閣議後記者会見概要

H20.03.14(金)08:43~08:54 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
まず、閣議については、春闘情勢を説明いたしました。円満に解決が図られているし、特に、ボーナスについてアップしているところも多いので、今後ともそういうふうに円満な解決が図られるように期待していますということを申し上げました。あとは、関係閣僚会議は、既に資料をお渡ししているとおりのことを説明して、特別異論はなく、しっかりこの手順でやってもらいたいということでした。

質疑

記者:
その閣僚会議の関係ですが、年金記録2,000万件以上が残っているということが報告されましたが、大臣としての評価は。
大臣:
3月までにコンピュータ上の名寄せをやること、これはきちんと既に終わりました。約束はお守りしたと思います。ただ、3,000万件は明白になりましたけれども、約2,000万件、これからまた解明作業を続けないといけません。これはいろいろな手があります。住基ネットを使うとか、それから、漢字を仮名に変換する時のシステム、これはどこが不具合だったかわかりますから、これをやるとか、それから、結婚なさった方に申し出ていただいて、旧姓の名前を知らせていただくともっとわかると。こういうことを着実に一歩一歩進めていきたいと思います。いかんせんまだ誰もやったことのない仕事ですし、蓋を開けてみないとわかりません。ただ、その2,000万件についても300万件近くは既に解明しましたから、定期的にどこまで解明が進んだ、あとどういう問題が残っているということをきちんと国民に説明して、引き続き皆さんの年金記録を取り戻せるように努力したいと思っています。
記者:
野党の方からは公約違反ではないかという声も出ていますが、それについては。
大臣:
昨年7月5日の政府・与党の工程表、これに基づいてきちんとやっていることは確かです。そして、4月以降はコンピュータ上の名寄せに引っかからなかった方、もっと言うと、問題がなかった方が多いと思いますけれども、そういう方、約9,500万人に、ねんきん特別便をお送りいたしますから、全体で約1億人の国民の皆さんにお送りして、その段階で、ではあと何が残るのだろうかということだと思いますので、一応工程表どおりにはきちんといっていると思います。最終的に、例えば、架空ででっち上げた名前なんていうのは探してもないわけですから、本人がいないわけですから、こういうことも、解明する過程で、ではどういう解決をその度に図っていくのか、立法措置ということもあるでしょうし、その他の方法もあると思いますけれども、とりあえずはこの2,000万件の解明に全力を挙げていって、10月までに1億人の皆さんに特別便をお送りする。その作業を工程表どおりにきちんと進めていくと、これが決められたことですから、その点については最大限の努力をしていますので、公約違反という批判はあたらないと思います。
記者:
今後の対策の中で、どうしても見つからない場合は公示をして、名乗り出てもらうのを待つということも検討課題として入っていますが、それについて、実際最後の一人まで特定するというのは困難だということなのでしょうか。
大臣:
例えば、何番という番号で何の何さんというのがあったとしますね。これは調査しているのですけれども、脱税のために架空の従業員をでっち上げた、それから、企業としてお役所に認めてもらうために、社会保険料をちゃんと納めていて、何人以上従業員がいますよというのをやらないといけないとか、いろいろな理由で架空のでっち上げがあります。そうすると、その人は探してもわからないわけですね。公示をして、何番の人いますかといって、例えば一年間、国民全員に見せていったとしても架空の人は出てくるはずがないわけですから。ですから、例えば、そういう手をとりながら、まさに架空の人の最後の一人まで実体解明をしてみようということですから、引き続きやっていくということなので、私はそれだけの努力はやるべきだし、やっていきたいと思っております。ですから、最後の一人までしっかりと発見し、お支払いしていくという基本的な姿勢は全く変わっていません。そのためにあらゆる努力を尽くしているということです。
記者:
公示される人の番号の中には、ただ、実際に記録をまだ持っている人が残る可能性というのもありますよね。
大臣:
もちろんそれもあります。そういう形で発見されれば、それは大変結構なので、ですから、あらゆる手を尽くします。そのためにどういう手が残っているか。それから、例えば、旧台帳にしても、現状がどういう状況か、これはサンプル調査を今からやりますけれども、そういうことのための特別チームが先般立ち上がりましたから、彼らの力も借りて、しっかりと現状を見て、そして、対応を考えていくということです。
記者:
その2,000万件の解明のスケジュールですね。大体どれぐらいというふうにお考えでしょうか。
大臣:
これはもう本当にやってみないとわからなくて、例えば、2月、3月、婚姻によって名前が変わった方はお知らせくださいという特別キャンペーンをやっている。これで皆さんお答えしていただいているので、国民の皆さんの協力があればあるほど早くなると思います。それから、実は中小企業の経営者で、申し訳ないのだけれども、今、告白すると、自分もでっち上げましたと、こういう方が、匿名にしますから、教えていただいたら、どういう人の名前を使いましたか、ちょっと台帳を見せてくださいと、それは削除できると、こういう方で、今からますます国民の皆さんのご協力が必要で、協力があればあるほど、このスケジュールが短くなると思います。1億人全部の皆さんにお送りする10月ぐらいに大体本当の意味での全体像がわかるようにしたいと思っています。
