第112回労働政策審議会障害者雇用分科会(議事録)

日時

令和3年12月1日(水)13:00~15:00

場所

オンラインによる開催(厚生労働省職業安定局第1・2会議室)

議事

○山川分科会長 定刻になりましたので、ただいまから、第112回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催します。委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして、大変ありがとうございます。
本日は、中川委員、長谷川委員、塩野委員、新田委員、小西委員、下屋敷委員が御欠席です。新田委員の代理として、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部上席主幹の原田豪様、小西委員の代理として、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常務理事兼事務局長の菊地通雄様、下屋敷委員の代理として、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会事務局長の小幡恭弘様に、それぞれお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。それから、田中職業安定局長は、所用のため途中で御退席と伺っております。
本日の分科会も、Zoomによるオンライン開催となりますので、事務局から御説明をお願いします。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課課長補佐の小林です。
本日も、Zoomを使ったオンライン会議となっております。開催に当たり、簡単ではありますが、操作方法のポイントを御説明させていただきます。本日、進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際には、サービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、分科会長の許可があった後にマイクをオンにして、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。会議進行中、トラブルがありましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡を頂きますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とさせていただくこともありますので、あらかじめ御容赦くださいますようお願いいたします。オンライン会議に係る説明については以上です。
○山川分科会長 それでは、議事に入ります。頭撮りの方がおられましたら、ここまでとなっております。
本日の議題は、(1)今後の障害者雇用対策の検討のスケジュールについて、(2)障害者雇用と福祉の連携の促進について、(3)がその他となっております。本日は、議題(1)及び(2)の関係で、社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課の日髙課長補佐に御出席いただきます。では、議題(1)について事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。
それでは議題(1)について、資料1に基づいて御説明いたします。「今後の検討スケジュールについて(案)」としております。前回の当分科会におきまして、今後、優先的に主に議論をしていく項目について、論点を御承認いただいたところです。それについて、今後のスケジュールを、さらに具体的に、共有できればと思っております。
当分科会については、本日の回において、障害者雇用と福祉の連携の促進第1回目として、アセスメントをテーマにして御意見を頂きたいと思っております。その後、年明け1月以降におきましても、おおむね月1回のペースで開催をさせていただきまして、障害者雇用と福祉の連携の促進の2回目として、専門人材の部分を御議論いただきたいと思っております。併せて、在宅就業支援につきましても、1月にお諮りをしたいと思っております。
また、2月は中小企業における障害者雇用の促進ということで、事業協同組合等算定特例制度、それから、その特区措置としているLLPの取扱いについて、お諮りをしたいと思っております。また、長期継続雇用の評価、あるいは納付金制度の在り方を、議題として設定しておりますが、納付金制度の在り方については、まず、現状の運用状況などデータ類を共有させていただきまして、納付金制度自体は、雇用義務と納付義務の隙間の問題、あるいは調整金等の上限設定の問題、また財政運営上の調整機能の問題などの幾つかのテーマについて、準備が整ったものから議論をスタートするということで考えております。
それから、3月には障害者の範囲の2回目として、前回、御議論いただきました精神障害者とも多少関連しますが、障害者手帳を持っておられない、例えば、難病あるいは発達障害といった方々の評価、あるいは労働時間が週20時間未満の方々の取扱い、幾つかテーマがあったかと思いますが、こちらも準備が整ったものから議論をさせていただきたいと思っております。そして、4月以降は引き続き議論となっております。
今、申し上げました平成25年改正以降、これまで積み残しの課題となっております部分と併せまして、新たな大きなテーマとして雇用と福祉の連携というテーマがあります。それについては、社会保障審議会障害者部会での議論との連携になります。障害者部会は、12月に児童福祉法との関係で、中間取りまとめを一旦なされると聞いておりますが、就労部分については、1月以降も引き続き議論が行われていくという中で、当分科会の進捗を併せまして、来年5月以降、議論をし尽くした形での取りまとめを目指していきたいと考えております。当面のスケジュールについては以上です。よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 ありがとうございました。それでは、質疑応答に入りたいと思います。
