2022年8月26日 第12回政策評価に関する有識者会議 福祉・年金WG議事録

日時

令和4年8月26日(金)10:00~12:00

場所

オンライン開催

出席者

菊池座長、岩崎委員、平野委員、藤森委員

議事

 

○肥沼室長補佐
定刻になりましたので、ただいまから第12回政策評価に関する有識者会議福祉・年金WGを開催いたします。政策評価の担当をしております肥沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、オンラインでの会議開催に御協力いただき御礼申し上げます。また、新保委員におかれましては、本日所用のため御欠席となっております。今回はオンラインでの開催となりましたので、御不便をおかけすることもあるかと存じますが、会議途中で不都合が生じた場合には、チャット機能、またはお電話にて事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
本日の会議では、事前に委員の皆様にお送りした会議資料をもとに議事を進めさせていただきます。会議中、御自身が発言される場合以外は、マイクをOFFにして音声ミュート状態にしていただくとともに、ビデオは停止していただくようお願いいたします。御発言の希望がある場合には、「挙手」アイコンをクリックいただくか、チャット機能を使って発言の希望がある旨を事務局に御連絡ください。事務局にて、御発言の希望を確認した後、発言者を座長が指名いたしますので、座長からの指名がありましたらミュートを解除して御発言ください。発言に併せて御自身の映像を表示される場合には、「ビデオを開始」というボタンをクリックしていただければ、皆様の画面及び会場のモニター上に映像が表示されます。御発言が終わりましたら再度マイクをミュートにし、ビデオも停止していただくようお願いいたします。
それでは、本日の議事進行につきましては、座長の菊池先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○菊池座長
皆様おはようございます。朝から会議に御参集いただきまして、どうもありがとうございます。本日は議事次第にありますように、4つのテーマの実績評価書(案)について、委員の皆様に御議論をいただきます。
それでは、まず配布資料及び本日の議事の進め方について、事務局より説明をお願いします。
 
○肥沼室長補佐
議事の進め方について御説明いたします。お手元の議事次第を御覧ください。本日は、議事にあります1から4の順番で、テーマごとに担当課の入替えを行い、議論をしていただきます。テーマによって多少時間が異なりますが、まず、担当課より10分程度で説明を行い、その後15分程度で御議論を進めていただきます。担当課説明が10分経過した段階で、こちらからベルを鳴らします。
本日御議論いただく実績評価書(案)及び概要につきまして、御確認いただく上でのポイントが資料1-2の1ページから3ページまでに記載されております。
簡単に御説明しますと、目標が達成された指標についてはその達成要因、未達になった場合には未達の要因。また、未達の指標については今後の具体的な改善方策等を記載していただく必要があります。また現状分析等を踏まえ新たな測定指標の設定の必要があるかどうかも含めて御議論いただければと思っております。こちらからは以上でございます。よろしくお願いいたします。
 
○菊池座長
それでは、1つ目のテーマ施策番号Ⅷ-2-1「福祉・介護人材の養成確保を推進すること等により、福祉サービスの質の向上を図ること」について、担当課から10分程度で御説明をお願いいたします。
 
○社会・援護局
社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室の今泉と申します。よろしくお願いいたします。それでは「概要」に基づき、簡単ではありますが御説明をいたします。まず目標ですが、福祉・介護人材の養成確保を推進すること等により、福祉サービスの質の向上を図ることで、大きく達成目標としては3つ挙げております。まず1つ目ですが、介護人材の全体の必要数の確保に向けた対策の実施ということで掲げております。
まず現状ですが、大きく2つです。1つ目は人手不足の現状、それから2つ目として介護職員の現状を記載しております。1つ目の人手不足の現状は、もう御覧いただいて御理解いただいていると思いますが、介護関係の職種については、やはり有効求人倍率は依然として高い状況です。それから、地域ごとにもいろいろ倍率については差があり、実際に必要な人数が3つ目にありますが、介護保険事業計画に基づき推計を出しております。令和5年度末までには約233万人、令和7年度末までに約243万人で、概ね年間で5万から6万人ぐらいを確保していくことが必要というのが現状としてあります。
2つ目の介護職員の現状です。こちらも、もう既に御覧いただいているかと思いますが、平均賃金が概ね低いです。それから、平均の勤続年数も他の産業の全体と比べると、特に35歳以上では下回っているということで、数字的にはなかなか厳しい状況にあります。離職率は令和元年に初めて15.4%と全体を下回っているところではありますが、まだまだこちらについてもいろいろな取組が必要かと考えているところです。
下にまいりますが、測定指標で一番大きなものとしては、介護職員数の推移を挙げております。それ以外に自治体の取組の状況、それから有資格者の介護福祉士の従事者数、処遇改善の実態・状況を測定指標で挙げているのがこちらの目標になっております。
続きまして、2つ目の具体的な達成目標に入ります。こちらが、外国人の話です。外国人の介護人材の活用の適切な推進ということで、達成目標として挙げております。実際に現状ですが、介護分野の外国人の受入状況ということで、特定技能の外国人の在留者数は令和2年3月からということで書いていますが、増加傾向は変わらずあります。ただ、新型コロナウイルスの影響で、新規の入国が制限をされていた状況もあり、なかなか厳しい状況にはありました。ただ、令和4年3月から入国の再開がされていることもありますので、今後少しそこにも期待をしたいというのが現状としてあります。
こちらについては、そうした外国人の介護人材の方々、入ってきた方々が国内の現場で就労・定着できる環境の整備をきちんと行っていく必要があるということで、具体的な測定指標として大きく3つ挙げております。一番下の特定技能評価試験の合格率が主なものということで指標を挙げております。こちらが、日本語の学習支援や介護の技能の向上のための研修といった取組を通じて、この合格率にもつなげていきたいということで、この指標を挙げている状況になっております。
それから右側ですが、障害福祉人材の現状です。こちらの1つ目は、そもそもサービス等の利用者数が3倍、これは13年ぐらい、後ろの参考資料にもありますが、10年ちょっとで利用者数は3倍ぐらい増加しております。当然サービス量の増加に伴い、職員数も2倍ほどになりますが、増えているのが、まず現状としてあります。実際に、職員の具体的な勤続年数や給与を見てみると、こちらも先ほど1つ目の目標の所でもお話したように、同じく勤続年数がやはり全体の産業と比べると短い、給与も低いというのが現状としてあるというのが課題としてはあります。下に行っていただくと、こういった人手不足が深刻化する中で、どういう観点でこれらに着手していけばいいかというところで、特に処遇改善がポイントだろうということで、実際に測定指標の中では、処遇改善の加算取得率等を測定指標として挙げているのが現状となっております。
次のページは、具体的に施策の分析ということで書いております。重複する部分もありますが、まず、達成目標1の介護人材の確保対策です。こちらは実際には、いろいろ受入環境の整備や処遇改善、諸々取り組んできた結果、職員数自体、それから介護福祉士の従事者数自体は増加傾向にはあります。ただ、実際には、特に令和2年度ですが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況があり、伸びが鈍っている状況にあります。4つ目です。介護職員の処遇改善の加算取得率については、前年度比で増加しているのが状況としてあります。
達成目標の2つ目の外国人の活用です。こちらは、都道府県でいろいろ事業を実施していただいていますが、これは目標自体が100%を目標としているので、都道府県の実施割合100%には実際届いていないところがあるのですが、いろいろ取組自体は工夫してやっていただいていると理解をしているところです。特定技能評価試験の合格率も、目標自体は未達となっていますが、やはりコロナの影響が大きかったかと。受験者の学習環境の変化なども考えられるかと思っております。
達成目標3ですが、こちらの処遇改善につきましては2つ指標があります。いずれも前年度比増加傾向ということで、実際にいろいろ取得の促進の取組はきちんと機能していると考えております。ただ、目標値自体が下回っていますので、それについては今後もう少し取組が必要かと理解をしているところです。
続きまして、施策の分析(効率性の評価)です。まず、達成目標1で、いろいろ取組をやっているところではありますが、実際に取組の成果とコスト面での効率性の評価は、介護職員数や介護福祉士従事者数については、直接はなかなか難しいところはあると思っています。指標にもよりますが、例えば、2つ目にも書いていますが、指標2や指標3については実際に自治体で評価をきちんと行ったり、国での会議でもいろいろ資料を出して議論を行ったりということで、きちんとPDCAサイクルを回しながら事業を実施していると考えております。指標5及び指標6は処遇改善です。書類の簡素化をこちらでは挙げておりますが、そういったことに取り組んでいて、実績自体も増加していると見ております。
達成目標2ですが、外国人介護人材の活用です。これも、いろいろ受入れに当たってということで、例えば、コロナの影響もありましたので、集合形式だけではなく、オンラインでの研修を取り入れたりしています。そちらも補助対象とするといったことを明記する。そういったことにより、必要な状況に応じた内容の見直しを行っているところです。2つ目の受入環境の整備の取組は、こちらも先ほどお話しましたが、自治体それぞれできちんと評価を行うことで、必要な改善策を見付けながら効率的な事業実施を行っていると考えております。特定技能評価については、そもそも受験者の属性の変化や新型コロナウイルスの影響でいろいろ変化しているところもありますので、一概にコスト評価は難しいと考えているところです。
達成目標3の処遇改善です。こちらについては、執行額自体は30年度以降あまり変わっていませんが、取得率自体は上がっているので、効率的に実施をされていると考えています。
下の現状分析も、重複している部分が多いのですが、まず、達成目標1の介護職員数については、現状では目標数には届いていないところはありますが、今後、コロナの状況も見ながらではありますが、各種取組を進めていき、目標達成に近付けていきたいと思っています。
次のページに移ります。処遇改善のほうも、事業所の割合は、引き続きということになりますが、今上昇傾向にはありますので、目標の達成に向けて取り組んでいく。それから、外国人の活用につきましても、今、都道府県の実施は増えていて、目標にはまだ未達ですが、着実に増加していくように事業の周知を図っていきたい。それから、達成目標3つ目の障害福祉人材の処遇改善ですが、こちらも数字自体は上昇していますので、引き続きということにはなりますが、着実に取組を進めていくようにしていきたいと考えております。
駆け足になってすみません。最後の次期目標等への反映の方向性です。まず、達成目標1は、2つ目にもありますが、令和4年度からも新しいメニューを作っておりますので、こちらにも取り組んでいきたいと考えております。それから外国人につきましては、コロナの状況にもよりますが、少しずつ、もう一回展開をし、指標の維持をしていきながら、事業の周知徹底、自治体に対しても事業の周知徹底などを行っていきたい。最後の処遇改善ですが、こちらも引き続き加算の取得率に向けて、目標達成を目指していきたいと考えております。すみません、時間を超過しましたが、よろしくお願いします。
 
