2023年1月20日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第48回) 議事録

日時

令和5年1月20日(金)10:03~12:05

場所

オンライン開催

出席者

今村主査、大木構成員、酒井構成員、関口構成員、土井構成員、三宅構成員、宮崎構成員、安井構成員

議事

議事内容

○事務局
 定刻を過ぎておりますが、ただいまから「第48回独立行政法人評価に関する有識者会議労働WG」を開催いたします。本日も前回に引き続きオールオンラインでの開催です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。本日の出席状況について、まず御報告いたします。本日は志藤構成員、土橋構成員が御欠席です。また所用により三宅構成員が10時半頃から御参加、大木構成員が11時頃に御退席の予定となっております。
 続いて、本日の資料に関しては事務局から事前にメールでお知らせをした厚生労働省ホームページに第48回労働WGの資料等に掲載してありますので、お手数をおかけいたしますがそちらを御覧いただければと思います。
 次に、本日の議事について御説明をいたします。本日の議事は「勤労者退職金共済機構の次期中期目標案及び中期計画案」に係る意見聴取を行うこととなっております。概ね2時間を予定しております。本件については、参考資料1の「独立行政法人評価に関する有識者会議開催要綱」の3の第4号「その他1から3までに掲げる事項に関し重要な事項」に該当するものとして、本労働WGの意見を賜るものです。
 厚生労働省所管の中期目標管理法人については、厚生労働省大臣が中期目標を定め、当該法人は定められた中期目標に基づき、中期計画を策定することとされておりますが、法人の中期目標と中期計画は御意見を頂く上で密接な関係にありますので、本日は中期目標と中期計画について同時に御議論を頂きたいと考えております。令和5年度からの新たな中期目標及び中期計画の策定に至るまでの流れについて、参考資料2を用いて簡単に御説明をさせていただきます。
 一番上の四角い囲みにある「令和4年8月 独立行政法人の「業務・組織全般の見直し内容」等を総務省へ提出」とあります。勤労者退職金共済機構「中期目標期間見込評価書」と「業務組織全般の見直し内容」については、昨年7月に開催いたしました本WGにおいて皆様から御意見を頂き、その意見を踏まえて参考資料5、参考資料6にありますように、厚労大臣から総務省独立行政法人評価制度委員会に通知をしているところです。
 参考資料2の中ほど、四角い囲みを御覧ください。「令和4年9月~12月、総務省独立行政法人評価制度委員会の審議・決定」とあります。お手元に参考資料7を御用意ください。昨年12月5日に、総務省独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の「中期目標期間見込評価書」と「業務・組織全般の見直し内容」について審議をし、目標策定に向けての考え方などを決定したものです。勤労者退職金共済機構に関しては、10ページから11ページに目標策定に当たって、目標に盛り込むことについて検討していただきたい点として整備された留意事項が2点示されております。
 続いて参考資料8を御覧ください。昨年4月8日に独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の業務管理及び内部管理の共通的な方向性を取りまとめたものです。これらを踏まえて作成されたのが、本日御議論を頂く勤労者退職金共済機構の次期中期目標と中期計画の案です。次期中期目標の策定については、参考資料4の「独立行政法人の目標策定及び評価実施要領」において「目標策定のルール」を定めておりますので、本日はこの観点からも御議論を頂ければと思います。事務局からの説明は以上です。それでは今村先生、議事の進行をよろしくお願いいたします。
 
○今村主査
 声は聞こえますでしょうか。大丈夫ですか。それでは、勤労者退職金共済機構の次期中期目標及び次期中期計画案について御議論いただきたいと思います。最初に厚生労働省の法人所管課から次期中期目標案について御説明いただき、その後法人から次期中期計画案について御説明いただきます。この2つの説明が終わってから、質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは法人所管課から次期中期目標案について説明をお願いいたします。
 
