田村大臣閣議後記者会見概要

H25.7.30(火)10:41 ~ 11:01 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。本日はですね、私から冒頭2件御報告をさせていただきます。1件はですね、本日公表の雇用情勢についてでございますけれども、6月の完全失業率、前月と比べまして0.2ポイント改善ということで3.9%。4年8ヶ月ぶりということでございまして4%を切るというようなそういう数字が出てまいりました。併せて有効求人倍率は0.02ポイント改善いたしまして0.92倍ということになりました。現在の雇用情勢の一部に厳しさが見られるものの、改善しているということでございますので、今後とも景気、海外の景気等々の動向、それから雇用の影響を注視していくということでありまして、併せて25年度の予算等々、これの執行、また雇用対策等々ですね、これにこういうものを講ずる中においてより改善をしていくように努力をしてまいる所存であります。それからもう1点でありますが、本日から明日にかけまして私でありますが仙台、福島を視察いたします。本日午後、宮城県仙台市にある臨床研究中核病院であります東北大学病院、それから名取市にあります宮城県子ども総合センターにおきまして医療や臨床研究、また子どものメンタルヘルス等々現場を視察していまいりたいというふうに思ってます。また明日はですね、東京電力福島第一原子力発電所におきまして作業者の安全衛生管理などの状況を視察するということでございまして、現場での方々の十分な御意見をお聞かせをさせていただく中におきまして、これからの施策に役立たせていきたいというふうに思っております。以上でございます。それでは御質問の方よろしくお願いいたします。

質疑

記者:
昨日、体外受精等不妊治療の助成を42歳までで最大6回と制限する見解がまとまりましたが、終了後、座長も高齢妊娠は母子に与える影響を考えるとやむを得ないというお話をされていましたが、一方で43歳以上で経済的な問題で不妊治療を受けられなくなる方もいらっしゃると思うんですが、それに関して大臣の考えをお願いします。
大臣:
それぞれですね、子どもを産み育てる、産む産まないというのはそれぞれの選択でありますし、いつ子どもを出産するかというのもそれぞれの選択、判断であるわけでありまして、それを国がどうのこうの言うつもりはないということが基本的な考え方の下に、そこを再確認していろいろ御議論をいただいたわけでありますけれども、やはり妊娠・出産というものが母体に与えるリスク、それから当然のごとく、その不妊治療のですね、成功といいますか精度といいますか、そういうものも一定年齢とともに低下してくる部分もあるということを踏まえながら、いろいろと御議論をいただいたということで一定の方向性で一つ意見をこれからまとめる最終段階に入ってきたということでございます。ただ一方で、御心配もあられる中において、経過措置等々をですね、しっかりとこれから御議論をいただいて、いきなり年齢を区切って突然制度を変えるということになりますと、御心配いただくところもあろうと思いますのでその経過措置も含めてですね、いろいろとこれから御議論を最終的にいただくということになろうというふうに思います。
記者:
もう1点伺います。バルサルタンの件なんですが、ノバルティス社が昨日初めて会見しまして、データの意図的にねつ造などは認められなかったと不正への関与を否定しているんですが、一方で試験に関わった社員は退職して聞き取りができていないということなんですが、これに関しての大臣の受け止めをお願いします。
大臣:
これですね、第三者機関を社内で作られてですね、いろいろと調査をいただいたということでありますが、いろいろと調査の結果を拝見いたしますと当時の社員が問題の5大学の研究全てに関与していたということ、それから大学の研究者もノバルティス社も当時の社員が関与していることは認識していたということ、さらに、当時の社員によるデータ操作があったかどうかを示す証拠はなかったというような、そういう調査結果であったということでございまして、これに関しましては我々は十分に納得をいたしておりません。いずれにいたしましても、これはノバルティス社の中においての第三者機関の調査ということでありますが、各大学等々においてですね、研究機関等々において調査を今していただいているわけでありますので、そちらの方の調査もしっかりと確認をさせていただきたいというふうに思っておりますし、当時の社員が確か聞き取りに応じたわけですよね。