加藤大臣会見概要

(令和5年2月28日(火)8:37~8:47 院内閣議室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について




大臣:
 3月は「自殺対策強化月間」であります。昨年(令和4年)の自殺者数は21,843人と前年を上回る水準となっております。とりわけ中高年を中心に男性は13年ぶりに増加し、また小中高生は過去最多の512人となっております。今回の月間では、中高年向けのポスターや動画を作成し早期の相談を呼びかけるとともに、こどもや若者向けにはSNSを活用した情報発信や相談体制の拡充など、関係省庁と連携し対象に応じたきめ細かい対応を講じていきます。
 悩みをお持ちの方、困っておられる方、どうかひとりで悩みを抱え込まずに、家族や友人、職場の同僚など身近な人や相談窓口に一言相談してください。人に話をしてみることで気持ちが楽になるのではないでしょうか。家族、友人、同僚など身近な人の様子がいつもと違うと感じた場合には、優しく声をかけ温かく見守るとともに相談窓口につなげていただきたいと思います。
 最後にメディアの皆様にお願いであります。自殺に関する報道は、その報じ方によって自殺を誘発する可能性があります。WHOの自殺報道ガイドラインを踏まえた対応についてご協力をお願いいたします。私からは以上であります。

質疑

記者:
東京都八王子の滝山病院の看護師が入院患者への暴行容疑で警視庁に逮捕された事件に関連して伺います。滝山病院の管理者は2001年に保険医指定の取消処分を受けるなど、過去に問題があったことも指摘されています。再び関係する病院で問題が明らかになったことについて、厚生労働省としてどのように考えますか。また、別の看護師らについても暴行容疑で告発状が受理されるなど患者への虐待が院内で常態化している恐れがある中で、今後厚労省としてどのように対応するか教えてください。
大臣:
精神科病院で患者に対する虐待など人権侵害はあってはならないことであり、虐待事案の発生は誠に遺憾であります。虐待行為の早期発見、再発防止に向けて今月17日に、虐待が強く疑われる緊急性が高い場合等は予告期間なしに躊躇なく速やかに指導監督を行うよう、改めて都道府県に周知したところであります。また令和6年4月からの改正精神保健福祉法の施行に向けて、精神科病院の虐待防止措置に係る取組もしっかりと進めていきたいと考えております。
 今回の事案については東京都が立入検査等の対応を進めており、引き続き東京都との連携を密にとり実態把握を早期に行った上で適切な対応を図っていきたいと考えています。健康保険法に基づく保険医の指定取消しや再度の保険医登録について等は個別事案でありますから差し控えさせていただきたいと思いますが、引き続き規定等に則って適切に対応していきたいと考えています。また本事案については、精神保健福祉法以外の法令違反がないかという視点も含め、自治体と連携しながら厳正に対応していきたいと考えております。
記者:
宗教団体のエホバの証人についてお伺いします。内部文書について現役の信者さんから対策弁護団へお声が寄せられている中で、こどもへの輸血の拒否を教団側が指示しているのではないかという疑いが浮上しています。厚労省のガイドラインが改正されたあともこれが続いているのではないかという声が挙がっている現状、大臣はどのように受け止められているかということと、今後の厚労省の対応について教えてください。
大臣:
昨日、厚労省の事務方がエホバの証人問題支援弁護団の方々と面会させていただき、エホバの証人の宗教2世の方々から寄せられた輸血拒否や身体的虐待に関する相談の概況などについてお伺いしたところであります。
 厚労省としては、これまでも医師が必要であると判断した、こどもへの輸血を含む治療行為について保護者がその実施を拒むことはネグレクトに該当するものであり、こどもの安全を確保するための対応が求められると考えています。具体的には医療機関において治療方針や治療内容について必要な説明が行われることと認識していますが、保護者がそれでもなお同意しないといった場合には児童相談所に対して速やかに連絡いただくこと、その上で児童相談所と医療機関が協働して保護者への指導等を行うこと、それでも保護者が治療行為を拒む場合には児童相談所が親権停止の申立てや一時保護による緊急対応を行うこととしており、その旨も通知で徹底をお願いしているところであります。
