2019年度第1回化学物質のリスク評価検討会議事録

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

令和元年9月30日(月)13:30~14:51

場所

労働委員会会館7階 講堂

議題

  1. リスク評価対象物質のリスク評価について
    1. アセチルサリチル酸(別名アスピリン)
    2. 塩化ホスホリル
    3. 2-クロロフェノール
    4. メタクリル酸メチル
    5. 2-ブテナール
    6. イソホロン
    7. しよう脳

議事

 
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、定刻になりましたので、2019年度第1回化学物質のリスク評価検討会、いわゆる合同の検討会を開催させていただきたいと思います。
高田先生が15分ほどおくれるかもしれないと御連絡いただいているほか、当日欠席の御連絡をいただいた方がいらっしゃいますけれども、その他は現在ご着席いただいている皆さまでお揃いということになります。
そうしましたら、小検討会とかでは御挨拶等させていただいていると思うのですけれども、事務局に今年度異動がございましたので、御挨拶だけさせていただきたいと思います。
8月1日付で化学物質評価室長に着任しました内田です。
○内田化学物質評価室長 内田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 私、4月1日から中央労働衛生専門官をやっています阿部でございます。
今、自分自身が使っていなかったのであれですけれども、お手元にマイクをご用意してありますので、これを使っていただくと傍聴者の皆さんにも聞こえやすくなりますので、御協力いただければと思います。
傍聴者の方々の席は自由としておりますので、適宜必要に応じて聞きやすいところに移動していただければと思います。
それから、資料につきましては、タブレットを委員各位にはお配りしておりますけれども、傍聴者の方々向けにはWebに掲載しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
そうしましたら、以下、議事進行については座長の名古屋先生にお願いできればと思います。
○名古屋座長 そうしましたら、まず、事務局から資料の確認をよろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、委員各位におかれてはお手元のタブレットをご覧いただければと思います。審議会の資料保存フォルダのうち「化学物質のリスク評価検討会」という名前のところに入れさせていただいております。プライベートファイルのほうにもコピーしておりますので、必要に応じてそちらをご覧ください。
資料としましては1から7まで御用意しております。初期リスク評価の対象となっている7物質について、初期リスク評価書のPDFと、別添3としてばく露作業報告の提出状況の詳細だけ別のファイルにしておりますが、1番目がアセチルサリチル酸(別名アスピリン)ですね。2が塩化ホスホリル、3が2-クロロフェノール、4がメタクリル酸メチル、5が2-ブテナール、6がイソホロン、7がしよう脳ということで、7物質分御用意してございます。参考としましては、リスク評価検討会の開催要綱・名簿、リスク評価の実施状況をおつけしているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。
大丈夫でしょうか。
それでは、本日の議題に入りたいと思います。
本日は7物質について初期リスク評価の案をこれから検討したいと思いますが、よろしくお願いします。
では、一番目の資料、アセチルサリチル酸からお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1をご覧いただければと思います。
資料1、アセチルサリチル酸(別名アスピリン)ということで、リスク評価書(案)をお配りしてございます。本文、別添1の有害性総合評価表、別添2の有害性評価書、別添4の標準測定分析法、この構成はどの物質も変わりません。別添3の作業報告集計表だけ、先ほど申し上げましたように別紙に入れさせていただいているところでございます。お手数ですが、必要に応じてそちらのファイルを開いていただければと思うところです。
内容ですけれども、有害性評価小検討会では7月8日開催の回に、ばく露評価小検討会ではその後7月26日開催の回に、それぞれ御検討いただいている物質ですので、基本情報等につきましては割愛させていただきます。有害性評価の結果につきましても、有害性評価小検討会での御議論を踏まえて修正するということにしている箇所がありまして、議事録自体の確認は済んでいるのですが、資料の手直しまでできていないところが一部ありますので、本資料には、誤字脱字を含めて一部そういった部分がある点は御容赦いただければと思いますが、一次評価値、二次評価値のところについてはある程度きっちり反映しているつもりでございます。ばく露評価小検討会についてもこのステータスで御確認いただいているところです。
そうしましたら、有害性評価小検討会の先生方もいらっしゃるので、ばく露の評価のところだけ概要を御説明させていただきます。
アセチルサリチル酸の有害物ばく露作業報告につきましては、6事業場から報告がございました。6というのが多いのか少ないのかというと何とも言いにくいですが、報告のあった事業場では、対象物質の製造とか他製剤の原料として使われているケースが多かったということでございます。詳細につきましては、資料1の166行目にあります表などをご覧いただければと思います。
また、ばく露実態調査をやった結果につきましては168行目以降に記載してございますけれども、ばく露作業報告のあった6事業場のうち2事業場を選定して調査を実施しました。個人ばく露測定の実施人数等の諸々は詳細を割愛させていただきますが、最終的な測定結果については、PDFの8ページ目、203行目にアセチルサリチル酸の個人ばく露測定の結果をグラフにしております。二次評価値5.0 mg/m3に対して実際の個人ばく露測定の最大値が2.1 mg/m3ということで、測定結果としては二次評価値よりも低いTWAの値を示したということになってございます。このあたりを踏まえてばく露評価小検討会ではいろいろ御検討いただいたという状況です。
これまでの各小検討会での議論の内容を踏まえまして、「リスクの判定及び今後の対応」として事務局から御用意しております案が207行目になります「4 リスクの判定及び今後の対応」というところです。ある程度定型的な書き方をさせていただいておりますので、逐語の読み上げはいたしませんが、アセチルサリチル酸については、最大ばく露量2.1 mg/m3が二次評価値を下回っており、経気道からのばく露のリスクは低いのではないかと思われます。経皮吸収の勧告はなされておりません。こういったところを踏まえると、初期リスク評価までなのかなという想定でございましたけれども、では具体的に今後どうするかというところにつきまして、本物質につきましてはラベル表示・SDSの交付義務対象になってございますので、本物質に係る有害性を踏まえて自主的なリスク管理を行っていただくことが必要なのではないか。こういうまとめにさせていただいているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
何か御質問等ありますでしょうか。通常どおりですと初期リスク評価で終了という形になりますけれども、皆さん、御質問等ありますでしょうか。あと、記載事項等の修正等があれば言っていたただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○江馬委員 93行目、生殖毒性「あり」が抜けています。
それから、136行目、神経毒性「あり」が抜けています。
○名古屋座長 表記がないですね。遺伝毒性はなしですが、他はありますね。よろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、これは有害性のほうで御指摘いただいていた点で、反映ができていないところでございます。反映漏れですので、修正の上で御確認いただけるようにしたいと思います。
○名古屋座長 ありがとうございます。
他にありませんでしょうか。大丈夫ですか。
そうしましたら、通常どおり、アセチルサリチル酸につきましては、経気道ばく露のリスクは低いということと経皮吸収の勧告もないということで、初期リスクで終了という形にします。
