薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和3年度第2回献血推進調査会議事録

日時

令和3年10月29日(金)15:00~17:00

開催形式

Web会議

出席者

出席委員(11名):五十音順、敬称略 ◎座長 ○座長代理

欠席委員(1名):敬称略

  • 田中 里沙

参考人:敬称略

  • 星山 孝男(一般社団法人日本血液製剤機構 代表理事常任理事)
  • 津田 昌重(日本血液製剤機構執行役員 経営戦略部長)
  • 谷口 平(株式会社ブリヂストン BSJP CSR・社会貢献推進課長)
  • 橋本 陽介(株式会社ブリヂストン ブリヂストン労働組合執行副委員長)
  • 田中 純子(広島大学 大学院医系科学研究科教授)

日本赤十字社:敬称略

  • 松田 由浩(血液事業本部 経営企画部次長)
  • 鹿野 千治(血液事業本部 経営企画部献血推進課長)

事務局:

  • 中谷 祐貴子(血液対策課長)
  • 菅原 高志(血液対策課長補佐)

議題

  1. 1.令和4年度献血推進に関する計画(案)について
  2. 2.新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた需給推計について
  3. 3.今後の広報のあり方について
  4. 4.自治体・企業における献血への取組の紹介
  5. 5.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

議事内容
○菅原血液対策課長補佐 :それでは、定刻となりましたので、ただいまより薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和3年度第2回献血推進調査会のWeb会議を開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。本日はお忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。この度、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。
本日の委員の出席状況ですが、田中里沙委員におかれましては、都合により御欠席です。また、吉田委員につきましては、15分ほど遅れて御参加との連絡を頂いております。また、本日は、日本赤十字社血液事業本部より、松田経営企画部次長、鹿野経営企画部献血推進課長に御出席いただいております。また、参考人として、一般社団法人日本血液製剤機構より、星山代表理事常務理事、津田執行役員経営戦略部長、また、株式会社ブリヂストンより、谷口BSJP CSR・社会貢献推進課長、橋本ブリヂストン労働組合中央執行副委員長、最後に、広島大学大学院医科学研究科 疾学・疾病制御学の田中教授に御出席いただいております。
次に、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き、御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いいたします。タブレット上に議事次第から参考資料までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。タブレットの使用方法につきましては、お手元の「ペーパーレス審議会タブレット操作説明書」を御覧いただき、御不明な点等ございましたら事務局までお声掛けください。
また、本日の調査会に際し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がございますので、御了承いただければと思います。それでは、間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、以降の進行を佐々木座長にお願いいたします。
 ○佐々木座長 :皆さん、こんにちは。今日は議題がいつもより大分多いということなので、早速始めさせていただきたいと思います。それでは、議題1「令和4年度献血推進に関する計画(案)について」、事務局から説明をお願いいたします。
 ○菅原血液対策課長補佐 :事務局でございます。それでは、議題1の「令和4年度献血推進に関する計画(案)について」、資料1-1から資料1-3を用いて御説明いたします。資料1-1は、令和4年度の献血推進に関する計画(案)についての概要です。1.趣旨です。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、血液法の第10条第1項の規定に基づき、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の献血の推進に関する計画を定めることとされております。このため、今般、令和4年度の献血推進に関する計画を定めるというものです。
2.内容です。血液法第10条第2項で、献血推進計画に記載する項目は定められております。まず、第1として、当該年度、今回は令和4年度になりますが、献血により確保する血液の目標量、第2は、その目標量を確保するために必要な措置に関する事項、第3は、その他献血推進に関する事項です。法定事項として、これらについて記載することとされております。
前回の調査会での御議論を踏まえ、令和4年度の献血の推進計画を定めるに当たり、今回の大きな変更点としましては、第2の事項、その目標量を確保するために必要な措置に関する事項において、採血所における新興・再興感染症対策の実施と、それに関する広報の強化を追記しております。
調査会後の手続ですが、献血推進計画は、血液事業部会で審議、薬事分科会にて報告するという整理となっております。最初に、この調査会で調査、審議いただいた後、血液事業部会における審議を得て、最終的に薬事分科会に報告していくという手続を踏みます。スケジュール的には来年の3月下旬に告示し、4月からの適用というスケジュールです。
次に、資料1-2を御覧ください。こちらは献血推進に関する計画案、こちらの調査会で御審議いただき、最終的には諮問、答申につながる計画の案です。ただ、現行の計画とどのように変わっているか、こちらの資料ですと分かりづらいので、資料1-3を御覧ください。
資料1-3として新旧対照表を用意しておりますので、こちらで御説明いたします。右側が現行の令和3年度の献血推進計画に対して、左側がこれから作成していく令和4年度の推進計画(案)です。棒線部分が改正部分です。主な点を申し上げます。まず1ページです。第1の令和4年度に献血により確保すべき血液の目標量です。献血により確保すべき血液の目標量を算定するためには、輸血用血液製剤がどれぐらい実際に使われるのか、また血漿分画製剤の原料となる血漿がどれぐらい必要になるかを見込んだ上で、献血血液がどれだけ必要になるかを算定していかなければならないということです。前段に輸血用血液製剤の必要量を記載のとおり示しております。また、原料血漿の必要量ですが、現在、こちらについては精査中でして、本日は御提示できません。本日の段階では、血液の確保量も●でお示ししております。例年ではありますが、12月の部会の際には、ここに必要量をお示しすることになります。1ページは以上でございます。
次に、3ページ、2の献血推進のための施策の(1)普及啓発活動の実施、そのうちの(ア)全国的なキャンペーン等の実施ですが、「愛の血液助け合い運動」の行事として、来年度は愛媛県においての献血運動推進全国大会の開催場所を明記しております。
5ページを御覧ください。若年層を対象とした普及啓発、そのうちの(ア)普及啓発資材の作成ですが、前回の調査会の議論を踏まえまして、普及啓発資材については、教育現場においてIT化が進んでいることを踏まえ、教育現場にて活用可能な電子的な資材を作成することを考えていくこととしております。
次に、8ページを御覧ください。先ほど御紹介した採血所の環境整備等の部分で、アの献血者が安心して献血できる環境の整備において、採血所における新興・再興感染症対策の実施と、それに関する広報の強化を追記しております。新型コロナウイルス感染症拡大の中においても、国民の皆様の御協力により、安定した血液を確保できているところです。今後も安心して御協力いただくためには、安心して献血できる環境の整備と、それを知らせる広報が必要ということで追記しております。
第3、その他献血推進に関する重要事項ですが、引き続き、災害時における献血の確保や献血推進施策の進捗状況等に関する確認と評価について記載させていただいております。
第4、献血推進につきましては、国や採血事業者だけではなく、地方自治体や御協力いただいているボランティア団体等の皆様の御協力なくしてはできないものと認識しております。そのためには献血推進の主体である行政や採血事業者が引き続きしっかりとした施策を策定した上で、その施策についても見直しを行うなど取組を継続的に行っていく必要があると考え、引き続き記載させていただいております。
この令和4年度の献血推進計画(案)について御議論いただいて、御了解いただけるようであれば、今後パブリックコメントを実施した上で、献血事業部会に上げていくという流れで手続を進めていきたいと思います。説明は以上でございます。
 ○佐々木座長 :ただいまの説明につきまして、御意見、御質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、事務局から提出された令和4年度献血推進計画(案)につきまして、原案で手続を進めさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ては、そのようにさせていただきます。ありがとうございます。あと、最終的な文言につきましては、座長一任というようにさせていただきたいと思います。
事務局においては、今後、パブリックコメントを実施して、その結果を踏まえて、血液事業部会の審議に向けて手続をお進めいただくようにお願いいたします。
続きまして、議題2「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた需要推計について」です。資料2-1について、日本赤十字社から、また、資料2-2については、参考人の広島大学の田中教授から、続けて説明をお願いいたします。では、日赤のほうで、よろしくお願いいたします。
 ○日本赤十字社 鹿野献血推進課長:日本赤十字社の鹿野と申します。私からは、コロナ禍における需要動向の検証について、御説明をさせていただきたいと思います。
2ページ目を御覧ください。はじめに、令和2年度第3回献血推進調査会におきまして、「献血推進2025」の新たな目標値を定める参考値として「需要推計に基づく必要献血者シミュレーション」を報告させていただきました。その際、新型コロナウイルス感染症の今後の動向を見極めながら、輸血用血液製剤の使用実態等を検証する必要があると報告させていただいております。今般、新型コロナウイルス感染症の感染者数の動向と、輸血用血液製剤の供給実績推移について検証した結果を御報告させていただきます。
3ページ目を御覧ください。こちらは令和2年度第3回献血推進調査会にて御説明をさせていただきました資料を参考にお示ししたものとなっております。
