小宮山大臣閣議後記者会見概要

H23.12.09(金) 8:59 ~ 9:16 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は会期末ですが、特に閣議でのご報告は私からはありません。

質疑

記者:
今日の一部の報道で、粉ミルクの検査について、厚労省が3ヶ月ごとに検査する方針を固めたということが出てましたが、これについては。
大臣:
これまでも、厚生労働省では、流通品の買い上げ調査の中で、調製粉乳やベビーフードについて、定期的に検査を実施し、調製粉乳を製造する企業に対して、自主的な検査と結果の公表について、文書で要請してきました。今回の事案というのは、暫定規制値は超えていませんが、特にお母さま方をはじめ、消費者の皆さまの関心が高いことから、この企業に関しましては、情報の公開など丁寧な対応を求めています。企業では、このロットおよそ40万缶を無償交換するほか、今後、ロットごとに検査を行い公表していくことにする、と聞いています。厚生労働省としては、今言われたように、国立医薬品食品衛生研究所で、以前にも流通品の25検体、粉ミルクとして出している各社のものですね、それを検査し、すべて不検出ということでした。今後も定期的に検査をしていきたいということを申し上げています。
記者:
一体改革の関係で、高額療養費制度との見合いで検討されている定額受診時負担について、党内の反対が強いということで、別の財源がないのかという議論がなされている訳ですが、これを受けまして厚労省として検討している状況があればお聞きしたいのですが。
大臣:
党内が、今言われたような状況であるということは、分かっています。ただ、これは何度も申し上げているように、高額療養費を、低所得あるいは中所得でも、いくつかの段階に分けて、その負担を下げようということが、もともとの狙いですので、そのためには受診時定額負担をしない場合に、どこから財源を持ってくるかということですから、それは党の方でもご検討いただきたいと思っていますし、引き続き党とも調整中です。
記者:
年金の特例水準の解消についてですが、改めて解消が決まって、実際にいつから年金を減額すべきかという大臣のお考えを。
大臣:
年金の特例水準は、再三申し上げているように、下げるべき時に下げてこなかった、それがもう今2.5%分、7兆円たまっていますので、これが次の世代にどんどん負担のツケ回しをしていくことになりますから、これは来年の通常国会に法案を提出し、来年度から解消していきたいと考えています。ただ、来年度といっても、4月というのはちょっと難しいと思いますので、年度の途中からということになると思っています。
記者:
年度の途中というのは、具体的にいつからでしょうか。
大臣:
それはまだはっきり申し上げられませんが、年度半ばから後半という感じだと思っています。
記者:
2点あります。受診時定額負担ですが、厚労省としては、まだ選択肢として残しているのか、まあ党側からは事実上見送るようにというような申し入れがあったと思うのですが、まだ選択肢として残っているのかというのが1点と、もう一つは、消費増税分の5%の内、約1割にあたる1兆3千億円が、社会保障費以外に充てられるという、そういう説明が党側にあったようなのですが、これまで政府としてすべて社会保障費に充てるという説明でしたが、その整合性についてはどうお考えでしょうか。
大臣:
厚生労働省の見解としては、中間報告にまとめた通りですので、選択肢としてまだ残してあります。ただ、党側からは、受診時定額負担はしないようにというご要請もいただいているので、今申し上げたように、それに代わる、もともとの目的の、高額療養費の負担軽減のための財源を、じゃあどうするのかと。そういう話を今しているところなので、これは今検討中です。それから、消費税5%分については、内閣府などが作りました広報の冊子ですとか、こちらからのご説明でも、5%の内、機能強化が3%と、それから1%は、国と地方の、消費税が上がったことに伴う負担に充てられているというのが、今言われたご指摘のところだと思うのですが、これは、今までも消費税を上げる時は、上げた中から、国と地方の消費税の上がった負担分というのを含めていたということで、そういう形の提案になっている訳ですが、それに対して、すべて社会保障に充てるということと反するのではないかというご指摘は、そういう見方もあるということは、私も分かります。ただ、今まではこういう形でやってきたということで、財務省からは、こういう提案になっているということです。今後それをどう考えるかは、また政府内で話をするということだと思っています。
記者:
その中には、例えば防衛費の増加分も含まれていると思うのですが、そういったものは。
大臣:
ですから、それは防衛費だけを特出して書かれている記事もありますが、防衛費だけはなくて、国が負担している、政府や地方の自治体が負担をする消費税増加分がすべてです。その中には、すべてですから、防衛費も入りますし、他の公共事業とかも入りますし、社会保障関係も入りますので、それは社会保障分だけに限定すべきというご意見があることはもちろん承知しています。
記者:
今後そこをですね、社会保障に回すというように是正を働きかけるような方向に進むことは。
大臣:
そこのところだけを特出して、何かこちらから今すぐにしようということではなく、それは、そういう声も政府として受け止めて、財務省を中心に、政府全体で検討すべきことと思っています。
記者:
給食の話で申し訳ないのですが、前回文科省と調整すると仰っていただいたのですが、向こうの大臣は、新しい規制値ができるまでの目安と、またちょっとよく分かりにくいことを仰って、事務方の調整じゃもう難しいような状態じゃないかと思うのですが、国民に誤解を招かないために、大臣として事態の収拾をどのようにすべきとお考えでしょうか。
大臣:
食品の安全、特に子どもたちの給食の安全ということは多くの方がご関心をお持ちなので、そういう意味では、政府の中で違ったような意見が出て混乱させていることは、大変申し訳ないと思っていますし、早期にきちんとした形にすべきだと思っています。ただ、これは私の方からは言いにくいですが、文科省さんの中で、これは私が先日申し上げた通り、機械の基準の数値だという通知までお出しになっていますので、それは省内でしっかりと調整をしていただきたいと思っています。
記者:
一川防衛大臣と山岡大臣に対する問責決議案が可決される見通しですが、問責決議案が出されることについてどうお考えかということと、本日で、国会が閉会ですが、提出していた主婦年金の救済法案が審議されないで継続になると思いますが、当初は救済措置を急いでいたと思うのですが、これだけ法案が通らなくて遅れていくと思うのですが。
大臣:
問責というのは国会の方で出されることですし、対応は野田総理が判断をされることだと思いますので、私からのコメントは特にありません。それから法案につきましては、今回継続も含めて51日間の会期の中に5本の法案を厚労省としては抱えていました。それで年金の2分の1法案とB型肝炎は成立をいたしますけれども、派遣法は成立には至らないということになりましたし、今言われた主婦年金の救済をするという年金追納の促進法案も審議ができなかったということは大変残念だというふうに思っています。ただ、短い会期の中で今回は第3次補正を含め復興に向けたものが中心だったということもありますので、それでも厚労省としては次の通常国会は社会保障の改革を中心に多くの法案を提出予定としていることもあり、可能な限りこの国会の中で必要なものは通していただきたいという意志でやってまいりましたけれども、いくつかのものが成立しなかったことは大変残念に思っています。次の通常国会でなるべく速やかに可決が出来るように努力したいと思っています。
記者:
国会が閉じて来週以降予算編成が本格化すると思います。そこで2点お聞きしたいのですが、年金の2分1の財源について、来年度以降、厚労省としてはどのようにお考えかということと、子ども手当について、所得制限の部分と財源の部分について地方との負担をどのように考えてらっしゃるかお聞かせ下さい。
大臣:
それは、これから年末に向けて、もしかすると大晦日ぐらいまで折衝をやっていく懸案だと思っています。年金のつなぎの部分については、空にするわけにはいかないです。それは、これから社会保障の改革を皆さんにご理解いただいて、それを進めようとしている、その中で年金というのは、当然ながら安心の中心になる1つの大きな柱ですし、消費税増税の5%のうち1%分は年金2分の1にも充てようと考えているわけです。そこにしっかりつなぐためにも、つなぎの国債を出していただくことで私たちは主張していきたいと思っています。財務省の方は積立金の話をしていますが、ここで積立金を取り崩すということは、年金の信頼に関わりますので、これはなんとしても避けられるように、最大限折衝していきたいと思っているところです。 それから、子どもに対する手当も中々難しく、3党の調整は党にお任せをしています。地方とは、私も随時地方のトップの方とのお話をこれから詰めていくということです。やはり、地方で考えられていること、総務省が一緒に考えていること、財務省の考えと、厚労省の考えとみんな違うわけですので、どこかで一致点を見いだすために、年末に向けて精力的に折衝していくということです。
記者:
年金の方ですと、すでに、厚労省としてはつなぎで、財務省側は積立を取り崩すということで協議が始まっているということでよろしいのでしょうか。
大臣:
正式にはまだです。事務方同士では話をしていますが、私と(財務)大臣の間では立ち話程度です。
記者:
その後は、政務三役で協議をするということですか。
大臣:
最終的にはそうなります。土日も関係なく予算折衝をしていくという話が今日もございました。
記者:
子ども手当の方は厚労省からは、地方との財源は1対1で一度投げかけているのですが、それ以降の変更はありましたでしょうか。
大臣:
それは、これから折衝していくことでございますので、ここで申し上げることではないと思います。
記者:
予算がらみで、診療報酬のことですが、大臣のこれまでのご発言ですと、ネットではマイナスにしたくないというご意向かと我々受け止めいますが、大臣がおっしゃるように医療提供体制の面を考えるときに、今回のプラスだけでは足りないというご意志なのか、仕分けでああいう結果が出て、それを尊重した上でネットでマイナスにしないことは、それ相応の説得力のあるご説明が必要だと思うのですが、大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
やはり、医療提供体制を充実していくということも社会保障改革に繋げていく大事な部分ですので、そういう意味では、産科・小児科・救急外科、そうしたところをしっかりと支援していかなければいかないし、また、勤務医の条件ですとか、地方の偏在の問題ですとかを解決するために必要な財源は確保していくということは申し上げているとおりです。何回も申し上げましたが、政策仕分けは重く受け止めると言いながら、外に向けてネットも上げる上げると言うのはいかがなものかと申し上げましたので、折衝の中では当然ネットでもプラスを主張していくという私の本来の考え方は全く変わっていません。
記者:
今日、B型肝炎の法案が成立の見通しですが、改めて患者の方々に対して一言と、原告団の方々が肝炎患者への恒久対策を含めて求めていますが、今後の厚労省の対応を教えて下さい。
大臣:
B型肝炎の法案は、今日参議院で可決していただいて、成立する見込みになっていますが、これは、国の責任が平成18年に最高裁で認められて、その後患者の皆様や、原告団の皆様達と誠意を持って交渉した結果、基本合意書が取りまとめられましたので、それに基づいた法案を今回成立させていただきます。 B型肝炎の患者の皆様や、そのご家族の皆様には、本当に長い期間にわたりまして、精神的にも、肉体的にも、経済的にも大きなご負担をお掛けしたことは、私からも改めて心からお詫び申し上げたいと思っています。その上で、基本合意書に基づいて、法案が成立いたしますので、今後の様々なことについては、誠意を持って対応させていただきたいと思っているところです。

(了)