では、次に行きたいと思います。
次は2番目、塩化ホスホリルをよろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料2、塩化ホスホリルについてご覧いただければと思います。
こちらも先ほどと同様、ちょこちょこ割愛しながら御説明させていただきます。資料に一部抜け・漏れがあるだろう点も大変恐縮ですが先ほどのものと同様です。
具体的な評価としましては、行数としては136行目、一次評価値のところに一部補足事項を書いてあるところがございますが、変則的な取扱いというのも何ですけれども、反復投与毒性に係る評価レベルを参考として設定しています。また、二次評価値としては0.1 ppm、ACGIHの勧告をベースに採用しているところでございます。
これに対して実際のばく露の評価ですけれども、147行目以降に書いてございますが、ばく露作業報告としては45事業場ございました。ばく露実態調査については、そのうち6事業場を選定して実施したと。
最終的に、そのばく露実態調査をやった結果につきまして、186行目に個人ばく露測定の結果をまとめて書いてございます。二次評価値0.1 ppmに対して、8時間TWAの最大値が0.022 ppmということで、二次評価値に比べると低いTWAを示したというのが結論になってございます。
それを踏まえたリスクの判定及び今後の対応につきましては191行目以降に記載してございますけれども、先ほどのアセチルサリチル酸とほぼ同様の記載にしております。有害性の種類が違いますので、このあたりをちょこちょこと手直ししているところぐらいです。内容としてはほぼ変わらない形でまとめてございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
先ほどと同じように、ばく露から考えますと二次評価値に比べて著しく低いということと、経皮吸収はないということで、このままですと初期リスクで終了という形になるかと思いますが、何か記述等でお気づき、あるいは質問等ありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
○圓藤(陽)委員 DFGの数値が2015年設定で0.02 ppmになっているのですけれども、これは考慮に入れなくていいということで、1982年のACGIHの数値をそのまま使うということですか。
○阿部中央労働衛生専門官 有害性評価のほうの御議論の内容について補足させていただきます。……私の理解に不備がございましたらぜひ先生方に御指摘いただければと思うのですけれども。
 まず、DFGの値の根拠は、118行目「塩化ホスホリルは空気中の水分でリン酸と」云々という記述で始まるところに記載しています。「塩化ホスホリルのMAK値は、三塩化リンの値の半分、すなわち、0.2 ppmに暫定的に決められた」、これが1984年の値の根拠の部分ということになります。これに対して、「塩化ホスホリルのMAK値を科学的に決定する新しいデータはない」云々のあたりの記述がその後の情報のアップデートの状況ですね。そして「三塩化リンのMAK値は、ラット鼻腔への局所作用に基づいて2015年に0.5 ppmから」云々という記述があって、最終的に「それに伴って、塩化ホスホリルのMAKも0.02 ppmに改定する」とされているわけですが、ここの表現をよく読むと、これは結局、塩化ホスホリルそのものに対する評価というよりは、先に参考にしていた三塩化リンの評価が変わったから一緒に塩化ホスホリルも手を入れようかということでしかないわけでして、参照すべき値の根拠として薄弱なのではないかというような御議論をいただいていたと認識しております。何か不備がございましたら、御指摘いただければと思います。
○宮川委員 この間の議論はそういうことだったと思います。ただ、一言つけ加えますと、この値と一次評価値を考慮すると、スクリーニングのための低めの設定のところは、一部、特に一次評価値には引っかかるものがありますけれども、原則である二次評価値から比べれば十分低いということで、結論はいいと思うのですけれども、最後のところに一言、スクリーニングとして考えた一次評価値だとか先ほどのDFGの値に触れた表現が少し入ると、見た人が一次評価値の意味とかをよりわかりやすくなるのではないかという気がいたします。
○名古屋座長 圓藤さん、それでよろしいですか。
○圓藤(陽)委員 一次評価値を評価しないということですよね。
○名古屋座長 二次評価値だけということですね。
いかがでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、今の御指摘の点を踏まえまして、評価の最終的な取りまとめの「リスクの判定及び今後の対応」のところ、191行目以降ですけれども、こちらにつきまして、最大ばく露量は0.022 ppmでしたが、DFGの値は0.02 ppmとなっていますので、仮にこれを二次評価値として採用していたとすれば少しオーバーしていることになる点に留意すべき旨を記載する方向で。
 もともと、先ほども申し上げましたように、DFGの値自体が塩化ホスホリルに対する直接的な評価ではなく、参考にしていた物質の評価を見直すついでに一緒に値を変えておきますというような感じだったこともあり、有害性評価のほうではもともとそういった事実関係について御議論いただいた上で──つまりその値について何ら評価せず無視したというわけではもちろんなくて、0.02 ppmというDFGの値の根拠について評価を行った上で──先ほどのような結論に至っていると認識しておりますが、一方でDFGの方でこういった値が設定されているのも事実だというところを踏まえまして、自主的なリスク管理を事業者様にやっていただくべきだというようなところの記述について、さらにこの一次評価値の値もあることも踏まえて適切に管理をやっていただきたい、といったような文言を加えて文面を調整させていただくという路線でよろしいでしょうか。
○圓藤(陽)委員 一次評価値を超えているということも入れておいてほしいと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 そのような形で調整させていただきます。
○名古屋座長 要は一次評価値の取り扱いですよね。一次評価値のことをなぜ入れなかったかと言う、その辺のところの。
○圓藤(陽)委員 確かに今おっしゃったみたいに確実な根拠があるわけではないのですけれども、一次評価値は反復毒性が出されていて、この数値を超えているのは確かであると。そこのところはやはり、反復毒性ですけれども、記入はしていただきたいと思います。
○名古屋座長 今後のところに書いておいて、企業がそれを使うときに、こういうことがあるのだよということで注意して取り扱うという形ですよね。今言われたような形で今後のところに少しつけ加えていただければと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。文章を調整いたします。ありがとうございます。
○名古屋座長 そうしましたら、ここのところは、先ほどと同じように、ばく露も低いですし、経皮吸収もありませんから、初期リスクで終了という形になります。
3番目の2-クロロフェノールのところをお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料3、2-クロロフェノールをご覧いただければと思います。
こちらもおおむね同様の進め方でやらせていただきますが、具体的には、一次評価値、二次評価値につきましては、163行目からと173行目からでそれぞれ記載してございますので、まずはそちらをご確認いただければと思います。
175行目には赤字で書いている箇所がございますが、ここの書きぶりは最終的にはもう少し調整したほうがいいのかなと、自分で書いていてこなれていない感もあると考えている箇所になります。端的に申し上げると、各機関とも許容濃度を設定していないということもございましたので、各種毒性について知られている評価レベルを参考に、0.5 ppmという値を置かせていただいたという経緯がございます。
これを踏まえて、ばく露実態の評価なのですけれども、ばく露作業報告の提出状況については、186行目以降、ちょうどページが変わったところに表を載せてございますが、計4事業場から報告があったということでございます。
