第4回 麻しん・風しんに関する小委員会 議事録

健康局 結核感染症課

日時

平成30年6月8日(金)14:00~16:00

場所

厚生労働省 省議室(9階)

議題

  1. 1.麻しん及び風しんの発生状況
  2. 2.麻しん及び風しんに関する特定感染症予防指針の改正について
  3. 3.その他

議事

 
○高倉結核感染症課長補佐 それでは、定刻より少し早いのですが、委員の皆様がそろわれましたので、ただいまより、第4回「麻しん・風しんに関する小委員会」を開催いたします。
本日の委員の出席状況を御報告いたします。本日は、高橋委員、調委員、中野委員、山中委員より御欠席の御連絡をいただいております。
続いて、配付資料の確認をいたします。議事次第のほか、資料1から資料5、参考資料1から参考資料7を御用意しております。資料4と5は別添えになってございますので、御確認ください。不足している資料等がございましたら事務局までお申しつけください。
それでは、申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○高倉結核感染症課長補佐 以降の議事運営につきましては、大石委員長にお願いいたします。
○大石委員長 それでは、会議を始めさせていただきます。
まず、本日の議題を確認したいと思います。議事次第をごらんください。「(1)麻しん及び風しんの発生状況」「(2)麻しん及び風しんに関する特定感染症予防指針の改正について」「(3)その他」でございます。
それでは、議題1「麻しん及び風しんの発生状況」から始めたいと思います。
事務局から、こちらの説明をよろしくお願いいたします。
○高倉結核感染症課長補佐 それでは、事務局よりまず資料1を用いて御説明いたします。
資料1の1ページ目は「麻しんの発生状況」でございます。6月7日時点で更新された最も新しい全国のデータを示しております。平成30年になりまして、6月7日の時点で164名の患者の届け出がある状況にあります。
2ページ目に「風しんの発生状況」を示してあります。同じく6月7日時点のものでございまして、2018年、平成30年は6月7日の時点で32例の風しんの届け出がございます。
3ページ目に「沖縄県における麻しんの集団発生事例」についての概要と特徴をまとめてございます。こちらは前回も御説明したとおりですので、詳細は割愛させていただきます。右下に流行曲線を示しておりまして、5月28日時点のということになっておりますが、5月10日を発熱日とする麻しんの届け出例がございましたが、それ以降は確認できる範囲では沖縄県における麻しんのその後の発生はない状況が続いているということでございます。
発生状況については以上です。
○坪井健康課予防接種室長補佐 それでは、続きまして資料2につきまして御説明をさせていただきます。
前回、5月11日に開催されました小委員会におきまして、MRワクチンの需給の見込みの状況等を御説明させていただきました。その際に今後も最新の状況につきまして情報提供をいただきたいという御意見もございましたことから、改めて最新の状況も含めMRワクチンの需給状況に関して御説明を申し上げたいと思います。
2枚目をご覧ください。このスライドの上段につきましては前回と同様でございますけれども、スライドの下段【MRワクチン(乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン)の需給状況見込み】につきましても、前回と同じく現時点においてMRワクチンの全国的な不足は生じない見込みであると考えてございます。
スライド3枚目のグラフは、前回とあまり変わっていないように見えますが、前回は4月の値が暫定値でございましたけれども、これは確定の実績値をもとに再計算したグラフとなっております。グラフにおける5月以降の見込みは、前回と同様に、例年の需要水準を踏まえて推定されておりますが、特に5月の需要につきましては、5月当初時点での見込みとしてのグラフでございまして、実際にはさらに需要が伸びていたものと推定されます。ただ、仮に5月の需要が少し伸びていたとしてもまだ対応できる余力があるものと考えてございます。
5月の需要の詳細につきましては、次の4枚目のスライドにお示しをしてございます。最新の状況といたしまして、月の途中のデータになってしまうのですけれども、5月18日現在の状況につきまして、この4枚目にまとめてございます。スライドの中ほどの【医療機関納入量実績対前年比%】をごらんいただければと思いますけれども、4月の医療機関納入量実績は昨年と比べて約217%ということで、2倍を超える増加となってございました。また、5月につきましても5月18日までの途中実績でございますが、昨年の5月の1カ月分を分母として計算しますと、18日までで既に約210%に達しているということで、相当の量が実際に医療機関に納入されているという実績となってございます。さらに、5月18日時点の流通過程上に存在すると考えられる在庫量は約46万本となってございますほか、さらに、5月末までに追加のワクチン供給もなされたというところでございまして、今後の見通しとして、現時点において全国的な不足は生じない見込みであると考えているところでございます。
また、最後の5枚目のスライドでございますけれども、MRワクチンの任意接種に関しまして、この機会に改めて御説明させていただきたいと思います。麻しんの抗体保有状況は、このスライドの5番目に示すグラフのようになってございます。定期接種の1回接種世代、2回接種世代という区分も時折耳にするわけでございますけれども、いわゆる1回接種世代か2回接種世代かにかかわらず、2歳以上ではどの年齢においても95%以上が陽性抗体価を満たしておりまして、感染防御抗体価で見た場合であっても、世代間で明らかな差が認められる状況ではないということから、感染症流行予測調査の結果から判断いたしますと、現時点において1回接種世代は押しなべて感染リスクが高いというわけではないと考えてございます。厚生労働省といたしましても正確な情報提供に努めてまいりたいと考えてございます。
御説明は以上でございます。
○大石委員長 ありがとうございました。
資料1、資料2については事務局から御説明いただきましたけれども、この内容につきまして質問とか御意見はございますでしょうか。特にないですか。
多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 資料1に示していただきましたように、今年の発生状況は沖縄県、愛知県等でも患者発生が落ちついてきて、累積報告数のグラフが寝てきました。これはまさしく対策の成果と日頃の接種率が上がっていたことが、これぐらいの期間で終息に向かっている非常にいい結果ではないかなと思っています。
そこを考えて、今度はMRワクチンの需給状況を考えますと、4月と5月は確かに200%を超える需給となっているのですが、去年の山形県の自動車学校での集団発生のときも、おととしの関西国際空港の事業所での集団発生のときも、患者さんが多く発生しているときは皆さんがワクチンを受けに行ってくださって、結局なかなか入手が難しくなるのですが、落ちついてしまうと受けてくださらなくなります。この累積報告数のグラフが寝てきて、累積患者さんの数が少なくなってきたときこそ、感受性者の方は予防接種を受けるような、何か手だてを考えていただきたいなと思っています。感染症流行予測調査事業のグラフで、2歳以上で全ての年齢層で95%以上の抗体保有率はすばらしいことなのですが、逆に言うと数パーセントは全ての年齢層に抗体陰性者がいます。昔のような20万人、30万人の大規模な全国流行にはなりませんが、一年齢を百数十万人とすると、やはり数万人の方が抗体を全く持っていない人がいる。その方が発症しているということは認識をしておかなければいけないのではないかと思います。落ちついたときこそ平時に予防接種を受ける環境を少し検討してみていただきたいなと思いました。
以上です。
○大石委員長 ありがとうございました。
麻しんについては国内の流行状況も落ちつきつつあるところではありますけれども、もうしばらくは経過観察の必要があろうと思います。そういう落ちついた状況下では予防接種を勧めてほしいということです。よろしいでしょうか。事務局は特に何かありますか。
ほかは委員の皆さんから御意見はございませんか、よろしいでしょうか。
きょうは指針案についてじっくり議論をしたいと思っておりますので、続きまして議題2に移りたいと思います。「麻しん及び風しんに関する特定感染症予防指針の改正について」というところで、こちらの資料について事務局から御説明をお願いいたします。
○高倉結核感染症課長補佐 それでは、資料3をごらんください。こちらが「麻しん・風しん指針改正の方向性」についてでございます。
