塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.5.8(金)10:45 ~ 11:00 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は閣議がございましたが、そこで5月1日に公表いたしております3月の完全失業率は、前月と比べて0.1ポイント低下いたしまして、3.4パーセントとなりました。有効求人倍率でありますけれども、1.15倍ということで、前月と同水準ということでありました。現在の雇用情勢は一部に厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでおりまして、一方で海外景気の雇用への影響について注意が必要だということでございます。先日成立いたしました平成27年度予算に雇用対策が盛り込まれているわけでありますけれども、これを的確に実施することによって、雇用情勢の一層の改善に全力に取り組んでまいりたいというふうに思います。閣議の中で発言いたしたところでございます。

質疑

記者:
ドイツとスイスへの御出張が連休中にありましたけれども、これの具体的な成果と、そこで得られた成果をこれからの厚生労働省の政策にどのように反映していくのか、お聞かせください。
大臣:
ドイツとスイスに行ってまいりまして、一昨日戻ってまいりました。まずドイツでは、G7サミットが今年ドイツであり、来年は日本であるということでございまして、グレーエ連邦保健大臣などと会談を行いまして、ドイツでのサミットの成功に日本も貢献していくことと、来年日本でサミットが開催され、また、G7サミットの今年の開催国であるドイツが、保健大臣会合というのを10月に開催するということもあり、来年に向けて、日本とドイツが緊密に連携していくということで、グレーエ大臣と合意しているところでございます。それから、第4回日独高齢化シンポジウムがございまして、両大臣から講演をまずさせていただいて、その後、老健局などから、あと健康局長も行っておりましたが、実務的な問題に至るまでの議論を深めたということです。御案内のように日本とドイツは介護保険を持っている国であります。そういうことで、お互いの少子高齢化の中でどう乗り切っていくかということ、医療関係者、特に議会の保健委員会の副委員長などとも話をしましたが、ちょうど向こうの国会でもこの医療関連法案について議論をしており、また、これから議論が始まる予防法などもあって、お互い予防というものを重視しながら、医療をどう中身を充実させ、持続可能なものにするかということで、大変良い議論が行われたと思っております。スイスではILOのガイ・ライダー事務局長と会談するとともに、グローバルファンド、世界基金(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)、トップはおられませんでしたけれども、ナンバー2の官房長と、それから日本人で國井さんという局長がおられますけれども、意見交換をしてまいりました。その後、マーガレット・チャンWHO事務局長と意見交換を深め、これも今年のサミット、来年のサミット、保健議案が重要視されるとドイツでも言われておりましたので、様々な意見交換をし、エボラ出血熱に端を発して、グローバルヘルスの世界のガバナンスのあり方について、今様々な場で議論が行われておりますけれども、これらについても意見交換をし、ちょうど(5月)18日だったでしょうか、WHOの総会が始まりますが、そちらに向けての言ってみれば意見の擦り合わせということをやってまいりました。
記者:
岐阜で両親の年金を死後およそ50年間にわたって不正受給していたという事案がありました。この件は、市のほうには死亡届は提出されていたということなんですが、なぜこのようなことが長きにわたって起こってしまったのかということと、今後の対策についてお聞かせください。
大臣:
この件につきましては、受給者がかなり前にお亡くなりになっているにも関わらず、遺族が日本年金機構に、いわゆる「現況届」という、生存していることを確認する郵便でのやり取りの届出の提出を続けていたために、年金が支払われてしまっていたということで、不正発覚後に直ちに支給を停止し、その後、事実確認の上で告発をしたところであります。今御指摘のように、市の方には死亡届が出ていたにもかかわらず、なぜ年金が支払われていたのかということでありますが、結論からいきますと、今は住基ネットとのリンクが99パーセント以上となっていて、現況届という形での生存確認がまだ行われているというのは0.4パーセント、14万人の方に限られているわけでありますので、今はそういうことがなかなかありえないわけですけれども、かなり前にこういうことが起きてしまって、現況届を出しているという、この受給者の生存確認を実は(日本)年金機構が訪問などで行ってきているわけでありますけれども、その中で判明し、調べたところ、現況届は出ているけれども、実際は亡くなっているということが判明したと。こういうことでありまして、再発防止にしっかりと努めてまいらなければなりませんので、住基ネットによる生存確認が一層徹底されるように、私どもとしても手を打ちたいというふうに思っております。
記者:
