登録教習機関などの登録申請と実施事項の手続き

安衛法第75条第4項・別表第17又は安衛法第76条第1項・別表第18に掲げる技能講習又は実技教習を行おうとする者は都道府県労働局長へ登録申請を行う必要があります。(※1)             ※安衛法:労働安全衛生法の略称

登録要件(安衛法第77条第2項)

  1. 安衛法別表第19に掲げる機械器具その他の設備及び施設を用いて行うものであること。(※2)
    【安衛法第77条第2項第1号】
  2. 安衛法別表第20又は第21に掲げる知識・経験を有する者が講習行う者であること。(※3)
    【安衛法第77条第2項第2号】
  3. 安衛法別表第22に掲げる業務を管理する者「実施管理者」が置かれていること。(※4)
    【安衛法第77条第2項第3号】
  4. 実技教習の場合は、安衛法第77条第2項第4号の要件に適合していること。(※5)

欠格事項(安衛法第77条第3項において準用する同法46条第2項)

  1. この法律又はこれに基づく命令の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
  2. 安衛法第53条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者
  3. 法人で、その業務を行う役員のうちに上記1、2のいずれかに該当する者があるもの

登録申請手続き ※登録省令:労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令の略称

1 登録教習機関登録申請書

2 添付書類

【登録省令第21条】

(1)法人の場合:定款又は寄附行為及び登記事項証明書(※15)
    個人の場合:住民票の写し
(2)安衛法第46条第2項の欠格事項に該当しないことを説明した書面
(3)役員の氏名及び略歴(法人の場合)
(4)実施管理者の氏名及び略歴
(5)講師又は指導員及び技能検定員の氏名、略歴及び担当する科目
(6)技能講習又は実技教習に用いる機械器具その他設備及び施設の種類、数、性能等及びその所有又は借り入れの別(※7)
(7)技能講習又は教習以外の業務を行っているときは、その業務の種類及び概要
(8)実技教習の場合は、安衛法第77条第2項第4号の要件に適合することを説明した書面
(9)その他(※8)


 

業務規程の届出

技能講習又は教習の業務の開始2週間前までに業務規程を添えて提出しなければならない。
【安衛法第77条第3項において準用する同法48条】

1 業務規程届出書

2 定めるべき事項

【登録省令第23条第2項】(※9)

(1)技能講習又は教習の実施方法
(2)技能講習又は教習に関する料金
(3)前号の料金の収納の方法に関する事項
(4)技能講習の講師又は指導員及び技能検定員の選任及び解任に関する事項
(5)技能講習又は教習の科目及び時間に関する事項
(6)技能講習修了証又は教習修了証の発行に関する事項
(7)技能講習又は教習に関する書類及び帳簿の保存に関する事項
(8)技能講習又は教習の実施に関する計画に関する事項
(9)財務諸表等の謄本等の請求に係る費用に関する事項
(10)その他、技能講習又は教習の業務に関し必要な事項

業務規程届出後に行わなければならない事項

1 計画の作成と公表、労働局長への提出

【安衛法第77条第6項、登録省令第23条の5、H18.1.27基発第0127003号、H25.2.19基安安発0219第1号】
毎事業年度、技能講習又は教習に関する計画を作成し、これに基づいて技能講習又は教習を実施しなければならない。なお、技能講習又は教習の実施に関する計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。また、ホームページがある場合は、ホームページにおいて実施計画を公表しなければならない。さらに、これを都道府県労働局長に提出しなければならない。

(1)技能講習又は教習の実施時期、実施場所、種類、科目、時間及び受講定員に関する事項(※10)
(2)技能講習の講師又は指導員及び技能検定員の氏名(※11)
(3)登録の有効期間の満了日(満了日が計画期間内の場合には更新申請予定日)

2 登録番号等の明示

【H18.1.27基発第0127003号、H25.2.19基安安発0219第1号】
受講生の募集案内、ホームページ等に登録を受けた労働局名、登録番号、登録有効期間の満了日を明示しなければならない。

