2021年11月4日 薬事・食品衛生審議会 化学物質安全対策部会 議事録

日時

令和3年11月4日(木)14:00~

出席者

出席委員(14名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(2名)五十音順
行政機関出席者
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  大久保貴之(化学物質安全対策室長) 他

議事

○事務局 ただいまから、令和3年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会を開催させていただきます。皆様には、お忙しい中御参加いただきありがとうございます。
 本日の部会は、対面でなくWeb開催としており、合田部会長を除く他の先生方には、厚生労働省の外から御参加いただいています。また、傍聴に関しましては、YouTubeでライブ配信を行っています。資料につきましては、通信負荷軽減の観点から、基本的に画面には投影いたしません。したがいまして、傍聴される方々も含めて、資料をお手元に御準備いただければと思います。
 オンライン会議に関して注意点を申し上げます。委員の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御発言いただく際は、初めにお名前をお知らせいただければと思います。音声の調子が悪い場合は、チャットによりメッセージをお送りください。また、動作不良等がありましたら、事前にお伝えしています事務局の電話番号まで御連絡ください。また、このビデオ会議自体が、万が一途中で終了してしまった場合に関しては、その後の対応について事務局から一斉にメールで御連絡させていただく予定です。
 続きまして、委員の交代に関して御連絡いたします。前回の部会以降、委員に交代がありましたので御報告いたします。鈴木勉委員、本間正充委員が御退任され、後任として新たに合田幸広委員、杉山圭一委員が御就任されています。
 次に、部会長についてですが、部会長でありました鈴木委員が御退任されました。このため、本年1月25日に開催されました薬事分科会において、合田委員が本部会の部会長に選出されていますので御報告申し上げます。
 続いて、部会長代理の指名です。薬事・食品衛生審議会令第7条第5項では、部会に属する委員のうちから、部会長があらかじめ指名する者がその職務を代理することとされています。合田部会長からは、事前に平林委員を御指名いただき、平林委員にも御了解いただいていますことを御報告いたします。以上でございます。以降の進行につきましては、合田部会長からお願いいたします。
○合田部会長 皆様、合田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。議事に入る前に、最初に委員の出席状況等の報告を事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。委員の出欠状況につきましてですが、本部会の総委員数は16名であり、定足数が過半数の9名となっています。本日は、福内恵子委員、福山哲委員が御欠席で、現在14名の委員に御出席いただいています。このため、定足数は満たしています。
 続いて、薬事分科会への適合性についてです。薬事分科会規程第11条では、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しています。このため、今回全ての委員の皆様に本規程に適合している旨を御申告いただいています。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度、書面で御提出いただいており、御負担をおかけいたしますが、引き続き御協力のほどよろしくお願いいたします。
 続いて、会議の公開等についてです。本日の会議は非公開にすべき事由には当たらないということですので、公開させていただいております。資料、議事録も公開となりますので御承知おきいただければと思います。
 最後に、オブザーバーと参考人に関してです。本日、複数の議題がございますが、審議事項1に関しては、化審法を厚労省と共に共管しています経産省と環境省の担当者にもオブザーバーとして御出席いただいています。また、審議事項2に関しては、国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部第四室の河上強志室長に参考人として御出席いただいています。以上でございます。
○合田部会長 それでは、議事を進めたいと思います。資料は事務局より事前に電子ファイルで送付されていますが、何か問題がございましたら、その都度お知らせいただければと思います。