ですから、これから私の直轄の下でですね、こういう調査委員会といいますか検討会を作る、早急に作る予定でございますので、そこにおいて場合によっては実際に関与したかしていなかと疑われておられる方に関しても聞き取り調査ができればありがたいなというふうに思いますので、そういう部分に関しましてもノバルティス社に御協力をいただければありがたいというふうに思っております。併せて、以前から申し上げておりますとおり、徹底的な調査等を含めて再発防止が大変重要なところでございますから、検討会の方で再発防止、それから倫理指針等々の見直し、こういう部分にもですね、一定の方向で報告書といいますか、方向性を出していただくというようなことを期待をしておるわけでございます。いずれにいたしましても、社内で第三者調査をしていただいたということは一定の前進だというふうに思いますけれども、その調査結果に対しては十分に我々納得しておるというものではないということであります。
記者:
バルサルタンでお伺いします。先ほどノ(バルティス)社の社内での第三者委員会、第三者で調査をされたという一定の前進だけれども内容については十分納得されてないというお話でしたが、調査結果について納得が出来ない部分というのはどのあたりでしょうか。
大臣:
当社の社員によるデータ操作があったかどうかを示す証拠はなかったというのがですね、その証拠は何なんだと、示す証拠がなかった証拠がよく分からないということでございまして、なかなかこの調査結果だけ見ておりますと十分に我々が納得できる状況じゃない、つまりですね、それまでのいろんな調査等々をですね、京都府立医科大学の調査等々を拝見させていただいておってもですね、やはりデータ等々がですね、正直言って変わっているわけですよね、解析の前段階なのか、要するにデータ自身が内容が変わっているといいますか数値が変わっているわけですよね、それは誰かが意図的にやった可能性が高いであろうと、要するにそれがディオバン・バルサルタンのですね、有利なような方向に変わっているという話になっておりますので、そこには意図的に改ざんした可能性というものが十分疑われるというようなことがあるわけですよね。そういう中において、その報告書の中においても疑いが高いような書き方になっているわけであって我々もそういう認識を持ってますので、やはりこの社員の方が関わっていないというような証拠ですよね、つまり関わった証拠はないというのはよくわかるんですが、関わっていないのはなぜなんだと、それはなんで言い切れるんだというところが我々としても十分にこの報告書からは認識として受け止められないということでありますので、十分にこの報告書だけ読んで納得をさせていただくという状況にはないということであります。
記者:
関連でなんですが、先ほど疑われている方について聞き取りが出来ればありがたいということをおっしゃいましたけれども、これは具体的には元社員の方を指していると思うんですけれども、これは実際にですね、強制的な権限はないと思うんですがどういう形で要請するのか、かなり強い形で来てくれということを言うのかですね、そのあたりは。
大臣:
まだ具体的にどのような形でということは私も考えておりませんが、ただこの方に連絡とれるのはやっぱりノバルティス社ということになるんだと思うんですよね、だからノバルティス社にお願いをさせていただいてというようなことを今漠然と考えてます。これから検討会が立ち上がった中においてちょっと相談をさせていただきながらですね、真相究明をするというのも一つの大きな検討会の役割であります。私はもちろん限界があるかもわかりませんが、しかしそこはできる限りの調査をしていただきたいというふうに思っておりますので、その時にどうすれば、この方がねやったということは確証があるわけではないんで、まだあくまでも疑われるという状況でありますから、この方から直接お話をお伺いできればより真相究明というものがしやすいのではないかというふうに思いますので、そのためには元々ノバルティス社の社員であられた方でありますので、ノバルティス社が今回も聞き取りをやられておられるようでありますから、連絡を取って仲介をしていただきやすいのではないかというふうには今漠然と思っておりますので、その場合にはお願いをさせていただくということになろうというふうに思います。
記者:
雇用情勢の改善の理由と今後の見通しをちょっとお聞かせいただきたいのですが。
大臣:
なかなか難しい、改善の理由ですか。これですね、中を見ますと、失業率の方で見ますと完全失業者数が260万人ということで、前同月比と比べて28万人減少しているということですね、これが一番の理由で、その理由はさらに何かといわれればそれは景気動向が経済状況が改善されつつあるんであろうと、それは実質経済成長率を見ましても数字自体は確かに良くなってきている部分でありますから、そういう部分であろうというふうに推測がされます。一方でですね、前月と比べ就業者数は1万人減少、雇用者は7万人増加、非労働力人口が16万人増加ということでございますから、16万人非労働力人口が増加しているということは働ける年代であって労働を望まないといいますか、そういう方々も増えているというのがどういうふうに判断するのか、景気が良くなって働かなくてもいいというような方が増えたというにも思えるわけでありまして、ちょっとここの分析はなかなか今ここで細かく分析できるだけの資料を私も持っているわけでもないのでここは事実だけを述べさせていただきますけれども、そういう状況がある中において失業率が低下をしておるということであります。有効求人倍率はそのままでございますので、やはりそれだけですね、求人が増えているということございますから、これもやはり企業活動等が活発になってきて求人が増えているというふうに認識をいたしております。
記者:
消費税の税率引上げの議論のことでちょっとお尋ねします。昨日の国民会議でも委員の方からそういう意見が出てたのですけれども、今は社会保障の今後の改革とかですね、あるいは子育て支援の充実とかそういったものというのは消費税率が引き上げられるということを前提に、そういった財源も当て込みながらということで検討が進んできて国民会議でもそういったことを前提に議論してきたと。ただ、ここに来てですね、そろそろ増税の判断の具体的な時期というものが近づいてきた中で官邸の方では経済指標をしっかり見ながら予断を持たずに9月か10月かそれくらいには判断するというようなことで、中期財政計画でもそこは閣議決定をしないとかいろんなそういう動きがあって消費税の増税判断に対してちょっと慎重になってきている印象をたぶん持たれていると思うんです。そういう議論が国民会議としてはやはりこれは増税を前提で考えているんだからそこはしっかり考えてもらいたいということをちゃんとメッセージで打ち出すべきだという意見も昨日出てたんですが、この問題について田村大臣はどのようなお考えでしょうか。
大臣:
法律には附則でですね、検討規程があるわけでありまして、以前から総理も消費税を引き上げるかどうかの判断時期、それから判断する内容についてはおっしゃられてきたわけでありまして、今般特別に急に言い出されたわけではないと、これは通常国会の中でも答弁の中でもそういうような御答弁されていたというふうに私は記憶をいたしておりますので、いよいよ時期がだんだん迫ってくる中でですね、世の中の注目度が集まってきておる中で今までと同じようなことを総理をはじめ、官邸、官房長官も含めておっしゃっておられることがクローズアップされてきているのかなというふうな受け止め方です、私は。その上でですね、言われますとおり、いろいろと子育てに関しましても、それから医療でありますとか、そういう部分に関しましても、それから年金もそうでありますけれども、消費税を上げるということを前提でですね、一体改革の中において計画が組まれてきておるわけでございまして、そういう意味では消費税を引き上げるということは必要な選択であるというふうに私も思っております。ただ一方で、時期というものは先ほど申し上げましたとおり、これからいよいよ判断をする時期がやってくるということでございますので、予断なくと今言われましたけれども、そういうような言葉を官邸が使ったかどうか私はちょっと認識をしていないですけれども、そうおっしゃられたというのは別に法律に則ってそう書かれている話であって、そこの判断時期がいよいよ近づいているという中において言われた話だというふうに思います。国民会議の中でどのような最終的な報告書の盛り込み方になるかちょっと私はまだ存じ上げておりませんが、国民会議の立場からしてみれば進めて行く中において財源というものをどうするんだという御心配があるというのはこれは当然な話だというふうに思いますので、財源を御心配される動きは理解はさせていただきます。一方でそれと消費税の議論というのはリンクされながら、一方で消費税を引き上げる時期というものは法律に則って検討ができるというふうになっているわけでありますから、そこはこれからの整合性をどうしていくかという話になってくるんだというふうに思います。官邸としては適切な御判断をいただけるのではなのかなというふうに私は思っております。

(了)