舛添大臣閣議後記者会見概要

H21.09.01(火)9:27~9:43 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議について特別御報告することはございません。

質疑

記者:
総裁選の日程が決まりましたが、それについていかがでしょうか。
大臣:
色々な考え方があると思いますが、やはりじっくりと時間をかけて議論をする必要があると思います。選挙に勝った人も負けた人も、応援に回った我々も含めて、この一週間は処理に追われて、例えばお礼の挨拶回りであるとかその他やらないといけないことがありますので、おそらく皆さんこの一週間は手がつかないと思います。週明けの来週くらいから少しずつ色々なことを考え始める余裕が出来ると思います。長期的な視点から党をどのように立て直すかということが必要ですから、それはやはり時間をかけた方が良いのではないかという気がしています。ですから、その日程で執行部が決められたのならその日程に従うということでやるしかないと思っています。
記者:
大臣御自身が総裁選に出馬するお考えは今のところいかがでしょうか。
大臣:
まだまったく白紙です。先程も申し上げましたように、この一週間は戦の後始末に皆さん追われているので、みんな冷静に考えるゆとりもないと思います。それから地方の組織の考えも良く聞かないといけないですし、かなりやっぱり時間が必要だと思います。ですから今はまったく白紙そのままです。
記者:
今日から9月1日でたくさんの学校が一斉に新学期になりますが、新型インフルエンザに関してワクチンの接種の優先順位について厚生労働省として大きな方針というものは固まっているのでしょうか。
大臣:
もう皆さんが取材なさったと思いますが、諮問委員会において一定の方向の議論がなされてきていると思います。まだ、何回か議論を重ねる。しかし、大きなコンセンサスで妊婦さんとか医療関係者とか基礎疾患がある方など、そういう方々が優先されるべきであろうということは大体議論が出ています。それから、乳幼児、6ヶ月未満の赤ちゃんについては両親の方から守る。そういうことについても、これまでの議論の集積でほぼコンセンサスが出来つつあると思っています。これは新型インフルエンザですから、その特性について医学的、科学的に全て解明されたわけではないので、そういう意味で、医学的や科学的に見て「これが100%正しい」ということが言えない以上は、今のような形で、大体国民が「そういう方向で良いだろう」という形で決めるのが妥当だと思います。もう少し専門家の方も含めて議論をして、大まかな所はそういう方向で行きたいと思っております。
記者:
総選挙の敗北に関して、昨日、自民党の体質の問題については触れられたのですが、内閣、特に麻生総理が勝敗に与えた影響についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
振り返ってみれば様々なことがあるので、麻生総理一人の責任ということよりも、歴代の自民党内閣、政府、そういうものについて反省しないといけない。私は幸い継続して三内閣続けて参りましたが、安倍、福田、麻生、福田さんは途中改造しましたから、改造内閣を一と考えたら四内閣です。それは行政の継続性から考えると好ましいことではありません。それと、出処進退は政治で最も大切なことですから、選挙に負けた時にどういう出処進退を取るか、それは安倍さんも含めて、今回も含めてですけど、そういうことがやはり反省しなくてはいけない点であろうと思います。もう一つは、私が昨日、緊張感がないといけないということを申し上げたのは、政治の世界というのは、どんな嫌いな奴でも能力中心に選ぶべきであって、自分の関係がお友達であるとか親しいとか、そういう観点が優先された時には緊張感が欠けます。ですから、その職に最も適して、意欲も能力もあり、一生懸命仕事が出来る。そういう観点からの内閣を、全ての内閣についてそうですが、やるべきであると思っています。国民の生命と財産を預かる一番大事な行政のトップの仕事はそう簡単に務まるものではありません。そして、政治家主導ということをいうならば、政治家の重みがないといけないですから、いつも張り詰めた気分でいるということではないですが、若干張り詰めた気分が欠けていたのではないかという気はいたします。そういうことがあるから不祥事でお辞めになる大臣が出てくるのです。それはきちんと反省しないといけないと思っています。緊張感の無さ、不祥事で辞める大臣が相次いだというようなことを含めて、国民が厳しく審判を下したのだと思っております。
記者:
出処進退の話もありましたが、今回自民党は首班指名にあたって最高責任者であった麻生総理の名前を書かざるを得ない状況ですが、このことに対して大臣はいかがお考えでしょうか。
大臣:
短期的な感情もあると思います。これだけ選挙に苦労したのであって、最高責任者の名前を書かないといけないというのは、感情的にしっくりいかない方もおられるのは非常によく分かります。しかし、感情で政治をやってはしょうがありません。要するに、あれだけ308議席も民主党が取っているわけですから、自民党や公明党が誰の名前を書こうと鳩山由紀夫さんが内閣総理大臣になることは明らかで、そういう厳粛な事実は事実です。しかし、私達にとって何が大事かと言ったら、麻生さんの名前を書きたくないから書かないというそういうレベルの話ではないのです。自民党の総裁である限りは麻生さんの名前を書けばいいので。それは議院内閣制ですから政党としては当然の行動となりますので、そこから先のことが問題であるので、この党をどうやって立て直すのか、壊滅的な敗北から解党的な出直しをするにはどうすればいいのかということが最大の目標です。ですから、大事の前のそんな小事はどうでもいいのであって、一番の問題はこの2週間、最初の1週間は皆頭が真っ白、次の1週間からやっと考え始める。そんな拙速に次の指導者を決めていいのか、地方の声もよく聞かないといけないけません。支持してくださった団体の声も聞かないといけません。そして、国民の声にもっと耳を傾けて冷静に敗因を分析すべきです。麻生内閣だけではないのです、福田内閣、安倍内閣、もっと前の小泉内閣に遡って全部総ざらいをして、その上でどう立て直すのかということが最大の目標ですから、首班指名で「あいつの名前を書きたくない」というレベルの話をしていたのでは党は蘇らないと思います。仮に、すぐ総裁選挙を行って、首班指名に間に合うようにやれと言われれば、それはやりようはありますが、今の放心状態と言いますか、勝った人も、負けた人も含め、そんな状況を見た時には時間を掛けて落ち着いた方が長期的にはいいという感じがいたします。
