第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録

健康局 健康課予防接種室

日時

令和3年10月28日(木) 15:00~17:00

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

議事内容
萩森予防接種室長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第25回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催いたします。
本日は、御多忙のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の議事は公開でございます。また、前回の分科会と同様、議事の様子はYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しているYouTubeの撮影用以外のカメラ撮りにつきましては、議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
また、傍聴の方々におかれましては、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
続きまして、本日の出欠状況について御報告いたします。
合田委員、沼尾委員、福島委員から御欠席の連絡を受けております。
現在、委員18名のうち15名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センターの多屋馨子先生に参考人として出席をお願いしております。よろしくお願いします。
続きまして、資料の確認となります。
本部会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイル及びお手元のタブレット端末で閲覧する方式で実施いたします。資料番号01の議事次第及び委員名簿から番号05の利益相反関係までの資料を用意しております。
なお、資料2の24ページに不要なスライドが入っておりますので、説明時に改めてお話しさせていただきますので、御留意いただきたいと思います。
また、会議終了後、ホームページの修正もさせていただく予定としております。
仮に、議事の進行上、ページに言及する部分がございましたら、その議事に関しての修正もさせていただく予定としておりますので、御了承いただきたいと思います。
資料の不足等、御不明な点等がございましたら、事務局員にお申し出いただきたいと思います。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○萩森予防接種室長補佐 それでは、ここからの進行は脇田分科会長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○脇田分科会長 それでは、よろしくお願いします。
委員の皆様、よろしくお願いします。
まず、事務局のほうから、審議の参加に関する遵守事項等について報告をお願いいたします。
○萩森予防接種室長補佐 ありがとうございます。
審議参加の取扱いについて御報告いたします。
本日御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取状況、薬事承認等の申請資料への関与について申告をいただきました。各委員及び参考人からの申請内容については、資料番号05の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本日の議事内容に関し「退室」や「審議または議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいません。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取について、通帳や源泉徴収票などの書類を確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますよう引き続きよろしくお願いいたします。
以上です。
○脇田分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、今日の議事に入りたいと思います。
今日の議題は「新型コロナワクチンの臨時接種について」ということで、前回も議論しましたけれども、3回目の接種、追加接種についての議論ということになりますので、皆様の御意見をどうぞよろしくお願いいたします。
まず、今日は感染研の感染症疫学センターの多屋先生に、直近の新型コロナワクチンのワクチン効果やその経時的な逓減について説明していただきまして、その後、また事務局のほうからも説明をしていただくということにしたいと思います。
それでは、多屋先生、資料1を使って御説明をお願いいたします。
○多屋参考人 多屋です。よろしくお願いいたします。
今日は、新型コロナワクチンの有効性について簡単にまとめてみましたので、私のほうから御紹介したいと思います。
1枚目のスライドを御覧ください。
首相官邸のホームページでは、毎日現在の接種状況が更新されております。最初のスライドは、年代別、回数別の被接種者数と接種率を示したものですけれども、60歳代以上の方は多くの方が2回目接種を終えているということ、一方、10代、20代の若い方については、1回目が約6割ぐらいで、まだ2回目を受けていない方が20%弱いらっしゃるということがこのグラフから分かりました。
その次のスライドは、新規感染者数とワクチンの累積接種割合を重ねたグラフですけれども、折れ線グラフが新規感染者数で、第5波がぐっと落ち着いて今は非常に少ない状態で、ワクチン接種率は非常に高い、80%近い割合になってきていることが分かります。濃いグリーンのほうが2回接種完了者の割合で、黄緑のほうが1回接種の割合となります。
次のスライドをお願いします。
こちらは日本で使われているワクチン3種類、ファイザー社製、モデルナ社製、アストラゼネカ社製について、WHOがほぼ毎週に近くWeekly Epidemiological Updateで更新しているものですけれども、変異株(VOCs)ごとにまとめられています。
今は世界中がほとんどデルタ株になっているので、一番下のデルタ株のところだけ御覧いただければと思いますが、ワクチンの有効性については3つとも発症と感染に対しての減弱の可能性はあるものの、重症化に対してはその予防効果は不変というメッセージが出されています。
次に、重症、発症、感染と分けて矢印で記載がされているのですが、それぞれ矢印の説明については表の下に書いてあるとおりで、横棒のときは減少が10%未満またはワクチンの効果が90%より大きい場合、矢印が1本のときは、2本のとき、3本のときという形で、これぐらいの数字で減少しているということがこの表から分かるかと思います。
その次のスライドに行っていただきまして、これはいろいろな論文をまとめたものです。ほぼ毎月感染研のホームページに「新型コロナワクチンについて」という内容で更新しています。研究所の中で新型コロナワクチンに関わられている先生皆さんで作っているものなのですけれども、英国の『The New England Journal of Medicine』の論文を紹介したものです。test negative designでの症例対照研究です。この論文はCOVID-19を疑う症状を有したという記載がされていますので、発症ということを見た予防効果です。検査はPCRで確認されています。やはりデルタ株では著明に有効性が低くなっていることが述べられていますが、ファイザー製とアストラゼネカ製のワクチンの結果は類似だったようです。
ファイザー製のワクチン2回接種後の有効性は、アルファ株に対しては93.7%。95%信頼区間はスライドに書いたとおりですが、デルタ株で88%。アストラゼネカ社製については、アルファ株についてはこのぐらい、デルタ株についてはこのぐらいの数字が出されていますが、結果としては2回接種が支持されるという論文です。
それから、MMWRにまとめられた米国の状況でも、同じようにtest negative designで症例対照研究が行われていますが、こちらはCOVID-19関連入院に対するワクチン効果が述べられています。COVID-19関連入院に対するファイザー製とモデルナ製のワクチンの有効性が検討された論文で、ワクチン効果は86.8%。デルタ株とアルファ株の流行期間によって差をつけて、アルファ株優位の期間とデルタ株優位の期間で分けていますが、ワクチン効果は同等であったことが述べられています。
一方、年齢ですけれども、65歳以上の方は79.8%。デルタ株が流行しているときです。それに対して、若い方は95.1%と、やはり若い方のほうが有効性は高い結果が紹介されています。
あと、人種とかワクチンの種類とかによって差は認められなかったようです。
次のスライドをお願いします。
こちらはノルウェーからの報告で、Eurosurveillanceにまとめられているものですけれども、デルタ株の効果とアルファ株の効果を比較したもので、population-based cohort studyという方法での検討となっています。今までは症候性感染、症状があった人や入院、死亡というものの効果を見ていることが多かったのですが、この論文では無症候性感染も含まれた結果がまとめられています。
ワクチン未接種の方、部分的接種(1回目の接種)から2回目の接種までの間とか2回目接種からすぐの間、そして、完全接種に分けて検討されていまして、アルファ株に比較すると、デルタ株でのVEは低いという結果でした。きちんと2回接種して7日以降たった方については、未接種者の方に比べて、デルタ株、アルファ株いずれも感染のリスクが低いということ、完全接種された方はワクチン未接種者と比較すると感染のリスクは低いということが示されています。
VEの推定値はいずれも観測データに基づいているので、結果の解釈は注意する必要があります。症候性感染に対するVEと一致しているという結果でした。
また、他の研究との比較をするときには、研究デザインの違いを考慮に入れる必要があって、本研究では症候性感染と無症候性感染の両方が含まれているということです。
最後のスライドです。こちらは重症予防効果で、イスラエルから、そして、英国からの論文をまとめたものですけれども、COVID-19関連の入院を予防するワクチンの有効性は98.0%、重症/最重症のCOVID-19による入院を予防するVEは98.4%、関連死亡を予防するVEは98.1%と非常に高く報告されています。これは7割以上がファイザー社製ワクチン2回接種を完了した段階での結果です。
デルタ株流行下においても、重症化予防や入院予防効果が93%と高く保たれていましたが、90%以上あった感染予防効果や発症予防効果は、どうしても期間がたつにつれて減弱していっているということが分かるかと思います。
ファイザー社製ワクチンを2回接種した医療従事者を14週間にわたってずっとPCRでフォローした研究があって、39人、0.4%の方がブレイクスルー感染を認めているのですけれども、67%は軽い症状を認めただけで、入院を必要とする方はいなかったようです。ブレイクスルー感染を起こした方のほうが、ワクチン接種後の中和抗体価は低い傾向であったということが述べられています。
最後、英国からの論文ですけれども、こちらは80歳以上の方を対象にした解析で、1回接種後14日以上経過してからの入院に対するリスクは、ファイザー社製のワクチンの場合は43%減少、アストラゼネカ社製のワクチンも37%減少、死亡に対するリスクはファイザー社製のみで検討されていますが、51%減少すると報告されています。
このコホートでは追跡調査がなされて、ファイザー製ワクチン2回接種後7日以上経過してからの死亡に対するリスクは69%減少と述べられていますが、これはアルファ株流行の時期です。
