第4回働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会(議事録)

日時

令和6年4月15日(月)13:30~16:00

場所

東京都千代田区平河町2-4-2
全国都市会館 3階 第1会議室

出席者

会場出席委員
オンライン出席委員

議題

1.関係団体からのヒアリング3
・一般社団法人日本フードサービス協会
・一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会
・一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会
・一般社団法人全国農業協同組合中央会
・一般社団法人全国農業会議所

・全国水産加工業協同組合連合会

議事

議事内容

2024-4-15 働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会(第4回)
 
○芦田年金局年金課年金制度改革推進官 定刻になりましたので、ただいまより第4回「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、本日もお忙しい中で御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 まず、構成員の出欠状況を報告いたします。
 秋山構成員、佐保構成員、嵩構成員より、御欠席との御連絡をいただいております。五十嵐構成員は途中退席される御予定です。
 また、五十嵐構成員、酒向構成員、松浦構成員はオンラインでの御参加です。
 御欠席の秋山構成員の代理として、健康保険組合連合会の茅野様にオンラインで御参加いただいております。また、佐保構成員の代理として、日本労働組合総連合会の本多様に御出席をいただいております。茅野様と本多様の御出席につきまして、懇談会の御承認をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○芦田年金局年金課年金制度改革推進官 ありがとうございます。
 次に、事務局に異動がございましたので報告いたします。
 4月1日付で年金担当の大臣官房審議官に着任した武藤でございます。
○武藤大臣官房審議官(年金担当) 年金担当審議官の武藤です。よろしくお願いいたします。
○芦田年金局年金課年金制度改革推進官 なお、保険局総務課医療保険制度改革推進官の角園、保険局保険課課長補佐の小林は、別の公務により欠席しております。
 続きまして、資料の確認をいたします。
 本日の資料は、ヒアリングをお願いした各団体の御提出資料を御用意しております。
 傍聴の方は、厚生労働省のホームページから資料を御覧ください。
 最後に、オンラインで参加されている構成員におかれましては、御発言の際は、手を挙げるボタンをクリックし、座長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 また、御発言の終了後は、マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。
 事務局からは以上です。以降の進行は菊池座長にお願いいたします。
○菊池座長 皆様、新年度で大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 カメラの方は、いらっしゃいませんね。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、関係団体からのヒアリングの第3回目でございます。
 本日ヒアリングをお願いしましたのは、一般社団法人日本フードサービス協会、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会、一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会、一般社団法人全国農業協同組合中央会、一般社団法人全国農業会議所、全国水産加工業協同組合連合会、以上の6団体でございます。
 それでは、各団体から御出席いただいた皆様を御紹介させていただきます。
 日本フードサービス協会より、近藤様、石井様。
 日本フランチャイズチェーン協会より、大日方様。
 全国生活衛生同業組合中央会より、田中様、伊東様、鈴木様。
 全国農業協同組合中央会より、元広様、石澤様。
 全国農業会議所より、黒谷様。
 全国水産加工業協同組合連合会より、竹葉様。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、近藤様、石井様は途中退席の御予定と伺ってございます。
 それでは、早速、御出席いただいた皆様から、労働者の就労の実態、被用者保険の適用拡大の影響や課題、働き方の多様化が進展することに伴う課題、今後の制度見直しに関する御意見や御要望といった内容につきまして、1団体につき20分程度でお話しいただければ幸いでございます。
 その後、お話しいただいた内容につきまして、質疑応答の時間を1団体につき10分程度取りたいと考えてございます。大変限られた時間ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず、日本フードサービス協会様からのヒアリングを行わせていただきます。近藤様、石井様、どうぞよろしくお願いいたします。
○近藤会長 こんにちは。フードサービス協会の近藤でございます。
 本日は貴重な機会をいただき、ありがとうございます。ヒアリング事項に従って御説明申し上げます。
 まず、この業界の説明です、市場規模約17兆円とありますが、コロナ前には、26兆円ございました。コロナ禍で大きな打撃を受けて、35%ぐらいダウンをし、現状、しなやかな回復基調にあるという状況です。
 そして、店舗数は55万店、コンビニが5万5000店ですので、その約10倍というイメージをお持ちいただければよろしいかと思います。
 そして、事業所数、なかなか計算が難しいのですけれども、全体で三十数万と推定しております。1ないし数店舗の小規模、個人事業所がとても多く、事業所数の大半を占めています。
 そして、短時間労働者の割合は、約9割弱、総従業員数が、今、405万人ですから、その9割弱ということは、約350万人の短時間労働者にお願いをしているという状況にあります。
 そのうち、専業主婦パートの比率が約40%、推定で140万人とみなしております。
 取り巻く環境、今、申し上げたとおり、コロナ禍で大幅ダウンをいたしましたが、昨年の5月以降、人流の戻りやインバウンドの回復、ペントアップ需要もあり、しなやかな回復基調となっています。
 外国人労働者も戻りつつありますが、店舗での人手不足は、引き続き深刻な状況。
 一方、食材、資材費、光熱費、人件費、労務費、物流費などが上昇し、しかも高止まり、もしくは堅調傾向にあり、事業環境はますます厳しさを増しています。
 続きまして、過去、現在の適用拡大の影響と課題についてご説明申し上げます。
 2016年以降、2017年、そして2022年と拡大がありました。その際、新たに社会保険に加入となった方が、約2割から3割あったのではないかなと推定しています。
 その多くがフリーターの方、シングルマザーの方であったと。会社にとりましては、人材の定着、確保につながりますし、また、働く方にとっては、将来のキャリアアップのステップになるということで、いい流れになったと思います。
 ただ、一方、主婦のパートの方が、多くは加入せず、就業調整を行いました。
 主婦パートの方々は、比較的永年勤続の方も多く、店舗ではとても大事な、重要な役割を果たしており、戦力となっている状況にあります。その方々が就業調整をされるということで、店舗としては人手不足、特に11月、12月、繁忙期においてより深刻となっております。
 一方、就業調整をされた方は、最近世間では時給アップ、賃上げの波があるのですが、年間所得は増えていないということが起こっております。
 そして、社会保険に入らない理由、これは主婦のパートの方だけではないのですが幾つかあります。大きく4つございます。複数複合要因となっています。
 この理由は、今後の課題にもつながると思いますので申し上げます。
 まず1番目、年収の壁を超えると、いきなり社会保険料負担が大きい、手取りが大きく減少するという理由があります。百十数万円の収入の中で、この保険料というのは16万ですから、インパクトが大きい。 これが所得税のように、数千円単位であればいいのですけれども、いきなりこれだけのインパクトがあるということで、これは、心理的にものすごいインパクトが大きいというのが現状であります。
 2つ目、将来年金の受給があると言っても、本当に大丈夫かと、将来の年金は極めて不透明であると、最近のいろいろな動向を見ていても不透明であると。ですから、『先の年金より、現在を重視』と、『そもそも、今、収入がほしいから働いています』という声が多い。
 なお、主婦のパートの方は、基礎年金の受給は確保されている状況ですので、この保険の加入に、ほとんどメリットを感じていない。
 そして、3つ目が、〈健康保険の扶養から外れる〉ということです。今の被扶養者のままでOK、被保険者になる必要なし。もっと言えば、健康保険料を新たに支払うのは、損しているようなイメージが強くあります。
 そして、4つ目、これは少し厄介な課題ですが。世帯主の勤務先から配偶者手当をもらっている人が多く、この手当がもらえなくなると。ヒアリングでは月2万とか、3万とか、結構大きな金額になっている場合(重要な生活給)もあります。それがなくなるというのは、世帯所得が減るわけですから、大変なインパクトがあります。
 大企業では手当制度の見直しが進んでいますが、まだまだ配偶者の年収基準で手当を支給している企業は多くあります。
 そして、年収の壁を越えて、一定の所得を維持するためには、大きく越える必要あり、就業時間も増やして、キャリアアップもして大きく増やしていく必要があるのですけれども、主婦パートの方々には、そもそも養育、介護等もあり、週20時間を超えて大きく働けないという方もたくさんいらっしゃるのです。そうであれば、就業調整したほうがいいと判断をいたします。
 この適用拡大が奏功するには、今、申し上げた理由を解消することが課題であると思います。すなわち、1手取りが一気に減少しないように、何らか収入に応じて保険料率をぐっと下げるとか、もしくは、その後、累進にするのも一考ですし、移行期を設定して、インパクトをうまく緩和するような施策を取っていただきたいということです。
 昨年末からキャリアアップ助成金制度が出ておりますが、これは、会社を助成する形になっているのが問題です。個人に直接支給する制度にしていただきたい。そうでないと、会社がそういう人を選んでいるということになります。直接であっても不公平感が出てくるでしょうけれども、まだ緩和されます。そして公平感を保つためには、過去数年間に、この壁を越えられた方々に対しても本制度の適用可としていただきたい。
 そして、もちろん助成金の拡充、手続簡略化もお願いをしたい。
 
