ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 第3回労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会議事録(2018年5月21日)




2018年6月7日 第3回労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会 議事録

○日時

平成30年6月7日(木) 14:00~16:00


○場所

厚生労働省 中央合同庁舎5号館9階 省議室


○議題

(1)健康情報の事業場内での取扱いルールに関することについて
(2)その他

○議事

   ○秋山室長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第3回「労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
 なお、椎葉委員より、5分から10分ほどおくれるという御連絡が入っておりますので、椎葉委員、今、不在ですけれども、始めさせていただきたいと思います。
 それでは、カメラ等の撮影はここで終了とさせていただきます。御協力、よろしくお願いいたします。
 まず、本日ですけれども、石塚委員、高野委員、中板委員、三柴委員が御欠席という形となっております。
 また、大変恐縮ではございますけれども、神ノ田労働衛生課長につきましては、途中で中座させていただく形となりますので、御承知おきいただきますようよろしくお願いいたします。
 それでは、座長のほうからよろしくお願いいたします。
○山口座長 山口です。皆さん、こんにちは。きょうもどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最初に資料の確認を事務局のほうでお願いいたします。
○秋山室長補佐 それでは、事務局より、本日の資料について御説明させていただきます。
 まず、一枚紙で議事次第をおつけしております。資料といたしまして、1つ、骨子案の修正したものをおつけしております。それから、参考資料3点、議事録、開催要綱、先生方の名簿をおつけしておりますので、御確認のほどよろしくお願いいたします。
 こちらについてはよろしいでしょうか。
 では、私からは以上になります。
○山口座長 ありがとうございます。それでは、資料1、前回と大分改善といいますか、修正がなされていると思いますので、その辺について事務局から御説明をお願いいたします。
○秋山室長補佐 それでは、資料1、骨子案につきまして、私のほうから御説明させていただきます。
 前回同様、下線部に波線が加わっているものが前回からの修正点になります。
 まず1ページ目からでございますが、1つ目、「趣旨・総論」の(1)のところに、前書きといたしまして、「労働者の健康情報については、そのほとんどが機密性が高い情報であることから」という文言を加えさせていただいております。
 続きまして、大項目の2に移っていただきまして、(1)のところでございますが、文末のところに「労使で共有する」という文言を加えさせていただいております。
 また、(1)と(2)の間に、前回までストレスチェック指針の不利益取扱いに関する部分を抜粋で記載させていただいておりますが、ここを削除させていただいております。
 また、(2)の「ルールに定めるべき事項には」云々かんぬん書いてあるところに関しまして、「使用方法や保管、労働者自身のアクセス等がある」という文言を加えさせていただいております。
 それから、(3)(4)については文言の細かい修正をしておりますので、割愛させていただきます。
 2ページ目に移っていただきまして、(6)のところに不利益の取扱いに関するものをまとめて記載させていただいているものになります。ここについては、具体的な例示は以下のとおりということで、ポツで表示するような形で記載させていただいております。こちらにつきましては、育児・介護休業法に係る指針、それから、ストレスチェックの指針より抜粋してきているものになります。
 一つ一つ読み上げることはいたしませんけれども、それぞれの指針からそのまま文章を取り上げていると御理解いただければと存じます。
 続きまして下のほうにいきまして、大項目3のほうに移らせていただきます。3の(1)ですけれども、「労働者の健康情報の収集・保管・使用を行う正当な事由としては」という部分で、「労働者の健康確保や事業者の安全配慮義務の履行のほか」という文言を加えさせていただいております。
 続きまして(2)、健康情報の収集・保管・使用の範囲ですけれども、前回まで、1つ目のポツのところで、「労働安全衛生法令に基づき、当然に又は本人同意を得て」という記載がございましたが、この「当然に又は本人の同意を得て」というところを削除させていただいております。したがいまして、「基づき、事業者が取得することとなっているもの」という表現に改めております。
 こちらについては、3ページに移る形になりますけれども、例示を記載させていただいておりまして、この中の例でいきますと、以前まではストレスチェックの結果というものが含まれておりましたが、このストレスチェックの結果が2ポツ目のほうに移っている形になります。「事業場として取得することとして労働者の同意を得られているもの」というところの例の一番初めにストレスチェックが移動しているという形になります。
 続きまして(3)になりますけれども、こちらについては波線の部分を加えて表示しております。「労働者の健康情報の収集・保管・使用に当たっては、情報を適切に管理するための組織面、技術面等での措置を講じることが必要である。ただし、産業医等の医療職種を配置していない等、十分な措置を講じるための体制を整備することが困難な事業場においては、上記2に掲げるような措置を講じるとともに、事業場の体制に応じて合理的な措置を講じることが必要である」という、文を補足するような形で加えさせていただいております。
 続いて(4)です。前回一番議論いただいたところでございますが、ここを大幅に変更を加えさせていただいております。こちらにつきましては、まず、前回、前書きといたしまして、「なお、医療職種が関与していない事業場に対する対応」云々と書かれていた部分につきまして、これを(5)として出している形に変わっております。したがいまして、前の部分の文が短くなっているという形に変わっております。
 また、健康情報の分類というものをマル1からマル3という形で3分類する形に記載させていただいております。
 まずマル1でございますけれども、「労働安全衛生法令に基づき、事業者が直接取り扱うこととされており、事業場が定めるルールにより事業者の取扱いを制限することが想定されていない健康情報」というところです。こちらについては、前回の表でお示ししておりました「安全衛生法令により、事業者が情報を取り扱うことについて」、「可能」とついて、かつ、「健康情報の取扱いのルールにより、事業者が取り扱う情報を制限することについて」というところが「不可能」と記載させていただいたものをまとめた形になっております。
 例を挙げますと、医師の意見にかかわるところですとか面接指導の申出等々にかかわるものがここの例示として括弧内に記載させていただいている形になります。
 それらについて、
