2023年1月23日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第31回) 議事録

日時

令和5年1月23日(月)10:03~11:50

場所

オンライン開催

出席者

真野主査、石井構成員、石渡構成員、太田構成員、河村構成員、田宮構成員、名里構成員、三田構成員

議事

議事内容

○事務局
 皆様おそろいになりましたので、ただいまから第31回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WGを開催いたします。本日も前回に続いて、オールオンラインでの開催です。本日の出席状況について御報告いたします。本日は五十嵐構成員、田宮構成員、松原構成員が御欠席です。
 本日の資料に関して、事務局から事前にメールでお知らせをいたしました、厚労省ホームページに掲載をしておりますので、お手数をおかけいたしますが、そちらを御覧いただければと思います。なお、配布資料は資料1-1~3-2。参考資料は1~8まであります。
 続いて、本日の議事について説明をいたします。本日の議事は、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の次期中期目標案及び中期計画案に係る意見聴取を行うこととなっております。本日の会議は2時間を予定しております。本件については、参考資料1を御覧いただければと思いますが、要綱3の第4号、その他1~3までに掲げる事項に関し、重要な事項に該当するものとして、本ワーキングの意見を賜るものです。
 厚生労働省所管の中期目標管理法人については厚生労働大臣が中期目標を定め、当該法人は定められた中期目標に基づき、中期計画を策定することとされておりますが、法人の中期目標と中期計画は御意見を頂く上で密接な関係にありますので、本日、中期目標と中期計画について、同時に御議論いただきたいと考えております。
 令和5年度からの新たな中期目標及び中期計画の策定に至るまでの流れについては、参考資料2を御覧いただければと思います。一番上の四角い囲みです。令和4年8月、独立行政法人の業務・組織全般の見直し内容等を総務省へ提出とあります。国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の中期目標期間見込評価書と、業務・組織全般の見直し内容については、参考資料5、6にありますように昨年8月に開催した本ワーキングにおいて、皆様から御意見を頂き、その意見を踏まえて厚生労働大臣から総務省へ通知しております。
 中程の四角い囲み、令和4年9月~12月、総務省独立行政法人評価制度委員会の審議・決定とあります。ここで参考資料7を御確認いただければと思います。昨年12月5日に、総務省独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の中期目標期間見込評価書と業務・組織全般の見直し内容について審議し、目標策定に向けての考え方などを決定したものです。
 のぞみの園に関しては13~15ページに目標策定に当たって、目標に盛り込むことについて検討していただきたい点として、整理された留意事項が4点ほど示されております。
 参考資料8を御覧ください。昨年4月8日に、総務省独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の業務管理及び内部管理の共通的な方向性を取りまとめたものです。これらを踏まえて作成されたのが、本日、御議論いただく国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の次期中期目標と中期計画の案です。なお、次期中期目標の策定については、参考資料4の目標策定のルールを厚生労働省独自に定めておりますが、本日はこの観点からも御議論いただければと思います。事務局からの説明は以上です。
 それでは真野先生、議事の進行をお願いいたします。
 
○真野主査
 よろしくお願いします。それでは議事を進めさせていただきます。最初に、ただいまの事務局からの御説明について、何か御質問はありますか。大丈夫ですか。では、進めて行きたいと思います。
 先ほど御説明いただいたように、本日は国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の次期中期目標案及び次期中期計画案について、御議論いただきたいと思っております。
 最初に、厚生労働省の法人所管室から次期中期目標案について御説明いただいて、その後、法人から次期中期計画案について御説明いただきます。この2つの説明をまとめて質疑応答という形の流れで進めていきたいと思っています。
 では、最初に法人所管室から次期中期目標案について御説明をお願いいたします。
 
○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 お世話になっております。厚生労働省の障害部施設管理室の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。まず、私のほうから独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の次期中期目標案につきまして、御説明させていただきます。これから御説明する中で、その都度フルネームですとちょっと長いですので、恐縮ですが、通称の「のぞみの園」ということで御説明させていただきますので、あらかじめ御了承願います。
 次期中期目標案の御説明の前に、改めまして中期目標の全体像を御確認いただきますために、お手元に資料1-1の概要資料を御覧いただければと存じます。中期目標の構造といたしまして、大きくは4つの事項からなっております。
 1つ目が国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項です。この事項では、のぞみの園で取り組むべき具体的な内容を、5つの柱を立てまして整理しております。1つ目の柱が一番左にあります自立支援のための取組です。のぞみの園が平成15年10月に独法化する以前より、施設に入所されている方の地域移行を進めるという取組につきまして、また、のぞみの園に入所されている方は、入所期間が平均で45年近く、平均年齢は70歳近くとなっておりますので、こうした方々への専門性の高い支援の実践につきまして、またもう1つが強行等の有期限で施設入所の受入れをする取組を実践していただくこととしております。
 
