加藤大臣会見概要

(令和5年4月14日(金)9:32~9:55 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 冒頭、新型コロナの感染症法上の位置づけの変更に伴う療養期間の考え方及び位置づけ変更に向けての取組状況について説明させていただきます。
 まず療養期間の考え方でありますが、新型コロナについては現在感染症法に基づき一定期間の自宅療養いわば外出自粛を求めておりますが、位置づけの変更後は外出自粛は求められなくなり、外出を控えるかどうかは季節性インフルエンザと同様個人の判断に委ねられることとなります。政府としては個人や事業者の判断に資するよう情報提供を行っていくこととしています。先日のアドバイザリーボードに提出された新たな分析結果によりますと、平均的な感染性ウイルス量は発症後経時的に減少し、発症日から5日間経過後には発症日の20分の1から50分の1に減少することなどが示唆されたところであります。発症後3日間は感染症のウイルス排出量が非常に多く5日間経過後は大きく減少することから、特に発症後5日間が他人に感染するリスクが高いことに注意が必要であります。位置づけ変更後の取り扱いについては、先ほど申し上げたように一律に政府として外出自粛を要請するものではありませんが、こうした分析結果や諸外国の事例も踏まえ個人や事業者の判断に資する情報を提供していきたいと考えています。
 具体的にはこれまで発症後7日間が経過するまで法律に基づく外出自粛を要請をしておりましたが、5月8日以降は発症後5日を経過するまで外出を控えていただくことを推奨いたします。またこれまで同様、症状軽快から24時間経過するまでの間は外出を控えていただくこと、また10日間が経過するまではマスク着用やハイリスク者との接触は控えていただくことを推奨してまいります。無症状の方については検体採取日を発症日として、有症状の方と同様これまでの7日間から、5日間の外出を控えていただくことといたします。無症状の方についてはこれまでも5日目の抗原定性検査キットによる検査で陰性を確認した場合には5日間経過後に療養解除可能となったわけでありますが、今回はその有無にかかわらず5日間外出を控えていただくということにしたところでございます。
 また医療機関や高齢者施設については重症化リスクの高い方が多くいらっしゃることから、このような一般的な取り扱いも踏まえて施設の管理者が従事者の就業制限について判断をしていただくことといたします。こうした内容については本日都道府県や関係団体に対して事務連絡を発出する予定であります。また文部科学省においても、学校で新型コロナに罹患した児童等について学校保健安全法に基づく出席停止期間を検討されていると聞いております。こうした点も含めて関係省庁と連携しながら丁寧な周知に当たってまいります。
 2番目の感染症法上の位置づけの変更に向けての取組状況であります。5月8日に予定通り変更を行うことで支障がないかどうかの判断については、今月下旬に改めて厚生科学審議会感染症部会の意見を聴いて最終確認をすることとしております。足元の感染状況でありますが最終確認のタイミングまで状況を注視してまいりますが、直近の状況を申し上げると重症者数や死亡者数は横ばい、その一方で新規陽性者数は全国的に下げ止まりから直近では増加に転じているところでございます。過去2年の状況を振り返りますと、年度替わりによる接触機会の増加などによって4月の当初や連休明けに感染が拡大しその後減少となり、再び夏に向けて感染の拡大が見られてきたところであります。先週のアドバイザリーボードで示された今後の感染のシミュレーションにおいても、4月から5月にかけて一定程度感染が拡大した後一旦減少に転じ、その後再度拡大するという見通しが示されたところであります。また感染者数がより増加しやすいことや免疫逃避が報告されているXBB.1.5系統の占める割合が高まっているほか、これまでのワクチン接種や自然感染で獲得した免疫は時間とともに減弱していくこととされております。
 こうした状況を踏まえ今後夏に向けて一定の感染拡大が生じる可能性も考えられるところでありますが、政府においてはそのことも念頭に対策を講じているところであります。まず医療提供体制でありますが、すでにお示しをしている通り夏や冬に一定の感染拡大が生じることも想定し、これまで対応してきた医療機関に引き続き対応を求めるとともに新たな医療機関に参画を促すための取組を重点的に進めるというところであります。具体的には入院については各都道府県において新たな医療機関による受け入れの推進や、医療機関間における入院調整を進めることを内容とする移行計画を4月中にも策定していただくことにしております。いくつかの都道府県にお話を聞いたところ、例えば新たな医療機関による受け入れについてはまずは軽症患者を中心とした受け入れから始め、計画期間の後半から中等症Ⅰの患者の受け入れを本格化する、入院調整について病床情報を医療機関間で共有するITシステムや妊産婦や小児などのための既存の連携システムの仕組みを活用することによって原則として医療機関間で調整を行うなど、地域の実情を踏まえながら円滑な移行に向けた計画策定が進められていると承知しております。