 本項に分類される労働者の健康情報については、
 ・その使用目的が必然的に労働者の健康確保に限定されていること
 ・事業者が当該情報を踏まえて面接指導の実施や労働者の就業上の措置を講じる必要があること
等の性質を踏まえ、全ての情報を事業者が取り扱う必要がある。
 ただし、それらに付随する健康診断の結果等の労働者の健康情報については、下記マル2の原則に従って取り扱う必要がある。
 というような書きぶりに変えさせていただいております。
 続いてマル2になりますが、こちらについては、前回の表の安全衛生法令のところで「可能」としまして、「事業者が取り扱う情報を制限することについて」というところが「可能」になっていたものを当てはめたものになっております。
 こちらについては、「労働安全衛生法令に基づき、事業者が本人の同意を得ずに取得することが可能であるが、事業場が定めるルールにより事業者の取扱いを制限することが適当である健康情報」という記載をさせていただいております。例示としましては、ここの中に記載されているようなものとなっております。
 次の4ページに進んでいただきまして、これらの情報についての明記がここからになります。
 本項に分類される労働者の健康情報については、労働安全衛生法令に基づき事業者が全ての情報を取り扱うこととされているため、事業者は、労働者の健康管理等その使用目的を踏まえ、取り扱うことが重要である。
 このため、事業者は必要なルールを定めた上で、
・情報ごとに取り扱う者ごとの取り扱うことのできる情報の範囲を制限する
・事業者は、産業医等の医療職者が使用目的の範囲で必要と判断し加工した情報を取り扱う
・情報の取得に当たっては、あらかじめ労働者本人の同意を得ることに努めるとともに、目的外に情報を使用する場合には改めて労働者本人の同意を得る
等の取組を行う必要がある。
 という表記に変えさせていただいております。
 下の※印の部分につきましては、高齢者医療確保法の内容について記載させていただいているという形になっております。
 続いてマル3のグループになります。こちらについては、労働安全衛生法令の部分で、前回、「不可能」と記載させていただいて、「事業者が取り扱う情報を制限することについて」というところを「—」で示していたものになっております。
 こちらについては、「労働安全衛生法令において事業者による取扱いについて規定されていないため、各事業場においてルールを定め、適正に取り扱う必要のある健康情報」というような記載にさせていただいております。
 これらについてですけれども、「本項に分類される労働者の健康情報については、労働安全衛生法令において、事業者が取り扱うことを規定していないことから、健康情報は個人情報の保護に関する法律第2条第3項に規定される『要配慮個人情報』に該当する場合が基本的に多いことを踏まえ、事業場ごとに定めるルールに則った対応を講じる必要がある」という書きぶりに変更させていただいております。
 続いて(5)です。先ほどちょっと触れさせていただいたところでありますけれども、医療職種を配置していない事業場に対する文言をここの部分に記載させていただいている形になります。
 ちょっと読み上げさせていただきますと、
 上記(4)の取扱いのうち特に加工等については、主に、産業医等の医療職種を配置している事業場での実施を想定している。
 このため、産業医等の医療職種を配置していない等、十分な措置を講じるための体制を整備することが困難な事業場においては、事業場ごとに健康情報の取扱いのルールを定めた上で、事業者が取り扱う情報を制限せずに事業者自らが適切に取り扱う方法や、衛生推進者を選任している場合は衛生推進者に取り扱わせる方法等が変えられる。
 なお、健診を実施した医療機関等と連携して、事業者の責任の下で加工や保存を行うことも考えられるが、その場合においても、健康情報の取扱いのルールを定めた上で、必要な情報は事業者が把握し得る状態に置く等の措置を講じる必要がある。
 また、上記(4)の労働者の健康情報の収集に係る本人同意の取得の方法については、マル3に分類される健康情報について、事業者が取得する際には、労働者から本人同意を取得する必要があるが、マル1及びマル2に分類される労働安全衛生法に基づき、事業者が取得する労働者の健康情報については、健康診断の問診票や就業規則等にあらかじめ記載し、通知することが適切である。
 このような書きぶりに変更させていただいております。
 続いて(6)ですけれども、上から3つ目のポツのところに、「収集・保管・使用を行う労働者の健康情報の範囲や、事業の性質等を踏まえて事業者が必ず取り扱う必要のある情報の範囲」と、範囲を明確にするような形で記載をさせていただいているものになります。
 前回からの大きな修正点については以上になります。
○山口座長 ありがとうございました。
 それでは、中身について委員の皆様に御意見をいただきたいと思いますが、最初のほうは余り変化しておりませんが、順番に見ていくほうが整理がつきやすいと思いますので、1ページに戻っていただいて、1の「趣旨・総論」のところから順番に御意見をいただきたいと思います。1の「趣旨・総論」のところは1行目に文言が加わったということでありますが、それ以外は特に変更ございませんが、何か御意見ありますでしょうか。
 どうぞ、岡村委員。
○岡村委員 1の(1)の1行目に、「そのほとんどが機密性が高い情報である」というのがございますが、他方で、後のほう、4ページの真ん中あたりのマル3のところに、「『要配慮個人情報』に該当する場合が基本的に多い」というような記載がございます。記載の整合性を保つために、最初の1ページの1の(1)のところに「そのほとんどが要求配慮個人情報など機密性が高い情報であることから」ということで、全体的に調和が図られやすいのではなかろうかと思います。そこを検討いただければと存じます。
○山口座長 ありがとうございます。今の御意見について、委員の皆様から何かございますでしょうか。
 今の文言ですと、「そのほとんどが要求配慮個人情報など機密性が高い情報であることから」、それでよろしいですか。
○岡村委員 「そのほとんどは要配慮個人情報に該当するものであるなど」というように、こんな感じでいかがでしょうか。
○山口座長 いかがでしょうか。変更、そういうことでよろしいですか。
 では、事務局のほうで修正をお願いしたいと思います。
 ほかに、1番のところで御意見ございましたらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、2の「労働者の健康情報の取扱いの原則」のところについてお願いいたします。
 増田委員。
○増田委員 2の(6)不合理な不利益取扱いのところについて、事業者側から申し上げます。
 内容についてはこのとおりだと思いますが、具体的な例示の内容については見直し、願わくば削除をお願いできればと思います。黒ポツで12個並んでおりますが、例えば5番目の「自宅待機を命ずること」、これは健診機関からパニック値などで連絡が来て、産業保健スタッフの確認がとれない場合に自宅待機を命ずる場面が出てくるのではないかと考えます。
 6番目につきましては残業時間の話で、労働者の賃金が減らないようにするということで設けられているのだと思いますが、残業は基本的にはないのが原則でありまして、そこを斟酌するような意見は不要ではないかと考えます。