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 厚生労働省勤労者生活課長の大隈と申します。よろしくお願いいたします。法人所管課から次期中期目標(案)の概要について、資料1-1に基づき説明いたします。
 1ページに政策体系図がありますので、こちらを御覧ください。国の政策として、中小企業退職金共済制度及び勤労者財産形成促進制度があります。これらは、勤労者生活の充実のために意義のある制度だと考えておりますが、この勤労者退職金共済機構はこの2つの制度を実施する役割を担っております。資料の中ほどですが、次期中期目標期間における法人の事務事業は2つです。1つ目は独力では退職金を持つことが困難な中小企業について、従業員の退職後の生活の安定と中小企業の人材確保・定着を図ること。もう一つは、勤労者の計画的な財産形成を促進することによって、勤労者生活の充実を図ることです。
 この機構をめぐる現状・課題として、幾つか資料の中ほどに記載しております。まず少子高齢化が進展する中で長期化した人生を豊かに送る観点から、現役世代における資産形成の重要性が高まっています。また、中小企業における事業承継問題の深刻化や、特定業種における非正規雇用者数の減少により、退職金共済制度の対象者が減少しております。これによって、制度の持続性の確保が課題となっています。ここで言う特定業種とは、建設業、清酒製造業、林業ですが、いずれの業種でも退職金共済事業の対象者が今後減少することが見込まれています。
 それから資産運用との関係で、気候変動等のESG課題に対する公的機関投資家として期待される責任・役割の増加が見られるところです。また、サイバー攻撃の脅威が高まること、それから中退共システムの機動性確保が課題になっております。これは機構の中の中退共システムというものがありますが、これは何十年も前からあるシステムを、その都度つぎはぎで手直しして運用しておりますが、仮に制度改正などがあった場合に機動的に対応できないという課題があり、記載のとおり基本構造やプログラミング言語を刷新する必要性があります。それから財産形成促進事業等の関係で、民間金融機関における住宅ローン商品が拡大しているということで、これとの関係で財形の商品の利用者が減っているという問題があります。その下の中期目標期間における主な事務事業については、3ページ以降の資料で後ほど説明いたします。
 続いて、2ページを御覧ください。勤労者退職金共済機構の使命等と目標との関係についてまとめた資料です。こちらは、今の1ページの政策体系図の中の現状・課題の記載と重複する部分がありますが、2枚目の現状・課題のところで特に強み、弱みという切り口で整理しており、その点で違いがあります。この中で特に強みとして、大量かつ機微な個人情報に対する情報セキュリティ体制を確保していることや、責任の所在が明確な内部統制、組織全体へのPDCAの定着を記載しております。一方でその下の弱み・課題の所で、ガバナンスの徹底・堅持とさせていただいております。
 この趣旨ですが、現行の中期目標期間に水野理事長の下で法人としてのガバナンスの強化を図っていただいたと考えていますが、次期第5期の中期目標期間においても引き続きこのガバナンスを徹底・堅持していくことが重要な課題だと考えております。右側には環境変化があります。ここは1ページと多くは重なりますが、地政学リスクの増大等のグローバルな構造変化に伴う金融市場における不確実性の増加を挙げております。これが資産運用に関する業務に影響しております。これら資料1、2ページに記載している内容が、中期目標本文でいいますと、第1の政策体系における法人の位置付け及び役割に記載している内容です。
 続いて3ページを御覧ください。ここは中期目標本文でいいますと、第3に当たりますが、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項に該当する部分です。この資料では、この事業を資産の運用、中小企業退職金共済事業、財産形成促進事業の3つに区分けして記載をしています。一番左側の縦の列です。資産の運用については、現行の中期目標における立て方としては、それぞれの退職金共済事業の中の1項目として分散して位置付けております。一般中退の資産運用、建退共の資産運用とそれぞれ分けて書いてありますが、今回の第5期の中期目標においては1箇所に集約して単独の項目として独立させたいというものです。その理由の一つは、この資産運用業務というものが退職金共済事業の運営において主要な役割を果たす重要度の高いものであることです。もう一つは、現行中期目標期間中にそれぞれの退職金共済の委託運用部分について合同運用としたことを踏まえたものです。資産運用の主な課題については、1、2ページで説明したとおりです。
 その下に、主な課題を踏まえた対応という記載があります。これは大きく2つですが、資産運用の基本方針に基づくプロセス責任を果たすための対応の徹底と、スチュワードシップ活動の展開です。まず資産運用の基本方針に基づくプロセス責任について説明いたします。この資産運用の基本方針は、中小企業退職金共済法に基づいて機構が作成しているものです。機構は、この資産運用の基本方針に基づき、資産運用を行うに当たって期待収益率と運用実績の差異があった場合に、その要因を分析して検証を行って、基本ポートフォリオの見直しやリバランスルールの見直しなどの必要な対応を検討して実施するということが、この基本方針で求められております。この点については、後ほど機構の資料1-2にも資料がありますので、後で御説明があるかと思います。この第5期中期目標では、プロセス責任を果たすための対応の徹底を機構に求めたいと考えております。
 もう一つは、資産規模6兆円超の公的機関投資家として、機構にはスチュワードシップ活動にも取り組んでいただきたいと考えております。それについての主な評価指標ですが、その下に記載があります。現行の中期目標における資産運用の目標は、ベンチマーク収益率を達成するというもので、単年度ごとの資産運用結果を定量的に判断するという指標になっております。しかしながら、この退職金共済事業における資産運用は、中期的に必要な利回りを最低限のリスクで確保することが目標になっておりますので、それにふさわしい指標がどういうものかを厚生労働省と機構で改めて検討をしたところです。その結果、ここに記載してあるとおり、専門家で構成される資産運用委員会の評価報告書において、運用実績を踏まえ。年間を通じて運用の目標達成に向けた取組及びスチュアードシップ責任に係る取組が適切に実施されたとの評価を受けることとしております。
 この資産運用委員会ですが、厚生労働大臣に任命される専門家で構成されており、これも中小企業退職金共済法に基づくものです。役割としては、機構の資産運用に関する業務の実施状況を監視するという権限を与えられております。したがって、もともと資産運用における妥当性の評価は専門家でなければ難しいと考えておりますし、このように法律に位置付けられている資産運用委員会がありますので、こちらでの評価を評価指標とさせていただきたいと考えております。
 真ん中の列は、退職金共済事業についてです。主な課題は1、2ページで説明したことと同じです。真ん中の所が、主な課題を踏まえた対応です。これは現行中期目標でも柱としている加入促進、サービス向上、確実な退職金の支給が基本業務になりますので、この3つは引き続き着実に取り組んでいただきたいと考えております。これに加えて、今回の第5期中期目標で特徴的なところは、中退共システムの再構築、それから建退共における電子申請方式の利用促進の2点です。中退共システムの再構築は、先ほども説明したとおり数十年来のシステムですが、基本構造を刷新する。それからプログラミング言語が現在はCOBOLですが、これも刷新して機動性を確保するということです。
 建退共における電子申請方式については、令和3年度からスタートしておりますが、まだ実際の実績としては低い水準ですので、更に大幅に利用促進を図りたい。趣旨としては、確実な掛金納付や退職金支給にも資するものですし、利用者たる共済契約者の事務負担の軽減にもつながるものであるので、利用促進を図っていきたいと考えております。
退職金共済事業の主な評価指標は、その下の欄です。新たに加入する被共済者数、退職金未請求者数の比率・未請求退職金額の割合、共済手帳長期未更新者数の減少を設定したいと考えております。それから、この中退共システムの刷新の関係では、令和8年度の運用開始を目標として、着実に進捗管理を行うことを設定したいと思います。建退共の電子申請方式については、利用者登録を行う共済契約者の数、それから掛金収入額全体に占める退職金ポイントの額の割合を設定したいと考えております。
 一番右の列ですが、財産形成促進事業です。これも1ページで説明したとおり、民間金融機関における住宅ローン利用者が拡大しており、機構が実施している財形持家転貸融資の利用者が減少していることが課題です。そのような利用者の減少の要因を踏まえた上で、利用促進対策に取り組んでいきたいと考えております。評価指標については、これは現行中期目標と同様の目標ですが、貸付決定までの審査期間と財形持家転貸融資の新規申込件数を設定したいと考えております。
 続いて4ページを御覧ください。こちらは中期目標の本文の後半部分、第4~第6に記載されている業務運営の効率化、財務内容の改善、その他業務運営に関する重要事項の内容をまとめたものです。左上の業務運営の効率化ですが、ここは現行の中期目標と基本的に同様の内容となっております。新たな内容としては、働き方改革の推進等の観点から、会議の電子化、効率化、職員のテレワークの推進をはじめとした見直しを検討し、実施するという内容を盛り込んでおります。右側の財務内容の改善については、現行の中期目標と基本的に同様の内容です。
 その下は、その他業務運営に関する重要事項です。こちらは、昨年7月にこの有識者会議でも、「その他」と付いているけれども重要な部分だという御議論もいただいたところです。ここについては、まずガバナンスの徹底を中項目として立てて、これを重要度の高い項目として位置付けたいと考えております。ガバナンスの徹底の具体的な内容として、内部統制の徹底、情報セキュリティ対策、事業及び制度の改善・見直しに向けた取組という3つで構成しております。ここは冒頭も申し上げたとおり、現行中期目標期間に水野理事長の下でガバナンスの強化を図ることができたと考えておりますが、第5期中期目標期間中においてもこれを徹底・堅持していくことが重要だと考えております。
 右側の事業及び制度の改善・見直しに向けた取組は、第5期中期目標で新たに盛り込む内容です。昨年の夏以降、雇用環境・均等局と勤退機構の間で、局長と理事長をトップとして意見交換を重ねてまいりました。こうした意見交換を通じて、そもそも機構が行うこと、機構と厚生労働省が共に行うこと、主に厚生労働省が行うことについて、頭の整理をいたしました。その観点からいいますと、制度そのものの改善・見直しの検討は厚生労働省が行うことであろうということですが、それに当たって機構は必要な情報やデータ、エビデンスを収集いただき、厚生労働省が行う検討に資する情報を提供するという役割分担の考え方の下、こちらに記載しております。
 例えば最初にありますが、退職金共済制度については財政検証というものがあります。これは少なくとも5年に1回行うことになっております。厚生労働省としては、例えば実際に資産運用や業務を行っている機構から必要な情報やデータを提供いただいた上で財政検証を行い、その結果によっては制度の改善・見直しを行うことになります。特に特定業種退職金共済や財産形成促進事業については、将来的な持続可能性についての課題がありますので、厚生労働省と機構の適切な役割分担の下で検討を進めていくことが重要だと考えております。
下の方に、人事に関する事項を書いております。この点も、昨年夏の有識者会議でも御議論がありましたが、専門的知識を有する人材の確保や、女性登用や障害者の積極的な採用によるダイバーシティーの推進を、新たに今回明記いたしました。
 5ページは、具体的な指標の数字を記載したものです。水色で書いてある部分が、現行の指標と同じ水準の数字です。緑の文字で記載した指標は、更に具体的な設定の考え方を6、7ページに記載しております。まず5ページから御覧ください。一番上の加入促進の項目については、新規加入被共済者数を各共済事業別に記載をしております。真ん中のサービスの向上ですが、これは退職金の請求受付日から支給までの日数、新システムの運用開始、建退共の電子申請に関する指標を設定しております。下の確実な退職金の支給ですが、ここは退職金の未請求者、長期未更新者の具体的な数字についての目標を掲げております。下に財産形成促進事業とありますが、こちらは貸付決定までの審査期間と新規借入申込件数を設定しております。業務運営の効率化に関する事項は、一般管理費と業務経費についての削減目標ですが、現行中期目標と同じ水準15%、5%と設定をしております。
 6ページは、具体的な数字の根拠の部分です。加入促進の数字ですが、一般の中小企業退職金共済の新規被共済者数は、次の中期目標期間について165万人以上としております。これは、過去の加入実績を労働需給要因、長期的トレンド、制度変更要因、コロナ禍の影響等によって回帰分析した推計を踏まえて、それに加えて中小企業における退職金制度の導入状況なども考慮して設定したものです。これについては、本日の参考資料7、先ほど事務局から御説明があった昨年12月5日の総務省の評価委員会からの留意事項がありますが、そこと若干関係してまいります。評価委員会からの留意事項で、加入促進の在り方を主務省として明確にした上でということで、指摘を受けております。
ここについては、中期目標本文5ページですが、加入促進の考え方を記載しています。制度を長期的に持続可能とするために必要な被共済者数を安定的に確保することを目的として加入促進に取り組む旨を、今回の新しい中期目標に明記をいたしました。5ページの一番下、加入促進対策の効果的実施のところの最初のパラグラフに、総務省の御指摘も受けて加入促進の政策のあり方を主務省として明確にする記載を盛り込みました。
 併せて、ニーズや加入実態、制度の認知度等の必要なデータを法人が収集して検討すべきという点が、総務省の評価委員会から言われております。これは、機構のほうで用意いただいている資料1-2にあるのですが、機構が実施したアンケート調査が資料1-2の参考4-1~4-2になります。アンケート調査の結果、中期目標では3割程度の企業が中退共に加入していて、製造業や建設業では5割程度の企業が加入しているという結果が得られ、必ずしも中退共を知らないから入っていないというわけでもないという結果も出ており、中退共の認知度はかなり高いと考えられます。それから、退職金制度を導入していない理由として、これも必ずしも中退共を知らないから入っていないというわけでもなく、資金的な余裕がないといったような理由を挙げておられる企業が多いという、ニーズ、加入実態、制度の認知度等の必要なデータを法人で収集いただいております。
 資料1-1に戻ります。現行中期目標における指標は、現行の中期目標でも165万人という数字ですが、この目標の下で取り組んできており、令和3年度現在で被共済者数が358万人、資産運用規模が5兆3,100億円となっており、当面は制度の持続可能性を維持できる水準を達成していると考えております。こうしたことを踏まえ、現行中期目標と同様に新規加入共済者数が適切な指標であると判断させていただき、数字の水準についても165万人以上ということで設定をさせていただいております。
 特定業種退職金共済については、建退共、清退共、林退共それぞれ、新規被共済者数の数字を設定させていただいております。こちらについては、制度の対象となる方々が今後減少していくことが見込まれますので、その推計を見込んだ数字としております。こちらについては、持続可能性との関係でいいますと、令和6年度までにこの特定業種退職金共済制度の財政検証と制度の在り方を検討することになっておりますので、次の中期目標の半ばぐらいになるのですが、その中で制度の持続可能性に関する議論を行うことを考えております。
 7ページは、建設業退職金共済事業の電子申請方式についての目標です。これも総務省の留意事項でも2点目で指摘されておりますが、それも踏まえて目標を立てております。電子申請の利用登録をする契約者数を半数以上、金額ベースでは30%以上という目標を設定いたしました。これは現状の達成度合は4.5%、2.3%ですが、これと比べるとかなり高い水準となっております。機構の方で既存の契約者に対して電子申請方式の利用者IDを交付する仕組みを構築するといったようなことを考えております。こうしたことを通じて、利用促進を図ることを前提として指標を設定いたしました。これは、確実な掛金納付や退職金支給、あるいは共済契約者の利用者利便の向上に必要なことですので、機構には着実に取り組んでいただきたいと考えております。
 その下の確実な退職金の支給については、これも現行の中期目標の実施状況についてこちらの有識者会議でも何回か議論いただいたものですが、退職金の請求権が発生してから3年経過後の未請求者比率について、平成28年度に制度改正をして、転職した場合に企業間通算できる期間を2年から3年に延ばしたことに伴って、未請求者比率が上昇していたところですが、近年定常状態に近づいてきています。その状況を踏まえて、指標をこちらにあるとおり2.0%、0.5%としたものです。
 最後に8ページを御覧ください。こちらは、特定業種の確実な退職金支給に係る目標です。現行中期目標と同様に、中期目標期間終了時から減少させていくことに加えて、第5期中期目標では、建退共についてプラスアルファの目標を立てています。現行中期目標期間に把握した住所情報把握者についての減少の目標と、新たに長期未更新者に該当する者の発生を減少させるための目標を設定しております。これは、直近の実績を踏まえつつ新たな対策を講じることによって縮減されていくという効果を見込んで指標を設定しております。
 財産形成促進事業については、機構が実施しているのは財形持家転貸融資という制度です。これは、もともと財形貯蓄を行っている方が利用できる融資ですので、その前提となる財形貯蓄の件数自体が長期的に減少傾向にある上で、財形持家転貸融資の件数も減っているという厳しい状況にあります。そうした現状を踏まえながら、できるだけ高い水準ということで1,800件以上という数字で指標を立てさせていただきました。長くなりましたが、以上が中期目標の概要についての説明です。ありがとうございました。
 