3 帳簿の作成と保存

【登録省令第24条】
技能講習又は教習を行ったときは、技能講習又は教習の修了者の氏名、生年月日、修了年月日及び修了証番号を記載した帳簿を備え、技能講習にあっては登録に係る業務の廃止(登録の取消し及び登録の失効を含む。)に至るまで、教習にあっては記載の日から2年間保存しなければならない。ただし、技能講習に係る帳簿にあっては、当該帳簿を3年間保存した後において、指定を受けた機関に引き渡すときは、この限りでない。また、技能講習又は教習を行ったときは、次の事項を記載した帳簿を備え、これを記載の日から5年間保存しなければならない。

(1)技能講習又は教習の種類、科目及び時間
(2)技能講習又は教習を行った年月日
(3)技能講習の講師又は指導員及び技能検定員の氏名並びにその者の資格に関する事項
(4)技能講習又は教習の結果(※12)
(5)その他技能講習又は教習に関し必要な事項(※13)
 

4 財務諸表及び事業報告の作成、備付け及び閲覧等

【安衛法第77条第3項において準用する同法50条第1項~3項】
毎事業年度経過後3月以内に財産目録、賃借対照表及び損益計算書又は終始決算書並びに事業報告書を作成し、5年間事務所に備えて置かなければならない。なお、検査を受けようとする者その他利害関係者は、財務諸表等及び損害保険契約の契約内容を記載した書類の閲覧等の請求をすることができる。(※14)

5 財務諸表及び事業報告の労働局長への提出

【安衛法第77条第3項において準用する同法50条第4項】
毎事業年度経過後3月以内に損益計算書又は収支決算書及び事業報告書を都道府県労働局長に提出しなければならない。

6 登録内容の変更前の労働局長への提出

【安衛法第77条第3項において準用する同法47条の2、登録省令第22条の2】
氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名、事務所の名称及び所在地に変更がある場合は、登録教習機関登録事項変更届出書(登録省令様式第1号の5(Word[35KB], PDF[111KB]))を2週間前までに都道府県労働局長に提出しなければならない。

7 業務規程の変更前の労働局長への届出

【安衛法第77条第3項において準用する同法48第1項、登録省令第23条第3項】
業務規程の変更の届出をしようとするときには、業務規程届出書(登録省令様式第3号(Word[33KB],PDF[118KB]))を2週間前までに都道府県労働局長に提出しなければならない。

8 登録の更新申請

【安衛法第77条第4項、登録省令第22条、H25.2.19基安安発0219第1号】
登録の有効期間は5年間であり、その更新を受けなければ、その期間の経過によって効力を失う。有効期間満了日の3月前から1月前までに更新申請を行うこと。
複数の区分について、登録を受けており、当該複数の区分の登録日が異なるが、これらの登録の有効期間の次期満了日を同一とするため、一括して更新申請を行うことを希望する場合には、当該複数の区分のうち最も登録日の早い区分に係る申請に併せて他の区分に係る更新申請を行うこと。

9 業務の休廃止等の労働局長への提出

【安衛法第77条第3項において準用する同法第49条、登録省令第23条の2】
技能講習又は教習の業務の休止又は廃止の届出をしようとするときは、技能講習・教習業務休廃止届出書(登録省令様式第4号Word[35KB],PDF[109KB]))を都道府県労働局長に提出しなければならない。

10 帳簿の引渡し

【登録省令第25条】
登録に係る業務を廃止した場合(当該登録を取り消された場合及び当該登録がその効力を失った場合を含む。)には、帳簿を指定を受けた機関に引き渡さなければならない。

平成16年3月19日付基発第0319009号「公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律の施行並びにこれに伴う関係政令、省令及び告示の改正等について」に基づく留意事項