 更に昨年12月に発出したQ&Aにおいても、医療機関の受診を正当な理由なく認めない場合や輸血を拒否する旨の意思表示カード等の携帯を強制することはネグレクトであると明記しております。そして児童相談所における対応を促してきているところであります。今回弁護団から伺った内容も踏まえ、更にどのような対応ができるかも含めて検討を進めていきたいと考えております。
記者:
北海道のあすなろ福祉会運営のグループホームで障害者が不妊処置を受けていた問題に関して伺います。障害者総合支援法はグループホーム入居者を18歳以上の障害者と定め、生まれた子がグループホームで生活してよいかルールがなく、施設側への支援もありません。支援費用が施設の持ち出しになっている現状への所感と、出産を希望した場合に法的にどう位置付けるか見解を教えてください。
大臣:
障害者総合支援法の共同生活援助いわゆるグループホームでは、支給決定を受けられた障害者本人に対して日常生活上の世話を行うものであり、こどもを含め障害者の家族が同居して支援を受けることは想定していないところであります。こうした中で結婚や出産、子育てを含め、障害のある方がその希望に応じて地域で安心した生活が送れるようにすることは大変重要であります。
 先般事務連絡を発出したところでありますが、各自治体において丁寧な意思決定支援の下、地域で障害者の生活とそのこどもの養育を支えるために障害福祉、母子保健、保育、社会的養護などの連携の下、確実に障害福祉サービスや子育て支援等が行われるよう取り組んでいただいているところであります。
 また今後、障害者の結婚や出産、子育て等の連携支援の事例について現場の課題を把握するとともに、障害福祉・母子保健・児童福祉等で連携した支援の好事例等を収集するための調査研究を実施することを検討しております。こうした研究も通じて支援の在り方を更に考えていきたいと思っております。
記者:
エホバの証人の関係で、例えば教団側への聞き取りとかあるいは実態の調査というところまで検討されているという認識でよろしいでしょうか。
大臣:
そういうことではなくて、宗教等を理由とする虐待への対応の実態などを把握していくということでありますので、具体的な個別の調査を想定しているわけではありません。
記者:
マイナンバーカードの取得率が21日時点で7割を超えている一方で、マイナ保険証の使用はまだあまり広がっていない現状が指摘されています。医師らがシステム導入義務について訴えも起こしていますが、改めて医療機関のシステム導入と患者のマイナ保険証の利用、それぞれの普及に向けた課題と対策をお聞かせください。
大臣:
義務化対象施設の98%を超える施設が顔認証付きカードリーダーの申込みをしておりまして、その半数以上では既に運用が開始されています。本年9月末の義務化経過措置期限までの運用開始に向けて、導入支援のための財政措置の期限を延長するとともにシステム事業者に対して更なる導入の加速化もお願いしているところであります。最近の導入ペースを踏まえれば、この期限までにオンライン資格確認の義務化の対象となっている全ての施設への導入は十分可能であると考えております。
 またマイナンバーカードの健康保険証利用登録については、ここにきて増加しているところであります。直近の2月19日現在で約4,900万件、マイナンバーカード交付枚数に対する割合としては62%の方に登録をいただいています。利用登録については医療機関や薬局の窓口に設置する顔認証付きカードリーダーを使って申し込む初回登録の方法があり、マイナンバーカードで初めて医療機関等を受診される方においては大変簡単な手続きだと思っておりますので是非それを利用していただきたいと思いますが、それ以外にもマイナポータルアプリを用いてご自身のスマートフォンを使って申し込む方法、各市区町村において設置する住民向け端末等から申し込む方法、セブン銀行のATMから申し込む方法など様々な方法があります。是非そういった方法を使ってマイナンバーカードの取得とあわせて健康保険証としての利用促進に向けての周知をしっかりと図っていきたいと考えています。

(了)