○菊池座長
ただいまの御説明について、皆様から御意見、御質問などがございましたらお願いいたします。
 
○平野委員
私のほうから質問させていただきます。2つあります。1つ目は、指標の中で指標1の介護職員数、指標4が介護福祉士従事者数、参考指標7が介護福祉士の比率、この3つについては、特に未達成の状況の中でどのようにそれぞれ引き上げていくかということになろうかと思います。
その上で今回の場合は、人材の確保を通して、質を向上させるということになっているので、その1つの仕組みが、ある意味では介護福祉士の取得にあるかと思います。比較的、そこが伸びているという評価はあったと思いますけれども、仮に、今後未経験者も積極的に取り入れていって、介護職員数を増やしていく場合、相対的には介護福祉士の資格を有している人が減っていく可能性もあろうかと思います。
実際の参考指標7の中でも、令和2年度は45.8と若干上がっていますけれども、質の向上という点では、処遇改善の問題もあろうかと思いますが、それは、今は別個にして、取得率をめぐる3者の関係をどうやって矛盾なく進めていくのかということが1つの課題なのではないかと思いますので、その辺りついて、御意見を聞かせていただければというのが1点目です。
もう1つは、私も滋賀県の審議会の会長をやっている関係で、毎回、1番に人材確保の関係が都道府県としての議論のテーマに上がってきます。そういう中で、例の総合確保基金について、都道府県の実施率が100%ということになっています。今後の課題として捉えていただいても結構かと思いますけれども、都道府県間の格差を是正するのに関連する指標化というか、そういうものが求められているのではないかという感じもしています。
本日、後のほうで見える化のシステムの話も別の部署からあろうかと思いますけれども、都道府県間の指標の中では、人材についても指標化されているかと思って見たところ、都道府県間に人材確保の達成状況の格差があって、かなりばらついているということがはっきりしていますので、そういった指標も含めて、もともとの人材確保の人数が都道府県で集約されていますので、そこが未達成の状況や、あるいは先ほどのような見える化システムで、状況の悪化をどう改善していくかというのも1つの課題ではないかと考えています。
 
○社会・援護局
2つお話いただいたと思います。まず1つ目のお話で、全体の介護の人材の数の話と、介護福祉士の有資格者の従事者数の話と併せて、数の確保と質とのバランス、これらの3つのバランスをどう取っていくのかという話だったと思います。
我々としましては、まず当然のことながら、人自体を確保するというのはもちろん大事なことだと理解しています。ただ、数を確保していくに当たって、質自体を上げていくという両面を引っ張っていく必要はあると考えています。そのために何をすればいいのか。必ずしも数を確保したから全て終わりということではないですので、いろいろな取組、自治体の研修などもあるのでしょうけれども、施設の取組も含めたいろいろな取組、それをサポートできる形で全体の引き上げを図りながら、同時にいろいろな方々に介護という職種、仕事の魅力を知ってもらいながら、興味を持ってもらって確保していく。それを同時にやっていくというのが、非常に重要なのかなと思っています。なので、それぞれの指標を挙げていますが、それぞれが伸びていくことというのが理想かなと思っております。
2つ目のお話で、自治体間の格差是正のお話だったと思います。実際の数字を見てみますと、それぞれ状況は違うのですが、規模も違うということで、需要と供給のバランスから出ているものもあると思いますけれども、我々もそれぞれの数を見ながら、どこまでこちらの国のほうでというのはあるのですが、先ほどもお話いただいた見える化ではないですけれども、いろいろな指標、見方を用いながら、自治体、ひいては施設のほうで、どこまでそれぞれの目標、必要数に合わせてやっていただけるか。どういうことをやっていけば、一番効率的に自治体の中でいろいろと事業に取り組んでいただけるかということを、我々のほうでも見ながら、指標という形で、どういう形で立てられるのかということはもちろんあるのですが、ただ、そういう実態を見ながら、我々としてもできることというのを進めていきたいなと思っております。
 
○平野委員
一言だけですけれども、指標3については、今まで都道府県が全数という感じになっているので、そこは是非今のような観点で改めていただいて、都道府県間格差の是正のような、レベルとしては都道府県で結構ですけれども、是非そういうような指標の開発のほうに向けていただければと思っています。
 
○社会・援護局
ありがとうございます。指標3については、数値を見まして、本当にこれは引き続きの設定が必要かということも含めて、我々のほうで検討させていただきたいと思います。
 
○菊池座長
ありがとうございます。ずっとやっているのですから、これを指標として挙げること自体がどうなのか、意味がないのではないかという意味合いのお話だったと思うので、更にこれを掲げ続けることの意味ですね。指標は変えていただいて構わないわけですから、そこは御検討いただけますか。
 
○社会・援護局
分かりました。指標3については、御指摘があったように既に状況として達成しているということですので、こちらは我々で検討したいと思います。
 
○岩崎委員
岩崎です。よろしくお願いします。福祉・介護人材と言ったときに、これまで障害者のことが含まれてこなかったところを指標に含めていただいたことについては、感謝申し上げたいと思います。ただ、養成確保を推進するというだけではなくて、福祉サービスの質の向上を図るということも指標目標となっているわけですけれども、拝見したところ、障害福祉の部分についても処遇改善の加算取得率というものが挙げられているにとどまっているように感じています。障害福祉サービスの質の向上を図っていただくような指標をお考えいただくことというのは、可能でございましょうか。
 
○社会・援護局
御意見ありがとうございます。今、指標として処遇改善の数字ということで入れさせていただいております。お話のあったサービスの質の向上の観点で指標が入れられるかどうかという点も含めて、関係する所管とも調整、検討しまして、可能であれば追加することも含めて考えたいと思います。
 
○岩崎委員
ありがとうございます。全体的に見て、どうしても高齢者の人材ということが議論の中心になっているというのは、やむを得ない事情もあると思うのですが、是非、障害福祉の人材についても、かなり現場では不足感がありますし、確保困難な現状もございます。また、高齢者のように外国の方に入っていただくというのが、特にコミュニケーションの問題などがあったりして門戸が狭い部分もあって、非常に人材不足が深刻になっておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 
○菊池座長
事務局への質問になりますが、ある特定の施策目標について、所管課が責任を持っていて、報告もしていただくということですが、この目標を達成するに当たっては、その所管課の所掌に関わるものしか目標、指標に入れてはいけないということなのか、それとも、例えば岩崎委員からもお話がありましたが、福祉サービスの質の向上を図るという非常に大きな目標ですが、そのために福祉人材基盤以外の目標を立てたり、指標を立てたりするということでも構わないのかという点はいかがでしょうか。
 
○肥沼室長補佐
恐らく施策目標に対して、長期的なアウトカムを設定する場合には、複数の所管課が絡んでくると思います。例えば少子化対策といったときに、究極的には出生率を上げるというところが最終的なアウトカムになりますので、そのようなそものについて目標に掲げる場合には、当然所管課だけにはとどまらないようなものも長期的なアウトカムになります。
恐らく今立っているのは、障害に限って申しますと、長期的なアウトカムではなくて、もう少し短期、中期のアウトカムが設定されているのかなということで、サービスの質の向上というのは、処遇の改善、人の確保、諸々が合わさって、最終的に質の向上にもつながっていきまして、それを何で評価するのかというのは非常に難しい問題ではあると思うのですが、もう少し長期的な目線でのアウトカムを設定すれば、今の御指摘に適うような対応もできるのではないかと考えております。
 
○菊池座長
そう考えていくと、本日の4番目のテーマとの重なりが出てきて、これは大きな話になってきます。そうすると、施策の立て方自体の問題にもなるとは思います。
施策目標自体は所管課が勝手に変えることはできないのですか。
 
○肥沼室長補佐
所管課からの御意見を頂戴しながら、私どものほうで取りまとめて改正をしております。大体、改正の必要があるものについては年度末に対応させていただいておりますので、この後に出てくる14の介護の基盤整備のところと人材確保というところが、ある種一体的に行われているというような部分もありますので、そこについて、今、御意見等、今回の会議で頂ければ、所管課に検討を促して、その結果をこちらで取りまとめてという形になります。
 
○菊池座長
ありがとうございました。先取りしたような話をしてすみませんでした。藤森委員、何かございますでしょうか。
 
○藤森委員
3点御質問させていただきます。1点目は指標1についてです。目標値は令和5年度で233万人となっています。これまでのところ、平成30年度から令和元年度は8万人増えていますが、令和元年度から令和2年度は1万人の増加にとどまっています。先ほど、年間5万人から6万人を確保していく必要があるというお話でした。ほかの産業も人手不足は続いていくでしょうから、その中で、いかに介護職員を確保していくかがとても重要なところだと思っています。
現状分析の概要の8ページに、介護分野の魅力の発信、就学資金、離職した介護福祉士の復職支援等に取り組むということが書かれていますが、コロナ禍に入って、確保が難しい側面もあると思うのですが、これまでの施策の延長で、回復していけるのか、介護職員数を233万人にまで増やしていけるかどうなのか。ここの御見解をお伺いしたいと思います。
2点目、指標5です。令和3年度の目標が設定されていなかったのですが、これはなぜなのでしょうか。指標13の障害福祉人材については、同じような指標ではないかと思っていますが、こちらは目標が書かれているので、この点についての御質問です。
続いて、指標2の令和3年度は集計中ということで実績は書かれていないのですが、この資料の8ページの一番上のポツの目標1の3番目のポツの所ですが、「令和3年度は516人程度まで到達すると考えられる」と書いてあります。恐らく516人程度まで到達するというのは、3ページに戻って、703人という令和元年度の数字と令和2年度の329人を足して2で割った数字ではないかと思うのですが、到達するであろう実績値というのは、足して2で割ったものでいいかどうかというところについて、課題があるように思いました。
 