※1 登録の申請
「登録」とは、申請に基づき都道府県労働局長が行う登録を単位とするものであること。「技能講習又は教習を行おうとする者」は、法人又は個人であること。 ただし、法人の支部、支店等については、当該法人から当該支部、支店等に対し、登録の申請を行う権限が委任されている場合には、登録の申請を行うことができるものとすること。また、当該支部、支店等が技能講習又は教習の業務を実施する場合には、当該業務の実施等に係る権限が当該法人から委任されている必要があるものとすること。

※2 機械器具等
「機械器具その他の設備及び施設を用いて行うものであること」とは、機械器具その他の設備及び施設(以下「機械設備等」という。)を所有して技能講習又は教習を行うほか、機械設備等を借り上げて行うことも含む趣旨であること。ただし、この場合にあっても登録教習機関として賃貸借契約を締結している等当該機械設備等を正当に占有できることが明らかとなっているものであること。安衛法別表第19の「運転することができる施設」は、当該技能講習又は教習を安全に行えるだけの面積、地盤等が十分に確保され、かつ、整備されているものであること。技能講習又は教習の種類ごとに必要な機械設備等は、別添7のとおりであり、旧安衛法における指定教習機関が備えるべきものと変わるものではないこと。

※3 講師等
安衛法別表第20又は第21の条件の欄に掲げる知識経験を有する者は、登録教習機関が雇用する者以外の者については、契約により確保されていることが明らかとなっている必要があること。安衛法別表第20の各技能講習における科目ごとの講師の条件の欄の「同等以上の知識経験を有する者」には、別添8に掲げる者が含まれるものであり、また、同欄の「大学等」を「旧大学令による大学」、「旧専門学校令による専門学校」、「職業能力開発促進法による高度職業訓練専門課程及び指導員訓練」並びに「防衛省設置法による防衛大学校及び防衛医科大学校」を「大学等」と、また、「旧中等学校令による中等学校」及び「職業能力開発促進法による普通職業訓練普通課程」を「高等学校等」と同等と取り扱って差し支えないなど、旧安衛法における指定教習機関の講師の条件と変わるものではないこと。

※4 実施管理者
「技能講習又は教習の業務」とは、例えば以下に掲げる業務をいうこと。
 ア 技能講習又は教習に関する実施計画の策定
 イ 技能講習の講師又は教習の指導員及び技能検定員の選定
 ウ 使用する機械器具その他の設備及び施設の整備
 エ 技能講習の受講資格の確認
 オ 技能講習又は教習の科目及び時間の決定並びに実施状況の把握
 カ 修了試験の作成、修了試験の合否の判定及び修了者の決定
 キ 関係帳簿の作成
 ク 修了証の再交付及び書替えの業務
 ケ 関係者からの照会及び苦情処理
 コ その他の技能講習又は教習に関する重要な業務
また、同号の「技能講習又は教習の業務を管理する者」(以下「実施管理者」という。)は、前項各号の業務の管理に係る職務権限を有し、かつ、当該管理の業務を直接行うものであること。なお、実施管理者が当該管理を確実に行うためには、安衛法及び関係法令等を十分理解している必要があること。

※5 登録教習機関に係る要件
教習にあっては、申請の日前6月の間に登録申請者が行った教習に相当するもの修了し、かつ当該教習に係る免許試験の学科試験又は実技試験を受けた者のうちに当該学科試験又は実技試験に合格した者の占める割合が、95%以上であること。
「教習に相当するもの」とは、揚貨装置運転実技教習、クレーン運転実技教習、移動式クレーン運転実技教習及びデリック運転実技教習規程(昭和47年労働省 告示第99号)の規定に従って行われるものをいうこと。また、同号の適用には、「学科試験又は実技試験を受けた者」が20人以上いることが必要であること。

※6 登録教習機関に係る登録の申請
登録教習機関登録申請書に記載する技能講習又は教習を行う予定場所は市区町村名を記載すれば足りるものであること。

※7 「機械器具その他の設備及び施設」は、安衛法別表第19の機械器具その他の設備及び施設の欄に規定するものを示し、機械器具その他の設備にあっては、その性能を明らかにした書面を、施設にあっては、その図面を添付する必要があること。「借入れ」は、賃貸借契約の書面の写し等の添付により借入れが明らかとなっている必要があること。

