第20回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録

健康局 健康課予防接種室

日時

令和3年5月14日(金) 10:00~12:00

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

議事内容
○元村室長補佐 それでは、これより第20回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催いたします。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の議事は公開となります。また、議事の様子はユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは、議事に入るまでとさせていただきますので、皆様におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
次に、本日の出欠状況について御報告いたします。
福島委員から御欠席の連絡を受けております。また、坂元委員ですが、遅れて参加される旨の連絡をいただいております。現在、委員18名のうち16名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
また、本日は公募参考人の阿真参考人と今岡参考人にも御参加いただいております。
それでは、議事に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。
本分科会の資料につきましては、あらかじめ送付させていただいておりますファイルで閲覧する方式といたしております。番号01の議事次第及び委員名簿から番号06までの利益相反関係書類を用意しております。
資料等の不足等、御不明な点がありましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○元村室長補佐 それでは、ここからの進行は、脇田分科会長にお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
○脇田分科会長 承知しました。
委員の皆様、おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
まず、議事に入ります前に審議参加に関する遵守事項について、事務局から報告をお願いいたします。
○元村室長補佐 審議参加の取扱いについて御報告いたします。
本日御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づいて、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、薬事承認等の申請資料への関与について申告をいただきました。
各委員及び参考人からの申告内容については、資料06の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本日は、議事内容に関し、「退室」や「審議または議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいません。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
事務局からは以上になります。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、議事に入ってまいります。まず、議事次第を御覧いただきますと、本日の議題、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施状況等について」ということですけれども、既にファイザーのワクチンが承認されまして、医療従事者や高齢者の接種も始まっているということは皆様御存じのとおりであります。
それに加えまして、現在、薬事承認審査中のワクチンが2種類あると思います。モデルナ社とアストラゼネカです。こちらのワクチンが承認されますと、当分科会においてその使用に向けた議論をすることになるかと思います。
本日は、その前段階の議論の参考ということで、我が国の新型コロナワクチンの現在の接種状況と、諸外国におけるファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチンの使用状況について報告を受けて、皆さんの御意見を承りたいと考えております。
まず、資料1がありますので事務局から、それから、鈴木先生から現在の国内でのワクチンの報告がありますのでそちらの説明をしていただきます。
まず、事務局からお願いいたします。
○川瀬室長補佐 では、事務局から資料1について御説明させていただきます。
資料番号03の資料1「我が国における新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施状況」についての資料でございます。
2ページ目は、新型コロナワクチンに関するこれまでの経過の主なものを掲載しているものでございます。先ほど脇田分科会長からもお話がありましたとおり、2021年2月14日にファイザー社ワクチンが我が国において特例承認をされました。それで、本分科会におきまして御議論をいただき、16日にファイザー社のワクチンについての予防接種の実施について厚生労働大臣の指示がなされ、17日から実際に接種開始という形になってございます。
それで、これから、我が国において使用が見込まれるワクチンといたしましては、2021年2月5日にアストラゼネカ社が薬事承認申請をされております。また、3月5日にモデルナ社が薬事承認申請をされております。そうした状況の中での本日の分科会ということでございます。
資料3ページは、日本での供給が予定されているワクチンということでございまして、これまでに正式契約を締結したものですけれども、まず、モデルナ社でございますが、合わせまして5000万回分という形で、武田薬品工業株式会社による国内流通の下で供給を受けるという契約が締結されております。アストラゼネカ社につきましては、1億2000万回分の供給を受けるという契約になってございます。ファイザー社につきましては、現在、既に使用が始まってございますけれども、約1億4400万回分のワクチンの供給を受けるということが契約として決まっているというものでございます。
その下の塊ですけれども、今、協議中のものでございます。ファイザー社とモデルナ社につきましては、追加協議を行ってございます。ファイザー社につきましては、1億4400万回分にプラスしてという形で5000万回分のワクチンの供給を受けることを前提に協議中でございます。モデルナ社につきましても、もともとの5000万回分という締結したものにプラスアルファで、来年初頭から5000万回分のワクチンの供給を受けることを前提に協議中でございます。
もう一つ、一番下にアメリカの会社ですけれども、ノババックス社での協議についても協議を公表しておるところでございます。来年初頭から1億5000万回分の供給を受けることを前提に協議中でございますが、薬事承認申請はまだなされておりませんので、本日、御説明は後でもしますけれども、国外の使用状況についてはモデルナ社とアストラゼネカ社とファイザー社のものを中心に御説明させていただきたいと思っております。
資料4ページは、ファイザー社のときにも同じ資料で御説明をいたしましたが、薬事承認がされた後、本分科会において御議論いただきたい事項でございます。予防接種法の改正がなされまして、臨時接種の枠組みの中で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を行うこととされております。そのワクチン接種に際しまして、4ページの下の段ですけれども、接種に関する重要事項、対象ワクチンをどうするかといったことであるとか、副反応報告基準について、本分科会あるいは副反応検討部会において御議論いただきたいと考えてございます。その御議論の前提として、本日、実施状況等の御説明をさせていただくということでございます。
資料5ページはそうした検討を、どの分科会で何を議論するかということを整理したもの、これも昨年の10月時点で本分科会にお示しさせていただいているものでございますけれども、内閣官房のコロナ分科会のほうでは、基本的な方針であるとか接種順位の大枠について議論される。本分科会においては、接種に関する重要事項、どのワクチンを使うか等です。あとは、副反応検討部会において、副反応報告基準の検討をするといった形になってございます。
6ページは、ファイザー社の配送スケジュールというものでございます。2月17日から接種を始めてございます。この左上の122とか500というのが1箱の単位でございまして、1箱の中には195バイアルが入っている。1バイアルで5回あるいは6回の接種ができるという形になってございます。
医療従事者向けの優先接種につきましては、今週5月10日の週におきまして、ひとまず、知事会さんでお調べになっている医療従事者約480万人という量は上回る量を配送できることになりまして、配送は医療従事者向けという名目ではこれでおしまいになっているということでございます。
下の段の高齢者向け優先接種というところで、4月5日の週から配送を始め、1回目の接種が4月12日から始まってございます。現在、5月10日の週でございますけれども、今週と来週にかけて約1万6000箱を各市町村、医療機関に配送していく。その後も順次、1万3000箱プラスアルファというオーダーで配送を進めていきまして、6月末までに高齢者約3600万人2回分の配付を完了する見込みとなってございます。
7ページでございますけれども、高齢者の次の接種順位ということで、その次が基礎疾患を有する方、高齢者施設等の従事者への接種、あるいは60歳~64歳、さらにそれ以外の方という形で接種が進んでいるという状況でございます。したがいまして、ファイザー社のワクチンにおきましては、高齢者以降も続くわけですけれども、おおむね高齢者分についてはファイザー社ワクチンで確保のめどが立っているという状況でございます。したがいまして、今後、新たに承認されるワクチンにつきましては、基本的には主に高齢者以外の層の接種として用いられることが想定されるかなと考えてございます。
8ページはファイザー社ワクチンのこれまでの接種状況でございます。5月12日時点の数字でございまして、医療従事者等への接種ということで大体470万回という形になってございます。高齢者等につきまして60万回という形でございます。これは1回目接種と2回目接種の累積の数をそれぞれ足し合わせたものでございまして、内訳の推移を下のグラフにそれぞれ書いてございます。医療従事者等につきましては、5月12日時点におきまして、1回目の累積回数が330万人程度で、2回目を実施された回数の累積が140万程度という形になってございます。下の段が高齢者の接種実績でございまして、1回目接種の累積回数が57万、2回目接種の累積回数が3万5000という状況になってございます。