 そして、2番目の2『将来の年金より今の現金』という考えを払拭する必要があります。これには、安心して加入できるよう、社会保険制度、特に年金制度の方向性をしっかりと固めていただき、国民に周知徹底を願いたい。安心できる、大いにメリットありと認識していただくことが重要だと思います。
 そして、3〈健康保険の扶養から外れる〉ことに関しましては、これは、被扶養者のままか、被保険者となるか、当該主婦のパートの方にオプションをつけていただければなと思います。必ずしも年金と健康保険をセットで加入しなくてもいいのではないかと考える次第。
 そして、4の配偶者手当の減少、これにつきましては、厚生労働省は基本給への組み入れ、ほかの手当への切替えなど呼びかけてはいますけれども、もっと強い力で、促進税制を導入するとかして、何らかの形で積極的にもっと強く取り組んでいただきたい。
 少子化対策として、この配偶者手当を子供手当への切替えとか、もしくはその拡充ということでもよろしいかと思いますけれども、ぜひそういう方面で働きかけをしていただきたい。
 今までは、働き方の観点からの話ですけれども、会社としては、人材確保、人材定着ということでいい面もあるのですけれども、一方、保険料の追加負担がずしっとあります。また、新たに本件専任の労務担当を雇用していくなど、対応していくことも必要であり、業務、経費の大幅増となります。この点に関しても何らかの助成金を一定期間お願いしたいと思います。
 また、無料の相談窓口、社労士の派遣、制度の説明、セミナー開催、きめ細かいフォローアップをお願いしたい。
 次に、さらなる適用拡大が行われる場合の影響見込みにつきまして、まずは、事業所規模の適用範囲拡大になると思いますが、外食業界では、先ほど申しましたように、小規模、個人で飲食店を運営している事業者が、圧倒的に多いのが現状で影響度大です。これは、いい影響があればいいのですけれども、小規模個人での事業所、特に地方におきましては、主婦パートの比率が非常に高く、そこで就業調整が起こると、より人手不足が深刻化するものと懸念されます。
 また先ほど申し上げたとおり、小規模、個人での事業者の場合には、いろいろな保険料の折半支払い、そして労務対応費用など、比率的に大きな負担増となり、経営を圧迫することにもなりますので 先ほどの課題解決に向けて、有効施策が打てるように、万全の体制で慎重な対応をよろしくお願いしたいと思います。
差し当って今年10月からの適用拡大(51人以上)にても先ほどの課題解決に向けての施策を講じていただきたく。
 一方、同じ適用拡大につきましても、週20時間、労働要件に関し、今後週20時間未満への適用の検討も出てくるでしょうけれども、中途半端に引き下げても、また、そこで新たな壁ができてしまうことが懸念されますし、また、複数企業で掛け持ちするマルチワーカーが増えるのではないかと懸念されます。
 また、標準報酬月額の基準を引き下げた場合には、現行の国民年金保険加入者との不公平を助長することとなりますので、国民年金保険の改正も必要ではないかと思う次第であります。
 最後に、働き方が多様化している中での課題につき申し上げます。
 働き方の変化として、コロナ禍の影響で、一方で安定志向といいますか、定職に就こうという方が増える一方、ギグワーカーとして、時間、シフトに縛られない、好きな時間に好きなだけ単発で働く方も増えております。
 また、マッチングサイト、アプリの浸透により、隙間時間といいますか、空いている時間に仕事をすると、アルバイトをするという方もどんどん増えております。そういった面では、複数の事業所で掛け持ちにはなってしまうのですけれども、そのような人がとても増えているという状況にあります。
 20代、30代、男性が目立ちますが、ほかの年代、女性にも広がりつつあります。
 マルチワーカーの方に対して、現場では、マルチワーカーかどうかも分からないという状況にありまして、その方がどのくらいの年収があるのかというのも分からない状況です。。
 唯一できるのは、自分の会社で要件を満たした方々に、この適用を勧めることを、淡々と励行していくことです。
 いずれにしても、これも含めて、壁を解消し抜本的に改正をするには、基礎年年金の全額税方式を含め、収入のある方全ての人が加入する、所得比例年金制度にすること。
 そして、健保組合における被扶養の仕組みを同時に見直していくことも重要かと思慮いたします。もちろん主婦パートの方々が就業調整をしないよう、適用となった方々が不利益を被る方がないよう、移行期を設定し、然るべくソフトランディング施策を講じていただきたい。
 以上でございます。ありがとうございました。
○菊池座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただいた内容に関しまして、構成員の皆様から御質問がございましたら、お願いいたします。会場の皆様は挙手でお知らせください。
 伊奈川構成員、お願いします。
○伊奈川構成員 ありがとうございました。
 多様な論点について、1つずつ丁寧に扱っていただきまして、これをどのようにそしゃくしていいのだろうかと、私自身、今、悩んでおります。特に触れていただいたのは、就業調整ということであったわけですけれども、それ以外にも企業規模要件とか、あるいは適用業種問題とかがあるわけでありますけれども、そういった点について、最後に所得がある人は全て加入するみたいな御発言があったので、その辺りも含めて確認をさせていただければと思います。
 なぜ、お聞きするかというと、やはりこういったいろいろな要件とか壁というのは、個人にとっても壁なわけですけれども、企業にとって見れば、一種の企業間競争とかイコールフィッティングの問題というのが、やはりあるのかなと思っておりまして、その辺りを考えたときに、いただいている紙のほうでは、企業規模要件の撤廃とか、個人事業所の非適用業種の解消を、まず、優先課題としてといった言及がありましたので、その辺り、理解としては、先ほどもいろいろありましたけれども、時間要件よりも、まず、こういった企業規模要件とか、あるいは適用業種の問題とか、それを優先すべきであり、その一方では小規模な個人事業主とか、そういうところの影響は慎重にといった言及もあるので、その辺りのところをどう理解していいのかなというところが、少し気になっております。
 といいますのは、もう一つ、以前の大企業の団体のヒアリングの際には、企業規模要件は撤廃して競争環境をそろえてほしいといった御意見もあったように記憶しておりますので、そういった点にも関係するかなと思ってお聞きする次第でございます。よろしくお願いします。
○菊池座長 よろしくお願いします。
○近藤会長 企業規模要件については、徐々に緩和していく、撤廃していく中で、先ほど申しましたように、就業調整により人手不足となること、またより経費upで経営を圧迫することが更に懸念されますので、移行期間における緩和策が不可欠と思料いたします。ソフトランディングな形になるような形で、ぜひ臨んでいただきたいと思っております。
 そして、就業時間につきましては、どの時間で設定しても、やはり壁ができてしまうということになりますし、また、増えるマルチワーカーの実態把握できないということになってきます。収入のある方は、思い切って何らかの負担をする、少額であっても、そういう形(強い累進制)が望ましいと思料します。
 以上です。
○伊奈川構成員 ありがとうございます。
○菊池座長 それでは、本多参考人、どうぞ。
○本多参考人 御説明ありがとうございます。
 就業調整により、社会保険に自ら加入しない理由として、大きく4つあることを紹介いただきました。まさに年収の壁が影響しているものと理解します。
 その上で、壁がなければ労働時間を延ばして働きたい労働者が多いのか、それとも、例えば育児や介護など、物理的な理由により短時間労働でしか働くことができない労働者が多いのか、その割合等について、もし把握されていれば伺いたいと思います。
 もう一つ、以前に日本惣菜協会様のヒアリングの資料で、「所得制限によって働く時間を短くしたため、会社の経費負担が増加した」とのアンケート結果が紹介されていました。
 これは、シフトが細切れになることによって、恐らく会社の労務コスト等が増加したと理解しているのですが、そういった事象があるのかどうか、もし把握されていれば伺いたいと思います。
 以上です。
○菊池座長 いかがでしょうか。
○石井常務理事 日本フードサービス協会の事務局の石井と申します。
 今の御質問ですが、おっしゃるように外食産業で働く短時間労働者の方というのは、高齢者の方もいらっしゃれば、学生もいらっしゃる、そして主婦の方もいらっしゃいます。
 特に子育てが終わっていない、あるいは介護を抱えているような主婦の方、そうした方は、働きたくてもそれ以上働けない。小さな子供を持っていらっしゃる家庭では、子供さんを学校に送り出して、また迎えに行くまでの1日4時間程度の勤務を選択せざるを得ないという方がいらっしゃいます。
 一方で、子育てが終わった比較的40代から50代にかけての方というのは、恐らく労働時間、働く時間を考えなくても収入を増やすために働く選択をする方がいらっしゃると思います。
 その割合なのですけれども、そこまで協会としては、データは持っておりません。ただし、アンケートで調査するときに、外食産業で働く短時間労働者の方の割合というのは、冒頭会長のほうから申し上げましたけれども、大体4割ぐらいで、学生が3割、今から20年ほど前は、逆に学生のほうの構成が多かったと思いますが、今は、大学で非常に勉強を優先するといいましょうか、昔とは違いまして、非常に真面目に勉強されている学生さんが多いと思いますから、アルバイトのほうに時間を割くというのは、昔と違ってきているのかなという感じがいたします。
 最初に先生から御質問いただいた件に関してですけれども、やはり企業規模要件の問題というのは、実は、近藤会長からもありましたが業界全体で見ると、やはり個人の事業主の方というのが圧倒的に多くて、外食産業全体を見れば、やはり影響度というのを考慮して、慎重に考えていただきたいという発言だったと思います。
 なお、年金部会の資料を拝見すると、時間要件ですとか、あるいは標準報酬月額を引き下げてもいいのではないかという御意見も承知しておりますけれども、まずは基準を見直す前に、企業規模要件を、まず、どういう方向に持っていくかということを検討しなければ、抜本的な改革には結びつかないと思いますし、さらに根本的な問題は第3号被保険者の問題かと思いますので、まずは、慎重に事業規模要件のほうから着手していくのが筋ではないかなと、近藤会長は申し上げたと思います。
 すみません、以上です。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
 ほかには、いかがでしょうか。
 ございませんか。オンライン参加の皆様も、私のほうで見ていますので、いつでも手を挙げていただければと思います。
 では、佐藤構成員。
○佐藤構成員 御説明いただきまして、ありがとうございます。
 以前、年金部会のほうで、学生の意見を聞いたほうがいいのではないかということがあって、今、ちょうど石井様も学生の割合が3割とおっしゃっていたので、お聞きできればと思ったのですけれども、適用拡大では、学生というのが除外要件になっていて、最近、ニュースでも社畜になぞらえて、バ蓄みたいな形で、学生のシフトの強要があったりという社会現象もあって、個人的には、今、しっかり厳格になさっているという話だったのですが、就業調整によって学生バイトに影響があるのかなと感じたのですけれども、フード業界は、学生の割合は、ほかの業界よりは多いと思うので、その辺りの所感を教えていただければと思います。
○菊池座長 お願いいたします。
○近藤会長 学生につきましても、先ほど収入がある場合には、何か負担をするという話をさせていただいたのですけれども、それを学生にまで適用するのかどうかというのにつきましては、まだ、検討はしていない状況でありますし、学生さんのお考えをもう少し聞いてみる必要があるかなと思っております。
 したがいまして、少しお答えにはなっていないのですけれども、これは次の課題ということで、私どもは捉えております。
 以上です。
○菊池座長 ありがとうございます。
 それでは、最後の質問とさせていただきますが、茅野参考人からお願いします。
○茅野参考人 健康保険組合連合会の茅野と申します。
 適用拡大に伴う健康保険への影響についてお聞きしたいと思います。
 日本フードサービス協会の会員の方々が加入されている健康保険組合があると思います。適用拡大によって健保組合の財政状況がさらに厳しくなるのではないかと想定しているところでございます。
 これまでの適用拡大の影響、また、今後想定される健康保険への影響について、状況や見通しなどを把握されていれば、お教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○菊池座長 いかがでしょうか。
○石井常務理事 日本フードサービス協会の石井でございます。御質問ありがとうございます。
 確かに、私どもには、全国外食産業ジェフ健康保険組合という全国規模の団体がございますけれども、実は106万の壁を越えて、自ら保険料を払って働いて、どれぐらい働けば元が取れるかというのを、健保独自で計算してみたこともあるのですけれども、その結果としては、160万円ほどの収入が必要だというデータが出ております。
 一方で、160万まで本当に働けるかどうかというのは、やはり主婦の方にも様々な事情がありますので、どれぐらいの方が160万を目指して働けるかというのは、ちょっと不透明なところがあります。
 高齢者の方は、先ほども申し上げましたように、保険料あるいは働く時間というのはあまり考えないで、十分働けるという方もいらっしゃるでしょうけれども、やはり小さな子供を持っているような方々というのは、ちょっと160万まで稼げるような働き方というのは、なかなか難しいのではないかなと思います。
 すみません、ちょっと答えにはなっておりませんけれども、現状としては、そういう問題意識でございます。
○菊池座長 ありがとうございました。
 それでは、よろしいでしょうか。これにて、日本フードサービス協会様からのヒアリングを終了させていただきます。
 近藤様、石井様、お忙しい中、お時間を取っていただきまして、誠にありがとうございました。
○近藤会長 ありがとうございました。
○石井常務理事 ありがとうございました。
(近藤会長、石井常務理事 退室)
○菊池座長 それでは、続きまして、日本フランチャイズチェーン協会様からヒアリングを行わせていただきます。
 大日方様、どうぞよろしくお願いいたします。
○大日方専務理事 日本フランチャイズチェーン協会の大日方と申します。本日は、貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
 まず、私のほうからフランチャイズチェーン協会の概要について、簡単に御説明をさせていただきたいと思っております。
 日本フランチャイズチェーン協会は、1972年に現在の経済産業省、当時、通産省の認可により設立された団体でございます。
 先ほど御発表いただいた、フードサービス協会様等と大きく違うところがございまして、私どもはひとつの業界の団体ということではなく、フランチャイズシステムという事業展開の方法を取っているフランチャイズの本部の集まりというのが大きな特徴でございます。まず、冒頭に、この部分を御理解いただければと考えております。
 会員につきましては、フランチャイズ本部、業種は外食、そしてコンビニエンス、あとは小売、サービスということで、非常に多岐にわたる業種の方々が会員として御参加いただいているところでございます。会員数は、資料にあるとおりに487社ということでございます。
 皆様方に御理解していただきやすいのかなと思いまして、主な会員チェーンとして具体的な企業名を羅列させていただきました。
 通常の生活を送る上で、日々見慣れたブランドではないかと思いますが、外食につきましては、カフェチェーン、ドトールコーヒーショップを書いていますけれども、実は、スターバックスは会員ではないと、スターバックスは全て直営店で展開しておりますので、私どもの会員ではございません。
 