御質問、御意見等がありましたら、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、こちらで指名させていただいた後、聴覚・視覚障害者の皆様への情報保障の観点から、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。では、御質問、御意見等ありますか。原田様、お願いします。
○原田代理 ありがとうございます。経団連、新田の代理の原田と申します。1点、事務局への確認と意見を申し上げたいと思います。今回、資料1で令和4年5月以降に議論を取りまとめるスケジュールが示されました。本分科会では雇用率制度の在り方など、法改正を念頭に置いた議論が進められています。その取りまとめの内容によっては、障害者雇用促進法などの改正法案が国会へ提出される可能性があると理解をしております。
他方、法定雇用率については、少なくとも5年ごとに見直すとされておりまして、次の見直しは令和5年度の引き上げが想定されます。そして、その審議は令和4年度中に行われる見通しと存じております。本日、示されたスケジュールを踏まえますと、この次の引き上げの審議は、現行の雇用率制度の下で行われるということになるのでしょうか。この点、事務局に確認をお願いしたいと思います。
○山川分科会長 それでは、まず、御質問ですので事務局からお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。現時点におきましては、今、お示ししたスケジュールの下で、議論を尽くしていくということかと思っております。その結果として、一定の結論として法律に反映するということになれば、それはそれで、その前提に立った法定雇用率の算定ということになってくると思います。現時点においては、少なくとも確定的なことは申し上げることはできませんが、事務局としては、議論が円滑に進むように努めてまいりたいと考えております。以上です。
○山川分科会長 原田様、よろしいでしょうか、ほかに御意見もおありだと先ほど伺いましたけれども。
○原田代理 ありがとうございます。経団連の原田です。本分科会では、雇用率制度、納付金制度などの見直しについて、委員の皆様が、真摯に議論を積み重ねていただいております。こうした中、次の雇用率の引き上げの審議を現行制度のまま行うことは適切ではないと考えております。
振り返りますと、前回、令和元年の障害者雇用促進法の改正は、その前年の公的部門の問題によって、民間部門の課題が十分に議論されませんでした。結果として、民間部門における障害者雇用の課題が長期にわたって改善されていない状況を招いています。使用者側としましては、本分科会での現在の審議の結果を反映した雇用率制度の下で、次の雇用率引き上げに関する審議を行うべきと考えております。
少なくとも、次の雇用率の引き上げまでに、本分科会での審議を踏まえ、法改正を必要としない運用の改善は実施していただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。
○山川分科会長 御意見ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。特段なければ、次の議題(2)に移らせていただきたいと思います。では、議題(2)について事務局から説明をお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。それでは、資料2に基づき、障害者雇用と福祉の連携の促進について御説明申し上げます。今回は、先ほど申し上げたように、障害者のニーズの把握と就労能力や適性の評価の在り方、いわゆるアセスメントについて御意見を頂戴したいと思っております。本テーマについては、一昨年から「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」において、今後の方向性として議論がなされてきた中での1つの大きなテーマになっています。
資料の2ページを御覧ください。障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会においては、アセスメントについて、現状十分に行われていないということで、障害者の方が、適切なサービスあるいは支援を選択するということがなされていないのではないかといった課題認識の下で議論が行われております。この中で、福祉については、実効ある形での再構築ということ、職業リハビリテーション、特にハローワークの運用については、実効ある形での運用強化ということが結論付けられています。本日は、ハローワークにおいての運用強化に係る部分を御説明申し上げて、御意見を頂ければと思っております。
先に、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会での議論について振り返りたいと思います。資料の4ページを御覧ください。資料の4ページ以降、「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会報告書」を抜粋しております。まず、4ページの課題の部分です。現在、福祉施策・雇用施策、それぞれの現場においてアセスメントは実施されているものの、個々の現場の職員の判断に任せられているのではないか、その結果、障害者御本人の就労能力や、一般就労の可能性について十分に把握できず、実は挑戦できる方も挑戦できていないのではないかといった、適切なサービス、支援に繋げられていない現状について御指摘がありました。ハローワークにおいても、来所した障害求職者に対して広くアセスメントを行っていますが、必ずしも統一的、標準的には行われておらず、求職活動の支援開始に当たって、十分なアセスメントが行われていないのではないかといった現状の課題分析がありました。
