三井大臣閣議後記者会見・記者会共同会見概要

H24.10.02(火)13:36 ~ 14:02、19:00 ~ 19:04 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
どうも御苦労様です。昨日も会見させていただきましたが、どうかよろしくお願い申し上げます。改めまして、厚生労働大臣を拝命した三井辨雄です。よろしくお願いいたします。 先ほど、1時から閣議がありまして、その中で厚生労働に関する人事案件がありました。副大臣は、櫻井充参議院議員です。それから衆議院は、西村智奈美衆議院議員です。それから政務官ですが、梅村さん、参議院議員です。それから、糸川衆議院議員です。 以上の、私どもの厚生労働担当は以上の4名です。今冒頭申し上げましたが、よろしくお願い申し上げたいと思います。

質疑

記者:
冒頭で最初3点お伺いします。1点目なのですが、社会保障制度の国民会議についてですが、最低保障年金についての具体的なイメージと、後期高齢者医療制度の廃止をどうお考えになるかまず1点目お伺いいたします。
大臣:
いずれにしましても国民会議は、昨日も申し上げましたが、三党合意の中でやはり我々とすれば1日も早く、やはり野党の皆さんに相談しながら、1日も早く国民会議を立ち上げたいと思っています。最低保障年金については、まだこの中で議論しなければならないことですが、いずれにしましても色々な考え方ありますので、私たちの案と、また野党の案とも違うところも多々ありますので、その点について国民会議で議論すると。 それから、後期高齢者医療制度もそうですが、これも今までの議論の中では、地方自治体を始め、都道府県もですね、後期高齢者医療制度が定着しているなら、続けるべきではないかという声もありました。そういう中でやはり、この党内でも色々意見がありまして、民主党内でありましたが、これについても、やはり国民会議の中で、しっかりと野党の皆さんと相談しながら、進めていきたいと思っています。
記者:
次ですが、厚生年金基金制度の廃止を前政務三役が決定しましたが、これに関しては一部基金では反対も根強いですが、新体制でも継続してやっていくお考えでしょうか。
大臣:
今お話ありましたように、これもそのまま続けていただきたいということもありますが、今ピーク時から見ますと、随分減りまして、既に3分の1程度ということになっていますので、代行割れといいましょうか財政問題も大変深刻化しています。ただ、今お話ありましたように、将来的には、この代行制度の廃止の方針ということには変わりないのですが、ただこの間慎重に、いきなり廃止ということではなくて、やはり慎重に議論しながら進めていきたいと。今、この廃止を反対だという方もいらっしゃいますので、そこは丁寧にやっていきたいと思っています。
記者:
医療保険制度の一元化について、どうお考えでしょうか。
大臣:
これもなかなか難しいですが、いずれにしましても、一元化というのは、やはり理想的ではありますが、これもしっかりと相談しながら進めていかなければと思っていますし、性急に一元化ということではなくて、やはりもう少し検討していかなければと思っています。
記者:
今の厚生年金基金の質問の大臣のお答えで、慎重に進めていきたいというふうにお話されていましたが、それは廃止というのを前提に、手続を慎重に進めていくという意味なのか、廃止ということも含めて、議論を慎重に進めていきたいという意味なのか、どちらでしょうか。
大臣:
今申し上げたとおり、やはり有識者会議の中で、様々な意見があると思いますが、そういうことを踏まえて、ここで出た厚生労働省としてはこの議論を踏まえて、将来的には廃止と。廃止の方向の中で、なおかつ慎重にと、丁寧にといいますか、そういうことで進めていきたいと思っています。
記者:
昨日の会見の中で、繰り返し、潤いのある社会保障の実現という言葉をおっしゃっていらっしゃいましたが、これをもう少し具体的に説明していただけますでしょうか。
大臣:
具体的に申し上げるというよりも、今の社会そのものは、雇用であり医療であり、あるいは3.11の東日本震災以来ですね、国民的に潤いというか、ゆとりというか、そういうものがないような状況なのではないかと思っていますし、特にこの医療行政も、それから厚生労働行政ももちろんのこと、もっと潤いのあるような、なんていうのですか、ゆとりのあるようなという意味も合わせて、そういう社会保障制度を築き上げればなという私の思いを、ここで入れさせていただきました。ですから、余りがつんとしたものではなくて、ぎすぎすしたものではなくて、もう少し、ある半面緩やかな、国民の皆さんに本当に、ある程度納得していただけるような社会保障制度だとかそういうものを作り上げたいなと思っています。
記者:
弾力的なとか、そういう意味ですか。
大臣:
そこはちょっと、弾力的でも僕はいいと思っていますが、余り例えばその規制を緩和したことによって、また色々な弊害が出たりとか、あるいは規制を厳しくしてしまって、また逆に雇用もそうですが、そういうことが大いに考えられますので、そこはやはり弾力的という言葉も私は非常にいいと思っていますが。そういう考え方です。
記者:
昨日の会見の中で、生活保護の見直しについて、特に医療費の問題を含めて検討したいというふうにおっしゃっていましたが、今後の医療費扶助の見直しについて、大臣としてはどういったことを念頭に置かれているのかお願いします。
大臣:
この負担というのは大きい負担になっていますし、既に生活保護費は3.7兆円ですか、そういう中で医療費は既にもう1兆円近いと。やはり当然、生活保護の目的は、御存じのとおり、生活が大変な皆さんの救済措置というか、支援措置ですから、60年間この制度が続いていたわけですが、抜本的な見直しというのは今までされていないのですね。そういうことも含めて、制度をきちっと考える必要があるだろうと。医療費の補助については、その半分が医療費なのですね。すごく大きい。これについては、ただ支給するということだけでなくて、しっかりと、今朝もどっかのテレビでやっていてちょっと見たのですが、まさにGメンみたいな人がいて、何か注意をするのか、あるいはそういうことをやっているのか、もっと慎重に僕は公正な立場ということで見れば、こういうこともやはりある程度メスを入れていかなければならないのではないかと思っています。
記者:
これに関して、党内ではジェネリックの転換をした方がいいとか、一部は自己負担していただいた方がいいのではないかというような御意見もありますが、大臣としては、どのようにお考えでしょうか。
大臣:
これはもうそれは皆さん色々な意見あると思います。自己負担もしかりですし、あるいは自己負担2割もありますし、それはもうこれからですねトータル的に考えながら、全部無料ということもこれはあり得ないだろうなということも含めてですね、検討していきたいと思います。
記者:
昨日、首相からの指示が10項目ありまして、そのうちの一つに革新的な新薬の、医療機器の創出のイノベーション、医療イノベーション、革新的な新薬の指示があったかと思うのですが、革新的な新薬の創出に対しての大臣の御認識と、そういったイノベーションを進めていくことについて、どのようにリーダーシップを図っていくかどうでしょうか。
大臣:
新薬の開発は日本は大変遅れていますよね。その中でこれからの新薬の開発に補助をするなり、あるいは積極的に取り組むなりしていくこと必要だろうと。もっと考えるなら日本の薬を逆に創薬を外国に輸出するというようなことも考えていく必要があるだろうと。ただ、輸入だけするだけではなく、外国の薬に頼るのではなくて、お互いにいい物は作って外国にも提供することはできないかなと思っております。
記者:
先ほどのお答えの中で、生活保護の医療費扶助について、全額無料はあり得ないとおっしゃいましたが、それはつまり一部自己負担というのも前向きに検討していきたいというお考えなのでしょうか。
大臣:
そこは、大きな全額無料ということも私申し上げましたけれども、今の実態調査を踏まえて、そういう中で、議論していかなければならないと思っています。そこは、失礼しました。全額無料廃止だということではなくて、その中で負担も考えられるでしょうねということですが、実態調査という裏付けを取る必要があると思っています。ただ、むやみやたらと薬だけどんどん出してしまって、それを転売しているとか、そういうものもどこかでやっていましたよね。そういうことも医療費をどんどん上げてるということになりますので、そこはしっかりと見ていく必要があると思っています。
記者:
先ほどの質問でも出た医療イノベーションの話なのですが、各省の縦割りの障壁を越えて、オールジャパンな体制をどういうふうに確保していくかが課題になると思うのですが、この件について大臣の御所見をお願いします。
大臣:
おっしゃるとおりです。私の地元であります北大なんかは、まさにそういう研究に取り組んでいますし、省庁で言えばあそこは文科省ですから、そういう省庁横断的に開発していく必要があると思っています。例えば国土交通省などでは、薬だけではなくて、あらゆる分野で省庁連携を取っていますので、創薬についても省庁間で色んな研究をお持ちのところありますので、新しいものを取り入れながらそこにさらに支援をしていくということだと思います。省庁横断的にやるということです。
記者:
国民会議について再度お尋ねしたいのですが、自民党の安倍総裁は発足は総選挙後と発言されていますが、仮に国民会議が開催されないような事態になった場合に、新年金制度と、後期高齢者医療制度の廃止に関する法案というのは民主党単独で来年の通常国会に提出を目指すということでよろしいのでしょうか。
大臣:
我々としては、中身については我々厚生労働省でも作っていますが、担当は岡田副総理でございますから、一体改革についての問題というのは岡田副総理とよく相談しながら連携を取りながら進めていきたいと思っております。ですから、まだ国対的な絡みもありますし、民主党のですね。それについては、民主党単独で出すかどうかというのは、今のところ私は特に聞いておりません。
記者:
昨日の官邸での記者会見で、東日本大震災からの復旧・復興について引き続き力を尽くすようにという指示を受けたということだったのですが、雇用情勢が大変厳しい状況だと思うのですが、現状被災地の状況についてどのような認識をされているのかということと、どういう手立てが必要だとお考えでしょうか。
大臣:
これは、先ほど官邸で隣にたまたま復興大臣の平野大臣でしたから、大臣ともちょっとお話ししたのですが、特に沿岸部が、なかなか雇用というのは状況が厳しいと聞いておりますし、まさにトータル的に町作りを含めて、支援をしていく必要があるのではないかと。そこに、雇用が発生するというような状況を作るような企業なり、あるいは呼び水になるようなことをしなければ、なかなか難しいなと思っています。ですから、今の全体、特に前大臣がおっしゃっている雇用については、東日本の状況は厳しいと思っています。ただ、その中に今申し上げたように、しっかりと雇用状況を斡旋するような環境を作っていくということが大事だと思っています。