以上、簡単ですけれども、治験の段階では分かっていなかった感染予防効果について、最近幾つか論文が出てきたと思います。リアルワールドのデータになりますと、感染予防効果も一定程度認められるということが分かってきたように思います。
一方、最近の治験からは、感染予防効果は経時的に減少していくということが分かってきたと思います。
以上、簡単ですが、私からの資料の説明は以上となります。ありがとうございました。
○脇田分科会長 多屋先生、どうもありがとうございました。
続きまして、事務局から新型コロナワクチン接種の現状についてまず説明をしていただきます。
よろしくお願いします。
○九十九予防接種室長補佐 よろしくお願いいたします。予防接種室の九十九でございます。
それでは、資料2を御覧ください。
まず「1.新型コロナワクチン接種の現状」についてでございます。3ページ目を御覧ください。
こちらは新規の陽性者の推移でございます。9月の分科会の時点より新規陽性者数はかなり減少している状況でございます。
続きまして、4ページ目を御覧ください。
こちらは新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(死亡者割合)を見たものでございます。今までの資料のリバイスでございますので、説明は省略いたします。
続きまして、5ページ目を御覧ください。
こちらは新型コロナワクチンの国内の接種状況でございます。2回の接種が完了した者は全体で70.6%、高齢者に限りますと90.5%となってございます。
続きまして、6ページ目を御覧ください。
こちらは全国の新規陽性者数及びワクチンの接種率ですが、こちらもこれまでの資料のリバイスでございますので、説明は省略させていただきます。
続きまして、7ページ目、8ページ目は日本での供給が予定されているワクチンでございます。
更新されたところを申し上げますが、8ページを御覧ください。
最後のところ、ファイザー社との契約が10月7日にありまして、既存の契約に加えて、来年1月から約1億2000万回分のワクチンの供給を受けることとなっております。
説明は以上でございます。
○脇田分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、議題のほうに進みたいと思います。資料2の12ページが今日の議題ということです。今日は論点を2つに分けておりまして、追加接種の対象者を誰にするかということと、どのワクチンを使用するかということです。
まず最初の誰を対象者にするかということについて、事務局から御説明をしていただきます。
よろしくお願いします。
○九十九予防接種室長補佐 それでは、説明いたします。
まず12ページ目を御覧ください。
今、座長のほうから御紹介いただきましたが、本日、誰を対象とするか、また、どのワクチンを使用するかについて御議論いただきたいと思っておりますが、この誰を対象者とするかにつきまして、今、記載のとおりのような論点で考えてございます。
具体的には、2回接種後の感染予防効果の経時的推移は対象者により異なるかどうか。
続きまして、2回接種後の発症予防効果・入院予防効果・重症化予防効果の経時的推移は対象者により異なるかどうか。
追加接種による効果は対象者により異なるかどうか。
また、諸外国の対応状況はどうかという論点で御説明したいと思います。
13ページ目を御覧ください。
こちらは国内のワクチン接種歴別の新規陽性者数でございまして、先日のアドバイザリーボードに出た資料でございます。
2回接種済みのところを御覧いただきたいのですが、2回接種済みのうち、新規の陽性者数ですが、年代別にこれを見ておりまして、この1週間の推移を見ますと、21人から122人までの値で推移してございます。ただ、これは1点気をつけないといけないのが、2回接種して直後の方の数も含まれますので、これについてはワクチンの効果を考える上で留意が必要だと考えてございます。
続きまして、14ページ目を御覧ください。
今度は新型コロナワクチンの感染予防効果の推移(ファイザー社)でございます。まとめを読み上げますが、ファイザー社ワクチンの感染予防効果に関しましては、16歳以上の各年代におきまして、デルタ株かどうかにかかわらず、2回目接種後6か月までの追跡期間において逓減したことが報告されてございます。
研究内容ですが、米国の大規模統合ヘルスケアシステムを用いて、12歳以上の会員が対象でございますが、電子カルテ記録を用いまして、ファイザー社ワクチンの感染及び入院に対する予防効果を2回目接種後6か月まで分析した後ろ向きコホート研究でございます。
結果ですが、2020年12月から8月までに343万6957名が解析対象となっています。感染予防効果につきまして申し上げますが、年齢別の推移で、これは2回接種後1か月以内から5か月以降の整理でございます。12歳以上の全年齢で見ますと、1か月以内が88%から5か月以降が47%まで有意に低下したということでございます。
これを年齢別に見ますと、12歳から15歳は追跡期間が限定されておりますので、ここはデータがございませんが、16歳から44歳では89%から39%まで、45~64歳は87%から50%まで、65歳以上は80%から43%まで低下しておりまして、これを示したものが右上の図でございます。
続きまして、デルタ株とその他の変異株の推移でございます。これは2回目接種後1か月以内から4か月以降を見たものでございます。デルタ株とその他の変異株に関して、特に有意差は認めなかったという報告になっておりまして、具体的には1か月以内及び4か月後の有効性、また、4か月後の低下率で特にデルタ株とその他の変異株で差がなかったというのが右下の図でございます。
続きまして、15ページ目からは、発症予防効果・入院予防効果・重症化予防の推移について申し上げます。
16ページ目を御覧ください。
今度は発症予防効果のほうでございます。ファイザーワクチンの6か月間の追跡期間の結果、発症予防効果は2回目接種後に経時的に低下するものの、高い予防効果を示したと報告されております。これはファイザー社フェーズIII試験におけるものでございまして、16歳以上の4万4165名と12~15歳の2,264名に対して、ファイザー社ワクチンを21日間間隔で2回接種する群とプラセボを接種する群に無作為に割り付けし、ワクチンの発症予防効果と安全性を分析してございます。
結果でございます。下の2つ目のポツでございますが、発生予防効果は2回目接種2か月以降に提言しておりまして、7日以降2か月未満で96.2%だったものが2か月以降4か月未満で90.1%、4か月以降は83.7%まで逓減しておりますが、論文のまとめとしましては高い予防効果を示したと報告されております。
なお、この論文に関しましては、年齢や性別といったサブグループの解析は行われておりません。
17ページ目を御覧ください。
今度は入院予防効果について御説明します。ファイザー社ワクチンの入院予防効果に関しましては、全年齢で、デルタ株かどうかにかかわらず、2回目接種後6か月までの追跡期間において保たれたという報告がされております。
こちらは14ページの同じ『The Lancet』の報告でございます。研究内容は先ほど申し上げましたので割愛しますが、結果でございます。2回目接種後の入院予防効果は以下のとおり推移しておりまして、年齢別の推移、これは2回目接種後1か月以内から5か月以降の推移でございますが、全年齢では12歳以上で87%から88%で低下は認めておりません。また、同じく各年代での入院予防効果の低下は認めていないという結果でございます。
また、デルタ株とその他の変異株でございますが、これも入院期間を通じて低下を認めないという報告でございます。
続きまして、18ページ目を御覧ください。
今度は重症化予防効果についてでございます。ファイザー社ワクチンの重症化・死亡に対する予防効果は2回目接種後2か月で96%以上に達した後に、2回目接種後6か月までは同程度を維持したと報告されてございます。
研究内容でございますが、これはカタールの全国データベースを使用した研究でございまして、2021年1月1日から9月5日までの期間における新型コロナウイルスのPCR検査陽性例を症例、背景因子をマッチングさせた検査陰性例を対象に設定しまして、新型コロナウイルスの感染及び重症化・死亡に対するファイザー社ワクチンの有効性を分析したテストネガティブデザインの症例対照研究でございます。
症例は14万2300名となりまして、対照群が84万8240名となってございます。
ワクチンの推移は、重症化・死亡に関して申し上げますが、予防効果について申し上げますが、2回目接種後1か月で96%、2回目接種後6か月で88.9%となってございまして、おおむね6か月後まで同程度維持したと報告されております。なお、7か月以降で55.6%という数字がございますが、これは信頼区間が広く、この結果をもってワクチンの効果が低下するとは言及されてございません。
また、60歳以上の群と60歳未満の群で、重症化予防効果については同じくあまり逓減せずに保たれたという報告でございます。
19ページ目を御覧ください。
こうした入院予防効果または重症予防効果が保たれたという報告が比較的多いところではございますが、一方でこのような報告がございます。60歳以上におきまして、ファイザー社ワクチンの2回目接種から、時間経過とともに重症例の発生率が上昇する傾向があったことが報告されております。これはプレプリント論文でございますが、昨日付で『The New England Journal of Medicine』で論文化されたものでございまして、まだこちらはまとめ切れておりませんが、内容を確認しましたところ、こちらの資料の内容と大きなそごはないと確認してございます。
研究内容でございますが、2021年6月1日以前にファイザー社ワクチン2回接種を完了しました新型コロナウイルス感染歴のないイスラエル住民が対象でありまして、保健省の全国データベースから2021年7月11日から31日までのPCR検査陽性例を抽出しまして、ワクチンの接種時期による感染者・重症例の発生率を分析したものでございます。
結果は、478万5245名を解析しております。60歳以上におきまして、ワクチン2回目接種後から時間が経過するほど、重症例の発生率、これは1,000人当たりでございますが、増加する傾向が認められております。
具体的には、1月に2回目接種をした群は1,000人当たり0.29、2月に2回目接種をした群が0.23、3月に2回目接種をした群が0.15、4月から5月に2回目接種をした群が1,000人当たり0.1となってございます。
引き続きまして、20ページ目を御覧ください。
今度は、追加接種による効果は対象者により異なるかどうかでございます。
21ページ目を御覧ください。
まずは免疫原性についてでございます。デルタ株に対するファイザー社ワクチンの追加接種後の1か月の中和抗体価は、2回目接種後1か月と比較しまして、若年者も高齢者も増加したと報告されてございます。
研究内容ですが、18歳から55歳の11名と、65歳から85歳の12名に対しまして、ファイザー社ワクチンの2回目接種後7.9~8.8か月に同ワクチンの追加接種を実施してございます。初回接種前、2回目接種後7日と1か月、3回目接種前と接種後7日、1か月に中和抗体価を測定したファイザー社のフェーズⅠ試験でございます。
結果ですが、3回目接種後1か月の野生株に対する中和抗体価は、2回目接種後1か月と比較して、18~55歳において5倍以上、65歳から85歳において7倍以上。また、下の3ポツ目でございますが、3回目接種後1か月のデルタ株に対する中和抗体価は、2回目接種後1か月と比較して、18歳から55歳において5倍以上、65歳から85歳において12倍以上となってございます。
続きまして、22ページ目を御覧ください。