そのばく露実態調査の結果としては、報告のあった4事業場のうち3事業場に対して調査を行った結果をまとめましたのが、217行目に載せておりますグラフ、2-クロロフェノールの個人ばく露測定結果でございます。先ほど申し上げましたように、変則的な形ではございますが、二次評価値を0.5 ppmと置きました。これに対して、個人ばく露測定の結果としては8時間TWAの最大値が0.49 ppmとなっているのですけれども、上のほうにちょこちょこ書いてございますとおり区間推定の値をとりますと、区間推定上側限界値が1.1 ppmになるので、二次評価値0.5 ppmを上回るというのが評価の概要となってございます。今申し上げた区間推定の値の話とかにつきましては、219行目の表などを併せてご覧いただければと思います。
以上を踏まえまして、2-クロロフェノールの「リスクの判定及び今後の対応」というところを221行目に記載してございます。これは定型的な書きぶりを一部使いつつ、そうでもないものも混ぜつつという感じになっておりますけれども、最大ばく露量は、これは区間推定ですが1.1 ppmとなって二次評価値0.5 ppmを上回るという評価になりますので、詳細リスク評価を行いばく露の高い要因等を明らかにする必要があるのではないかと。詳細リスク評価の際には、二次評価値を上回ると考えられる作業が、225行目の黄色でマークしている箇所、これまた自分で書いていて非常にこなれていない感が拭えないのですけれども、実際にばく露評価で高いものが出てきたのは、貯槽にホースか何かをつないで装入する作業だったと。最終的にどういった作業を詳細なばく露評価のところでよくよく注意して見るべきなのかというところは文言を調整させていただければと思いますけれども、ともあれ、当該作業工程に共通した問題かどうかをより詳細に分析するとともに、実態調査を行った作業以外に高いばく露の可能性があるものがあるかを確認する必要があるだろう、というようなまとめにさせていただいております。経皮吸収の勧告はなされていないという認識です。
本物質については、他のもろもろの物質と同様にラベル表示・SDSの義務対象になってございます。以上を踏まえ、ほかの詳細リスク案件と同様に「詳細リスク評価の結果を待たず」というような文言で始めている箇所で、各有害性を踏まえて、かつ、事業場において高いばく露が生じている可能性がある、実際に例があるというところを踏まえてリスクアセスメントを実施し、その結果に基づくリスク低減措置を講ずることが必要である、というようなまとめ方にさせていただいているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。
この場合は区間推定値が二次評価値を超えているので詳細リスクに行くということですけれども、この作業形態を見ていてもわかりますように、c3の人の影響はかなり強いという形がありますので、詳細に行ったときに、ぜひこの辺の作業のところも繰り返し測定を行うか、あるいは、そのほかの作業は低いですから、同じような濃度になるのかどうかということも併せて測定して欲しいです。多分、健康障害防止措置検討会に行ったときに、全ての作業に規制をかけるわけではなくて、要因分析したときに作業をどう分けるかという事にもなるかと思いますので、c3の人のような作業のところと、あとは今回測定していないで隠れている作業について、もう少し高いところがあるかどうかのところも少し測定してもらいたいことと、ばく露濃度の低いところは低いところで確認していただくことによってその後の対応が生きてくるのかなと思います。
ほかに何か意見はありますでしょうか。
○宮川委員 書きぶりの表現なのですけれども、177行に二次評価値の説明が書いてあって、これは通常のACGIHのTLVや産衛学会の許容濃度に対する説明が書いてあるのですけれども、今回二次評価値に設定したものはそれと同じような方法で導いた値ではあるものの、学会などが通常このぐらいまでであればリスクは低いと明確に言っているものではないので、この物質に関しては、この二次評価値の説明をここに置くのが適切かどうか御検討いただいたほうがよろしいかという気がいたします。
○名古屋座長 今までと違いますものね。二次評価値をそのまま持ってきていますけれども、これは違うのでということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 文言を調整させていただければと思います。率直に言って、当日も議論を追いかけてはいたのですけれども理解が追い付いていない部分もあり、今回の案文も、結論としてはこういうことをおっしゃっていたような気がするというところを議事録から起こしたのですが、文言としてこなれていないとは自覚しておりますので、御相談しながら最終的な報告書の形にまとめさせていただければと思います。
○名古屋座長 ありがとうございます。
ほかに。
○西川委員 35行目のIARCのグループ分類で、有害性小検討会の際にも申し上げたのですが、ペンタクロロフェノールがことしの1月にグループ1になっていますので、その点、記載を修正していただきたいと思います。
同様の記載が、165行目にクロロフェノール類の発がん性が2Bとあるのは、ペンタクロロフェノールは除外すべきですので、このあたりも正確な記載に改めていただきたいと思います。
あと、最初の物質にもあったのですが、121行目と141行目、生殖毒性、神経毒性があるかないかが書いていないので、これは「あり」として、さらに言うと、生殖毒性については、指針のところで議論しましたように、生殖毒性ありの場合には生殖細胞変異原性の情報があるかないかを含めて記載することになりましたが、これは今回からでよろしいのですね。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、これは第2回のときに有害性の評価をやっていただいた物質ですが、今ご指摘いただいた諸々はその際に御指摘いただいていた箇所になります。反映ができておりませんが、次回以降しっかり項目を埋めていきますということで、第3回の有害性評価の資料からは一部入れるように努めていたとは思うのですが、この物質については最初につくったものをとりあえずそのまま持ってきている状況ですので、御指摘の点は報告書をまとめる段階で反映させていただきたいと思います。
○西川委員 よろしくお願いします。
○名古屋座長 あとはよろしいですか。
そうしましたら、この物質につきましては、二次評価値が区間推定値を超えているということで、詳細リスクに行くという事で、あとはばく露の測定のところで少しお願いしておくことがあるという事です。
では、次に行きたいと思います。
次はメタクリル酸メチルをよろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料4をご覧いただければと思います。
メタクリル酸メチルです。
こちらにつきましても記載がちょこちょこできていないところがありまして大変申し訳ございません。
具体的な評価につきましては、一次評価値の記載を入れてございますのが238行目、になりまして、244行目が二次評価値でございます。日本産業衛生学会が勧告している許容濃度を二次評価値とするということで、2 ppmを採用してございます。
これを踏まえて、ばく露の評価なのですけれども、251行目以降にばく露作業報告の提出状況をまとめてございます。表にも書いてございますけれども、ばく露作業報告は221事業場ございました。非常に数が多く出てございます。
そのうち、ばく露実態調査につきましては11事業場を選定して実施しております。というのが259行目以降です。
途中のプロセスは同じように割愛させていただきますけれども、最終的に測定結果の中で15データを評価データとして採用してまとめたのが289行目のところです。メタクリル酸メチルの個人ばく露測定結果について、このグラフでは便宜上、枠の上限を20 ppmとしてみているのですが、そうすると一番右のb2の人が120 ppmということでオーバーしてしまっているので、値だけ下のほうに書いてございます。結論としては、これの8時間TWAの最大値が120 ppmで、区間推定をとると180 ppmになるというのがばく露の評価でして、二次評価値2 ppmを上回っているというのがまとめになっています。総合的に、15個の評価データが全てなだらかになっているとまで言えるかどうかはセンス次第のように思いますけれども、ともあれ、カーブを描いてぐーっと伸びていく感じで、最終的には二次評価値を超えているというのが評価です。