記者:
国交省でも政務三役をやってらっしゃって、北海道の新幹線の整備にも熱心に取り組まれていたと思いますが、でも今の内閣として、コンクリートから人へと、今回人に予算を配分するということについては、どういうふうにお考えでしょうか。
大臣:
新幹線は私は別問題だと思っています。公共事業と単純にコンクリートから人へというフレーズがありますが、私自身は、夢とかビーバイシーとかだけではなくて、本当に北海道は、函館までというのは3年後にできるのですが、そうしますとその札幌までつなぐことの経済効果が出るという具合に私も理解しましたので、そういう中で、ここは費用対効果も大事ですが、夢も必要ですし、そこにやはり裏付けも本当に収益が上がるんだろうか、あるいは沿線との関係、とくに在来線との関係はどうだとか、五つの条件をクリアしないとできませんでした。その五つの条件というのは、一番大きい問題は財源問題でしたから、そういうことを一つ一つクリアできて今回新幹線の延伸というのは決まったわけでございまして、そういう意味では経済効果を上げるという意味では、ただ単純にコンクリートから人へということにならないと思っています。
記者:
今後、予算編成が年末に向けて始まりまして、今度は人に下さいとおっしゃるような立場になるわけですけれども、そのへんのお考えはいかがでしょうか。
大臣:
今申し上げたように、新幹線の場合は貸付料という形で収入が入ってきますから、そういう収入で運営をすると、工事をするということですから、その今お話があったようなことは人に使うものは人に当然今回の予算では当然配分していくという予算立てしていくというのは、しなくてはならないと思っています。矛盾してますか。
記者:
御自身は矛盾していると。
大臣:
僕は矛盾していないと思います。正直申し上げて、今申し上げて費用対効果といいますか、何度も申し上げますが、そこは必要だと思っています。ただ、単純な公共事業じゃないと思っています。
記者:
先ほどちょっと言及がありましたが、最低保障年金、後期高齢者医療制度についてなのですが、色々な意見があるということですが、大臣の御認識 、民主党のマニフェストにあるように、新年金と後期高齢者医療制度の廃止をマニフェストどおりに目指すべきだとお考えでしょうか。
大臣:
マニフェストどおりといいますか、これについては先ほども申し上げましたように、国民会議の設置というのは重要になると思いますので、その三党合意の中で、これは国民会議の中できちっと議論しようじゃないかということになっていますので、そこできちっと議論していただくことが重要かなと思っています。後期高齢者医療制度は特に地方では定着しているわけですが、そういう意見もありますし、そういうことを踏まえて、きちんとまずは三党で相談して、国民会議に付託すべき、設置すべきだと思っています。
記者:
見直しを含めて柔軟に三党で合意をしていこうというお話ですか。
大臣:
そうですね。やはりそういうことになろうと思います。まずは議論していただかないことには、これは相手のあることで、私どもは後期高齢者医療制度はマニフェストどおり廃止と言ってもですね、当然野党の方は後期高齢者医療制度は現状どおりにやると、ここはきちっと話し合いをしていく必要があると思っています。
記者:
そうしますと、野党の意見、協議によっては、マニフェストを取り下げるというか。見直すことも十分あり得るわけですか。
大臣:
これはやってみないと分かりませんね。まずは協議の中で、後期高齢者医療制度廃止についてはまずテーブルについていただいて、その中で議論していきたいと思っています。
記者:
質問が2点あります。1点目は25年度予算ですが、既に概算要求が出ていますが、大臣の中で厚生労働省予算の中で注目している点あるいは重点的に取り組みたい点があれば教えていただきたい。2点目、この予算要求の中で事項要求、厚労省の中ではたくさん出ていますが、その中でも70から75歳までの自己負担の問題、更には協会けんぽへの国庫補助と、総報酬割ということで、国民、患者、あるいは関係団体に大きく関わるような問題でありますが、こちらについて現時点での大臣のお考えを、伺わせていただければと思います。
大臣:
まだ重点的なものについては、全て予算絡みというか財源が不足しているものばかりですから、ここはこれから省内できちっと議論しながら、そういう中で優先順位をつけていきたいと思っています。それから、自己負担の問題についても、これもまだはっきりしたものではありませんので、1割か2割かというようなことになります。ただ、2割がいいのか1割がいいのかというのは、もう色々な議論があります。例えば、今の消費税の問題、経済情勢、負担が増える中で本当に2割でいいのかということもありますから、ここはもう少し慎重に議論しながら検討していきたいと思っています。
記者:
新しい副大臣と政務官の担当分野がもし決まっているのでしたら。
大臣:
これはまだ本人に伝えていないんだね。これからですね。ただ、今日閣議で決定したばかりですから。担当分野についてはこれから調整します。ただお医者さんが二人になりました。私は薬剤師ですが。よい処方せんが期待できると思いますので、よろしくお願いいたします