先ほど免疫原性でございましたが、今度は感染予防効果・重症化予防効果についてでございます。60歳以上でファイザー社ワクチンを2回接種完了後、5か月以降に追加接種した群は、非追加接種群と比較して感染例の発生率比が11.3分の1、また、重症例の発生率比が19.5分の1であったとの報告がございます。
こちらもイスラエルの保健省のデータベースの研究でございますが、7月30日から8月31日の期間におきまして、少なくとも5か月以上前に、ファイザー社ワクチンを2回接種完了した60歳以上のデータを見たものでございます。追加接種の有無による新型コロナウイルス感染例と重症例の発生率を比較した後ろ向きコホート研究でございます。
結果としましては、113万7804名が解析対象となってございます。解析の結果、追加接種から少なくとも12日経過した群は、2回接種した非追加接種群と比較しまして、感染例の発生率比が11.3分の1、重症例の発生率比が19.5分の1となってございます。
続きまして、23ページ目を御覧ください。
こちらは、ただいま申し上げました研究の続編でございます。これはまだプレプリントでございますが、新しい知見が出てきております。ファイザー社ワクチンの2回目接種完了後、5か月以降に追加接種した群では、先ほどは60歳以上で効果があるのではないかというような報告でございましたが、こちらは全年齢で非追加接種群よりも感染例の発生率比が低かったというところでございます。また、40歳以上においては、非追加接種群より重症例の発生率比が低かったという報告でございます。
研究内容ですが、イスラエルの保健省のデータベースを用いた研究でございます。解析期間が、先ほどは8月31日まででしたが、今回は10月6日までの期間における解析となってございます。また、対象者は16歳以上のデータを収集したものでございます。
結果としまして、解析対象者が増えておりまして、462万1836名となっております。感染例の発生率比でございますが、全年齢で追加接種群が非追加接種群よりも低いということになっております。また、重症例の発生率比は40歳以上、死亡の発生率比は60歳以上で追加接種分が非追加接種より低かったということでございまして、具体的には、重症例の発生率比ですが、40~59歳で22分の1、60歳以上で18.7分の1、死亡者の発生率比は60歳以上で14.7分の1という結果になってございます。
続きまして、24ページ目、諸外国の対応状況でございます。
25ページ目を御覧ください。
この資料は、今、人の絵柄で色づけをしておりますが、これはハイリスク者と施設入所者、特定の年齢の者、職業、同居人等の理由による対象者、初回シリーズで特定のワクチンを接種した者とグルーピングをしまして、このグループごとに諸外国の追加接種の対象者の変遷をまとめたスライドでございます。
米国を御覧ください。米国は9月24日の時点ではファイザー社ワクチンを初回シリーズで接種した者に限るとしておりまして、また、18歳から64歳で特定の疾患を持つ者、65歳以上の者、18歳以上の長期療養施設入所者、18歳以上64歳以下で職業上あるいは居所におけるウイルスばく露とリスクが高い者となってございましたが、10月21日には新しく対象が加わりまして、ヤンセン社ワクチンを初回シリーズで接種した者、また、左に書いておりますグループのうち、モデルナ社ワクチンを初回シリーズで接種した者にまで対象が拡大してございます。
26ページ目を御覧ください。
フランスにおきましては、10月6日の時点で対象者が拡大しておりまして、具体的には医療者及び医療、介護業の全従業員、ハイリスク者の自宅介助者、救急隊員及び消防隊員、免疫不全社と接点の多い18歳以上の者でございます。
また、ドイツに関しましては、9月6日の時点で、医療者の助言や個人の判断を踏まえ接種を希望する60歳以上の者、重度免疫不全者と自宅で接触し得る者、医療、介護施設等で業務上定期的に感染者と接触機会のある者に対象が拡大したところでございます。
イスラエルは、当初60歳以上の者から順次年齢が引き下げられまして、現在は12歳以上の者が対象となってございます。
まとめますと、諸外国におきましては、追加接種の対象を徐々に広げておりまして、現時点で対象となっていない若年層等についても今後方針が検討される予定となってございます。
27ページ目を御覧ください。
一方で、EMAに関しましては、10月に18歳以上の者に対する追加接種を承認する方針を打ち出した一方で、WHOは現時点で追加接種に関する慎重な姿勢を崩してはおりません。
28ページ目を御覧ください。
まとめのスライドでございます。
現時点に得られております追加接種に係る科学的知見等を整理しますと、以下のとおりと考えております。
ファイザー社ワクチンの感染予防効果の推移に関しましては、2回目接種後6か月までの追跡期間において、全年代で経時的に低下しまして、2回目接種後6か月では50%前後まで低下したと報告されてございます。
また、ファイザーワクチンの入院予防効果や重症化予防効果の推移に関しましては、2回目接種後6か月後まで維持されるとの報告のほか、60歳以上に関しては経時的に重症化予防効果が減少するとの報告もございます。
ファイザー社ワクチンによる追加接種の効果に関しましては、2回目接種後より3回目接種でより高い免疫原性の増加が確認されたほか、追加接種を行わなかった者に対するファイザー社ワクチンでの追加接種による有効性は、感染予防効果のみでなく重症化予防効果も改善するとの報告がございます。
諸外国におきましては、追加接種の対象者として、現時点では高齢者や重症化率の高い者、医療者等ウイルスばく露のリスクの高い者を対象とする国・機関が多い状況でございますが、対象者は継続して拡大する検討がされており、今後、対象者の範囲が広がることが予想されております。
また、特に対象者を限定していない国・機関もございます。
これらを踏まえまして、承認後のリアルワールドデータに基づきますと、先ほど多屋先生からもございましたが、新型コロナワクチンには一定の感染予防効果があると考えられますが、感染予防効果は発症予防効果・重症化予防効果に比較して早期に低下すること、また、高齢者においては、重症化予防効果についても経時的に減少する可能性を示唆する報告があることなどを踏まえまして、初回未接種者への接種機会の提供を継続するとともに、2回接種完了者全てに対して追加接種の機会を提供することについてどう考えるかとしております。
説明は以上でございます。
○脇田分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、今の最初の論点です。追加接種の対象者に誰にするかという論点について議論をしたいと思います。
28ページに事務局のほうからまとめをしていただきました。今日御提示のデータはかなり論文を網羅していただいて、感染予防効果・発症予防効果・重症化予防効果の減衰と3回目接種による追加接種の効果についておまとめいただきました。諸外国の追加接種の現状をまとめていただいて、それに基づいて最後のところになります。2回接種完了者全てに追加接種の機会を提供することについてはどう考えるかという論点提起ということだと思います。
それでは、委員の先生方から御意見をいただければいいと思いますが、池田先生からお願いいたします。
○池田委員 池田でございます。
多屋先生並びに事務局には、海外の事情などを詳しく御説明いただきまして、ありがとうございました。
日本にも大変参考になると思うのですが、まず1点、検討の対象者とか3回目接種時のことを議論するに当たって、確認といいますか教えていただきたいのは、もちろん3回目接種以降の有効性については日本ではやっていないので、日本のデータがないのは当たり前なのですが、これだけ日本でも2回目接種の接種率がかなり上がってきておりますので、日本における有効性、重症化予防、入院予防あるいは発症予防に関するデータがあるのかどうかというか、海外と例えば人種の違いとか、あるいは感染状況の違い、その他いろいろな事情が異なっているところもございますが、海外のデータをそのまま日本に当てはめてよいのか、それとも何か留意点があるのか、できれば国内データでこういった効果を確認したいところだと思うのですが、そのような情報があるのかないのか。ないとした場合に、この海外のデータはどこまで日本に適用可能と考えていいのか、そこを教えていただければと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
白井先生、お願いします。
○白井委員 白井です。
まとめのところで、入院予防効果や重症化予防効果の推移と書いていただいているのですけれども、先ほど脇田先生のほうから、あえてかどうか分かりませんが、入院予防効果とは言われなかったのですが、今お示しいただいた資料の海外の部分については、入院の適用が日本とは違うのではないかなと思っていますので、入院予防効果があるからというのは、日本においては出しにくいかなと思います。場合によっては、地域によっては感染即入院していますので、ワクチンがあろうとなかろうとそういうことが起こっていますので、この辺の表現はあまり適切ではないというような感じを受けました。
重症化予防については、今、高齢者について日本はデータがない、論文ではなかなか無いと言われましたけれども、現場の感覚からいうと、高齢者の入院とか死亡率はかなり減っているなと思いますので、その辺をどういうふうに加味していただくかなと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
今の白井先生のコメントも池田先生のコメントとつながるところがあって、今の論文データが日本にどう適用できるのかというところかと思いました。
信澤先生、どうぞ。
○信澤委員 ありがとうございます。
私も日本のデータが足りないというのは思ったのですが、もう一つ、今日御紹介いただいたのはほとんどがファイザーの結果で、日本ではモデルナを打っている人もかなりいるのですけれども、モデルナワクチンの場合もやはり効果が低下する時期というのは同じぐらいなのか、あるいはモデルナの場合は初回接種用のワクチンに入っているmRNA量が3.3倍ぐらい多いので、ある程度効果の低下する時期というのがファイザーほど早くないのかとか、そういう情報があれば、3回目接種ということになったときに打つ側もそこら辺を考慮できるのかなと思いました。
あと、アストラゼネカのワクチンの場合には、mRNAは打てないでアストラゼネカを打っている人が多いと思いますので、そういう方たちの場合も、アストラアストラにした場合に重症化リスクや発症予防効果へのいい影響があるのか、あまり影響ないのかというような情報が、海外の情報でもいいのですけれども、あれば教えていただければと思いました。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
モデルナは開始がちょっと遅かったから、まだ減衰のデータの論文があまり出ていないというところがあるかもしれませんが、事務局には確認をいたしましょう。
取りあえずここまででよろしいですか。池田先生から日本におけるワクチン効果についてどうかと。それがあればということですけれども、それがなければ今回の海外のデータを日本に適用する場合に何か懸念される点はあるのかという御指摘です。
白井先生からも、入院予防効果はそのまま日本に適用できるものではないのではないかという御指摘でした。
それから、信澤先生からは、モデルナのデータ、アストラゼネカの3回目接種によるベネフィットはどの程度あるのかというような御質問だったと思いますけれども、事務局にまずお答えを伺ってもよろしいですか。
お願いします。
○九十九予防接種室長補佐 貴重な御質問ありがとうございます。
