2020年12月24日 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録

日時

令和2年12月24日(木)15:00~
 

出席者

出席委員(19名)五十音順

 ◎分科会長 ○分科会長代理


欠席委員(3名)

行政機関出席者

 鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
 山本史(大臣官房審議官)
 込山愛郎(総務課長)
 吉田易範(医薬品審査管理課長)
 河野典厚(医療機器審査管理課長)
 中谷祐貴子(血液対策課長) 他
 

議事

○総務課長 定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会薬事分科会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。申し遅れましたが、私は総務課長の込山愛郎です。どうぞよろしくお願いいたします。この度、薬事分科会については、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。

 本日の先生方の出欠については、真田先生、半田先生、脇田先生から御欠席との御連絡を頂いております。現在のところ、委員数22名のうち19名の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。

 併せて、事務局に人事異動がありましたので紹介いたします。医薬品・医療機器総合機構医務管理監の山本晴子です。執行役員(新薬審査等部門担当)の田宮憲一です。執行役員(再生医療製品・ワクチン等審査部門担当)の林直治です。

 次に分科会を開始する前に、委員の先生方の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告いたします。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。本分科会においては、会議開催の都度、こちらの薬事分科会規程の適合状況を書面に御署名いただく形で御申告いただく運用を開始させていただいております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告いたします。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただき御負担をおかけしておりますが、御理解を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 また本日のWeb会議に際し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がありますので、御了承いただければと思います。このように、本日はWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について事務局より説明いたします。

○事務局 審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますよう、お願い申し上げます。その後、分科会長から順に発言者を御指名いただきますので、御発言いただく際はマイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言をお願いいたします。なお、発言者が多くなり音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、1度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員についてはメッセージにお名前と御質問がある旨を記入していただきますよう、お願いいたします。事務局又は分科会長からお願いをする場合がありますので、何とぞよろしくお願いいたします。その場合には、記入をされたメッセージに応じて、分科会長より発言者を御指名いただきます。

○総務課長 よろしいでしょうか。本日の議事次第を御覧ください。本日の議題は審議事項が1件、報告事項が7件、その他事項が2件となっております。このうち公開案件が2件、非公開案件が8件です。よろしくお願いいたします。

 それでは橋田分科会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。

○橋田分科会長 橋田です。それでは始めさせていただきます。最初にここまでの事務局からの御説明に対して、委員の先生方から御質問はありませんか。よろしいですか。それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をいたします。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料を御覧いただき、御審議をお願いいたします。資料番号1~2が公開案件に係る議題です。続いて、資料番号3~27が非公開案件に関する議題となっております。資料番号101122については文書報告に係る資料となっておりますので、適宜御確認をお願いいたします。併せて、非公開案件の各議題については議題概要を作成しておりますので、こちらも併せて御参照のほどよろしくお願いいたします。

○橋田分科会長 資料については、よろしいでしょうか。それでは議事に入ります。本日の公開案件は、審議事項1件、報告事項1件が予定されております。審議事項の議題1、資料No.1ですが、「第十八改正日本薬局方()について」です。事務局より御説明をお願いいたします。

○説明者 審議事項、第十八改正日本薬局方()について説明いたします。資料1を御覧ください。1ページ目は日本薬局方の位置付けとして、日本薬局方は、いわゆる薬機法の第41条の規定に基づき、医薬品の性状及び品質の適正を図るために作成されている規格基準書です。法律上、少なくとも10年ごとに全面的な改正を行うこととなっておりますけれども、近年、日本薬局方の改正は5年ごとに全面的な改正を行っております。1ページ目の中ほどから改訂履歴を示しております。初版は明治19年に公示されております。直近の大改正は、平成28年に告示をされております第十七改正日本薬局方です。今回は5年ごとの全面改正に当たり、第十八改正日本薬局方ということになります。

 3ページ目を御覧ください。今回の大改正については、第十八改正日本薬局方作成基本方針に基づき、医薬品医療機器総合機構の日局原案検討委員会において、近年の医薬品流通の国際化、品質管理の多様化を踏まえた対応について、各委員会で計127回にわたり議論が行われました。

 次に、第十八改正日本薬局方改正()の主なポイントについて説明いたします。4ページ目を御覧ください。()通則についてです。通則とは、日本薬局方全般に共通する事項を定めたものです。1.新たに収載する通則34については、本邦ではこれまで、いわゆる新薬を対象としておりました「医薬品の元素不純物ガイドライン(ICH-Q3D)」を、日本薬局方の製剤に適用するという内容です。2.改正する「通則8」ですが、こちらは日本薬局方で用いる原子量を、これまで用いてきた2007年国際原子量表から、2015年国際原子量表によるものとしたという内容です。なお、2015年国際原子量表において、原子量が変動範囲で示される元素の原子量については、従来どおり2007年の国際原子量表によるものとしております。

 次に主な改正のポイントとして、同ページの()一般試験法を御覧ください。一般試験法とは、医薬品各条に共通する試験法、医薬品の品質評価に有用な試験法及びこれに関連する事項を定めたものです。今回の改正においては、新規に1項目が収載され、既存の11項目が改正をされております。

 5ページ目の()を御覧ください。医薬品各条とは、個々の医薬品原薬や製剤の規格を規定しているものです。今回、新規収載品目として、計33品目を収載することを予定しております。33品目の内訳として、化学薬品・抗生物質を27品目、生物薬品3品目、医薬品添加物1品目、生薬等2品目となっております。今般の改正において、引用元の生物学的製剤基準からの削除などに伴い、削除する8品目も踏まえて、局方の収載数は合計で2,033品目となります。横断的な改正としては、631品目の医薬品各条(化学薬品等)について別名削除を行っております。以上が、今回の改正の主なポイントとなります。

○橋田分科会長 ありがとうございました。日本薬局方部会の会長は私ですが、ただいま説明がありましたように、今回5年ぶりに薬局方の全面改正の案を作成させていただきました。それではただいまの御説明に対して御質問、あるいは御意見がありましたら、お願いいたします。

○合田委員 合田ですけれども、よろしいですか。

○橋田分科会長 はい、お願いいたします。

○合田委員 教えていただきたいのですが、3ページ目の開催した委員会の回数が出されていまして、これは平成3012月からの数なのですけれども、これはどうしてスタートが平成3012月から数を数えられたのかを教えていただけますか。

○説明者 5年ごとの改正ということで、第十八改正の基本方針が定められたあと、この大改正に向けてPMDAの原案作成委員会で議論を始めたのが、平成3012月からということで、その回数を通算して数えている状況です。

○合田委員 原案作成要領の完成が、そのもののスタートという具合に読み込むのですか。十八局の。

○説明者 はい、そういうことです。

○合田委員 そういう回数なのですね。分かりました、ありがとうございます。実際には、それより前に審議をスタートしたものが、十八局になって改正と。これは第1追補、第2追補ということを一切含めての改正という認識ですね。

○PMDA PMDAですが、よろしいでしょうか。

○橋田分科会長 お願いします。

○PMDA 合田先生に御質問いただいたところですけれども、こちらの委員会の回数は、第十七改正の第2追補の原案が出た後からの検討委員会の回数になります。

○合田委員 第2追補が、令和元年の6月。

○PMDA 第十七改正第2追補の原案を厚労省にを御報告した後からの委員会について、第十八改正に向けて開催した委員会の回数としています。

○合田委員 第2追補の最終案が出たタイミングですね。

○PMDA はい、そうです。

○合田委員 最初。だから決められた以降の委員会という感じでなされているということですね。

○PMDA そうです。

○合田委員 分かりました。了解しました。

○橋田分科会長 よろしいですか。ほかに御意見、御質問はありますか。よろしいでしょうか。それでは、本件について議決に入ります。ただいま御説明のありました第十八改正日本薬局方()を承認してよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、第十八改正日本薬局方()を承認することといたします。今後、内容の変更を伴わない記載整備による軽微な修正が生じた場合には、その取扱いは分科会長へ一任とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 続いて、報告事項の議題2、資料番号2です。令和2年度第2回医薬品等安全対策部会についてです。事務局より御説明をお願いいたします。