前回の小委員会におきまして1から4につきましては方向性の案をお示ししまして、この小委員会の了を得ております。
1番目が「定期予防接種実施率向上に向けた対策の強化」でございまして、2ページ目にございますように「改正の方針」といたしましては、各市町村に対して1期、2期それぞれの接種率が95%以上となるように働きかけるといったような、そういう趣旨を改正の方向性としております。
2番目が「児童福祉施設、医療機関等における対策の強化」でございまして、こちらは予防接種をまだ打っていない0歳児であるとか、妊婦などに接触する機会が多いと考えられます児童福祉施設や医療機関等の職員に対して予防接種を強く推奨するという趣旨の改正でございます。
3番目が「輸入症例への対策の強化」でございます。海外渡航者に関する記載は従来までもございましたけれども、今般の事例等も踏まえまして、海外に渡航する者のみではなく、海外からの輸入症例に接触する機会が多い方なども含めまして、より積極的な取り組みが求められるということで、そのような職業の方を対象とした推奨を追記するという旨の改正の方向性でございます。
4番目が「風しん抗体検査から予防接種への結び付け」でございまして、従来風しんの予防接種が抗体検査、あるいは予防接種を推奨するというような記載、推奨の仕方であったところでございますけれども、あくまで抗体検査の結果が予防接種に結びつかなければ意義が少ないということで、抗体検査そのものを推奨するのではなく抗体検査の結果に基づき予防接種に結びつけることの重要性を強調するという、そのような改正の方向性で、そちらが4番目でございます。
5番目の項目です。こちらは前回の小委員会で項目としては挙げておりませんでしたが前々回の小委員会以降の御意見、あるいは今般の集団発生の事例等を踏まえまして、「広域感染発生時の対応の強化」ということでございます。麻しんや風しんは感染力が強いので、発症した患者さんの移動等に伴いまして自治体を横断して広域に患者が発生する可能性がございますが、現在、広域で感染症が発生した場合、あるいはそのおそれがある場合の自治体間での情報共有というのは各自治体の判断に任されている部分が多くございます。したがいまして「課題」に示してありますように、そのような方針が各自治体で異なるところから、広域事例に対して対策を主導する自治体が定まらなかった事例でありますとか、疫学調査の開始がおくれてしまったというような事例が過去にございました。自治体に行ったアンケートによりますと約80%の自治体が何らかの課題を感じているということがわかりました。
したがいまして「改正の方針」といたしまして、広域感染症が発生した際の情報の共有つきまして、共有する情報の内容や共有の仕方、あるいはどの自治体が対策の主導をとるか、あるいは自治体間の連携のあり方等につきまして、国が一定の方向性を示すこと及び自治体間の連携体制の構築をしておく必要があるということで、このような事例に対する対応を強化するために、これは麻しん・風しん両者に関係しますので、国が情報共有や連携体制の方針を示し、技術的援助等の役割を示すこと及び各都道府県等においても相互の連携体制をあらかじめ構築しておくことが重要である旨の記載を追記するということです。
以上お示ししました5つを今回の予防指針改正の方向性として、この改正案を作成したところでございます。
○大石委員長 4、5も続けてされますか。
○高倉結核感染症課長補佐 では一旦ここで。
○大石委員長 新しい項目も出てきているので、ここは議論したほうがいいのかなと思いました。
それでは、ただいまの資料3につきまして御質問、御意見がございましたらお受けしたいと思いますがいかがでしょうか。
釜萢先生、どうぞ。
○釜萢委員 この改正の方向性、資料3の1はこのとおりであります。なかなかこれが達しないことについて、今回さらなる対応をするわけです。しっかりこれを見守っていかなければならないと思うのですが、2、それから3のあたりの対象となる人はどれくらいの数と把握しておられるのか事務局から教えていただきたいと思います。
○大石委員長 よろしくお願いします。
○高倉結核感染症課長補佐 残念ながら、数についてはあらかじめ確認できておりません。より重要性の高いと思われるところから、関係の団体等に依頼をしながらこの推奨をしていただきたいと考えております。
○大石委員長 よろしいですか。
○釜萢委員 なかなか数を把握するのは難しいことは私も十分理解しておりますが、必要なワクチンの数がどのくらいなのかということについて、そして供給できる量はどうなのかというところもあわせて、徐々にしっかりと体制をとっていかなければいけないだろうと思います。今後については対象者をどのくらい見込んで、1年でそれをすぐに解消するというのは無理だと思いますから、それらの方々に対するワクチンをどのように供給していくのか、メーカーに対してある程度の増産を依頼しなければいけないということにもなるだろうと思いますので、その辺のところのそごを来さないようにしておく施策が必要であろうと思って御質問いたしました。
○大石委員長 ありがとうございました。
事務局。
○高倉結核感染症課長補佐 御指摘、御意見ありがとうございます。
大変重要な点であると認識しておりますので、今後推奨していく上で、ワクチンの需給の状況等を予防接種室と連携しながら、場所的、あるいはタイミング的に集中すると問題が生じる可能性がありますので、そういうところを十分配慮しながら進めてまいりたいと思います。
○大石委員長 よろしいでしょうか。
○釜萢委員 ありがとうございます。
○大石委員長 ありがとうございました。
ほかにはございませんか。
多屋委員。
○多屋委員 今回新たに加わりました5番目の「広域感染発生時の対応の強化」なのですが、毎回これには自治体の方々も御苦労されていると思います。中心になって対策をとるところがどうしても必要になるのですけれども、それは国が行うという方針と思っていてよろしいのでしょうか。あるいは都道府県、自治体に関係なく広く情報を共有できる仕組みをあらかじめつくっておく、そういう準備を始めると考えたらよろしいのでしょうか。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 こちらにつきましては、現状と申しますか、どういう方針にするかというところから議論をしないといけないところだと思います。いろいろな情報をさらに収集しながら、技術的に可能なことと困難なこと等もあると思います。どこが主導をとるかいうのはケース・バイ・ケースのところも現実的にはあります。方向性であるとかこういう場合はこうという判断の基準と申しますか、そういったものを厚生労働省と国立感染症研究所や関係の自治体の方等の御意見をいただきながら、方向性を少しずつ定めていきたいと考えております。現時点でどこまでどのようになるかというところまでは申し上げにくいところがございますけれども、いろいろな御意見をいただきながら進めていきたいと思います。
○大石委員長 現時点ではよろしいでしょうか。
事務局に確認ですが、5番目の要件について「自治体アンケートによると、約80%の自治体が何らかの課題を」とありますけれども、これは何か提示を以前にされましたでしょうか。具体的なところがどういうものが挙がっていたのかなと思うのです。
○高倉結核感染症課長補佐 前回、第3回のときの自治体アンケートの中に含まれてはいたのですが、そちらを使って説明すればよりよかったのかと思います。具体的にこの資料3の7ページ目に示していますように、この「課題」ですね。まさに広域事例が発生した場合に、情報共有も含めて自治体間の方針が定まらないために、自治体間で報道の内容とかタイミングとか考え方、あるいはその方針が大きく異なってしまうであるとか、自治体によっては担当者の間での直接の連絡がとりにくい場合がある。そういった御意見が示されておりました。
個人情報保護等の問題もございますので、そうしたところで自治体による判断と申しますか、基準に差があるというところと、情報共有するあるいは連携する場合のルート、連絡の窓口的なところがあらかじめスムーズにいくような状況になっていないのではないかということを推測させる御意見が寄せられておりました。
○大石委員長 ありがとうございました。
要は、情報共有のメリットと個人情報保護のバランスですよね。この辺のコンセンサス的なものをある程度示しておくということが大事で、できれば自治体間での判断の相違が余りないようにということが一番望まれるところだろうと思います。
今の点もよろしいでしょうか。特にほかにはございませんか。
どうぞ。