まず、池田先生からの御質問でございます。御指摘のとおり、今回海外からの知見になりまして、日本におけるデータということでございます。実際にこのワクチン接種が始まったのは海外からで、どうしてもこういった最新の知見が海外から出てくる状況でございます。
一方で、我が国において、例えば発症予防効果の推移とか、そういった研究はどうかという御質問でございますが、これはAMED研究のほうで鈴木先生に今やっていただいている研究で、先日、分担研究班から我が国における発生予防効果についてテストネガティブデザインで報告をいただいたところでございますが、そういった研究も行いながら我が国においてもワクチンのVEを引き続き見ていきたいと考えてございます。
 また、白井先生からの御質問と少し重なるかもしれませんけれども、海外における定義とか、例えば入院の定義も海外と異なるとかということは、やはり一定程度留意しながら考えていかないといけないと思いますが、感染予防効果、発症予防効果だけで物を考えるのはなかなか難しいので、やはり入院の予防効果とか重症化予防効果、これはいずれも海外によって日本と定義が多少異なることは認識しているのですが、こういったデータも見ながら議論する必要があると思って提出させていただきました。
また、信澤先生から御質問いただきました、今回はファイザーのデータが多いけれども、モデルナのデータはどうかということでございます。こちらは、今回アメリカであったり、イスラエルだったり、ファイザーを最初に打たれた国からの報告が多くなってございまして、まだ全体的にモデルナに関するデータというのはそんなに多くない状況かと思いますが、引き続きモデルの状況についても注視していきたいと考えてございます。
また、最後、アストラゼネカとアストラゼネカの話がございました。我々も注視しておるところでございますが、今ほど申し上げたとおり、こちらもまだデータがあまり多くない状況でございますので、これらも状況をしっかり注視していきたいと考えてございます。
以上でございます。
○脇田分科会長 どうもありがとうございました。
今、事務局からお返事をいただきましたけれども、池田先生、白井先生、これでよろしいですか。ありがとうございました。
信澤先生のほうもお答えいただきましたので、坂元先生、お願いします。
○坂元委員 説明された中での対象者ということですが、これは1回目2回目の接種のときと同じことなのですが、年齢で区切るというのは自治体にとっては非常に簡単な操作なのですが、今回、2回目を受けた人から何か月後にありますよというときに、その都度対象者を拡大されると大混乱が起きると思うのです。
最初に設定したときに医療従事者は優先するということだったのですが、途中からやはり介護従事者も必要ではないかということで拡大を行ったという形と、あとは、重症化しやすい人という定義もなかなか難しくて、我々市町村に判断することもできないというもろもろを考えると、1つの提案です。やはり2回接種した方で希望者全員というのがかなり現実的で、このように医療従事者、高齢者、重症化しやすい人などと区切っていくのは、今回はあまり現実的な方法ではない。多分ほかの市町村の方もそう思われると思いますが、そういう形で、私はこの提案にある2回完了者全ての希望者に対して3回目接種をやるということを、我々市町村としては強くお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今、坂元先生から、今回は対象者の優先順位をつけるというわけではなくて、2回接種をした方全てに対して機会を提供するということでどうかというお話だったと思います。ただ、一方で、1回目2回目が優先順位をつけて接種をされましたので、例えば期間を8か月ということにすれば、自動的に同じ順番になろうかと思いますが、それは接種券を全員に送付して、その上で8か月なりの期間が空いた人から順番に打っていくというような御提案だと理解いたします。
この点についてもどうでしょうか。御意見があれば伺います。
池田先生、お願いします。
○池田委員 池田でございます。
基本的には、今の坂元先生の御提案は現実的な方法だし、混乱がないということは理解いたしました。
それで理解していないのは、例えば職域接種をされた方とか、あるいはいわゆる医療実施者ということで医療機関でされたような方についても、これは順番の中に入るのか。もう一つは、やはりワクチンの供給状況によっては、接種券は来たけれども予約を取ることに大変苦労して、まさに宝くじみたいな状況になりかねないということもございましたので、供給状況もにらみながら、あと、自治体の接種以外の方法で受けられた方についての順番など、この辺りをどういうふうに整理されるのかということが質問でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
様々な接種の仕方がされたことについて、3回目の接種をどういうふうに整理するかという具体的なお話になろうかなと思いますが、今、対象者の点について、さらに委員の先生方から御意見はありますか。
中野先生、どうぞ。
○中野委員 中野でございます。
質問をさせていただきます。今回、第1点目の論点としてまとめていただいた追加接種に関しての「(1)誰を対象者とするか」の最後のスライドでございますが、2回接種完了者全てに対して追加接種の機会を提供することという文言に私は賛成でございます。いつからかとかいろいろな問題はあるでしょうけれども、2回接種が完了した方に接種の機会を提供するのに賛成でございます。
その前段にございます「初回未接種者への接種機会の提供を継続するとともに」も賛成なのですけれども、よく考えてみますと、予防接種の用語で初回未接種者というと1回目接種だけを含むようなニュアンスを与えることになるので、他のワクチンと準じて考えるならば、初回免疫未完了者とか、接種の現場におりますと、様々な事情で確かに一度も打っていない方もいらっしゃいますし、1回だけ打って、いろいろな事情で間が空いている方はいらっしゃるのです。そういった方々にも接種の機会を確保するという意味で、今日は追加接種の議論でございますので、後半部に賛成というのが一番なのですが、ここに「初回未接種者への接種機会」という一文言を加えていただいたのは非常にありがたいのですけれども、これは広い意味で、接種券をお持ちの方で対象者に関しては3回接種の現場でも1回目接種、2回目接種も接種できるということを要望したいと思います。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
確かに初回の免疫が進んでない方というのは、ポケットといいますか免疫ができていないということで、そこは免疫をつけることが優先されるということは当然だと思いますので、ここは事務局に少し考慮していただくということかと思いました。
釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 どうもありがとうございます。
まず、28ページの今、皆様が御意見の2回接種完了者全てに対して追加接種の機会を提供することについてどう考えるかという点は、私も2回接種完了者が全て追加接種の対象として順番に接種券が配られるという形がよいと思います。この今日の御提案に賛成を申し上げます。
その前提で、実務的な話を伺いたいと思いますが、2回の接種が完了してから早く接種した方は大分時間が経過してくるだろうと思いますが、この住所地における接種完了の確認というのは、VRSで入力をする部分があり、その後、接種券がついた予診票が自治体に最終的に回ってきて確認をするという作業があり、これは個別接種も集団接種あるいは職域接種もみんなそういう作業をされていると思うのですが、今日は自治体の事業にお詳しい構成員の方もおられるので伺いたいのですが、これらの作業というのは大体接種からどのくらいたつと完全に予防接種台帳にしっかりしたデータが入ると考えたらよろしいのでしょうか。まだこの辺りのところは私自身はあまり承知していないところなので、教えていただければと思います。
それから、2回接種が完了したことをもって3回目の対象者になってくるということで、接種券を送付するという作業自体は、自治体としてはそれほど負担なく実施できる作業なのかどうかということも教えていただきたいと思います。
それで、これは今日の議題と離れますが、多屋先生がおられるので忘れないうちに申し上げておきたいと思いますが、接種年齢の拡大の議論のところで、もともとファイザーとモデルナは18歳以上だったわけですけれども、これを12歳以上に拡大するに当たって、小児科学会からもいろいろ御意見がその後になって出てきたという経緯がありますが、ただ、今日の報道では米国でさらに接種年齢の拡大の議論が行われるということでありまして、今後、我が国でも同様のことがあると思いますが、小児科学会ではその辺りのさらなる年齢の引下げに関する検討はどういうふうになっておられるのかというところも併せて、私は小児科医でありますから大体分かっているのですけれども、この公の場で御意見を伺えればと思って質問させていただきました。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
まず先に御意見をまとめて伺ってしまいますので、回答というかレスポンスは少しお待ちください。
佐藤委員、それから中山委員、鎌田委員の順番でお願いします。
○佐藤委員 佐藤です。ありがとうございます。
1つ目が質問で、2つ意見を申し上げます。
質問は、23ページの2ポツで、イスラエルの保健省のデータベースで死亡の発生率比は60歳以上で追加接種群が非追加接種群より低かったというところです。これは、40歳未満については非追加接種群より重症例の発生率が低いことは確認されなかったという理解でよろしいでしょうかということが一つです。
2つ目は、「全てに対して追加接種の機会を提供すること」とあるところです。脇田先生からも8か月を空けてということなので、自然と2回目に打ったところから数えた順番になるのだろうということなのですが、受ける側からすると、そうは言っても、どういう人が3回目の接種が強く推奨されるのかということについては、ある程度指針を示していただいたほうが、あまり厳密な指針は難しいだろうと思うのですけれども、どなたでも希望する人は8か月たったらどうぞ、ということではなくて、ある程度こういう人たちは比較的知見も得られていて強く推奨されます、ということがを示されたほうがよろしいかと思います。
3つ目です。3回目も同様に努力義務に位置づけられるのだろうと思うのですが、得られている知見の程度によって緩やかさがあったほうがいいと思っております。ここに書かれている「追加接種の機会を提供する」という書き方はとてもよい書き方だと思うのですけれども、先ほど申し上げたように強く推奨される人とそうでない人で緩やかさが示されるような情報提供の仕方を工夫していただければと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
中山先生、お願いします。
○中山委員 ありがとうございます。
私も今、佐藤委員がおっしゃったことを考えておりました。やはり3回目というのを自分は本当に受けたほうがいいのか、受けなくても大丈夫なのかというのは皆さん結構迷うと思うので、接種を強く推奨されるようなグループの人と、できれば受けたほうがいいというグループの人ぐらいに分けて分かりやすく情報を提供するということが必要ではないかと思います。
それから、もう一つは質問なのですが、イメージがよく分からないのですけれども、既に2回受けている人が、受けてから8か月たつ少し前ぐらいに、自治体のほうからあなたはもうすぐ8か月過ぎますよということで、接種券が送られてきて、ワクチンの種類が幾つかありますから、あなたはファイザーです、あなたはモデルナですというような接種券が送られてきて、そのワクチンの接種をしている会場とか医院を教えてくれるというイメージなのでしょうか。受けるほうからすると、今までのような大きな集団接種会場をまた設けるのかどうかもイメージができなかったので、分かれば教えてください。お願いします。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