○説明者 資料2、令和2年度第2回医薬品等安全対策部会について御説明いたします。11月6日に開催いたしました医薬品等安全対策部会で、一般用医薬品のリスク区分について御審議いただきましたので、その結果を御報告いたします。一般用医薬品は、リスクに応じて第1類医薬品から第3類医薬品に分類され、販売規制が行われております。当初は、要指導医薬品として販売され、その間に製造販売後調査が行われ、この調査の終了後1年間は第1類医薬品に分類されたあと、その調査の結果等に基づき分類の見直しを行っていくものです。

 第1類医薬品に分類されておりましたロラタジンについては、11月の部会に先立ち、7月に開催された安全対策調査会において、製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討を行いました。安全対策調査会では、第2類医薬品とすることが適当であるとされ、これを踏まえ、11月の部会においてもパブリックコメントの結果も考慮の上、特段異論なく第2類医薬品とすることが適当であると議決されました。その後1119日付けで答申を頂いております。

 ロラタジンについては、来年1月16日をもって第2類医薬品とする告示の改正が予定されております。資料2の御報告は以上です。よろしくお願いいたします。

○橋田分科会長 ありがとうございました。医薬品等安全対策部会長は五十嵐委員ですが、いかがですか。追加等ありましたら、お願いいたします。

○五十嵐委員 特に追加はありません。

○橋田分科会長 委員の先生方から御意見、御質問等ありましたらお願いいたします。よろしいですか。特にないようですので、本件について御確認を頂いたものといたします。以上で公開案件を終了いたします。別室で傍聴されている方におかれましては、退室をお願いいたします。

 それでは、非公開案件の議事に入ります。本日の非公開案件は、報告事項24件、その他事項2件が予定されております。事務局より、担当の部会ごとに区切って説明を頂くことといたします。まず資料3、副作用・感染等被害判定第一・第二部会についてです。説明をお願いいたします。

○説明者 資料3を御覧ください。本部会については、本年8月、9月に持ち回りで、また10月にWebで開催しております。1ページを御覧ください。こちらに、判定結果のまとめを記載しております。4ページ目以降に、各回の判定結果を記載しておりますけれども、今回は1~3ページ目のまとめを基に御説明申し上げます。

 1ページ目の副作用被害判定については、請求等の内訳に記載しておりますとおり、新規338件、継続42件、現況68件、計448件の請求があり、判定を行いました。判定結果といたしましては、「支給決定することが適当であると考えられるもの」が380件です。その内訳については1~3に記載しておりますとおり、全体の約85%が支給対象となっているところです。

 2ページ目ですが、「不支給決定することが適当であると考えられるもの」は68件ありました。その内訳としては、「疾病、障害又は死亡が医薬品の副作用により発現したと認められないため、不支給とすることが適当である」が27件、「判定不能のため、不支給とすることが適当である」が15件等です。副作用・感染等被害判定部会の報告は以上です。

○橋田分科会長 ありがとうございました。副作用・感染等被害判定第一・第二部会長の滝川委員から、追加の発言等はありますか。

○滝川委員 特に追加することはありません。

○橋田分科会長 委員の先生方から御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。全体像としては大きな変化はないということです。よろしいでしょうか。それでは、本件について御確認を頂いたものといたします。

 続いて、資料4~18の医薬品第一部会・第二部会について、説明をお願いいたします。

○説明者 医薬品審査管理課です。医薬品第一部会及び第二部会関係の報告事項について御説明いたします。資料は資料4~18のほか、当日配布をさせていただいております、薬事分科会議題概要(非公開案件)のA4版の横表を用いて御説明をいたしますので、よろしくお願いいたします。

 それではA4横表議題概要の記載の順に沿って御説明をいたします。まず最初に、資料4の「マスーレッド錠5mg、同錠12.5mg、同錠25mg、同錠50mg及び同錠75mg」ですが、モリデュスタットナトリウムを有効成分とするHIF-PH阻害薬で、効能・効果は腎性貧血となっています。こちらは横表のほうの部会での主な意見と回答です。主要心血管イベントの発現状況について御質問があり、この主要心血管イベントのリスクが高い患者が本剤群に多く組み入れられるなど、患者背景の偏りが影響している可能性が考えられる。中には血栓塞栓イベントも含まれており、血栓塞栓症については添付文書で注意喚起を行っており、また製造販売後調査においても、その発現状況について情報収集することとしていると回答させていただいています。

 続いて、資料5の「ソグルーヤ皮下注5mg及び同皮下注10mg」ですが、ソマプシタン(遺伝子組換え)を有効成分とする長時間作用型のヒト成長ホルモンアナログ製剤で、効能・効果は成人成長ホルモン分泌不全症となっております。こちらは部会での主な意見ですけれども、外国人被験者で8mgの投与経験があるものの、日本人被験者では6mgまでの投与経験ということで、用法・用量で最大投与量を8mgまでとした理由の御質問があり、個々の患者の状態により、成長ホルモン補充の必要量に幅があることが知られており、日本人患者でも実際の臨床現場では6mgを超えた投与量が必要となることも想定される等の御説明をして御了承を頂いております。

 続いて、資料6の「ヒュンタラーゼ脳室内注射液15mg」ですが、イデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)を有効成分とする、ムコ多糖症Ⅱ型の治療薬です。当日の議論ですが、製造販売後調査における長期的な評価について、どのくらいの期間が必要と考えているかという御指摘があって、最大9年間を想定している旨を回答させていただいています。

 続いて2ページ目です。資料7の「エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター及び同皮下注120mgシリンジ」です。ガルカネズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする、ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤で、効能・効果は片頭痛発作の発症抑制となっております。こちらは当日の議論ですが、頭痛の診療に精通した医師の下での使用が必要と考えるため、適切な医師要件が必要ではないかとの御指摘があり、専門医資格に準ずる要件を満たすよう、このあと御説明いたします最適使用推進ガイドラインにおいて、医師要件を定める予定と回答させていただいております。

 続いて、資料8の「ジムソ膀胱内注入液50%」です。ジメチルスルホキシドを有効成分とする膀胱内の注入液で、効能・効果は間質性膀胱炎の諸症状の改善となっています。こちらは当日の議論ですが、非ハンナ型と診断するために、膀胱水圧拡張術の実施が必要となるが、治験における非ハンナ型集団の結果に、診断時の膀胱水圧拡張術が影響した可能性はないのかとの御質問を頂き、治験の除外基準に6か月以内に膀胱水圧拡張術を受けた患者が設定されていたことから、過去に実施された膀胱水圧拡張術の治験の結果への影響はなかったものと考える旨の回答をしています。ここまで御紹介した5品目については、本年12月2日に開催された医薬品第一部会において御審議を頂き、承認して差し支えない旨の結論を頂いています。