 審議事項1に入ります。化審法第一種特定化学物質への指定見直しについてです。本日は、審議事項は三つ、報告事項は二つですけれども、最初の審議事項は化審法の関係です。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から説明させていただきます。お手元に資料1と参考資料2を御用意ください。資料1に沿って御説明させていただく前に、参考資料2にこの審議の背景である化審法あるいはPOPs条約、さらには本日の審議事項等についてまとめていますので、まずは参考資料2に基づいて説明させていただきます。
 参考資料2の2ページ目を御覧ください。こちらの図では化審法の体系を示しています。化審法の大きな柱の一つが新規化学物質の事前審査です。左側にある新規化学物質の所を御覧ください。新規化学物質を製造又は輸入しようとする者は、製造又は輸入に先立って、当該物質に関する分解性、蓄積性及び毒性に関するデータを国に届ける必要があります。本部会の下に置かれている化学物質調査会において、その試験結果等に基づいて審査が行われ、この判定結果が届け出た者に通知された後、初めて新規化学物質を製造又は輸入するという仕組みになっています。これが新規化学物質の事前審査制度です。
 その他の化審法の大きな柱としまして、化学物質の性状等に応じた規制及び措置があります。真ん中辺りに第一種特定化学物質等の四角枠がございます。化審法では、第一種特定化学物質、監視化学物質、第二種特定化学物質といった規制区分が設けられています。第一種特定化学物質というのは、難分解性、高蓄積性、人への長期毒性又は高次捕食動物への長期毒性があるような化学物質になります。それぞれの規制区分に応じて措置が定められていて、それぞれ四角枠の右に小さい文字で書かれていますので御覧ください。例えば、今回指定の可否について御審議いただく第一種特定化学物質については、製造・輸入の許可制とありますが、これは実質上の禁止を意味します。政令指定製品の輸入禁止、これは政令で指定した代替が困難な用途以外での使用禁止措置が採られることになります。具体的に指定する化学物質は、POPs条約で規制対象物質となった物質を指定しています。
 続きまして、3ページ目ですが、そのPOPs条約について説明させていただいています。POPsとは残留性有機汚染物質の略でございます。この条約においては、マル1からマル4に書かれている人又は生態に対する毒性、難分解性、生物蓄積性、長距離移動性を有する化学物質をPOPsと定めています。このように難分解性であり、生物蓄積性があり、かつ長距離移動性があるような物質による環境汚染というのは、1か国による取組では防止することが難しいために、1か国にとどまらない環境汚染防止の取組が必要となっています。そういった観点から、国際条約を通じて製造・使用等の原則禁止の措置を講じることにより、国際的にPOPsの廃絶、削減等を行うものとなっているところです。
 四角枠の中ですが、このPOPs条約は2001年5月に採択され、日本は2002年8月に締結、2004年5月に発効となっています。現在、184か国及び欧州連合が締結しています。この締約国会議は2年に1回開催され、これまでに9回開催されています。専門・技術的な事項については、この国際会議の下部組織である委員会、通称POPRCにおきまして審議がされています。日本を含めてこの条約を締結している連盟国は、その対象となっている物質について条約を担保できるよう、国内の諸法令で規制することとなっています。
 一番下に参考と書かれていますが、このPOPsというものは、長距離移動性以外においては、化審法の第一種特定化学物質の指定要件と同様に、分解性、蓄積性、毒性に基づいて指定されるものであるため、POPs条約における決定に対する国内担保措置としまして、基本的に全てのPOPsは第一種特定化学物質に指定されており、現在ではPFOA関連物質のみが指定されていない状況になり、今回はそのPFOA関連物質に関して御審議いただきたく存じます。
 そのPFOA関連物質又はPFOAですが、次の4ページ目を御覧ください。ペルフルオロオクタン酸(PFOA)は、図1などの構造で示される化学物質です。主にフッ素ポリマー加工助剤等で使用されています。PFOAに関しましては、既に国内でも化審法の第一種特定化学物質として指定されています。PFOA関連物質は、POPs条約上ではPFOAに分解するあらゆる物質であって、部分構造の一つとして、炭素原子に結合するペンタデカフルオロアルキル基を含む物質ということになっています。参考資料2につきましては以上です。
 ここまでの内容を踏まえまして、資料1の方で説明したいと思います。資料1に戻っていただければと思います。PFOA関連物質に関しまして、この定義だと該当する化学物質が膨大となることから、条約事務局が作成した例示リストより、具体的にPFOA関連物質に該当する物質群のリストを作成しました。それらの物質群が資料1の4ページ目以降の表に書かれている物質群です。No.1からNo.56まであり、こちらの物質群が第一種特定化学物質と考えられるため、PFOAと同様に、PFOA関連物質として化審法第一種特定化学物質として指定させていただければと存じます。説明は以上となります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○合田部会長 御説明ありがとうございました。本件につきまして、化学物質調査会の座長の平林先生、何か追加等はございますか。