川俣委員、その後伊藤委員で、少しそこで区切らせてください。
川俣委員、お願いします。
○川俣委員 2回目の接種が終わった順にしますと、8か月後にこちらでクーポン券を渡すというのが一番楽な渡し方かなと思っています。そうすると、前回のような受付とか予約の混乱は少ないのかなと思っています。ただ、皆様方、中山先生や佐藤先生がおっしゃるように、どの方が全員受けるかというのはやはり表示していただけるとありがたいと思います。例えば高齢者で無理して施設に住んでいるような方、外部と接することがないような方まで本当に3回受ける必要があるのか、いろいろなことは条件として出てくるのではないかなと思ってきます。今の段階だと全員受けています。
あと、地方として心配なのが、県でやった接種と地域でやった接種では、データがまだ私たちの手元に届いていないので、8か月たったからそれが速やかに配布できるかというのだけは、今、私たちは不安になっているところがあります。ただ、前ほどの混乱が少ないのかな。
あと、皆さんがおっしゃっているように、1回目も2方目もまだ受けていないような方々が、3回目を受けている人の中で、やはり受けたいと出てくると思うので、その対応を上手にできるかだけが心配になっているので、ただ、今までの1回目2回目の接種よりは随分スムーズにできるのではないかなと私たちは思っています。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
先ほどの釜萢先生の御質問のところにもつながる御意見だったと思います。
伊藤委員、お願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
中野先生の御意見は多少違いがあって、佐藤委員とか中山先生に近いのですけれども、今回書かれている28ページの議論では、どちらかというとイスラエルに近い状況、全員に対してというところになるのですけれども、日本の今の全体の発症率とかを考えたときに、全ての人に対して業務等によーいどんという話は多少違和感があって、もう一つは、どの人が一番推奨されるのかというメッセージを出すのが分科会の役割ではないかなという気がいたしています。
これはどちらかという意見です。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、ここまでのところで、様々な御質問、御意見がありましたので、一つは実務的なところです。対象者が2回接種した方で3回目の接種を希望される方全員ということになると、自治体の接種、職域の接種でそれぞれどうするのかということと、それから、釜萢先生からもありましたけれども、VRSで確認をして台帳に入るまでの時間が自治体接種、職域職種でどの程度かかるのかと。その後の接種券の送付の業務がスムーズにいくのかといったところです。
また異なった論点で、佐藤先生の御質問のイスラエルの39歳以下の重症化防止のところはちょっと確認していただいて、あと、3回目が推奨されるグループを示したほうがよいのではないかという複数の御意見がありましたというところです。
あとは、努力義務とすることについての情報提供の仕方ということがございました。
あと、ワクチン別にするのかというところもありましたね。
小児科学会での検討についてはまた時間があればするというところで、事務局から今答えられる範囲でお願いしたいと思います。
お願いします。
○九十九予防接種室長補佐 それでは、事務局からお答えします。
まず、資料の23ページの40歳以上では非追加接種群より追加接種群の重症例の発生率比が低かったけれども、39歳以下ではどうかという佐藤委員の御質問でございます。これは先ほど23ページの資料を説明する際に続報が出ましたと御説明をさせていただきました。これはもともと22ページのときの報告の段階では、60歳以上で感染予防効果と重症化予防、重症例、感染例が下がるという報告だったものが、22ページの資料の段階では対象が113万7804名だったものが、23ページ目の対象は462万程度まで増えてございます。これは順次対象者が拡大されて解析をしておりますので、現時点ではデータが恐らくないですけれども、今後、御懸念の39歳以下の方についても何らかの研究結果が出るのではないかという予想してございます。
以上でございます。
○脇田分科会長 そのほかについても続けてお願いします。
○鶴田予防接種室長 事務局です。
順番にお答えしたいと思います。
まず池田委員から御質問あった内容について答えさせていただきます。医療従事者、職域で接種された方については、接種情報を市町村は把握できていて、接種券を送ることができるのかというご質問につきましては、職域のほうはVRSに入りますので、そういった形で市町村は把握しています。また、医療従事者については、その予診票が市町村の手元に届けば、その情報をVRSまたは予防接種台帳に登録しておりますので、それに基づいて接種券を配ることができます。予診票が市町村の手元に届くのが少し遅れることもあると聞いておりますので、速やかに市町村に届くように国としてもしっかりと注意喚起等をしていきたいと思います。
また、ワクチン量についても御質問をいただきましたが、今回はおおむね8か月ということで運用していくとなると、どのぐらいのタイミングでワクチンを市町村に届ける必要があるかということを我々は計算できますので、しっかりと必要量が手元に届くように対応していきたいと考えております。
中野先生からは、初回未接種者の書きぶりのところに御意見をいただきましたので、これにつきましては事務局において今後検討させていただきたいと思います。あくまでもここで書いてあるのは、1回目というわけではなくて、1、2回目を受けていない人ということで我々は捉えていますので、その趣旨がちゃんと伝わるように表現ぶりも含めて検討させていただきたいと思います。
次に、釜萢先生から御質問をいただきましたけれども、VRSに情報がどう入るのかということで、先ほどの池田先生への回答と繰り返しになってしまうところはありますけれども、基本的に接種券が届いている方については、VRSで読み取るということになっていますので、速やかに登録されるのが原則になっているわけですが、初回の医療従事者のところは、VRSで読み取れていませんので、ここは予診票が市町村に届いてから入力するということになりますので、そこにタイムラグは発生しております。時々予診票がなかなか届かないといったこともあると聞いておりますので、この辺につきましては、例えば医療機関で止まっていたりということもあると聞いていますので、なるべく速やかに市町村のほうに予診票を届けていただくように、そういった注意喚起、これは釜萢先生とも協力しながら対応させていただきたいなと思います。
あとは、接種年齢の拡大のところですけれども、現状は12歳以上が対象ということですが、最近、報道でも11歳未満についてどうするのだという話があります。現時点では、11歳未満を対象にした小児用ワクチンについては、国内において薬事の申請もまだ出ていない状況です。基本的には、企業から薬事の申請があって、薬事の審査を経て、その結果を踏まえてこのワクチン分科会で議論をして、予防接種に位置づけるかどうかを議論するという順番になります。ただ、子供のワクチンについては、いろいろと御意見があると、小児科学会やいろいろなところからお聞きしておりますので、なるべく早い段階で議論ができるように準備していきたいと思っております。
続いて、佐藤委員から、どういう人が推奨になるのかという御意見、要は、全体に努力義務が係るけれども、その中でもより接種したほうがいい人という濃淡があるはずなので、そこに対して情報提供をしっかりやるべきという御意見だったと思います。まさにそうだと思いますので、これに関しては、この審議会の先生方においてもどういう方が一番推奨されるのかということをいろいろ議論していただきたいなと思っております。
また、皆様方の御意見を踏まえながら、我々としても情報提供の仕方、チラシが非常に分かりやすく御本人様に直接伝えるツールの一つにもなりますので、そういったものを事務局としてしっかりと整理をして市町村に届けることによって、情報を御本人様に届けることができますので、チラシを作る上でもどういう人が一番推奨され得るのかというところは、まさに専門的見地から御議論を深めていただきたいと思いますので、ぜひこの点、この後の審議でもお願いできればと思います。
あと、中山様からは、接種券がどんな感じで届いて、ワクチンを限定して進んでいくのかという御質問がありましたけれども、基本的には2回目接種完了からおおむね8か月後に接種をするということになりますので、それに間に合うように順次自治体から接種券が配送されるといった事務を考えています。その際に、同じワクチンを使うのか、異なるワクチンを使うのかというのは、この後の論点でまた御議論をお願いしたいと思っておりますけれども、いわゆる交互接種を3回目でどの程度認めるのかというポイントかと思いますので、そこでまた御議論を深めていただければと思っております。
受ける場所については、実際にボリュームを含めて、自治体において接種体制を考えていくときに、個別接種重視でやるところもあれば、集団接種重視でやるとこもあれば、それを組み合わせてやるところもあればと、いろいろなパターンがあり得ると思いますが、3回目接種においては、どのぐらいのボリュームなのかを予測しながら体制を組むことができますので、最適解を市町村の皆様方でよく御議論いただきながらつくっていっていただくということがとても大事なポイントになるかなと思っております。
あと、伊藤先生から接種対象者を全員にすることについて、疑義があったということではありましたけれども、ここは情報提供の仕方のところで、どういった方であれば、接種が効果的なのかという伝え方のところでもある程度考慮できる話なのかなと思いますので、先ほどの繰り返しになりますが、より接種したほうがいい人がどういう人たちなのかということをまたこの後議論を深めていただきたいなと思っております。
事務局からは以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今のところで大体お答えいただいたかと思うのですけれども、優先順位のところです。広く1回目2回目を接種した方に3回目の機会を提供するということにするのか、それとも優先順位をつけるのかということですけれども、広くそういった機会を提供するにしても、どういった方がリスクがあるのでより勧められるということを情報として提供するということかなと思います。当然、感染予防効果については、今データを示していただいたとおり、広い年齢層で感染予防効果は低下する。ただ、一方、高齢者であったり、免疫不全のある方では、抗体価がより下がりやすいということも報告されていますし、重症化予防効果あるいは死亡の予防効果についても、年齢別にそういったデータが出ていますから、そういった情報をしっかりと提供していくということにするのか、それとも伊藤先生がおっしゃるように優先順位を考えるべきなのかというところも論点になろうかと思いました。
それでは、次に白井先生、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
今、優先順位とか誰に接種というところで、そもそも私たちは何を議論したらいいかなということを考えたときに、このワクチンを何のために国が勧めるのか、追加接種を勧めるのかということを確認する必要があると思うのです。