 続いて、資料9の「エドルミズ錠50mg」です。アナモレリン塩酸塩を有効成分とするグレリン様作用薬で、効能・効果は下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんにおけるがん悪液質となっています。本品目は、昨年8月の医薬品第一部会で国内外の臨床試験で示された本薬のベネフィットリスク及び本薬の投与対象について、実施済みの臨床試験成績等を再度整理した上で、本薬の承認の可否等について改めて御審議いただくことが適切とされ、昨年8月の時点で継続審議となっています。その後、本年12月の医薬品第一部会において、添付文書における注意喚起等の安全対策、本剤の有効性、臨床的意義並びに本剤の適正使用を推進するための方策について、改めて検討した内容及びその新たな対応を説明させていただき、また、がん治療及び緩和医療の専門家からも、臨床現場における本剤の臨床的意義や必要性について御意見を頂き、医薬品第一部会において承認を可とするとの御判断を頂いています。

 主な御質問とその回答については、こちらの横表に記載のとおりです。EMAのネガティブオピニオンを踏まえた上で、国内臨床試験で認められた除脂肪体重(LBM)1.56kgの差について臨床的意義をどう考えるかと御質問があり、プラセボ群ではLBMのベースラインから減少したが、本剤群ではそれが増加していること、外国人と日本人のベースライン時に対するLBMの変化量の大きさを考慮すると、国内臨床試験で認められた変化量は、本邦においては一定の意義があると考える。また、臨床現場においては食欲を改善することは意義があり、筋肉量を増加させることは手術及び化学療法の合併症等が減るとの報告もあると回答させていただいています。

 また、2点目の体重増加又は食欲改善が認められない場合、投与開始3週間をめどに原則中止することとしているが、LBMを指標としていないのはなぜかという御質問があり、通常、診療においてLBMを見ていないことから、添付文書における投与中止の指標としては、体重と食欲としたと回答しています。

 また、3点目の中止の基準に用いている食欲に関しては、バリデートされていないことから、客観的な指標を用いるべきと考えるという御指摘に対しては、現時点でがん悪液質に対する薬効の強弱を判定する確立した尺度はない。全例調査の中で食欲も含めた各がん悪液質に関する項目を確認し、得られた情報を踏まえ、適宜臨床現場に情報提供する予定であると回答しています。

 4点目のポツの臨床試験において、PS3以上でも安全に投与ができていたかという御指摘に対しては、投与期間中にPS3以上になった患者でも12週間投与されており、PS2以下で維持した患者と比較して、臨床的に問題となるような安全性の違いは認められなかったと回答しています。

 最後に5点目は、国内第Ⅲ相試験及び海外の第Ⅲ相試験の試験成績が得られた段階で機構に報告することとなっているが、どのような状況かという御指摘があり、現在COVID19の影響で○○○○○○○○、○○○○○○○○○○○○○旨の御報告をさせていただいています。こちらの品目については、1211日に開催された第一部会において、承認して差し支えない旨の結論を頂いています。

 続いて、資料10の「オラデオカプセル150mg」です。ベロトラルスタット塩酸塩を有効成分とする血漿カリクレイン阻害剤で、効能・効果は遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制となっています。

 続いて資料11の「カルケンスカプセル100mg」です。アカラブルチニブを有効成分とするブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤で、効能・効果は再発又は難治性の慢性リンパ性白血病となっています。こちらは部会での御指摘として、対照群との比較において二次性の悪性腫瘍の発現割合が高く、添付文書においてはその他の注意ではなく、副作用としての注意喚起が必要ではないかとの御指摘があり、この御指摘を踏まえ、添付文書における注意喚起をしています。

 続いて資料12の「生物学的製剤基準の一部改正について」は、「経口弱毒生ロタウイルスワクチン」と、「不活化ポリオワクチン」の規定において、海外との整合性を保つための改正をしています。以上の2品目と改正1件については、1030日に開催された医薬品第二部会において御審議を頂き、承認して差し支えない旨の結論を頂いています。

 続いて、資料13の「ヌーイック静注用250、同静注用5001,0002,0002,5003,000及び4,000」です。シモクトコグ アルファ(遺伝子組換え)を有効成分とする、遺伝子組換え型の血液凝固第Ⅷ因子製剤で、効能・効果は血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制となっています。こちらは当日の議論ですが、既に第Ⅷ因子製剤が複数存在する中で、本剤はどのような位置付けとなるのかとの御質問があり、第Ⅷ因子製剤における治療選択肢の1つとしての位置付けとなると回答しています。また、他の第Ⅷ因子製剤でインヒビターが発生した場合、本剤は使用できるのかとの御質問があり、通常インヒビターが発生した患者への使用は推奨されないと考えられると回答しています。

 続いて、資料14の「リンスパッド点滴静注用1000mg」です。乾燥濃縮人α-プロテイナーゼインヒビターを有効成分とする、乾燥濃縮人α-プロテイナーゼインヒビターで、効能・効果は重症α-アンチトリプシン欠乏症となっています。こちらは当日の議論ですが、対象疾患において症状が発生しないよう、予防的に本剤を投与できるのかという御質問があり、対象疾患は診断に至るまでに症状の経過観察や他の疾患との鑑別などの多くの段階を経ることから、呼吸器症状のない患者への本剤投与の必要性は、患者の状況を見つつ検討されることになるものと考えると回答しています。

 続いて、資料15の「アルンブリグ錠30mg及び同錠90mg」です。こちらはブリグチニブを有効成分とするチロシンキナーゼ阻害剤で、効能・効果がALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんとなっています。こちらは当日の議論ですが、海外第Ⅲ相試験において対照群であるクリゾチニブ群と比較して、本剤群で無増悪生存期間については延長が認められた一方、全生存期間については延長が認められなかったのはなぜかとの御質問があり、こちらは、後治療等による影響が考えられると回答しています。また用法・用量の設定根拠について御質問があり、海外の第Ⅰ/Ⅱ相試験において、本剤1日1回180mg投与の忍容性が確認されたものの、投与開始初期に発症する肺関連有害事象を考慮して、海外の第Ⅲ相試験における用法・用量では1日1回90mgを7日間投与後、1日1180mg投与とされた。その結果、海外第Ⅲ相試験において本剤の臨床的有用性が示されたため、この投与方法を用法・用量として設定することとしたと回答しています。

 次に資料16の「生物学的製剤基準の一部改正について」ですが、こちらは「乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン」及び「乾燥組換え帯状疱疹ワクチン」の規定において、所要の改正を行うとともに、先ほど御紹介した、乾燥濃縮人α1-プロテイナーゼインヒビターの規定を追加する改正となっています。以上3品目と改正1件については、本年12月4日に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論を頂いています。

 続いて資料18の「希少疾病用医薬品の指定について」御説明します。資料18の2ページ目に、今回、希少疾病用医薬品に指定する品目の一覧がありますが、2~3ページ目に記載されている12品目に関して指定の可否が審議されました。これらの品目については、本年10月及び11月の医薬品第一部会並びに医薬品第二部会で御審議いただき、希少疾病用医薬品として指定して差し支えないとされましたので、こちらの表の一番右にありますとおり、既に11月に指定をしているものと指定手続中のものがあります。

 部会の審議品目についての報告事項は以上ですが、今回部会に報告した品目に最適使用推進ガイドラインを作成する品目がありましたので、ガイドラインについて御説明します。

○説明者 資料17-1の最適使用推進ガイドラインについて、ガルカネズマブを御覧ください。先ほど品目の内容は御説明しましたが、エムガルティの最適使用推進ガイドラインになります。2ページめくっていただきますと、枠内に対象となる効能・効果、用法・用量を記載していますが、効能・効果は先ほど御説明しましたが片頭痛発作の発症抑制、また、用法・用量は成人用量が定められていて、通常初回240mgを皮下投与し、その後は1か月間隔で120mgを皮下投与と定められています。このガイドラインについては効能・効果に基づいて、日本神経学会及び日本頭痛学会の協力の下作成しています。