○平原委員 私は産婦人科なので、風しんのほうに関しては、とにかく先天性風しん症候群を防ぐという視点からすると、いち早く妊婦さんにどう知らせるかということが結構大事かなと思うのです。この部分だけでも、局所的に、局地的に、はやり始めていますということはいち早く伝えたいと思うのです。それはある意味、私どもの産婦人科学会とか医会とかみたいなところが動くのがいいのだろうとは思うのですけれども。行政のほうだと非常にデータが確立してから、ようやく公表するという形になってくるというのが、今までのならわしかなと思うのです。速報というような形ででも情報が現場の方たちに伝わるように、あるいは医会でもいいのですけれども、何か伝わるような形にしていただけるとより有益になっていくのではないのかなという気がします。
御配慮いただければと思います。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 御指摘ありがとうございます。
広域発生事例は専ら麻しんのほうを前提として考えていたところがございますが、風しんは風しんならではの、先生が今、御指摘なられたような妊婦の方に対する情報発信の迅速性の必要性というところだと思います。そちらは当然情報の共有、あるいは公表のやり方、あり方や方法を、そういった点で風しんの特性というのも十分配慮させていただきたいと思います。
○大石委員長 平原先生、よろしいでしょうか。
ほかはいかがですか。
釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 今の点はとても大事だと思います。自治体間でなかなかどういう形で情報を公開するかというところが、判断の基準が自治体にそれぞれの温度差があるということですが、できれば国がこういう場合にはこのような情報をいち早く出すというような指針をぜひお示しいただいて、例えば麻しんで言えば、最初に出た患者さんがどの地域にどう動いたのかということが、個人情報と大きくかかわるのですけれども、そこで接触した可能性のある人たちがその情報に早く触れて、特に2次感染、3次感染と広がっていくのをどう抑えるかというところが極めて大事ですから、どの時点でどういう情報を出すかという指針は全国にひな形をお示しいただくというのが大事ではないかと思います。
今、そのような御準備がおありかどうかお知らせください。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○野田国際感染症対策室長 御指摘ありがとうございます。
前回も少しお話をさせていただきましたが、まず現状は一類感染症の関係で、検討会でそこをまず一回議論をしたというところがございます。もちろん一類感染症のみならず、麻しんですとか、そのほかの感染症にも適応できるものであると考えております。また、それが感染症ごとによって余りに違うという形になってしまいますと、なかなか難しい話になりますので、まずは今は一類感染症で議論を始めておりますが、そこを麻しんなども含めて使えるようなものにしていきたいと考えております。
○大石委員長 ありがとうございました。
釜萢委員、よろしいですか。
○釜萢委員 はい。
○大石委員長 時間もありますので、先に進めていきましょう。
よろしくお願いします。
○高倉結核感染症課長補佐 それでは、資料4をごらんください。
資料4が「麻しんに関する特定感染症予防指針」の改正の案でございまして、新旧対照の形になってございます。下段が現行のもの、上段に改正案を示してございます。
改正された点は傍線を引いておりますとともに、先ほど資料3で御説明いたしました1から5のポイントに該当する部分は赤い枠で囲ってございます。先ほど申し上げませんでしたが、方向性の1から5以外にも修正している点がございますが、それは主には現行の指針を作成してから5年たっておりますので、その時点の修正に関する記載及び麻しんと風しんの中で重複するような内容のところで表現にずれ等があったものを修正したところがございます。
まず、方向性の1番に対応するところから御説明をいたします。「定期予防接種実施率向上に向けた対策の強化」に関するところで、7ページ目と16ページ目にその記載がございます。
まず7ページ目の2のところを見ていただきますと「国は、都道府県を通じ、定期の予防接種の実施主体である市町村(特別区を含む。以下同じ)に対し、確実に予防接種が行われ、各市町村において第一期に接種した者の割合及び第二期に接種した者の割合がそれぞれ九十五パーセント以上となるよう、積極的に働きかけていく必要がある」ということで、各市町村において第1期、第2期おのおのが全て95%以上になるように働きかけるというような記載に、改正案として示してございます。
次に同じく方向性の1で16ページです。こちらは都道府県等における麻しん・風しん対策会議において、市町村における定期の予防接種の率を95%以上となるようにといった記載でございますけれども、都道府県等における対策会議が、それぞれが95%以上となるように定期接種率の向上策の提言を行い、各都道府県は当該提言を踏まえ各市町村に対して働きかけるものとするという記載を今回新たに追加しているものでございます。
続きまして、方向性の2番「児童福祉施設、医療機関等における対策の強化」についてです。こちらは8ページ、9ページ、10ページに該当の箇所がございます。
8ページの真ん中から「予防接種法に基づかない予防接種の推奨」の項目が並んでございます。最後の部分に「医療機関及び児童福祉施設等の職員のうち、特に定期の予防接種の対象となる前であり抗体を保有しない0歳児、免疫不全者及び妊婦等と接する機会が多い者については、当該予防接種を受けることを強く推奨する必要がある」という記載です。
ここは総論的なお話ですけれども、その具体的なところといたしまして、9ページの4番です。4番の項目の冒頭は「厚生労働省は、日本医師会等の関係団体に協力を求め」ということでございますけれども、医療機関の職員に対する推奨は従来からございましたが、そこに加えまして、「特に」以降の文章を追加したものでございます。
続いて9ページの終わりから10ページのところですけれども、こちらは同じく児童福祉施設等に関する記載でございまして、これも従来より予防接種を推奨する対象でございましたが、10ページの2行目のところから「特に定期の予防接種の対象となる前であり」以降の「予防接種を受けることを強く推奨するよう依頼するものとする」という記載を追加したものでございます。
以上が方向性の2に該当する部分でございます。
続きまして方向性の3番につきましては、9ページ目及び10ページ目に該当箇所がございます。
9ページの2番「海外に渡航する者は」というところですけれども、海外で罹患者と接し、麻しんに感染した場合、我が国に麻しんを流入させる可能性があると。また、海外からの渡航者と接する機会が多い方で、空港職員等は、麻しんに感染する可能性が比較的高いだけでなくて、本人が麻しんを発症すると、我が国で感染が拡大する可能性及び海外へ流出させる可能性があるいうことで、海外に渡航する者及び空港職員等に対し、麻しんの予防接種を受けることを推奨をする必要があるという記載でございます。これは新たに設けたものでございます。
こちらに対する具体的な推奨の対象といたしまして、次の3番目の項目「今後の大規模な流行を防止する観点から」ということで、事業者団体に対しまして、雇い入れ時等のさまざまな機会を利用し、主として、業務により海外に渡航する者等に対する予防接種を推奨する旨の記載でございます。
10ページ目の7番です。こちらは外務省や国土交通省に協力を求めて、海外に渡航する者に対して、予防接種を推奨するものとするというものです。
8番目、こちらが、関係省庁に協力を求め、空港職員等に対して予防接種を受けることを推奨するものとするという記載の追加でございます。
以上が方向性の3番でございます。
方向性の4番は風しんのもののみでございますので、方向性の5番「広域感染発生時の対応の強化」についてです。こちらにつきましては5ページ目、項目といたしましては「麻しん発生時の迅速な対応」の項目の中でございますけれども「国は、複数の都道府県等にまたがるような広域的に感染症がまん延した場合に備え、都道府県等間での情報共有及び連携体制の方針を示し、技術的援助の役割を積極的に果たすとともに、各都道府県等においても都道府県等相互の連携体制をあらかじめ構築しておくことが必要である」という記載を今回新たに設けたものでございます。
以上が麻しんに関する予防指針の主な改正のポイントでございます。
続きまして、資料5です。こちらは「風しんに関する特定感染症予防指針」の改正案で、同じく新旧対照でございます。
方向性の1に該当する記載は8ページ目と19ページ目であります。特に改正された内容につきましては先ほどの麻しんと同様となってございます。