私、大阪にいて、第4波はかなり大変な思いをしたのですけれども、高齢者の死亡率も高かったですし、そのときはまだワクチンが行き渡っていなかった。ただ、第5波はかなり感染者が増えましたけれども、高齢者の接種率が高くなっていたこともあってか、死亡率も減ったということもあるし、そういう意味では、地域の全体の感染率を抑えるというか、日本全国を考えても、次の波を減らそうとかということを考えて、どういうところで優先させるかという一つの議論があると思います。
あとは、やはり重症化予防とかということになると、優先順位と言うかどうかですけれども、免疫が低下しているような方については、死亡率を減らす、その方の死亡を減らすために積極的に打っていただく案内をするというのは必要かなと思うのです。ですから、「皆さんが個人の健康のために打ってください」ということと、あとは、「地域の感染を抑えるために打ってください」という言い方によって対象者は違ってくると思います。
第5波でもそれほど感染が多くなかった地域においては、今さらというと変な言い方ですけれども、3回目のワクチンが私たちの地域で要るのだろうかというような議論も聞いていますので、そういったときに、ワクチンの供給が第1回目のように全国一律で、むしろ大都市のほうが、ワクチンがゆっくり来てしまったということもありますので、小さな自治体、あまり感染が広がっていないところを含めて一律にすると、やはり優先して早く済んでしまうと思いますので、それでも全国一律にするのが平等なのか。それは平等と言っても、感染の機会を防ぐということについては、全ての国民に対しての平等にはならないと思うのです。このワクチンの効果がどこまでというのはもちろん議論はあると思いますが、そういった意味で、優先というか対象者をどう考えるかということを私たちは議論するべきかなと思いました。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 優先の話なのですが、制度上優先は無理だと思っています。なぜかというと、これは接種を受けた月ごとに対象者に接種券を送るので、当然高齢者から打っているので、高齢者には先にいくだろうと思いますが、例えば基礎疾患とかそういう人になると多分ばらばらなので、そこを自治体が予防接種台帳から抽出するというのは不可能な作業なので、あくまでも最終打った日付から何か月という形で送るしか現実には方法はないと思います。
それから、地域ごとの問題なのですが、例えば川崎に住んでいる方でも実は山梨県の高齢者施設に入っていたりなど、いろいろなパターンがありますので、地域ごとにそれを分けるというのはかなり現実的になるかと思います。だから、基本的には同時接種という時期を区切って始めて、それから打った順から接種券を送っていく。それで、優先というのはあくまでも例えば学術的な情報提供で、こういう方は受けたほうがいいですよとか、こういう人は抗体価が下がりやすいですよという情報を提供するというのは私も賛成なのですが、制度上受ける順番をそのように操作するというのはやはり現実的ではないと思います。
これは意見でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
今、白井先生から、何の目的で3回目の接種をするのかというところで、それを言いだすと、今、坂元先生がおっしゃった実務上のところからまたひっくり返していくという形になりかねないというような話だったかなと思いますが、そこはそうとしてもいろいろ意見をいただければと思いますので、森尾先生、釜萢先生、多屋先生、鈴木先生ですね。順番に御意見をお願いします。
○森尾委員 ありがとうございます。
坂元先生がおっしゃったことを裏返しで言うような形になると思うのですが、実際には接種後8か月ということでありますので、目安なので、今、優先順位が大きく変わるということもオペレーション上は難しいと思うのですが、一方、やはりメッセージを伝えるということは重要だと思います。皆さんが受けられる機会を提供しますというのが一つと、こういう方は早く受けてくださいねというメッセージの2つだと思うのです。そういう意味で、やはり優先順位は、この前示してかなり後からいろいろなものがつぎ足されてきたことがあるので、8か月の縛りはあるのですけれども、もう少しメッセージというか、こういう考え方で先に受けてほしいなというのを追加される機会があればいいなと思いました。
一つ、ちょっとスペシフィックになってしまうのですけれども、例えば欧米で書かれている免疫不全の方と接触する可能性のある方々というものです。実際に医療現場ででは、免疫不全に付き添っていらっしゃるような御家族の方が予防接種を受けていない、あるいは近くにいらっしゃったけれども受けていないって、これはすごく問題意識がありました。なので、今回ここは優先にはならないのですけれども、メッセージとしてこういう方は気をつけてほしい、あるいはこれから接種を受けていただきたいということを伝えられたらいいなと思いました。
以上です。
○脇田分科会長 森尾先生、ありがとうございます。
様々なハイリスクな方々がいて、その周りにいる方々もいるということですよね。それは確かに非常に重要なポイントだと思いました。
釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 ありがとうございます。
先ほど脇田先生からもお話がありましたけれども、やはり高齢者のワクチン、中和抗体価で見た場合の低下具合はかなり早いというのがあるので、先ほど川俣市長から、施設に入ってほとんど動かない方はあまり無理に受けなくてもよいのではないかという御意見もありましたけれども、高齢者の方はやはりしっかり3回目の接種を受けていただかないと、非常にリスクが高くなってしまうのではないかなということが懸念されます。
それから、我が国においては8月20日頃をピークにずっと、今、感染の拡大が少なくなる状況が続いていますけれども、諸外国を見ると、ワクチンの接種が非常に進んでいたところにおいて大変感染拡大が起こっているという事例が非常に目につくわけです。それを考えますと、我が国ではそんなに追加接種を急がなくてもよいのではないかと私自身はあまり思えないのですが、先ほど伊藤先生からは追加接種に対してもっと慎重でもよいのではないかという御示唆があったので、その辺りも少し御意見を伺えればと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
今、施設に入っている高齢者の方に対してというお話がありましたけれども、日本で新型コロナウイルス感染症が当初から高齢者施設であったり医療機関での大規模なクラスターでかなり大きな被害、犠牲者が出たという事例があって、そこが医療従事者あるいは施設に入居されている高齢者とか従事者の方のワクチン接種が進むことによって、かなりクラスターの規模も小さくなっているということがあります。
実際には、まだ医療機関や福祉施設、高齢者施設でのクラスターは起きているのですよね。幸い規模は小さくなっていますけれども、起きているという現状があって、そういったところを見ると、医療従事者であったり、高齢者で入所されている方もやはり受けていただいたほうがいいですし、施設の従事者の方も受けていただいたほうがいいだろうということはあろうかと思いました。
私も便乗してコメントをしていただきました。すみません。
多屋先生、鈴木先生、お願いします。
○多屋参考人 ありがとうございます。多屋です。
3回目の接種を勧めることについて反対ということではないのですけれども、特に若い方は2回目の接種の後、様々な症状が出ている方が多く、高熱が出たり、お休みされている方が多いと思います。その方々が3回目を接種するに当たって大丈夫かと心配されている方も結構いらっしゃると聞いていますので、3回目接種のときの接種後の症状は海外のほうが先行していますから、そういう情報をしっかり収集していただき、接種前には、伊藤先生がいつも発表してくださっているコホート研究は本当にいい研究だと思うのですけれども、ああいうふうにこれぐらいの方がこういう症状が起こるということを、有効性とともに安全性についても情報提供をしていただいた上で進めていただきたいなと思いました。
もう一つ、先ほど釜萢先生から少し御意見があった小児科の件ですけれども、日本小児科学会の中では決して低年齢に下げることを反対しているということではなくて、もしそういう方針になるのであれば、できれば事前に早めに相談を始めたく、議論をしておきたいので、なるべく早くに情報をいただきたいという希望が強く出ています。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。分かりました。
では、鈴木先生、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
国内のワクチンの効果に関してですけれども、データが乏しいというような御指摘も先ほどございまして、これはワクチンに限らず、流行の初期から一事が万事データが足りないわけですが、その議論はまた置いておくとしまして、ただ、限定的でありますけれども、国内ではワクチンの効果に関して幾つかのグループから厚労省アドバイザリーボード等に報告はされています。
今のところ、日本は欧米に比べればワクチン接種の立ち上がりが少し遅かったということもあるので、現時点ではまだ明らかな発症予防効果の減弱というのは確認されていないと私は理解しています。ただ一方で、抗体価の減弱については、国内でも幾つか報告が出てきていると認識しています。
いずれにしましては、英米、イスラエルと今日お示しいただいたようなデータを見れば、日本だけで減弱化が起こらないと考える理由は何もないと思います。そうすると、日本でも特に先行接種されてきた医療従事者とか高齢者というのは、既に接種してから半年が経過しようとしていますので、こうした人たちの感染予防効果も重症予防効果も既に減弱が起こってきていると想定しておかないといけないと思います。
これまでも既に指摘があったように、特に第4波まで。流行のたびに医療機関とか高齢者施設でクラスターが起こって、それが高い疾病負荷の原因になってきたわけですから、ワクチンの効果がこういったポピュレーションで効果が減弱していると、また病院とか高齢者施設でのクラスターが起こるということは容易に想像されるわけです。
英米は特にワクチン接種率が一定程度上がったからということで、制限の緩和を行って、社会活動が活発化していると、必然的に社会活動度の高い人たちで感染者数が物すごく増えて、それに伴って高齢者の感染者も増えてくるわけです。そうすると、いかにワクチンの効果が減弱して、残っているとしても、やはり死亡者が増えてきます。間違いなく日本もこれから増えてくると思います。まだそれが観察されていないから、もう少し様子を見るというのも一つの考え方かもしれませんけれども、もしまた高齢者クラスターがたくさん起こって死亡者が増えてきて、それから慌ててまたこうした人たちに打ち始めるというのは、あまりいいやり方ではないのではないかと私は思います。
ということで、結論としては、私としては安全策をとって、確かに現在日本ではまだそうした状況に陥っていないのだけれども、海外の状況、エビデンスを踏まえて、特に早期に接種されていた医療従事者、高齢者に対しては、まさに優先度を高めて接種をしていくべきではないかと考えています。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
様々な意見をありがとうございます。
白井先生から、何の目的で接種をするのかということをはっきりさせて、その上で優先順位をつけるのかというような話もありましたけれども、制度上というかこれまでの接種の経緯がありますので、最初は感染予防効果があまりはっきりしないところで、重症化予防、発症予防というところを優先させて医療従事者、そこは感染のリスクがあるということですが、高齢者から始まり、基礎疾患のある方、そして、年齢が高いほうから徐々にいったということがありますので、それで、諸外国の例があったので8か月という期間が設定されていますけれども、現状を見てくると大体半年を過ぎるとワクチン効果が低下してくるというところですから、ただ、実務上8か月程度は必要だというようなお話も様々ありますので、そこをめどにして3回目の接種をしていくということに関しては、多分皆さん御異論はないところかなと意見を伺っていて感じるところです。