 続いて3ページ以降に臨床成績を示しています。主要な成績だけ御紹介しますが、5ページの()国際共同第Ⅲ相試験を御覧ください。他剤で効果不十分な反復性片頭痛又は慢性片頭痛患者を対象に、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験としてこの試験が行われ、本剤投与群でプラセボ群に比べて主要評価項目であるMHD、これは片頭痛又は片頭痛の疑いが起こった日数ということですが、この主要評価項目において有意差が認められたという結果になっています。

 続いて、施設要件の御説明をいたします。9ページを御覧ください。本剤の投与に際しては、投与が適切がどうかの鑑別、重篤な副作用が発現した際に適切な対応が取れるかどうかということで、1.~3.の施設要件を定めています。その1.の中に記載している医師要件として、2年の初期研修に加え、頭痛を呈する疾患の診療に4年以上の臨床経験を有していることと定めています。

 次の10ページを御覧ください。投与対象となる患者です。患者選択に当たっては、我が国で既承認の発症抑制薬を少なくとも1つ検討し、効果が十分に得られない等の理由で使用できないことを確認するなど、そこに記載されている1番~4番の全ての要件を満たす患者であることを求めています。また、投与の継続中止ですが、先ほど御説明したとおり月に1回の投与ですので3回投与する、すなわち3か月を目安にこの治療上の有益性を評価して、その時点で症状の改善が認められない場合には、投与中止を考慮することということも記載しています。

 このガイドラインについては、12月2日の医薬品第一部会において、委員の先生方より2点コメントを頂いています。1つは日本医学会に所属する脳神経血管内治療学会にも、このガイドラインの内容を確認いただいたほうがよいのではないかということ、それから2点目は先ほどの資料7で御説明しましたが、専門医に準ずる資格を先ほど御紹介した医師要件の中に加えたほうがよいのではないかという御意見を頂いています。現在新しい学会も含めて、改めて学会の先生方と相談をしているところですが、それらの意見も反映した上で、最終的には薬価収載のタイミングで通知を発出することとしています。説明は以上です。

○説明者 続いて資料17-2の「オプジーボ点滴静注20mg他3規格」に関する最適使用推進ガイドラインとなります。オプジーボ点滴静注20mg他3規格については、令和2年1030日に開催された医薬品第二部会において、非小細胞肺がんに係る効能における、化学療法未治療患者に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用の用法・用量の追加に関する製造販売事項一部変更承認について報告いたしました。その承認に合わせ、最適使用推進ガイドラインの改正を同日付けで発出しています。

 続いて、同じく資料17-3の「テセントリク点滴静注1,200mg」です。こちらも最適使用推進ガイドラインの案で、本剤につきましては12月4日に開催された医薬品第二部会において、非小細胞肺がんに係る効能における化学療法未治療のPD-L1陽性患者に対する単独療法の用法・用量の追加に係る製造販売事項一部変更承認について報告しており、こちらの承認に合わせて最適使用推進ガイドラインの改正をする予定です。

 最適使用推進ガイドラインの最後は、資料17-4の「オルミエント錠4mg及び同錠2mg」です。こちらは12月4日に開催された医薬品第二部会において、アトピー性皮膚炎を効能・効果とする製造販売承認事項一部変更承認の可否について御審議を頂き、承認して差し支えないとされましたので、併せて最適使用推進ガイドラインの作成をしています。既にアトピー性皮膚炎に対し、生物製剤の最適使用推進ガイドラインを作成していて、臨床的な位置付けが同じような薬剤になりますので、同じような構成でこちらのガイドラインの作成をしています。

 簡単に御説明しますと、4ページから臨床試験成績を記載しており、5ページにその結果を記載しています。本剤の必要な施設等の要件ですが、10ページで具体的に記載の3要件を満たす施設において使用するべきとしています。また12ページに投与対象となる患者を記載していて、患者選択の要件については、アトピー性皮膚炎の確定診断がなされていることや、既存治療に効果不十分であることなどが確認されることとしています。またその下に、投与継続の取扱いについて記載していて、投与開始後8週間までに治療反応が得られない場合、本剤の投与を中止することとしています。

 最後の13ページに、投与に際して留意すべき事項として、添付文書等で注意喚起されている内容を入念的にガイドラインでも記載しています。本ガイドラインですが、本剤の効能追加の承認日とともに、通知として発出する予定としています。こちらで最適使用推進ガイドラインの報告は以上となりまして、医薬品第一部会・第二部会の報告は以上です。

○橋田分科会長 ありがとうございました。それでは医薬品第一部会長の杉委員から、追加の御発言がありましたらお願いします。

○杉委員 特に追加はありません。

○橋田分科会長 ありがとうございます。医薬品第二部会長は清田委員ですが、御追加はいかがでしょうか。

○清田委員 特にありません。

○橋田分科会長 ありがとうございました。ただ今非常に多くの品目、項目、製造販売承認が13品目、それから希少疾病用の医薬品の指定、あるいは最適使用推進ガイドラインとたくさん内容がありましたけれども、順不同で結構ですので、委員の先生方から御質問あるいは御意見がございましたらお願いします。

○松本委員 日本医師会の松本です。資料9ですけれども、エドルミズ錠50mgのことですが、これも医薬品第一部会においても2019年8月29日の審議から1221日までいろいろな意見が出されて長く掛かり、このたび効能・効果は小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんにおけるがん悪液質ということになりましたが、いろいろな意見が出されています。止め時がなかなか分かりづらくなっています。どのように続けて使うことになっているのか、止め時がどう議論されているのかと、お願いしたいです。

○橋田分科会長 お願いしてよろしいですか。お答えください。

○説明者 事務局より御説明します。臨床試験で得られた結果を踏まえて、本剤投与により体重増加又は食欲改善が認められない場合、投与開始3週後を目途に原則中止することが適切であると考えており、その旨を添付文書の用法・用量に関連する使用上の注意の項に明確に記載することといたしました。また、経口投与が困難になった場合にも投与が中止されるものと想定されます。

○橋田分科会長 いかがですか。

○松本委員 分かりました。

○橋田分科会長 よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見等ありましたらお願いします。

○望月委員 望月です。資料7のエムガルティ皮下注についてですけれども、最適使用推進ガイドラインもできて、正しい患者を選び専門性の高い医師が使うということになっていますが、医薬品リスク管理計画がある中で製造販売後のデータベース調査を心血管イベントについて行うことになっているのですが、具体的にどういうデータベースをお使いになって、どういうデザインで行うとかが分かっていましたら教えていただきたいのです。

○説明者 事務局より回答します。すみません、今手元にその資料がありませんので、後ほど回答することとしたいと思います。

○望月委員 はい、分かりました。

○PMDA すみません、PMDAから回答させていただきます。この件についてはまだ検討中で、具体的なデータベースとして何を使うかは決まっていません。

○望月委員 結局検討した結果できないということにならないかなと、ちょっと心配だったので御質問しました。

○橋田分科会長 よろしいでしょうか。では改めて御回答いただくということでよろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。品目もたくさんありますし。今、佐藤先生からコメントが来ているようですので、代読していただきます。

○審議会係 事務局より佐藤先生から頂いたコメントを代読します。「エムガルティの最適使用推進ガイドラインですが、表1、表4の最終行に群間差の信頼区間が書かれています。最初の数字3.83.9にマイナスが抜けているように思います」とコメントを頂いています。

