事前大臣協議(1)後記者会見概要

H17.12.18(日)13:40~13:51 省内会見場

広報室

会見の詳細

事前大臣協議について

大臣:
診療報酬改定につきまして、財務大臣と私の間で午前中からずっと協議を続けてまいりましたけれども、両者の主張に少し隔たりがございましたので、最終的に、今、官房長官の裁定という形で決着となったところでございます。薬価と診療報酬本体を合わせた全体の引下げ幅は、およそ3.2%、3.16%であります。薬価は、もう既に金曜日に決めましたけれども、下げ幅1.8%、1.80%。診療報酬本体は、下げ幅をおよそ1.4%、1.36%。14年改定でいろいろ議論がありましたので、今回は内訳についてまで決めさせてもらいました。医科と歯科は、1.50%、調剤の引き下げは0.60%、これは技術料がかむ所のウェート配分で1:1:0.4という平成12年改定以前のルールに戻させてもらったということになります。一方でその配分に当たり、産科、小児科、麻酔科等には配慮するという話になりました。具体的に私と財務大臣との議論を申し上げますと、私の方から薬価1.8%、本体1.3%ということで申し上げました。これは、1つは、1.8%も当然数字で決まったわけで、1.3%につきましても、人件費と物件費、確かに人勧は下がっている、物の値段は下がっております。しかし一方で、医療に従事する人の数は、総数として増えてきている。人件費、人の数に合わせながら、物件費というものも増えてきている。価格が下がるもの、人件費が下がるもの、しかし一方で、量としては増えてきているわけですから、それを計算した中で1.3%という数字をはじき出しました。我々が説明致しましたのは、1つは、今回の医療改革、まず引き下げる方向で診療報酬は議論する。これは我々は受け止めました。一方で、もう1つ書いておりますのは、産科、小児科、特に小児科の救急医療、それから、麻酔科といった問題については配慮すると書いてございます。また、IT化、レセプトのオンライン化については支援をすると書いてありますので、こうしたもの、またもう1つ、急性期医療の実態に即した看護の配置、今朝、ある新聞でも大きく書いてありましたけれども、そういったものをきちんとプラス要素として考えなければならない。財務省が大幅な引下げをと言われるけれども、私どもとしてはマイナス要素だけでなく、プラスの要素をしっかり配慮してもらいたい。私も就任して40日がたちますけれども、知事さん、市長さんのご陳情が多いのは、何と言っても産科・婦人科、また町の医療、医者の確保、そんなものが強くある。従って、医療改革に書いてきたんだから、そこは0.3%以上引き上げるべきところであろう。そういったものを考慮しながら、即ち財務省さんの意見を聞いて1.6%引き下げるとしましても、0.3%分はプラスで働かなければならないので1.3%という形で私どもは考えましたと申し上げました。財務省としては、1.4%以上のもう少し大幅な引き下げをしてほしいというご要請で、両者が先程申し上げましたように一致を見ませんでしたので、3大臣で議論をして、最終的に官房長官の裁定という形で決めさせていただいたということでございます。

質疑

記者:
1.36%ということですと、これは今まで1.3という数字が前々回改定があったと思うんですけれども、それよりも低いということで過去最低改定でよろしいのでしょうか。
大臣:
概ね1.4%の大幅な引き下げとご理解いただいて、本体部分ですよ、それは構いません。過去最大といえば過去最大。
記者:
2つ。1つは、総理の指示というのは最後までなかったのでしょうか。
大臣:
基本的には官房長官が総理とも話し合いをされたという理解をいたしております。
記者:
官房長官の言葉として総理はこのようにという言葉はなかった。
大臣:
細かい話は官房長官から出るだろうと思いますけれども、最終的に3大臣で決めたということです。
記者:
財務省との交渉の中では、向こうは再三30兆円枠というのに最後までこだわっていたのはあったんでしょうか。
大臣:
この数字と。
記者:
30兆円枠の絡みで。
大臣:
1.4%と1.3%の差というのは75億円ですから、30兆円の話と結びつけるのは無理じゃないでしょうか。
記者:
今のプラス要素のお話がありましたけれども、マイナス要素として医療制度改革で患者さんの窓口負担というのが今度増えることが決まっておりますが、その辺とのからみで、やはり医療機関の方も多少痛みを分かち合っていただこうというご意志でもあるのでしょうか。
大臣:
それは基本的に医療改革の大綱に書いた時に、あなたのような意見もあり、皆さん方の意見の中で医療改革大綱というのは決められた。我々はそれを実行に移す部隊ですから、医療改革大綱に書いてあった引き下げ方向という基本的な考え方、必ずしも我々も100%それがあっているとは言わないけれども、考え方、それからやはりここにきちんと配慮すべきというところと、それからオンライン化という次のステップの問題、ここに配慮した結果1つの数字を出させてもらったというふうに受け止めていただいて結構です。
記者:
考え方としては、小児科ですとか産科というのがプラスの0.2%であるという答えでいいのでしょうか。
大臣:
0.3%。
記者:
0.3%から調整が入って、結局1.4%。
大臣:
0.3%ですから、225億円になるかな、基本的には。75億円と考えれば0.3%は225億円の詳細な内容は持っていますけれども、これは今私が発表すべきことではないと思いますので。
記者:
その部分は大臣の意向は受け入れられたのでしょうか。
大臣:
というのは何ですかと言うと、当然中医協という場できちんと審議して決めてもらう。しかし政治の意志として、医療改革大綱に書かれておる様々な処置を0.3%以上きちんと引き上げの方向でやってくださいという政治的意志、これは表れている。
記者:
それはそのまま受け入れられたということなんでしょうか。
大臣:
何が。
記者:
その後両大臣との合意の間で、その0.3%という数字。
大臣:
我々が1.3%を主張したという根本ですから、それに対してもう少し引き下げ幅を増やせという向こうの主張ですから、基本的には1.3%という我々の考え方が基本にあったということは事実でしょう。
記者:
最終的には1.4%で決着したという背景には、0.3%の上乗せ分というのがまだ生きているのか、それが0.2%になったのか。
大臣:
生きています。
記者:
生きているわけですね。
大臣:
当然生きています。決着分にも先ほど申し上げたように、産科、小児科、麻酔科等には配慮するということが明確に書かれています。
記者:
今回そもそもかなり思い切って引き下げたというご理解なのか。それとも通常の引き下げだというご理解なのか感想をお願いします。
大臣:
予算全体として財政問題があるということは事実です。しかし我々は医療の質ということをきちんとしていかなければならない役所であります。その中でぎりぎりの調整をした結果というふうに受け止めていただいていいだろうと思います。一方で思い切ったという表現の中で、やはり財務省といろんな方々のこだわりは今までの数字よりも大きなという意味合いがあっただろうと。しかしあまりそこで我々は飲みたくないものですから、あくまで数字をバックボーンにやらせてもらったということです。

(了)