○真野主査
 もうちょっと何か声を大きくできますかというチャットが入りましたが、いかがでしょうか。
 
○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理課長
 大変失礼いたしました。2つ目の柱が、その隣にあります調査・研究です。のぞみの園のフィールドを活用したモデル的支援の実践成果などを普及することを目的といたしまして、国の政策課題につきまして、障害福祉政策を推進するため、基礎データの収集・分析を行うこと。次に支援の資質向上を図るため、ガイドラインの作成ですとか実務研修プログラムを開発していただくこととしております。
 3つ目の柱が養成・研修です。障害福祉に従事される方の資質向上を図ることを目的といたしまして、研修会やセミナーの開催、専門性の高い人材を育成していくこととしております。
 4つ目の柱が援助・助言です。のぞみの園における専門的・先駆的な取組や調査・研究の成果などに基づきまして、施設からの地域移行、あるいは重度化・高齢化している障害者の方に対する支援方法などにつきまして、援助・助言を実施すること。また、のぞみの園から全国の知的・発達障害関係施設などに、研修の講師や支援についてのアドバイザーをアウトリーチで派遣するということとしております。
 5つ目が、その他の業務です。これまで説明してまいりました1つ目の柱から4つ目の柱に付帯する業務を実施していただくこととしております。具体的には施設を利用されている障害者の方の加齢に伴う身体や認知機能の低下・重症化に対応するなどのため、必要な医療を提供できるよう、診療所を運営すること。また、行動障害を有する方などへ心理・精神面からの医療的アプローチを行い、二次障害などの軽減を行うこと。また、行動障害のリスクが軽減されるよう、就学前から継続的かつ予防的に対応した支援を、診療所機能を有効活用して実践していただくこととしております。
 以上の5つの具体的な柱立てによりまして、のぞみの園が独立行政法人であって、唯一の重度知的障害者のナショナルセンターとして求められるミッション、その取組内容を整理して中期目標を作成しております。それぞれの柱立てした具体的な取組の評価指標につきましては、後ほどの御説明の際に触れさせていただきます。
 次に2ページ目になります。おめくりいただきまして、大きな事項の2つ目は、上段に記載の業務運営の効率化に関する事項です。3つ目が中段に記載の財務内容の改善に関する事項です。4つ目が下段に記載の、その他の業務運営に関する重要事項という構成になっておりまして、業務運営の効率化に伴う経費の節減割合や自己収入の増加を目指す割合の設定につきましては、向こう5年間の予算確保という話になりますので、財務省と現在、調整を行っているところであります。このため、今回の資料では、申し訳ございませんが、黒丸表記とさせていただいております。中期目標の概要、全体像の説明は以上となります。
 次に、次期中期目標案を作成するに当たりまして、その前提となる考え方や方針になるものがございますので、念のため改めて確認させていただければと存じます。本日の配布資料で、参考資料6の業務組織全般の見直し内容と、参考資料7の独立行政法人の中・長期目標の策定についてです。参考資料6の業務組織全般の見直し内容につきましては、こちらの会議で昨年8月に第4期の見込評価などを踏まえまして、正に業務組織全般の見直しを行いまして、次期目標期間中に講ずるべき事務及び事業の見直し、新たな取組方針、方向性を示したものとなっております。参考資料7は、1枚目の頭から記載がありますとおり、総務省の独法評価制度委員会が政策実施機能の最大化の観点から、主務大臣による見込評価及び業務組織見直しの結果を確認し、主務省及び法人の長、その他の役員との間で法人の使命あるいは直面する課題、また、取り巻く環境の変化につきまして、幅広く議論を行いつつ調査・審議を行った結果、目標に具体的に盛り込むことを検討していただきたい点ということで取りまとめ、検討の際の方向性が示されたものとなっております。
 こうした議論などを踏まえまして、主務省と法人とで検討を重ねまして、次期中期目標案を策定したところです。
 それでは、次期中期目標案の説明を、資料3-1の新旧対照表を使いまして、前期第4期中期目標からの主な変更点に下線を引かせていただいておりますが、こちらを中心に御説明をさせていただきます。まず、1ページ目の第1、政策体系における法人の位置付け及び役割についてです。記載内容は第4期目標と第5期目標とで大きく変わっておりません。先ほど御説明申し上げました総務省の評価制度委員会からの検討の際の方向性、また参考資料3の独法の目標の策定に関する指針や、参考資料7、8の独法評価制度委員会決定事項などを踏まえまして、第5期目標では現状と課題、法人を取り巻く環境の変化、そして法人の使命という項目を立てて整理をして、記載し直しております。
 第1法人の使命では、冒頭、のぞみの園法第3条の目的規定を引いておりまして、以降5行目を少し読み上げますと、「地域で受入が困難となっている、著しい行動障害を有する者、障害者支援施設において高齢化や障害の重度化に伴う医療的ケアが日常的に必要となり施設を退所した障害者等が、可能な限りその身近な場所において必要な日常生活または社会生活を営むための支援を受けられるよう、知的障害、発達障害に関する行政的課題や施設関係者等のニーズを踏まえ」ということで整理をしておりまして、のぞみの園におきまして、先導的かつ総合的支援の提供を行うほか、知的・発達障害者の支援に関する調査・研究及びその成果を踏まえました養成・研修を実施することによりまして、全国の知的・発達障害者関係施設などに情報発信して、障害者支援の質の底上げを図っていくことが重要であるということで整理をしております。
 また、支援対象を表記している箇所は、前期までは知的障害者としておりましたが、第5期目標では知的・発達障害者ということで発達障害者を、のぞみの園の取組の対象であることを明記しております。
 次に、2の現状と課題です。2ページを御覧ください。変更箇所は4行目の下線を引かせていただいている所です。のぞみの園では昭和46年から入所されている方への支援と平成25年頃から有期限で受入れをしている方への支援に取り組んでおりますが、それぞれの現状と課題につきまして、記載のとおり、のぞみの園の独立行政法人に移行する以前から入所している方ということで、御覧のとおり、整理し直して記載をさせていただいております。
 2ページ目の3法人を取り巻く環境の変化のところです。前期の中期目標では平成28年改正の障害者総合支援法を引っ張ってきておりましたが、昨年の秋に障害者総合支援法が一部改正されましたので、直近の改正された内容に書き換えさせていただいております。このように障害者施策は、障害者等が希望する生活を実現するため、障害者等の地域生活の支援体制の強化のほか、精神障害者や難病患者などへの支援の強化が求められておりまして、より一層のきめ細かな支援が求められているところです。
 2ページ目、一番下の4の第5期中期目標期間における取組の方向性といたしましては、第4期から引き続いて、国が独法に実施させるべき業務に特化し、独法に求められている業務運営の効率化、自主性、質の向上を図りつつ、より一層の自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、あるいは知的・発達障害者の支援に関する調査・研究、また、その成果を踏まえた養成・研修を効果的かつ効率的に実施するものとしております。
 なお書き以降、下線を引かせていただいておりますが、記載内容に変更はございません。引き続き、のぞみの園の取り巻く状況変化を踏まえまして、中長期的な運営方針等を検討する場を第5期中期目標期間中に設けまして、その検討成果に基づき所要の措置を講じること。このため第5期中期目標期間中においては、中長期的な運営方針との整合性を図りながら、業務運営を行っていくこととしております。
 3ページ中段の第2の中期目標の期間です。令和5年4月1日から令和10年3月31日までの5年間となっております。第3に国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項として、実際にのぞみの園に次期5年間で取り組んでいただく業務内容、目標を記載しているところになります。
 私からの説明は、冒頭、中期目標の概要ということで、全体像を御説明申し上げましたが、提供するサービスに関する事項では、大きく5つの柱立てをしております。1つ目が自立支援のための取組です。ここでは、のぞみの園に全国から独法に移行する前から施設に入所されている重度知的障害者の方に、入所施設を退所して、地域生活に移行していただくべき取組についてまとめております。
 先ほど述べましたように、のぞみの園では独法に移行する前から施設を利用されている方への支援と、独法後に始めた強行等を有期限で受け入れている、現に地域で受入れが困難となっている方への支援と、大きく2グループへの支援取組を行っておりますので、第5期目標では、3ページの最後の行の下線部分ですが、ここでは移行前の施設入所利用者への取組について記載していることを、分かりやすく読み取れるよう追記いたしております。
 4ページに移っていただきまして、なお書き以降です。記載のとおり、「なお、移行前の施設入所利用者の重度・高齢化が顕著となる中で、受入環境が整わず出身地への地域移行が困難な状況となっている場合であっても、施設入所を継続するのではなく、地域で日常生活又は社会生活を営むことができるように努めること。また、施設入所利用者の地域生活移行は、全国の障害者支援施設に共通する課題であり、取組の推進を図るためにも、これまでのぞみの園で実践してきた地域移行までのプロセスの効果的な情報発信に取り組むこと。」としております。また書き以降につきましては、この会議の場におきましても、複数の構成員の先生方から御意見を頂いておりましたとおり、今、申し上げましたような記載にさせていただいております。