○説明者 すみません、誤記かと思いますので、最終的に通知を発出する際には修正させていただきます。 

○橋田分科会長 御指摘ありがとうございました。ほかにいかがですか。それぞれ部会で御議論いただきまして、まとまった審議結果を本日御報告いただいたということになっています。ほかはよろしいでしょうか。それでは以上の件については、御確認を頂けたということにいたします。続いて資料1922、医療機器・体外診断薬部会についてです。御説明をお願いいたします。

○説明者 事務局です。医療機器・体外診断薬部会について御報告します。資料番号1922に当てはまるものです。まずは資料番号19、「Cellex ECPシステム」の製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否についてです。本品はステロイド抵抗性又は不耐容の慢性移植片対宿主病に対する体外フォトフェレーシス治療に使用される医療機器です。部会での主な意見の1つとしては、国内臨床試験の組入れ人数の妥当性について質問がございました。これに対しては、本品の対象疾患等を考慮した上で組み入れられており、手続についても適切に対応されている旨回答をしております。本品は審議の結果、承認することが適当との審議結果を頂いております。また使用成績評価の指定については不要との審議結果を頂いております。

 続きまして、資料番号20、医療機器「Harmony経カテーテル肺動脈弁システム」の希少疾病用医療機器の指定の要否についてです。本品は被覆布の付いた自己拡張型ステントの中心に、ブタ心嚢膜由来の生体弁を縫着した経カテーテル肺動脈弁で、右室流出路への外科的修復又はカテーテル的インターベンションの既往があり、肺動脈弁置換が臨床上必要とされる重度肺動脈弁逆流症の患者に使用することを想定しております。部会では、対象患者数、医療上の必要性、開発の可能性の3つの要件を満たしており、希少疾病用医療機器として指定して差し支えないとの審議結果を頂いており、1217日付けで既に指定しております。

 続きまして、資料番号21、医療機器「エドワーズサピエン3」の使用成績評価の指定の要否についてです。本品はウシ心嚢膜由来の経カテーテル生体弁とデリバリーカテーテルから構成される製品です。今般、大動脈弁位の適応について、初回承認時に適応から除外されていました慢性透析患者の適応を追加する一部変更承認申請がなされております。本品の有効性及び安全性は、国内で実施された臨床試験の成績等に基づき評価されていますが、当該試験は症例数及び観察期間が限られており、本邦での実臨床使用下における長期的な有効性、安全性は確認されていないことから、使用成績評価の対象とすることが適当との審議結果を頂いております。

 続きまして、資料22、医療機器「Surpass Streamlineフローダイバータシステム」の使用成績評価の指定の要否についてです。本品は破裂急性期を除く、ワイドネック型で大型又は巨大な内頸動脈内動脈瘤に対する血管内治療に使用されるフローダイバータシステムです。本品と同等の構造・原理を有し、同じ使用目的で使用される既承認品が2品目上市されており、現在、使用成績評価期間中であることから、本品についても使用成績評価の対象とすることが適当との審議結果を頂いております。以上です。

○橋田分科会長 医療機器・体外診断薬部会長は荒井委員ですが、追加の御発言等はございますでしょうか。

○荒井委員 特に追加等はございません。

○橋田分科会長 ありがとうございます。委員の先生から御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。いかがですか。よろしいでしょうか。特にないようですので、本件について御確認を頂けたものといたします。

 続きまして、資料2324ですが、再生医療等製品・生物由来技術部会についてです。御説明をお願いいたします。

○説明者 12月3日に開催されました、再生医療等製品・生物由来技術部会で議論された品目について御報告いたします。議事概要の横表にしたがって御説明させていただきます。議事概要の7ページを御覧ください。資料23、再生医療等製品「イエスカルタ点滴静注」の製造販売承認の可否、条件及び期限の要否、並びに再審査期間の指定の要否について御説明いたします。本品は遺伝子組換えレトロウイルスベクターを用いて、B細胞の表面抗原であるCD19を特異的に認識するキメラ抗原受容体、CARと略しますが、CARの遺伝子を患者由来のT細胞に導入した再生医療等製品です。適応疾患は「再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換濾胞性リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫」です。

 部会での主な意見としては、海外で無効な例が数例あるが、無効な患者の特徴について把握しているのか、又は奏効率によって真のアウトカムである死亡までの期間を含めて評価できているのかについて御質問がございました。無効例の患者の特徴は、現時点では明らかとなっておらず、引き続き情報収集していること。またCR(完全奏効)、PR(部分奏効)、PD(無効)のOS中央値は、CRでは推定不能、PRは7.7か月、PDは4.9か月であり、サロゲートである奏効率が真のエンドポイントであるOSとも矛盾しない結果を示しており、奏効率による評価に問題はない旨回答をし、御了承いただいております。

 また、キムリアはアフェレーシス産物の採取後凍結が必要だが、本品は2℃~8℃で輸送後に凍結となっている。この違いにより、現場の使用での問題は起こらないのかについて御質問がございました。温度管理の違いは製品特性によるものであり、現場での取扱いはマニュアルなどを用いて適切に情報提供する旨回答し、御了承いただいております。本品は10年間の再審査期間を付与した上で、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。

 また本品イエスカルタについては、最適使用推進ガイドラインを作成しておりますので、御説明させていただきます。資料24を御覧ください。最適使用推進ガイドラインは医薬品で行われている取組にならい、試行的に作成するもので、新規作用機序の再生医療等製品について、最適な使用を進めていくために、当該再生医療等製品を真に必要とする患者や、使用する医師や医療機関の要件等についてお示ししようとするものです。ガイドラインの案については、現在、一般社団法人日本血液学会、一般社団法人日本輸血・細胞治療学会、一般社団法人日本造血細胞移植学会、日本血液疾患免疫療法学会、日本遺伝子細胞治療学会、公益社団法人日本臨床腫瘍学会の6学会の御協力を頂きまして検討しているところですが、本分科会の委員からも御意見、御指摘がございましたら、それを含めて検討させていただきたく、案をお示しするものです。

 具体的な要件について御説明いたします。12ページを御覧ください。「4.施設について」ですが、まず4つの施設の要件を示しています。()として、日本造血細胞移植学会が定める移植認定施設のうち、カテゴリー1又はそれに準ずる施設として、医師や看護師の配置が充実している診療科で治療を行うこととしております。()として、本品は投与後に重篤な副作用が発現する可能性が高く、ICUにおいて集学的対応が必要とされることから、ICU等を有していることを要件としております。()はアフェレーシスを安全に行うための要件です。()は、本品は承認後に全例調査を予定されておりますので、それを適切に行うための要件です。

 次の1.-2に医師の要件が記載されております。こちらもリンパ腫の専門的知識や診療経験を重視し、更に製造販売業者が実施する本品の使用に関する講習を修了した医師が複数名配置されていることを要件として求めています。また複数名の医師のうち、1人は治療の責任者として、()()までの要件全てを満たす人を責任者として配置することを求めています。

 次に、14ページの「5.投与対象となる患者」を御覧ください。ここは有効性に関する事項の1.では治験の組入れ基準に、2.では治験の除外基準に該当する患者の要件を主に記載しております。ここで2.の6ポツ目に、自家造血幹細胞移植に適応がない再発の患者で、化学療法歴が1ラインのみの場合を除外基準として記載しております。これはガイドライン作成検討会において、構成員より再発の場合は化学療法が奏効する可能性があること、また治験時の投与対象と合わせるべきという観点からの御意見がありましたことを踏まえ、記載しております。安全性に関する事項の、1.には添付文書の禁忌に該当する事項を、2.には治験での除外基準に該当する患者を記載しております。

