第21回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録

健康局 健康課予防接種室

日時

令和3年5月21日(金) 10:00~12:00

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

議事内容
○元村室長補佐 それでは、これより第21回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催いたします。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、ありがとうございます。
本日の議事は公開です。また、前回の分科会と同様、議事の様子はユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは、議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
次に、本日の出欠状況について御報告いたします。
川俣委員、福島委員、公募参考人の今岡参考人から御欠席の連絡を受けております。また、脇田分科会長、釜萢委員から遅れる旨、御連絡をいただいております。現在、委員18名のうち14名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令の規定により、本日の会議は成立していることを御報告いたします。
それでは、議事に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。
本部会の資料は、あらかじめ送付させていただいております電子ファイルで閲覧する方式で実施いたします。番号01の議事次第及び委員名簿から番号10の利益相反関係書類を御用意いたしております。
資料の不足等、御不明な点がありましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○元村室長補佐 それでは、ここからの進行ですが、分科会の分科会長代理に御指名されております中野分科会長代理にお願いをいたします。よろしくお願いいたします。
○中野分科会長代理 中野でございます。脇田分科会長が公務のため参加が遅れておりますので、中野が最初、進行を務めさせていただきます。
それでは、事務局から、審議参加に関する遵守事項等について報告をお願いいたします。
○元村室長補佐 審議参加の取扱いについて御報告いたします。
本日御出席いただいております委員と参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、薬事承認等の申請資料への関与について申告をいただきました。
各委員及び参考人からの申告内容については、資料10の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本日は、議事内容に関して、「退室」や「審議または議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいません。
引き続き、各委員におかれましては、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
事務局からは以上です。
○中野分科会長代理 それでは、議事に入りたいと思います。
昨日の薬事・食品衛生審議会において、申請されておりました、アストラゼネカ社ワクチンと武田/モデルナ社ワクチンについて、それぞれ承認を可とする旨の答申がなされました。
現在、厚生労働省の医薬局において、承認のための事務的な諸手続を行っていますが、当分科会として、承認されることを前提として、これらのワクチンの使用について御議論をいただきたいと思います。
まず、資料について事務局から説明をお願いいたします。
○川瀬室長補佐 事務局でございます。
それでは、資料1、資料2-1、2-2、2-3及び資料3につきまして、冒頭一括して御説明を申し上げます。
まず、資料番号03の資料1「新型コロナワクチンの接種について」という資料を御覧ください。冒頭、2ページから4ページまでにつきましては、直近の新型コロナウイルス感染症の発生状況をまとめた資料でございます。3ページで最近の新規陽性者の7日間移動平均は5,646人という状況になってございます。重症者につきましては4ページでございますが、1,288人という状況になってございます。
5ページを御覧ください。予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律で、新型コロナワクチンの臨時接種につきましては、本法改正によりまして実施することとされております。これに関しまして、本分科会で接種に関する重要事項を御審議いただきたいというようなことでございます。6ページに全体の新型コロナワクチン関係の検討体制が整理されておりまして、予防接種ワクチン分科会の接種に関する重要事項というところで、後でも御説明いたしますけれども、副反応報告基準につきましては副反応検討部会において御議論いただくということになってございます。
本日御議論いただきたい事項を簡単に冒頭まとめておりまして、7ページでございます。先ほど中野代理からも御発言がありましたけれども、薬事承認を前提にアストラゼネカ社、武田/モデルナ社のワクチンを使用することについて、どのように考えるか。2つ目が、実施期間ということでございまして、今、全体の事業の実施期間として来年2月28日までとしております。これについて維持する方向でどのように考えるかということでございます。予防接種の不適当者、要注意者につきましては、ワクチンの性質を踏まえ、どのように設定するのか。公的関与の取扱いにつきましては、妊婦さん、現在努力義務が適用除外となってございます。これにつきましてどのように考えるか。あとは16歳以上40歳未満の若年層につきまして、2月の本分科会におきまして御議論いただき、努力義務は適用するということにしております。これにつきまして、現在の状況を踏まえてどのように考えるかということでございます。
その他の事項といたしまして、臨床試験の内容でありますとか、海外の実使用の状況などを踏まえて、同一ワクチンの接種間隔についてどのように設定するのか。異なるワクチンの接種間隔についてどのように考えるか。既感染者の接種についてどのように考えるか。接種後の待機時間についてどのように考えるかということを御議論いただければと思っております。
資料のページ数が多くなっておりますので、ちょっと駆け足で恐縮ですけれども、まず1つ目の論点のまとまりとして、使用するワクチン、対象者、それから実施期間について御説明をいたします。
9ページを御覧ください。我が国において、今、供給が予定されているワクチンでございまして、正式契約を締結しているものといたしまして、本日御議論いただきます武田/モデルナ社のワクチンで、これが今年上半期に4000万回分、今年第3四半期に1000万回分の供給を受けるとなってございます。もう一つがアストラゼネカ社でございまして、こちらも合計で1億2000万回分の供給を受けることになってございます。ファイザー社につきましては、もう使用を始めておりますけれども、年内に1億4400万回の供給を受けると。
その下でございますけれども、追加での契約締結にファイザー社は至っておりまして、さらに今御説明申し上げたものに加えて、今年の第3四半期に5000万回分のワクチンの供給を追加的に受けるということでございます。
また、まだ契約締結には至っていませんけれども、武田/モデルナ社との追加協議、来年から5000万回分のワクチンの供給を受けることを前提に協議中ということ。また、武田ともう一個はノババックス社でございますけれども、こちらとの協議も続けておりまして、来年初頭から1億5000万回分のワクチン供給を受けることを前提に協議中ということでございます。
10ページ以降が、まずアストラゼネカ社のワクチンについてでございます。
11ページを御覧ください。アストラゼネカ社の新型コロナワクチンの作用機序を図示したものでございます。簡単に御説明いたしますと、アデノウイルス、これは複製されないような操作をしておりますけれども、このアデノウイルスの中に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質をコードする遺伝情報を入れ込みまして、商品名はバキスゼブリア筋注というようでございますけれども、それが注射をされますと、アデノウイルスが細胞の中に遺伝情報を届けます。その遺伝情報を基に、ヒトの細胞の中で新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が発現いたしまして、これが細胞外に放出され、それに対する抗体産生であるとか免疫細胞の働きが惹起されるというようなことでございます。
12ページを御覧ください。こちらは文字ベースでまとめたものでございますけれども、新型コロナワクチンの概要といたしまして、作用機序のところは今御説明申し上げたものが添付文書上どう書いてあるかというものでございます。
そのほかの事項といたしまして、アメリカにおきましては、EUA、緊急使用許可の申請はまだされていない状況でございますので、ブランクにしております。
イギリスにおきましては、12月30日に一時的認可をされまして、筋肉内注射ということで4~12週の間隔ということで使用されております。接種不適当者ですけれども、含有成分に対して過敏症がある方、ヘパリン起因性血小板減少症及び血栓症の既往のある方、新型コロナワクチンの接種後に血小板減少を伴う血栓症が発現したことのある方が不適当者という形にイギリスではなってございます。
EUでございますけれども、こちらは1月29日に条件付き承認がなされました。接種間隔は同じく4~12週間ということでございます。接種不適当者は、EUのインフォメーションなどを見ていると、含有成分に過敏症の者が接種不適当者に位置づけられている状況であるということでございます。
日本でございますけれども、先ほど御説明いたしましたが、昨日の薬食審におきまして特例承認を可とする旨の結論が出ております。現在、事務的に手続を進めているところでございまして、早ければ本日にも承認行為がなされるだろうというところでございます。日本の承認された事項の中、添付文書の中では、通常4週間から12週間の感覚で2回接種と。8週間以上の間隔を空けるのが望ましいという記載になっております。接種不適当者につきましては、本剤の成分に関し重度の過敏症の既往歴のある方。新型コロナワクチンの接種後に血小板減少を伴う血栓症を発現したことがある方という形になってございます。
13ページを御覧ください。アストラゼネカ社ワクチンの有効性について簡単にまとめたものでございます。資料の上の囲みの中でございますけれども、主要解析集団において、2回目の接種後15日以降に発現した新型コロナウイルス感染症に対する発症予防効果でございますけれども、70.42%ということでございます。そのうち、用量がちょっと異なるものが2つ混じっておりまして、今回承認された用量に限って分析をしてみると、発症予防効果に係るVE、有効率は62.1%ということでございました。
下のほうが免疫原性に関する情報でございまして、いろいろ書いておるのですけれども、簡単に言いますと、海外の試験のほうでも各国の治験のデータを見てみると、中和抗体価がちゃんと上がっていますと。日本人被験者におきましても、国内で治験を行ったのですけれども、同じような水準で中和抗体価が上昇しているということでございまして、海外において中和抗体価が上がっているということ、かつワクチンの有効性が先ほど述べたような高い水準で出ているということがありますので、日本でも同じように中和抗体価が上がっておりますので、本剤の有効性が日本人においても期待できるということでございます。
