小宮山大臣閣議後記者会見概要

H24.9.28(金) 10:33 ~ 10:43 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は冒頭に4点私のほうから申し上げます。 一つは今日公表しました雇用情勢についてです。8月の完全失業率は0.1ポイント改善して4.2%、有効求人倍率は前月と同水準の0.83倍で現在の雇用情勢は持ち直しているものの依然として厳しい状況にあると認識しています。今後とも被災地の雇用情勢や円高による雇用への影響について注視していく必要があります。「『日本はひとつ』しごとプロジェクト」や平成24年度予算に盛り込んだ雇用対策を的確に実施をすることで、被災地の就労支援と本格的安定雇用の創出を図るなど厳しい雇用情勢の改善に全力を挙げて取り組んでいきます。 2点目は、来週10月1日から「赤い羽根共同募金運動」が全国展開されます。今年で66回目を迎えました。今日の閣議で各大臣に共同募金への御協力をお願いいたしました。「赤い羽根共同募金」は、御承知のように寄付を行った人の住んでいる地域に配分をして、その地域の福祉活動を支援するため、これまで長年にわたり行ってきているものです。このことは、昨年発生した東日本大震災や台風などで被災された多くの方にたくさんの義援金が集まったように、日本人の善意ですとか、博愛の精神を寄付文化として根付かせることにも役立ってきたというふうに考えています。10月1日には、ロンドンオリンピック卓球銀メダリストの福原愛さんなどをゲストにお迎えをして、「中央街頭募金行事」も行いますので、ぜひ取材もしていただければと思っています。国民の皆様のより一層の御支援をお願いしたいと思います。 3点目は、障害者虐待防止法の施行についてです。障害者に対する虐待は、その尊厳を害するもので、障害者の自立と社会参加にとって、障害者虐待の防止を図ることは非常に重要なことだと思います。障害者虐待の防止、養護者に対する支援などの施策を推進するため、障害者虐待防止法が、10月1日に施行されます。この法律が施行されることで、一つは養護者や使用者などから虐待を受けたと思われる障害者を発見した人は、速やかに市町村や都道府県に通報していただくということ。二つ目は各自治体にはその通報や虐待を受けた障害者本人からの届出の窓口が設置されます。障害者虐待の早期発見・早期対応にはこのような通報の仕組み、そして届出の窓口を、国民の皆様に広く知っていただくことが必要です。厚生労働省としても周知徹底に取り組み、各都道府県や市町村の体制強化を支援していきたいと思いますので、こちらもぜひ報道していただくようお願いいたします。 4点目は、先日も会見でお話をしました、シルバー人材センターの会員などへの健康保険と労災保険の適用関係を整理するためのプロジェクトチームの第1回を今日開催します。プロジェクトチームには政務からは西村副大臣に責任者として入ってもらうことにいたしました。 私のほうからは以上です。

質疑

記者:
厚生年金基金についてなのですが、今日報道で一定の期間を経た後に制度を廃止する方針を固めたと。今日の対策本部会合で、確認するとありましたが、これについて。
大臣:
厚生年金基金制度の在り方は、これまでも民主党のワーキングチームの報告や、厚生労働省の有識者会議でも様々な議論が行われてきたことは皆さん御承知のとおりです。今日の夕方に辻副大臣を本部長とする特別対策本部を開催しまして、今後の制度改正に向けての進め方を議論することにしています。この議論の結果、これからの方向性については、対策本部終了後に辻副大臣から報告をしたいと思います。この問題は関係者も多いので、議論は丁寧に進めて行く必要があります。ただ、一方では、今まで省内の対策本部でも辻さんが責任者になって、秋9月ぐらいを目途に方向性を取りまとめると言ってきましたので、そういう意味では今回どこまで議論が進んで、方向性としてはこういう考え方があると、だけどもそれに伴ってこれだけの検討課題があるということも併せて、ここは一つの区切りとして公表すべきだということで、それは私のほうからもそのように指示をしています。今後はその懸案がたくさんありますので、社会保障制度審議会などで検討いたしまして、成案が得られれば次の通常国会に提出をするということもあると考えています。
記者:
その方針というのは、制度の廃止という方向でよろしいのでしょうか。
大臣:
色んな議論がありますが、それは午後本部の後辻副大臣のほうから発表しますので、それを待っていてください。
記者:
改正労働者派遣法が、1日から施行されますが、日雇い派遣が原則禁止されたりだとか、派遣労働者の保護が進む一方、雇止めが起こるのではないかという懸念もありまして、大臣はこの施行にどのような期待をされていますでしょうか。
大臣:
労働者派遣法は昭和60年に制定して、それから私もその制定の頃に解説をメディアでしていた一人なのですが、バラ色の働き方と言われて12業種から始まって、そのあと職種がどんどん増えていって、製造業派遣まで広がるというような規制緩和がずっと行われてきました。その規制緩和が行き過ぎて非正規雇用拡大などにつながったという面もあるということで、今回法改正を行ったわけですが、御承知のようになかなか与野党で、意見がまとまらずに、いくつもの国会で継続となってきたものをようやくねじれ国会の中で当初考えていたよりは、かなり規模が小さくなったと言いますか、労働者保護のやり方が変わったと思いますが、このことによってずっと規制緩和の方向が、その一方の方向だけで流れてきた労働者派遣法について、労働者の保護という面を初めてここで止まって、一歩を踏み出したということになると思っていますので、これによって派遣労働者の皆さんが、少しでも安心して働けるようになればと思っています。そのように運用していきたいと考えています。
記者:
厚生年金基金でございますが、個人的な見解でもよろしいのですが、深刻な一番の問題として国民年金に穴が空いている代行割れという現象なのですが、今後は基本は基金側に穴埋めさせるという原則というのは、これは基金側に穴埋めをしていただくということで、そうなるという御認識でよろしいのでしょうか。
大臣:
これは、大臣会見ですので、ここで私の個人的な見解を言う場でありません。それで、もちろん今言われたように、そこの穴埋めをどうするかというのは、方向性は出しますが、これから検討しなければいけない課題がまだまだいくつもあってそこは丁寧に議論をしたいということを申し上げています。そこの中の一番大きな課題が穴埋めをどうするかということだと思うので、そこについても、これからしっかりと知恵を出し合って、やる方法はいくつかしか無いわけですけれども、そこをどこにするのが一番国民の皆さんの納得も得られるかということも含めて、議論をしていくということだと思います。

(了)