 牛丼でいきますと、吉野家さんは会員でございます。ただ、具体的にすき家とか、松屋と言われている牛丼チェーンは、私どもの会員ではございません。全て直営店で展開している企業でございます。
 ファーストフードではマクドナルド、モスバーガー、ケンタッキーフライドチキンあるいは持ち帰りのピザ、あとはラーメンチェーン・カレーショップ等々が外食として私どもの会員ということでございます。
 コンビニエンスストアにつきましては、もう皆様日々使われているかと思いますが、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ等ということで、こちらは会員でございます。
 小売サービスというくくりでいきますと、こちらが非常に多岐にわたる業種が会員でございます。名前が書いてあります、タックルベリーさんというのは、釣り具のリユースショップ、あるいは、センチュリー21は不動産、アップガレージ、オートバックスは、車関係です。ダイアナさんというのは、女性の補正下着等々を展開している企業でございます。
 学習塾も多くフランチャイズという形式で展開しております。ハードオフ、ブックオフあるいはダスキンさんといったところもフランチャイズの形式で展開しているブランドでございます。
 その下に、フランチャイズとしての市場規模を記載させていただきました。売上高になりますが、総計で約27兆円というのが、フランチャイズ業界の市場規模ということになっております。
 この市場規模をどのように算出しているかということになりますと、例えば、セブンイレブン・ジャパンという本部の売上ということではなく、下にありますが、直営店と加盟店の、いわゆる全てのお店の末端売上高と言いますけれども、そちらの売上高を合計したものが総売上高と記載されております。フランチャイズ業界全体で27兆円、うちコンビニエンスストアが11兆5000億円、外食は、こちらの数字、先ほどのフードサービス協会さんの全体とは違います。こちらはフランチャイズ展開をしている末端売上ということでございます。
 店舗数につきましては、全国で約25万店、うちコンビニエンスストアが5万7000店ということで、店舗数は非常に多く日本に展開しているところでございます。
 その下にいきまして、フランチャイズチェーンの仕組みにつきまして、また、改めて御説明する必要もないかと思いますけれども、事業者、フランチャイザーと言われる本部が、他の事業者、フランチャイジーと言われる企業様と契約を結びまして、商標等々の経営ノウハウを展開、提示することによって、同一のイメージのもとに商品の販売・サービス等の行う権利を与えますと。
 一方、フランチャイジーにつきましては、その見返りとして一定の対価を支払いまして、資金を投下してフランチャイザーの指導のもとに営業を行うという、両者の継続的な関係がフランチャイズ契約ということになっております。
 ですので、フランチャイズ契約では、契約上の義務を履行の上、フランチャイジー、各加盟店が事業者としての判断で、従業員、アルバイトさん、パートさん等を採用しまして、人件費につきましては、フランチャイジーが負担するということでございます。
 ですので、パートさんの割合はとか、いろいろな数値のことを事前にどうですかというお話をお伺いしましたが、業種があまりにも多岐にわたっておりまして、平均の数値でありますとか、業界特性というものは算出できなかったということを、この場で御報告をさせていただきたいと思っております。
 また、この後の要望事項につきましては、本部事業者ということではなく、加盟法人という立場で記載をさせていただきました。
 フランチャイズ本部というものは、大企業でございまして、コンビニの本部はもうかっているではないかとか、資本金も従業員も多いではないか、ほかの業種にしてもそうではないかという話はございますが、あくまでもフランチャイズチェーン協会としての発言は、加盟法人側の発言ということで御理解いただければと考えております。
 今後の被用者保険適用拡大への要望ということで、共通すべき点ということで記載をさせていただきました。
 本年10月からの企業規模要件51人以上ということにつきますと、フランチャイズの加盟店に行きますと、加盟店をおおよそ15店から20店舗以上ということで、ある程度の規模で展開している企業しか該当しないというところでございます。
 したがいまして、今、100人ですかね、そういうところでは、今の加盟法人につきましては、正直、そこまで大きな影響を受けていないところがございます。
 もちろん、フランチャイジーという法人は、1つのブランドだけと契約する必要はございませんで、カフェチェーンもやりながら、ほかの小売もやりながら展開している企業も、もちろんございます。あるいは電鉄系の会社等々がコンビニエンスと契約をして、駅中あるいは駅周辺で展開しているということでございますので、そういったところは、当然ながら適用事業者として対応を既に完了しているところでございます。
 フランチャイズの加盟店からいきますと、この後が、実際に影響を大きく受けてくるだろうと考えております。
 フランチャイズ加盟店全体では、こういった大規模の加盟店よりも、1店舗から多くても、4、5店舗をやっているという小規模加盟店の数が、業種問わず、圧倒的に多いと考えております。
 コロナによる落ち込みから少しずつ回復には向かっております。これも業種によっていろいろ違いはございますが、全体的に回復には向かっておりますが、先ほどもございましたように、原材料あるいはエネルギーコストの急激な上昇、あとは最低賃金の上昇に伴う賃金の上昇等、小規模な事業者にとりましては、非常に現況は厳しいところでございます。
 また、この環境が続くことは間違いなく、1店舗を経営している企業と、10店舗以上経営している企業では、経営基盤あるいは収益構造が異なりまして、企業規模を撤廃した場合、50から0といった場合には、小規模経営店の影響は非常に大きいと考えております。
 今後さらに、方向性は、企業規模要件撤廃というところに動いていくというところにつきましては、重々承知はしておりますが、小規模店への影響を鑑みまして、いきなり企業規模要件撤廃ということではなく、25人あるいは20人等々、段階的な措置をぜひ講じていただきたいと考えております。
 なお、資料には記載しておりませんが、20時間、時間要件につきましても検討しております。
 当協会本部の団体ということでございまして、それぞれの加盟店と言われる加盟法人とは直接のつながりは一切ないところでございますので、さらにそこで働く従業員の方々の声というものを収集するのは、正直難しいところでございます。
 ただ、例えば15時間あるいは10時間に引き下げた場合には、さらに人手不足になることは明白と考えておりまして、今の段階では、私どもとしましては賛成しかねるということを最後に付け加えさせていただきます。
 私どもからは以上になります。
○菊池座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただいた内容に関しまして、構成員の皆様から御質問をお願いいたします。
 それでは、川又構成員、お願いします。
○川又構成員 全国健康保険協会の川又と申します。
 フランチャイズの仕組みの基本的なことなのですが、事業者、加盟店、フランチャイジーというのは、御説明を聞くと、法人、会社という御説明だったのですが、これは個人事業主としてフランチャイジー加盟店になるということも、あり得ないのかどうかお伺いします。
○大日方専務理事 あり得ます。
○川又構成員 その法人と個人の割合が、分かればと思います。
○大日方専務理事 業種によってばらばらでして、例えば、不動産等々、フランチャイズを始めるのに、資格が必要な業種の場合には、フランチャイズの本部の考え方で、法人しか加盟を認めないという企業もございますし、あるいはコンビニエンスストア等々は個人での加盟を認めているところでございまして、全体の割合を取ってしまいますと、圧倒的にコンビニの店舗数が多いものですから、現状をうまく表した数にはならないのかなと考えております。
 どちらかというと、一般的には、今、法人のほうが多い、コンビニは、どちらかというと、個人事業主のほうが多いかもしれないです。
○菊池座長 それでは、佐久間構成員、お願いします。
○佐久間構成員 御説明ありがとうございました。
 非常に規模の大きい業態の企業も入っていらっしゃると思うのですけれども、少しお伺いしにくいところもあるのですけれども、フランチャイジーとフランチャイザーの契約の関係についてです。例えば、今、御説明があったとおり、最低賃金の関係では、毎年上がったり、あと賃金の底上げということで、今、世の中に叫ばれています。それから、社会保険料の負担も、だんだん上がってくるということになった場合、契約の関係については、各社、多分違うと思うのですけれども、例えば、これを1年に一遍、人件費などが上がることによって、見直しがなされる環境というのが整いつつあるとか、当初の契約から、なかなか変更は行えないものかとか、各社によって違うと思うのですけれども、少し教えていただきたいということが1点。
 それから、やはり人手不足感というのが業界に出ていると思います。公正な取引というか、本部と加盟店の方たちの関係から、国に要求する、また、地方の行政側に要求する支援策、本部から見た加盟店に対する支援策というのは、どういうのがあると有効なのだというのがあれば、教えていただきたいのです。
 以上です。
○菊池座長 お願いします。
○大日方専務理事 1点目の最低賃金、あるいは、そういった社会保険の件等々と、フランチャイズ契約が関係するかという御質問と理解しましたが、関係はしないです。フランチャイズ契約はあくまでもフランチャイズ契約ということで、短期の契約ではございませんで、3年あるいは5年、10年という契約でございまして、そちらの中には入っておりません。
 それはBtoB、個人事業主の方もいらっしゃいますけれども、いわゆる人材採用の部分につきましては、それはあくまでも加盟店の自主性ということになりますので、フランチャイズ契約とはリンクしておりません。
 人手不足に対しての支援策ということになりますと、直接加盟店に何か支援できる形がいいというのが1点と。
やはり先ほどのキャリアアップ助成金ではありませんけれども、やはり煩雑な作業はなかなかできないというのが1つ。
 あとは、フランチャイズということになると、ブランドで見られてしまいまして、本部が大企業ということになりますと、なかなかそこへの支援が行き届かないと、この場では少し違うかもしれませんけれども、例えば、システム関係の投資ということになりますと、実はフランチャイズという仕組みは本部がまとめて投資をしまして、それを利用料という形で各加盟店さんにお使いいただくということでございます。
 この場合は、各加盟店さんは、その分の利用料ということで月額のコストが上がっていきますけれども、その分の補助というものは本部に入りますので、それで、大企業は、その要件から外れるということになりまして、その辺の微妙にフランチャイズという仕組みがマッチしない部分というのが、1つよく話に出る話題でございます。答えになっているか分かりませんが。
○菊池座長 それでは、土井構成員、お願いします。
○土井構成員 御説明ありがとうございました。
 最後にいただいた要望の部分について、御質問をさせていただきたいと思います。
 私も小規模企業が非常に多い団体に所属しておりまして、まさしく我々の会員さんも、多くフランチャイジーになられているといったところで、非常に切実なところだとお聞きしておりました。これまでのヒアリングで、規模要件について段階的に拡大するべしという御意見を言われたのが、実は初めてでして、私も確かにそういったところは、必要かなと思うところもあります。今回挙げていただいた25人とか、20人といった数字について、例えば、この人数規模だと、何社ぐらいの影響があるとか、先ほどあまり細かいデータはないと言われていましたが、体感的な点でも結構ですので、どの程度の影響があるのか教えていただければと思います。
 もう一点は、ここで規模要件を設けるとすると、先ほど言われたとおり、これからの適用拡大が、かなり影響が大きいと言われた中で、同じフランチャイザーの中でも、規模によって、適用か適用でないかというところが出てきてしまう。規模要件をどの人数規模まで設けると、適用・非適用がどこで分かれるということがあると思いますが、その辺は、協会内部の意見として問題がないとお考えなのか、あるいはフランチャイザーの中で不公平ではないかという意見が出ないのかといった点をお伺いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
○菊池座長 お願いいたします。
○大日方専務理事 ありがとうございます。
 20、25の影響はどれぐらいかということでございました。本当にざっくりとしたところでございまして、半分ぐらいは影響して、ただ、方向性としては当然ながら撤廃に向けて動いていくということは、多分皆さん、御理解されていると考えております。20、25でずっと止めるべしということではございませんで、少しずつ緩やかにしていっていただきたいところでございます。
 その次のところは、本部として、いろいろ違いが出た場合にはどうかというところでございます。
 これの違いが出るのは、いわゆる本部事業者は当然ながら変わってきますけれども、同じブランドを掲げながら違ってくると、こちらは適用事業所で、こちらは適用事業所ではないと、人手不足の中、人手がどっちに来るかと。そこは、本部が口を出せるところでもない、あるいは採用につきましては、本部が口を出すべきところではないのかなと考えております。本部の役割としては、きちんと決まったルールを加盟店さんに守っていただく、あるいはそれをきちんと説明することが本部の役割でありまして、そこまでが本部の役割ではないかと、現時点では考えております。
○土井構成員 よく分かりました。ありがとうございます。
○菊池座長 ほかには、いかがでしょうか。
 それでは、松浦構成員、その後、会場では、松原構成員もお手上げいただいています。