記者:
新型インフルエンザのワクチンの話ですが、ウイルス株の増殖能力が今考えているよりかなり悪いのではないかということで、従来からおっしゃっていた、年内に1千3百万から7百万、年度内に3千万くらいというのは、更に下方修正する必要があるのではないでしょうか。
大臣:
専門家の意見を聞いてみますが、元々1千3百万から7百万は増殖能力が相対的に弱いという前提の数字です。ですから、それよりもっと弱いのかどうなのか、そのことは少し専門家の意見を聞いてみたいと思っております。片一方で、ワクチンの輸入の話をしておりますから、アジュバントが入っているからどうだということはありますが、全体的には6千万人くらいはいけるように、輸入量を含めて努力をしております。ただ、一番の問題は国内生産のワクチンのペース、海外メーカーの生産のペースと、国内の新型インフルエンザの発症のタイムラグをどう考えるかが難しいので、国民の皆様にも御協力をいただいて出来るだけ後にピークを持って行くことが必要です。例えば、先ほどの御質問ではないですが、学校が始まって爆発的に感染が拡がって、ピークが9月の下旬くらいになってしまって、その時期にワクチンがまだなくて10月下旬にはピークアウトしているかもしれません。もちろんピークアウトしても寒くなればもう一度第2波がくる可能性もありますので、準備をしないといけないですが、そこは出来るだけピークを後にやるように皆で協力してやるようにして、ワクチン接種が間に合えるようにということですので、いずれにしても10月下旬からの接種は厳しい状況になっている危険性がありますので、最大の解決策、ピークアウトを後にやるために全力を挙げるということしかありません。ワクチン株、その他についてはCDC、WHOそれから日本の専門家の意見を聞いて、今の御質問に対して更にそういうことをやらないといけないかどうか、分かれば事務方を通じて御説明したいと思っております。
記者:
ワクチンの問題ですが、最優先される方には国産のワクチンを振り分けるのでしょうか。
大臣:
基本的には用意出来たところからだと思います。最優先というのは時間的最優先なのです。今からパッと1億2千5百万人分あれば、パッと打てばいいですが、6千万人分くらいがんばって輸入も含めて出来たところから打って行くということになると、最初に手に入るのは国内ワクチンですから、そこから打つことになると思います。
記者:
今日付けで国民健康保険中央会の理事長に、柴田さんという厚生官僚の方が就きましたが、駆け込み天下りではないかと言われておりますが、その点についてのお受けとめをお願いいたします。
大臣:
それは概算要求の時も申し上げましたように、基本的に任期が来て空白を明けられないということでルーティーンでやっておりますので、そこはそういう誤解がないようにお願いしたいと思っております。そこから先は、権力を持った政党がどういうふうにするかということは御自由ですが、私が任期の間はそういう人事を含めてきちんとやっていきます。ですから、すべての天下りが悪いということではなくて、いつも私が申し上げておりますように権限を伴ったり、様々な癒着があったりしてはいけないのですが、官僚も優秀な人材であって、国民のためにその人がやることが良い仕事になって、国民の利益になるのであればそれをやればいいのです。私はそういうステレオタイプ型な「役人が悪い」とかそういうことは申し上げて来ておりませんし、必要なのは、必要な人材を国民のためにどう使うかということに尽きると思いますので、その人物の能力がなくてその職に適していなく、民間のAさん、Bさんが遙かに優れているという方がいれば、そういう方を対案として提示なさってやっていただければいい話ですから。民主党が政権を取るわけですから、今までのような野党である時はいいのですが、野党は政権を取るために全力を挙げるだけですから、どんなことを言おうが、どんな罵詈雑言を浴びせかけようとそれはいいのですが、政権を取った以上は幅のあると言いますか、複眼的な思考でやっていただいた方がよろしいのでないかと思っております。
記者:
ワクチンの優先順位で大臣も5つのグループを優先すべきとおっしゃっておりますが、その中でも一番優先すべきは医療従事者として、次に基礎疾患を持つ方と妊婦、次に小児、次に6ヶ月未満の乳児の両親という基本方針案をまとめたことについてどうお考えでしょうか。
大臣:
昨日出した案は一つの原案で、それを諮問委員会にかけ、そして、何度か練り上げますからあれが決定ではありません。ただ、昨日の北海道でお亡くなりになった方というのは保健師の方だったと思います。最前線に立たれて新型インフルエンザ患者の御面倒を見ていて感染して、今死因の究明を行っていると思いますが、心不全でお亡くなりになられた。これがウイルスによるものなのか、まさに最前線で危険を伴うことを行っているので、医療従事者にワクチンを打つというのは間違っていないと思います。ただ細かい順番をどうするかというのは、同じ乳幼児でもいろいろなパターンがありますし、そこはもう少し詰める必要があると思いますが、大まかな方向としては間違っていないのではないかと思います。ただ、もっと専門家の意見を聞いて最終的に判断したいと思います。

(了)