○菊池座長
それでは、御回答をお願いします。
 
○社会・援護局
3点ほど御質問等がありました。まず1つ目ですが、指標1の関連でもありますが、介護職員数を増やしていくためにということで、今でも様々な取組を行っているところではあるのですが、いろいろ事業の内容は、実績などを見ながら見直しが必要だろうという意識を持っております。そのために、今ある既存の事業を、例えばメニューとして拡充したり、あとは新たな事業として、既存のものの中から、こういうものをやったらいいのではないかということで、新たなものを追加したりということで、常にいろいろな事業の実績を見ながらメニューを考えているということで、少しずつ実態に合った形で拡充していければいいなというように考えております。
2つ目のお話ですが、指標の関係で、令和3年度の具体的な目標の数字などが入っていないのではないかというお話がありました。例えば御指摘のあった指標5ですが、処遇改善加算のところは、例えばですが、こちらの加算(Ⅰ)の取得率というのは、2023年度末までに85%ということで、年度というか、少し中長期的なというか、最後のところで2023年度末(令和5年度末)までに85%ということで目標を設定しているもので、欄の中には具体的な数値が入っていないという状況になっております。
3つ目のお話ですが、516という数が出ているけれどもと。こちらは御指摘のとおりで、実際上、令和元年度と令和2年度の実績の平均ということで、516ということで、ちょっと無理矢理なのですが、書かせていただいております。こちらの数値は、実際には、これから12月に実績の公表予定ということで、これから集計をきちんと取るということなのですが、こちらは省内でも「数字を」ということで御指示があったので、無理矢理入れさせていただいたという経緯があります。ただ、実際上はこれからきちんと集計をしまして数を出していきますので、その数値を見ながら、今後の状況、必要数の確保に向けて考えていきたいと思っております。
 
○菊池座長
いかがでしょうか、藤森委員。
 
○藤森委員
まず指標5のところですが、例えば指標13は目標が示されていて、指標5は出ていませんが、まちまちでよろしいのでしょうか。
 
○老健局
老健局老人保健課です。指標5と指標13の違いなのですが、指標13の障害のほうの加算は、処遇改善加算全体の取得率について、目標値85%を掲げているものです。一方の指標5は(Ⅰ)と書いてありますが、処遇改善加算というのは3段階ありまして、Ⅰは一番レベルが高くて、加算額も高いですし、取り組んでいる職場環境改善などの取組も、一番いいことをやっているということで、ⅡとかⅢのもう少しグレードが落ちたものを合わせると、90%以上、ほぼほぼ全ての事業所が取り組んでいるというところで、更に高い目標として、処遇改善加算が3段階ある中で、Ⅰのものを85%にしようということで、この85%という目標を掲げております。そのため、障害のほうは、言わば処遇改善加算全体を85%にするという目標を令和3年度までにということになっているのですが、こちらのほうはもう少し息が長く、2023年度末までに85%という目標にさせていただいております。
 
○藤森委員
令和3年度の目標が入っていないというのは、今の3つの種類があるということとどう関係しているのですか。
 
○菊池座長
今の説明は、藤森委員の御疑問に対する説明になっていないと思います。
 
○老健局
障害の指標13との違いという意味で言うと、介護のほうがより高い目標なので、目標とする時期が令和3年度までなのか、あるいは令和5年度までなのかということで、介護のほうが、時期が遅くなっています。令和2年度の実績も80%ということで、障害のほうは、令和2年度は83%になっているので、85%という目標を令和3年度に掲げていると思うのです。
 
○菊池座長
そこは、なぜ令和3年度のところが空欄になっているのかということです。目標を立てていないのですかという御質問です。ほかの指標では、既に目標を達成していても、47都道府県という目標値を毎年度引き続き書いているではないですか。
最後に85%を達成するのだから、中長期的な目標だからいいのですという御説明ですけれども、施策というのはプロセスがありますよね。そのプロセスを示していくというのも、政策評価の大事な位置付けです。そのため、そこを示さなかったために、達成度が判定不能になってしまっているのであり、令和5年度末で85%だから令和3年度に示さなくてもいいのですということですよね。
 
○老健局
分かりました。そういった御指摘を踏まえて。
 
○菊池座長
単にそこは入れ忘れているのか。でも、先ほどの御説明では、入れ忘れたのではなくて必要ないと思ったから入れなかったというように、我々には聞こえたと。そういうことではないのですかね。
 
○社会・援護局
それは御指摘を踏まえて。そこまで深い考えがあったわけではないのですが、例えば、令和3年度に82%とか、令和4年度に83%とか、そういう段階的な目標を毎年度ちゃんと設定すべきではないかという御指摘だと思いましたので、それは受け止めて検討させていただきます。
 
○藤森委員
御検討いただくようにお願いいたします。
 
○菊池座長
ほかの御質問に対してはよろしいでしょうか。
 
○藤森委員
例えば、先ほどの指標1のところですけれども、216万人が令和2年度の目標に対して、212万人になっていて、これから目標値が上がっていく中で、手段はそれぞれを見ながら変えているということでした。これからやっていくところで、この手段で必要数を確保していくことはありますか。結構、必要数の確保は大変ではないかと見ているところです。コロナが続いていることもあるので、令和5年度の233万人を目指していくのは、大変ではないかと思います。
 
○社会・援護局
先ほどもお話させていただいたとおりなのですが、例えばですが、今年度、令和4年度から自治体だとかマスコミなどとタイアップをして魅力発信事業、まず裾野を広げるという意味ですけれども、介護という仕事の魅力をいろいろな人に知ってもらおうという取組を更に拡充していくだとか、コロナも続いているというのは御指摘のとおりなのですが、その中で、今、どうやって経済を回していくかというところで、入国の制限なども変わってきていると。そこで少しずつ外国人の介護人材が入ってくるだろうという、見込みですが、そういった人たちをどうやって国内に来てもらって定着してもらうかという、1つの施策だけではなくて、幾つかの組合せだと思うのですが、そういった地道な取組を広げながら、それが直接的に数字にどれだけ影響するかという難しいところではあるのですが、我々としては、そういう見直しなども含めながら、外国人については、例えば現地の日本語の試験といったものも拡充などもしながら、いろいろ取り組んでいきたいと思います。確かに御指摘のとおり、数字がすぐに伸びるというところまではいかないかもしれないのですが、目標設定はしていますので、それに近付いていけるように、いろいろな取組を総合的に行っていきたいと考えております。
 
○藤森委員
魅力の発信とかはとても大事だと思うし、また、コロナの回復によって外国人の入国も変わってくると思うのですが、一方で、需要のほうはあるわけですので、これから新しい取組を考えていく必要もあるのではないかと思いますし、魅力の発信というのはこれまでもやられてきたところだと思うのです。だから、少し考えていったほうがいいところではないかと思いますので、また御検討をお願いいたします。
 
○菊池座長
こちらからご発言があるそうです。
 
○社会・援護局
補足で説明させていただきます。介護職員の必要性ですが、計算は3年ごとの介護保険の計画に基づいて、需要に応じてどれぐらいの職員が必要かということを出しております。今は8期なのですが、次期の9期の計画に向けて、必要数を見直すことになるのですが、様々な要素がありまして、介護事業所の生産性の向上などがうまく図られていけば、職員の必要な数も計画を見直しの段階で変わってくる可能性もありますので、目標値の動きも見ながら、同時に人材不足ですので、いろいろな人材確保施策を進めていくということで考えております。
 
○菊池座長
藤森委員、よろしいですか。
 
○藤森委員
結構です。
 
○菊池座長
「足して2で割ったような数字ではないですか」という質問に対して、実のある回答はなかったと思いますけれども、更なる御質問に対して、実質的なお答えがありました。
政策評価官室に言われたことをやっていればいいというものではなくて、国民に対して厚生労働省はどういうことをやろうとしているのかというのをしっかりと説明をする機会として設定されているという、それは政策評価の意義の1つなので、仮に達成できないかもしれないとしても、こういう政策を展開しようとしているのだというところを、しっかりと説明いただくところが大事だと思います。先ほど言ったように、そのためのプロセスをしっかり示す。それを数字で示すというのは一番のやり方ですが。
そういうものが伝わらない。例えば指標2で、年度ごとの実績は凸凹がありますけれど、目標値を超えていますよね。指標2であれば、令和元年度が703人、令和2年度が329人の実績です。でも、令和3年度はより低い目標になっているわけですよね。これはKPIの関係で求められていることをやるということなのでしょうけれども、それでいいのかどうか。せっかくより高い数字をクリアしてきているのに、だったらもっと高い目標を掲げてやってもよさそうなのだけれども、KPIで求められているものをやるということなのか分かりませんが、主体的に、厚生労働省として何をどこまで、どういう手段でやろうとしているのかというのをしっかり見せるのが、政策評価の重要な意義なので、そこを是非意識していただきたいと思います。
その関係で言うと、最初に申し上げたことにつながるのですが、達成目標の立て方とか、岩崎委員からも御指摘がありましたけれども、福祉サービスの質の向上を図るための手段として、介護人材の養成確保を推進すること等、そのための3つの達成目標ですが、達成目標1は抽象的というか、達成目標1が課題そのものという感じで、もうちょっと分解できそうな気もします。しかも、ここは介護だけではないですから、障害も含めているということで、職員数そのもの、資格の問題、処遇。藤森委員からもありましたが、人そのものを確保するのがそもそも難しいのではないか。そうであれば、介護労働等の、これは4つ目の議題にかかわりますけれども、そういった手段をどう活用してサービスの質の維持向上を図っていくかとか、あるいは介護そのものに関わらない業務、間接業務の在り方をどうするかとか、いろいろなものが関わってくるわけで、ここは厚労省の施策もどんどん進化しているところだと思うのです。
だから、そういうものも含めて、目標自体は必要に応じて、今の施策展開に合わせて変えていってもいいわけです。目標自体、これでは足りない、使えないということになったら、それはもう目標自体を変えてもらうための調整をしてもらわなければいけないので、その目標を達成するための指標自体を見直していただいたほうがいいかなと思います。障害のところは、先ほど岩崎委員から御要望がありましたが、大きな話で申し訳ないのですが、御検討いただければと思います。
ほかによろしいでしょうか。ちょっと長くなりましたが、ただいまの御議論を踏まえて、実績評価書への反映、御検討をお願いいたします。次のテーマに移ります。御苦労様でした。
(担当課入替)
 
○菊池座長
続きまして、施策番号Ⅹ-1-1、「国民に信頼される持続可能な公的年金制度等を構築し、適正な事業運営を図ること」について、担当課から10分程度で御説明をお願いいたします。
 