 それでは、まず、松浦構成員、オンラインからお願いします。
○松浦構成員 御説明いただきまして、ありがとうございます。
 私からはシンプルな質問で、規模要件の件については、御要望の中に、御意見が盛り込まれていたと思うのですけれども、適用時間についての御意見ももしあれば、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○大日方専務理事 適用時間、20時間からの引下げについてということでございます。
 私どもは現時点で本部の団体ですので、加盟店さん、そして、そこで働く従業員の方々の声というものを直接収集してはいませんし、非常に難しいところではありますが、15時間、あるいは10時間に引き下げた場合には、さらに人手不足になるということは明白だと考えておりまして、今の時点では賛成しかねるというのが、私どもの見解でございます。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
○松浦構成員 ありがとうございます。
○菊池座長 それでは、松原構成員、お願いします。
○松原構成員 ありがとうございます。
 念のため確認なのですけれども、今、この時点で同じブランドのところでも、大規模な法人と個人のところでは、当然適用は違うと、同じブランドでも、現在は異なるという認識でよろしいのですね。
○大日方専務理事 はい、おっしゃるとおりです。
○菊池座長 ほかにはいかがでしょうか。
 よろしいですか。ございませんようですので、それでは、これにて、日本フランチャイズチェーン協会様からのヒアリングを終了させていただきます。
 大日方様、大変お忙しい中、お時間をお取りいただきまして、誠にありがとうございました。
 それでは、続きまして、全国生活衛生同業組合中央会様からのヒアリングを行わせていただきます。
 田中様、伊東様、鈴木様、どうぞよろしくお願いいたします。
○田中理事長 全国生活衛生同業組合中央会の田中と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、被用者保険適用に関わる制度改正の重責を担っておられる有識者の先生方に、私ども業界の意見聴取のために貴重なお時間を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。皆様と直接意見交換できること、大変感謝している次第でございます。
 御承知のように、我々業態はコロナ禍による被害を長期にわたって受けていることから、その後の後遺症から抜け出せない事業者も多く、さらにはエネルギーや物価の高騰、人手不足などによって、復活にはまだまだ時間がかかると思っております。
 このような生活衛生業の同業組合としての業界の振興、経営の健全化のための意見、要望について本日は申し上げさせていただきたいと思います。
 それぞれの意見、要望は、地域社会において、国民の日常生活に密接に関連するサービスを提供している、私ども生活衛生業の切実な意見でございますので、どうぞよろしくお聞き取りいただきたいと思います。
 意見の詳細につきましては、伊東専務のほうから御説明を申し上げます。よろしくお願いいたします。
○伊東専務理事 それでは、続きまして資料の説明をさせていただきます。
 表紙を開いていただきまして、説明資料の右下にページを振ってありますので、そのページで説明をさせていただきます。
 まず、1ページを御覧いただきますが、生活衛生関係営業、なかなかあまり聞いたことのない生活衛生という言葉かと思いますので、生活衛生同業組合の設置の根拠法となりますのが、この1ページの一番上、緑で塗っておりますけれども、根拠法が生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律、昭和32年制定の法律でございますが、これが根拠法になっております。
 法律の目的でございますけれども、公衆衛生の見地から国民の日常生活に極めて深い関係のある生活衛生関係の営業について、衛生施設の改善向上、この衛生施設というのは、まさに店舗であり、ホテル、旅館であり、映画館でありと、これが衛生施設、それの改善向上、そして経営の健全化、近代化、業の振興などを通じまして、その衛生水準の維持向上を図り、あわせて、お客様の利益の擁護に資するため、営業者の組織の自主的活動を促進する、この営業者の組織こそが、生活衛生同業組合ということで、この法律の中に、この組合の関係の条文がずっと規定されているということでございます。
 その下の赤い文字に飛びますけれども、そのような活動をもって、我が国の公衆衛生の向上及び増進に資し、そのことによって国民生活の安定に寄与するということに、私どもの業界はしっかり頑張っていきましょうということでございます。
 第3条に、生活衛生同業組合の設立の根拠がございますけれども、政令で定める業種ごとに、生活衛生同業組合を組織することができるとなっております。
 その下に政令で定める業種を指定してありまして、1から18の18業種が指定されているということでございます。
 現在、全国で560あまりの生活衛生同業組合がございます。そして、それぞれの業種ごとの各県の同業組合を全国連合会がまとめ上げるということで、例えば、理容の同業組合の各県の組合を全国連合会が束ねて、いろいろ意見調整をするなどという仕組みになっているということでございます。
 次の2ページをお開きいただきます。
 これは、経済センサスを基にしておりますけれども、生活衛生関係営業の事業所数、そして従業員の数をここに書かせていただいております。後ほど、この数字も使わせていただきます。
 次に、3ページを御覧いただきますけれども、生活衛生営業、そして生活衛生同業組合の近況についてということでございますが、本文の4行目の黒ポツでございますが、令和2年1月15日、我が国初の新型コロナ感染者が発見されて以降、不特定多数の方々がお客様である生活衛生業、これは感染拡大のリスクが高い業種であるとして様々な制約が課されてまいりました。特に飲食、宿泊関係の業種につきましては、営業の休止、そして、アルコールの提供を制限されるなど、そのような要請を受けて、生活衛生業の事業者の多くが未曾有の被害を受け、4年余りが経過しているということでございます。
 新型コロナは5類に位置づけられまして、海外からの旅行者を含め、生活衛生業のお客様が増えておりますし、売上は、おおむねコロナ前の状況に戻ってまいりましたが、長引く物価高騰、光熱費、原材料費などによりまして、採算ベース、収益ベースで見ると、つまりもうかっていますかという観点で見ると、まだまだコロナ前には戻り切れておりません。多くの生活衛生業の小規模事業者は、引き続き厳しい状況に置かれておりますし、事業者の中には多額のコロナ関係の負債、コロナ融資などを受けておりますが、その返済を抱えて苦しんでいるということでございます。
 このため、これらの状況を改善する政府の様々な施策、補助金などの支援をいただいているわけでございますけれども、業種や地域によっては、引き続き厳しい状況が続いているということでございます。
 このような中で、本年10月も社会保険適用拡大がされますけれども、この後、さらに適用拡大の検討が進むことに対しましては、生活衛生業界は、非常に不安を感じているという状況でございます。
 次に、4ページでございます。
 グラフでございますけれども、日本政策金融公庫が定期的に調査をしているデータでございます。
 上半分の黄色い部分でございますけれども、これは売上のDIの推移でございまして、生活衛生業の全業種について見ております。
 真ん中の点線、縦の赤線でございますが、ここがコロナの境目、左側がコロナの前、右がコロナの後ですが、左側のコロナの前に比べますと、コロナ発生後、売上は一挙に落ち込みますが、徐々に回復をしていると、赤線は平均を取っております。
 コロナ前の状況に既に戻っておりますが、業種によっていろいろありますけれども、このような売上の状況ですけれども、下半分の水色の折れ線グラフでございます。これは、まさに採算ベースで見ております。もうかっていますかと、こういう感じでございますけれども、やはりコロナの境目、左側に比べますと、右側、コロナで落ち込んで戻ってはいますけれども、採算ベースで見ると、やはり物価高騰なり、エネルギー価格の高騰によりまして、売上は上がっているのだけれども、出費もかさんでいますので、もうけはそんなにないのだということで、まだ、コロナ前に戻ったかどうかと、これは業種によってもかなり差がありますけれども、夜の飲み屋さんなどは、全く立ち上がれない状況になっております。
 ということを皆様の頭の片隅に置いていただきまして、5ページでございますけれども、ここからヒアリング事項といたしまして、今回、懇談会の課題として示された事項につきまして、作成させていただいておりますけれども、所要のデータにつきましては、なかなか生活衛生業の業種のみを切り取って表現できるデータは探せなくて、不十分なものになっていることを御容赦いただきたいと思っております。
 生活衛生業の事業所というのは、94万事業所ほどありますが、全民営事業所に比べますと約18%、従業員につきましては10%ほどを占めているわけでございます。
 全民営事業所を見ますと、法人事業所が7割、個人事業所が3割、7、3ということでございますけれども、生活衛生業におきましては逆でございまして、個人事業所が6割、法人事業者が4割ということになっておりますので、経営基盤の脆弱な小規模の個人事業者が多いという状況でございます。
 次に、6ページに飛んでいただきますが、全産業の事業所における従業者の49人以下の事業所数、経済センサスは49で切っていますので49と申し上げますが、49人以下の事業所は、全事業所で96%ですけれども、生活衛生業の飲食店においては98.6%、また、クリーニング、理容美容、銭湯におきましては99.2%が49人以下ということでございますので、やはり生活衛生業というのは、小規模事業者によって営まれているという実態が明らかになっているかと思います。
 被用者保険の適用が、従業員の50人以下まで拡大されるということになれば、その影響は計り知れないと私どもは考えております。
 次の2、短時間の関係でございますが、なかなかデータが取れませんでした。有効求人倍率で見ますと、全職業が1.26に対しまして、生活衛生サービス3.3、飲食関係、接待・給仕は3に近いわけでございますので、やはり生活衛生業界については、人手不足の状況が続いていると見て取れるのではないかと思っております。
 また、給与水準で見ますと、全産業の平均月額が22万6600円に対しまして、宿泊、飲食サービスにつきましては19万7000円ということで、87%ほどの給与水準ということでございます。
 その内訳を見ますと、男性については21万4000円ですが、女性は18万8700円ということで、男女の格差が見られるということでございますけれども、伸び率を見ますと、男性は前年に比べて3.4の伸び、それに対して女性は、対前年7.7%伸びておりますので、女性の賃上げが目立っているということを申し上げられるかと思っております。
 次に、7ページを見ていただきます。
 「被用者保険の適用拡大の影響・課題について」ということでございますが、過去の適用拡大につきまして、与えた影響ということでございます。
 メリットといたしましては、事業者については、適用拡大によって社会保険を完備するということになりまして、適用をしていない事業所に比べると、求人面では有利になっている。
 また、従業員について言えば、やはり社会保険の恩恵を得ることができたというのはメリットの点ですが、デメリットを挙げますと、保険料の事業主負担が、コロナ禍であるとか、物価高騰によって非常に大変な状況になっている事業者にとっては、大変な重荷になったということ。
 それから、先ほども話がありましたけれども、社会保険事務に係る管理だとか、事務処理の費用など、新たに生じているというのはデメリット。
 また、労働者は、保険料負担によりまして、手取り、給料が減るということでございます。事業者は、人手を確保するためには、その分賃金を上げざるを得ないというような経営面でさらに苦境に立つということになっていると。
 また、このような状況においても、やはり年収の壁を意識する働き方というのは、引き続き存在しているということでございます。
 それから、短時間労働者の適用要件ということでございますが、被扶養者のまま働きたいという労働者を確保するためには、事業者としては、労働時間、労働日数の減少で対応せざるを得ないということで、シフトや人員配置の見直しが必要になるなど、稼働率を維持するために頭を悩ませているということになります。
 次に8ページを御覧いただきます。
 さらなる適用拡大が行われる場合の影響ということでございますけれども、今年10月から従業員51人以上ということになります。生活衛生営業の中でも主に旅館、ホテルさんや、大規模の飲食店が対象になってくると想定しておりますけれども、今後さらに50人以下も対象にするということになりますと、やはり小規模事業者が多い生活衛生業としては大変な影響を受けるということになるかと思います。やはり事業主負担の増加、さらなる債務超過ということになっていくということでございます。
 説明時間の関係もありますので、次に9ページを御覧いただきます。
 働き方の多様化ということでございますが、短時間の方であるとか、この辺の状況は、数字ではなかなか取れなかったわけでございますけれども、生活衛生営業指導センターが調査をしましたデータで、昨年の6月末を見ますと、1店舗に従事する臨時雇用従業者というのが、理美容では1.4、1.5であるのに対して、旅館、ホテルは20、飲食店は6、料亭は7という状況でございます。
 夜の飲み屋さんについては3.5ということでございますが、コロナ前には4.8という数字がございまして、やはりコロナ禍によりまして人々の生活の仕方が、なかなか夜の飲み屋さんには行かないということを受けて、実は先ほどの収益が上がっていないという話しも、社交飲食業は全く上がっていないのですが、それを反映するように、やはり4.8が3.5に下がっているという状況であろうかと思っております。
