックといってやるのですけれども、外出する、おしゃれをする、ちゃんと御飯を食べる、こうすると元気度すごく上がっているのですよ。色なんかどうですかというと、赤色が好きだとか派手な色が好きだというほど元気でちゃんとできている。そのような、具体的な話ではないのですが、そういうことも含めてみんなで、それから、先ほど田中先生おっしゃったように、栄養士の方々ともっともっと連携したい。
 地域のお医者さんにとっては何が大切かというと、具体的などのような食べ物、特に私も、ボクサーと同じように、鶏の胸肉と、それから大豆が大事だよと言って、そういうものを食べてもらうと、看護師さんに言って、それから家族に言って食べてもらうと本当に俄然元気になるというところがあって、やはり運動と食事というのは非常に重要だなと考えています。本当に栄養士の方々と一緒にもっともっと連携を取りながらやっていけるといいのかなと常に思っております。津下先生からいつも御示唆いただけるので、私たちにとってありがたいなあと考えております。ありがとうございます。
○津下座長 ありがとうございます。どうしても制度というふうに考えるとマクロ的に考えて、データで分析してみたいな話になるのですが、専門職がパソコンの前にくぎづけになるのももったいないなと。できるだけ現場に、保健師さん、栄養士さん、それから、かかりつけ医が高齢者に関わる時間を増やすということを考えたときに、いかに効率化できるかとか、地域のチーム医療ではないですけれども、一つのところで抱えずにやれる方法は何かとか、そういうことで、ボトムアップ的に、地域での小さな取組の広がりというのがまた一体的な実施の目指す姿のような気がしているところでございます。
○宮川構成員 ええ。津下先生おっしゃるように、一体的実施というのは、物事、地域の資源を集中させる。より困った人、しなければいけない人に対して資源を注入するためのどうやって工夫していくのかというところが一番重要なところかなと私思っています。やはり一体化実施はなるべく無駄なことは省いて、無駄なことというのはないですけれども、注力しなくていいところを省いて、集中しなければいけない人、それから、そこの事象、それに対して地域の中でどのように事を運んでいけるかという具体策を出していくのがこれからのこの事業の重要性なのかなあと考えておりますので、ますます津下先生は大変かなと私は思っておりますが、よろしくお願いいたします。
○津下座長 どうもありがとうございます。手挙げ方式で保健事業を行うと、どうしてもどちらかというと健康に関心があって元気な人が集まってきてしまって、なかなかそういうところに出向かない人に、通いの場には来ないとか、教室をやっていても来ないという人たちに手が届かないということになってしまう。でも、保健事業としてはやっている気がしてしまうのですけれども、わざわざこうやってデータで見てみることの意義、例えば健康状態不明者を一度にたくさん検索していただいたというのは、今までアプローチできなかった人に会えるのがこの事業であるということも市町村の皆さん認識されているのかなあと思ったところです。誰一人取り残さないというか、本当に声を上げない人たちに専門職がどう関わっていけるかということを地域で一緒に考えていただくチャンスになるのかなあと思っています。ありがとうございました。
 ほかに、全体を通して御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 今日は、資料1でお示しいただいたように、進捗状況、市町村、本当に頑張って、また広域連合、非常に努力されて実施率が高まってきたところなのですけれども、今議論にありましたように、具体的な中身とか、本当に一人一人の高齢者に必要な事業が届いているのだろうかとか、その事業としての効果はどうなのだと、効率化どうなのだろう、いろんな点の課題も浮き彫りになったかなと思います。そういう点で、これからデータヘルス計画が進捗しながら地域で考えていくということがとても重要なのかなと思いました。
 ということで、いかがでしょうか。本日いただいた議題についてはこれで終了したと認識しておりますけれども、それでよろしいでしょうか。
○宇野調整官 津下座長、おまとめいただきありがとうございました。データヘルス計画策定の手引きにおいて、高齢者保健事業の目的として、できる限り長く在宅で自立した生活を送ることのできる高齢者を増やすことが高齢者保健事業の最大の目的であるという記載を行っております。広域連合、市町村、関係団体の皆様に御協力いただきながら、このデータヘルスの推進や一体的実施の推進、引き続きよろしくお願いしたいと考えております。
○春日専門官 ありがとうございました。本日頂戴いたしました御意見を踏まえて検討を進めてまいります。
 次回の開催日程は、後日、日程調整させていただきます。本日は長時間にわたり、ありがとうございました。