その中で議論が進み、アセスメントの在り方の方向性として得た結論は、将来的には地域で働こうという障害者の方に対して、福祉か雇用かということに関わらず、働くということをもって「共通の枠組み」でアセスメントが行われていく形が望ましかろうということと、一方で、現状において福祉・雇用、それぞれにおいて実行されているアセスメントの枠組みがありますので、まずは、福祉は福祉、雇用は雇用として、アセスメントの仕組みをより実効あるものとして、再構築又は機能の強化を図っていってはどうかといったことです。
5ページです。障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会では、改めてアセスメントの目的についても確認を行っております。まず、アセスメントというのは、御本人のニーズが最も大事ですが、雇用・福祉のジョイント部分での議論でしたので、一般就労の実現に向けてということを目的として行われていきます。御本人の能力だけではなくて、環境面での配慮、何が必要かといったことを明らかにすることの重要性についても御指摘を受けております。アセスメントの結果については、御本人と共有することで、御本人の自己理解を深めていく一助にもなるのではないかといった御指摘や、繰り返し御指摘があったところですが、アセスメントを通じて一方的に決め付けてしまったり、あるいは振り分けといったことにつながらないように留意する必要があるという御指摘を頂いております。このアセスメントについては、できる限り対象を広くして行われることが適当であろうということです。
6ページに移ります。アセスメントの結果の活用ということで、特にハローワークでは、職業経験を積んでいない、例えば、特別支援学校を卒業して初めてお仕事に就く方を中心に行ってはどうかということから議論がスタートしましたが、最終的には中途障害後、初めて働く方や職業経験はあるもののブランクが長い方、あるいは離転職を繰り返している方ということでの例示がなされて、一般的に言うと、ハローワークの利用者全体を網羅するような形かと考えています。
留意点として、アセスメントには標準的なツールを活用するということが重要ではないかという中で、今回の資料2の15ページにもお示ししておりますが、現行、特に就労アセスメントで使われている標準的なツールとして、チェックリストというものがあります。これは高齢・障害・求職者雇用支援機構で開発がなされて運用されておりますけれども、本ツールについては10年来、改定がなされていません。その間、精神障害者の方が大変増えており、アセスメントの観点も徐々に変わるべきではないかという状況がありますので、今、改定の作業を進めていただいております。このチェックリストが改定された暁には、これを1つの標準的なツールとして、国としてもお示ししていきたいと考えています。
例えば、ケース会議等を活用したり、あるいはサービスの開始時点でアセスメントを行うということを比較的重点的に議論したところですが、サービスを開始した以降、あるいは支援がスタートした以降についても、引き続きアセスメントを実施していくことが望ましいというような御指摘を頂いております。
福祉分野で行われるアセスメントについても、雇用・福祉連携という観点に立てば、例えば地域障害者職業センターのノウハウを生かして助言していくといったこともあり得るだろうという御指摘や、アセスメント自体の質を高めるには、人材の能力、スキルというのを高めていくということも重要な視点ですので、人材育成確保についても、併せて検討する必要性について御指摘いただいております。この点については、ワーキンググループ2で、専門人材の育成確保について議論したという経緯があります。
戻っていただいて、論点の2ページを御覧ください。こうした障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会での方向性も踏まえて、私どもとしてハローワークの運用強化について、以下、水色の四角の中に書いてあるような形で整理をいたしました。ハローワークにおいては、個々の職員やハローワークの体制の様々な状況によって濃淡はあるものの、一定のアセスメントが行われていると認識しております。ただ、その運用においては、個々の職員の判断や各所のやり方に任されている側面があることから、今回は、まずアセスメントの必要性の判断や考え方、実施方法について、標準的な形を改めて本省から現場に指示していきたいと思っております。また、地域障害者職業センターや、障害者就業・生活支援センターといった関係機関との連携についても、一定の考え方を改めて整理して示していきたいと考えています。
2つ目ですが、来所されて以降、ハローワークの中において職業指導、職業紹介といった一定のプロセスを経て御支援をしているわけですが、その間においても、その都度、ステージごとにアセスメントをしっかりと認識して実施していくということと、特に、今回新たな打ち出しとして、就職後の必要に応じての適宜アセスメントを実施するという点を強調していきたいと思っております。前回も御議論いただいたように、例えば、精神障害者の方で、当初は短時間からスタートして、仕事に慣れた時点で職域を広げる、あるいは労働時間を延ばしていくといった御意向をお持ちの方については、そのニーズの実現に向けて、第三者機関としてハローワークがしっかりそこに入り込んでいって、どういったことができるか、御助言していく必要性の御指摘をいただいており、これを私どもハローワークで担保していきたいと御説明申し上げたところです。このように、就職後のモニタリング的な対応については、行政が行うということが最も重要であると考えておりますので、定着やキャリアアップに向けて、何が必要なのかを、障害者、事業主双方にきちんと助言していくということを新たな枠組みとして仕組んでいきたいと考えております。