4ページ目を御覧ください。こちらの需要推計シミュレーションにつきましても、第3回献血推進調査会で御説明させていただいた資料を参考にお示しさせていただきました。需要のほうは、高齢者人口の増加により医療需要は増加するものの、出血量を抑えた医療技術の進歩、患者の負担軽減により、輸血用血液製剤の需要量は10年後には減少すると、予測と報告をさせていただいたところです。
5ページ目を御覧ください。次に、全国の新型コロナ感染者数の動向についてお示しさせていただいております。これまで全国では感染者数の増加により、波が計5回出ております。感染者の増減に伴い、令和2年4月には第1回目の緊急事態宣言が発令されるなど、東京都、大阪府などの都市圏を中心として、これまで4回の緊急事態宣言が発出されています。緊急事態宣言の対象となっていない地域でも、まん延防止等重点措置が取られ、政府から国民へ不要不急の外出を控えるよう要請がされております。第5波である令和3年9月時点で、新型コロナ感染者は過去最高水準となっている状況です。
6ページ目を御覧ください。月別の赤血球製剤の供給実績を棒グラフで、コロナ感染者数を折れ線グラフでお示ししております。青の棒グラフは令和元年度、オレンジの棒グラフは令和2年度、緑の棒グラフは令和3年度、新型コロナ感染者数の令和2年度は黄色の折れ線グラフ、令和3年度については緑の折れ線グラフでお示ししております。供給実績の棒グラフですが、令和元年度のグラフと令和2年度のグラフを比較しており、第1波の所を御覧いただくと、令和2年4、5月は令和元年度に比べると令和2年度は供給量が大きく減少しておりますが、第1波が終わると、その後は第2波、第3波が来ても、前年度と同様の供給量ということになっております。
7ページ目を御覧ください。令和3年の5月から6月に、都道府県供給上位671施設を対象に医療機関意識調査を実施し、回答いただきました635施設について、赤血球製剤の供給量を病床区分別に検証しております。令和2年度の供給量が、前年度に比べてどの程度の割合があったかを折れ線グラフでお示ししております。青の折れ線グラフが299床以下、オレンジの折れ線グラフが300~499床、緑の折れ線グラフが500床以上、赤の折れ線グラフが全国を表しております。特徴としましては、新型コロナの第1波があった令和2年4月から5月においては、500床以上の大規模医療機関の供給実績が、前年度比で90%を下回っており、大規模医療機関での影響が大きかったことが分かります。
8ページ目を御覧ください。令和元年度と令和2年度の赤血球製剤の供給実績を棒グラフで都道府県別にお示ししております。スケールの関係上、棒グラフによる差が見づらいため、令和2年度の供給実績が前年度と比較して何パーセントだったかを赤色の点でポイントしております。赤の横線、100%ラインより下回る施設が26都道府県あり、逆にコロナ禍であっても前年度の供給量を上回る施設が21府県という結果となっています。また、都道府県でかなり異なる状況が見受けられるかと思います。
9ページ目を御覧ください。こちらの血漿及び血小板製剤の供給実績につきましては、赤血球製剤と同様の傾向が見られる結果となっております。
10ページ目を御覧ください。「まとめ」になります。まず1つ目は、令和2年4~5月は日本外科学会等からの提言により待機手術の延期で手術件数が減少し、輸血用血液製剤の供給量が減少したこと。2つ目が、令和2年6月以降の供給量は、前年度と比べて大きな減少はなく、令和2年度実績は前年度比で99.4%であること。3つ目、令和3年度も新型コロナウイルス感染者数が増加しているものの、8月時点の供給量実績は令和元年度比で99.7%の推移であること。4つ目、令和2年度供給実績を病床区分別で見ると、一般病床500床以上の大規模医療機関の供給量が減少しており、特に第1波での減少が大きくなっている結果であったこと。
昨年度4、5月の緊急事態宣言下においては、特に大規模医療機関で供給は大きく減少したが、その後は、感染拡大時においても、供給実績に大きな変化は見られなかった。今後も新型コロナウイルス感染拡大による供給への影響を注視していきたいと考えております。私からの報告は以上となります。
 ○佐々木座長 :ありがとうございました。今日は議題が非常に多いですので、この後、資料2-2、資料3、資料4-1、資料4-2、そこまで併せて御説明いただいた後に、皆様から御意見、御質問等を頂きたいと思います。続きまして、資料2-2について、田中先生、お願いいたします。
 ○田中参考人 : 田中です。資料2-2を御覧ください。COVID-19感染拡大前後の免疫グロブリン製剤の使用実態について、本当はNDBで解析したかったのですけれども、申請手続中でまだ入手できておりません。そこで、全国に支店がある大規模企業の健康保険組合加入者のレセプトデータを用いて、その感染拡大前後の比較を行ってみましたので御報告します。「目的」の所の一番上の行を見ていただくと、JMDCという健保組合加入者のレセプトデータ、年齢が被保険者本人と被扶養者で75歳までになっています。感染拡大前後、2018年4月~2021年6月の使用実態を解析いたしました。
次のスライドは、対象者ですけれども、この3年3か月の全期間在籍していた人を対象にしています。356万人、そのうち血液製剤が処方されていた患者が5万2,110人、全体の1.5%です。それを抽出しまして、そのうちまた免疫グロブリン製剤が処方されていた患者さん、3,631人について解析しました。全体の年齢分布と、右側のグラフが免疫グロブリン製剤を処方された患者集団の年齢分布で、9歳までの患者さんが非常に多いという状態になっています。
次は、解析対象者が用いられていた免疫グロブリン製剤の種類をリストしています。グレーに網掛けしているのは、今回の対象者では使われていなかったものであります。
次のスライドは、現在認可されている免疫グロブリン製剤の適応傷病であります。上から2段目の国内血漿由来と海外血漿由来で色分けしていますけれども、このように現在はなっております。
次です。御存じのように1枚のレセプトに記載のある傷病名はとても多くあります。解析対象になった3,631人、レセプトで言うと9,431枚のレセプトに、実にのべ9万9,870傷病名が書いてあります。重複を抜きますと、3,199傷病名となります。患者1人1レセプトあたりの傷病は、大体10個ぐらいということになります。下の表は記載傷病名を年代別にしたもので、数が多いものからリストしてあり、免疫グロブリン製剤の適応傷病をオレンジにしています。免疫グロブリン製剤処方に関係のない傷病名が付いているものもあります。
次のスライドです。そこで、レセプトに記載の多くの傷病名から1つ選択して、1レセプトで1傷病名にするための作業を行ったフローがこちらです。免疫グロブリン製剤を処方された3,500名に対して、免疫グロブリン製剤の傷病があるかないかということでまず分けまして、ある場合には、その傷病名が主傷病かということで分けます。その主傷病が1件であればその1件を、複数であれば、下の左のグレーの「選択ルール」というのがありますが、診察開始日が最新のもの、あるいは右の表で明細番号が若いものを1位としまして、1レセプト1傷病名というフローを行いまして、以下の解析に使っています。
次のスライドです。結果ですけれども、免疫グロブリン製剤の国内・海外製品別の患者数を示しています。
スライド9を御覧ください。2019年と2020年の所で矢印が入っています。縦は2019年12月と翌年3月の点線です。1月から日本で初めてのコロナ患者があり、2020年4月から第1波が来たということで点線をしていますけれども、動向を見ていただくと、全体で患者数は若干、減少傾向にみえます。海外製品がグリーンで、国内製品がオレンジなのですが、国内製品でやや減少傾向、海外製品はかえって増加傾向にあるのが分かります。
次は、延べ処方本数をスライド10に示しています。こちらは全体で、若干、増加傾向にみえます。つまり、患者数はやや減少傾向、延べ処方本数はやや増加傾向、2019年とコロナ感染前後で比べますと、患者数は減っていますけれども、延べ処方本数はやはりまだ増えていると。したがって、次のスライド11の、患者1人当たりの処方本数で見ますと、結果は1人当たりの処方本数は増えているということになります。
次は、これを年齢別に見てみました。スライド13と14は患者数で同じなのですけれども、年齢別の区分を少し変えたものになります。最初にお話しをしましたように、この3年間にレセプトが処方された人を対象にしていますので、2019年とか2020年に出生した人は対象になっていません。逆に2019年、2020年に75歳を迎えて、2021年のレセプトがない人も対象から外れているので、バイアスが掛かる可能性があります。上のスライド13は処方月の年齢別に、下は2018年4月時点の年齢で分けたものですけれども、結果、傾向は変わりませんでした。0~9歳の患者数が特に減少しております。30歳以上が、若干、増加傾向であります。
次の15、16のスライドは、こちらも年齢の区分を変えたものですけれども、延べ処方本数についても若干減少、30歳以上が若干増加にあるということで、同様の傾向であります。それで、17、18ページにいきますと、患者1人当たりの処方本数は、いずれの年齢層でも増加傾向ということが年齢別で見えてきました。
次に、傷病別の集計をしましたので、スライド20、21を御覧ください。スライド20は傷病別の患者数ですが、オレンジで書いてあるのが川崎病です。川崎病の患者数が、特にCOVID-19の感染以後、減っているかのように見えます。そのほかについては、やや増加傾向が見えます。延べ処方本数につきましても同様の傾向であります。一方、患者1人当たりの処方本数は、全体は増加傾向ですが、疾患別の相違は余り見られないということであります。
23ページを御覧ください。これは、免疫グロブリン製剤を処方されたCOVID-19感染の患者がどのくらいいるかを調べたものです。ICDコードは、右の表内に記載ですが、グレーの傷病名の患者はいませんでした。母集団356万人中、この期間のCOVID-19の患者数は3万4,877人、血液製剤を処方された人は258人、免疫グロブリン製剤の処方があった人は、そのうち14人ということであります。その14人の詳細につきまして、次の24、25ページに示しております。
免疫グロブリン製剤が処方され、主傷病がCOVID-19のものは1番、2番、4番、6番、10番、11番です。免疫グロブリン製剤の適応傷病があり、COVID-19に感染したという方も、同様に免疫グロブリン製剤が処方されているのが分かると思います。
26ページは、免疫グロブリン製剤が処方された患者の中でCOVID-19の傷病名を持つ患者の処方月別に簡単にお示ししたものです。免疫グロブリン製剤処方月が、一番左が1月しかない人2751人中COVID-19の傷病名を持つのは9人、という意味です。