次の方向性の2番につきましては10ページ目と12ページ目に該当箇所がございまして、こちらは「予防接種法に基づかない予防接種の推奨」の中において「医療機関及び児童福祉施設等の職員のうち、特に定期の予防接種の対象となる前であり抗体を保有しない0歳児、免疫不全者及び妊婦等に接する機会が多い者については、予防接種を受けることを強く推奨する必要がある」というものでございます。
そちらに対する具体的な推奨の方針といたしまして、12ページ目の項目の7番及び8番にそれぞれ医療機関の職員及び児童福祉施設等の職員に対し強く推奨するという記載が新たに追加されたものでございます。
方向性の3番「輸入症例への対策の強化」につきましては、10ページ目から11ページ目、13ページ目、15ページ目に該当する記載がございます。
10ページ目の4番の項目のところですけれども、こちらも麻しんと同様の記載になりますが、海外に渡航する者及び海外からの渡航者と接する機会が多い空港職員等ということで、感染する可能性が高いことと発症した場合に拡大する可能性や海外へ流出させる可能性があるということで、こちらに対して予防接種を受けることを推奨する必要があるという記載でございます。
それに伴いまして13ページ目になります。こちらも麻しんと同様でございますけれども13ページ目の10番の項目、外務省及び国土交通省に協力を求め、海外渡航者に対して予防接種を受けることを推奨するということ。
11番目は、関係省庁に協力を求め、空港職員等に対しまして、同じく予防接種を受けることを推奨するという記載の追加でございます。
方向性の4番、こちらは麻しんにはなく風しんのみのところです。風しんの抗体検査から予防接種への結びつけに関するところでございます。
7ページをごらんいただきまして「発生の予防及びまん延の防止」の大項目の中ですけれども、「抗体検査において、陰性又は抗体価が低いという結果が確認された場合には、確実に予防接種を受けることにつなげることが重要である」という記載がこちらにございます。
赤囲いしている部分はこの1カ所ですけれども、9ページ目から13ページ目の「予防接種法に基づかない予防接種の推奨」いわゆる任意接種の推奨が並んでいる部分ですが、こちらの推奨の文末の表現と申しますか、こちらを新旧で御確認いただきたいわけなのです。従来現行の指針におきましては、その該当者に対しまして「風しんの抗体検査や予防接種の推奨を行う必要がある」という記載でございました。しかしながら今回の改正案におきましては「風しんに未り患であり、かつ、風しんの予防接種を必要回数受けていない者(り患歴及び予防接種率が不明な者も含む。以下同じ)又は風しんの抗体検査において陰性若しくは抗体価が低いという結果が確認された者に対し、当該予防接種を受けることを推奨する」という記載に変更してございます。現行の案では抗体検査と予防接種を2つ並べていずれも推奨するという記載であったものを、改正案におきましては、あくまで推奨するものは予防接種である、その対象者として抗体検査の結果が陰性または低値であった者といった文の構成に改正したというものでございます。9ページの「予防接種法に基づかない予防接種の推奨」の項目全体的にわたりまして、この推奨の記載を同様に改正しております。
5番目の「広域感染発生時の対応の強化」につきましては6ページ目にございます。こちらは先ほどの麻しんと同じ記載が追加されているものでございます。
以上、方向性の5つのポイントに絞りまして、御説明させていただきました。麻しんと風しんの両者の予防指針の改正案でございます。先ほども申し上げましたように、それ以外にも事前の修正や文言の修正、あるいは麻しんと風しんでずれていた部分の統一性などに配慮した改正を行っております。
事務局の説明は以上です。
○大石委員長 どうもありがとうございました。
では、麻しんの議論から進めていきたいと思います。今の事務局からの説明を受けて御意見等がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
竹田委員。
○竹田委員 質問が1つと、あと文言のことです。
質問の1つは方向性の3で、よく必要回数を受けていない場合には予防接種を推奨するという記載があるのですが、これは1回接種世代の方の場合は必要回数は1回ということを指すのでしょうか。
○高倉結核感染症課長補佐 広く一般的にはそれを指します。しかしながら、予防接種法に基づかない予防接種、いわゆる任意接種のところに関しましては、それぞれの必要回数としては原則的には2回を考えております。
○竹田委員 もう一つ、文言なのですけれども、はしかの9ページの2の「海外に渡航する者は」の記載のところで、こちらは繰り返し「麻しん」に感染するという文言が出ていて、「麻しんウイルス」が正しいのになと思っていて、いいかと思っていたのですが、風しんのほうは全てきちんと「風しんウイルス」と書いてあるので、どちらかに統一したほうがいいかなと思いました。
○高倉結核感染症課長補佐 御指摘ありがとうございます。
それは御指摘のとおりでございますので、こちらは訂正させていただきます。
○大石委員長 ありがとうございました。
ほかは。
多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 今の竹田委員の御発言に関連してなのですけれども、前回の特定感染症予防指針のときも同じ質問が出まして、必要回数とは一体何回かという質問が出て、それで全てのところに必要回数である2回と明記していただいた経緯がございますので、これが削除されますと少し後ろ向きの印象を持たれる方がいて、1回でいいのだと思う方がいても困るので、前回と同様に必要回数は2回なのだということをしっかり書いていただくことが大事ではないかなと思います。
よろしくお願いいたします。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 御指摘ありがとうございます。
同じ表現が繰り返されることを避ける目的で7ページに、必要回数というのが何を示すかということを一旦示してはいたのですが、先ほど竹田委員、あるいは今、多屋委員から御指摘があったように、回数の明記がより重要だと思われます。定期接種の場合は、今回このような改正案として示した背景といたしましては、1歳から5歳の方で、例えば海外に渡航される方であれば必要回数は1回だというようなところがありましたので、このような記載になりましたのですけれども、御指摘を踏まえまして回数を明記する方向で修正させていただきたいと思います。
○大石委員長 今、おっしゃったのは7ページにあるのですか。
○高倉結核感染症課長補佐 7ページに、赤囲いではございませんが、傍線を引いてございます。麻しんのり患歴あるいは予防接種歴、必要回数、そして受けていない場合というのに、例えば「不明な場合も含む」であるなどです。こういったことでもって同じ記載が繰り返し出ることを避けようということでこのような記載になりましたが、わかりにくい点にもつながっている可能性がございますので、そちらは今の御指摘を受けまして修正を加えたいと思います。
○大石委員長 よろしくお願いします。ほかはいかがですか。
館林委員、どうぞ。
○館林委員 文言ではなくて個別の質問なのですけれども、「推奨する」と新しく「強く推奨する」というのがあると思うのですが、具体的に指針に書かれるとどう変わるのか、イメージがつかないので説明していただければと思います。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 そちらに関しましては、具体的にどのような差をつけるということまでは現在想定してございません。しかしながら、先ほど釜萢委員から御指摘がございましたように、よりタイミング的により早くにそうしたものに対しては徹底を進めたいと考えてございますし、何かまた、集団発生事例等が起こったときの注意の喚起であるとか、そのようなところの優先的な対象、あるいは医療機関や児童福祉施設の職員の中で、例えば順位づけが必要な場合に、どちらを優先していただきたいかといったところを示す上で、この「強く推奨する」部分と「推奨する」部分との間で少し優先順位を設けなければならない場合の順位として配慮した次第でございます。
○大石委員長 よろしいでしょうか。
ほかはいかがでしょうか。
平原委員。
○平原委員 今の館林委員の「強く」というのは、肌感覚として私はすごく有効だなと思っています。「推奨する」というのと「強く推奨する」というのはものすごく違いがあるというのが肌感覚であるので、「強く」というのはそれぞれの都道府県、市区町村にとっては重要な意味を持っているのだろうなと思っておりますので、これはすごく重要なことかなと思いました。
