2023年1月19日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第30回) 議事録

日時

令和5年1月19日(木)13:04~14:51

場所

オンライン開催

出席者

真野主査、石井構成員、石渡構成員、太田構成員、河村構成員、名里構成員、松原構成員、三田構成員

議事

議事内容

○真野主査
 本日は、第30回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WGです。まず、本日の出席状況についてです。本日は、新型コロナウイルス第8波のリスクヘッジということで、我々委員は全てオンラインという形でやっております。もちろん説明もオンラインという形になります。
 
○事務局
 これから始めさせていただきます。ただいまから、第30回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WGを開催させていただきます。本日の出欠状況について御報告いたします。本日は田宮先生、五十嵐先生が御欠席です。オンライン開催に当たり、厚労省としては、回線の安定には万全を期しているところです。ただ、厚労省では年末年始にシステム移行を行った関係で、場合によっては不安定な状態になったりする可能性がございます。昨日は別のワーキンググループを開催して大丈夫だったのですが、万が一ということもございますので、御不便、御迷惑をかけるかと思いますけれども、その場合はWebexのチャット機能でお知らせいただきますよう、お願いいたします。
 資料の確認です。本日の配布資料は1-1から3-2、参考資料として参考資料1から参考資料8までお手元に御用意いただければと思います。
 中身の説明の前に、事務局から人事異動がございましたので、御報告させていただきます。12月1日付けで参事官が交代し、山田から石塚に代わっております。石塚参事官から御挨拶を簡単にお願いいたします。
 
○政策立案・評価担当参事官室参事官
 皆さん、こんにちは。昨年の12月から前任の山田の後任で参りました石塚と申します。本日は、よろしくお願いいたします。
 
○事務局
 ありがとうございました。それでは、改めて資料、議事について説明します。資料については、先ほど御説明しました。ホームページから御覧いただければと思います。議事について御説明します。本日の議事は、医療福祉機構の次期中期目標(案)及び中期計画(案)に係る意見聴取を行うこととなっております。おおむね2時間程度を予定しています。本件については、お手元の参考資料1の要綱がありますけれども、これの3の第4号、その他1から3までに掲げる事項に関し重要な事項に該当するものとして、本ワーキンググループを開催して意見を賜るものです。厚労省所管の中期目標管理法人については、厚労大臣が中期目標を定め、当該法人が定められた中期目標に基づき中期計画を策定することとされておりますが、法人の中期目標と中期計画は、御意見を頂く上で密接な関係にありますので、本日は中期目標と中期計画について同時に御議論を頂きたいと考えております。令和5年度からの新たな中期目標及び中期計画の策定に至るまでの流れについて簡単に、参考資料2を使いまして御説明します。
 1番上の四角い囲みがありますが、令和4年8月、独立行政法人の「業務・組織全般の見直し内容」等を総務省へ提出とございます。福祉医療機構の中期目標期間見込み評価書と業務・組織全般の見直し内容については、昨年8月に開催しました本ワーキンググループにおいて、皆様から御意見を頂きまして、その意見を踏まえて参考資料5と6にありますように、厚労大臣から総務省独立行政法人評価制度委員会に通知をしております。詳細については参考資料5、6を御覧いただければと思います。
 参考資料2に戻りまして、中ほどの四角い囲みに、令和4年9~12月、総務省独立行政法人評価制度委員会の審議・決定とあります。参考資料7を御覧ください。これは昨年12月5日、総務省独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の中期目標期間見込み評価書と業務・組織全般の見直し内容について審議をし、目標策定に向けての考え方などを決定したものです。福祉医療機構に関する具体的な内容については、12、13ページに、目標策定に当たって目標に盛り込むことについて検討していただきたい点として整理された留意事項が2点ほど示されております。
 続きまして、参考資料8を御覧ください。昨年4月8日に総務省独立行政法人評価制度委員会が、独立行政法人の業務管理及び内部管理の共通的な方向性を取りまとめたものです。これらを踏まえて作成されたのが、本日御議論いただきます福祉医療機構の次期中期目標と中期計画の案です。次期中期目標の策定については、参考資料4にあります独立行政法人の目標策定及び評価実施要領の目標策定のルールも参考に、この観点からも御議論いただければと思います。事務局からの説明は以上になります。
 それでは、真野先生、議事の進行をお願いいたします。
 