最後、28ページを御覧ください。NDBと健康保険組合のレセプトJMDCを用いた需要と供給の推計解析を昨年度行ってきています。JMDCを今回使いましたので、NDBとの差がどれぐらいあるかということでお示ししているものです。令和2年度報告のNDBによる実測値で患者数を見ますと、やや減っていました。令和1年度の報告の、JMDCレセプトで人口換算してみると、同様の減少傾向がありました。令和3年度報告でJMDCで見ますと、引き続き減っていますので、NDBで実数解析しましても、やはり減少傾向が出ると思います。処方本数を見ますと、下の段のJMDCによる報告は、やや増えていました。NDBで実測も、やはり増えていました。今回の令和3年度の報告は横ばいでありますので、NDBで実測値を解析した場合でも、処方本数自体は増加あるいは横ばい、結果的には、1人当たりの処方本数は増加していくのではないかとまとめに書かせてもらっています。長くなりましたけれども、以上です。
 ○佐々木座長 :どうもありがとうございました。続きまして、議題3「今後の広報のあり方について」、事務局から趣旨の説明をしていただいた後に、参考人の日本血液製剤機構の代表理事の星山様から、引き続き説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ○菅原血液対策課長補佐 :事務局です。最初に資料1を御覧ください。こちらは先月末に開催された、令和3年度第2回運営委員会の資料です。こちらの運営委員会において、昨今の血液需要をめぐる環境、少子高齢化を受けての献血者の減少、世代の変化、またグロブリンをはじめとする血漿分画製剤の需要増加などの従前の変化や課題に加えて、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、国内では学校や企業における集団献血の減少が起きました。また、海外においても感染症の影響により原料血漿の確保が難しいという話をずっと聞いています。これらの状況も踏まえ、運営委員会のほうで献血事業の在り方を議論していきたいということで、令和5年度に策定予定の基本方針の改定を踏まえつつ、今後の血液事業の方向性について、議論を頂くことを予定しております。
その資料の中に、主な検討事項があり、「献血血液の確保策」という項目が上がっております。そこの中で言うと、献血の推進という話ですので、これについても来年度以降、この調査会で御議論を頂ければと考えています。ただ、御議論いただくにしても、例えば企業や自治体がどのような取組を行っているか、そういった好事例を参考にして、今後の献血推進策をいろいろと検討する必要があると考えております。
今回は議題3の今後の「広報のあり方」ということで、国内の血漿分画メーカーの取組を御紹介させていただくとともに、次の項目である企業・自治体における取組の献血推進の好事例を御紹介いただいた上で、委員の皆様から御意見を頂ければと考えております。なお、今回御紹介した取組については、都道府県にも別途お知らせする予定です。また、来年度の調査会においても、引き続き、こういった好事例と言いましょうか、こういった取組についても御紹介できればと考えております。
まず議題3の広報のあり方ということで、今回、国内血漿分画メーカーの取組を御紹介いたします。国内の血漿分画メーカー3社では、事業を進める中で、共通する課題を検討するため、私どもで「3社検討会」と呼ばれていますが、それぞれ定期的な会合を行っております。その中で、献血推進や血漿分画製剤の認知度向上の活動の一環として広報活動を行っています。今回、製薬企業の広報の取組の1つとして、3社の取組を、日本血液製剤機構の星山様から御紹介いただければと存じます。
 ○星山参考人 :日本血液製剤機構の星山と申します。本日はよろしくお願い申し上げます。私からは、今御紹介のあった血漿分画製剤の安定供給の推進のための業務提携の在り方検討会、通称「3社検討会」と申しておりますが、この検討会における献血推進、及び血漿分画製剤の認知度向上に向けた国内血漿分画事業者の取組について御報告申し上げます。
2ページ目をお願いいたします。まず、この3社検討会が設立された背景等について御紹介させていただきます。2016年10月に厚生労働省から発出された「ワクチン・血液製剤タスクフォース顧問からの提言」を受け、国内分画事業者3社は血漿分画事業が抱える課題を抽出し、これらのうち3社の連携により改善が期待できる課題について検討することを目的として、2017年8月に血漿分画製剤の安定供給の推進のための業務提携の在り方検討会(以下、3社検討会)を設立いたしました。
3社検討会では、「安定供給」「国内自給」「国内企業の経営基盤の強化」「献血血液の有効利用」の4つの基本的コンセプトに基づき検討すべき項目を取りまとめ、日本の血漿分画事業のあるべき姿を描きながら、3社によるその実現を目指していくというところで合意しています。
近年、免疫グロブリン製剤の需要が増加していることから、原料血漿必要量予測及びその確保策等について、日本赤十字社を交えた意見交換を行っており、日本赤十字社様から、「広く国民に対して血漿分画製剤の認知度向上活動を行うことの必要性」について意見を頂いているところです。そこで国内分画事業者と日赤の職員の皆様方をメンバーとして、3社検討会に紐付く「献血推進および血漿分画製剤の認知度向上に向けた広報分科会」を設置し、広報資材の作成等を行うことといたしました。
3ページ目をお願いします。本分科会の活動について御報告申し上げます。1つ目として、献血推進及び血漿分画製剤の認知度向上に向けた動画の作成をしました。2つ目として、国内分画事業者の献血推進に関する取組を推進しました。具体的には献血サポーターへの登録、従業員に対する献血への理解の促進、各社独自の献血の推進策を制定しています。3つ目として、今後の取組について御紹介申し上げます。職員相互というのは、血漿分画事業者と日赤様との間における職員相互の研修、あるいは献血推進動画の更なる活用を今後図っていきたいと考えております。
4ページ目をお願いいたします。先ほど申し上げた分科会の活動報告の個々の取組について、詳しくお話させていただきたいと思います。1つ目が、献血推進及び血漿分画製剤の認知度向上に向けた動画作成についてです。「献血の先にある、感動を知っていますか?」というタイトルで、献血推進の動画を作成しております。内容は、献血いただいた血液からは輸血用の血液製剤だけではなく、血液成分中の有用タンパクを分離、抽出した血漿分画製剤という薬が作られるということ、その薬で助けられている命があるということ、血漿分画製剤を必要とする患者や疾患が増えており、より多くの献血が必要であるということを知っていただく内容です。血漿分画製剤の投与を受けた川崎病並びに原発性免疫不全症患者の御家族からのインタビューを含め、約12分間の動画となっております。
5ページ目をお願いいたします。こちらがその動画の内容です。この動画をどのように活用しているかを御紹介させていただきます。現在、献血ルームにおいてこの動画を放映中です。また国内分画事業者のホームページへ掲載し、広く御視聴いただく環境を整えているところです。また、患者団体や学会ホームページなどでも活用いただきたいと考えております。ちなみに、こちらにお示ししている写真は、実際に川崎病の患者さんで、血漿分画製剤の一つである免疫グロブリン製剤の投与を受けて回復し、現在に至っているお子様とそのお母様が、インタビューを終えて帰路に着くところの画像です。
続いて6ページ目です。国内分画事業者3社の献血推進に関する取組について、御紹介をさせていただきます。まず献血サポーターへの登録ということで、献血サポーターへの登録を行うとともに、各社の名刺へ当該サポーターの公式ロゴを記載することで、献血推進活動への協力をステークホルダーへ提案しているところです。また、従業員に対する献血への理解促進ということで、社内イントラ及び社内報を活用し、更なる献血推進のための啓発活動を行っております。各社独自の献血推進策としては、各社事業者へ献血バスの受け入れ等、各社の既存の取り組みを3社で実行しています。また、就業時間内に献血が行えるように規則等環境を整備しています。そして社内のみならず、グループ企業の従業員に対しても広報動画を活用し、献血を啓発しています。
7ページ目をお願いいたします。今後の取組についてです。職員相互の研修ということで、国内分画事業者3社と日本赤十字社様との間で互いの事業理解を促進することを目的とし、研修を実施しているところです。また、献血推進動画の更なる活用ということで、成分献血へのご協力並びにリピーターとなっていただけるよう、ノベルティ等にQRコードを記載し、献血推進動画ヘアクセスできるような仕組みを検討しているところです。私からは以上です。
 ○佐々木座長 :どうもありがとうございました。質問等は、また後ほどお受けいたしますので、よろしくお願いいたします。
続いて、議題4に移らせていただきます。議題4は、「自治体・企業における取組の紹介」です。資料4-1について、廣島委員から御説明をお願いしたいと思います。
 ○廣島委員 :北海道の廣島です。本日は、貴重な機会を頂きましてありがとうございます。それでは資料4-1により、「北海道における献血者確保の取組」について、御説明させていただきます。2ページです。まず、北海道の状況についてです。人口に対する血液製剤の使用量が、他の都府県に比べて非常に高く、献血も多く集めなければならないということから、他の都府県よりも多くの献血協力を必要としております。そのため、北海道の全人口当たりの献血率は、全国1位となっておりますけれども、これも需要が多いということなので、必ずしも褒められるような状況ではありません。本日は、献血者確保に関する取組や今後の課題、若年層に対する主な取組について御紹介したいと思います。
それでは、3ページ目を見てください。この地図は、北海道内の血液センター施設の所在地を示しています。北海道内の献血ルームについては札幌に4か所、旭川、帯広に1か所となっており、3市のみの設置となっております。その他の地域は7か所の事業所から、道内各地を献血バスにより協力いただいているような状況にあり、北海道内の多くの地域の方にとって、献血の機会は献血バスのみという状況になっております。
4枚目をお願いします。安定的に献血者を確保するため、北海道及び北海道赤十字血液センターでは、次年度の移動採血車配車計画を全179市町村分作成し、献血を実施しているところです。また、北海道は広域分散であることから、効率的に移動採血車を配車するために宿泊行程を組み上げ、献血受付時間の確保に努めております。令和2年度の移動採血車稼働数は2,896回でしたけれども、そのうちの273回が宿泊の行程となっており、約1割を占めているような状況になっております。
5枚目です。北海道が抱える課題として、3点挙げさせていただきます。1点目ですが、北海道では献血の約70%が献血のバスに頼っています。この献血バスについては、先ほど御説明したような行程で実施しておりますので、住民への事前PRが大変重要となっております。2点目です。近年では通行止めが頻繁に発生しております。北海道内で献血された血液は全て札幌の血液センターへ運ばれるため、献血バスが現地に到着できたとしても、札幌までの輸送経路が通行止めになってしまった場合には献血を実施することができなくなってしまいます。