14ページでございます。先週の本分科会においても委員の方からこうした情報ということでお求めもいただいたところでありますけれども、アストラゼネカ社ワクチンの変異株に関する有効性でございます。まず、イギリスの変異株と言われていますB.1.1.7変異株につきましては、そうではないものと比較してワクチンの有効性は類似していた、同程度のものがあったということでございます。一方で、南アフリカのB.1.351変異株に対する発症予防効果のVEは10.4%ということでございました。
また、血清の中和活性を見ますと、B.1.1株については中和活性を示した12検体のうち7検体については南アフリカの変異株に対する中和活性が認められなかったと。ほかの検体についても中和活性の低下が認められたということでございます。
下の図表がそれを示しているものですけれども、そのさらに下の記述でございますが、したがって、B.1.351変異株について、軽度から中等度の新型コロナウイルス感染症に対する防御効果は確立されていないというような評価になってございます。
15ページを御覧ください。アストラゼネカ社ワクチンの全体の安全性プロファイルについてまとめたものでございます。まず、頻度の高いAE、これは下の注釈にも書いていますAdverse Eventでございまして、時間的に医薬品の使用と関連のある、あらゆる好ましくない徴候、症状または疾病のことでございますけれども、頻度の高いものをまとめて見ますと、大部分は軽度から中等度であったということでございます。ただ、その発現割合を見てみますと、初回接種後と比較すると2回目のほうが低かったということでございます。こうした結果は国内治験でも同様だということでございます。
具体的には、注射部位の圧痛が60%以上、疲労、頭痛、注射部位の疼痛が50%以上、筋肉痛、倦怠感が40%以上というような形で見られたということでございます。
その下のSAE、これはSevereな、重篤なAEということでございますけれども、そういった重篤なものについては、臨床試験においてはワクチン群と対照群、プラセボ群との間では発生頻度に大きな差はなかったということでございます。
また、死亡例につきましては、治験薬との因果関係が否定されたということでございます。国内治験ではワクチン群において死亡及び重篤な有害事象は認められなかったということでございます。
16ページでございます。こちらも先週の分科会におきまして御指摘をいただいた資料でございます。諸外国で、これはアストラゼネカ社のワクチンについてアナフィラキシーがどのような発生状況になっているかというものでございます。アメリカはまだ使っていないので、アメリカのデータは入っていないですけれども、例えばイギリスでは615件の報告が5月13日にまとめられたYellow Card Reportのサマリーでございますけれども、こちらを見て615件のアナフィラキシーが報告されていると。時点を見ると、大体3080万回接種時点ということでして、100万回接種のうち20件に相当するような頻度で報告があったということでございます。原因物質に関する研究というのがイギリスの公的な文章でも一部なされておりまして、アストラゼネカ社のワクチンにはポリエチレングリコールは含まれていませんが、ポリソルベートという物質が含まれてございます。それに対してポリエチレングリコール、PEGアレルギーの人の一部はポリソルベートに対してもアレルギー反応が出る可能性があるということでございます。
一方で、ポリソルベート自体は非常に多く使用されているものでございますので、特に特定のインフルエンザワクチンなどポリソルベートが含まれているワクチンを接種しても今まで問題ない人は、アストラゼネカ社のワクチンを接種しても問題がないのではないかというような言及がございます。
また、イギリスでは、1回目接種でPEGへの重度の過敏症が見られた場合には、2回目にアストラゼネカ社ワクチンなどPEGを含まないほかのワクチンを選択できるということになってございます。
EUでのまとめた情報、これもよくよく見てみるとイギリスの報告数を引用しているので、ちょっと似たような形になってしまうのかもしれないですけれども、500万回接種時点で41件の報告があったということでございます。
17ページを御覧ください。これはワクチンそのものではなくて、新型コロナウイルス感染後の血栓症についてということでございます。新型コロナウイルス感染症発症後にも血栓症が報告されてございます。血栓止血学会さん、日本動脈硬化学会さんのほうで実際にやりましたアンケート調査の結果を点々の枠囲いの中にまとめてございます。頻度といたしましては、この調査で報告のあった6,082症例の中で、血栓症が105例、1.85%で見られたということでございます。発症部位は、脳梗塞が22例、心筋梗塞が7例、深部静脈血栓症が41例、肺血栓塞栓症が29例、その他21例となってございます。発症部位については重複回答可ということになってございます。
コロナの症状が軽・中等度の方のうち、血栓があったのは0.59%、人工呼吸・ECMO中というのが13.2%だったということでございまして、症状悪化時に多く出る傾向がありますけれども、回復期等においても発症しているということでございます。
一番下でございますけれども、治療はヘパリン投与というのが通常使われていて、D-dimer高値であるとか症状の悪化のために施行されているということでございます。
18ページを御覧ください。今度はアストラゼネカ社ワクチンの接種後に報告がされたと言われております血小板減少を伴う血栓症についてまとめたものでございます。頻度は極めてまれだというような評価になってございますし、発症メカニズム等、まだまだ研究途上の部分もあると思います。その前提でまとめたものでございますので、その点、御留意いただければと思います。病態、発生頻度、治療法についてまとめてございます。
病態のところは、TTSと呼んでいたり、VITTと呼んでいたりされております。メカニズムは不明であるけれども、自然発生的なヘパリン起因性の血小板減少症の機序と類似しているということでございます。
発生頻度でございますけれども、これもいろいろな調査によっていろいろな発生頻度がまだ出ている状態でございますので、真の発生頻度がどれくらいなのかというのはなかなかまだ推し測ることは難しいと思っておりますけれども、例えば英国においては、2020万回接種時点でTTS、血小板減少を伴う血栓症が79例報告されております。男性28例、女性51例で、年齢の分布を見ると18~79歳、死亡は19例ということでございます。
EMAのほうで見てみますと、これは2500万回接種時点でございまして、報告があったのがCVST、脳静脈洞血栓で62例、内臓静脈血栓症で24例ということでございます。そのうち死亡が18例あったということでございます。
また、デンマークとノルウェーでの調査でございますけれども、ChAdOx1というのがアストラゼネカ社ワクチンのことでございますけれども、初回接種後の18~65歳について、28日間に心血管系イベント等で病院を受診した割合を比較してございます。一般集団の推定発生率に比べて高い割合で見られているということでございます。推定される頻度ということで、いろいろな数字が言及されておりますけれども、推定されるVITTの発生頻度は約10万回接種で1例という報告もあるにはあるという状況でございます。
治療法でございますけれども、現在、各国においてVITTが疑われる全ての患者でいずれの用量のヘパリン製剤や血小板輸血を控えるべきであるというようなアナウンスがされているという状況でございまして、通常、血栓症ということで使われるヘパリンは使わないほうがいいだろうとされているということでございます。
19ページでございますけれども、血小板減少を伴う血栓症について、ブライトン分類、これはまだ暫定的なものだと認識しておりますけれども、一応策定されてございます。それのフロー図を記載しておりますけれども、血小板数の減少が見られるということ、血栓症の存在が画像検査等で確認されるということで、臨床症状も特異的な症候群のいずれかを示唆しているということがあるかどうか。また、画像診断、検査所見が血栓塞栓症の診断を支持するという、そういったようなフローチャートを見ていっているということでございます。
20ページでございますけれども、ほかのmRNAワクチンとの関係では、こうした血小板減少を伴う血栓症が出ているのかどうかということでございます。まず、イギリスはアストラゼネカを非常に多く使用しているわけでございますけれども、ファイザー社ワクチンも使用してございます。モデルナ社ワクチンもわずかながら使用はされているということでございますけれども、イギリスのPHEのホームページなどを見てみますと、こうした血小板減少を伴う血栓症がファイザー社あるいはモデルナ社ワクチンの接種後に発生することを示唆するエビデンスは現在のところ存在しないということでございます。
下がアメリカの予防接種諮問委員会での検討資料でございまして、アメリカでは先ほど御説明しましたようにアストラゼネカ社ワクチンはまだ使用されておりませんが、ヤンセン社のウイルスベクターワクチンが使われてございます。アメリカにおいてもmRNAワクチンとの関係でいきますと、血小板減少を伴う脳静脈血栓症との関連を示す証拠はないというような評価がなされてございます。
一方で、ヤンセン社のワクチンについては、血小板減少を伴うCVSTについて安全性シグナルが検出されたということでございます。
21ページを御覧ください。こちらは先週14日の本分科会におきましても御説明を申し上げた資料と同じでございますけれども、今、ファイザー社のワクチンを使用しておりまして、それの配送スケジュールを示したものでございます。右下のほうでございますけれども、ファイザー社のワクチンで今やっている高齢者向けの優先接種に関しましては、6月末までに高齢者約3600万回、2回分の配付を完了する見込みということでございます。したがいまして、今後使用していくワクチンは基本的には高齢者以外の層において使用するということが想定されるかなと考えてございます。
22ページでございます。アストラゼネカ社ワクチンの諸外国の使用状況なのですけれども、一方で、諸外国におきましては、高齢者以外の層についての使用推奨を制限、停止しているという状況にございます。例えばイギリスでございますけれども、40歳未満ではほかのワクチンが使えるのだったらほかのワクチンを使いましょうということになってございます。40歳という水準なのですけれども、少し前までは30歳というような設定になってございまして、比較的短期間の中でちょっとそこの年齢設定にも変動が生じているということでございます。
EUでございますけれども、国によってまちまちですが、ドイツなどは60歳以上の者に限って使用を推奨する。フランスにおいては55歳以上の者に限って使用を推奨する。デンマーク、ノルウェーにつきましては年齢を問わず使用推奨を停止しているということでございます。カナダにつきましては、全体的にmRNAワクチンのほうをお勧めしつつも、それを待つことを臨まないとか、禁忌がないとか、そういった条件の中で30歳以上の方についてはアストラゼネカ社ワクチンの使用が一応推奨されるということでございます。ただ、こちらも30歳以上という年齢の設定ですけれども、4月中旬頃までは55歳以上としていたものに変動があったというものでございます。
23ページ、24ページも14日の分科会で御説明した資料でございますので、詳細は本日は省きますけれども、24ページには、EMAでまとめましたリスクとベネフィットの比較を図示したものを掲載してございます。感染割合によってもベネフィット、例えば重症化を防ぐという意味で予防されるICUの入室数であるとか、予防される死者数であるとか、そういったものが変わっていく。例えば感染割合が低い水準なのであれば、予防されるICU入室数と血小板減少を伴う血栓例数、当然ワクチン接種後でございますけれども、その比較をしてみると、60歳以上のレンジでベネフィットのほうが多くなっているということでございます。死亡についても同じでございます。