 また、第4期目標の4ページ目の1行目からの下線部分ですが、こうした取組によりまして施設入所利用者について、前期中期目標終了時と比較して、14%縮減することとしていた縮減目標を削除しています。これについては説明冒頭に御紹介させていただきました、本日の参考資料7の独法の中期目標の作成について、この中で、のぞみの園に対する留意事項が4点ほど示されておりましたが、このうちの1つに障害者の自立支援の観点での地域移行推進の取組について、施設の入所利用者数の総数の縮減を目標とするのではなく、有効な目標設定をしてはどうかといったような趣旨の御指摘を頂いておりますので、こういった御指摘を踏まえまして、対応させていただいております。14%という数字の中には、地域生活に移行した方の数で毎年度5人という数のほかに、残念ながら高齢によりまして、お亡くなりになられる方として、毎年度10人程度という数字が含まれておりまして、こうした数を目標として掲げるのはいかがなものかという考えから、また、のぞみの園が求められている役割には、法人自ら地域移行を達成するほか、全国の施設に共通する課題でありまして、取組の推進を図るためにも、これまでのぞみの園で実践してきた地域移行までのプロセスの効果的な情報発信に取り組むことであるため、より、そうした取組のほうを評価する目標に整理しております。重要度、難易度の設定につきましては、第4期に引き続きまして「高」ということで整理させていただいております。若干、記述ぶりで補足をする変更を加えておりますが、説明は割愛させていただきます。
 5ページの(2)、2つ目の柱の施設入所利用者の高齢化に対応した支援についてです。また書き以降に下線を引いておりますが、取組内容の変更はなく、内容を具体的に追記しております。のぞみの園に入所されている方は、全国の障害者施設に比べて平均年齢が20歳ぐらい高齢の方となっておりまして、全国の施設より先行して高齢の方に対する支援に取り組んでおります。今後、全国の施設におきましても、のぞみの園と同様に加齢に伴い、身体や認知等の機能低下、重症化した方に対する支援に取り組むことになりますので、のぞみの園での実践で、よりきめ細かな支援の在り方を検討し、そのノウハウを情報発信することとしております。
 5ページ目、下線の「さらに」以降は、新たな取組となります。のぞみの園において「ターミナルケア」を実践し、そのノウハウにつきましても情報発信に取り組んでいただくこととしております。重要度の設定ですが、申し上げましたとおり、第5期目標では全国に先行して実践し、情報発信を行うことが重要度の高い目標であると考えますので、「高」の設定とさせていただいております。
 5ページ目、下から3行目の(3)、3つ目の柱、地域で受入れが困難となっている障害者を有期限で受け入れている取組についてです。第4期までは有期限で受入れをする対象者を、著しい行動障害等を有する方と、福祉の支援を必要とする矯正施設を退所した知的障害者とし、一方は障害特性に着目した、一方は施設を退所した者としておりましたが、第5期から対象像に着目しまして、整理し直した記述に変更しております。また、こうした方で日常的に医療的ケアも必要になったため、地域の施設から退所せざるを得ない方を受け入れるということを明記しております。
 6ページのまた書き以降です。特に有期限で受け入れて、支援をしている障害者につきましては、アセスメントに基づいた環境調整、そして医療と福祉の効果的な連携が必要な取組内容となっておりますので、第4期と取組内容に変更はございませんが、支援に当たり取り組むべき具体的な内容を追記させていただいております。
 次に、重要度、難易度の設定について記載しているところです。「重度の知的障害にASD(自閉スペクトラム症)を合併している場合が多く」、少し飛びまして下から4行目ですが、「知的障害のみならず、発達障害、精神障害を併せ持つなど、複雑で多岐にわたる問題を抱えているため」とありますように、これらをのぞみの園が取り組んでいる支援の対象像と整理して、重度の知的障害のある方に限らず、発達障害、精神障害を併せ持つ方を対象としておりまして、特にのぞみの園の取組に期待されている、著しい行動障害を有する方などへの支援につきましては、ASDを併せ持つ場合が多いことから、これまで取組対象を知的障害とだけ表記していたところを、第5期目標では知的・発達障害というふうに記載ぶりを変更させていただいております。
 7ページの(5)評価における指標、また指標の設定及び水準の考え方についてです。これらの評価における指標の設定や考え方に大きな変更点はございません。基本的な考え方といたしまして、前期期間中の実績を上回る指標の設定としております。また、有期限で受け入れる方としまして、医療的ケアが必要となった者について、第5期目標で明記したところですので、この取組に関する目標の設定を8ページの⑥⑦で追加させていただいております。
 次に、9ページの2調査・研究です。調査・研究につきましては、前期目標と比べまして、取組の方向性で大きな変更点はありませんが、(1)の、なお書きの所ですが、テーマ設定に当たっては、「国内外の」と下線を引かせていただいております。のぞみの園が令和3年からASEAN加盟国10か国の東南アジアにおける発達障害に対する保健医療政策の実態把握と改善に関する調査を、インドネシア政府をはじめ、ASEANの研究者などと行うといった新しい取組にチャレンジしていただいておりますので、第5期目標に海外の制度や研究の動向に関する調査・研究に取り組んでいただくことを盛り込んでおります。細かい変更ですが、文末の所、支援の実践につながるものと「なるよう努めること」としていたのを、つながるものと「する」というふうに変更させていただいております。
 次に(2)の実施体制の充実です。10ページの3行目からの、「さらに」という所です。「民間の助成研究などを積極的に活用するなど、多様な調査・研究の機会を得ることにより、調査・研究の実施体制の充実を図ること。」を新たに盛り込ませていただいております。
 10ページの(3)研究の積極的な普及・活用です。SNSを活用すること。また、国内外の研究者に活用されやすいものとするため、研究データの適切な保管やデジタルデータの提供体制を構築すること、成果の利活用状況を自己点検するための体制を整備することを新たに盛り込ませていただいております。のぞみの園は、重度知的障害者のナショナルセンター、国立施設としまして、のぞみの園のフィールドを活用した調査・研究の成果を、全国の施設等に普及して、障害者支援の質の底上げを図ることを求められておりまして、調査・研究により、後ほどの養成・研修、援助・助言の取組につながるものとなっておりますので、大変期待され重要な取組となっておりまして、第5期目標期間中に、より、その機能の充実強化を図るものと整理させていただいております。
 (4)の評価における指標、また11ページの指標の設定及び水準の考え方に大きな変更点はございません。こちらも基本的な考え方として、前期期間中の実績を上回る取組指標と整理しております。
 次に、12ページの3養成・研修です。変更した点は前期目標にありました、下線が引いてある、また書き以降の「ボランティアを希望する学生などには実践の機会を提供すること」を養成・研修の項目から、後ほど出てまいります効率的かつ効果的な設備の利用というところに記載して、考え方を整理し直しております。養成・研修では、地域で受入れが困難となっております課題を解決するなど、国立施設として、より専門性の高い取組について整理をし、また、総務省評価評価委員会決定の留意事項として、地域共生社会の実現に向けて、法人がSNSを活用した情報発信に取り組むなど、国民が広く接しやすい情報発信の在り方を積極的に検討することについて、目標に盛り込んではどうかとの御指摘も踏まえまして、ボランティアの受入れについては、より具体的に中期計画のほうで、企業や団体、大学・専門学校や生涯学習に関わる方などに広報活動を行い、のぞみの園のフィールドを活用して、ボランティアを実践する機会を提供し、積極的に共生社会の趣旨、理念の普及・啓発に努めるというふうに整理させていただいております。
 また、著しい行動障害についての指導者養成研修の関係ですが、第5期中期目標期間中に、中核的な支援者の養成・研修、指導的な人材の養成・研修などを行い、より専門性の高い人材の養成に取り組むことを盛り込んでおります。また書き以降では文部省と弊省のトライアングルプロジェクト、家庭と教育と福祉の連携の報告書に基づきまして、特別支援教育に関わる教職員の関係機関との連携を図ることを盛り込んでおります。
 評価における指標、また13ページの評価の設定及び水準の考え方につきましては、こちらも基本的な考え方として、前期期間中の実績を上回る指標の設定とさせていただいております。
 次に、13ページ下の4の援助・助言です。14ページの2行目からのまた書き以降ですが、支援についてのアドバイザーの派遣を行うほか、著しい行動障害を有する方の支援体制の強化を図るため、先進事業所との連携を進め、支援などについての全国ネットワーク構築に向けた取組を行うということを盛り込んでおります。<重要度><評価における指標>は、数字の置き直しですので、説明を割愛させていただきます。
 次に、15ページの5その他の業務です。その他の業務として、(1)に診療所の運営を行うこと。(2)に発達障害児・者の支援を行うこと。(3)に地域の障害者に対して、地域生活支援を行うこととしております。いずれも内容に大きな変更点はございませんが、取組内容につきまして、具体的に追記をさせていただいております。
 最後になります15ページの下の所から、第4の業務運営の効率化に関する事項です。16ページの1の(1)効率的な業務運営体制の確立及び人事管理に関する体制の見直しですが、方向性に変更点はございません。参考まで下線の引いてある所が変更点ですが、国の政策や、のぞみの園の目的を円滑に実行する組織となるため、業務運営体制について継続的に見直すこと、人事交流などを通じて専門性の高い組織運営に努めることと文言を整理させていただいております。
 (2)の交付金の節減率、17ページの第5財務内容の改善に関する事項、1の自己収入比率の目標設定につきましては、先ほど申し上げましたとおり、現在、財務省と調整中ですので、黒丸表記とさせていただいております。
 簡単ですが、弊省からの第5期中期目標案の説明は以上とさせていただきます。
 