6枚目です。3点目が、広域分散型の北海道ならではの課題になります。宿泊行程ではない市町村についても、移動時間が往復で2、3時間は取られているという状況です。献血実施時間を確保するために、血液センターの職員の皆様は早出や帰社時間を遅くするなどの対応をせざるを得ない状況になっております。また、近年では爆弾低気圧などにより大雪が発生し、移動採血車の遅延運行若しくは献血会場に到着できない、更には駐車スペースに雪が積もり、採血車を駐車できないために中止となるようなことも発生しております。また、若年者の献血者の割合は決して高くありませんので、将来的な献血者の減少も危惧されております。そのため、若年者への取組が必要と考えられます。
7ページです。次に、これまで北海道で行われた若年層に対する献血の主な取組について、2つ御紹介いたします。まずは、献血制度に係る教職員研修会についてです。この研修の目的ですけれども、生徒の皆さんの献血に触れ合う機会を設けるためには、まず学校の先生方に献血についての正しい知識を学んでいただく必要がありますので、このような研修会を実施したところです。主催は北海道と北海道教育委員会で、共催が血液センターという形にしています。北海道では全道を14の振興局に区分けしており、3年の間で14振興局の2地域で実施しており、献血の現状や北海道の取組については保健所職員、高等学校の保健体育における献血などの取扱いについて教育庁の職員が行っています。また、日本赤十字社の保健活動、献血に触れ合う機会などについては、血液センターの職員の方から行っております。
実施のアンケート結果では、研修したことを生かし、保健授業で若年層の献血状況などを考えさせるなどの取組を実践していただき、生徒に献血の必要性などについて理解させていきたいという意見が出ました。また、このままでは献血事業の継続が困難であることを初めて知ったので、現状や献血の大切さを生徒に伝えていきたいというような感想を頂いております。
8ページで、次の取組について御説明いたします。北海道教育委員会が指定したモデル校で、保健医療制度及び地域の保健医療機関の単元の中で、厚生労働省が配布している「けんけつ HOP STEP JUⅯP」などを活用し、献血の意義や現状などについて実際の授業に盛り込み、実践研究を行っております。教育課程における位置付けでは、保健体育科の科目「保健」のほか、理科などの関連教科……。
       (15時52分35秒から15時53分13秒辺りまで回線不調により聴取不能)
 ○菅原血液対策課長補佐 :廣島委員、音声が途切れているようですけれども、大丈夫でしょうか。
 ○廣島委員 :こちらのほうが聞きやすいでしょうか。
 ○菅原血液対策課長補佐 :こちらで大丈夫でございます。失礼いたしました。
 ○廣島委員 :すみません。それでは、9ページの「授業実践研究の内容・方法」についてです。生徒には献血への関心度などについて事前アンケートを実施し、指導内容が決められております。また、生徒に対するアンケート調査の結果として、献血への関心度が上昇し、献血の必要性や重要性の理解が深まる結果につながっております。また、御紹介した若年層に対する献血の主な取組については、本日御出席されている日本赤十字社の松田次長をはじめ、献血センターの皆様により、日本輸血・細胞治療学会誌の第66巻第4号に詳しく報告されておりますので、御案内を申し上げます。
それでは、10ページ目を御覧いただきたいと思います。以上のように、高校生に対しての啓発に取り組んできたのですが、最初のうちのデータは、高校生も若干上昇傾向が見られていたのですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、高校生の献血者数は平成30年度が6,780名だったところが、令和2年度は4,985名と減少し、これまでの取組の成果が評価できない状況となってしまい、非常に残念な結果になっております。また、北海道赤十字血液センターが実施している、高校生を対象とした献血セミナーについても、平成30年度は28回、3,333人という状況だったのですけれども、令和元年度は21回、2,531人、令和2年度は7回、834人と、残念ながら減少しております。これは新型コロナウイルス感染症の影響による休校が続いたことで、授業日数を確保する目的とか、学校外部の方との接触機会の自粛による影響が大きいと考えられます。
最後に11ページの「まとめ」です。新型コロナウイルス感染症の影響により、学校のスタイルもそうですし、企業のテレワークも進む中で、今のように献血車で集める形ということが続けていけるのかというところは、非常に大きな問題だと感じております。ただ、新型コロナウイルス感染症が今後どうなっていくかということもありますので、そういった変化については、今後の対応方法についても検討していきたいと思っています。また、若年者に対する方法についても、場合によってはいろいろな方法を新たに考えていかなければいけないのかなと考えております。以上です。
 ○佐々木座長 :どうもありがとうございました。各都道府県ごとに、いろいろな御事情があるということだと思います。北海道ならではの御事情に基づいた工夫や取組を御説明いただきました。
続いて資料4-2について、株式会社ブリヂストン様から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。まず、事務局より先に御説明ください。
 ○菅原血液対策課長補佐 :事務局です。今般、株式会社ブリヂストン様のほうから、同社の献血推進の取組について御説明いただきます。株式会社ブリヂストン様におかれましては、過去半世紀にわたり献血に御協力を頂き、日本赤十字社金色有功章を受賞されており、平成24年度には、厚生労働省大臣表彰を受賞されるなど、献血推進に大変御貢献されておられます。
先ほど、私どもから申し上げましたとおり、今後、血液事業の在り方を議論するに当たり、これまで企業においてどのように献血に取り組んでいるか、というものをいろいろ御紹介いただこうと思い、献血推進に積極的な企業を日本赤十字社様に御紹介いただくようお願いしたところ、ブリヂストン様を御紹介いただきました。それで、今回はブリヂストン様に調査会での御紹介をお願いしたところ、有り難くも御快諾いただき、本調査会でその取組について御紹介いただくことになりました。
今回、ブリヂストン様の取組は、株式会社ブリヂストンBSJP CSR・社会貢献推進課長の谷口様、ブリヂストン労働組合中央執行副委員長の橋本様から御紹介いただきます。それでは、谷口様、よろしくお願いいたします。
 ○谷口参考人: 御紹介ありがとうございます。本日は、貴重な機会を頂きましてありがとうございます。僭越ながら、私どもの活動について発表させていただきます。
1ページをお願いします。献血活動の話をする前に、当社の概要を簡単に御説明させていただくとともに、CSR活動の考え方と、社会貢献の位置付けのところを私から御説明させていただきます。3.の具体的な献血推進活動については橋本より説明させていただきます。
2ページ目は、会社概要です。当社の設立は1931年で、本年度は90周年になります。Global CEOが石橋秀一、Global COOが東正浩です。創業者は石橋正二郎となっておりますが、現在のGlobal CEOの石橋秀一との血縁関係はありません。
2020年度の決算は、残念ながら減収・減益ということで69年ぶりに赤字ということで決算を締めております。やはり、コロナの影響が非常に大きかったところが要因となっております。ただし、本年度12月末の決算予定では黒字回復の予定で半期決算報告も発表しております。
3ページ目で、私たちのCSR活動の考え方を御説明させていただきます。私たちの企業理念の使命、いわゆる社是として、「最高の品質で社会に貢献」というものを掲げて企業活動を推進しております。そのための行動指針として、グローバルでのCSR体系として、『Our Way to Serve』という銘を打って活動を進めています。
私たちのCSR体系については、大きく分けて2つに分けています。1つは、プライオリティエリアと呼ばれる重点領域、もう1つは、マネジメンタル・ファンダメンタルズと呼ばれる基盤領域。この2つに分けています。基盤領域というのは、いわゆる当たり前領域ということで、どの企業もこれをやらなくしては企業が成り立たないという領域です。それを当たり前のようにした上で、私どもが特に力を入れていくところとして重点領域を3つ掲げております。「モビリティ」、「一人ひとりの生活」、そして「環境」の3つを、我々としては重点領域と定めて企業活動を推進しております。
4ページ目は、社会貢献の位置付けです。先ほど御説明しました社是で使命である「最高の品質で社会に貢献」ということで、今日では、企業というものは本業のビジネスで利益を追求しているだけでは企業が成り立たないというのが言わずもがなであります。当社でも、ビジネスのみならず、昨今叫ばれているSDGs、ESDといったところにも対応していくということで、非財務的な価値というところにも非常に重きを置いて、社会貢献活動ということで、ビジネスと社会貢献活動の両輪で企業価値の向上を目指そうということで進めております。
特に、社会貢献活動では、社会価値の創造のところで、社会貢献活動を通じて、ステークホルダーの皆様からの信頼の醸成をすることにより企業価値に貢献していくということで、種々社会貢献活動を実施しています。ここから、当社の献血活動の具体的なところについては、橋本より御説明させていただきます。
 ○橋本参考人 :御紹介いただきました、ブリヂストン労働組合の橋本と申します。本日は、献血活動の実例について御紹介させていただきます。まず初めに、これは特に資料はありませんが、労働組合の簡単な説明と、私の立ち位置というか、なぜ今ここに立っているのかを御紹介しながら始めさせていただきます。
我々ブリヂストン労働組合は約13,500人の組合員がいます。全国7つの支部から成り立ています。その中で5ページ目に記載のとおり東京支部、東京と言っても都心ではなくて小平市にあります。いわゆるプチ田舎ということで、自然がいっぱいある所です。ここで、私は2017年から4年間、支部の委員長ということで代表を務めておりました。ここの支部には2,000名弱の組合員がおります。そういう環境での活動の御紹介になります。
6ページ目です。小平市にあるこの事業所は、R&D機能と、製造所として飛行機用のタイヤ、それからモータースポーツSUPER GTとか、過去はF1のタイヤを作っている工場です。こういう技術開発と製造がハイブリッドで融合しているような事業所です。
人の数は、組合員2,000人+1,000人ぐらい。1,500人~3,000人ほどが、コロナの前は常時ここで働いていました。御存じのとおりテレワークも推進しておりますので、現在は3割ぐらいの出社、物によっては偏りがありますけれども、そういう状況なのかと考えております。
そういう中で、我々ブリヂストン労働組合で、この献血の活動は助け合いの活動というカテゴリーを作って、労組全体で何か強制をするというよりは、この地区ごと、支部ごとに必要だと思ったら、その活動を進めていこうということで、ある種自立した活動の中で取り組んでおります。蓋を開けてみれば、今お示しているとおり、各エリアで、事業所で、支部で取り組んでいる活動一つ一つが独立して行っているということで、一斉にやろうということではないということ。そういう活動の中で、特に我々東京支部、この赤枠で記載している所での数が、人数とともに割と大きな活動ができているということで一例として御紹介させていただきます。