 2でございますが、働き方が多様化ということで、人手不足の中、最近の民間企業によるギグワーカーを提供する仕組み、これは生活衛生業界にとっても使い勝手がいいということでございまして、飲食業、宿泊業においても活用されているということでございます。
 この仕組みによる従業員の確保につきましては、被用者保険の事業主負担も生じない、また、人材も即戦力の能力のある方が来るケースが多いと聞いております。そして、そのまま雇用してしまうということも許されているということでございますので、今後ますます活用されていく可能性があるなと考えております。
 事業者にとって利用しやすく、労働者も時間の有効活用で収入が得られるということでございますけれども、労働者の立場に立ってみると、社会保障、そして、社会保険の面からは、いろいろな検討が必要なのではないかと考えております。
 最後10ページでございます。
 これは、私ども中央会の意見ということで、16業種の全国連合会にも見ていただいたということでございますが、1つは適用拡大について、総論としては理解をする、社会保障制度、社会保険制度を維持していくという観点からは、適用拡大が必要であるということは、私ども生活衛生業界も理解はしておりますけれども、影響が大きいわけでございますので、公平性を保つ慎重な議論、検討をお願いしたいということでございます。
 また、美容業につきましては、美容師を養成する養成施設、学校から社会保険が完備されていない事業所、お店に対して美容師を紹介することはできないという動きもありまして、全日本美容業の生活衛生同業組合連合会は、美容所の社会保険適用を推進しております。
 しかし、小規模事業者が多い生活衛生業におきましては、適用拡大による新たな事業主負担が生じるということで、脆弱な事業者も多いので慎重な検討、そして有効な支援策の実施を求めたいということでございます。
 そして、生活衛生業を法定17業種に加えることには反対でございます。健康保険法、厚生年金法に規定する17業種の外に今はあります。個人事業所は非適用業種であり、任意包括適用とされております。希望すれば被用者保険の適用を受けることができます。現在、特に問題は生じていないと理解しております。
 標準報酬月額や勤務時間、日数の拡大、これも反対しております。これを進めることによって、労働者は条件のいいところにどんどん移動していく、そうすると、人員不足が生じるのではないかという心配があります。
 多様な働き方を受け入れる施策が必要ということで、短時間労働者が社会保障、社会保険の公平感を実感し、多様な働き方が進む制度を御検討いただきたいと考えております。
 本日、旅館ホテル業からも来ていただいておりますので、最後に一言、よろしくお願いします。
○鈴木常務理事 私、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の鈴木と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
 総論としましては、今、中央会さんがおっしゃったとおりだと我々全旅連としても思っております。
 ただ一方で、我々旅館固有の事情としまして申し上げるとしましたら、特に、私の旅館が存在しております岡山県鏡野町というところなのですけれども、極めて深刻な過疎の地域でございまして、こういった旅館に関しましては、地方の深刻な過疎の立地というものを余儀なくされるといいますか、そういうところに立地されているところが多くございます。
 そういった中で、都市部と比較すると、非常に採用がしづらい、せっかく採用に至ったとしても、多額のコストと、そして労力をかけて採用した社員の皆様、そしてパート、アルバイトの皆様を少しでも長くお勤めいただけるように、職場環境の改善だとか、そういったことにも取り組んでおりますが、しかし一方で、そういった苦労して雇用した方々が、長く勤めていただくために、我々としても被用者保険の拡大というのは重要な課題かなという認識しております。
 ただし、地域ごとに、また、事業所ごとに、個別にそれぞれ事情があることも多々あるのが事実でございますので、そういったところもぜひ鑑みていただいて、現場の生の声を拾っていただいて、よりいい制度設計にしていただけるように切に願うところでございます。よろしくお願いいたします。
○菊池座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただいた内容に関しまして、構成員の皆様から御意見、御質問をお願いいたします。
 海老原構成員、お願いします。
○海老原構成員 ありがとうございます。
 大変御丁寧な説明をありがとうございました。
 2つほど聞きたいのですけれども、これは、私が勉強不足で本当に知らないので教えていただきたいのですが、なぜ、個人事業主で5人以上の従業員を抱えるのに、この生活衛生業関係だけは、社会保険未加入でいいのか、ここの理由が1つ目の話です。
 2つ目の話は、同じ同業の中でも法人である程度の規模のところと、個人である程度の規模のところ、これは法人だと社会保険に入らなくてはいけなくて、個人だと入らなくていい、これは少し違和感があるのですけれども、公平感がなくないかな、この2つの点を少し聞きたいのですけれども。
○菊池座長 いかがでしょうか。
○伊東専務理事 まさに、先ほど御説明したように、健康保険法、厚生年金保険法の中で、そのような仕掛けになっているわけでございまして、法定17業種、士業の方々が加入したので16業種が17業種になったのですが、次に18業種、19業種に我々がなるのではないかという心配をしているということでございますけれども、この法定17業種から外れている業種、農林関係もそこに該当しているかと思いますけれども、法人は適用ですけれども、常時5人以上の者を使用する事業所、5人未満の事業所、ここは任意包括適用という適用がされております。
 ですから、先ほどの美容サロンのように、これは、新しい美容師に来ていただくためには、社会保険を適用しないとまずいなというところは、希望すれば、その適用ができるという仕組みの中に、我々の業種は入っているということでございます。
 恐らく制度官庁さんは、この17業種、18業種の中に我々を入れようとお考えになっているのだろうと思っていますし、これも1つの皆様方の検討課題の中の問題かなと思っていますが、我々はそれに対しては、反対をしているということでございます。
○海老原構成員 もう一つのほうは、いかがですか。
○伊東専務理事 それから、法人と個人の関係ですね。
○海老原構成員 同じ人数でも、法人は入らなくてはいけなくて、個人は入らなくていい、これは、同じ人数だった場合、公平感に差が出ませんか。
○伊東専務理事 そこは、事業主さん、事業所さんと、それから働いている方の間で議論が出ているところもあるのかもしれません。
 ですから、それによって適用したほうがいいということであれば、先ほど言ったような形になるかと思いますが、一方で、働く方も保険料の負担が出てきますし、事業主負担が結構大きくなると、下手をすると、そこのお店が潰れてしまうかもしれないみたいなことも、ことによってはあり得ますから、それはそれぞれの現場で、これは適用したほうがいいということであれば、その道は開かれているということだと思うのです。
○海老原構成員 すみません、ちょっといいですか。
○菊池座長 どうぞ。
○海老原構成員 私、ごめんなさい、頭が悪いのでよく理解できなかったのですけれども、そもそもこれは昭和30年代の法律ですね。その決まったときに、なぜこの業種は外れたのかが、私は分からないのです。負担の話を考えると、個人にとっては、先ほどの平均月収から見ると、社会保険入ったほうがはるかに負担は低くなるはずだと思うのです。
 ですので、なぜ、ここで30年代にこれが外れたのかが、ちょっと聞きたかったのですけれども。
○伊東専務理事 昭和32年にできている法律というのは、私どもの法人の設立の根拠法が昭和32年ですね。そして、制度の適用というのは、健康保険法と厚生年金保険法でございますので、過去の経緯でどうしてこうなったかというのは、申し訳ございません、私もそこはよく分かりません。恐らく、この業界の先輩たちと、それから厚生省さん、そして、また、大蔵省さんを入れて、いろいろなやり取りがあった中で、今はこうなっているということだと思います。
 御質問の趣旨は、そういうことを考えている方も業界の中にはいらっしゃると思いますし、もちろん制度官庁さんも、いろいろな方が、ここはそういう意味では、検討すべき問題、課題の部分と、我々も理解はしております。
○海老原構成員 分かりました。ありがとうございました。
○菊池座長 それでは、オンラインで五十嵐構成員からお願いします。
○五十嵐構成員 ありがとうございます。
 資料の10ページで、美容業においては、社会保険適用を推進されていると、今、お聞きしました。希望すればということであるようですけれども、実際に、社会保険適用に積極的な事業者が増えてきているのかということ、また、実際には業界の中でも、いろいろな御意見があるのだと思うのですけれども、うまくいっていますかということ。
 それから、うまくいっているとすれば、誰がどういう旗振りをしておられるのか、その辺の秘訣というのでしょうか、業界内でのコンセンサスをどのように得るようにしているのか、その辺を教えていただければと思います。
○伊東専務理事 この美容業界につきましては、今の理事長は、非常に積極的に社会保険適用をしていかなければいけないということを、いろいろな場所で、理事会もそうなのですが、いろいろな形で説明をされておりますので、実際に適用を進めている方たちも増えているとは聞いております。
 いずれにしても、やはり、メリット、デメリットの話、そして、やはり大きいのは、新しい美容師さんを、社会保険も適用されていないお店には、なかなか紹介できませんというのは、かなり大きなプレッシャーであると、業界側も話をしております。
 ただ、いずれにしても事業主負担が一挙に増えてくるところに対応できるかどうかということは、1つのポイントではないかなと思っています。
 いずれにしても、美容業界もいかにして収益力の向上を図るかというのを、相当頑張っていろいろなところで研修会だとか、説明会を設けてやっておりますので、そういうことが必要ですし、そういうことがあるから増えていっていると、私どもは理解をしております。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
 それでは、永井構成員、お願いします。
○永井構成員 御説明ありがとうございました。UAゼンセンの永井と申します。
 7ページの過去の被用者保険の適用拡大の影響・課題について伺いたいと思います。過去の適用拡大が短時間労働者や企業に与えた影響のデメリットの丸の3つ目で、「事業者が人手確保のために賃金を上げざるを得ない」という記載があります。昨年10月からは年収の壁・支援強化パッケージが入っていますが、そのような制度を活用している法人の事業所がどれぐらいあるのか、多いのか少ないのか、その辺を把握していれば、教えていただけたらと思います。
 また、非適用業種の個人事業所では、国年の1号被保険者、3号被保険者の労働者が多いと想定しますが、そういった方々についての支援も必要と考えるのか、その場合どのような支援が必要と考えるか、お考えがあれば伺いたいと思います。
 以上です。
○伊東専務理事 1つ目の御質問については、私どもも承知はしておりませんし、私どもの業界は、美容に限らず、組合が組合員に対して知らせるということなのですが、この知らせが、なかなか本当に困っているお店なり、それに該当するお店まで情報が届いているかどうかということもかなり問題でございまして、コロナのときも支援金だとか、協力金をいただけることになっていたのだけれども、その情報はテレビで知っていたのだけれども、例えば、スマホもパソコンもなくて誰も教えてくれないから申請しなかったみたいな、そういう方たちというか、そういう事業所も結構たくさんあるという中で、こういう新しい支援策が、果たしてどこまで知られているかというのは、私どもの問題ももちろんあるのですが、そういうところも、もっともっと積極的に行っていく必要がある。社会保険適用拡大についても同じことであると思いますが、そういう必要があるということだと思います。
 それから、1号、3号の話なのですけれども、床屋さんだとか美容サロンというのは、やはり理容師、美容師という資格を持っていないと基本的には働けないのですね。ですから、ほかの飲食店であるとか、言葉はあれですが、どなたでもやれますよと、それから皿洗いを裏側でやれるという仕事ではなくて、やはり資格を持っている必要があるものですから、そういう意味で、やはり、理容美容の世界というのは、ほかの業種とは違うということになろうかと思います。
○菊池座長 ありがとうございました。
 それでは、酒向構成員、いかがでしょうか。
○酒向構成員 恐れ入ります。先ほどの海老原委員と同じような質問でございますが、10ページ目の部分でございます。
 上から2行目に「影響が大きいため公平性を保つ慎重な議論」という公平性という言葉があります。
 また、同じ10ページ目におきまして、一番下の行でございますが「社会保険の公平性を実感し」とあります。
 この公平性というものについて、どのような思いを込めておられるのかということを確認させていただければと思います。
 下のほうの公平性というのは、働いている方々が、みな同じように、同じ条件で保険にお入りになることができるということで、そういった意味での公平性という言葉かと推察いたします。
 上から2行目のほうの公平性のところについては、これも同じような意味を込めて使っていらっしゃるのかどうか、その点だけ確認をさせていただければと思いました。
 以上でございます。
○伊東専務理事 10ページの一番下は、今、おっしゃられたとおりでございまして、働いている方にとって公平な制度なのだなということが実感できるようになってもらわないと、多様な働き方ができにくくなるのではないかなと思っているわけでございます。