 それから、7番目、8番目、9番目、10番目、これも内容的にはそのとおりだと思うのですが、実際に、では労働者からこのような申出があった場合に、事業者がこのようなことを行っていませんと示すのは困難です、というより、いわゆる悪魔の証明で、これは無理かと思いますので、ここはかなり非現実的な内容が列挙されているように思います。
 11番目、「就業環境を害すること」、これを言い出すと何でもありで、労働者の主観に何でもかんでも委ねるということにつながりかねない、これはかなり危険な例示だと考えます。1番目から4番目の黒ポツにつきましては、12番目の内容からいわば切り出された形で列挙されているものですので、ここもあえて列挙する必要はないのではないかと思います。
 現場にいる者の立場としましては、どうしても健康診断を受けたがらないとか、定められたルールに従おうとしないという労働者の方は、残念ながら時々いらっしゃって、その対応に苦慮することがありますので、その現場の混乱、困惑をわざわざ惹起せしめるような内容の例示は控えていただければと思います。
○山口座長 確認ですが、「自宅待機を命ずること」と、その次の「所定外労働の制限」云々という長いところ、それから「不当な動機・目的をもってなされた」というところですか。その次か。「就業環境を害すること」、削除したほうがいいと。
○増田委員 基本的には全てだと考えております。
○山口座長 これ全部。今私が申し上げたのが全部という意味ですか。
○増田委員 いいえ、1番から12番まで全てですね。願わくば、全て削除。何らかの形で例示を残すのであれば、例えばストレスチェックの検討会報告書で提示された内容、もしくは平成27年11月30日に幾つかの行政通達がまとめて改定されたと思いますが、その中に不利益取扱いに関する内容が盛り込まれているのですが、その標記に平仄をとっていただければと思います。
○山口座長 今、増田委員から全部入れかえたほうがいいという御意見をいただきましたが、委員の皆様から御意見ございますでしょうか。
 これは、読み直してみて思ったのですが。
 どうぞ、若月委員。
○若月委員 この件に関しまして、労働者側の意見として項目を更に盛り込んでいただきたいと申し上げたのは私ですが、これをご覧になったその事業場の方々が、どういうことをしたらよくないのかということが見てわかるようなものがあれば良いと言うことで在り、今、増田委員おっしゃったとおり、例えばほかの形で見せるようなもの、わかるようなものがあれば、その参照を促すなど、わかりやすいものを事業主に対して提供することを何らかの形で確保はしていただきたいと思います。
○山口座長 ほかに御意見ございますか。
 私、さっき言いかけましたのは、(6)の頭から2行目の、1つは、「健康情報等のみを理由とした」というところが実はすごく漠然としていまして、健康情報というのと健康状態というのと微妙に違いますよね。それが1つあるのと、そうしますと、下の例示で、健康状態が理由で就業上の配慮、就業上の措置として可能性があるものとないものと多分分かれてくるのではないかなあと。例えば「自宅待機を命ずること」みたいなものは、就業上の措置で、就業がとても可能ではないので自宅待機をしてほしいみたいなことというのは、多分、就業上の措置の中であり得る話。ただ、解雇するみたいなことは、また就業上の措置の中で非常に特殊な例になるのではないかと。その辺の整理をしてはどうかなとこれを読んで思いましたが、増田委員、いかがですか。
○増田委員 そうした形で整理していただけるのであればありがたいです。ただ、申し上げたいのは、これがひとり歩きして現場に無用な混乱を来さないようにしていただきたい、そのような観点で、よりよい形で提示するというふうにしていただければと思います。
○山口座長 ほかに御意見ございますでしょうか。
 あともう一つ、先ほどの続きで、「社会通念上相当であると認められないような不合理な不利益取扱い」という文言がありますが、これは普通にこういうところで使う表現でよろしいのでしょうか。社会通念上というのはなかなか微妙で、漠としているなあとも思いましたが、よろしいのですかね、この表現で。
○増田委員 先ほどは申し上げなかったのですが、今、座長のおっしゃられた箇所もそうですし、それから、10番目に「不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような」とありますが、この判断は誰がするのでしょうか。そういった点も不明瞭ですので、やはり表現という観点からも、これは見直すべきであるし、明確にならないのであれば削除してしまったほうがいいのではないかと考えた次第です。
○山口座長 ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。
○土肥委員 増田委員と同じ意見ですが、ある一定のレベルで書かれているほうが、私はいいのではないかと思っています。というのは、既に増田委員が言われたとおり、出ているものがありますので、それと同じような形で書かれるということが重要だと思います。あの中には、産業医の意見を明らかにねじ曲げてすることもだめだとか、そういう表現もまじっていたはずなので、今まで出されたものと同じような形でということで、この中では、私も、自宅待機から、「就業環境を害すること」のところまでは表面的には明らかに出さないほうがよくて、1、2、3、4と、最後の部分も、そこは出ていてもいいかなと思うということでございます。ですから、今まであるものにきちんと合わせて書いていただいたほうがよろしいかなと思います。
○山口座長 ありがとうございます。これは、事務局に事前に伺った説明では、何か出典があるようなことも伺いましたので、今の御意見に従って、少し事務局のほうで修正していただくということでよろしいでしょうか。
(事務局 首肯)
○山口座長 では、よろしくお願いいたします。2について、ほかにはございますでしょうか。
○土肥委員 2の(4)の最後のところで、今までも同じ文章があったと思いますが、同意の取得方法としては、例えば「労働者への周知義務がある就業規則に記載する等が考えられる」と書かれております。今回修正された3の(5)、4ページの下のところについて、「マル3に分類される健康情報について、事業者が取得する際には、労働者から本人同意を取得する必要があるが、マル1及びマル2に分類される労働安全衛生法に基づき、事業者が取得する労働者の健康情報については、あらかじめ記載し、通知することが適切である」と書いてありますから、マル3に分類される健康情報については、就業規則等にあらかじめ記載して通知することだけでは適当ではないということを書かれていると読めるのですけれども、そうすると、最初の部分の2の(4)の一番最後の文章とは一致しない気がするのですが、いかがでしょうか。
○神ノ田労働衛生課長 御指摘のとおりだと思いますので、後段の記述に合わせたいと思います。
○土肥委員 後段の記述に合わせるということは、マル3については、本人同意を個別にとっていく必要があるとか、同意の取得方法について、事業者に任せるのか、何か示すのかということがある程度ないと、同意の取得の方法についてはかなり幅広く存在するので、そこはそれでいいという判断でよろしいでしょうか。