さらに、今回優先をつくるというよりは、既に順番に来ていますから、そこで医療従事者、高齢者、そして、基礎疾患の方、順番に接種券が送付されて、それで3回目の接種が行われていく。その際に、この接種はどういう方が勧められるかということもはっきりと情報を提供していくというような形が今伺っていたところかと思いましたけれども、今いただいた意見に対して事務局のほうから何かコメントはございますか。
○鶴田予防接種室長 事務局です。
活発な御意見をありがとうございます。
確かに自治体の事務等をいろいろ考えますと、対象者全員に機会を与えるとし、おおむね8か月という中で順番に接種の機会を提供していくということが一つ合理的なやり方なのだと思います。
また、適切な情報、いわゆる有効性と安全性、正確な情報を御本人様に届けて、接種券をもらった方が、その情報を見て本当に受けるのか、どうするのかということを適切に御判断いただく。そういった情報提供が非常に重要であるという御意見だと私自身は受け止めましたので、それについてはしっかりと検討していきたいなと思っております。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それから、多くの委員の先生にいろいろな御意見をいただきましたけれども、1回目2回目の接種の中でこういった方がやはり優先されるべきだというのは追加でいろいろなことが出てきたと思うのです。そういったところも考慮していただいて、今回情報提供をしていただければと感じました。
白井先生、どうぞ。
○白井委員 ありがとうございました。
私は反対しているわけではなくて、これは委員の方々は分かっている話だと思うのですが、そういうことを国民というか受ける側の人たちに分かるようなメッセージを出すべきと思いましたので、今、感染は収まっているけれども、次の感染に備えて、諸外国の状況も踏まえて、日本は3回目を勧めますということと、その中で機会は全ての人に与えるけれども、やはりこの人は注意してくださいということを国がきちんと言っていただくということをこの分科会の結論というか、そういう形にしていただきたいなと思います。
それを言いたかったということなのですけれども、ありがとうございました。また次の機会にもお話しすることがあります。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
それでは、川俣先生、どうぞ。
○川俣委員 誤解を招くような発言をしてしまったのかなと思っているので、訂正をさせていただきたいなと思っています。
高齢者施設に入居している方のワクチンを打たないという意味ではなくて、本当に寝たきりの方、全然外部と接することがない方は無理に打たなくてもいいのかなと思っただけで、高齢者施設の方々に最初に打っていただいているのは当然だと思っています。おかげで、うちのほうも高齢者施設の感染者はゼロなので、そういう意味では効果がかなりあったということは実感しています。ただ、打つ段階で一番先行で打たせていただいたので、そういう意味では助かったということは分かっています。
誤解されているのかなと思ったので、決して打たないとかは思っていませんので、その辺だけ御確認いただければなと思って発言させていただきます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今岡参考人、お願いします。
これまでで最後にしたいと思います。
お願いします。
○今岡参考人 分かりました。
これまでどおりに全員に接種の機会を与えてほしいです。
また、予防接種台帳に載って3回目の接種が始まった時点で、やはり集団接種とか個人の医療機関での接種は一定の機会をやはりつくってほしい。
あと、コロナの副反応に関して、やはり御両親とか御自身で心配の方もいらっしゃるので、私は厚生労働省のコロナワクチンのQ&Aがとてもいいと思うので、そこに3回目接種の副反応的なところも分かりやすい形で載せていただきたいと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
先ほど多屋先生からも御指摘がありましたので、3回目の接種の副反応情報も諸外国も含めてできるだけ収集して、それを提供するということを事務局にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
ここで区切りますけれども、さらにこの1つ目の論点、よろしいですか。
いろいろ御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
時間もあれなので、次に進ませていただきます。論点の2番目で、追加接種にどのワクチンを使用するかということになります。
では、まず事務局から資料について説明をお願いいたします。
○九十九予防接種室長補佐 事務局でございます。
資料の30ページ目を御覧ください。
次の論点としまして、追加接種にどのワクチンを使用するかということでございます。今回の報告はまだプレプリントでございますが、12週以上前にワクチンの初回シリーズを完了した成人を対象とした交互接種を伴う追加接種の免疫原性は良好であったという報告が出てきてございます。
研究内容でございますが、米国の10施設におきましてファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチン、ヤンセン社ワクチンを12週以上前に接種した18歳以上を対象に、交互接種を伴う追加接種の安全性・免疫原性を分析した非盲検フェーズⅠ-IIの臨床試験の速報でございます。
結果でございますが、初回シリーズと追加接種で使用するワクチンの組合せによって、458名が9グループに分類されてございます。交互接種を伴う追加接種6グループと、同種のワクチンによる追加接種、これは同種接種と書かせていただいておりますが、この3グループ全ての組合せで、追加接種前と比較して追加接種後15日目のIgG中和抗体価が上昇しております。具体的には、IgG抗体化が同種接種で4.6から14.9倍、交互接種で4.7から56.1倍、中和抗体価が同種接種で4.2から20倍、交互接種で6.2から75.9倍となってございます。
右の図でございますが、赤枠が交互接種を行ったもの、青のほうが同種の接種を行ったものでございます。ここで注1に記載しておりますが、この著者は初回シリーズと追加接種で使用するワクチンの組合せ間での抗体反応を直接比較した研究デザインではないと明記していることに留意が必要かと考えてございます。
続きまして、31ページ目を御覧ください。
同じ著者のプレプリント論文でございます。今度は追加接種における交互接種の安全性についてでございます。新型コロナワクチンの交互接種を伴う追加接種の副反応は初回シリーズにおける接種で報告された副反応と同程度であり、交互接種と同種接種で差がなかったという報告が出てきてございます。
研究内容は先ほどと同じなので割愛いたしますが、結果としまして、同種接種、交互接種を含む追加接種後29日目までの副反応の報告を述べますが、追加接種に用いたワクチン別の副反応は、ファイザー社ワクチンが14.3%、モデルナ社ワクチンが15.6%、ヤンセン社ワクチンが12.0%となってございます。また、副反応を報告したほとんどの者の重症度は、最大でもグレード2でありました。
著者らは、交互接種を伴う追加接種の副反応は、初回シリーズで報告された副反応と同程度であり、また、交互接種を伴う追加接種と交互接種を伴わない追加接種の間で副反応は同様であったと報告してございます。
続きまして、32ページ目を御覧ください。
こちらは追加接種における新型コロナワクチンの組合せに関する諸外国の状況でございます。米国、カナダ、フランス、ドイツでは、追加接種において使用する新型コロナワクチンについては、初回シリーズで接種したワクチンの種類にかかわらず、mRNAワクチンを推奨してございます。また、米国、フランス、ドイツは初回シリーズで接種したワクチンと異なるmRNAワクチンの使用を認めているところでございます。
33ページ目を御覧ください。
まとめでございます。
現時点までに得られている知見等を整理しますと、諸外国におきましては初回シリーズに使用したワクチンの種類にかかわらず、追加接種にmRNAワクチン、これはファイザー社ワクチンまたはモデルナ社ワクチンを推奨している国が多い状況でございます。また、初回シリーズで接種したワクチンと異なるmRNAワクチンの使用を認める国もございます。
海外の多施設研究においては、交互接種を伴う追加接種の有害事象は、初回シリーズで報告された有害事象と同程度であり、また、交互接種を伴う追加接種と交互接種を伴わない追加接種の間で有害事象は同様であったという報告も見られます。
これを踏まえまして、諸外国の動向や、現時点までに得られている科学的知見を踏まえ、追加接種に使用するワクチンについて御議論いただきたいと考えてございます。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今、情報を提供していただきましたけれども、最後のところで、追加接種に使用するワクチンは1回目2回目に使ったものと同じものを推奨するのか、それとも、初回、2回目異なったものでもよいとするのかというような論点が様々あると思いますので、皆様から御意見をいただきたいと思います。
坂元先生、手が挙がっていますか。
○坂元委員 ワクチンの効果からではなくて、実際のオペレーションの問題なのですが、例えばモデルナの場合だと、職域もしくは本当に限られた自治体での大規模接種でしか行われていない。そうすると、それは継続的に行われないで、市町村でモデルナも準備してくれと言われると、現実論、かなり厳しいところがあるので、現実的なオペレーションの問題として、ワクチンを決めても市町村によっては対応できないワクチンもある。アストラゼネカも多分そうだと思うのです。その辺を考えていただいてお決めいただくという形で、例えばモデルナの場合、職域でやった人を今度は職域をやらないと言ったら、それでモデルナを3回目打ちたいといったときに、市町村に私はモデルナを打ちたいと言われても、それを準備できるところはあまりないと思うのです。そういう市町村での準備体制も十分考慮に入れてここは計画を立てていただきたいと思います。
これはお願いでございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
ですから、国が大規模接種会場あるいは職域接種を今どう考えているのかというところで、さらにモデルナのワクチンをどこで使おうとしているのかというところが、情報がないと申し上げにくいというところかもしれませんね。
信澤先生、お願いします。
○信澤委員 ありがとうございます。
今の坂元先生のモデルナの件なのですけれども、モデルナのブースター用のワクチンというのは、半量でまだ日本で承認されていないのではないかと思うのですが、実際に3回目接種を開始しましょうという時点でモデルナを打てるのか、そこら辺の情報を正確にしていただかないと混乱が起きるのではないかと思いました。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
取りあえず、今の坂元先生と信澤委員の御意見に事務局から何かコメントはございますか。
○鶴田予防接種室長 事務局です。
まず、今、モデルナの半量の話も御意見をいただいたところですけれども、事実関係についてお伝えしますと、現在、追加接種について薬事上の審査というものがファイザー社ワクチンについては行われています。モデルナ社ワクチンにつきましては、まだ日本当局のほうに申請が出てきておりませんので、審査は行われていないという状況です。