※8 法人の支部、支店等が登録の申請を行う場合には、当該法人の代表者が発行した申請に係る委任状等を添付する必要があること。また、当該法人の代表者から当該支部、支店等の代表者に対し、技能講習又は教習の業務の実施等の権限が委任されている旨を確認する必要があること。

※9 業務規程には、次の項目について定める必要があること
(1)技能講習又は教習の実施方法
  • 技能講習の方法(1回当たりの受講者定員(学科及び実技)、講習時限、教材等)
  • 修了試験(試験時間、試験方法、出題方法、合格基準等)
(2)技能講習又は教習に関する料金
  • 講習料又は教習料の額
  • 修了証の再交付又は書替えの手数料の額
(3)料金の収納方法
  • 講習料又は教習料の収納方法
  • 修了証の再交付又は書替えの手数料の収納方法
(4)講師又は指導員及び技能検定員の選任等
  • 技能講習の講師又は教習の指導員及び技能検定員(以下「講師等」という。)の資格
  • 講師等の任命手続
  • 講師等の解任基準
(5)技能講習又は教習の科目及び時間
  • 技能講習又は教習の科目及び講習時間の基準(一部免除の場合を含む。)
  • 技能講習又は教習の時間割(1日当たりの講習時間、時間割、修了までに要する日数等)
(6)修了証の発行
  • 修了証の様式
  • 修了証の発行手続(再交付及び書替えの場合を含む。)
(7)書類及び帳簿の保存
  • 帳簿の様式
  • 帳簿、実施計画書、財務諸表等、申込書、講師等に関する書類、修了試験問題、修了試験回答用紙等の保存年限
(8)技能講習又は教習の実施に関する計画の作成の方法等
  • 計画の作成時期
  • 計画の内容
  • 計画の公表方法
  • 計画の変更に関する事項
(9)財務諸表等の謄本等の請求に係る費用
  • 財務諸表等の謄本等の請求費用の額
  • その費用の収納方法
(10)技能講習又は教習の業務に関し必要な事項
  • 内部監査に関する事項

※10 「実施時期」は、技能講習又は教習の区分ごとに、実施予定月及び日数を明らかにしたものであること。「実施場所」は、実施予定の市区町村又は複数の市区町村を総称した地域名を明らかにしたものであること。「種類」は、技能講習又は教習の区分を明らかにしたものであること。なお、一部受講科目及び時間数を免除した技能講習の場合には、その旨が明らかになっている必要があること。「科目、時間」は、実施予定の技能講習又は教習ごとの科目及びその時間数(一部免除講習を含む。)を明らかにしたものであること。

※11 「技能講習の講師又は指導員及び技能検定員の氏名」は、担当科目が明らかになっているものであること。

※12 「技能講習又は教習の結果」は、各技能講習又は教習ごとの受講者数、修了者数及び受講者ごとの技能講習修了結果(修了試験の採点結果等)であること。

※13 「技能講習又は教習の業務に関し必要な事項」とは、技能講習の受講者の受講資格、技能講習に使用した教材等であること。

※14 財務諸表等の備付け及び閲覧等
ア 営業報告書又は事業報告書は、登録を受けた事業の内容が明らかになっているもので足りるものであり、登録を受けた技能講習又は教習の区分ごとに次の事項が記載されていなければならないこと。
 (ア)実施場所ごとの実施回数(実施場所については、市区町村名で足りること。
 (イ)受講者数
 (ウ)修了証交付数なお、当該事業期間内に、担当役員、実施管理者、技能講習の講師、教習の指導員及び技能検定員が新たに選任された場合には、その氏名、略歴、担当科目等について付記されたものとすること。
イ 「その他の利害関係人」とは、技能講習又は教習においては受講希望者の所属する事業者等が含まれること。

※15登録事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です 【法務局】HP