また、障害福祉サービスのほうで、「新たな就労アセスメント」ということを再構築していくと聞いておりますので、この「新たな就労アセスメント」を受けて、企業にチャレンジしていこうという方がいた場合には、福祉のほうで行われたアセスメント結果も踏まえて、ハローワークで円滑に支援を引き継いでいくといったことを行ってはどうかと考えております。それから、地域障害者職業センター等のノウハウについて、「新たな就労アセスメント」を含む障害福祉サービスに対しても様々提供していくことをもって、雇用と福祉の連携を図っていってはどうかと考えています。
3ページを御覧ください。今申し上げた考え方に基づき、ハローワークにおける支援の中でのアセスメントの位置付けを整理しております。現状が黒字、拡充していくものが赤字というように記載しておりますが、冒頭に申し上げたように、ハローワークは544か所もあり、また、それぞれの所内の体制、職員の配置等により濃淡はあるものの、赤字の拡充の部分も含めて、現状において十分対応している所もあるかもしれませんが、一旦、標準的な対応ぶりとして整理し直すということでまとめています。まず、来所時点においては、求職登録を経る段階で求職者の情報の収集を行っております。この点については、現場の状況は、支援するというスタンスで就労する上での必要な配慮の把握、あるいは困難性の評価に重点が置かれがちですが、改めて今後は、本人の強みの評価をしっかりと認識した上で行っていく、いわゆるストレングスの把握を心掛けるように、運用を仕組んでいきたいと思っております。
こうした来所時のアセスメントを経て、どういった支援を行っていくのかという見立てをするわけですが、この点についても個々の職員の判断に任されている現状がありますので、一定の基準や考え方を整理して、組織的にその見立てが正しいのか、適当なのかを再評価していくような運用上の仕組みづくりについても考えていきたいと思っております。
こうした見立ての下に支援がスタートしていくわけですが、ここからのアセスメントについて整理しております。まず、この段階で就職準備ができている求職者向けについてです。こういった方については、利用者としては多くはないかと思いますが、御自身で求人等も選択して御相談に見えるケースがあると思います。そのような場合において、現状は求人の内容、求められるものと本人のスキル、経験などを踏まえて、その適合性を評価し、職業紹介をしているという流れになろうかと思います。この点について、今後は、求人、本人の適合性、ギャップを確認するだけではなくて、具体的に就職をしていく企業が明確になっているわけですので、就職実現を果たし、また定着していく上で、どういった環境面での配慮が必要になるのかをしっかりと意識して、必要な支援を見立てた上で、双方にお伝えしていくといったことを改めて運用上、現場に対して指導していきたいと思っております。
次に、それ以外の就職準備ができていない、比較的困難性が高い方たちについてです。支援機関を利用している方については、現状も必要な連携を図っておりますが、アセスメントという視点においても、関係機関で行われているものがある場合には、その内容の摺合せを行う等、一層の連携を図ってまいります。ハローワークで全てを担っていくということは、人材配置の制限もあり、なかなか難しかろうということで、支援機関にお任せできる部分はお任せした上で、連携強化を図って効率的、効果的に運用していくという視点も持っていこうと思っております。併せて、精神・発達障害者の方については、現在トータルサポーターという専門性の高い相談員を配置しております。この方たちは、面談などによる評価だけではなく、就労パスポートやMSFASといったようなアセスメントツールを活用して、所内においても一歩専門性の高いアセスメントを行っております。こういったノウハウを所内で共有して、他の職員についても一層高いレベルでアセスメントをやっていけるような形を仕組んでみてはどうかと思っております。
こうしたことで、所内のトータルサポーターのノウハウ共有に向けて、所内研修を実施するということもあり得ますし、障害者の職業相談を行う職員については、中央研修所である労働大学校で専門研修を行っていますので、その専門研修の中においても、こういったアセスメントの認識や手法、見立てなどについて、講義や演習等を新たに組み込んで、質の向上を図っていきたいと考えております。こういった相談プロセスが行われていく中においても、一定期間ごとにモニタリング的なアセスメントを行い、組織的に現在のプロセスの妥当性について評価していくといったことも考えてはどうかと思っております。
最後に、就職後のモニタリング、この部分が、一番運用上の強化に当たる部分かと思っております。現状は、定着の把握ということが比較的主眼にあり、就職時点で一定の課題のある方について、一定期間後に定着状況の把握等、それを通じたアドバイス、支援を行っております。今後は、先ほども御説明したように、御本人の就職時点での様々なニーズを把握しておいて、一定の方については、適時アセスメントを行って、業務の範囲や勤務時間の拡大等のキャリアアップを図っていく上で必要となってくる配慮、支援について、障害者本人、雇用主双方に対して御助言をしていくといった形を改めて仕組んでいきたいと考えています。今、御説明申し上げたとおり、一定の標準化を図っていくということで運用の整理をしたいということと、就職後のモニタリングについては、行政機関として最も担うべき部分かと思いますので、併せてこの辺りを強化していくという方向性で考えていきたいと思っております。