○平林部会長代理 平林でございます。7月の化学物質調査会におきまして、本件について審議いたしました。人健康影響関連につきましては、特に大きな議論はなかったこともございまして、調査会としては事務局の提案内容を妥当と判断したところです。よろしくお願いいたします。
○合田部会長 ありがとうございます。委員の先生方は、全員Webでの御参加ですけれども、何か御意見がございましたら、声を挙げていただくか、ちょうど私の所に大きなテレビ画面がございますので、何かアクションしていただければ分かりますが、大丈夫ですか。皆さん、頷いていらっしゃるようです。
 これは、座長がここで言う話かどうかが分からないですけれども。私はケミストなのですが、4ページ以降の所の書かれている名前は合っていますけれども、名前の間に突然、括弧書きで説明が名前に割って入るように入っているのと、割って入るようには入っていないのと、両方のパターンがあるのです。割って入るように入っていると非常に分かりにくいのです。例えば1番は、「ペルフルオロアルカン酸(炭素数8、分枝構造に限る)又はその塩」と、これはまだ大丈夫なのです。ですけど、例えば4番の「ビス(ペルフルオロアルキル(ペルフルオロアルキルの少なくとも1つは」と書いてあって、何々「に限る。))ホスフィン酸又はそのアルミニウム塩」と書いていますね。この化合物名は、本当は「ビス(ペルフルオロアルキル)ホスフィン酸又はそのアルミニウム塩」なのです。だから、これで括弧で割って入られるとすごくおかしくて、説明書きは後ろの括弧書きにしていただいたほうが基本的には非常に分かりやすいのです。そういうふうに割って入っているのもありますが、割って入っていないものがありまして、例えば10番ですと、「2-(ペルフルオロアルキル)エタン-1-オール」と書いてあって、その後ろに「ペルフルオロアルキルは」と書いてあるのです。このパターンの方が絶対分かりやすいと思います。
 多分、事務的な手続だと思いますが、法律になるときに化学物質名がこのとおり書かれる可能性があり、どこかで変なことが起こりそうな気がします。私自身が一番気になるのは、もともと英訳で化学物質名があって、英訳の化学物質名の際に、英語ではスペースがありますけれども、日本語ではスペースがいい加減になるので、二重結合というか、スペースの代わりに「=」を入れるのです。その部分に、途中でヒュッと割られて入って、その間に説明が入ってしまうと、全く二重結合の意味がないのです。そこでちょうどスペースを空けて続けて読みなさいという意味なのですけどね。ですから、可能ならば説明書きは全部一番後ろにまとめていただいたほうが、ものとしては分かりやすいかなと思いました。法律でどこかに文章が書かれていて、それとの整合性で今回は難しいと言われるかもしれませんが、その辺は対応可能であれば対応していただければと思います。本質的なことでないですけど、名前は後々残りますので発言させていただきました。
 ほかに皆さんからございますか。よろしいですか。本件はないようですので、本日御審議いただきました炭素原子に結合するペンタデカフルオロアルキル基(アルキル基の炭素数が7のものに限る。)を含む化合物について、資料1のとおり、第一種特定化学物質に指定することが適当であると部会として了承してよろしいでしょうか。
 皆さん、頷いていただきましたので、御了承いただいたものとさせていただきます。事務局から今後の手続について御説明をお願いします。
○事務局 本日、御審議、御了承いただきました内容につきましては、薬事分科会の規定に従って、次回の薬事分科会で報告させていただきます。また、パブリックコメント等の所定の手続を経た上で、政令改正を行う予定としております。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、次の審議ですけれども、家庭用品規制法の関係です。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 家庭用品関係についてお話させていただきます。資料2-1、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則の一部を改正する件について(案)を御覧ください。
 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律、いわゆる家庭用品規制法の施行規則別表第一には、家庭用品について、有害物質の含有量、溶出量又は発散量に関し、必要な基準が定められています。この基準の項目中には、基準及び有害物質の含有量等を測定するための公定の試験法が定められていますが、この施行規則は省令であることから、この内容を改正しようとした場合、手続に時間を要するため、試験法の変更など必要な改正を柔軟に行うことができないといった問題点が指摘されています。また、この施行規則は定められた時期も古く、分析技術の進歩や、分析に必要な試薬や器具などが入手困難になる可能性も指摘されています。