9ページは、これまでファイザー社ワクチンを接種したときの副反応疑い報告の概況を大まかにまとめたものでございます。こちらは12日の副反応検討部会に提出された資料から数字を抜粋したものでございます。時点といたしましては、5月2日時点のデータでございまして、そのときの推定接種回数につきましては、380万回程度という形になってございます。そのうち、副反応疑い報告の件数は医療機関からはトータルで5,560報告がありました。うち「関連有り」とする報告が3,962件、「関連無し」または「評価不能」という形のものが1,598という内訳になってございます。
「関連有り」のほうを見ていきますと、うち重篤報告数が474件で死亡報告数が1件となっております。ただ、こちらは注釈にも書いてあるのですけれども、当初アナフィラキシーが疑われ、救急搬送後の医療機関でお亡くなりになられたというケースでございまして、接種医のほうからは当初、ワクチン接種との因果関係がありという報告がなされました。ただ、救急搬送先で肺血栓塞栓症が明らかとなりまして、死亡診断名は肺血栓塞栓症という形になってございます。亡くなられたこととワクチンとの因果関係について評価不能と報告をされまして、後日、専門家の評価におかれましても、因果関係が評価できないとされましたので、最終的の内訳としては「評価不能」という内訳に移っているという形でございます。したがいまして、それを考慮するとゼロという形になるということでございます。
ここで医療機関以外にも製造販売業者からの副反応疑い報告は、基本的には重篤なものを拾っておりますけれども、1,362ということでございます。うち死亡報告数が17という形になってございます。
10ページは、本分科会でもファイザー社ワクチンの使用に関する御議論の際に話題になりましたけれども、アナフィラキシーの本剤における発生の報告件数でございます。集計期間ごとに幾つか数字があるのですけれども、最新の数字といたしましては、100万回接種当たりの報告件数で行きますと211件という形になってございます。ワクチン接種後のアナフィラキシーを評価するためのブライトン分類に基づきまして、下段でございますけれども、アナフィラキシーであると評価された件数が100万回接種当たり37件となってございます。
こちらが医療機関からの報告件数でございまして、同じように11ページが製造販売業者からアナフィラキシーとして報告された件数でございまして、それぞれ173件、ブライトン分類に基づいて評価された件数が100万回当たり28件という形になってございます。
12ページを御覧いただきまして、こうしたアナフィラキシーの報告状況について副反応検討部会において評価したものでございます。細かい御説明は省きますが、下の赤っぽくなっているところですけれども、アナフィラキシーに関する論点といたしまして、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められなかったという評価がなされておりまして、まとめといたしましては、引き続き接種を継続することになってございます。
13ページでございますけれども、医療従事者の中でもさらに先行的に接種された方の健康状態を調査したものでございます。こちらも同じように副反応検討部会において御紹介がされておりまして、これもかいつまんで主な内容だけ御説明しますと、上から4つ目のポツですが、接種後8日以降に回収した健康観察日誌から1回目接種後の発熱は3.3%だったけれども、2回目は38.4%と高率になっておりました。ただ、発熱する場合は翌日が多くて、接種3日目には解熱したということでございます。接種部位の疼痛は90%を超える被接種者が自覚し、翌日が最も頻度が高かった。ただ、3日後には軽快したということでございます。
1回目に比べて2回目接種では、翌日に頭痛が5割、全身倦怠感が7割を自覚されたということでございます。年齢、性別によって副反応の発現頻度は異なりまして、若年の方、女性の方が高かったということでございます。65歳以上につきましては、発熱が9%、全身倦怠感が38%、頭痛が20%でありましたけれども、痛みが80%という形で高い率で出ているという状況でございます。
簡単ですが、私からの説明は以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
続いて、鈴木先生、お願いします。
○鈴木委員 感染研感染症疫学センターの鈴木です。
それでは、資料はお手元にありますでしょうか。私たち感染研感染症疫学センターが中心にまとめました「新型コロナワクチンBNT162b2(Pfizer/BioNTech)を接種後のCOVID-19報告率に関する検討(第1報)」についてです。簡単に5分程度お時間をいただきまして説明させていただきます。
資料1枚目の背景についてです。新型コロナワクチン、ファイザーのワクチンですけれども、こちらのワクチンは既に御承知のように海外で実施されたトライアルの結果では、プラセボ群と比べて、1回目の接種後の全期間で効果は82%、1回目接種してから2回目接種前までの効果は52.4%ですけれども、2回目接種して7日後以降の効果は94.8%と報告されています。また、イスラエルで行われた観察研究では、COVID-19報告の抑制効果は1回目接種して2週間目以降で46%、2回目接種して7日後以降で92%とされています。
いずれのトライアル、観察研究においても、ワクチンの効果が発現するのは、1回目接種してからおよそ12日目以降とされております。
今回、私たちでは、あくまでサーベイランスのデータ、V-SYS、HER-SYSのデータを使って日本国内で医療従事者を対象として先行接種なされたデータを使って仮想コホートを構成してワクチンの効果を推定することを行っております。方法の詳細はレポート2枚目を御参照いただければと思います。
結果については3枚目にまとめております。3枚目の真ん中のところに図1としてグラフでお示ししておりますけれども、先ほども少し紹介がありましたように、最初に医療従事者に対して先行接種が始まっております。2月17日から4月11日までの期間中に医療従事者110万人に対して1回目の接種が行われています。このうち、4月30日までに94.7%が2回目を接種終了しております。この人たちが4月30日までにどれぐらい発症したのかということを計算するためにコホートを構成して、データ分析したものが3枚目以降に示しております。
表1を御覧いただければと思います。詳細な数字は資料を御覧いただければと思いますが、これは対象期間中に新型コロナと診断されたHER-SYSに登録された256名に関してのデータをまとめたものです。7割方が女性で20代から40代を占めています。これは恐らく対象者が医療従事者である、その性別、年齢別の特性を反映したものと推定されます。約110万人が1回目を接種して4月30日までに発症した人たちというものの生存時間分析を行った結果としてカプランマイヤー曲線を描いたものがグラフとして図2に示しております。
これは1回目接種してから発症、届出されるたびにどんどん上に積み上がっていくグラフです。グラフの形を見てもお分かりかと思いますが、接種して大体10日過ぎて、12日目ぐらいを境としてカーブの立ち上がりがだんだん緩やかになっていくことが見て取れます。これを数値として表しているのが表2です。
表2の上段の「全体」というところを御覧いただければと思いますけれども、ワクチンを接種してから0~13日目、つまり2週間以内に報告されるのは人口10万単位1.26です。一方、14~20日は0.53、21~27日で0.49、28日目以降で0.18というふうに経時的に報告率が下がってくることが分かります。これを定量的に表したのが隣の報告率比で接種してから最初の2週間を基準としたときに、2週間目以降20日までの報告率の比率が0.4倍、21日目~27日目が0.39倍、28日目以降が0.14倍ということで、経時的にワクチンを接種してから時間がたつごとにどんどんとコロナが報告される比率が下がることが分かります。
簡単に最後に解説いたしますけれども、今、申し上げましたように接種して最初の2週間を基準とすれば、それ以降の新型コロナの報告率はどんどん下がっていきます。おおむね0.4倍ということになります。
これは今回の分析では、ワクチンを接種していない人たちのデータがないので、対照群がないということになります。ですので、正確なワクチンの効果、いわゆるワクチンエフェクティブネスを計算することはできませんが、もし、最初の2週間は本当に全く効果がないと推定すれば、2週間目以降でおよそ新型コロナの報告率を60%下げることができると解釈することができます。この効果は28日以上経過すれば約85%ということになりますので、繰り返しですが、データの制約からデータは慎重に解釈する必要がありますが、おおむねワクチンのトライアルあるいはイスラエルで行われた観察研究とほぼ同等の効果が発現されているのではないか、それを示唆する結果であると考えております。
私からは以上です。
○脇田分科会長 鈴木先生、どうもありがとうございました。
それでは、今、事務局と鈴木先生から御説明いただきましたけれども、まず、後半の鈴木先生の先行接種のワクチンの効果の推計といいますか、現時点でのまとめをしていただきましたので、こちらに御質問等あれば委員の先生方からいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
中野先生、白井先生の順番でお願いします。
○中野委員 川崎医大の中野でございます。
鈴木先生、大変お忙しい中、非常に分かりやすくおまとめいただき、ありがとうございます。
先生が御指摘になられたように、イスラエルの研究も観察研究ですし、多くの場合、登録された患者さんが検査陽性になったかどうかという形で見ている研究が多いと思いますから、世界中で報告されている研究は確かにある程度のバイアスとかリミテーションはあると思います。ただ、ワクチンによるこの疾患の蔓延予防、流行の予防効果、感染予防効果がどれぐらいあるかというのは非常に興味があるところなので、すばらしいおまとめだと思います。
お教えいただきたいのが、これは国内の医療従事者の罹患ということですが、どれぐらい積極的に陽性か陰性かの検査をして報告する制度になっているか、基となったデータの背景をお教えいただけますでしょうか。
○脇田分科会長 まず、白井先生、どうぞ御発言ください。
○白井委員 枚方市保健所の白井です。よろしくお願いいたします。
鈴木先生の御報告は本当に興味深く拝見させていただきました。
一つ、些細なところで申し訳ございませんけれども、結果のところで、基本情報の下から3行目なのですが、2回目の接種後に診断された症例は全体の16.7%と書かれておるのですが、これの母数と実数はどれを充てていただいているのか、ちょっと表からよく分からなかったと思いましたので、表2のほうですと2回目に接種された方の全体が281人のうちの25人なので8.9%なのかなと思ったのですが、読み取りがまずかったら教えていただきたいと思いました。
それと、中野先生の御質問ともかぶるかもしれないのですけれども、最後のほうでHER-SYSのデータとか入力漏れとか報告の遅れということが述べられておりますけれども、このHER-SYSが医療機関ベースできちんと入れられているか、または保健所のほうで代行入力をするかという形になっていますので、発生が多い大阪府とかその辺については、その辺の入力が十分でないというか追いついていないところもございますので、御迷惑をかけているのではないかと思いました。