 これは、ギグワーカーの新しい会社の幹部の方も、やはり制度が追いついていないのだということをおっしゃっていたのもございます。やはり働き方がどんどん変わってきていますので、それに制度も追いつき、根底にあるのは、働いている方が公平だなと感じるような制度にならなければいけないのではないかということでございます。
 それから、上のほうの公平性は、これは、いろいろな意味があるかなと思いますけれども、今言った話も含めてなのですけれども、年金制度に対するいろいろな思いだとか、いろいろなことがありますので、やはり国民の皆様が保険料を払い、そして納得をしていい制度だなというためには、みんなちゃんと公平に、この制度で助けてもらっているなということを感じるような形にしていく必要がありますねという思いの言葉で書いておりますけれども、各16業種からも特に質問、変更の意見はございませんでしたので、そのままこのような文章になっているということでございます。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
 それでは、最後にさせていただきます。松浦構成員からお願いします。
○松浦構成員 すみません、御説明いただき、ありがとうございました。
 お時間がない中で、大変恐縮なのですけれども、1点だけ補足的に質問をさせていただきたいと思います。
 これまでの公平性の議論ですとか、過去になぜ適用業種から外れたのかという議論にも関連するのですけれども、適用業種に加わることについては、反対という意見表明をいただいたかと思います。
 今日的に、適用業種から外れる理由、つまりここが他の業種とは違うのだ、特別扱いされるべき事情があるのだというような、ご意見の補強となる材料がございましたら御提示いただきたいと思います。
○菊池座長 お願いいたします。
○伊東専務理事 この部分は、先ほども申し上げましたけれども、こちらも十分に、過去、どうしてこういう仕掛けになっているのか、十分に調べ切れておりませんけれども、この制度をつくったときに、どういうやり取りがあったのかというところに尽きるのではないかなと思いますけれども、今、こういう状況になっているということを、この生活衛生業の、特に小規模なお店の方、御主人たちが承知しているかどうかというと、恐らく承知はしていないと思いますが、ただ、これを制度改正して、事業主負担を払ってもらいますとなった途端に、大騒ぎになるだろうなとは思っていますし、ここは、特に事業主負担はなかなか大変ですねという部分の御配慮ではないのかなと思っております。
 というのは、16業種、17業種から外れているところの業種を横並びで見たときに、その共通点は何なのでしょうかということでもあるのかもしれないなと思っております。
 答えになっていないかもしれないのですが、そのように感じております。
○松浦構成員 ありがとうございました。
○菊池座長 ありがとうございました。
 それでは、お時間がございますので、これにて全国生活衛生同業組合中央会様からのヒアリングを終了させていただきます。
 田中様、伊東様、鈴木様、本日は大変お忙しい中、時間をお取りいただきましてありがとうございました。
 それでは、続きまして、全国農業協同組合中央会様と、全国農業会議所様からのヒアリングを行いたいと思います。
 元広様、石澤様、黒谷様、どうぞよろしくお願いいたします。
○元広営農・担い手支援部長 本日は、お時間をいただき、ありがとうございます。
 農業関係団体として、私、全国農業協同組合中央会の元広と、全国農業会議所、黒谷部長より説明をさせていただきます。
 1ページ目を開けていただければと思います。
 報告者紹介ということで、一般社団全国農業協同組合中央会について、若干説明をさせていただきます。
 JA、農業協同組合は、農業の生産者を中心とした組合員が相互扶助の精神に基づく協同組合でございます。
 一般社団全国農業協同組合中央会は、農業協同組合、JAが結集した組織の総合調整、代表機能を果たさせていただいております。
 正組合員、農業やっている方が402万人、准組合員、地域で農業を応援されている方が600万人ということで、約1000万人の組合員の組織となっております。
○黒谷経営・人材対策部部長 全国農業会議所の黒谷でございます。今日は、よろしくお願いします。
 全国農業会議所でございますけれども、下の図のほうがいいと思います。私ども全国の1,741の市区町村のうちで、1,696で農業委員会という行政委員会が、農業委員会に関する法律に基づきまして設置されております。
 この法律に基づきまして、平成27年に改正されたのでございますけれども、私ども全国農業会議所は、この農業委員会を支援する農業委員会ネットワーク機構として、この農業委員会の業務を支援する組織として、農林水産大臣から認可を受けまして、ただいまの農地の有効利用、さらには農業経営の担い手を育成するということでの支援を果たしているということでございます。
 以上でございます。
○元広営農・担い手支援部長 では、私のほうから簡単に農業の現状について御報告させてもらいます。2ページ目を見てもらえばと思います。
 農林水産省の資料でございますが、平成12年、総農家数312万が、令和2年には175万戸ということで、大きく減っています。
 農林業センサスで経営体の呼び方は変わっているのですが、
 農業をしっかりやっている主業経営体・個人事業体は20万、「その他経営体・農家」いわゆる昔で言う兼業農家なり、自給的農家という経営体が約150万ということで大きく20年間で減っています。
 一方「法人その他団体経営体」は、3万が3万8000組織、特に法人は1万4000が3万1000法人と拡大しています。
 法人その他団体経営体には、法人以外に集落の任意組織も含んでいます。
 農業総産出額は、9.1兆円が8.9兆円、毎年ぶれがありますが、ほぼ横ばいできております。
 農地は、若干減っておりまして483万ヘクタールが437万ヘルタールということですが、農地の減少以上に、農家数が減っておりますので、一農家当たりの規模は大きく拡大しているということでございます。
 今、国会で食料・農業・農村基本法の見直しもやっていますが、イメージは、「効率的かつ安定的な農業経営体」と言っていますが、法人のようなしっかりと農業経営ができる経営体と、あわせて、「多様な農業者」と言っていますが、個人経営体を中心に、これらの方が連携しながら、地域の農業、地域の農地、地域のコミュニティーを守っていくということを、今、基本法の中で検討されているということでございます。
 開けてもらって、3ページを見てもらえばと思います。
 ヒアリング項目なのですが、農業の雇用者に関する統計がなかなかありません。農業が天候に左右される、季節性が大きいなどで、労働時間、休日、休息等の規定が労働基準法の適用除外になっているということもあるので、なかなか雇用データがないということでございまして、ここでは、農林業センサスを農林水産政策研究所の松下先生が組替えをされていますので、そのデータに基づいて、説明をさせていただければと思います。
 農業は個人経営体が極めて多く、また零細規模の経営体のところが多いので、雇用者の割合は、全産業に比べてきわめて低くなっています。
 「農業における雇用の動向」の表の雇入実経営体数3万6563ということで、先ほどの総農家数から自給農家を引いた約100万のうち、3.4%の経営体が雇い入れをされているということで、15万6000人ぐらいの方が、常雇で雇われているとセンサス上は出ているということでございます。
 団体経営体、法人と法人その他が含まれるわけですが、20人以上で7.2%の経営体ということですので、小さな法人が多いですが、その7.2%で雇い入れ人数の約半数48.1%を雇用されているということですので、法人経営体は小さなところと大きなところと二極化しているというのが、今の農業法人の実態だと把握しております。
 一方、個人経営体は1人、2人から4人で約94%を占めておりまして、5人以下の常雇用の経営体が9割以上となっているのが実態でございます。
 ここでは、データは掲載していないのですが、ただし、農家数の多くを占める稲作経営体ではあまり雇用されていませんが、園芸、施設園芸、畜産の方は常雇いを大変多くされているところもあるということですので、このため、絶対数で見ると少ないのですが、品目・地域によっては、影響が出ることになっているということでございます。
 あと、個人経営体の29歳以下、30歳から39歳で40%弱います。農業全体で見ると、40歳以下は10%ぐらいしかないので、雇われている方は若くなっています。
 これは、1つは、将来、独立就農しようという方が雇用されている場合が多い。
 もう一つは、外国人の方が増えているということで、農業全体の従事者より雇用されている方は、若い方の層が多くなっているというのが実態です。
 右側に、賃金の動向も入れています。明らかに農業は、男性、女性も全産業よりも低いところに山がきているというのを御確認いただければと思います。
 4ページを見てもらえればと思います。
 「短時間労働に対する適用拡大について」でございます。
 先ほど見ていただいたように、雇用者50人超の農業経営体は少ないので、現在のところ、大きな問題とはなっていませんが、さらなる見直しの対象になると、経営体が増えてきますので、課題等が出てくると思っております。
 農業経営体が選ばれる職場になるためには、しっかりと制度に対応していこうということですが、従業員の理解や事務手続など、現場が混乱しないように、制度導入には十分な周知と準備の時間を取っていただくことが必要ではないかと、ここでは書かせていただいております。
 「(2)個人事業所の適用範囲の見直し」でございます。
 先ほども少し議論になりましたが、農業も非適用業種となっているわけですので、個人経営体の場合は5人以上の事業所は非適用業種でありまして、5人以上常雇している個人経営体が、他産業と比べて極めて低いとはいえ、やはり先ほど言いましたように、地域・品目によっては影響が出ることが想定されます。
 もちろん、個人事業所が社会保険に加入することによるメリットは大変大きいわけですが、デメリット、課題も想定されていますので、若干説明させていただきます。
 農業経営が厳しい中で、事業主の保険料負担が増えるという課題もありますが、被用者保険に係る事務負担が増加することが一番の課題ではないかと思っております。
 農業は、季節性が大きく、季節による賃金も変動しますし、被用者保険の事務負担が大変大きく、個人経営体の経営にのしかかってくることが想定されます。
 事業主自らは国民健康保険と国民年金の加入の事務をやって、雇用者の方に被用者保険の事務を担うということですが、ほぼ家族経営の事業主に、そのような事務をさせるということは大変ハードルが高い業務になると思っています。
 また、人口の少ない地域に位置する経営体が多いので、なかなか気軽に士業の方にお世話になるということが難しい地域もあります。
 また、新たな事務コストの負担に耐え切れないという経営体が多いのも、今のところ実態でございます。
 これまでも、JAなり農業会議所で、家族、個人経営体の決算とか申告支援、労災加入の支援とかをやってきていますけれども、さらにこれに加えて、被用者保険の事務の支援まで我々がやるというのは、なかなか難しいというのは、御意見としていただいております。
 そういう意味では、このような方の事務支援を誰がどのように、特に農村部でやっていくのかというのが、大きな課題だと認識しております。
 経営が厳しい中で、このようなことで規模縮小なり、経営を諦めて離農するということがないかということを、危惧をしているところでございます。
 もう一つ、農業で働く方は多様でして、先ほど言いましたように、若い方は、将来は独立就農しようという方が多いので、そのような方の多くは、農業者年金に加入を望まれていますし、入っていらっしゃる方が多いというのが実態です。
 あと、個人事業所で外国人の雇用をされる方も増えていますが、外国人に選ばれる職場になるためには、様々な選択肢を示したほうがいいのではないかという御意見もいただいております。
 外国人に選ばれるような職場づくりという意味では、そういう考慮をしていかなくてはならないということで、ここでは書かせていただいております。
○黒谷経営・人材対策部部長 続きまして、5ページ目になります。
 農業の社会保険の適用につきましては、この表のようになっておりますので、後ほど御覧になっていただきたいと思います。
 先ほど、話に出てきました農業者年金についてでございますけれども、若干お話をさせていただきたいと思っております。
 農業者年金というものは、厚生年金の適用を受けない国民年金の第1号被保険者を加入対象としておりまして、1970年、昭和45年に制度が創設されております。要は、国民年金の上乗せ年金ですね、年金制度の二階部分に当たるものでございます。
 2001年、平成13年に制度改正がなされまして、賦課方式から積立方式へと切り替わっております。
 新制度での加入者の累計は13万6000人となっておりますけれども、下のほうに加入の要件が出ております。
 国民年金の第1号被保険者を対象にしまして、年間60日以上農業に従事、65歳未満ということで、誰でも入るということになっております。
 6つのポイントとしまして、広く加入できる積立方式確定拠出型で、少子高齢時代に強い年金だということです。
 保険料は、月額2万円から6万7000円まで自由に決められるというものでございます。終身年金で、80歳前に亡くなられた場合は、死亡一時金があるという制度です。さらには税制面では優遇措置がなされているということでございます。
 最後に、一定の要件を満たす場合には、保険料の国庫補助というのがあるのが大きな特徴としておりまして、これらの個人事業主は、国民年金の上乗せの年金として広く加入しているという実態がございます。
 これが、5人未満がほとんどですけれども、数に限らず、厚生年金の適用になった場合に、農業者年金を脱退することになりますので、こういう意味でも農業分野につきましては、大きな影響があることになると考えております。
 以上です。