なお、御参考ですが、16ページを御覧ください。これは、第118回社会保障審議会障害者部会で障害福祉課から提出された資料です。新たな就労アセスメントのイメージとして、現状は就労継続支援B型、A型、就労移行支援という3つのサービスにつなげるべく、それぞれにおいて就労アセスメント、あるいは暫定支給決定といったことを行うわけですが、そういった3つのアセスメントの仕組みに分かれる前に、新たな就労アセスメントということで、一元化した形での新しい枠組みを検討していると聞いています。この結果、例えばサービス等利用計画案の作成に向かわずに企業への就業にチャレンジしていくということになれば、先ほど申し上げたように、ここでのアセスメント結果を我々ハローワークにも引き継がせていただいて、円滑に支援を続けていくといった形で考えていったらどうかと思っております。事務局の説明は以上です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○山川分科会長 それでは、以上の点について質疑応答に入りたいと思います。御質問、御意見等がありましたら、先ほど申し上げたような方法で「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、御発言をお願いいたします。御質問、御意見等はございますでしょうか。内田委員、どうぞ。
○内田委員 労働者側の内田です。障害者のニーズの把握と就労能力や適切な評価の在り方について発言させていただきます。
将来的に、雇用と福祉それぞれのサービス等を選択決定するに当たって、雇用と福祉の双方が連携を強化し、共通の枠組みを構築して、障害者本人の希望に沿った就労や支援につなげるアセスメントを実施していくことが重要だと認識しております。
その共通のアセスメントの仕組みを用いて、就労を希望する障害者が必要な支援を受けて、一般就労することや、一般就労が可能な障害者が何らかの理由で一般就労に移行できない実態があれば、課題を解決し、一般就労への移行を促進していくことが重要と考えます。同時に、障害種別や程度、個々の事情等は様々でありますので、福祉的就労の選択ができることも、また重要であると思っております。
一方、アセスメントの実施に当たっては、雇用と福祉の連携を強化しつつも、今後、難病や発達障害などの対象障害者の範囲の議論にも関連して、障害特性によっては、必要に応じて、アセスメントの中に産業医などの視点を踏まえることも必要ではないかと考えております。私からは以上です。
○山川分科会長 次に、山内委員、どうぞ。
○山内委員 使用者側の山内です。私からは意見と質問をしたいと思います。
まず、検討会の報告書ですが、非常に実態を反映した内容になっておりますので、我々の気付きにもつながりますし、アセスメントをよりよきものにしていく、先ほど小野寺課長がおっしゃったように、そこにつなげていくのに非常に有効な内容であると思いました。
そこで意見なのですが、報告書の内容を拝見する限り、実際の労働者の方、あるいはそれにまつわる職員の方々の意見等を反映しているような気がします。使用者側の意見として、例えばこのアセスメントというのは、採用のプロセスで言えば、いわゆる履歴書と面談調書のようなもので、先ほどの配慮事項だけでなくて、本人の強みであるとか、どういうところを伸ばしていけばいいのかということが記載されていると、使用者側もミスマッチなく定着化に向けた育成ができるかと思います。意見としては以上です。
質問が1件ございます。このアセスメントの結果を、実際に使用者側に開示する、当然ながら機微な情報は必要ないのですが、本人を伸ばしていく、定着化するために必要な情報を使用者側と共有していくことは可能かどうかということを伺いたいと思います。以上です。
○山川分科会長 御意見を伺って、御質問がありましたので、事務局からいかがでしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。御質問ありがとうございました。企業との情報の共有が、定着に向けて必要な支援体制などを仕組んでいただく、あるいはキャリアアップに向けた様々な取組を企業側に実施いただく上でも大変重要だと思いますので、今の御指摘は大変有り難くお聞きしておりました。
その上で申し上げますと、まず、アセスメント自体は様々な観点で行われておりますので、何か一覧になったものをお渡しするということは考えられないのかと思います。その上で、1つフォーマットとして共通しているものが、就労パスポートというものです。これはまだまだお使いいただいていない企業もあるのかと思いますけれども、正にこれが御本人の強みや、どういった配慮があると能力を発揮できるかといったことが共通のフォーマットで整理されているものです。この就労パスポートを作成することで御本人自身が自分の強みを認識したり、あるいは支援する関係者が共通の視点で支援をしていくことが可能になっていますので、これについては積極的に企業の皆様との共有を図っていきたいと思います。
また、就労パスポートのみならず、職業相談、職業指導の中で積み重ねられているアセスメントの結果についても、先ほど少しご紹介したように、就職を果たされる時点において、企業の皆様にもしっかりとお伝えし、企業の中でも引き続き支援や強みをいかす取組を行っていただけるよう、情報共有を図らせていただきたいと思っています。この辺は、現場の職員の認識も更に強めて対応を強化していきたいと思います。以上でございます。
○山川分科会長 山内委員、何かございますか。
○山内委員 山内です。ありがとうございました。正に先ほど小野寺課長がおっしゃった、標準的な形を志向することと就職後のモニタリング、この2つをより良いものにするために、是非、今おっしゃっていただいたことを実現していただけると有り難いと思いました。以上でございます。
○山川分科会長 では、続きまして山口委員、お願いいたします。
○山口委員 使用者代表の愛知県中小企業団体中央会の山口と申します。私からの意見としまして、長期継続雇用の障害者が高齢になって、保護者がいなくなり天涯孤独となるようなケースが当社でも発生しています。そうした場合は生活支援が必須になると思います。このような加齢に伴う環境変化に対しての支援の在り方は、障害当事者のみならず、企業の雇用環境の整備にもかかわることであり、十分な検討を行うことが必要だと思います。私からの意見は以上です。
○山川分科会長 雇用と生活面での支援との関連についてのご指摘と受け止めております。
続きまして冨高委員、どうぞ。
○冨高委員 連合の冨高でございます。資料2の論点に関連して、ハローワークにおけるアセスメントの現状と今後について発言いたします。