また、もう一つ、12日付でコロナウイルス感染症対策推進本部のほうからワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症と診断された症例に関する国立感染症研究所による医療機関に対する積極的疫学調査の協力依頼が周知ということで来ておりますけれども、これがまさにこのような次の解析につながるような調査ではないかと思いますので、これについてもHER-SYSをきちんと入れてくださいということを私たちからというか、自治体から医療機関にお願いするようになっておりますので、その辺をこういう今日のような御報告があったことを踏まえて、さらにこのようなデータを出していただきたいというお願いを自治体のほうからしたいと思いますので、その辺の後押しをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、鈴木先生、今の中野先生と白井先生のコメントに対してお願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
最初に白井先生から御質問いただきました数のほうですけれども、結果の1段落目の下のところにあるところだと思います。2回目の接種後に診断された症例は全体の16.7%といった数字だと思います。これは表1で言いますと、表1の真ん中で、一番上のワクチン1回目接種後0~27日目に陽性になった人たちのうち、総接種回数が2回の人たちが下に有症状15、無症状8となっています。合わせて23です。
一方、ワクチンを接種して28日目以降に陽性になった人の中で2回目以上接種したのが13プラス11の24ということになりますので、この2つの数字を合わせたもの、つまり23足す24の数字が全体に占める割合が16.7%ということになります。
それから、お二人の先生方に質問いただきましたそもそものワクチンを接種してからコロナ陽性になった人のデータがどれだけ積極的に捉えられているのかという点だと思いますけれども、その点は確かにこの分析において最大の制約あるいは解釈するときに注意すべきポイントだと考えています。御承知のように、そもそも新型コロナと診断された人たちは原則的に感染症法に基づいて届出がなされる。その届出される情報はHER-SYSに登録されということになっていますが、今の流行拡大している局面において100%全て入力されているということは私たちも高い期待であると考えています。特に、流行拡大している地域によっても入力率に差がある、あるいはデータの精度に差があるということも承知しています。それが一つの制約。
もう一つは、陽性になった人と同時に、もしワクチンを打っていて陽性になった人の場合には、ワクチン接種歴を入力してくださいという通知が出ておりますが、これも流行拡大している状況においては確認するのがなかなか難しい。そもそも本当にワクチンを打ったのかどうかということを確認するのも御本人の深刻によらざるを得ないという点からもここも制約になります。
加えて、これを分析するあるいは研究という観点からしますと、これ自体研究ではありませんが、研究者の観点から言いますと、ワクチンを打った人を積極的にフォローアップするというコホート研究になっているわけではありません。ですので、本来の理想的なコホート研究からすれば、対象者をあらかじめ決めて、もし少しでも症状が出れば必ずPCR検査を受けてくださいといったあらかじめプランされた研究でないとなかなか正確な数字を言うのは難しい。だけれども、日本でこういった体制ができていないというところから、まずはV-SYS、HER-SYSというサーベイランスのデータを使って、仮想コホートをつくって迅速評価を行ったという次第です。
ですので、繰り返しですが、理想的なデータでないということは重々留保した上で、しかし、分析の結果自体はワクチンの効果を示唆する所見であったということは一つよいニュースであると考えております。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そのほか、鈴木先生の御説明で、伊藤先生から手が挙がっておりますが、そのほかは大丈夫ですか。森尾先生ですね。それでは、伊藤先生、森尾先生の順に御発言ください。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
一応情報提供をさせていただいたほうがいいかなと思ったのでさせていただきます。コホート調査を担当させていただいておりまして、今のところ、1万3764名の方から終了報告が挙がっております。それが49日までです。全体が約2万人のところの1万4000人近くのデータなのですが、その中で私どもが承知をしているのは6名の方がCOVIDに感染をされておりまして、67万4436人/日に対して6名なので、0.89人の10万日に対して出ているというデータです。
これに関してはいつ発症されたのかというデータを持っておりませんので、鈴木先生と同じような解析はできませんが、比較的近い数でこちらに関しては、積極的な形でのその時点でのデータですので、比較的正確なデータとしてリファレンスにお使いになれるかもしれないと思っております。最終的にこれが2万人のデータになった段階で報告はさせていただく予定ではありますが、今の段階で鈴木先生のデータと対比してお考えいただくという意味では有用ではないかということでお話をさせていただいております。
以上、情報提供でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
森尾先生、どうぞ。
○森尾委員 ありがとうございます。大変勉強になりました。
もし、ありましたらということなのですけれども、例えば、20代、30代、40代と50代以降みたいな形で、サブポピュレーションで比較すると何か差があるとかデータが出たりということはあるのでしょうか。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
鈴木先生、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
現状で手元で分析をしていますが、数が限定的であるということで、現状では明確な違いはまだ見えていません。世代別の効果という点ですけれども、これに関しては、今回第1報ということで出しておりますので、第2報以降でさらに追加分析として公表していきたいと考えております。
以上です。
○森尾委員 ありがとうございました。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほかよろしければ次に移りたいと思いますが、よろしいですか。
資料1で事務局から御説明いただきました現在の接種の状況、配送のスケジュール、副反応報告の状況といったところですけれども、こちらに関して委員の皆様から御意見をいただきますが、その前に私のほうから、以前、接種の順位のお話をしたときに、委員の皆様から、例えば年齢をもう少し区切って高齢者はやるべきではないかとか様々な御意見をいただきましたが、そのときは、今、65歳以上はまとめてというところで始まったところと承知しています。
高齢者が進んでいくと、今後、基礎疾患がある人、60歳~64歳というところに進んでいくというところでありますけれども、さらに一般の人にも接種が進みというところで、そのときにやはりどのような優先させるべき方がいらっしゃるのかということもこのワクチン分科会で検討できるのかというところも事務局に整理していただいて、ここで議論するべきだということであればしっかりと議論して、そういった意見を出していくべきではないかと考えていますので、そこは事務局にお願いしておきたいと考えていますというのが私からのお願いです。
それでは、委員の皆様から、事務局からの説明の資料1に関して御意見、御質問をいただきたいと思います。佐藤先生から手が挙がっていますので、佐藤先生、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
今、脇田先生の御意見をお聞きしていて発言させていただこうかなと思いました。接種スケジュールについては、基本的に属性に鑑みてつくられているわけですけれども、現状の流行の度合いを見ますと、例えば、流行地にシフトして接種するということが御専門の先生方から考えて有効なのかどうか、そういうことを考えるべきなのかどうかについてここで考えるのかそうではないのか、どこかで考えていただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
まさに大きな枠組みについてはコロナ分科会のほうで優先順位を決めて、その後接種が必要だということなのですけれども、ここから先、どのように考えていくのかというところはどこで議論をすべきかという問題があると思いますので、そこは事務局に説明していただければと思っております。
そのほか、いかがでしょうか。坂元先生と中野先生から手が挙がっていますので、順番にお願いいたします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。遅れて参加して申し訳ありません。
この優先の問題は、現場の市町村としてはやはり非常に人気があるといったら変ですが、申込者が非常に多いという形で、申し込むツールが容量オーバーしてしまっている現状なので、自治体の中にはそういうことを踏まえて85歳とか75歳とかこまめに年齢を区切って接種券を配送したり、受付をやっているというところもあると思います。だから、むしろ医学的な配慮というよりは市町村の予約システムのキャパというところにどちらかというと依存するのではないかと。
それから、今後、若い人が始まっても、若い人をフルの年齢で仮に16歳以上は全ていいですよといったら、恐らくまた予約システムが破綻するので、多分そこもこまめに年齢を分ける必要というのは、どちらかというとそっちに依存しているのではないかと現場からは思います。
それから、流行地を優先するという考えも今、国が示していただいているワクチン配付のプランから言いますと、恐らく6月には我々市町村としては、ワクチンよりも接種能力のほうがついていかないのではないかという危機感を抱いておりまして、仮にそういう地域を優先されても、それは接種能力との問題があって、優先というのは、ワクチンを優先的に配付するのか、例えば、そこに接種できる人をどこかからシフトしてくるのかという2つの考え方があると思うのですが、恐らくワクチンの問題は厚生労働省の方は御存じだと思いますが、もうすぐ解決していくのではないかと我々市町村は考えております。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
中野先生の前に一言だけ。感染研はワクチンの検定をやっていますけれども、既に約3000万回分程度の検定が済んで、それが流通に回るという状況ですから、やはり配送の問題であったり、地域、自治体での接種のキャパシティーといったところが今後、かなりシビアになってくるかなと考えております。
中野先生、よろしくお願いします。
○中野委員 私はワクチンの安全性について御質問させていただきます。