○真野主査
 ありがとうございました。次いで、法人から次期中期計画(案)をお願いいたします。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園総務企画局長
 のぞみの園総務企画局長の上井と申します。今、画面共有いたしますので少々お待ちください。声は、聞こえておりますでしょうか。それでは、のぞみの園から続けて説明させていただきます。中期計画につきましては、ただいま厚生労働省から御説明いただきました中期目標を達成するために、のぞみの園が具体的に取り組むべき計画を策定いたしております。この計画により、のぞみの園のミッションであります重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図るミッションを、適切に果たしてまいりたいと考えております。
 それでは画面共有しておりますが、資料3-2の中期計画(第5期)(案)の新旧対照表に基づき説明いたします。項目につきましては、第1~第10まであります。第1につきましては、特に目標を達成するために取るべき措置として5項目に分かれております。中期計画につきましては本文がありますが、本文はおおむね今、厚生労働省から御説明いただきました中期目標のとおりとなっております。   そこで、主に(具体的な取組)といった項目がございますが、こちらを中心にして、第4期から変更のあった点を説明いたします。まず1ページ目です。第1国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するために取るべき措置。その中の1が、自立支援の取組です。この中の(1)につきましては地域移行の推進です。こちらは、利用者の高齢化・重度化が進み困難になっております。中期目標でも受入れ環境が整わないで移行が困難になっている場合であっても、施設入所をただ継続するのではなく、地域で日常生活又は社会生活を営むことができるように努めるとなっております。これを受けて、2ページ目です。のぞみの園が設置・運営する重度・高齢に対応するグループホームの地域生活を積極的に提示することを記載いたしております。3ページです。②として、日中サービス支援型グループホームの設置・運営を、のぞみの園で設置・運営するという意味で新しく記載しております。このことにより、特別な支援が必要な者に対する地域生活モデルの構築に取り組む、と記載しております。前後して申し訳ございません。また2ページです。(具体的な取組)です。①地域移行のプロセスですが、アとして、本人の意思確認や保護者からの同意の中では意思決定の支援、保護者等の同意の中では、現在の暮らしぶりを映像・写真等で見える化を工夫し、保護者等からの同意に努めるといった点につきまして、追加して記載をしております。それと、②は先ほど申し上げました日中サービス支援型グループホームです。3ページの③は情報発信の実施です。こちらにつきましては従来からニュースレター等により情報提供しておりますが、第5期につきましてはニュースレターに加えてホームページを活用すること。更に施設だけではなく、地方公共団体に対しても発信を行うといったことを記載しております。
(2)です。高齢の施設入所利用者に対する専門性の高い支援です。こちらの本文につきましては、中期目標と同じになっておりますので説明は省略いたします。4ページは、(具体的な取組)です。こちらにつきましては①として、医療と福祉の連携による重度・高齢化が進む施設入所利用者への支援の強化を項目立てしております。この中では、例えば生活寮へのコメディカルの訪問、配置など、具体的な医療と福祉の連携内容を記載しております。②効果的な日中活動の提供です。こちらにつきましては、公認心理士OT、PTなどとの連携を記載しております。③ニーズに対応した生活環境の整備です。5ページの④は専門性の向上等です。こちらにつきましては、先ほど中期目標で御説明いただきましたターミナルケアに関する取組につきまして、新たに記載しております。
(3)は、有期限で受け入れをしている著しい行動障害等を有する方の項目です。本文につきましては先ほどと同様、中期目標と同じです。(具体的な取組)です。5~6ページにわたりますが、モデル的支援の提供、関係機関との連携、医療と福祉の効果的な連携といった項目立てをしておりますが、こちらでは第4期の中期計画から更に内容を項目別に再整理し、具体的な書き込みを増やしております。④が効果的な人材育成になります。こちらにつきましては、外部からの定期的なコンサルテーションを受けること及び現任研修や人事交流を促進するといったことを新たに記載しております。
 7ページにいきます。(4)(5)です。こちらにつきましては、中期目標と同様です。
 8ページの大きい項目の2つ目、調査研究です。(1)調査・研究のテーマの設定です。全体といたしまして中期目標と同様ですが、なお書きがございます。
 9ページの4行目からのなお書きですが、社会的ニーズを踏まえたテーマ設定とするために、テーマ設定につきまして全国の知的・発達障害者関係者に対して、ホームページ上又はセミナーなどの機会に調査研究に関するアンケートを実施することを、新たに記載しております。
(2)調査・研究の実施体制の充実です。こちらの本文につきましては、中期目標と同じです。そして、(具体的な取組)がございます。イとして、業務の計画的・効率的な実施といった項目がございます。
 10ページの5行目です。「実施にあたっては」といったパラグラフがありますが、この中で民間の研究団体等への応募を検討を、新たに記載しております。このことを通して、調査・研究の機会確保に努めてまいりたいと考えております。その下のウですが、調査・研究の健全性・公平性の確保です。こちらにつきましては、研究インテグリティを確保するために、既存の研究倫理審査委員に加え、利益相反委員会の開催を行うといったことを追加で記載しております。
 (3)調査・研究の成果の積極的な普及・活用です。具体的な取組が、10ページの下から始まります。11ページ、オがあります。研究データの管理・利活用です。この中では適切な機関リポジトリの運用を図るとともに、外部の研究者等が活用できる環境の確保、また研究成果の活用状況の把握といったことについて記載しております。
 12ページを御覧ください。大きな3番、養成・研修です。こちらも、本文につきましては中期目標と同じです。
 13ページに、(具体的な取組)がございます。①が、研修会及びセミナーの開催等です。こちらにつきましては、国の政策課題や知的・発達障害に対する支援技術に関すること等をテーマとして取りまとめております。研修会やセミナーに加えて、新たにオンラインによる開催といったことをここに明記しております。こちらは、昨年の有識者会議でもそういった御意見を頂きましたが、このコロナ禍といった中で、オンライン会議が一般化した現状を活かす御意見を頂いておりますので、その御意見を踏まえてここに記載しております。
その下です。トライアングルプロジェクトの理念に基づいて、特別支援教育に関わる教職員との連携につきましても記載しております。今、ずっと資料の左側の第5期について申し上げておりますが、右側の第4期の欄の一番下にボランティアの機会の提供を記載いたしておりました。先ほど厚生労働省からも説明いただきましたが、後ほどまた触れますが、具体的な取組が後ほど出てまいります。地域の社会資源・公共財としての活用といった欄があり、ボランティアにつきましては、その中で、のぞみの園のフィールドを活用してボランティアを実践する機会を提供する、といった記載をして、フィールドの活用、社会資源・公共財としての活用といった項目の中で再整理して、触れることにしております。そのため、こちらの場所にはボランティアの関係は記載していない関係になっております。
 続きまして、14ページを御覧ください。4援助・助言です。援助・助言も本文につきましては中期目標と同じです。15ページの(具体的な取組)の中のウを御覧ください。ウにつきましては知的・発達障害者支援施設等への職員派遣です。こちらは中期目標の記載を踏まえて、例えば、ほかの知的・発達障害者支援施設から求めがまいりまして、そういった求めに応じてアドバイザーとなる職員の派遣を行うと記載しております。続いて、評価における指標につきましては、中期目標と同じです。
 15ページの下からですが、5その他の業務です。(1)は、診療所の運営関係です。16ページの5行目から、(具体的な取組)が記載されています。診療所の運営関係、具体的な取組につきまして、①医療的ケアが日常的に必要な方の地域移行、②利用者の高齢化・機能低下への対応、③行動障害を有する者等に対する個別支援方法の構築、④地域の障害者に対する予防的医療の提供を行うこと等を項目立て、そのために必要な医療と福祉の連携や、専門的な職種の役割について、第4期に比べて更に具体的かつ詳細に記載しております。
(2)が、発達障害児・者の支援です。
 17ページ、(3)といたしまして、地域の障害者に対する地域生活の支援が記載されておりますが、こちらにつきまして内容は中期目標と同じですので、説明は省略いたします。
(4)が、評価における指標です。地域の知的障害者への健康診断の実施です。こちらは第4期では参考指標とされておりましたが、新たに評価指標にしております。それから、地域の障害児・者に対する診療件数につきまして記載しております。こちらにつきまして、評価指標として設定をしている次第です。
 18ページを御覧ください。第2業務運営の効率化に関する目標を達成するために取るべき措置です。1ですが、効率的な業務運営体制の確立です。こちらにつきましては、中期目標と同じ内容になっております。更に(具体的な取組)が、19ページに記載されておりますが、この内容につきましては第4期と同様になっております。
 20ページを御覧ください。2効率的かつ効果的な施設・設備の利用です。(具体的な取組)が記載されておりますが、その中のイです。地域の社会資源・公共財としての活用がありますが、この中に先ほど御説明した養成・研修の項目からボランティアの項目を移動しております。のぞみの園のフィールドを活用してボランティアを実践する機会を提供し、積極的に共生社会の趣旨・理念の普及啓発に努めるといったことで、このような観点からボランティア活動についてはこちらで位置付けをしております。
 21ページ、3合理化の推進です。この中では、評価における指標がありますが、競争性のある契約の比率についての記載です。こちらは実績を勘案し、第4期は87%以上としていたものを、第5期では90%以上とするということで、指標の記載をしております。
その下の第3の財務内容の改善に関する事項は、中期目標と同じ記載になっております。
22ページ、第4その他業務改善に関する重要事項です。こちらにつきましては、全般的に中期目標と同じですが、23ページのカに、新型コロナウイルスに対する対応を記載しております。こちらにつきましては、内容が新型コロナウイルス感染症の対策といった内容になっておりますので、第5期で新たな記載をしております。
25ページ、第5予算・収支計画及び資金計画です。これ以降につきましては、先ほど厚生労働省からも説明がありましたが、第5期の予算に関する内容ですので、現在、厚生労働省と財務省等と協議をしておりますので、中期計画につきましても黒丸表記があるなど、内容は調整中になっております。
 駆け足ですが、以上が中期計画、中記目標と重複しない部分を中心に説明させていただきました。以上です。ありがとうございました。
 