この結果を踏まえて、「リスクの判定及び今後の対応」というところを292行目以降に記載してございますが、最大ばく露量が二次評価値を上回っているので、詳細リスク評価を行い、ばく露の高い要因等を明らかにする必要があるだろうというまとめ方にさせていただいているところです。
なお、下の「二次評価値を」云々というところの記述については、作業の対象とかを書いているだけですので、一旦、先ほどの2-クロロフェノールなんかと同様の記載をしてございますけれども、※で注をつけさせていただいている部分がございます。何かと言いますと、本物質の関係業界からは、本評価において二次評価値の根拠として採用した産衛の許容濃度2 ppmがACGIHやDFGの提案している50 ppmよりもかなり低く、50 ppmのほうがより適当ではないかというような御意見をいただいています。この点、有害性評価のほうでは業界から提出いただいた資料等も配付させていただいて、委員の皆さまにご覧いただいているところでございますけれども。今のところの評価としましては、仮に50 ppmを採用するとしても最大ばく露量の値のほうが大きいということもございまして、横並びで見ると、結論としては詳細リスク評価の実施の必要性があるということになるのかなと、そういった注意を書いてございます。端的に申し上げると、詳細リスク評価の中ではばく露だけを見るわけではないので、この関係業界からの御意見についてもある程度配慮を……というわけでもないですが、いずれにせよ入手できる材料をそろえて有害性の評価の妥当性をもう一度確認することは行いますし、ちゃんと御納得いただけるような形で進めていくことが重要なのかなということだけ、ちょろっとニュアンスとして書いてございます。
また、ばく露のほうで具体的に詳細リスク評価の際に改めてちゃんと評価するべきだろうと考えられる作業としましては、洗浄とか溶剤、希釈または溶媒としての使用、他製剤の製造などを挙げています。メタクリル酸メチル自体、割といろいろなところで使われている中で、特にばく露の濃度が高かったところとしては、洗浄作業等で有機溶剤的に使われていた部分だったことが把握されておりますので、こういったところはやはりよくよく調べるべきなのだろうなと。ただ、仮に二次評価値のラインが50 ppmだったとしても、実態調査で120 ppmという値が出てくるのはすごいよねというのがばく露評価の先生方の御意見としてございましたので、本物質についてはよくよく注意しないといけないのだろうなというような意味合いを踏まえまして、この詳細リスク評価で注意すべき作業はやや広めに挙げさせていただきました。
それから、具体的な詳細リスク評価の結果を待たずというところにつきましては、先ほどの物質と同様に一般的な書きぶりにまとめさせていただいているところでございますけれども、「事業場において高いばく露が生じる可能性があることを踏まえて」の部分は、120 ppmは高いというのをもう少しきつい言い方にするべきなのかどうなのかとか悩みながら、一旦定型的な書き方でまとめさせていただいているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
二次評価値のところは多分書かれるのだと思いますけれども、従来どおりいくと間違いなく詳細リスク評価に行くということになります。作業につきましても、かなり高いですから、これに似たところの作業の実態調査をしてもらって、それとあわせて二次評価についても。詳細リスク検討会のところでも二次評価値の検討はすることになっていますから、そのときにまたこういう議論が出るかもしれませんが、とりあえずこのケースでは2 ppmを使って、二次評価値を超えているということで、詳細リスク評価に行くということになりますけれども、何かほかに意見等ありますでしょうか。
○圓藤(陽)委員 最後の今後の対応なのですけれども、308行ですか、「高いばく露が生じる可能性」ではなくて、「生じている」ということではいかがでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 やはりそうですよね。すみません、検討会自体は非公開でやらせていただいているので議論の詳細を申し上げることはいたしませんが、ばく露評価小検討会でまさにそういった御議論がありましたので、先ほどは少し言い淀みつつ一旦定型的な表現にさせていただいた、とご説明させていただいたわけですが、実際のところ「生じている」かなと自分でも思っていました。御指摘を踏まえた路線に調整させていただこうと思います。
○名古屋座長 小検討会でもそうだったのですけれども、これだけ事業所の数があって結構ばく露が高いのに何も健康影響がなかったのだろうか、不思議だねという話はしていました。それは余分な話ですけれども、これから詳細リスク評価に行って、さらに詳しく調査してみたいと思います。
○西川委員 細かいところですけれども、41行目、閾値の有無が「なし」とあるのですが、これは根拠を見ると、総合的に「遺伝毒性はないと判断する」、下のほうの遺伝毒性のところのまとめも遺伝毒性は「なし」となっていますので、ここは閾値ありということに修正すべきかと思います。
○名古屋座長 これはどうでしょう。有害性評価の先生方。有無で「なし」ではなくて「あり」ではないかと。
○圓藤(陽)委員 遺伝毒性がないから、ありになるよね。
○阿部中央労働衛生専門官 書きぶりを調整させていただきます。申しわけございません。
○名古屋座長 よろしいでしょうか。では、修正等よろしくお願いします。
ほかにありませんでしょうか。
では、メタクリル酸は詳細リスクに行くという形でまとめたいと思います。
そうしましたら、次の2-ブテナールをよろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 思いのほか議論が早く進んでおりまして、このペースだと次回は資料をつくるほうが間に合わないなと思いながらなのですが、次は資料5、2-ブテナールについてご説明させていただきます。
こちらにつきましてもこれまで同様概要の部分についてはちょこちょこ飛ばしながらのご説明になりますが、若干注意が必要と思われる点として、この次に出てくる資料6のイソホロンのところで御指摘いただいている点も絡めて御説明させていただきたいと思います。
一次評価値、二次評価値に関する記載が146行目とか152行目のあたりにございますけれども、一次評価値につきましては、「発がん性が疑われ、遺伝毒性があり閾値がない場合に該当するが、生涯過剰発がん」云々「に相当するばく露濃度が設定できない」ということで、一次評価値はなしということにさせていただいているところでございます。
これも御指摘いただいていた点で文言を反映し切れていないところがある気がするので、具体的な文言は調整いたしますが、最終的に二次評価値はACGIHが勧告しているCeilingの値で0.3 ppmをとったということです。
脇道にそれるようで恐縮ですが、実際の許容濃度等の勧告の状況を見ていただくと、124行目以降に各機関の情報をまとめてございますけれども、125行目に記載のとおりACGIHのTLV-Ceilingが0.3 ppmとなっています。産衛は設定なし、DFGは皮膚吸収のみついている感じ、NIOSHとOSHAがそれぞれTWAで2 ppmを設定しているという状況です。ということで、こちらを見ていただくと、ACGIHのTLV-Ceilingはあるのですけれども、それ以外に他の物質で採用してきているような手頃なほかの機関の値がない、というような話がございました。
それも踏まえてのばく露実態評価なのですけれども、ばく露作業報告につきましては5事業場出てきました。
ばく露実態調査はそのうち3事業場に対して実施しました。
結果をまとめましたのが193行目にまとめてございますグラフでございます。0.3 ppmというCeilingの値を置いてみたときに、ばく露測定の結果は0.12 ppmが8時間TWAの最大値。区間推定はデータ数が少ないので計算できておりません。そこで、二次評価値よりもばく露最大値のほうが小さかった、というような結果にまとめてございます。
「リスクの判定及び今後の対応」のところにつきましては、この資料をWebに載せた後に気づいたのですけれども、経皮吸収の勧告、Skinがついているので、199行目の「また、」以降の記述は修正しておきます。その他概要としましては、196行目以降の「2-ブテナールの製造・取扱事業場においては、最大ばく露量0.12 ppmは二次評価値0.3 ppmを下回っており、経気道からのばく露のリスクは低いと思われる」といったところになります。
