重篤副作用疾患別対応マニュアル

重篤副作用疾患別対応マニュアル

はじめに

 

本マニュアルの作成に当たっては、学術論文、各種ガイドライン、厚生労働科学研究事業報告書、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の保健福祉事業報告書等を参考に、厚生労働省の委託により、関係学会においてマニュアル作成委員会を組織し、一般社団法人日本病院薬剤師会とともに議論を重ねて作成されたマニュアル案をもとに、重篤副作用総合対策検討会で検討され取りまとめられたものです。

 

本マニュアルについて

従来の国が実施する安全対策は、医薬品に着目し、医薬品ごとに発生した副作用を収集・評価して、臨床現場に注意喚起する警報発信型、事後対応型が中心でしたが、 
 

1. 副作用は、臨床医の専門分野とは異なる臓器にも発生し得ること
2. 重篤な副作用の発生頻度は一般に低く、個々の臨床医によっては副作用に遭遇する機会が少ない場合があり得ること

等により、場合によっては副作用疾患の発見が遅れ、重篤化することが起こり得るという問題がありました。

そのため厚生労働省では、これまでの個々の医薬品に着目した従来の副作用対策に加え、医薬品の使用により発生する副作用疾患に着目した予測・予防型の副作用対策の整備を行い、さらに副作用発生機序解明研究等を推進するため、平成17年度から「重篤副作用総合対策事業」(令和3年度からは「重篤副作用疾患別対応マニュアル整備事業」として継続中)を実施しています。

本マニュアルは、平成 17 年度から、重篤度等から判断して必要性の高いと考えられる副作用について、患者及び臨床現場の医師、薬剤師等が活用する治療法、判別法等を包括的にまとめたものとして作成を開始しました。また、一層の活用を推進するため、関係学会等の協力を得ながら、最新の知見を踏まえた改定・更新や新規作成のほか、本マニュアルの普及啓発に向けた取り組みを実施しています。

マニュアルの周知

本マニュアルの更なる周知を図り、重篤な副作用の早期発見・早期対応につなげるため、令和3年度から、普及啓発についての取り組みに着手しています。

<紹介ポスター>
患者様とそのご家族向けに本マニュアルを紹介するポスターを作成しています。

ポスター_A4 [PDF形式:1,490kB]※画像をクリックすると、ポスターの電子版をご覧いただけます。


令和5年12月に新規作成された「重症高血圧」のマニュアルを紹介するポスターを作成しています。
ポスター_A4 [PDF形式:735kB]※画像をクリックすると、ポスターの電子版をご覧いただけます。

<紹介動画>
患者様とそのご家族向けに、本マニュアルやその使用方法などをまとめた動画です。マニュアルと併せてご覧ください。

なお、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページでは、本動画のダウンロード版も掲載しています。
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/adr-info/manuals-for-public/0003.html

 

マニュアル記載項目

本マニュアルの基本的な項目の記載内容は以下のとおりです。ただし、対象とする副作用疾患に応じて、マニュアルの記載項目は異なることに留意してください。

患者の皆様へ

患者さんや患者の家族の方に知っておいて頂きたい副作用の概要、初期症状、早期発見・早期対応のポイントをできるだけわかりやすい言葉で記載しています。

医療関係者の皆様へ

早期発見と早期対応のポイント

  • 医師、薬剤師等の医療関係者による副作用の早期発見・早期対応に資するため、ポイントになる初期症状や好発時期、医療関係者の対応等について記載しています。

副作用の概要

副作用の判別基準(判別方法)

  • 臨床現場で遭遇した症状が副作用かどうかを判別(鑑別)するための基準(方法)を記載しています。

判別が必要な疾患と判別方法

  • 当該副作用と類似の症状等を示す他の疾患や副作用の概要や判別(鑑別)方法について記載しています。

治療法

  • 副作用が発現した場合の対応として、主な治療方法を記載しています。ただし、本マニュアルの記載内容に限らず、服薬を中止すべきか継続すべきかも含め治療法の選択については、個別事例において判断されるものです。

典型的症例

  • 本マニュアルで紹介する副作用は、発生頻度が低く、臨床現場において経験のある医師、薬剤師は少ないと考えられることから、典型的な症例について、可能な限り時間経過がわかるように記載しています。

引用文献・参考資料

  • 当該副作用に関連する情報をさらに収集する場合の参考として、本マニュアル作成に用いた引用文献や当該副作用に関する参考文献を列記しています。

重篤副作用疾患別対応マニュアル一覧

(令和5年12月現在)

照会先

医薬・生活衛生局医薬安全対策課

03-3595-2435