○真野主査
 御説明ありがとうございました。それでは今の2つの目標案と計画案について議論をしていきたいと思います。どなたか発言ございますでしょうか。画面共用1回閉じてもらったほうがいいですかね。じゃあ、はい、どうですか。構成員の方。
 
○石渡構成員
 すみません、石渡です。
 
○真野主査
 どうぞお願いします。
 
○石渡構成員
 はい、石渡です。御説明ありがとうございました。昨年の9月9日に国連からの勧告が出て、また障害分野いろんな動きが始まっているなというふうに思うんですけれども、やっぱりその国連の勧告で強調されていた入所、入院からの地域移行というところで、私はこののぞみの園が果してきた役割はとても大きいなというふうに思います。ただ、いろんな地域の実態を見ていると、その入所者の高齢化と重度化という辺りで、なかなか地域移行が進んでいないというのが、どこの自治体でも報告されるところです。のぞみの園は、ほかの地域の入所者に比べて高齢化が進んでいる中でも、本当に地域に向けての支援というのを続けて、いろいろなチャレンジをしていらっしゃるなというふうに思うんですけど、先ほどもですね、地域移行に向けての効果的な情報発信というようなお言葉ですとか、それから援助・助言という辺りで、地域移行に向けていろいろなアドバイスをしているということだったんですけど、その効果的な情報発信とか具体的な助言とかが、どんなふうに行われているのかというのを教えていただきたいというのが1点です。
 それからもう1点、やっぱりその国連の勧告の中では、グループホームの生活が地域移行なのかというふうな問題も提起されていて、私もやっぱりいろんなところのグループホームを見ていると、それこそ20人規模のグループホームが何棟も並んでいるみたいなこともあったりするわけで、入所施設とどこが違うのかみたいな問題も現場から提起されていると思うんですね。やっぱりそのグループホームの生活の実態みたいなところの把握というのが、すごく困難になってきているなと思いますし、先ほどのぞみの園では、日中サービス支援型のグループホームを設置するというようなこともおっしゃっていたんですが、グループホームの実態把握みたいなところを、その研究活動、研究部門、研修部門でやっていただけたらいいなというような希望もあるんですけれども、1点目は地域移行への支援というものが具体的にどんなふうにやられているのか。2点目にグループホームの実態みたいなものを厚労省のお考えも含めてですけれども、どういうふうに把握されているのかという2点お願いいたします。
 
○真野主査
 お願いしていいですか。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 のぞみの園の理事長の深代でございます。聞こえますでしょうか。
 
○真野主査
 聞こえます。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 まず地域移行、情報発信をどんなふうにしているのかという御質問だったと思います。これまではニュースレターを通じてだったり、あとはリーフレットを2年ほど前に作りまして、それを公開するような形を取っております。その頃からもずっと、委員の皆様からも情報発信をしっかりするようにという御意見を頂いてまいりました。これまでの事例について幾つか、具体的な事例についてホームページ上で公開することも考えてはどうかということで、今、議論をしております。なかなか具体的な事案によって進め方が違うものですから、適切なものを拾って、その中でどうしていったのかというようなことも併せて、幾つかの事例を公表できればいいなというふうに思っております。
 それからグループホームの実態調査、実態のお話なんですけれども、これについてはこれまでどちらかというと、厚生労働省の補助金を頂きながらいろいろな調査をしてまいりました。その中で独自にというよりは、国との相談をしながらやっていくことになるのかなというふうに思っております。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園総務企画局研究部長
 すみません、総務企画局研究部長の日詰です。失礼します。今御提案いただいた調査についてもちろん検討していきたいと思います。少し前に新型グループホームができた。
 
○河村構成員
 すみません、もう少し大きいお声でお願いできますか。すみません。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者宋誤施設のぞみの園総務企画局研究部長
 すみません。このくらいの声では大丈夫ですか。
 
○河村構成員
 もうちょっと大きくしてもらえたら聞こえます。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園総務企画局研究部長
 分かりました。数年前の日中支援型ができたばかりのときに、どれくらい高齢なのか強度行動障害なのか、どういう形でこれから増えるんだろうかということを、一度厚労省の調査をしたことがありますので、そのときには行動障害というよりは高齢の前の段階で、住まいを確保しておこうみたいな形の使い方がされていたという結果になっていました。ただそれから数年たって、全国でいろいろな展開が起きていますので、その後どういうふうに増えているのか、あと支援の中身についてタイムスタディー的なことまでできるかどうか、実際に職員がどういう動きをしているのかというのを、多分皆さん関心があると思いますので、先ほど理事長が申しましたように、厚労省とも相談したり、我々独自でも少し研究デザインを考えて、また今後皆様にお示しできるようにしたいと思います。御指摘ありがとうございました。
 
○石渡構成員
 石渡です。続いて厚生労働省からお願いします。
 
○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長補佐
 はい。1つ目の情報発信の取組について補足いたします。今回、この会議の場で昨年の夏も複数の方から御意見を頂き、先ほど御説明したとおり、中期目標計画には盛り込んだところです。これまでの地域移行というのは、かなり前からのぞみの園でも全国の自治体でも取組を進めてまいりましたが、先生が御懸念のとおり、より高齢化、重度化に伴って、これまで以上に地域生活への移行が難しい方が全国でまだ残っていらっしゃいます。そこについては、のぞみの園が先行して取り組んできたノウハウがありますので、改めてもう一度、全国の自治体に対して効果的に情報発信できるようなことを検討し、取り組んでいただくために中期目標にも、あえて改めて記載したところです。
 援助・助言のところにもありますように、これまでホームページで情報発信する、ニュースレター等の定期刊行物で情報を届ける等、一定のことはしておりましたが、より積極的に自治体に出向いてアドバイスをするなどを通して、また、これからの取組になりますが、のぞみの園の実践現場においてICTを活用して日々得られた支援情報のデータ収集・分析する。こういったことを現場でのICT活用に共有する、情報を届けていく、相互のやり取りができるとか。こういったことも、これから検討しながらより具体的に、効果的な情報発信に取り組んでいきたいと考えております。
 
○石渡構成員
 石渡です。御説明ありがとうございました。では、その具体的な情報発信ということで、ホームページに効果的な事例の紹介や自治体へ出向いてというのは、とても大事なことだと思うので是非お願いしたいと思います。ただ私は、強度行動障害の方の支援のところでは具体的なセミナーを開催したり、先進的な事業所との連携のところなども新たに始められるということで、例えば、地域移行に関しても、そのようなやり方ができないかなということをお願い、検討していただけたらと思っております。
 それで、例えば、全国知的障害者福祉協会の会長の山形の井上さんの所みたいな協会との連携など、もう少し打って出るような情報発信をしていただけるといいなと思っております。何かもう少し積極的なやり方、高齢化、重度化でなくても、地域移行ができていない入所施設がすごく多いのではないかと思いますので、その辺りは何か抜本的な方法を考えていただけたらと思っております。
 あと、グループホームに関してですが、日中サービス支援型の調査なども行っていただけていると思いますが、やはり率直なところ、いろいろな実態を見ていると、運営主体によって支援内容が違っていると思わざるを得ませんので、その辺の指導方法等も含めてやっていただかないと本当に入所施設と変わらない、地域の暮らしなのかみたいな批判に耐えられないのではないかと思ったりします。以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございます。確かに、以前から課題に出ているように、どうしても国立なので、エリアだけというより、もちろん、エリアだけではないと思いますが、打って出ている感じがあったほうがいいとは思います。ほかの方はいかがでしょうか。三田先生、お願いします。
 