○真野主査
 今の事務局の御説明について、特に質問はないですね。では、始めていきます。先ほどお話がありましたように、福祉医療機構の次期中期目標(案)及び次期中期計画(案)について、御議論いただくことになっております。最初に、厚生労働省の法人所管課から、次期中期目標(案)について御説明いただいて、その後、法人から次期中期計画(案)について御説明いただきます。この2つが終わってから、質疑応答という形で進めていきます。最初に、法人所管課から、次期中期目標(案)についての御説明をお願いいたします。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 中期目標(案)については、資料1-1と資料2-1を用いて御説明いたします。まず、資料2-1、別添の3枚目を御覧ください。福祉医療機構の使命等と目標との関係です。中期目標の策定に当たっては、主務大臣は法人のあるべき姿と現状について、その時々の社会が求める方向性も踏まえて、的確に把握、認識し、分析した上で策定を行うという総務省からの方針に基づき、第5期から目標、本文の第1において、「法人の使命」「現状と課題」「法人を取り巻く環境の変化」を設けて記載しております。本資料は、その概要となります。
 まず、法人の使命です。福祉・医療分野における諸課題を解決するという国の政策効果が最大となるよう、国の政策の一翼を担うという使命の下、福祉・医療に関する多様な事業を一体的に実施することによりまして、地域における福祉・医療の向上を目指す民間活動を支援することとしております。
 次に、現状及び課題です。現在、機構では福祉医療貸付事業における融資相談やフォローアップの際に、経営指導事業の経営診断等で得た経営に関するノウハウの提供による支援、WAM NET基盤を活用した福祉保健医療に関する情報の一元的な集約・発信など、福祉・医療に関する多様な事業を一体的に実施する、こうした強みをいかした業務運営を行っております。一方、コロナ融資の実施による貸付件数及び残高の急増を受けて、令和7年度から本格的な償還が始まるまで、信用リスク管理体制の強化、取組の効率化など、債権管理体制の整備が重要な課題というように認識しております。
 また、法人を取り巻く環境の変化ですが、新型コロナ感染症の拡大に伴う行動制限などによる受診・サービスの利用控えなど、福祉・医療業界を取り巻く経営環境は大きく変化しています。経営面での支援の充実が、これまで以上に求められています。また、労働人口の減少や高齢化により、今後適切なサービスを提供する上での人材確保がより一層困難になることが想定されています。社会福祉施設等の職員の待遇改善に資する退職手当共済事業の安定的な制度運営が求められているというように考えております。
 これらを踏まえて、今年4月から令和10年3月までの5年間の次期中期計画期間においては、福祉医療貸付事業におけるコロナ融資による貸付先の急増といったことを踏まえた適切な期中管理、また、福祉医療経営指導事業における経営悪化が懸念される福祉・医療事業者などの経営の安定化に資する経営診断等による支援の充実、また、福祉人材の確保に資する退職手当共済制度の安定的な運営に向けた周知広報、WAM NET基盤を活用した福祉保健医療関連の各種情報の一元的な集約・発信、情報内容の充実といったことを重点事業と位置付けて、その他福祉・医療に関する多様な事業との一体的な実施により、地域における福祉・医療の向上を目指す民間活動を支援するために、必要な事業を実施することとしております。
 資料1-1を御覧ください。2ページ目以降が、中期目標の第3の柱で、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項ということで、9つの事業、各事業を評価する指標、目標数値を記載しております。
 2ページを御覧ください。9つの事業のうちの1つ目の柱で、福祉医療貸付事業です。本事業は、福祉・医療分野の諸課題の解消に着実に対応するため、民間の社会福祉施設等の整備に対して、長期・固定・低利の資金を融資して、施設開設者などの負担軽減を図ることで、福祉・医療サービス提供の基盤整備に資することを目的としておりまして、次期中期目標においても、第4期同様にその重要度は高いと考えております。
 御覧いただいている左に(1)から(7)の留意事項がございます。こういった記載内容に留意しつつ、本事業の着実かつ適正な実施に努めるということです。特に(5)コロナ融資による貸付先の急増に伴う債権管理については、非常に重要度が高まっていると考えております。機構においては、令和2年度から既に体制の整備を進めているところですが、これまで以上に債権区分別に適切な期中管理に努める必要があると考えております。
 右のほうに(8)定量目標を記載しております。4つほどあります。①については、第4期では政策融資を効果的かつ効率的に実施するための取組の状況を測る指標として、地方公共団体に対する貸付制度の周知広報回数を設定していたところですが、自治体を通じた間接的かつ一方通行の周知広報よりも、直接的に福祉・医療関係団体の会員のネットワークを活用した意見交換といったものを通じて周知広報を行うほうが、双方向での情報交換が可能となるため、効率的かつ正確に制度の理解を深めることが可能であると考えております。機構としても、直接現場の声やニーズを聞くことが期待できることから、福祉・医療関係団体等との意見交換会等の実施回数に見直しました。
 ②ですが、第4期では協調融資制度を幅広く促進する観点から、協調融資対象機関数の拡大を設定しておりました。協調融資の覚書締結のメインとなる地方銀行における覚書の締結率は9割以上に達しているため、本目標の目的は達成したと考えることから、目標から外したところです。今後は、融資を希望する法人などに対して、覚書締結機関が福祉・医療業界の経営状況を理解して、いかに協調融資の利用につなげるかが重要となると考えておりまして、機構の福祉・医療分野の融資環境に関するノウハウを提供したり、協調融資制度の趣旨などを情報提供することで、民間金融機関における福祉・医療分野への積極的な融資につなぐということから、民間金融機関、金融団体も含めた勉強会、意見交換会の実施回数を新たに設定しております。
 3つ目の指標ですが、コロナ禍の長期化や物価高騰などの外的要因により、施設整備、経営面等に不安を抱えている事業者も増えている状況です。こういった状況を考慮して、貸付先などへのきめ細かな助言等の目標として、新たに貸付先等への経営に係るアドバイス回数を設定しました。この場合のアドバイスというものは、一般的な制度説明や通常の融資相談ではなく、個々の貸付先の運営状況に応じて整備計画の見直し、経営の改善など、課題解消に資する有効な提案・助言等を想定しております。
 指標の4つ目は、コロナ融資による総貸付件数が増加したこと、また、調査手法も、コロナ禍による対面だけでなく非対面のオンラインによる実施など、その手法も多様化している状況を踏まえて、対面を想定した実施調査という表現から、より幅広い手法が読み取れるよう、フォローアップ調査という表現に変更しております。なお、各目標の数値ですけれども、いずれも令和4年度の実績を踏まえて設定しており、本事業以降の数値も同様の設定ということになります。
 続いて、3ページを御覧ください。上段に、福祉医療経営指導事業を記載しております。この事業は、福祉・医療事業者が安定的かつ効率的にサービスを提供できるよう、経営面からの支援を行うものです。特に、コロナ禍の長期化により経営力が低下した事業者を支援するという観点からも、ニーズは高まっていると考えておりまして、これまで以上に重要度は高くなっております。本事業と表裏一体の事業でもある福祉医療貸付事業と十分に連携を図りつつ、資料に記載の(1)から(3)の内容に留意しながら、本事業の着実かつ適正な実施に努めることとしたいと考えております。
 特に、(1)のセミナーについては、コロナ感染症の拡大により、セミナー開催の環境が大きく変化したことを踏まえて、双方向の直接的な意見交換が可能な対面開催を主軸としつつも、事業者のニーズを踏まえ、オンラインによる開催を行うなど、機動的かつ柔軟な対応をお願いしたいと考えております。
 目標は3つほどございます。第4期までは、より多くの人に経営に必要な情報を提供するため、セミナー受講者数を指標に設定していましたが、コロナ禍によるオンライン開催も積極的に導入するということで、その環境は大きく変化していると考えております。開催方法によりその数が大きく変動する受講者数を指標に設定することは適切ではないと考えるため、第5期では除外したところです。その代わりに①として、セミナー内容の充実という観点から、多様なテーマ設定により、受講者の訴求力に応える取組を測る新たな指標として、セミナーテーマ数を採用したところです。指標の②及び③については、第4期から引き続きということです。
 なお、第4期まで指標として設定していた医療・福祉分野の経営状況等の調査・分析の公表数ですが、公表内容が業界にとっていかに有用性があるかが重要であるという視点に立って、新目標(案)の②マスコミの記事・論文等への引用回数の目標を新たに設けておりますが、その趣旨に含まれると考えるため、量より質への重点化を図るという観点で、指標からは除外しております。
 続いて、3ページの下段の社会福祉振興助成事業です。本事業は、NPO等の非営利法人が制度の狭間にある社会的弱者の方たちに対して、創意工夫のある、地域に密着したきめ細かな活動で支援するということについて、助成先団体の自立的運営が可能となるよう、事業運営に必要な経費の助成、そして、機構がこれまでの助成事業で培ったノウハウをいかしたフォローアップを行うことにより、伴走支援するということで、地域共生社会の実現に寄与するものであります。こうした支援は、自治体が国からの補助金などを活用して行って、地域に密着して活動するNPO法人などに対して助成を行ってきたケースもありましたが、コロナ禍により自治体側に余力がなく、規模を縮小せざるを得ない環境となっております。このため、本事業の担う役割も重みは増していると考えております。こうした状況も踏まえて、(1)から(4)にあるような内容に留意しつつ、本事業の着実かつ適正な実施に努めていただきたいと考えております。
 目標は3つ設定しております。これまで申請受付から交付決定までの平均処理期間を設けていたところですが、おおむね達成しておりますので、引き続き期間短縮に努めるものの、指標としては除外させていただきます。そして、(1)については、第4期からの引き続きの目標となります。新たに(2)については、非営利の助成先法人は財政や人材面での体制が非常に弱いということで、効率的に運営するノウハウもなく、運営体制の強化などが必要であるといったケースが多いことから、同種事業の優良事業、運営事例などについて、機構のノウハウ等を提供することで、助成先法人のガバナンス強化に向けた支援といった取組を測る指標を考えたということで、新たにガバナンス強化に関する支援の実施団体先の数を設定しております。
 3つ目です。助成事業の継続と発展に資する取組として、助成先法人等を対象とした研修会を行っておりますが、こうした伴走型支援の充実及びその有用度を測る指標として、助成事業に関する研修会等の参加者の満足度を新たに設定することにしております。
 続いて4ページを御覧ください。上段に退職手当共済事業がございます。この事業は、福祉サービスの安定的かつ効率的な提供体制を維持するために、退職手当共済制度を安定的に運営し、サービス提供の担い手である職員の処遇を維持するということで、人材確保に資するものであって、その果たす役割の重要度も高いと考えております。本制度の加入者数は着実に増加してきておりますが、それに伴い退職者数も増加しております。退職金給付処理件数も非常に増えてきていることから、限られた人員体制で迅速かつ適切な給付事務処理を行う体制を維持することについて、困難度も増しております。こうした重要性などに鑑み、(1)から(3)に記載している内容に留意しつつ、本事業について安定的かつ適切な実施に努めることとしたいと考えております。
 目標の①及び②については、第4期からの引き続きということです。③については、本制度の安定的な運営を維持するためには、継続した加入者の増加が必要不可欠です。そのためには、本制度の広報・周知活動が必要ですので、その活動を測る指標として、新たに退職手当共済制度の新規広報先数を設定しました。
 続いて、5つ目の心身障害者扶養保険事業です。本事業は親御さんが亡くなった後の障害者の生活の安定に寄与することを目的として、地方公共団体が実施する共済制度の加入者に対して負う共済責任を保険する事業に関する業務を安定的に運営するものです。引き続き制度の周知、財政状況の検証、資金の安全かつ効率的な運用について、従来からの取組を継続して実施することにしたいと思います。目標は、制度に関する周知と広報活動が引き続き重要と考えておりますので、第4期と同様の水準で実施することとしております。
 6つ目は、福祉保健医療情報サービス事業、WAM NET事業です。WAM NETの情報基盤を活用して、福祉保健医療に関する様々な情報を一元的かつ正確に集約して発信することにより、福祉・医療事業者、サービス利用者だけでなく、行政機関、関係団体など、全ての利用者に対して有益かつ効果的な情報を提供することを目的としております。したがって、その果たす役割は非常に重要だと考えております。ネット社会の普及により、信憑性も含め、様々な情報が氾濫する中、独立行政法人という公的な立場からの情報発信は、信用性が高いものであり、本事業の更なる内容の充実と拡充が求められていると考えております。こうしたことから、御覧の(1)から(3)の内容に留意しつつ、本事業についても安定かつ適正な実施に努めることとしたいと思います。
 定量目標は3つほどございます。①及び②については、第4期から引き続きの目標です。③については、本事業の目的を達成するためには、多くの情報を発信するだけでなく、その内容の充実、拡充、利用者にとって有益性のある内容としていくことが重要であると考えております。こうした取組に対する充実度を測る指標として、新たにWAM NETの主要コンテンツである、子育て・介護と仕事の両立支援情報ポータルに関するコンテンツの満足度を設定したいと考えております。