○元広営農・担い手支援部長 最後に6ページを見ていただければと思います。
 「働き方の多様化が進展することに伴う課題」ということでして、農業においても、アグリツアー、旅行プラス仕事とか、産地間連携バイト、産地間を飛んでバイトする方も増えています。あと、1日農業バイトはマッチングアプリです。
 副業も、サラリーマン、JAの職員もいるのですが、公務員の方も、今、増えています。
 そして、農福連携など、従来あまり例がなかった働き方も一般化していますので、働く人も雇用者もともに留意しなくてはいけないことが増えていると実感しています。
 「91農業」というのを書かせてもらっています。JAグループでは、多様な方にライフスタイルの1割に農業を取り入れて、少しでも農業で働きませんかと、それが地域農業、強いては地域創生につながりますということを提唱させていただいています。
 一方で、恥ずかしながらJAグループでは、個人経営体の事業主に、初めて人を雇用するときには、こんなことが必要なのですよというハンドブック等を作成して、研修等をしているという段階であるというのも確かですので、多様な働き方がある中で、まずは、農業者の方に雇用主としての自覚を持っていただくことから啓発しています。
さらに、様々な新たな制度を導入する中で、「働く人が選択すること」を担保できるためには、多様な働く人々や家族経営の事業主などが、誰でも読んでも分かるシンプルな手引書等の作成と周知が必要であると思っていますということで、ここで提起をさせていただいております。
 以上で我々からの説明を終わらせていただきます。
○菊池座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきました内容に関して、構成員の皆様から御質問をお願いいたします。
 伊奈川構成員、お願いします。
○伊奈川構成員 ありがとうございます。
 私、ふだん社会福祉を教えているものですから、最後のページで、農福連携と入っていたので、非常に印象深く拝見しました。
 そのことも関係するのですけれども、農業においてどこまで適用するかというのは、労働保険でも、これまでも任意適用といったことで来たりしていますから、やはり今論点が多いのだろうと思います。今日の資料を拝見しておりまして、1つは、やはり個人事業所をどうするかという点だろうと思って拝聴しておりました。
 その場合は、適用業種、つまり非適用業種かどうかという点と規模要件という、これまでもあったような論点があろうかと思いますけれども、個人の事業所については、3ページとかのデータを見ますと、5人以上は単純に足すと6.4%ぐらいでしょうか、さほど多くないわけですけれども、そこの部分は、たしか労働保険のほうは、5人以上は適用しているはずですので、そういったことと比較して、果たして社会保険のほうはどうだろうかというところがあります。4ページの資料の理解の仕方といいましょうか、今日の御報告の理解の仕方として、労働保険のほうは5人以上を使用する個人経営の事業も強制適用となっていることを踏まえれば、5人以上に限っては労働保険だけではなくて、社会保険も適用するというのは1つの選択肢なのだろうということもあるのですけれども、その辺りの御意見が、この4ページからはなかなか、いろいろな課題があるということは見えてくるのですけれども、果たしてどうお考えになっているかというところを確認させていただければと思いました。
 その際、御説明の中では、農業が持っている1つの特徴は、やはり季節性とか、あるいはそれとも関係して賃金の支払い関係とか、そういったところがいろいろとあるかと思いますけれども、こういった個人事業で5人以上というところは、先ほどの御説明では、園芸とか畜産とか地域性があるといった御説明であったような気もしますけれども、そのあたりの実態も踏まえて、どうお考えになるかということについて、確認させていただければと思います。
○菊池座長 お願いいたします。
○元広営農・担い手支援部長 ありがとうございます。
 1つは、確かに5人以上の家族経営、個人事業体は、園芸とか畜産が多くて、水稲農家は少ないというのが実態です。
 これまで、農水省と一緒に農業会議所やJAグループでは、一定の規模になったら法人化しましょうと、法人化の支援をずっとやってきています。そう意味では、家族経営の間は、しっかりと農業者年金に入りましょうということで、家族経営と法人経営で、区分しながら支援しております。
 労働保険との関係は、まさにおっしゃるとおりでして、5人以上は、労災、労働保険は強制適用されているわけですが、我々の考えとしますと、労災保険には1人でも雇用したら入るべきだと思っております。
 そういう意味では、労災保険の強制加入が先で、その後が、この被用者保険ではないかと思っています。
 農業で働く方、また、事業主のためにも、まずは労災に、人を雇ったら入ってもらうというほうが、順番としては先ではないかとは思っているところです。
○菊池座長 よろしいでしょうか。
 それでは、海老原構成員、お願いします。
○海老原構成員 3ページの興味深いデータを、どうもありがとうございます。
 3ページのデータをもう一回見たいのですけれども、3ページの表の2個目の表を見たいのですけれども、これは、事業者数ではないですか、5人以上の従業員数で見ると、割合はどのくらいになりますか、これが1つ目に聞きたい話です。
 20人以上だと34.3%、3分の1は20人以上だというのは分かるのですけれども、5人以上までにしたときに、どのぐらいの割合になるかが1つ聞きたいところです。
 2つ目は、今、とてもいいお話を伺ったのですけれども、1人でも雇う限り、もう法人化したほうがいいですよという話で進めているとおっしゃっていたではないですか、違いましたか、5人以上になったら法人化でしたか。
○元広営農・担い手支援部長 法人化ではなくて労災加入をすべきということです。
○海老原構成員 労災の話でした、ごめんなさい。
 社保のほかの部分に関しては、農業年金基金の国庫負担があまりにもすばらしいもので、とてもそちらから抜けられないというイメージは、やはりありますか。これは、あまりにもすばらしいではないですか。
○菊池座長 いかがでしょうか。
○黒谷経営・人材対策部部長 そうだと思います。
○海老原構成員 あと、5人以上の割合は、どのくらいになりますか。
○元広営農・担い手支援部長 手元にデータがなく、今はお答えができない状況です。すみません。
○海老原構成員 分かりました。ありがとうございます。すみません。
○菊池座長 ほかにいかがでしょうか。
 では、オンラインで松浦構成員、お願いします。
○松浦構成員 御説明いただきまして、ありがとうございます。
 私からは、大きく2つ質問をさせていただきます。農業で働いている人のほとんどは自営か家族従業者で、雇用者は非常に少ないというお話ではあったのですけれども、雇用者の働き方についての質問です。
 まず、常用雇用についてデータを示していただいていますが、常用雇用の働き方について、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。といいますのも、農業の現場は季節によって繁閑の差が大きいイメージを持っていたのですが、そのなかでの常用雇用の方々はどのように働いていらっしゃるのでしょう。例えば、フルタイムで雇用されている場合は、作物の収穫があまりない時期は収穫とは別の仕事をやっていらっしゃるとか、あるいは労働時間が季節によって変動するような形で雇用されているのかとか、その辺りについてお伺いしたいという趣旨です。
 2つ目は、農業の季節性を踏まえると、雇用者の中でも、常用雇用ではない、つまり有期雇用の方が相当いらっしゃるのではないかと思ったのですが、有期雇用の規模感や働き方など、有期雇用についての情報をもう少し補足いただけるとありがたいです。
○菊池座長 いかがでしょうか。
○元広営農・担い手支援部長 農業における常雇の方ですが、農業が、労基法上時間等が適用除外になっていますので、変形時間労働制みたい感じで、忙しいときには若干労働時間が多いのですけれども、農閑期の冬には時間数が少ないみたいなことをやっていらっしゃる方もいらっしゃれば、他品目を経営に入れて、周年で仕事をつくろうと努力されてて周年雇用を維持しようと頑張られている方が多いということだと、認識はしています。
 今日は、データはないのですけれども、臨時なり、パートさんはたくさん雇用させていただいておりますし、就業調整もある中で、地域で短期で働いていただける方の分母を増やして、少しでもいいから働いてほしいと努力しているのですが、なかなか農村部では人が足りなくなっており、それで外国人の方が増えているというのが実態だと認識しています。
○松浦構成員 ありがとうございます。
 つまり常用雇用よりも、常用雇用でない方々、有期雇用の方々のほうが、雇用者としては相当多いという理解で間違いないでしょうか。
○元広営農・担い手支援部長 そうです、数としては多いのです。短期から、3か月、6か月というデータが手元にないですが、非常用雇用の方が大変多い実態です。
○松浦構成員 ありがとうございます。
○菊池座長 ほかには、いかがでしょうか。
 よろしいですか。私から事務局への確認ですが、4ページの右下のポツのデメリットの個人事業主本人は、従業員も加入することになると、適用事業所で使用される者に、事業主の方も入るので、被保険者資格を得られるといる理解は間違っているでしょうか。
○芦田年金局年金課年金制度改革推進官 現行制度上は、個人事業所、個人事業主の場合には、事業主本人は適用にならないという制度になっております。
○菊池座長 個人事業主の場合はならないのですね。
○芦田年金局年金課年金制度改革推進官 はい。
○菊池座長 ありがとうございます。そうなのですね、勉強になりました。
 それでは、これにて全国農業協同組合中央会様と全国農業会議所様からのヒアリングを終了させていただきます。
 元広様、石澤様、黒谷様、本日はお忙しい中、お時間をお取りいただきまして、誠にありがとうございました。
 それでは、最後に、全国水産加工業協同組合連合会様からのヒアリングを行いたいと思います。
 竹葉様、どうぞよろしくお願いいたします。
○竹葉代表理事専務 全水加工連の竹葉でございます。よろしくお願いします。
 資料を御覧ください。まず、1ページ目でございます。
 全水加工連、全国水産加工業協同組合連合会を短く言っておりますが、本組合におきましては、1971年8月に設立されました水産業協同組合でございます。
 会員は、地方の協同組合もしくは協同組合連合会を会員としておりまして、その会員の下に水産加工業者、事業者が会員となっています。会員は、51組合でございます。
 事業の内容としましては、指導事業として、優れた水産加工品を表彰していく品質審査会、こういったことを開催しまして、水産加工品の品質向上、事業者の生産販売意欲、技術の向上、こういったことを目指しております。 また、外国人技能実習制度における水産加工食品製造業の技能実習評価試験を運営しております。
 さらに、制度、予算等、こういった情報等の発信、収集をしております。
 経済事業としまして、会員への原料の供給、会員等の製品を販売しております。
 冷蔵保管事業として、収容能力1万トンですが、塩竈に冷凍冷蔵庫を設けております。原料とか製品の保管をしております。
 この他に、国の補助事業として、東北の復興のための支援事業、また、ALPS処理水の放出によりまして、中国において、我が国の水産物輸入の規制がございましたが、そういったことを受けまして、国内の加工体制の強化支援等を国からの事業を受けまして実施している状況でございます。
 2ページ目をお願いします。
 これは、全国にある会員の位置を示しているものでございます。
 3ページ目をお願いします。
 水産加工業の現状ということで、御説明をさせていただきます。
 水産加工業の役割でございますけれども、水揚げされる水産物、脆弱でございますが、保存性をしっかり持たせて、簡便に食べられる形態にして、消費者もしくは事業者に届けるという重要な役割を担っております。
 下のほうに表が出ておりますが、水産加工業の出荷額としましては、20年の統計でございますけれども3兆4000億円、従業者で約14万人、国内の食用の消費向けにつきましては、約7割が水産加工に向けられています。
 こういったことで、水産加工は漁業とともに車の両輪、水産業を一緒に牽引しているということでございます。
 水産加工業は、漁港等のある地域の基幹産業として雇用と収入の機会を提供しております。
 右のほうの表を見ていただきますと、まず、事業所数、食料品の製造業が3万6000余りでございます。そのうち、水産加工製造業としまして、6,800余りで、約18%を占めています。従業員では12%余りを占めています。出荷額等におきましては約11%を占めているという現状にございます。
 4ページ目をお願いいたします。
 水産加工業の産業構造ということで、水産加工業の経営体の従業員規模別割合が、表の左の上のほうに出ております。1から3人で29.1%、4から9人で21.3%、10から19人で21.4%、20から29人で11.8%、ここまでで大体8割を超えるという現状になっています。非常に零細なものになっております。
 こういったことで下に推移を示しておりますが、小規模の経営体を中心に、減少傾向になっているという現状でございます。
 また、原材料の比率ということで右に表が出ております。食料品製造業は、6割程度が製品出荷額に占めます原材料使用額となっています。水産加工は68.5%と、原料の占める割合が多くなっており、売上高経常利益率におきましても、食料品製造業は1.7%ですが、水産食品製造業は1.1%と、少し厳しい状況となっております。
 5ページ目をお願いします。水産加工業の原料でございますが、国内の漁獲の減少、低迷が続いております。
 水産加工業の主要な原料であります、サンマ、スルメイカ、サケ、サバ等、近年、水揚げが減少、低迷が続いております。これによって価格が上昇している現状にございます。
 また、世界の水産物輸入の状況につきまして、右下のほうに表がありますが、世界各国におけます水産物の消費は拡大してきています。