 このため、今回の改正は、施行規則別表第一の「基準」の表の簡略化を行い、省令には基準のみを規定し、公定の試験法については別途定める通知に移行させるというものです。具体的な基準の項目の見直し内容については、資料の「2.改正(案)」の表のとおりとしたいと考えています。なお、改正時期ですが、令和3年度の冬に公布し、公布の1年後の施行を考えています。
 次に、資料2-2、家庭用品中の有害物質試験法(案)を御覧ください。この試験法ですが、このように別途通知により、試験法通知としてお示しすることになります。なお、この資料2-2の記載中において、新たに追加した記述には下線を、削除される記述には抹消線を引いてあります。また、今後この試験法通知を改正する際には、家庭用品安全対策調査会の意見を聴取し、パブリックコメントの実施を行った上で改正し、試験法の内容については厚生労働省のウェブサイト等で公表することといたします。
 次に、資料2-3、防虫剤及び溶剤を含有する家庭用品の試験法の改正について(案)を御覧ください。この4,6-ジクロル-7-(2,4,5-トリクロルフエノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール(別名「DTTB」)及びヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエキソジメタノナフタリン(別名「ディルドリン」)は、防虫剤として繊維製品等に用いられています。これらの防虫剤ですが、DTTBにつきましては、経皮及び経口毒性が極めて強く肝障害を引き起こすとの報告がございます。また、ディルドリンにつきましては、経皮吸収され体内蓄積する可能性があるとの報告がございます。いずれも家庭用品規制法に基づき、皮膚に直接接触するおしめカバー等の繊維製品等の家庭用品に規制基準が制定されています。
 また、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン及びメタノールは、溶剤として家庭用エアゾール製品等に用いられています。これらの溶剤ですが、テトラクロロエチレン及びトリクロロエチレンにつきましては、継続的に人体に吸入された場合には体内蓄積し、肝障害又は腎障害等を起こすおそれがあるとの報告がございます。メタノールについては、視神経障害等の毒性を有していることから、特にエアゾール製品として使用された場合、経気道吸収されやすいとの報告があることから、同じように家庭用品規制法に基づき、家庭用エアゾール製品等の家庭用品に規制基準が定められています。
 今回、これら防虫剤(DTTB及びディルドリン)及び溶剤(テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン及びメタノール)について、既存の試験法の問題点に対応した試験法がまとまりましたので、改正を行いたいと考えています。
 具体的な変更点を御説明します。参考資料5、改正試験法の概要図を御覧ください。こちらに記載がありますとおり、防虫剤としましては、現行法ではDTTB及びディルドリンの試験法は個別に規定されていましたが、今般開発した試験法では、塩酸-メタノールによる還流抽出及び強陽イオン交換カラムを用いた精製操作によってGC-MS分析等の夾雑物質を除去するように、両物質の抽出及び精製過程を統一し、効率化を図っています。また、現行法では、DTTBの誘導体化(メチル化)に、有害な試薬であるジメチル硫酸を使用していましたが、今般開発した試験法では、安全な試薬であるトリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシドを代わりに用い、より簡便な操作で、安全に誘導体化を図れるようにいたしました。
 続きまして、溶剤につきましての御説明をいたします。テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン及びメタノール含有製品の溶解用溶媒として乳酸エチルを用いて、試料調製方法を統一し効率化を図りました。また、注入量を1mLとし、1種類のキャピラリーカラムを用いてGC-MS分析をすることにより、精度の向上と煩雑さの解消を図りました。資料に関する説明は以上です。
 なお、今回の試験法改正につきましては、平成29年9月28日に開催された家庭用品安全対策調査会及び、同じく10月25日に開催された化学物質安全対策部会において、GCを用いて試験を実施している有害物質について、試験法の見直しを順次検討したものであり、令和3年10月14日に開催された家庭用品安全対策調査会において御了承を頂いています。なお、繰り返しになりますが、今回の改正は基準の基準値と試験法を分けたものであり、改正試験法を示した項目以外については試験法自体の変更をしていないことを申し添えます。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、家庭用品安全対策調査会の座長の五十嵐先生、何か御追加等はございますでしょうか。
