閣議後記者会見概要

H21.06.26(金)09:25~09:37 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等ついて

大臣:
閣議については特にございません。

厚生労働省人事について

大臣:
厚生労働省人事の骨格案を私の方から申し上げます。まず、事務次官及び社会保険庁長官。現職の江利川次官が退任し、後任として、現保険局長の水田邦雄を充てます。社会保険庁長官坂野泰治が退任し、後任に年金局長の渡邉芳樹を充てます。これは二年前に、ある意味で政治任用ということで安倍内閣の時に行われましたので、今回、二年経ちましたので変えるというのが一つです。 二つ目の大きな柱は事務系と医系の局長ポストが今まで固定されて聖域になっていましたから、これを厚生労働省の歴史始まって以来打ち破るということであります。現職の医政局長外口の後任に、今、社会・援護局長の阿曽沼慎司を充てます。つまり、このポストが医系の技官で無くなるということで、事務官がそこに入ります。それから、現職保険局長水田邦雄が次官に上がりますので、医政局長の外口を保険局長に充てます。事務官と医系技官とのポストの固定をやめて、連携を良くして、国民のための人事をやるということでありまして、今時間がかかってましたのは、総理と官房長官に御承認をいただきましたので、発表を致します。なお、これが骨格なので、その骨格をもとに局長、課長クラスの人事を進めていますが、これは正式な発表は国会日程を見ながら決めたいと思います。今、私が申し上げた二つの柱、事務次官と社会保険庁長官のポストを変え現職が勇退すること、医系の独占であった医政局を事務系の局長に変えること、その基本は国民の代表である大臣の人事に全ての役人は従う、国民の代表である大臣の前に聖域はありえないということでありますから、厚生労働省の歴代大臣がやらなかったことでありますけれども、これで大きな厚生労働省改革を更に進めたいと思っています。