25ページを御覧ください。今まで御説明してきましたアストラゼネカ社ワクチンについてまとめたものでございます。アストラゼネカ社ワクチンにつきましては、臨床試験を通じて70.2%と非常に高いワクチン有効率が確認されていると。2回目接種で発症予防効果が期待できるということとされてございます。
一方で、我が国のワクチンの使用状況を踏まえますと、アストラゼネカ社ワクチンは主として高齢者以外の層への使用が想定されるような状況になってございます。一方で、諸外国におきまして、実際に使用していく中で、血小板減少を伴う血栓症の発生に関しまして、比較的高年齢層における使用を推奨している状況にあります。ただ、その年齢設定が各国によって非常に異なっておりましたり、1つの国の中においても比較的短期間で年齢設定が変動しているという状況でございます。
また、治療方法等につきましてですけれども、発症メカニズムと、必ずしもつまびらかに明らかになっているわけではありませんけれども、ヘパリンを使うことがあまり望ましくないという治療法についてあらかじめ周知が必要ではないかと考えてございます。
論点のところでございますけれども、こうした状況を踏まえまして、アストラゼネカ社ワクチンにつきましては、諸外国における高齢者以外の層への接種推奨の状況などを注視しながら、などというのはほかにも治療法の周知度合いとかそういったものもあるとは思っておりますけれども、そういった状況を注視しながら、我が国における使用の在り方について引き続き検討することとしてはどうかというふうにしてございます。
このまま引き続き続けて、モデルナ社ワクチンについて御説明をさせていただきたいと思ってございます。資料の27ページを御覧ください。
武田/モデルナ社ワクチンの作用機序を図示したものでございます。こちらはもう既に使用しておりますファイザー社のワクチンと原理的には非常に近いものになってございます。脂質膜にmRNAが包まれてございまして、それが注射によって体内に入っていくと。そうしたら、細胞にこのmRNAが入り込んでいって、そのmRNAの下に人の細胞においてスパイクタンパク質が発現されまして、それが細胞外へ出ていって、中和抗体産生であるとか免疫記憶などが生じる、そのような作用機序になってございます。
28ページが概要でございます。これも作用機序のところは添付文書で書かれているものでございます。
各国での状況でございますけれども、アメリカでは12月18日に緊急使用許可という形で、接種間隔は1か月という表現になってございます。重度のアレルギー反応、アナフィラキシーなどの既往歴のある方については接種不適当者ということになってございます。イギリス、EUは内容がほとんど同じでございまして、28日間隔で2回接種する。含まれている成分に対して過敏症がある方については接種不適当者となっているということでございます。
同じく日本、昨日薬食審で特例承認を可とする旨の答申がありましたけれども、日本におきましても通常4週の間隔で2回接種をするということでございます。接種不適当者につきましては、本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある方などとなってございます。
武田/モデルナ社ワクチンの有効性についてまとめた資料が29ページでございます。高い有効率が示されておりまして、これまで新型コロナ感染症の感染歴がない被験者の方における発症予防効果に係るVEは94.1%、感染歴を問わない集団で見たときには93.6%ということでございます。
下のところは、アストラゼネカのときともファイザーのときとも同じですけれども、日本人における免疫原性がどうだったかということでございます。端的に言いますと、海外と日本においては同じような形で中和抗体価が上がっているということでございます。そうした中で、海外においても非常に高いワクチン有効率が示されてございまして、日本人においても本剤の有効性は期待できるという結論になってございます。
30ページを御覧ください。同じように武田/モデルナ社ワクチンにつきましても変異株に関する有効性の情報をまとめてございます。いろいろなB.1.1.7、B.1.351、B.1等の変異株に対して中和作用が確認をされております。一部、やはりB.1.351系統につきましては、南アフリカの変異株ですけれども、中和活性がやや低下が認められているようでございますけれども、ただ、全ての血清で中和が可能であったということでございまして、中和活性は保たれているというような評価になってございます。
したがいまして、様々な変異株に対しての本剤の有効性は期待できるだろうというようなことでございます。
31ページでございますけれども、全体的な安全性プロファイルについてまとめたものでございます。まず、頻度の高いAE、Adverse Eventですけれども、大部分は軽度・中等度で、ほとんどのAdverse Eventの発現割合は2回目のほうが増加したということでございます。
ここに示している注射部位疼痛が90%、疲労が70%等々ということを書いておりますけれども、おおむね国内での臨床試験も同様の傾向でしたが、少し数字を見てみますと、全体のN数が違うので、ちょっと直ちにということはなかなか難しいかもしれないのですが、2回目接種後に40%ということで、発熱の割合については日本人を対象とした国内治験での発現割合は海外よりも少し高い傾向があった。ただ、海外の第3相臨床試験をまとめたものでは10%以上というような頻度であったということでございます。
Adverse Eventのうち重篤な、Severeなものについて下段のほうでまとめてございますけれども、本剤群、ワクチン群とプラセボ群との間に差はなかったということでございます。死亡例につきましても、観察はされておりますけれども、いずれも治験薬との因果関係は否定をされたということでございます。また、国内治験では死亡及び重篤なAEは認められなかったということでございます。
32ページは諸外国におけるアナフィラキシーの発生状況でございます。アメリカでございますけれども、約100万回接種中2.5件程度ということでございます。イギリスにつきましては、まだ使っている数が少ないので、なかなかアメリカと並べて比べることは難しいかもしれないですけれども、今の報告件数だけで見てみますと、100万回接種相当のうち50件というような頻度で報告がされているということでございます。
ファイザー社と同じようにポリエチレングリコールが含まれているということでございます。
33ページを御覧ください。武田/モデルナ社ワクチンの有効性・安全性のまとめでございます。臨床試験を通じて非常に高い有効率が示されてございます。感染歴がない被験者においては94.1%、感染歴を問わない者で見たときでも93.6%の有効率が確認されてございます。現時点で、臨時接種で使用することに関し、安全性に関する重大な懸念は認められると考えられます。
日本でもそうですけれども、各国18歳以上で使用の許可等を受けてございます。日本でも実際の、昨日の薬食審でも事実上、中身はもう決まっておりますけれども、18歳以上が適用対象となります。なので、まだ安全性が確立しているとは言いがたい16歳から18歳未満の者につきましては、このワクチンは使用がなされないようにすべきではないかと考えてございます。
したがいまして、論点のところでございますけれども、武田/モデルナ社のコロナワクチンを予防接種法上の接種に使用することとしてはどうか。その際、厚生労働大臣の臨時接種の実施の指示の項目の中で、このワクチンについてはまだ18歳未満の方には使用しないというような限定を付してはどうかと考えてございます。
34ページでございますけれども、事業全体の実施期間でございます。現時点では、来年2月28日までということにしてございます。今の契約上も本年9月まで、第3四半期までに5000万回となってございますので、全体の接種の実施期間に影響を与えることはないと考えておりますので、武田/モデルナ社のワクチンを使う場合でも全体の期間は延長せずに維持するとしてはどうかというふうにしてございます。
35ページにつきましては、厚生労働大臣の指示がございまして、それの改正のイメージというようなものでございます。今、16歳以上の方が対象で、期間は来年の2月28日までとなっていて、使用するワクチンはファイザー社のものですというのがあるのですけれども、こちらに下線部のような改正を行ってはどうかということでございまして、武田/モデルナ社のワクチンを物として追加するということで、武田/モデルナ社のものについては、掲げられている16歳以上という対象者のうち、16歳以上18歳未満の方に対して行う接種では使用しないというようなことにしてございます。
ちょっと長くなっていて恐縮ですけれども、続けさせていただきまして、次は37ページでございます。接種不適当者、要注意者の状況をまとめたものでございます。これは現在、ファイザー社のワクチンに対して適用されているものでございます。接種不適当者につきましては、これに相当するような、予防接種を既に受けたことがある方で、もう行う必要がないという方については不適当者ということにしてございます。そのほか、明らかな発熱のある方、重篤な急性疾患に明らかにかかっている方、本剤の成分に対してアナフィラキシーを呈したことが明らかな方。そのほか何らか接種を行うことが不適当な状況にある方というのが、不適当者として位置づけられてございます。
下が接種要注意者でございますけれども、一定の基礎疾患を有する方。そして、過去に予防接種で接種後2日以内に発熱の見られた方。全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方。けいれんの既往がある方。免疫不全の診断がされている方。接種しようとする接種液の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある方。
基本的には適用がないものでございますけれども、バイアルのゴム栓にラテックスが含まれている場合には、ラテックス過敏症の方も接種要注意者に位置づけられてございます。
38ページを御覧ください。武田/モデルナ社の添付文書の内容を見てみますと、今、ファイザー社のものに対して適用している接種不適当者、接種要注意者の規定に対してそれぞれ振り分け可能、当てはめ可能ということでございます。したがいまして、下の論点のところでございますけれども、武田/モデルナ社のワクチンを使用するに当たっては、接種不適当者、要注意者の設定は変更しないこととしてはどうかというふうにしてございます。
39ページを御覧ください。2月の時点で御審議いただいた際の資料を下のほうに載せているのですけれども、予防接種法に基づきまして、原則として本接種につきましては接種を受ける努力義務が規定されているところでございます。前回、2月の御議論の中では、妊婦の方については努力義務を適用しない。若年層の方々については努力義務を適用するというふうな御結論をいただいているものでございます。
40ページを御覧ください。現在妊娠中の方につきましての各国のガイダンスの状況などをまとめたものでございます。海外において、これも2月のときと大きな方向性は変わっていないと思っておりますけれども、接種はできますということになっております。一方で、やはりまだまだデータは限られているという事実は併せて指摘をされているというような状況でございます。
右下のほうですが、5月12日に産婦人科感染症学会・産婦人科学会の提言が一部更新をされてございます。ただ、その中でも器官形成期まではワクチンの接種を避けたほうがいいのではないかということ。一方で、基礎疾患がある方であるとか、そういった方についてはワクチン接種を積極的に考慮するほうがよいのではないかというようなことを提言いただいてございます。