記者:
3月末までに名寄せ該当者に特別便を送るという公約を守るために、特別便の様式を変更することが途中でできなくて、最終的な解決が遅れたのではないかという指摘もありますけれども、それについてはどのようにお考えですか。
大臣:
それはやってみての反応でしたから。これは2月6日からは新たな形でやっています。最初からこうすれば完璧だというのはないと思います。ですから、いろいろな反省事項は出てくるし、これからもまた出てくると思いますけれども、迅速にそれに対応して、よりわかりやすいようにしていくと。やはり最初は本当にご高齢の方々、今、受給している方々を中心に送ったものですから、どうしてもそういうことが起こってくる。ただ、最近は若い人たちに送られているものですから、周りからも私ももらったよという話がかなり来ていて、そういう方は若干ややこしい文章でも見てくださっているので。いろいろなご批判はいただき、そしてまた、反省すべきは反省して、着実に先に進めていきたいと思っています。
記者:
発送スケジュールを遅らせても、改良する選択肢はあったのではないかという声もありますけれども。
大臣:
ただ、それは先ほど言った不正というようなことがあってもいけない。特に、今、第三者委員会、最後の砦である所に非常に不正で言って来られる方が増えているというようなこともあるので、やはりそれがあってはいけないし、特に、第二次名寄せで一つの記録が複数の人にあたる時にどうするか、そのことも配慮しました。しかし、そうではない方々に対しても、窓口に来ていただく、電話していただければ、ほとんど「こういう会社に勤めていた人ですね」というところまで教えるようにいたしましたから。改善をしていくということで、きちんとできるだけのことはやっていくと、その姿勢は崩さないようにしたいと思います。
記者:
2,000万件残るという、記録問題の解決とはちょっとほど遠い結果に終わったことについての感想というのは、大臣は。
大臣:
いや、まだ終わっていないわけです。ですから、3月末までにこれまでやりますよということは守りました。しかし、それで終わって、これで安心ではありません。今から2,000万件の解明作業を一所懸命、引き続きやっていくということですから。それはここで努力を放棄するということではなくて、ますますこれから難しい仕事になるので、ますます気を引き締めて、そして、いろいろな人たちの支援、社会保険労務士、それから、市町村、連合、労働組合、この皆さん支援してくださるということですし、それで、特別チームも立ち上げて、私を補強する体制も組みましたから、これからもっと困難な作業が残っているという意味で、そういう体制強化をやったわけですから、引き続き努力したいと思います。
記者:
1,975万件だったのものが、2,000万件を超えるところまで、照合作業を進めた結果ですけれども、増えてきたのですが、これは今後も増えていく可能性というのはどれぐらい。
大臣:
解明作業がですか。
記者:
不明な部分ですね、1,975万件の数が2,000万件という。
大臣:
いや、この1,975万件が増えたのは、実を言うと、名前が何もなかった524万件を別途処理していた。ですから、これは図表の作り方で、最初から別途処理している500万件を併せれば2,400万件ぐらいになっていたわけです。ですから、非常に図表が見にくくなっていたので、私自身が手を加えて、わかりやすい図表に書き換えて、数字を統合しようということになったわけです。これは、だから、数字のまとめ方の問題だと思います。ですから、実質的には300万件明らかになってきたのです。ですから、これからも減っていくと、今のところそういうふうに思っています。
記者:
かなりの国民が3月末に解決するのではないかというふうに期待していたかと思うのですが、これに応えられなかったというお気持ちはあるのでしょうか。
大臣:
それはそういうようにメッセージが受け取られたという話し方、最後の一人、最後の一円までというところだけが流れました。そういうことはこれからの広報体制として、きちんと反省してやらないといけないと思いますけれども、しかし、コンピュータ上での名寄せをやるという約束についてはきちんとやっていったし、今後ともしっかりやっていくと。昭和17年に厚生年金が始められましたから、65年経っています。その間に、社会保険庁の無責任体制がこういうものを生み出した。しかし、それは我々の責任でしっかり取り戻さないといけない。6か月、現場も含めて一所懸命やりました。その結果、一つここまでできました、今後ともまたやっていくと、そういうことで国民の皆さんのご理解を賜りたいし、今後は本当に国民の皆さんのご協力がいただけるかどうかが、この期間を短縮する、そして、成功する道ですから、どうかひとつ国民の皆さんのご協力を賜って、これは全国民、与党も野党もない、全国民の課題としてやっていって、率先して私ががんばりますので、どうか皆さんのご協力をお願いしたいと思います。

(了)