そうしますと、結論としては、本物質はラベル・SDSの義務対象物質であるということを踏まえつつ、自主的なリスク管理を行うことが必要なのではないかというような文言にさせていただいているところでございます。
実は、この後に資料6のイソホロンでCeilingの値をそのまま使うのはどうなんだ、といった御指摘をばく露評価小検討会のほうで頂いているところがございますので、場合によってはそちらの議論を踏まえて手を入れるところもあるかもしれませんけれども、一旦これはこれでこういうまとめ方にさせていただいたという状況です。
以上になります。
○名古屋座長 ありがとうございました。
どうしましょう。
○圓藤(陽)委員 最大値を使っているということで、最大値を使うならば比較するものはスポット測定の数値ではないかと。そうしますと、スポット数値の最大値が1.2 ppmなので、これは二次評価値、Ceilingの0.3 ppmを超えているということになります。
○阿部中央労働衛生専門官 今御指摘いただいたスポット測定の実測データの最大値は190行目に記載しているところでございます。「対象物質の製造におけるサンプリング等作業における1.202 ppm」、これが最大値でしたと。「1回の作業時間は各約2~3分間、2日に各1回の作業であった」というところの記述でございます。
○名古屋座長 昔、管理濃度委員会で管理濃度を決めているときに、シアン化カリウムは当時管理濃度が5 mg/m3だったのです。産衛とACGIHCeilingの濃度の変更でceilingがついた5 mg/m3になったときに、管理濃度委員会では、Ceilingがついた化学物質の管理濃度を決めるときは、提案された濃度の1/2を管理濃度とすると決めたのです。それで当時は2.5 mg/m3にすることになったのですけれども、現場の状況などを考えてそのときは、シアン化カリウムの管理濃度は3 mg/m3にしたのです。
ですから、Ceilingceilingのついた化学物質の管理濃度を決めるときは、そのまま使うのではなくて、必ず半分にしなさいという管理濃度委員会の決め方があるので、それに従うと、0.3 ppmではなくて、0.15ppmになるかもしれませんね。
○阿部中央労働衛生専門官 一応値は0.3 ppmをとりましたので。
○名古屋座長 二次評価値が0.15 ppmになる可能性もあるのかなと。それを検討してほしいなとばく露の小検討会ではお話ししました。それはやはり有害性検討会のところで検討してもらいたいなと。輿先生が管理濃度委員会の委員長のときでしたけれども、輿先生はceilingのついた化学物質の管理濃度を決めるときは、そのまま使うのではなくて、必ず半分にと言われていて、当時ceilingのついたシアン化カリウムは5 mg/m3の半分というか、0.25 mg/m3ではなくて0.3 mg/m3にしたという経験もありますけれども、その辺は有害性評価の先生方と相談しないと。それによってこの後の評価が随分違ってきてしまうかもしれない。このままだと、二次評価値が0.3 ppmで最大ばく露量が0.12 ppmだから、初期で終わってしまう。二次評価値が仮に0.15 ppmになってくるとスポット測定を考えると微妙かなというのがばく露の小検討会での意見でしたけれども、これはどうなのでしょうか。多分、その次のイソホロンもそうなのですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。そういった点に関しては、この間まで有害性評価小検討会の方で改訂の作業を進めていた「リスク評価の手法」というドキュメントがございまして、そちらで二次評価値をどう決めるかというようなところを書いてございます。
そちらの資料はタブレットに入れていなかったので、今ご説明しながら取り急ぎ手元で追加しておくようにいたしますが、ざっくり言うと、Ceilingの値をどう扱うかというのは「リスク評価の手法」の紙の中には書いていなかったと思うのです。なので、今ご指摘の点については、おっしゃっていただいたとおり、有害性の先生方に御検討いただきつつ、果たして一般論としてどうやってこういったものを取り扱っていくのか、といったところを「リスク評価の手法」の紙の中に落とし込んでいかなければいけないのかなというような気はいたします。
今、タブレットの資料の格納のフォルダに「リスク評価の手法」の資料を入れさせていただきました。こちらをご覧いただければと思うのですけれども、ともあれ、こういった文書がございまして、二次評価値の決め方はここに書いてありますという話です。二次評価値の値のとり方についてはこの文書の159行目前後に書いてございますが、TLVについての言及はあるのですけれども、TLVとまでしか書いていないのです。Ceilingという表現が特に出てこない状況なので。
 今の話を踏まえますと、この紙をさらにもう一回改訂という感じですかね。有害性の先生方とも御相談しながらこの文書を改訂した上で、Ceilingの値で初期リスク評価書(案)を作成したものについては必要に応じて合同のほうにもう一度お諮りするというような感じにさせていただくのかなという気がいたします。もし形式的な変更のみで済むようであれば、皆様にドキュメントベースでごらんいただいて御確認いただくというような。
○名古屋座長 どうですか、宮川さん。Ceilingの扱いについては。
○宮川委員 Ceilingについての私の意見は、管理濃度に倣って半分にするという手もあると思いますけれども、もう一つ別に、スポット測定についてのみ統計をとって、その上限を持ってきて、それと比較するというのが、今までは8時間平均でもって二次評価値と比べていたわけです。その際に上限値を使って評価していたと思いますので、そういう方法もあり得るのかなという気がいたします。
○名古屋座長 今まではスポットはあっても使ったことがないのです。
○圓藤(陽)委員 私も宮川委員の考えに賛成です。ただ、そうすると、今度は測定のときにスポットをメインにして測定に入らないといけないので、そこのところはお願いするしかないのですけれども、そのようにするかどうか。
○名古屋座長 Ceilingのある物質を評価するときにはスポットが大事ですよ、普通のときはばく露でいいと思います。
どうしましょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 今、大前先生が到着されました。
さて、先ほどの御議論について、もう一度事務局の解釈……というか理解をまとめてお話しさせていただきますと、今、「リスク評価の手法」の2019年改訂版ということでタブレットに入れさせていただきましたが、こちらで二次評価値の決め方は書いてございます。その中でTLVの値を参考にするとは書いているのですけれども、Ceilingの取り扱いについては特段現状のこのルールブックには書いていないというのが実態です。
一方で、先ほどの過去の管理濃度等検討会とかの場での御議論を踏まえると、通常、TLVの値を参考にするときに、8時間TWAと違ってCeilingをとる場合には目安として半分ぐらいをとってはどうかというような濃度の御議論をされていたというのが経緯としてあると伺いました。
そういったお話を伺いまして、そのTLVのCeilingの値を二次評価値にどう反映するかというところを有害性評価の枠組で御議論いただく──この場合、「リスク評価の手法」の二次評価値の決定のところの改訂に反映されるようなイメージですね──というのが1つのアプローチなのかなと私も思ったのですけれども。これに対して、Ceiling有害性評価の枠組の中での議論で完結するようなテーマではなくて、ばく露評価をどうするのかという観点で、Ceilingと比べるならスポットの値を見ることとするといったアプローチもあるのではないか、というような御意見なのかなと理解しました。
この後者のアプローチの場合、自分自身、過去の例を全数見れているわけではないので何とも言いかねる部分はあるのですが、先ほど名古屋先生もおっしゃっていただいていたように思うのですけれども、これまで、Ceilingの値に注目した上で、スポット測定の結果と比べてどうかといったアプローチで詳細リスク評価に持っていくのかどうかの整理をしている例があったかというと……
○名古屋座長 ないです。
○阿部中央労働衛生専門官 やはりそうですよね。