41ページ、授乳中の方につきまして、こちらも前回と大きな方向は変わっていないですけれども、乳児へのリスクとみなしていない、あるいは接種を控えることまでは推奨されていないという状況でございます。
42ページ以降が若年層の方についての資料でございます。新型コロナウイルス感染症そのものの状況でございますけれども、陽性者は比較的若年層で多い。特に20代がボリュームゾーンになってございます。一方で、死亡者数は60代以上で多くなっているというところでございます。
43ページ、44ページでございますけれども、やはり新型コロナウイルス感染症そのものの重症化リスクは、年齢というのが一つの要因となっているということでございます。一方で、45ページでございますけれども、ワクチンの副反応、有害事象の状況を見たときに、若年の方のほうが少しそういった発現割合が高く出ているといったような状況にございます。
46ページを御覧ください。接種勧奨・努力義務についてということでございますけれども、妊娠中の方につきましては、今のところ、諸外国で妊婦の方への接種というのも一定行われております。まだまだデータに限りはあると思っておりますけれども、今のところ悪影響というのは示唆されてございません。添付文書におきまして、武田/モデルナ社のものも有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種することとされてございます。
若年層でございますけれども、感染の全体的な動向は2月の時点とあまり変わってございませんで、16歳以上40歳未満という比較的若年層の方々については、ほかの年代よりも感染者数が多いような状況でございます。したがいまして、感染症による個人や社会への影響は引き続き、この年代においても大きい状況にあると考えてございます。
したがいまして、論点のほうでございますけれども、まず妊娠中の方につきましては、慎重な判断をすることができるように現時点においては引き続き努力義務を適用しないこととしてはどうかとしてございます。
若年層の方につきましては、重症化、死亡するリスクはこの層におきましても少ないながらも発生をしておる状況でございまして、医療提供体制にも一定の影響を与えているという評価が当てはまると思っておりまして、引き続き、若年層についても努力義務を適用することとしてはどうかとしてございます。
47ページ以降が、より技術的なといいますか、接種方法に関する論点でございます。
48ページを御覧ください。まず接種間隔でございまして、冒頭御説明さしあげましたとおり、日本もですけれども、各国28日という接種間隔が示されてございます。一方で、ちょうど28日後、27日の間隔を置いて接種することができない場合というのも想定されるところでございます。したがいまして、ファイザー社のワクチンでも同じような構成で規定をしておりますけれども、予防接種実施規則において最短の接種間隔を規定する。手引き等におきまして標準的な接種間隔を示すということにしたいと考えてございます。
具体的には、海外での第3相臨床試験におけます有効性の評価につきましては、1回目接種から20~41日の間隔を置いて、通常の言い方で言えば21日から42日後での有効性・安全性が評価されてございます。添付文書の中におきましては、通常、4週間の間隔を置いて2回と。4週間を超えた場合にはできるだけ速やかに2回目を接種とされてございます。
したがいまして、実施規則の中では最短の接種間隔として20日以上の間隔を置いて、21日以降に2回目を打つというふうに規定をしつつ、手引きの記載事項においては、標準的には28日の間隔を置いて2回目を打つ。1回目から27日を超えた場合にはできるだけ速やかに2回目を実施するというふうにしてはどうかと考えてございます。
接種間隔につきまして、3月に基本方針部会でも御議論いただいたものでございますけれども、各国、接種間隔をちょっと延ばすことによって1回目接種を先に行うというようなことをやっているところもございます。イギリスなどがその最たる例として知られているかと思いますけれども、イギリスでは12週という形でファイザー社、モデルナもやってございました。ただ、最近少し変化が出てきておりまして、50歳以上と基礎疾患を有する方については2回目接種を加速するために接種間隔を8週間とするということを表明されてございます。
そのほか、EUの他の国々でも、多くは6週間まで接種間隔の延長をしているところがございます。一部の国で12週までとしているところもございます。アメリカにつきましては、基本的には薬事上推奨される期間、ファイザーは3週間、モデルナはアメリカでは1か月と言っていますけれども、それに近い間隔で接種をすべきであると。また、やむを得ず間隔が空く場合は6週間後までに接種をするということを言われてございます。
50ページを御覧ください。1回目接種でずっと長期間置いた場合と、2回目接種した場合の有効性を示したものでございます。1回目接種で例えば28~34日目というところでいくと、有効性という見方ですれば59%の発症予防効果があったと。2回目接種から7~13日後においては71%ということでございまして、様々なバイアスを考慮する必要があると思いますけれども、やはり2回ちゃんと打ったほうがこういった有効性は高くなっているということでございます。
51ページを御覧ください。接種間隔について、どういったアナウンスをするかということでございますけれども、現在、ファイザー社ワクチンにつきましては、3週間後に2回目を接種ということにしてございます。厚労省ホームページでのQ&Aについて、どのぐらいずれても大丈夫ですかというようなQに対して、3週間を超えた場合はできるだけ早く接種を受けてくださいとしつつ、3週を超えてもそれでリセットとかいうことではなくて、十分効果は検証されていないかもしれないですけれども、3週間を超えた場合でも、例えば諸外国では6週間後までに2回目接種をするという目安が示されているので、こうした目安も参考になるのではないかということを記載してございます。
ファイザー社、モデルナ社、いずれにいたしましても、接種間隔3週間、4週間を大きく超えるような場合における有効性はまだ確立していない状況にあると認識してございます。したがいまして、論点のところでございますけれども、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンともに引き続き通常の間隔、ファイザー社の場合は3週間、モデルナ社の場合は4週間で2回接種をして、通常の間隔を超えた場合については、Q&Aのような形で同じようなアナウンスをしていってはどうかと考えております。
52ページでございますけれども、ちょっと話が変わりまして、異なるワクチンとの接種間隔。例えば定期接種の別のワクチンとか、そういったものとの接種間隔についてでございます。こちらは現在、13日以上の間隔を置いて、つまり1回目から14日以降に異なるワクチンを打つということにしてございます。各国、アメリカなども14日の間隔を空けるとか、イギリスでは7日と言っていたりします。WHOは14日の間隔を空けるべき。これは2月に御議論いただいたときにも同じような設定だったということでございます。
したがいまして、論点のところでございますけれども、武田/モデルナ社のワクチンもファイザーと同様、ほかのワクチンとの同時接種は行わなくて、ほかのワクチンとは13日以上の間隔を置くこととしてはどうかということでございます。基本的には同じ会社のものを打つようにしましょうということでございます。
53ページは参考でございますけれども、何日以上の間隔を置いてということですが、平たく言えば、27日の間隔を置いてというのは28日後に、つまり4週間後の同じ曜日に接種というような意味合いだということで、ちょっと分かりにくい記載かもしれないですが、伝統的に予防接種行政で用いている表現ですので、今回も使用するということでございます。
54ページでございますけれども、既感染者への接種についてでございます。現在、新型コロナワクチンについて既感染者の方であっても接種対象からは除外しない。また、感染しているかどうか、していたかどうかということの検査も不要としてございます。諸外国のガイダンス等を見ていましても、基本的には同じようなスタンスで実施されているように見受けられます。これは2月の時点から大きな変更はございません。
したがいまして、引き続き、既感染者を対象から除外せずに、また事前の感染検査は不要としてはどうかというふうにしてございます。
55ページでございますけれども、接種後の待機時間でございます。こちらはファイザー社につきましては、通常15分間待っていただく。なお、過去にアナフィラキシーであるとか採血等で気分が悪くなった方については30分間待機いただくことにしています。これはアナフィラキシーの発症に備える観点から、原則15分間待機ということと、過去にそういった経験のある方は30分間待機いただく。血管迷走神経反射に備える観点から、採血等で過去に気分が悪くなった方については、30分待機いただく。そのようなことにしてございます。
武田/モデルナ社のワクチンにつきましては、先ほど御説明したとおり、アナフィラキシー症状というのは報告をされてございます。また、血管迷走神経反射も特定のワクチンに限るものでもございません。武田/モデルナ社ワクチンでも発生する可能性は当然あります。
56ページでございますけれども、接種後の待機時間は各国、イギリスなどは15分といっています。CDC、アメリカにおいては、アナフィラキシーの既往等がある方は30分、それ以外の方は15分と、諸外国を見てもそういったような形になってございます。
したがいまして、武田/モデルナ社ワクチンについても同様の経過観察を行うこととしてはどうかというふうにしてございます。要するに、基本的には15分待っていただいて、アナフィラキシーの既往がある方とか、過去に採血で気分が悪くなってしまった方については30分待っていただくということでございます。
57ページが武田/モデルナ社ワクチンの成分についてまとめたものでございまして、いわゆるポリエチレングリコールが入っているものでございます。ちょっと分かりにくいですけれども、添加剤という欄の上から4つ目にPEG2000-DMGというものが入っていまして、こちらにポリエチレングリコールが含まれているということでございます。
58ページ以降、60ページまではそれぞれアナフィラキシーと血管迷走神経反射に関する基礎的な資料でございますので、説明は割愛させていただきます。
61ページ、副反応疑い報告基準についてということでございます。現在、アナフィラキシーについては接種後4時間以内に発生したものを御報告いただいてございます。そのほか診られているお医者様が必要と認める者については、必要と認める期間において報告をしてくださいと。特に下の点々囲いのところでございますけれども、一部、必要と認めるという報告の中において積極的に報告を検討いただきたいものとして、けいれんであるとかギラン・バレといったものが列挙されている状況でございます。
武田/モデルナ社ワクチンを使うというふうにした場合において、こちらの副反応疑い報告基準をどうするかということについては、本日5時以降に副反応検討部会で審議を行うこととしてございます。
長くなってしまいましたが、資料1については以上でございます。
資料2につきましては、2-1に、ちょっと文字が多いのですけれども「新型コロナワクチン予防接種についての説明書」というもの、資料2-2でリーフレット、これは実際に接種を受けた方に対して会場とかで座って様子を見てくださいねとか、そういった接種後のことをアナウンスするものでございます。そういったチラシをつくってございます。
あと、今現在、高齢者向けの接種を進めているという状況ですので、ファイザー社とモデルナ社を一つのパンフレットにしてございますけれども、こういったパンフレットもつくって、モデルナについて位置づけた上で周知を図っていきたいと考えてございます。
