閣議後記者会見概要

H14.01.29(火)10:24~10:43 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日は閣議におきまして、総務大臣から労働力調査結果及び家計調査結果についての発表がございました。既にご承知の通りと思いますが12月の完全失業率は季節調整値で5.6パーセントとなりまして、前月に比べまして0.1ポイント上昇し過去最高となりました。また就業者は6,362万人と前年同月に比べまして78万人減少をいたしております。9ヶ月連続で前年同月の水準を下回りました。完全失業者数は337万人と前年同月に比べまして39万人増加をいたしております。9ヶ月連続で前年同月の水準を上回っているところでございます。これらの結果、平成13年平均の完全失業率は5.0パーセントとなりまして、前年にくらべ0.3ポイント上昇をいたしておりまして過去最高となっております。以上のような結果が報告になったところでございます。私の方からは平成13年12月の有効求人倍率につきましての報告を行いましたが、季節調整値で0.51倍と先月の0.53倍を0.02ポイント下回りました。有効求人はこれも季節調整値でございますが、前月に比べまして2.4パーセントの減少となり、有効求職者はこれも季節調整値でございますが、0.5パーセントの増加となっているところでございます。新規求人を主要産業別に前年同月と比較をいたしますと、各産業ともに前年の水準を下回っておりまして、特に増加が続いていました、今までずっと増加しておりましたサービス業が31か月ぶりに減少に転じますなど、総じて減少傾向が続いているところでございます。こうしたことのご報告を申し上げました。その他外務大臣からコンゴ民主共和国の火山噴火災害に対する緊急援助につきましてのご報告がございました。

閣僚懇談会について

大臣:
閣僚懇におきまして、再び総務大臣の方から完全失業率等の問題につきまして、総務省では就業それから不就業のより詳細な実態を把握するために、本年4月、5月及び10月、11月の2回にわたりまして、就業希望の状況に関する調査を実施することにしたと、これにより一層効果的な行政施策の立案等に期することとしたい、こういう総務大臣からの発言がございました。
私からは皆さんのお手元にもお配りしてあるというふうに思いますが、この完全失業率あるいは有効求人倍率のさらなる悪化に伴いましてどうするかということで、現在まとめております総合雇用対策、現状につきましてまとめたパンフレットを皆さん方に、各大臣にお渡しをしたところでございます。本日の閣議はだいたい以上でございます。