7ページは活動事例ということで、事前周知の実例をお示ししています。献血の前に事前の周知ということで、労働組合の会議で使った資料を組合員に展開します。それから、労働組合のニュースということで、コロナ前は掲示板等々を活用し、デジタルサイネージ等を職場内に掲示し、この日に献血活動をやりますということを周知していました。
左下は簡単なグラフですけれども、2019年の夏場の暑い時期に、献血の活動を呼びかけけたときには、こうやって献血者数が伸びていますよ、うちの事業所はということです。もうちょっと伸ばしていこうよ、ということで新規の献血者について訴えかけたいということで、こういうグラフを使っています。
それから、右側の労働組合のニュースの中では、割とスタッフ職群と言いますか、交替勤務でないメンバーが多いので、こういう時間帯で献血ができています。午前中、それから午後、特に昼休みは12時前後で1時間ほど休みがありますので、ここでも献血ができるように、そういう時間にかかるようにと。終わりの時間は、できる限り長くやらせてくださいということで、血液を運ぶ時間もありますが、限界まで引き延ばさせていただいて、より広い時間帯で献血活動をできるように協力をお願いしています。
8ページ目は、当日の呼びかけです。これは2020年1月なので、この後はグッと新型コロナの感染が拡大しましたが、このときにはまだ呼びかけをできておりました。朝は7時半頃から、早い者はもう出勤している者もいますので、そこから9時頃まで、各門で通勤経路に人を立たせてティッシュを配ったりして、今日やりますよということで、恒例の行事と認知できるようにしています。この時期かということで、認知してもらえるように、毎回愚直に献血の日にはポケットティッシュを配ってきました。写真は、そのときの風景です。
9ページ目です。来やすい会場というか、何より待たないということ。せっかく会場に来ても待っているのだったらやめた、ということがないように、ベッドの数を多く配置できるようにしています。これまでの御報告の中でも言われていたように、バスではなくて会場を準備して対応しています。恒例のイベントとして認知されたのであれば、ちょっと行ってみようかなという人たちを離さないということです。会社側からも、こういう場所を借りることができ、割と大きなスペースでやれているのかと思っています。ここでも、半年ごとの献血のタイミングで、また来たから献血しようという方々をつかまえてということで、リピーターを多く確保できているかと考えております。
10ページ目です。ここは、先ほどもあったように待たないということで、割と献血者数が少ない時間帯を示して、この時間帯は待たなくても行けますと。赤十字の方からすれば、ここでもっと稼ぎたいというかベッドを埋めたいということですが、これまでの実績を基に、事業所内でPRをして集めるというように効率性を高めるという活動もしております。
11ページ目からは、コロナ禍でということでの御紹介です。COVID-19が拡大していく中で、この意義を改めて考えるということ。安全を考えたらこういう活動はやらないというか、集合させないということでしょうが、この継続要否については改めて考えさせていただきました。その際に、やはり組合員、我々の従業員の献血に対する考え方を改めて聞いてみると、やはり針が怖いとか、血液を抜かれるのが怖いということで、一般的なのかなと思いました。それから、全国どこでも行われている活動、より一般的な活動であるからこそ、献血は誰かがやってくれるだろうということで自分事にならないということもあります。何々型の献血が今は足りていませんと言われても、どこでも、いつでもそう言っているのではないかと捉えているメンバーも多いのかなと感じております。
一方で、献血の必要性ということを、私もその代表者として赤十字の方々から話を聞いたところ、やはり使用期限があるとか、輸血が必要とされる場面が結構多いですよということで、私も知らないことがいっぱいありました。ここをしっかりPRして、重要性を感じ取ってほしいということで活動をしてまいりました。特に、コロナの影響が先ほど来からありましたけれども、献血者数が減っている状況もあり、献血会場としては比較的大きな会場であるということも聞きましたので、是非、このタイミングで積極的にやるべきだということで、会社側にも、人を集めるということで、施設内の環境を整えるということで協力をしていただいて、継続して活動を推進してきています。
12ページ目です。その結果というか、赤十字の方に相当協力していただいて、こういうPRの冊子を作っていただき、積極的に周知してきました。21日間しか使えないのですよ、リミットがありますよ、献血していただいた血液の80%がこのように使われています、ということをより発信して、行ったことはないけれども行ってみようかな、という新規の人をつかまえていこうということで積極的にやってまいりました。
右側のものは、ポケットティッシュに挟んでいるものなので細かいですけれども、献血も緊急事態宣言中ですということで、この期間に食堂に置いたりして、配ることなく取っていってもらうという形で実施してきました。
最後の13ページ目です。ベッド数を減らすことはやむを得なかったのですが、こういう形でソーシャルディスタンスを確保しながら、会場は引き続き使用して行っています。これからも、身近なボランティアということで社会貢献ですので、こういうところは積極的に行いたいと思っています。必要性を訴えながら、より多くの方を献血活動に巻き込んでいきたいと考えています。紹介は以上です。
 ○佐々木座長 :谷口様、橋本様、どうもありがとうございました。これより御質問、御意見等をお受けしていきます。ここまで資料2-1については日本赤十字社様から、資料2-2について広島大学の田中教授より、資料3について星山様から、資料4-1について北海道の廣島委員より、資料4-2についてブリヂストン様から御説明を頂きました。これらについて御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。
 ○武田委員 :御説明いただいてありがとうございます。私からは、資料3について3社検討会で様々なことを御議論いただいていること、ありがとうございます。この動画の作成もいただいて、これからこれを使って様々に啓発をしていこうというところだと思います。この動画については、既に献血をされている方や、献血に興味がある方が中心に見ているのかと、資料を拝見して感じました。
引き続き、このように皆さんに献血の重要性を分かっていただくことも大切ですが、更にここからはこれまで献血をされてこなかった方や、これまでそういうところに興味・関心がなかった方にも、是非こうしたものを見ていただけたらいいのかと感じます。そうした意味では、この動画はお子さんのことも中心にした動画でしたので、例えば、お子さんと親御さんが一緒に行かれるような所で、こういうものを見ていただく。この動画は11分程度でしたか、少し長いかなと感じたところもありましたので、使う場所によっては短縮したバージョンも使いながら、さらに、これまで献血をされたことのない方に普及・啓発していくようなことも考えていただきたいと感じましたが、いかがでしょうか。
 ○星山参考人 :日本血液製剤機構の星山です。今御指摘がありましたように、こちらに関しては今後は短縮したダイジェスト版というようなものも、御指摘いただきましたので検討していきたいと思います。今まで、全く献血をしてこなかった層も含め、例えば学校などでも活用できないかというようなことを、私ども3社検討会の中で前向きに積極的に考え、しっかりと取り組んでいきたいと思います。御指摘、御意見をありがとうございました。
 ○佐々木座長 :ありがとうございます。武田委員、よろしいでしょうか。
 ○武田委員 :はい。
 ○佐々木座長 :ほかにありますか。
 ○石田委員 :皆様、御発表をありがとうございました。最初に、田中純子教授の免疫グロブリンの分析について、日常診療ではなかなか見えてこない現状がよく分かりました。情報提供ありがとうございました。免疫グロブリンの使用患者数が少なくなっていて、ここ2、3年川崎病の患者さんも減ってきているという経過でありながら、トータルの使用量が増えていて、1人当たりの使用量が増えているという御報告だったかと思います。1人当たりの使用量が増えているというのは、実際にどういう現状を反映しているのか、その辺りについて知見をお持ちでしたら教えていただけますか。
 ○田中参考人 :私どもも、不思議だと思っています。適正使用かどうかということについての判断は、データ上ですので難しいということです。海外製品で、簡易に使えるものが市場に出たということで、海外製品の製剤の使用量が増えていることを反映して、全体的な1人当たりの使用量が増えているのかとも考えています。
それから、川崎病の疾患が減ったというのは、小児科の現場でも、コロナに伴って感染予防対策として手洗いを徹底したことにより、他の小児の感染症も激減していると聞いています。それに伴って川崎病の罹患が減っているのか、それとも報告自体が減っているのかということについてのエビデンスはまだ得られていません。感染症全体としては減っているということで、川崎病の発症も、原因は分からないままですけれども、とても大きな事案ですので、今後、小児科領域の中で検討されることなのかと思っています。
 ○石田委員 :今後また増加する可能性もあることに注視していく必要があるという理解でよろしいですか。
 ○田中参考人 :はい、そう思います。しばらく注視していくことが重要ではないかと思います。
 ○石田委員 :次の質問ですが、北海道の活動についての廣島委員からの御発表は、なかなか苦労されておられる北海道でのいろいろな地域特性があるのだと思います。例えば、豪雪による災害だとか、気候の問題などもあるのだと思うのですが、苦労なさっている状況がよく分かりました。北海道の状況についてよく分からないのですが、かなり季節性があるのではないか、冬の献血などはなかなか難しいのではないかと思っています。それから、若年層の方が一部の都市部に集中しているのではないかと私は考えます。季節性や若年層の分布などについての情報が分かれば教えていただけますか。
 ○佐々木座長 :廣島委員、お願いできますか。
 ○廣島委員 :北海道の状況ですけれども、やはり献血車で回る関係もあり、その行程のスケジュールが冬場はなかなか難しい部分があります。もちろん必要量は確保しなければいけないところもありますけれども、量を確保するのはなかなか大変なところになっています。
それから、どこの都市もそうだと思いますが、若年者については札幌や旭川など大都市に集中しているところはあります。地方都市にも若い方がいないわけではないのですが、仕事の関係上、あるいは大学が都市部に集中していることもありますので、やはり多くは都市部のほうが多い状況になっています。