 続いて7つ目の承継年金住宅融資等債権管理回収業務です。こちらも年金住宅融資等債権の管理回収を行い、国に納付し、年金給付の財源に寄与することを目的とするものです。引き続き実施することとしたいと思います。第4期中期目標では、長期延滞債権の回収処理率に関して定量目標を設定してきたところですが、新型コロナウイルス感染症拡大など、個々の債権者の返済環境に大きく影響して、債務者に対して条件変更など、柔軟な対応が求められているという状況があります。こういった状況を考慮しまして、指標とするには適切でないと考えることから、指標から除外することとし、代わりに業務終了を見据えた定量的な指標として、リスク管理債権の残高について、年度計画において関連指標として設定しております。
 8番目の年金担保債権管理回収業務及び労災年金担保債権管理回収業務です。本業務については、いずれも令和4年3月末の新規申込受付分をもって、新規の貸付を終了しております。引き続き、既往債権の管理回収業務を行っていくということです。こちらも定量目標については、第4期の中期目標では貸付制度の終了に向けた周知活動といったものを目標設定していたところですが、新規申込受付を終了したことから、その目標については役割を終えたということで、削除しております。
 9つ目は6ページになりますが、一時金支払等業務及び補償金支払等業務です。いずれの事業も、各法律に基づいて、国からの指示により、一時金・補償金の支払い等の業務を行うものです。引き続き、第5期中期目標においても、個人情報の取扱いに配慮しつつ、業務の適正かつ迅速な実施に努めていきたいと考えております。
 7ページを御覧ください。第4の業務運営の効率化に関する事項をまとめております。業務システムの効率化などについて、情報化社会の流れに遅れることのないよう、情報システムの整備・管理に取り組むとともに、計画的に各事業のシステム整備を図ること、そして、業務の見直しや事務の効率化を図りつつ、事業の実施に支障を来すことのない範囲で節減に努めることを記載しております。また、調達契約等の面でも、合理化計画に基づき、一者応札等に対する取組を着実に実施することを通じて、節減に努めることを記載しています。
 第5の財務内容の改善に関する事項です。国からの運営費交付金を充当する事業については、引き続き利用者負担、自己収入による財源の確保に努めること、貸付事業の資金調達についても、機構債の発行等により、適切な調達に努めること、業務上必要なくなった不要財産については速やかに国庫納付することを記載しております。
 第6のその他業務運営に関する重要事項ということで、3つほど記載しております。1つ目は、効率的かつ効果的業務運営の確保ということで、組織編成等の業務運営体制を継続的に見直すこと。2つ目は内部統制の充実ですが、関係規程類について適宜見直しを行い、役職員への共有を図るとともに、その仕組みについても随時点検・検証を行うこと。そして、機構の組織規模及び事務事業の特性を踏まえて充実化を図ること。これらを記載しております。また、情報セキュリティポリシー関係についても、諸規程の見直し、サイバー攻撃への防御力等の強化、PDCAサイクルによる情報セキュリティ対策の改善を図ることについて、記載をしております。
 3つ目にありますが、人事に関する事項です。専門性の高い組織運営による福祉・医療従事者への支援の充実を図るという観点から、第4期中に作成した人材確保・育成方針があります。この方針に基づいて、育児・介護などの両立支援、ワーク・ライフ・バランスの推進など、各種人事施策に取り組むことを記載しております。説明は以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは、今回、一個一個議論するということではないものですから、次いで法人のほうから次期中期計画(案)について説明をお願いします。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 福祉医療機構の林田と申します。よろしくお願いいたします。私からは第5期の中期計画(案)の概要について御説明させていただきます。資料は資料1-2中期計画(案)概要、資料2-2の中期計画(案)全文、資料3-2の新旧対照表を添付しております。本日は資料1-2のパワーポイント資料により御説明させていただきたいと思います。
 まず、資料1-2の2ページをお願いいたします。こちらは当機構の第5期中期計画の全体内容をまとめたものとなります。国におきましては、保育・特養の待機者解消や医療需要の拡大、またICTの利活用による事業者の業務省力化、福祉人材確保と処遇改善など、様々な課題の解決に向けて各種政策やプランを推進しているところです。
 このような状況を踏まえ、機構においては福祉・医療に係る多様な事業を一体的に実施しているという強みをより一層発揮し、これらの政策効果の最大化を図るための取組を推進していくことが役割であると認識をしているところです。資料に記載のとおり、中期目標で指示を受けます目標事項に対し、各事業で着実に取り組んでいく計画を策定したところです。
 3ページをお願いいたします。3ページ以降は各事業における各中期計画の内容となっております。まず初めに資料構成です。各ページ左側の欄は、中期目標で指示されております目標項目に対応した中期計画の項目を列記しております。基本的には中期目標と同じ内容となっています。
 資料右側の欄、各目標事項に係る関連指標をこちらに載せております。関連指標については定性的な目標への取組を補完するために、定量指標とは別にあらかじめ設定することとされております。数値自体の達成が求められるものではございませんが、評価の際には定性的な取組と合わせて参考値としてお示しすることとなっております。
 最後に各事業ごと、下段になりますが、黄色の塗りつぶしの枠内で、こちらは中期目標で示されました定量指標だけをまとめて記載したものです。先ほども申しましたが、中期計画(案)については指示を受けます中期目標に対応して設定をしておりますので、基本的に内容は同じものとなっております。今回、中期計画(案)の説明については、この中期計画のみに記載・設定されます関連指標の箇所を中心に御説明いたします。
 それでは3ページ、福祉医療貸付事業です。政策体系図のとおり、厚生労働省においては保育の受け皿や介護サービス基盤の整備、地域医療構想の推進など各種政策が掲げられておりますが、機構においては長期・固定・低利の政策融資により、地域における福祉・医療基盤の推進に貢献することが使命と捉えております。また、課題にも挙げられております新型コロナ対応融資により急増した貸付債権への対応として、適切な債権管理や貸付先へのフォローアップを行うため、信用リスク管理体制の強化を図りつつ、取組の効率化を図ることを計画に定めたところです。
 政策優先度に即した政策融資の取組として、審査や契約、資金交付、優遇融資の実績に加え、災害や感染症拡大時の融資実績などを関連指標として今後お示ししたいと考えております。また、民間金融機関との協調融資の推進への取組として、政策融資の目的である福祉・医療基盤の安定を実現するため、民間金融機関と連携した資金繰り支援が必要となりますので、機構が有するノウハウやデータを民間金融機関に提供した実績を関連指標として設定したところです。さらに、債権管理の取組として、新型コロナ対応融資による貸付先の急増やリスク特性の変化などを踏まえ、債権管理体制の更なる強化を図りつつ、業況注視先のモニタリングなど、期中管理の徹底により債権悪化の未然防止に取り組むこととしておりまして、その取組状況やリスク管理債権の比率などを関連指標でお示しするとともに、しっかりと管理していきたいと考えております。
 4ページをお願いいたします。上段が福祉医療経営指導事業です。本事業は福祉・医療サービスの安定的な提供体制の構築に資するよう、福祉・医療事業者の経営の効率化・安定化を図るため、リサーチ・セミナー・コンサルティングの3つの手法による支援に引き続き取り組むこととしております。また、本事業も、課題に挙げられました新型コロナの影響により経営が悪化した福祉・医療事業者のマネジメント技術の向上に福祉医療貸付と連携して取り組んでいくこととしております。
 関連指標です。セミナーについては延べ受講者数やオンラインセミナーのログイン数を関連指標として新たに加えたところです。延べ受講者数については、これまで定量指標で設定されておりましたが、新型コロナの影響を考慮し、定量指標から外れることになりますので、関連指標のほうで管理することとしております。また、オンラインセミナーのログイン数については、第5期も現状ではコロナの終息状況が見通せない中、セミナーの開催方式が現時点では未定のため、関連指標としてお示ししたいと考えております。リサーチ業務の情報提供の実績については、今回、定量指標から外れますリサーチレポートの公表数を関連指標に新たに設定したほか、第4期中毎年度継続的に取り組んでおります行政等への支援実績について、関連指標に新たに加えたところです。
 4ページの下段が社会福祉振興助成事業です。本事業は、地域における複合・複雑化する支援ニーズに対応するための地域共生社会の実現に向け、民間福祉活動への助成を通じ、法的制度の狭間にある課題の軽減に引き続き取り組むとともに、助成対象事業の実施主体でありますNPO法人のガバナンスの強化も求められておりますことから、機構のこれまでの助成実績におけるノウハウ等の提供により支援を行うことを目標に掲げております。
 関連指標については、助成事業の実績として募集採択の実績や周知活動回数を設定しております。また、助成申請の効率化として、これまで定量指標に設定されておりました処理期間の短縮に係る目標は今回外れますので、この処理期間を新たに関連指標に設定して、利用者サービスの向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。そのほかは、引き続き助成事業の効果について、他団体との連携効果や事業の継続率でお示ししたいと考えております。
 5ページをお願いいたします。上段が退職手当共済事業です。国が各種プランの推進を目指す中、保育・介護など、福祉人材の確保は非常に重要な課題であることから、本事業により福祉施設職員の処遇改善を図り、その人材の確保に資するため、中期目標に従い事業の円滑な運営に取り組むこととしております。制度の安定的な運営を維持するため、退職手当金の支給実績、業務効率化のための電子化の推進実績、更には制度周知活動の効果を測る指標としての加入職員数、アンケートによる福祉人材確保への貢献度などを関連指標に設定しているところです。
 5ページの下段をお願いいたします。心身障害者扶養保険事業になります。本事業は障害者の生活の安定につながる扶養共済制度を支える重要な事業ですので、引き続き安定的な事業実施に取り組むこととしております。制度の安定化に資するためには新規加入者数や年金受給者の数、それから年金給付保険金額など事業の内容の充実度を測る指標のほか、扶養保険資金の運用実績を表すベンチマーク差を関連指標に設定して、事業運営の実績をお示ししたいと考えております。
 6ページをお願いいたします。上段が福祉保健医療情報サービス事業、いわゆるWAM NET事業です。福祉・保健・医療に関する情報を必要とする全ての利用者に対し、独立行政法人という公的な立場から一元的かつ正確に発信していくことに引き続き取り組み、下の枠内記載の年間ヒット件数やコンテンツの利用者満足度などの定量指標により、システムの有用性を測ることとしております。利用者サービスへの向上への取組を図るため、WAM NET全体の利用者満足度に加え、第4期中に本格稼働を開始しております社会福祉法人の財務諸表開示システムほか4本の国の施策に基づくシステムの安定的な運用管理を行い、国民に対し信頼性の高い情報を提供することとしておりますので、それぞれのシステムの利用実績を関連指標でお示ししたいと考えております。
 6ページの中段です。承継年金住宅融資等債権管理回収業務と、年金担保・労災年金担保の債権管理回収業務です。こちらは、両業務ともに円滑な業務の終了に向けまして、中期目標の指示に従い適切な措置を講じることとしております。
 まず、承継年金住宅融資等の債権管理回収業務については、第4期まで長期延滞債権の回収件数の処理率が定量指標に設定されておりましたが、新型コロナの影響も考慮され、定性的な目標となりますことから、関連指標で管理するとともに、今後はリスク管理債権への対応を示す指標としてリスク管理債権残高を新たに関連指標に設定したところです。
 年金担保・労災年金担保債権管理回収業務については、第4期まで新規申込み受付の円滑な終了に向けての周知・広報活動実績が定量指標に設定されておりましたが、既に取組を終えて定量指標から外れますので、今後は回収実績を示す貸付残高の推移を関連指標に設定して管理していきたいと考えております。
 6ページの一番下段、一時金・補償金の支払業務です。本業務については、業務開始当初の中期目標設定時から、国からの委託に基づく支払業務に特化していることを理由に、指標設定困難な業務と位置付けられておりますので、第5期も引き続き定性的な目標を着実に実施する計画としたところです。以上が中期目標に基づきます各事業ごとの中期計画(案)となります。
 最後、7ページをお願いいたします。共通事項に係る中期計画(案)です。業務運営に関する効率化、業務運営に関する重要事項、その他主務省令で定める事項について各事業と同様、中期目標で指示された目標に対し、着実かつ効率的に取り組んでいく中期計画(案)としたところです。
 なお一番下、第9にございます、その他主務省令で定める事項の1つ目、職員の人事に関する計画について、こちらは独法評価制度委員会からの専門性の高い人材の育成・確保についての御指摘も踏まえ、福祉・医療基盤の安定に向けた支援の充実を図るため、第4期中に既に策定をしております人材確保・育成方針に基づき、職員の資質向上を図るとともに、専門性の高い組織運営に今後とも引き続き努めることとしております。
 第5期中期計画(案)の説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは、まだ大分時間が残っておりますので、この議論をしたいと思っております。早速、御発言の方があれば、手挙げでもいいですし、お声を出していただいてもいいですが、構成員の方からいかがでしょうか。では河村先生、お願いします。
 