これから、徐々に接種率が上がってくると、やはりワクチンの安全性というのはかなり関心事としてさらにクローズアップされてくるのではないかと思います。具体的には、今日、事務局からお示しいただいたスライドでは、スライド7枚目の重篤な有害事象例で、接種した後に脳血管疾患とか突然死という方々が一定数発生するのは間違いない事実でございますし、伊藤先生の資料で拝見いたしますと、最後の項目に書いていただいた顔面神経麻痺を含む末梢神経障害など22例がPMDAに報告されたということで、こういったことに関しましても因果関係がどうかということが、今後のさらにいろいろなことが本当に社会全体で議論されると思うのです。
そして、これにつきましては、副反応検討部会も今は非常に頻繁なペースで、森尾先生はじめたくさんの議論をしていただいていて、本当にお疲れさまだと思いますし、今後、疾病・障害認定審査会の中では、個々の患者さんに関しては因果関係がどうかという議論は進むと思うのですが、一番大事だと思うのはワクチンを打った方と打っていない方で重篤なイベントが発生する率がどうかというデータを我が国としてある程度整備できるのかどうか、大変な作業だとは思うのですが、私たちが今持っているのはそれぞれのワクチンの第III相臨床試験で、数万例のものを対象とした接種群と非接種群で重篤な有害事象の頻度に差はないというところまでしか私たちは明らかなデータは持ち合わせていないと思うのです。
これは数万例以上の頻度で起こる重篤な有害事象だと検出のしようがないということで終わってしまうと、何かが起こったときに国民の皆様が安心して打てないというのは、環境として整備ができていないという状況では困ると思いますので、どうしたらいいかというところまで自分は思い浮かばないので非常に申し訳ないのですが、そこは何か考えておく必要があると常日頃から考えております。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
池田先生、お願いします。
○池田委員 池田でございます。
ワクチンの供給量もかなり確保されそうな見込みだということで大変安心いたしましたし、また、各自治体におかれましては、私も打つ側であったり家族が受ける側であったりするのですが、各自治体はいろいろと努力され、工夫されて進めていらっしゃることは非常に敬意を表したいと思います。
その中で、これからワクチンの数は確保されても打つ手順とか、例えば電話がつながらないとかいろいろな問題があるわけでして、多分報道されているのはその中でも特に問題のあるものだけかもしれませんけれども、そういったものではなくて、打つ接種の体制についてはなかなか難しい面も、そこが律速段階になるということは事実だと思いますので、だからこそ各国で示されているようなどういう優先順位で打つのかというのは基本的な原則といいますか考え方というのは、自治体に任せますと、また自治体ごとにいろいろな御苦労とか格差が出てくるということもあるので、やはり国としてあるいは分科会の中で示していくのが望ましいと思います。
例えば、アメリカでもイギリスでもエッセンシャルワーカーの方を優先するとか、高齢者施設に勤務されている方を優先する。あるいは、年齢も細かく区切って示していくとか、特に今後、複数のワクチンが出てきますと、どのワクチンをどういう方に適切にというところの交通整理も必要になってくるわけで、ぜひこの分科会かどうかは別として、国として一定の方針をエビデンスに基づいて説明していくことは必要なことではないかと思いまして意見させていただきました。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、ここで一応区切って、事務局からもし何かコメントがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○林予防接種室長 予防接種室の林です。ありがとうございます。
まず、優先順位の関係は、私の話したいと思ったことを坂元先生に御説明いただいたような気がいたしますのであまり付け加えることはないのですけれども、ワクチンの量は先生にお話しいただいたようにこの先ずっと増えていきますので、今は自治体の方々、あるいは医療機関の方々に接種体制を拡大することに本当に骨折りいただいている状況でございます。
それから、中野先生の安全性に関しての指摘の中で、非接種群の様々な疾患の発生頻度についてどのように知ることができるかということは、本当に平時から大変重要な課題だと思っているのですけれども、既存のデータベースとかいろいろな調査制度の中でどういったものが利用できるのかということになってくると思います。新たにそういったものをつくろうとしても全ての症例が登録されることは基本的に起こり得ないので、既存のものの中でどういうものが使えるかということをそのときそのとき考えて使っていくことが当面の対応としては最大限のものだと思います。
例えば、死亡統計であるとかいったものは副反応検討部会のほうでも使えるかどうかということも含めて御議論いただいたこともございます。それから、これまでの平時の事例の中ではNDBで一定の疾患の発生頻度、有意な頻度などを確認するといったことをしたことがございます。また、副反応検討部会の中では、米国でのそういったVSDといったデータベースの取組などもヒアリングさせていただいて、海外で行われている接種群と非接種群の比較といった海外での疫学調査の状況なども参考にしながら御議論いただくことになっているのかなと思っております。
事務局からは以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほかにいかがでしょうか。
坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 コロナの接種に関しましては、川崎市でも総動員でやって私も駆り出されていっているのですが、アルバイトといったら変ですけれども、そういう形でお願いしている先生方からよく聞くのは、自治体によって価格が大分違うということを言われて、どうもそういう価格競争が起きているということで、川崎市は少し安いのですねとか、現場に行くといろいろ言われるのですが、こういうことが過熱するとよくないなということもあって、その辺は各自治体のほうにもお金を出せば来るという考え方ではなくて、これは本来国民、市民の健康のためにやっていくものなのだという意識を持っていただきたいということで、これはそういう自治体の皆様方にも自粛をお願いしたいと思います。
これは要望と意見でございます。
○脇田分科会長 今の坂元先生の御意見は事務局に受け止めていただくという形かと思います。
ちょっと先に進めさせていただいて、またもし意見がありましたら、最後のところでもお願いしたいと思います。
続きまして、資料2を事務局からまた説明をお願いいたします。
○川瀬室長補佐 それでは、資料番号05の資料2「各国におけるワクチンの使用状況等」について御説明をさせていただきます。
2ページ目でございますけれども、先ほど申し上げたように、現時点で我が国で使用される見込みのあるものという趣旨で、特にファイザー社、モデルナ社は武田薬品が流通させることになっていますので「武田/モデルナ社」と書いてありますが、アストラゼネカ社のワクチンの使用状況について簡単にまとめたものでございます。
それぞれ総接種回数というのは、この3つのワクチン以外のワクチンも含めた総接種回数でございまして、例えばアメリカでございますと2億6000万回という形になってございます。1回目接種者が人口の約47%程度で、これは各国そうですけれども、国連のWorld Population Prospectsの推計値を使用しております。1回で済むワクチンも一部ありますので、それは1回接種で完了とカウントされておるようですけれども、それで接種完了者は約36%となってございます。
ワクチン別の使用実績を見てみますと、これは1回、2回ない交ぜというか単純に足し上げている数字だと思うのですけれども、アメリカではファイザー社とモデルナ社が多くなってございます。アストラゼネカ社についてはまだ使用許可が申請されていないという状況でございまして、使われていないということでございます。
イギリスでございますけれども、全体で行けば5400万回という形になってございまして、1回目接種が人口の約53%、接種完了者というところが約半分の約27%という形になってございます。ワクチン別の状況は英国のほうで公表している時点が少し前のものになっておりますけれども、4月28日時点のようですが、最も多いのがアストラゼネカ社で2850万回という形になってございます。その次が、ファイザー社で1950万回、モデルナ社は比較的最近の使用なのだと思いますけれども、約10万回という数字になってございます。
EUでございますけれども、ドイツ、フランスを見てみました。ドイツにつきましては、総接種回数が3700万回程度、フランスでは2500万回程度という形になってございます。それぞれ1回目接種者がドイツでは人口の約34%、フランスでは28%、接種完了した方がドイツでは約10%、フランスでは約13%になってございます。どのようなワクチンが多く使われているかでございますけれども、ドイツもフランスも最も多いのがファイザー社でございます。その次がアストラゼネカ社となっておりまして、モデルナ社もそれに続くような形で打たれているということでございます。
最後は、一番右のカナダでございますけれども、合計で1700万回打たれている。こちらも時点のずれがあるのですが、1回目接種者が人口の約24%、接種完了者が2%になってございます。ワクチン別で行きますと、ファイザー社のものが最も多くて800万人です。こちらは各国の示しているデータの制約でカウントの仕方がちょっと異なるのですが「人」という形で表記されておりました。次がモデルナ社で230万人、アストラゼネカ社が約200万人という形になってございます。
3ページはファイザー社のワクチンの各国の使用状況をまとめたものでございます。使用状況という意味で行きますと、まず、有効率でございます。これは各国ものが違うわけではないはずですので、これは日本の審査報告書の感染歴を問わない評価項目の有効率を示したものですが、94.6%となっております。接種間隔でございますけれども、これは2回接種するワクチンでどの国でも薬事上は21日、3週間という間隔になっておりますが、アメリカにつきましては6週間まで延ばしても大丈夫だろうと言っている。ただ、アメリカは21日が原則の形でそれを守りましょうとなってございます。
イギリスにつきましては、後でも出てきますが、アストラゼネカ社の接種間隔の最長である12週間ということで各ワクチンをそれにそろえているということでございます。
EUにつきましては、国によって異なるという状況でございます。カナダにつきましても16週間、約4か月という趣旨のようなのですけれども、延長可能ということになっております。
対象年齢につきましては、当初各国16歳以上での薬事承認だったわけですが、最近になってアメリカとカナダにおいては12歳以上の使用が許可されているという状況でございます。さらに一番下の欄ですけれども、より低い年齢層においても臨床試験が実施中ということでございます。
