水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針改正の概要

平成13年11月
厚生労働省健康局水道課
水道水質管理室

I.改正の背景
 平成8年6月、埼玉県越生町において、我が国ではじめて水道を介してクリプトスポリジウムによる感染症が発生したため、厚生省では同年10月、水道事業者等における予防対策及び感染症が発生した場合における応急措置等、所要の対策を定めた「水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針」を策定し、都道府県を通じて水道事業者等へ周知した。
 当時、この指針は緊急的に収集した知見に基づき暫定的に定めたものであったことから、新たな知見が得られれば、これを見直しすることとしている。
 その後、全国の水道水源におけるクリプトスポリジウムの存在状況の調査結果が得られたこと、試験方法に関する知見が集積されたこと等新たな知見が得られたことから、平成10年6月には、専門家で構成する「水道におけるクリプトスポリジウム等病原性微生物対策検討会」(座長:金子光美摂南大学教授)において指針の見直しについて検討し、暫定対策指針を改正した。
 引き続き上記の検討会を定期的に開催し、検討会の議論を受けた結果、今般、水道原水のクリプトスポリジウムによる汚染のおそれの判断及び予防対策を中心に暫定対策指針を改正した。

II.改正の概要

1.水道原水のクリプトスポリジウムによる汚染のおそれの判断

 ○ クリプトスポリジウムによる汚染のおそれの判断方法を明確にするため、以下のいずれかの場合には、大腸菌及び嫌気性芽胞菌(以下、「指標菌」という。)の検査を実施することとし、いずれかの菌が検出された場合には、クリプトスポリジウムによる汚染のおそれがあると判断することとした。
  • 水道の原水から大腸菌群が検出されたことがある場合
  • 水道の水源となる表流水、伏流水若しくは湧水の取水施設の上流域又は浅井戸の周辺に、人間又は哺乳動物の糞便を処理する施設等の排出源がある場合

 ○ 指標菌検査の頻度を明確にするため、汚染のおそれを判断するための指標菌検査において指標菌が検出されなかった場合、クリプトスポリジウムを除去できる浄水処理を実施していない浄水場にあっては、水道原水の指標菌検査を毎月1回以上実施することとした。

2.予防対策

(1)施設整備

 ○ クリプトスポリジウムによって水道原水が汚染されるおそれのある浄水場においては、クリプトスポリジウムを除去できる設備の設置、若しくは、クリプトスポリジウムによって汚染されるおそれのない水源への変更のいずれかの対策を講ずることとした。

(2)浄水処理の徹底

 ○ 凝集剤の注入量やろ過池出口濁度など、浄水施設の運転管理に関する記録を残すこと、緩速ろ過法においてもろ過速度の急激な変化を発生させないようにすること等により、浄水処理の徹底を図るとした。

3.クリプトスポリジウムの生物学的性状等の知見の追加

 ○ クリプトスポリジウムの生物学的性状及び動物の感染状況等新たな知見に関する記述を追加した。


図 水道原水に係るクリプトスポリジウムによる汚染のおそれの判断等の流れ

注)2005.3.2上図の一部を変更


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