○年金局
年金局総務課長です。よろしくお願いします。公的年金に関わる施策目標の実績評価について説明します。資料2-2、「概要」の4ページです。「令和3年度の実績評価書(施策目標Ⅹ-1-1)」です。具体的には赤で書いてあります、国民に信頼される持続可能な公的年金制度等を構築し、適正な事業運営を図ることです。まず、年金制度の現状(背景)です。1から6まで書いておりますが、1から4につきましては平成28年の改正法から令和2年の改正法まで、最近の法改正について書いたものです。時間の関係上、内容については省略します。それから、右側は事業運営に関わるもので、国民年金と厚生年金、まず保険料の徴収、適用について書いてあります。この内容も後で出てきますので、ここでは省略します。
課題、達成目標については、2つに分けています。左側が、課題1として、持続可能な公的年金制度等を構築すること、いわゆる制度改正に関わることです。これに関わる達成目標は、公的年金制度の持続可能性を検証し、現行の制度等を改善することです。この測定指標として、制度改正に関わるものですので、なかなか数値化は難しいのですが、上で説明を省略して恐縮ですが、最近の改正法、平成28年改革法・基礎年金の受給資格期間短縮法・年金生活者支援給付金、この法律。まず、この支給に関する法律を円滑に施行することが1つです。それから、時点的に2つに分けているものですが、令和元年財政検証の結果行った令和2年の改正法の円滑な施行というのも立てているところです。参考指標としては、年金教育の実施回数、これは施策目標1にも2にも直接関わらないものですが、参考として置いてあります。
それから、右側、達成目標の課題2です。公的年金の適用、徴収、給付、記録管理、相談等の業務を正確・確実・迅速に行うこと。これは、年金行政の運営に関するもので、ほとんど日本年金機構が担う部分です。達成目標としては、制度の適切な運営を図るということです。この具体的な目標は4から10です。
5ページ、実績評価書の概要です。総合判定、赤が個別の項目についての判定です。制度改正に関わる達成目標の指標1については、28年改正法などの関係法での円滑な施行。それから、指標2、令和2年の改正法の円滑な施行。これは、あくまでも令和3年度の話ですが、それぞれ○と評価をしているところで、具体的に達成ができたということです。何が達成できたかということですが、法律の施行に必要な政令、省令など、関係法令を施行日までに円滑に作成し公布ができたというところで○を付けています。
次に、運営に関わる達成目標2です。具体的には指標4、国民年金の現年度納付率、具体的な数字が書いてなくて恐縮ですが、数字は実績評価書の3ページ以降です。具体的にそれぞれ申し上げますが、指標4につきましては、国民年金の現年度納付率が前年度に比べて2ポイント程度上昇ということになっており、これは達成しております。それから、指標5、厚生年金保険等の適用状況です。これは、事業所単位の数で、適用目標の事業所数が8万8,000ということですが、これについても令和3年度は達成して、さらに10万以上適用しています。
それから、指標6です。年金給付事務の所要日数の目標達成率、これは、機構で、いわゆるサービススタンダード、何日以内にお返しをするというような目標を設けているもので、これについても90%以上の達成という目標がありますが、これについても達成をしています。指標7、「ねんきんネット」のID取得件数。これは、目標が「ねんきんネット」の利用拡大を図るというところで、要は利用件数が増えていることをもって達成ということですが、997万件、前年度に比べて100万件以上増えているということで達成、○です。
指標8、未統合記録の解明件数。指標としては未統合記録の解明・統合を図るということで、5,095万件を減らしていくということですが、着実に減っているということで、解明の記録が増えているということで○を付けています。指標9です。日本年金機構、大量の紙の文書を持っていますが、この保管業務が、かなりのコストがかかっておりますので、保管文書1箱当たりの単価を下げていくということです。具体的な指標としては、平成28年度に1箱当たり930円であったところ、1割減という目標を立てていますが、残念ながら令和2年、3年については1割減には達していないというところです。これは後で話をしますが、△を付けています。
最後の指標10です。国民年金の適用です。初回の国民年金保険料の納付書送付までの日数。14日というのを目標として掲げていますが、これは達成しているということで○を付けています。10個の指標のうち9個が○、1つは△ということです。
右側に進んで、総合判定は、共通の指標ですが、3の相当程度進展ありということでAを付けています。検討課題になると考えられるのは指標9です。先ほど話しましたとおり、達成状況は△ということですが、何をやっているかというと、これまで日本年金機構が倉庫を借り上げていたところが多かったのですけれども、いわゆる文書保管業務ということで、アーカイブ業者に契約を変更することによって、契約を緩く、機動的な形、かつ下げていくことを努力しているところですが、残念ながら、最近単価が、様々なコストプッシュ要因によって上がっているということで、外的要因によって10%は達成できなかったということで、総合判定としては△が適切ではないかということです。
残り、下の所を簡単に紹介します。施策の分析、有効性と効率性の評価があります。有効性の評価というのは、それぞれの指標が施策の実施において有効に機能しているかという評価です。まず、達成目標1については、改正法の施行に当たりまして、政省令実施細則を遅滞なく公布することは、当然ながら制度の円滑な施行に資することになりますので、有効であると考えております。
達成目標2、全体的に公的年金制度の運営に関することで、8個の指標それぞれが達成できているということは、当然運営の適正化に資するということです。具体的に話をしますと、指標9については今お話したとおりです。それから、例えば国民年金の保険料の現年度納付率、これは10年連続で上昇していて、かなり高くなっているところです。それから、厚生年金保険の適用事業所についても、着実に増加をしているということで、運営の適正化には資しているということです。それから、「ねんきんネット」のことが書いてあります。国民の皆さまに、年金制度に対する正しい理解、それから、将来設計をしていただくということで需要が増えているということは、適切な運営に資しているのかなということで考えます。
それから、右側の効率性の評価です。達成目標1、法律の施行に関しましては、政令、省令とも公布にはかなりの作業が必要なわけですけれども、期間と必要な作業量を事前に把握、見通しを立ててやったということで、効率的にやったということです。達成目標2に関して、1つ目の国民年金の保険料については、情報連携を使い所得情報等を活用して納付勧奨をしているということで、効率的にやっている。それから2つ目の○、厚生年金です。国税情報、法人登記情報など、ほかの情報等を活用して適用を図っていくことで効率化を図っているところです。3つ目は、全体の事務の話ですが、支給決定において、これは人や委託の作業が多いのですけれども、季節労働でもありますので、機動的な人員のシフトによって事務処理体制を強化しているということ。4つ目、先ほど話しましたとおり、文書保管につきましては、倉庫の賃貸借から文書保管業務、委託という形に変更することによって、全国的に、これは結構何年もかかる作業ですが、委託の変更をすることによってコストを下げているということです。
右が現状分析です。簡単に話しますと、達成目標1について、今後の施行については、法の整備を進めていくということです。達成目標2、運営に関しましては、基本的にはこれらの指標について継続をしているということですが、一番下で見直しについてです。指標1について、特に平成28年の受給資格短縮改正法、25年、10年、それから、給付金については、ほぼ施行が終わっておりますので、これについては測定指標から削除するということで考えております。それから、指標9につきましては、先ほどお話しましたとおり外的要因が多いので、もう少し工夫しまして、基準年度を変更するとか、文書の電子化を図ることについても指標に入れるということを考えております。最後、指標10について、20歳到達時から初回の保険料納付書送付までの日数については、今後も達成が見込まれますので、この指標については新たなものに変えてもいいと考えております。長くなりましたが、説明は以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。それでは、御質問や御意見がありましたらお願いいたします。藤森委員、お願いします。
 
○藤森委員
御説明ありがとうございました。まず、私のほうからは大きく言って2つなのですが、1点目は、先ほど概要の4ページで御説明していただいた所なのですが、おそらく政策評価というのは、現状から課題を浮かび上がらせて、その課題に対して達成目標を作り、その達成目標がどれだけ伸長できているかというのを測定指標で測っていくという流れだと思います。現状でお書きになられているのは、法律です。ここから課題1の、例えば持続可能な公的年金制度を構築することという所につながっていくのか、ここのロジックがちょっと私には理解できませんでした。この点を教えていただきたいというところが1点目です。
2点目は、同じく、ここの課題1から挙がっている達成目標の公的年金制度の持続可能性の所で、この指標1の所が必要な法令整備という目標が挙げられていて、ここがちょっと違和感のある所です。必要な法令整備というのは、当然のことのような感じがしていて、政策評価の目標として適切なのか少し悩むところです。
今の所に関連して、もう一点加えると、持続可能な公的年金制度の構築をすることの所で、年金に対する年金不安というものが、やはり国民の間でいまだに強くて、公的年金に対する不安のようなところに対しての参考指標というか、施策を挙げていったらどうなのだろうかと思いました。参考指標3で年金教育の実施回数が挙げられていました。例えば、これに関連したところで言うと、財政検証のとき、もっとメディアに財政検証について分かりやすいペーパーを出していくことも必要ではないかと思います。前回の財政検証時のメディアの報道をみると所得代替率の低下が年金給付額の低下と誤解されて国民に伝わっているのではないかなと思いました。また、高校で「公共」という授業が4月から始まって、そこで年金教育を高校の先生方が行うようです。それに対して、高校の先生方への情報提供も、この年金教育の実施回数と少し関連したところだと思いますが、もう少し入れていくというのはいかがでしょうか。以上です。
 