 また位置づけ変更後はすべての医療機関からの患者総数の報告等がなくなります。これまでのように感染者数や死亡者数の毎日の公表もなくなることとなります。引き続き血清疫学調査や下水サーベイランス研究等を実施することも含め、重層的な確認や実態把握を行ってまいります。まず感染者数や死亡者数については感染症部会における議論を踏まえ、感染者数については季節性インフルエンザと同じように毎週金曜日に、定点医療機関から報告のあった前週の月曜日から日曜日までの患者数を報告する、入院者数等についてはG-MISを用いた新規入院者数等の把握を一定期間継続する、死亡者数については人口動態統計に先んじて一部の自治体を対象に新型コロナ感染の有無を問わない総死亡者数の推移を1ヶ月後に公表するといった新たな取組を行うこととしております。人口動態統計では総死亡数は約2ヶ月後ということになります。こうした新たな取組について位置づけの変更に向けて自治体とも連携して準備を進めていきたいと考えております。また変異株の発生動向については引き続きゲノムサーベイランスにより監視をして、このほかコロナワクチンについて追加接種の対象となるすべての方を対象に秋から接種を開始する予定でありますが、高齢者など重症化リスクの高い方などには秋を待たずに引き続き接種を実施してまいります。また患者負担への一定の公費支援を継続することなどを通じて、位置づけ変更後も新型コロナの感染拡大に備えてまいります。
 以上5月8日の位置づけ変更まで3週間余りとなる中、今後の感染見通しとそのことも念頭に置いた対策を講じていることついてご説明を申し上げました。引き続き位置づけ変更後も国民の皆さんに安心していただけるよう着実に対策を進めていきたいというふうに考えております。なお、お手元に感染症法上の位置づけの変更後の療養に関するQ&Aをお配りさせていただいておりますので、それらもご参考にしていただければと思います。私からは以上であります。

質疑

記者:
新型コロナ感染者の療養期間を5月8日以降見直すとのことですが、今回の判断に至った科学的な根拠についてご説明をお願いいたします。また新型コロナウイルスの性質が変わらない中で療養期間の短縮は社会的な感染リスクを上げるのではないかとの懸念もあるかと思いますが、リスクは上がらないのか大臣の見解をあわせてお願いいたします。
大臣:
まず先ほども申し上げましたが、これまでは新型コロナは感染症法上の新型インフルエンザ等感染症に該当するものとして蔓延防止の観点から、ウイルスを排出している患者さんが一部でも見込まれる間は一律に外出の自粛をお願いしてきました。そのため発症後の日数別に感染症のあるウイルスを排出している患者さんがどれだけ残っているのか、またその患者さんから排出されるウイルス量はどの程度なのか、こうした視点に立って療養期間を定めてきたところであります。今回感染症法上の位置づけの変更後において日常に戻っていく中で外出自粛が求められなくなり、外出を控えるかどうかは季節性インフルエンザと同様に個人の判断に委ねるわけでありますので、個人の判断に資するよう「平均的に見た場合、発症後感染性のあるウイルスの排出量はどのように減っていくか」こうした視点でデータを確認しそのエビデンスをお示しし、外出を控える期間を先ほど申し上げた5日間として推奨することにしたところであります。ただ先ほど申し上げたように5日経過後であっても症状軽快からは24時間経過するまでの外出を控えていただくこと、また10日間経過するまではマスク着用やハイリスク者との接触は控えていただくこと、こうしたことについては引き続き推奨しているところであります。
記者:
外出自粛要請に関してなのですが、外出自粛要請を行う法的根拠がなくなって個人の判断に委ねられることになると思いますが、今回5日間という外出を控える期間の目安を示す意義について改めて大臣がどのようにお考えかお願いいたします。
大臣:
新型コロナについて今申し上げたように位置づけの変更によって外出自粛は求められなくなる、外出を控えるかどうかは季節性インフルエンザ同様に個人の判断に委ねられることとなります。したがって政府として個人や事業者の皆さんの判断に資するよう情報提供を行っていきたいと考えております。先ほど申し上げたアドバイザリーボードに提出された分析結果などを踏まえて検討した結果、先ほど申し上げた療養期間とさせていただきました。この療養期間の考え方は、科学的知見を踏まえた情報提供をすることで個人や事業者が科学的知見に基づいた適切な感染対策を取れるようになるという点、こうした点から意義あるものと考えております。引き続きコロナウイルス自体がなくなったわけではありませんので、そうした個々の方における感染対策を考える際の参考にしていただきたいというように考えております。
記者:
本日、花粉症対策を協議する関係閣僚会議の初会合が総理大臣官邸で開かれました。こちらについて厚生労働省として取り組みたいことについてお伺いできますでしょうか。
大臣:
花粉症対策についてはこれまで各省庁が連携しながら推進してきたところでありますが、引き続き多くの方々が花粉症に悩まれているところでありますし我が国の社会問題と言っても言い過ぎではないというふうに思います。実際この10年間で、花粉症全体あるいは杉に係る花粉症の方の割合、これは関係学会の方が推測したデータではありますけれども10%以上増えているというデータもあるわけであります。こうした状況を踏まえて花粉症の適切な実態把握を行うとともに発生源対策や飛散対策、予防・治療法の充実などに政府一丸となって取り組むため、本日花粉症に関する関係閣僚会議が開催されました。厚労省においてはこれまで国民生活の質の維持・向上のため、アレルギー疾患対策基本法に基づく花粉症を含めたアレルギー疾患対策の推進に関する基本方針を定めております。これを踏まえて関係学会と連携した診療ガイドラインの策定、治療法に係る研究の推進、アレルギーポータルというウェブサイトを設置しておりますがそこを通じた治療法や医療機関情報等の情報の発信、また花粉症を含むアレルギー疾患に対する医療提供体制の整備などに取り組んできたところであります。関係閣僚会議で総理からは、杉の伐採加速化などの発生源対策、予報内容の充実などの飛散対策、根治療法の普及などに向けた曝露・発症対策を対策の3本柱として全体像を取りまとめるよう指示があったところであります。これを踏まえ引き続き関係省庁と緊密に連携しながら、また自治体、研究機関とも協力し花粉症を含めたアレルギー疾患対策を着実に推進し、効果的な花粉症対策に取り組んでいきたいと考えております。
記者:
追加なのですが先ほどのコロナの件で、いよいよ5月8日の位置づけ変更に向けて療養期間の見直しということで平時に戻る大きな第一歩だと思うのですが、それについての御所見を改めて聞かせていただけますか。
大臣:
先ほど意義を申し上げましたけれども、位置づけが変更するということでこれまで一律に政府からお願いしていたことから個々の皆様方が判断をしていただくというステージに変わっていくわけであります。その中で医療提供体制をはじめいろいろな体制あるいはその中での実態把握と、先ほどご説明をさせていただきましたが特に療養期間あるいはマスクの着用もそうだと思いますが非常にそれぞれ皆様の生活に密着に関係する話でありますから、そこに当たっての判断に資する資料として先ほど申し上げた考え方をお示しし、そしてそのバックグラウンドにある科学的な知見がどういうものなのかその辺もご理解いただきながら、そうした推奨を踏まえてそれぞれ皆様が判断をしていただき、引き続き先ほど申し上げたように新型コロナウイルスそのものがなくなるわけではありませんから、それを踏まえた感染対策は引き続き講じていただきたいというふうに思います。
記者:
マスク着用についてお伺いします。昨日で、マスク着用が個人の判断に委ねられてから1ヶ月が経ちました。マスクの着用の緩和が広がらないとの指摘もありますが、現状をどのように見ているか大臣の見解をお願いします。
大臣:
3月13日からマスクの着用を見直すこととし、それまで屋内では原則着用、屋外では原則不要とお示ししていたわけでありますが、マスクを付けるか付けないか個人が主体的に選択をしていただく、個人のご判断にお任せする、ただこういった場合にはマスク着用を推奨するというケースもお示しさせていただきました。現在の国民のマスクの着用状況については様々な調査が行われております。世論調査を見ると多くの方が3月13日以前と同様にマスクを着用していくと回答されている一方で、マスクを外すことが増えたと回答されている方も一定数いらっしゃると思います。街角で見ているとだんだんマスクを外す方が増えてきたという報道もあったと承知しております。マスクの着用については個人の判断に委ねられております。本人の意思に則ってご判断いただければよいと思いますし、先ほど花粉症の話がございましたが花粉症対策で付けている方もなかにはいらっしゃるわけでありますので、まさにその事情を踏まえて主体的な判断に則っていただきたいと思います。その判断が尊重されていけるように我々としても周知を図っていきたいと思います。
記者:
生活保護について伺います。2013年~15年にかけて生活扶助の基準額を引き下げた処分の取消しを求めて全国29地裁で訴訟が起こされ、これまでに国の処分を違法とする判決が9件にのぼっています。本日も大阪高裁での判決が予定されていますが、ここまで国の処分を違法とする判決が相次いでいることに対する受け止めについて教えてください。約半数の判決で違法と認定された当時の基準の引き下げには問題や課題はあったとお考えでしょうか。また今後、当時の決定をめぐる再検証を含め何か対応をとるお考えはありますか。
大臣:
平成25年から3年間かけて実施した生活扶助基準の改定に関し、その変更決定処分の取消しを求める訴訟が全国29の地方裁判所で提起され、昨日の大津地裁における判決を含めて19の地方裁判所で判決があったところです。そのうち昨日の大津地裁における判決を含め10の地裁判決では生活扶助基準の改定が適法と認められています。他方、違法であるとされた9つの地裁判決については高裁で係争中であります。いずれも判決は確定しておりません。平成25年の生活保護基準改定は、生活保護基準部会の検証結果を踏まえ年齢・世帯人員・地域差のゆがみを直すとともに、デフレ傾向が続く中、当時の基準額が据え置かれていたことに鑑み物価の下落分を勘案するという考え方に基づき行ったものであります。基準の改定についての判断は厚労大臣の合目的的な裁量に委ねられているとの最高裁の判例もあり、その手順も含めて適切なものであったと認識をしております。

(了)