武見大臣会見概要

(令和5年9月15日(金)13:44~14:00 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 まず最初に、百歳の高齢者へのお祝い状及び記念品の贈呈についてです。本日の閣議で、百歳の高齢者へのお祝い状と記念品の贈呈について報告しました。老人福祉法では、「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す」ため、9月15日を「老人の日」として定めています。今年度も、その記念行事として、新たに百歳になる方全員に、内閣総理大臣からお祝い状と記念品を贈呈します。このたび百歳を迎えた方々の長寿をお祝いするとともに、多年にわたり社会の発展に寄与してこられたことに感謝を申し上げます。
 次に、第78回国連総会ハイレベル会合への出席等についてです。9月18日から23日まで、第78回国連総会に併せて開催される各種ハイレベル会合等への出席及び医療関係者等との面会、それから視察のためアメリカ合衆国のニューヨーク、ワシントンDC及びボストンを訪問します。第78回国連総会ハイレベルウィークでは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジハイレベル会合及び結核ハイレベル会合に出席します。5月に日本が議長国として開催したG7長崎保健大臣会合及びG7財務大臣・保健大臣合同会合の成果を発信し、国際保健分野における議論に一層貢献してまいります。併せて、米国の政治・行政の中心地であるワシントンDCにおいては、保健関連の行政機関を訪問し、医薬品産業の集積地であるボストンにおいては、医療関係者等との面会や視察を行うことにより、今後の各種政策立案に資する知見を深めてまいりたいと考えています。私からは以上です。

質疑

記者:
国連ハイレベル会合への出席について伺います。今年開催されたG7やG20の保健相会合や財・保合同会合では、感染症危機対応医薬品を低中所得国に分配する仕組みの導入や、途上国へ円滑な資金援助をする仕組みの設立などの必要性について合意しました。こうした成果、特に日本が議長国を務めたG7会合の内容をどのように議論に反映していくか、お考えをお聞かせください。
大臣:
先般のG7長崎保健大臣会合においては、「より健康な未来に向けた協働」をテーマに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成に向けた世界全体での取組の推進や、ワクチンをはじめとした感染症危機対応医薬品等への公平なアクセスの確保について議論を行いました。加えて、G7財務大臣・保健大臣合同会合においては、コロナの経験を踏まえ、パンデミック発生時に、迅速かつ効率的に資金を供給する仕組みの必要性について合意しました。これらの議論を踏まえて、G7広島サミットにおいて、取組を進めていく必要性を力強く発信したところです。また、先般行われたG20においてもこれらの議題が取り上げられ、日本としてG7の成果を発信し、更なる議論の深化を呼びかけたところです。今般の国連総会ハイレベルウィークでは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、結核、健康危機への予防・備え・対応の3つのテーマのハイレベル会合が予定されております。まさに、本年のG7、G20の議論と非常に関係する内容となっています。G7やG20だけではなく、すべての国々、また、関係する国際機関とともに、世界全体でのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成や、将来の健康危機への予防・備え・対応の強化をできるよう、G7における成果を発信するとともに、その実現に向けた議論に積極的に貢献したいと考えています。
記者:
昨日、加藤勝信前厚労相との引き継ぎ式が行われましたが、加藤勝信前厚労相からどのような引き継ぎがありましたでしょうか。また、引き継ぎを受けて、厚労行政をどう前に進めていきたいか、改めて大臣の考えをお聞かせください。
大臣:
昨日、加藤前大臣からは、全世代型社会保障の構築やマイナ保険証を含む医療DXなど、当面の厚生労働行政の課題などについて引継をしています。昨日の会見でも申し上げましたが、厚生労働省は、国民の生活を生涯にわたって支えるという重大な使命を担っております。国民の皆様からの期待も大きいということも痛切に感じているところですので、その期待に応えられるよう、職員が一丸となって、ワンチームとして取組を進めていかなければならないことを改めて実感したところです。今後は、総理からの指示も踏まえながら、まず新型コロナウイルス感染症への対応、次に安心安全なマイナ保険証を含む医療DX、医療介護福祉の向上、そして次に持続的な賃上げの実現に向けたリスキリングによる能力向上支援、それから多様な人材が活躍できる環境整備、そしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指すことなど、国民の皆様のために、様々な課題に全力で取り組みたいと考えていますので、ご支援とご理解をよろしくお願いします。
  