 ○石田委員 :そうすると、宿泊によっていろいろな場所に献血に行くよりも、都市部に集中して献血活動を進めていく、あるいは都市部の若年層に今後はかなり強化して集中的に啓発活動を進めていくとか、そういう活動が今後はより有効なのかと思いました。
もう1つは意見ですが、ブリヂストンでの献血推進活動の御発表について、谷口様、橋本様、非常に貴重な御発表をありがとうございました。企業の力は偉大だと非常に感銘を受けました。企業の活動というのは、なかなか戦略的で、計画的で、その効果が如実に現れていて、なかなか素晴らしい活動だと思いました。このような活動を行っている所は本当に少ないと思うのです。例えば、我々病院でも実際に献血者をどんどん増やしていくにはどうしたらいいかということを考えるのですけれども、なかなか具体策が見付からないのが実情です。
このような活動をブリヂストンの会社の中だけで収めておかれるのではなく、このような情報を、是非、いろいろな企業や教育施設、あるいは医療施設などにも情報公開していただいて、みんなで共有していければ非常に効率的な献血が行われるのかと思いました。具体的には待ち時間の問題とか、どの時間に献血に行けば空いているか空いていないか、あるいはティッシュを配布してそこに情報を加えていくなどというのは、どこででもやられていないようなことではないかと思います。このような情報を、是非血液センターと情報共有していただいて、どんどんいろいろな所で進められるようになればと思います。
具体的に、こういう方策を立てると献血者が増えるというような、こういうことが効率性につながっていくというような分析結果も是非また教えていただければと思います。以上です。どうもありがとうございました。
 ○佐々木座長 :ブリヂストン様から、これについて何かありますか。
 ○橋本参考人 :事業所内に限った活動なので、広く展開できる工夫になるのかどうかというのは、正直言って自信のないところもあります。同じように昼休みがあり、同じように出社しという時間のサイクルが似ているようなメンバーが集まっているということ、あとは、休憩時間を少し長めに取って献血をやってこようかな、というところだけの操作というか、ちょっとやってみて、ということが言えるか言えないか。これは、例えばショッピングモールなどではそういうわけにはいかないと思いますので、なかなか難しいかと正直思います。
とにかく、献血をしたことがないという人が多いのです。ティッシュを配っているメンバーにも、実は私もやったことがないのですという人が結構多かったのです。なぜかというと、やはり血は怖いとか、針は怖いということになるのです。やってみて、こんなものなのだなということを広げていきたいと思っているのが現状です。これを広げるだけでも、3,000人もいる事業所であれば、数としては結構取れるのかと考えております。
 ○佐々木座長 :事務局から何かありますか。
 ○菅原血液対策課長補佐 :石田先生、ありがとうございます。ブリヂストン様のような好事例といったものは、普及の観点から、世の中にお示しすることで献血推進を進めてまいれればと思っています。先ほども申しましたとおり、今回の北海道様や、ブリヂストン様の事例、3社検討会の例に関しては、私ども、都道府県のほうに周知させていただき、広くそういう形で何か献血推進に役立てていただけるような形でさせていただければと思っています。よろしくお願いいたします。
 ○佐々木座長 :他にはよろしいでしょうか。
 ○喜多村委員 :大阪市こころの健康センターの喜多村です。皆さん、貴重な発表をありがとうございました。私は自治体の職員ですので、職域での好事例とか、他の都道府県の好事例は非常に参考になりました。ありがとうございます。素晴らしい取組なのですけれども、これは私が聞き逃していたかもしれないのですが、ブリヂストン様のデータの中で、献血者の数をお示しいただいています。これは、分母はどのぐらいなのでしょうか。規模感が知りたいので教えていただければと思います。例えば、東京都の赤で囲んでいる小平市の分母はどのぐらいなのでしょうか。
 ○橋本参考人 :先ほど来申し上げているとおり、事業所内の人数が2,000~3,000人のうちの256名にある種とどまっているということで御理解ください。
 ○喜多村委員 :分かりました。リピーターの方は結構多いという感じでよろしいですか。
 ○橋本参考人 :これは、名簿を取っているわけではなくて、協力したいという一人一人のボランティアの心にかけているところもあります。何回目ということまで我々はカウントしていませんが、毎回私が現場に張って見ていると、いつも来てくれる方が来ているな、という感じは受けますので、多くの方はリピーターです。それから、問合せの中でも、我々の献血の日を、前回の実施日からちょっと短いスパンで回そうと思ったら、「俺行きたいんだけど行けないじゃん、この期間じゃ」ということを結構頂いています。やはり、定期的に行くのだ、という意識のある方が次のリピーターとして来てくださっているのかなと思って分析しています。
 ○喜多村委員 :企業さんだと動員力というのはすごいのだろうと思います。大人にどのように勧めていったら献血してもらいやすいのかというノウハウとして、非常に参考になるデータだと思いました。ありがとうございました。
もう1点は、北海道の取組で、そもそもなのですけれども教えていただきたいことがあります。赤十字様のデータを見ても、北海道は割と供給量が多いですよね。これは、何か特有の理由はあるのでしょうか。
 ○佐々木座長 :廣島委員お願いします。
 ○廣島委員 :北海道は、需要がもともと必要と言いますか、使う量が多いということがあるので、どうしても集めなければいけないということで、供給量が増えるということになります。
 ○喜多村委員 :その需要がどうして多いかというのは分からないのですか。
 ○廣島委員 :需要については、医療機関がどのような使用方法をしているかということについては、はっきり分からないところがありますので、私からそこはお答えできません。
 ○喜多村委員 :最後に、田中純子教授に質問させていただきます。JMDCとNDBで、やはりNDBのデータのほうが大きいので安定するというのはデータを見て感じましたが、非常に興味深い解析をされていて感銘を受けました。免疫グロブリン製剤の使用量については、海外製剤がどんどん増えている状況だという御報告を頂きました。これは、良いと考えていいのか。今後、免疫グロブリン製剤の使用が増えていく可能性もあります。COVIDの後遺症の類似の疾患なども小児で言われていまして、海外製品に頼るということは、良い方向に考えていいのか、あるいは頼らないで供給量を増やしていかないといけないのか、それはどう考えたらよろしいのでしょうか。
 ○田中参考人 :海外製品は、外来で使えるタイプのものを上市されていて、それが手軽さもあって、増えていると思っています。追加していただける先生はいらっしゃいますか。
 ○宮川委員 :日本医師会の宮川です。田中教授がおっしゃったように血液製剤、グロブリン製剤に関しても、外来で使いやすい製剤と、そうでない入院でなければならないとか、個々の製剤の個性という言い方はおかしいですけれども、いろいろな制約があるということなのです。それで、どうしても海外の製剤というのは、現場において使いやすいということで、使用の量がそこで少し偏在が起こるとお考えになればいいのではないかと思います。
 ○田中参考人 :ですので、そこのところで適正な使用かどうかというところが気になってくると思うのです。今後はそこも検証していく必要があるかと思っています。
 ○喜多村委員 :どうもありがとうございました。以上です。
 ○佐々木座長 :お待たせしました、村井委員お願いします。
 ○村井委員 :廣島委員に質問させていただきます。北海道で、学校現場への働きかけ、取組の御報告をありがとうございました。2点質問させていただきます。1点は、教職員の研修会を実施されたということですが、高等学校の保健を充実させるということが目的に掲げられております。高等学校の教職員は、保健体育の教員を対象にされたのかどうかということが1点目です。
2点目は、モデル校における授業実践ということも素晴らしいなと聞かせていただきました。教育課程における位置付けで、保健、理科、特別活動、総合的な時間ということが書かれてありますが、1校で、それぞれの教科、科目で授業実践をされたのか。それとも、この学校は保健、この学校は特別活動というように分けて実践されたのか。その2点をお聞きします。
 ○廣島委員 :まず、養護教員についても当然研修の対象にしています。意外と学校現場については、献血の受け入れが必ずしもよくない部分もありましたので、そこをまず理解していただいてということで、学校に働きかけを行っています。
それから、学校ごとでいろいろ持っている時間が違いますので、利用していただける時間帯でということですので、1校で複数というよりは、学校ごとに使える単元を使ってもらうというような形です。
 ○村井委員 :ありがとうございました。
 ○佐々木座長 :宮川委員お願いします。
 ○宮川委員 :先ほど川崎病のことがありました。田中教授がお話になったように、2021年3月まではぐっと下がったのですけれども、6月から10月まではプラトーなのです。10月からが僅かに上がりかけています。これは、子供たちの行動、流行のフェーズもありますけれども、子供たちの行動様式が変わった。もう1つは、マスクや手洗いといった、自分たちを守ろうという行為が様々絡み合ってそのように変わってきたと思います。
田中教授がおっしゃったように、様々な感染症がどのように動くかというのは、新型コロナウイルスの流行とともにちょっと変わっていくのではないかと思います。しかしながら、その中で免疫グロブリン製剤を使わざるを得ない状態というのも変遷していきますので、そういう意味では安定供給というのは非常に重要なのだということを、田中教授のお話を伺って感じた次第です。
 ○佐々木座長 :他にはよろしいですか。
 ○柑本委員 :東海大学の柑本です。いろいろ御説明くださりありがとうございました。廣島委員にお伺いします。前回の会議のときにも私から申し上げたと思うのですが、大学生に聞くと、やはり高校のときにどれだけ動機付けがあったかということが、その後の献血行動にすごく影響を及ぼしていると思っています。本日御発表いただいたのは、高校生までの学生たちへの働きかけということでした。北海道では、それを超えて大学への働きかけというのは何か独自に行っているのでしょうか。そういうことを伺いたいのですけれども、よろしくお願いいたします。
 ○廣島委員 :大学については、今のところ対応はしておりません。高校生等に行った結果では、前後で、ある程度関心が余りないという回答が多かったのが、関心があるという上昇をしていますので、その後の大学生のときに影響はあるのではないかとは考えております。大学だと、そこで実施するというのは、大学という風土からするとなかなか難しいところもあるので、今後の課題とさせていただきたいと思います。
 ○柑本委員 :どうもありがとうございました。
 ○佐々木座長 :この後、御議論がいろいろある資料の説明がありますので、事務局から資料5、続いて参考資料2について説明をお願いします。