発言の訂正について

大臣:
御苦労様でございます。先ほど私の発言の中で、医療扶助費についてですが、一部は自己負担していただいた方がいいのではないかと誤解を与えてしまったと、それは大変失礼いたしました。私の発言の主旨は、生活保護費の約半分を占める医療扶助費について、自己負担を含め様々な意見があることを承知しておりますし、様々な意見をお聞きしながら医療扶助の適正化を強化していく必要がある旨を私は述べたと思います。しかし、医療扶助に自己負担を導入することについては、金銭的な理由、又は必要な受診を抑制してしまう恐れがあるとの理由から慎重に検討する必要があると考えております。生活保護制度の在り方については、現在社会保障審議会で議論しており、厚生労働省といたしましても、医療扶助の適正化に向けた具体的な方策を決定したものではございません。以上、訂正させていただきます。

質疑

記者:
医療費扶助の見直しについて、訂正後は慎重に検討する必要があるという内容になっているんですけれども、医療費扶助の見直しそのものはするのかしないのか、方向感を教えていただけますか。
大臣:
これは総理も1月30日の参議院の本会議で自民党の議員の医療費扶助について一部窓口負担を導入するなどの制度改正についてどのようにお考えなのかという中で、総理は、本人が負担する受診時窓口負担を導入するということは、金銭的な理由により必要な受診を抑制してしまうおそれがある等の理由から慎重に検討が必要と考えておりますと。必要な検討は必要ということだろうと思いますので、私達もそのように発言を総理もおっしゃったとおり慎重にということにさせていただきます。
記者:
慎重にというのは、医療費扶助を見直す可能性もあると。
大臣:
やはり実態調査を踏まえて現状をしっかり我々も認識しなければならないと、こう思っております。
記者:
見直すとした場合は、後発薬の義務付けですとか自己負担の導入ということも検討するということでよろしいでしょうか。
大臣:
それはいま冒頭に申し上げましたけれども、今、検討会なり、今まさに社会保障審議会で議論しておりますので、その中の議論をしっかり踏まえて、医療扶助については適正化に向けて具体的なものを出していきたい。こういうふうに思っております。
記者:
先ほどの会見から実態調査という言葉を何度か使ってらっしゃるんですが、これは何か具体的にもう計画が立っていることがあるのでしょうか。
大臣:
具体的なことはございませんが。
記者:
するということは決まっているのでしょうか。
大臣:
いや、私は実態調査をしたい、このように思っております。現状をまず認識をしておきたいということでございまして、どこに行くかについてはまだ何も決めておりません。
記者:
具体的には視察という意味ですか。
大臣:
そうですね。はい。

(了)