○山口座長 土肥先生、委員の皆様の意見を、ちょっとコンセンサスで事務局のほうにお願いするほうがよろしいのではないかと思いますので、今、大分飛んでしまって、後ろのマル1、マル2、マル3が出てきた後の(5)のところですね。小規模事業場で、産業医等がいないみたいなところを想定した場合のことですよね。
○土肥委員 はい。それと1番と平仄が合わないということと、それ以外についても。
○山口座長 委員の皆様の御意見はいかがでしょうか。
 私も、済みません、座長が順番を狂わせてはいけないのですけれども、この4ページの下を拝見したときに、記述の順番の問題もあるのかなあと思いましたけれども、マル1、マル2、マル3の、マル3はとにかく個別の同意が、小規模でも何でも必要ですということをまず述べた後で、小規模の事業場で、ではどんなことがやれるのかみたいな記述のほうが、もしかしたらいいのかなあとも思いましたけれども、いかがでしょうか、皆さん、御意見は。
 保健・医療職が不在、ないような小規模な事業場でも、マル3でいっている、要するに労働安全衛生法令上に規定されていないような、例えばがん検診の結果とか、そういうものについて取得する場合には御本人の個別の同意が絶対必要というふうなコンセンサスでよろしいのかどうかということだと思いますが、いかがでしょうか。
○土肥委員 そうすると、医療専門職がいるところとそうでないところで同意の取得方法が違わないという御意見ですよね。
○山口座長 いや、大規模は当然ながら個別なのかなと僕は思っていたのです。小規模は、保健・医療職がいないから個別でやらなくてもいいということではないのかなと私は思ったのですが。
○土肥委員 私の考え方は、きちんとしたルールが定められていて、それに基づいて取り扱われるということであれば、就業規則等に明示して、同意を得ることで十分であって。
○山口座長 就業規則にそういうものが事業者に出すのだよと書いてあればそれでいいということですか。
○土肥委員 個別同意をとるという話になると同意の取得の方法が問題になって、これですと労働安全衛生法以外に取得するという情報で微妙になってくるものが、健康診断に関して法定項目以外の項目がたくさんつけられているという、例えば血液検査で1つ追加されると、それは全て個別同意をしていくのかという話になると、現場としてはちょっと大変だなあと思うので、例えば医療専門職がいて、きちんとしたルールにのっとって取り扱うということであれば、もう少し同意の取り方が簡素で簡単であってもいいのではないかという気もするのですね。
 逆にルールがきちんとされてないというのだったら、法律以外に取り扱うルールはちゃんと個別同意をとりなさいと、こういうことにしていただくととてもありがたいなという気がするのですが。
○山口座長 そうしますと、その規模の話と、それから、事業者と産業保健専門家というか、産業医等と分けた場合に、済みません、私は同意取得は事業者と思ってしまっていたので、今の後段のお話ですと、規模の大きいところは、産業医等の医療職は同意がなくてもいいのではないかということでよろしいのですか。包括同意みたいなことでもいいのではないかと。
○土肥委員 はい。例えば安全衛生委員会を通じて労使が協議されて成立したルールがありますと。逆にいうと、これに不同意だと言われると、マル3のような情報についても不同意だと言われると収拾しないということになってしまうことが起こり得ると思うのですね。そうすると、それは労働者にとって本当に利益のあることかという話になると、それも非常に微妙だなと思うので、ある一定のプロセスをきちんと踏んだ上で労使ともに合意されたものについては、一々個別の同意をとっていくということなしに運用できるようにしておくことが、実運用上は非常に合理的に運用できる可能性を持っていると思うのですが、先生方、皆さんの御意見を。
○山口座長 岡村先生。
○岡村委員 このマル3に入っているのが、例えば健康診断の再検査・精密検査の結果等、がん検診の結果等々は全て要配慮個人情報であります。このマル3というのは労働安全衛生法令において規定されていない条項でありますから、一般法である個人情報保護法の規律下に戻ります。それによれば、原則、本人同意がなければ取得できないという形になっておりますので、これを同意なく取得することは、除外事由に当たらない限りはできないと。きょうはオブザーバーで個人情報保護委員会からもお越しになっておられますので確認いただいたらわかることだと思いますけれども、それを労使の合意のもとで除外できるのかどうかというと、いささか無理があるのではなかろうかと思います。
 ただ、もう一つ分けて考えなければならないのは、では、原則、本人同意が必要だとして、それがどういう同意の取り方であったらいいのかということは、それはそれでまた問題になってくると思いますので、それは分けて考えればいいと。ただ、同意が必要かどうかということと、その同意の取得方法ということを分離して考えないと議論が混乱するのではないかという次第です。
○山口座長 個人情報保護委員会から追加の御説明がありましたらお願いしたいのですが。
○個人情報保護委員会事務局 岡村先生のご発言のとおり、法令に基づいていない場合で、要配慮個人情報を取得する場合は、原則本人の同意が必要です。また、同意を取得する前に本人に利用目的を通知等した上で同意を取得するということにご留意いただきたいと考えております。
○土肥委員 それであれば、その同意の取得方法についてここできちんと例示するのであれば、ほかの取得方法もあることを例示することが適切であって、例示しないのであれば、例示しないと決めてしまうことのほうがよろしいのではないかなと。ここで、こういう取得方法でいいんだよと書くこと自体が適切でない場合があるのではないかと思いますけれども。
○岡村委員 ちなみに、ちょっと申し忘れましたが、個人情報保護法自体の考え方として、通常の事業者と小規模事業者は一応分けてガイドラインなどでは取扱いがなされております。ただ、それは個人情報保護法20条の安全保護措置に関して、つまり、セキュリティを図るのにどうしたらいいかという、専らそういう観点からされているだけであって、要配慮個人情報の取得方法について、個人情報保護法、あるいは、そのガイドラインでは特段の定めはありませんので、それはもしこちらのガイドラインに入れるとすれば、小規模事業者であれば、このような労働安全衛生関連の健康情報であることに鑑みてどうなるのだという視点から考えていく、こういう順番になろうかと思います。
○山口座長 ほかの委員の皆様から御意見ございますでしょうか。
 土肥先生。
○土肥委員 済みません。不勉強で申しわけございません。個人情報保護法では、要配慮情報に関して、同意の取り方というのは規定されているのでしょうか。
○個人情報保護委員会事務局 個人情報保護法において、同意の取得方法については、特段、指定はしておりません。
○土肥委員 ということは、同意の取得方法について、ここで例示すること自体は個人情報保護法以上に縛ってしまうことになるということでよろしいでしょうか。
○個人情報保護委員会事務局 同意の取得方法が適切かどうかは個人情報取扱事業者の事業形態、個人情報の取得状況等々に鑑み判断されるものです。一般的に、就業規則というのは大体入社するときに確認のうえ同意をとるようなものになると思いますが、それが個人情報保護法以上に縛るのかどうかというのはちょっと別問題かと思われます。