私の意見は、例えば5ページのところで先ほどの広域にという話です。麻しんのほうの5ページのところに「都道府県等にまたがるような広域的に感染症がまん延した場合に備え」と書いてございます。これに私は思うのですけれども、まん延ということが条件なのか、広域的にスポットでも、単発でも散発的に起こったらすぐに動くのが本来の姿かなと思うのです。まん延してからですと広域も何もなくて、みんなそこら中が対策をとらないといけないということになるので、多分これはもうちょっと早期初動体制のことを考えると「まん延」というのを削除したほうがいいのかなと思ったのですけれども、いかがでございましょうか。
○大石委員長 ありがとうございます。
○高倉結核感染症課長補佐 御指摘ありがとうございます。
そのようにスポット的でも広域で発生することがまん延するのにつながるわけですので、それに備えてということでありますので、まん延した場合に備えというよりも、まん延を防止するためにというような表現を考えまして、あるいは広域に発生することを予防するという観点もございますので、そうした表現に修正を加えるなどして、今、御指摘のありました初動の重要性についてわかるような記載を考えていきたいと思います。
ありがとうございます。
○大石委員長 今の平原委員の御指摘はイメージ的によくわかって、広域的に「発生」という言葉ではまずいのでしょうか。「まん延」という言葉は必要なのですか。
○高倉結核感染症課長補佐 「発生」でもよいと思いますので、そこは適切な表現をこちらで検討させていただきます。
○大石委員長 平原委員、そのようなイメージですよね。
○平原委員 そういうイメージです。
○大石委員長 ほかはいかがでしょうか。
多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 「予防接種法に基づかない予防接種の推奨」のところなのですけれども、例えば麻しんですと8ページ目からがその項目かと思います。1番は「医療機関の職員、児童福祉施設等の職員」と書かれていまして、学校の職員等はと、「等」が入っているので職員さんではなくてもその他の職種の方も含まれるかなと思うのですが、それ以降の児童福祉施設とか医療機関は「職員」と明記されていますので、ここに「等」が入る必要はないのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 「職員」ということで、こちらに関しては「等」が特に要らないのではないかと考えたわけですが、今、御指摘の意味としましては。
○多屋委員 1番は「学校等の職員等」と、職員でなくともおそらく非常勤職員の方、派遣職員の方、例えば医療機関であれば患者さんと接触するような実習学生さんやそのほかも含めた全ての方に対して、予防接種を今も勧めていると思うのです。1番の学校の先生だけ「等」が入っているので、ほかのところも職員に限定してしまうのではなく医療機関で患者さんに接触する人とか、児童福祉施設で子供たちに接触する人たちには予防接種を受けておいてほしいという意図が伝わるような表現にしていただけるとありがたいなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
○大石委員長 どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 ありがとうございます。
赤囲みしたところの前に、そういう方に接する、あるいは重症化を来しやすい、そういった方というニュアンスが含まれておりますので、今、御指摘がありましたように、こういう医療機関や児童福祉施設等で働かれる方の中で、そのようなリスク、危険、おそれのある方という意味で「職員等」にしたほうが適切だと思いますので、こちらは「職員等」にさせていただく方向で検討いたしたいと思います。
釜萢委員から、今の点に関しまして御意見がございましたらお伺いしたいのですが。
○釜萢委員 いろいろ対象になる人はおりまして、職員という枠に入らない方でも感染の機会がある、あるいはほかの人にうつしてしまう可能性があれば、積極的に接種の対象として拾い上げるべきだと思いますから、なるべく幅広く対象を網羅できるように「等」を入れていただいていいのではないかと思います。
○高倉結核感染症課長補佐 ありがとうございます。
○大石委員長 そういったところでよろしいでしょうか。ほかはいかがですか。
多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 幅広く意見を求められているので、区切って言っていただけるといいかなと思いました。
今回の議論の前に事前にいただいていたものと随分変わっているところがあるので、ついていけてない部分もございます。最近麻しんでは、修飾麻しんの問題も結構取り上げられていて、その情報を正しく知っていただいて、診断方法ですとか、その対応方法なども必要になってきていると思うのですが、そういうところが入っているのかどうかとか、ちょっと見つけ切れていない部分もございます。できればパートパートで意見を求めていただけるとありがたいです。
○大石委員長 事務局、いかがですか。
○高倉結核感染症課長補佐 今、御指摘の点に関しましては3ページ目、これは予防指針の前文の部分ですけれども、麻しんであれば排除認定されたわけですが、その前後から発生状況の変化が明らかにございまして、輸入例を契機とする集団発生事例のこと、あるいは麻しんが発生例が専ら成人になってきていること、そこに加えまして修飾麻しんと呼ばれる高熱や発疹等との典型的な症状を伴わない軽症の麻しんの患者数が増加しているというところを記載しております。
修飾麻しんそのものに関して、例えば診断や発見が難しかったり、診断や届け出が遅れやすかったりという問題点はあるかと思いますけれども、それらにつきましては医療の指針の後半のほうの情報の提供や医療の提供、あるいは都道府県等の設置するアドバイザー制度などで医療関係者が早く発見できるような取り組みについて記載してありますので、そちらのほうでそのような注意点を踏まえていただきたいということで、前文に追加させていただいております。
○大石委員長 よろしいですか。どうぞ。
○多屋委員 ありがとうございます。
ここに書いていただいているのは今、気がつきましたので。
ありがとうございました。
○大石委員長 それが反映されるのは、今、おっしゃったような情報共有の問題であるとかですかね。先生が意図されているところは大体反映されているということでいいのですかね。
○多屋委員 はい、以前は入ってなかった部分がここに組み入れられたと理解しました。
○大石委員長 竹田委員、どうぞ。
○竹田委員 今の修飾麻しんのところの記載で、少しだけ文言を微修正していただきたいなと思ったのは、修飾麻しんの患者さんの割合はふえていると思うのですが、絶対数は多分減っているので、「割合」だと一言入れていただきたいと思います。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 麻しんの発生者数は、いわゆる集団発生などによって若干ぶれがありまして、そういった意味で必ずしも絶対数が減っているかどうかというと、そうも言い切れないところがございます。比率も同様でございまして、必ずしも一定のトレンドということではないのです。例えばこちらで調べましたところ、2015年は麻しんの診断総数が35例しかなかったわけなのですが、そのうちの8例、23%が修飾麻しんでございました。2016年は164例中55例、33.5%。2017年は総数が188例で修飾麻しんが79例、42%でありました。ことしに入りまして、現在のところは25%ぐらいが修飾麻しんという形になっておりまして、なかなか総数と割合との間で必ずしも同期と申しますか、あるいは絶対数はふえているけれども割合と絶対数の間にも余り一定の傾向というわけではなくて、20%から40%という高い割合であるというのが近年の状況でございますので、このような記載にさせていただいております。
○大石委員長 竹田委員。
○竹田委員 正確な数字はわからないというのはいいのですけれども、意図が十分伝わらなかったかもしれないのですが、はしかの患者さんがすごくたくさんいるとき、例えば何万人もいるときというのは、そちらは典型麻しんが割合的に多いので、修飾麻しんの方は割合的に少ない。一方、患者が減ってくると、割合的に修飾麻しんの患者さんがふえているのですが、修飾麻しん患者さんの絶対数はきっと減っていて、そこに書いてほしいなと思うのは、たまに誤解されている人がいて、まるでワクチンを打ったことが悪いみたいに、ワクチン接種してそのおかげでまるで副作用かわからないけれども、悪い状況が起こっているみたいに受け取る方がいるときがあるみたいなので、お願いいたしました。
○高倉結核感染症課長補佐 今の御指摘は最初は意図がわかりませんでしたが、今の竹田委員の御説明で了解いたしましたので、誤解を生じにくいような文言のほうに、こちらで検討させていただきます。