4ページは、ワクチンの効果等に関する実使用した上での知見ということで、各国当局あるいは製造販売業者による発表をまとめたものでございます。イギリスは先ほど申し上げましたとおりファイザーワクチンを相当数使っておりまして、そこの中での報告といたしましては、80歳以上の感染者の方ですけれども、入院に対するハザード比は0.57に下がっているということでございます。また、同じイギリスの発表でございますけれども、これは家庭内だと思いますが、感染者の方がワクチンを打っている、打っていないという群に分けられていて、それぞれの接触者の陽性に対するオッズ比というものが0.51、ワクチン接種群において下がっていることが示されております。
また、アメリカのほうですけれども、CDCが発表した論文におきましては、有症状、無症状併せてそれを多少抑制する効果が出ているということでございます。
長期の有効性に関する知見ということで、これはファイザー社が発表したものでございますけれども、6か月後の発症予防効果として91.3%というものが得られたということでございます。
また、副反応でございますが、先ほど資料1でも御説明したように、アナフィラキシーの報告が各国においても話されております。ただ、各国におかれても使用を止めるほどの安全性の懸念が出ているわけではなくて、接種は進められているという状況でございます。
5ページ以降ですけれども、こちらは5月6日の厚生労働省のアドバイザリーボードの提出資料でございます。一部正式な論文化されたりという時点修正がありましたけれども、基本的にはその内容と同じでございまして、左側の臨床試験のほうでは基本的に発症予防効果あるいは重症化予防について見られたというところなのですが、その後の右側の実臨床のほうでは幾つか論文が出ておりまして、感染予防効果というものが一定示唆されるのではないかということが掲載されています。特に右側の下2つ、イスラエルでの成績というものとCDCがまとめた成績というものを次の6ページ、7ページで詳しく説明をしております。
6ページにおきましては、イスラエルでの集団接種の成績ということで、感染予防ということでは無症候性の感染というものがワクチン2回接種後で91.5%に有効率が上がったということでございます。ただ、疫学調査でありまして、一定のバイアスが生じるということには注意が必要かと思っております。
7ページは、先ほども簡単に触れた本文ですけれども、CDCがまとめた接種成績でございます。こちらも新型コロナウイルスの感染に対して、2回接種後14日以降ということで、90%に有効率が出ている。ただ、これは先ほどのイスラエルのものとは異なりまして、有症状と無症状を併せて分析をしております。その点に注意が必要だと思います。また、確定例数の少なさ等々一定の限界が解釈にはあるということでございます。
8ページでございますが、こちらはアドバイザリーボードにも提出がされましたし、本分科会の基本方針部会においても多屋委員のほうから提出があった資料ですが、イギリスにおいてファイザー社ワクチンを使用した研究ということで、接種間隔1回目を12週間に延長しておりますけれども、例えば左側の文字で書いておりますのが1回目接種から28~34日後、2回目接種を打つ前においては有効性が59%だった。2回目接種群において2回目接種から7~13日後の有効性は79%であったという結果が得られているということでございます。ただ、これもあくまで観察研究ということでございまして、様々なバイアスを考慮する必要があるということでございます。
9ページは今、日本においてもイギリスの変異株がメインになってきているということでございまして、ファイザー社のワクチンにつきましては、既に公表されております審査報告書においても変異株への有効性について言及がありますので、それについて御紹介をさせていただくものでございます。承認審査の過程におきましても、一定の変異を持ったシュードウイルスに対しても血清において一定の中和作用が確認されたということでございます。N501YでありますとかE484Kを持つようなウイルスに対しても一定の中和作用があったということでございます。
その下の青色の枠で囲っているほうも海外の論文『New England Journal of Medicine』にcorrespondenceとして掲載された論文でございますけれども、それぞれこの研究の中で標準とするような株に遺伝子変異を発現させまして、それぞれ英国変異株(B.1.1.7)、ブラジル変異株(P.1)、南ア変異株(B.1.351)の中和作用を調べたものでございます。図にもなっておりますけれども、英国のものとブラジルについては同等の効果を有するということでございますが、南アの変異株については、一定の中和作用があるのですけれども、少し弱くなることが見られたということでございます。
次の10ページがモデルナ社ワクチンについてまとめたものでございます。こちらの有効率は、これまで我が国においてはまだ承認されておりませんので、海外の論文における第III相試験の結果を解析したものを有効率のところで94.1%というものを掲載しております。各国接種間隔についてはおおむね28日で、アメリカの表記でいきますと1か月となっていますけれども、承認がされております。これも先ほどのファイザー社と同じようなことになっておりまして、公衆衛生当局といたしましては、アメリカは1か月というものを原則守りましょう。ただ、何かあっても6週間までは延長できますということをアナウンスされております。
イギリスは同じように12週間という接種間隔が推奨されておりまして、EUにおいても各国によってはおおむね6週間まで延長可となっております。カナダにおいては16週間、4か月まで延長可能という形になってございます。
対象年齢はいずれの国でもまだ18歳以上という形での承認になってございます。ただ、それより下の年齢層においても臨床試験が実施中という状況でございます。
11ページでございまして、モデルナ社のワクチンについて各国当局等の発表をまとめたものでございます。まだイギリス等での使用の数が少ないこともありまして、少し少なくなっておるのですけれども、CDCが発表した論文でファイザー社のところでも触れた論文ですけれども、ファイザー社とモデルナ社併せて有症状と無症状への有効性を示唆する結果が得られたということでございます。剤としての組成がファイザー社のものと似ておりまして、こちらについてもアナフィラキシーの報告が海外でもなされております。ただ、されておりますけれども、ベネフィットがリスクを上回るということで、引き続き使用されておるという状況でございます。
12ページがアストラゼネカ社のワクチンでございます。こちらもまだ当然我が国においては承認されておりませんので、有効率のところは海外の第III相試験の結果を解析した論文を基に70.4%というものを掲載しております。先ほど来御説明しておりますけれども、アメリカにおいてはまだアストラゼネカ社のワクチンは承認申請されていないという状況でございます。接種間隔につきましては、薬事のほうでも幅を持った形での承認というものがされておりまして、4~12週間という形になってございます。
イギリスはほかのワクチンについても接種間隔を12週間としておりますけれども、恐らくこのアストラゼネカ社の最大の接種間隔に合わせる形でアナウンスされていると考えております。
EUの中ではさらにこれ以上というものは基本的にはあまり見て取れないという状況でございます。カナダにつきましては、先ほどと同じように16週間、4か月まで延長可能ということをアナウンスしております。
対象年齢でございますけれども、いずれも18歳以上となってございます。ただ、公衆衛生当局の推奨といたしまして、次のページでも御説明いたしますが、血小板減少を伴う血栓症の発症などを踏まえまして、イギリスにおいては基礎疾患のない40歳未満では、ほかのワクチンが選べるのであればそちらを優先して受けてくださいという形になっております。ただ、こちらは年齢の制限がこれまでよりも強まった形になっておりまして、先週ぐらいまでは30歳未満ではという形になっていたのですけれども、5月7日以降は40歳未満ではという形に年齢制限が強化されたという状況でございます。
EUでございまして、ドイツにおきましては、60歳以上の者に限って使用を推奨するということになっております。フランスはこれが55歳以上の者に限るとなっております。デンマークとノルウェーにつきましては、時期がそれぞれ少し違いますけれども、年齢を問わず使用の推奨を停止しているという状況でございます。
カナダにおきましても一定の制限が設けられておりまして、基本的にはメッセンジャーRNAのほうがいいのではないかということをアナウンスしつつ、メッセンジャーRNAワクチンを待つことが御自身として望まなくて、ベネフィットがリスクを上回るかつ禁忌ではないという30歳以上の方であればアストラゼネカ社ワクチンを受けることが推奨されます。ただ、こちらも年齢の制限については変動がございます。4月22日頃までは55歳以上は提供することを推奨となっていたのが30歳以上という形で、こちらは年齢制限が逆に緩和されているという方向への変動があったということでございます。
小児への使用というところで一番下なのですけれども、18歳以上ということで薬事のほうでは承認許可等をされているわけですが、治験につきましては、現在、小児の治験が中断中という形でございます。
13ページはほかのワクチンと同じように各国当局等の発表等をまとめたものでございます。こちらもファイザー社のところで御紹介したもののアストラゼネカ版ということですが、イギリスの報告におきましては、80歳以上の方の入院に関するハザード比が0.63低下したということでございます。また、家庭内感染につきましても、ワクチンを接種した人かつ感染した人の家庭内での接触者が陽性かどうかということのオッズ比が0.53下がったということになってございます。
副反応の関係ですが、先ほども少し触れましたけれども、各国で非常に極めてまれな血小板減少を伴う血栓症というものの報告がなされております。ただ、数字としては極めてまれという評価になっておりまして、例えばイギリスですと3月末時点で100万人当たり約4人ということで、ワクチンと関連している可能性があるということでございます。こういったことも踏まえて、イギリスの公衆衛生当局(JCVI)におきましては、この当時は30歳未満で重症化リスクとなる健康状態にない方についてはほかのワクチンがいいということをアナウンスしています。それが後に40歳未満に引上げられたということでございます。
カナダにおきましても、血小板減少を伴う血栓症について、ワクチンと関連している可能性はあるとしております。ただ、全体的にはベネフィットがリスクを上回るとしております。その中で公衆衛生側の判断といたしましては、メッセンジャーRNAワクチンの接種を推奨する。禁忌に該当しない30歳以上の方が、ベネフィットがリスクを上回る、インフォームドコンセントがなされていること等を条件に接種を受けることを推奨しているということでございます。