○三田構成員
 三田です。3点御質問いたします。その前に、今回の提案の中にあった地域移行に関して、いつも家族の同意がネックになるという話があったのですが、それについて新しい試みとして提示していただいた映像を使うなどについては、とてもいいなと思いました。
 次に、御質問ですが、1つは先ほど診療所の話で医療的なケアが必要な人の地域移行の話が出たと思いますが、どのような所を想定されているのだろうかと、あるいは、今、実績としてどのようなことがあるのか。あるいは、新しく医療的ケアに対応できるようなグループホームを作っていくこともあるのかどうか。具体的なお話が聞きたいなと思いました。非常に難しさも感じているので、とにかく目標に挙げておいたが実績はゼロだったみたいなことにならなければいいなと思いました。これが1点目です。
 2点目は、ボランティアを1,000人規模で想定されているというお話でしたが、ただ、その目的が共生社会に向けてということであれば、大体、その入所型施設のボランティアというと、職員が足りない部分の補助に入る、バックヤードでのお仕事等、あるいは、環境整備でお庭を作る、園内の掃除をする、そちらに人がたくさん入っているような印象があります。言葉がなかなかなく、高齢化していつも接するのが職員だけだというような人にとって、いろいろな刺激を与えてくれるような、方法は難しいところもありますが、外部のボランティアとの出会いの場みたいなものをもっと増やしていただきたいと思います。そのために、どのような配慮が必要かということになると思いますが、全く入所者の関係のない所で施設に入って来る人が増えていくのは本来とは違う気がするので、もし、そうでなければ教えていただければと思います。
 3点目が一番大きなところで、今日、示していただいた支援のこと、運営のこと、研修のこと、全ての根底に関わるのは入所者の権利をどう守るかだと思います。それを数値化したり、文書化するのは難しいことが今回もよく分かったのですが、すごく職員が大変だということは強調されていたのですが、コミュニケーションも難しく、また、強度行動障害がある、あるいは重い自閉の問題があるなどに対する職員がどのように権利を守りながら支援を提供するのかというところを、私は一番全国に発信していただきたいところだと思っています。ですので、虐待防止ですとか、職員がもういいとなってやっぱりなかなか伝わらないと、いろいろな状況になるのはどの施設でも一緒のことで、それをいかに少しでも改善していくかというところの取組、その背景にどのようなことがあるのか、最近コロナになり、どこも閉鎖的で虐待通報すらもなくなってきたという中で、そのような事案があったのかどうか。あったことが良くないのではなく、あっても表に出ないほうが問題だと思っておりますので、そのような実態等についても情報を頂き、これからの思いなども教えていただけたらと思います。以上です。
 
○真野主査
 これは法人のほうがいいですね。お願いします。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園総務企画局事業企画部長
 ありがとうございます。事業企画部長の古川です。今、三田先生からお話がありました医療的ケアの部分についてですが、まず、移行先として、今のところは、やはりどうしてもグループホームへ移っていただくことが中心になるだろうと考えています。実は、実績として平成22年以降、今、9名ぐらい医療的ケアが必要な、特に行動障害の顕著な方を受けさせていただき、地域に戻っていただいているのですが、経管栄養の方、在宅酸素療法の方、いわゆる糖尿病のインシュリン注射を必要とする方たちですが、主にインシュリン注射を打っていた方たちについては、うちへ来て生活改善をしていただき、体重を落として医療が必要なくなった形でグループホームに移った方。あとは、ある程度、生活が落ち着いて医療が受けられるような形になり、支援の現場に戻っていただいた形で関わってきました。
 ですので、今後も今お話したような形でうちへ来ていただき、まず医療を受ける上で問題になっていることをきちんとアセスメントし、障害があるために医療が受けられないのか、また、そうではなく医療的な行為が基となって問題になる行為が出ているのか、その辺をきちんと見定めて、ある程度、生活を改善するという取組でグループホーム等を目指していければ良いかなと考えております。
 例えば、日中サービス支援型のグループホームを開始するのですが、当面は旧コロニーからの利用者の移行先という形で、高齢・重度に特化した形のモデル的なグループホーム運営をやりたいと考えております。ゆくゆくは、今、お話があったような医療的ケアが必要な方たちの生活の場という形でも、一部考えていけたらいいなと法人としては計画しているところです。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 続いて、ボランティアの話です。前の計画で1,000人規模、かなり大規模な数を想定していたのですが、新型コロナの関係、あるいは医療的ケアが必要な方が増えている関係で、なかなか中に入っていただく機会がありませんので、今年度は、数そのものを目標には掲げないようにしております。その中で、三田先生からも御意見がありましたボランティアとしての出会いの場という形で、入所利用者の方の、そのような場を作ることが大事ではないかというお話を頂きました。
 施設の利用という項目には移りましたが、できるだけ広報をして、そこでボランティア活動ができる場の提供という形でしていきたいと思いますので、支援することも含めてボランティアの方と出会えるような場も作っていければいいなと思っております。入所利用者の権利擁護をしながらの支援ですが、一番のポイントは入所利用者の方々の意思決定、あるいは思いをどのように支援していくかだと思っております。それを今回、ターミナルケアもそうですが、それまでの記録、特にターミナルケアの部分では、それまでのその人の支援記録やあるいは生育、その人の心身状況等を踏まえて本人の思いがどこにあるのかを、支援者あるいは関係者全員できちんと共有して、どのような支援をしていくかを支援計画に載せてきちんと共有しながら進めていこうと思っております。いずれにしても、ターミナルケアだけではなく、入所利用者の方々の状況に合わせて、しっかり適切な支援をする。思いを汲んでしっかり支援することが大事だと思っております。
 現実に虐待があったかというお話ですが、今年度はありませんでした。昨年度は1件ありました。これがコロナと直接関係することではないと思いますが、周囲の人を笑わせるためにということで不適切な行動をとった支援員がおりましたので、それは虐待であると認定し、当人もこれについて最後は自主的に退職となってしまいましたが、そのようなケースがありました。
 
○三田構成員
 以上ですか。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 はい。
 
○三田構成員
 ありがとうございます。最後の点ですが、私がお伺いしたかったのは、その利用者の意思決定という視点ではなく、合理化する中で、職員の方も人手的にもキツキツの中でやられているでしょうし、多分、非常勤の方の割合も増えていっている中で、先ほどの計画の中にあった職員のモチベーションをいかに維持しながら、職員側がどこかで研修するのもすごく大事ですが、内部の職員が言葉なく自分に対していろいろしてくる利用者もいる中で、職員の方たちへのフォロー体制というか、虐待を起こした人が、その内容はよく分かりませんが、辞めたという結果だけを見ると辞めて良かったという意見もあるかと思いますが、そうならないために、どのような取組が必要なのかという議論は多分されているとは思いますが、今回の計画では見えにくかったのでお伺いした次第です。意見なのか質問なのか分かりませんが。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 のぞみの園の理事長です。職員と課長なり部長が面談をする機会というのは設けております。必ず年1回は実施するようにしております。非常勤の職員も現場で課長が面談するような形をとっております。それ以外にモチベーションという形では、なかなか難しいと感じているところです。難しい中で常に支援をしていただいていることについては努力していただいて有り難いと。例えば、コロナ禍でしっかり支援していただいて有り難いという気持ちを、常に伝えていくことも大事なのかなと私自身は思っております。
 