○大石委員長 例えば割合がふえているというよりも、それが言いにくければ一定数は認められるとか、そのような表現はどうでしょう。
○高倉結核感染症課長補佐 承知いたしました。こちらで検討させていただきます。
○大石委員長 ほかはいかがでしょうか。大体方向性の1、2、3、4、5全て網羅できましたかね。よろしいでしょうか。
釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 今回の指針改正の方向性については1から5で賛成でありますが、そのことを踏まえて申し上げますが、きょうの資料3の6ページの男性における風しんの抗体価が落ちている年齢の部分の扱いについて、今回はそこまでの検討ができなかったとしても、今後についてはここをぜひ対応をしておかなければいけないと思います。
今回の改正の指針の4の、風しん抗体価の検査で抗体が低い人に対して積極的に予防接種をするということも大事なのですけれども、なかなか抗体の検査をしてどうかを調べるまでに至らないということもあります。麻しんの3期、4期の接種、ある期間接種をしたことによって、かなり全体としての抗体を上げることができたということを踏まえて、年齢的にもなかなか実施が難しいという課題がありますけれども、抗体の下がっている年代の男性について、急に1年で全部やろうというのはとても無理ですから、ある一定の期間、5年とか7年とか、そのくらいの間隔を見て、着実にここを潰していくという施策をぜひ今後考えていただきたいと思います。予算もかかることですし、簡単ではないのはよくわかりますが、それをやっておくことが国民の風しんに対する、非常に防御になるということは明らかであると思いますのでぜひ御検討を賜りたいと、事務局にお願いをいたします。
○大石委員長 この点についてはどうですか。
事務局、どうぞ。
○江浪健康課予防接種室長 ありがとうございます。
この風しんの抗体保有率の対策に関しましては、麻しんに関して1回接種の方たちの世代についてどう考えるかという課題も一方でいただいております。日本で排除状態が長く続く中で自然に麻しんなどに触れる機会がなかったときに、例えば1回接種の世代の人たちに対しての免疫の持続がどうなのかというところも含めて、予防接種法に基づく予防接種の議論の中でどこの部分をしっかりやっていくのが必要なのかという議論を、しっかりやっていきたいなと考えてございます。
この少し下がっている世代だけを集中的にやっていくということなのか、あるいはもう少し幅広く1回接種世代というところの対策として全体で考えていくのか。そのあたりも含めて予防接種部会のほうで御議論をいただきたいと考えているところでございます。
○大石委員長 釜萢委員、よろしいでしょうか。
○釜萢委員 はい。
○大石委員長 麻しんの指針に関する議論が終わったところで、風しんの予防接種施策についての御意見、これは以前にも何回か議論はしたところでありますけれども、予防接種室のほうからまたお答えいただいたというところだと思いますが。
では、よろしいでしょうか。
どうぞ。
○多屋委員 今の釜萢先生の御意見に関連してなのですけれども、感染症流行予測調査事業は毎年行われていますので、ぜひその結果を見ていただいて、今回改正する施策がうまく抗体保有率を上げていくことにつながっているかを見ていただいて、変わらなければ施策の変更なり改善なりを考えてみていただくというのも入れ込んでほしいなと思いました。
もう一つ、前回の3回のときにお話をしたと思うのですけれども、きょう、お休みの高橋委員もおっしゃっていましたが、抗体検査を大人が受けに行って陰性であればワクチンを受けるという2回の行動は、非常に難しく現実的には困難であるということから、わざわざ抗体検査を受けにいくことなくできるような、例えば職場健診のときに1回だけ入れていただくなど、もう少し受けやすい環境を考えてみていただけたほうが実効性としては上がるのではないかと思います。私も前回申し上げたように35歳、45歳、55歳と、例えば年齢を区切って5年、10年予防接種を検討していただくという方向の案に賛成しておりますので、あわせてそれが決まるまでの間、検討していただくまでの間、少なくとも抗体検査をわざわざ受けに行こうと思う人でないと陰性であることがわからないということを改善してもらう施策を考えてみていただきたいなと思います。
○大石委員長 ありがとうございました。
そうしますと、もう風しんの議論を始めているという理解でいいのでしょうかね。
そういった多屋委員、釜萢委員の御意見をこの指針の中に盛り込むとするとどういった部分になるのでしょうか。
事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 現在、お示ししている予防指針の改正案におきましては、事業者団体に対する働きかけを行う旨の記載が11ページの6番、あるいは14ページの5番にございますので。
○大石委員長 いずれも予防接種法に基づかない部分の接種ですね。そういったことですよね。
多屋委員、そういった予防接種法に基づかないところには記載はされているということなのです。多分釜萢委員がおっしゃっていた、ある程度5年、10年をかけての接種というのは想定的にはやはり予防接種法に基づくようなということを想定されているのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○釜萢委員 法律に基づいて接種できることは大変望ましいのですけれども、地方自治体もいろいろな補助をしたりしてくれていますから、それらも利用しやすい形で、国もそれを支援する体制がとれれば、法律を改正しなくてもできることもあるのかなという気はしますが、やはり幅広く押しなべてしっかりやれるような体制ということになると、法律改正を視野に入れないといけないかなと思います。
○大石委員長 ありがとうございました。
平原委員、どうぞ。
○平原委員 風しんのことに関しましては、今、議論が出ていた風しんのほうの11ページのところの一番最後のあたりです。6番のところですけれども、男性の従業員は「昭和三十七年度から平成元年度」と書いてあります。次の12ページのところにいきますと、上の2行目のところにこの人たちが必要回数を打っていない、もしくは抗体が低かったら当該予防接種を受けることを推奨するよう協力を求めるものであると書いてあります。ここにとりあえずでも「強く」というのを入れることは難しいのでしょうか。今回風しんに関しての「強く」という定期接種以外のところで求められているのは、赤ちゃんとか妊婦さんに接する人たちは「強く」勧められているということですけれども、今までの歴史的な出来事を見る限りは、この中年男性の人たちが強く求められる人たちであるというのはかなり明らかかなという感じがしているのですが、ここに「強く」というのが入ることが一つでもあれば、例えば今、抗体検査の助成事業なんかも、どの市区町村もほとんどが妊娠を希望する世代の人たちが対象で、中年のおじさんが行っても相手にされないです。そういうところにも視野を広げられるようなことが、「強く」ということで広がるのであれば、そういうことも各市町村を通して住民にリスクリテラシーをしていくという意味では重要なことなのかなという気もしたのですけれども、いかがでございましょうか。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 今の11ページの6番目の項目につきましては、こちらは事業者団体に対して風しんの予防接種を推奨する文言なのですけれども、この中で主として渡航する者及び昭和何年度から平成元年度というような、そこで年齢を絞って男女を示しているような記載になっておりまして、事業者団体に対して接種歴がなかったり、必要回数がない方に対して推奨するという中で、主となる者として海外及び該当する年度に出生した男性及び女性という、ここの時点で二重的になっているところがあるというのが現状でございます。
今、御指摘がありました、いわゆる風しんの抗体検査の助成事業におきましては、確かに御指摘のとおり、ターゲットといたしましては妊娠を希望される女性及びその同居家族等ということになってございますけれども、こちらは自治体等によりましては少し対象を広げているような自治体もあるように聞いております。そういったところから含めますと、この予防指針の記載の中で、さらに「推奨」と「強い推奨」との中で分けていくということに関しては、ほかとのバランスといったものも少し配慮しないといけなくなるかなということで、今、ここでお答えはしにくいところでございますけれども、具体的にこちら自体を「強く」とするのであれば、事業者団体全体に対してどうするかというところもございますので、そのあたりも御意見をもう少し伺えればと思います。