資料2-1、2-2、2-3について、詳細の説明は今回は省きますけれども、もし本日何か御意見等ありましたら、いただければと思います。
リーフレット系のものは形式的にレイアウトを今後ちょっと変更する場合がございますので、その点だけ御了承いただければと思います。
資料3でございますけれども、武田/モデルナ社ワクチンにつきましての諮問書でございます。資料3-1の表紙といいますか1枚目が諮問書のかがみ文でございまして、3枚目を御覧ください。縦書きになっているものでございますけれども、予防接種実施規則の一部を改正する省令案要綱ということでございます。先ほど御説明した、これは接種間隔とかそういったものを規定する省令でございまして、接種の方法として、承認日がまだ、恐らく本日になるかと思いますけれども、一応ブランクにしておりますが、言ってしまうと、武田/モデルナ社のコロナワクチンについては、先ほど御説明した接種間隔の最低間隔を記載するというものでございまして、20日以上の間隔を置いて2回接種すると。接種量は添付文書と同じですけれども、0.5mLということにしてございます。
その次のページでございますけれども、こちらは大臣指示の改正案でございます。こちらも恐らく本日の日付が入るかと思いますけれども、武田/モデルナ社ワクチンを大臣指示の使用するワクチンの中に加えるということでございます。ただし、武田/モデルナ社ワクチンについては、現時点ではまだ16歳以上18歳未満の方に対しては使用しないということでございます。適用日は、お認めいただければ、翌日の22日からの適用という形にしてございます。
長くなってしまいましたが、以上でございます。
続きまして、吉田課長のほうからも。
○吉田医薬品審査管理課長 医薬品審査管理課の吉田でございます。
先ほど来、御説明がございますけれども、昨日、アストラゼネカ社、モデルナ社の新型コロナワクチンについての薬食審の医薬品第二部会での審議が行われ、答申が可というような結論が得られたわけでございますけれども、まだ承認されているわけではございませんので、添付文書あるいは審査報告書といって、本来公表し、この場で御議論いただくものが準備できていなくて大変申し訳ございません。
ただ、本日の御議論に資するために、昨日の部会における審議の概要につきまして、机上配付という形になって恐縮でありますが、机上配付あるいはネットで御参加の先生方には急遽別途メールで資料をお送りさせていただいたかと思いますが、3ページの資料を用意させていただいておりますので、昨日の部会でどんな議論がなされたのかということについて簡単に御説明させていただきます。
この3枚紙の1ページ目のところでございますけれども、1ポツ、アストラゼネカ社ワクチンの審議における主な意見でございます。
まず、有効性につきまして、データ等については先ほどの資料1の中で、例えば13ページとか14ページの辺りのデータに基づいて御議論がなされたわけですけれども、海外の複数、4つの臨床試験あるいは国内臨床試験の結果を踏まえますと、有効性自体は明確に確認されているという議論。それから、本品を大規模に接種している国においては、流行の抑制がちゃんと報告されていますというような有効性について評価するような御意見があります。
一方で、数字だけを見ると、既存のファイザーワクチン、今回のモデルナのワクチンとかそういったものと比べますと、臨床試験の異なるもののデータ比較というのは厳密な比較はそもそも困難であるという大前提ではございますけれども、アストラゼネカ社のワクチン有効率は約70%という数字、これはファイザーあるいはモデルナのワクチンが約95%でありますので、それに比べますとワクチン有効率は低い値であると、これは厳然たる事実であるということでございます。
そういったようなことで、そういう否定的な、慎重な御意見も当然出てまいりましたが、一方で、薬事の審議においては、他品目に劣るとか劣らないというものではなく、このものとしての有効性・安全性を踏まえて承認すべきかどうかということを議論すべきではないかというような意見がございます。
その次の○でございますが、数字の比較はあれでございますけれども、相対的に有効性が低いワクチンを使用した場合に、逆に変異株が発生する、あるいはそういったものの流行を助長する可能性もあるのではないかということで、そういうことも考慮すべきではないかという意見もございました。
有効性の最後の○でございますけれども、変異株につきましては、いわゆる南ア株以外の変異株については現時点で一定の有効性があるだろうという御意見であります。今後も様々な変異株が出る可能性はございますので、そのような変異を注視し、新たな変異株に対する有効性の情報は収集していくことが必要だろうと、有効性についてはそのような意見が出ております。
次に、安全性の議論でございます。これについては、内容については本日の資料1の15ページとか16ページ、あるいは18ページ、そういったようなところのデータに基づいて御議論がされております。ただ、議論の中心は海外で報告されています、いわゆる血栓症について活発な議論がなされてございます。まず最初のポツでございますが、本品接種後の血栓症についての診断あるいは治療の指針、こういったようなものの対策をしっかりと確立した段階で本来承認すべきではないかという御意見もあります。そうしないと、ほかの国で起きた事象が同様に起きるのではないかという慎重な御意見もございます。
2ページ目でございますけれども、海外で血栓症による死亡等が報告された、4月頃が多かったと思いますが、その背景として、当初は本品接種後の血栓症が血小板減少に伴うものであるという認識が十分に得られていない状況であり、必ずしも適正な治療が行われなかったため、死亡例が多かったのではないか。そのように考えられると書いています。※ですけれども、通常の血栓症ですとヘパリン治療が行われるわけですが、今回の場合にはヘパリン治療を行うと逆に予後不良になるということで、適正な診断が行われなかったから海外では死亡例が多かったのではないかという話でございます。
それに対し、現在では、ある程度診断と治療ができるような状況になっていると思われますので、適切な診断と治療が行われれば、リスクを低減することは可能であろうという意見もございます。
その次でございますが、血栓症への対処につきましては、関連学会と協力して診断・治療の手引きを作成している状況でございますので、その手引きを臨床現場に情報共有をしっかり行うことが必要であろうという御意見がございました。
最後のポツですが、医療機関あるいは医療従事者への情報共有は当然のことでございますが、それに加えて、被接種者の方が自分が接種したワクチンの名称、注意すべき期間、初期の症状、対処法、こういったものを十分知っていただく必要がございますので、そういったことについて国民あるいは被接種者への情報提供、これもしっかり適切に行うべきだろうといった意見があるということでございます。
そのような有効性・安全性の議論を踏まえて、接種対象者等についてトータル的な議論でございますが、最初のポツでございますけれども、いわゆるmRNAワクチンに比べて有効性などが劣ると考えられる本品については、どのような接種対象者に使用されるものなのか。あるいは2つ目のポツですが、海外では血栓症のリスクを踏まえ、接種制限あるいは接種を中止したという国もあり、接種対象あるいは年齢等を制限する等の対応が必要ではないかと、こういったような使用対象者がはっきりしない、あるいは制限が必要ではないかということで、承認についてもやや慎重な御意見がございます。
それに対し3つ目のポツでございますが、本品の有効性・安全性のバランス、それから諸外国の接種状況を踏まえて、年齢制限などを課すかどうか、あるいは適切な安全性確保のため、接種においてどのような措置を行うか。こういったようなことについては、感染症の流行状況、それから別のワクチンの使用状況などを踏まえて、予防接種の施策の中で取り扱うべきではないかといったような御意見もございます。
薬事承認においては、先ほどの意見と同じですが、個々の品目の有効性・安全性を評価して、メリットがデメリットを上回り、製品として承認を許容できるか否か、こういったようなことで判断すべきだろうという意見でございます。
そういった意見で、トータルとしては、メリットがデメリットを上回るということで承認を可として差し支えないという結論になったということでございます。
ただ、昨日の部会での議論については、予防接種政策を掌轄する部局あるいは審議会に適切に申し伝えるべきだということで、本日こういった形で御紹介しているところでございます。
これがアストラゼネカについてでございます。
それから、最後のページでございますが、モデルナ社のワクチンについての主な意見でございます。
こちらは、まず有効性については、ファイザーワクチンと同様に非常に高い効果が確認されておりますという意見です。
それから、安全性でございます。これはアナフィラキシーの関係でございますが、ファイザーで見られたアナフィラキシーも含め、まだ原因がポリエチレングリコール、いわゆるPEGであるということを特定されているわけではございませんけれども、いわゆるPEGがモデルナのワクチンについても含まれているということをより分かりやすく情報提供すべきであるという意見がございます。
それから、最後の○ですが、海外においては、重篤ではないのですけれども、接種部位の腕が赤く腫れ上がる症状が注目されておりますので、本邦においても注意喚起が必要といったような意見でございました。
簡単でありますが、昨日の部会における審議の概要でございます。本日の御議論に御参考にしていただければと思ってございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
中野先生、冒頭どうもありがとうございました。脇田ですけれども、少し遅れて参りまして失礼いたしました。ここから私が司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
今日は、アストラゼネカ社のワクチン、武田/モデルナのワクチンが承認の見込みということで、今御説明のあったとおりです。それで、最後に大臣からの諮問事項がございますというところですので、議論を進めてまいりたいと思います。
まず、今3つ申し上げたとおり、アストラゼネカのワクチン、武田/モデルナのワクチン、最後に諮問事項についてということで順次議論を進めていきたいと思います。特に昨日の薬食審でもアストラゼネカ社のワクチン、今御説明いただいたとおりかなりの意見、議論があったということでございます。25ページ、論点の1、アストラゼネカ社ワクチンの使用の在り方というところで、まず最初に、アストラゼネカ社ワクチンの使用の在り方について皆様から御意見、それから、今の御説明に対しての御質問等をいただければと思います。よろしくお願いします。
まず、中野先生ですね。よろしくお願いします。
○中野分科会長代理 中野でございます。
1点質問というか確認させてください。先ほど分科会長がおっしゃった25ページのアストラゼネカ社のワクチンについて、引き続き検討ということでございますが、公的接種のワクチンとしては現状で用いないということになるかと思うのですが、私からの確認事項は、このまま通常に承認された場合、薬剤として承認された場合、任意接種という言い方が適切かどうか分かりませんけれども、公的接種以外でも用いないということでよろしいでしょうか。それを確認させていただきたいと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
まず、そのほかに御意見、御質問はございますか。
イギリスとかアメリカにおいても、mRNAワクチン等でアナフィラキシーがあった場合には2回目にそれ以外のものを使うというか、医師に相談とかいうことがありましたので、日本でもそういう使い方があるのかと、使えるのかということかと思いますが、事務局からコメントをお願いいたします。