EMAのほうですけれども、こちらも4月7日に血小板減少を伴う血栓症についてアストラゼネカ社ワクチンの非常にまれな副反応として位置づけできたという結論が得られております。ただ、全体としてはベネフィットがリスクを上回ると発表されております。いずれにしても、現時点でのエビデンスからは特定のリスク因子等はまだ確認されていないという状況になってございます。
次のページにかかってしまうのですけれども、同じEMAのほうでこうした血小板減少を伴う血栓症というリスクとアストラゼネカ社ワクチンによる入院等が予防される効果というものと、リスクベネフィットを比較したものが最後の14ページに掲載しております。こちらは感染状況が高水準、中水準、低水準という一つの文脈と言いますか、そういう状況下においてそれぞれ予防される入院数、あるいは重症化ということだと思いますけれどもICU入室数、予防される死者数というものと血小板減少を伴う血栓症の発生数を比較してみたというものでございます。
ちなみに、感染割合が高水準というところを1月で10万人当たり886名としておりますが、これはヨーロッパにおける2021年1月頃の感染状況でございます。中水準というのが1か月10万人当たり401名で2021年の3月頃、低水準というのが1か月10万人当たり55人ということで2020年9月頃という感染状況に相当する水準ということでございます。
日本の今の感染状況で行きますと、大体1か月10万人当たり100人ぐらいだったと思いますので低水準と中水準の間、やや低水準寄りということになろうと思いますので、中水準と低水準の分析について着目してこちらに掲載してございます。
御覧いただければと思いますが、感染割合が中水準の場合は、入院数という切り口で見ればベネフィットのほうが全年齢で上回る、ICU入室数においても全年齢でベネフィットのほうが上回る。ただ、死亡者数という比較をすれば、それが妥当なのかというのはさておきですけれども、30歳未満の層ではリスクのほうが高くなるという分析計算がなされております。
下の感染割合が低水準というところは、入院数という切り口ではベネフィットのほうが上回るのだけれども、予防されるICU入室数というもので行きますと60歳未満の層では血小板減少を伴う血栓症例数のほうが多くなってくる。死者数についても同じという形になってございます。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
中野先生からまずお願いします。
○中野委員 中野でございます。
質問というよりはコメントになるかもしれませんが、非常に膨大なデータをおまとめくださいましてありがとうございます。特に、今世界でも注目されているウイルスベクターワクチンの血栓ということに関しまして、本部会では承認されたワクチンのことを議論するわけなのでまだ話題には乗らないのかもしれませんが、今日の冒頭でも事務局から、承認された場合は本部会で議論することになるというコメントがございましたので、あえてコメントさせていただきます。
血栓はもともとリスクが低い中で、年齢ごとのリスクの差というものも数値で見ると本当に差が大きいわけではなくて、微妙な差の中で、今後、日本でもし承認されたら何歳の方にどうするのかということを当部会で議論していかないのかなと思うと、とても責任の重い仕事であるなと思っております。そのときにどんなデータが役に立つかというと、国内でこれから一から築き上げていくのは正直簡単ではないでしょうから、海外のデータをこのようにまとめていただいたことはとても勉強になりましたので、ありがとうございます。
それに加えて、アナフィラキシーです。やはり医療機関からアナフィラキシーと報告されるメッセンジャーRNAワクチンの頻度が一定数ほかのワクチンよりは高くて、ブライトン分類で恐らくレベル1と2なのでしょうけれども、その定義に合致する例が低くなっているのは重篤なアナフィラキシーは少ないけれども、メッセンジャーRNAワクチンはやはり一定頻度でアレルギー反応が起こりやすいと私は現場で接種してそう思っています。なおかつ、女性でアレルギー歴のある方に起こりやすいと思うのです。
このウイルスベクターワクチンが、もしアナフィラキシーとかアレルギー反応の頻度が低いのであれば、その対象者の方々特異的にあなたの場合どっちのほうがメリットがということをお示しできると、国民の方には少しでもいい情報かなと思って、これも例えば、メッセンジャーRNAワクチンでもファイザー社のものとモデルナ社のものとどのような差があるかとか、私たちがこれから日本の現場で実感していくのは、これからもし使われ始めたらそれでやっと分かってくるのだと思うのですが、そのような血栓とか重篤な副反応に加えて、いわゆるどんな薬剤でも起こるアレルギー反応の一般という観点からも、宿主特異性にどのような方にはどのワクチンがというメッセージが発せられると有用かなと思いました。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほかにいかがでしょうか。
坂元先生、お願いします。
○坂元委員 この血栓の問題ですが、ニュース等で非常に報道されて、ある一定で国民の方には相当インパクトを与えていると思うのですが、一つはこの血栓症で亡くなった方の分析が大事だと思うのは、この血栓症が以前はアメリカの学会ではコロナに伴う血栓症の治療法という形で新しくガイドラインを出して通常の血栓療法とは違う形でやりなさいということで、その中を見ると、そういう新しい療法でやっていけば、血栓症による死亡はかなり防げて予後がいいというデータが出ているということで、従来の死亡がちゃんとした治療でやられたのかやられなかったのかということも見ていかないと、ただ国民に不安を与えてしまうということ。
それから、やはり欠けているのは、コロナ感染そのものでも血栓症がこれを上回る数が起きているということは、国民にしっかりアナウンスしていくべきではないかと。このワクチンで起きているというだけではなくて、コロナ感染でもこれだけ起きるのだというアナウンスも必要ではないかと思います。
私からは以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
さらに、御意見、御質問ございますか。
池田先生、お願いします。
○池田委員 池田でございます。
ちょっと違う視点からでございますけれども、本日、英、米、独、仏、カナダなどのワクチンの使用状況等についての情報をいただいたわけなのですが、この中で情報に含まれていなかったことで御存じであればというか、お考えがあれば伺いたいと思うのが、各国、かなりワクチンが行き渡ってきてはいるわけですが、当初は優先順位を決めて順番に打っていったと認識しております。例えば、日本と考え方が違うところもかなりありまして、私の知る限りでは、高齢者施設の従事者の方は例外なくイギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、カナダでは最上位でありまして、特にフランスやイギリスでは通常の医療従事者よりも上位に位置していたと思います。そういった考え方とか、警察官とか教員とかいった特定の職業の方は若い方の中でも優先順位を上げるということを各国やっていると思いますけれども、もしそういった情報をお持ちで、なおかつ日本でどうあるべきかということについての事務局としてのお考えがあれば伺えればと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
それでは、ここでただいまいただいた中野先生、坂元先生、池田先生の御意見と御質問に関して事務局からコメントがあればいただきたいと思います。
○川瀬室長補佐 ありがとうございます。
御指摘いただいたアナフィラキシー等のデータについてということで、そちらは可能な範囲でこちらも各国の状況を見ていきたいと思います。イギリスのほうのイエローカードのレポートなどでは剤ごとに分けて集計がされていたように思いますので、そちらのほうはこちらでも資料化すべく検討したいと思います。
コロナ感染後の血栓についてですけれども、そういったことのアナウンスにつきましても、何をどこまで言えるかというのはよくよく精査しながらということになるかと思いますが、そういったことも検討していきたいと思います。また、治療法等につきましても、これもどこまで確たるものが得られるかということはありますが、もし次回の分科会に向けて間に合うものがあれば準備したいと思っております。
あと、各国の優先順位の付け方についてですけれども、池田先生御指摘のとおり、確かに介護施設の介護者、例えば、イギリスなどでは一番上に位置づけられているということはありますし、アメリカでもそういった状況にあるかとは思います。ただ、例えばアメリカだと州ごとの一定の裁量があったりですとかいった形で、単純に比較するのは少し難しいのかなということは思っているところでございます。
○林予防接種室長 ちょっとだけ付け加えますけれども、日本でも高齢者施設で直接に高齢者の介護をされる方々については、高齢者と同じ接種の機会に接種することができるようなことも現場にお伝えしておりますので、職業でどう切るかということはなかなか難しい議論になる面もございますし、最初の入り口のところで御本人が発症したり重症化したりするリスクが高い方を最初に守ることで死亡者、重症者を減らしていこうという大きな作戦としてはそういうふうにしていこうということでやっていることもございますけれども、いろいろ重要な御指摘だと思いますので、引き続き学びながらやっていきたいと思っております。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
ですから、高齢者施設は高齢者接種と同じときに従事者も同時に接種して差し支えないということが事務連絡で出ていると理解しています。ただ、今後も重症化予防に重点を置くのであれば、一般の方も年齢の上のほうから順番にやっていくという考え方になるし、感染予防のほうに重点を置くのであれば、ちょっと考え方はまた変わってくるというところなので、そこは整理が必要かなと私は個人的には思っているというところです。ありがとうございました。
それでは、川俣市長から手が挙がっていたと思いますので、お願いします。
○川俣委員 今回のワクチン接種に向けては医師会の先生方に大変御協力いただきまして、小さな市とか町は本当に助かっております。ただ、それでも先ほど坂元先生がおっしゃったように地域格差は出ています。そういうことが懸念されていて、うちのほうも実は7月中に高齢者全部打てるようにという国からのお達しが出ましたが、計画では9月だったので、急遽今スピード感を持ってやることに変えていますけれども、できないのではないかということで、協力してくれる医院に給付金を改めて出すかという検討をさせていただいています。そういうこともあるので、やはり格差がちょっと出ているのと、確かに年齢で区切るというのは、もしもだったらこの前の段階で言っていただければ各自治体でできたかもしれませんが、今の段階ではもう無理になっています。
あと、うちのほうでは、年齢別にしていなかったおかげで、逆に御家族、高齢者世帯で全員が一遍に4人が受けに来ているということができていますので、車椅子に若い世代の方が乗せてくるとかいう利点はあったと思います。あと、もっと小さい自治体は逆に75で区切ったら人数が集まらない。そこまでの人数が来なかったというのが実際、入院している方とか施設に入っている方が多くて流れが悪いという話も出ています。