質疑

記者:
意図は先ほどの説明で理解できたのですが、この時期にそうした人事に踏み切られた理由は何でしょうか。
大臣:
それは、一刻も早くやりたいということで、これを固めないと後が決まりません。この大きな骨格を早く総理、官房長官に了解していただかないと、今言った大きな方針でやる時にどう駒を動かすかということをやらないといけないので、大方針だけは早く決めたいということです。普通は人事検討会議を開き積み上げていくのですが、これは今までに無い霞ヶ関の改革の第一歩になりますから、極めて異例です。しかもこれは私の口から言った方が良いですから、とにかく情報管理というのは役人がまともにやらないので、どんどん皆さんのところにリークされていきます。厚生労働省はしっかり私が情報管理させていても、官邸から流れていき、そういうことであってはいけないので、これだけ大事な人事は大臣の口で自ら言う必要があります。人事の体系を課長クラスまで作るのに時間がかかりますから、ですから早めに承認をいただいたということです。
記者:
医系技官のポストに阿曽沼さんを当てる理由を詳しくお聞かせください。
大臣:
聖域があってはいけないということです。医学の知識はあるかもしれませんが、例えば、その他の知識がない、危機管理の知識がない、国民が何を思っているかの知識がない、お医者さんの数が足りないのに数が余っているというのでは話になりません。人事交流、例えば、厚生省と労働省を一緒にしたいい面もあるわけですから、人事が停滞してはいけません。逆に厚生労働省に入った以上、私は医者でも何でもないですが大臣をやっている以上は、インフルエンザはどういうものであるかですとか、ワクチンにはどういう種類があるですとか、派遣の問題がどうだとか一生懸命勉強します。医系であったら医学だけ、薬系であったら薬だけではいけないのと同様に、いやしくも厚生労働省の事務官というのは「多少は薬の勉強をしなさい」ということであって、人事の交流をして風通しをよくするということでないといけません。他所の省のことを言う気はありませんが、農林水産省にしても、国土交通省にしても、我が省にしても同じことですが、聖域があるために様々な不祥事が起こっております。だから、霞ヶ関の改革を行う必要があるというのはそういうことが主であって、基本は国民のためにどういう行政をするかということです。聖域があるために二年間私は苦労をしてきて、それでもがんばってここまでたどりつきました。いろいろなことで仕事ができるようにしないといけません。二年間続けて大臣をやっていたからここまでもってこれたようなもので、ころころ大臣が代わっていたら役人のコントロールができません。そういう意味で、国民の代表である大臣が役人をコントロールし、適材適所ということが必要です。皆様御承知のように初めて医政局長のポストが医系の技官の手から離れるということです。それが珍しいことというのはおかしいです。皆様方もいろいろな部局を回り、厚生労働省番だけをやっているわけではないですから。
記者:
人事は何日付になるのでしょうか。
大臣:
今、申し上げましたのは極めて異例のことですので、まずそういう大方針を総理に御承認いただきました。これをもとに大急ぎで一つ一つ他の局長をどうするのか、課長の人事もありますからそれを今積み上げて行きますが、これは国会日程にもよりけりです。担当する法案がある局長を代えるわけにはいかないですから、今からの国会の日程次第です。ただ、今回は大方針ということです。
記者:
事前に人事検討会議にはかけていないのでしょうか。
大臣:
同時にスタートしております。極めて異例であるので、今、総理からゴーサインが出て検討会議が始まりました。
記者:
今日初めて官邸側に伝えたということでしょうか。
大臣:
そういうことです。
記者:
日本年金機構の発足がまもなくありますが、この時期に社会保険庁の長官を代える意味がどこにあるのでしょうか。
大臣:
元々二年前に政治任用で江利川さんと坂野さんがこられました。江利川次官は一旦お辞めになっていたのを連れて帰ってきた、坂野さんもそういうことであったわけですから、新しい体制を作るということです。今おっしゃったようなことを言っていれば、慣れた人が何十年もやることになり、大臣もいつ代わるかわからないわけですから、適材適所で体制を作るということです。
記者:
保険局長の水田さんは後期高齢者医療制度などでかなり御苦労をされたと思うのですが、今回次官に抜擢された理由をお聞かせいただけますか。
大臣:
人事というのはあまり年次を乱したりですとかいうことであってもいけません。水田局長は、年次的にも順当ですし、様々な分野や保険局長をやっています。結局局長クラスまで残る人というのはそれなりの能力があり、省内でも人望があって残るわけですから、そういう中で全体を見回して総合的な評価というしかありません。
記者:
今回は外部という選択肢は考えられなかったのですか。
大臣:
いろいろなことを考えましたが、中できちんとやれる体制だと判断しました。
記者:
骨太の方針2009ですが、二千二百億円の削減目標が撤回されましたが改めて評価をお願いいたします。
大臣:
二千二百億円の削減はしないということで自然増はきちんと認めていただくということですから、これまで私どもが努力して申し上げていたことが実現したということですので、社会保障の制度の充実をさらに行うということに尽きます。
記者:
党内で古賀選挙対策委員長が、東国原宮崎県知事に出馬要請を依頼したりですとか、自治体の首長との連携を模索する動きが活発になっていますが、大臣はこの動きをどのように受け止めていらっしゃいますか。
大臣:
党のおやりになることは党がおやりになればいいので、私は今厚生労働省の人事に奮闘しておりますので、党のことは党にお任せするというしかありません。
記者:
今回異例の人事手続きをされたわけですが、総理から何か言葉はありましたか。
大臣:
総理は大変いい判断であるということでした。総理は経済財政諮問会議でもおっしゃっていたように、これまで医者が余っていると十一年間言い続けてきたのに何だ、と怒っておられます。それは地域の偏在ですとか、診療科の偏在がありますが、やはり、全体的に足りないからこういうことになっていますので、総理はこれまで聞いても役所から余っていると言われ続けたのはなんだ、という思いをもっておられるので、そういう意味で今回の人事は大変結構であるということでお墨付きをいただいたということです。
記者:
社会保険庁長官ですが、一月から年金機構になってそちらの方の人事は決まっていると思うのですが、渡邉さんは十二月までということでしょうか。
大臣:
そこは今設立委員会を行っていますから、どういう形で移行するかということですが、坂野さんも健康上の理由等ありまして、どうしても勇退したいということですので、それならば年金に精通している方をそこにおくということですので、来年の一月からどうするかということについては今後考えたいと思います。
記者:
麻生総理が昨日の会見で党人事を行うことを示唆するような発言があったのですが、舛添大臣を幹事長に抜擢するような声も上がっておりますが、これについての受け止めをお願いいたします。
大臣:
誰が声を上げているのか知りませんが、いろいろなところでいろいろな声を上げる人がいますが、いろいろな声には一切耳をふさいでおります。ひたすら厚生労働大臣として仕事をするということです。今日の人事構想を含めて全体の課長を含めての人事を行わないといけませんので、自分の人事どころではありません。
記者:
マイケル・ジャクソンが死亡しましたが、思い入れ等お聞かせください。
大臣:
我々はどちらかと言ったらビートルズの世代ですので、団塊の世代は皆様と少しアイドルが違います。もちろんあれだけのスーパースターですから残念だという気持ちはしております。私はハリウッドなんかに行っていろいろな俳優さんと会うような仕事もテレビの仕事でありましたので、やはりすごいなと思います。私はマイケル・ジャクソンに直接お会いしたことはありませんが、大変エンターテナーとして非常に優れた方だと思っております。途中で裁判沙汰なども起きましたが、あれだけ夢と希望を世界中の人に与えられたというのはすばらしいことだと思っておりますので、もし本当に亡くなられていたら残念だと思います。

(了)