 ○菅原血液対策課長補佐 事務局です。議題5の「その他」です。まず、資料5の「令和3年度上半期モニタリング結果について」を御覧ください。本年度から始まりました中期目標、献血推進2025、こちらの中で、調査会でモニタリングすべき項目について御報告させていただくということになっております。今回につきましては令和3年度上半期、4月から9月分、それらについて御報告いたします。
まず、1ページの原料血漿の確保状況と採血状況です。こちらは、4月から9月までの採血種別の情報をお示しさせていただいております。これだけでは比較がちょっと分かりませんので、比較対象にはならないかもしれませんが、下のほうに参考として令和2年度の下半期分をお示ししております。こちらと比較しますと、若干、昨年度の下半期分はちょっと多いように見えますが、ほぼ横ばいという状況でございました。いずれにしても安定的に供給できているのではないかと考えている次第です。
次のページを御覧ください。今度は供給するほうでございます。上のほうに4月から9月までの供給量をお示ししております。血小板製剤、血漿製剤、赤血球製剤、それぞれについてお示ししています。やはり同様に、令和2年度、昨年度の下半期分、それをお示しさせていただいております。こちらを御覧になっていただきますと、若干の数字の変動はございますけれども、概して同程度の供給量ということで、安定的に供給できているのかなと考えている次第です。いずれにしても問題なく、医療機関に供給できていると考えている次第でございます。
最後のページ、令和3年度上半期の実献血者におけるラブラッド会員の割合です。こちらについては上のほうに、上半期に実際に献血した方の人数と、その中でのラブラッド会員の割合と実数を入れております。上半期につきましては、実献血者数は167万人でございますが、そのうちラブラッド会員が60%の約101人でございます。こちらも令和2年度下半期と比較すると、全体の実献血者数については下半期のほうが多いですが、ラブラッド会員数の割合で見ますと、令和3年度上半期のほうが上回っておりますので、このままラブラッド会員の数字が上回っていればいいなと考えております。
下のほうには、それぞれ月別の実献血者のうちのラブラッド会員の割合を記載しております。なお、これは実数を足しても実際に上半期の数字にはなりませんので、そこは御了承ください。御覧になったとおり、令和3年度上半期分につきましては大体60%後半、8月については70%を超えているという状況で、順調にラブラッド会員が進んでいるのかと考えている次第でございます。同じように下半期分につきましてもお示ししていますが、やはりラブラッド会員割合が進んでいるものと認識しております。こちらの資料については以上でございます。
続いて、参考資料2の「地方分権改革について」、こちらについて少し御説明いたします。そもそも地方分権改革というのは、こちらは内閣府のほうで行っているものでございまして、いわゆる地方自治の観点から、地方への国の権限の移譲であるとか、あるいは国から委託している事務、そういったものの軽減などを、地方自治体からの要望を受けまして、それぞれ対応しております。例えば業務であれば軽減する、権限であれば移譲するとか、そういったものを行っているものでございます。
2ページを御覧ください。今回このようなものをお示しさせていただいたのは、実は血液法第10条5項に記載しております、都道府県における献血推進計画の策定義務付け、これを規定しているわけですが、これを廃止してほしいという要望がございました。資料にありますとおり、提案県は御覧の各県でございます。具体的には、都道府県の献血推進計画策定義務付けを廃止してほしいということであります。具体的な内容としては次のページにございます。
主に棒線の部分をお示ししておりますけれども、県計画につきましては、例えば提案県によれば、県計画は、国計画や日本赤十字社が作成している献血受入計画を基にして作成していますが、国計画において具体的な施策が示されていることから、現状、県計画は形式的なものになっており、その施策遂行上、県の計画が必要なものではないのではないか。あるいは、都道府県や市町村などは国計画に基づいて必要な計画を行わなければならないとありますけれども、そういったものがあることから、県計画がなくとも、献血推進の取組はできるのではないか。あるいは全国的なキャンペーン実施などは、別途、私ども厚生労働省から都道府県宛てに通知を行っておりますので、その通知に基づいて実施しているのであれば、これは必要ではないと。あと、県計画を策定しなくても、県の献血推進協議会などで、要するに意識統一というか、情報共有はできますので、そういった計画策定を廃止しても、現状と変わらず、普及啓発ができるのではないかというのが、提案県の言うところでございます。
これに関しまして、今回は何を諮っているかと言いますと、上のほうに「重点」とありますけれども、これは今回の地方分権の地方規制改革、これのメインテーマと言いましょうか、そういったものがありまして、計画策定の義務付けを廃止する提案につきましてが今回のメインテーマになっていると。その視点としては、計画の策定に当たっては、法令上の内容や手続に関する規定を順守しなければならず、やはり計画の策定という手法は地方公共団体にとって負担が大きい手法であると。それにもかかわらず、そういう計画の策定という手法を義務付けする必要がないのではないか、それ以外の手法でも代替可能ではないかというのが、今回の視点でございまして、今般、私どもの献血推進計画の都道府県における県計画の策定が上げられております。
次のページです。こちらについて、私どもとしては、県計画は必要であるとの認識をしております。なぜかと言いますと、厚生労働省の対応(案)にお示ししているとおり、医療に必要不可欠な血液製剤につきましては、先ほどブリヂストン様のほうからの資料にもありますが、有効期限が短く、継続的に確保する必要がある、そういった血液事業の特殊性に鑑みて、安定供給の体制を確保、維持するためには計画が必要であると。そのために今回も策定しているものではございますが、もしこういうことで都道府県が主体的に計画を策定・明示することによって、採血事業者、日本赤十字社様、あるいは医療関係者、ボランティア団体などの団体とか、住民からの協力を得やすくなり、献血の推進及び血液の安定供給につながるというように考えております。また、そういった計画を策定して、それを評価・見直しを行うことで、血液行政の透明性の確保や適正な運営につながるものと考えていることから、県計画は必要であろうというようにしております。
ただ、その一方、都道府県の事務の軽減につきましては、やはり私どもは何かしら考えざるを得ない。その点で、記載のとおり、何かしらの事務負担の軽減というのを今は検討させていただいているところでございます。そういった形で、現在、そういう動きがありますので、献血推進の調査会でも、関わりがございますので、今回、御報告を差し上げた次第でございます。以上でございます。
 ○佐々木座長 :ありがとうございます。参考資料2のことは、非常に大きな変化を伴うようなことだと思いますので、これについて先に御意見・御質問等頂戴できればと思います。いかがでしょうか。
 ○武田委員 :武田ですが、よろしいでしょうか。
 ○佐々木座長 :お願いいたします。
 ○武田委員 :今の参考資料2の件についてなのですが、やはりこの計画を、これまで都道府県にも作ってもらってやってきたというところは、非常に私は重要なところだと思っています。今、説明があったとおり、事務負担が課題になっているという部分があるのだとすれば、そこについては軽減できるような形を国のほうでも考えるというふうに、今御説明もありましたが、そういったところはきちんとしていただいて、やはりここは、この献血を進めていく上で、国の責任でしっかり安定供給をしていくのだと、それを都道府県は、また責務として、住民に理解を求めていくと。これをしっかりやっていくという中において、国のほうから都道府県にしっかりこの趣旨を御説明いただいて、この計画を作るという形で、引き続きやっていただければと思います。
また、もしこの計画を作るということが負担になっていると同時に、事務的なことになっているというような声があるのだとすれば、この計画を作る段階の、また好事例というか、こういった形で都道府県ではやっているというようなことであったり、また、計画を作ったことへの評価といいますか、こうしていったことで、このように献血がうまく進んでいるというような、そういった評価をしていくということも一つ、考えなくてはいけないのかなと考えています。私からは以上です。
 ○佐々木座長 :どうもありがとうございました。ほかに御意見等ございましたら、お願いいたします。
 ○宮川委員 :今、お話があったように、このように事務的な負担というのは少なくなるべきで、これは当然のことだろうと思っています。合理的な事業であるようにする、あらゆる工夫をそこに落とし込んで、考え、行動するということは、こういうものに関しては非常に重要かと思います。
しかしながら、この献血というものを考えてみますと、これは医療関係者や日赤だけのものではない。今日お話がありましたように、様々な方の御協力なくしてはできない。企業や教育関係者、ふだん医療に関わらない人たちの支えがあってこそ、この事業というものが成り立っていく、そして、それが国民のためになっていくということだろうと私は思っております。
特に私は実地の医療の現場におります。地域医療というふうに考えれば、平時から住民への医療提供をはじめ、災害時、特に今般のコロナ、そのような感染症、様々な場面において、地域の特性に応じて適正な対応というものをしていくことが非常に重要であると。これは当然のことだろうと思います。その中で、適切な判断をしていくためには日頃から万全な準備というか、そういう想定をしていかなくてはいけない。そこで行政が「想定外だった」と言うようなことは恥ずべきことだろうと、これは言うべきことではないわけです。あらゆる想定しないようなことが、今起こっています。
そういう中で、医療者と行政というものが共有できる地域の実態に即した指針というか、方向性を出していくということが非常に重要だろうと私は考えております。そういう意味では、様々今日のお話の中にあったように、献血も実績においても都道府県別に、すごく特徴があるわけです。血液製剤の中の種類というようなことによっても、消費量とかバランスも異なっています。目標量を採血事業者との間で県ごとに、そういう意味ではいろいろな細かいところを見ていかなければいけません。
それはなぜかというと、そこの中では地域における年齢構成の違い、また、地域の気象条件、先ほどの北海道のような話があって、冬は献血そのものだけでなく移送も困難です。しかしながら血液製剤というものは生き物ですし、先ほどお話があったように、短い有効期間の制約もあります。そのような条件があるということは、やはりインフラの中で、様々な工夫をしていかなければならないのは、やはり地域の中で考えていかなくてはいけないと考えます。それは国が大きな指針を出すべきところであって、地方の自治体の中では、その地域に合った地域医療システムというものをつくり上げていくということが重要だと思います。