○河村構成員
 御説明ありがとうございました。
 
○真野主査
 河村先生、ハウリングしていますかね。ちょっとミュートにされるといいかもしれませんね。
 
○河村構成員
 すみません、ずれていました。失礼しました。御説明ありがとうございました。いろいろと環境が変化する中で、的確に対応を考えてくださっているなと全体としては思います。ただ、幾つかやはりお考えを確認したいところがありまして、それは厚労省の本省のほうと、それからWAMさんのほうに対してなのですが、大きく分けると実は3つぐらいあるので、順番に伺っていくことができれば有り難いと思います。
 まず最初に、一番最初に出てくる福祉医療貸付事業のところで、次の福祉医療経営指導事業とも関連するということで、お尋ねします。先日、レクもありましたが、その後に、今日お話のあった参考資料を見せていただきましたよね。ちょっとその兼ね合いでお尋ねします。厚生労働省としても、参考資料4にお示しくださっているような目標設定についての考え方をお決めになられているということで、これはもちろん本省のほうでお立てになる定量目標のほうに適用される話だと、そういう理解でよろしいですよね。
 それでお尋ねしますけれども、この参考資料4の②に、定量的指標は事業の実施頻度等ではなく、より成果に関連する内容にするようにとあります。③には、既に達成度の平均が120%の場合には見直しの検討をみたいなことも書いてあって、福祉医療貸付事業の本省で立てられた定量目標、資料1-1の2ページに定量目標が①から④までありますけれども、①とか②というのは事業の実施頻度そのものなのではないですかという御質問です。
 これは別に、厚労省としては、事業の実施頻度を目標にとりあげてはいけないとか、とりあげるな、ということではないのかもしれませんけれども、4つあるうち2つあって、3つ目もちょっとどうかなという感じですよね。アドバイスすればいいというものでもないですし。それから、4番目のフォローアップ調査もすればいいというものではなくて、ただ、この分野のお仕事が、すごく測り難いというか、特に定量指標で測り難いところがある。そういう事情は重々理解するのですけれども、こういうラインアップに、①から④までになってしまっていると、果たして質の面というか、より成果の面に関する指標が入っていることになるのかなという気がしまして、その辺のところをお尋ねしたいというのが御質問の1点目です。
ですから、そこの参考資料にあった厚労省全体としての考え方にこの目標設定が合うものという考え方ができるかどうか。それと併せてお尋ねしたいのは、この分野における取組の方向性なのですね。
昨年の夏の会議のときにも私のほうからもちょっと意見を言わせていただきましたけれども、WAMさんの福祉医療貸付の中身が随分このコロナ禍で変わってしまったと。前は政策金融の本来の在り方に沿って、やはり設備貸付が原則でやっていらしたのが、運転資金貸付というのがドンと入って、しかもすごい額ですよね。やはりすごく貸出しの質が変わっている。先ほどの御説明にもありましたけれども、そういう中でどうやっていく方針でいらっしゃるのかというのは、これはちょっと指標には直接は関係しないのかもしれませんけれども、お考えを本省なりWAMさんなりでお尋ねしたいと思います。
 設備貸付だけしているときの返済がうまくいかなくなってきたなというときの経営指導と、運転資金にまで踏み込んで貸しているときに、うまくいかなくなってきたときの経営指導と違うと思うのですね。全部が全部悪化しないように済ませるというわけには、恐らく現実問題としていかないだろうとも思えます。そこでやはり金融としての役割、政策金融だからというのはありますけれども、政策金融だから関わった以上は全件救うというのが良い方針なのかなという気もしますし、どういうお考えでお取り組みになられていくのかというのを、先ほどの指標、問題と併せて、本省と、それから必要であればWAMさんのほうにもお尋ねできればと思います。これが御質問の1点目です。すみません、よろしくお願いいたします。
 