新宿区にあります東京都の児童相談所の一時保護施設についておうかがいしたいと思います。日本テレビが昨日夕方のニュースで特集をいたしましたが、虐待を受けるなどして一時保護されているお子さん方の一時保護の施設の中で、子どもどうしの会話が禁止されて、従わないと運動スペースの100周を強要をされるですとか、体調不良のお子さんがいてもトイレに行くのを許可されなかったといったような事例をお子さんたちが証言していまして、不安や恐怖を訴えているというものでした。一時保護の重要性が高まる中で、こうした実態がどの程度あるのかどうかということを、どうお考えになるかというところをお願いします。
大臣:
今の御指摘の児童相談所の一時保護所とはどういうところかというのは御存知だと思いますけれども、非行児童とか、あるいは虐待を受けた子どもたち、こういう様々な課題、問題を抱えた児童を保護する施設であります。個々の子どもの状況に応じて、本来適切に対処しなければならないと、保護が行われなければならないという場でございます。御指摘の東京都の一時保護所における今回の案件については、これはもうまず児相(児童相談所)を設置しているのは東京都でありますので、東京都においていったい何が起きていたのかということを適切に把握した上で、適切に対応して、対応が図られるべきだというふうに思っておりますので、厚労省としてはまずは東京都の対応を見守っていきたいというふうに思いますし、舛添知事もおそらくこれには対応をお考えになるんだろうと思います。
記者:
今回のことに限らず、保護すべきお子さん方が非常に増えているですとか、それも虐待を受けている方の割合が多くなっているということで、やはり職員の方々の対応の負担も増していたり、あるいはケアが非常に難しいということがこれまでも課題とされてきたところなんですけれども、こういう児童養護の世界に非常にお詳しい大臣としては、今の児相の一時保護施設の体制のあり方は、ニーズというか、お子さん方、あるいは社会のニーズに十分お応えしているとお考えでしょうか。
大臣:
この児童相談所の問題は今御指摘のように、かなりオーバー労働になっているということは、もう広く認識されているところであって、先般も自民党の中の私が会長をやっております、要保護児童の議連(児童の養護と未来を考える議員連盟)がありますが、ここでも初めて中央児相と神奈川の児相に来てもらって、いろいろな御意見も、実態も聞きました。そこでやはり分かったことは、かなりの職員の皆様方は一生懸命に対応しておられるけれども、案件が多いことと、難しい案件が虐待を中心に非常に増えて、難しくなってきているということで、正直、燃え尽き症候群的に忙しいということで、一生懸命頑張っていただいていますが、ここについて何らかの手を打たなければ、現場はこのままではなかなか大変だなという印象を持つほど、様々な問題を抱えているというふうに私も認識しております。
記者:
一時的にはもちろん都道府県、児相の設置の自治体の判断で予算や職員は増やしたり、整理するなりということだと思うんですけれども、国として、例えば何か自治体に促していくですとか、交付金などでは難しいかもしれませんが、何か加算とか、補助とか、何か今後の体制整備のために国としてお考えになる余地というのはないでしょうか。
大臣:
先日総理からも指示があって、ひとり親家庭の問題、子どもの貧困の問題、これについて夏までに方向性を出すようにという指示がございますが、そういうこともあって、今児童相談所のあり方についてもどういうふうになっているのか、まず実態を調べると。都道府県によって、いろいろなバラエティがあって、特に専門性が高いところ、高くないところ、いろいろあるようでありまして、あるいはどのくらいの期間、職員が児童相談所にいるかということも含めて、この間の議連でのヒアリングでも、里親に出す、あるいは養子に出す、そういうところまでのやらなきゃいけない作業というのは非常にたくさんある上に、なかなか難しい人間関係、つまり親が虐待をしている、その親からどう離していくか、あるいは戻していくか、いずれも難しいわけでありますけれども、そういうことで今の児童相談所のままで良いのかどうかということも含めて我々は考えているところであります。
記者:
児童扶養手当を支給する際に事実婚認定に関する質問を2点お尋ねしたいんですけれども、連休前の話になってしまいますが、厚労省が35年ぶりに新たに事実婚認定に関する判断基準という、新たな通知を全国の自治体向けに出されました。これは1月に大臣が前向きに、適切な支給手続が必要だということをおっしゃったことを受けての対応だと思いますが、改めて支給手続を担う自治体への呼びかけをうかがいたいというのが1点と、2点目は新たな判断基準に照らすと、今まで対象外とされてきた人が実際には受給対象であった可能性も出てくると思うんですけれども、そこら辺の方々に対する極論かもしれませんが、遡及的に児童扶養手当を支給するとか、あるいは改めて、もしかしたら漏れていたのかもしれないので、申請手続をするように呼びかけたりとか、いくつか対応策というのが考えられると思うんですけれども、漏れていた可能性のある方々に対してのメッセージという二つをお聞かせいただけますでしょうか。
大臣:
基本的に事実婚についての定義は変わっていないのだろうというふうに思います。念を入れて今回出しているんだろうと思いますが、過去に遡って、支払うべき人に支払ってなかったんじゃないのかというような案件があるのかどうかについては私はまだ聞いておりませんので、確認させていただきたいというふうに思います。

(了)