○今村主査
 ありがとうございました。それでは続きまして、法人のほうから説明をお願いいたします。
 
○勤労者退職金共済機構総務部長
 それでは勤労者退職金共済機構の総務部長をしています佐藤と申します。私から当機構の第5期中期計画(案)の概要について、資料1-2に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 1ページですが、そもそもの中期計画の概要の構成ですが、先ほど厚生労働省からも御説明がありましたとおり、まず大きく分けて退職金共済事業と財形等と分かれていますが、退職金共済事業の中で資産運用については、これまで各中退共や建退共、それぞれの事業ごとに入っていましたが、資産運用の基本方針も一本化しましたので、資産運用として全体としてまとめて中期目標を設定いただいたこともあり、中期計画もそれに合わせまして、資産運用というものを1つの大きな固まりとして記載をしています。
 そして、各事業、退職金共済事業については一般の中退共、建退共、清退共、林退共と4つありますが、各事業については中期目標と同様に加入促進、サービスの向上、それから確実な退職金の支給という3本柱について、それぞれ目標を踏まえて何をするかということを書かせていただいています。
 1ページの資産運用です。資産運用については、先ほど目標の御説明が厚生労働省からありましたが、目標としては資産運用委員会が作成する評価報告書において、運用実績を踏まえて年間を通じて以下の(1)資産運用の取組と、(2)スチュワードシップの取組が適切に実施されたという評価を受けるということが目標になっています。そのために機構が実施する取組としては、この下の(1)の所に書いてありますが、基本的には先ほど厚生労働省からも御説明がありましたとおり、期待収益率と運用実績との差はどこに原因があるのかという要因を分解し、それぞれの要因ごとに対応を行う、そのプロセスが適切に行われているかということで評価をしていただくということになっています。
 具体的には参考1です。15ページを御覧ください。こちらがその資産運用のプロセス評価のイメージということになりますが、左側のほうの箱に上から3番目に期待収益率があります。その下に、収益率実績があり、その差がどこに要因があるのかということを分析したものが、その下ということになります。期待収益率と実績の差が、例えばこの例であれば、要因分解・分析と左側に書いてある所に、自家運用と委託運用に分かれて、さらに委託運用の所で市場収益要因と超過収益要因という所に分かれています。この自家運用の所と委託運用の市場収益要因では、基本的にはその市場の要因、それから基本的な環境の要因ということになろうかと思いますが、まず自家運用の所で差が出ている場合には基本的には長期金利が想定から乖離をしていないかということが課題になりますので、そこに問題を生じていないかを確認をする。さらにその委託運用の市場収益要因という所であれば、期待収益率に係る重要な前提条件というものが変化していないのかということを確認し、それぞれもし前提条件が変わっている場合には、基本ポートフォリオを見直していくことになっています。
 一方で市場収益要因ではなく、超過収益要因ということであれば、さらにその超過収益要因を資産配分効果と個別資産の効果というものに分けて分析をしていきます。この資産配分効果という所で大きく差が出ている場合には、リバランスルールに問題がないかということを確認します。具体的にはそのリバランスルールの見直しの右側に書いていますが、その乖離の許容幅や見直す頻度、それから見直す際の修正幅に課題がないかを確認し、もし問題がある場合には、このリバランスルールを見直していくことが、資産配分効果に差があった場合の対応ということになります。
 最後に、その個別資産効果で大分差が出ているという場合には、正にその運用を受託している機関の収益が期待から乖離しているということですので、正に委託先をどういう形で選ぶかというマネジャ・ストラクチャーの見直しで、課題がないかということを確認し、必要があれば見直しを行っていくことが、このプロセス評価になります。
 そして、左側の一番下の所ですが、利益剰余金と想定損失額が書いてあります。この想定損失額というのは、基本ポートフォリオが決まると最大このぐらいの損失が可能性としてあり得ますという金額が決まってきますが、それと今ある利益剰余金の額を確認し、必要な利益剰余金が積まれているかどうかを確認します。もし利益剰余金が足りないような場合には、予定運用利回りが課題になっているのではないかということになりますので、予定運用利回りの見直しということも必要になってきますが、ここの所は実は機構だけで決められるわけではなくて、正に労働政策審議会の中退部会で予定運用利回りの見直しを議論していただく必要がありますので、ここについては厚生労働省を通じて、こういう課題が生じていますよという指摘をさせていただき、労働政策審議会の中で見直しの議論をしていただくということが、プロセス評価の全体の流れということになります。
 また資料の1ページに戻っていただいて、資料1ページの(1)が今、15ページで御説明させていただいた所になります。
 続きまして、資産運用の大きい2つ目として、スチュワードシップ責任に係る取組があります。こちらは参考2-1と2-2があります。16ページを御覧ください。厚生労働省からもお話がありましたが、当機構の資産の規模は約6兆円を有しています。機関投資家としては存在感を十分に発揮して、アセットオーナーとして様々なスチュワードシップ活動を行っています。具体的には16ページの表の所にありますとおり、真ん中辺りに勤退機構というものがありますが、その右側にあるアセット・マネジャーというものが運用を委託している機関になりますが、このアセット・マネジャーを通じて、スチュワードシップ活動を行うだけではなく、そのアセット・マネジャーの親会社、意思決定をしている親会社を通じて行ったり、あとはその上にありますが、ほかのアセットオーナーとも連携をして、スチュワードシップ活動を行っています。こうした取組により、下の所で大企業の周りに資本市場と書いてありますが、この資本市場が発展することによって、右側の黄色の線ですが、この資本市場の発展を運用益として労働者、被共済者が受け取っていただいたり、あとはスチュワードシップ活動の中で、大企業に対してそのサプライチェーン全体の労働環境の改善をお願いする中で、中小企業にもメリットがいく。こうした形でスチュワードシップ活動を行っていますが、こうしたことを引き続き、続けていきたいと考えています。
 資料の1ページに戻ります。次の(3)です。労働政策審議会と資産運用委員会の連携という所で書かせていただいていますが、先ほどもプロセス評価の説明の中で、予定運用利回りは当機構だけでは決められないということを申し上げましたが、ここの予定運用利回りの決定ということが、実はこの資産運用の中で非常に重要な部分を占めています。そういった意味で労働政策審議会と資産運用委員会といかに緊密に連携していただくかということが重要になってきますので、厚生労働省をブリッジ役として、しっかりと労働政策審議会と資産運用委員会と連携をするということで、18ページに資料を付けています。
具体的には、当機構が資産運用委員会で御議論を頂いて、様々な課題を発見した場合には、真ん中辺りの下辺りに当機構がありますが、この中退部会に勤労者生活課を経由しまして、指摘をさせていただき、それを踏まえて労政審の中退部会の中で様々な予定運用利回りの見直し等を行っていただくというこの制度全体に係るガバナンス体制というものを、一応、今、確立していますが、こちらも引き続き徹底をしていきたいと考えています。以上が資産運用に係る当機構の取組ということになります。
 続きまして、2ページに戻っていただきます。ここからは、中小企業退職金共済事業の各事業の目標と機構が実施する取組ということになります。まず一般の中小企業退職金共済事業については、先ほど申し上げました加入促進、サービスの向上、確実な退職金の支給に加えて、(3)として3ページに書いてありますが、中退共のシステム再構築ということを1つ大きな項目として立てさせていただいています。それぞれ順番に御説明をしますが、まず(1)の加入促進対策の効果的実施という所について、参考4-1と4-2は先ほど厚生労働省から言及がありましたが、そうした形で新規の被共済者数等の目標を頂いています。機構が実施する取組としては、これまでも様々な取組を行ってきましたが、先ほど参考4-1や4-2で御覧いただいたとおり、共済契約者に対するアンケート調査等も行っていますので、これまでやってきた加入促進のための取組の効果の検証を行って、毎年度その対策の見直しをしていくということを書かせていただいています。
 次の(2)のサービスの向上については、これまでと同様の取組を引き続き行っていきたいと考えています。
 3ページです。(3)の中退共のシステム再構築です。ここの目標は令和8年度(2026年度)に新システムの運用開始ということですが、こちらは参考5が21ページに付いていますので御覧ください。こちらが中退共のシステム再構築の全体的なスケジュールになりますが、真ん中よりも少し右の辺りに、2022年度という所があります。昨年度、今年度で基本設計を行っているところで、正に本格化しているというところです。来年度から正に仕様を凍結して、詳細設計に入っていくということになっていますが、その右側の所、一応、令和8年度(2026年度)に再構築完了を目指して、システムの開発ですので、様々な問題が起こるかもしれませんが、何とかこの令和8年度に再構築終了を目指して頑張っていきたいと考えています。
 この表の下から2番目の所に緑の字で、事務合理化ということが書いていますが、中退共のシステム再構築ができないと、様々な合理化も手が着けられないという状況になっていますので、そのシステム再構築終了後に、こうしたことに取り組んでいきたいと考えています。以上がシステム再構築に関する説明になります。
 また3ページに戻っていただきまして、今度は(4)、確実な退職金の支給の所です。こちらは先ほど厚生労働省からも御説明があったとおり、制度改正等の影響を踏まえた目標を頂いているところですので、こちらについてもこの目標を達成できるように引き続き取り組んでいきたいと考えています。
 続きまして、4ページ、今度は建設業、建退共の目標と機構の取組ということになります。加入促進の所については、中退の所でも御説明しましたが、効果検証を行って毎年度見直しをしていくというところです。そして、建退共の場合はサービスの向上の中で、電子申請を大きな一部分として付けていますので、こちらは22ページの参考6を御覧ください。電子申請については、目標として先ほど御説明いただいた電子申請専用サイトの利用者登録率が50%以上、それから電子申請による掛金納付率が30%以上、この下のピンクの所に書いてありますが、こういった目標を頂いています。