○真野主査
 では順番に、どちらが先でもいいのですが、お答えいただけますか。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 厚生労働省福祉基盤課長です。御質問いただいた点で、まず、この定量目標が質の確保につながっていないのではないかという御指摘だったと思います。この貸付事業は、資料1-1の2ページ目を御覧いただければと思いますが、留意事項として(1)から(7)と書いてございます。この留意事項を踏まえた目標設定ということであります。やはり先生御指摘のとおり、なかなか質という観点で定量的な目標設定というのは難しいと考えているところでございまして、そういった中で資料に記載の4つの目標を設定させていただきました。当然、質の確保というものは引き続きやっていかなければいけないわけでありますので、そういったことは次期中期計画が始まっても、毎年度のチェックの中で、本省としても確認していきたいと考えておりまして、そういった中で質の確保につなげていきたいと思います。
 それから、今後の方向性でありますが、やはり福祉・医療基盤の維持・存続という観点から言えば、建築や、そういったものだけではなく、運営資金についても融資をしたということは、一定の役割を果たしたと考えております。件数ベースでも令和4年12月末現在、約4万4,000件、そして2兆円を超える融資をさせていただいております。当然、委員御指摘のとおり、無利子無担保というものでございましたので、その債権の管理や回収といったものは、既存のものとは質や量も含めて異なってきていると思います。
 したがって、国としても、必要な予算を措置しているところでありますが、機構においても令和2年度から既に体制の整備を進めているところであります。システムの強化や派遣職員の活用、アウトソースの活用、そういったものを早め早めに、先手先手に既に手を打っていただいているところであります。そういったものを更に充実・拡充することを通じ、今後ピークが訪れる時期までに、更なる拡充、そういったものを検討していってほしいと考えております。基盤課からは以上です。
 
○真野主査
 では、WAMさんのほうも、どうですか。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 福祉医療機構です。よろしいでしょうか。
 
○真野主査
 はい、お願いします。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 先ほど基盤課長からも御説明いただきましたが、今回のコロナ融資で残高が急激に増えております。一方で、これまでの整備融資とは異なり、今回、コロナ感染症に伴う緊急融資という政策融資を行った結果、今後の対応をどうするかという御質問かと思います。
 まず、この量的なものに対しましては、貸付先数は当然ながら、今回のコロナ融資により、急増いたしまして、コロナ前に比べますと、残高では3倍以上になっているということで、この対応のための体制強化というのは、機構にとって喫緊の課題であると認識しております。
 この急増に対応するためには、既に補正予算を措置いただき、コロナ融資開始当初の令和2年度から、業務効率化のためのシステムの強化であるとか、人材派遣活用による人員配置の見直し、あとは提携業務へのアウトソーシングの活用などを先行して進めることにより、債権管理のコア業務への機構職員の集中投入を図るなど、量的な課題への対応については、いち早く着手をして、おおむね今は整備ができているところです。
 さらにコロナ融資によりますリスク特性への変化等も踏まえた信用リスク対応としては、令和4年度は業務システムの更なる強化に取り組むとともに、外部アドバイザリーも入れて支援を受けており、今後の債権管理の対応方針であるとか、リスクが高い貸付先を捕捉するモデルの検証などの検討も令和4年度中に進め、この結果を踏まえて第5期には、与信先のモニタリング指導の高度化につなげるよう、適正な期中管理を実施するための事前準備について現状取り組んでいるところですので、第5期は更なる高度化・強化に引き続き取り組んでまいりたいと考えているところです。以上です。
 
○河村構成員
 ありがとうございます。お考えは分かりました。すみません、ちょっと今のところの関連で追加でお尋ねします。厚労省の、本省のほうの課長の御説明は分かったのですけれども、結局、要するに、なかなか質の面というか、指標の設定がしづらいというのは分かるのですけれども、この指標のままで、先ほどお尋ねした厚労省としての方針でそぐわない、大丈夫なのかというのは、これはちょっと政策評価官室のほうにもお尋ねしたいというのが1つです。
 あともう1つのお尋ねは、総務省の独立行政法人評価制度委員会のほうからも通知が来ているわけですね。さっき御説明がありましたけれども、参考資料に福祉医療機構についてもいろいろ書かれていると。その福祉医療機構について書かれているうちの1ポツ目について、やはり恐らく私が申し上げたようなことに近い問題意識なのだろうなと推察しますけれども、法人の債権管理や財政状況のモニタリングの強化等を図ることについて、主務省において検討を行った上で、目標に盛り込んではどうかとまで書かれているのですが、それに対する答えがこれで大丈夫ですか。アドバイスの件数、それからフォローアップ調査を毎年70の貸付先にする。ちょっと大丈夫かなという気もしますが、そこも併せてお尋ねできればと思います。
 
○福祉医療機構理事長
ちょっと基盤課長の前に、理事長のほうからお話しましょう。河村委員が御心配のように、取引先総数は増えています。ただ、WAMの与信管理は極めて優れておりまして、全ての取引先の財務諸表の決算書データさえ入れば、自動的にモデル分析によるランク付けを行って、信用リスクの下方遷移リスクが高い先についてソーティングを行います。これをイエローモデルと我々は言っています。全ての取引先について令和2年度から入力できる体制を整えております。これは、決算書データが入ったとたんにランキングが全部出てきます。その中で下方遷移リスクの高い所をピックアップしまして、モニタリングを進めています。これは多分、民間の与信リスクよりも優れているかなと思っています。御所属のメガバンクグループよりも優れているのかもしれません。与信管理については総務省さんの制度評価委員会の中で、そこのディテールについては御説明の機会はなかったので、その後厚労省さんを通じて、こういう形でやっておりますと。既にこのような体制になっておりますというのは、報告済みと理解をしております。この辺りのところで大体河村委員の御懸念の答えになりますでしょうか。
 
 
○河村構成員
 すみません、よろしいですか。御説明ありがとうございます。いろいろお取り組みくださっているのは今の御説明、先ほどの御説明を聞いても分かるのですけれども、私がお尋ねしているのは目標設定のところなのですね。今のようなお取組を、それでいいということなのでしょうか。
 
○福祉医療機構理事長
目標設定については、アウトプットを活用するのが合理的です。令和3年度の事業報告書のアウトカムについては、既に御覧いただいているかと思います。機構の業務にどのような社会的な意味があるか、詳しく書いてありますけれども、アウトカムの捕捉は難度が高く、その数値が評価指標として相応しいものとなるかは難しいところがあります。一方で、厚労省さんと福祉医療機構の事業の展開には長い歴史がありますので、ある程度、経営指導事業や福祉医療貸付事業におけるアドバイスなど、WAMがやっていることに対するパフォーマンスと、そのクオリティの高さは御理解いただいております。ですからそこは、ある一定の因果関係を件数に求めて、全体としてパフォーマンスはこれぐらい出るよねという考え方をしていただいており、私は主務省の考え方として、非常にリーズナブルだと理解をしております。
 