また、高齢者施設のほうも我が市のほうでは、曖昧に少しずつ回っていて、先行に打っていこうということをさせていただいているので、やはり自治体で微妙に差があるのかなと思っています。
ただ、皆さんの副作用が少ないとか打ったほうがいいということで人気はすごくあるので、電話の予約は殺到になっていることがある意味ありがたいと思っています。むしろ受けたくない人を説得するほうが大変だと思うので、今後とも安全性をアピールしていただいたり、皆さんの協力体制をしていくことは希望者全員に打つことが大切だと思いますので、このワクチン部会である程度の規制は決めても、それをきつくすることなくしていただければありがたいと思っています。
以上です。
○脇田分科会長 とても大事なお話ありがとうございました。
白井先生と伊藤理事から手が挙がっています。それから、佐藤先生と森尾先生の4名の先生が挙がっていますので、白井先生、伊藤理事、佐藤先生、森尾先生の順番でお願いします。
○白井委員 白井です。先にありがとうございます。
先ほど市長さんがおっしゃったように、高齢者施設とか入所、通所とかいろいろ臨機応変に打てるという事務連絡だったりそのようなことはできると言われているのですけれども、それがなかなか伝わっていないというところもありますし、かなり真面目に優先順位を決められたとおりと言っているところになると、ロスが出たり、その扱いについて逆に優先順位がおかしいのではないかという報道が出たりしておりますが、これはできるだけみんなに打てるような状況にしてほしいと思いますので、ロスの扱いであったりとか高齢者施設とか入所に限らず通所とか訪問介護の方々もそうなのですけれども、どういうふうにロスをうまく生かしてその方たちにも受けていただけるという好事例などの工夫をお知らせいただきたいと思うのです。大阪でも進んではいるのですけれども、ワクチン量がなかなか来ていないということもありますし、医療従事者のほうは割と手挙げをしていただいているところは多いのですけれども、そこまで医療従事者の接種も間に合っていないというところで高齢者のほうが先になるという状況もありますし、これは災害と同じような状況なので、決めても臨機応変にやっていいというメッセージをぜひいただきたいと思います。
先ほども鈴木先生のお話にもありましたけれども、海外の文献でも出ていると思うのですが、ワクチンを打った方の発症があった場合にウイルス量がかなり抑えられているということが言われていますので、打った方がほかの方々に感染させる力が少ないのだということになると、やはり高齢者を取り巻く人たちもきちんと早めに打っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
伊藤理事、お願いします。
○伊藤(定)委員 伊藤です。いろいろ教えていただいてありがとうございます。
国から7月中に希望する高齢者への2回接種をということで、各町村は万全の接種体制を整えているところでございます。
先ほどありましたように、年齢を区切ってのやり方、いろいろあると思うのですけれども、やはり小さな町は町のやり方、村は村のやり方を柔軟にやっていくのがいいのではないかと思います。ただ、私どもの豊郷町の場合は、ようやくドクターの1回目接種が始まったところであります。そういった中で2回クラスターが発生し、今度は町民さんのほうが接種していただく医療関係者はどうなるのかという不安の要素もありましたので、医療関係者全員の接種が終わってから高齢者に移るというやり方がよかったのではないかなと思っております。
それと、高齢者施設の場合でも、高齢者の数によって決まっていますから、そうしますと、私どもは高齢者施設が多い、町民以外の方のほうが多いという形になってくると、なかなか高齢者施設の先行接種はできない面があります。それで、現在、滋賀県でも、5月29日、ドクターの2回目接種が終わる時期から、しっかり、高齢者全員と施設入居者全員に同時進行で接種を実施し、7月中に終わりたいと思っています。今後、アストラゼネカ、モデルナといろいろ変わってきますと、接種会場での混乱やトラブルが起きないか、また、先ほどお話がありました血栓の問題があって、いろいろと詳しい情報を流していただかなければ、この会社のワクチンは打ちたくないなど、問題が出てくる可能性がありますので、十分よろしくお願いしたいと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
佐藤先生、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
承認に向けて現時点での分かる情報を出していただきまして、ありがとうございました。複数のワクチンが出てきたときに、どれをどこでどのように使うかという使い分けの問題が生じてくると思います。報道等では、承認された折には大規模会場でモデルナが使われるという報道がされておりまして、それ自体は取り違えがないということでよいアイデアではないかと思っています。今日は副反応の観点から情報をいただいたわけですけれども、何をどう使い分けるかということについては、現状、どの変異株が流行していて、この先、どの変異株が流行する可能性があるかということも考えながら、確保状況にもよりますので、なかなかすぱっといかないわけですけれども、考えなければいけないのではないかと思っています。
今日は、ファイザー社については、各変異株についての有効性が示されましたけれども、ほかのワクチンが承認されるときにも文献ベースで結構ですので、各変異株についての有効性を併せて出していただければと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
森尾先生、お願いします。
○森尾委員 ありがとうございます。
血小板減少を伴う血栓症についてです。先ほど、坂元先生がおっしゃった視点はすごく重要だと思うのですが、これからお伝えするときに予測できるか、早期に診断検出ができるか、治療ができるか、治療の成績がどうかというところをしっかり提示して、それと一緒に提示すべきではないかと思います。
2点目ですけれども、やはり一般の皆様とのコミュニケーションの中で、血小板減少を伴う血栓症といわゆる血栓症が一緒になってしまう可能性をやはり考えておく必要があって、ここら辺の違いをうまく広報していただくことが重要で、そうでないと今のメッセンジャーRNAワクチンでも血栓症というものはたくさん出てきているわけでありまして、そこら辺のコミュニケーションの点もこれから文書も含めて、今日も血栓、血栓症と書いてありましたけれども、少し注意していくべきかなと思いました。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そのほか、よろしいですか。
信澤先生、手が挙がっていますね、どうぞ。
○信澤委員 ありがとうございます。
ワクチンの中身について事務局に伺いたいのですけれども、変異株対応ということでお伺いします。現在、日本も含めてかなり変異株が流行の主流を占めるようになっていると思うのですけれども、メーカーのほうでも変異株用のワクチンというものを開発していると聞きましたが、日本で今、契約しているワクチンというのは、あくまでも言い方は悪いですけれども、古いワクチンといいますか、今のワクチンをずっと入手し続けるのか、あるいは流行状況によって変異ワクチンの開発状況によって切替えが可能な状態になっているのか、可能でしたら教えていただければと思います。
○脇田分科会長 それでは、ここまでで川俣先生からいただいた御意見以降について事務局のほうからコメントがあればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○事務局 脇田先生、事務局です。
釜萢先生が厚労省のほうで出席しておりまして、釜萢委員から御発言したいとの申し出がありました。
○脇田分科会長 では、釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 皆様となるべく重ならないように申し上げたいと思いますが、一つは中野先生からお話があったこと、あるいは森尾先生の御指摘はそのとおりだと思います。この予防接種・ワクチン分科会の役目として、薬事承認された後の、例えば、アストラゼネカ社のワクチンの接種対象年齢をどうするかということを検討しなければならないのですけれども、これは非常に難しいなと思っております。我が国においては、65歳以上の方に対してはほとんどファイザー社のワクチンで接種が終了してしまいますので、高齢者を中心にアストラゼネカ社製を使うということにはならないと思われます。そのことを踏まえて何歳からにするのかということが一つ。
それから、今回の有害事象は非常に頻度が低いので、リスクの評価は難しいと思うのですけれども、すでにアストラゼネカ社製のワクチンを接種されたくないと考えられる方が多くなってしまっていると思いますから、アストラゼネカ社製をどういうふうに利用するかということはしっかり考えなければならないと思います。
川俣市長さんや伊藤町長さんからおっしゃっていただいたところは非常に大事で、それぞれの地域において事情が違いますから、なるべくその地域でやりやすいように臨機応変な対応ができることがぜひ必要だと思うのです。ただ、現状はワクチンの供給が今の段階では非常に少ないと皆さんは思っておられて、今後はかなり潤沢に来るのですけれども、現時点ではあの人は先に受けてけしからんという話が出てくるので、現状のようにワクチンが非常に少なくて、予約を試みてもなかなか取れないという段階では、優先順位というものを厳密に守らなければならないと思います。一方、潤沢に供給されてきたら臨機応変にやっていく必要があるだろうと思っています。
別件で、今日すでに結論が出ていると思いますが、ぜひこの会でもう一度話題にしておきたいのは、1回接種をまず優先すべきかどうかです。脇田先生にもこれまでいろいろご相談をしていたのですが、イギリスではまず1回接種の終了者を増やすことを優先・推奨してきましたので、我が国でもいろいろな協議の場面で1回接種をまず優先すべきではないかという意見が出て、それはどうしたらいいかということの検討がありました。しかし、その後の検討の結果、京都大学の西浦先生のシミュレーション等も、これまで通り2回接種を目指すべきとのクリアカットな結果をお出しいただいています。変異株のことを考えると、我が国では現状の方針のとおり2回接種を優先して、それをしっかりと実践していくことが一番いいのだろうと私も考えておりまして、大体合意が得られたと認識しています。
あとは、2回目の接種までの間隔をどうするかという問題ですけれども、今、国で決めておられるファイザーであれば、21日を過ぎたら速やかにというぐらいの示し方が私は妥当だろうと思いまして、ワクチンが潤沢にあれば適切な期間になるべくやるということであまり延ばさない。また、上限をいつまでということも決めないという形で運用していくのが現実的で非常によいのではないかと思っております。
以上、発言をさせていただきました。
○脇田分科会長 釜萢先生、どうもありがとうございます。