○三田構成員
 ありがとうございました。
 
○真野主査
 名里先生、お願いします。
 
○名里構成員
 今の権利擁護と職員のモチベーションの話ですが、もちろん大変なお仕事で、大変な中やっていただいていることの評価を、上の者がやるのは大事だと思います。そもそも何で職員がこの仕事を選ばれ、このような仕事をされているのかについては、私はやはり、苦しいけれども、重い障害の御本人と本当に向かい合う中で何かを感じ取るものが職員に人としてあり、そのことにやり甲斐を、本当に短い関わりであっても、私は入所施設の中でそんな時間を作ることはすごく大変なのだろうと思っているのですが、それでも、短い中でそのようなことを見い出しているからこそ、この仕事を選ばれて、この仕事に従事されているのだと思います。
 そのようなことがすごく大切で、そのようなことがこの仕事のモチベーションになり、それが御本人の権利擁護ということにもなるというような、そういうこの仕事の在り方というか、障害のある人と支援する人との関係性のことなどを何かまとめたり発信したり、のぞみの園ではこのように考えているよみたいなことをやっていただけたらいいのかなと、今、感じました。それについて何か御意見があればお願いします。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 のぞみの園理事長です。確かに、障害のある方と向き合って支援する。そこにやり甲斐を見い出していらっしゃるから続けていられるのだろうと、おっしゃるとおりだと思います。どのようにやり甲斐を見いだして、あるいはどのような時に感じているのか、例えば、ニュースレターの巻末に、それぞれのコラムみたいなものがあるのですが、そのようなところで思いを書いているケースもあると思います。それをどう皆さんに伝えていけるかというのは、非常に難しいなと感じておりました。もう少し職員と話をさせていただき、どのようにしたらいいか検討させてください。
 
○真野主査
 ありがとうございました。次は、河村先生、お願いします。
 
○河村構成員
 御説明ありがとうございます。私も事前に資料を頂き、また本日の御説明も伺って感じたことを申し上げたいと思います。これは半年前の夏の会議のときにも申し上げたことでもあるのですが、冒頭に厚生労働省の本省の方から御説明のあったとおり、国内でいろいろと政策運営の変更があり、障害者支援法、根拠法の改正もあり、それに伴い今回の目標のところにも知的・発達障害者とはっきり書き込まれることになり、今までも発達障害の方への支援は、いろいろな形でのぞみの園でやっていただいていたと思います。それが本格的に入ることになったと、これは結構大変なことではないかと思います。これはもう法律改正も方向性も決まっていますし、このようなこと自体は普通に社会で一般的に暮らしている私たちにとっても、本当に社会全体として有り難い、このような方向でやっていただければ本当に有り難いことだと思います。
 一方で、それを実際に担っていかれるのぞみの園の職員の方々の御負担が、本当に大丈夫なのかなという気持ちが改めていたしました。お尋ねしたいのは、自立支援のための取組のところ、実際のケア等での問題、人繰りの問題、組織運営、業務運営のところでは効率化のことしか書いておらず、本当にこれで平気なのかなと思います。のぞみの園には本当に御経験も豊富で力量のおありになる職員の方がおられるのだと思いますが、このような形で支援の仕事が広がっていく中で、実際に、群馬の現場でなさるお仕事以外に、いろいろと全国的に支援に出歩かれたりもなさいますよね。そういうことも全部含めて本当に人手の面、先ほど非常勤の方もいらっしゃるかもという話もありましたし、逆に、私は職員の方々の年齢構成はどうなのかなと、そんなことも心配になったりもします。
 入所利用者が段々高齢化してきているといいますが、職員の方の年齢構成はどうなのかなと、うまくこれを続けていけるような体制になっているのかという辺りも心配になりますので、そういったところで、もし、何か歪みがあると、先ほど三田先生や名里先生がおっしゃられたようないろいろな形での歪みが出て来てしまったり、目標が達成できる、できない、何%、何割以上等ではなく、ここにはなかなか出て来ないような大事な問題が現れしまいかねないのではないかと思い、御質問いたしました。
 もう1つは、人繰りの面では、特に今回、重きを置いていろいろと力を入れているのは調査研究のところだと思います。海外とのASEANの関係等の調査もなさっており、本省の方の御説明にもありましたが、外部資金の導入等も含めてやるということで、そういった幅を広げることは良いと思います。でも、それが単に調査研究を外に委託するのではなく、逆に、研究資金を取って来てやるということは、研究する側にも相当の負担もかかる、相当な労力をかけて、相当な成果も出さなければいけないことになりますし、それは本当にやっていただければ有り難いし、お願いできればと思いますが、それを担われる職員の方々の体制というのは大丈夫でしょうか。
 それから、研究データの活用・利活用でも、外部でも利用しやすいように、いろいろなデータ処理等もきちんとやっていただけるというお話もあり、それもこういったところで裾野を広げて、のぞみの園だけの孤軍奮闘にならないように、社会全体が多くの問題を共有し、みんなに広げて分析もして、みんなで情報発信もして考えていけるようにするのはすごく大事なことだと思いますが、このデータの利活用にしても専門的知識の方も必要になるかもしれませんし、質の面でも違う形での職員の方がいらしてくださらないと回らなくなる。大丈夫かなという心配があります。そういった面から、どのように現場としての人繰りといいますか、組織運営をお考えになっていらっしゃるのか、率直にお答えいただけたら有り難いなと思いますがいかがでしょうか。
 
○真野主査
 お願いします。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 人繰りの問題は、確かに非常に難しい問題だというように思っております。ただ、一方で業務を再編したり、そういうことで少しずつ効率化と支援を充実させるように進めてきたつもりです。
 年齢構成も確かに多少高くなっているところがございます。ですので、それを解消するすべというのはなかなか難しい状況にはございます。ですが、管理職員を含め現場に頻回に訪ねて職員の話をよく聞く機会を設けて、現場で風通しが悪かったり、その結果が利用者の方に行くということのないようにしっかり進めていきたいというように思っています。
 あと、調査研究の関係ですけれども。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者支援施設のぞみの園総務企画局研究部長
 すみません、研究部長の日詰です。河村先生、御心配ありがとうございます。我々もプレッシャーを感じつつも、お話いただいたように、全国の現場が安心して使えるデータや情報がほしいという話は、もう会うたびにいろいろな所からお聞きしているので頑張っていきたいと思っています。
 データの整備などについて、もちろん専門性が必要になることですので、今いる常勤職員だけで何とかしようというように考えているわけではなくて、外部の研究者に頼んで手伝っていただいたり、一部スポットで来ていただける非常勤の職員等を何人か集めて、今、体制を整えているところです。
 それから研究内容、アジアのことについても国内のいろいろなテーマについても、我々だけではなくて外部の研究者にお願いしてチームに入っていただいて、その分お金については掛かるわけですけれども、チームとしてチームの核にのぞみの園がなるということであって、我々だけでやらないで、広げて外の人にたくさん手伝ってもらっていくというやり方です。ICTがコロナの時期に皆さん大分使えるようになったこともあって、現場の遠くの方からも聞こえて、こちらからもなるべく時間を置かないで、早めに心配があった時に返す。先ほど、名里先生たちからもお話のあった、園内のいろいろな現場から悩み事があった時に、ICTで早く、チャットとかで寄せていただいて、なるべく早くそれに対して我々からも必要な情報をお伝えするという形で、なるべく距離のある所の人にも手伝ってもらい、現場からの声とか全国のみんなとつながる時も、スピード感を持ってやれる環境にやっとなってきたので、それをいかしたものとして、この目標を何とか設定できるように頑張っていきたいと思っています。我々も頑張っていきますので、先生方も引き続きよろしくお願いいたします。
 
○河村構成員
 はい、分かりました。ありがとうございました。是非、そういう方向でお取り組みをお願いできればと思います。
 ただ、やはり組織運営としては、今、回ればいいということではなくて、先ほど年齢構成の話とかもありましたが、長い目で見て、のぞみの園さんが真ん中に来ていろいろ大事な役割を果たしていかないと、国全体としても回らなくなっていってしまうということもあり得なくはないので、長い目で見てどうやったら続いていくのか。この業務環境の厳しい折、そんな簡単に本省に「人を増やしてください」と言える状況ではきっとないと思うのですが、そういう中では組織としてどういう年齢構成をいろいろ考えながら回していくかというかということも、是非お考えいただいてお進めいただけると、本当に国全体として有難いかなと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。
 