今後、就労を希望する障害者の方が就労するに当たって、ハローワークを中心とした就職後も含めた支援の強化、また、共通の基準を設けての丁寧なアセスメントを行っていくことによって、障害を持つ求職者本人の強みをいかしながら、就職実現や職場定着、キャリアアップなどにつなげていただきたいと思いますし、期待しております。
また、その取組を進めるに当たり、関係者間の連携において、雇用と福祉の連携の意義を踏まえたアセスメント実施の必要性や方向性について、摺合せつつ、共通認識をしっかりと持ちながら進めることが重要だと考えております。
そのためには、ハローワーク職員等の専門性の向上とか内外の組織的な連携が非常に重要であり、また、実効性を高めるためにも研修体系の充実や人員確保も重要だと思いますので、体制整備・強化を是非図っていただければと考えております。以上です。
○山川分科会長 続いて影山委員、お願いします。
○影山委員 横浜市大の影山でございます。まず、意見が2点ございます。このような標準的なツールは非常に重要だと思っています。その上で1点目です。共通のアセスメント項目に加えて、地域などで独自に設定できる項目があるフォーマットにしていただけるとよろしいのではないかと思います。
その趣旨を簡単に解説しておくと伝わりやすいと思うのですが、中小企業の事例なのですが、定着につながるようなマッチングがうまくいっている事例を見ると、就労支援組織の職員の方や特別支援学校の先生が企業に出向いて、どのようなスキルが必要かを具体的に体験して技能教育に反映させてみたり、企業が特別支援学校などに出向いて具体的にスキルを教えたりしている事例が見られます。この類推で申し上げますと、マッチングにつながるようにアセスメント項目を地域独自に設定できる書式にしてもよろしいのではないかという気がいたします。
2点目でございます。2ページの就職後に適時アセスメントするという点に関わるのですが、先ほどの山内委員の御質問にも少し関わってくると思うのですが、アセスメントツール自体を企業も使えるようにしてはいかがかなと思います。つまり、多くの障害者を雇用している企業や定着が非常によい傾向のある企業の場合、障害者のキャリア開発、キャリア形成を考えているケースが散見されます。障害者の方の強みや、そのレベルも変わっていく可能性があると考えられます。その際、アセスメントツールに近いものを運用している例もあることはあるのですが、健常者の方の場合と異なって、障害者は個別性が高いので、ツールを運用せずに、個々に状況を見て手探りで、更に就労生活支援センターなどのアドバイスを受けながら対応しているような場合が多いような気がいたします。そこで、このようなアセスメントツールを、就労支援側のアドバイスを受けつつ企業も使えるようにしていただけるとよろしいのではないかと思われます。以上でございます。
○山川分科会長 小幡様、どうぞ。
○小幡代理 下屋敷委員代理の小幡です。よろしくお願いいたします。大きく2点あります。1つは、就労定着を見据えた就職後のアセスメントをしていく際に、障害者当人からだけのアセスメントや評価、モニタリングにとどまらず、企業サイドからのアセスメントやモニタリングも是非位置付けられるような仕組みにしていただけないかと思っています。
というのは、企業体として採用いただいた後に、担当者が変わったことによって、その職場に居づらくなってしまうとか、同僚との関係性が崩れてしまうという例も少なくありません。企業体としては十分に配慮しているつもりであっても、現場で不具合が生じやすいという事例もありますので、是非、就労定着のところについては、アセスメントの在り方について、企業側が参加できるようにしていただきたいということがあります。
もう1つ、新たなアセスメントは、基本的に関係機関がケース会議等も行うということになっております。このケース会議をやるときに、全部の会議という話ではないのですが、当事者も参加し一緒に、自分の置かれている状況が各機関からどのように位置付けられているのかを、書面ではなくリアルな会議の中で分かる。会議で開示しながら蓄積していくような場面が設定できないのか関心があります。
また、ピアサポートがかなり注目されてきておりますが、ハローワーク職員や企業の職員、部署も、なかなか人材的に厳しいところがあれば、新たなアセスメントの際にも、ピアでの立場から関わっていただけるようなスタッフを設置し、定着後に、また同じ担当者がその話も継続しながら関わっていける。アセスメントごとやモニタリングごとに担当者が変わるというよりは、できれば継続性の持てるように、同じ担当者、当事者が向き合える仕組みも追求できるのであれば、検討の余地があるのではないかと考えております。よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 小原委員、お願いします。
○小原委員 大阪大学の小原です。偶然にも、今の小幡様の1つ目の意見と重なるのですが、アセスメントの情報を企業にと言うならば、仕事をし始めた後の企業の情報、すなわち働きぶりの状況をハローワークに返すようなことを作っておいたらマッチングはよくなると思います。ジョブマッチングにおいて、求職者の情報だけが拡大したら企業はいい人を採れるはずがなく、両方の情報が広がってマッチングはよくなると思いますので、労働者側だけの情報をより取れるようにということではなくて、更にそれを循環させて、ハローワークが次の仕事を紹介するときに、こういう人が行って、こういう定着をしたという情報があるほうがマッチングはよくなると思います。以上です。
○山川分科会長 清田委員、お願いします。
○清田委員 日本商工会議所の清田でございます。意見を申し上げます。今までの意見と重複するところもありますが、アセスメントの機能強化自体には非常に賛成であり、企業側にアセスメント結果が開示されるのであれば、受け入れる際に、この方にはこういう配慮をして、こういう場所で、こういう作業で能力を発揮してほしいといったことが、客観的に非常に分かりやすく、採用しやすくなるかと思います。