 現状はどうなのかということが、上のほうのグラフになりますが、まず利用登録率については左側、緑の所の一番下に書いていますとおり、今、4.77%。電子申請による掛金納付率は右側の赤い線が書いていますが、月によって変動がありますが、2%台というのが現状です。
 そういった意味では、今回の目標は、現状を踏まえると相当高い目標ということになっていますが、これを達成するために機構としてどんな取組をしていくかということが、真ん中より下の所にあります次期中期目標期間における主な取組と、青い色になっている所です。大きく5点、取り組んでいきます。
まず①はCCUS、建設キャリアアップシステムというのがありますが、こちらとの連携を今でもしていますが、さらにより深めていくということで、建退共の未加入事業者に対する加入促進に活用していきたいと考えています。
 ②のオンライン申請については、この電子申請の専用サイトで行っていただくことになりますが、この専用サイトで行える手続を増やしていきたいと思っています。手帳の更新の申請や、今は添付書類が必要なものはできないことになっていますが、この添付書類が必要なものについても電子申請専用サイトでオンライン申請できるように、この外部手続の拡充をやっていきたいと思っています。
 ③、電子申請普及のためのモデル地区の設置。④として、どうしても建設業界の方はパソコンに不慣れな方が多いのですが、そういった方々に使い方を分かっていただくための説明会の開催。それから⑤として、事務手続の簡素化といった取組を行うことによって、相当高い目標ですが、何とか達成していきたいと考えています。以上が電子申請の関係になります。
 戻って5ページです。今度は確実な退職金の支給の所です。厚生労働省から目標の所で御説明がありました。基本的には特定業種の退職金共済制度については、長期未更新者を前の目標期間中から減らすということが全体の目標としてありますが、建退共についてはさらに住所把握ができた人について、15%以上減少させるということ。それから、新たに長期未更新に該当する家族がある人を、1万3,000人以下に減少させるという2つの目標を頂いています。
 これについて23ページ、参考7を御覧ください。これも先ほどと同じような形で一番下の所のピンクの所に目標を書いています。住所を把握している長期未更新者を、前の中期目標期間の終了時の数から15%以上減少する。それから、新たに長期未更新者に該当する者を、中期目標期間の最終年度までに1万3,000人以下に減少させるということ。まず住所把握者の状況ですが、この右上のほうのグラフを御覧ください。住所把握者のグラフ、この青い線はこのまま普通にいくと、どんどん増えていくことが見込まれますが、対策を行うことによって、住所把握者を15%以上減らしていくということが、今回、いただいた目標ということになるかと思います。
 それから、その左側の所ですが、新たに長期未更新者に該当することになる、新たに増えていく人が現状のままいくと、2027年度末、見込みで1万3,115人ということで、これも減らしていくことを目標として設定していただいたということかと思います。
 そのための取組として、これも青い所に書いていますが、大きく分けて3つ取組を書いています。まず①、ターゲットを特定した対策として、これまでも70歳になった段階で掛金納付状況通知を行い、75歳で退職金請求勧奨を行っていますが、さらにこの赤字部分、今回の新規の取組として80歳になった段階でも、また退職金の請求勧奨を行わせていただくということを考えています。さらにその1行下の所ですが、住所が把握できた方に対しては退職金請求の要請をするということも、新たな取組として行うことによって、その目標の達成に向けて進めていきたいと考えています。
 それから②ですが、加入者全体を対象とした対策で、これまでも周知広報を様々行っていますが、さらに今回、赤字下線部分として共済契約者、事業主に対してチラシなどにより、次回の手帳更新時期にその手帳更新の周知徹底を図っていきたいと思っています。それから③、長期未更新防止の取組ですが、これまでは掛金納付状況を定期的に被共済者本人に通知をしています。具体的には初めて掛金を充当されたときや、納付実績1年目となったとき等ありますが、これに加えまして、次回の手帳更新時期が到来した通知を行いたいと思っています。具体的には、電子申請サイトを利用している共済契約者に対して、被共済者が手帳更新時期になったということをお知らせするということで、手帳の更新をこまめにしていただくという取組を進めることで、この長期未更新を減らしていきたいということです。以上が、長期未更新の取組、特に建退共の部分ということになります。
 資料の6ページ、7ページが清酒製造業の関係、これも加入促進、サービスの向上、確実な退職金。それから8ページ、9ページが林退共です。こちらは加入促進、サービスの向上、確実な退職金の支給に加えて、(1)として累損金の処理を目標として設定しています。これらについて、24ページ、参考資料8を御覧ください。清退共、林退共においても、加入促進の目標というのは「重要度高」ということでいただいています。実はこの清退共、林退共については、大部分の共済契約者は既に制度に加入を頂いていまして、余地が特に残っていないという部分になりますが、そういった意味で機構の取組としては、基本的には従来の取組ということになりますが、ここの機構の取組の所の※の所、その中でも比較的まだ残っている部分として、清酒製造業については、比較的未加入の多い「単式蒸留焼酎」や「みりん」という品目の事業所を重点的に行う。林業については、林業関係団体に所属している未加入事業所や一人親方への加入勧奨に重点的に取り組むということで、これまでと同様だけではなくて、特に新たにこういった部分も含めて加入促進に取り組んでいきたいと考えています。
 それから林退共については、皆様、御存じかと思いますが、累積欠損金というものがあり、累積欠損金の解消計画を定めています。先ほど厚生労働省からの御説明にもありましたが、次期中期計画期間中に財政検証が行われますので、基本的にはこの財政検証、それからその制度の在り方の検討の結果を踏まえて、この累損解消計画を速やかに見直しを行って、見直し後の解消計画に沿って着実に累績欠損金を解消していくというのが、機構としての取組ということになります。清退共、林退共については以上となります。
 資料の10ページを御覧ください。ここからが財産形成促進事業ということになります。まず融資業務の着実な実施等については、従前どおりの目標ということで引き続き審査業務を的確かつ迅速に処理をしていきたいと考えています。
 それから、利用促進対策の所では1,800件という新規の借入申込件数を目標に頂いています。機構が実施する取組としては、ここに書いていますが、関係機関と連携した利用促進対策や特別な支援を必要とする者に対して、特例措置を設けていますが、これをどうするかということ、見直しを行いつつ引き続き実施をしていくということです。こちらも中退の加入促進と同様に、様々な分析をしながら随時見直しを行っていきたいと思っています。
 それから3番の財政運営です。自立的な財政規律の下、安定的かつ効率的な財政運営を実施していくということになります。
 11ページです。3番目として雇用促進融資事業があります。新規の業務は停止していまして、債権管理を行っている業務になりますが、こちらは引き続き債権管理を適切に行って、リスク管理債権の処理を機構として行っていくことになるかと思います。以上が業務に関するものです。
 次が第2として、業務運営の効率化に関する目標を達成するためのとるべき措置です。1.効率的かつ効果的な業務実施体制の確立等ですが、先ほど厚生労働省からも御説明がありましたが、ここの所は次期中期計画で新たに会議の電子化や職員のテレワークの推進に取り組んでいきたいと考えています。
 それから4番、業務の電子化に関する取組ということで、これまで御説明させていただきましたが、中退共システムの関係や電子申請方式の利用、それから手続の電子化という意味でe-govの活用等も含めて、2025年末までに手続のオンライン化の導入を図っていきたいと思っています。
 12ページです。財務内容の改善の所は、従前どおりということになっていますが、第4、その他業務運営に関する重要事項で、先ほど厚生労働省からも御説明いただきましたが、ガバナンスは非常に重要だということです。本中期計画期間中に当法人のガバナンスについては相当な体制が確立されたと考えています。これを引き続き維持・徹底していくということが重要でもあり、難しい部分でもあります。これについて、(1)にありますが、内部統制の徹底ということで、統制環境の所ですが職業倫理の徹底、それからリスクに対する備え、それからエビデンスに基づく施策立案の徹底、そして失敗を総括して成功に導く組織文化の定着を図っていきたいと思います。
 それから1つ飛びますが、統制活動としては文書決裁ルールの徹底を始めとした責任の所在の明確化の徹底も引き続き図っていきたいと考えています。こうしたことで参考9、25ページです。こちらは本中期計画期間において一応、完成をしたと思っています当機構のガバナンス体制です。真ん中辺の左側の所、緑色の様々な外部の方に入っていただいて、各種委員会を設置し、いろいろなものについて御意見を頂いています。さらに資産運用については、資産運用委員会、特定業種については右側の所にあります運営委員会からも御意見を頂き、左下にあるような内部統制システムを通じてガバナンス体制を維持しているというところです。こうしたガバナンス体制を次期中期計画期間においても、しっかりと維持・徹底をしていきたいと考えています。
 資料の13ページです。情報セキュリティ対策の推進が、ガバナンスにおいても大きな事項になります。こちらについても本中期計画期間中に相当情報セキュリティの対策、体制というものは確立しましたが、これを引き続き行っていきたいと考えています。
 そして(3)事業及び制度の改善・見直しに向けた取組で、先ほども厚生労働省の目標の説明にもありましたが、制度については中小企業退職金共済制度についても、それから財産形成促進制度についても、なかなか機構だけでできる部分ではないところもあります。そういった意味で、先ほど厚生労働省の御説明にもありましたが、厚生労働省の局長と当機構の理事長をそれぞれヘッドとする意見交換会を複数回行ってきまして、厚生労働省が行うこと、機構が行うこと、協力して行うことを整理してきました。そうした中で、やはりこうした制度の見直し全体についても、機構としてしっかり協力をさせていただくということを書かせていただいています。
 そして2番目の人事の所です。これまでと同様、様々な取組を行ってきましたが、特に専門的な人材について、これからら確保がより必要になってきますので、しっかり確保をしていきたいと考えています。
 14ページ以降は、基本的に書いていますが、これまで同様ということになります。法人としての説明としては以上になります。
 