○名古屋座長 シアン化カリウムはリスク評価をする前の話です。リスク評価のガイドラインをつくったときには、平成18年のリスクベースの規制が始まった後に各専門の先生方を集めてガイドライン作成委員会を立ち上げて、そこでつくっているので、Ceilingについての話は何もしていないのです。そのときは経皮吸収の評価法を作ろうという話もあったのですけれども、経皮吸収も当時としてはガイドラインにとどめるだけで、簡単に記述しただけです。だから、これからはガイドラインを少し見直さなければいけない時代が来ているのかなと思います。多分、平成19年あたりですよね。慌ててつくりましたものね。統計の記述が必要であることから統計の専門家の先生を入れてつくったのを覚えていますけれども。だから、多分、Ceilingの付いた化学物質で管理濃度を決めたのはシアン化カリウムだけだと思います。そのときにどうするかというときに、輿委員長が半分にすればいいのではないかと。櫻井先生もいらっしゃいましたけれども、そのときにそのように決めたという経緯はあります。
○阿部中央労働衛生専門官 それは管理濃度のほうですよね。
○名古屋座長 そうです。管理濃度委員会ですか。要するに18年より前の話ですから、そういうものをつくるところがないのです。濃度をどう決めるかだけでした。
○阿部中央労働衛生専門官 よく業界の方からも『管理濃度の値って二次評価値の値がそのままスライドされるんですか』と聞かれるのですけれども、『いや、そんなことはないんじゃないかな、参考にはなると思うけれどね』みたいな話をしているのです。つまり、現時点で我々が採用している二次評価値とは何ぞやというと、管理濃度とイコールではなくて、リスク評価の観点でリスクの高い・低いを見るための参考の値として採っているという理解ですね。ただ、そうは言っても、基本的にはTWAと個人ばく露を比較する観点で実施してきているリスク評価の取組において、Ceilingとスポット測定の値の比較をそのまま同列に扱っていいものか。逆にそういった値しか無かった場合にどうするのかというところをもう一回どこかの場で御議論いただくような感じにしたほうがよろしいのではないかと思いますが、如何でしょうか。最後に次回以降のスケジュールの話もさせていただきますけれども、合同の検討会を10月末ぐらいに一回やりますので、その際に本格的にその辺を御議論いただくというのもありなのかなという気はいたします。
そうしましたら、一旦この2-ブテナールについては、これは仮の話ですが、0.30ppmという二次評価値の値を0.15ppmで半分だといっても一応超えていないことにはなるという部分はあるのですけれども、圓藤先生が御指摘のように、スポット測定と比べると確かに超えている部分はあると。なので、こういった実例を通して、詳細リスク評価に進める物質をどのようなアプローチで選定していくべきなのかというところについては、ここでは一旦ペンディングとさせていただいて、次回までに何とか考え方をまとめられればいいかなと。何某か別の形で考え方をまとめた上で、実例の処遇とあわせてお諮りするというような形で進めさせていただければと思います。
○圓藤(陽)委員 リスク評価の二次評価値というのはTWAでずっと進んでいますので、TWAを使うというのを絶対的なものにして、Ceilingがあった場合はそれは別物として使わないという考え方もあると思うのです。参考値としてCeilingはあっても、それは使わない。要するに、Ceilingは急性毒性に近いものですから、予防的管理をする場合はTWAを用いる。そうすると、ブテナールの場合はNIOSHやOSHAの2 ppmになってしまうのかというつらいところはあります。そこのところをどうするかというのはありますが、基本的にCeilingは別個のものとして採用しないというほうがわかりやすいのではないかと思います。
○大前委員 すみません、途中から参加して。今、Ceilingの議論をやっていると思いますので。
Ceilingとして許容濃度なり、あるいはACGIHが提案している場合は刺激とかそういう短期影響のことでやっているわけです。このリスク評価の場合にブロックする影響は長期影響だけでいいのか、短期影響は放っておいていいのかというようなことも当然考える必要があるのです。だから、影響の種類によってCeilingをとるというのは間違っていないと思うのです。TWAオールマイティというのは影響の種類を無視しているのではないかと思います。ただ、それを実際の測定値とどう比べるか、これもサンプリング手法の問題としてはあるのですけれども。
○宮川委員 私も今の大前先生の意見に賛成で、リスク評価をする上では、これは直接規制にかけるというわけではなくて、まさにリスクを考えるというのが目的ですので、Ceilingでもって刺激性などについて決められているものについても検討するということにしたほうがよろしいのかなという気がいたします。
○名古屋座長 今の意見を聞いておいて、まとめて、次回のところに。
○阿部中央労働衛生専門官 皆さん、見ていただいている方向性が異なるわけではないと思いますので、あとは私の作文能力次第という部分もあるかと思いますけれども、今の話を踏まえますと──先ほど私が事実関係の確認ということで申し上げたあたりにもかかわるのですけれども──管理濃度の値になるような、規制の値になるようなものではなくて、リスク評価の位置づけでどの値をどう採るかという話だと理解しております。それについては、まさに有害性評価小検討会の場で幾度か御議論いただいていた──この物質の話でしたっけ?──この値はどちらを採るのみたいな話の中でちらっと出ていた話題だったかと思っているのですけれども。率直に言うと、TWAにしても許容濃度にしても、それが発がん性とか臓器毒性みたいな重そうなもの以外の毒性に注目して設定された値であっても、そこは一旦気にせずに二次評価値として採用してきていたりするという理解です。
というところを踏まえますと。Ceilingかどうかには関係なく、事実として今まで発がん性とかの長期毒性以外に着目して設定された値を普通に採用してきているだろうことを考慮すると、Ceilingで参考にしている根拠が刺激性とかであったとしても、リスク評価の範囲では、そこは気にせずに着目していくというアプローチの方が並びとしては綺麗なのかなという気が正直しています。その辺を踏まえまして、では最終的に二次評価値をどう設定して、この二次評価値の値の性質に対してばく露評価をどう考えていくのかというようなことが論点なのかなと理解しました。
ただ、詳細リスク評価に進む判断をスポットの結果との比較でやるのかとかいうところは結構ケース・バイ・ケースな気がしてならないのです。ばく露評価小検討会の場でのご議論も拝聴していますと、スポット測定といっても、本当にスポットで1~2箇所、短い時間で部分的な測定をやっているだけの場合もありますし、そういった例に比べれば結構しっかりとっているように見受けられるケースもあるのかなと。そのあたりも踏まえますと、結局、定型的な表現には落とし込みづらい部分もあるかと思いますので、場合によっては有害性評価の際に一次評価値、二次評価値の説明をちゃんとつけた上で、ばく露評価のほうでどのように見ていただくべきかとかもあわせて御相談するようにする、といったところが、一般論としてできる範囲なのかなという気がいたします。
一方で、ルールブックの改訂も含めて、何をどうやってできるのかは、ばく露のほうの先生方もあり、有害性のほうもあり、それぞれあると思いますので、別途御相談させていただきながら、一旦この2-ブテナールにつきましては次回までにどうまとめるかを御相談させていただきたいと思います。
○名古屋座長 でも、これは経皮吸収があるから詳細リスクに行かなければいけなくなります。濃度は別としても、詳細リスクには行きます。詳細リスクに行ったときに濃度がきちんと出てくれたら、まだ大丈夫かなと。濃度によるリスク評価としてはまだクエスチョンなのだけれども、経皮吸収があるから詳細に行かなくてはいけないという話になっているから、詳細には行くということになります。
○阿部中央労働衛生専門官 いやあ、どっちみち詳細だから……と言って整理するのから逃げていると、だんだん首が絞まっていくだけのような気がしまして……。こういった話は、やれるときに一回まとめてしまったほうがいいかなと思いますので、そこは別途、文章をどうするかは御相談しながら、次回までにまとめたいと思います。
○名古屋座長 よろしくお願いします。
そうしたら、これは今のところ結論が出るわけではないので、また次回という事にします。
そうしましたら、次のイソホロンをお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料6をごらんいただければと思います。
これがまさに先ほどから申し上げていたCeilingの案件もう一個でして、どうしようかなという話を御相談させていただかざるを得ないと思っていたものです。