 次に、16ページの「6.投与に際して留意すべき事項」を御覧ください。ここには添付文書の重要な基本的注意の欄を基に記載しております。特に3.の2ポツ目、サイトカイン放出症候群(CRS)への処置については、こちらの表12に示しますアルゴリズムにのっとって、3ポツ目、神経系事象への処置については、表13に示しますアルゴリズムに則って管理することが重要ですので、添付文書よりも詳細な記載としております。最適使用推進ガイドラインの今後としては、医薬品と同様に保険適用上の留意事項としての活用を検討いただくこととしております。説明は以上です。

 次に、2ページ目にお戻りください。四角枠で囲まれた箇所を御覧ください。ここは本品イエスカルタ点滴静注の承認事項を書き写しております。対象となる効能・効果又は性能において、「ただし、以下のいずれも満たす場合に限る」とし、「CD19抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない」ことを条件としております。一般にCD19抗原を標的としたCAR T細胞治療の後に再発した腫瘍では、CD19抗原が消失している可能性があるため、CD19抗原を標的としたCAR T細胞治療歴のある患者に対して、本品の投与は推奨されないと考えられることから、当該記載を行っているところです。一方で、当該記載はCD19抗原を標的としたCAR T細胞治療製品の1品目目でありますキムリア点滴静注においては、この記載がなされていないところです。つきまして、現在キムリアの製造販売業者であるノバルティス社と相談を行っており、キムリアにおいても効能・効果又は性能、あるいは最適使用推進ガイドラインの記載について適切に対応することを予定していることを御報告いたします。説明は以上です。

○橋田分科会長 再生医療等製品・生物由来技術部会長は合田委員ですが、何か追加の御発言等はございますでしょうか。

○合田委員 ありません。

○橋田分科会長 ありがとうございました。ただいま新しい再生医療等製品とそれに対する最適使用推進ガイドラインについて御説明を頂きましたけれども、御質問あるいは御意見等がございましたらお願いいたします。CAR T細胞療法ということですので、先行する医薬品とのいろいろな整合性の調整ということも御配慮いただいているということです。よろしいですか。それでは、本件につきまして御確認を頂けたものといたします。

 続きまして、資料25、「指定薬物部会について」御説明をお願いいたします。

○説明者 指定薬物部会について御報告いたします。資料25を御覧ください。令和2年度第2回指定薬物部会が令和2年1118日に持ち回り審議により開催されております。同部会では、カンナビノイド系1物質とオピオイド系2物質の計3物質について、指定薬物に指定するか否かを御審議いただいており、いずれの物質についても指定薬物とすることが適当であると判断されております。これを受けて部会で御審議いただきました3物質については、令和2年1119日に指定薬物に追加する省令を公布し、同年1129日に施行しております。指定薬物に指定した物質の名称、構造式は資料25ページの2ページ以降に記載しております。報告は以上です。

○橋田分科会長 指定薬物部会長の鈴木委員、何か追加の御発言等はございますでしょうか。

○鈴木委員 鈴木でございます。追加等はございません。

○橋田分科会長 ありがとうございました。委員の先生方から御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。今回は3化合物を指定するということです。よろしいでしょうか。それでは本件につきましても御確認を頂けたものといたします。

 続きまして、資料26、「動物用医薬品等部会について」です。御説明をお願いいたします。

○説明者 農林水産省から御報告いたします。資料26を御覧ください。まず、表紙を用いて御説明いたします。動物用の生物学的製剤につきましても、ヒト用の生物学的製剤と同様に、医薬品医療機器等法に基づきまして製剤基準を定めているところです。今般、既存の基準の一部改正及び新たな製剤の基準の追加を行います。資料のように各条の一部を改正するものが2製剤、製剤のシードロット化に伴い各条を追加するものが1製剤です。まず、各条の一部を改正するものですが、資料下のページ番号で1ページ目を御覧ください。豚オーエスキー病(gⅠ-、tk-)生ワクチン(シード)の基準につきまして、本文に記載のある疾病の名称変更に伴い改正するものです。

 次に、10ページを御覧ください。こちらは豚大腸菌性下痢症不活化・クロストリジウム・パーフリンゲンストキソイド混合(アジュバント加)ワクチン(シード)の基準につきまして、承認事項変更申請がございましたので、それに伴い力価試験の試験方法等の記載内容を変更するものです。

 続きまして、製剤のシードロット化に伴い各条を追加するものが1製剤ございます。飛びまして58ページを御覧ください。猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症2価・猫汎白血球減少症・猫白血病(猫白血病ウイルス由来防御抗原たん白遺伝子導入カナリア痘ウイルス)・猫クラミジア感染症混合ワクチン(シード)の基準です。新たに本製剤につきまして、定義、マスターシードから小分製品までの製法、各段階での試験法、貯法及び有効期間について規定しております。以上御報告いたします。

○橋田分科会長 動物用医薬品等部会長は山田委員です。何か御追加等ございますでしょうか。

○山田委員 私からは特にございません。

○橋田分科会長 ありがとうございました。ただいま、動物用生物学的製剤基準の一部改正ということで御説明を頂きました。何か御質問あるいは御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件につきましても御確認を頂けたものといたします。ありがとうございました。

 続きまして、その他事項に入ります。最初は資料番号27、再生医療等製品「ゾルゲンスマ点滴静注」の事案を踏まえた対応についてです。事務局より御説明をお願いいたします。

○説明者 資料番号27、再生医療等製品「ゾルゲンスマ点滴静注」の事案を踏まえた対応につきまして、御報告いたします。資料はマイプライベートファイルにお戻りいただいて、08のその他のフォルダの資料27番です。

 1枚目の事案の概要を御覧ください。12月3日に開催された第2回再生医療等製品部会において、本件について議論いたしましたので、その報告になります。左上の事案の概要ですが、本年3月に承認されたノバルティスファーマ社のゾルゲンスマに関しては、先駆け審査指定の対象であるにも関わらず、約1年4か月の審査期間を要し、再生医療等製品部会において、データ操作を含めた企業の不適切な対応に関する再発防止策及び今後の制度的な対応に関して検討が求められておりました。本件については、薬事分科会においても同様の指摘を頂いておりました。

 まず、本件を踏まえた制度的な対応については、1ページ目の資料の下の矢印を御覧ください。本資料の下の矢印にあるとおり、本年8月に通知した薬機法改正に伴う先駆的医薬品等の運用に関する通知において、対応を行っております。当該通知においては指定・取消要件の追加として、従来の要件である申請時の内外比較に加えて、承認時点での内外比較、企業側事由による実用化の大幅な遅延などが生じた場合にも、指定の取消を可能といたしました。また、問題事案の次回指定の反映として、指定時に開発計画の妥当性について確認を行う中で、今回のノバルティスファーマ社のように過去に問題のあった事案の申請者に対しては、再発防止策が講じられるまでの間は指定しないよう対応することといたしました。

 一方で、本資料の右側の矢印を御覧ください。今般、ノバルティスファーマ社から提出のあった再発防止策の会社としての対応の案の概要です。同社では本件の事案の原因として、海外本社においては、導入品に関する信頼性確認体制が不備であったこと、また日本法人の体制の脆弱さがあったこと、日本法人と本社との連携体制の脆弱さによって、データ改ざんを発見できなかったことや、国内での当該情報の入手報告の遅延及び迅速審査への対応遅延につながったと分析しております。