○川瀬室長補佐 中野先生、ありがとうございます。
まず、引き続き検討していきたいということでございまして、その期間、海外の情報であるとか国内における治療法、学会のほうで策定いただいているところですけれども、それについての周知状況とか、そういったものをよく注視しながら、引き続き本分科会において検討いただきたいという趣旨でございます。
したがいまして、その検討が続いている間は、もちろん使用するワクチンの中にはまだ位置づけられないということでございます。したがいまして、公的な予防接種法の接種としては、議論している間はもちろん使われない。そうしないと多分、逆にこの分科会の意味がないと思いますので、そういうことでございます。
いわゆる任意接種として使うかどうかというところでございますけれども、今回の新型コロナワクチンにつきましては、国がまず一括で買い上げるというような形になってございますので、たらればの話を申し上げると、国が持っているものを市中に放出すれば、任意接種というのは、確かに薬事承認さえされていれば任意接種という形で使えなくはないというのが法律上の建前でございます。ただ、こういった審議を継続していただいている中において、それを国として放出するのかというと、基本的にそんなことはできないのではないかと考えております。したがいまして、議論を継続いただいている間については、任意接種の形でも、そういったことには基本的にはならないのではないかと考えてございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
森尾先生と坂元先生、手が挙がっていますので順番にお願いいたします。
○森尾委員 森尾です。ありがとうございます。
ちょっと違った観点なのですけれども、内容が分かれば教えてください。このアストラゼネカ社のワクチンは、生物由来製品に該当すると思います。それで、機構からの報告書にもカルタヘナ法について言及がありましたけれども、もし採用されたときに接種時の扱いとか、予診票とか同意とかについて追加で留意すべき点とか、何か議論がありましたらその点を教えていただけたらと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
坂元先生、お願いします。
○坂元委員 今の任意接種の話なのですが、今までのコロナワクチンは特例承認という形だと思うのですが、特例承認であっても一般の製造承認と同じ扱いという形なのか、特例承認というのは、その指定された範囲、つまり予防接種法で行うという範囲以外では許可されないのか。そこがよく分からなかったのでお教えいただきたいということと、もう一点が、この予防接種の部会で以前、1施設において異なったワクチンは基本は行わないという方針は今後も生きていくのかということの2点に関してお教えいただければと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
では、まずここで事務局にまた、最初の森尾先生のほうはカルテヘナ法の取扱いですね。それをお願いします。
○吉田医薬品審査管理課長 薬事審査課の吉田でございます。
先生御指摘のとおり、アストラゼネカのワクチンにつきましては、カルタヘナの規制が一部かかってくるという形になります。したがいまして、今後これが予防接種に位置づけられ、現場で使われるという形になった場合には、現場でこれを廃棄する際にどういったような注意が必要なのかということについて、取扱い方法といいましょうか、廃棄方法を周知して、徹底してもらうような対応が必要なのだろうと考えております。それが1点でございます。
あと、ほかの質問の中で薬事に関係する部分で、特例承認に関する御質問があったかと思います。委員の御質問の趣旨は、特例承認と薬事の中での通常承認との違いということだと思うのですが、特例承認と申しますのは、海外で承認されている一定の要件を満たすものについて、大きく通常承認と違うのは、審査のときに必要な資料の一部を後で出してもいいといいますか、猶予することができるということと、あとは表示ですね。ラベルを本来は邦文表示しなければいけないのですけれども、それを例えば英文表示のままでいいとか、そういったような一定の薬事法上の規制を一部外した形で流通させることができるという点で、通常承認と違うというものがありますが、そういった点を除けば、薬機法上の扱いについては通常承認と同じように流通させることができるという形になると思います。ですから、予防接種法の扱いというよりも、むしろ薬事法上の違いはそういうことで、結論からいうと、一部、ラベルの問題はあるかもしれませんが、そこが違うということを除けば、通常承認されているお薬と現場の感覚としてはそんなに変わらない形で流通されることになると思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、1施設1ワクチンという取扱いはいかがでしょうか。
○元村室長補佐 1施設1ワクチンということは、原則としてそのような方向でということを御議論いただいたことがございます。その意味は、流通が複雑になり過ぎないようにということと、接種現場で1回目、2回目のワクチンを取り違うというか、2回目に違うワクチンが接種されることができるだけ起きないようにということで御提案さしあげたところでございます。実際に接種が進んでいく中で、今申し上げたような原則を念頭に置きながらどうなっていくかというのは、これからいろいろなことがあるかも分かりませんけれども、現時点においては、施設ごとにワクチンが異なるような形で使っていくのが妥当なのではないかというような運用を続けているところでございます。今後については、もちろんいろいろな議論があっていいかと思いますけれども、当面はその原則が維持されていると考えております。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
ほか、アストラゼネカについてはよろしいですか。また戻ってもよろしいので。
釜萢先生、お願いいたします。
○釜萢委員 この資料の25ページ、アストラゼネカ社ワクチンについて、我が国における使用の在り方について引き続き検討することとしてはどうかということに対する意見を申し述べます。
引き続き検討するということについては、現時点でまだ判断できる根拠が十分整っていないという意味で、この論点には賛成でありますが、では、何を準備できれば議論ができるかということについても、少し見通しというか意見を申し述べたいと思います。
1つは、極めてまれではありますけれども、今問題になっている副反応あるいは有害事象に対する治療のガイドラインを学会を中心におつくりいただくということ。この準備が整うということは一つ大事な目安になると思います。
もう一つは、諸外国の状況についてのさらなる調査ということは可能性としては考えられるのですけれども、では、今後、海外からアストラゼネカ社のワクチンに関する情報がさらにどんどん蓄積されるだろうかというふうに予想すると、なかなかそれは、そんなに現時点のものと変わらないような気がいたします。したがって、この引き続きの期間をあまり長くするということについては、私はそうでないほうがよいと考えております。今後また皆様の御意見を伺い、議論が深まるとは思いますが、このアストラゼネカ社のワクチンについて、イギリスだけではありませんが、主にイギリスにおいてかなりの接種の実績があり、効果の確認もできているということを踏まえますと、我が国が接種できるワクチンとして国内に用意しておく一つの選択肢として、このアストラゼネカ社のワクチンを排除すべきではないというのが私の基本的な考え方です。
そして、今後の対応はいろいろ状況が変わってくる可能性があるので、使えるワクチンとして我が国に確保できることが大事であるということ。そして、このアストラゼネカ社のワクチンは、現状で国内で一定量製造することが可能であるということも大きな利点でありますので、今回の引き続き検討という論点については賛成いたしますけれども、あまりこれを長引かせるよりは、速やかに条件が整えばまた検討するということが必要だろうと思います。
現時点において、このワクチンに対する否定的な見解が見られるわけですけれども、注意すべき点は注意すべき点としてしっかり国民の皆さんに情報をお伝えするとともに、むやみに否定すべきものでないということもあると感じておりますので、発言をいたしました。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今、釜萢先生が重要なポイントを御指摘していただいたと思いますけれども、この点につきまして、皆様のほうからさらに追加の御意見はございますか。
○坂元委員 川崎市の坂元です。
私も釜萢先生の御意見に全面的に賛成です。ただ、今後複数のワクチンが出てくると、接種主体の市町村としては、市民がこれを選べるのか、それとも選べないのかという問題が一つ出てきたときに、選択を許したときに、当然、市民の反応としては、より見た目上いいものにいくという形で、実際にそこを今後どう考えていくかというのは非常に大きな問題であると思います。現時点においては、市町村はほとんど、高齢者はファイザーのワクチンで大体終了されるという方向。ただし、一部の大規模集団接種会場ではモデルナを使用していく方向に分けるのですが、この2つにおいてはほとんど差がないという形で、あとは会場の選択かなというところになると思うのですが、その選択制の問題を今後どう考えていくかということと、このワクチンをどう認めていくかということを考えていかなければいけないと思っております。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今、論点としては、アストラゼネカのワクチンを使用するようにするための検討が必要と。それから、その後にもし使用が可能となった場合には選択をどのようにするのかというようなことになろうかと思いますので、目安として、今、釜萢先生からお示ししていただいたのは、例えば血小板減少の伴う血栓症の治療のガイドラインが策定されて、示されて、一定の副反応に対する備えができるというようなところ。あるいは諸外国の、そちらのほうはなかなか難しいのではないかというようなところを示されましたけれども、その点、事務局のお考えがございましたらお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○川瀬室長補佐 釜萢先生、坂元先生の御意見を踏まえまして、事務局におきましても、当然可能な範囲で諸外国の情報も集めつつではありますけれども、それだけに拘泥することがないようにという御趣旨のことかと思います。そのように考えてございますので、また引き続き御指導いただきながら、事務局のほうでも検討を進めたいと考えてございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
アストラゼネカのワクチンに関して、そのほか御意見ございますか。
合田先生、お願いします。
○合田委員 温度コントロールのメリットもアストラゼネカはございますので、その点も考慮して、基本的には使用会場との関係になるかと思いますけれども、そこも一つの検討事項ではないかと思っておりますので、その点を発言させていただきました。
以上です。
○脇田分科会長 どうもありがとうございます。
それでは、次に進ませていただきまして、33ページ、武田/モデルナのワクチンです。こちらはもう薬事承認前提に予防接種法上の接種に使用することとしてはどうかというお話で、その先にもいろいろ実施期間であったり、接種不適当者、注意者等の設定、様々な論点がございましたので、そこら辺もまとめて、武田/モデルナワクチンに関してのただいまの説明に対して皆様から御意見、御質問等がございましたら、お願いしたいと思います。
中野先生、池田先生の順番でお願いします。