御指摘のように、モデルナに関しては、諸外国を見ますと半量ということで追加接種を行っているところもありますので、そういった有効性、安全性といった情報もこの後また皆様方にお示ししながら議論をしていただく必要があろうかと思っております。
あとは、坂元先生から御指摘いただきました、市町村の接種体制のところも十分に勘案して検討を進めてほしいというところは御指摘のとおりですので、できる限り市町村に決まったこと、また、その後もなるべく中長期的な情報も含めてお示しできるように我々としてもしっかりと努力していきたいと思っております。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
私のほうから1点、mRNAワクチンの方は、モデルナを打った方でも、この示していただいたデータ、それから、諸外国の状況を見ると、交互接種、モデルナを打った人でも次ファイザーを打つということでもいいのかなと考えますけれども、アストラゼネカしか打てない方が1回目2回目はアストラゼネカを打たれて、3回目はアストラゼネカということが本当に有効性と安全性の面で大丈夫かなというのは情報があまりないのかなと考えていて、やはりアデノウイルスベクターのワクチンなので、アデノウイルス自身の免疫原性という問題もあって、有効性も多少減弱するのかということもあるので、そのデータがありますかという話です。
ヤンセンの場合は、同じアデノでも1回だったかと思うので、2回目も有効性は期待できるかという感じもありますけれども、その情報はありますかというところは事務局に伺っておきたいと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
取りあえず事務局のほうにお願いしてもいいですか。
○九十九予防接種室長補佐 脇田先生、貴重な御指摘をありがとうございます。
今、御指摘いただきましたアストラゼネカを初回シリーズで使用して、追加接種で使うデータに関しましては、今、英国でCOV-Boostという研究で行われていることは承知しておりますが、こちらの研究結果はまだ詳細が明らかになっていないと認識しておりますので、今後そういったデータも注視していきたいと考えてございます。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
中野先生、お願いします。
○中野委員 本日の主な論点から少し外れるかもしれませんが、世界的にいろいろなワクチンが使われているようになって日にちがたって、接種の現場におりますと、海外でアストラゼネカを2回接種した方あるいは中国製のワクチンを2回接種したといった方が、一旦帰国されていたりして、3回目の接種の御相談を受けることが結構ございます。今回、交互接種に関しましては、現実的には、承認品目を考えるとファイザーのmRNAワクチンでどのように追加をするのかというのが一つのテーマなのでしょうけれども、そこをあまり狭く絞ってしまうと、海外で接種した方々とかの機会を奪うことにもなりかねないので、海外データとかがある程度出てきたら、そういった方にも追加接種の機会を確保するという観点から、この追加接種にどのワクチンを用いるかというのを検討していただけるとありがたいなと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
確かに中国製のワクチンを打たれた方、アストラゼネカを海外で打たれてきた方、あるいはヤンセンを打ってきた方も出てきているということだと思います。
そのほか、いかがですか。
では、今の中野先生の御指摘に関して事務局から何かございますか。
お願いします。
○九十九予防接種室長補佐 大変貴重な御指摘、ありがとうございます。
申し上げましたように、現在、科学的知見を注視しているところでございますが、やはり接種機会の確保という観点もしっかりと考慮しながら検討を進めていきたいと考えてございます。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
釜萢先生、手が挙がっているのですけれども。
○釜萢委員 すみません。下ろすのを忘れたのだけれども、せっかくですからお話しさせていただきます。
これは私自身が期待を込めてということで、データを持っているわけではありませんが、今後、国内メーカーも含めて、新たなワクチンの供給というのは大いに期待されるところでありまして、これは今後どういうふうなワクチンが手に入るか分かりませんけれども、今後はいろいろな選択肢がさらに広がっていくだろうと思います。それは知見を積み重ねながら利用できるものを国民になるべく早く安全に提供するという方向で、この分科会においてもそういう議論を時間が遅れることなくしっかり議論できるように、ぜひ事務局にはお願いを申し上げたいと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
確かに国内メーカーで臨床試験が進んでいるという報道もされている中で、それがどういった使い方をされるのかというところは我々も情報があまりないところなので、もし提供していただける情報があれば、できるだけ早く提供していただいて、我々の間でも議論をさせていただきたいと思います。
白井先生、お願いします。
○白井委員 白井です。またすみません。
実際は、坂元先生もおっしゃるようにロジの問題があると思うのです。それで、アストラゼネカについても大分先になると思いますので、その辺の部分については今すぐ自治体が準備しなくてもいいのだとは思うのですけれども、結局8か月たって何を打てるか、そういうときに何が普及しているかということにもよると思いますし、場合によっては交互接種ということも選択できると思うのですけれども、ワクチンが変わったときに副反応がどうなのかということは打たれる方の不安になると思いますので、そういう情報も出していくということは大事かなと思います。
交互接種の効果はいいのではないかというようなうわさというか、逆に若い人たちのほうがその辺の情報を持っていたりしますので、ただ、裏腹に副反応というか、そちらの反応については、違うものを打つということとか、また、3回目ということについてどういうリスクというか不安があるのか、その辺についてのQ&Aも含めて充実していただきたいなと思います。お願いします。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
当初、日本では2月から先行接種ということでファイザーだけが進んで、その後、少し時間を置いてモデルナ、そして、さらに時間を置いてアストラゼネカということですから、今回の3回目がもし始まったとしても、最初にファイザーを打たれた方で接種が始まるということですから、そのときに、3回目の接種に当初からモデルナとファイザーと両方接種の機会を提供するのかどうかというところも併せて、まだ論点、制度設計はいろいろあると思いますので、そこは事務局にまた考えていただくということもあろうかと思いますけれども、いろいろな御意見があろうかと思います。
どうでしょうか。そろそろ時間ということですけれども、さらにありますか。
それでは、今、釜萢先生、白井先生からも御意見がありましたけれども、事務局から何かレスポンスはありますか。
○鶴田予防接種室長 ワクチンの開発については、国内のメーカーが国産のワクチンを製造すべく、今まさに研究開発が進んでいるところです。ある程度その情報が整理されてきた段階で皆様方と共有できるように、我々、事務局としてしっかり対応していきたいと思います。
白井委員から言われていることでもありますけれども、しっかりと自治体の体制を含めて、モデルナ等も含めて、なるべく予見可能性があるような形で情報を出していくことが大事だと思っていますので、それに関して我々もしっかりと努力したいと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
それから、リスク、ベネフィットですね。論点1のところにもありましたけれども、3回目の接種全体に加えて、さらに交互接種に関するリスク、ベネフィットについてもできる限りの情報の提供をお願いしたいということだったと思いますので、よろしくお願いします。
そろそろ最後になりますが、坂元委員、お願いします。
○坂元委員 接種間隔なのですが、これは8か月以降でよろしいのですね。なぜかというと、半年というのは、学術的には半年がいいのかもしれないけれども、自治体のオペレーションとして、先ほど川俣委員からもあったように、今頃、初期の頃の予診票が送られてきたりして、予防接種台帳の遅れが、市町村によって様々だと思うのですが、半年以上入力が遅れているということがざらにあるので、半年として区切られてしまうと、半年以降となると、恐らく送る方と送らない方というのが出てきたときに、行政は不公平というのが一番避けなければいけないので、半年というのは、仮に半年くらいが学術的によいということであっても、オペレーションとしてはきわめて難しい。川俣先生も御存じだと思うのですけれども、実際は8か月でもかなり厳しいと市町村は思っていますので、その辺をしっかり考えていただきたいということです。
それから、できるところから接種を開始してくださいというのは、先ほども言いましたように、例えば川崎市の人が他都市の高齢者施設に入っていたりすると、本当に混乱だけになってしまうということもあるので、できれば一斉に各市町村が接種を開始するということの御配慮をお願いできればと思います。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今、坂元委員からは、実務上の話として、やはり8か月でも厳しいところ、それ以上短くするのはかなり厳しいのではないかという御意見だったと思います。ただ、坂元委員自ら言われたように、学術的にはというところで、半年たつと抗体価のウェイニング等が報告されているということも事実ですので、それはそれとしてあるところですけれども、制度をどういうふうに設定するかというところは今後されていくというところで、我々のこの分科会の意見としては、科学的な知見と、それから、ここには自治体の代表の方とか、あるいは自治体で医療系のお仕事をされている方もいらっしゃるわけで、そういった意見もここでは議論したということであります。
さらにありますか。
それでは論点2の議論もここまでとさせていただいて、論点1、論点2ともに共通といいますか、まとめますと、3回目の追加接種の機会に関しては、2回接種を完了した方全てに対して提供する方向性ということで分科会の意見はおおむね異論がなかったということだと思います。
一方で、初回の免疫といいますか、1回目、2回目のワクチンがまだ完了しない方については、引き続き接種を勧めていただくということはしっかりお願いしたいということで、追加接種の制度設計に関しては事務局のほうで検討していただいて、次のこの分科会でまた改めて議論させていただくということになろうかと思います。
ということで、交互接種も含めて制度設計を検討していただくということになりますということで、今日は特に何かを決めるということではなくて、継続してまた次回の議論ということになりますので、よろしくお願いします。
それでは、議事のほうはこれで以上となりますけれども、事務局からさらに何かございますか。
○萩森予防接種室長補佐 本日は、長時間にわたり、活発に御議論いただきましてありがとうございました。
次回の開催につきましては、追って御連絡させていただきます。
事務局からは以上でございます。
○脇田分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、今日も活発な御議論ありがとうございました。
これで本日の会議は終了させていただきます。