釜萢先生からお話ししていただいたとおり、1回接種を早くなるべく多くの方にやっていただいたほうがいいのではないかという話もあって、数名の先生にシミュレーション等もお願いをしていたところですけれども、西浦先生のデータは確かに2回接種を優先したほうがいいのではないかという話がありまして、それとこの時期にそういった議論をするのが本当にいいのかという話もありました。
それから、私が冒頭にお願いしたとおり、どこの場所でこの議論をするべきなのかというところもあったので、最初に申し上げたのはそういうところがあってということになります。どうもありがとうございます。
それから、白井先生からも釜萢先生からもありましたけれども、自治体の事情に合わせて臨機応変になるべくやれるように自治体のほうに示してあげていただきたいという話がありましたので、その辺も含めて事務局からコメントをいただきたいと思います。
○林予防接種室長 では、まず、接種体制のいろいろなルールとか柔軟性ということで何名かの先生から御指摘をいただきました。本当にそれぞれの御事情があるということで、おっしゃっているお話は私どもも耳にしておりますし、特に大規模な自治体と小規模な自治体で正反対とは言いませんけれども、相当違う御意見をいただくことがございます。ですので、国として標準を示しながら、それによりがたい場合であるとか、現場でこうやったほうがいいという場合に、それをできるだけ柔軟にできるようにすることが基本的な考え方だと思っています。
特に、ワクチンの優先順位とか余ったときの運用が話題に上りがちな状況でございますけれども、ワクチンをたくさん供給して接種体制を整えて、ワクチンが足りないことはないということにすることが根本的な解決策だと思いますが、当面、今のような状況の中ではワクチンの残量などについて、基本的は優先順位に該当する方が先決だとお話ししておりますけれども、それ以外の方々についても自治体の工夫で接種していただくことはできるのですとお示しさせていただいているところでございます。
あとは、最後のほうで変異株の対応について、切替えができるかどうかというお話がございましたけれども、これについては幾つかの側面があって、そもそもそういうワクチンが開発できるかどうか、それをどうやって承認するか、私どもが契約して確保することができるか、ここの分科会でお認めいただいて接種に供することができるかといういろいろな側面があると思いますし、それぞれまだ分かっていること、分かっていないこと、分かっていても言えないことはあると思うのですけれども、それぞれの分野で関係者が汗をかいているということだけは申し上げられると思います。まだ開発されていないワクチンですので、先の約束ができているのかというのは時期尚早の面もあるのですけれども、それぞれのところでしっかり努力をしていきたいと考えております。
それから、議論の場なのですけれども、この分科会に絶対にお願いしないといけない部分というのは、予防接種法に基づいてどのようにワクチンを接種するかという予防接種法にまつわる政令であるとか省令であるとか、ここには接種の年齢であるとか接種の回数であるとか間隔であるとかいったことがございますので、それを決めていくということはこの分科会の必須の固有の業務、役割であると考えております。
優先順位については、どうしても社会経済との関係もございますので、大枠を内閣官房のコロナ分科会のほうでお願いし、逆にもっと細かい基礎疾患のどの病気を選ぶかとかいったことはこの分科会の下にある基本方針部会のほうにお願いしたということでございまして、そういった役割分担でやらせていただいていますけれども、双方に関係することもありますので、皆様方に情報提供をしっかりさせていただきながら、また、御意見も参考にしながら進めていきたいと考えております。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
今ので大体皆さんの御意見はよろしいですか。
さらに、磯部先生、中山先生、阿真先生の順番でお願いします。
○磯部委員 ありがとうございます。
内閣官房の分科会といろいろワクチンの接種実施に関する検討体制ということで、どこが何をやるのかというのは難しいなと思うのですが、少なくともこの分科会が接種事業の枠組みとか法的位置づけを担当しているということのようですので、一応確認だけなのですけれども、東京と大阪で大規模な会場の設置を防衛省がやっているというのは、予防接種法上の位置づけは何なのだということを一応は確認しておいたほうがよいかと思います。それは予防接種法を改正して、厚労大臣が指示をして都道府県が協力をして市町村が予防接種を実施するという大きな枠組みの中で何とか理解しようとするなら、あれは防衛省が人と場所を確保して、いわば横出し的に会場を設置したのであって、いずれにしても予防接種法上の市町村が実施している臨時の予防接種の特例ということで法的位置づけは変わりなく、したがって、例えば健康被害が生じた場合であっても当然補償の対象になるという理解でよろしいですねという法制度上の位置づけの確認です。
でも、やはり急にああいう話が始まって、東京であれば23区の人は来週の月曜から予約ができるということのようです。各自治体で様々な予約システムが混乱したり、整理券を早めに配ってもめたりと大変な苦労をされている中で、あっちで予約が取れたらもともと自治体がやっていたほうがキャンセルになったらどうするのかというところの連携は間違いなく取る体制になっているのですよねということを確認したいということであります。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
中山先生、お願いします。
○中山委員 中山です。今日はデバイスが不調なものでここから失礼します。
質問なのですけれども、資料2の4ページのところで、ワクチンの長期の有効性に関する知見ということで、追跡調査の結果、6か月後の発症予防効果は91.3%であったということで、6か月後の予防効果がちゃんと出ているのですけれども、今後、どんどん日本で接種が行われていく間の6か月後はいいとして、その先の有効性はアメリカのほうから出てくるデータをまた参考にしていて、例えば、そこで有効性が落ちていくようであれば、いつ予防接種をしたらいいのかということはこの部会で検討していくことになるのでしょうか。その辺がどういうふうにしていくのかなと思ったので質問しました。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
時間があれなのでこれで最後にしたいと思いますが、もし、阿真先生の後で特にこれは言いたいということがあればお願いしたいと思います。阿真先生、お願いします。
○阿真参考人 大臣からも余った場合に廃棄をしないで有効活用をというようなメッセージが出ていたと思うのですけれども、それと同時に誰がどの市長が接種したかみたいな報道もあって、キャンセル分について有効活用をするのはとても大切なことだと思うので、そこのメッセージは繰り返し伝えてほしいなと思います。あとは、誰が接種したかという報道が本当に不要だなと感じております。
もう一点は、ほかの先生からもお話があったのですけれども、エッセンシャルワーカーの方々も優先にというお話があったかと思うのですが、もちろん高齢者の周りの方々も大事なのですけれども、市役所とか区役所の相談窓口とか学校関係とか保育士さんとか不特定多数の人と接する人は少し優先順位を上げていただけるといいのではないのかなと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そのほか、よろしいですか。
とりあえずここで区切らせていただいて、事務局のほうに今、磯部先生、中山先生、阿真先生からあった御質問、コメントについてコメントをいただければと思います。
○川瀬室長補佐 まず、磯部先生から御質問いただきました大規模接種会場の法的位置づけでございます。先生がおっしゃっていただいたとおりの構成になると我々は考えておりまして、例えば、東京のほうですと自衛隊中央病院のほうがされるということでございまして、こちらは既に今回の枠組みの中の集合契約という形で各市町村との予防接種の実施契約を締結済みの病院でございます。したがって、そこが巡回の形で接種を大手町の会場でする。その大手町の会場というのを防衛省等が提供するといいますか、準備をしているという位置づけでございますので、予防接種法上の接種として扱われ、何かあったときの救済等は通常の身近な医療機関で受けていただくのと同じように高い水準での救済の対象になるというものでございます。
また、予約の関係でございますけれども、防衛省のホームページも確認をしましたところ、Q&Aのようなものが既に掲載されておりました。その中で、こちらの大規模な会場のほうで予約を取れた場合には、もし自治体の会場等で予約している場合には、自治体の会場での予約をキャンセルしてくださいということをしております。誰がどういうふうに取っているかということをリアルタイムでお互い連携してというのはなかなか難しいと思いますので、基本的にはこういったところの考え方というか、我々もだと思いますけれども、しっかり周知をしていくということかなと思ってございます。
以上でございます。
○林予防接種室長 あと、先の6か月以降どれぐらい有効性が続くかということについてどんなふうにこの先分かっていくのだろうかということですけれども、治験に参加された方のデータが最初に分かってくると思いますので、抗体の保有の状況とかいったことについては治験に参加された方をその後メーカーのほうで調べていくという段取りになっています。あと、海外のリアルワールドのデータもいろいろ参考になると思います。
あと、今日、最初に鈴木先生から日本のHER-SYSで接種後に感染した方、発症した方がどれぐらいいらっしゃるかというデータを取っていて分析していただいている話がありましたけれども、これももちろんいろいろな限界があるにせよ、これからずっと行っていくことができる解析だと思いますので、引き続きお願いできればと思っていますし、こういったものを参考にしながら、また感染状況も参考にしながら、いろいろな判断をしていくことになるのだと思います。
キャンセルのときの扱いについては先ほどのお答えの中で申し上げたとおりで、基本的な考え方について引き続ききちんと御説明をしていきたいと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、今日は本当に活発な御議論をありがとうございました。本日の議論を踏まえまして、報道によれば薬事承認が今月中にもありそうだという話ですので、その後の対応についてはまた検討をよろしくお願いしたいと考えております。
本日の議事は以上になりますけれども、事務局から何かございますか。
○元村室長補佐 本日も長時間にわたり活発に御議論をいただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、また追って御連絡をさせていただきます。
事務局のほうからは以上になります。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
ということですので、また近々この部会が開かれることになろうかと思いますので、よろしくお願いします。
本日はこれで終了させていただきます。今日も活発な御議論をどうもありがとうございました。