○河村構成員
 主務省からお答えをお願いいたします。私がお尋ねしたいのは主務省のほうなので、すみません。
 
○真野主査
 お願いしていいですか。厚労省ということですよね。
 
○河村構成員
 はい、そうです。
 
○福祉医療機構理事長
 基盤課さん、よろしくお願いします。
 
○河村構成員
 政策評価官室のほうにもお尋ねしています。
 
○政策立案・評価担当参事官室参事官
 最初は指針との関係ということでの問合せかと思います。
 
○河村構成員
 はい、厚労省の指針との関係、それから総務省のほうから来ている、何か向こうから意見が来ていますね。それに対する対応と目標設定との関係で、御説明をお願いできればと思います。
 
○政策立案・評価担当参事官室参事官
 御指摘については、厚労省策定の要領の別紙1、参考資料の4に記載はしております。先生御指摘のように、なるべく定量的な指標については、実施頻度等ではなく、より成果に関連する内容ということですので、御指摘のように、満足度等のほうが望ましいということはございますけれども、一律に全てこれで縛っているというようなものでもございませんので、そこは少し所管課との調整かなと思っております。今回御指摘の勉強会とか意見交換会についても、単純な回数という形に見えはしますけれども、実質的に現場のニーズとかを把握するような場を設けるというところに政策的な意義もあるということもございましょうから、ここは回数で設定をして、そこで政策の目標具合を測っていくということも1つの考え方としてあるのかなとは考えております。
 
○河村構成員
 はい、分かりました。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 福祉基盤課です。これまでもWAM、機構における各事業については、各年度単位で業務実績評価をしまして、その過程で有識者会議の皆様においても御意見を頂いた上でモニタリングを実施してきているというところであります。第5期の中期目標期間においても、引き続き我々としても適切な債権管理に関する取組を明示していきたいと考えておりまして、これまでと同様の手続の中で、取組状況をしっかりと確認し、適切な機構の事業運営の管理に努めていきたいと考えておりますので、今回の定量目標については、今日提示させていただいたもので、まずはやらせていただきたいと考えております。以上です。
 
○河村構成員
 ということは、総務省のほうから来ている債権管理や財政状況のモニタリングの強化等を図ることについて、主務省において検討を行った上で目標に織り込んではどうかというふうな、向こうから問いかけが来たのに対する打ち返しがこの答えだということなのですね。これができる対応だという、そういうお考えだということですね。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 現時点でできる対応ということで、そういう理解で結構であります。
 
○河村構成員
 はい、分かりました。では、それをこの会議の場できちんと確認させていただいたということになると思います。すみません、余り長くなるといけないので、2番目の質問なのですが、今度は目標の数値目標が出ているところのレベルの話なのですね。これも厚労省の本省のほうの目標(案)、資料1-1の3ページ、福祉医療経営指導事業の定量目標の①、セミナーのテーマ数に今回、目標を変えられたということなのですが、過去の年平均が10テーマのところ、10テーマ以上という目標設定でいいのかなという気がするのが1つです。
 それから、同じようなことなのですが、次の4ページの4の退職手当共済事業の定量目標の①番、受付から給付までの平均処理期間が毎年度42日以内で、4期の実績が39.4日なのですね。それを下回っているのですよね。下回っているのに、それより緩い目標の設定にして、しかも重要度が高というのが付いているというのは、これはこれでいいのかなと思うのですけれども、ちょっとこの数値の設定についての御質問です。これは本省に対する御質問です。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 基盤課長です。委員が先ほど提示していただいた参考資料4を御覧いただければと思います。そこの③において現行の中期目標で定量的指標の平均が120%以上である場合は、次期目標においては指標における目標値又は指標全体の見直しを検討するということが示されておりますので、こういったことを踏まえ、目標設定をさせていただいたところであります。また、セミナーのテーマ数でありますけれども、年平均で10テーマということでありますので、こちらは毎年度10テーマ以上やっていただくということで、よりそういった実績を踏まえた設定とさせていただいています。
 
○河村構成員
 分かりました。では、意見として申し上げます。その120%に当たらないということなのだろうなとは思うのですけれども、セミナーのテーマ数のほうはまだいいとしても、退職手当共済の42日というのは、高難度というのを付けていいのかなという気がします。これは意見です。申し上げます。
 すみません、最後の質問なのですけれども、業務運営のところで御説明があった、最後の7ページですね。やはり、コロナ禍で福祉医療貸付も、今までと違う形での貸付もすごく増えてきて、業務運営体制を見直してやっていかれるということで、今日のこれまでの御説明の中にも、いろいろ出てきましたけれども、具体的にどのようにお考えですか。これだけ貸付の残高も増えて、中身も変わりましたよね。運転資金融資で無利子無担保でと、前のとは全然違うし、中身、質も違うし、件数、金額も全然違っている中で、その管理というのも、やはり相当大変でいらっしゃるのだろうなということは、それは想像します。人員とか体制的には何か増強のようなことをお考えになられるのかどうか。もしその場合、同じ厚労省さんの独法でPMDAさんの例とかも見ていますので、急激に組織の規模を大きくせざるを得なくなると、それはそれで、またいろいろガバナンス上の問題が出てきてしまったりということで、御苦労をされてPMDAさんも乗り切ってこられたと思います。いろいろな場面があったことも見聞きしておりますので、そういった観点からお尋ねしたいと思います。本省のほうと、必要でしたらWAMさんのほうと両方お答えいただければ有り難いです。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 福祉基盤課長です。新型コロナ対応支援資金の実施に当たりましては、通常の運営費交付金に加え、事務経費など追加予算、それから財務基盤強化のための政府出資金を措置しているところであります。本資金の債権管理業務ですけれども、時限的な対応ということであります。そういった性質を踏まえますと、なかなか正規職員の増員を図ることは困難ではないかと考えておりまして、適切な債権管理体制の構築に向けた臨時の職員や派遣職員の増員、そして一部業務のアウトソーシング、そういったものに要する経費について、機構とも連携を図りながら予算を確保していく必要があると考えております。既に取組を始めておりますけれども、必要な予算が今後生じてくる可能性は十分ありますので、その辺の状況は機構と連携しながら、必要な予算については確保していきたいという所存であります。以上です。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 福祉医療機構です。私どもは業務実施体制ということで、これは先ほども申し上げましたが、まずは、この圧倒的な量の増加に対応することが喫緊の課題でありまして、やはり急激な人の増員というのは、その制約等もある中で、今は既存の業務の見直し点検を行ったというところが、まず大きな取組かと思っております。
 その中で先ほど申しましたとおり、まずは業務関連のシステムを効率化、強化させていくということと、組織全体として人材派遣を活用しながら、人員配置の再配分をしているということ、それから定型業務については、できる限りアウトソーシングできるものは活用することを先行して進めてきております。債権管理のコア業務については、先ほどの繰り返しになりますが、機構の職員を投入できる体制を早期に整えたところです。現状も、この債権管理業務の堅確化を図るために、担当部署については業務の整理と再編を行った結果、令和3年度、4年度にかけて、配置する職員を増員した体制を組んでいるところです。今後も引き続き、この効率化、システム化、人員配置の見直しを併せて検討しながら、取り組んでいきたいと考えております。以上です。
 
○河村構成員
 ありがとうございました。やはり財政事情は厳しい状況でもあり、そんなに簡単に人を増やせるような状況ではないと。それは本省、それからWAMさんの御認識で、いろいろと努力されている、御尽力されているのはよく分かりました。ただ、やはり時限的な措置ではないとはいえ、これは5年据置きの15年返済でしたか、結構長丁場でかかってくる話で、1年や2年で終わる話ではないと思うのですね。債権管理は一番金融の根幹のところで、そんなに簡単に派遣の人にやってもらえるような仕事でもない気もします。是非、今後の課題として、今回の目標にどう盛り込むというものではないかもしれませんけれども、お考えいただけたらと思います。すみません、長くなりまして、ありがとうございました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。非常に重要な指摘で、直接WAMさんに絡まないまでも、今、病院とお金の問題は補助金などでも会計監査院の話とか、いろいろメディアを賑わせているところですので、直接は関係ないにしても、病院とお金という意味では一緒ですので、河村先生の御指摘も踏まえて、本省のほうもWAMさんのほうも、しっかり病院の指導も含め、やっていただければなと思いました。ほかに御意見はございますか。
 