○中野分科会長代理 中野でございます。ありがとうございます。
スライド61枚目です。臨時接種に本ワクチンを位置づける場合、副反応疑い報告基準の変更の要否等について副反応検討部会で審議を行う。もちろん賛成でございますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思うのですが、それに関してコメントなのですが、先ほど釜萢先生とか坂元先生がおっしゃったこととちょっと関係するのですが、私もアストラゼネカのワクチンは、世界で一定の評価のあるワクチンを日本でも選択肢として位置づけることにはもちろん賛成で、ここで申し上げたいのは、mRNAワクチンは確かに血小板減少を伴う血栓症とか、現在はリスクが上昇しているというエビデンスはないですけれども、開発後、やはり期間が短いという事実には変わりがないのであって、今一番いいと思われているワクチンが今後たくさん接種されたとき、ほかの問題が起きてくる可能性は当然あると思うのです。
それも見据えた上で、アストラゼネカのワクチンの位置づけは注目しておきたいということと、副反応に関しまして、血小板減少を伴う血栓症とか血栓症は、過去のワクチンではあまりなかったと思うのです。留意事項に挙げられているギラン・バレとか急性散在性脳脊髄炎あるいは血小板減少性紫斑病とかは、ほかのワクチンで理論的に機序を考えるとあり得るのではないかということで加わっておりますので、ワクチン全般に血小板減少を伴う血栓症等を含めることを考慮しなくていいのかということも入れてくださいということまではまだ申し上げませんが、ぜひ御検討いただければと思っています。
以上でございます。
○脇田分科会長 池田先生、お願いします。
○池田委員 池田でございます。
こちらの武田/モデルナのワクチンはファイザーと同様に非常に有望といいますか有効性・安全性の点で遜色ないものと理解をいたしましたが、1点確認なのですが、資料の65ページにございます国際共同第3相試験結果というのを拝見しますと、主な結果の中に、18歳以上65歳未満のワクチンの有効性は95.6%、65歳以上は86.4%ということで、よく言われている95%程度という数字とはちょっと違う。少なくとも高齢者に関しては有効率がそこまでは高くない試験結果のように読めるのですが、ファイザーと同等の有効率だということでよいのかどうか。特に高齢者に対して同等であるということが、ファイザーのほうの年齢別の数字が今回の資料ではないので分からないのですが、高齢者の方に同等に進めていいものかどうなのかということについての確認です。そこを教えていただければと思います。
それと、ましてや資料2-3の高齢者向けのリーフレットは、これは65歳以上の方に対するパンフレットなので、有効率のところを95と書いてしまうのは誤解を招くのではないかと思いますので、その辺についても事務局のほうから伺えればと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
中野先生の御意見は、血小板減少を伴う血栓症をこの留意事項に入れるべきか検討をお願いしますということですので、そこはお願いをしたいと思います。
池田先生の御指摘は、臨床試験で武田/モデルナ、65歳以上のVEがやや低いのではないかということでリーフレットにも記載がありますが、いかがですかということです。
○吉田医薬品審査管理課長 審査管理課の吉田でございます。
先生御指摘のモデルナワクチンについての高齢者の有効率がどうかという御指摘でございますが、審議会の議論におきましては、特段この数字が劣っていると、高齢者について何らかの制限という議論はございませんで、例数の問題とか背景の違いとかはあろうかと思いますので、数字は見かけ上低そうには見えますが、優位に劣っているとかそういう評価ではないということを申し上げたいと思います。
以上です。
○元村室長補佐 その上でどのようにお伝えするかということなのですけれども、サブグループで解析したものというのは、どうしても例数が少ないことから、1例発症したりとかいうことで見た目上低い有効率に見えることもございますので、そういったところも確認した上で、どういうコミュニケーションをするかというのをもう一回確認したいと思います。
やはり分かりやすいメッセージ、あまり統計的に有意でない差を殊さらに強調するということもまたコミュニケーションとしてはふさわしくないのかなと思っておりますので、その辺りはもう一度この根拠となるデータを確認した上で判断させていただきたいと思います。
○脇田分科会長 ということでございます。
そのほか、委員の先生方、いかがでしょうか。
伊藤先生、手が挙がっていますかね。お願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
確認ですけれども、46ページの妊婦の方が勧奨接種の対象ではないのですが、予防接種健康被害制度は適用されるのですよねということの確認と、52ページですけれども、ファイザーのときは3週間間隔だったので、間にほかの予防接種を接種することは不可能だったのですけれども、今回、モデルナの場合は4週間間隔なので、モデルナを打って、例えば2週間後にyellow feverのワクチンを打って、またその2週間後にモデルナを打つということは可能になるという理解でよろしいのでしょうか。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
事務局からいかがでしょうか。
○川瀬室長補佐 ありがとうございます。
妊婦の方につきましては、確かに現在、努力義務の適用はございません。ただ、救済制度につきましては、本臨時接種の枠組みにおきましては、努力義務の適用の有無にかかわらずひとしく救済給付の対象になります。救済給付の水準も同じでございます。
○元村室長補佐 接種間隔ですけれども、別のワクチンを打つ場合にも2週間間隔を空けてくださいということになっていますので、理論上というか、14日後にほかのワクチンを受けて、また14日後にこのワクチンを受けるということが標準的なやり方として、やろうと思えばできるというのは御指摘のとおりかと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。
鈴木先生、手が挙がっていました。お願いします。
○鈴木委員 感染研感染症疫学センターの鈴木です。
この武田/モデルナワクチンの接種対象者を18歳以上とすることにはもちろん賛成なのですけれども、質問なのですが、今現在、ファイザー社のものあるいはこの武田/モデルナ社のものについて、海外では小児を対象としたトライアルが進行していると聞いておりますけれども、今後、日本においても小児への接種が必ず必要になってくると思いますし、そうした議論が出てくると思います。そのときに何をもって対象年齢を小児に向かって拡大するか。そのときに海外のエビデンスだけに基づいて小児への接種を拡大していくというのでいいのか、あるいは国内で改めて安全性、免疫原性の検討をする予定なのか。その辺りについて分かっていることがありましたら、教えていただければと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほか大丈夫ですか。もしなければ、事務局にお願いしたいと思います。
○吉田医薬品審査管理課長 御質問どうもありがとうございます。審査管理課の吉田でございます。
小児への適用でございますけれども、確かにモデルナのワクチンにつきましては、海外において18歳以下の年齢での臨床試験も行っているということが既に公表されているところでございます。この予防接種の扱いも、基本的には薬事における承認された範囲に基づいて、それをベースに御議論されていると思っておりますけれども、薬事における適用の考え方でございますが、基本的には小児の年齢での臨床試験のデータが必要という形になります。通常よく行うのは、海外でのデータが多いかと思いますが、海外で臨床試験データが出た場合には、それをベースに日本でその適用が広げられるのかということを薬事のほうで検討させていただきます。その際、さらに日本人でのデータが必要かどうかということについては、年齢区分といいましょうか、同じ用法・用量であれば、少なくとも成人においては海外、国内で同様の有効性・安全性が確認されているのであれば、小児の適用年齢を広げていく際に、それが外挿できる範囲においては海外データを中心に評価することができるだろうと思いますが、そこが少し、小児の用法・用量が変わってくるという形になった場合には、日本でのデータが必要かどうかということは、そこはまた個別に検討が必要になるだろうと。基本的な考え方はそんな感じになるのだろうと思っております。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 坂元です。
1つだけ質問なのですが、モデルナ社のワクチンの添付文書を見ると、1バイアル10回分というふうに記載されております。御存じのようにファイザー社の場合は注射器を変えると1バイアル6回分取れるということがあったと思いますが、この場合のバイアルですね。例えば今後、死腔が小さい注射器が配付されたときに10回以上取れるのか、仮に取れても、もう添付文書に10回と書かれた場合はという、ちょっとそこら辺、どんなふうになっているのかお分かりになればお教えいただきたいと思います。
○脇田分科会長 事務局、お願いいたします。
○川瀬室長補佐 ありがとうございます。
現時点で1バイアル10回ということで記載をされておるかと思いますけれども、どういう記載がほかに、基本的に国のほうでお送りする針を使えば10回になるのだと思っております。それではないものを使ったときにどうなるかというところについて、そこまで本添付文書において何か制限を設けているということではないという理解でございますので、何かそういうものがもしできるようなものがあったときに、それが添付文書上アウトになって、したがってこれは間違いであるとか、そういうことにはならないのではないかと思っています。基本的に厚労省で調達している針、シリンジを使えば10回になるということになっていたかと理解してございます。
あと、事務局からお伝えするのを忘れていましたが、皆様のお手元に添付文書の案と審査報告書の案をお送りしてございます。ただ、まだ形式的な承認自体はまだですので、ホームページへの厚労省の審議会のページのアップにつきましては、承認がなされてからアップするようなことにしております。その点、最初に申し上げるのを失念しておりまして、申し訳ございませんでした。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そのほか、武田/モデルナのほうは実際に接種がされるということで様々な論点がございますが、マル3からマル6までですね。ファイザーとかなり同様なところが多いということですので、そちらに関しても何か先生方からありますでしょうか。
白井先生ですか。お願いします。
○白井委員 白井です。
簡単なことで確認なのですけれども、既感染者に対しての接種については、大阪でもファイザーの分ではもう既感染者に接種しているような状況ですので、モデルナについても同様で結構ですよねということを確認というか、それでお願いしたいなと思いますけれども、間隔とかそういうことは改めて何かありましたでしょうか。改善してからとか、どれぐらい空けたらいいかとかいうのは、もしありましたら教えていただければと思います。
○脇田分科会長 既感染者の接種に関して、何か条件がありますかという御質問です。
○元村室長補佐 ありがとうございます。
既感染者の方々であっても、免疫をきちんとつけるために接種するということが世界でも行われていますので、それについて、ファイザーのワクチンでもそのようにお伝えしてまいりました。今、モデルナについて取扱いを変えるということは考えておりませんので、おっしゃるとおりかと思います。