○森委員 少しいいでしょうか。今の話ですが、我々が研究目的の場合も含めてデータとるときに、オプトアウト方式でいいのか個別同意が必要なのかというところが一番の重大な分かれ道になっています。要配慮個人情報の場合は、基本的にオプトアウト方式はだめだと理解していており、個別同意にも取り方にいろいろな方法があるので、その工夫の議論であるとの理解でよろしいですか。
○岡村委員 おっしゃるとおりです。健康診断の結果は要配慮個人情報に当たるということは明記されておりますけれども、それに関しては、オプトアウト方式による第三者提供は認められないと。全てオプトイン、つまり、事前同意が原則必要だと。ただ、法令で除外事由がある場合はその限りでないと、こういうことです。法令でというのは個人情報保護法という意味です。
○山口座長 4ページから5ページにかけてちょうどまたがっているところで、これは労働安全衛生法に、マル1、マル2については、健康診断の問診票や就業規則等にあらかじめ記載して通知することが適切であるという文言があって、これは後で御議論いただくのですが、これはあくまでもマル1、マル2ですので、マル3はペケという理解で、岡村先生、よろしいですか。
○岡村委員 ペケというのは、したがって、個人情報保護法制の枠内でどのような特色が労働安全衛生関係についてあるのかということに照らしてどうするのかという形になってこようかと思います。
 その場合に、一般に個人情報保護法制関係のガイドラインでは、何々しなければならないと書いてあるものと、それから、何々することが望ましいとか重要であるというような書き分けをすることによって、要は、法解釈として、端的にいうと義務なのか、それとも、そうすることが上乗せ、横出しという意味で裁量的に望ましいのかという、任意的に、こちらからの、してもらったほうが望ましいですよというような言い方で書き分けているので、その後者を使うということもあり得るのではなかろうかと思います。
○山口座長 ありがとうございます。
 では、1ページ目にちょっと戻っていただいて、最初に(4)のところからお話がスタートして、事務局で、今の4ページのところと整合性をとっていただくというお話がありましたが、ここで漠然と最後に「就業規則等に記載する等が考えられる」というところはもう少し慎重に記載したほうがよさそうですので、その辺も含めてお願いしたいと思います。
 ほかに、この1ページ、2ページの2のところで。
 増田委員、お願いします。
○増田委員 先ほどまでの議論の続きのところで恐縮ですが、前回の検討会で、昭和47年9月18日の行政通達の解釈についてお尋ねしたと思います。先ほどの土肥委員の労使協議に基づいての同意取得、それに関連する内容が示されているかと私は思っております。1つでも法定外項目が入っていれば、一々同意を取得しなければならないとなると、現場の既存の取組を後退させかねない、そうならないようにするための切り札になるのではないかと期待しております。前回、医師の判断に基づいて、健診項目についてはある程度裁量が認められているという通達があると申し上げたと思うのですが、それに則っての項目追加の場合は法定項目になるかどうかについての御見解をもう一度確認させていただければと思います。
○山口座長 事務局のほうからいかがでしょうか。
○個人情報保護委員会事務局 オブザーバーの立場で恐縮です。個人情報保護委員会でございます。
 法令に基づく場合というのは、法律に書いてあるもので、訓令とか通達によるものは含まれないと解釈されております。よって、法令に基づくものとして労働安全衛生法上の整理ができるのかどうか、通達だけだとなかなか厳しいのかなという感触は持っております。
○岡村委員 今の御意見にちょっと補いますと、まさに通達でも、要は、労働安全法令に関する行政解釈を示すものとして出されているような通達であれば、当該行政解釈たる元の法令そのものに該当する場合というのも中にはあり得ると思います。そういう意味も含めて、今、個人情報保護委員会の方はおっしゃったのだと理解しております。
○個人情報保護委員会事務局 御指摘のとおり、基本的には、法令に基づく場合というのは、法律にどう書いてあるのか、そこからどう解釈し整理できるのかということかと考えております。
○山口座長 よろしいでしょうか。
 事務局は、今のでよろしいですか。
 私から、1ページの2の(2)の最後につけ加わった「労働者自身のアクセス等」という文言ですが、これはルールを定めるべき事項の中に入っていまして、これは原則こうだみたいなことというのは、特に法令上は何もないということでよろしいのですよね。
 岡村先生。
○岡村委員 私ばかりで恐縮でございますが、労働者本人の個人データであって、この性格上、6カ月を超えて保有するような性格のものでありますので、保有個人データという形になりますので、開示等の請求の対象になりますから、労働者からそれを保有する使用者に対して開示を請求することができる。内容が間違っていたら訂正等を請求することができると。それから、その場合によってではありますけれども、一定の場合には利用停止とか第三者提供停止を請求することができるとなっていますので、そういうものも含めた意味でアクセス等々お書きになっているものと理解していたのですけれども。
○山口座長 ありがとうございます。ほかにはよろしいでしょうか。
 あとは、2ページの(7)(8)は特に変更ございませんが、2についてはよろしいでしょうか。
 では、3に進みたいと思います。3の「労働者の健康情報の収集・保管・使用」という部分について御意見がありましたらお願いいたします。
○松本委員 前回のこの会で、核になるところの3の(4)のところが表になっていたのが、このようなグループ分けにされたのは非常にいいと思いました。ただ、これもわかりづらいところが少しあって、この内容を表にしていただいたほうが、よりわかりやすいと思います。文章で全て例として項目を出されていますけれども、とりあえず、今わかっている範囲内で全部書かれているでしょうから、対象となる健康情報の例も項目としてきちんと出してもらって、それに対しての簡単な、余り複雑にならない説明文書をつけたほうがわかりやすいと思います。それから、加工等とよく出てきますけれども、実際に50人から100人ぐらいの事業場の衛生委員会等のスタッフで、もともとそういった事業場では、どちらかというと現場のいろんなアクシデントなどの事例に追われて、なかなかこういった情報の取扱いについてしっかりしているところがないのが現状です。
 そういったことを考えると、加工等についてももう少ししっかりとした、わかりやすい文言でやらないと、現実的にはなかなかわかりづらいのかなあという感じがしております。これだけの内容なので、大きな事業場と小さな事業場では、原則的には変わらないというお話も元からありましたけれども、さりとて、衛生委員会等でこれだけの負担と責任があるわけですから、なるべくわかりやすい出し方をしていただければと思いました。よろしくお願いいたします。

○山口座長 事務局から、よろしいですか。この前みたいな例示でなくて、もうちょっと簡潔な表ということで、松本先生、よろしいですかね。
○松本委員 この本文に書かれている文章そのものはいいですけれども、これは少しわかりやすい表にしていただいたほうが、ぱっと見てわかりやすいのかなと思いました。よろしくお願いします。内容がよくないと言っているわけではないので。