○五十嵐委員 五十嵐です。10月の家庭用品安全対策調査会にて、本件について審議いたしました。調査会としましては事務局の提案内容を妥当と判断したところです。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、委員の皆様、御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。
 また書き方の話でして、すごく気になるのですが、一つは、資料2-1の2ページ目の下から二つ目の枠の所に「4,6-ジクロル-7-(2,4,5-トリクロルフエノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール」と書いてありますね。このDTTBの所は、実は非常に読みやすいのです。これは、数字の所は半角で書かれています。ほかが全角で書かれていまして、できれば、文字でなく記号とか数字が入る所は半角で書いていただいたほうが、多分皆さん、分かりやすいかなと思います。
 もう一つ、すごく気になっているのは、「2,4,5」とか、例えば「a」とか「b」という位置の番号を表すような記号がありますけれども、それが、要するに「ベンゾ[a]ピレン」とかの「a」とかは残っていますね。ところが、1位を表すパラはカタカナで大きく書かれて、その後にハイフンがロングハイフンで入っているので、これは「パラー」かと思ってしまうのです。何だろうなと思いまして、すごく分かりにくいのです。これも過去の法律上でどう使われているかとか、多分そういうことがあるのだと思いますけれども、せめて半角、全角ぐらいを使い分けていただけると、普通に正しく読めるかなと。また、今の日本薬局方ですと、パラは使わなくて、ナンバーリングで入れますけれども、そういうような記号の所は、全て日本語で「パラ」と訳させることはないのです。「p」で残してしまいます。ですから、その辺のところについて、今後のことも含めてうまく対応すれば、いわゆる化学の常識で使っている部分と、こういう日本語訳をすることの矛盾が少しでも解消できるかなということを、ケミストとして私はここで思っています。
 ほかに何かございますか。皆さん、よろしいですか。では、本日御審議いただきました施行規則別表第一の「基準」の表の見直しを行い、有害物質の含有量等を測定するための公定の試験法を別途定める通知に移行させ、基準のみに簡略化した形で規定する改正及び、防虫剤及び溶剤を含有する家庭用品の試験法を改正する方針について、このとおり進めるということで、皆様、よろしいですね。
 御異議なく、御了承いただいたものと判断させていただきます。事務局から、今後の手続について御説明をお願いいたします。
○事務局 本日、御審議、御了承いただきました内容につきましては、薬事分科会の規定に従って、次回の薬事分科会で報告させていただきます。また、パブリックコメント等の所定の手続を経た上で、省令改正等を行う予定です。
○合田部会長 ありがとうございます。本日の審議事項は以上になります。
 続いて、報告事項となります。一つ目の報告事項は化審法の審査状況です。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項について御説明いたします。化審法に基づく審査状況につきまして、資料4と参考資料7を御覧ください。本資料では、令和元年9月(第5回)以降の薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会における化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づき行われた新規化学物質、一般化学物質、優先評価化学物質及びその他物質の審査状況をまとめています。なお、令和元年7月(第4回)の会議までの審査状況につきましては、令和元年8月までに開催されました化学物質安全対策部会にて報告しています。
 まず、新規化学物質に係る審査状況について御説明いたします。事業者が新規化学物質を製造又は輸入する場合は、事前に人健康影響、生態影響、分解性、蓄積性について審査を行うこととなっています。厚生労働省では、化学物質調査会において新規化学物質の人健康影響に関して審査を行っています。1ページ目に記載しているのは、調査会にて審査された新規化学物質数と、そのうち特定新規化学物質相当と判定された物質の数を表にまとめたものです。
 なお、特定新規化学物質という区分は、平成29年の化審法改正において新たに設けられた区分でして、環境排出量が少ないために優先評価化学物質には該当しませんが、著しく毒性が強い物質の不用意な環境排出を防止するために設けられた区分になります。約2年間で505物質の審査を化学物質調査会にて実施したうち、特定新規化学物質相当と判定された物質は10物質ございました。