○大石委員長 平原委員。
○平原委員 先ほど釜萢委員も話されましたけれども、多分男性のこの年代の人たちというのは、ある意味今までも、2004年もそうでしたし、2004年はちょうどそれが10年前の年齢でしたし、2012年、2013年のときもやはりその人たちの年代を平行移動してきて、そこで職場とか奥さんに家庭で罹患させるようなことが現実に起こっていたというのは、かなり確かな話だと思うのです。ですから、そういう意味ではそこに絞ったフォーカスを当てないと、前のときの特定指針もこれが書いてあるわけですよね。前のときもこれは大事だと言って、特定指針ときにもさんざん議論が出まして、なかなか企業のほうは前向きに進めるということが現実にできなかったという実際もあるわけですから、何らかの形で一歩でも進められるようなことが入ればいいかなと思います。もちろんこの指針はこれで具体的な各都道府県、市町村とかに向けての指導として、そういう形で進めていくということでもよろしいかとは思うのですけれども、何かの形でもう一歩進めた形があるといいかなと思います。
抗体助成事業に関しても、ほとんどの都道府県、市町村は妊娠世代の人たちとカップル、パートナーの人だけが対象というのが現実でございます。
○高倉結核感染症課長補佐 ありがとうございます。
今、御指摘のような年代の男性等が抗体保有率が低いという状況があるのも明らかであり、接種の推奨対象だという認識はこちらもはっきりと持ってございますので、具体的な事業者団体への協力を依頼する上において、従来のやり方が余り効果が不十分だということであれば、そこの部分の協力の方法について、今までの効果が不十分であったことを踏まえた上での推奨、依頼をこちらのほうで検討させていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○大石委員長 ありがとうございました。
2013年のアウトブレークの後、職場における風しん対策のガイドラインを発出したところですけれども、過去に事業所がどれほど男性の感受性者に対してこの対策を取ったのでしょうか?また、取れなかったとしたらそれは何故ですかね。厚生労働省は労働安全を管轄する部署であると認識していますので、そこはしっかり対策を前進させてほしいと思う次第です。指針に記述しても、次のステップである対策実施に繋げないと、せっかくの指針も意味がないかと思います。
○高倉結核感染症課長補佐 ありがとうございます。
もちろん関係する省庁あるいは厚生労働省内の部局もそうですけれども、どのようなところと連携しながらどのような推奨をするのが効果的かというところから検討を始めたいと思います。
○大石委員長 ありがとうございます。
館林委員、どうぞ。
○館林委員 では、ここのところの指針は少し文言を変えていただけるという理解でいいのでしょうか。
○高倉結核感染症課長補佐 文言につきましては、前回と記載的には大きく変わっていない形にはなりますけれども、こちらが従来の指針で効果が不十分であるということでございますので、指針はこのままでありますが、推奨のやり方をまた改めて検討したいという趣旨でございます。
○大石委員長 どうぞ。
○館林委員 平原先生の御意見だと、前の指針のときにここまで来たので、次の今回の指針でも一歩進めないと、形として残したいという理解だったと思うのですけれども、そうですよね。
○大石委員長 私は「強く推奨」ということは書いてほしいという要望があって、事務局のほうもそれを検討するという話だったと思います。
事務局、どうですか。
○野田国際感染症対策室長 多分これは記載ぶりの問題にもなるのですけれども、「強く推奨」するというものに関して言うと、例えば医療関係者ですとか、あとは0歳児に接する機会が多い方々を「強く推奨」しているということになると思うのです。さらにそこのところに加えて特定の年齢層まで全て「強く推奨」してしまいますと、多分ぼやける可能性はあると思います。段差をつけるというところは、よりスペシフィックな集団に対してやる部分で言うと、あるのかなとは思います。逆にその人数が多くなり過ぎたところに「強く推奨」をしてしまいますと、余り全体的に強くしないという形になってしまいますので、多分記載ぶりの問題ではあると思うのですけれども、そこはちょっと御検討いただければと思います。
○大石委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○館林委員 議論を伺っていて、そうすると、各自治体がうまく助成が出せるように、どうしたらここの文言がより効果的か少し考えるとか検討するとか、そういうことは技術的に可能なのですか。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○野田国際感染症対策室長 基本的には推奨しているという部分で、必ずしも予算に関係するというところはないと思いますが、いずれにしても「推奨する」という部分について言うと、ほかの集団に比べると推奨しているという部分がありますし、「強く推奨する」という部分で言うと、それよりもさらに推奨しているという部分になりますので、そこは国としては重要度については差を設けて説明をしているという形になると思います。
○大石委員長 館林委員、どうぞ。
○館林委員 今、伺っていて、そこは理解しています。平原先生が「強く」ということを入れたことに対して、事務局としてはそうすると、今、おっしゃったような整合性の問題として難しいという話がありました。では、現状として抗体検査の話にするとしても、抗体検査を今、妊婦さんとかその御家族ばかりになっているので、当該年齢の方にできるような方法はないかということで、御検討しますという話があったときに、文言上の検討ではなくて施策上の検討であったという理解なのですけれども、根本的に平原先生が最初におっしゃっていたのは、前の指針のときも議論してここまで来たから、今度の指針のときもよりもう少し進んだ何かをしたいという御意見であったと理解しています。そうすると、この指針上に事務局が合理的にできる範囲で何か改善点ができないのかなというのが質問の趣旨です。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○野田国際感染症対策室長 基本的には指針上の部分で言いますと、これは先ほど、どうなのかという部分のお話をしましたけれども、この特定の年代についても強く推奨してしまうというのは一つあるとは思うのですけれども、そこは先ほども御説明させていただいたように、必ずしもそれをやることによって、今、より強く推奨している部分については焦点がぼやけてしまう可能性があるというところが一つあると思います。
もう一つは、先ほど高倉から御説明させていただきましたように、一方で特定の集団、特に事業者団体に対してどのような形でより届くような普及啓発などをしていくかというところについては、そこは施策上の部分になってまいりますので、そこについては検討させていただきたいというところでございます。
○大石委員長 館林委員、どうぞ。
○館林委員 予防接種行政をずっと取材してきて、ポリオの生ワクチンとか不活化ワクチンもそうですけれども、昔から振り返ると、昔から不活化のほうがいいと小委員会で結論を出しました。でも、そのままずっと続いていました。このようなことは歴史に残ってしまうので、後から振り返ってやはりおかしいなと思われるようなもの、要は歴史をつくっているのだという観点から、文言でももう少し善処したという何か工夫があったほうがいいと思うのです。いつも歴史を振り返って、あのときこんな施策で結局何もできなかったとか、私たちはそういうのを記事に書くのですけれども、やはり施策上でというよりはできれば平原先生がおっしゃられたように今回も少し前進した、財政上の話はわかるのですけれども、個人の観点に立つと、いつも全体か個人かという話になるのですけれども、何か少し工夫ができればいいのではないかと個人的には思いました。
○大石委員長 ありがとうございます。
事務局、どうぞ。
○野田国際感染症対策室長 そこはまさに平原先生が初めにおっしゃった部分で、御説明させていただきましたが、ここの集団自体を「強く」という言葉を入れるかどうかというところだと思いますが、そこについては御意見をいただいたほうがいいかなと思います。
○大石委員長 事務局は今の館林委員の御意見も受けて、御検討をいただきたいと思います。貴重な御意見ありがとうございました。
ほかは風しんの指針について特にございませんでしょうか。大体方針4以外は麻しんと共通するところでありますけれども。
どうぞ。
○野田国際感染症対策室長 先ほどの話であるのですけれども、仮にこれを「強く」という形で入れた場合なのですが、そうした場合に医療関係者と特定の年代を必ずしも区別せずに同程度推奨するという形になってしまうのですけれども、それでもいいかということは、一応御意見を伺っておきたいと思います。