○今村主査
 どうもありがとうございます。それではただいま御説明がありました「次期中期目標案」と「次期中期計画案」の2つについて御意見、御質問等ございましたらどうぞ御自由にお願いいたします。
 
○安井構成委員
ご説明いただきましてどうもありがとうございます。アンケートや推計など、客観的なデータに基づいて課題の把握及び計画の設定をされているので、被共済者の安心感につながるのではないかと私は思いました。その上で御質問が2点ございます。まず、目標に関してですが、資料1-1、6ページで、数値目標、指標数値について回帰分析を基に試算していらっしゃいます。コロナ禍の要因を加味されたとされており、このコロナ禍要因は恐らくダミー変数を推計することで、その影響を推計されたということだと思います。そこで質問ですが、コロナ禍要因は、2020年単年だけ1となるダミー変数で捉えていらっしゃるのでしょうか。それとも、それ以前をゼロ、2020年度以降を1とするダミー変数で推計されているのでしょうか。
なぜそのようなことを聞くかといいますと、コロナ禍が終わったら、そのコロナ禍によって下押しされていた部分というのがなくなりますので、その分だけこの実績の推計値というのは上ぶれする形となると思うのですが、これを見る限りそういった影響というのが、令和4年度以降、出てないように見えます。その点について、教えていただきたいです。
 もう1点は、目標と計画に関してですが、目標の中で、法人を取り巻く環境の変化につきまして、「気候変動等のESG課題に対する公的機関投資家としての期待される責任、役割は増加し」と書いていらっしゃいます。こうした中、資料1-2の参考の2-1、「資産規模6兆円を有する公的アセットオーナーとしての使命」という箇所の左側の緑色の所で、「サプライチェーンの労働環境改善」に着目されていることが分かります。目標では、気候変動等のESGに対して責任が増大しているということだった一方で、勤退機構の計画では、サプライチェーンの労働環境の改善という「S Social)」のみに着目しているように見えるのですが、ここら辺のお考えについてお聞かせください。
 
○今村主査 
まず目標のほうですが、資料1-1ということは、所管課のほうでしょうかね。
 
○安井構成員
すみません。1点目は目標なので、これは所管課です。
 
○今村主査 
 その後は法人ですね。
 
○安井構成員
 ええ、計画のほうです。
 
今村主査 
 お願いします。
 
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 厚生労働省の勤労者生活課長です。1点目の推計のコロナの影響要因は、令和2年度、3年度を1とするダミーとして推計値を出させていただいたところです。
 
○安井構成員
 つまり、レベルシフトとしてコロナ要因を抽出されていると。ということは令和4年度以降は、その影響は取れるので上ぶれるという理解でよろしかったでしょうか。又は、令和5年以降取れるのかもしれません。
 
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
具体的な推計については機構でやっていただいた部分もあるので、もし機構から補足説明があればお願いします。
 
○勤労者退職金共済機構理事(西川)
 それでは、中退共担当の西川から御説明させていただきます。このダミー変数のはいろいろな形で試してみた結果、この2年度についてダミー変数を入れさせていただきました。当初は私も、コロナ禍のダミーを入れると、マイナスのパラメーターで入ってくるんだろうなと思っていたのですが、実はプラスで入ってきました。これをどう解釈するかですが、この2年度については労働需給が、非常に大きく悪化したわけなんですね。コロナ禍の影響は、その労働需給の悪化を通じて加入者数に対してマイナスに効いています。ところが、実際問題出てきている契約者の数というのはそれほど減らなかったのです。ということは、この時に行われた政府のセキュリティ対策(セーフティーネット)が中小企業の経営を支えることで、加入者数に対してプラスに作用し、その結果、労働需給の悪化ほどは、私どもの契約者数を悪化させなかったということだと思われます。このため、ダミー変数のパラメーターがプラスに、2年間出ているという恰好になっていると思います。言い方を換えると、コロナ禍ダミーと言うよりは、政府の中小企業支援施策ダミーになったということかと思われます。なお、労働需給の悪化は、この2年間に相当集中して起こり、その後回復しております。今ではまた人手不足の状況になっていますので、それ以降、政府の支援策が加入者数を下支えするような状況には基本的にないという、そういう恰好になっているのかなというふうに考えております。
 
○安井構政員
 理解しました。どうもありがとうございました。
 
○今村主査
 よろしいですか。
 
○勤労者退職金共済機構総務部長
 2点目ですが、ESGの関係、1-2は余り詳しく書いてなかったのですが、資料2-2の機構の中期計画の3ページを御覧ください。3ページの真ん中辺、(4)で、スチュワードシップに係る取組ということで、様々書いてありますが、最後の段落、「加えて」からの文章になりますが、公的機関のアセットオーナーとして、受託者責任に反しない範囲で、持続可能な社会の実現を後押しするために、具体的にPRIの署名等の活動について、検討することを考えております。それは資料には書かなかったのですが、先ほどの御指摘についてはこういうことで、機構としても取組を進めてまいりたいと考えております。以上です。
 
○安井構成員
 ご説明がよく理解できなかったのですが、ESGのうちSは一例で書いただけであって、EもGもエンゲージメントを通じて実現されていくという理解で宜しかったでしょうか。
 
○勤労者退職金共済機構理事(西川)
 では、資産運用担当の西川から補足させていただきます。例えば、Eについて言いますと、私どもの共済制度の関係先には林野庁もあります。気候変動問題への対応として、カーボンニュートラルに向けた取組があるわけですが、この取組の中で、単に排出を抑えるのだけではなくて、吸収面での取組も必要だと言われております。具体的には、例えば日本の国土の3分の2は山林ですので、日本の山林を手入れすることで吸収力を上げることも有り得るのではないですかということが言われております。そうした対応は、炭素の吸収と併せて林業の雇用者を増やすことにもつながるのではないか、そういった意見を、エンゲージメント等の場で言わせていただいております。そういう意味で、Sについては、私どものメインの顧客である中小企業を代弁して書かせていただいておりますが、決してEのところも忘れているわけではないということです。
 
○安井構成員
EとGについても、今後もエンゲージメントを通じて促していかれるということでよろしいでしょうか。
 
○勤労者退職金共済機構理事(西川)
 そうですね。Gの部分は、スチュワードシップ活動の本丸といいますか、そもそもが投資先のガバナンスを改善してもらうのが、スチュワードシップ活動の興りでございますから、そこが重要な点と考えております…。
 