 続きまして、次のページにスクリーニング評価とリスク評価に関して表でお示ししています。まず、リスク評価の流れについて御説明いたします。参考資料7を御覧ください。一般化学物質が約2万8,000物質ございまして、そのうち経済産業省に製造や輸入に係る届出が必要な化学物質が約1万3,000物質ございます。そのうち、スクリーニング評価を行って、相当程度環境中に残留し、人、動植物への毒性について明らかではないと評価されたものについては、優先評価化学物質に指定されます。また、優先評価化学物質に指定された化学物質についてはリスク評価を行い、蓄積性は示さないものの、難分解性で環境中に残存し、人の健康や動植物の生息、成育にリスクがあると評価されたものについては、第二種特定化学物質に指定されるといった流れになります。
 資料4に戻っていただき、2ページ目を御覧ください。一般化学物質のスクリーニング評価の実施状況につきまして、人健康影響及び生態影響の観点で、毎年300~350前後の物質のスクリーニング評価等を行っており、その結果、人健康影響の観点から5物質、生態影響の観点から7物質が優先評価化学物質相当と判定されています。
 3ページ目に記載の資料4の別紙1には、令和2年度及び令和3年度に優先評価化学物質に指定された物質の一覧等を掲載しています。資料4の2ページ目で、優先評価化学物質の人健康に係るリスク評価(一次)評価II等の実施状況に関する表を御覧ください。人健康の観点から、優先評価化学物質に指定されている4物質について、リスク評価(一次)評価IIを行っています。リスク評価に係る概要は、別紙2~4として4ページ目以降に記載しています。化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況に関する御報告は以上となります。
○合田部会長 ありがとうございます。ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等がございますでしょうか。皆様、よろしいですか。それでは、特に問題ないようですので、次の報告事項、化管法ですけれども、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、報告事項の2点目として、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令の概要について、御説明させていただきます。法律の名称が長いため、以降は「化管法」と省略いたします。
 資料5を御覧ください。まず、改正の概要を申し上げますと、化管法施行令で定めることとされている第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質につきまして、指定する物質を見直し、環境省、経済産業省、厚生労働省の審議会の答申を踏まえて、第一種指定化学物質は462物質から515物質へ、第二種指定化学物質は100物質から134物質へと改正いたしました。本年10月15日に閣議決定がなされ、10月20日に公布済みであることを御報告申し上げます。施行は令和5年4月1日を予定しております。化管法制度概要につきましては、2ページの(参考1)若しくは参考資料8にお示しするとおりですので御参照ください。
 1ページに戻りまして、今回、本件について御報告申し上げることとなった背景としまして、審議会答申からの変更がございましたので御説明申し上げます。指定の対象となる物質につきましては、令和2年8月の答申に基づき作成した改正政令案に対するパブリックコメントを受けまして、脂肪酸塩の2物質の指定を見送ることになったほか、有害性や構造が類似している物質をまとめて指定いたしました。そのため、答申の際に掲げた指定候補物質の数と政令改正に伴い指定した数が異なります。また、パブリックコメントを受けて物質名称の表記の見直しも行ったことから、改正前の物質や政令案に追加した物質の一部の表記を変更いたしましたが、この変更は答申内容の変更を伴うものではございません。パブリックコメントへの回答は、10月15日にe-Govパブリック・コメントのサイトにて公表しており、頂いた御意見の内容とともに、本日簡単に御説明した内容の詳細を御確認いただくことができます。改正の経緯につきましては、2ページの(参考2)にお示しするとおりですので御参照ください。化管法政令改正の概要についての御報告は以上となります。
○合田部会長 ありがとうございます。ただいまの内容につきまして御意見等はございますでしょうか。委員の皆様、よろしいですか。それでは、本日の議題は以上です。ほかに事務局から何かございますか。
○事務局 特段ございません。次回の開催については、日程調整の上、御連絡させていただきます。
○合田部会長 それでは、以上をもちまして、本日の化学物質安全対策部会を終了といたします。委員の先生方協力ありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

化学物質安全対策室 室長補佐 大井(内線2910)