○菊池座長
お願いします。
 
○年金局
ありがとうございます。多分、藤森先生がおっしゃることは極めて根本的なことでして、御存じのとおり、年金制度は100年ぐらいの財政検証の単位でやっているところです。その100年の給付設計を1年単位の政策評価でどう落とし込むのかというところが一番難しいところで、端的に申しますと、少なくとも財政検証は5年単位でやっているので、5年単位で見るならともかく、毎年の指標として制度改正についての指標をここで入れてくると、結構難しいなというのが私の実感です。なので、すごく正直に申しますと、この指標はちょっと苦しいものとなりまして、特に数値指標ということで本来はあるべきなのですが、制度改正について指標を載せるというのは、例えば10年、20年単位で改善をしていくみたいなことの指標であれば載るのかもしれませんが、毎年少しずつ上げていくとか、毎年この数字を達成するみたいなことが、残念ながらというか、この枠組みでは求められているところから、ちょっとそこのギャップが非常に大きいのが苦労しているところです。
すみません。ちょっと一言だけ言わせていただくと、法令の整備は当たり前なのです。こんなのはできて当然なのですが、特に、法律を作った後の政令を作るというのは、実は陰ですごい大量の作業量がありまして、何と申しますか、かなり計画的に作っていかないといけないと。ちょっと誤解をおそれずに言いますと、年金の改正法の法令の施行というのは、多分、ほかの法律と全く難易度も量も違うもので、我々は制度部門と呼んでいますが、公的年金の施行の側からすると、法律の施行のために法律はできたのですが、その後何が大変かというと、その何倍も条文の量がありますので、施行令を出すということは非常に大変な作業なのに、余り世の中で注目されないのですが、これを少なくとも2年に1回ぐらいある改正法のために、毎年、毎年この必要な政令を出していくというのは、実はかなり大変な作業です。これを遅滞なく、かつ間違いなく、この間違いなくもかなり難しいところなのですが、やっていくというのは、中の目標としては、実は結構大事な目標で、これが達成できているというのは、我々としては実は大事な目標だというように考えております。当たり前なのですが、これを達成することが結構大事で、仕事の中心的なところがあるので書いているということです。
最後に、国民の理解をどう得ていくのかというのは極めて大事な視点で、確かに、藤森先生がおっしゃるとおり、正しい年金制度に対する国民の理解を得ていくという指標を何かしら設けたいというのは、本当にそのとおりだと思います。難しいのは、この数年前に、いわゆる2,000万円問題があったとおり、例えば、世論調査をしたとすればいいのかというと、極めて世論というのは大きくぶれるところがありますので、何かその理解度みたいなものを指標にすると、上がったり下がったりと。結局どうなっているのかというのは、なかなか評価しづらいということがあると思います。我々も各種指標というか、世論調査を非常に気にして見ているところではありますが、それを施策指標に入れると、だからどういう施策を打っていくというのと、必ずしも直結しないところはどうしてもあるなと。特に単年度の目標ですので、そこはなかなか難しいなと思いつつ、しかし何かしら国民の理解を得ていくための指標というのは入れていかないといけないというのは、本当にそのとおりです。先ほど御指摘を頂いたとおり、3の年金教育の実施回数は単なる回数ではなくて、回数というのは、年金機構が年金セミナーのことをやっておりますが、もう少し新しい取組とか、高校や中学、実は小学校も対象に、ちょっと年金教育も考えているところなのです。我々の新しい取組を指標として促すようなものというのを、もう少し考えてもいいのかなと思っております。ちょうど先ほどお話しました測定指標1はなくなりますので、2が上に上がるのだと思うのですが、ちょっとその辺で、今後の指標を新しくするときに、そういう視点もちょっと頑張って考えていきたいというように思っています。以上です。
 
○藤森委員
そうですね。先ほどの国民への年金教育について、高校の「公共」という科目のところとか、もう少し新しい取組を考えていただけたらいいのではないかと思っています。それから、先ほど、法律を作った後のところが大変だというところは、本当にそのとおりだと思いますし、今、ここに掲げられている法律は、とても重要な法律だということは認識しております。ただ、政策評価として、法令の整備が目標として妥当かというのは、ちょっと、分からない。
一方で、先ほどお話があったように、5年に1度財政検証が行われており、毎年の指標が適切かというのは、検討すべき点だと思います。政策評価では1年タームで行われていますが、それが妥当かどうかという点について、事務局のほうは、どのようにお考えになられているのかお聞かせいただければと思うのですが。
 
○肥沼室長補佐
御指摘ありがとうございます。担当課のほうからの御説明をお伺いしていて、今、こちらの評価の在り方というのが、毎年度、目標を設定して、それに対して実績を出して評価をしていくという目標管理型という評価の方式なのですが、それが今、ちょっと年金については現状にそぐわないというような御発言でしたので、評価の在り方自体を見直す必要があるのかなというように事務局としては考えた次第です。具体的には、評価方式としては、別途、総合評価方式というようなものもありまして、毎年度目標設定という形ではなくて、もう少し網羅的に分析を深めるような評価の仕方というのもあります。ですので、もう少し、この評価シート自体を、ここの目標管理型から別の所に移行させる必要もあるのかなというように考えております。今後、座長も含め、担当課と相談していきたいというように考えております。以上です。
 
○藤森委員
ありがとうございました。
 
○菊池座長
ありがとうございます。ほかには、いかがでしょうか。平野委員、お願いします。
 
○平野委員
平野です。どうぞよろしくお願いいたします。私は、指標4に関連した質問なのですが、先ほど藤森委員からもありましたが、信頼される、あるいは適切なという観点で言うと、やはり納付率というのは1つの指標だということの認識で書かれている指標だと思います。それで、2%ずつ増加とともに、逆に言えば、まだ25%が未納付の状況になっているという部分もあるということの理解でいいのかどうかという問題と、これは現年度ということなので、少し種類は違いますが、国保の保険料の研究をした時期がありまして、国保の場合は、かなり納付率の問題で過年度分の問題も他方であったように思っています。もちろん少し性格は国民年金とは基本的に違うと思うのですが、その過年度分の納付という問題は扱わなくていいのかどうかという問題も含めて、この指標4に関連して少し、2%ずつの順調な達成ということは評価したいと思いますが、もう少し広く捉えて、先ほどの、若干、目標管理から総合目標へというような話とつながるかどうかちょっとまだ分かりませんが、少し全体としての信頼性を評価する、現年度あるいは過年度の改善みたいな問題について、どのような状況にあるのかをお知らせいただければと思います。以上です。
 
○年金局
ありがとうございます。年金局事業管理課長の樋口です。2点御質問を頂きまして、1つは現年度の納付率はまだ2割以上残っているではないかということです。納付率については、これはあくまで国民年金の対象者の数字でありますが、公的年金全体で見ればベースもちょっと異なりますが、98%ぐらいが納付されているという状況ではあります。ただ、厚生年金以外の方が加入される国民年金、低所得者の方も国民皆年金を正に実現するために、こういった方々は強制加入になって納付を進める、若しくは低所得者の方には免除という仕組みもありますので、免除の方にも、しっかりと免除というのを周知して、その手続をするということが大事で、そういうのをやってきています。まだまだ2割、まだ大きいということは正しくおっしゃるとおりだと思います。随分前ではありますが、過去にはもっと高かった時期もありますし、毎年、数パーセントずつ何とか上げていっている。結局、数パーセント上がると、その次の年は何もしなくても同じ割合になるかというと、全くそうではありません。同じ努力をして、更にそれを上積みする努力というのを毎年やって上げてきているということでして、先ほどの冒頭の説明でも10年連続で上がってきているというのはありましたが、引き続き、この歩みを止めないように頑張っていきたいというように思っております。
もう1つは、現年度の納付率というのを指標にさせていただいてやっております。一方で、最終納付率と我々は呼んでおりますが、時効の2年間の間に最終的に納付していただいた割合というのもありまして、令和3年度で言いますと、令和元年度の保険料が令和3年度中に納付されたものが78%という数字、これは4ページの資料や最後の概要の資料にもグラフで入れさせていただいておりますが、こういった数字もあります。最終的に何パーセントを払っていただくかというのが、非常に大事な指標だと思っておりまして。具体的に、年金局が日本年金機構を管理・監督する際の数値目標の中には、最終納付率というのも併せて示していて管理をしているということです。これは今、現年度の納付率の実績から更に8ポイント増やすという目標になっております。それも今のところは順調に増やせていけているという状況ですが、どちらが指標でいいかというのもあるとは思うのですが、現年度というのが、一番目の前の、毎年、毎年の管理されている指標として分かりやすいということと、現年度が上がれば最終納付率も数値目標が自動的に上がっていって管理される仕組みになっているということもありまして、従来からこういう形にさせていただいていると思います。議論はあり得ると思っておりますが、現状はこういう考え方でやっているということです。以上です。
 
○菊池座長
よろしいでしょうか。
 
○平野委員
了解いたしました。
 
○菊池座長
ほかにはよろしいでしょうか。達成目標1と測定指標について大きな議論がありましたが、総合評価方式にやり方自体を変えていくというのが1つ、あり得べしとも思います。一方で、そもそも基本目標があって、施策大目標があって、施策目標がある。しかし、施策目標に全然落とし込まれていない。施策大目標の「老後生活の経済的自立の基礎となる所得保障の充実を図る」という方がまだ具体性がある。ある意味、指標化可能ですよね。
というのは、持続可能と書いてしまうと、正に、総務課長がおっしゃったように年金局を挙げて100年がかりで取り組んでいる、持続可能な年金制度の構築、それを指標化するのは極めて難しいですよね。だから、そもそもこの施策大目標があって、それを更に落とし込んだ施策目標を立てる。もちろん総合評価でもいいのだけれども。もう1つは、もっと具体的な指標化可能な、例えば藤森委員の御意見を参考にすると、正に国民に信頼され、国民が安心できる公的年金制度を構築するというような程度にしておいて、そうすると、安心できる、信頼される、教育の話も指標化できるだろうし、無年金者数あるいは被用者保険の未適用者、未適用者とはそもそも制度的にまだカバーされていない人たち。国民皆年金が国家目標だとすればですね。時々の政権でもそれは変わらないだろう、普遍的なものであると年金局が判断されるのであれば、そういうものを指標化していくとか。だから、方向性は2つなのかなと。総合評価、そもそもやり方を変えるか、もうちょっと指標化しやすいような基本施策目標の立て方に変えていくかというように思いましたが。何かありますか。
 
○肥沼室長補佐
ありがとうございます。確かに、現状の施策目標ですと持続可能性みたいな形で、指標化がなかなか難しいというのはおっしゃるとおりで、これはずっと、4期のときからの課題ではありましたので、今の御提案があった2つの方法のどちらにするかという方向で施策目標を変えるのであれば、年度末の有識者会議にお諮りする必要がありますし、いずれにしても、年度末の有識者会議までには、担当局と相談をして決めたいというように考えております。御指摘ありがとうございました。
 
○菊池座長
それでは、担当課においては、本日の御議論を踏まえ、必要に応じて評価書への反映をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。御苦労さまでした。
(担当課入替)
 
○菊池座長
続いて、施策番号Ⅹ-1-2、「高齢期の所得保障の重層化を図るため、私的年金制度の適切な整備及び運営を図ること」について、担当課から10分程度で御説明をお願いいたします。
 