○安井構成員
 ありがとうございました。
 
○今村主査
 ありがとうございます。それでは、手が挙がった順番で、土井委員、よろしくお願いします。
 
○土井構成員
 御説明どうもありがとうございます。質問が3点あります。まず1点目は、機構にお伺いしたいのですが、中退共のシステムを全面的に構築し直すことは、非常に重要だと思います。COBOLから早く脱出していただくということは、情報セキュリティの点、特にガバナンスという意味で非常に重要だと思っています。ただ、資料1-2の参考6のスケジュール表などを見させていただいたのですが、気になるのが、中退共だけだったら170万人ぐらいかもしれないのですが、全部合わせると220万人ぐらいの方のデータは預かっていらっしゃるのですが、データベースはクラウドを考えていらっしゃるのか、オンプレミスを考えていらっしゃるのか、その辺りが先ほどのスケジュール表で見られなくて気になったのですが、きちんと個人情報に対して、セキュリティが強化されているデータベースの構築も非常に重要だと思うのですが、まずそこを教えていただきたいのが1点目です。
 2点目は、今の話とも関わるのですが、というか、この機構だけではなく、厚生労働省の基のであれば、日本年金機構とか、個人情報はたくさん預かっている所があるのですが、CIOとかがいらっしゃって、こういう設計をやっていらっしゃるのかが気になりました。全部丸投げでやると、結局、ただ単に今までやっていたものを、そのままリプレースしましたというだけで、デジタル・トランス・フォーメーションにならず、非常に効率の悪いものになると思うのです。なので、きちんとCIOがいて、全体見通して、設計していくことが重要かと感じました。
 なぜ感じたかと申しますと、目標とか計画の中に、オンライン化とか、オンライン申請とか、電子申請という言葉を使われているのですが、それは多分中退共のシステム自身を全面的に変えられるという話とは別に、建退共とかいろいろな所が、パソコンとかスマホなどから、電子的に申請できるようにしましょうということを表わしているのだと思いますが、2028年度以降にも何か考えていらっしゃる割には、PCだけの事項とか、あとRPAと使い続けるのは、デジタル・トランス・フォーメーションに丸っきり逆行している気がするので、その辺りの設計を担保する方、ワークフローというか、プロセスをきちんと見直して、一番最適なものにしていくという観点が抜けているのではないかという危惧を覚えたのですが、その辺はどのような体制の下で、丸投げではなく、機構全体のガバナンスも考えてやっていらっしゃるのかというところが気になりました。
それは、実はテレワークとか、情報セキュリティのガバナンスとかというところにもつながりますし、特にテレワークをするときのデータベース、個人情報のデータベースへのアクセスをどうするかというところ、ネットワークのブラックホールを作らないようにするというところも大事なので、そこを教えていただきたいのが2点目です。
 3点目は、厚生労働省に伺いたいのですが、厚生労働省として示していただいた資料の中にも、オンライン化だとかRPA化というのが、中退共のシステムの全面改訂というのと横並びで並んでいて、ものすごくちぐはぐに感じるのです。そういう意味で、日本年金機構も下に抱えていらっしゃる厚生労働省としては、もう少しDXに目を向けて、目標の設定をしていただけないかと思うのですが、その辺りの方針というか、もう少しポリシーに関して教えていただけると有り難いのですが。以上3点です。
 
○今村主査
 どうぞ。よろしくお願いします。短めにお願いします。
 
○勤労者退職金共済機構理事(西川)
 ありがとうございます。それでは、システムを担当しています西川から御説明させていただきます。質問を頂いた1番目と2番目に関わっている所ですが、まず1番目のデータベースです。個人情報のデータベースについて、クラウドでいくのか、オンプレミスでいくのかについては、オンプレミスでやることを考えております。これはおっしゃるとおりで、非常に個人情報についてはセキュリティを確保することが重要だと考えておりますので、万が一にも個人情報が外部に出てしまうことがあってはいけないということで、コスト的には高く付くかもしれませんが、オンプレミスを考えています。
 もちろん、短期的なことを考えれば、クラウドを提供している企業は、ある意味、私どものサーバルームよりも厳格、厳重なセキュリティを確保しているような所があるわけです。ただ、このシステムを、私どもはこれから何十年も使い続けていかなくてはならないと考えたときに、クラウドを提供している業界では、浮沈変転、合従連衡が非常に激しいということを考えると、いつの間にかクラウドサービスを提供していた企業のポリシーが変わってしまうとか、買収をされてしまって、安全性が担保できなくなるとか、そうしたことが起こり得るわけです。そのときに慌ててデータを移すことは私どもにはできませんので、そこはあえてオンプレミスとする方針を採用させていただいております。
 もう1つのオンライン化、電子申請化との関係ですが、再構築については、同時に余り新しいことをやろうとすると、再構築を円滑に実施することができなくなってしまうのではないかという懸念を、私どもは持っています。というのは、今回の再構築では、プログラミング言語の変換と、中の計算ロジックですとか、データの流れ方ですとか、そういったものの抜本的な変更といったものを行っています。そのため、全てのプログラムを一から書き直さないといけない。そういうようなプロジェクトなんですね。
 多くの新しい要素を織り込んでしまうと、今現在のシステムが正確に再現されていることと、新しい要素が実現されていることを同時に検証することになり、これは非常に難しいのです。実際、私どもはこのプロジェクトを始めるに当たって、専門家に過去のこういった大プロジェクト、特に金融機関関係の大プロジェクトが失敗した事例について、その要因を調べてもらったところ、大きく3つ要因がありますと言われました。1つはドキュメンテーションが不足していること。もう1つは、業者を替えてしまったことです。そして3つめに、新しいことを詰め込み過ぎたこと、いうのが入っているのです。
大規模なシステム改修に当たって、この際ついでにやってしまおう、ということで、いろいろなものを盛り込んでしまうと、結局、全体の計画が破綻してしまうことになるということです。したがって、今回は、特に私どもの再構築については、実際やっていて思うのですが、非常に大変なプロジェクトですので、まずはプログラミング言語の変換、それからシステム構造の抜本的改善、これに集中をして、それが終わったところで、改めてデジタル化を進めていきたいと考えています。なお、デジタル化自体は、基本的には情報系の話です。
 私どもの業務系のシステムというのは、先ほど最初に質問していただきました情報セキュリティの関係から、業務系のシステムと情報系のシステムを、完全に物理的に分離した状態になっております。したがって、デジタル化については、まずは情報系のほうでの改善という開発を進めまして、情報系と業務系の作業の分担をどうするかということも、この再構築の後に検討させていただきたいと考えているところです。このため、確かにデジタル化の終わる時期が、大変後ろになるのですけれども、まずは業務系をしっかりと構築するために、そちらから終わらせていただきたいというつもりです。
 もう1つ、御質問いただいた、丸投げになっているのではないかという点については、決してそういうことではありません。業者は、設計・開発業者のほかにプロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)の支援コンサルタントを雇っておりますが、当該業者に委託している要件定義等については、役員以下、システム管理部は元より、現場の人間も相当関与しております。現在もほとんど毎日のように、2時間、3時間の会議を行っていますが、全てに現場の人間が参加して、要件定義はしっかり行われているかどうか、帳票の一つひとつから、画面の一つひとつの仕様に至るまでしっかりと関与しております。それから、全体像においては、CIO補佐官あるいはこのPMO支援業者の意見を聞きながら、バランスよく開発できるように努めているところです。
 
○今村主査
 よろしいでしょうか。どうぞ。厚生労働省から。
 
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 一独法の所管課としてなので、厚生労働省全体の情報化をカバーしているわけではないのですが、勤退機構では電子化を進めていきますが、そのプロセスの中では、厚生労働省内のシステム担当部局やデジタル庁からアドバイスを頂きながら進めているという状況です。
 あと、全体的に、例えばペーパーレス化とか、手続きの電子化などの大きな更新については、デジタル庁の方針を踏まえながら、個々の独法でできること、できないことがあるので、実際に導入できるタイミングはずれながらということにはなるかと思いますが、進めているところです。現状としては以上です。
 
○今村主査
 よろしいですか。
 
○土井構成員
 はい、ありがとうございます。今の御説明を伺うと、やはり20年ぐらい遅れている感じがするのですが。そういう意味では言語を書き換えるだけというのはそれはそれで、システムアップのリスクを最小限にするというのでは正しいとは思うのですが、今のサイバーアタックへの対抗という意味で、それでうまくいくのかは相当懸念があります。特に、オンプレミスにしてやったときに、機構内のネットワークが本当に脆弱なところがないというところを担保しないといけないので、そういう意味ではその辺りよく留意して、構築していただければと思いますよろしくお願いいたします。
 
○今村主査
 ありがとうございました。今の問題について機構と厚生労働省の説明はとても体系が合っていてよく分かったと思います。ちょっと一つだけ補足させていただきますと、CIOの話がありましたけれども、この機構は資金面に関しても目利き人材ということで、先ほども説明の中でありましたが、機構内の人間が常にコミュニケーションに関わって内部化していること、暗黙知・形式知として、ですからほかの機構と比べて、非常事態への対応とかそういうことに対しても十分理解できているし、それから私の個人的な考えですが、CIOからトップダウンでやるというよりは、ボトムアップで、目利き人材が一緒になって立ち上げていくことで、着実に事務システムをDXに向けて更新していくのは間違いない方向だと思います。そもそも5年後にDXがどうなっているかは我々には全く分からないですからね。どうもありがとうございました。宮崎構成員お願いします。
 