概要のところは引き続き割愛させていただきます。これももろもろの表現を修正し切れていないところがある点は非常に申し訳ございませんが、まとめのところだけ御説明させていただきますと、まずは許容濃度等の値で各機関が設定しているものが183行目以降にまとめているものになります。
184行目にございますように、ACGIHのTLV-Ceilingが5 ppmとされています。そのほか、207行目にあるようにDFGのMAKは2 ppmという値が設定されてございます。産衛はなしです。そしてNIOSHやOSHAがそれぞれ値を書いていますよ……ということですが、ご覧いただくとお分かりになりますように、各機関の値が結構ばらけた数字になってございます。
ではこの中からどれをとりましょうか……ということで有害性のほうでご検討いただいた結果として、243行目にございますように、一旦ACGIHのTLV-Ceilingを二次評価値として採用し、5 ppmとするしかないのではないかということでまとめさせていただいていたところです。
これに対して、ばく露の評価なのですけれども、イソホロンのばく露作業報告は、258行目の表のとおり109事業場から、結構な数が出ていました。ばく露実態調査は、そのうち6事業場に対して実施していただいています。
測定結果は289行目にグラフにしたものを載せてございますけれども、個人ばく露測定の結果としては、15データを評価データとしてとった上で、8時間TWAの最大値が0.49 ppmだったということになりまして、二次評価値に比べて低い値だったというのが一応結論になってございます。ここで採用しているのがCeilingなのでということを踏まえて、先ほどの途中のご議論にならってスポット測定の値に着目しますと、1.452 ppmというのが最大値になっています。
「リスクの判定及び今後の対応」のところについては、一旦、個人ばく露の最大値0.49 ppmが二次評価値5 ppmを下回っているので、経気道からのばく露のリスクは低いであろうというような表現でまとめてございますが、ばく露評価小検討会のほうで、この5 ppmがまさにTLVのCeilingから来ているということも踏まえまして、どうせならというとあれですけれども、ちょうど頃合いのいい感じの値をDFGが2 ppmと出しているので、こちらを採った方がよいのではないかというような御指摘を頂いていたという経緯がございます。
ここで、仮にDFGの2 ppmを採用したらどうなのかということですけれども、スポット測定のデータは1.452 ppmが最大値なので、5 ppmと比べた場合と比較すると、2 ppmの方が少し近くは感じますが、それでも下回っていることは下回っているという感じですね。個人ばく露測定の値も同様です。ですので、詳細リスク評価というところはともかくとしても、事業者側で自主的なリスク管理をやっていただく上で参考とするべき評価値としての二次評価値をどこにすべきなのかという話でいきますと、DFGの2 ppmのほうがよいのではないかというような御指摘だったと認識しております。
以上、先ほどのCeilingどうするかの話もございますので、この物質のまとめ方をどうするかについては場合によってはペンディングなのかなとも思いますけれども、今までの御議論を踏まえて一旦このような形でまとめさせていただいているという状況です。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
濃度的に先ほどよりは微妙ではないので、通常ですとそのまま初期リスクで終わるという形ですけれども、何か質問等ありますでしょうか。よろしいですか。
そうしましたら、先ほどの2-ブテナールと違って、これは初期リスクで終わってよろしいでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 Ceilingの取り扱いについての文言の調整はいずれにせよ発生するかと思いますので、先ほどの御指摘の点も踏まえつつ、どこまで反映させるかは御相談しながら、最終的な報告書のまとめの段階で御相談させていただきたいと思います。
○名古屋座長 ありがとうございます。
○圓藤(陽)委員 お聞きしたいのですけれども、ACGIHの5 ppm ceilingというのは1976年設定になっているのですけれども、その後、ドキュメンテーションの改訂は一切ないわけですか。76年だと第5版ぐらいのTLVのドキュメンテーションですよね。今は7版ぐらいなので、ドキュメンテーションの年代は変わっていませんか。ずっとそのまま?
○阿部中央労働衛生専門官 何か新しい情報が出ていれば、有害性評価書作成の中で最新のものにアップデートしていただいているはずですね。
有害性評価書を作ったのも比較的最近だったと思いますし、少なくとも1970年代の情報の後に更新があれば反映は。
○大前委員 2001年でしたっけ。あの紙のやつ。
○圓藤(陽)委員 そうです。2001年か2003年、そのぐらいです。第7版が2001年ですかね。
○大前委員 それのときは変わっていないのではないかと思うのです。
○圓藤(陽)委員 でも、一応見直しはしているのですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 有害性評価書作成ということで、ベースの情報を集めていただく事業を別途やっておりますけれども、その中でまとめていただいたものからいろいろ引っ張ってきておりますので、この有害性評価書をつくった時点では特段アップデートがなかった。今回この資料の形式にまとめていく中でも一部委託事業者さんのほうで確認していただいているところもございますが、アップデートは特段なかったはずだということですので、いずれにせよグッとくるようなアップデートはないということなのかなとは思います。
○名古屋座長 よろしいですか。
そうしましたら、次のしよう脳に行きたいと思います。よろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料7をごらんいただければと思います。
この書きぶりが微妙にずれているところがあるかもしれません。「しょう脳」ではなく「しよう脳」ということで、「よ」が大きいのが正式ですね。これはばく露作業報告の告示の際などにも使っている正式名称ということになると思うのですけれども、文中では「しょう脳」と小さい「ょ」を使っているものがいくつかあったりします。ただ、書きぶりにぶれている部分は残っているかもしれませんが、おおよその考え方としては、リスク評価の対象物質について取り上げるときは「しよう脳」、どこかから引用してきているものや訳文からの転記等の場合は、原文そのままにしておくという方針で一応そろえてはいるつもりです。抜け・漏れは最終的にはリスク評価書をまとめる段階で確認したいと思っております。
……ということで、名前が微妙に読みづらい感じで恐縮ですけれども、具体的なリスク評価の内容については、220行目に二次評価値の値を書かせていただいておりますが、ACGIHの勧告しているTLV-TWAの2 ppmを採用しています。
ただ、この値の設定については、ばく露評価小検討会のほうで、粉じん作業と昇華している気体の状態のものとでは評価のポイントが違うのではないかといったご趣旨の御指摘をいただいていた部分がございます。そのあたりの御指摘があるということを踏まえながらのばく露の評価の内容なのですが、まずはばく露作業報告の提出状況を227行目以降にまとめてございます。
すみません、表では9事業場となっているのに本文中では14事業場となっていますね。これはばく露評価小検討会のほうで御指摘いただいていたのですけれども、修正し切れていないです。
ともあれ、ばく露作業報告のあった事業場のうち調査の実施に同意が得られた事業場として4事業場でばく露実態調査を実施していただいています。
その結果についてまとめておりますのが268行目のグラフです。しよう脳の個人ばく露測定結果というところでございますけれども、有効なデータ数は8データ。二次評価値の2 ppmという値に対して、8時間TWAの最大値が5.3 ppmで、区間推定をとると13 ppmということになります。特にばく露が多かったのが原料の粗粉砕とか投入等の作業となっていますね。