○真野主査
 ちなみに、最近、退職者率とか入職者率とかってどのような感じなのでしょうか。お願いします。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 定年ではなくて離職されるケースですけれども、2人、3人離職されるケースが毎年あります。
 
○真野主査
 毎年ですか。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 はい。
 
○真野主査
 そこはもう、当然、補充がすぐできるような感じですか。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 補充を翌年させていただいています。
 
○真野主査
 全体の職員数から見ると、もちろん影響は多少あるかもしれませんけれども、そんなに多いという感じではないですね。
 
○三田構成員
 すみません、真野先生。それに関してですけれども、非常勤の職員の割合というか、それは上がってきているのでしょうか。どの位なのでしょうか。今の退職というのは正職の話ですよね。
 
○真野主査
 お願いします。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 現在、非常勤の方が150名弱、147、148人位だと思います。非常勤の方です。正職は180人です。その率はそんなに極端に変わっていないと思います。
 
○真野主査
 では、非常勤の方も2、3名辞められるレベルということですね。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 辞められる方がいらっしゃいます。
 
○真野主査
 三田先生、よろしいですか。
 
○三田構成員
 はい。それで、その正職の方が辞められた場合は、正職で補充ができている状況ですか。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 全体の流れ、数を見ながらというところはありますけれども、基本的には途中で退職された方の補充は正規職員を補充するという形を取っております。
 
○真野主査
 はい、ありがとうございました。ほかの構成員の方はいかがでしょうか。
 名里先生、お願いします。
 
○名里構成員
 すみません、診療所のところなのですが、数値が結構診療所の所で挙がっているのですが、その前期、第4期と比べると大分少なくなっているなと。例えば外来診療も件数とか、ちょっと内容が少し変わっているのかもしれないのですが全然少なくなっていたり、それから短期入所も820位少なくなっていたり、一時支援については目標値がなくなっていたりするのですが、これは何かあるのでしょうか。というのは、診療所で多分医療型の短期入所をされているのだと思うのですが、なかなかそういう受け入れをする所が多くないと思うので、非常に果たす役割は大きいと思うので、どのようにお考えになっているのかを伺いたいです。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 理事長です。まず診療件数のお話だと思いますが、前期は外来利用者数、毎年度2万7,000人という数字が入っておりました。これは外来ということで、利用者、のぞみの園の入所利用者の方も含めて、あるいは外から来る方も含めてトータルで外来利用者2万7,000人、入院以外の方という数字を掲げておりました。ですが、入所利用者の方がどんどん減っていらっしゃる中で、その方々を含めた目標値を作ってもなかなか維持できる目標にならないものですから、今年度からは飽くまでも入所利用者の方を除いて地域から通ってくる方ということで、過去3年間、第4期の平均値をベースに5,400人という数値を出させていただきました。
 ちなみにその前の年、第3期などは5,900という数字があるのですが、入所以外の純粋な外来が。それは友愛会という福島から避難してきた方々、そういう方々も純粋な外来と捉えて、年間平均で5,900という数値でした。この友愛会の方々は平均しますと年1,000人位おりましたので、実際は4,900位の数字だったと思います。ですが、第5期については第4期の平均を取りまして、5,400という数字にさせていただいているところであります。飽くまで純粋な外来、地域からの方々という目標で著しく数字が変わったというようになると思います。
 あと、短期入所の関係ですが、これも実は強度行動障害の分は寮が改修して増えたりしているのですが、通常、一般の方々の入所する寮は少しずつ減ってきておりますので、なかなか受け入れるスペースもなくなってきている、あるいは地域でおられる方がほとんど固定しておられていて、あまり増える状況ではないこともありまして、第4期の平均ということで1,500日以上というような形にさせていただいております。あと、日中一時支援ですが、目標値がなくなっているというお話だったのですが、日中一時支援につきましては飽くまで市町村との契約でやる地域生活支援事業でもありますので、目標値ということでなくてもいいのではないかということもありまして、今回外させていただきました。利用自体も中心になるのは高崎市なのですが、現実には減ってきているということもあります。
 
○名里構成員
 分かりました、ありがとうございます。
 
○真野主査
 はい、よろしいですか。ほかになければ終わりたいと思いますが、よろしそうですね。
 それでは、活発な御議論をありがとうございました。そうしましたら、法人からいろいろな意見を踏まえて、次期目標についてのアピール等を一言ずつお願いいたします。最初の法人、所管からお願いします。
 
○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
 本日は貴重な御意見、御示唆を賜りまして厚く御礼申し上げます。特に、先生方から頂きました中で、適切なナショナルセンターとしての役割を果たす上で、そういった「人・もの・かね」ということで適切に、できるだけ円滑に運営ができるように、これから財務省に対して必要性あるいは重要な役割というものを訴え掛けまして、できるだけそういった必要な支援が図られるように取り組んでまいりたいと思います。
 今日頂きました、そういった先生方の貴重な御意見を踏まえるとともに、これから一部改正法の施行に向けたいろいろな準備の動きですとか、令和6年度の報酬改定に向けたいろいろな動きもまた本格化してまいりますので、そういった動きも踏まえつつ、法人とも十分にコミュニケーション・連携を図りながら、繰返しですがのぞみの園が適切なナショナルセンターとしての役割を中長期的に果たしていくことができるように、私どもも一緒に取り組んでまいりたいと思います。
 どうぞ、引き続き御示唆、御助言等賜れればと存じます。本日は誠にありがとうございました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。法人からお願いします。
 
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 本日は貴重な御意見、御助言を頂戴いたしまして本当にありがとうございました。
 第5期目標(案)でございますけれども、これはターミナルケア、あるいは医療的ケアも含めて基本的にはこれまでの取組を発展・進化させていくものだというように認識しております。その実現に向け、着実に取り組んでまいりたいというように思っております。その際、数値目標だけを単に追うのではなくて取組の内容、あるいは質についてもしっかり目を向けてまいりたいというように考えております。なお、これまでも度々御意見や御助言を頂いております情報発信については、特に留意してまいりたいと思います。有識者会議の構成員の皆様にはのぞみの園に対し、引き続き御指導、御鞭撻くださいますようよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。
 社会の要請を反映した部分では、人的資本経営などという言葉も出てきましたけれども、のぞみの園さん自体の運用を頑張ってほしいというお声も多かったように思いますので、引き続きしっかりお願いしたいと思います。
 これで私は以上ですので、事務局に今後の流れをお願いできますか。
 
○事務局
 真野先生、ありがとうございました。それでは、事務局から今後の流れにつきまして参考資料2を御覧いただきながら御説明をさせていただきます。
 一番下の四角い囲みがございますが、令和4年12月~令和5年3月独立行政法人の次期中期目標・次期中期計画の策定です。国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の次期中期目標(案)につきましては、本日頂きました御意見を踏まえまして必要な修正等を行い、厚生労働大臣が総務省独立行政法人評価制度委員会へ送付をいたします。その後、同委員会において審議が行われまして、その審議結果に基づいて出される意見を聞いた上で、財務大臣との協議を経て次期中期目標が確定されることになります。
 一方、中期計画につきましては確定した時期、中期目標ごとにのぞみの園が次期中期計画を作成し、同計画につきまして、主務大臣である厚生労働大臣が内容の精査及び財務大臣との協議を経まして、年度内に認可する予定となっております。確定いたしました中期目標と中期計画につきましては、後日、構成員の皆様にもお送りをいたしますので、御確認のほどよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
 
○真野主査
 それでは、若干時間が早いですがほかに、何か言い足りなかったことがある先生はおられますか。大丈夫ですか。
 それでは事務局、少し早いですがこれでよろしいですか。
 
○事務局
 はい、ありがとうございます。
 
○真野主査
 それでは、今日はこれで終わりにしたいと思います。皆様、長時間にわたりありがとうございました。
 
(了)