 また、最近の円安の傾向も厳しいものになっておりますが、水産物の輸入は減少していまして、輸入金額は増加、輸入水産物の価格は高騰しています。買い負け状況が続いていると、そんな状況でございます。
 6ページ目をお願いします。
 水産加工の労働力のございますが、これは国勢調査で、表を掲載しております。平成7年、24万人でございましたが、令和2年では15万人となっています。
 また、年齢構成におきましても水産加工業は高齢化が進んでおりまして、全製造業では9.6%が65歳以上の構成比でございますが、食品製造業は18%と、高齢化が進んでいる状況にございます。
 7ページ目をお願いいたします。
 外国人の技能実習生の受入れ状況でございます。
 水産加工業におきましては、練り製品、缶詰、加熱性の水産加工、非加熱性の水産加工と4つの職種での技能実習生を受け入れています。
 平成30年で2万3000人余り、全就業者の約16%を占めておりました。御存じのようにコロナによりまして減少したのですが、入国制限の解除によって、また2万人程度を超えていると考えております。
 また、技能実習生の国籍につきましては、ベトナム、中国の順となっています。以前は中国が多くなっておりましたが、今はベトナム、中国となっておりまして、中国のほうも結構経済が発展してくると、少なくなってきているという現状と考えております。
 8ページをお願いします。
 水産加工業の直面する課題でございます。
 水産加工製品の製造数量は、人口減少に加えて、価格が高い、調理が面倒などの理由から魚離れも進んでいまして、製造数量そのものは低迷が続いております。
 直面する課題としまして、農林水産省の経営実態調査によりますと、原料確保の困難が、68%、売上高、利益率の低下は64%、生産経費の上昇、従業員の確保難、流通経費の上昇、品質、衛生、環境問題などが課題として挙げられてきております。
 水産加工業におきましては、まとめますと、コロナ禍で経営体力が消耗してきております。そういった中で、原料の不足、原料、資材の高騰、労働力の不足、エネルギー価格の上昇、物流コストの上昇、ALPS処理水の放出に伴う中国による我が国水産物の輸入規制など、水産加工業を取り巻く状況は、非常に厳しい状況になっております。
 続きまして、9ページをお願いします。
 今回厚生労働省さんのほうから話がありまして、被用者保険に関するアンケートを実施いたしました。3月の15から29日で、時間が限られ、短期間でしか実施できなかったという状況でありました。実施の方法はメールでございます。
 回答数としては39社、通常は、こういうのは2か月ぐらいかけて催促しながら回答を集めているのですが、今回は短期間でしたので、あまり多くはなかったと認識しております。
 そのアンケートの結果でございますけれども、まず、アンケートの回答をいただいた事業所の事業規模ですが、50人以下のところが29社、51人から100人が7社、100人以上が3社でございました。
 うちフルタイムで働く常勤従業員の割合ということで、9割以上が25社、8から9割が9社、7から8割が2社、6から7割が1社、6割以下が2社でございました。
 次の10ページをお願いいたします。
 まず、従業員の確保状況につきまして、大変不足しているというのが4社です。不足しているのが26社、適当である、足りているというのが9社でございました。
 短時間従業員の確保状況についてということでお聞きしまして、大変不足しているというのは0社で、不足しているのが15社、足りているというのが24社でございました。
 短期従業員の確保の考え方についてアンケートをした結果でございます。短時間よりはフルタイムで採用したいという社が24社でございます。水産物は、なかなか生の原料でございますので、加工を始めると途中で抜けていくというのは、なかなか難しいと思っております。単短時間従業者でも積極的に雇用したいというのが13社でございました。業務上、短時間従業者のほうが効率的であるというのは0社でございます。地方では短時間従業員のほうが採用しやすく、さらに確保したいは1社です。短時間従業員の希望を優先するというのが1社でございました。
 被用者保険の拡大に対する影響についてということで、複数回答となっておりますが、労使の合意で既に取り入れているので、特に支障はないというのが6社でありました。短時間労働者の意向に沿ったものであれば、対応していきたいというのが16社でございます。小規模事業者では、年金保険の事務手続が複雑で困るというのが7社でございます。労務費のコストアップに影響があるというのが11社でございます。短時間労働者の意向に沿ったものでなければ、労働時間の短縮につながることになり、業務上影響が生じるというのが8社でございました。
 次の11ページをお願いします。
 被用者保険に関する周知・サポートにつきまして、要望を聞きましたところ、自由に記述しているものをまとめております。
 短時間労働者への保険加入の説明時間を省くため、制度の詳しい内容を記載したリーフレット・チェックシート等の周知・広報の拡充してください。
 社会保険等の手続代行サポート、キャリアアップ助成金の相談・申請サポート、また、専門家の方に相談できる環境の充実、こういったものの要望がございました。
 また、コメントを書いていただいているところがありまして、幾つか紹介をさせていただきます。
 配偶者や家族の扶養から外れたくないという方が多い、これは、短時間労働者について、主に聞いております。
 サラリーマンの奥さんが払わなくても年金をもらえるという制度がある限り、受入れ難いのでは。
 保険に加入するにことにより、確たるメリットが伝わらないと、理解が得られない。
 ほとんどの労働者は保険料の負担に対して、拒否反応があると思うし、事業者も同様に保険料の負担は大きいと感じる。
 皆が無期雇用を希望している訳ではなく、一つの会社に縛られたくないと考える人や家庭状況によりそれぞれ事情が異なる。
 取りやすいところから安直に取ろうとするのではなく、社会保険制度の見直しをしていただきたい。
 社会保険労務士に協力してもらい、従業員への説明をしており、特に問題はない。
 こういったようなコメントがございました。
 これらのアンケートをまとめまして、水産加工業におきましては、原料や製造する製品も多種多様でありますし、各地域で漁獲物それぞれの事業者の独自の技術、手法で製品をつくっておりまして、当会としましても、水産加工全体の動向を把握していくのは、なかなか難しいものと考えております。
 基本的には、製造事業者としまして、市場の需要、ニーズに応えて従業員を確保して、安定的に生産していくことが基本でありますし、目指しておりますので、こういった好循環の流れの中で、従業員にも必要な手当、措置はしっかりしていくことが、大切だとは考えています。
 一方で、水産加工業を取り巻く情勢におきましては、お話ししましたとおり、非常に厳しい環境となっております。多くが地方での、小規模な零細な企業でもあり、被用者保険の適用拡大に当たりまして、労務費コストの上昇、事務手続の負担に加えまして、短時間労働者の活用の縮小にならないかなどが、懸念を有しているところでございます。
 こういった観点を踏まえまして、被用者保険の適用拡大に当たりましては、慎重に検討していただけますよう、お願いいたします。
 以上でございます。
○菊池座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただいた内容に関しまして、各構成員の皆様から御質問をお願いいたします。
 松原構成員、どうぞ。
○松原構成員 丁寧な御説明をありがとうございました。
 今回のアンケートは、会員数が51で、回答者数が39社ということは、7割以上が回答してくださったということでしょうか。
○竹葉代表理事専務 当会の組織は、地方の組合が会員であり、その下に各事業者がぶら下がっている形になりまして、全体で2,000社ぐらいとなります。全国6,000社のうちの概ね3分の1程度が傘下の事業者となります。そう多いアンケートではなかったということでございます。
○松原構成員 分かりました。
 どちらにしても人手不足は、日本中そうなので、このアンケートからも明らかに人不足ということなのですけれども、適用拡大または人を募集するときに、社会保険完備と書いてあることが、人を確保するのにメリットと、皆さんはお考えになっているかどうか、お聞きしたいのですけれども、いかがでしょうか。
○竹葉代表理事専務 詳細に、そこの募集のときにどう書いているかというのは、確認はできていないのですけれども、基本的には、やはり人が足りないものですから、まずは来てもらいたいということで、事業者のほうは対応していると思います。それでも地方では、なかなか人が、募集しても来ないというのが現状であると聞いております。
○松原構成員 感覚でいいのですけれども、人を確保するときに、社会保険完備と書けるということがメリットになると感じていらっしゃるかどうかは、いかがでしょうか。
○竹葉代表理事専務 当会としましては、もちろん、製造業者として、しっかり必要な雇用者のお話を聞いて対応していくというのは、基本だと考えております。
○菊池座長 ほかには、いかがでしょうか。
 それでは、佐久間構成員、お願いします。
○佐久間構成員 御説明ありがとうございました。
 全国水産加工業協同組合連合会の会員の分布を拝見しますと、北海道や九州も多く、また、就労者の中では外国人の関係が出ていました。特定技能と、それから技能実習の関係で、人手不足に対応するため、また、国際貢献の観点から技術を持って母国に帰ってもらうとか、あとは人手不足に対応するため必要だと思うのですけれども、この場合はフルタイムでの就労が原則になりますので、社会保険料を払っていると思うのです。
 特に、短時間労働者ですと、日本人では、年末に就労時間を調整をされてしまうということで、この人手不足感というのが、かなりあるのではないかと伺っていました。そのときに事業者のほうからも、やはり人手不足感がかなりあり、厳しいので社会保険料、こういう年金の保険料を負担をしてまでも人材を入れたい、確保したいという声、ここの中でも幾つか出ていると思うのですけれども、社会保険料の負担増は困るという声、どちらのほうのが強いですか。社会保険料を払いたくないということと、それから、人手不足感が強いので、それを払ってまでも、やはり受け入れざるを得ないのではないかという声と、率直にどういう感じでしょうか。
○竹葉代表理事専務 まさに経営が厳しい状況の中でありますので、なかなか割り切れないところはあると思います。人を確保しないといけないというところなので、そこは、やはりしっかりやっていくというのが基本でありますけれども、そういったコストも、できたら今の厳しい現状の中で、もともと事務の負担も、それをする人が、社長さんが、朝、市場に行って買い付けてきて、ずっと作業しているという、総務の部門があまり充実しているわけではないものですから、そういった負担とか、そういったコストアップも今の厳しい中からは、そこも懸念であるという形でございます。そこは、どちらかとまでは言い切れないでございます。
○佐久間構成員 ありがとうございます。
 本当にそういう感じだと思うのです。支援策の関係が出ておりましたけれども、例えば、申請事務が複雑なため、社労士さんに依頼する際、働き改革支援助成金とか、社労士さんに申請事務やコンサルを依頼する際に使用できる助成金の種類があります。専門家にコンサルを依頼するのには、ほかの助成金でも利用できると思うのですけれども、その辺というのは、また社会保険の適用拡大が図られた場合、新たに1つはコンサル費用に使用できる支援策があったほうがいいということになるのでしょうか。
○竹葉代表理事専務 基本的に、どこまで承知しているかというのは、確かにあると思います。
 基本的には、少し経営にゆとりのある人は、しっかりそういったところが活用できているかなとは思いますけれども、経営が少し苦しい人たちのところには、そういったところをなかなか調べ切れていない点もあったりして、そういったところを、もう少し分かりやすく簡単に、国等のほう、もしくは地方の行政の当局から、もっと分かりやすく示していただければと思います。
○佐久間構成員 ありがとうございます。
 やはり行政側のほうの周知というか、使いやすさとか、その辺も事業者に連絡していくということは必要だと思うのです。ありがとうございました。
○菊池座長 ほかにいかがでしょうか。
 特にございませんでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、これにて全国水産加工業協同組合連合会様からのヒアリングを終了させていただきます。
 竹葉様、本日はお忙しい中、お時間をお取りいただきまして、誠にありがとうございました。
 以上をもちまして、本日予定しておりましたヒアリングは終了いたしました。
 全体を通して、追加で何か御発言のある方いらっしゃいますでしょうか。
 よろしいですか。ございませんようですので、本日の議事は、以上で終了とさせていただきます。
 改めまして、本日ヒアリングに御出席賜りました皆様におかれましては、貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。御礼申し上げます。
 それでは、今後の予定につきまして、事務局からお願いします。
○芦田年金局年金課年金制度改革推進官 本日も誠にありがとうございました。
 今後は、第1回でお諮りいたしましたように、3回にわたって実施いたしましたヒアリングの結果などを踏まえまして、議論を進めていただくことになってまいります。
 次回の具体的な議題や開催日程につきましては、追って御連絡申し上げます。
 以上です。
○菊池座長 それでは、これをもちまして第4回「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」を終了いたします。本日は、御多忙の折、お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。お疲れさまでした。