○宮崎構成員
 2点ございます。1点目は資料1-1の中期目標の6ページです。中退共の加入者の目標の所で、過去の実績や回帰分析等で目標人数を設定されたと伺っておりますが、総務省からの指摘で、制度の持続可能性を考慮するようにというコメントがあったとも伺っておりますが、この中退共制度を維持するために、運用を行っていく固定費、事務費は一定の固定費がおそらく掛かるだろうと思っております。それを加入者の掛金当たりとか、一人当たりの事務負担料率などで負担していくと、逆算してどの程度の累計加入者数が常に必要なのかとか、そうしたものを考慮された上でこの人数をはじかれているのかという点を、伺いたいと思います。
その逆に、事務料率が上がり過ぎないように、極論事務料率が運用利回りに回ってしまうともう制度としては成り立たないと思いますので、その辺りを意識してシミュレーションをされているかを確認したいと思っております。その際に、今後労働人口が減ってきますので、加入者がどうしても減っていくという予測は合理的だと私も思っておりますが、そうなりますとやはりシステム化を進めていく中で、事務負担率、事務料率をトータルで少し下げていくという目線の目標もあって、よろしいのではないかと思っていまして、先ほど、法人の目標に業務費、管理費の削減の所がシステム費を除いて何%削減となっていましたが、それはそれでイレギュラーな経費が掛かってやむを得ないかもしれませんが、トータルでも加入者1人での事務負担率削減に努めるとか、やはり将来の加入者が減ることを想定すると、そういう目標もあっていいのではないかと感じました。これが1点です。
 もう1点は、ちょっと細かい点になりますが、未申請者のお話というのがあって、制度が変わって3年すると、3年間たって転職した場合には通算できるとか、いろいろ注記などされているということでしたが、この辺の利便性向上であったり、前の職場を辞めるときに、通算希望があるなしとか、情報をタイムリーに吸い上げてキブがホジにならないようにということは、より一層できる範囲のことは取り組んでいただければと思っております。以上2点でございます。
 
○今村主査
 どうぞお願いします。
 
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 1点目の、資産運用するときの事務経費が掛かるということですけれども、5年ごとに財政検証をしまして、予定運用利回りなり、あるいは必要な利回りを定めるわけですけれども、現状では予定運用利回りが1.0%で、それに事務経費0.1%分を設定して運用しているところです。そういう形で運用してきて、現行の中期目標期間の目標が5年間で165万人新規加入でやっております。それで今、累積剰余金、利益剰余金が5.000億円少しある状況で、これぐらいの水準であれば当面の持続可能性は維持できる水準だと考えております。この次の中期目標も165万人ですけれども、こういう形でいけば当面の持続可能性は、先ほどの固定費も含めて達成できるかと思っております。この財政検証はまた5年に1回ありますので、その都度その都度の運用状況などを踏まえて見直していくことになりますので、その辺で固定費等も含めて考えていくことになると思います。1つ目は以上です。
 
○今村主査
 目標についていかがでしょうか。機構からですか、加入者目標ですね。
 
○勤労者退職金共済機構理事(西川)
 それでは、中退共担当の西川から御説明させていただきます。おっしゃるとおりで、将来的なことを考えれば労働力人口がどんどん減っていくような中で、私どもの加入者数が減っていくことが将来的には想定されるかなとは思います。ただ、目先考えますと、私どもの加入者の現在の人口構成比を踏まえると、デモグラフィックな要因によって向う5年間で大きく退職者数が増えるようなことはないであろうと考えているところです。そう考えた場合に、165万人以上というこの数字は、現在の私どもの加入者数が減らないで済むような水準と考えております。したがいまして、加入者数の減少によって固定費の比率が大きく上昇するような事態は、少なくてもこの次の中期計画においてはないと考えているところです。目標については以上です。
 
○今村主査
 宮崎委員いかがでしょうか。
 
○宮崎構成員
 はい、よく分かりました。ありがとうございます。
 
○今村主査
 どうもありがとうございます。酒井構成員から手が挙がっています、お願いいたします。
 
○酒井構成員
 実は私が質問しようと思っていた内容が、今、宮崎先生からの質問とほぼ同じたったので、その部分は重複かと思いますのでいいです。私が質問しようと思っていたのは正に宮崎先生の御指摘であったように、今後、制度の持続可能性に必要な加入者数はどのくらいなのか、どのくらいの加入者数を切るとその制度としてまずくなるのか、それをどのように把握されているのかを伺いたかったのですが、今お答えがありましたので、そのことに関しては結構です。
そうしますと私からの質問は細かいところだけになってしまうのですけれども、林退共等で非正規雇用者数が減少しているという点で、それが加入者数の減少に寄与するというようなことが指摘されているかと思うのですが、その非正規雇用者数の減少の理由をどのように把握されているのか、構造的にも減ってきているのか、それとも何かの一過性の要因なのかというところに関して、どのように考えているかをちょっと伺えればと思います。それによって先ほどから出ている持続可能性に関して、今後もそれが続くのか、それともそうではないのかで対応も違ってくるかと思いますので、その点について教えていただきたいと思います。
 そして、正にその加入者数がもし構造的に減少するような流れにあるとすると、それに対して加入促進ということだけでは将来的には駄目なのではないかと当然ながら考えられると思うのです。その加入促進以外に何かを考えられているのかお伺いしたいと思います。
 3点目は更に細かいことで恐縮ですが、先ほど安井構成員からも御指摘がございましたが、回帰分析のところで、私、資料を完全に追い切れなくて、資料だと6ページですか、過去の実績を、労働需給要因・長期的トレンド・制度変更要因・コロナ禍の影響等に回帰したということで、こうした回帰分析はいろいろな形があり得ると思うので、これ自体について何か申し上げるつもりはないのですが、パッと見てその労働需給要因を、また長期的トレンドをコントロールした上で、さらにコロナ禍の影響というものを、先ほどの話ではダミー変数として入れられているということですが、労働需給要因・長期的トレンドをコントロールした上でのコロナ禍の影響って、果たしてでは何なのだろうかということもちょっと思うわけです。先ほども申し上げたように、回帰分析自体はいろいろなスペシフィケーションがあり得ると思うのですけれども、私が資料を追い切れてないだけかもしれないのですが、その回帰分析の結果もどこかに残しておいていただけると、議論が深まるのではないかと感じました。以上が私からの意見です。
 
○今村主査
 お願いします。
 
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 それでは最初の林退共の関係ですけれども、林業労働者数につきましては、林野庁で今後の見通しを立てているところです。結論としては林業労働者、林業従事、数自体については今後横這いということで、森林・林業基本計画というのがありまして、その中では林業従事者数の見通しとしては4.3万人、令和12年辺りまで横這いの見通しです。一方で、正規雇用化、常用雇用化を政策として進めていることとの関係で、林退共の対象となる期間雇用者、期間の定めのある雇用者については減っていく、そちらは減少傾向で推移するであろうということは確実で、それを前提として今回の林退共の新規加入共済者数の目標も立てたところです。
 そうなりますと2つ目の、林退共制度の持続可能性で、ここが正に以前から言われているところで、5年に1回財政検証があるのですが、前回は平成2年にあって、次の財政検証までに制度のあり方の検討をすべきという宿題をいただいている状況です。先ほど中期目標にも書かせていただいていますけれども、次の財政検証を令和6年度までには開始することにしておりますので、その辺りでどのような方策があるか、考えていかなければいけないと思います。私からは以上です。
 回帰分析については機構から何か補足ございますか。
 
○勤労者退職金共済機構理事(西川)
 それでは回帰分析の説明をさせていただきます。確かに本来であればコロナ禍の影響というのは、労働需給要因のところに入ってくるかと思っておりますが、今回その労働需給要因だけでは説明できないような動きをしていたというところが実際のところです。具体的には、コロナ禍ダミーを入れないとかなり加入者数は上ぶれます。それは何かというと、先ほどもちょっと申し上げたのですが、おそらく政府の、今まで見られなかったような、セーフティーネットの対策が、この期間に強力に中小企業を支えたことによって、加入者数が減らなかったのだろうと考えております。したがってコロナ禍ダミーは、正確に言えば、政府の対策ダミーだと捉えればいいのかなと思います。
 それから、回帰分析の具体的な内容を出すことについては、全くやぶさかではございません、次回はお示し致します。
 
○今村主査
 ありがとうございました。酒井構成員いかがですか。
 
○酒井構成員
 はい、大丈夫です、分かりました。ありがとうございます。
 
○今村主査
 ありがとうございました。こういう機構の解析も、独自にやるとか、基本的に高学歴、少人数だけれど高学歴のエキスパートが集まっていて、先ほど議論になっているDXに関しても、そういう意味では、教育や人材育成をしっかりやっておられるというのは非常に心強いところではあります。ちょっと私からコメントというか質問です。こうやって、当機構は資金運用で非常に目利き人材を養成されて成功されています。DXでもこうやって着々と進めておられる目利き人材育成なのですが、他の質問の中でありましたが、外から押し付けでアウトソーシングで、一方的にそれまで受け入れるのかということと、それに対して内部の目利き人材がどこまでアジャイルに組織対応してやっていけるかという問題は、正に目利き人材を育成できるかどうかにかかっていると思います。つまり専門家、エキスパートではなくても、目利きのできる人材を内部に育成するということがすごく重要で、それを機構は以前から強調しておられますが、1つだけその研修制度について、もし、できれば機構さんに、来年度以降の年度報告でもいいですが、そういう研修制度をどういうように充実しているかということを是非報告して頂ければと思います。関心がありますので是非よろしくお願いいたします。
 