○年金局
年金局の企業年金・個人年金課長の小野と申します。公的年金に続きまして、私的年金について御説明をいたします。資料3-2を御覧ください。「概要(実績評価書のポイント)」になります。まず、4ページをお開けください。私的年金の施策目標としては、上の赤字で書いてありますように、高齢期の所得保障の重層化を図るため、私的年金制度の適切な整備及び運営を図ることとしております。ここで言う私的年金制度が何を指しているかということになりますが、下の現状の2の所に、私的年金制度の種類と加入状況ということで書いております。具体的には確定給付型の企業年金制度、いわゆるDB制度と言われるもの、その下の国民年金基金、これは自営業者などの、いわゆる国民年金の第1号被保険者を対象とする個人年金制度になります。それから、右側の確定拠出型企業年金制度、DC制度と呼ばれているものがあります。DC制度には企業型と個人型があります。個人型は通称iDeCoと呼ばれているものです。
これらの制度の加入状況につきましては、8~9ページを御覧ください。DB制度が2021年度末で930万人、企業型のDC制度が780万人程度となっております。また、iDeCoにつきましては、9ページにありますとおり、昨年度末で238万人程度ということです。ですので、iDeCoと企業型のDC、この238万と780万を合わせますと、一部重複加入がありますが、大体1,000万人程度という状況になっております。
4ページにお戻りください。これらの私的年金制度の意義としましては、現状の左側の1の所にありますが、私的年金は、公的年金と相まって、老後のより豊かな生活を支える制度という位置付けになっております。公的年金のほうが老後生活の基本を支えるという考え方で、それに上乗せをして、より多様なニーズに応えるための制度という位置付けになっております。実際に制度を利用するかどうか。どの制度を活用するかというのは、企業年金であれば企業、個人年金であれば個人がそれぞれ任意で選択をするということになっておりますので、私どもといたしましては、そうしたニーズに応えられるような制度の整備や普及を図っていく必要があると考えております。
そのための具体的な課題として、下に課題1とありますが、3つ挙げております。まずは国民の働き方、あるいはライフスタイルが多様化をしていく中で、老後の生活基盤として、就労や私的年金・公的年金をそれぞれの生活設計に応じて組み合わせて使えるような制度整備をしていく必要があります。2点目として、企業年金制度や個人年金制度の普及、周知・広報などを図っていくということ。そして3点目として企業年金制度が安定して運営されていくことが必要だと考えております。
達成目標としては企業年金、iDeCoなどの周知・広報に取り組むとともに、制度の改善について検討を行い、私的年金の普及・拡大を図ることとしております。具体的な指標といたしましては、左下ですが、私的年金制度の加入者数をアウトプット指標として掲げております。また、参考指標としては、測定指標の内数ということになりますが、個人型の確定拠出年金、iDeCoの加入者数を挙げております。iDeCoにつきましては、平成29年から対象者を大幅に拡大したところでございまして、その動向を注視していくということで参考指標に掲げております。
5ページをお願いします。目標の達成状況ですが、令和3年度については、実績値が1,985万人、これはまだ概算値ではありますが、そのような数字になっております。一方、目標値につきましては、大変申し訳ございませんが、資料上1,954万人となっておりますが、正確には1,958万人です。目標値につきましては、前年度の数値に上乗せをして設定するということになっておりますので、最終的には前年度の数値が確定したところで目標値も固まるという構造になっておりますので、最終的には1,958万が正しい数です。1,958万の目標に対して1,985万ということですので、目標は達成できたという評価をしております。
施策の分析といたしましては、制度改正を着実に実施するとともに、周知・広報を図ってきたと。特にiDeCoにつきましては、5年間に2.8倍の加入者増ということで、有効に機能しているという評価をしております。今後も制度改正の施行が予定されておりますので、更なる加入者の増加を見込んでいるところです。
制度改正の内容といたしましては、資料の11ページ以降に、今年度以降実施をされる内容が書いてあります。簡単ですが、11ページのほうは、DC制度に加入できる年齢、あるいは受給できる年齢の幅を拡大いたしまして、より個人の選択に応じて利用しやすくするような見直しを行っております。これらについては今年の4月、あるいは5月から施行されているところです。
次の12ページですが、こちらはDC制度の中で、従来、企業型と個人型を1人の人が同時に加入するということがかなり要件として厳しくなっていたのですが、それを大幅に緩和いたしまして、企業型と個人型の同時加入をしやすくするという見直しを行っております。こちらは今年の10月から施行される予定です。
最後、13ページは令和6年の12月から施行するものですが、ちょっと先のものではありますが、DCの拠出限度額の見直しを行うことにしております。これは加入している企業年金の掛け金の状況に応じて、DCの限度額が決まるという見直しを行うもので、人によって変化の仕方は違うのですが、かなり多くの方が、従来よりも限度額が広がる見直しになると考えております。
また5ページにお戻りいただきまして、このような制度改正をしていく中で、更に制度の利用が進んでいくことを期待しているところです。
効率性の評価につきましては、予算額は実績評価書の本体のほうを御覧いただきたいのですが、1ページ目の真ん中の少し下辺りに予算額が書いてあります。近年は、できるだけ予算の効率化を図っているところでございまして、令和2年度は5,400万、令和3年度4,800万、令和4年度は3,400万ということで、できるだけ予算の縮減を図ってきております。そうした中で目標値の達成ができているという評価をしているところです。
一方、この3年ぐらいは予算の執行率が20%から30%と、かなり低くなっているという状況があります。この要因については、もともとこれらの予算は調査研究とか普及啓発のための費用として確保しておりますが、新型コロナの影響であったり、あるいは全体としてオンライン化、デジタル化を進めていく中で、リアルに会議を開催したり、現地に赴いたりするといった機会を減らしつつ、オンライン原資化をしたり、ペーパーレス化をしたりという中で、できるだけ予算を節約しているという中で、このような執行率になっているという状況があります。
今後の改善方策としましては、先ほども申し上げましたように、予算額自体をできるだけ縮減していくとともに、今年度は今後の制度改正をにらみつつ、新たな調査研究を行うなど、限られた予算を有効に活用していくということを考えています。
最後に現状分析になりますが、目標値は毎年確実に達成してきていると評価をしておりますが、一方で、この目標値自体が適切なのかというところは、検証が必要かと思っております。従来の目標値は過去の加入者の伸びの実績に基づいて設定をしておりますが、いつまでも昔のデータをそのまま使っていていいのかというところはあろうかと考えております。この辺につきましては、先ほど御紹介をいたしました制度改正を進めていく中で、新しいシステムを整備することにしておりまして、そこで加入者の情報などを集めていくことにしておりますので、従来よりもデータが集めやすくなってまいりますので、その辺のデータの整備状況を見つつ、目標値の見直し、あるいは新たな目標を設定するといったことを考えていきたいと思っております。私からの説明は以上になります。
 
○菊池座長
ありがとうございました。それでは、いかがでしょうか。御質問、御意見ございますか。藤森委員、お願いします。
 
○藤森委員
私のほうから2点御質問させてください。指標1についてなのですが、これ、確定拠出年金、確定給付企業年金、国民年金基金と、丸めた数字になっているのですが、これは分けて目標を設定して書くことはできないのかなと思いました。それぞれ普及を目指しているわけなので、それぞれ分けて書くということができないかというのが1つです。
もう1点は、特に第1号被保険者の方にとって、国民年金基金というのはとても大事なものだと思います。第1号被保険者の中で、国民年金基金に加入されている方が、一体何パーセントなのかという、カバー率のような目標設定の仕方は、目標設定としては、分かりやすいものになるのではないかと思います。この2点、いかがでしょうか。
 
○年金局
ありがとうございました。確かにそれぞれの制度ごとに数字を出すこと、あるいは国民年金の被保険者を分母にして、カバー率みたいなものを出すというのは可能ではありますので、そこは検討させていただきたいと思います。
 
○菊池座長
1点目は。
 
○藤森委員
確定拠出年金、確定給付企業年金、国民年金基金と、丸めた数字になっているのですが、これは分けて目標を設定して書くことはできないのか、という点です。
 
○年金局
制度ごとに分けて出すということですか。それも含めて検討いたします。ただ、例えば、DBとDCとか、ある意味では競合関係にある部分もあるので、そこをどう見るかということはちょっとあるかもしれませんが、いずれにしても数字を出して見ていくことは可能であろうと思っています。
 
○藤森委員
はい、お願いいたします。
 
○菊池座長
ほかにはいかがでしょうか。ございませんですか。ちょっと邪推かもしれませんが、国民年金基金加入者はもう、大分減っていますよね。そのために、国民年金基金の加入者数の目標設定をするのはなかなか難しいから、分解して目標を立てづらい、つまり私は国年基金の推奨論者なのですが、なかなか今はもう、DB、DCの方に力を入れているので、国民年金基金の政策的な取扱いがやや難しいというような事情があるのかなと少し思ったのですが。
 
○年金局
確かに第1号被保険者自体がかなり減ってきておりますので、そういう意味では先ほど藤森先生がおっしゃったように、カバー率みたいな出し方のほうがいいのかもしれないということと、確かに国民年金基金とiDeCoがある意味競合関係にあるので、そこはむしろ合わせて見たほうがいいのかもしれないというところはあるかもしれませんけれども、ただ、国基は国基で加入者を増やす努力はしておりますので、そこは目標にすることはおかしくはないと思います。
 
○菊池座長
分かりました。どこを進めていくか、評価はいろいろあり得ると思うのですが、政策評価の基礎として、性格がかなり異なる仕組みなので、全体をまとめて、それを国民に対して私的年金制度の加入者はこうなっています、努力していますというのでは、厚労省として何をどう進めようとしているかというのを国民に示す場面でもあるので、政策評価は、私はもう少しきめ細かく見せていただきたいなと思うのですが、その辺少し御検討いただければと思います。
 
○年金局
分かりました。ありがとうございます。
 
○菊池座長
よろしくお願いいたします。よろしいですね。それでは、ただいまの説明について、御議論を踏まえて、必要に応じて評価書への反映をお願いいたします。どうもありがとうございました。
(担当課入替)
 
○菊池座長
大変お待たせいたしました。次の、施策番号ⅩⅠ-1-4「介護保険制度の適切な運営を図り、介護分野における生産性の向上等により、質・量両面にわたり介護サービス基盤の整備を図ること」につきまして、10分程度でご説明をお願いします。
 