そこでここに提案団体から、「県計画を策定しない場合でも」というような文言があったので、私は大変驚いております。それは自分たちの地域の医療計画全てに関して放棄しているという形になります。それは県としてあるまじき言葉だと、私は思っております。
ですから、これは献血事業にとっては本当に貴重な献血というものを有効に活用していくためには、確実で安定した見通しを関係者間で共有する必要があると考えます。これは絶対しなくてはいけないことだと思います。ですから、提案の県から、そのような形で代替案というようなものが出ているわけですけれども、なるべくそれは簡素化した形で大枠で設定し、柔軟性に富んだ計画をどのように作っていくのかということは、国はある程度指針を示していければいいのかなというように思います。
しかしながら、県の中では、それは担当する課によって随分濃淡が出ているのではないかなと推察しています。つまり薬務課が担当するのか、それとも医療課なのか、あるいはその連携がどうなのかさまざまだと思います。そのように担当する課の事情は、その県の問題でもあると考えます。それぞれの特性の中で遂行できるかということは各県に問われているので、このような提案意見が出てくる意味合いはよく分かります。これは大変であろうと推察します。一定の小さな課にのみ責任を負わせるのは酷だと考えます。そういうところから窮状として訴えられているのかなというように思うので、それが県全体の議論としてなされるということが、やはり必要なので、そこを何とか国が補助していくとか、支援していくとか、そのような考え方が必要だろうと思っております。
ですから、こういう重要な問題というのは、やはり住民の皆さんが不安になるようなことを絶対に起こしてしまってはいけないと考えます。これは県の責任でもあるし、また国の責任でもあるのかなと思います。今般のコロナの感染の拡大ということがあって、住民の皆様も医療をはじめとして様々なものに関して、疑問を抱いたり、考えたりされています。医療体制について非常に意識が高まっているので、これは是非、県が、もう一回そのことについて再考されて、建設的な体制をつくり上げるということを是非考えていただきたいなというように思う次第です。以上です。
 ○佐々木座長 :ありがとうございます。現場を担っていらっしゃる日本赤十字社さんのほうから、何か御意見・コメントは頂けますか。
 ○日本赤十字社 松田経営企画部次長 :日本赤十字社の経営企画部の松田と申します。こちらの件につきましては、実はこの資料を頂きまして、社内でも議論させていただきました。先ほどからお話されていますけれども、平成15年に血液法が制定されまして、国が策定する献血計画には、確保すべき血液の目標量や、啓発活動というものが規定されております。これを基に都道府県が計画を具体的に実施するということは、都道府県が献血推進計画を策定するという意味ではないかと思います。
また、地域の医療に不可欠な血液の供給に際しては、献血について住民の理解と、我々日赤の献血の受入れが円滑に実施するために、必要な処置であると考えております。したがいまして、やはり都道府県が主体的な計画を策定・明示することで、献血推進及び血液の安定供給が図られるということから、血液法の規定どおり、都道府県の役割であります献血推進計画の策定は、必要不可欠であると日赤としては考えているところでございます。以上でございます。
 ○佐々木座長 :ありがとうございます。ほかの委員から御質問・御意見等ございましたらお願いいたします。
 ○松本委員 :よろしいでしょうか。資料5の「令和3年度上半期モニタリングについて」です。1番の原料血漿確保についてですが、この原料血漿の確保を令和2年度下半期と比較して横ばいであると、確保できているというお話でしたけれども、先ほど田中先生のお話にもありましたように、免疫グロブリンの需要が今後増大していくというような可能性も大いにあるということを考えますと、やはり横ばいではちょっと心もとないということになるかと思います。
そこで、先日の運営委員会でもお話が少し出たのですけれども、日本赤十字社のほうでは、以前から置換血小板を導入し、その置換した血漿のほうを、こちらの原料血漿に利用するというようなことを言われてきていますので、是非ともその置換血小板の導入を早く推し進めていただきたいというのが、私からの要望というか、日赤に対するお願いであるというようなことです。よろしくお願いいたします。
 ○佐々木座長 :日本赤十字社さんのほうから、何かございますか。
 ○松田次長 :日本赤十字社経営企画部の松田でございます。今の置換血小板につきましては、現在、取り進めているというところは間違いないのですけれども、実施期間など具体的には決まっていないというところでございます。
 ○佐々木座長 :よろしいでしょうか。ミュートになっていますか。
 ○松本委員 :すみません、是非、今後、具体的なところまで話を早急に進めていただければなと考えております。よろしくお願いいたします。
 ○佐々木座長 :ほかにいかがでしょうか。
 ○喜多村委員 :よろしいですか。では、ちょっと質問させていただきます。改革提案のところなのですが、法律のことはよく分からないのですが、血液法第10条で国計画、それから県計画を立案すると決められており、今回の提案では、国計画の目標量を確保するための具体的な実施計画というような解釈は可能でしょうか。それは、血液法に抵触することにはならないと理解して大丈夫かどうかという点が1つです。
それから、もし地方分権改革提案を受け入れる方向で行くとすると、県横断的な連携とか、血液の安定供給に支障を来す可能性も発生するのではという、この2点についてもう少し教えていただければと思います。どなたか分からないのですが、ちょっと教えていただければと思います。
 ○菅原血液対策課長補佐 :事務局でございます。ちょっと確認ですけれども、喜多村先生、最初のほうの質問ですけれども、いわゆるそれに関しては、都道府県計画を国計画で代替えできるかということですか。そういうことをおっしゃっているのでしょうか。
 ○喜多村委員 :血液法では、国計画に基づいて県計画があるというふうに読めますが、今回の提案というのは国計画は踏まえますが、県単位で独自の運用計画を立てることを可能にするものなのかという質問です。
 ○菅原血液対策課長補佐 :事務局でございます。こちらにつきましては、もともと趣旨が、献血推進の主体の1つである都道府県におかれても、国同様に独自の県の推進計画を策定するということでございます。ですので、いろいろ軽減策として何かしらの、例えばほかの計画とかを引っ張るという話はあると思いますが、基本的には独自の計画を策定するというのが、私どもの、今回のというか、この法律の趣旨でございます。
 ○喜多村委員 :ありがとうございます。そうすると、事務的な作業の軽減を図るという意味で捉えればよろしいのですか。
 ○菅原血液対策課長補佐 :私どもとしては、そちらのほうの形で軽減するような形を考えています。いずれにしても、こちらに関しましては、私どもはいろいろと今後軽減策を考えていきたいと考えております。
 ○喜多村委員 :分かりました。ありがとうございました。
 ○佐々木座長 :2点目が、これをなくすことによって連携がどうなるかということですね。
 ○菅原血液対策課長補佐: 供給に関しましては、やはりその可能性が否定できない。先ほど医師会の宮川先生、あとは日本赤十字社さんからもありましたとおり、やはり本当にその計画的な供給に影響を与える可能性が否定できませんので、もしこれが、例えば県が計画を策定しないということになると、極端な話、県が献血推進に支障をきたすような、そういう可能性も否定できない可能性も出てきます。そうすると、「全て献血推進は日本赤十字社」という話になりかねませんので、献血にかなりの影響を与えるものと考えております。
 ○喜多村委員 :分かりました。ありがとうございます。私もそう思います。ただ、その県が策定しない場合というのは、血液法に抵触する可能性はないのですか。
 ○菅原血液対策課長補佐 :現在のところは、こちらのほうでは法律自体を変えてくれという話でございますが、もし現在法律を改正しないとなると、これは「定めること」としておりますので、余りよろしくない話になると思います。
 ○喜多村委員 :分かりました。ありがとうございました。
 ○佐々木座長 :宮川委員、お願いします。
 ○宮川委員 :先ほど強く言ってしまったような感じがあるのですけれども、この提案団体からの意見ということで、7行目から8行目ですか、「現状、県計画は形式的なものとなっており、県の施策遂行上、県計画の策定が必要不可欠なものとまでは言えない」と。これは完全に放棄しているような話で、先ほども申し上げたように、地域医療の現状というのは様々なので、「県計画は形式的なものとなっており」とありますが、それは自分たちがそういうものにしてしまっているだけなのです。
実際に、では誰がその県が関与しなくてやっているのかと言ったら、一番最後のほうから5行目ぐらいですか、「県内市町村や採血事業者である県血液センターとは常に密に連携を取り」ということで、そういう所が一生懸命やっているのです。実際の中で、齟齬が起きないようにやっているのは誰なのかと言ったら、その事業者そのものが懸命にやっているから破綻が起きていないだけで、その県は見て見ないふりをしているようなものだというような形になってしまう。提案団体からこのような意見が出てくるということ自体は、物事を見ていないという形になってしまう。これは本当は恐ろしいことなのだと認識しなければなりません。
こういうことを、住民を守るべき行政が、このような軽々しい言葉を遣っていいのだろうかと疑問に思います。命を守る血液というものを、事業者が一生懸命、現状の中で頑張っていらっしゃる、そういう努力というものを、見て見ぬふりしてしまってはいけないだろうと考えます。
申し訳ないですが、私もそういう意味では自覚が足りなかったかもしれないと反省しております。ですから県と一緒にやりましょうというような形で、計画に対してサポートしていくということをしていかなければいけないのだろうと思います。これは、できれば7行目から8行目のようなことは、是非是非言わないでいただきたいなというのが、医療者からのお願いであります。
 ○佐々木座長 :どうもありがとうございます。この件につきまして、ほかの委員から何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
時間も押してまいりましたので、では今日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。この件はかなり慎重な意見が出ておりますので、事務局といたしましても、この点については、よく御検討いただきたいと思います。それでは、ほかに何か事務局からございますか。
 ○菅原血液対策課長補佐 :事務局でございます。こちらについては特にございません。
 ○佐々木座長 :委員の皆様から何かほかに御発言はございますか。よろしいでしょうか。それでは、どうもありがとうございました。本日の議論は以上で終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。