 同社ではそれらへの対応として、以下の対応を行うこととしております。本社の導入品に関する信頼性確認体制の構築。次に日本法人としての対応として、迅速審査に対応できる体制を確保した上で、承認申請の意思決定を行うこと。また承認申請資料の信頼性を確認する手順を構築すること。さらに日本法人と本社との連携強化として、日本法人と本社が連携して迅速審査に対応できる体制を構築すること。また申請データの信頼性等の問題を迅速に社内で共有し、各国の規制当局に報告する手順を構築することとしております。

 これらをまとめた文書案とその概要については、資料27の2ページ以降に付けております。12月3日に開催された再生医療等製品部会においては本資料を基に議論を行い、文書に大きな修正が必要な意見はありませんでしたが、用語の意味が不明確な箇所について修正するよう意見を頂き、修正内容の確認について部会長に一任とされ、その後に修正がなされ、部会長に確認いただいたものを今回の資料としてお配りしております。

 また、部会でのこのほかの意見としては、遺伝子治療用製品ではベンチャー企業を買収して開発が行われるケースが多く、今回のようなデータの信頼性あるいは迅速審査への対応遅延といったケースは今後も起こり得るのではないかという御指摘もございました。ベンチャーからの買収などを行った企業は、ノバルティスファーマ社の事例を教訓に、データの信頼性の一層の確保を図ることが求められます。また、審査当局においても、引き続き様々な機会を通じて事業者への規制の遵守を指導してまいります。また、先駆的製品の指定に関する通知の趣旨につきましても、企業との指定に関する相談の機会などを通じて適切に周知を図っていきます。再生医療等製品部会での本件の議論の報告は以上になります。本分科会でも、更に御意見がございましたら御指摘を承りたいと思います。よろしくお願いします。

○橋田分科会長 再生医療等製品・生物由来技術部会長は合田委員ですが、何か御追加等はございますでしょうか。

○合田委員 特に追加はございません。

○橋田分科会長 ゾルゲンスマ点滴静注の事案ということです。これは、この薬事分科会でも御意見を頂いたところですが、今、こういう形で御整理いただきました。これについて御意見あるいは御質問がございましたら、よろしくお願いいたします。開発会社のノバルティスファーマ社においては、いろいろな局面で不適切な対応もあったということだと思います。それを再発防止策という形でまとめていただいたということです。規制側からしても、薬機法の体制あるいはそういう面からの検討もするということです。

○佐藤委員 これは薬機法を改正しても、今から取消ということはできないのでしょうか。

○説明者 事務局より回答します。ゾルゲンスマについては薬機法改正前の先駆け再生医療等製品指定の通知に基づいて指定しており、法改正前の通知に基づいて取り扱うこととなっていることから、指定の取消要件には合致しないものとなります。

○佐藤委員 分かりました。これだけノバルティスファーマ社から齟齬があったということが報告されているわけですから、ノバルティスファーマ社が自ら取り下げるという対応はできないのでしょうか。

○説明者 ゾルゲンスマ点滴静注用については、製造販売承認がなされておりますが、先駆け制度の趣旨が迅速に承認を行うためのものであることから、承認後の指定あるいは指定取消は議論の対象にはならないと考えます。

○佐藤委員 そうすると、薬価の先駆加算はどうなるのでしょうか。

○説明者 薬価の議題については、中央社会保険医療協議会において議論がなされるものと承知しております。

○佐藤委員 それは先駆加算がなくなるという了解でよろしいのですか。

○説明者 なくなるということではなくて、薬価については中医協において議論がなされるものという審議会の建付けとなっております。

○橋田分科会長 いかがでしょうか。何か追加の御説明でもありましたらお願いしたいと思います。

○機器課長 医療機器審査管理課長です。ご質問ありがとうございます。本件、ノバルティスファーマ社は先駆け品目にも関わらず遅延が生じたということについては、この薬価を決める際に中医協の場においても、対応についての御指摘があったと理解しております。その際の議論としては、まずはきちんと再発防止策を講じていただくことを求められたということと、制度的にどうするかについては、また中医協での御議論が必要になるのではないか、このようなやり取りがあったと承知しております。

○橋田分科会長 よろしいでしょうか。ほかに御意見等はいかがでしょうか。今後の対応ということで、こういう形でまとめていただいて報告をいただいたということです。

○説明者 事務局です。今後につきましては同社の文書を受領いたしまして、その後、同社から先駆的製品等の指定の希望がございましたら、再発防止策の実施状況を確認の上、指定審査の俎上にのせることとしたいと考えております。

○橋田分科会長 今後はこういうことが起こらないように、きっちりと管理していただくということでございます。よろしいでしょうか。それでは、ただいま御報告いただいた事案に対する今後の対応ということですが、これを御確認いただけたということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、もう一件です。これは当日配布資料ですが、この内容について事務局より御説明をお願いいたします。

○説明者 事務局より、「医療機器プログラム実用化促進パッケージ戦略」について御報告いたします。その他のフォルダの中の当日配布資料を御覧ください。医療機器プログラムについては、昨今AIを利用した画像診断支援プログラムや、患者の行動変容を促すことで疾患の治療を行うアプリなど、様々なものが開発されておりまして、新たな診断、治療の手段として期待されているところです。この医療機器プログラムは従来の医療機器とは異なる特性を有しておりまして、これら実用化を促進していくためには、その特性を踏まえた審査制度や審査体制の整備が必要であることから、厚生労働省において医療機器プログラム実用化促進パッケージ戦略、通称「DASH for SaMD」を取りまとめて、1124日に公表しております。なお、医療機器プログラムの審査の迅速化の必要性については、規制改革推進会議、及び経済財政諮問会議等でも指摘されているところです。

 パッケージ戦略の具体的な内容について御説明いたします。資料の4ページ目を御覧ください。大きく4つの柱を立てております。1つ目が萌芽的シーズの早期把握と審査の考え方の公表、2つ目が相談窓口の一元化、3つ目が医療機器プログラムの特性を踏まえた審査制度の検討、4つ目が早期実用化のための体制強化等となっております。

 この中から主な施策について簡単に御説明させていただきますと、まず3.の()ですが、革新的な医療機器プログラムを指定し、優先審査等の対象とする制度の創設について検討することとしております。また、4.ですが、PMDAに医療機器プログラムに特化した専門的な審査組織を新設することとしております。さらに4.の()ですが、薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会の下に専門の調査会を設置しまして、医療機器プログラムの承認の可否等について、御審議いただくことを検討しております。これについては、年度明けの早い段階で調査会を設置できるように準備を進めたいと考えております。事務局からの御報告は以上です。

○橋田分科会長 医療機器・体外診断薬部会の部会長は荒井委員ですが、追加の御発言等がございましたらお願いいたします。

○荒井委員 医療機器プログラムは今後非常に大事な領域になってくると思いますので、今回のこの計画は非常に大事だという認識を持っております。昨日部会が行われまして、これについての理解が得られておりますので、……になりますが取り組んでいただくというように考えております。

○橋田分科会長 それでは、委員の先生方から御質問、あるいは御意見がございましたらお願いいたします。プログラム医療機器については、禁煙のシステムを薬事分科会でも審議しました。デバイスとプログラムが一体化したものをどのように扱っていけばいいかという御議論を頂いたかと思いますが、今後はそれを国のレベルからも、このような形で提案が出てきたということかと思います。これからの医療の方向という視点で重要な問題ですので、いろいろ御意見もあろうかと思います。