発症から接種までの間隔なのですけれども、何か決まったルールがあるわけではないと承知しておりまして、きちんと改善をしてから接種をするということが原則かと思います。あと、日本ではまだないと思うのですけれども、グロブリン製剤などを使って治療された場合については、むしろ期間内に、薬が残っている間に接種をするとワクチンの効果が弱くなる可能性があるので、米国などでは一定の期間を置いてから接種することが勧められていると聞いております。
○脇田分科会長 ということです。
○白井委員 ありがとうございます。
改善してというか、解除後から次の日に予約を取っているのですけれども大丈夫ですかと言われた方がいらっしゃったので、もう少し置いてくださいということは、現場ではそういう対応をしております。ありがとうございました。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほかよろしいですか。どうでしょう。
佐藤先生、どうぞ。
○佐藤委員 佐藤です。
すみません。先ほど発言しそびれてしまったので、アストラゼネカについてとモデルナとも共通する部分を申し上げたいと思います。
アストラゼネカについては、副反応の関係から対象年齢が確立されないので、引き続き検討ということでよろしいかと思います。
対象年齢が確立された場合に、65歳以上の高齢者の接種が済んでいると考えますと、多分、対象者が55歳だったら10年とか、50歳だったら15年とか、比較的年代が限られることもあり、接種のオペレーションが難しくなるのではないかというのがちょっと気になりました。現状、どこも接種できるところでいっぱいいっぱい接種しており、1施設1ワクチンとすると、かなりオペレーションが難しくなるので、その辺りも考えなければいけないのかなと思いました。
また、変異株についての情報をありがとうございました。少し時間があるとすれば、新型コロナウイルスの変異株への入れ替わりが非常に活発でありますので、変異株への有効性の情報についても、これはアストラゼネカに限らずだと思いますが、情報を収集していただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今のはアストラゼネカの使い方の御意見と、変異株の情報を引き続き提供してほしいという御意見でよろしいですかね。
○佐藤委員 ありがとうございます。そうです。
○脇田分科会長 沼尾先生、お願いします。
○沼尾委員 ありがとうございます。
私は医療が専門ではないので、もう少しどちらかというと広報とか国民への情報伝達のようなことから気になっていることをお伺いできればと思うのですけれども、今回の資料では、モデルナ社については武田/モデルナという書き方がかなり明確にあったかと思うのです。あとはパンフレットのほうでは、ワクチンモデルナ(武田薬品)という書き方をされていて、割と国内でつくっているということが出されることで、ある種の国民の安心感というのでしょうか。実際のワクチンがどうかということとは別に、やはり国産ということに対する安心感のようなものもあるかと思うのですけれども、今後、このワクチンに関して打ち出していくときに、どういう名称で出していくのかというところについて教えていただければというのが1つです。
それから、アストラゼネカについては、これも国内で製造していくということなのですけれども、今後、アストラゼネカという名称で出していくのか、あとは供給予定のところについて、アストラゼネカについては第1四半期に3000万回分供給と書かれているのですけれども、その辺りの供給の状況と今後の継続審議というところの期間との兼ね合いで、例えばもう供給されているものの使用期限とか、そういうことの兼ね合いで何かあったりするのかとか、素人でよく分かっていないのですけれども、その辺りのところが何かありましたら教えていただければと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほかにまだ御意見いただいていない先生方も、何か御発言があれば今いただいて、事務局にも確認できることは確認していきたいと思いますが、いかがでしょうか。
信澤先生、どうぞ。
○信澤委員 時間のないところをありがとうございます。
2点伺いたいのですけれども、モデルナ社のワクチンが使えるようになると、先ほど坂元先生もおっしゃっていたように複数のワクチンの使用が可能になると思うのですが、接種される側は実際にワクチンを選択できるのでしょうかという点と、私もアストラゼネカワクチンに関して釜萢先生の御意見に賛成なのですが、副反応に加えて、アストラゼネカの場合には生ワクチンですので、アデノウイルスを1回打って、次にまた同じアデノウイルスを感染させるというような状況になると、リジェクトされるのではないかということが当初言われていたと思いますので、その辺りも併せて検討していただければと思います。ありがとうございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。このあたりでよろしいですか。
では、今、沼尾先生から名称の問題、それから、アストラゼネカは第1四半期で3000万回分と、これはどうなりますかというお話です。それから、信澤先生から、複数のワクチンの選択が可能でしょうか。それから、アデノワクチンの排除の問題ですね。その辺り、事務局、分かる範囲でお答えできればと思います。
○元村室長補佐 お答えできるものについてお答えさせていただきます。
まず、名称に関係してですけれども、今回のワクチンは、モデルナ社というのは日本法人がございませんので、日本国内で製造販売業者として申請をしたのが武田ということになります。ただ、皆さんこれはモデルナのワクチンとして知れ渡っていると思いますし、これをコミュニケーションする上で、モデルナと書かずにコミュニケーションするというのはなかなかないことだと思いますので、武田のほうがワクチンの名称を決めるときに、ワクチンモデルナという名前をつけられたということだと承知しております。
私どもがこのワクチンを呼称する際も、単に武田のワクチンというふうに呼称するのではなくて、武田/モデルナ社というふうな形で記載することにしておりますので、名前を一つ決めるということではないと思いますけれども、モデルナという名前がこれからもどこかに入って使われていくということで区別されるのではないかと予想しております。
それから、アストラゼネカのワクチンの供給の状況は、当初のことと正確に全く同じかどうかも含めて、詳細を申し上げるのはなかなか難しいのですけれども、確かに御指摘のような課題もあると思いますので、それも踏まえてまた御相談させていただくことになるかと思います。
それから、複数のワクチンを選択できるのかという御質問なのですけれども、積極的に選択できるというような状況ではないと思いますし、これが出回った後にもそういうわけではないのだと思います。接種できる機会があるときにまたその場所で接種できるワクチンを接種していただくというのが基本的なコミュニケーションでのお伝えの仕方になるのではないかと思います。
もちろん、医療機関ごとに違っていれば、結果的にこちらの医療機関に行けばこっちになったということはあるのかもしれませんけれども、いつでもどこでも選択できますというようなこととは違うと思っております。
それから、アデノウイルスベクターを接種すると次に別の似たようなものが接種できなくなるのではないかという御質問だと思いますけれども、そこはまた、もちろんそういう面もあるかも分かりませんし、今後の科学的知見を踏まえて、この場でも必要があれば御意見いただければと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、さらなる御意見を。坂元先生、阿真先生も挙がっています。これで最後にしてもよろしいですか。お願いします。
○坂元委員 保管についてお聞きしたいのですが、この添付文書の中で保管に関してマイナス40度を超えないことと記載されております。あとは厚生労働省から示された各国の保管状況では、アメリカはマイナス50度までは可となっているということで、添付文書の中に至適の保管温度というのが、私が見落としているのかもしれないですが、書かれていないように思うのですが、その辺の保管温度に関しては、この後、何か運用で示されるのかという点についてお聞きしたいと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
阿真先生、お願いします。
○阿真参考人 今回の追加のワクチンのことだけについてではないのですけれども、一次医療機関のかかりつけで接種されている医療機関の先生方から、かなり現場が混乱しているという声をいただいていて、今後、ワクチンのリーフレットを新しくつくられたりしていく関係もあって、2点ほど検討してほしいという声があるので、お伝えしたいと思います。
1点は、病気を診てもらっている医師に予防接種を受けてよいと言われましたかという項目。これを全部、受けてくださいという項目が入っているということなので、それが入っていることで問合せが物すごく来るということと、それから、接種後、いつもと違う体調の変化があれば必ず接種を受けた医療機関に相談してくださいというのも、熱や頭痛、倦怠感などが非常に出やすいワクチンなので、そちらの項目があることで非常に問合せが殺到しているので、副反応として熱とか倦怠感が出やすいですよということをもっとメッセージとして伝えてほしいというような意見がありましたので、お伝えさせていただきます。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
阿真さんの意見は御意見で、事務局に受け止めていただくということでよろしいですかね。そこはよろしくお願いします。
それから、坂元先生の保管のところをお願いします。
○吉田医薬品審査管理課長 審査管理課の吉田でございます。
先生御指摘の保管の関係ですけれども、ちょっと分かりにくくて恐縮ですが、添付文書の1枚目の左上のところに、貯法ということでマイナス20度、プラス・マイナス5度という形になっていますが、一般的な薬事承認された通常の貯蔵方法はこれだという形になっております。
添付文書の後のほうに適用上の注意ということでいろいろ、その保管の条件を書いていますが、原則は先ほど申し上げたマイナス20度、プラス・マイナス5度ですが、現場での使う際の温度管理の方法について、適用する際の注意について、別途入念的に書いているという整理でございますので、一応そういうふうに御理解いただければと思います。
○脇田分科会長 左上のところに確かに貯法ということで、どちらの添付文書にも書かれているというところでした。
それでは、よろしければ、最後の諮問に関してですね。資料3ですけれども、こちらの本分科会への諮問が行われているというところであります。今回、資料1で説明のあった内容の一部について症例、大臣指示文書の改正案に盛り込まれたというところでございます。今まで説明があった内容ということですので、この諮問された原案のとおりお認めいただけるでしょうか。それとも何か御意見、御質問がございますでしょうか。
それでは、特に御意見がなければ、これをお認めいただいたということでよろしいですかね。どうもありがとうございます。
それでは、事務局におかれましては、省令などの公布・発出のための事務手続を進めていただくようによろしくお願いいたします。
本日の議事は以上となりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○元村室長補佐 本日は、委員の皆様、長時間にわたりまして活発に御議論いただき、誠にありがとうございました。
次回の開催につきましては、追ってまた御連絡をさせていただきます。
事務局からは以上でございます。ありがとうございました。
○脇田分科会長 それでは、本日も委員の皆様、活発な御議論をどうもありがとうございました。これで終了させていただきます。