こういった評価になりますので、結論として、273行目以降、「リスクの判定及び今後の対応」については、詳細リスク評価が必要ではないか……といった路線でまとめてございますけれども。まとめの途中、どう表現したものかなと思いながらごちゃごちゃと書いているところがございまして、正直こなれていない感があると自分でも思いつつなのですが。原料を粗粉砕し、投入する作業に従事する作業者で先ほど申し上げた最大値5.3 ppmという結果が出ているのですけれども、これは実際にはばく露実態調査の当日にトラブル対応があって、非定常の作業だということなのですけれども、そこで非常に高いばく露が認められたんですね。スポット測定の最大値12 ppmもこの作業です。具体的な作業の内容としては、配管から物質が漏れているのが見付かったので、原因の調査などをしていたということなんですけれども、そういう非定常作業でたまたま高濃度のばく露が認められたとして、通常のばく露の量はどのぐらいなのだというところはどうしても議論の余地があるのかなと。そういったようなご議論もばく露評価の中ではしていただいていたかと思います。
ただ、この非定常作業で高い値が出ていた作業者の方なのですが、原料の粗粉砕とかの定常作業の範囲でもスポット測定で結構高い値が出ているんですね。してみると、仮に調査当日にトラブル対応の非定常作業が発生しなかったとしても総合的に高いばく露が認められた可能性があるのではないか……というのがばく露評価での御議論だったと認識しております。276行目以降のなお書きはそういった諸々を書いてみているのですけれども、「そこで、詳細リスク評価の際には、二次評価値を上回ると考えられるしよう脳の製造(特に原料を粗粉砕し、投入する作業)」等について、「当該作業工程に共通した問題かをより詳細に分析するとともに」といったあたりまでは結構よくある表現なのですが、続く「実態調査を行った作業以外に高いばく露の可能性があるか否か」の後、「又、非定常作業の発生頻度等も考慮したばく露の程度を確認する必要がある」というようなまとめ方にさせていただきました。
要は、非定常作業と申し上げましたけれども、配管からの漏れというのが実はちょこちょこ起きているのではないのとか、そういった可能性も考慮が必要ではないかと。さらに定常作業の範囲でもばく露が高そうだということになりますと、総合的に見るとやはりばく露は高いんじゃないの、みたいな話もあろうかと。ここのまとめの文章では、今ご説明したような事情をニュアンスとしては込めてみているのですが、やはり別途説明が無いと意味がわからないんじゃなかろうかと正直思うところもございまして、こなれていない部分については表現は御相談しながら修正させていただきたいと思っております。
結論としては、「詳細リスク評価の結果を待たず」云々というところは他の詳細リスク評価の案件と同様の書きぶりにしてございます。あとは、最後の「事業場において高いばく露が生じる可能性があることを踏まえて」のところで、先ほどのメタクリル酸メチルなんかと同様、実際に高いばく露が生じているじゃないかというようなことをどこまで書くかとか、そういったところは御相談なのかなと思っているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
何かお気づきの点はありますでしょうか。特に、これもそうなのですけれども、リスク評価をしてみるとdの人の作業がかなり足を引っ張っているので、確かに作業の中のメンテナンス、要するに非定常的な作業の中で高かったかどうか、時間的に見ると55分だったので、どのぐらい影響があるかがよくわかりませんが、できたら詳細リスク評価のところに行ってもう一度この方は測定してもらうのと、同じような作業の中で高いと思われるところをもう少しふやして測定してみたらいいでしょうというような話をばく露評価小検討会では言っていましたけれども、お気づきの点はありますでしょうか。こういうことをしたらいいよとか、何かありますでしょうか。ミリグラムから考えると、2 ppmというのは12 mg/m3だから、かなり濃い濃度という感じはしますね。普通のほこりの量から考えると。
○阿部中央労働衛生専門官 事務局からの補足で恐縮です。測定分析法のところについて、242行目に書いてございますけれども、サンプリングで活性炭管を用いて捕集という形で書いてございます。一応粉じんを捕集しているということなのですけれども、このあたりはどうなんだろうというような話も御指摘いただいていたと思います。もしこれが粉じんであれば211行目に書いているOSHAの値のほうが比較対象にするものとしてダイレクトなのではないかというような御指摘ですね。こういったところが幾つか御指摘をいただいていた範囲でございます。そういった意味でいきますと、仮にOSHAの2 mg/m3を採るとしても、単にACGIHの値よりも小さい値が二次評価値に入ってくるということになるだけですので、いずれにせよ最大ばく露は超えてくるわけで、詳細リスク評価に行くべしという結論自体はあまり変わらないのかなと思っているのですが。そのあたり、捕集の方法とか現場の物質の状態といったところも踏まえつつ、よろしければ詳細リスク評価の中でそういったところの検討もしっかりしていくというような文言を追加するかどうかかなと思っておりました。
○名古屋座長 そうですね。
あと、お気づきの点はありますでしょうか。
○江馬委員 168行目、「NOAEL→LOAEL」は逆です。
○阿部中央労働衛生専門官 直せておりません。小検討会の方でも御指摘いただいていたところで、失礼しました。
○名古屋座長 あと、お気づきの点はよろしいですか。
そうしますと、ここは通常どおり詳細リスク評価に行くという事と、サンプリングのところで、特にばく露の高かったdの作業場のところをもう一度測定してもらうとともに、それに関連するような作業場も追加して測定していただければありがたいという形だと思います。この物質については詳細リスク評価に行くという形でまとめたいと思います。よろしいでしょうか。
本日の中では2-ブテナールだけがペンディングという形になりますが、あとはきちんと詳細リスクと初期リスクで終わるものに分けることができたと思います。
あと、事務局から何かありますでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 今回評価対象物質として取り上げさせていただきましたのはこの7物質になります。
次回以降の予定……というかスケジュール感だけ御説明させていただきたいと思いますけれども。合同の検討会としては10月末に1回やらせていただく予定でした。何物質こなせるか心配しながら日程調整だけとりあえず先行してお願いしておりましたけれども、予定としては10月30日とさせていただいています。
これまでの時点で、今年度は有害性評価のほうが5+6で11物質、その11物質についてばく露評価の方もやっていただいておりますので、その10月末の合同検討会で残り4物質分を突っ込めればと思っていたのですけれども、先ほど御指摘いただきましたCeilingの取り扱いですとか、ドキュメントの改訂をどこまでするかという話も出てきました。方向性としては皆様同様かとは思うのですけれども、果たして急性毒性的なものをリスク評価の中でどうやって読み込んでいくのかとか、そういったテーマで今後「リスク評価の手法」とかもろもろの関係のドキュメントの改訂という形で反映していく、方針を明示していくというところが課題としてあるのかなと思っております。そのあたりを含めて、次回、10月の第2回の合同検討会で御議論をお願いできればと考えております。
そこから第3回は結構飛びまして、ばく露評価小検討会の本年度3回目が11月の半ばで、そこで6物質分のばく露評価をお願いする想定ですが、合同の評価はそちらが終わってからになります。今のところ12月19日の想定で調整いただいているとのことですが、なにぶん、取扱いが微妙なものが結構多いのかなと思っております。取扱いが悩ましいと言うと変な言い方かもしれませんけれども、ピンとくる閾値がぱっと見付かって、実態調査をしたらすぐその値を超える・超えないが明確にぽんと出て、はい、これはクロですね、シロですね、みたいに言えるような感じではないものが散見されていると思いますので、そのあたりについては、必要に応じて根拠となるドキュメントの改訂も含めて検討していかなければいけないと思うのですけれども。いずれにせよ、都度都度御相談させていただきながら、文言調整も含めて取り進めさせていただければと考えているところでございます。
事務局からは以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
予定より早いのですけれども、本日のリスク評価検討会は閉会させていただきます。
どうもありがとうございました。