○山口座長 では、事務局のほうで再度よろしくお願いいたします。ほかにはいかがでしょうか。
 土肥先生。
○土肥委員 済みません。(4)に話がいきましたので、(4)の文章の中で、理解が十分できないといいますか、(4)のマル1の下から3行目ですかね。「等の性質を踏まえ、全ての情報を事業者が取り扱う必要がある」という意味は、ここでいう、最初に書いてあるルールを定めて取り扱うということではないという意味なのか。つまり、例えば事業者A、事業者の上司にはちゃんとした情報を与えますと。でも、事業者の代理である人事に対しては情報を制限しますというようなことを、これはしてはいけないと書いてあることなのか、逆に、事業場内のルールがあればそういうことをしていいという解釈をするのかが、この文章では私には十分理解できないので、それはどのように理解したらいいか。全ての情報を事業者が取り扱う必要があるというと、ここに入っている情報は全て事業者に開放すべきであると見えてしまったので、そこら辺の解釈をお教えいただければと思います。
○松下係長 そちらに書いてある内容ですけれども、事業者として措置を講じる必要性があるものについては事業者が手に入れないといけないよというような趣旨で書いているもので、(4)のところというのは一応原則的な話として書いているものなので、ではルールをつくるときに絶対これから外れてはいけないかというとそういうものではないのですね。
○土肥委員 ということは、労働安全衛生法に基づいてルールをつくれば、その中で事業者を制限することについて構わないという理解をするということでよろしいですか。
○松下係長 さようでございます。
○山口座長 このマル1の例で挙げられていることは、ちょっと見逃しているかもしれないですが、これは全て事業者に対して出される情報ということですよね。だから、事業者に対して出される情報は制限のしようがないですよね。事業者に渡すためにつくっているわけですから。だから、それ以外に何かあればまたちょっと考えなくてはいけないと思うのですが。
○土肥委員 私が申し上げているのは、事業者という定義自体が非常に曖昧なので、逆にいいますと、事業者に全て渡すということは、その上司を含めて、人事を含めてあらゆる階層に対して情報を握ることを可能にするというのは、労働者に対する不適切な取扱いにつながったり、ほかの不利益な取扱いにつながるおそれがあるので、事業者というものをある一定レベルで制限したいと。そういうことはこの解釈では可能なのかということ。事業者には必ず渡さなければいけないので渡すのですけれども。
○山口座長 そこはむしろ、このガイドラインなり何かでき上がってくる成果物の中で、今、先生がおっしゃったようなことをきちっと書き込んだほうがいいということでよろしいのですかね。
○土肥委員 簡単にいいますと、マル1の情報についても、労働安全衛生法を遵守する中でルールをつくることを可能にしていただきたいということでございます。
○山口座長 私も賛成ですが、ほかの委員の皆さん、よろしいですか。
 では、事務局のほうで、今の趣旨に沿った形で修正をお願いしたいと思います。ほかにはいかがでしょうか。
 森先生。
○森委員 幾つかあるのですが、マル2のところは、これまで「可能である」というのを「適当である」としたという趣旨は、より積極的にこうあったほうが良いという話だと思います。しかし、この例示の中で、健康診断の受診・未受診の情報を、あえてそれを制限することが適当としていますが、健康診断の受診は事業者および労働者の両者に義務のかかっているものなので、これは制限しないほうが良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山口座長 ほかの委員の皆さんはいかがでしょうか。例の最初に出てくるところですね。受診・未受診の情報。森先生は、制限しなくてもと。
○森委員 制限しないというか、むしろ積極的にオープンにすべき情報かと私自身は思うのですが。
○山口座長 いかがでしょうか。
○土肥委員 発言が多くて申しわけない。理解が十分でないかもしれないですが、基本的にどういう根拠からマル1、マル2を分ける必要性が。どちらも「労働安全衛生法令に基づき、事業者が本人の同意を得ずに取得することが可能である」ものですよね。マル2は「同意を得ずに取得することが可能である」ものと、マル1は「事業者が取り扱うこととされており」という、このマル1とマル2というのは基本的に労働安全衛生法に基づき収集するということであれば、それを超えない範囲でルールを制定することは、マル1、マル2においてどちらも同じになれば、余り分ける必要はないような気がするのです。そこを分ける必要性があるという根拠はどういうところにあるのかなと思いました。
○森委員 私の解釈は、健康診断の結果そのものの生のデータを事業者が持たなくても、産業医がいて、そこで必要な情報を加工しても、事業者の責任が果たし得る情報がマル2に分類されていると理解したのですが、いかがでしょうか。
○土肥委員 それは、マル1の情報であってもそういう制限を、取扱いの中とかアクセスの制限をすることで可能ではないかと思うのですけれども。
○森委員 まとめても大丈夫だという話ですが。ただ、何が適切なのか、ガイドを書くときに、この分け方をしないと結果的に分かりにくいのではないかと思います。
○西野委員 これは前のものに比べたら相当整理されてわかりやすくなったと思うのですが、今のお話と関連して、マル1の一番下の「ただし」のところで、まさに健康診断の結果がマル2の原則で取り扱う必要があると書いてありますが、元の文は、マル2のほうにも、「健康診断の結果」という記載があったと思います。であれば「健康診断の結果」は、マル2のほうに初めから入れてしまったほうがいいのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○山口座長 今、「健康診断の結果」というのがマル2の例のところに入っていますね。そうでなくて、マル1には「健康診断の結果」というのがなかったように。
○西野委員 マル1の「ただし」のところ、「ただし、それらに付随する健康診断の結果等」とありますね。
○山口座長 ええ。それはマル2の原則に従って取り扱う必要が。
○西野委員 マル2のところでは、括弧で、例示で「健康診断の結果」というのがなくなっていますよね。
○山口座長 いや、入っています。
○西野委員 ごめんなさい。失礼しました。
○森委員 ほかのところでも、よろしいですか。
○山口座長 どうぞ。
○森委員 もう2点あるのですが、まずマル3のところで「再検査・精密検査」というところがありますが、再検査という言葉ですごくひっかかっています。私は、再検査と精密検査は、同じではないと理解していています。ただ、精密検査も再検査として医療保険を使ってしまっている実態があるので少し区別しにくくなっていると思いますが、法定項目と同じ検査項目を実施した場合を再検査としたときに、例えば血圧が高い場合に、事業場で血圧をもう一回確認するみたいな再検査は、健康診断の一部だと思うのです。それを医療機関に行って検査をすると恐らく医療になって、外の情報になるというので、ここでいう再検査の定義を明確にしなければならないのではないでしょうか。つまり、一定の範囲の再検査取扱いというのは健診の一部で、それ以外の再検査は精密検査とほぼ同じような性質を持っているというのが、実態に合わせるとそうなるのではないかと思います。再検査が全てマル3に入ってしまうのは不適当ではないかというのが1点目です。