質疑

記者:
今後の雇用失業情勢の見通しについてお聞かせ下さい。
大臣:
今後の状況どうなりますか予想することは甚だ難しいというふうに思っておりますが、現状は今しばらくは続くのではないかというふうに思っております。いわゆる完全失業者の失業者数等につきましては、月々少し上下いたしております。完全失業率といたしましては増加をいたしておりますが、しかし失業者数ということになりますと、前月よりも若干減少しているというようなことがありましたり、数字の見方によりまして少し違いますけれども、こうした状況は今後、今しばらく続く可能性があるというふうに思っています。
今までの厚生労働省としてやってまいりました雇用対策、これは過去からのものはずっと充実をしてやっていかなければなりませんが、新しく、しかしそれだけではなくてもう少し積極的に雇用政策を進めていくということで、昨年から新しい試みもしてきたところでございます。一つは各地方におきます雇用対策、地方からのものだけではなくて地域における雇用政策というものを、それぞれもう少し立案をしていただき、もう少し知恵を絞っていただいて、そして国の方が支援をするという体制にならないかというので、昨年8月から全国8ブロックに分けましての、それぞれの地域におきます対策を考えていただいているところでございます。今までのところいろいろ考えていただいているところもございますが、まだあまり効果を発揮するところまでいたっておりません。それぞれの地方におきましても、やはり自分達で雇用をどうしていくかということについて今までやってきたという経緯が無いものですから、少しとまどいがあるようにも感じられているところでございます。もう少しそれぞれの地域でどうするかということを積極的にひとつご議論をいただいて、なんらかのそれぞれの地域における対策をお考えいただくように、もう少しここをバックアップをし、そしてそれぞれのブロックにおきます対策を考えていただくようにしたいというふうに一つは思っております。
それからもう一つはキャリアカウンセラーの養成を昨年打ち出したところでございますが、今年は1万人、平成14年度におきましては1万人のキャリアカウンセラーを作ることにいたしておりますから、どういう研修をしていただいて、どういう資格にすることをもう少し明確にいたしまして、そして1日も早くその皆さん方に現場に就いていただくというふうにしたいというふうに思っております。補正におきましては約1,000名、この全国にそうした立場の人達を配置していただくようにいたしておりますけれども、それでは少し足らないというふうに思いますので、ここを充実をして、そして政府が今やろうとしていることを企業や個人にも説明をし、そして企業がどういう人を求めているかということをいわゆる求職者に対しましてよく説明をし、あるいはまた求職者に対しましては、あなたの良いところはこういうところではないですか、もう少しここをご努力されてはいかがですかというようなことを申し上げたり、個人と企業とそして国との中間に立って、そしてそこを捌くことの出来る人をやはり一人でも多く、今作り上げていくということが大事ではないかというふうに思っています。そのことがミスマッチを無くしていく、大変大きな力になるというふうに確信をしているところでございます。
その二つにさらに加えましてもう一つは、ワークシェアリングの問題でございますが、ワークシェアリングにつきましても、3月までに結論を出すことになっておりますので、出来るだけ前倒しで3月の上旬には一つの結論が出るような形で議論を急いでいただきたいというふうに思っているところでございます。先般ドイツにおきましてワークシェアリングのいろいろの勉強もさせていただきましたので、そうしたことを踏まえながら、皆さん方にも私としての意見を申し上げるべきことは申し上げたいというふうに思っております。
そうした三点ほどをさらに今までの問題に付け加えてやりたいというふうに思っておりますが、もう少し経済の活性化に役立つような雇用政策、もう一歩踏み込んだものをどうしたらいいか、正月前後からずっと考え続けてきているところでございますが、今まで我々が考えております雇用対策、そしていろいろのこの就業機会を提供いたします為に、いろいろの技能技術を身につけていただくといったようなこともずっとやってきているわけですが、それは一番先端でと申しますか、各企業の中でいろいろの変化に役立つような、そういうことを身につけていただいているわけであります。そうした人の育成も大事でありますからこれからも続けていきますが、それだけではなくて、これは経済産業省とよくいっぺん相談をしなきゃならないと思っておりますが、起業家とその片腕になることの出来る人、即ちこういうことをひとつやろうじゃないですかという提言を出来るような人達がどれだけいるかということが、今日本の経済活力を生み出すかどうかの大変重要なところを占めているというふうに思っております。昨日も国会が少し混乱いたしまして、時間に少しゆとりがありましたので、お隣の席の平沼大臣とも少し話をしたところでございますが、そこを協力してもう少し進めていく方法はありませんか、経済産業省は経済産業省として起業家の育成ということに取り組んでおみえになるわけですが、厚生労働省の立場としてそこにいったい何が出来るのかということをもう少し考えたいというふうに思っております。あるいは経済産業省と厚生労働省との中間のところで、若干そこが両方とも手が伸びきっていないということもなきにしもあらずというふうに思っております。そうしたところを少し経済産業省と詰めさせていただいて、そうしたところにも手抜かりのないようにしていきたいと今思っているところでございます。今考えておりますことを少し申し上げた次第でございます。
記者:
この数字がじりじりと上がっているからこそちょっと麻痺している部分があるんですが、完全失業率5.6パーセントというのはどうですか、かなり驚く数字なんですけれども、今考えられる原因とこの数字が出て、どのように最初に思ったかを聞かせてください。
大臣:
最近の経済の動向からいたしますとある程度予測されうる数字であったというふうに思います。従いまして現在の経済をどう立て直すかということに尽きるわけでございます。厚生労働省を預かる者といたしましては、我々の立場からいかにしてこの経済の活性化のために役立つ施策を作り上げることが出来るかということになるんだというふうに思っております。今までの雇用政策の少し枠を越えて経済の活性化に役立つようなことをしていかなければいけないんだろうというのが先程申し上げたようなことでございます。5.6パーセントという数字は非常に厳しい数字だというふうに認識をいたしておりますし、この数字を1か月でも早く低下させるように我々努力しなければならないと思います。そのためにはやはり経済の活性化が大事であります。我々の方の雇用政策も今までの右肩上がりの時代の雇用政策がずっと続いてまいりまして、そして右肩上がりの時には一時悪い時がありましても、そのいわゆる後始末をしておれば、いわゆる雇用保険を充実をしておれば、やがてまた回復をしたものですから、そうしたどちらかといえば後追い的な雇用政策に終始してまいりましたけれども、しかし経済の状況が変わってまいりましたから、そうした雇用政策よりももう一歩踏み込んだ雇用政策の必要な時を迎えているというふうに思っておりまして、いろいろ暗中模索でございますけれども、勉強を重ねているところでございます。
記者:
今おっしゃったようなお話ですと、来年度予算案の中に例えば職業訓練の中の起業家育成というようなことを盛り込まれていると思いますが、そういった部分を更に拡大しつつ従前と。
大臣:
そうですね、それをどう生かしていくかということだろうと思うんですね、項目としては既に入っておりますし、出ている形でありますから、それをより効率的なものにするためにどうしていくかということだろうと思います。
記者:
昨日も予算委員会紛糾しましたけれども、大臣つきあわされてましたが、一連のアフガニスタン復興会議におけるNGO参加問題について、今外相と鈴木宗男議院運営委員長との間に対立があるんですけれども、外務省の役人と外相の答弁が違うというこの事態をどう思うかということと、そもそもNGOの不参加問題について、もし仮に政治家の何らかの働きかけがあったかどうかということについては大臣はどのようにお考えになってらっしゃいますか。
大臣:
今回のNGOに関わります一連のお話、そして言ったとか言わないという話は、これは門外漢には全く分からない話でございまして、ここのところはコメントのしようがないわけでございますが、やはり官僚の皆さんとそして大臣とが胸襟を開いて、やはり話をしていくことが各省とも大事なことなんだろうというふうに思ってます。私もあまり人のことは言えませんので自重しながらやっていきたいというふうに思っております。

(了)