記者:
昨日、河野デジタル相が記者会見の中で、医療分野の規制改革について、週内に厚労相と意見交換を希望している旨を明らかにしました。これに関して、現時点での予定と、医療規制改革についてどのような姿勢で臨むのかお聞かせください。
大臣:
河野大臣がそのような発言をされたことは私も承知しています。具体的な規制改革の内容については、非常に多岐に、複雑に分かれておりまして、これについてはしっかり把握しておりません。いずれにしても、医療分野における規制改革は重要なテーマとなっていますので、国民・患者の視点に立って、河野大臣とは緊密に連携をとり、そして必要な検討を進めていくつもりです。
  
記者:
副大臣、政務官人事についてお伺いします。本日閣議決定された人事では、女性が1人も入っていないとの一部報道があります。副大臣、政務官で女性が1人も入らないというのは異例だと思いますが、岸田政権は女性活躍を掲げていながら、副大臣、政務官に女性がいないことについて閣僚のお1人としてどのようにお考えになるでしょうか。ご所感をお願いいたします。
大臣:
女性活躍については、閣僚の構成をご覧いただければお分かりになると思いますが、閣議に参加しておりましても、5名女性がいらっしゃると、構成で女性の果たす役割の大きさを感じます。その上で、ご指摘の点は確かに重要な点ではあるかと思います。実際に様々な考慮の結果としてこうした副大臣、政務官の人事が行われていると思いますので、そのプロセス、詳細については、私は詳しく存じませんので、その点に関しては私から申し上げられることはありません。しかし、この内閣が女性の活躍を大変重視していて、そのために閣僚人事の中で、それをしっかり示しているという点を理解していただきたいと思います。
  
記者:
ジャニーズ事務所の性加害問題に関連してお伺いいたします。この問題を受けて、ジャニーズ事務所の所属タレントの広告などへの起用を控える動きが広がっており、先日、農林水産省でも所属タレントのアンバサダー活動の見合わせが発表されました。厚生労働省では現在、政策、PRの広告などで、ジャニーズ事務所の所属タレントを起用している事例はあるのでしょうか。また、起用している場合は今後の対応についてお聞かせください。
大臣:
厚生労働省でも、所管する事業には、民間に広報などを委託して実施しているものもございます。様々な事業、ご存じのようにございます。ご質問の点については、我々も非常に高い関心を持っておりますので、まずその実態をしっかり調べるということを今、やっておりますので、その結果が出てから、その対応策についての最終判断を下したいと思います。いずれにしても、性別に関わらず、どのような状況に置かれたこども・若者であっても、性犯罪・性暴力の被害に遭うことは、これはあってはならないことです。今後、実態把握の結果なども踏まえて、仮に該当する事例があった場合には、適切に対応を検討するという考えです。
  
記者:
武見大臣の昨日の会見の発言に関して伺います。会見では、24年度の薬価改定に関して、国民の立場を基本として考えて取り組んでいきたいとおっしゃっていました。国民の立場からすると、薬は安くなった方がいいですし、以前、鈴木財務大臣も、国会で「国民の負担の軽減という観点から、薬価改定で市場価値に合わせた薬価の引き下げを行っていくことは重要である」と言っています。こういったことから考えると、昨日の大臣の発言は、薬価を下げると受け取ることができるのではないかと思いますが、改めて24年度の薬価改定について、国民の立場を基本として考えて取り組むということはどういうことなのか、詳しく教えてください。
大臣:
現状で詳しくご説明できればよいのですが、まさに今、私も色々な観点からのレクチャーを受けて、今日の午前中も、本当に色々な角度からの説明を受けてきております。薬価1つとってみても、簡単に各1面だけとって判断を下すことはできず、その基本の中に、国民の負担を増やさないという考え方が入るのは当然です。しかし、それだけに基づいて、全体の施策の決定はできません。したがって、全体をこれからよく検討した上で、最終的な判断を下したいと思います。
  
記者:
訪米の一環として、政策立案に生かすために、ボストンで医薬品の研究開発拠点を視察する予定のご説明がありました。具体的にどのような機構、あるいは大学など訪問するのか決まっていたら教えてください。
大臣:
今まさに日程を作っている最中です。確定したら説明できると思いますが、まだ流動的です。ただボストンというところは、世界の創薬の拠点となっておりまして、しかも創薬にかかるシーズの研究開発から、実際にファンドの投入、そしてそれがエコシステムの中で、FDAの認可などとも関連したかたちで、しっかりと薬事承認のプロセスとも連携しながら、こうした研究開発が進められて、そしてそこに大手企業などが入り、創薬として最終的なプロセスに入っていくという、実は世界の中でも、最も優れたそうしたシステムが、エコシステムとしてできているのがボストンなので、日本としても、創薬の基盤造りということは極めて重要な課題だと思っておりますので、その参考とするために、実際の当事者の人々ともしっかりと意見交換して、中身をこれからの我が国の創薬基盤強化に役立たせるということが目的です。

(了)