○松本委員 前回のプログラム医療機器については、かなり問題点が指摘されたかと思いますが、提案に沿ってきちんとした検討をされるということについては評価いたします。

 ただ、こういったものが安易にぞろぞろと出てこないように、出てこないと言ったら失礼ですが、きちんとしたものだけが評価される形で、しっかりと進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○荒井委員 御指摘ありがとうございます。全くおっしゃるとおりで、大変有益性の高い可能性のある領域ではあるのですが、どこに線を引くかということが本当に難しくて、それを間違えて引くととんでもない伝え方になってしまう。とんでもない領域をきちんと承認してしまうということになりかねないので、十分に慎重に審議していきたいと考えております。

○橋田分科会長 審議会としても専門調査会を新たに設けてということを提案されております。関係する諸問題に十分に対応できる体制を作っていただくということかと思っております。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件についても御確認を頂いたということにさせていただきます。

 まだ時間が少し残っていますので、全体を通じて何か御意見がありましたら、お願いいたします。

○松本委員 今回出たものではないのですが、最近、かなり話題になった水虫薬の出荷前に異物混入というような小林化工の問題がありましたが、これについて、こういったことがある程度はっきりしたときに、薬機法上どういった処分などが可能なのか、あり得るのかということを教えていただきたいと思います。

○審議官 私から知る範囲でお答え申し上げます。今回、非常に遺憾な事案だと思っております。先日、厚生労働省もPMDAと一緒に、また福井県と一緒に立入検査を行わせていただきました。まだ調査は全て終わっているわけではありませんが、それの結果に基づいて報告命令を掛けたり、あるいは業務停止命令、改善命令というものを掛けることになるかと思います。

 また、今申し上げた業務停止命令や改善命令以外に管理者の変更命令や、極端にいけば製造業あるいは製販業の取消しということも更にあり得ると思っております。

 いずれにしろ、薬機法でいろいろな行政処分の選択肢はございますが、今回、まずは調査結果をまとめて、それで何が必要かということを見定めていきたいと思っております。ざっくりでございますが、私からは以上です。

○松本委員 どうもありがとうございました。どうぞしっかりと審議していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○橋田分科会長 本当にあってはならない事案ですので、これを機会に、もう一度いろいろな生産の管理の問題、法規制の問題も含めて、御確認いただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。本日は文書報告もたくさん出ておりましたが、そこでの御質問等がございましたら、それも受けさせていただきます。よろしいでしょうか。

 以上で本日予定いただいた議題は全て終了しました。最後に、事務局から報告を頂きたいと思います。お願いいたします。

○審議会係 次回の薬事分科会ですが、令和3年1月25日以降の薬事・食品衛生審議会総会と同日の開催を予定しております。現在、委員の皆様の任期は令和3年1月24日までとなっており、本日の薬事分科会で五十嵐委員、真田委員、杉委員、鈴木委員、橋田分科会長、望月委員におかれましては、任期を迎えられ御退任される運びとなります。真田委員におかれましては、あいにく本日は御欠席ですので、五十嵐委員、杉委員、鈴木委員、橋田分科会長、望月委員より、一言御挨拶を頂ければ幸いでございます。まず、五十嵐委員よりお願いいたします。

○五十嵐委員 10年間ですが、お世話になりましてありがとうございました。薬事分科会は薬事行政全般を統括する、非常に重要な委員会であります。10年の間いろいろありましたが、特に先ほどのプログラム医療機器、あるいは再生医療、遺伝子改変を用いた治療法、ジーンセラピーなどの新しく、複雑で、知識も持っていないとできない案件が増えてまいりました。今後、この分科会の役割やニーズは高くなると思います。委員の先生方、これからも頑張って国の行政のために御尽力いただきたいと思います。10年間大変お世話になりました。ありがとうございました。

○審議会係 次に、杉委員からお願いいたします。

○杉委員 第一部会の杉です。6年前から第一部会に関与させていただきまして、2年前から第一部会長を担当させていただきました。いろいろな薬がありましたが、やはり患者さんが必要というような目線から見させていただきまして、非常に勉強になりました。また、大変皆さんにお世話になりまして、ありがとうございました。どうぞ、今後とも発展されることを祈っております。ありがとうございました。

○審議会係 次に、鈴木委員からお願いします。

○鈴木委員 私は指定薬物部会と化学物質安全対策部会長を7年間務めさせていただきました。指定薬物に関して、一時かなり激しい乱用がありまして、いろいろな規制を掛けることによって、現在はかなり安定した状態にはなっておりますが、まだまだいろいろな物質が入ってきておりますので、今後も引き続き規制をしっかりして、国民にこのような危険な薬物が乱用されないような形で進めていただければと思います。7年間、本当にありがとうございました。

○審議会係 次に、望月委員からお願いいたします。

○望月委員 平成13年から2期分科会の委員を務めさせていただきました。所属していた部会は、要指導一般用医薬品部会と医薬品等安全対策部会です。この平成13年以降、先ほども五十嵐委員からの話にもありましたように、お薬についても医療機器についても、いろいろな変化があり、作用機序がかなり違ったものが出てきているという中で、この頃一番思いますのが、国際共同試験とか、希少疾病用医薬品とか、日本人データが非常に少なく、全体を見てもデータが少ないという中で承認審査に当たってくるというところが、苦慮するところもたくさんあるような状況でした。今後はそういったお薬を承認していくというのが、この分科会の役割の大きなものであるとは思いつつ、承認した後のことも考えながら審査に当たっていくということが重要ではないかと思いました。

 やはり安全対策部会等との連携を含めて、承認後、きちんと有効性と安全性を再度確認していくという仕組みを、もちろん再審査制度という制度もありますけれども、日本人データが少ないので、早期の段階でそれを実施していくということも考慮に入れながら、皆さんに御審査に当たっていただきたいなと思っております。長い間、どうもありがとうございました。

○審議会係 最後に、橋田分科会長から御挨拶をお願いします。

○橋田分科会長 審議会の委員を10年、そのうち6年間は審議会、薬事分科会の会長を務めさせていただきました。先ほどの五十嵐委員の御発言にもございましたが、この10年で本当に医薬品あるいは医療機器の世界は非常に大きく変わりました。新しいモダリティの医薬品、例えば抗体医薬、抗体薬物結合体はごく普通に出てくるようになりましたし、核酸医薬、遺伝子医薬品、細胞製剤等も挙げられます。今日は医療機器のほうでもいろいろ話題がございました。本当に多くの新しい医療のモダリティーが審議対象として出てきましたが、審議会あるいは薬事分科会で非常に厳正に御審査いただきましたので、無事に必要なものは承認し、現在は医療の場でも適切に使われているのではないかと思っております。

 私自身は微力と申しますか、いろいろ行き届かない点は多かったかと思いますけれども、先生方の御協力のお陰で何とか務めを果たすことができたと思っております。本当にありがとうございました。

 今、このタイミングでという意味で申し上げますと、社会はCOVID-19という極めて大きな医療の問題に直面しており、その治療薬であれワクチンであれ、薬事分科会あるいは各部会でも、委員の先生方には今後いろいろ御苦労と言いますか、その審議で御高配を賜らないといけない局面が多いと思います。先生方には引き続き厳正な御審議に当たっていただきたいということをお願いをいたしまして、最後でございますが改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

○審議会係 ありがとうございます。これまで委員の皆様におかれましては、薬事・食品衛生審議会の運営にお力添えいただきましたこと、事務局より深く感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

○橋田分科会長 それでは、以上をもちまして本日の薬事分科会を閉会といたします。ありがとうございました。

( 了 )

備考
この会議は、企業の知的財産保護の観点等から一部公開で開催された

照会先

医薬・生活衛生局総務課 

薬事審議会係(内線2785)