それから、受け入れた後でも、定着や企業での人事評価の際にも参考になると思います。
私自身も障害者採用を行っていた経験を踏まえると、企業によって業務内容や社内文化・風土が異なり、アセスメントの評価が一律的・表面的な数値で記載されていても、なかなかイメージが湧きづらいので、できれば具体的に、場面ごとに「こういう配慮が必要である」、「こういうことが得意だ」ということを記載いただくと、非常にイメージがしやすいと思います。
そういった意味でも、企業側でどういう作業が行われていて、どういう目標設定をされているのか、などにも踏み込みながら、作業性のみならず、対人コミュニケーションや性格上の特性なども具体的に評価・コメントをしていただくと、非常に有り難く、有効性の高いものになると感じています。以上です。
○山川分科会長 ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。
本日御欠席の中川委員、長谷川委員から、書面で御意見を頂いております。ここで読み上げさせていただきます。
まず、中川委員の御意見です。「アセスメントの在り方について。アセスメントをすべきものとして、報告書にあるように本人と環境の双方があるが、それぞれ就職前と就職後のアセスメントを考えれば、2かける2の4つのアセスメントが必要と考えられます。
検討会の報告書を見る限り、就職後における職場定着に必要な合理的配慮及び専門機関の支援に関するアセスメント機能が弱い印象を受けます。社会保障審議会障害者部会では、就労前の就労アセスメントの議論が中心とならざるを得ませんが、本分科会においては、就職後のアセスメントも同様に議論していくことが必要と考えます。
アセスメントの妥当性及び評価者間信頼性を担保するために、アセスメントツールの活用と開発が提案されていますが、ツールの活用においては注意が必要と思われます。特に、『チェックリスト』においては、それぞれの項目が完全にクリアできていないと、職業準備性が整っていないと判断され、結果として就職へのハードルを高めてしまうことが危惧される。また、『チェックリスト』や『就労困難性』という言葉を当事者が心理的にどう受け止めるかの検討も必要と考えます。
ハローワークにおけるアセスメント機能強化について。ハローワークのアセスメント機能を強化・充実させることは必要ですが、職員の負担増に対する対策が必要と思われます。現体制で新たな機能を担うことになれば、物理的及び能力的なキャパシティーを超えてしまい、結果として障害者職業センターなどの専門機関へのアセスメント目的の紹介が増えることになり、当事者にとり就職に至るまでの関門が増える結果となることが危惧されます」。以上が中川委員の御意見です。
続きまして、長谷川委員の御意見を読み上げます。「障害者のニーズの把握と就労能力や適性の評価(アセスメント)について、資料2で示された方向で進められることに、異論はありません。
ただ、このような形で支援をしていくことになると、ハローワークや支援機関(障害者職業・生活支援センターや地域障害者職業センター等)の業務が増えることが予想されます。
マンパワー不足とならないように、あるいは、形式的な対応とならないようにするためにも、予算措置などが確実になされることを期待します。
障害者手帳が、障害者の就労困難性を必ずしも反映していない現状がある中で、将来的には、障害者手帳ではなく、個々の就労困難性を測ることにより、雇用義務制度の対象としたり、ダブルカウントの対象とすることが望ましいと考えています。
今後、アセスメントの議論を深め、また、現場がアセスメントを実施していく中で、将来的に、『雇用義務制度の対象とするかどうかを判断する(就労困難性を測る)指標』の導入につなげることができるか、導入する場合にはどのような課題があるかなども、検討していただきたいと思います」。以上が長谷川委員の御意見です。
一当たり、書面も含めて御意見、御質問を頂きましたけれども、追加的に何かございますか。山口委員、どうぞ。
○山口委員 愛知県中小企業団体中央会の山口です。資料2の16ページにある「新たな就労アセスメントのイメージ」の検討の主な視点の3行目に、「一般就労に向けた見立てが可能な主体が担い手となる仕組み」とあります。この点について、障害者を実際に雇用している企業等の現場実態、企業側の様々な視点も十分に反映される形での検討を行っていただきたいと思います。これは社会保障審議会障害者部会での議論になるかとも思いますが、検討していただきたいと思います。以上です。
○山川分科会長 大谷委員、お願いします。
○大谷委員 育成会の大谷です。2点あります。アセスメントについての内容に含まれると思うのですが、以前からよく思うことなのですが、特別支援学校を卒業する前、一般就労する場合に、担当者がいろいろ探して就労に向けるのですが、実習等、高等部においての勉強の中で企業とマッチングしているものが少なすぎると。ですので、働く場所と合っていない授業があるということです。全部が全部とは言いませんけれども、ある程度一般就労が可能な方があれば、地域の企業との作業、そこに合った内容の実習だけでなく、定期的に1週間の実習を受けるという形ではなく、授業内でそういう学習も行えれば、もう少し定着率も上がるのではないかと思われます。
それと、辞めた方の意見に出てくるのが、「注意される」、「仕事が分からない」ということで、働く側からこういう意見が出て、雇っている側から出るのが、「怠ける」という言葉とかが出てくるのです。これはマッチングの問題で、怠けるというのは、怠けたくて怠けているのではなく、仕事が分からないという部分が出てきて、そこを怠けると捉えられてしまうということがあります。こういう部分の多くは、アセスメントが少なく、マッチングが上手にいっていない事例だと思いますので、この部分がもう少し上手にいけば、定着率も上がりますし、就労も安定してくるのではないかと思いますので、当事者の考えとして言わせていただきます。以上です。