○福祉医療機構理事長 
ちょっとまた理事長からです。
今回のコロナには2つのテーマがあって、1つは、やはり基盤の問題です。真野先生おっしゃったように、病院、それから傷ついた福祉・医療施設を今後どうやって支援していくのだというテーマです。
それから2つ目は、WAM自体の業務量が増えたよねということです。WAMが運転資金の融資を行うのは、どうなのだろうと。どういう貸付けをするかというのは、もちろん国の御指示であります。危機においては公的部門が潤沢に、きちっと融資をする必要があります。
それから今の中期目標も、これからの中期目標も、財政投融資資金の償還確実性を担保する必要もありますから、少数精鋭で、どうやって信用リスク管理を行うかですが、その仕組みは相当優れています。モデル分析により効率化して、追いかけなければいけない先を抽出しています。70幾つという数字が少ないというご指摘がありましたが、それはフェイストゥーフェイスで、追いかける先です。システム上はもっと大きなオーダーで、モニタリングするものを全部ピックアップしてやっています。これは、多分民間の金融機関よりも優れていると思います。ただ、データの入力のところは結構大変なので、令和2年度から厚労省さんとタイアップして、しっかり予算のほうも取っていただいています。そこは人的なところでやる。ただ、人的なところ、例えばアウトソースと派遣。派遣というのは、これもどちらかというと定型的な事務のところですから、そこを使って本業の判断部門に、いかにWAMの人たちを集中していくのかを工夫しています。
機構内のキャリアパスでは、かなりのメンバーが福祉医療貸付事業を経験するローテーションを組んでいます。しかしながら、制度評価委員会の方々は、縦割で塩漬けになっているのではないかというふうに思われて御意見を書かれたようです。機構では、定期的な異動で、かなりマルチタスクがこなせるような体制を敷いております。今、デジタルの方も相当進んでおります。そういう意味では、しっかりと厚労省さんとタッグを組んでいけば、しっかりやり遂げられると思っています。
 コロナが始まったときにも厚労省さんと話をしておりますけれども、これは初めての事態でありますので、想定外のことでも御協力を頂きたいと。WAMとしても、早めに情報を発信するということで御理解を頂いたと思っています。ですから、組織と組織の間のコミュニケーションが悪くて、何かものが進まないとか、WAMの信用リスク管理が遅れているから、何か潜在的な問題が大きくなっているということではなくて、その辺りはかなり優れたものを作り上げています。これを15年、更にそこから先、また必要なものも出てくるかもしれませんけれども、そこはしっかりやり切るというのが当たり前の仕事と思っております。以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは、ほかの御意見、ほかにも幾つか視点はあるかと思いますが、ほかの構成員の方。
 
○福祉医療機構理事長
 全体を議論しているのではなくて、WAMの政策融資やファイナンス関係をどうしようというような話題になっているのですが、ほかにもいろいろテーマがあったと思います。すみません、その辺りのところもお願いします。
 
○真野主査
 ほかの方はいかがでしょうか。なさそうですかね。
 
○福祉医療機構理事長
 例えば、我々も、このコロナは切り抜けたわけではないですけども、ダーっと融資を実行して、それから今、業務のピークは、与信管理の部門になっていると思います。この間も千葉大学薬学部の石井先生でしたか。コロナを乗り超えるときに、やはりドクターと薬学の関係というのは新しいものができて、踏み込まざるを得なかった。ポストコロナと言うわけではないのですが、そのコロナをある一定程度終えた中で、新しい組織はどんなふうになっていくか。WAMは、皆コロナで大活躍をしたと結構自信をつけて、機構の中をちょっと小走りで動いている人が多いので、要注意で歩かないとぶつかっちゃうような、そんな感じが出てきているのです。例えば、ほかの組織で今回のコロナを機に何か起こっているとか、そんなことでも。我々の今後の運営の参考にもなると思いますので、ちょっと御意見いただければ有り難いと思うのですが。
 
○真野主査
 石井先生、何か御意見ありますか。
 
○石井構成員
 はい、ありがとうございます。新しい関係というよりは、もっと信頼度が高まったというのが、一番正確な表現かと思います。それぞれの職能を分かっているようでも、お互いの真の在り方など理解できました。今回コロナの場合は、法的措置がいろいろなところが後付けで出てきたものがいっぱいありました。また、第2類感染症の身近な広がりを経験したことがなかったので、パンデミックの恐ろしさというか、在り方、どんどん医療現場の者もコロナになったり、濃厚接触者になっていなくなってしまったりとか、一時的に職場に人がいなくなってしまったりするので、それをどうやって回すかということに関しても、職種を乗り超えてアイディアを出し合うというようなことはありました。職種が違うと縦割になっている部分があったのですが、少し壁が取れたことが、大きなことかなと思いました。この程度です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。ちょっと直接、今の話と関係ないかもしれませんけど、WAMさんでいくと、WAM NETは当初いろいろ議論がありましたが、大分コストも抑えられて、かつ、内容も充実してきていると思うのです。コロナでWAM NETに対してのアクセスの変化とか、直接WAM NETにコロナについての意見を書くとは余り思えないですが、何かそういうネットでのやり取りでの変化というのはありましたか。
 
○福祉医療機構理事長
 WAM NETでは、コロナ以前は医療のヒット件数は少なかったのですけども、コロナの初年度にどうしたらいいんだというアクセスは一気に伸びました。ただ、そこはどちらかというと一過性でした。我々はWAM NETの、広く公表制度というのですか、社会福祉法人の財務諸表であるとか、ここdeサーチという全国の保育所を紹介するもの。これは相当今、増えています。それから、全国の自治体もWAM NETのここにアクセスしてくださいと。何々市、東京都の保育所案内のホームページについては3月末をもって終わりましたので、WAM NETへどうぞと。全国各地御覧になれますとか、ちょっとそんなことも今起こりつつあります。
 それから、先ほどの石井先生の話に戻るのですが、うちも部門別の縦割で、若い人がほかの部に出て話をするということがなかったのですけども、この間も債権管理の課長代理の女性が情報事業部の部長の所に行って、いろいろ相談事をするとか。そういう意味では、課題を持っている人がキーパーソンにきちっと会って、パッパと物事を判断し方向性を定める。オーソライズはまた別ですけども、そういうふうな文化を作っていくのだぞという雰囲気は、コロナを経て、機構でもちょっと感じていますね。
 そういう意味では大変なチャレンジではあったのですけれども、組織、個人にとっては相当勉強になる側面、それから、初年度はゴールデンウイークは相当返上していますから、そういう意味でも頑張りが利くというか、人格形成にすごく役に立っているのではないかなと思っています。それで、薬学で言うと、例えば太田先生は同じような、ちょっと新薬系のほうでしたけど、その辺りも何か変化はございますか。
 
○太田構成員
 ありがとうございます。創薬、薬を作るほうはなかなか、大学発のコロナ治療薬はまだまだ先が遠いのですけれども、一般製薬企業の中でかなりスピードアップした創薬展開がなされまして、結局、ゾコーバという塩野義の薬が、従来の創薬のタイムラグ、タイムスケールから言うと、圧倒的に速いスピードで上市されたということがございます。もちろん厚生労働省での承認が、特例承認という別のシステムを使ったということもあるのですけれども。これをきっかけにして、例えばワクチンや治療薬が、諸外国からは若干遅れてはいるのですけれども、これから先、継続的に供給されるような体制はできているのではないかと、私どもは考えています。
 それに対して、薬学部としてどの程度貢献できているかというのは非常に反省もしなければいけないところですが、それを人材養成という、ちょっと長いスパンの話ですけれども、そういうものに興味を持つ学生はかなり数が多くなってきているというのは、実感しているところです。私からは以上です。
 