○大石委員長 そこは事務局で判断していただいて、それだけ重きを置くということは施策として、助成も受けられる可能性があると思って私は聞いていたのですけれども。
事務局、どうぞ。
○高倉結核感染症課長補佐 平原委員の御指摘は従来の記載、現行の指針等よりは一歩前に進んだ形の記載をという御趣旨であったと思います。現在方向性の2で示しましたような医療機関や児童福祉施設で強く推奨するという形の記載になってございますけれども、そこと並べるということをおっしゃっているというよりは、それも一つの案だとは思いますけれども、現行指針よりはここの部分の重要性というものが強調されたような記載にといった御趣旨でよろしいでしょうか。
○大石委員長 平原委員、どうぞ。
○平原委員 両方あると思うのですね。一歩進めるという意味もありますし、これはほかの委員の御意見もお伺いしたほうがいいかなと思うのですけれども、私は妊婦さんたちを扱う施設、子供さんたちを扱う施設に対して強く推奨するというのと、この年代の人たちに強く推奨するというのは、現場感覚では同じだと思っています。ですから、特段妊婦さんたちに対してグレードが強いというのであれば、そちらのほうは「特段強く」とかにして、こちらのほうは「強く」と入れても。我々はよくガイドラインのときは推奨レベルABCDとありますけれども、あれのAかBかという違いは、実際、どういう表現で定義づけられているのか本省の場合はよくわかりませんけれども、そのあたりのところは踏まえていただければどうかなと思います。
○大石委員長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○高倉結核感染症課長補佐 委員会の先生方としてほかの御意見がなければ、具体的な記載は検討させていただきますけれども、何らか現行よりは進んだ形の記載にということで検討いたしたいと思います。
○大石委員長 ありがとうございます。
よろしいですか。
多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 今の風しんの11ページの6番なのですけれども、医療機関にお勤めの方や保育福祉施設にお勤めの方に強く推奨するということに加えて、ここも業務で海外に渡航する人と、それから昭和37年度から平成元年度に生まれた男性の従業員、昭和54年度から平成元年度に出生した女性の従業員の罹患歴、予防接種歴を確認して、風しんに未罹患で、かつ、予防接種の必要回数をここに2回と書いてくださると思うのですが、2回受けていない、または風しん抗体検査において陰性もしくは抗体価が低いという結果が出た人ですから、ここはやはりかなり強く推奨するべき対象だと思うので「予防接種を受けることを強く推奨するよう協力を依頼するものとする」としても、全く問題はないのではないかなと思います。今回も海外に行って感染を受けられて帰ってきた人というのはたくさんいらっしゃいますし、そこに入れることができないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○大石委員長 事務局、どうでしょうか。
○高倉結核感染症課長補佐 委員会のほうの御意見ということで、そのような形に変更、修正するようにこちらで考え、進めていきたいと思います。
ありがとうございます。
○大石委員長 今のハイリスク群についてはかなり高いレベルで、並列で、もう少し強めの推奨をするということでよろしいのですか。
○多屋委員 はい。海外に業務で行く人とか、この生年月日の人と明記をされていますので、その人たちは抗体保有率も低いしリスクも高いということで、強く推奨してもいいのではないかなと思います。
○大石委員長 ありがとうございます。
館林委員、どうぞ。
○館林委員 私の理解がついていっていないと思うのですけれども、この「強く」と、ただの「推奨」というのは先ほどの麻しんのときの御説明だと、例えば何か集団発生みたいな突発なものがあってワクチンの数が限られているときの優先順位とか、そういうことでついているのですか。
○大石委員長 事務局どうぞ。
○野田国際感染症対策室長 先ほど申しましたように、おっしゃった部分について言いますと、例えば自治体が限られたワクチンしかないとなった場合に、ある特定の集団を推奨の度合いを見て優先するであろうというところではあります。まさにその意味での推奨の度合いという部分で国として出させていただいて、そこに基づいて各自治体など、医療機関もそうかと思いますけれども、そこが実際に判断をするということだと思います。
○大石委員長 多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 今の館林委員の御意見なのですけれども、何かあったときに事を起こすのでは、また同じようにワクチンが手に入りにくくなるので、何かあったときにではなくて平時にこの人たちに強く推奨すると考えていただいてワクチンもその分準備をしていただくなり、そういう意味で入れていただいたほうがよろしいように思うのです。
○大石委員長 事務局、どうぞ。
○野田国際感染症対策室長 補足をありがとうございます。
まさに今、補足していただいたように、国としてこの集団については強く推奨しますと言っているだけで、それは平時あっても有事であっても変わらないという話です。それが有事の場合には有事の対応になりますし、平時の場合には平時の対応になるという形だと思います。
○大石委員長 よろしいでしょうか。ほかはいかがでしょうか。
大体意見も出尽くしたところかなと思います。要は任意接種で推奨するべき対象についてどういう書きぶりにするか、どういう集団を特出して推奨するかという点については、議論が残ったようにも思いますが、また改めて議論をするという機会があったほうがいいように思いますが。
事務局、いかがでしょうか。
○高倉結核感染症課長補佐 今、平原委員及び多屋委員、館林委員から御指摘いただきましたように、今回の方向性の中で医療機関と児童福祉施設でしたけれども、風しんにおいては先ほどから議論になりました11ページ目の6番。こちらに関しても同様に強く推奨するべきだという御意見でしたので、そちらは先ほど申し上げましたように、同じように強く推奨する形にしたいと考えます。
それ以外、もちろんほかの部分もということであればさらに議論ということでございますが、ここの部分に関して推奨を強めるということで御了解をいただけるのであればと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○大石委員長 事務局の御提案としては、議長預かりでその部分については少し議論を進めて最終案にしたいという方向だと思いますけれども、よろしいでしょうか。そういったことでしょうか。
○野田国際感染症対策室長 基本的に文言については座長と御相談させていただくという形で、事務局としてもいいと思っております。また、今のお話を聞いていた感じでは、基本的にまさに概念の部分でどういう形で考えていくかというところで、今、平原先生からありましたように特定の年代についても同等に強く推奨するという概念でやってほしいという話で、特に委員会の先生の方々から反対はなかったという形で考えております。そういう意味でいいますと、それほど方向性として、形として、文書として大きい差は、合意はとれているのかなと事務局としては感じているところでございます。
○大石委員長 問題は委員の先生方の了解ですけれども、いかがでしょうか。
よろしいですか、問題はございませんか。
(委員首肯)
○大石委員長 委員の合意はとれておりますので、事務局の御提案に従って、改訂を進めていきたいと思います。
それでは、今回の議論につきましては麻しん・風しんの指針案を提示していただいて議論し、一部議論が残った部分がありますけれども、そこは議長預かりというところで事務局と調整させていただくという流れで進めさせていただく。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○大石委員長 それでは、事務局のほうにお返しいたします。
○高倉結核感染症課長補佐 御議論いただきまして、貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
しかるべきポイントを修正いたしました上で、大石委員長のほうと最終的な改正案として取りまとめたいと思います。
次回、第5回の開催日につきましては後日、日程調整の上、御連絡させていただきます。
事務局からは以上です。
○大石委員長 それでは、本日の小委員会を終了したいと思います。
委員の先生方、皆さんには御協力をいただきましてありがとうございました。
以上です。