○山川分科会長 倉知委員、お願いします。
○倉知委員 九州産業大学の倉知です。私は、この障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会のアセスメントのワーキンググループの座長をしていたものですから、皆様方の御意見を拝聴して、少し述べさせていただきたいと思います。
まず、このアセスメントというのは、働けるかどうかとか、そういう振分けをするものではなくて、支援の在り方を決める、つまり、「この障害のある方の状況を明らかにし、この方の希望を達成するためには、どのような環境が必要なのだろうか、これからどのような力を高めていけばよりそれを達成できるのだろうか」そういうことを考えるためのツールだということが1つです。ですから、本人側のアセスメントだけではなく、働きたいと思っている職場の環境のアセスメントなしではできないということになります。ですから、環境のアセスメントは本当に必要なことだと思っています。
ケア会議についても、このアセスメントそのものは本人が自分の状況を理解するためのものですから、当然ケア会議で本人がいないということはあり得ないし、本人のためにやる、本人に決めてもらうためにやるものだと考えています。このツールについても誰でも使えるものだと思っていますし、きちんと使うということが非常に大事なことではないかと思っています。
あと、ピアサポートのことです。これは私の意見ですが、ピアサポートスタッフの存在というのは、私もすごく大事だと思っています。ただ、アセスメントというところは結構専門的なことが入ってくるので、ここでピアサポートスタッフを活用することがいいこととは思えません。もっと別なところで、彼らが一番力を発揮できて、彼らのほうが活躍できるような場面で、彼らの力をお借りしたほうがいいのかなとは感じています。以上です。
○山川分科会長 これまで御意見、御質問を頂いた点についてのコメントも頂きました。ありがとうございます。
ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。基本的に、先ほど御説明いただいたような方針について、御異論はなかったように思われます。種々、今後の進め方について、例えば企業側の情報を提供すること、あるいは双方向的な連携について、有益な御提案、御示唆を頂いたと考えております。事務局から何かございますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。本日、多岐にわたった御意見を頂きまして大変ありがとうございました。本件につきましては、頂いた御意見を踏まえて、ハローワークの運用強化を考えてまいりたいと思っております。
特に、雇用と福祉連携の中での議論ということで、この議論をスタートしているわけでございますが、当然、今日の御意見にもありましたように、例えば学校教育、最終的には就職した企業の中など、障害者の方が職業人生を送っていく中で、様々ステージは変わります。その間において新しく評価しながら、その情報を、支援を引き継ぐ関係者に引き渡す、あるいは引き継いだ先での結果をフィードバックし、更にそれぞれの機関においてのアセスメントの機能が強化されていくということで、正に皆さんからの御指摘で改めて整理していただいたかと思っております。
我々としても、ハローワークからの送出しの際に、先ほど倉知委員からもありましたように、環境面での配慮をいろいろ御助言するに当たって、しっかりとアセスメントの結果をお伝えした上で、環境面では、どういう支援体制、どういう配慮が必要になってくるかということを、企業の皆様が具体的に考えられるような形の情報提供をしっかりとしなければならないと考えております。また、小原委員からのご意見にもあったように、企業のほうで活躍した際に、その結果としてのアセスメントをハローワークや支援側にフィードバックしていただくことで、更にハローワークでのマッチングの精度を高めていくという観点も大変重要と思った次第です。
併せて、今日の議論では特に触れておりませんが、前回御紹介している福祉サービスの併用という中では、企業での就業が難しくなったときに、福祉サイドにソフトランディングしていくという雇用から福祉への移行のタイミングを計る上でも、雇用期間中に企業においてその方のアセスメントが適時・適切に積み重なっていってこそ、いつのタイミングで、どういった形で別の環境を用意したほうがいいのかという判断の一助にもなると思います。企業の中において、もちろん今もやられている企業もたくさんあるかと思いますけれども、定期的にモニタリング的なアセスメントが行われる土壌を作っていく上でも、全体として、そのような重要性を認識いただく上でも、このアセスメントという考え方を関係者間で十分に認識を深めていく必要があるということで、本日頂きました御指摘を受け止めております。ありがとうございました。以上でございます。
○山川分科会長 議題2について、ほかに特段のお話はございますか。御意見等はございませんでしたら、最後に議題3について事務局から何かございますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。議題3については、本日は特にございません。
○山川分科会長 議題3については特にないということですので、本日の議論は終了となります。委員の皆様方から、特にございませんでしたら、本日の障害者雇用分科会は、これで終了させていただきたいと思います。事務局から連絡事項等はありますか。
○小林障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課課長補佐の小林でございます。次回の日程につきましては、来年1月下旬の開催を予定しております。詳細は、追って事務局より御連絡させていただきます。以上でございます。
○山川分科会長 それでは、今回はこれで終了させていただきます。お忙しい中、大変ありがとうございました。