○勤労者退職金共済機構理事(小林)
 総務担当理事の小林でございます。研修制度については、いろいろと機構の中で設けておりまして、外部の機関も活用しながらやっているところです。ここのところは何か機会があれば、例えば一覧みたいな形でお出しすることは可能だと思っております。それ以外では、外部のコンサルトや資産運用委員会などの外部の方とのディスカッションの中で人材育成をしていくということも併せてやっているところです。以上です。
 
○今村主査
 ありがとうございました。余り大きな声では言えませんが、そういうのでうまくいっていない組織が身近にあるものですから、すみません。大分、時間も迫ってまいりましたが、もし、個別に御指摘や御意見、コメント等があれば、直接事務局のほうにお届けいただくということにしたいと思います。もし何か、この際、どうしても言っておきたいということがあればどうぞお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、一旦ここで打ち切らせていただきます。
 最後に、法人所管課及び法人から、ただいまの構成員からの御意見等を受けて、次期目標と計画に向けてのコメントを一言お願いいたします。
 
○雇用環境・均等局勤労者生活課長
 勤労者生活課です。貴重な御意見をありがとうございました。年度内の中期目標・中期計画の決定に向けて、御意見を踏まえて手続等を進めていきたいと思っております。4月からは早速、新しい中期目標・中期計画を着実に実施していくという段階に入りますので、機構とよく連携しながら進めたいと思っております。特に今回、今後の5年間の中期目標の中には、事業や制度の改善や見直しに関する事項も含んでおりますので、更に先の5年間を合わせると、今後10年間ぐらいまでを見据えて考えていかないといけないのかなと思っております。ここは機構とよく話し合い、コミュニケーションを取りながら進めていきたいと思っております。先ほども申し上げましたが、この中期目標・中期計画を作るに当たって、機構とは相当議論いたしました。局長、理事長間でのトップの意見交換も行い非常に有益だったと思いますが、次の4月からの体制でも、同様の関係で進めていければと思っております。ありがとうございました。
 
○今村主査
 では、法人のほうからよろしくお願いいたします。
 
○勤労者退職金共済機構理事長
 理事長の水野でございます。よろしくお願いします。それでは、理事長にとって、機構を経営していく上での最重要事項について御説明をさせていただきます。
 今日は理事に応答を任せるという方針で、今まで一言もしゃべらずに頑張ってきましたので、ここでは理事長方針についてのみ御説明させていただきます。この会議で、今村主査から過去2、3年にわたって御下問がありました。理事長が交替しても大丈夫かという御質問に対する、これが正式な回答であります。よろしくお願いいたします。
 まず、中期目標管理法人では、主務大臣が中期目標を定め、各法人は、その中期目標に基づいて中期計画及び年度計画を作成し、計画的な業務遂行を行います。主務大臣は毎年度、法人の業務実績について評価を行い、中期目標終了時には法人の組織業務全般にわたる見直しを行います。すなわち、主務大臣と法人という2つの主体がある所に、私が来た民間とは決定的な違いがあり、さらに、うちの機構は事業主体であるにもかかわらず、この制度設計を適用されているところに、機構経営上の本質的な問題があると思っております。 
そこで、今回の中期計画作成に当たっては、先ほど来、厚生労働省さんから御説明があったとおり、厚生労働省と機構との意見交換会を新設し、雇用環境・均等局長と、ファクトファインディングに基づき、問題を共有した上で次期中期期間中にやるべきことを厚生労働大臣に3つに分類してもらい、責任の所在を明確にしていただきました。1つ目が、機構がやるべきこと、2つ目が機構と厚生労働省が共にやるべきこと、3つ目が、先ほどから持続可能性について議論がありますが、持続可能性上、制度問題の解決が最大の経営課題であるので、主に厚生労働省にやってもらうことです。
 まず、機構のやるべきことについては、先ほどから御説明がありますので繰り返しませんが、最大のプロジェクトは、半世紀以上にわたって、継ぎはぎ、継ぎはぎでしのいできた中退共システムの再構築プロジェクトです。理事長以下、機構を挙げて7年間にわたり取り組んでまいりました。いよいよ来年度からはプログラミングの作業に入ります。初めて聞かれるとびっくりされると思いますので、いろいろ御心配の部分はあるとは思いますが、ここまでくれば、仕様凍結を貫徹できるか否かが、このプロジェクトの成否を決すると言っても過言ではありません。厚生労働省さんにも十分に御理解を頂いております。
 次に、機構と厚生労働省が共にやることは、電子申請方式の飛躍的な普及による持続可能な建退共制度への脱皮です。建退共は、国交省さんから来てくれている理事長代理が理事長権限を持っておりますので、国交省さんと厚生労働省さんとともに取り組んでもらっております。今回、国交省さんも、大物理事長代理を派遣してくれましたので大いに期待が持てるところです。
 3つ目、制度問題の解決が最大の経営課題であるので、主に厚生労働省さんがやることは、先ほどから、いろいろ持続可能性について議論がありますが、特退共及び財形等の制度問題です。機構は、厚生労働省さんの起案に必要なエビデンスの提供には既に万全の体制で臨んでおりますので、あとは、厚生労働省さん次第だというのが私の理解です。
機構の持続可能性を担保するには、ガバナンスの確立が要諦です。PDCAサイクルは、それ自体が目的ではなく、ガバナンスを徹底・堅持していく上での1つのツールにすぎないというのが、民間から来た理事長の理解です。
例えば、資産運用については、受託者責任を因数分解すると、忠実義務と注意義務に分解でき、注意義務を果たしているかの審判はプロセス評価になり、ベンチマーク対比の指標はその1つの指標にすぎないわけです。受託者責任を全うするためには、ベンチマークを犠牲にしても、決断すべきことは起こり得ます。その場合、理事長のその決断を正しく評価する仕組みや能力がないと、経営の根本である評価軸とは異なる判断を、理事長が下さざるを得ないというガバナンス上の問題と、理事長の属人的な見識、胆力に依存するという、経営上、致命的な問題が起こります。
今回、評価制度を改正し、かつプロセス責任を果たしているか否かを監視する資産運用委員会が作成する評価報告書により評価を受けることになれば、資産運用についてもガバナンスは完成し、今中期計画期間において、機構のガバナンスは、ほぼ完成の域に達します。このガバナンスを徹底・堅持していくのは、並大抵の努力ではできないという認識も厚生労働大臣及び厚生労働省さんと共有いたしました。厚生労働省さんとは組織文化に明らかな違いがあるからです。雇用環境・均等局長さんとの意見交換会では、次の4本の組織文化を堅持していくことについて、厚生労働大臣及び厚生労働省さんの御理解と御協力を確認したところです。
 1本目は、問題が起こる前に対処する組織文化です。問題が起こってから対処するのではなく、問題が起こる前に対処する組織文化です。2本目は、EBPMの徹底です。機構の施策には全て、施策を裏付ける計数があります。もし、御興味があれば、言っていただければいつでもお出しします。システムについても同じです。この時間では御説明できませんでしたが、全てエビデンスに基づいて施策は立ててあります。3本目は、失敗を総括して成功を判断する組織文化です。失敗のない組織があるようですが、そういう組織には成功もありません。失敗があって、その失敗を成功の母とする組織文化があって、初めて成功があります。4本目は、責任の所在を明確にすることです。厚生労働省さんと、機構との責任の所在も明確にしていただきました。中期計画、本書の22ページ第4、その他業務運営に関する重要事項の1、ガバナンスの徹底、(1)内部統制の徹底に、明記させていただきました。この組織文化を厚生労働大臣及び厚生労働省と共有しておけば、あとは中期計画に沿って業務を遂行すれば機構は万全です。どうぞ御安心いただきたいと思います。
 最後に、私がこの会議で話をするのはこれで最後になると思われますが、今村主査をはじめ7年間、本当にありがとうございました。次の5年間も、私の作った計画については責任を取りますので、どうぞ温かい目で見守っていただきたいと思います。以上です。ありがとうございました。
 
○今村主査
 どうもありがとうございます。大変分かりやすい、クリアな説得力のある説明をありがとうございます。いちいち細かくはコメントしませんが、皆さん、それぞれ共感するところが多いのではないかと思います。7年間どうもありがとうございました。また引き続きよろしくお願いいたします。
 説明いただいて、ここで本日の議事は終了となりますが、最後に、事務局からお願いいたします。
 
○事務局
 事務局から今後の流れについて、会議の冒頭に途中まで御説明させていただいた参考資料2に基づいて御説明させていただきます。一番下の四角い囲み「令和4年12月から令和5年3月、独立行政法人の次期中期目標・次期中期計画の策定」とあります。ここにあるとおり、勤労者退職金共済機構の中期目標案については、本日頂いた御意見を踏まえて、必要な修正、今回は、皆さんの御意見等々で修正の箇所は少ないかなというように思っておりますが、厚生労働大臣が総務省の独立行政法人評価制度委員会へ送付させていただきます。その後、同委員会において審議が行われ、その審議結果に基づいて、出される意見を聞いた上で財務大臣との協議を経て、次期中期目標が確定されることとなります。中期計画については確定した次期中期目標を基に、勤労者退職金共済機構が中期計画を策定し、当計画について、主務大臣である厚労大臣が内容の精査及び財務大臣との協議を経て、年度内に認可する予定となっております。確定した中期目標と中期計画については、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○今村主査
 ありがとうございました。本日はこれで終了とさせていただきます。委員の皆様から、きめ細かい熱心な御議論を頂き本当にありがとうございました。それでは、どうもお疲れさまでした。失礼いたします。

(了)