 もう一点は、前も出たかもしれませんが、医療職種ってそもそも何なのかという定義をすべきだと思います、最近、産業保健にかかわる多職種連携の中でたくさんの人がかかわるようになっているので、ここでいう医療職種とは何か。私は、個人的には、その職種に法律で守秘義務がかかっているような職種に限定すべきだと思います。その定義もちょっとしておかないと拡大解釈されるのではないかと思います。これが2点目です。
○山口座長 森先生、最初の再検査ですけれども、例えば血圧は健康診断の会場ではかりますよね。高いから、もう一回はかろうというのを再検査ということもあり得ると、そういう意味ですか。
○森委員 はい。
○山口座長 でも、後日もう一回血圧はかることがありますよね。
○森委員 それが、例えば尿を検査しましたと。その日たまたま食事してきたので、もう一回空腹時で検査しましょうという再検査は健康診断の一部だと私は思っているのです。
○山口座長 わかりました。それは、労働安全衛生法上は私は含まれないと今まで勝手に思っていたのですけれども、法律上はいかがでしょうか。
○毛利産業保健支援室長 一応この再検査・精密検査というのも事後措置の中に書いてあるということですので、そういう言葉使いをそのまま適用するのであれば健診そのものではないと考えられるのですけれども、今、森委員からありましたとおり、確かにその辺を明確にしないと、人によって読み方が違うというのでは困りますので、そういうものとして受け取りたいと思います。
○山口座長 そうしますと、ここはあくまでも事後措置としての再検査・精密検査というふうに、もうちょっと明確に決めておいたほうがいいということですね。
○毛利産業保健支援室長 はい。
○山口座長 それから、医療職云々の話があったので。森先生の2つ目の、医療職をどうするかという。4ページの下のほうで衛生推進者の話も出てきて、小規模事業場で衛生推進者が取り扱うこともあり得るみたいな表現もあって。衛生推進者はやはり医療職ではないですよね。
○森委員 私は、衛生管理者も医療職でないと思っていて、個人情報との絡みでは過去に議論があったはずです。
○山口座長 そこはやはり明確にしたほうがいいと。例えば医師、歯科医師、保健師、看護師とか、そんな形で明確にしたほうがいいと。
○森委員 要は、なぜその人たちが持ってもいいか。その職業に守秘義務がかかっているからであり、さらにその情報をちゃんと理解して加工する能力があるからだと思います。そのような条件を満たす職種に限定すべきではないかと私は思っています。
○山口座長 ありがとうございます。そうしましたら、事務局にまたお願いですけれども、このマル2で制限を加えた際、でも、制限を加えるときには医療職に限らないですよね。見ていいみたいに制限をかけるのは。それは医療職に限ったほうがいいという趣旨でよろしいですか。
 いかがでしょうか、ほかの委員の皆様。
○土肥委員 健康情報全体としてどう取り扱うかという話でいけば、当然、医療職以外の人が一部の情報を見ることもあり得るのではないかと。例えば衛生管理者が特殊健康診断の状況を見るという、例えば要精査になりましたとか、そういうことを知ることもあり得るかもしれないので、一方的に制限してしまうというのも問題で、それは事業場内である程度決めたほうがいいと。ここに書いてあるところの医療職、今、森先生が指摘されたところの医療職は厳密に制限しておくべきだと思うのです。
○山口座長 加工するからですか。
○土肥委員 そうです。
○山口座長 そうしますと、この特にマル2について誰が、どういう方が見てよくて、どういう方は制限みたいなときに、それを具体的に決めたほうがいいと、決めるべしということをきちっと書いておくということでよろしいですかね。
 では、事務局のほうでその辺の追加をお願いしたいと思います。
○毛利産業保健支援室長 はい、了解しました。
○山口座長 ほかにはいかがでしょうか。
 土肥先生。
○土肥委員 3ページ目の一番最初のポツでございますけれども、これは「事業場として取得することとして労働者の同意を得られているもの」と、ここで事業場がいきなり出てきた理由は、これは事業者ではないかと思います。事業場というのは、なぜここで急に変わったのか、お教え願えればと思います。
○毛利産業保健支援室長 3ページ目の5行目ですね。「事業場」は「事業者」の間違いでございます。訂正いたします。申しわけございません。
○山口座長 次の(3)の最後にも「事業場の体制」、これは事業場のままでよろしいのですよね。
 そこのところ、ついでに申し上げるのですけれども、「合理的な措置を講じることが必要である」というのが、ここも多分、一体どんなものが合理的な措置なのかというあたりをもうちょっと具体化していったほうがいいように思いますが、その辺もガイドラインの中でちょっと御検討いただくということになるのだと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。
 増田委員。
○増田委員 瑣末な点ですが、ストレスチェックで高ストレスと判定された労働者が面接指導を申し出た後のストレスチェックの結果については本人の同意を得ずに取得してよいということになっていたかと思います。マル1かマル2、マル2のほうかなと思いますが、先ほど松本委員から、表にしたらという意見が出たので、この例示が残るかどうかわからないのですが、何らかの形で例示する際には列挙していただくべきかと思います。
 あともう一点、4ページのマル3のところで、先ほど岡村委員が少し触れていらっしゃった箇所ですが、「要配慮個人情報」に該当する場合が基本的に多いということですが、どうやって確認したらよいか、確認するための手段が今後提供できればいいと思います。手引きかガイドラインか、今後作成する予定のものの中で簡単に確認できるようなものを御検討いただけたらと思います。
 以上です。
○毛利産業保健支援室長 御意見承りました。
○土肥委員 済みません。ちょっと話が戻って申しわけないですが、再検査という言葉でございますけれども、私が考えている再検査というのは、事業者がお金を出して健康診断をやり直す意味で再検査というのであれば健康診断の中であって、健康保険を使ったり、本人の負担に基づいて検査をしていくものは事業者が行う健康診断ではないので、いわゆる健康診断の再検査ではなくて、事後措置として実施すべき再検査という整理をしているので、そこら辺も、もともと健康診断は事業者が費用を負担するということになっているものですから、基本は費用の負担をするどこかによって、健康診断の中としての再検査か、外としての再検査か分かれているのではないかと考えております。
 個人的な意見でございます。
○山口座長 ここのマル3は事後措置としての再検査と、健康診断の中に入らないという整理でよろしいですかね。
○土肥委員 だから、健康診断の中に入る再検査とは何かを考えなければいけなくなるので、事業者がお金を出して、事業者の指示に基づいて健康診断の一部をやり直していることについては、それは健康診断の中だという理解をすべきではないかなと思います。
○山口座長 それはちょっと法令解釈上の問題に立ち入るので、ちょっとここの委員会の役割を超えているような気もしますが、事務局的にその辺の整理を、では次回までにしていただくということでよろしいでしょうか。