○老健局
では、説明を始めさせていただきます。パワーポイントの概要資料で説明したいと思いますが、基本目標のⅩⅠ、高齢者ができる限り自立し、住み慣れた地域でということについては、施策大目標1に対して4つ施策が並んでおります。今回は、その4番目ということなのですが、ほかに医療・介護連携でありますとか、いわゆるフレイル予防、認知症施策などがあって、4番目として介護保険制度の適切な運営と、質・量の両面にわたり介護サービス基盤整備ということになっています。
今回、その4番目の施策についての評価ということになっています。大きく2つに分けて評価をしておりまして、1つが介護給付費の増加という課題に対して、やはり今後は保険者機能の強化というのが重要になってまいります。保険者機能を適切に果たしているかどうかということで、課題の1、達成目標の1ということで目標を掲げております。
課題の2つ目としては、介護サービスの基盤整備ということで、御案内のように、急速に高齢化が進むということでありますので、こういったものに対応する計画的な介護サービスの提供体制の整備ということで、達成目標2と掲げさせていただいております。
達成目標1の測定指標につきましては、いわゆる保険者として、きちんと給付して適正化の取組をやっているかどうかということで、測定指標に書いているような指標を掲げております。
達成目標2に関しては、指標で言うと4つほど掲げております。2と3が関連しますが、要介護認定、端的に言うと、市町村が実施するわけですが、このばらつきをできるだけなくすというものです。4番が地域密着型サービスということで、やはり、いわゆる在宅介護の限界点と言いますか、できるだけ在宅介護で在宅生活を継続できるような形で、特に地域密着型サービスへの整備を推進しておりますので、こちらの箇所数というのが4点目です。5点目は少し手色が違いますが、施設もそうですし在宅もそうですが、やはり今後、御案内のように生産年齢人口減少というのが、2040年までに大きな課題として降り掛かります。こういったものに対応するためにも、ICT化、ロボット・センサー導入というのを介護施設などに対して進めていく必要がありますので、5番目の指標として掲げております。
進捗状況ですが、達成目標1につきましては、保険者割合ですね。実は平成30年度から数字を書いておりますが、令和2年度は75.5%と下がっております。後で理由は御説明します。平均を見ると81.3%ということで100%の目標には届いていないという、残念ながら現状です。
指標の2と3につきましては、指標2が一次判定、二次判定のばらつきへの標準偏差、指標の3が変更率の平均値ということで、いずれもゼロにするのがいいというわけではないのですが、基本的には前年度よりもばらつきがあり、変更率を下げるということを目標に掲げておりますが、昨年度が結構改善したこともあって、直近の数字については、改善はしていないという状況です。ただ、これについては、制度がかなり定着している中で、下げ止まり感もあるという状況です。指標の4の地域密着型サービスの事業所数については、書いてあるように拡充を進めております。指標5のロボット・センサーの導入支援件数ですが、目標6,000件に対して実績が上回っておりますので、確定しておりますが、これについては指標を変更したいと考えております。
続きまして評価ですが、達成目標1については、残念ながら100%に至っておりませんし、令和2年度は、令和元年度よりも下がっております。理由としましては、やはり小規模の市町村、保険者が十分できていないということ。特に主な要因としては、人員・予算の制約が挙げられております。こういったことについては、きちんと支援の必要があると考えております。
直近の年度が下がった理由は、従来、単純にモニタリングしている保険者の割合ということでアウトプットを表現していたのですが、それをもとに地域差を分析して、給付費適正化の方策を策定した上で、きちんと適正化の取組を実施するというものを加えますと、多分これを理由に下がったということになりまして、そういう意味ではあまり100%ということありきではなくて、実質的な内容、取り組んでいるところをきちんと評価していこうということで、残念ながら数字は下がっている状況かと思っております。
次に達成目標2ですが、指標2と3、要介護認定のばらつきにつきましては、直近の年度は落ちておりますが、今後、大きくこれが逆に上回るような傾向がないかどうかを注視する必要があると考えています。指標4については、毎年度増加をしております。指標5については、目標を達成しておりますが、新しい目標を設定します。
効率性の評価につきまして、達成目標1については、申し上げましたように、毎年度の指標の見直しを適正に行っております。指標2、3につきましては、令和3年度予算ということで説明しますと、若干減少しておりますが、減少傾向が続いていると考えております。指標4は、計画どおり整備が進んでいる。指標5については、見直しを行うということで考えております。
現状の取組ですが、達成目標1につきましては、地域包括ケアの見える化システムの構築・改善や給付費の適正化指標の予算事業の実施、そして保険者機能強化推進交付金ということで、いわゆるインセンティブ交付金と言っているものですが、各自治体の保険者としての取組を評価して、めりはりを付けた補助金を出しております。この指標についても、見直しなどを行うことにしております。
達成目標2、3につきましては、先ほど申し上げたとおりです。具体的には、ここに書かれていますような要介護認定等適正化事業の取組は引き続き行っております。指標5につきましては、介護ロボット・センサーの普及がある程度進んでいるということで考えております。
今後の指標設定等、今後の方針です。達成目標1につきましては、小規模の自治体でも取組ができるように、引き続き地域包括ケア見える化システム、こちら全国の状況と比較できるシステムですが、こういったもの、システム的な改良ですとか手引の改良というのを毎年のように続けておりますが、不断に続けていきたいと考えております。介護給付費の適正化事業を効果的に実施していただくということと、保険者の機能強化推進交付金、インセンティブ交付金の集計結果を公表することの見える化を進めていきたいと考えています。
達成目標2につきまして、指標2と3については、引き続き要介護認定が適正に実施されるよう実施をしていきたいと考えています。指標4については、現在、8期の事業計画ですが、このサービス量等で、令和5年度における必要量の推計値として示された水準に到達するよう、引き続き目標達成を目指していきたいと思っております。
指標5につきましては、今後、指標を改正しまして、「医療介護総合確保基金による、介護福祉施設等に占めるロボット・センサーの導入施設数の割合」というものを指標としまして、いわゆる導入割合というものを目標とし、前年度を少なくとも上回っていくことを目標にしたいと考えています。介護福祉施設の母数自体も増えておりますので、導入割合の向上というのもそれなりの目標になるというように考えております。また、事業者の負担軽減として要請が多い、いわゆるケアプランの関係ですが、ケアプランをデータ的に連携できるような、ケアプランデータ連携システム、来年度に向けて、今、最終構築段階ですが、こういったものの活用を進めていきたいと考えています。私からの説明は以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございました。それでは、御意見、御質問などございましたらお願いします。平野委員、お願いします。
 
○平野委員
平野ですが、どうぞよろしくお願いします。2つあります。最初に、細かいほうからというか、このシステムについてもずっと関心を持って見てきた立場なのですが、1つは指標4です。当然、事業所数が増えていくという、1つの指標としては悪くはないと思うのですが、実際に、先ほど説明の際に触れられたように、1つの在宅の限界点というか、どちらかというと入所率を下げていくというか、そういう1つの政策目標の事業であるとも思いますし、在宅生活の質を向上するということも含めてだと思います。そういう点では、より政策効果を確認する上では、都道府県レベルか市町村レベルかということはあると思うのですが、この比率が適となれば、結果的に施設の入所率が下がったという1つの政策効果みたいなものが、今のシステムでも十分把握可能なのではないかなという気もします。入所と同様に包括払いの仕組みがあるので、実際に利用者の負担の問題もあろうかと思いますが、いろいろな意味で、やはりこの密着型のサービスの普及というのは非常に重要だと考えておりますので、もう少し、せっかくシステムが整っているので、割に単純な増加率の指標を変更するというか、充実させていく方向は検討できないかというのが1点目です。
もう1つは、小規模自治体がなかなかこれに参加しづらいという問題があるかと思います。それからまた、ある意味で、インセンティブ交付金等も含めてですが、現場の感覚からすると、ちょっと、評価、評価で詰められていっているみたいな感じもないわけではない感じはしますので、何か、実際にこういうインセンティブ交付金そのものの評価といいますか、つまり、こういうものを導入していること自体の自治体の反応みたいなものを、何らかの形で把握されていないのかどうかというのもちょっとお聞きできればと思っております。以上、2点です。
 
○菊池座長
よろしくお願いします。
 
○老健局
ありがとうございます。いずれも重要な御指摘だと思っております。指標4について、御指摘のように、かなり地域密着型サービスも増えてきているので、単純に全国の総量ではなくて、ある程度ばらつき具合、こういったものは御指摘のように、先ほど御紹介しました地域包括の見える化システムなどで、そういったものを把握することが今、可能になっていますし、我々としても、そういったシステムを活用してその整備を進めていくことはお願いしております。一方で、それの全国的な評価の際に、どういった形で指標として設定するのがいいかについては、ちょっとまだ、地域密着型は十分に地方中心に進んでいない所もあるので、悩ましい点もあるかなと思っておりまして、現状では、この目標設定を続けて、右肩上がりで進めていくように管理しているのが現状です。それが1点目です。
あと、いわゆるインセンティブ交付金について、評価ということですが、補足概要はそちらにいる担当からもしていただきたいと思いますが、インセンティブ交付金自体、すごく細かい指標をたくさん設けて、それに基づいて、実は、努力交付金と推進交付金と半分ずつ分けて交付しているわけですが、なかなか実際、それが具体的な取組の促しになっているのかどうかということについては、財務省からも御指摘を受けております。予算執行状況調査の今年度対象にもなっておりまして、そういった結果なども踏まえて、今年度から指標の見直しをしております。具体的には、要介護認定の状況など、アウトカムの状況などを反映するような指標を入れております。これについては、また今後、具体的な見直しの議論も踏まえて、見直しをしていく必要があると考えております。私からは以上です。補足があればお願いします。
 
○菊池座長
会場から補足がありそうですので、少しお待ちください。
 
○老健局
介護保険計画課です。ありがとうございます。インセンティブ交付金の関係ですが、今ほど総務課長のほうからも申し上げましたように、いろいろな御意見があるかと思います。一応、これ自体は、毎年自治体の皆さんと意見交換しながら見直しているものですが、ただ、確かに、指標も多くなって、あとインプット中心というところもあったりします。総務課長から申し上げましたとおり、実際、これ自体の効果はどうなのかという観点からも、少し指標の見直しをしなければいけないと考えています。また、今年度は委託事業も使いながら、もう少しアウトカムを、効果を測定できるような見直しをしていきたいと考えております。以上です。
 
○菊池座長
平野委員、いかがでしょうか。
 
○平野委員
後半のほうは、是非、これ自体の評価も検討されるということでしたので、どうぞよろしくお願いします。前半のことなのですが、確かに、絶対数の増加が一定割合ないと、なかなか入所の代替性を見ていくことは難しいかもしれませんが、2005年に導入されて以降、かなりの時間がたつので、やはり少し積極的に施設入所との関連みたいなものの比較検討は、時期的にもそろそろ可能なのではないかと考えておりますので、是非、その点も御検討いただければと思います。以上です。
 