○福祉医療機構理事長
 ありがとうございます。
 
○真野主査
 ありがとうございました。三田先生、御意見ですか。お願いします。
 
○名里構成員
 名里です、いいですか。
 
○真野主査
 名里先生、ごめんなさい。三田先生は消えていました。名里先生、お願いいたします。
 
○名里構成員
 今の直前の議論とは全然違うのですが、社会福祉法人経営をしています。コロナだけではないですが、コロナがすごい、もう最後の引き金になったぐらい、社会福祉法人の経営としては非常に厳しい状態、状況になっています。それから、もちろんエネルギーというか、光熱費の高騰や物価高とか、そういうことが全部来て、社会福祉法人も本当に苦しいです。職員の賞与を下げるしかないかなとか、来年度昇給できるかなとか、そういう状況です。運転資金を借りられている法人がたくさんあるということだと思いますが、これ、返せるのかなと思うぐらいです。経営のアドバイスを機構さんでされるということですが、これは法人の努力しかないのかと思います。処遇の質を落とすことでしか解決できないのではないかというぐらい深刻な状況です。そこは処遇を落とすということに行きたくないので、限られた収入で、報酬の中でどうできるかということを、今、すごい苦しい中でやっているところです。社会福祉法人はそれぐらいの状況で、コロナが最後の引き金になったなと思っているのです。そこら辺を厚労省さんや機構さんが、伴走型と言われていましたけど、どういうふうに一緒に歩いてくださるのだろうかというのは、とても申し訳ないですが、大変距離を感じます。すみません。非常に切羽詰まったところでしたので、実情を述べさせていただきました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。どうですか、何か厚労省からお願いします。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 福祉基盤課長です。貴重な御意見、ありがとうございました。我々もコロナでなかなか外に行けない中、できるだけ現場の社福法人にお伺いしまして、職員の皆さんの勤務実態や、経営者の皆さんの考え方などを伺っているところです。やはり皆さん厳しい中で知恵を出しながらやられているというのを、私も実際に見てきております。そういった中で、今回の貸付制度をさせていただいたところです。まだまだ猶予があるというところでありますけれども、今後、利用者や、医療機関であれば患者の皆さんが戻ってくるという局面にもなるかも分かりませんけれども、我々としては、そういった現場の実情をよくよく把握して、今、委員がおっしゃられた距離感があるとか、寄り添っていないのではないかとか、そういったコメントを頂かないように、できるだけ皆さんの意見を聴きながら進めていきたいということです。要望等あれば関係団体等を通じてお寄せいただければと思います。貴重な御意見、どうもありがとうございました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。ほかの方はいかがですか。松原先生、よくWAMさんには意見を言われていました。今回は大丈夫ですか。
 
○松原構成員
 では、御指名いただいたので、ありがとうございます。全体の話と言いながら、またちょっと戻ってしまって恐縮なのですけども、貸付のほうに戻って恐縮です。貸付に限らなくてもいいのですが、評価についてアウトカム的なものが少ないかどうかという話には必ずなるものですけれども、アウトカムは非常に難しく、一般的にプロセスとストラクチャーメインで評価するというのが評価の仕方として通説、一般的なので、例えば講演何回とか、そういった形のもので、中身をより皆さんに役立つように充実していただければと思います。以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。ほかの先生で御意見を言われていない方もおられますけども、大丈夫ですか。大丈夫そうですかね。それでは、数分早いですけれども、どうしてもお金の話にはなってしまいましたが、これで1回、議論のほうは締めさせていただきたいと思っております。構成員の皆さん、大丈夫ですか。はい、お願いします。
 最後に、法人所管課及び法人のほうから、ただいまの構成員の意見を受けて、次期目標に向けてのアピールとか、一言お願いできればと思います。よろしくお願いします。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 福祉基盤課長です。今日、委員の皆様、大変貴重な御意見を頂き、ありがとうございました。今日はどうしても貸付事業がメインということでございましたが、それ以外にも非常に重要な業務を担っております。そういったものも含めまして、次期中期期間中も、機構とも十分連携をしながら、また年度単位での委員の皆様の意見を聴く機会も通じて、改善するべきところは改善していきたいと考えていますので、これからも御指導いただければと思います。どうもありがとうございました。
 
○真野主査
 では、法人のほうからお願いします。
 
○福祉医療機構理事長
 本日は第5期の中期目標(案)及び計画(案)について、御審議に有識者の皆様のお時間を頂きました。ありがとうございます。また、貴重な御意見を賜りましたこと、重ねて御礼を申し上げます。機構は、国の政策実施機関として地域の福祉・医療基盤の進化と発展及び安定の実現に大きく貢献し続けております。第4期中期目標期間では、新型コロナの影響により経営が悪化した福祉・医療施設に対する支援を迅速に行いました。結果、福祉・医療基盤の安定に大きく貢献をいたしております。また、このことには厚生労働大臣より高い評価を頂きました。第5期中期目標期間においては、政府が推進する全世代型社会保障、新子育て安心プラン等に基づき、福祉・医療提供体制の整備更改並びに施設経営支援を着実に進めてまいります。その上で、新型コロナにより財務基盤の悪化した福祉・医療事業者へは安定的経営に向けたより一層の支援の充実に取り組みます。また、デジタル庁関連では、独立行政法人に求められるISMAPベースのクラウドに、既にシステム基盤を転換したWAM NET事業をはじめ、DX、デジタルトランスフォーメーションも推進・活用し、国の政策の一層の浸透に努めてまいります。国の政策実現の一翼を担う独立行政法人として、環境変化も鋭敏に捉え、活動してまいります。御審議いただきました中期目標(案)、中期計画(案)は、当機構の第5期における業務運営の重要な指針となるものです。本日頂戴した御意見も踏まえ、引き続き、福祉・医療分野における課題解決に挑戦してまいります。
 今後も、福祉・医療基盤の進化、発展、安定に向け、小回りの利く福祉・医療支援の専門店として、一層の機能発揮に役職員が一丸となって取り組む所存です。有識者会議の委員の皆様には、当機構の業務運営について今後とも御指南、御指導を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。本日は、誠にありがとうございました。以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。今日はもちろんこの日程でなっているわけですが、コロナに対しても2類から5類へという議論が最近急に出て、急でもないですけど盛り上がっていますし、マクロの経済環境ではもう皆様方、先刻御承知のように、日銀の対応がどうなるのだとか、本当に様々な問題がある中での委員会であったので、方向性がなかなか議論しにくいことがあったのかなと。そんな中で、どうしても貸付というところにフォーカスされてしまった部分はあったのかなと思います。もちろん何度も出ているのですが、それだけを福祉医療機構はやっているわけではなくて、やはり日本の医療と福祉を良くするために中期計画等もあるわけです。ちょっとその辺が、すみません、私の不手際もあって、どうしても狭い範囲の議論が多かったですけれども、最後になりますが、今後も今までどおり福祉医療機構が医療機関、あるいは福祉機関・施設のサポートをし続けていってくれるといいなと思っております。それでは、これで議事としては終わらせていただいて、今後の流れについて、事務局からお願いしたいと思います。
 
○事務局
 はい。真野先生、どうもありがとうございました。事務局です。今後の流れについて、参考資料2を手元に置いていただいて、簡単に御説明をさせていただければと思います。参考資料2の一番下の四角い囲みがございます。令和4年12月~令和5年3月、独立行政法人の次期中期目標・次期中期計画の策定とございます。福祉医療機構の次期中期目標(案)については、本日頂きました御意見を踏まえ、必要な修正等を行った上で、厚労大臣が総務省独立行政法人評価制度委員会へ送付をいたします。その後、同委員会において審議が行われ、その審議結果に基づき出される意見を聴いた上で、財務大臣との協議を経て、中期目標が設定されることとなっております。
 一方、中期計画については確定した目標を基に、福祉医療機構が次期中期目標を作成し、同計画について、主務大臣である厚労大臣が内容の精査及び財務大臣との協議を経て、年度内に認可するという予定になっております。確定いたしましたら、目標と計画については後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは、本日はこれで終了させていただきたいと思います。長時間にわたり、熱心な御議論をありがとうございました。それでは、これでおしまいにしたいと思います。ありがとうございました。
(了)