○富賀見室長補佐 それほど難しい整理でないような気がしますので、ちょっと工夫して、できるようにしたいと思います。
○山口座長 お願いします。ほかにはいかがでしょうか。
○森委員 あと1点、恐らく、ガイドなどの中で意識すべきことかと思っていることがあります。現在議論している健康情報とは、健康情報が発生して、それを加工する、またはしないままで事業者に渡すという範囲になっています。それ以外に、就業制限がかかったような労働者の情報について、上司が異動になったときとか、組織が変わったりしたときに、すでに存在する個人情報が引き継がれるような場合があって、それが適切に行われないこと自体が問題になることがあります。これもおそらく個人情報の取扱いの範囲の話かと思いますので、今後ガイドなどを書くときに少しそこもイメージしていただけるといいなと思っています。
○山口座長 広くいうと、情報の伝達ということですかね。
 では、その辺も書き加えていただくということでお願いしたいと思います。よろしいですか。
○松下係長 (6)のところがちょうど「ルールに定めるべき事項」としてスタートしているので、その辺に書けばいいかなと思います。
○山口座長 お願いいたします。
 あと、私からよろしいでしょうか。
 (5)の5行目に新しくつけ加わったところで、「事業者が取り扱う情報を制限せずに事業者自らが適切に取り扱う方法」と。そういう方法もありますよという例示的な表現で書かれているのですが、これは選択肢として、前向きにこの検討の中で、こういうこともやっていいのですよというふうに出すという整理でよろしいのか、それとも、余り好ましくないということだったら余り例示として出さないほうがいいような気もしますけれども、この辺について、委員の皆さん、いかがでしょうか。4ページの下から8行目のところであります。
 どうぞ。
○西野委員 これは医療職といいますか、産業医さんとか衛生管理者も選任義務のない事業場なんかは50人未満ということになろうかと思いますが、そういうところだったら、結局は、事業者、それから衛生推進者しか扱う人がいないというか、当然そうなることになろうかと思いますけれども、つまるところ、その人たち、事業者、衛生推進者しか扱う人がいないわけですから、もうはっきりしているのは、衛生推進者なり事業者がそれなりの見識を持てるような状況をつくらないといけないと思うのですね。衛生管理者だったらまだ、勉強して試験を受けてということですが、衛生推進者はたしかそういうこともなかなかなかったのではなかろうかと思いますが、そのあたりを別途何らかの保障するような措置をとらないと難しいのかなという気がします。
○山口座長 これは提案ですけれども、意味は全く同じですが、今の表現では「事業場ごとに健康情報の取扱いのルールを定めた上で」云々かんぬんとなっているのですが、順番を逆にしたほうがいいのではないか。どういう意味かというと、「事業者が取り扱う情報を制限せず」云々から、衛生推進者に取り扱わせる方法等が考えられるが、事業場ごとに健康情報の取扱いのルールをきちっと定めることが必要だと。ここは、趣旨はそういう意味ですよね。だから、文章を逆にしたほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ほかにはいかがでしょうか。
 岡村先生、どうぞ。
○岡村委員 3ページの(4)の2行目の末尾のところから「個人情報の保護に関する法律等と整理をすると」というので始まっていて、例えばマル1の最初の黒ポツのところに「使用目的が」と書いてあって、他にも「使用目的」という語が4ページに至るまで複数出てくるのですけれども、これは、個人情報保護法で言えば「利用目的」という言い方をしていますので、それと統一したほうが誤解なくていいのかなと思ったりいたします。
 現に、参考資料8、雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項の3ページを見ても、「利用目的」と書いてありますので、もし何らか別の理由があって「使用目的」という言葉をあえてお使いになるのであれば、それを注かなんかで書いておいていただいたらいいですし、そうでなくてということであれば、できるだけ統一を図っていただければと存じます。
○毛利産業保健支援室長 今出ましたようなワーディングにつきましては、最終的に出す前に、しっかりチェック、統一を図るということにしたいと思います。
○山口座長 ほかにはいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、3が終わって、次、4のところは特に大きな修正はなかったと思いますが、ここについてはいかがでしょうか。5ページの「労働者の健康情報の適正管理」というところですが、何か御意見ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 前のほうに戻ってでも構いませんので、何か御意見ありましたら。
 よろしいでしょうか。
 最後の6ページの四角は特に変更ございませんが。「今後の検討に当たって」というところですね。ここも含めて、全体、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、最後まで皆様の御意見をいただいたということで、次回が6月25日だったですかね。きょういただいた御意見、どちらかというと、もう収束に向かうような御意見が多かったと思いますので、次回に何となくとりまとまるといいなあという、そういう流れでよろしいですかね。もう少し自由な議論を続けますか。事務局的にはいかがでしょうか。
○富賀見室長補佐 この骨子案の形では、一応きょうの意見を反映した形のを次回まで出させてもらって、それを見てもらって、また意見をいただきたいと思います。次からちょっと文案にしていきたいと思います。次回までこの形でさせていただければと思います。
○山口座長 ありがとうございます。そういう方針でということでありますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 では、ディスカッションを終えまして、事務局に戻したいと思います。
○秋山室長補佐 本日も熱心な御議論、どうもありがとうございました。
 本日いただきました御意見については、事務局で整理させていただきまして、次回の議論につなげていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次回は6月25日を予定しておりますけれども、改めて日程について事務局より御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 また、本日の議事録でございますが、過去2回と同様に、委員の皆さんに確認いただいた上で公開することとさせていただきますので、御了承のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の検討会はこれで閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
○山口座長 どうもお疲れさまでした。


(了)

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