○老健局
分かりました。検討していきたいと思います。ありがとうございます。
 
○菊池座長
ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。藤森委員、お願いします。
 
○藤森委員
私からは、指標1について3点ほどお伺いします。まず1点目は、この概要の5ページを御覧ください。下の欄の所で、令和元年度の実績分までの指標と、それから令和2年度実績分の指標という形で指標の内容が書かれているのですが、そうすると、これは恐らく同じ保険者の割合なのですが、内容が変わっているのではないかと思うのです。とすると、このA3の2ページに書かれているように、割合を並べることが妥当なのかなと思いまして、ここが質問の1点目です。
2点目は、今の概要の次ページ、6ページになるのです。今の点に少し関わるのですが、下の枠の一番初めの所です。「指標1については、適切な評価を行うため、毎年度、評価指標の文言の見直しの検討を行っており、効率的な取組が行われていると評価」と書かれていますが、評価指標の文言の見直しというのは、先ほどのことを言っているのかどうか分からないですが、「評価指標の文言の見直しを毎年検討していること」と「効率的な取組が行われていると評価できる」というのは、これはどういう関係性になっているのかというのが2点目です。
3点目は、A3の2ページの指標1の所に戻りまして、今回、これが達成のほうが△になっていて、なぜなのかという未達の理由については、A3のペーパーの5ページの有効性の評価の達成目標1の下の所に、「第1号被保険者数1万人未満の比較的小規模な保険者において、人員や予算の制約がある。それによって地域差の分析や具体的な取組を実施することが難しい」ということが書かれていたので、この地域差の分析や介護給付金の適正化の取組というのが難しいという小規模自治体の制約について、どのような対策を考えているのかをお伺いしたいと思います。以上です。
 
○菊池座長
それでは、御回答をお願いします。
 
○老健局
まず、私から回答して、補足があれば会場からお願いします。いずれもそのとおりなので、なかなか悩ましい指標設定かと思っております。まず1点目ですが、確かに、文言も追加をしておりますので、そういう意味では、正確には元年度に達成しているのは92.6%、令和2年度の指標については、それに地域差を分析して介護給付費の適正化も策定した上で、適正化の取組を実施するというのを加えていますので、75.5%と下がった要素にもなるかなと考えています。ただ、我々としては、単純に元年度までの指標でモニタリングをしているということだけで92.6%ということでかなり高まってきたわけですが、もう少し実質的に踏み込んで、給付費の適正化の取組をやっているというところを評価しないと意味がないのだろうということで、こういう改正をしたということです。割合を並べる意味では、質問の内容が変わっていますので、正確に言うと、これを同一線上で評価するのは適切ではないと考えます。ただ、同じ質問を元年度に遡ってできないものですから、そういう意味で、苦しい中で、最近3年間の平均を取って81.3%という数字と目標値100%の比較で一旦評価をしようと考えたということです。
2点目の御質問は、この文言の見直しと効率性と言っている意味の関係ですが、これも効率性というのをどう考えるかということが、なかなかこういった課題については難しいと思っております。よく、予算事業であれば、費用対効果みたいな形で端的に出ているかと思いますが、給付費適正化の事業については、基本的には毎年度同じような事業費だったと思いますが、ちょっと整理してください。投入して取組をしていただいておりまして、そういった中で、先ほど申し上げた趣旨で、少し実質的な取組をしている保険者をもう少し評価しようということで見直しを行ったことをもって、効率的な評価をやっているということを考えていて、若干、趣旨に合っているかどうか微妙なところかなと思っておりますが、そのように書いております。
3点目です。小規模自治体は特になかなか取組が難しいと考えております。これにつきましては、ポンチ絵の最終ページにも書いておりますが、地域包括ケアの見える化システム、これの改定を行ったり、手引を改良することをもって、小規模な所でも人員等がなくても取り組めるようにということとか、先ほど御質問を頂いた、いわゆるインセンティブ交付金について、自治体負担ということも踏まえて指標の見直しなどを今後行ってまいります。そういったことで、実質的に取り組める市町村を増やしていこうと考えております。私からは以上です。
 
○菊池座長
では、大丈夫ですか。特に補足はないそうです。
 
○藤森委員
ありがとうございます。3点目は分かりました。1点目と2点目ですが、92.6%を達成して、もう少し新しいものを加えてやろうとされているということでした。しかし、これだけ見ると、何で数値が下がっているのだと思ってしまいます。指標が変わっているのでしたら、別枠に、一段線を引いて別の所に入れるとか、あるいは注を入れるというやり方があると思います。目標については、もう9割達成したから新しい指標を設定すると言うのでしたら、私はそれをいいことだと思っております。むしろそれをきちんとお書きになられたほうがよろしいのではないかと思いました。以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。
 
○老健局
ありがとうございます。どのように記載するか相談したいと思います。
 
○藤森委員
よろしくお願いします。
 
○菊池座長
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。すみません、私から。指標2と3はちょっと意味がよく分からないのです。この一次判定から二次判定における変更率、これは、保険者ごとではなく、全体として変更率がどのぐらいあるかということですが、何を調べたいのかがよく分からなかったのです。保険者ごとにも随分ばらつきがありそうにも思うのですが、そういうのを見ようとしているわけではないのですね。
 
 
○老健局
担当からお答えいたします。指標2ですが、こちらは、保険者ごとに一次判定から二次判定に変更率がどのぐらいあるかというのを全部出して、それのばらつきを見ているものになっております。指標3につきましては、全国をまとめて平均を取っていると。平均の平均ではなくて、あくまでも平均です。
 
○菊池座長
要介護認定自体は、この事務というのは自治事務でいいのですね。
 
○老健局
はい。
 
○菊池座長
ですから、そういう意味では、障害年金の障害等級の判定、あれは自治事務ではないですよね、都道府県ごとに違いがあってはいけない、裁量はないのですよね。こちらは、自治体たる保険者が行う自治事務なので、どうなのでしょうか。その理解として、ばらつきというか、判定の仕方に、保険者に裁量はない。いや、一定の地域に応じた裁量はある。そういう前提で考えていいのかという、極めて法的な問題、論点なのですが、そこはどうですか。
 
○老健局
私の理解で申し上げますと、確かに自治事務になっておりますが、一方で、介護保険制度は全国的な保険制度として、当然、そのように、当該市町村の1号保険料だけではなくて、公費、あるいは2号保険料も入って運営している制度です。したがって、基本的な認定の考え方とか基準については、国が一律のものを示して、それに基づいてやっていただくということが、全国的な保険制度の信頼性を確保するために重要だと考えております。ただ、細かい運用とか、そういったところで自治体の裁量というのはもちろん認めているわけですが、そういった意味で、できるだけ、特に制度施行当初はかなりばらつきも指摘されたことがありますので、ばらつきをなくすように、技術的な面の視点も含めてサポートさせていただいているところです。
ただ、一方で、特にばらつきについては、そういう意味では許容されないものではないということでもあるので、前年度以下を目指すという指標を今後も維持し続けるのが、どれだけ意味があるかということについては議論の余地はあるかなと、我々としても考えております。以上です。
 
○菊池座長
ありがとうございます。先ほどの林課長の御説明のニュアンスですと、むしろ、これ以上広がらないようにすることが大事だというようなニュアンスでもあったので、そうすると、この指標自体の性格とか、どういう意味でこれを置いているのか、どう評価するのかを整理していただいたほうがいいのかと思いました。
 
○老健局
確かに今、議論していて思ったのですが、何かもう少し、評価の仕方は検討の余地があるかなと考えます。少し検討させてください。
 
○菊池座長
障害年金は、全国中央に集めてやるようになっていますし、診療報酬も都道府県でばらつきがあるというので、それを均す方向で進めています。それとの関係で、この要介護認定はどうなのかという問題意識もあります。はい、ありがとうございます。
それからもう1点、すみません。この目標との関係で、1番目の今日のテーマとも関わるのですが、正に介護保険部会でも議論されているように、このテーマに関して、指標に挙がっていないようなところまで踏み込んでやろうとしていますね。タスクシェア、タスクシフティングとか、文書負担の軽減とか、経営の大規模化とかが、どこまで入り得るかはあるとしても、政策評価は、やはり所管課がやろうとしていることを、こういうことをやろうとしているというのを示していくのも政策評価の1つの意義なので、その辺りも、取り組んで、すぐ2年後にやめますというようなのは、指標にはできないでしょうが、やはり厚生労働省として、今後これは進めていくと。中長期的に進めていく、この人手不足の中で、ということであれば、そういうものも随時指標に入れていくというのは可能ですし、また、それが望ましいと思うのですが、事務局からはどうですか、その辺、方向性というか。
 
○肥沼室長補佐
今、御指摘いただいた点ですが、ちょうど第5期、今期から始まったこの本施策目標の所では、「生産性の向上」という文言を新たに加えております。こちらの老健局さんと協議の上で、生産性の向上ということを新たに明記しております。これまで、質・量両面にわたるサービス基盤の整備、あと適切な運営というところに特化した指標が立っていましたが、新たに第5期から加えた文言に対応するような、タスクシェアですとか、ICTですとか、そういったものも、今後原課と相談しながら、1つ達成目標を立てて指標を設定していく必要があるのではないかという御指摘と受け止めました。合っているでしょうか。
 
○菊池座長
林課長、いかがでしょうか。
 
○老健局
生産性の向上は大きな政策課題になっていると思います。現状でも、測定指標5で、ICTの導入、施設の割合というのを立てておりますが、もう少し、それを膨らませるなり、踏み込んでということを。基本的には、制度見直しの議論を正に今、菊池部会長の下でやっておりますが、そういった内容の方向性がある程度固まってきましたら、またこの施策目標というのは臨機応変にその見直し、追加などをしていくべきものだと考えております。
 
○菊池座長
それでは、今のやり取りも含め、必要に応じて実績評価書への反映をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 
○菊池座長
それでは、これで4番目の課題を終了しました。どうも御苦労様でした。ありがとうございました。
少し時間が過ぎてしまって申し訳ございません。本日予定しておりました議事は全て終了いたしました。熱心かつ有意義な御審議を頂きまして、誠にありがとうございます。それでは、事務局から、本日の議論の取扱い、その他について御説明をお願いします。
 
○肥沼室長補佐
先生方、御議論ありがとうございました。本日頂いた御意見の取扱いですが、まず、実績評価書の記載に関する御指摘については、担当課において必要な修正を行っていただき、評価書の該当欄に反映状況を記載させていただきます。また、この会議の場で伝えきれなかった御意見、第5期からやり方を変えていますので、そういった部分についての運営面での御意見等もございましたら、9月2日金曜日までに事務局まで御連絡いただければと思います。実績評価書については、当室で取りまとめの上、総務省への通知、また、当省のホームページでの公表手続を進めたいと思います。また、併せて、皆様にも最終版を送付させていただきます。また、今、御指摘いただいたもののうち、中長期的な検討課題とかが幾つかあったかと思います。こちらについては、事務局で整理の上、担当部局にて検討いただき、進捗状況を次回のワーキング、おそらく年明けの2月頃になるかと思いますが、その際に、皆様に御報告させていただきます。説明は以上でございます。ありがとうございます。
 
○菊池座長
ありがとうございます。それでは、これをもちまして、本日の会議は終了させていただきます。長時間にわたり、どうもありがとうございました。お疲れさまでした。失礼いたします。